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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】指向性アンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 19/28 20060101AFI20220621BHJP
   H01Q 7/00 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
H01Q19/28
H01Q7/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018163543
(22)【出願日】2018-08-31
(65)【公開番号】P2020036287
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100092071
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 均
(74)【代理人】
【識別番号】100130638
【弁理士】
【氏名又は名称】野末 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】伊澤 正裕
(72)【発明者】
【氏名】堀邉 隆之
(72)【発明者】
【氏名】澤田 佳典
(72)【発明者】
【氏名】田保 泰夫
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-054207(JP,A)
【文献】特開2006-229851(JP,A)
【文献】特開2001-168633(JP,A)
【文献】特開2001-237637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 19/28
H01Q 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長λの電磁波の送信および受信のうちの少なくとも一方を行う指向性アンテナであって、
ループ状の形状を有するループ部を有する給電部と、
前記ループ部に対して、前記ループ部を含む平面と直交する第1の方向に設けられ、前記第1の方向に延伸し、かつ、前記給電部側の端部が開口している筒状の無給電導体と、
前記第1の方向において前記ループ部に対して前記無給電導体とは反対側であって、かつ、前記無給電導体からの距離がλ/2未満の位置に設けられ、前記第1の方向から見たときの大きさが前記ループ部よりも大きい無給電素子と、
を備え、
前記無給電導体の前記給電部側の端部とは反対側の端部は、閉口端であり、
前記無給電導体の内部に基板を設けたことを特徴とする指向性アンテナ。
【請求項2】
波長λの電磁波の送信および受信のうちの少なくとも一方を行う指向性アンテナであって、
ループ状の形状を有するループ部を有する給電部と、
前記ループ部に対して、前記ループ部を含む平面と直交する第1の方向に設けられ、前記第1の方向に延伸し、かつ、前記給電部側の端部が開口している筒状の無給電導体と、
前記第1の方向において前記ループ部に対して前記無給電導体とは反対側であって、かつ、前記無給電導体からの距離がλ/2未満の位置に設けられ、前記第1の方向から見たときの大きさが前記ループ部よりも大きい無給電素子と、
を備え、
前記第1の方向における前記ループ部と前記無給電導体との間の距離はλ/8であり、
前記第1の方向における前記ループ部と前記無給電素子との間の距離はλ/8であり、
前記無給電導体の内部に基板を設けたことを特徴とする指向性アンテナ。
【請求項3】
波長λの電磁波の送信および受信のうちの少なくとも一方を行う指向性アンテナであって、
ループ状の形状を有するループ部を有する給電部と、
前記ループ部に対して、前記ループ部を含む平面と直交する第1の方向に設けられ、前記第1の方向に延伸し、かつ、前記給電部側の端部が開口している筒状の無給電導体と、
前記第1の方向において前記ループ部に対して前記無給電導体とは反対側であって、かつ、前記無給電導体からの距離がλ/2未満の位置に設けられ、前記第1の方向から見たときの大きさが前記ループ部よりも大きい無給電素子と、
を備え、
前記無給電導体の前記第1の方向における長さは、λ/4より長く、
前記無給電導体の内部に基板を設けたことを特徴とする指向性アンテナ。
【請求項4】
波長λの電磁波の送信および受信のうちの少なくとも一方を行う指向性アンテナであって、
ループ状の形状を有するループ部を有する給電部と、
前記ループ部に対して、前記ループ部を含む平面と直交する第1の方向に設けられ、前記第1の方向に延伸し、かつ、前記給電部側の端部が開口している筒状の無給電導体と、
前記第1の方向において前記ループ部に対して前記無給電導体とは反対側であって、かつ、前記無給電導体からの距離がλ/2未満の位置に設けられ、前記第1の方向から見たときの大きさが前記ループ部よりも大きい無給電素子と、
を備え、
前記無給電導体の内部に基板を設け
前記基板は、前記給電部と接続されており、
前記基板と前記給電部との接続部に、前記電磁波の周波数を調整するための周波数調整素子が設けられていることを特徴とする指向性アンテナ。
【請求項5】
前記無給電導体を、前記ループ部を含む平面と平行な平面で切断したときの周縁部の形状は、前記ループ部の形状と略相似していることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の指向性アンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指向性アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
八木アンテナの輻射器として機能する輻射配線と、八木アンテナの反射器として機能する反射部材と、八木アンテナの導波器として機能する導波部材と、電子回路チップの無線通信端子とを備えた電子回路装置が特許文献1に記載されている。導波部材の大きさは、輻射配線より一回り小さい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-130329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、特許文献1に記載の電子回路装置において、導波部材は輻射配線より一回り小さいため、電波の指向性を高めるためには、導波部材の数を増やす必要がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するものであり、導波部材に対応する部材の数を増やすことなく、指向性を高めることができる指向性アンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の指向性アンテナは、
波長λの電磁波の送信および受信のうちの少なくとも一方を行う指向性アンテナであって、
ループ状の形状を有するループ部を有する給電部と、
前記ループ部に対して、前記ループ部を含む平面と直交する第1の方向に設けられ、前記第1の方向に延伸し、かつ、前記給電部側の端部が開口している筒状の無給電導体と、
前記第1の方向において前記ループ部に対して前記無給電導体とは反対側であって、かつ、前記無給電導体からの距離がλ/2未満の位置に設けられ、前記第1の方向から見たときの大きさが前記ループ部よりも大きい無給電素子と、
を備え、
前記無給電導体の前記給電部側の端部とは反対側の端部は、閉口端であり、
前記無給電導体の内部に基板を設けたことを特徴とする。
【0007】
本発明の指向性アンテナは、
波長λの電磁波の送信および受信のうちの少なくとも一方を行う指向性アンテナであって、
ループ状の形状を有するループ部を有する給電部と、
前記ループ部に対して、前記ループ部を含む平面と直交する第1の方向に設けられ、前記第1の方向に延伸し、かつ、前記給電部側の端部が開口している筒状の無給電導体と、
前記第1の方向において前記ループ部に対して前記無給電導体とは反対側であって、かつ、前記無給電導体からの距離がλ/2未満の位置に設けられ、前記第1の方向から見たときの大きさが前記ループ部よりも大きい無給電素子と、
を備え、
前記第1の方向における前記ループ部と前記無給電導体との間の距離はλ/8であり、
前記第1の方向における前記ループ部と前記無給電素子との間の距離はλ/8であり、
前記無給電導体の内部に基板を設けたことを特徴とする。
【0008】
本発明の指向性アンテナは、
波長λの電磁波の送信および受信のうちの少なくとも一方を行う指向性アンテナであって、
ループ状の形状を有するループ部を有する給電部と、
前記ループ部に対して、前記ループ部を含む平面と直交する第1の方向に設けられ、前記第1の方向に延伸し、かつ、前記給電部側の端部が開口している筒状の無給電導体と、
前記第1の方向において前記ループ部に対して前記無給電導体とは反対側であって、かつ、前記無給電導体からの距離がλ/2未満の位置に設けられ、前記第1の方向から見たときの大きさが前記ループ部よりも大きい無給電素子と、
を備え、
前記無給電導体の前記第1の方向における長さは、λ/4より長く、
前記無給電導体の内部に基板を設けたことを特徴とする。
【0009】
本発明の指向性アンテナは、
波長λの電磁波の送信および受信のうちの少なくとも一方を行う指向性アンテナであって、
ループ状の形状を有するループ部を有する給電部と、
前記ループ部に対して、前記ループ部を含む平面と直交する第1の方向に設けられ、前記第1の方向に延伸し、かつ、前記給電部側の端部が開口している筒状の無給電導体と、
前記第1の方向において前記ループ部に対して前記無給電導体とは反対側であって、かつ、前記無給電導体からの距離がλ/2未満の位置に設けられ、前記第1の方向から見たときの大きさが前記ループ部よりも大きい無給電素子と、
を備え、
前記無給電導体の内部に基板を設け、
前記基板は、前記給電部と接続されており、
前記基板と前記給電部との接続部に、前記電磁波の周波数を調整するための周波数調整素子が設けられていることを特徴とする。
【0010】
前記無給電導体を、前記ループ部を含む平面と平行な平面で切断したときの周縁部の形状は、前記ループ部の形状と略相似していてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の指向性アンテナによれば、導波部材に対応する部材の数を増やすことなく、指向性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1参考実施形態における指向性アンテナの構成を模式的に示す図である。
図2】第1の方向から見たときの給電部のループ部、無給電導体、および無給電素子の相対的な大きさの関係を示す図である。
図3】第の実施形態における指向性アンテナの構成を模式的に示す図である。
図4】基板と給電部との接続部分の拡大図である。
図5】無給電導体の側面に孔が設けられている指向性アンテナの構成を模式的に示す図である。
図6】第の実施形態における指向性アンテナと、比較構成例におけるアンテナの指向特性を示す図である。
図7】無給電素子の中央に孔を設け、孔にLEDを設けた指向性アンテナの構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところを具体的に説明する。
【0016】
参考実施形態>
図1は、参考実施形態における指向性アンテナ10の構成を模式的に示す図である。参考実施形態における指向性アンテナ10は、給電部1と、無給電導体2と、無給電素子3とを備える。
【0017】
参考実施形態における指向性アンテナ10は、波長λの電磁波の送信および受信のうちの少なくとも一方を行う。使用する電磁波の周波数は、例えば2.4GHzであり、その場合の波長λは、0.125mである。
【0018】
給電部1は、導電性の材料、例えば銅により構成されており、ループ状の形状を有するループ部11を有する。ループ状とは、周回状の意味であり、ループ部11に電流が流れたときに、電流が周回状に流れるような形状をループ形状と呼んでいる。本実施形態では、ループ部11は、平面視で略円環状の形状を有する。ループ部11は、例えばFR4(Flame Retardant Type4)基板上に形成することができる。
【0019】
なお、給電部1には、電流を供給するための導線または電流を取り出すための導線が接続されている。給電部1に電流が流れると、ループ部11との結合により、無給電導体2および無給電素子3にも電流が流れる。
【0020】
無給電導体2は、給電部1のループ部11に対して、ループ部11を含む平面と直交する第1の方向に設けられている。本実施形態において、第1の方向は、図1に示すZ軸方向である。無給電導体2は、給電部1と結合するため、所定の距離、例えば5mm以上20mm以下の距離離れた位置に設けられている。
【0021】
無給電導体2は、第1の方向に延伸し、かつ、給電部1側の端部2aが開口している筒状の形状を有する。本実施形態では、無給電導体2の第1の方向における両端のうち、給電部1側の端部2aとは反対側の端部2bは、閉口端である。すなわち、無給電導体2は、有底筒状の形状を有する。
【0022】
本実施形態では、無給電導体2は、円筒状の形状を有する。すなわち、無給電導体2を、給電部1のループ部11を含む平面と平行な平面で切断したときの周縁部の形状は、円形である。第1の方向から見たときに、給電部1のループ部11の中心と無給電導体2の中心とが一致していることが好ましい。
【0023】
上述したように、ループ部11は、略円環状の形状を有しているため、ループ部11の外周の形状は略円形である。すなわち、無給電導体2を、給電部1のループ部11を含む平面と平行な平面で切断したときの周縁部の形状は、ループ部11の形状と略相似している。そのような構成により、給電部1と無給電導体2とが結合しやすくなる。
【0024】
本実施形態では、ループ部11の形状が略円環状であるが、略円環状の形状に限定されることはなく、例えば外周が略矩形の形状であってもよい。その場合、無給電導体2の形状を角筒状とすることにより、無給電導体2を、給電部1のループ部11を含む平面と平行な平面で切断したときの周縁部の形状を、ループ部11の形状と略相似とすることができる。
【0025】
第1の方向から見たときの無給電導体2の大きさは、ループ部11の大きさ以上であることが好ましい。
【0026】
無給電導体2は、導電性の材料、例えば鉄により構成されている。
【0027】
筒状の形状を有する無給電導体2の第1の方向における長さは、λ/4より長いことが好ましい。後述するように、本実施形態における指向性アンテナ10は、第1の方向(Z軸方向)のうち、給電部1を基準としたときの無給電素子3の方向への指向性が強い。無給電導体2の第1の方向における長さをλ/4より長くすることにより、第1の方向のうち、給電部1を基準としたときの無給電導体2の方向への指向性を弱めることができる。
【0028】
なお、無給電導体2の第1の方向における長さがλ/4より長い場合には、無給電導体2の端部2bを開口端としてもよい。
【0029】
無給電素子3は、給電部1のループ部11を含む平面と平行な方向に延伸する平板状の形状を有する。第1の方向から見たときの無給電素子3の形状に特に制約はなく、矩形でもよいし、円形でもよい。本実施形態では、第1の方向から見たときの無給電素子3の形状は矩形である。
【0030】
無給電素子3は、導電性の材料、例えば銅により構成されている。
【0031】
無給電素子3は、第1の方向において給電部1のループ部11に対して無給電導体2とは反対側であって、かつ、無給電導体2からの距離、より詳しくは、無給電導体2の端部2aからの距離がλ/2未満の位置に設けられている。
【0032】
図2は、第1の方向から見たときの給電部1のループ部11、無給電導体2、および無給電素子3の相対的な大きさの関係を示す図である。図2に示すように、無給電素子3は、第1の方向から見たときの大きさが給電部1のループ部11よりも大きい。すなわち、第1の方向から見たときに、無給電素子3の外周端は、給電部1のループ部11の外側に位置する。
【0033】
無給電素子3が、給電部1のループ部11に対して無給電導体2とは反対側であって、無給電導体2からの距離がλ/2未満の位置に設けられていることにより、無給電導体2に流れる電流と無給電素子3に流れる電流の位相が同相となり、無給電導体2から放射される電磁波を、無給電素子3から放射される電磁波と干渉させて強め合わせることができるので、無給電素子3が導波器として動作する。これにより、第1の方向のうち、給電部1を基準としたときの無給電素子3の方向への指向性を強くすることができる。
【0034】
ここで、「電流の位相が同相」とは、電流の位相が完全に一致する意味ではなく、一方の電流と他方の電流の位相の差が±λ/4未満であることを意味する。「電磁波の位相が同相」も同様に、電磁波の位相が完全に一致する意味ではなく、一方の電磁波と他方の電磁波の位相の差が±λ/4未満であることを意味する。
【0035】
また、無給電素子3は、第1の方向から見たときの大きさが給電部1のループ部11よりも大きいので、大きさが給電部1よりも小さい従来の導波器を設ける構成と比べて、給電部1を基準としたときの無給電素子3の方向への指向性をより強くすることができる。また、複数の導波器を設けることなく、給電部1を基準としたときの無給電素子3の方向への指向性を強くすることができる。
【0036】
第1の方向における給電部1のループ部11と無給電導体2の端部2bとの間の距離はλ/8であり、第1の方向におけるループ部11と無給電素子3との間の距離はλ/8であることが好ましい。ループ部11と無給電導体2の端部2bとの間、および、ループ部11と無給電素子3との間の距離をそれぞれλ/8とすることにより、無給電導体2から放射される電磁波を、無給電素子3から放射される電磁波と位相を一致させて干渉させることができる。これにより、第1の方向のうち、給電部1を基準としたときの無給電素子3の方向の指向性を最も強くすることができる。
【0037】
<第の実施形態>
図3は、第の実施形態における指向性アンテナ10Aの構成を模式的に示す図である。第の実施形態における指向性アンテナ10Aは、参考実施形態における指向性アンテナ10に対して、基板4および周波数調整素子5をさらに備える。
【0038】
基板4は、筒状の無給電導体2の内部に設けられている。基板4には、例えば各種センサなどが設けられている。図3では、基板4がXZ平面と平行になる向きに配置されているが、基板4の配置位置および向きが図3に示す配置位置および向きに限定されることはない。
【0039】
基板4は、給電部1と接続されている。給電部1と基板4との接続部には、図4に示すように、送信および受信のうちの少なくとも一方が行われる電磁波の周波数を調整するための周波数調整素子5が設けられている。周波数調整素子5は、例えばインダクタやキャパシタである。周波数調整素子5が設けられていることにより、使用する電磁波の周波数を所望の周波数に調整しやすくすることができる。
【0040】
ここで、無給電導体2は、図5に示すように、側面に孔40が設けられていてもよい。例えば、図示しない外部機器からの配線を、無給電導体2の孔40を通して、無給電導体2の内部に設けられている基板4と接続することができる。その場合、外部機器からの配線に、給電部1に電流を供給するための導線または電流を取り出すための導線が含まれるようにすることができる。
【0041】
図6は、第の実施形態における指向性アンテナ10Aと、比較構成例におけるアンテナの指向特性を示す図である。図6(a)は、第の実施形態における指向性アンテナ10Aの指向特性を示し、図6(b)~(d)は、比較構成例におけるアンテナの指向特性を示す。図6(b)の指向特性を示すアンテナは、第の実施形態における指向性アンテナ10Aから無給電導体2を取り除いた構成である。図6(c)の指向特性を示すアンテナは、第の実施形態における指向性アンテナ10Aから、無給電素子3を取り除き、かつ、無給電導体2が基板4だけでなく、給電部1も取り囲むように、無給電導体2の長さを長くした構成である。図6(c)の指向特性を示すアンテナは、第の実施形態における指向性アンテナ10Aの無給電素子3が平板状ではなく、矩形のループ状である。
【0042】
図6(a)~(d)において、垂直方向の指向特性は、基板4を含むYZ平面における指向特性を表しており、給電部1を基準として、第1の方向のうち、無給電導体2が設けられている方向を0°、無給電素子3が設けられている方向を180°としている。また、水平方向の指向特性は、給電部1を含むXY平面における指向特性を表している。
【0043】
の実施形態における指向性アンテナ10Aから無給電導体2を取り除いた構成、すなわち、給電部と無給電素子とを備えた構成のアンテナでは、無給電素子が反射器として動作するため、図6(b)に示すように、第1の方向のうち、給電部1を基準としたときの無給電導体2の方向の指向性が強くなっている。
【0044】
また、給電部と基板とを取り囲むように筒状の無給電導体を設けた構成のアンテナ、および、無給電素子が平板状ではなくループ状のアンテナでは、図6(c)および(d)に示すように、第1の方向のうち、給電部1を基準としたときの無給電素子3の方向の指向性が強くなっているが、半値角が95°であり、指向性はそれほど鋭くない。
【0045】
これに対して、第の実施形態における指向性アンテナ10Aでは、図6(a)に示すように、第1の方向のうち、給電部1を基準としたときの無給電導体2の方向の指向性が強くなっており、さらに、半値角が55°と、鋭い指向性が得られている。
【0046】
なお、参考実施形態における指向性アンテナ10でも同様に、給電部1を基準としたときの無給電導体2の方向の指向性が強く、かつ、鋭い指向性が得られる。
【0047】
<変形例>
図7は、無給電素子3の中央に孔50を設け、孔50にLED51を設けた指向性アンテナ10Bの構成を模式的に示す図である。LED51は、接続線52により基板4と接続されて、電力が供給される。例えば、室内の天井に指向性アンテナ10Bを設置して、LED51により室内を照らすことができる。
【0048】
なお、無給電素子3の孔50に設ける部品がLED51に限定されることはなく、必要に応じてLED51以外の部品を設けることができる。
【0049】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 給電部
2 無給電導体
3 無給電素子
4 基板
5 周波数調整素子
10、10A、10B 指向性アンテナ
11 ループ部
40 無給電導体の側面に設けられた孔
50 無給電素子の中央に設けられた孔
51 LED
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7