(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】スピーカシステム支持具及びスピーカシステム支持構造
(51)【国際特許分類】
H04R 1/00 20060101AFI20220621BHJP
【FI】
H04R1/00 318B
H04R1/00 318A
(21)【出願番号】P 2018162367
(22)【出願日】2018-08-31
【審査請求日】2020-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】鴫原 顕英
【審査官】冨澤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-122986(JP,A)
【文献】実開昭56-172079(JP,U)
【文献】特開2011-151695(JP,A)
【文献】特開2003-284176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00-1/02
H04R 1/20-1/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付面に取り付ける取付面を有する平板状の基部と、
前記基部からその一方側に互いに対向して延びるよう形成された一対の側板と、を備え、
前記側板は、
前記取付面に対し、第1の距離となる位置に外縁から
前記取付面に対して斜めに切り込まれ
最奥部が第1の中心を有する半円状に形成された第1の切り込み部と、
前記取付面に対し、前記第1の距離
より大きい第2の距離となる位置に外縁から
前記取付面に対して斜めに切り込まれ
最奥部が第2の中心を有する半円状に形成された第2の切り込み部と、
前記第1の中心を中心とする第1の円弧上に形成された複数の貫通孔である第1の貫通孔群と、
前記第2の中心を中心とする第2の円弧上に形成された複数の貫通孔である第2の貫通孔群と、を有し、
前記第1の中心と前記第2の中心とを繋ぐ線分は前記取付面に対し直交する直線上に位置しており、
前記第2の貫通孔群の複数の貫通孔のそれぞれの中心と前記第2の中心とを繋ぐ複数の線分と、前記取付面とのなす角度のうちの最大角度は、前記第1の貫通孔群の複数の貫通孔のそれぞれの中心と前記第1の中心とを繋ぐ複数の線分と、前記取付面とのなす角度のうちの最大角度よりも大きいことを特徴とするスピーカシステム支持具。
【請求項2】
前記第1の貫通孔群の一つの貫通孔は、その中心と前記第1の中心とを繋ぐ線分が前記取付面と平行になる位置にある請求項1記載のスピーカシステム支持具。
【請求項3】
前記第1の円弧の半径と前記第2の円弧の半径とが同じであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスピーカシステム支持具。
【請求項4】
前記取付面に対し前記側板が上方に延びる姿勢としたときに、外縁から下方に延びる向きに切り込まれた第3の切り込み部を有していることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のスピーカシステム支持具。
【請求項5】
ハウジングの側面にボルトを螺合可能な取付孔部を有する第1のスピーカシステム及び第2のスピーカシステムと、
被取付面に取り付ける取付面を有する平板状の基部と、
前記基部からその一方側に互いに対向して延びるよう形成された一対の側板と、
前記側板に形成され、前記第1のスピーカシステムの前記取付孔部に螺合するボルトのねじ部を係合可能な切り込み部、及び前記切り込み部の最奥に係合した前記ねじ部の軸線を中心とする円弧上に配置され前記第2のスピーカシステムの前記取付孔部に対し共締め可能な複数の貫通孔と、を有するスピーカシステム支持具と、を備え、
前記第1のスピーカシステムの前記取付孔部に螺合したボルトのねじ部を前記切り込み部に係合させると共に、前記第2のスピーカシステムの前記取付孔部に前記複数の貫通孔から選択した一つの貫通孔を共締めすることで、前記第1のスピーカシステム及び前記第2のスピーカシステムを、前記取付面に対する角度を調整して取り付け可能
であり、
前記第1及び第2のスピーカシステムは、前記取付孔部を複数有し、前記第1のスピーカシステムの前記複数の取付孔部から選択した前記切り込み部に係合させる前記ボルトを螺合する取付孔部と、前記第2のスピーカシステムの前記複数の取付孔部から選択した前記貫通孔を共締めする取付孔部と、の組み合わせによって前記第1のスピーカシステムと前記第2のスピーカシステムとのなす角度を調整可能とされているスピーカシステム支持構造。
【請求項6】
前記切り込み部と前記複数の貫通孔との組を、前記切り込み部が前記取付面に対し異なる距離となる位置に離隔して複数備えていることを特徴とする請求項
5記載のスピーカシステム支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2台のスピーカシステムを連結した連結スピーカシステムを支持するスピーカシステム支持具及びスピーカシステム支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、隣接したスピーカシステム同士を連結金具で連結して、複数のスピーカシステムを一方向に並べたスピーカクラスタシステムを構成する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
会議室、ショッピングセンタのイベントスペース、スタジアムにおける天井のある観客席のような、上下方向の距離が抑制され水平方向に奥行きをもった比較的狭い聴取エリアを対象にして音響提供を行う場合がある。
このような場合のスピーカシステムは、聴取エリアの広さの程度から、多数のスピーカシステムを連結したクラスタシステムよりも、比較的小型のスピーカシステムを2台連結した連結スピーカシステムの方が適している。
連結スピーカシステムは、出力音がキャビネットの厚さ方向には広がらずに幅方向に広がる指向特性を有するスピーカシステムを、厚さ方向に2台重ねて連結したものである。この連結スピーカシステムを、音声の出力方向が概ね水平方向又は水平に近い方向となるように壁面又は天井面に設置する。これにより、上述の水平方向に奥行きのある聴取エリアに対し好ましい音響を提供できる。
【0005】
ここで、2台のスピーカシステムの連結に、特許文献1に記載された連結金具を用いることが検討される。
しかしながら、特許文献1に記載された連結金具は、隣接するスピーカシステムそれぞれの中心線が予め設定した所定角度となるように作られており、それぞれのスピーカシステムに対しボルトの締め付けによって固定されるものである。
【0006】
そのため、連結スピーカシステムを聴取エリアの壁面又は天井面などに設置し、連結スピーカシステムからの音の出力方向を現場の音響特性に合わせて最適に調整する場合には、ボルトを外し、連結スピーカシステムを手で支えながら連結金具を別の連結金具に交換する必要がある。従って、設置の作業性は必ずしもよいとはいえない。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、設置の作業性がよいスピーカシステム支持具及びスピーカシステム支持構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は次の構成を有する。
1) 被取付面に取り付ける取付面を有する平板状の基部と、
前記基部からその一方側に互いに対向して延びるよう形成された一対の側板と、を備え、
前記側板は、
前記取付面に対し、第1の距離となる位置に外縁から前記取付面に対して斜めに切り込まれ最奥部が第1の中心を有する半円状に形成された第1の切り込み部と、
前記取付面に対し、前記第1の距離より大きい第2の距離となる位置に外縁から前記取付面に対して斜めに切り込まれ最奥部が第2の中心を有する半円状に形成された第2の切り込み部と、
前記第1の中心を中心とする第1の円弧上に形成された複数の貫通孔である第1の貫通孔群と、
前記第2の中心を中心とする第2の円弧上に形成された複数の貫通孔である第2の貫通孔群と、を有し、
前記第1の中心と前記第2の中心とを繋ぐ線分は前記取付面に対し直交する直線上に位置しており、
前記第2の貫通孔群の複数の貫通孔のそれぞれの中心と前記第2の中心とを繋ぐ複数の線分と、前記取付面とのなす角度のうちの最大角度は、前記第1の貫通孔群の複数の貫通孔のそれぞれの中心と前記第1の中心とを繋ぐ複数の線分と、前記取付面とのなす角度のうちの最大角度よりも大きいことを特徴とするスピーカシステム支持具である。
2) ハウジングの側面にボルトを螺合可能な取付孔部を有する第1のスピーカシステム及び第2のスピーカシステムと、
被取付面に取り付ける取付面を有する平板状の基部と、
前記基部からその一方側に互いに対向して延びるよう形成された一対の側板と、
前記側板に形成され、前記第1のスピーカシステムの前記取付孔部に螺合するボルトのねじ部を係合可能な切り込み部、及び前記切り込み部の最奥に係合した前記ねじ部の軸線を中心とする円弧上に配置され前記第2のスピーカシステムの前記取付孔部に対し共締め可能な複数の貫通孔と、を有するスピーカシステム支持具と、を備え、
前記第1のスピーカシステムの前記取付孔部に螺合したボルトのねじ部を前記切り込み部に係合させると共に、前記第2のスピーカシステムの前記取付孔部に前記複数の貫通孔から選択した一つの貫通孔を共締めすることで、前記第1のスピーカシステム及び前記第2のスピーカシステムを、前記取付面に対する角度を調整して取り付け可能であり、
前記第1及び第2のスピーカシステムは、前記取付孔部を複数有し、前記第1のスピーカシステムの前記複数の取付孔部から選択した前記切り込み部に係合させる前記ボルトを螺合する取付孔部と、前記第2のスピーカシステムの前記複数の取付孔部から選択した前記貫通孔を共締めする取付孔部と、の組み合わせによって前記第1のスピーカシステムと前記第2のスピーカシステムとのなす角度を調整可能とされているスピーカシステム支持構造である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、設置の作業性がよい、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係るスピーカシステム支持構造の実施例であるスピーカシステム支持構造SKに用いられるスピーカシステム1の正面図である。
【
図2】
図2は、スピーカシステム1の平面図である。
【
図3】
図3は、スピーカシステム1の側面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態に係るスピーカシステム支持具の実施例であるブラケット2の斜視図である。
【
図6】
図6は、スピーカシステムSKが備える連結スピーカシステム51の第1の連結角度における側面図である。
【
図7】
図7は、連結スピーカシステム51にブラケット2を取り付けた状態での平面図である。
【
図8】
図8は、連結スピーカシステム51をブラケット2により第1の支持角度で支持した状態を示す第1の支持態様図である。
【
図9】
図9は、連結スピーカシステム51をブラケット2により第2の支持角度で支持した状態を示す第2の支持態様図である。
【
図10】
図10は、連結スピーカシステム51をブラケット2により第3の支持角度で支持した状態を示す第3の支持態様図である。
【
図11】
図11は、連結スピーカシステム51をブラケット2により第4の支持角度で支持した状態を示す第4の支持態様図である。
【
図12】
図12は、連結スピーカシステム51の連結角度を第2の連結角度とした連結スピーカ52を示す側面図である。
【
図13】
図13は、連結スピーカシステム52をブラケット2により第5の支持角度で支持した状態を示す第5の支持態様図である。
【
図14】
図14は、連結スピーカシステム52をブラケット2により第6の支持角度で支持した状態を示す第6の支持態様図である。
【
図15】
図15は、連結スピーカシステム52をブラケット2により第7の支持角度で支持した状態を示す第7の支持態様図である。
【
図16】
図16は、連結スピーカシステム52をブラケット2により第8の支持角度で支持した状態を示す第8の支持態様図である。
【
図17】
図17は、連結スピーカシステム51をブラケット2により第8の支持角度で支持した状態を示す第8の支持態様図である。
【
図18】
図18は、連結スピーカシステム52において、不使用の取付孔部15a,15c,15dにキャップ8を取り付けた状態を示す側面図である。
【
図20】
図20は、連結スピーカシステム51において、不使用の取付孔部15b,15c,15dにキャップ8を取り付けた状態を示す側面図である。
【
図21】
図21は、ブラケット2の変形例であるブラケット2Aを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態に係るスピーカシステム支持構造及びスピーカシステム支持具を、実施例のスピーカシステム支持構造SK及びブラケット2により説明する。
【0012】
(実施例)
スピーカシステム支持構造SKは、連結スピーカシステム51及びブラケット2を有する(
図8参照)。連結スピーカシステム51は、
図6に示されるように、2台のスピーカシステム1を音の出力方向を同じ方向(
図6の左方向)として並べ、連結部材4を用いて連結したシステムである。
まず、
図1~
図3を参照してスピーカシステム1を説明する。
説明の便宜上、スピーカシステム1の上下(厚さ)、左右(幅)、前後(奥行き)の各方向を、
図1~
図3に示された方向に規定する。
【0013】
スピーカシステム1は、ハウジング11とスピーカグリル12とハウジング11の内部に収容されたスピーカユニットSP(
図2)とを有する。
ハウジング11は、上下及び左右が概ね対称となっている六面体を呈し、厚さは後方に向かうに従って減少している。
ハウジング11において、厚さが最大となる前端部には、スピーカグリル12が取り付けられている。ハウジング11の内部に収められたスピーカユニットSPから出力された音は、スピーカグリル12を通過してハウジング11の外部に放出される。放出される音の中心軸は、中心軸CL1として示される。
【0014】
ハウジング11からその外部へ放出される音は、特に厚さ方向の指向性が予め設計によって調整され、抑制されている。
具体的には、
図3に示されるように、スピーカシステム1は、厚さ方向の指向特性として、放音面13の上端及び下端から、それぞれ中心軸CL1とのなす角度が角度θa1の広がりを持っている。角度θa1は、例えば7.5°とされ、一般的なスピーカシステムと比べて大幅に抑制され中心軸CL1方向の指向性が強調されている。これにより、スピーカシステム1から放出される音の上下方向の広がりは、
図3に示されるように角度θaの範囲となる。
【0015】
スピーカシステム1は、中心軸CL1の位置を中心とした左右及び上下において、実用上の形状がそれぞれ対称とされている。
ハウジング11は、四隅の稜線部分がL字状に抉れた凹部113とされている。各凹部113の側面となる面の前部には、雌ねじが形成された連結取付部14が設けられている。
【0016】
ハウジング11における左右方向の最大幅となる側面111,111には、それぞれ取付孔群15が設けられている。ハウジング11は左右対称形状なので、
図3に示される右側面図の取付孔群15を代表として説明する。
【0017】
取付孔群15は、
図3において、中心軸CL1上の中心に対する円弧LN1上に中心を有して、上下に対称配置された合計4箇所の取付孔部15a~15dを含む群である。
取付孔部15a~15dは、それぞれ雌ねじ部15a1~15d1と、径が拡大して座となっている座部15a2~15d2と、を有する。取付孔部15a~15dの形状は同じである。雌ねじ部15a1~15d1は、
図19に断面形状を示すように、ハウジング11の内側にナット付きプレート9を設置し、そのナット91の雌ねじ91aを雌ねじ部15a1~15d1としてもよい。その場合の断面形状は
図19に示されている。
【0018】
次に、ブラケット2について、
図4及び
図5を参照して説明する。
ブラケット2は、左右方向を長手とする矩形の平板状部位である基部21と、基部21の長手両端から曲げRを介して同じ直交方向に立ち上げられて対向する一対の側板22,23と、を有する。
基部21には、一対の取付孔群211,212が、左右対称として形成されている。
図4に示されるように、取付孔群211,212は、それぞれ複数の貫通孔211a,212aを有する。
【0019】
側板22,23は、左右対称形状である。以下、代表として右側の側板22について、その側面図である
図5を参照して詳述する。
側板22は、取付部3を有する。
取付部3は、内側切り込み部31,外側切り込み部32,内貫通孔群34,及び外貫通孔群35を含む。
図5に示されるように、側板22の外縁における上側の縁部である上縁部22aには、取付面21aに対する前後方向に離隔して、内側切り込み部31と外側切り込み部32とが同形状で形成されている。
具体的には、側板22における内側切り込み部31と外側切り込み部32とは、取付面21aに対し、前後方向において異なる距離となる位置に形成されている。この例では、側板22において、内側切り込み部31の形成位置の取付面21aからの距離(第1の距離)よりも、外側切り込み部32の形成位置の取付面21aからの距離(第2の距離)の方が大きく(遠く)なっている。
内側切り込み部31及び外側切り込み部32は、上縁部22aから下前方に向けて斜めに切り込まれている。内側切り込み部31及び外側切り込み部32の最奥部は、それぞれ中心CL31,CL32を中心とする半円状に形成されている。
中心CL31,CL32は、それぞれ、取付孔部15a~15dに螺合可能なボルトが内側切り込み部31及び外側切り込み部32の最奥部で係合した際の、ボルトのねじ部の軸線の位置となる。
【0020】
側板22の外縁における前側の縁部である前縁部22bの下方に偏った位置に、縦切り込み部33が形成されている。縦切り込み部33は、前縁部22bから後方に向け切り込まれ、最奥部が中心CL33を中心とする半円状に形成されている。
【0021】
側板22の下縁部22cに近い位置には、内貫通孔群34(第1の貫通孔群34)が形成されている。内貫通孔群34は、内側切り込み部31の所定位置である中心CL31を中心とする半径R31の円弧LN31(第1の円弧LN31)上に並ぶ貫通孔の群である。
内貫通孔群34は、この例において3つの貫通孔34a~34cである。貫通孔34aの位置は、
図5においてその中心と中心CL31とを結ぶ線分が基部21の取付面21aと平行となるように決められている。
【0022】
内貫通孔群34に対し上縁部22aに近い位置には、外貫通孔群35(第2の貫通孔群35)が形成されている。
外貫通孔群35は、外側切り込み部32の所定位置である中心CL32を中心とする半径R32の円弧LN32(第2の円弧LN32)上に並ぶ貫通孔の群である。
外貫通孔群35は、この例において5つの貫通孔35a~35eである。
また、この例において、半径R31と半径R32とは同じ値に設定されている。
【0023】
内貫通孔群34の貫通孔34a~34c及び外貫通孔群35の貫通孔35a~35eは、ハウジング11の取付孔部15a~15dの雌ねじ部15a1~15d1に螺合するボルトのねじ部が通過可能で、かつ、そのボルトの頭部が通過不能な形状で形成されている。
また、内側切り込み部31,外側切り込み部32,及び縦切り込み部33の切り込み幅も、同じく雌ねじ部15a1~15d1に螺合するボルトのねじ部が通過可能で、かつ、そのボルトの頭部が通過不能な幅とされている。
【0024】
スピーカシステム1は、2台を上下方向に並べて(重ねて)、
図6に示されるように、上に載せたスピーカシステム1の下側の連結取付部14と、下側のスピーカシステム1の上側の連結取付部14と、を連結部材4で連結することで前部側が連結される。
連結部材4は、連結プレート41とナットプレート42との組である。
連結プレート41は、一対の貫通孔が並設された金属のプレートである。ナットプレート42は、一対の貫通孔が並設され、そのうちの一方にナットが溶接固定されたいわゆる板付きナットである。
連結プレート41の一方の貫通孔には、ボルト43aが通され一方のスピーカシステム1の連結部材4に螺着され、ナットプレート42のナットが付いていない貫通孔には、同様にボルト43bが通され他方のスピーカシステム1の連結部材4に螺着される。
【0025】
連結プレート41とナットプレート42とは、連結ボルト44を連結プレート41の他方の貫通孔を通してナットプレート42のナットに螺合させることで、直状又は任意の角度に屈曲した態様で連結固定できる。
この連結部材4を用いることで、2台のスピーカシステム1は、少なくとも、
図6に示されるような各中心軸CL1が平行となる第1の姿勢、及び上下のスピーカシステム1の中心軸CL1同士が斜交する第2の姿勢を取り得る。
第2の姿勢は、この例において、
図12に示されるように、下側のスピーカシステム1のハウジング11の上面と、上側のスピーカシステム1のハウジング11の下面と、が概ね平行となる姿勢である。
【0026】
以下、説明上の区別のため、中心軸CL1同士が平行となる第1の姿勢の連結スピーカシステムを連結スピーカシステム51と称し、第2の姿勢の連結スピーカシステムを連結スピーカシステム52と称する。
図12に示される第2の姿勢において、上側となるスピーカシステム1の取付孔部15cと、下側となるスピーカシステム1の取付孔部15bとの距離Lbは、ブラケット2における半径R32と合致させてある。
【0027】
ブラケット2は、
図7に示されるように、側板22,23の間に連結スピーカシステム51,52を挟むようにして支持し、取付面21aを取付壁WLの表面である被取付面に当接させて取り付けることができる。
まず、スピーカシステム支持構造SKによる連結スピーカシステム51の取付態様について、手順も含めて
図8~
図11を主に参照して説明する。ここでは、取付壁WLは側壁である。
【0028】
第1の姿勢の連結スピーカシステム51をブラケット2を介して取付壁WLに取り付ける場合、上側にするスピーカシステム1の取付孔群15の内の最下となる取付孔部15dと、下側にするスピーカシステム1の取付孔群15の内の最上となる取付孔部15aと、を利用する。
【0029】
まず、連結スピーカシステム51については、上側にするスピーカシステム1の左右の取付孔部15dに、
図6に示されるように、係合用ボルトBT1を、それぞれ締め付けずに途中まで螺合させておく。
連結部材4のボルト43a,43b及び連結ボルト44は、二つのハウジング11の中心軸CL1が平行となる位置で締め付けておく。
【0030】
ブラケット2については、取付壁WLに対し、アンカーボルト61を利用し上述のようにナット62を締め付けて取り付けておく。取付姿勢は、内側切り込み部31及び外側切り込み部32の開口が鉛直上方となる姿勢である。
【0031】
連結スピーカシステム51の音の出力方向が水平に近い場合(中心軸CL1が水平に近い場合)は、
図8及び
図9に示されるように、係合用ボルトBT1を、ブラケット2の基部21に近い側の内側切り込み部31(第1の切り込み部31とも称する)に係合させる。
内側切り込み部31は開口が鉛直上方となっている。そのため、連結スピーカシステム51は、係合用ボルトBT1の内側切り込み部31への最奥部での係合で、ブラケット2により落下せずに支持される。
【0032】
ブラケット2によって支持された連結スピーカシステム51を、係合用ボルトBT1を中心に人手により回動させると、内貫通孔群34の3つの貫通孔34a~34cから一つの貫通孔を選択してボルト固定ができる。
従って、作業者は、貫通孔34a~34cの中から、連結スピーカシステム51が所望の取付角度になる貫通孔を選択し、その貫通孔に固定用ボルトBT2を通して取付孔部15aに締め付け固定する。
これにより、連結スピーカシステム51を、選択した貫通孔34a~34cそれぞれに対応した取付角度でブラケット2に固定することができる。
姿勢が決まって最終的に固定する場合は、左右の係合用ボルトBT1も所定のトルクで締め付ける。
【0033】
図8は、固定用ボルトBT2を、貫通孔34aに通して下側のスピーカシステム1の取付孔部15aに締め付け固定した第1の支持態様である。中心軸CL1と壁面WLとのなす角度αaは、この例において90°である。
【0034】
図9は、連結スピーカシステム51を、音の出力方向をやや下向きにし、固定用ボルトBT2を、貫通孔34cに通して下側のスピーカシステム1の取付孔部15aに締め付け固定した第2の支持態様である。中心軸CL1と壁面WLとのなす角度αbは、この例において60°である。
【0035】
また、不図示であるが、固定用ボルトBT2を貫通孔34bに通した場合の中心軸CL1の壁面WLとなす角度は、角度αaと角度αbとの中間の角度(例えば75°)である。
【0036】
図9から明らかなように、係合用ボルトBT1を内側切り込み部31に係合させた状態でさらに連結スピーカシステム51の姿勢を下向きにすると、下側のスピーカシステム1のハウジング11の後部が、取付壁WLから突出したアンカーボルト61に干渉する場合がある。
その干渉を回避すべく、ブラケット2は、連結スピーカシステム51を、内側切り込み部31よりも取付壁WLから離れた位置で支持する外側切り込み部32を備えている。
【0037】
図10に示されるように、取付孔部15dに途中まで螺合させた係合用ボルトBT1を、外側切り込み部32(第2の切り込み部32とも称する)に係合させる。
ブラケット2は、外側切り込み部32が鉛直上方に開口する姿勢で取付壁WLに取り付けてある。そのため、係合用ボルトBT1の外側切り込み部32への最奥部での係合により、連結スピーカシステム51はブラケット2によって落下せずに支持される。
ブラケット2によって支持された連結スピーカシステム51を係合用ボルトBT1を中心に人手により回動させると、下側のスピーカシステム1の取付孔部15aと、外貫通孔群35の5つの貫通孔35a~35eと、が回動角度に応じて合致する。
そこで、貫通孔35a~35eから一つの貫通孔を選択し固定用ボルトBT2で固定することで、選択した貫通孔に応じた角度姿勢で、連結スピーカシステム51をブラケット2に連結支持させることができる。
姿勢が決まって最終的に固定する場合は、左右の係合用ボルトBT1も所定のトルクで締め付ける。
【0038】
図10は、固定用ボルトBT2を、貫通孔35aに通して下側のスピーカシステム1の取付孔部15aに締め付け固定した第3の支持態様である。中心軸CL1と取付壁WLとのなす角度αcは、この例において約45°である。
【0039】
図11は、連結スピーカシステム51を、音の出力方向を鉛直下方に近い向きとした支持態様である。すなわち、固定用ボルトBT2を、貫通孔35eに通して下側のスピーカシステム1の取付孔部15aに締め付け固定した第4の支持態様である。中心軸CL1と壁面WLとのなす角度αdは、この例において約30°である。
【0040】
次に、第2の姿勢の連結スピーカシステム52をブラケット2を介して取付壁WLに取り付ける場合について、
図12~
図16を主に参照して説明する。この場合の連結固定には、上側にするスピーカシステム1の取付孔群15の内の下から2番目の取付孔部15cと、下側にするスピーカシステム1の取付孔群15の内の上から2番目の取付孔部15bと、を利用する。
【0041】
まず、連結スピーカシステム52については、上側にするスピーカシステム1の左右の取付孔部15cに、
図12に示されるように、係合用ボルトBT1を、それぞれ締め付けずに途中まで螺合させておく。
連結部材4のボルト43a,43b及び連結ボルト44は、二つのハウジング11の中心軸CL1が斜交し、角度θbの2倍の角度をなすように締め付けておく。
角度θbは、
図3を参照した既述のように、例えば角度θa1と同じ値とする。
連結スピーカシステム52については、出力する音の中心となる軸を、
図12に示されるように、便宜的に連結中心軸CLhで示す。連結中心軸CLhは、2台のスピーカシステム1の各中心軸CL1の間の中央を通る軸である。
【0042】
連結スピーカシステム52から出力される音の出力方向が水平に近い場合(連結中心軸CLhが水平に近い場合)は、
図13及び
図14に示されるように、係合用ボルトBT1を、ブラケット2の基部21に近い側の内側切り込み部31(第1の切り込み部31)に係合させる。
ブラケット2は、内側切り込み部31が鉛直上方に開口する姿勢で取付壁WLに取り付けてある。そのため、係合用ボルトBT1の内側切り込み部31への最奥部での係合により、連結スピーカシステム52はブラケット2によって落下せずに支持される。
【0043】
ブラケット2によって支持された連結スピーカシステム52を、係合用ボルトBT1を中心に人手により回動させると、下側のスピーカシステム1の取付孔部15bと、内貫通孔群34の3つの貫通孔34a~34cとが回動角度に応じて合致する。そこで、内貫通孔群34の3つの貫通孔34a~34cから一つの貫通孔を選択して固定用ボルトBT2で固定することで、選択に応じた角度姿勢で連結スピーカシステム52をブラケット2に連結支持させることができる。
姿勢が決まって最終的に固定する場合は、左右の係合用ボルトBT1も所定のトルクで締め付ける。
【0044】
図13は、固定用ボルトBT2を、貫通孔34aに通して下側のスピーカシステム1の取付孔部15bに締め付け固定した第5の支持態様である。連結中心軸CLhと取付壁WLとのなす角度αAaは、この例において90°である。
【0045】
図14は、連結スピーカシステム52を、音の出力方向をやや下向きにし、固定用ボルトBT2を、貫通孔34cに通して下側のスピーカシステム1の取付孔部15bに締め付け固定した第6の支持態様である。連結中心軸CLhと取付壁WLとのなす角度αAbは、この例において60°となる。
【0046】
また、不図示であるが、固定用ボルトBT2を貫通孔34bに通した場合の連結中心軸CLhの取付壁WLとなす角度は、角度αAaと角度αAbとの中間の角度(例えば75°)である。
【0047】
図14から明らかなように、係合用ボルトBT1を内側切り込み部31に係合させた状態でさらに連結スピーカシステム52の姿勢を下向きにすると、下側のスピーカシステム1のハウジング11の後部が、取付壁WLから突出したアンカーボルト61に干渉する場合がある。
その干渉を回避すべく、連結スピーカシステム51の場合と同様に、連結スピーカシステム52を、内側切り込み部31よりも離れた位置で支持する外側切り込み部32で支持させる。
【0048】
図15に示されるように、取付孔部15cに途中まで螺合させた係合用ボルトBT1を、外側切り込み部32(第2の切り込み部32)に係合させる。
ブラケット2は、外側切り込み部32が鉛直上方に開口する姿勢で取付壁WLに取り付けてある。そのため、係合用ボルトBT1の外側切り込み部32への最奥部での係合により、連結スピーカシステム52はブラケット2によって落下せずに支持される。
ブラケット2によって支持された連結スピーカシステム52を係合用ボルトBT1を中心に人手により回動させると、下側のスピーカシステム1の取付孔部15bと、外貫通孔群35の5つの貫通孔35a~35eと、が回動角度に応じて合致する。
そこで、貫通孔35a~35eから一つの貫通孔を選択し、固定用ボルトBT2によって、ブラケット2と下側のスピーカシステム1の取付孔部15bとを共締め固定する。これにより、選択に応じた角度姿勢で、連結スピーカシステム52をブラケット2に連結支持させることができる。
姿勢が決まって最終的に固定する場合は、左右の係合用ボルトBT1も所定のトルクで締め付ける。
【0049】
図15は、固定用ボルトBT2を、貫通孔35aに通して下側のスピーカシステム1の取付孔部15bに締め付け固定した第7の支持態様である。連結中心軸CLhと取付壁WLとのなす角度αAcは、この例において約45°である。
【0050】
図16は、連結スピーカシステム52を、音の出力方向を鉛直下方に近い向きとした支持態様である。すなわち、固定用ボルトBT2を、貫通孔35eに通して下側のスピーカシステム1の取付孔部15bに締め付け固定した第8の支持態様である。連結中心軸CLhと取付壁WLとのなす角度αAdは、この例において約30°である。
【0051】
上述の第1~第8の支持態様において、取付壁WLが天井壁の場合の鉛直方向と中心軸CL1及び連結中心軸CLhとのなす角度は、第1の支持態様(
図8)及び第5の支持態様(
図13)において0°である。また、第2~第4の支持態様(
図9~
図11)においては角度βb~βdであり、第6~第8の支持態様(
図14~
図16)においては角度βAb~βAdである。
【0052】
以上詳述したように、ブラケット2は、内側切り込み部31と外側切り込み部32とを有している。そのため、連結スピーカシステム51,52を取付壁WLに近い位置と、遠い位置と、の複数の位置で支持できるようになっている。
これにより、連結スピーカシステム51,52をブラケット2を介して取付壁WLに取り付ける際に、取付壁WLに対する中心軸CL1,連結中心軸CLhの角度が大きくなる場合などにおいて、ハウジング11とアンカーボルト61とが干渉して姿勢調整が不能になってしまうことはない。
また、比較的質量の大きい連結スピーカシステム51,52を、アンカーボルト61との干渉がない範囲で可能な限り取付壁WLに近い位置で支持することができる。これにより、ブラケット2と取付壁WLとの連結位置に加わるモーメントが抑制されるので、ブラケット2の取付強度設計の自由度が向上する。
【0053】
図8~
図16に示されるように、連結スピーカシステム51,52の取付姿勢、すなわち、取付壁WLに対する中心軸CL1,連結中心軸CLhの角度を調整する場合、固定用ボルトBT2は外す必要があるものの、係合用ボルトBT1は外すことなく緩めるだけでよい。
また、その調整の際、連結スピーカシステム51,52の自重は、係合用ボルトBT1と、内側切り込み部31又は外側切り込み部32と、の係合によりブラケット2で支えられている。
そのため、作業者が連結スピーカシステム51,52の自重を支えることはなく、調整作業における作業者の負荷は少なく、連結スピーカシステム51,52は設置作業性がよい。
【0054】
次に、ブラケット2の縦切り込み部33を用いて連結スピーカシステム51,52を支持する態様を説明する。
図17は、ブラケット2の基部21を、いわゆるPAスピーカスタンド7の支持板71に取り付け、連結スピーカシステム51をブラケット2を介してPAスピーカスタンド7に取り付けた例を示している。
【0055】
図17において、ブラケット2の縦切り込み部33は、上方に開放して下向きに切り込まれている。そのため、縦切り込み部33に係合用ボルトBT1を進入係合させることで、連結スピーカシステム51の自重はブラケット2により支持される。
また、縦切り込み部33の中心CL33から内貫通孔群34の貫通孔34cの中心までの距離L33(
図5)を、連結スピーカシステム51の距離La(
図6)に合致させてある。距離Laは、上側のスピーカシステム1における取付孔部15dの中心と、下側のスピーカシステム1における取付孔部15aの中心と、の間の距離である。
これにより、
図17に示されるように、貫通孔34cを通して下側のスピーカシステム1の取付孔部15aに固定用ボルトBT2を締め付け、係合用ボルトBT1も締め付けることで、ブラケット2に対し連結スピーカシステム51はしっかりと固定される。
【0056】
縦切り込み部33は、形成位置が
図17における左右方向においてブラケットの左方の偏った位置に設けてある。連結スピーカシステム51,52の前後方向の重心位置は、取付孔群15よりも前方にあるので、その重心の水平位置がPAスピーカスタンド7の支持板71から外側に外れにくい。そのため、連結スピーカシステム51,52のPAスピーカスタンド7による安定した支持が可能となっている。
【0057】
以上詳述した実施例は、上述の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形した変形例としてもよい。
【0058】
取付孔部15a~15dに弾性係合して孔を塞ぐキャップ8(
図19)を、使用しない孔に予め取り付けておいてもよい。
これについて
図18~
図20を参照して説明する。
図18は、連結スピーカシステム52において、下側のスピーカシステム1における不使用の取付孔部15a,15c,15dにキャップ8を取り付けた状態を示す側面図である。
図19は、
図18におけるS19-S19位置での断面図である。
図20は、連結スピーカシステム51において、下側のスピーカシステム1における不使用の取付孔部15b,15c,15dにキャップ8を取り付けた状態を示す側面図である。
【0059】
スピーカシステム1は、単独でも使用可能な汎用品である。そのため、連結スピーカシステム51,52として用いた場合、取付孔群15の取付孔部15a~15dの中に不使用となるものがある。
具体的には、上側となるスピーカシステム1においては、取付孔部15a,15bは使用しない。また、下側となるスピーカシステム1においては、少なくとも取付孔部15c,15dは使用しない。
【0060】
そこで、連結スピーカシステム51,52を組として含むセット商品として販売する場合に、上側及び下側となるスピーカシステム1を決めておき、それぞれ不使用となる取付孔部にキャップ8を出荷時点で取り付けておくようにしてもよい。
これにより、設置現場におけるスピーカシステム1の上下の取り違いはなくなり、作業効率及び作業品質が向上する。
また、連結スピーカシステムを第1の姿勢にするか、第2の姿勢にするかを現場で決定した後に、
図18及び
図20に示されるように、さらに、下側のスピーカシステム1において、それぞれの姿勢で不使用となる取付孔部15a又は取付孔部15bをキャップ8で塞ぎ、角度調整の作業を実施してもよい。
これにより、ブラケット2の貫通孔34a~34c,35a~35eに合致してボルトを締め付け可能な取付孔部がただ一つ決まるので、作業効率が向上し、作業ミスが低減する。
【0061】
2つのスピーカシステム1の第1の姿勢及び第2の姿勢でなす角度は、上述の例に限定されない。
ブラケット2及び連結部材4の材質は限定されない。例えばステンレスである。
ブラケット2において、内側切り込み部31及び内貫通孔群34と、外側切り込み部32及び外貫通孔群35と、をそれぞれ組とすると、組の数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
その場合、各組の切り込み部の位置と取付面21aとの距離が、組毎に異なるように設けられていればよい。
【0062】
ブラケット2は、取付壁WLが天井面であっても、鉛直方向に延在する側壁面であっても、連結スピーカシステム51,52を自重で支持できるように内側切り込み部31及び外側切り込み部32の切り込み方向が設定されている。
すなわち、内側切り込み部31及び外側切り込み部32は、上縁部22aに開口し、ブラケット2の取付面2aから離れる方向に切り込まれている。
このブラケット2は、連結スピーカシステム51,52の側壁専用取付具として特化したブラケット2Aに変形してもよい。
【0063】
図21は、ブラケット2Aの側面図であり、
図5に対応した図である。
図21に示されるように、ブラケット2Aは、ブラケット2における内側切り込み部31及び外側切り込み部32にそれぞれ対応した内側切り込み部31A及び外側切り込み部32Aを有する。内側切り込み部31A及び外側切り込み部32Aは、上縁部22aに開口し、ブラケット2Aの取付面2aに近づく方向に切り込まれている。この切り込み方向は、取付面2aと平行方向であってもよい。
ブラケット2Aは、連結スピーカシステム51,52を天井面に取り付けることは難しいが、ブラケット2と同様に鉛直方向に延在する側壁を取付壁WLとして取り付けることができ、その取り付けにおいて取付強度設計の自由度が向上し、連結スピーカシステム51,52の設置作業性がよい。
【符号の説明】
【0064】
1 スピーカシステム
11 ハウジング
111 側面
113 凹部
12 スピーカグリル
13 放音面
14 連結取付部
15 取付孔群
15a~15d 取付孔部
15a1~15d1 雌ねじ部
15a2~15d2 座部
2,2A ブラケット
21 基部
21a 取付面
211,212 取付孔群
211a,212a 貫通孔
22,23 側板
22a 上縁部
22b 前縁部
22c 下縁部
3 取付部
31,31A 内側切り込み部(第1の切り込み部)
32,32A 外側切り込み部(第2の切り込み部)
33 縦切り込み部(第3の切り込み部)
34 内貫通孔群(第1の貫通孔群)
34a~34c 貫通孔
35 外貫通孔群(第2の貫通孔群)
35a~35e 貫通孔
4 連結部材
41 連結プレート
42 ナットプレート
43a,43b ボルト
44 連結ボルト
51,52 連結スピーカシステム
61 アンカーボルト
62 ナット
7 スピーカスタンド
71 支持板
8 キャップ
9 ナット付きプレート
91 ナット
91a 雌ねじ
BT1 係合用ボルト
BT2 固定用ボルト
CL1 中心軸
CLh 連結中心軸
CL31,CL32,CL33 中心
La,Lb 距離
LN1,LN31,LN32 円弧
R31,R32 半径
SK スピーカシステム支持構造
SP スピーカユニット
WL 取付壁
θa,θa1,θb 角度
αa~αd,αAa~αAd,βb~βd,βAb~βAd 角度