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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】医用診断システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20220621BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20220621BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20220621BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20220621BHJP
   G01T 1/161 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
A61B8/14
A61B5/11 230
A61B6/00 370
A61B6/00 320A
A61B5/055 390
G01T1/161 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018103381
(22)【出願日】2018-05-30
(65)【公開番号】P2019181138
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2020-12-23
(31)【優先権主張番号】P 2018075544
(32)【優先日】2018-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100155620
【弁理士】
【氏名又は名称】木曽 孝
(72)【発明者】
【氏名】岡田 薫
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 利春
(72)【発明者】
【氏名】大川 栄一
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-533889(JP,A)
【文献】特開2005-177105(JP,A)
【文献】特表2017-516541(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
A61B 5/06-5/22
A61B 6/00-6/14
A61B 5/055
A61H 1/00-5/00
A63B 1/00-26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の動作に関する動作関連情報を取得する動作関連情報取得部と、
前記被検体の内部組織情報を取得する内部組織情報取得部と、
前記動作関連情報および前記内部組織情報を時間的に同期して記録させる条件を満たしたか否かについて判定する条件判定部と、
前記条件を満たしたと判定された場合、前記動作関連情報および前記内部組織情報を時間的に同期して記録させる制御を行う記録制御部と、
を備え
前記内部組織情報取得部を構成する構成部品は、前記被検体に装着され、
前記構成部品に取り付けられるセンサーを備え、
前記条件判定部は、前記センサーが前記被検体の予め定められた動作を検出した場合、前記条件を満たしたと判定する、
医用診断システム。
【請求項2】
前記動作関連情報および前記内部組織情報を時間的に同期して取得させるための同期信号を出力する同期信号出力部を備え、
前記記録制御部は、前記条件を満たしたと判定された場合、前記同期信号出力部に前記同期信号を出力させる、
請求項1に記載の医用診断システム。
【請求項3】
前記記録制御部は、前記動作関連情報および前記内部組織情報を前記同期信号と共に記録させる、
請求項2に記載の医用診断システム。
【請求項4】
前記同期信号出力部は、前記内部組織情報取得部に設けられている、
請求項2または3に記載の医用診断システム。
【請求項5】
前記同期して取得された前記動作関連情報および内部組織情報を表示させる表示制御部を備える、
請求項1からのいずれか一項に記載の医用診断システム。
【請求項6】
前記内部組織情報取得部は、超音波診断装置、光超音波装置、光干渉断層装置、X線診断装置を含む、
請求項1からのいずれか一項に記載の医用診断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用診断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、従来の超音波診断では、医師が超音波プローブを持ち、静止した被検体に対して超音波プローブを接触させて、被検体の内部組織(筋肉や腱)の状態を観察する。
【0003】
近年、スポーツ整形外科やリハビリテーションの分野において、歩行や運動しているときの被検体の内部組織の動きを超音波画像として取得し、被検体の外の動きと超音波画像とを比較して観察することが行われている。
【0004】
例えば、人体の外の動きを動画として取得し、所定の動作(例えば、右足の着地)時における動画を過去と現在(または、健常者と被検体)との間で比較して観察する医用診断装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-138661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記の超音波診断においては、被検体の外の動きと超音波画像との間で時間的な対応づけが厳密にされていない。そのため、同じ時刻における被検体の外の動きと超音波画像とを比較して観察できない。その結果、被検体を診断する精度が下がるおそれがあるという問題があった。
【0007】
なお、特許文献1に記載された医用診断装置は、所定の動作時における動画同士を比較観察するものであって、被検体の外の動きと超音波画像とを比較して観察するものでない。それゆえ、特許文献1に記載の技術では、上記問題を解決することができない。
【0008】
本発明は、被検体の診断精度を向上することが可能な医用診断システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明における医用診断システムは、
被検体の動作に関する動作関連情報を取得する動作関連情報取得部と、
前記被検体の内部組織情報を取得する内部組織情報取得部と、
前記動作関連情報および前記内部組織情報を時間的に同期して記録させる条件を満たしたか否かについて判定する条件判定部と、
前記条件を満たしたと判定された場合、前記動作関連情報および前記内部組織情報を時間的に同期して記録させる制御を行う記録制御部と、
を備え
前記内部組織情報取得部を構成する構成部品は、前記被検体に装着され、
前記構成部品に取り付けられるセンサーを備え、
前記条件判定部は、前記センサーが前記被検体の予め定められた動作を検出した場合、前記条件を満たしたと判定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、被検体の診断精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施の形態に係る医用診断システムの構成を示すブロック図
図2】時間軸上に配置された動画フレームおよび超音波画像フレームを概略的に示す図
図3】被検体の動作関連情報と被検体の内部組織情報とを時間的に同期して記録させる処理を示すフローチャート
図4】本発明の第2実施の形態に係る医用診断システムの構成を示すブロック図
図5】時間軸上に配置された動画フレームおよび超音波画像フレームを概略的に示す図
図6】被検体の動作関連情報と被検体の内部組織情報とを時間的に同期して記録させる処理を示すフローチャート
図7】本発明の第3実施の形態に係る医用診断システムの構成を示すブロック図
図8】時間軸上に配置された動画フレームおよび超音波画像フレームを概略的に示す図
図9】被検体の動作関連情報と被検体の内部組織情報とを時間的に同期して記録させる処理を示すフローチャート
図10】本発明の第4実施の形態に係る医用診断システムの構成を示すブロック図
図11】時間軸上に配置された動画フレームおよび超音波画像フレームを概略的に示す図
図12】被検体の動作関連情報と被検体の内部組織情報とを時間的に同期して記録させる処理を示すフローチャート
図13】本発明の第5実施の形態における医用画像再生部の構成の一例を示すブロック図
図14】比較観察される動画フレームおよび超音波画像フレームの一例を示す図
図15】本発明の第6実施の形態における時間軸上に配置された動画フレームおよび超音波画像フレームを概略的に示す図
図16】被検体の動作関連情報と被検体の内部組織情報とを時間的に同期して記録させる処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の第1実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、医用診断システム100の構成を示すブロック図である。
【0013】
医用診断システム100は、カメラ10(本発明の「動作関連情報取得部」に対応)、超音波診断装置20(本発明の「内部組織情報取得部」に対応)、同期信号出力部30、および、記録部40を備えている。
【0014】
カメラ10は、被検体の動作に関連する動作関連情報を取得する。ここでは、動作関連情報は、カメラ10により取得される被検体の画像である。なお、動作関連情報としては、被検体の動きを公知の手段で検出した場合における検出結果としての情報であればよい。
【0015】
カメラ10は、動作関連情報を、時間軸に沿って連続的に生成される複数の動画フレームとして生成する。カメラ10は、取得開始ボタン(図示略)の操作により動作関連情報の取得を開始する。カメラ10は、動作関連情報を記録部40に記録させる制御を行う制御部(図示略、「記録制御部」に対応)を有する。
【0016】
カメラ10は、同期信号出力部30と有線又は無線で接続されており、同期信号出力部30から出力された同期信号を受信可能である。また、カメラ10は、記録部40と有線又は無線で接続されており、動作関連情報を記録部40に送信可能である。
【0017】
カメラ10は、被検体を撮像中であるか否かについての情報を含むカメラ10の動作状態を超音波診断装置20に送信可能である。カメラ10による被検体の撮像中であるか否かは、制御部22(後述する)により判断される。
【0018】
超音波診断装置20は、超音波プローブPと装置本体21とを備えている。超音波プローブPは、装置本体21と有線又は無線で接続されている。超音波プローブPは、被検体の肘部に装着されている。なお、超音波プローブPは、肘部に限らず、例えば、大腿部(ふともも)、下腿部(ふくらはぎ)、膝、足、肩、手などに装着されてもよい。
【0019】
装置本体21は、超音波プローブPを介して被検体から取得した反射超音波に基づいて内部組織情報(超音波画像)を生成する。装置本体21は、内部組織情報を、時間軸に沿って連続的に生成される複数の超音波画像フレームとして生成する。装置本体21は、取得開始ボタン(後述するフリーズボタン)の操作により被検体の内部組織情報の取得を開始する。
【0020】
装置本体21は、記録部40と有線又は無線で接続されており、内部組織情報を記録部40に送信可能である。
【0021】
装置本体21は、制御部22(本発明の「条件判定部」および「記録制御部」に対応)、表示部23、タッチパネル24、および、操作部26を有している。
【0022】
制御部22は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備えている。制御部22は、ROMに記憶されているシステムプログラム等の各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って各部の動作を制御する。
【0023】
制御部22は、動作関連情報および内部組織情報を時間的に同期して記録させる条件
を満たしたか否かについて判定する。ここで、「条件」とは、ユーザーにより操作部26が操作された場合をいう。
【0024】
制御部22は、条件を満たしたと判断した場合、内部組織情報を記録部40に記録させる制御を行う。
【0025】
表示部23は、生成された超音波画像を表示する。タッチパネル24は、表示部23の表示画面に重ねられて設けられる。操作部26には、機械式ボタンの他に、表示部23に表示され、タッチ操作が行われることで、超音波診断装置20の各種設定を行う操作ボタン(ソフトウェアキー)が含まれる。
【0026】
記録部40は、被検体の動作関連情報等を記憶する記録媒体である。記録媒体としては、ハードディスクドライブ(HDD)の他に、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。なお、記録部40は、医用診断システム100のいずれの場所に設けられてもよい。例えば、記録部40は、カメラ10内の記録媒体でもよく、また、装置本体21内の記録媒体でもよい。
【0027】
スポーツ整形外科やリハビリテーションの分野においては、被検体の動作関連情報(動画)と被検体の内部組織情報(超音波画像)とが比較観察される。このような場合、動作関連情報と内部組織情報とが同期した状態で表示されることが好ましい。そのためには、例えば、カメラ10の取得開始ボタンと、超音波診断装置20の取得開始ボタン(フリーズボタン)とを同時に押して、動作関連情報と内部組織情報とを同時に取得する必要がある。
【0028】
しかしながら、両方の取得開始ボタンをユーザーが同時に押すことは困難であるため、両方の取得開始ボタンが互いに異なったタイミングで押される場合がある。この場合、動作関連情報と内部組織情報とを同時に取得できないため、動作関連情報と内部組織情報とが同期した状態で表示されない。
【0029】
そこで、本実施の形態における医用診断システム100は、同期信号出力部30を備えている。
【0030】
同期信号出力部30は、超音波診断装置20に設けられている。同期信号出力部30は、操作部26がユーザーに押されると、同期信号をカメラ10および超音波診断装置20に出力する。
【0031】
カメラ10は、同期信号出力部30から同期信号が出力された後以降に生成した動画フレームを記録部40に順次送信する。
【0032】
超音波診断装置20は、同期信号出力部30から同期信号が出力された後以降に生成した超音波画像フレームを記録部40に順次送信する。
【0033】
図2は、時間軸上に配置された動作関連情報(動画フレーム)および内部組織情報(超音波画像フレーム)を概略的に示す図である。図2において、時間軸を横軸に示し、同期信号、内部組織情報および動作関連情報を縦軸に示す。また、同期信号出力部30から同期信号が出力された後以降に生成された動画フレームF1および超音波画像フレームF2を、図2にハッチングを付して示す。なお、説明を簡単にするために、動画フレームF1および超音波画像フレームF2は、同じフレームレートで生成されるものとする。
【0034】
記録部40は、同期信号出力部30から同期信号が出力された後以降に生成された動画フレームF1および超音波画像フレームF2を順次記録する。これにより、動画フレームF1および超音波画像フレームF2は、同じ時間軸に沿って連続的に生成されて、記録される。その結果、後に例えば、被検体の内部組織を診断する時において、動画フレームF1と超音波画像フレームF2とが時間的に同期した状態で表示可能となる。
【0035】
図2に示すように、同期信号出力部30から同期信号が出力される前において、カメラ10は、動画フレームF11を順次生成している。また、超音波診断装置20は、超音波画像フレームF21を順次生成している。
【0036】
カメラ10は、同期信号が出力される前に生成した動画フレームF11(図2を参照)を、同期信号とともに記録部40に送信する。また、超音波診断装置20は、同期信号が出力される前に生成した超音波画像フレームF21(図2を参照)を、同期信号とともに記録部40に送信する。なお、動画フレームF11は、編集処理されることで、動画フレームF1と同じ時間軸上で接続される。また、超音波画像フレームF21は、編集処理されることで、超音波画像フレームF2と同じ時間軸上で接続される。動画フレームF11および超音波画像フレームF21の編集処理の詳細については、第5実施の形態で説明する。
【0037】
次に、第1実施の形態における医用診断システム100における被検体の動作関連情報等の処理について図3を参照して説明する。図3は、被検体の動作関連情報と被検体の内部組織情報とを時間的に同期して記録させる処理を示すフローチャートである。この処理は、超音波診断装置20の電源がオンされて、装置が起動し、かつ、制御部22がカメラ10による被検体の撮像中であると判断したことにより開始される。
【0038】
まず、制御部22は操作部26がユーザーに操作されたか否かについて判断する(ステップS100)。操作部26が操作された場合(ステップS100:YES)、処理はステップS110に遷移する。一方、操作部26が操作されていない場合(ステップS100:NO)、処理はステップS100の前に戻る。
【0039】
ステップS110において、同期信号出力部30は、同期信号をカメラ10および超音波診断装置20に出力する。その後、処理は、ステップS120に遷移する。
【0040】
ステップS120において、制御部22は、カメラ10による被検体の動作関連情報、および、超音波診断装置20による被検体の内部組織情報の取得が終了したか否かについて判断する。動作関連情報および内部組織情報の取得が終了した場合(ステップS120:YES)、処理はステップS130に遷移する。動作関連情報または内部組織情報の取得が終了していない場合(ステップS120:NO)、処理は、所定時間経過後にステップS120の前に戻る。
【0041】
ステップS130において、カメラ10の制御部は、同期信号出力部30から同期信号が出力された後以降に取得した動作関連情報を記録部40に記録させる。また、制御部22は、同期信号の出力時以降に取得した内部組織情報を記録部40に記録させる。
【0042】
上記第1実施の形態における医用診断システム100によれば、被検体の動作関連情報の動画フレームF1を生成するカメラ10と、被検体の内部組織情報の超音波画像フレームF2を生成する超音波診断装置20と、動画フレームF1および超音波画像フレームF2を同期して生成させるための同期信号をカメラ10および超音波診断装置20に出力する同期信号出力部30と、を備える。これにより、後で被検体の内部組織情報を診断する時において、同じ時刻における動画フレームF1と超音波画像フレームF2とを比較観察できるため、診断精度を上げることが可能となる。また、動画フレームF1と超音波画像フレームF2とを同期させるための手間が省けるため、診断効率を向上させることが可能となる。
【0043】
また、上記第1実施の形態によれば、同期信号出力部30が装置本体21に設けられている。この場合、同期信号出力部30は、直接的に装置本体21に同期信号を出力すればよく、同期信号出力部30と装置本体21との間の通信を行うための送受信部が、装置本体21および同期信号出力部30において不要になる。これにより、医用診断システム100の構成が、同期信号出力部30を装置本体21の外に設けた場合における構成と比べて簡単になる。
【0044】
なお、上記第1実施の形態においては、被検体の動作関連情報を取得するものとして、カメラ10を一例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、光学、磁気、機械式、超音波、その他モーションチャプチャーを用いて、被検体の動作関連情報を取得できるものであればよい。
【0045】
また、上記第1実施の形態のおいては、被検体の内部組織情報を取得するものとして超音波診断装置20を一例に挙げたが、本発明はこれに限らない。例えば、光超音波装置、光干渉断層装置、X線診断装置、X線CT装置、MRI装置、SPECT装置、SPECT-CT装置、PET装置、PET-CT装置であってもよい。
【0046】
また、上記第1実施の形態では、同期信号出力部30は、超音波診断装置20に設けられているが、本発明はこれに限らず、カメラ10に設けられてもよい。この場合、超音波診断装置20は、同期信号出力部30と有線又は無線により接続され、同期信号出力部30から出力された同期信号を受信可能である。
【0047】
次に、第2実施の形態における医用診断システム100について図面を参照して説明する。図4は、本発明の第2実施の形態における医用診断システム100の構成を示す図である。図5は、時間軸上に配置された動画フレームF1および超音波画像フレームF2を概略的に示す図である。なお、第2実施の形態の説明において、第1実施の形態と異なる構成について主に説明し、同じ構成についてはその説明を省略する。
【0048】
上記の第1実施の形態においては、操作部26が押された場合、同期信号が出力される。
【0049】
これに対して、第2実施の形態では、フリーズボタン26Aがユーザーに押された場合、制御部22が同期信号出力部30に同期信号を出力させる(図4を参照)。フリーズボタン26Aは、押されると、超音波画像の取得が終了し(フリーズ)、再び押されると、超音波画像の取得が開始される(フリーズ解除)。なお、フリーズボタン26Aとしては、表示部23に表示される操作ボタンでもよく、機械式ボタンでもよい。
【0050】
同期信号出力部30は、フリーズボタン26Aが押されてフリーズ状態が解除された場合、同期信号をカメラ10および超音波診断装置20に出力する。
【0051】
カメラ10の制御部は、同期信号出力部30から同期信号が出力された後以降に生成した動画フレームF1を記録部40に記録させる。
【0052】
超音波診断装置20は、フリーズボタン26Aが押されてフリーズ状態が解除された場合、超音波画像フレームF2を生成する(図5参照)。制御部22は、生成した超音波診断装置20を記録部40に記録させる。
【0053】
次に、第2実施の形態における被検体の動作関連情報等の処理について図6を参照して説明する。図6は、被検体の動作関連情報と被検体の内部組織情報とを時間的に同期して記録させる処理を示すフローチャートである。
【0054】
ステップS200において、制御部22は、フリーズボタン26Aが押されてフリーズ状態が解除されたか否かについて判断する。フリーズ状態が解除された場合(ステップS200:YES)、処理は、ステップS210に遷移する。一方、フリーズ状態が解除されていない場合(ステップS200:NO)、処理は、ステップS200の前に戻る。
【0055】
ステップS210において、同期信号出力部30は、同期信号をカメラ10に出力する。その後、処理は、ステップS220に遷移する。
【0056】
なお、ステップS220およびそれに続くステップS230は、第1実施の形態におけるステップS120およびステップS130と同じであるため、その説明を省略する。
【0057】
上記第2実施の形態における医用診断システム100によれば、フリーズボタン26Aが押された場合、被検体の内部組織情報が取得され、また、被検体の動作関連情報が内部組織情報と同期して取得されるため、同期信号を含む内部組織情報を記録することが可能となる。また、同期信号の出力がフリーズボタン26Aの押下操作により行われるため、同期信号を出力するための特別な操作が不要となる。
【0058】
次に、第3実施の形態における医用診断システム100について図面を参照して説明する。図7は、本発明の第3実施の形態における医用診断システム100の構成を示す図である。図8は、時間軸上に配置された動作関連情報(動画フレームF1)および内部組織情報(超音波画像フレームF2)を概略的に示す図である。なお、第3実施の形態の説明においても、第1実施の形態と異なる構成について主に説明し、同じ構成についてはその説明を省略する。
【0059】
同期信号を出力するために、上記の第1実施の形態では、同期信号の出力操作にかかる操作部26が設けられている。また、上記の第2実施の形態では、同期信号の出力操作にかかるフリーズボタン26Aが設けられている。つまり、フリーズボタン26Aに、操作部26の機能を持たせている。
【0060】
これに対して、第3実施の形態では、図7に示すように、超音波プローブPにはセンサー50が内蔵されている。センサー50には、超音波プローブPの位置や姿勢、加速度を検出することが可能な公知なセンサーが用いられる。具体的には、センサー50として、超音波プローブPの3軸方向それぞれの速度変化を計測するための3軸加速度センサー50、超音波プローブPの方向を検知する磁気センサー、超音波プローブPに加わる加速度を検知するジャイロセンサーがある。
【0061】
制御部22は、センサー50の検出結果に基づいて、超音波プローブPが特定の動き(例えば、3軸方向のうち少なくとも1軸方向へ所定長以上移動)をしたか否かについて判断する。制御部22は、超音波プローブPが特定の動きをした場合、同期信号出力部30に同期信号を出力させる(図8を参照)。
【0062】
次に、第3実施の形態における被検体の動作関連情報等の処理について図9を参照して説明する。図9は、被検体の動作関連情報と被検体の内部組織情報とを時間的に同期して記録させる処理を示すフローチャートである。
【0063】
ステップS300において、制御部22は、センサー50の検出結果に基づいて、超音波プローブPが特定の動きをしたか否かについて判断する。超音波プローブPが特定の動きをした場合(ステップS300:YES)、処理は、ステップS310に遷移する。一方、超音波プローブPが特定の動きをしていない場合(ステップS300:NO)、処理は、ステップS300の前に戻る。
【0064】
ステップS310において、同期信号出力部30は、同期信号をカメラ10に出力する。その後、処理は、ステップS320に遷移する。
【0065】
なお、ステップS320およびそれに続くステップS330は、第1実施の形態におけるステップS120およびステップS130と同じであるため、その説明を省略する。
【0066】
上記第3実施の形態によれば、超音波プローブPの特定の動きをトリガーとして、被検体の動作関連情報および内部組織情報が同期して取得されるため、動作関連情報等を不必要に取得することがなく、動作関連情報等を効率良く取得することが可能となる。
【0067】
次に、第4実施の形態における医用診断システム100について図面を参照して説明する。図10は、本発明の第4実施の形態における医用診断システム100の構成を示す図である。図11は、時間軸上に配置された動画フレームF1および超音波画像フレームF2を概略的に示す図である。なお、第4実施の形態の説明においても、第1実施の形態と異なる構成について主に説明し、同じ構成についてはその説明を省略する。
【0068】
上記第3実施の形態においては、センサー50により超音波プローブPの特定の動きが検出される。
【0069】
これに対し、第4実施の形態における医用診断システム100は、図10に示すように、外部動作取得部60(本発明の「条件判定部」に対応」)を備える。外部動作取得部60は、被検体に直接的に又は間接的に装着されたマーカーMを撮像する。外部動作取得部60は、マーカーMの画像を解析し、解析結果に基づいて、被検体の特定の動きを検出する。同期信号出力部30は、被検体が特定の動きをした場合、同期信号を出力する(図11参照)。
【0070】
次に、第4実施の形態における被検体の動作関連情報等の処理について図12を参照して説明する。図12は、被検体の動作関連情報と被検体の内部組織情報とを時間的に同期して記録させる処理を示すフローチャートである。
【0071】
ステップS400において、外部動作取得部60は、マーカーMの画像に基づいて、被検体が特定の動きをしたか否かについて判断する。被検体が特定の動きをした場合(ステップS400:YES)、処理は、ステップS410に遷移する。一方、被検体が特定の動きをしていない場合(ステップS400:NO)、処理は、ステップS400の前に戻る。
【0072】
ステップS410において、同期信号出力部30は、同期信号をカメラ10および超音波診断装置20に出力する。その後、処理は、ステップS420に遷移する。
【0073】
なお、ステップS420およびそれに続くステップS430は、第1実施の形態におけるステップS120およびステップS130と同じであるため、その説明を省略する。
【0074】
上記第4実施の形態によれば、被検体の特定の動きを検知して、被検体の動作関連情報および内部組織情報が同期して取得されるため、動作関連情報等を不必要に取得することがなく、動作関連情報等を効率良く取得することが可能となる。
【0075】
なお、外部動作取得部60は、被検体の特定の動きを検出可能な公知の手段であればよい。具体的には、例えば、光学、磁気、機械式、超音波、モーションキャプチャーを用いて被検体の動きを検知できる手段であればよい。なお、外部動作取得部60の機能を、被検体の動作関連情報を取得するカメラ10等が有してもよい。
【0076】
次に、第5実施の形態における医用診断システム100について図13および図14を参照して説明する。図13は、医用画像再生部70の構成の一例を示すブロック図である。
【0077】
第5実施の形態における超音波診断装置20は、図13に示すように、医用画像再生部70(本発明の「表示制御部」に対応)を備える。医用画像再生部70は、記録部40に格納されている被検体の動作関連情報および被検体の内部組織情報を表示部23に表示させる。なお、記録部40には、同期信号出力部30から同期信号が出力された後以降に生成された動画フレームF1および超音波画像フレームF2が記録されているものとする。また、記録部40には、同期信号の出力前に生成された動画フレームF11および超音波画像フレームF21も記録されているものとする。
【0078】
医用画像再生部70は、図13に示すように、サムネイル一覧表示処理部72、全画面表示処理部74、編集処理部76を有している。
【0079】
サムネイル一覧表示処理部72は、時間軸を表すタイムラインTL(図14参照)上に、被検体の動作関連情報に対応する複数のサムネイルS1、および、被検体の内部組織情報に対応する複数のサムネイルS2を同時に時系列で一覧表示させる機能を有する。
【0080】
全画面表示処理部74は、ユーザーにより指定されたタイムラインTL上の位置に対応する時刻に取得された一組の動画フレームF1および超音波画像フレームF2を表示させる。
【0081】
編集処理部76は、記録部40から読み込まれる動画フレームF11および超音波画像フレームF21の編集ポイントを設定する。本実施の形態において、ここで、編集ポイントは、タイムラインTL上における同期信号の出力時に対応する位置である。サムネイル一覧表示処理部72は、タイムラインTL上における同期信号の出力時に基づいて、動画フレームF11および超音波画像フレームF21を配置する。
【0082】
図14は、比較観察される動画フレームF1,F11および超音波画像フレームF2,F21の一例を示す図である。なお、図14では、編集処理後の動画フレームF11および超音波画像フレームF21を示す。
【0083】
図14に示すように、サムネイル一覧表示処理部72は、タイムラインTL上に、複数のサムネイルS1、S2を同時に時系列で一覧表示させる。全画面表示処理部74は、同じ時刻における動画フレームF1,F11および超音波画像フレームF2,F21を表示部23に表示させる。
【0084】
また、サムネイル一覧表示処理部72は、タイムラインTL近傍に目盛および時刻を表示させる。全画面表示処理部74は、再生、一時停止、停止などの操作ボタン26Bを表示させる。また、全画面表示処理部74は、動画フレームF1および超音波画像フレームF2の開始時間を指定するためのカーソル26Cを表示させる。全画面表示処理部74は、カーソルの操作により、動画フレームF1,F11および超音波画像フレームF2,F21を切り替えて表示させる。
【0085】
また、上記第5実施の形態によれば、同期信号の出力前に生成した動画フレームF11および超音波画像フレームF21を、同期信号の出力時以降に生成した動画フレームF1や超音波画像フレームF2と同じ時間軸上に配置することが可能となる。これにより、同じ時刻における動画フレームF11と超音波画像フレームF21とを比較観察することが可能となる。
【0086】
また、表示部23には、サムネイルS1,S2や操作ボタン26Bやカーソル26Cが表示される。これにより、所望の時刻における動画フレームF1,F11および超音波画像フレームF2,F21を容易に表示させることが可能となる。その結果、診断の効率がさらに上がる。
【0087】
なお、第5実施の形態においては、動画フレームF1および超音波画像フレームF2は、超音波診断装置20の表示部23に表示されるが、本発明は、これに限らず、例えば、端末のモニター(図示略)に表示されてもよい。この場合、端末は、超音波診断装置20とLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の通信回線からなる院内ネットワークを介してデータ送受信可能に接続される。
【0088】
次に、第6実施の形態における医用診断システム100について図15および図16を参照して説明する。
【0089】
上記第1実施の形態においては、フリーズボタン26Aが押されて、制御部22が同期信号を出力した場合、内部組織情報(超音波画像)が取得され、また、取得された内部組織情報が記録される。また、動作関連情報が記録される(図4および図5を参照)。なお、動作関連情報の取得は、同期信号の出力前から開始されている。また、第3実施の形態においては、センサー50が特定の動きを検出し、制御部22が同期信号を出力した場合、内部組織情報および動作関連情報の各情報が記録される(図7および図8を参照)。なお、各情報の取得は、同期信号の出力前から開始されている。
【0090】
これに対して、第6実施の形態では、センサー50が特定の動きを検出し、制御部22が同期信号を出力した場合、内部組織情報および動作関連情報の各情報が取得され、取得された各情報が記録される(図15を参照)。
【0091】
次に、図16のフローチャートを参照して、被検体の動作関連情報等の処理について説明する。
【0092】
ステップS500において、制御部22は、センサー50の検出結果に基づいて、超音波プローブPが特定の動きをしたか否かについて判断する。超音波プローブPが特定の動きをした場合(ステップS500:YES)、処理は、ステップS510に遷移する。一方、超音波プローブPが特定の動きをしていない場合(ステップS500:NO)、処理は、ステップS500の前に戻る。
【0093】
ステップS510において、同期信号出力部30は、同期信号をカメラ10に出力する。また、同期信号出力部30は、同期信号を装置本体21に出力する。その後、処理は、ステップS520に遷移する。
【0094】
ステップS520において、カメラ10は、被検体の動作関連情報を取得する。また、超音波診断装置20は、内部組織情報を取得する。その後、処理は、ステップS530に遷移する。
【0095】
なお、ステップS530およびそれに続くステップS540は、第1実施の形態におけるステップS120およびステップS130と同じであるため、その説明を省略する。
【0096】
その他、上記実施の形態は、何れも本発明の実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0097】
F1 動画フレーム
F11 動画フレーム
F2 超音波画像フレーム
F21 超音波画像フレーム
M マーカー
P 超音波プローブ
S1 サムネイル
S2 サムネイル
TL タイムライン
10 カメラ
20 超音波診断装置
21 装置本体
22 制御部
23 表示部
24 タッチパネル
26 操作部
30 同期信号出力部
40 記録部
50 センサー
60 外部動作取得部
70 医用画像再生部
72 サムネイル一覧表示処理部
74 全画面表示処理部
76 編集処理部
100 医用診断システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16