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特許7091701血圧測定装置、血圧測定方法およびプログラム、呼吸支援装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】血圧測定装置、血圧測定方法およびプログラム、呼吸支援装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/022 20060101AFI20220621BHJP
【FI】
A61B5/022 400L
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018029889
(22)【出願日】2018-02-22
(65)【公開番号】P2019141405
(43)【公開日】2019-08-29
【審査請求日】2021-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】松岡 和
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/179698(WO,A1)
【文献】特開2006-212218(JP,A)
【文献】国際公開第2016/035460(WO,A1)
【文献】特表2012-502671(JP,A)
【文献】特開平01-027535(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02-5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の血圧を測定する血圧測定部と、
前記血圧測定部により測定された血圧の変動を監視し、当該血圧が予め設定されたしきい値以下に所定時間以上連続して低下した場合に、前記血圧の変動を睡眠時無呼吸症候群の発症と関連する血圧上昇の前兆と推定する前兆推定部と、
前記前兆推定部により前記前兆が推定された場合に、装置外部へ前兆通知信号を出力する信号出力部と
を具備する血圧測定装置。
【請求項2】
前記血圧測定部は、1心拍ごとに前記被検者の血圧を測定する、請求項1記載の血圧測定装置。
【請求項3】
前記前兆推定部は、前記測定された血圧が予め設定されたしきい値以下に所定時間以上連続して低下し、しかる後上昇に転じた場合に、前記血圧の変動を睡眠時無呼吸症候群の発症に伴う血圧上昇の前兆と推定する、請求項1または2記載の血圧測定装置。
【請求項4】
前記信号出力部は、前記前兆通知信号として、前記睡眠時無呼吸症候群の対策として持続陽圧呼吸療法を実施する呼吸支援装置に対し起動信号を出力する、請求項1乃至3のいずれかに記載の血圧測定装置。
【請求項5】
被検者の血圧を測定する装置により実行される血圧測定方法であって、
前記被検者の血圧を測定する過程と、
測定する前記過程により測定された血圧の変動を監視し、当該血圧が予め設定されたしきい値以下に所定時間以上連続して低下した場合に、前記血圧の変動を睡眠時無呼吸症候群の発症と関連する血圧上昇の前兆と推定する過程と、
前記血圧上昇の前兆が推定された場合に装置外部へ前兆通知信号を出力する過程と
を具備する血圧測定方法。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載の血圧測定装置が備える各部としてプロセッサを機能させるプログラム。
【請求項7】
請求項3に記載の血圧測定装置に対し信号伝送路を介して接続される呼吸支援装置であって、
前記被検者に対し、睡眠時無呼吸症候群対策として持続陽圧呼吸療法のための動作を実行する装置本体と、
前記血圧測定装置から前記信号伝送路を介して伝送された起動信号を受信する信号受信部と、
待機状態では前記装置本体の前記動作を停止させ、前記起動信号の受信に応じて前記装置本体の前記動作を開始させる制御部と
を具備する、呼吸支援装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記装置本体の動作を開始させた後、予め設定した時間が経過した時点で前記動作を停止させる、請求項7記載の呼吸支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、被検者の血圧を測定する血圧測定装置、血圧測定方法およびプログラムと、この血圧測定装置と共に使用される呼吸支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
睡眠時に呼吸停止または低呼吸になる病気が知られている。この病気は、睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome;SAS)と呼ばれる。睡眠時無呼吸症候群は、就寝中の意識覚醒の反復とそれによる脳の不眠、昼間の耐えがたい眠気等の諸症状を発症し、悪化すると自動車運転時の事故リスクや心疾患および生活習慣病の発症リスクが高まり、非常に好ましくない。
【0003】
睡眠時無呼吸症候群の対策としては、例えば持続陽圧呼吸療法(Continuous Positive Airway Pressure;CPAP)が知られている。CPAPを実施する装置(以後CPAP装置と称する)は、例えば利用者の鼻にマスクを装着し、ネーザルシーバ装置より上記マスクにチューブを介して加圧された陽圧空気を送ることで、舌根の周囲の軟部組織を拡張して吸気時の気道狭窄を防止するものである。また、バッテリ駆動型のポンプと送気部とを一体化した小型のマイクロポンプ型の装置を鼻腔に装着して陽圧の空気を送り込むものも知られている。このマイクロポンプ型の装置はマスクやチューブ、電源コード等が不要なため、利用者の負担が少ないという利点を有している(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2015/267695号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、CPAP装置はマスク型およびマイクロポンプ型のいずれも、睡眠中に常時送気動作を行うように構成されているため、睡眠中の電力消費が大きくなり、また静粛性にも課題が残る。このうち消費電力の増加は、特に電源としてバッテリを使用するマイクロポンプ型の装置の場合に、バッテリの消耗により睡眠中に動作停止を招くおそれがあり非常に好ましくない。また、睡眠中の動作停止を防止するには大容量のバッテリを用意する必要があり、装置の大型化および重量化が避けられない。一方、静粛性の面では、マスク型であってもまたマイクロポンプ型であっても、睡眠時間中に常時ポンプが動作して空気を放出することにより騒音が発生し、本人および周辺の人々の睡眠の妨げになる場合がある。
【0006】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、持続陽圧呼吸療法を実施する呼吸支援装置の消費電力の低減と静粛性の向上を図った血圧測定装置、血圧測定方法およびプログラム、呼吸支援装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためにこの発明の第1の態様は、血圧測定装置が、被検者の血圧を測定する血圧測定部と、前記血圧測定部により測定された血圧の変動を監視し、当該血圧が予め設定されたしきい値以下に所定時間以上連続して低下した場合に、前記血圧の変動を睡眠時無呼吸症候群の発症と関連する血圧上昇の前兆と推定する前兆推定部と、前記前兆推定部により前記前兆が推定された場合に装置外部へ前兆信号を出力する信号出力部とを備えるようにしたものである。
【0008】
この発明の第2の態様は、前記血圧測定部が、1心拍ごとに前記被検者の血圧を測定するようにしたものである。
【0009】
この発明の第3の態様は、前記前兆推定部が、前記測定された血圧が予め設定されたしきい値以下に所定時間以上連続して低下し、しかる後上昇に転じた場合に、前記血圧の変動を睡眠時無呼吸症候群の発症に伴う血圧上昇の前兆と推定するようにしたものである。
【0010】
この発明の第4の態様は、前記信号出力部が、前記前兆通知信号として、前記睡眠時無呼吸症候群対策として持続陽圧呼吸療法を実施する呼吸支援装置に対し起動信号を出力するようにしたものである。
【0011】
この発明の第5の態様は、前記第3の態様に記載された血圧測定装置に対し信号伝送路を介して接続される呼吸支援装置であって、呼吸支援装置が、被検者に対し睡眠時無呼吸症候群対策として持続陽圧呼吸療法のための動作を実行する装置本体と、前記血圧測定装置から前記信号伝送路を介して伝送された起動信号を受信する信号受信部と、待機状態では前記装置本体の前記動作を停止させ、前記起動信号の受信に応じて前記装置本体の前記動作を開始させる制御部とを備えるようにしたものである。
【0012】
この発明の第6の態様は、前記制御部が、前記装置本体の動作を開始させた後、予め設定した時間が経過した時点で前記動作を停止させるようにしたものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明の第1の態様によれば、被検者の血圧が予め設定されたしきい値以下に所定時間以上連続して低下した場合に、当該血圧の変動が睡眠時無呼吸症候群の発症と関連する血圧上昇の前兆であると推定され、装置外部へ前兆通知信号が出力される。
【0014】
従って、例えば上記前兆通知信号をトリガとして呼吸支援装置を動作させれば、睡眠時無呼吸の影響により被検者の血圧が上昇する前に、当該被検者に対し呼吸支援装置による呼吸支援動作を開始することが可能となる。すなわち、被検者に対し睡眠時無呼吸症候群対策としての持続陽圧呼吸療法をタイムリーに実施することが可能となり、これにより睡眠時無呼吸症候群の発症と関連する血圧上昇、つまり血圧サージの発生を抑制することが可能となる。
【0015】
また、上記前兆通知信号が出力されるまでの期間に、呼吸支援装置の送気動作を停止させることができるので、睡眠中に常時送気動作させる場合に比べ呼吸支援装置の消費電力を低減することが可能となる。これは、特に電源としてバッテリを使用するマイクロポンプ型の装置の場合に、睡眠中の動作停止を起こり難くし、かつ大容量のバッテリを不要にできるので、きわめて有効である。また、呼吸支援装置を必要時にのみ動作させ、それ以外の期間では動作停止状態に設定することができるので、持続陽圧呼吸療法を実施する必要がない期間における呼吸支援装置の騒音を抑えて睡眠中の静粛性を向上させることができる。
【0016】
この発明の第2の態様によれば、1心拍ごとに被検者の血圧が測定されるので、被検者の血圧変動をほぼ連続的に測定することが可能となり、これにより睡眠時無呼吸症候群の発症と関連する血圧上昇の前兆を、見逃すことなく確実に推定することが可能となる。
【0017】
この発明の第3の態様によれば、血圧が所定時間以上連続してしきい値以下に低下し、その後上昇に転じた場合に、このときの血圧の変動を睡眠時無呼吸症候群の発症に伴う血圧上昇の前兆と推定するようにしている。このため、睡眠時無呼吸症候群の発症に関連する血圧上昇の前兆を、よりタイムリーにかつ確実に推定することが可能となる。
【0018】
この発明の第4の態様によれば、前記前兆通知信号が起動信号として呼吸支援装置に対し直接出力される。このため、被検者の血圧上昇が起こる前に呼吸支援装置を自動的にかつ確実に起動することが可能となる。
【0019】
この発明の第5の態様によれば、呼吸支援装置は、待機状態において動作停止状態に設定され、血圧測定装置からの起動信号に応じて動作を開始する。このため、常時動作する場合に比べて消費電力が低減され、これにより例えば呼吸支援装置がバッテリ駆動型の場合には、睡眠中の動作停止を起こり難くし、かつ大容量のバッテリを不要にすることができる。また、電源として商用電源を利用するタイプの呼吸支援装置では、常時動作させないことで、待機状態の期間における静粛性を維持することができる。
【0020】
この発明の第6の態様によれば、呼吸支援装置は血圧測定装置から送られた起動信号により動作を開始し、所定時間が経過すると自動的に動作が停止されて待機状態に戻る。このため、自動的機能を持たない場合に比べて消費電力をさらに低減することができる。
【0021】
すなわちこの発明の各態様によれば、持続陽圧呼吸療法を実施する呼吸支援装置の消費電力の低減と静粛性の向上を図った血圧測定装置、血圧測定方法およびプログラム、呼吸支援装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、この発明の一実施形態に係る血圧測定装置および呼吸支援装置の被検者への装着例を示す図である。
図2図2は、この発明の一実施形態に係る血圧測定装置としてのウェアラブル血圧計の機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、この発明の一実施形態に係る呼吸支援装置としてのCPAP装置の機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、図2に示したウェアラブル端末の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
図5図5は、図3に示したCPAP装置の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
図6図6は、睡眠時無呼吸症候群と血圧スリープサージの発生の関係性の一例を示す図である。
図7図7は、睡眠時無呼吸症候群の発症に伴って発生する血圧スリープサージの代表的な例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[一実施形態]
(構成)
図1は、この発明の一実施形態に係る血圧測定装置および呼吸支援装置の被検者への装着例を示す図である。
(1)血圧測定装置
血圧測定装置はウェアラブル血圧計1からなる。ウェアラブル血圧計1は、例えば被検者3の左右いずれかの手首に装着される。呼吸支援装置は、持続陽圧呼吸療法(Continuous Positive Airway Pressure;CPAP)を実施するマイクロポンプ型の装置であり、被検者3の鼻孔に装着される。なお、上記呼吸支援装置を以後CPAP装置2と呼称する。
【0024】
ウェアラブル血圧計1は、被検者3の血圧を連続的に測定する機能を有するもので、例えば心拍の一拍ごとに被検者3の血圧をトノメトリ方式により測定するBeat by Beat方式を採用している。なお、血圧を連続的に測定する方式としては、Beat by Beat方式以外に、Pulse Transit Time(PTT)法により血圧変動を推定して当該推定された変動をトリガとしてスポット的に血圧を計測するトリガ計測方式等の、他の方式を採用してもよい。また、連続測定する方式ではないが、測定周期を例えば数秒~十秒以下に短く設定できるのであれば、カフを用いたオシロメトリック方式を使用することも可能である。さらに、血圧のセンシング方式としては、トノメトリ方式以外にも、光学方式、電波方式、超音波PTT方式等の、種々方式を使用することができる。
【0025】
図2は、ウェアラブル血圧計1の機能構成を示すブロック図である。
ウェアラブル血圧計1は、制御ユニット10と、記憶ユニット20と、血圧測定ユニット30とを備え、さらにマンマシンインタフェースとして使用される操作部41および表示部42と、無線通信を行うための通信部51と、動きセンサ61および環境センサ62と、電源回路71とを備えている。
【0026】
操作部41および表示部42は、被検者3が動作モード等を指定入力したり、血圧の測定結果や血圧計の動作モード等を表示するために使用される。通信部51はアンテナ52を備え、外部の装置との間で無線によりデータの送受信を行うために使用される。通信プロトコルとしては、例えばBluetooth Low Energy(BLE)(登録商標)が用いられる。電源回路71は、バッテリ72の出力電圧をもとに、血圧計の各部を動作させるための電源電圧Vcc を生成して血圧計1内の各部に供給する。
【0027】
動きセンサ61は、被検者3の体動を検出するために使用されるもので、例えば3軸加速度センサまたは3軸角速度センサが使用される。動きセンサ61により検出された3軸加速度または3軸角速度のデータをもとに、被検者3の起床中における活動量や歩数を算出することができ、また睡眠中においては寝返りの状態、つまり睡眠状態を検出することができる。さらに、上記3軸加速度または3軸角速度のデータをもとに、血圧測定時における被検者3の姿勢を検出することもできる。環境センサ62は、被検者3の周辺エリアの温度や湿度、気圧等を測定するもので、温湿度センサや気圧センサが用いられる。
【0028】
血圧測定ユニット30は、血圧センサ31と、空気袋32と、ポンプ33と、ポンプ駆動回路34と、圧力センサ35とを備える。血圧センサ31は、心拍の1拍ごとに被検者3の血圧をトノメトリ方式により連続的に測定する。空気袋32、ポンプ33、ポンプ駆動回路34および圧力センサ35は、上記トノメトリ方式による血圧測定を精度良く行うために、上記血圧センサ31を被検者3の手首の橈骨動脈上の皮膚に所定の圧力で押し付けるために使用される。
【0029】
記憶ユニット20は、記憶媒体としてSolid State Device(SSD)等の随時書き込みおよび読み出しが可能な不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)などの随時書き込み読み出しが可能な揮発性メモリを使用したもので、この発明の一実施形態を実施する上で必要な記憶部として、血圧測定データ記憶部21と、起動履歴記憶部22とを備えている。
【0030】
血圧測定データ記憶部21は、上記血圧測定ユニット30により測定された被検者3の血圧データを、タイムスタンプを付して時系列に記憶する。タイムスタンプは図示しない時計回路により生成される。起動履歴記憶部22は、血圧サージの前兆の推定結果、またはCPAP装置2の起動履歴を表す情報を記憶するために使用される。
【0031】
制御ユニット10は、ハードウェアプロセッサおよび作業用メモリを備え、この発明の一実施形態を実施する上で必要な処理機能として、血圧測定制御部11と、前兆推定部12と、起動信号送信制御部13とを有している。これらの処理機能は、いずれも上記記憶ユニット20のプログラムメモリに格納されたプログラムを、上記ハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
【0032】
血圧測定制御部11は、圧力センサ35により検出された空気袋32の圧力を監視しながらポンプ駆動回路34を制御することにより、ポンプ33を駆動して空気袋32に空気を注入し、これにより上記空気袋32により血圧センサ31を被検者3の手首の橈骨動脈上皮膚に所定の圧力で押し付ける。そして、この状態で血圧センサ31により測定された血圧値を心拍の1拍ごとにサンプリングし、その血圧データをタイムスタンプを付して血圧測定データ記憶部21に記憶させる処理を実行する。
【0033】
前兆推定部12は、上記血圧測定データ記憶部21に記憶された血圧データに基づいて、睡眠時無呼吸症候群の発症に伴う血圧サージの前兆を推定する処理を実行する。具体的には、上記血圧測定データ記憶部21に最新の心拍における血圧データが記憶されるごとに、この血圧データを読み込む。そして、先ずこの最新の心拍における血圧データにより表される収縮期血圧が予め設定されたしきい値以下であるか否かを判定する。この判定の結果、収縮期血圧がしきい値以下であれば、以後測定される収縮期血圧が所定心拍数に相当する時間連続して低下傾向を示したか否かを判定する。そして、収縮期血圧の低下が上記心拍数分連続すると、当該収縮期血圧の低下を、睡眠時無呼吸症候群の発症に伴う血圧サージの前兆と推定する。
【0034】
起動信号送信制御部13は、上記前兆推定部12により血圧サージの前兆が推定された場合に、CPAP装置2を起動させるための起動信号を通信部51へ出力し、当該通信部51からCPAP装置2に向け送信させる処理を実行する。
【0035】
(2)呼吸支援装置
次に、呼吸支援装置としてのCPAP装置2は以下のように構成される。図3はその機能構成を示すブロック図である。
すなわち、CPAP装置2は、空気送出部100と、噴出口101,102と、制御ユニット200と、通信部300と、電源回路400とを備えている。
【0036】
空気送出部100は、例えば小型のファンを有し、このファンにより空気を送出する。噴出口101,102は例えば先細りした円筒形状を有し、上記空気送出部100から送出された空気の圧力を高めて被検者3の両鼻孔に注入する。
【0037】
通信部300はアンテナ301を有し、上記ウェアラブル血圧計1から無線送信された起動信号を受信復調して、制御ユニット200に入力する。通信プロトコルとしては、上記ウェアラブル血圧計1の通信部51と同様に、例えばBluetooth Low Energy(BLE)(登録商標)が用いられる。
【0038】
制御ユニット200は、プロセッサおよびメモリを備え、本実施形態を実施する上で必要な制御機能として駆動制御部201を有している。駆動制御部201は、電源が投入されるとCPAP装置2の動作モードを待機モードに設定する。待機モードとは、制御ユニット200と通信部300のみを動作状態とし、空気送出部100を動作停止状態に設定する動作モードである。駆動制御部201は、上記待機モードにおいて通信部300により起動信号が受信されると、空気送出部100を起動して空気の送出動作を開始させる。そして、空気送出部100が起動してから予め設定した動作継続時間が経過した時点で、空気送出部100の動作を停止させる。上記動作継続時間は、例えば被検者3の1回の無呼吸継続時間の最大長に応じて設定される。
【0039】
電源回路400は、バッテリ401の出力電圧・電流をもとに、CPAP装置2の各部を動作させるための電源電圧Vcc を生成して各部に供給する。
【0040】
(動作)
次に、以上のように構成されたウェアラブル血圧計1およびCPAP装置2の動作を説明する。
【0041】
(1)ウェアラブル血圧計の動作
睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に周期的に発生することが多く、無呼吸状態になるとそれに伴い顕著な血圧上昇(血圧サージ)が引き起こされる。図6はその一例を示す図であり、上段のグラフは経皮動脈血酸素飽和度(酸素分圧)SpO2[%] の変化を、下段のグラフは収縮期血圧[mmHg]の変化を、それぞれ時系列上で対応付けて示したものである。また、図7は無呼吸状態の発生時における収縮期血圧の変化の様子を拡大して示したものである。
【0042】
図7に示すように、無呼吸状態になると収縮期血圧は、一旦睡眠血圧の平均値より一定量低い値THより低下し、この低下傾向が図7のDに示すように一定時間続いた後、図7のUに示すように上昇に転じ、しかる後無呼吸状態の後半期間において急激に上昇して血圧サージを起こす。
【0043】
本実施形態では、上記無呼吸状態の発生に伴う収縮期血圧の変化の様子に着目し、血圧サージの前兆を以下のように推定してCPAP装置2を制御している。
図4はウェアラブル血圧計1の処理手順と処理内容を示すフローチャート、図5はCPAP装置2の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0044】
被検者3は、就寝前に、CPAP装置2を鼻孔に装着すると共に、ウェアラブル血圧計1の操作部41において動作モードを睡眠モードに設定するための操作を行う。ウェアラブル血圧計1は、上記睡眠モードの設定操作をステップS10で検出すると、血圧測定制御部11の制御の下、先ずステップS11で心拍の1拍ごとに被検者3の血圧を測定し、測定された血圧データをステップS12によりタイムスタンプを付して血圧測定データ記憶部21に記憶させる。
【0045】
最新の心拍における血圧データが血圧測定データ記憶部21に記憶されると、ウェアラブル血圧計1は前兆推定部12の制御の下で、ステップS13により血圧測定データ記憶部21から上記最新の心拍における血圧データを読み出し、この血圧データに含まれる収縮期血圧が予め設定したしきい値TH以下であるか否かを判定する。このしきい値THは、例えば図7に示した睡眠の収縮期血圧の平均値より一定量低い値に設定される。しきい値THは、被検者3ごとにその睡眠血圧を測定してその測定結果に基づいて設定すればよい。なお、上記しきい値THは、被検者3ごとに設定せずに、睡眠時無呼吸症候群と診断された患者の一般的な睡眠平均血圧より一定量低い値に設定してもよい。
【0046】
上記ステップS13による判定の結果、収縮期血圧がしきい値THより高ければ、ウェアラブル血圧計1はステップS11に戻る。そして、上記ステップS11~S13により心拍の1拍ごとの血圧測定処理とこの測定された収縮期血圧の判定処理を実行する。この心拍の1拍ごとの血圧測定と血圧判定処理は、心拍に同期して繰り返し実行される。
【0047】
一方、上記ステップS13による判定の結果、収縮期血圧がしきい値TH以下に低下したとする。この場合ウェアラブル血圧計1は、前兆推定部12の制御の下、ステップS14において、心拍ごとに測定された収縮期血圧がその1つ前の心拍において測定された収縮期血圧より低下したか否かを判定する。そして、収縮期血圧が低下するごとに、ステップS15において連続低下回数のカウント値をカウントアップする。
【0048】
前兆推定部12は、続いてステップS16において、上記連続低下回数のカウント値がしきい値以上になったか否かを判定する。このしきい値は、例えば図7のDに示した収縮期血圧の低下傾向を示す時間長に対応して設定される。そして、この判定の結果、カウント値がしきい値に達していなければ、ウェアラブル血圧計1はステップS11に戻り、ステップS11~S16による一連の血圧測定処理と判定処理を繰り返す。
【0049】
これに対し、上記ステップS16による判定の結果、カウント値がしきい値に達すると、ウェアラブル血圧計1は起動信号送信制御部13の制御の下、ステップS17によりCPAP装置2を起動するための起動信号を生成し、この起動信号を通信部51からCPAP装置2に向け送信する。またそれと共に起動信号送信制御部13は、ステップS18において、上記起動信号の送信結果を表す情報を起動履歴記憶部22に記憶させる。起動信号の送信結果を表す情報には、起動信号を示す識別コードと送信日時を示すデータが含まれる。
【0050】
なお、上記連続低下回数のカウント値がしきい値に達する前に、上記ステップS14において、最新の心拍における収縮期血圧がその1つ前の心拍における収縮期血圧より上昇したことが検出されたとする。この場合、前兆推定部12は上記収縮期血圧の低下を血圧サージの前兆とは見做さず、ステップS19により上記連続低下回数のカウント値をリセットして、ステップS11に戻る。なお、上記連続低下回数のカウント値は、上記収縮期血圧の上昇が1回検出されただけでリセットするのではなく、カウント値がしきい値に達する前に複数回検出された場合にリセットするようにしてもよい。
【0051】
最後にウェアラブル血圧計1は、ステップS20により睡眠モードの解除操作を監視する。そして、睡眠モードが解除されていない間は上記ステップS11~S19による処理を繰り返し実行し、睡眠モードの解除操作が検出されると通常モードに移行する。
【0052】
(2)CPAP装置2の動作
CPAP装置2の電源スイッチ(図示せず)をオンすると、電源回路400の電源電圧Vccが装置内の各部に供給され、装置2は一旦動作状態となる。しかし、制御ユニット200は、上記電源スイッチのオンをステップS21で検出すると、駆動制御部201の制御の下、ステップS22において装置を待機モードに設定する。待機モードでは、制御ユニット200と通信部300のみが動作状態となり、空気送出部100は動作停止状態に設定される。
【0053】
上記待機状態において、CPAP装置2は上記駆動制御部201の制御の下、ステップS26により電源スイッチのオフ操作を監視しながら、ステップS23により起動信号の受信を監視する。そして、ウェアラブル血圧計1から送信された起動信号が通信部300により受信されると、ステップS24により空気送出部100に電源電圧Vccを供給して空気送出部100を動作状態に設定する。
【0054】
かくして、被検者3の鼻腔内に空気が送られ、これにより被検者3は気道の閉塞が緩和されて無呼吸状態から呼吸可能な状態に戻る。また、この睡眠時無呼吸が解消されたことにより、血圧サージの発生も抑制される。
【0055】
CPAP装置2は、上記空気送出部100が送気動作を開始すると、駆動制御部201の制御の下、ステップS25により送気の開始から予め設定された動作継続時間が経過したか否かを判定する。そして、動作継続時間が経過した時点でステップS21に戻り、ここで装置2の動作モードを待機モードに復帰させる。この結果、上記空気送出部100は動作を停止する。なお、上記動作継続時間は、例えば被検者3の1回の無呼吸継続時間の最大長に応じて設定される。
【0056】
上記空気送出部100の送気動作は、電源スイッチがオフ操作されるまで、ウェアラブル血圧計1から起動信号が受信されるごとに繰り返し実行される。そして、例えば被検者3が起床して電源スイッチをオフ操作すると、駆動制御部201がステップS26からステップS27に移行し、ここで装置2内の全部位の動作を停止させる。
【0057】
(効果)
以上詳述したように一実施形態では、ウェアラブル血圧計1により被検者3の睡眠中の血圧変動を監視し、当該血圧がしきい値TH以下に所定時間以上連続して低下した場合に、上記血圧変動を睡眠時無呼吸症候群の発症と関連する血圧サージの前兆と推定し、CPAP装置2に対し起動信号を出力して送気動作を開始させるようにしている。
【0058】
従って、睡眠時無呼吸の影響により被検者3が血圧サージを起こす前に、被検者3に対しCPAP装置2による送気動作を自動的に開始させることが可能となる。すなわち、被検者3に対し睡眠時無呼吸症候群対策としてのCPAP装置2による持続陽圧呼吸療法をタイムリーに実施することが可能となり、これにより睡眠時無呼吸症候群の発症と関連する血圧サージの発生を抑制することが可能となる。
【0059】
また、上記血圧サージの前兆が推定されるまでの期間では、CPAP装置2の送気動作を停止させることができるので、睡眠中に常時送気動作させる場合に比べCPAP装置2の消費電力を低減することが可能となる。この効果は、特に電源としてバッテリを使用するマイクロポンプ型の装置の場合に、睡眠中の動作停止を起こり難くし、かつ大容量のバッテリを不要にできるので、きわめて有効である。
【0060】
さらに、CPAP装置2を必要時にのみ送気動作させ、それ以外の期間では送気動作を停止させるようにしているので、睡眠中のCPAP装置2による持続陽圧呼吸療法を実施する必要がない期間におけるCPAP装置2の騒音を抑えて、睡眠中の静粛性を向上させることができる。
【0061】
また、一実施形態では、1心拍ごとに被検者3の血圧が測定されるので、被検者3の血圧変動を連続的に測定することが可能となり、これにより睡眠時無呼吸症候群の発症と関連する血圧サージの前兆を、見逃すことなく確実に推定することが可能となる。
【0062】
[他の実施形態]
(1)前記一実施形態では、収縮期血圧がしきい値TH以下に低下した後、図7のDに示したように一定時間以上低下傾向が続いた場合(連続低下回数のカウント値がしきい値以上に達した場合)に、このときの血圧変動を血圧サージの前兆と推定してCPAP装置2を起動するようにした。しかしこれに限らず、図7に示すように収縮期血圧がしきい値TH以下に低下した後、この低下傾向が図7のDに示すように一定時間以上続き、しかる後図7のUに示すように上昇に転じてこの上昇傾向が一定時間以上継続した場合に、このときの血圧変動を血圧サージの前兆と推定してCPAP装置2を起動するようにしてもよい。このようにすると、血圧サージの前兆をより一層正確にかつタイムリーに推定することができる。
【0063】
(2)前記一実施形態では、CPAP装置2が、ウェアラブル血圧計1から出力された起動信号により送気動作を開始した後、予め設定された動作継続時間が経過した時点で自律的に待機モードに復帰するようにしている。しかし、この発明はそれに限るものではなく、例えばウェアラブル血圧計1においてCPAP装置2の起動後における被検者3の血圧変動を監視し、当該血圧変動が夜間血圧の平均値近傍の範囲で所定期間連続したことを検出した時点で、ウェアラブル血圧計1からCPAP装置2へ動作停止信号を出力し、これによりCPAP装置2の送気動作を停止させるようにしてもよい。このようにすることで、血圧サージの発生期間が変化する場合でも、当該期間においてCPAP装置2を連続して送気動作させることができる。
【0064】
(3)前記一実施形態では、ウェアラブル血圧計1からCPAP装置2に対し直接起動信号を送信する場合を例にとって説明したが、ウェアラブル血圧計1から送信された起動信号をスマートフォン等の携帯端末や無線ルータ等で中継してCPAP装置2へ伝送するようにしてもよい。
【0065】
(4)前記一実施形態では、前兆推定部12および起動信号送信制御部13をウェアラブル血圧計1に備えた場合を例にとって説明したが、前兆推定部12および起動信号送信制御部13をスマートフォンやタブレット端末等の情報処理端末、或いはサーバ装置に備えるようにしてもよい。この場合、ウェアラブル血圧計1は血圧測定制御部11の制御の下で測定された血圧データを、情報処理端末或いはサーバ装置へ送信し、情報処理端末或いはサーバ装置が上記血圧データをもとに血圧サージの前兆を推定して起動信号をCPAP装置2へ送信する。このように、血圧測定装置の機能をウェアラブル血圧計と情報処理端末或いはサーバ装置に分散配置すると、ウェアラブル血圧計の処理負荷を軽減して、バッテリの消耗を抑えることができる。
【0066】
(5)その他、血圧測定装置の機能構成、前兆推定部の処理手順と処理内容、CPAP装置の種類と構成(マイクロポンプ型以外に、マスクと装置本体とをチューブにより接続したマスク型の装置でもよい)、血圧測定装置と呼吸支援装置との間の信号伝送路の種類(無線以外に信号ケーブルでもよい)等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0067】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0068】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られるものではない。
(付記1)
被検者の血圧を測定する血圧測定装置であって、ハードウェアプロセッサと、このハードウェアプロセッサに接続されるメモリとを有し、
前記ハードウェアプロセッサは、前記被検者の血圧を測定し、当該測定された血圧の変動を監視し、当該血圧が予め設定されたしきい値以下に所定時間以上連続して低下した場合に、前記血圧の変動を睡眠時無呼吸症候群の発症と関連する血圧上昇の前兆と推定し、前記前兆が推定された場合に装置外部へ前兆通知信号を出力するように構成される、血圧測定装置。
【0069】
(付記2)
少なくとも1つのハードウェアプロセッサおよびメモリを備える血圧測定装置が実行する血圧測定方法であって、
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサおよびメモリを用いて、前記被検者の血圧を測定する過程と、
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサおよびメモリを用いて、前記血圧測定部により測定された血圧の変動を監視し、当該血圧が予め設定されたしきい値以下に所定時間以上連続して低下した場合に、前記血圧の変動を睡眠時無呼吸症候群の発症と関連する血圧上昇の前兆と推定する過程と、
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサおよびメモリを用いて、前記血圧上昇の前兆が推定された場合に装置外部へ前兆通知信号を出力する過程と
を具備する血圧測定方法。
【0070】
(付記3)
被検者の血圧変動から血圧サージの前兆が検出された場合に起動信号を出力する血圧測定装置に対し信号伝送路を介して接続される呼吸支援装置であって、ハードウェアプロセッサと、このハードウェアプロセッサに接続されるメモリとを有し、
ハードウェアプロセッサは、前記血圧測定装置から前記信号伝送路を介して伝送された起動信号を受信し、待機状態では前記被検者に対する睡眠時無呼吸症候群対策としての持続陽圧呼吸療法のための動作を停止させ、前記起動信号の受信に応じて前記持続陽圧呼吸療法のための動作を開始させるように構成される、呼吸支援装置。
【符号の説明】
【0071】
1…ウェアラブル血圧計、2…CPAP装置、3…被検者、10…制御ユニット、11…血圧測定制御部、12…前兆推定部、13…起動信号送信制御部、20…記憶ユニット、21…血圧測定データ記憶部、22…起動履歴記憶部、30…血圧測定ユニット、31…血圧センサ、32…空気袋、33…ポンプ、34…ポンプ駆動回路、35…圧力センサ、41…操作部、42…表示部、51…通信部、52…アンテナ、61…動きセンサ、62…環境センサ、71…電源回路、72…バッテリ、100…空気送出部、101,102…噴出口、200…制御ユニット、201…駆動制御部、300…通信部、301…アンテナ、400…電源回路、401…バッテリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7