(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】車両用照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 43/19 20180101AFI20220621BHJP
F21S 43/20 20180101ALI20220621BHJP
F21S 41/19 20180101ALI20220621BHJP
F21K 9/20 20160101ALI20220621BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20220621BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20220621BHJP
F21S 41/20 20180101ALI20220621BHJP
B60Q 3/50 20170101ALI20220621BHJP
F21W 102/00 20180101ALN20220621BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20220621BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20220621BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20220621BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220621BHJP
F21W 107/13 20180101ALN20220621BHJP
F21W 106/00 20180101ALN20220621BHJP
【FI】
F21S43/19
F21S43/20
F21S41/19
F21K9/20
F21V17/00 153
F21V17/00 152
H01L33/00 L
F21S41/20
B60Q3/50
F21W102:00
F21W103:35
F21W103:20
F21W103:00
F21Y115:10 500
F21W107:13
F21W106:00
(21)【出願番号】P 2017249426
(22)【出願日】2017-12-26
【審査請求日】2020-08-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】池辺 翔太
(72)【発明者】
【氏名】溝口 智宏
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-004248(JP,A)
【文献】特開2008-204665(JP,A)
【文献】特開2004-178997(JP,A)
【文献】米国特許第06083050(US,A)
【文献】米国特許第04603278(US,A)
【文献】特開2006-165268(JP,A)
【文献】特開2013-105652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/00
F21S 41/00
F21K 9/20
F21V 17/00
H01L 33/00
B60Q 3/50
F21W 107/13
F21W 106/00
F21W 103/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と;
前記第1の基板の第1の面に設けられた発光素子と;
前記第1の基板の前記第1の面とは反対側の第2の面に接続され、前記第2の面と交差する方向に延びる第2の基板と;
前記第1の基板と、前記第2の基板の接続部分において、前記第1の基板に設けられた第1の配線パターンと、前記第2の基板に設けられた第2の配線パターンとを電気的および機械的に接続する接続部と;
を具備し、
前記第2の配線パターンの、前記接続部側とは反対側の端部は、前記第2の基板の、前記第1の基板側とは反対側の端部の近傍に設けられ、
前記第2の基板の、前記第1の基板側とは反対側の端部を、車両用灯具のソケットに挿入した際に、前記第2の配線パターンの、前記接続部側とは反対側の端部が、前記ソケットの端子と電気的に直接接続され
、
前記第2の基板に設けられた第1の凸部が、前記第1の基板に設けられ、前記第1の凸部に適合する第1の凹部の内部に設けられ、
前記第1の凸部、および前記第1の凹部は、複数組設けられ、
一部の前記第1の凸部は、残りの前記第1の凸部とは、断面形状、大きさ、および、前記第1の基板の中心からの距離の少なくともいずれかが異なる、
または、
一部の前記第1の凹部は、残りの前記第1の凹部とは、断面形状、大きさ、および、前記第1の基板の中心からの距離の少なくともいずれかが異なる車両用照明装置。
【請求項2】
第1の基板と;
前記第1の基板の第1の面に設けられた発光素子と;
前記第1の基板の前記第1の面とは反対側の第2の面に接続され、前記第2の面と交差する方向に延びる第2の基板と;
前記第1の基板と、前記第2の基板の接続部分において、前記第1の基板に設けられた第1の配線パターンと、前記第2の基板に設けられた第2の配線パターンとを電気的および機械的に接続する接続部と;
を具備し、
前記第2の配線パターンの、前記接続部側とは反対側の端部は、前記第2の基板の、前記第1の基板側とは反対側の端部の近傍に設けられ、
前記第2の基板の、前記第1の基板側とは反対側の端部を、車両用灯具のソケットに挿入した際に、前記第2の配線パターンの、前記接続部側とは反対側の端部が、前記ソケットの端子と電気的に直接接続され
、
前記第1の基板に設けられた第2の凸部が、前記第2の基板に設けられ、前記第2の凸部に適合する第2の凹部の内部に設けられ、
前記第2の凸部、および前記第2の凹部は、複数組設けられ、
一部の前記第2の凸部は、残りの前記第2の凸部とは、断面形状、大きさ、および、前記第1の基板の中心からの距離の少なくともいずれかが異なる、
または、
一部の前記第2の凹部は、残りの前記第2の凹部とは、断面形状、大きさ、および、前記第1の基板の中心からの距離の少なくともいずれかが異なる車両用照明装置。
【請求項3】
前記第2の基板に設けられ、前記第2の配線パターンを覆う被覆部をさらに備え、
前記第2の配線パターンの、前記接続部側とは反対側の前記端部は、前記被覆部から露出している請求項1
または2に記載の車両用照明装置。
【請求項4】
前記第1の配線パターン、および前記第2の配線パターンの少なくともいずれかに電気的に接続された回路素子をさらに備えた請求項1
~3のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
【請求項5】
前記接続部は、半田を含む請求項1~
4のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
【請求項6】
前記第1の基板の前記第1の面側を覆う第1のカバーをさらに具備した請求項1~
5のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
【請求項7】
前記第1の基板の前記第2の面側を覆う第2のカバーおよび第3のカバーをさらに具備し、
前記第2のカバーの前記第2の基板側の端部には第1の切り欠きが設けられ、
前記第3のカバーの前記第2の基板側の端部には第2の切り欠きが設けられ、
前記第1の切り欠きと前記第2の切り欠きとにより形成された空間には、前記第2の基板が収納される請求項
6記載の車両用照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
口金を有さないウェッジベース電球が車両用照明装置として用いられている。ウェッジベース電球は白熱電球である。そのため、省電力化、長寿命化などの観点から、ウェッジベース電球は、発光ダイオードを備えた車両用照明装置と置き換えられるようになってきている。
この場合、発光ダイオードを備えた車両用照明装置が、ウェッジベース電球が装着されていたソケットにそのまま装着できるようにすることが好ましい。そのため、発光ダイオードを備えた車両用照明装置のリードは、ウェッジベース電球のリードと同じ形状と寸法を有している。すなわち、発光ダイオードを備えた車両用照明装置のリードは、装着部に沿ってU字状に折り曲げられている。
【0003】
ところが、棒状の導電部材を装着部に沿ってU字状に折り曲げるのは困難である。そのため、装着部に設けられた溝に棒状の導電部材を差し込んで、リードとする技術が提案されている。
しかしながら、装着部に設けられた溝に棒状の導電部材を差し込むようにすると、棒状の導電部材が曲がったり、装着部が破損したりするおそれがある。この場合、溝の断面寸法を大きくすれば、棒状の導電部材が曲がったり、装着部が破損したりするのを抑制することができる。ところが、溝の断面寸法を大きくしすぎると、車両用照明装置を車両用灯具のソケットに装着した際にリードの位置が変わり接触不良などが発生するおそれがある。
また、発光ダイオードが設けられた基板を取り付ける筐体などが必要となるので、車両用照明装置の構成が複雑となる。
【0004】
そこで、簡易な構成を有し、且つ、車両用灯具のソケットの端子との電気的な接続に対する信頼性を向上させることができる車両用照明装置の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、簡易な構成を有し、且つ、車両用灯具のソケットの端子との電気的な接続に対する信頼性を向上させることができる車両用照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る車両用照明装置は、第1の基板と;前記第1の基板の第1の面に設けられた発光素子と;前記第1の基板の前記第1の面とは反対側の第2の面に接続され、前記第2の面と交差する方向に延びる第2の基板と;前記第1の基板と、前記第2の基板の接続部分において、前記第1の基板に設けられた第1の配線パターンと、前記第2の基板に設けられた第2の配線パターンとを電気的および機械的に接続する接続部と;を具備している。前記第2の配線パターンの、前記接続部側とは反対側の端部は、前記第2の基板の、前記第1の基板側とは反対側の端部の近傍に設けられ、前記第2の基板の、前記第1の基板側とは反対側の端部を、車両用灯具のソケットに挿入した際に、前記第2の配線パターンの、前記接続部側とは反対側の端部が、前記ソケットの端子と電気的に直接接続される。前記第2の基板に設けられた第1の凸部が、前記第1の基板に設けられ、前記第1の凸部に適合する第1の凹部の内部に設けられ、前記第1の凸部、および前記第1の凹部は、複数組設けられ、一部の前記第1の凸部は、残りの前記第1の凸部とは、断面形状、大きさ、および、前記第1の基板の中心からの距離の少なくともいずれかが異なる、または、一部の前記第1の凹部は、残りの前記第1の凹部とは、断面形状、大きさ、および、前記第1の基板の中心からの距離の少なくともいずれかが異なる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、簡易な構成を有し、且つ、車両用灯具のソケットの端子との電気的な接続に対する信頼性を向上させることができる車両用照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】(a)は、本実施の形態に係る車両用照明装置を例示するための模式図である。(b)は、(a)において車両用照明装置をA方向から見た模式図である。(c)は、において車両用照明装置1をB方向から見た模式図である。
【
図2】(a)、(b)は、位置決め部を例示するための模式図である。
【
図3】(a)、(b)は、他の実施形態に係る位置決め部を例示するための模式図である。
【
図4】(a)、(b)は、他の実施形態に係るカバーを例示するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0011】
本実施の形態に係る車両用照明装置1は、例えば、二輪車(オートバイ)、四輪車(自動車)、鉄道車両などに設けることができる。二輪車や四輪車に設けられる車両用照明装置1としては、例えば、制動灯、方向指示灯、尾灯、あるいは室内灯などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
【0012】
図1(a)は、本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式図である。
図1(b)は、
図1(a)において車両用照明装置1をA方向から見た模式図である。
図1(c)は、
図1(a)において車両用照明装置1をB方向から見た模式図である。
図1(a)~(c)に示すように、車両用照明装置1には、発光部2、装着部3、接続部4、位置決め部5、およびカバー6(第1のカバーの一例に相当する)が設けられている。
【0013】
発光部2は、基板21(第1の基板の一例に相当する)および発光素子22を有する。
基板21は、平板状を呈している。基板21の平面形状には特に限定がない。基板21の平面形状は、例えば、円、多角形などとすることができる。例えば、
図1(a)~(c)に例示をした基板21の平面形状は、八角形である(
図2(a)を参照)。基板21の平面寸法(外形寸法)には特に限定はないが、基板21の平面寸法は、ウェッジベース電球の該当部分の外形寸法となるべく同じにすることが好ましい。この様にすれば、既存のウェッジベース電球を車両用照明装置1に置き換えるのが容易となる。
【0014】
基板21の材料や構造には特に限定はない。例えば、基板21は、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものであってもよい。なお、金属板の表面を絶縁性材料で被覆する場合には、絶縁性材料は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。
【0015】
発光素子22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものなどを例示することができる。高熱伝導性樹脂は、例えば、樹脂と無機材料からなるフィラーを含む。高熱伝導性樹脂は、例えば、樹脂に、酸化アルミニウムなどからなるフィラーを混合させたものとすることができる。
【0016】
また、基板21は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
基板21の第1の面21a、および第1の面21aとは反対側の第2の面21bには配線パターンが設けられている。基板21の第1の面21aに設けられた配線パターンと、基板21の第2の面21bに設けられた配線パターンとは、基板21の厚み方向を貫通する貫通ビアにより電気的に接続されている。
また、基板21には、配線パターンを覆う被覆部を設けることができる。被覆部は、絶縁性を有する。被覆部は、例えば、白レジストなどの有機材料からなる膜とすることもできるし、ガラスなどの無機材料からなる膜とすることもできる。
【0017】
発光素子22は、基板21の第1の面21aに設けられている。発光素子22は、第1の面21aに設けられた配線パターンと電気的に接続されている。発光素子22は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
【0018】
発光素子22の形式には特に限定はない。
発光素子22は、例えば、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型などの表面実装型の発光素子とすることができる。なお、
図1(a)~(c)に例示をした発光素子22は、表面実装型の発光素子である。
発光素子22は、例えば、砲弾型などのリード線を有する発光素子とすることもできる。
【0019】
また、発光素子22は、COB(Chip On Board)により実装されるものとすることができる。COBにより実装される発光素子22とする場合には、チップ状の発光素子22と、発光素子22と配線パターンを電気的に接続する配線と、発光素子22と配線を囲む枠状の部材と、枠状の部材の内部に設けられた封止部などを基板21の上に設けることができる。なお、枠状の部材が設けられない場合には、基板21の上にドーム状の封止部が設けられる。
【0020】
封止部には、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。ただし、蛍光体の種類は、例示をしたものに限定されるわけではない。蛍光体の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0021】
発光素子22の光の出射面は、車両用照明装置1の正面側(第1の面21aに垂直な方向)に向けられている。発光素子22は、主に、車両用照明装置1の正面側に向けて光を出射する。
発光素子22の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、車両用照明装置1の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。
【0022】
装着部3は、基板31(第2の基板の一例に相当する)および回路素子32を有する。
基板31は、基板21の第2の面21bに接続されている。基板31は、基板21の第2の面21bと交差する方向に延びている。基板31は、平板状を呈している。基板31の平面形状には特に限定がない。基板31の平面形状は、例えば、四角形とすることができる。例えば、
図1(a)~(c)に例示をした基板31の平面形状は、長方形である。基板31の平面寸法(外形寸法)と厚みには特に限定はないが、これらの寸法は、ウェッジベース電球の該当部分の寸法(車両用灯具のソケットに装着する部分の寸法)となるべく同じにすることが好ましい。この様にすれば、既存のウェッジベース電球を車両用照明装置1に置き換えるのが容易となる。
【0023】
基板31の材料は、前述した基板21の材料と同様とすることができる。この場合、基板31の材料は、基板21の材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。基板31は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
【0024】
基板31には、配線パターン31aおよび配線パターン31bが設けられている。
配線パターン31aは、発光素子22の一方の電極と電気的に接続されている。基板31の一方の面に設けられた配線パターン31aと、基板31の他方の面に設けられた配線パターン31aとは、基板31の厚み方向を貫通する貫通ビア31a1により電気的に接続されている。
配線パターン31bは、発光素子22の他方の電極と電気的に接続されている。基板31の一方の面に設けられた配線パターン31bと、基板31の他方の面に設けられた配線パターン31bとは、基板31の厚み方向を貫通する貫通ビア31b1により電気的に接続されている。
【0025】
また、基板31には、配線パターン31a、31bを覆う被覆部31cを設けることができる。被覆部31cは、絶縁性を有する。被覆部31cは、例えば、白レジストなどの有機材料からなる膜とすることもできるし、ガラスなどの無機材料からなる膜とすることもできる。
【0026】
基板31の、基板21側とは反対側の端部の近傍においては、配線パターン31aの一部が被覆部31cから露出している。被覆部31cから露出している部分31a2は、車両用灯具のソケットの端子と電気的に接続される。
基板31の、基板21側とは反対側の端部の近傍においては、配線パターン31bの一部が被覆部31cから露出している。被覆部31cから露出している部分31b2は、車両用灯具のソケットの端子と電気的に接続される。
この様にすれば、車両用照明装置1を車両用灯具のソケットに装着した際に、電気的な接続を行う部分の位置が変わるのを抑制することができる。そのため、車両用灯具のソケットの端子との電気的な接続に対する信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る車両用照明装置1とすれば、棒状の導電部材(リード)や、発光部を取り付ける筐体などを省くことができる。そのため、簡易な構成を有する車両用照明装置1とすることができる。
【0027】
回路素子32は、例えば、抵抗、コンデンサ、インダクタ、ダイオード、トランジスタ、集積回路などとすることができる。集積回路は、例えば、点滅回路、定電流回路、点灯回路(駆動回路)の少なくともいずれかを有するものとすることができる。なお、回路素子32の種類は例示をしたものに限定されるわけではなく、車両用照明装置1の用途や仕様などに応じて適宜選択することができる。
なお、
図1(a)、(c)に例示をした回路素子32は、抵抗32aとダイオード32bである。
【0028】
抵抗32aは、配線パターン31bと電気的に接続されている。なお、抵抗32aは、配線パターン31aと電気的に接続されていてもよい。
抵抗32aは、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。なお、
図1(a)、(c)に例示をした抵抗32aは、膜状の抵抗器である。
膜状の抵抗器の材料は、例えば、酸化ルテニウム(RuO
2)とすることができる。膜状の抵抗器は、例えば、スクリーン印刷法および焼成法を用いて形成することができる。抵抗32aが膜状の抵抗器であれば、抵抗32aと基板31との接触面積を大きくすることができるので、放熱性を向上させることができる。また、複数の抵抗32aを設ける場合には、複数の抵抗32aを一度に形成することができる。そのため、生産性を向上させることができ、また、複数の抵抗32aにおける抵抗値のばらつきを抑制することができる。
【0029】
ここで、発光素子22の順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード端子と、グランド端子と、の間の印加電圧を一定にすると、発光素子22から照射される光の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子22から照射される光の明るさが所定の範囲内に収まるように、抵抗32aにより、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。この場合、抵抗32aの抵抗値を変化させることで、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。
【0030】
抵抗32aが表面実装型の抵抗器やリード線を有する抵抗器などの場合には、発光素子22の順方向電圧特性に応じて適切な抵抗値を有する抵抗32aを選択する。
抵抗32aが膜状の抵抗器の場合には、抵抗32aの一部を除去して除去部を形成する。そして、除去部の大きさなどにより、抵抗32aの抵抗値を変化させる。この場合、除去部を形成すれば、抵抗値は増加することになる。例えば、抵抗32aにレーザ光を照射すれば除去部を容易に形成することができる。
抵抗32aの数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。例えば、抵抗32aは、基板31の他方の面に設けることもできるし、基板31の両面に設けることもできるし、基板21に設けることもできる。
【0031】
ダイオード32bは、配線パターン31aと電気的に接続されている。なお、ダイオード32bは、配線パターン31bと電気的に接続されていてもよい。
ダイオード32bは、逆方向電圧が発光素子22に印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子22に印加されないようにするために設けられている。ダイオード32bは、例えば、表面実装型のダイオードや、リード線を有するダイオードなどとすることができる。
図1(a)、(c)に例示をしたダイオード32bは、表面実装型のダイオードである。
【0032】
ダイオード32bの数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。例えば、ダイオード32bは、基板31の他方の面に設けることもできるし、基板31の両面に設けることもできるし、基板21に設けることもできる。
【0033】
この様に、回路素子32は、基板21および基板31の少なくともいずれかに設けることができる。そのため、回路素子32の数や種類を増加させたり、サイズの大きい回路素子32を設けたりするのが容易となる。
なお、回路素子32は必ずしも必要ではなく、必要に応じて設けるようにすればよい。
【0034】
接続部4は、導電性を有し、基板21と基板31の接続部分に肉を盛るように設けることができる。接続部4は、基板21と基板31の接続部分において、基板21に設けられた配線パターンと、基板31に設けられた配線パターン31a、31bとを電気的および機械的に接続する。基板21と基板31は、配線パターンおよび接続部4を介して機械的に接続される。
接続部4は、例えば、半田や導電性接着剤などが硬化することで形成されたものとすることができる。すなわち、接続部4は、半田や導電性樹脂を含むことができる。
接続部4の数、配置、大きさなどは例示をしたものに限定されるわけではなく、車両用照明装置1の大きさなどに応じて適宜変更することができる。
また、基板31の端面と、基板21の第2の面21bとをさらに接着してもよい。基板31の端面と、基板21の第2の面21bとを接着すれば、基板21と基板31の機械的な接続強度をさらに向上させることができる。
【0035】
位置決め部5は、発光部2(基板21)と装着部3(基板31)の位置を決める。
例えば、基板21および基板31のいずれか一方が、基板21および基板31のいずれか他方の内部に入り込むようにすることができる。
図2(a)、(b)は、位置決め部5を例示するための模式図である。
図2(a)は基板21の模式平面図、
図2(b)は基板31の模式平面図である。なお、煩雑となるのを避けるために、配線パターンなどは省いて描いている。
【0036】
図2(a)、(b)に示すように、位置決め部5は、基板21に設けられた凹部5aと、基板31の、基板21側の端面に設けられ凹部5aの内部に挿入される凸部5bとすることができる。
発光部2(基板21)と装着部3(基板31)を接続する際には、凸部5bが凹部5aの内部に挿入されることで、発光部2(基板21)と装着部3(基板31)の位置を決めることができる。そのため、発光部2と装着部3との間の位置精度、ひいては、発光素子22と車両用灯具のソケットとの間の位置精度を向上させることができる。
【0037】
ここで、発光素子22には極性がある。そのため、基板21の中心からズレた位置に凹部5aを設け、これに対応する位置に凸部5bを設けるようにすることが好ましい。この様にすれば、発光部2(基板21)と装着部3(基板31)とを接続する際に、プラスとマイナスが逆に接続されるのを防止することができる。
なお、基板21に凹部5aを設け、基板31に凸部5bを設ける場合を例示したが、基板21に凸部を設け、基板31に凹部を設けてもよい。
すなわち、基板31に設けられた第1の凸部が、基板21に設けられ、第1の凸部に適合する第1の凹部の内部に設けられるようにすることができる。基板21に設けられた第2の凸部が、基板31に設けられ、第2の凸部に適合する第2の凹部の内部に設けられるようにすることができる。
また、凹部5aは、基板21の周縁に開口していなくてもよいし、基板21の厚み方向を貫通していなくてもよい。
また、凹部5aと凸部5bとの間には隙間があってもよいし、凸部5bが凹部5aに圧入されるようにしてもよい。
また、凸部5bは基板31の一部とすることもできるし、基板31とは別の部材とすることもできる。例えば、凸部5bは基板31の端面に圧入されたピンなどとすることもできる。ただし、凸部5bが基板31の一部であれば、製造コストの低減を図ることができる。
【0038】
図3(a)、(b)は、他の実施形態に係る位置決め部5を例示するための模式図である。
図3(a)は基板21の模式平面図、
図3(b)は基板31の模式平面図である。なお、煩雑となるのを避けるために、配線パターンなどは省いて描いている。
図3(a)、(b)に示すように、位置決め部5は複数組設けることができる。複数組の位置決め部5を設ければ、位置決め精度を向上させることができる。ところが、単に、複数組の位置決め部5を設ければ、前述したプラスとマイナスが逆に接続されることが発生し得る。
そのため、複数組の位置決め部5を設ける場合には、一部の凸部(凹部)の断面形状、大きさ、および、基板21の中心からの距離の少なくともいずれかが、他の凸部(凹部)のものと異なるようにすることが好ましい。例えば、
図3(a)、(b)に例示をしたものの場合には、凸部5b1(凹部5a1)の断面形状、大きさ、および基板21の中心からの距離が、凸部5b(凹部5a)のものと異なっている。この様にすれば、基板21と基板31を接続する際に、基板31が誤った向きに接続されるのを防止することができる。
【0039】
図1(a)~(c)に示すように、カバー6は、基板21の第1の面21a側を覆っている。カバー6は、基板21の表面に設けられた発光素子22や配線パターンなどを保護するために設けられている。
カバー6は、透光性を有する材料から形成されている。透光性を有する材料は、例えば、透明樹脂などとすることができる。透明樹脂は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などとすることができる。
【0040】
また、カバー6は、光の拡散や散乱などの機能を有していてもよい。例えば、カバー6の内面に酸化チタンなどの拡散材を塗布したり、拡散材が混合された材料からカバー6を形成したりすることができる。また、カバー6は、レンズやリフレクタなどの機能を有していてもよい。すなわち、カバー6は、発光素子22などを保護する機能と配光特性などを制御する機能を併せ持つものとすることができる。
【0041】
カバー6は、基板21に設けることができる。例えば、カバー6の基板21側の端部を基板21に接着したり、カバー6に設けられた爪によりカバー6が基板21に保持されるようにすることができる。
【0042】
図4(a)、(b)は、他の実施形態に係るカバー16を例示するための模式図である。
なお、
図4(b)は
図4(a)におけるカバー16b、16cのC-C線方向の模式断面図である。
図4(a)に示すように、カバー16は、カバー16a(第1のカバーの一例に相当する)、カバー16b(第2のカバーの一例に相当する)、およびカバー16c(第3のカバーの一例に相当する)を有する。
【0043】
カバー16aは、基板21の第1の面21a側を覆っている。カバー16aの機能、材料、形状などは、前述したカバー6と同様とすることができる。
カバー16b、およびカバー16cは、基板21の第2の面21b側を覆っている。
カバー16b、およびカバー16cの材料は、カバー6の材料と同じとすることもできるし、カバー6の材料と異なるものとすることもできる。例えば、カバー16b、およびカバー16cの材料は、透光性を有する樹脂とすることもできるし、透光性を有さない樹脂とすることもできる。
【0044】
図4(a)、(b)に示すように、カバー16bの基板31側の端部には、切り欠き16b1(第1の切り欠きの一例に相当する)が設けられている。カバー16cの基板31側の端部には、切り欠き16c1(第2の切り欠きの一例に相当する)が設けられている。切り欠き16b1と切り欠き16c1とにより形成された空間には、基板31が収納される。
【0045】
カバー16a、カバー16b、およびカバー16cは互いに接続される。この場合、カバー16a、カバー16b、およびカバー16cを互いに接着することもできるし、爪などによりカバー16a、カバー16b、およびカバー16cが互いに保持されるようにすることもできる。また、カバー16a、カバー16b、およびカバー16cの少なくともいずれかが基板21に固定されるようにすることもできる。カバー16bおよびカバー16cの少なくともいずれかが基板31に固定されるようにすることもできる。
【0046】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 車両用照明装置、2 発光部、3 装着部、4 接続部、5 位置決め部、5a 凹部、5b 凸部、5a1 凹部、5b1 凸部、6 カバー、16 カバー、16a カバー、16b カバー、16b1 切り欠き、16c カバー、16c1 切り欠き、21 基板、21a 第1の面、21b 第2の面、22 発光素子、31 基板、31a 配線パターン、31b 配線パターン、31c 被覆部、32 回路素子、32a 抵抗、32b ダイオード