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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】表示制御装置及び医用画像表示システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 30/20 20180101AFI20220621BHJP
   G16H 10/40 20180101ALI20220621BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
G16H30/20
G16H10/40
A61B5/00 D
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018110778
(22)【出願日】2018-06-11
(65)【公開番号】P2019215591
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-03-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅ヶ谷 尚隼
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-094513(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0126148(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の項目により構成される検査情報を複数記憶する記憶手段と、
記検査情報における複数の項目間の優先順位の各順位に対応付ける項目及び前記項目毎の優先条件のユーザーによる入力を受け付け、前記入力された情報に基づき前記検査情報における複数の項目間の優先順位及び項目毎の優先条件を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された前記検査情報における前記複数の項目間の優先順位及び前記項目毎の優先条件に基づいて検査間の読影優先順位を決定し、優先的に読影を行うべき検査を識別可能に表示手段に表示させる制御手段と、
を備える表示制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記検査情報における優先順位が上位の項目からソート処理を実施することにより、前記読影優先順位を決定する請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記優先的に読影を行うべき検査をユーザーに通知するための通知情報を前記表示手段に表示させる請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記読影優先順位が最上位から予め設定された範囲の検査を前記優先的に読影を行うべき緊急性の高い検査として決定し、決定した前記緊急性の高い検査をユーザーに通知するための通知情報を前記表示手段に表示させる請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記設定手段は、ユーザー操作に応じて、さらに、前記検査情報におけるいずれの優先順位の項目までを前記優先的に読影を行うべき緊急性の高い検査の決定に用いるかを設定可能であり、
前記制御手段は、前記設定手段により前記緊急性の高い検査の決定に用いる項目として設定された全ての項目がその項目の優先条件を満たす検査情報に対応する検査を前記優先的に読影を行うべき緊急性の高い検査として決定し、決定した前記緊急性の高い検査をユーザーに通知するための通知情報を前記表示手段に表示させる請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記制御手段は、ユーザー操作により前記表示手段に表示された通知情報が指定された場合に、前記通知情報により通知された検査の医用画像を読影するための読影画面を前記表示手段に表示させる請求項3~5のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記設定手段は、ユーザー操作に応じて、さらに、前記優先的に読影を行うべき検査に関する情報の表示を行う曜日及び/又は時間帯を設定可能であり、
前記制御手段は、前記設定手段により設定された曜日及び/又は時間帯のみに前記読影優先順位の決定及び前記優先的に読影を行うべき検査の表示を行う請求項1~6のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記ユーザーがログアウトするまで、前記優先順位を決定する処理を繰り返し継続する請求項1~7のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項9】
複数の項目により構成される検査情報を複数記憶する記憶手段と、
記検査情報における複数の項目間の優先順位の各順位に対応付ける項目及び前記項目毎の優先条件のユーザーによる入力を受け付け、前記入力された情報に基づき前記検査情報における複数の項目間の優先順位及び項目毎の優先条件を設定する設定手段と、
表示手段と、
前記設定手段により設定された前記検査情報における前記複数の項目間の優先順位及び前記項目毎の優先条件に基づいて検査間の読影優先順位を決定し、優先的に読影を行うべき検査を識別可能に前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備える医用画像表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置及び医用画像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者を撮影することにより得られた医用画像は、検査情報等に対応付けてデータベースに登録されている。データベースに登録された検査情報は医師が読影を行うための読影端末にリスト表示することができ、医師は読影を行う際、表示された検査リストの中から読影対象とする検査を選択して読影を行っている。
【0003】
例えば、特許文献1には、検査リストを表示する際、読影済みの検査については読影済みであることを示すアイコンを表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-287732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、読影済みであるか否かを検査リストに表示するだけであるため、未読影の検査が複数存在する場合は、ユーザー(医師)が優先的に読影を行うべき検査を判断しなければならない。しかし、情報量の多いリストの中から優先的に読影を行うべき検査をユーザーが瞬時に判断するのは難しく、検査の選択に時間がかかる、優先的に読影を行うべき検査が後回しになってしまう場合がある等の問題があった。
【0006】
本発明の課題は、優先的に読影を行うべき検査をユーザーが容易に認識できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の表示制御装置は、
複数の項目により構成される検査情報を複数記憶する記憶手段と、
記検査情報における複数の項目間の優先順位の各順位に対応付ける項目及び前記項目毎の優先条件のユーザーによる入力を受け付け、前記入力された情報に基づき前記検査情報における複数の項目間の優先順位及び項目毎の優先条件を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された前記検査情報における前記複数の項目間の優先順位及び前記項目毎の優先条件に基づいて検査間の読影優先順位を決定し、優先的に読影を行うべき検査を識別可能に表示手段に表示させる制御手段と、
を備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記制御手段は、前記検査情報における優先順位が上位の項目からソート処理を実施することにより、前記読影優先順位を決定する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記制御手段は、前記優先的に読影を行うべき検査をユーザーに通知するための通知情報を前記表示手段に表示させる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記制御手段は、前記読影優先順位が最上位から予め設定された範囲の検査を前記優先的に読影を行うべき緊急性の高い検査として決定し、決定した前記緊急性の高い検査をユーザーに通知するための通知情報を前記表示手段に表示させる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記設定手段は、ユーザー操作に応じて、さらに、前記検査情報におけるいずれの優先順位の項目までを前記優先的に読影を行うべき緊急性の高い検査の決定に用いるかを設定可能であり、
前記制御手段は、前記設定手段により前記緊急性の高い検査の決定に用いる項目として設定された全ての項目がその項目の優先条件を満たす検査情報に対応する検査を前記優先的に読影を行うべき緊急性の高い検査として決定し、決定した前記緊急性の高い検査をユーザーに通知するための通知情報を前記表示手段に表示させる。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項3~5のいずれか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、ユーザー操作により前記表示手段に表示された通知情報が指定された場合に、前記通知情報により通知された検査の医用画像を読影するための読影画面を前記表示手段に表示させる。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1~6のいずれか一項に記載の発明において、
前記設定手段は、ユーザー操作に応じて、さらに、前記優先的に読影を行うべき検査に関する情報の表示を行う曜日及び/又は時間帯を設定可能であり、
前記制御手段は、前記設定手段により設定された曜日及び/又は時間帯のみに前記読影優先順位の決定及び前記優先的に読影を行うべき検査の表示を行う。
請求項8に記載の発明は、請求項1~7のいずれか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記ユーザーがログアウトするまで、前記優先順位を決定する処理を繰り返し継続する。
【0014】
請求項に記載の発明の医用画像表示システムは、
複数の項目により構成される検査情報を複数記憶する記憶手段と、
記検査情報における複数の項目間の優先順位の各順位に対応付ける項目及び前記項目毎の優先条件のユーザーによる入力を受け付け、前記入力された情報に基づき前記検査情報における複数の項目間の優先順位及び項目毎の優先条件を設定する設定手段と、
表示手段と、
前記設定手段により設定された前記検査情報における前記複数の項目間の優先順位及び前記項目毎の優先条件に基づいて検査間の読影優先順位を決定し、優先的に読影を行うべき検査を識別可能に前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、優先的に読影を行うべき検査をユーザーが容易に認識することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態における医用画像表示システムの全体構成例を示す図である。
図2図1のサーバー装置の機能的構成を示すブロック図である。
図3図1の画像表示装置の機能的構成を示すブロック図である。
図4】読影優先順位設定画面の一例を示す図である。
図5図2の制御部により実行される表示制御処理Aを示すフローチャートである。
図6】通知情報の一例を示す図である。
図7】通知情報の他の例を示す図である。
図8】通知情報の他の例を示す図である。
図9】通知情報の他の例を示す図である。
図10】読影画面の一例を示す図である。
図11】通知の使用の有無を設定可能な読影優先順位設定画面の一例を示す図である。
図12】通知を使用する曜日及び/又は時間帯を設定可能な読影優先順位設定画面の一例を示す図である。
図13】緊急性判断レベルを設定可能な読影優先順位設定画面の一例を示す図である。
図14】緊急性判断レベルを設定可能な読影優先順位設定画面の一例を示す図である。
図15図2の制御部により実行される表示制御処理Bを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明に係る好適な実施形態について説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0018】
<第1の実施形態>
(医用画像表示システム100の構成)
まず、本発明の第1の実施形態の構成を説明する。
図1に、本実施形態における医用画像表示システム100のシステム構成を示す。
図1に示すように、医用画像表示システム100は、画像生成装置1、サーバー装置2、画像表示装置3を備えて構成されている。これら各装置1~3は、LAN(Local Area Network)等の医療施設内で構築された通信ネットワークNを介して相互にデータを送受信可能に接続されている。通信ネットワークNは、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格が適用されている。なお、各装置の台数は、特に限定されない。
【0019】
以下、各構成装置1~3について説明する。
画像生成装置1は、人体における被写体部位を撮影し、その撮影画像(医用画像)のデジタルデータを生成するモダリティーであり、例えば、CR(Computed Radiography)装置、FPD(Flat Panel Detector)装置、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波診断装置等を適用可能である。
【0020】
なお、画像生成装置1は、上述したDICOM規格に準拠した装置であり、生成した各医用画像に付帯させる各種情報(付帯情報)を外部から入力可能であるとともに、自動生成することもできる。付帯情報としては、例えば、患者ID、患者の名前、性別、生年月日、検査ID、検査時刻、検査条件(撮影部位、撮影方向、体位等)、検査記述、モダリティー種、読影依頼フラグ(ON/OFF)等の複数の項目の情報が含まれる。画像生成装置1は、生成された医用画像に上記付帯情報や画像を識別するためのUID(Unique ID)をヘッダ情報として付加して通信ネットワークNを介してサーバー装置2へ送信する。
【0021】
サーバー装置2は、画像生成装置1で生成された複数の医用画像をデータベース(画像DB251)に記憶し、管理する。また、サーバー装置2は、後述する表示制御処理Aを実行し、検査間の読影優先順位を決定して優先的に読影を行うべき検査を識別可能に画像表示装置3に表示させる。
【0022】
図2に、サーバー装置2の機能構成例を示す。
図2に示すように、サーバー装置2は、制御部21、操作部22、表示部23、通信部24、記憶部25を備えて構成され、各部はバス26により接続されている。
【0023】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部21のCPUは、記憶部25に記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。制御部21は、後述する表示制御処理Aを実行することにより、設定手段、制御手段として機能する。
【0024】
操作部22は、文字入力キー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部21に出力する。
【0025】
表示部23は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0026】
通信部24は、LANカード等を備え、通信ネットワークNに接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0027】
記憶部25は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリ等で構成されている。記憶部25には、前述のように各種プログラムが記憶されている。記憶部25に記憶されているプログラムには、後述する表示制御処理Aを実行させるためのプログラムが記憶されている。
【0028】
また、記憶部25には、画像DB(Data Base)251、検査情報DB252、ユーザーDB253が設けられている。
【0029】
画像DB251は、医用画像を格納するためのデータベースである。
検査情報DB252は、画像DB251に記憶されている医用画像を撮影した検査に関する情報(検査情報)を格納するためのデータベースである。検査情報DB252に格納される検査情報には、検査ID、被検者の患者ID、患者の名前、性別、生年月日、検査時刻、検査条件(撮影部位、撮影方向、体位等)、検査記述、モダリティー種、読影依頼フラグ(ON/OFF)、読影ステータス(未読影/読影完了)、検査で撮影された医用画像のUID、医用画像のファイル格納場所、読影レポートの格納場所等の複数の項目が含まれる。
【0030】
ユーザーDB253は、画像DB251に記憶されている医用画像を読影可能なユーザー(医師)のユーザー情報を格納するためのデータベースである。ユーザー情報には、ユーザーID、パスワード等のログイン情報、ユーザー名、診療科、読影優先順位設定情報(詳細後述)が含まれる。
【0031】
制御部21は、通信部24により画像生成装置1からの医用画像が受信されると、受信された医用画像を画像DB251に格納するとともに、受信された医用画像のヘッダ情報を検査単位で統合して検査情報DB252に格納する。このとき、読影ステータス情報は未読影とする。また、制御部21は、通信部24により画像表示装置3から読影レポートの登録が指示されると、登録指示された読影レポートを記憶部25に格納するとともに、読影ステータス情報を読影完了に変更する。
【0032】
画像表示装置3は、サーバー装置2の画像DB251に記憶されている医用画像を読影するための読影画面(図10参照)、読影対象の検査を選択するための検査リスト画面、サーバー装置2から送信される通知情報等を表示するための読影アプリケーションが搭載された端末装置である。画像表示装置3としては、パーソナルコンピューター、タブレット、スマートフォン等が適用可能である。
【0033】
図3に、画像表示装置3の機能構成例を示す。
図3に示すように、画像表示装置3は、制御部31、操作部32、表示部33、通信部34、記憶部35を備えて構成され、各部はバス36により接続されている。
【0034】
制御部31は、CPU、RAM等により構成される。制御部31のCPUは、記憶部35に記憶されているシステムプログラムや読影アプリケーションを始めとする各種プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。
【0035】
操作部32は、文字入力キー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部31に出力する。また、操作部32は、表示部33の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部31に出力する。
【0036】
表示部33は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0037】
通信部34は、LANカード等により構成され、有線又は無線により通信ネットワークNに接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0038】
記憶部35は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリ等で構成
されている。記憶部35には、前述のようにシステムプログラムや読影アプリケーションを始めとする各種プログラムが記憶されている。
【0039】
(医用画像表示システム100の動作)
次に、医用画像表示システム100の動作について説明する。
【0040】
画像表示装置3の制御部31は、ユーザーが初めて読影アプリケーションにアクセスした際、読影アプリケーションに従って、新規ユーザー登録要求を通信部34によりサーバー装置2に送信する。サーバー装置2の制御部21は、新規ユーザー登録要求を受信すると、通信部24によりユーザー登録画面(図示せず)の画面情報を画像表示装置3に送信して表示部33に表示させ、ユーザーID、パスワード等のログイン情報、ユーザー名、診療科等のユーザー情報の入力を受け付ける。また、制御部21は、読影優先順位設定画面330の画面情報を画像表示装置3に送信して表示部33に表示させ、読影の優先順位を決定する際の検査情報における複数の項目間の優先順位及び項目毎の優先条件(優先する内容や優先順)等の読影優先順位設定情報の入力を受け付ける。そして、サーバー装置2の制御部21は、入力されたユーザー情報及び読影優先順位設定情報をユーザーDB253に登録(設定)する。
【0041】
図4に、読影優先順位設定画面330の一例を示す。図4に示すように、読影優先順位設定画面330は、読影優先順位設定情報をユーザーが入力するための画面である。図4においては、検査情報における複数の項目のうち読影の優先順位を決定する際に最も優先すべき第1優先項目(例えば、読影ステータス)及びその項目の優先条件(例えば、未読影)、2番目に優先すべき第2優先項目(例えば、検査時刻)及びその項目の優先条件(現在時刻に近い順)、3番目に優先すべき第3優先項目(例えば、モダリティー)及びその項目の優先条件(MR、CT)、4番目に優先すべき第4優先項目(例えば、撮影部位)及びその項目の優先条件(頭部)を読影優先順位設定情報として設定可能である。
なお、本実施形態では、優先順位1~4(第1優先項目から第4優先項目まで)を読影優先項目として設定可能である場合を例にとり説明するが、優先項目の数は特に限定されない。
【0042】
ここで、読影アプリケーションでは、医用画像表示システム100における動作モードとして読影モード又は設定モードを指定可能である。読影モードは、ユーザーが医用画像を読影するためのモードである。設定モードは、ユーザー情報や読影優先順位設定情報を設定変更したりするためのモードである。サーバー装置2は、画像表示装置3の読影アプリケーションからアクセスがあると読影モードとして後述する表示制御処理Aを実行するが、読影アプリケーションにより設定モードでの動作が指示されると、ユーザー設定画面や読影優先順位設定画面330を表示部33に表示させ、設定内容の変更を受け付ける。
【0043】
図5に、画像表示装置3において読影アプリケーションが起動され、サーバー装置2に読影アプリケーションからのアクセスがあった場合に制御部21により実行される表示制御処理Aのフローチャートを示す。表示制御処理Aは、制御部21と記憶部25に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0044】
まず、制御部21は、画像表示装置3の表示部33にログイン画面を表示させ、ログイン画面から入力された情報に基づいてログイン認証を行う(ステップS1)。
【0045】
次いで、制御部21は、ユーザーDB253に記憶されている、ログインユーザーに対応する読影優先順位設定情報を読み込む(ステップS2)。
【0046】
次いで、制御部21は、検査情報DB252に記憶されている検査情報を、読影優先順位設定情報に設定されている第1優先項目の優先条件に基づいてソートし(ステップS3)、次いで、第2優先項目の優先条件に基づいてソートし(ステップS4)、次いで、第3優先項目の優先条件に基づいてソートし(ステップS5)、次いで、第4優先項目の優先条件に基づいてソートする(ステップS6)。
ステップS3~S6の処理により検査間の読影優先順位が決定される。
【0047】
ここで、ステップS2~S6は、サーバー装置2においてバックグラウンドで行われる処理であり、ユーザーは、この間に画像表示装置3の操作部32を操作して、読影アプリケーションにより検査リスト画面の表示の指示等を行うことができる。画像表示装置3の制御部31は、検査リスト画面の表示が指示されると、通信部34によりサーバー装置2に検査リスト画面を要求する。サーバー装置2の制御部21は、検査リスト画面の表示要求を受信すると、ステップS6の終了を待機し、ステップS6が終了すると、優先的に読影を行うべき検査の順(読影優先順位の高い順)にソートされた検査リスト画面を画像表示装置3に表示させる。これにより、ユーザーは、優先的に読影を行うべき検査を容易に認識することができる。また、ユーザーは、操作部32を操作して読影アプリケーションの画面を閉じてもよく、読影アプリケーションの画面が閉じられてもログアウトするまでは、サーバー装置2において表示制御処理Aは実行される。
【0048】
次いで、制御部21は、ソートの結果、最上位となった検査を最優先で読影を行うべき検査であると判定し、最優先で読影を行うべき検査をユーザーに通知するための通知情報を生成して通信部24により画像表示装置3に送信し、表示部33に表示させる(ステップS7)。なお、このときユーザーが読影を行う画像表示装置3とは異なる画像表示装置に通知情報を送信して表示させてもよい。
【0049】
図6図9に、ステップS7において表示部33に表示される通知情報の例を示す。
【0050】
図6は、表示部33に検査リスト画面が表示されている場合に検査リスト画面上に表示される通知情報331の一例を示す図である。図6に示すように、通知情報331は、例えば、最優先で読影を行うべき検査に関する情報(患者氏名、検査時刻、モダリティー、撮影部位等)等の、検査情報の所定の項目の情報が表示されたポップアップ画面としてユーザーが識別可能な態様で表示される。ポップアップ画面には、読影ボタン331aとキャンセルボタン331bが表示されている。操作部32により読影ボタン331aが押下されると、制御部31は、通知情報331が指定された旨を通信部34によりサーバー装置2に通知する。
【0051】
図7は、表示部33に検査リスト画面が表示されている場合に検査リスト画面内に表示される通知情報332の一例を示す図である。図7に示すように、通知情報332は、例えば、検査リスト画面における最優先で読影を行うべき検査の情報を他と異なる色でユーザーが識別可能な態様で表示したものである。操作部32により通知情報332が押下されると、制御部31は、通知情報332が指定された旨を通信部34によりサーバー装置2に通知する。
【0052】
図8は、読影アプリケーションの画面が閉じられている場合に、表示部33に表示される通知情報333の一例を示す図である。図8に示すように、通知情報333は、表示部33に表示されている画面(待ち受け画面等)上に、例えば、最優先で読影を行うべき検査に関する情報(患者氏名、検査時刻、モダリティー、撮影部位等)等、検査情報の所定の項目の情報が表示されたポップアップ画面としてユーザーが識別可能な態様で表示される。操作部32により通知情報333が押下されると、制御部31は、通知情報333が指定された旨を通信部34によりサーバー装置2に通知する。
【0053】
図9は、読影アプリケーションの画面が閉じられている場合に、表示部33に表示される通知情報334の一例を示す図である。図9に示すように、通知情報334は、表示部33に表示されている画面(待ち受け画面等)上に、例えば、「新規検査あり」等、最優先で読影を行うべき検査があることを示す情報が表示されたポップアップ画面として表示される。操作部32により通知情報334が押下されると、制御部31は、通知情報334が指定された旨を通信部34によりサーバー装置2に通知する。
通知情報334は、ユーザーが、例えば、セキュリティー上の観点等から、読影アプリケーションを開いていない時に患者氏名等を画面表示したくない場合に有効であり、通知情報333と通知情報334は、設定によりいずれかの態様で通知を行うことが可能である。
【0054】
次いで、制御部21は、画像表示装置3から通知情報が指定された旨が通信部24により受信されたか否かを判断する(ステップS8)。
操作部32により通知情報が指定された旨が画像表示装置3から通知されたと判断した場合(ステップS8;YES)、制御部21は、最優先で読影を行うべき検査の医用画像を読影するための読影画面335の画面情報を生成して通信部24により画像表示装置3に送信し、表示部33に読影画面335を表示させる(ステップS9)。
【0055】
図10に、読影画面335の一例を示す。図10に示すように、読影画面335には、最優先で読影を行うべき検査の医用画像が表示される。ユーザーは、読影画面335において医用画像の読影を行い、読影レポートを作成する。読影レポートの作成が完了すると、例えば、操作部32により読影画面335を閉じる操作等を行う。画像表示装置3の制御部31は、操作部32により読影完了を示す操作が検出されると、通信部34によりサーバー装置2に読影完了の通知及び読影レポートを送信する。
【0056】
通信部24により画像表示装置3からの読影完了の通知及び読影レポートが受信されると(ステップS10;YES)、制御部21は、受信された読影レポートを記憶部25に記憶して、その格納場所を検査情報DB252における読影された検査の検査情報に追加するとともに、読影ステータスを「読影完了」に変更し(ステップS11)、ステップS12に移行する。
【0057】
一方、ステップS8において、画像表示装置3から通知情報が指定された旨が通信部24により所定時間内に受信されなかったと判断した場合(ステップS8;NO)、制御部21は、ステップS12に移行する。
【0058】
ステップS12において、制御部21は、通信部24により画像表示装置3からのログアウト要求が受信されたか否かを判断する(ステップS12)。ログアウト要求が受信されていないと判断した場合(ステップS12;NO)、制御部21は、ステップS2で読み込んだ読影優先順位設定情報に基づいて、検査DB252に記憶されている検査情報を再度ソートし(ステップS13)、ステップS7に戻り、ステップS7~S12の処理を繰り返し実行する。
ステップS13においては、ステップS3~S6のソートが実行される。画像生成装置1から新たな医用画像が送信され、画像DB251に登録された場合は、新たな医用画像の検査も含めてソートすることができる。
【0059】
通信部24により画像表示装置3からのログアウト要求が受信されたと判断した場合(ステップS12;YES)、制御部21は、表示制御処理Aを終了する。
【0060】
なお、上記表示制御処理Aでは、ログイン中は常時、読影優先順位設定情報に基づいて検査間の読影優先順位を決定し、優先的に読影を行うべき検査をユーザーに通知することとして説明したが、図11に示すように、読影優先順位設定画面330に、上記の通知を使用することを指示するチェックボックス330aを設け、制御部21は、チェックボックス330aにチェックが入った場合にのみ、表示制御処理Aを実行して検査間の読影優先順位の決定及び優先して読影を行うべき検査の通知を行い、チェックが入っていない場合は、ユーザー操作に応じて検査リスト画面を表示部33に表示し、ユーザーが検査リスト画面から選択した検査の医用画像を読影するための読影画面を表示する動作(通常動作と呼ぶ)を行うこととしてもよい。通常動作で表示される検査リスト画面は、例えば、検査時刻順、検査ID順等、サーバー装置2で予め定められた順で検査を並べた画面である。
このように構成すれば、ユーザーの運用に応じて、優先的に読影を行うべき検査の通知を行うか否かを容易に切り替えることができる。
【0061】
読影優先順位設定画面330のチェックボックス330aにチェックが入ったか否かの判断は、以下の手法により行うことができる。例えば、ユーザーDB253の読影優先順位設定情報に通知フラグの項目を追加し、画像表示装置3から送信する読影優先順位設定情報にチェックの有無を示す通知フラグのON/OFFの情報を含める。制御部21は、画像表示装置3から受信した読影優先順位設定情報の通知フラグの情報をユーザーDB253に格納しておき、ユーザーがログインした際にこれを参照することで読影優先順位設定画面330のチェックボックス330aにチェックが入ったか否かを判断可能である。
【0062】
また、図12に示すように、読影優先順位設定画面330に、優先的に読影を行うべき検査の通知を使用する曜日及び/又は時間帯を入力する入力欄330bを設け、制御部21は、入力欄330bにおいて指定された曜日及び/又は時間帯にのみ、上記表示制御処理Aを行って優先的に読影を行うべき検査の通知を行うこととし、それ以外の曜日及び/又は時間帯は、上述の通常動作としてもよい。
このように構成すれば、例えば、読影を行う曜日及び/又は時間帯が決まっている場合、その曜日及び/又は時間帯のみを通知を使用する時間として設定しておくことができ、通知の必要のない曜日及び/又は時間帯に通知が行われることを防止することができる。サーバー装置2側の負荷も低減することができる。
【0063】
なお、読影優先順位設定画面330の入力欄330bから入力された曜日及び/又は時間帯は、以下の手法により特定することができる。例えば、ユーザーDB253の読影優先順位設定情報に通知を使用する曜日及び/又は時間帯の項目を追加し、画像表示装置3から送信する読影優先順位設定情報に通知を使用する曜日及び/又は時間帯の情報を含める。制御部21は、画像表示装置3から受信した読影優先順位設定情報の通知を使用する曜日及び/又は時間帯の情報をユーザーDB253に格納しておき、ユーザーDB253に登録されている内容に基づいて、通知を使用する曜日及び/又は時間帯を判断する。
【0064】
また、上記表示制御処理Aでは、第1優先項目から順に優先条件でソートを行って優先的に読影を行うべき検査を決定することとしたが、第1優先項目から順に優先条件でフィルタリングを行い、設定された全ての項目が優先条件に該当した検査のみを読影の優先順位の高い優先的に読影を行うべき検査として決定して通知を行ってもよい。なお、フィルタリングの結果、該当する検査がなかった場合は、通知は行われない。
【0065】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、ユーザーにより設定された、検査情報における複数の項目間の優先順位及び項目毎の優先条件に従ってソートを行い、最上位となった検査を最優先に読影を行うべき検査としてユーザーに通知することとしたが、第2の実施形態では、優先順位が設定された項目のうちどの優先順位の項目までを緊急性の判断に使用するか(緊急性判断レベルと呼ぶ)をユーザーが設定可能とし、第1優先項目から設定された順位の項目まで順にフィルタリングを行い、得られた検査を優先的に読影を行うべき緊急性が高い検査としてユーザーに通知する例について説明する。
【0066】
第2の実施形態において、記憶部25には、後述する表示制御処理Bを実行するためのプログラムが記憶されている。また、記憶部25のユーザーDB253には、読影優先順位設定情報として、検査情報の複数の項目間の優先順位及び項目毎の優先条件の他、緊急性判断レベルを格納する項目が設けられている。
【0067】
第2の実施形態におけるその他の構成は、第1の実施形態において図1図3を用いて説明したものと同様であるので説明を援用し、以下、第2の実施形態の動作について説明する。
【0068】
画像表示装置3の制御部31は、ユーザーが初めて読影アプリケーションにアクセスした際、読影アプリケーションに従って、新規ユーザー登録要求を通信部34によりサーバー装置2に送信する。サーバー装置2の制御部21は、新規ユーザー登録要求を受信すると、通信部24によりユーザー登録画面(図示せず)の画面情報を画像表示装置3に送信して表示部33に表示させ、ユーザーID、パスワード等のログイン情報、ユーザー名、診療科等のユーザー情報の入力を受け付ける。また、制御部21は、読影優先順位設定画面336の画面情報を画像表示装置3に送信して表示部33に表示させ、読影の優先順位を決定する際の検査情報における複数の項目間の優先順位、項目毎の優先条件及び緊急性判断レベル等の読影優先順位設定情報の入力を受け付ける。そして、サーバー装置2の制御部21は、入力されたユーザー情報及び読影優先順位設定情報をユーザーDB253に登録(設定)する。
【0069】
図13に、第2の実施形態において設定モードで表示される読影優先順位設定画面336の一例を示す。図13に示すように、読影優先順位設定画面336は、図4に示す読影優先順位設定画面330と同様に、検査情報の複数項目の優先順位及び項目毎の優先条件を入力するための画面であるが、読影優先順位設定画面336には、更に緊急性判断レベルを設定するためのスライダー336aが設けられている。スライダー336aの移動によって、緊急性判断レベルを設定することができる。スライダー336aにより緊急性判断レベルに設定された優先順位以上の項目が読影の緊急性の高い検査の判断に用いる項目として設定される。例えば、図14に示すように緊急性判断レベルが第3優先項目に設定された場合、第1優先項目から第3優先項目までの全ての項目で優先条件に該当した検査が緊急性の高い検査として決定される。
なお、本実施形態では、優先順位1~4(第1優先項目から第4優先項目まで)を設定可能である場合を例にとり説明するが、優先項目の数は特に限定されない。
【0070】
ここで、読影アプリケーションでは、第1の実施形態と同様に、医用画像表示システム100における動作モードとして読影モード又は設定モードを指定可能である。サーバー装置2は、画像表示装置3の読影アプリケーションによりログインが行われると、読影モードとして後述する表示制御処理Bを実行するが、読影アプリケーションにより設定モードでの動作が指示されると、ユーザー設定画面や読影優先順位設定画面336を表示部33に表示させ、設定内容の変更を受け付ける。
【0071】
以下、表示制御処理Bの動作について説明する。
図15に、画像表示装置3において読影アプリケーションが起動され、サーバー装置2に読影アプリケーションからのアクセスがあった場合に制御部21により実行される表示制御処理Bのフローチャートを示す。表示制御処理Bは、制御部21と記憶部25に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0072】
まず、制御部21は、画像表示装置3の表示部33にログイン画面を表示させ、ログイン画面から入力された情報に基づいてログイン認証を行う(ステップS21)。
【0073】
次いで、制御部21は、ユーザーDB253に記憶されている、ログインユーザーに対応する読影優先順位設定情報を読み込む(ステップS22)。
【0074】
次いで、制御部21は、検査DB252に記憶されている検査情報を、読影優先順位設定情報に設定されている第1優先項目の優先条件に基づいてソートし(ステップS23)、次いで、第2優先項目の優先条件に基づいてソートし(ステップS24)、次いで、第3優先項目の優先条件に基づいてソートし(ステップS25)、次いで、第4優先項目の優先条件に基づいてソートする(ステップS26)。
ステップS23~S26の処理により検査間の読影優先順位が決定される。
【0075】
ここで、ステップS22~S26は、サーバー装置2においてバックグラウンドで行われる処理であり、ユーザーは、この間に画像表示装置3の操作部32を操作して、読影アプリケーションにより検査リスト画面の表示の指示等を行うことができる。画像表示装置3の制御部31は、検査リスト画面の表示が指示されると、通信部34によりサーバー装置2に検査リスト画面を要求する。サーバー装置2の制御部21は、検査リスト画面の表示要求を受信すると、ステップS26の終了を待機し、ステップS26が終了すると、優先的に読影を行うべき検査の順(読影優先順位の高い順)にソートされた検査リスト画面を画像表示装置3に表示させる。これにより、ユーザーは、優先的に読影を行うべき検査を容易に認識することができる。また、ユーザーは、操作部32を操作して読影アプリケーションの画面を閉じてもよく、読影アプリケーションの画面が閉じられてもログアウトするまでは、サーバー装置2において表示制御処理Bは実行される。
【0076】
次いで、制御部21は、読影優先順位設定情報の緊急性判断レベルを参照し、検査情報の緊急性判断レベルに設定された優先順位以上の項目を用いて、優先して読影を行うべき緊急性の高い検査を決定する(ステップS27)。具体的には、緊急性判断レベルに設定された優先順位以上の項目の優先条件で検査情報のフィルタリングを行い、全ての項目の優先条件を満たしている検査を優先して読影を行うべき緊急性の高い検査であると決定する。
【0077】
次いで、制御部21は、緊急性の高い検査の有無を判断する(ステップS28)。
緊急性の高い検査が存在すると判断した場合(ステップS28;YES)、制御部21は、優先的に読影を行うべき緊急性の高い検査をユーザーに通知するための通知情報を生成して通信部24により画像表示装置3に送信し、画像表示装置3の表示部33に表示させる(ステップS29)。
通知情報の態様としては、図6図9に示した通知情報331~334を用いることができる。緊急性の高い検査が複数存在した場合は、そのうちの一つの検査の情報を表示して、残りの緊急性の高い検査については件数を表示する。
操作部32により通知情報が押下されると、画像表示装置3の制御部31は、通知情報が指定された旨を通信部34によりサーバー装置2に通知する。
【0078】
制御部21は、通信部24により画像表示装置3から通知情報が指定された旨が受信されたか否かを判断する(ステップS30)。
通知情報が指定された旨が画像表示装置3から通知されたと判断した場合(ステップS30;YES)、制御部21は、通知された緊急性の高い検査の医用画像を読影するための読影画面335の画面情報を生成して通信部24により画像表示装置3に送信し、表示部33に読影画面335(図10参照)を表示させる(ステップS31)。
【0079】
画像表示装置3の制御部31は、操作部32により読影完了を示す操作が検出されると、通信部34によりサーバー装置2に読影完了の通知及び読影レポートを送信する。
【0080】
通信部24により画像表示装置3からの読影完了の通知及び読影レポートが受信されると(ステップS32;YES)、制御部21は、受信された読影レポートを記憶部25に記憶して、その格納場所を検査情報DB252における読影された検査の検査情報に追加するとともに、読影ステータスを「読影完了」に変更する(ステップS33)。
【0081】
次いで、制御部21は、通信部24により画像表示装置3からのログアウト要求が受信されたか否かを判断する(ステップS34)。
ログアウト要求が受信されていないと判断した場合(ステップS34;NO)、制御部21は、未通知の緊急性の高い検査が存在するか否かを判断する(ステップS35)。
未通知の緊急性の高い検査が存在すると判断した場合(ステップS35;YES)、制御部21は、ステップS29に戻り、読影の緊急性の高い未通知の検査について、ステップS29~S33の処理を行う。
未通知の緊急性の高い検査が存在しないと判断した場合(ステップS35;NO)、制御部21は、ステップS22で読み込んだ読影優先順位設定情報に基づいて、検査情報DB252に記憶されている検査情報を再度ソートし(ステップS36)、ステップS27に戻る。画像生成装置1から新たな医用画像が送信され、画像DB251に登録された場合は、新たな医用画像の検査も含めてソートすることができる。
画像表示装置3からログアウト要求が受信されたと判断した場合(ステップS34;NO)、制御部21は、表示制御処理Bを終了する。
【0082】
一方、ステップS28において緊急性の高い検査が存在しないと判断した場合(ステップS28;NO)、又は、ステップS30において画像表示装置3から通知情報が指定された旨が所定時間内に通信部24により受信されなかったと判断した場合(ステップS30;NO)、制御部21は、通信部24により画像表示装置3からのログアウト要求が受信されたか否かを判断する(ステップS37)。ログアウト要求が受信されていないと判断した場合(ステップS37;NO)、制御部21は、ステップS36に移行する。
ログアウト要求が受信されたと判断した場合(ステップS37;YES)、制御部21は、表示制御処理Bを終了する。
【0083】
なお、表示制御処理BのステップS27では、緊急性判断レベルに設定された優先順位以上の項目の優先条件で検査情報のフィルタリングを行い、全ての項目の優先条件を満たしている検査情報に対応する検査を優先して読影を行うべき緊急性の高い検査であると決定することとしたが、ステップS23~S26のソートの結果、最上位から予め設定された個数の範囲の検査情報に対応する検査を優先的に読影を行うべき緊急性の高い検査として決定することとしてもよい。
【0084】
また、上記表示制御処理Bでは、ログイン中は常時、読影優先順位設定情報に基づいて検査間の読影優先順位を決定し、読影の緊急性の高い検査をユーザーに通知することとして説明したが、第1の実施形態と同様に、読影優先順位設定画面336に、読影の緊急性の高い検査の通知を使用することを指示するチェックボックスを設け(図10参照)、制御部21は、チェックボックスにチェックを入れた場合にのみ、表示制御処理Bを実行して検査間の読影優先順位の決定及び読影の緊急性の高い検査の通知を行い、チェックが入れられなかった場合は、ユーザー操作に応じて検査リスト画面を表示部33に表示し、ユーザーが検査リスト画面から選択した検査の医用画像の読影画面を表示する動作(通常動作と呼ぶ)を行うこととしてもよい。通常動作で表示される検査リスト画面は、例えば、検査時刻順、検査ID順等、サーバー装置2で予め定められた順で検査を並べた画面である。
このように構成すれば、ユーザーの運用に応じて、優先的に読影を行うべき検査の通知を行うか否かを容易に切り替えることができる。
【0085】
また、第1の実施形態と同様に、読影優先順位設定画面336に読影の緊急性の高い検査の通知を使用する曜日及び/又は時間帯を入力する入力欄を設け(図11参照)、制御部21は、入力欄において指定された曜日及び/又は時間帯にのみ、上記表示制御処理Bを行って読影の緊急性の高い検査の通知を行うこととし、それ以外の曜日及び/又は時間帯は、上述の通常動作としてもよい。
このように構成すれば、例えば、読影を行う曜日及び/又は時間帯が決まっている場合、その曜日及び/又は時間帯のみを通知を使用する時間として設定しておくことができ、通知の必要のない曜日及び/又は時間帯に通知が行われることを防止することができる。サーバー装置2側の負荷も低減することができる。
【0086】
以上説明したように、サーバー装置2の制御部21によれば、検査情報における複数の項目間の優先順位及び項目毎の優先条件を入力するための読影優先順位設定画面330(336)を画像表示装置3に表示させ、当該画面から入力された複数の項目間の優先順位及び項目毎の優先条件をユーザーDB253に設定する。そして、設定された複数の項目間の優先順位及び項目毎の優先条件に基づいて、検査情報DB252に記憶されている検査情報を優先順位が上位の項目からソートして検査間の読影優先順位を決定し、優先的に読影を行うべき検査に関する情報を表示手段に表示させる。
したがって、ユーザーは、優先的に読影を行うべき検査の判断基準を項目間の優先順位によって設定することができ、その判断基準に従って決定された優先的に読影を行うべき検査を容易に認識することが可能となる。その結果、従来のように、情報量の多い検査リスト画面から優先的に読影を行うべき検査を判断する必要がなくなり、読影を行うべき検査を選択する時間を大幅に短縮することができ、読影効率を向上させることが可能となる。
【0087】
例えば、制御部21は、優先的に読影を行うべき検査をユーザーに通知するための通知情報を画像表示装置3に表示させる。
したがって、検査リスト画面を開いているか否かに拘わらず、ユーザーは、優先的に読影を行うべき検査を容易に認識することが可能となる。
【0088】
また、例えば、制御部21は、複数の項目間の優先順位及び項目毎の優先条件に基づいて検査情報DB252に記憶されている検査情報をソートし、最上位から予め設定された個数の範囲の検査情報に対応する検査を優先的に読影を行うべき緊急性の高い検査として決定し、決定した緊急性の高い検査をユーザーに通知するための通知情報を画像表示装置3に表示させる。
したがって、優先的に読影を行うべき緊急性の高い検査をユーザーが容易に認識することが可能となる。
【0089】
また、例えば、制御部21は、検査情報における複数の項目間の優先順位、項目毎の優先条件、及びいずれの優先順位の項目までを優先的に読影を行うべき緊急性の高い検査の決定に用いるかを入力するための読影優先順位設定画面336を画像表示装置3に表示させ、緊急性の高い検査の決定に用いる項目として設定された全ての項目がその項目の優先条件を満たす検査情報に対応する検査を優先的に読影を行うべき緊急性の高い検査として決定し、決定した緊急性の高い検査をユーザーに通知するための通知情報を画像表示装置3に表示させる。
したがって、優先的に読影を行うべき緊急性の高い検査をユーザーが容易に認識することが可能となる。
【0090】
また、制御部21は、ユーザー操作により画像表示装置3に表示された通知情報が指定された場合に、通知情報により通知された検査の医用画像を読影するための読影画面335を画像表示装置3に表示させる。
したがって、ユーザーは、通知された検査を検査リスト画面上で選択して読影画面を開く操作をすることなく直ちに読影を開始することができ、利便性が向上する。
【0091】
また、読影優先順位設定画面330(336)は、優先的に読影を行うべき検査に関する情報の通知を使用する曜日及び/又は時間帯を設定可能に構成され、制御部21は、設定された曜日及び/又は時間帯のみに検査間の読影優先順位の決定及び優先的に読影を行うべき検査の通知を行う。
したがって、読影を行う曜日及び/又は時間帯が決まっている場合、その曜日及び/又は時間帯のみを通知を行う時間として設定しておくことができ、通知の必要のない曜日及び/又は時間帯に通知が行われることを防止することが可能となる。
【0092】
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0093】
例えば、上記実施形態においては、設定手段、制御手段としての機能をサーバー装置2側に設け、表示手段としての画像表示装置3に優先的に読影を行うべき検査に関する情報を表示させることとしたが、設定手段、制御手段としての機能を画像表示装置3側にもたせる構成としてもよい。例えば、サーバー装置2に記憶されている検査情報DB252、ユーザーDB253の情報を画像表示装置3で取得して、画像表示装置3の制御部31が表示制御処理A又はBを行うこととしてもよい。そして、読影画面を表示する際に、読影対象となる医用画像をサーバー装置2から取得して読影画面の表示を行うこととしてもよい。また、さらに画像表示装置3が記憶手段を有する構成とし、設定手段、制御手段としての機能を全て画像表示装置3で行うこととしてもよい。
【0094】
また、上記実施形態においては、ログイン中に表示制御処理A、表示制御処理Bを行って優先的に読影を行うべき検査の通知を画像表示装置3に行うこととしたが、ログイン中であるか否かに拘わらず、バックグラウンドで表示制御処理Aや表示制御処理Bの処理を行って優先的に読影を行うべき検査の通知を画像表示装置3に行うこととしてもよい。また、読影を行うための画像表示装置3に限らず、例えば、読影アプリケーションが搭載されていないスマートフォンやタブレット等の予め登録された他の画像表示装置に優先的に読影を行うべき検査の通知情報を送信して表示させることとしてもよい。
【0095】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0096】
その他、医用画像表示システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0097】
100 医用画像表示システム
1 画像生成装置
2 サーバー装置
21 制御部
22 操作部
23 表示部
24 通信部
25 記憶部
251 画像DB
252 検査情報DB
253 ユーザーDB
26 バス
3 画像表示装置
31 制御部
32 操作部
33 表示部
34 通信部
35 記憶部
36 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15