IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-バスバーユニットおよびモータ 図1
  • 特許-バスバーユニットおよびモータ 図2
  • 特許-バスバーユニットおよびモータ 図3
  • 特許-バスバーユニットおよびモータ 図4
  • 特許-バスバーユニットおよびモータ 図5
  • 特許-バスバーユニットおよびモータ 図6
  • 特許-バスバーユニットおよびモータ 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】バスバーユニットおよびモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/50 20060101AFI20220621BHJP
   H02K 3/52 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
H02K3/50 A
H02K3/52 E
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019509825
(86)(22)【出願日】2018-03-26
(86)【国際出願番号】 JP2018012193
(87)【国際公開番号】W WO2018181206
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-02-22
(31)【優先権主張番号】62/479,490
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山下 佳明
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-111884(JP,A)
【文献】特開2012-110188(JP,A)
【文献】特開2015-119621(JP,A)
【文献】特開2015-119620(JP,A)
【文献】国際公開第2017/65140(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/50
H02K 3/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータに設けられるバスバーユニットであって、
上下方向に延びる中心軸周りに環状に配置されるステータの上側に設けられるバスバーホルダと、
軸方向と直交する方向に沿って延び前記バスバーホルダに固定されるバスバーと、
前記バスバーに接続され前記バスバーから上側に延びる外部接続端子と、を備え、
前記外部接続端子は、板状であり、
前記外部接続端子は、
軸方向に沿って延びる第1板部と、
前記第1板部から軸方向と直交する方向に突出する第2板部と、有し、
前記外部接続端子は、前記第1板部の下端および前記第2板部の下端において、前記バスバーホルダに軸方向において支持され、
前記第1板部と前記第2板部の板厚方向は、互いに異なり、
前記第1板部と前記第2板部とは、軸方向に沿って延びる折り曲げ線において互いに繋がる、
バスバーユニット。
【請求項2】
モータに設けられるバスバーユニットであって、
上下方向に延びる中心軸周りに環状に配置されるステータの上側に設けられるバスバーホルダと、
軸方向と直交する方向に沿って延び前記バスバーホルダに固定されるバスバーと、
前記バスバーに接続され前記バスバーから上側に延びる外部接続端子と、を備え、
前記外部接続端子は、板状であり、
前記外部接続端子は、
軸方向に沿って延びる第1板部と、
前記第1板部から軸方向と直交する方向に突出する第2板部と、有し、
前記外部接続端子は、前記第1板部の下端および前記第2板部の下端において、前記バスバーホルダに軸方向において支持され、
前記第1板部と前記第2板部の板厚方向は、互いに異なり、
前記第1板部と前記第2板部とは、前記第1板部の下端に位置し前記第1板部の板幅方向に沿って延びる折り曲げ線において互いに繋がり、
前記第2板部には、スリットが設けられ、
前記バスバーホルダは、前記スリットに挿入される端子保持部を有する、
バスバーユニット。
【請求項3】
前記第2板部は、前記第1板部の板幅方向に突出する、
請求項1および請求項2に記載のバスバーユニット。
【請求項4】
前記外部接続端子は、一対の前記第2板部を有し、
前記第2板部は、前記第1板部の板幅方向両側に突出する、
請求項に記載のバスバーユニット。
【請求項5】
前記第1板部は、軸方向から見て、前記第2板部の一方の面側から他方の面側まで延びる、
請求項に記載のバスバーユニット。
【請求項6】
前記バスバーホルダは、前記第1板部を板厚方向から挟み込み保持する端子保持部を有する、
請求項1~5の何れか一項に記載のバスバーユニット。
【請求項7】
前記外部接続端子には、下端から上側に延びるスリットが設けられ、
前記スリットには、前記バスバーが挿入される、
請求項1、3~6の何れか一項に記載のバスバーユニット。
【請求項8】
前記バスバーが挿入される前記スリットが、前記第2板部に設けられる、
請求項に記載のバスバーユニット。
【請求項9】
前記外部接続端子の下端部には、板厚方向に貫通する貫通孔が設けられ、
前記貫通孔には、前記バスバーが挿入される、
請求項1、3~8の何れか一項に記載のバスバーユニット。
【請求項10】
前記バスバーが挿入される前記貫通孔が、前記第2板部に設けられる、
請求項に記載のバスバーユニット。
【請求項11】
前記バスバーは、線材からなる、
請求項1~10の何れか一項に記載のバスバーユニット。
【請求項12】
請求項1~11の何れか一項に記載のバスバーユニットを有するモータであって、
コイル線が巻き回される前記ステータと、
前記ステータと隙間を介して径方向に対向するロータと、を備える、
モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスバーユニットおよびモータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バスバーに差し込んで溶接して接続する接続端子を有するモータが記載されている。接続端子は、外部電源に接続され、バスバーに電力を供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-142429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の接続端子は、外部電源に挿入時にぐらつきが生じてバスバーと接続端子との接続状態が不安定になる虞があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、外部接続端子のぐらつきを抑制し外部接続端子とバスバーとの接続状態を安定させるバスバーユニットを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のバスバーユニットの一つの態様は、モータに設けられるバスバーユニットであって、上下方向に延びる中心軸周りに環状に配置されるステータの上側に設けられるバスバーホルダと、軸方向と直交する方向に沿って延び前記バスバーホルダに固定されるバスバーと、前記バスバーに接続され前記バスバーから上側に延びる外部接続端子と、を備え、 前記外部接続端子は、板状であり、前記外部接続端子は、軸方向に沿って延びる第1板部と、前記第1板部から軸方向と直交する方向に突出する第2板部と、有し、前記外部接続端子は、前記第1板部の下端および前記第2板部の下端において、前記バスバーホルダに軸方向において支持され、前記第1板部と前記第2板部の板厚方向は、互いに異なり、前記第1板部と前記第2板部とは、軸方向に沿って延びる折り曲げ線において互いに繋がる。
本発明のバスバーユニットの一つの態様は、モータに設けられるバスバーユニットであって、上下方向に延びる中心軸周りに環状に配置されるステータの上側に設けられるバスバーホルダと、軸方向と直交する方向に沿って延び前記バスバーホルダに固定されるバスバーと、前記バスバーに接続され前記バスバーから上側に延びる外部接続端子と、を備え、前記外部接続端子は、板状であり、前記外部接続端子は、軸方向に沿って延びる第1板部と、前記第1板部から軸方向と直交する方向に突出する第2板部と、有し、前記外部接続端子は、前記第1板部の下端および前記第2板部の下端において、前記バスバーホルダに軸方向において支持され、前記第1板部と前記第2板部の板厚方向は、互いに異なり、前記第1板部と前記第2板部とは、前記第1板部の下端に位置し前記第1板部の板幅方向に沿って延びる折り曲げ線において互いに繋がり、前記第2板部には、スリットが設けられ、前記バスバーホルダは、前記スリットに挿入される端子保持部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、外部接続端子のぐらつきを抑制し外部接続端子とバスバーとの接続状態を安定させるバスバーユニットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態のモータのステータおよびバスバーユニットを示す斜視展開図である。
図2図2は、一実施形態のステータの構成を示す斜視図である。
図3図3は、一実施形態のステータの構成を示す斜視図である。
図4図4は、一実施形態の外部接続端子の拡大斜視図である。
図5図5は、一実施形態に採用可能な変形例1の外部接続端子を示す斜視図である。
図6図6は、一実施形態に採用可能な変形例2の外部接続端子を示す斜視図である。
図7図7は、上述の実施形態のモータを搭載する装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明を適用した実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0010】
図1は、本実施形態のモータのステータおよびバスバーユニットを示す斜視展開図である。図2は、一実施形態のステータの構成を示す斜視図である。図3は、一実施形態のステータの構成を示す斜視図である。なお、図1図2および図3において、コイルの具体的な描画を省略する。
【0011】
図1に示す様に、本実施形態のモータ10は、ロータ30(図2参照)と、ステータ40と、ハウジング(図示略)と、バスバーユニット60と、を備える。
【0012】
<ロータ>
図2に示す様に、ロータ30は、シャフト31およびロータコア32を有する。シャフト31は、上下方向に延びる中心軸Jに沿って配置される。
以下の説明においては、中心軸Jと平行な方向を単に「上下方向」又は「軸方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。また、上下方向のうちの図1における上側を単に「上側」と呼び、上下方向のうちの図1における下側を単に「下側」と呼ぶ。なお、上側、下側、および上下方向とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等を限定しない。
【0013】
ロータコア32は、筒状の部材である。上下方向から見て、ロータコア32の外形は、多角形である。本実施形態において、ロータコア32の外形は、八角形である。すなわち、本実施形態において、ロータコア32は、中空の略八角形柱である。なお、ロータコア32は、円筒などであってもよい。ロータコア32は、複数の電磁鋼板が上下方向に積層された積層鋼板である。
【0014】
ロータコア32は、その中央にシャフト貫通孔32hを有する。シャフト貫通孔32hには、シャフト31が通される。シャフト31は、ロータコア32に固定される。なお、シャフト31は、中空状の部材であってもよく、特に限定されるものではない。ロータコア32のそれぞれの外側面には、複数のマグネット33がそれぞれ配置される。マグネット33は、上下方向に延びる板状の部材である。隣り合うマグネット33同士は、周方向に対向する。
【0015】
<ステータ>
ステータ40は、ロータ30の径方向外側に配置される。図2図3に示す様に、ステータ40は、中心軸J周りに環状に配置される。ステータ40は、円筒状のハウジング(図示略)に収容される。ステータ40は、環状のステータコア41と、ステータコア41に装着されたインシュレータ42と、インシュレータ42を介してステータコア41に装着されたコイル(図示略)と、を有する。
【0016】
ステータコア41は、複数の電磁鋼板が上下方向に積層された積層鋼板である。ステータコア41は、環状のコアバック部41aと、複数のティース41bと、を有する。本実施形態において、ステータコア41は、いわゆる分割コアである。コアバック部41aは、複数の扇状のコアピース46が周方向に接続されることにより構成される。それぞれのコアピース46の内周面には、ティース41bが設けられる。ティース41bは、コアピース46の内周面から径方向内側に向かって延びる。ティース41bは、コアバック部41aの内側面において、周方向に等間隔に配置される。ティース41bは、ロータ30のマグネット33と径方向に対向する。ティース41bは、ティース41bの径方向内側の
端部にアンブレラ41cを有する。アンブレラ41cは、ティース41bの径方向内側の端部から周方向の両側に延びる。周方向において隣り合うアンブレラ41c同士との間には、間隙が構成される。
【0017】
インシュレータ42は、絶縁性の樹脂材料から構成される。インシュレータ42は、ティース41bの外周面の少なくとも一部を覆う。インシュレータ42は、ステータ40の上側に、フランジ部42fを有する。フランジ部42fは、インシュレータ42の径方向外側に位置する。フランジ部42fは、上下方向に所定の高さを有し、周方向に延びる。
なお、インシュレータ42の材料は、絶縁性を有するのであれば、樹脂に限られず、他の材料が用いられてもよい。
【0018】
コイル(図示略)は、コイル線がインシュレータ42を介してティース41bに巻き回されて構成される。本実施形態のモータ10は、U相、V相、W相の3つの相を有する、いわゆる3相モータである。複数(本実施形態では12個)のコイル(図示略)は、4個のU相コイル、4個のV相コイルおよび4個のW相コイルに分類される。本実施形態において、コイルの結線方式は、Y結線方式である。U相コイル、V相コイル、W相コイルは、周方向において、この順に隣り合って配置される。これらU相コイル、V相コイル、W相コイルを一組とするコイルの組が、本実施形態では4組存在する。
【0019】
図3に示す様に、それぞれのコイル(U相コイル、V相コイル、W相コイル)は、第1引出線44と第2引出線45とを有する。第1引出線44、第2引出線45は、上側に向かって延びる。それぞれのコイルにおいて、第1引出線44は、第2引出線45よりも径方向外側に位置する。また、それぞれのコイルにおいて、第2引出線45は、第1引出線44よりも上下方向の上側に長く延びる。本実施形態において、それぞれのコイルからは、1本の第1引出線44と1本の第2引出線45とが引き出される。本実施形態では、コイルの数は12個である。第1引出線44と第2引出線45の数は、それぞれ12本ずつである。
【0020】
<中性点バスバー>
各組のU相コイル、V相コイル、およびW相コイルの第1引出線44は、中性点バスバー48によって電気的に接続される。中性点バスバー48は、インシュレータ42のフランジ部42fに保持される。中性点バスバー48は、導電性を有する金属の線材を折り曲げて成形される。本実施形態では、中性点バスバー48は、周方向に等間隔にあけて4個が配置される。
【0021】
それぞれの中性点バスバー48は、中性点バスバー本体48aと、コイル線保持部48bと、を有する。中性点バスバー本体48aは、上下方向から見て、周方向に延びる円弧状である。
【0022】
コイル線保持部48bは、中性点バスバー本体48aの周方向に間隔をあけた複数個所に設けられる。本実施形態において、コイル線保持部48bは、中性点バスバー本体48aの4個所に設けられる。それぞれのコイル線保持部48bは、径方向外側に開口するU字状である。
【0023】
それぞれの中性点バスバー48は、各組のU相コイル、V相コイル、W相コイルの第1引出線44が電気的に接続される。U相コイル、V相コイルおよびW相コイルの第1引出線44のそれぞれは、先端部がコイル線保持部48bの内側に位置する。このようにして、各組のU相コイル、V相コイル、W相コイルから引き出された3本の第1引出線44の端部は、1本の中性点バスバー48に電気的に接続される。それぞれのコイル線保持部48bと第1引出線44とは、カシメにより固定される。さらに、それぞれのコイル線保持
部48bと第1引出線44の端部とは、レーザ溶接等によって強固に固定される。
【0024】
<バスバーユニット>
図1に示す様に、バスバーユニット(相用バスバーユニット)60は、全体として径方向に拡がる略円板状である。バスバーユニット60は、バスバーホルダ61と、複数のバスバー(相用バスバー)70と、複数の外部接続端子80と、を有する。
【0025】
(バスバーホルダ)
バスバーホルダ61は、ステータ40の上下方向一方側に設けられる。本実施形態では、バスバーホルダ61は、ステータ40の上側に配置される。バスバーホルダ61は、中心軸Jを中心として、120°毎の回転対称形状である。
【0026】
バスバーホルダ61は、絶縁性の材料からなる。本実施形態では、バスバーホルダ61の材料は、絶縁性の樹脂である。しかしながら、バスバーホルダ61の材料は、他の絶縁性を有する材料であってもよい。
【0027】
バスバーホルダ61は、円板状のホルダ本体部61aと、複数の挟持部66と、複数の端子保持部69と、を有する。挟持部66および端子保持部69は、ホルダ本体部61aの上面に設けられる。
【0028】
ホルダ本体部61aは、中心軸Jと直交する方向に板状に延びる。ホルダ本体部61aは、軸方向から見て円形である。ホルダ本体部61aの外縁は、ハウジング(図示略)の径方向内側に嵌め合わされる。これにより、バスバーユニット60は、ハウジングに固定される。
【0029】
ホルダ本体部61aには、中央孔61hと複数の引出線挿通孔62とが設けられる。
中央孔61hおよび引出線挿通孔62は、上下方向に貫通する。中央孔61hの内側には、シャフト31(図2参照)が配置される。
【0030】
引出線挿通孔62は、周方向に間隔をあけて複数設けられる。本実施形態では、引出線挿通孔62の数は、第2引出線45の数(12個)と同じである。引出線挿通孔62には、第2引出線45が挿通される。第2引出線45は、引出線挿通孔62を通り、ホルダ本体部61aの上面側に突出する。
【0031】
挟持部66は、ホルダ本体部61aの上面に配置されたバスバー70を保持する。本実施形態において、挟持部66は、周方向に等間隔をあけて6個設けられる。それぞれの挟持部66は、一対の爪部66aを有する。爪部66aは、ホルダ本体部61aの上面から上側に延びる。一対の爪部66aは、径方向に間隔をあけて互いに対向する。一対の爪部66aの先端部には、爪部66a同士が対向する方向に突出する突起が設けられる。一対の爪部66aの突起の間隔は、後述するバスバー70の外径よりも狭い。挟持部66は、バスバー70を、スナップフィットにより保持する。
【0032】
端子保持部69は、ホルダ本体部61aの上面に配置された外部接続端子80を保持する。本実施形態において、端子保持部69は、周方向に間隔をあけて3個設けられる。端子保持部69の具体的な構成については、図4を基に後段において説明する。
【0033】
(バスバー)
バスバー70は、ホルダ本体部61aの上側に位置する。バスバー70は、バスバーホルダ61に固定される。バスバー70は、それぞれ、軸方向と直交する面に沿って延びる。
【0034】
バスバー70は、それぞれ、断面円形の線材からなる。バスバー70は、導電性を有した金属材料からなる。バスバー70は、それぞれ、線材を、フォーミングマシンで折り曲げて成形される。フォーミングマシンは、線材を繰出しながら、所定の位置で折り曲げ加工させるものである。バスバー70は、フォーミングマシンで、予め設定されたプログラミングに基づいて自動的に製造される。したがって、線材からなるバスバー70を採用することで、バスバー70を製造するのに、金型が不要となる。このため、形状が互いに異なる複数のバスバー70を使用する場合であっても、低コストでバスバー70を製造することができる。すなわち、バスバー70に線材を使用することで、多品種少量生産に対応しやすい。また、バスバー70の設計変更にも容易に対応できる。また、バスバー70に線材を使用することで、不要となる線材が少なくて済み、材料の歩留まりが向上する。
【0035】
本実施形態のバスバーユニット60には、6つのバスバー70が設けられる。6つのバスバー70のうち2つのバスバー70は、U相コイルの一対の第2引出線45と電気的に接続される。U相コイルの第2引出線45に接続された2つのバスバー70は、1つの外部接続端子80に接続される。同様に、6つのバスバー70のうち2つのバスバー70は、V相コイルの一対の第2引出線45と電気的に接続される。V相コイルの第2引出線45に接続された2つのバスバー70は、1つの外部接続端子80に接続される。また、6つのバスバー70のうち2つのバスバー70は、W相コイルの一対の第2引出線45と電気的に接続される。W相コイルの第2引出線45に接続された2つのバスバー70は、1つの外部接続端子80に接続される。
【0036】
バスバー70は、バスバー本体70aと、一対のコイル線保持部70bと、を有する。バスバー本体70aは、ホルダ本体部61aの上面に沿って延びる。バスバー本体70aは、バスバーホルダ61の挟持部66に保持される。これにより、バスバー70は、バスバーホルダ61に固定される。
【0037】
複数のバスバー70のうち幾つかのバスバー70のバスバー本体70aには、軸方向から見て、他のバスバー70と交差する部分に、1つ又は2つの退避部71が設けられる。退避部93は、上側に延びる一対の脚部71bと、一対の脚部71bの上端を繋ぐブリッジ部71aと、を有する。ブリッジ部71aの下側には、他のバスバー70が通過する。
【0038】
コイル線保持部70bは、バスバー本体70aの一方の端部と、バスバー本体70aの中程と、に設けられる。なお、バスバー本体70aの他方の端部は、外部接続端子80に接続される。
【0039】
コイル線保持部70bは、径方向内側に開口するU字状である。コイル線保持部70bは、引出線挿通孔62からホルダ本体部61aの上側に突出する第2引出線45に接続される。第2引出線45は、引出線挿通孔の内側に位置する。第2引出線45は、引出線挿通孔に、レーザ溶接等によって接合される。
【0040】
(外部接続端子)
外部接続端子80は、バスバー70と外部装置(図示略)とを電気的に接続するために設けられる。外部接続端子80は、ホルダ本体部61aの上側に位置する。バスバー70は、端子保持部69においてバスバーホルダ61に支持される。外部接続端子80には、一対のバスバー70が接続され、バスバー70から上側に延びる。外部接続端子80は、外部装置に設けられたソケット部(図示略)に挿入されることで、外部装置と電気的に接続される。
【0041】
本実施形態のバスバーユニット60には、3つの外部接続端子80が設けられる。3つ
の外部接続端子80のうち1つの外部接続端子80は、一対のバスバー70および4つの第2引出線45を介してU相コイルに接続される。同様に、3つの外部接続端子80のうち1つの外部接続端子80は、一対のバスバー70および4つの第2引出線45を介してV相コイルに接続される。また、3つの外部接続端子80のうち1つの外部接続端子80は、一対のバスバー70および4つの第2引出線45を介してW相コイルに接続される。
【0042】
図4は、外部接続端子80の拡大斜視図である。
外部接続端子80は、板状である。3つの外部接続端子80は、互いに同形状である。外部接続端子80は、導電性材料である金属板をプレス加工することで製造される。
【0043】
外部接続端子80は、第1板部81と、一対の第2板部82と、第3板部83と、を有する。第1板部81、第2板部82および第3板部83は、単一の板材の各部の名称である。第1板部81、第2板部82および第3板部の板厚方向は、軸方向と直交する。第1板部81、第2板部82および第3板部83の板厚方向は、互いに一致する。すなわち、第1板部81、第2板部82および第3板部83は、互いに同一の平面に沿って延びる。
【0044】
第1板部81は、外部接続端子80の下端に位置する。第1板部81は、軸方向に沿って延びる。第1板部81は、板厚方向から見て、軸方向を長手方向とする矩形状を有する。第1板部81には、一対の第2板部82および第3板部83が接続される。一対の第2板部82および第3板部83は、第1板部81を介して互いに接続される。
【0045】
第1板部81は、一対の第1境界線L1を介してそれぞれ第2板部82に接続される。一対の第1境界線L1は、それぞれ第1板部81の板幅方向両側に位置する。一対の第1境界線L1は、軸方向に沿って延びる。
なお、本明細書において、第1板部81の板幅方向とは、第1板部81の面方向のうち、軸方向(第1板部81の延びる方向)に直交する方向を意味する。
【0046】
第1板部81には、第2境界線L2を介して、第3板部83に接続される。第2境界線L2は、第1板部81の上端に位置する。第2境界線L2は、第1板部の板幅方向に沿って延びる。第2境界線L2は、軸方向と直交する。
【0047】
第2板部82は、第1板部81とともに、外部接続端子80の下端に位置する。第2板部82は、板厚方向から見て、軸方向を長手方向とする矩形状を有する。一対の第2板部82は、第1板部81の板幅方向両側に位置する。第2板部82は、第1板部81の板幅方向両端において、下側の領域に接続される。第2板部82は、第1板部81から軸方向と直交する方向に突出する。第2板部82は、第1板部81の板幅方向に突出する。
【0048】
第3板部83は、外部接続端子80の上端に位置する。すなわち、第3板部83は、第1板部81および第2板部82より上側に位置する。第3板部83は、第1板部81の上端から上側に延びる。第3板部83は、板厚方向から見て、軸方向を長手方向とする矩形状を有する。第3板部83は、外部接続端子80を外部装置のソケット部(図示略)に接続する際に、ソケット部に挿入される部分である。第3板部83の形状は、ソケット部の構成に合わせて適宜変更される。
【0049】
外部接続端子80には、下端から上側に延びる一対のスリット89が設けられる。スリット89の上端は、U字状である。一対のスリット89は、外部接続端子80の板幅方向に沿って間隔をあけて並ぶ。
【0050】
一対のスリット89には、それぞれバスバー70が挿入される。バスバー70は、スリット89の一対の側壁89a同士の間に挟み込まれる。バスバー70は、スリット89の
側壁89aにレーザ溶接等の溶接手段によって接合される。これによって、外部接続端子80は、一対のバスバー70と電気的に接続される。
【0051】
なお、本実施形態において、スリット89は、第1板部81と第2板部82との境界部(第1境界線L1)を跨いで配置される。しかしながら、スリット89は、外部接続端子80の下端であれば、第1板部81又は第2板部82のみに設けられていてもよい。
【0052】
本実施形態によれば、バスバー70を構成する線材は、バスバーホルダ61の上面とスリット89とによって囲まれる。これにより、外部接続端子80に対しバスバー70がぐらつくことが抑制され、外部接続端子80とバスバー70との溶接工程を安定的に行うことができる。
【0053】
スリット89は、下側に開口する。したがって、バスバー70に対して外部接続端子80を下側に移動させることで、スリット89の側壁89aにバスバー70を容易に挟み込むことができる。本実施形態によれば、外部接続端子80に対してバスバー70を組み付ける工程を簡素化できる。
【0054】
外部接続端子80は、第2板部82において、バスバーホルダ61の端子保持部69に保持される。端子保持部69は、一対の柱状部69aと、一対の柱状部69aの間に位置する台座部69bと、を有する。台座部69bは、ホルダ本体部61aの上面に設けられる。台座部69bは、一対の柱状部69aの下端部同士を繋ぐ。台座部69bの上面は、軸方向と直交する方向に延びる平坦面である。台座部69bの上面は、バスバーホルダ61の上面の一部である。台座部69bの上面は、バスバー70および外部接続端子80に接触する。
【0055】
柱状部69aは、ホルダ本体部61aの上面から上側に延びる角柱である。一対の柱状部69aは、互いに対向する対向面69cを有する。対向面69cには、軸方向に沿って延びる保持溝69mが設けられる。保持溝69mは、台座部69bの上面から上側に延びて、柱状部69aの上端で開口する。保持溝69mの溝幅は、外部接続端子80の板厚と略同じである。一対の保持溝69mには、それぞれ外部接続端子80の第2板部82が挿入される。第2板部82は、保持溝69mの側壁面同士の間に挟み込まれる。端子保持部69は、第2板部82を板厚方向から挟み込み保持する。これにより、外部接続端子80は、バスバーホルダ61に保持される。
なお、本実施形態では、端子保持部69が、外部接続端子80の第2板部82を挟み込む場合を例示した。しかしながら、端子保持部69は、第1板部81を挟み込んでいてもよい。
【0056】
第1板部81の下端81aおよび第2板部82の下端82aの軸方向の位置は、互いに一致する。外部接続端子80は、第1板部81の下端81aおよび第2板部82の下端82aにおいて、バスバーホルダ61と軸方向に対向して接触する。すなわち、外部接続端子80は、第1板部81の下端81aおよび第2板部82の下端82aにおいて、バスバーホルダ61に軸方向において支持される。外部接続端子80を外部装置に挿入する際に、外部装置から外部接続端子80に加わる下向きの力は、第1板部81の下端81aおよび第2板部82の下端82aを介してバスバーホルダ61に伝わる。本実施形態によれば、外部接続端子80が、第1板部81および第2板部82を有することで、第1板部のみを有する場合と比較して、外部接続端子80とバスバーホルダ61と接触面積を増加させることができる。これにより、外部接続端子80に外部装置から下向きの応力が加わった場合であっても、バスバーホルダ61によって、外部接続端子80を安定的に支持できる。
【0057】
本実施形態によれば、第2板部82は、第1板部81の板幅方向に突出する。このため、外部接続端子が第1板部の下端のみにおいてバスバーホルダ61と接触する場合と比較して、板幅方向における外部接続端子80とバスバーホルダ61との接触長さを大きく確保できる。これにより、外部接続端子80に外部装置から下向きの応力が加わった場合であっても、バスバーホルダ61に対して外部接続端子80が、板幅方向にがたつくことを抑制することができる。外部接続端子80にがたつきが生じると、外部接続端子80とバスバー70との溶接部に損傷が生じる虞がある。本実施形態によれば、外部接続端子80のがたつきを抑制することで、外部接続端子80とバスバー70との電気的な接続の安定性を高めることができる。
【0058】
本実施形態の外部接続端子80には、第1板部81の板幅方向両側にそれぞれ第2板部82が設けられる。このため、第1板部81の板幅方向一方側のみに第2板部82が設けられる場合と比較して、外部接続端子80の板幅方向両側のがたつきをバランスよく抑制できる。なお、第2板部82は、第1板部81の板幅方向両側のうち、少なくとも一方に位置していれば、外部接続端子80のがたつき抑制に一定の効果を奏する。
【0059】
また、本実施形態によれば、第2板部82は、第1板部81の板幅方向に延びるため、第1板部81と第2板部82とは、板幅方向が一致する。すなわち、本実施形態の外部接続端子80は、第1板部81と第2板部との境界部(第1境界線L1)に曲げ加工を施す必要がない。このため、外部接続端子80の製造コストを抑制し、安価なバスバーユニット60を提供できる。
【0060】
(外部接続端子の変形例1)
図5は、本実施形態に採用可能な変形例1の外部接続端子180を示す斜視図である。
本変形例の外部接続端子180は、上述の実施形態と比較して、おもに第2板部182の構成が異なる。
なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0061】
外部接続端子180は、板状である。外部接続端子180は、導電性材料である金属板をプレス加工することで製造される。
【0062】
外部接続端子180は、第1板部181と、第2板部182と、を有する。また、本変形例の外部接続端子180は、上述の実施形態と同様に、第1板部181の上端から上側に延びる第3板部83(図5において省略)を有する。
【0063】
第1板部181および第2板部182は、外部接続端子180の下端に位置する。第1板部181および第2板部182は、軸方向に沿って延びる。第1板部181と第2板部182の板厚方向は、互いに異なる。第1板部181および第2板部182の板厚方向は、ともに軸方向と直交する。第2板部182の板厚方向は、第1板部181の板厚方向と直交する。第2板部182は、第1板部181から軸方向と直交する方向に突出する。第2板部182は、第1板部181の板厚方向に突出する。
【0064】
第1板部181と第2板部182とは、第1境界線(折り曲げ線)BL1を介して互いに繋がる。第1境界線BL1は、軸方向に沿って延びる。第1境界線BL1は、第1板部181の下端181aから第1板部181の軸方向中程まで延びる。第1板部181は、下側の一方の角部に切欠部181cを有する。第2板部182は、第1板部181の切欠部181cを、第1境界線BL1を基準として第1板部181の板厚方向に折り曲げることで成形される。
【0065】
第2板部182は、第1面182eと第2面182fとを有する。第1面182eと第2面182fとは、互いに反対側を向く面である。第2板部182は、第1板部181の切欠部181cに対応する部分を折り曲げて成形される。このため、第1板部181は、軸方向から見て、第2板部182の一方の面(第1面182e)側から他方の面(182f)側まで延びる。
【0066】
第2板部182には、一対の貫通孔189が設けられる。貫通孔189は、第2板部182を板厚方向に貫通する。貫通孔189は、円形である。貫通孔189の直径は、バスバー70の直径より若干大きい。
【0067】
一対の貫通孔189には、それぞれバスバー70が挿入される。バスバー70は、貫通孔189の内周面にレーザ溶接等の溶接手段によって接合される。これによって、外部接続端子180は、一対のバスバー70と電気的に接続される。
【0068】
なお、本変形例において、貫通孔189は、第2板部182に設けられる。しかしながら、貫通孔189は、外部接続端子180の下端部に設けられていればよく、第1板部181に設けられていてもよい。
【0069】
本変形例によれば、外部接続端子180の下端に設けられた貫通孔189にバスバー70を挿入することで、外部接続端子180に対しバスバー70がぐらつくことを抑制できる。これにより、外部接続端子180とバスバー70との溶接工程を安定的に行うことができる。
なお、本変形例では、第2板部182に貫通孔189が設けられ、貫通孔189にバスバー70が挿入される場合について説明した。しかしながら、第2板部182の下端から上側に延びるスリットが設けられ、当該スリットにバスバー70が挿入されていてもよい。
【0070】
外部接続端子180は、第1板部181において、バスバーホルダ61の端子保持部169に保持される。上述の実施形態と同様に、端子保持部169は、一対の柱状部169aを有する。一対の柱状部169aの対向面169cには、それぞれ軸方向に沿って延びる保持溝169mが設けられる。一対の保持溝169mには、それぞれ外部接続端子180の第1板部181が挿入される。第1板部181は、保持溝169mの側壁面同士の間に挟み込まれる。端子保持部169は、第1板部181を板厚方向から挟み込み保持する。これにより、外部接続端子180は、バスバーホルダ61に保持される。
なお、第1板部181の板幅方向一方側には、切欠部181cが設けられるため、一対の保持溝169mのうち一方の保持溝169mは、軸方向の中程から上側においてのみ、第1板部181を挟み込む。
本変形例では、端子保持部169が、外部接続端子180の第1板部181を板厚方向に挟み込む場合を例示した。しかしながら、端子保持部169は、第2板部182を板厚方向に挟み込んでいてもよい。
【0071】
第1板部181の下端181aおよび第2板部182の下端182aの軸方向の位置は、互いに一致する。外部接続端子180は、第1板部181の下端181aおよび第2板部182の下端182aにおいて、バスバーホルダ61と軸方向に対向して接触する。すなわち、外部接続端子180は、第1板部181の下端181aおよび第2板部182の下端182aにおいて、バスバーホルダ61に軸方向において支持される。本変形例において、第2板部182は、第1板部181の板厚方向に突出する。第2板部182の下端182aとバスバーホルダ61との接触面が延びる方向は、第1板部181の下端181aとバスバーホルダ61との接触面が延びる方向と直交して交差する。このため、外部接続端子180に外部装置(図示略)から下向きの応力が加わった場合に、外部接続端子1
80が、第1板部181の板厚方向および板幅方向にがたつくことを抑制できる。本変形例によれば、外部接続端子180とバスバー70との電気的な接続の安定性を高めることができる。
【0072】
本変形例の外部接続端子180によれば、下端において第2板部182が第1板部に対して折り曲げて成形されている。これにより、外部接続端子180は、下端における剛性が高められ、外部装置(図示略)から応力を受けた際の座屈が抑制される。
【0073】
本変形例の外部接続端子180によれば、第2板部182は、第1板部181の切欠部181cに対応する部分を折り曲げて成形される。したがって、第1板部181は、軸方向から見て、第2板部182の一方の面(第1面182e)側から他方の面(182f)側まで延びる。外部接続端子180は、金属板から多数個取りして、高い歩留まりで効率良く製造することが可能となる。
【0074】
なお、本変形例において、第1板部181と第2板部182とは、互いに直交する。しかしながら、第1板部181と第2板部182とは、互いに異なる方向に延びていれば、必ずしも直交していなくてもよい。
【0075】
(外部接続端子の変形例2)
図6は、本実施形態に採用可能な変形例2の外部接続端子280を示す斜視図である。
本変形例の外部接続端子280は、上述の実施形態と比較して、おもに第2板部282の構成が異なる。
なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0076】
外部接続端子280は、板状である。外部接続端子280は、導電性材料である金属板をプレス加工することで製造される。
【0077】
外部接続端子280は、第1板部281と、第2板部282と、を有する。また、本変形例の外部接続端子280は、上述の実施形態と同様に、第1板部281の上端から上側に延びる第3板部83(図6において省略)を有する。
【0078】
第1板部281および第2板部282は、外部接続端子280の下端に位置する。第1板部281は、軸方向に沿って延びる。一方で、第2板部282は、軸方向と直交する平面に沿って延びる。第1板部281と第2板部282の板厚方向は、互いに異なる。第1板部281の板厚方向は、軸方向と直交する。一方で、第2板部282の板厚方向は、軸方向に一致する。また、第2板部282の板厚方向は、第1板部281の板厚方向と直交する。第2板部282は、第1板部281から軸方向と直交する方向に突出する。第2板部282は、第1板部281の板厚方向に突出する。
【0079】
第1板部281と第2板部282とは、第1境界線(折り曲げ線)BL1を介して互いに繋がる。第1境界線BL1は、軸方向と直交する方向に延びる。また、第1境界線BL1は、第1板部281の板幅方向に沿って延びる。第1境界線BL1は、第1板部281の下端281aに位置する。第2板部282は、第1板部281の下端から下側の部分を、第1境界線BL1を基準として第1板部の板厚方向に折り曲げることで成形される。
【0080】
第1板部281には、下端から上側に延びる一対の第1スリット(スリット)289が設けられる。第1スリット289の上端は、U字状である。一対の第1スリット289は、第1板部281の板幅方向に沿って間隔をあけて並ぶ。一対の第1スリット289には、それぞれバスバー70が挿入される。バスバー70は、第1スリット289の側壁にレ
ーザ溶接等の溶接手段によって接合される。これによって、外部接続端子280は、一対のバスバー70と電気的に接続される。
【0081】
第2板部282には、一対の第2スリット(スリット)288が設けられる。第2板部282の一対の第2スリット288は、それぞれ第1板部281の第1スリット289と繋がる。
【0082】
バスバーホルダ61には、一対の端子保持部269が設けられる。一対の端子保持部269は、ホルダ本体部61aの上面から上側に突出する。端子保持部269は、矩形のブロック状である。一対の端子保持部269は、それぞれ第2スリット288に挿入される。端子保持部269は、第2スリット288の側壁同士の間に挟み込まれる。これにより、外部接続端子280は、バスバーホルダ61に保持される。
【0083】
第2板部282は、第1板部281の下端281aから突出する。したがって、第1板部281の下端281aおよび第2板部282の下面(下端)282aの軸方向の位置は、互いに一致する。外部接続端子280は、第1板部281の下端281aと、第2板部282の下面(下端)282aにおいて、バスバーホルダ61と軸方向に対向して接触する。すなわち、外部接続端子280は、第1板部281の下端281aと、第2板部282の下面(下端)282aにおいて、バスバーホルダ61に軸方向において支持される。
【0084】
本変形例によれば、外部接続端子280は、第2板部282の下面282aにおいてバスバーホルダ61と面接触する。すなわち、外部接続端子280とバスバーホルダ61との接触面積を大きく確保することができる。これにより、外部接続端子280に外部装置(図示略)から下向きの応力が加わった場合に、外部接続端子280が、がたつくことを抑制できる。
【0085】
本変形例の外部接続端子280によれば、第1板部281と第2板部282とが板幅方向に延びる第1境界線BL1を境界として折り曲げられている。外部接続端子280を外部装置(図示略)に挿入する際に、第2板部282に対し第1板部281が弾性変形する。これにより、第1板部281のがたつきが抑制され、外部接続端子280とバスバー70との電気的な接続の安定性を高めることができる。
【0086】
(電動パワーステアリング装置)
図7は、上述の実施形態のモータを搭載する装置を示す図である。
次に、上述の実施形態のモータ10を搭載する装置の実施形態について説明する。本実施形態においては、モータ10を電動パワーステアリング装置に搭載した例について説明する。図7に示す電動パワーステアリング装置2は、自動車の車輪の操舵機構に搭載される。電動パワーステアリング装置2は、操舵力を油圧により軽減する装置である。電動パワーステアリング装置2は、モータ10と、操舵軸314と、オイルポンプ316と、コントロールバルブ317と、を備える。
【0087】
操舵軸314は、ステアリング311からの入力を、車輪312を有する車軸313に伝える。オイルポンプ316は、車軸313に油圧による駆動力を伝えるパワーシリンダ315に油圧を発生させる。コントロールバルブ317は、オイルポンプ316のオイルを制御する。電動パワーステアリング装置2において、モータ10は、オイルポンプ316の駆動源として搭載される。
【0088】
以上に、本発明の様々な実施形態を説明したが、各実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定される
ことはない。
【0089】
例えば、上述した実施形態のモータは、電動パワーステアリング装置に限られず、いかなる装置に搭載されてもよい。
【0090】
また、上述の本実施形態において、バスバー70および中性点バスバー48は、断面が円形の線材から構成される。しかしながら、バスバー70および中性点バスバー48は、板材から構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0091】
10…モータ、30…ロータ、40…ステータ、43…コイル、60…バスバーユニット、61…バスバーホルダ、69,169,269…端子保持部、70…バスバー、80,180,280…外部接続端子、81,181,281…第1板部、81a,82a,181a,182a,281a,282a…下端、82,182,282…第2板部、89…スリット、189…貫通孔、288…第2スリット、289…第1スリット289、BL1…第1境界線(折り曲げ線)、J…中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7