(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】電力供給装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6565 20140101AFI20220621BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20220621BHJP
H01M 10/617 20140101ALI20220621BHJP
H01M 10/627 20140101ALI20220621BHJP
H01M 10/6566 20140101ALI20220621BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20220621BHJP
H01M 10/663 20140101ALI20220621BHJP
H01M 10/651 20140101ALI20220621BHJP
H01M 50/20 20210101ALI20220621BHJP
H05K 7/20 20060101ALN20220621BHJP
【FI】
H01M10/6565
H01M10/613
H01M10/617
H01M10/627
H01M10/6566
H01M10/6563
H01M10/663
H01M10/651
H01M50/20
H05K7/20 U
(21)【出願番号】P 2019525227
(86)(22)【出願日】2018-05-16
(86)【国際出願番号】 JP2018018880
(87)【国際公開番号】W WO2018230234
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2019-11-01
(31)【優先権主張番号】P 2017116033
(32)【優先日】2017-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100082762
【氏名又は名称】杉浦 正知
(74)【代理人】
【識別番号】100123973
【氏名又は名称】杉浦 拓真
(72)【発明者】
【氏名】一色 良太
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-253746(JP,A)
【文献】特開2010-032174(JP,A)
【文献】特開2013-024508(JP,A)
【文献】特開2016-009631(JP,A)
【文献】特開2009-016076(JP,A)
【文献】特開2014-216092(JP,A)
【文献】特開2015-225739(JP,A)
【文献】特開2015-060798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/6565
H01M 10/613
H01M 10/617
H01M 10/627
H01M 10/6566
H01M 10/6563
H01M 10/663
H01M 10/651
H01M 50/20
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面、背面、側面、天井板及び底面で構成されるコンテナと、
前記底面に対して所定の高さで設置され、床下配線スペースを形成する床と、
前記床上に配置される複数の蓄電池盤と、
前記天井板の近傍に設けられたエアコンと、
前記エアコンからの冷気を前記床下配線スペースに供給するための第1のダクト及び第2のダクトを備え、
前記第1のダクトの一端が前記エアコン近傍に接続され、前記第1のダクトの他端が前記床下配線スペースに接続され、
前記第2のダクトが前記天井板に沿って前記前面から前記背面方向に延びるように配置され、
前記第2のダクトは通気孔を有し、
前記床下配線スペースから前記蓄電池盤の底面を通じて、前記エアコンからの冷気を取り込むようにし、
前記蓄電池盤から発生した熱気は、前記蓄電池盤の上方に設けられた排気孔か
ら前記第2のダクトの通気孔を通じて前記エアコンに回収されるようにした
電力供給装置。
【請求項2】
前記取り込まれた冷気が前記
蓄電池盤の内部を通過することによって熱せられ、前記
蓄電池盤の外に排出されるようにした請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項3】
前記
蓄電池盤が箱状のケースを有し、前記ケースの底面に形成された開口を通じて冷気が取り込まれ、前記ケースの少なくとも一面に設けられた通気孔を通じて前記
蓄電池盤の外に熱気が排出されるようにした請求項2に記載の電力供給装置。
【請求項4】
ファンを前記
蓄電池盤に設け、前記ファンによって前記
蓄電池盤の内部の熱気を強制的に排出するようにした請求項3に記載の電力供給装置。
【請求項5】
前記床下配線スペースのうち前記第1のダクトが接続される箇所と前記蓄電池盤の配置場所との距離が大きい場合は、前記蓄電池盤の底面の開口の面積を大きくし、前記距離が小さい場合は、前記開口の面積を小さくして
、均一な冷却を行うようにした請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項6】
前記床下配線スペースのうち前記第1のダクトが接続される箇所と前記蓄電池盤の配置場所との距離が大きい場合は、前記蓄電池盤の排気孔の開口の面積を大きくし、前記距離が小さい場合は、前記排気孔の開口の面積を小さくして
、均一な冷却を行うようにした請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項7】
電力負荷を監視して電力負荷を平準化する請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項8】
停電時に、系統電力を切り離して負荷へ電力を供給する請求項1に記載の電力供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、例えばリチウムイオン二次電池を使用した電力供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の単電池(電池セルとも称される)例えばリチウムイオン二次電池から構成される蓄電池モジュールを多数使用して電力供給装置としての蓄電池システムを構成することが知られている。蓄電池システムは、産業用、電力系統連携用、家庭用に広く用いられている。最近では、大容量、高出力用途の蓄電池モジュールをラック単位でコンテナに配置した大規模システムも普及し始めている。かかる蓄電池システムの一例として、複数の蓄電池モジュールをラック上に搭載し、この蓄電池モジュールが搭載されたラック、交流直流変換装置、制御部等をコンテナ内に収納したものが提案されている。蓄電池システムは、例えば停電時に工場の照明装置等の負荷に電力を供給することができ、また、電力負荷を平準化するために使用することができる。
【0003】
蓄電池システムが大規模化した際の問題点として、複数の蓄電池モジュール、及び複数の蓄電池モジュールをラックに搭載した複数の蓄電池盤の冷却が挙げられる。冷却具合は蓄電池の寿命にも影響を及ぼすため、蓄電池モジュール及び蓄電池盤の寿命という観点では、可能な限り均一な冷却を行う必要がある。また、顧客視点から蓄電池モジュール及び蓄電池盤のそれぞれの寿命がほぼ同じであることが望ましい。
【0004】
従来の技術では、蓄電池盤の天井に排気ファンや、コンテナ内にエア・コンディショナー(以下、エアコンと略す)などを設置して、蓄電池モジュール及び蓄電池盤の冷却を図っていたが、熱の性質上、例えば蓄電池盤内の上部と下部では熱の温度分布の相違が発生し、均一冷却という観点では、かなり技術的困難を抱えていた。
【0005】
また、大型コンテナ蓄電池システムの設置においては、コンテナ内で各盤を接続する電線の引き回しを考慮する必要がある。従来では、天井にラダーを準備してそのラダー上で電線を引き回すという方法が一般的だが、この方法だとコンテナ内天井部において配線引き回し部やエアコン設置部など、レイアウトに制限が生じ、設計の自由度が少ないという問題があった。
【0006】
特許文献1には、大型コンテナ蓄電池システム内の蓄電池盤内の蓄電池を、蓄電池盤の左右もしくは背面に天井部のエアコンと接続されたダクトを通して、冷却風を蓄電池盤内におくり、蓄電池盤の正面の排気孔から熱をもった排気熱を排出する冷却構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の構造では下記の問題点がある。
蓄電池盤間や蓄電池盤の背面にダクトを設けることで、本来蓄電池を収納できるスペースが減少し、単位体積当たりの蓄電容量が減少する。
蓄電池盤の左右側面にエアコンとつながったダクトという構造を設けることで、非常に複雑なコンテナレイアウトを設計しなければならない。また、冷却風の流れを考慮しつつ、エアコンの配置や蓄電池盤間、回路部などとの電線の接続レイアウトを綿密に考える必要があり、コンテナレイアウト設計の自由度に大きな制約ができる。
本来の熱の流れ、下から上へという物理現象とは逆方向の強制冷却風の流れとなるので、冷却効率が悪い。
【0009】
したがって、本技術の目的は、これらの問題点を解決することができる電力供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本技術は、前面、背面、側面、天井板及び底面で構成されるコンテナと、
底面に対して所定の高さで設置され、床下配線スペースを形成する床と、
床上に配置される複数の蓄電池盤と、
天井板の近傍に設けられたエアコンと、
エアコンからの冷気を床下配線スペースに供給するための第1のダクト及び第2のダクトを備え、
第1のダクトの一端がエアコン近傍に接続され、第1のダクトの他端が床下配線スペースに接続され、
第2のダクトが天井に沿って前面から背面方向に延びるように配置され、
第2のダクトは通気孔を有し、
床下配線スペースから蓄電池盤の底面を通じて、エアコンからの冷気を取り込むようにし、
蓄電池盤から発生した熱気は、蓄電池盤の上方に設けられた排気孔から第2のダクトの通気孔を通じてエアコンに回収されるようにした
電力供給装置である。
【発明の効果】
【0011】
少なくとも一つの実施形態によれば、本技術は、床下配線スペースとつながっている底面部の開口を蓄電池盤が有する。かかる本技術は、下記の効果を有する。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本技術中に記載されたいずれかの効果又はそれらと異質な効果であっても良い。
コンテナ内のスペースを有効に活用できることで、コンテナの単位体積当たりの蓄電容量を大きくすることができる。
エアコンや蓄電池盤、回路盤などのコンテナ内レイアウト設計に自由度ができる。
物理現象に則った、効率の良い冷却風の流れを作り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本技術の一実施の形態のシステム構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、蓄電池システムの一例の接続を示す略線図である。
【
図3】
図3は、蓄電池システムの他の例の接続を示す略線図である。
【
図4】
図4は、本技術の一実施の形態の蓄電池盤の構成を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、本技術一実施の形態の構成を説明するためのコンテナ内部構成の斜視図である。
【
図6】
図6は、本技術の一実施の形態のコンテナの内部構成を示す正面図である。
【
図7】
図7は、本技術の一実施の形態の床下配線スペースを説明するための斜視図である。
【
図8】
図8は、コンテナの前側から見た内部の構成を示す側面図である。
【
図9】
図9は、本技術の一実施の形態のコンテナ内部の空気の流れを示す斜視図である。
【
図10】
図10は、本技術の一実施の形態のコンテナ内部の空気の流れを示す正面図である。
【
図11】
図11は、本技術の一実施の形態のコンテナ内部の空気の流れを示す側面図である。
【
図12】
図12は、本技術の変形例の説明に使用する斜視図である。
【
図13】
図13は、本技術の変形例の説明に使用する空気の流れを示す正面図である。
【
図14】
図14は、本技術の変形例の説明に使用する正面図である。
【
図15】
図15は、本技術の変形例の説明に使用する平面図である。
【
図16】
図16は、本技術の変形例の説明に使用する斜視図である。
【
図17】
図17は、本技術が適用された住宅用の蓄電池システムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に説明する実施の形態は、本技術の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されている。しかしながら、本技術の範囲は、以下の説明において、特に本技術を限定する旨の記載がない限り、これらの実施の形態に限定されないものとする。
なお、本技術の説明は、下記の順序にしたがってなされる。
<1.一実施の形態>
<2.変形例>
<3.応用例>
【0014】
<1.一実施の形態>
「蓄電池システムの構成」
図1は、本技術の一実施の形態による蓄電池システムの一例の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本技術の一実施の形態による蓄電池システムは、複数の蓄電池モジュール例えば16個の蓄電池モジュールM1~M16(個々の蓄電池モジュールを区別する必要がない場合は蓄電池モジュールMと表記する)及び電池管理ユニット(Battery Management Unit)BMUからなる蓄電装置と、複数の電池管理ユニットBMUと通信路である通信配線Lcで接続された集線装置(BMU hub)HUBと、交流直流変換装置INV(図面中では、PCS(Power Conditioning System)と表記する)と、システムコントローラSYSとを備える。蓄電池モジュールMに対して共通のコントローラである電池管理ユニットBMUが設けられる。
【0015】
蓄電池モジュールMが直列に接続されている。蓄電池モジュールMの接続形態は適宜、変更できる。例えば、直列に接続された2個の蓄電池モジュールが並列に接続され、8個の並列接続が直列に接続されてもよい。
【0016】
蓄電池モジュールM及び電池管理ユニットBMUが共通のラック上に載置された蓄電装置を蓄電池盤と称する。並列に接続された複数の蓄電池盤ST1~ST14が、交流直流変換装置INVに対して接続されている。なお、個々の蓄電池盤を区別する必要が無い場合は、適宜、蓄電池盤STと表記する。なお、蓄電池モジュール又は蓄電池盤の数、蓄電池盤の接続形態は、上述したものに限らず、種々設定できる。
【0017】
蓄電池システムでは、(16×14=224)個の蓄電池モジュールMの電力が直流電力配線(DC電力バス)を通じて交流直流変換装置INVに対して供給され、交流直流変換装置INVから外部1に電力を供給する。また、外部1から電力が供給され、交流直流変換装置INVを通じて、電力ラインを介して、外部1から蓄電池モジュールMに対して充電用の電力が供給される。外部1は、負荷、AC電力系統等であり、蓄電池システムの用途に応じて設定される。例えば工場内の三相3線400Vの電力線である。
【0018】
交流直流変換装置INVでは、蓄電池モジュールMから供給される直流電力を、交流電力に変換して、外部1に供給する。交流直流変換装置INVでは、外部1から供給される交流電力を、直流電力に変換して、蓄電池モジュールMに供給して蓄電池モジュールMを充電する。
【0019】
電力の供給動作と共に、システムコントローラSYSと交流直流変換装置INV及び集線装置HUBとの間、集線装置HUBと交流直流変換装置INVとの間、集線装置HUBと電池管理ユニットBMUとの間、電池管理ユニットBMU間、蓄電池モジュールM間で、例えば、RS-232C(Recommended Standard 232 version C)、RS-485、CAN(Controller Area Network)等の規格に準じた通信がなされる。
【0020】
蓄電池モジュールMの一例は、外装ケースと、外装ケース内に収容された電池ブロック等とを備えたものである。外装ケースは、例えば、高い伝導率及び輻射率を有する材料を用いることが望ましい。高い伝導率及び輻射率を有する材料を用いることにより、外装ケースにおける優れた放熱性を得ることができる。優れた放熱性を得ることで、外装ケース内の温度上昇を抑制できる。さらに、外装ケースの開口部を最小限にする又は、廃止することができ、高い防塵防滴性を実現できる。外装ケースは、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金、銅、銅合金等の材料が使用される。この外装ケースが充電モジュールMの接地箇所とされている。
【0021】
電池ブロックは、例えば、複数(例えば、16個等)のリチウムイオン二次電池を並列接続したものである。外装ケース内で、例えば、複数の電池ブロックが直列に接続されている。電池ブロックの個数及び接続形態は、適宜、変更できる。また、リチウムイオン二次電池以外の二次電池等の電力貯蔵素子が使用されてもよい。例えば、リチウムイオン二次電池の1個当たりの出力電圧を3.2Vとすると、蓄電池モジュール1個あたりの出力電圧は、略51.2V(3.2V×16)である。すなわち、N個(N=1以上の整数)の蓄電池モジュールMを備える蓄電池盤STは、略51.2×N(V)の電圧を供給できる。
【0022】
複数の蓄電池モジュールMに対して共通に上位のコントローラである電池管理ユニットBMUが設けられる。電池管理ユニットBMUは、各蓄電池モジュールMからのデータを収集する。すなわち、各蓄電池モジュールMの電池部の各電池セルの電圧、SOC( State Of Charge:残容量率)、充電電流、放電電流及び電池温度のデータを、通信を介して取得する。蓄電池モジュールM及び電池管理ユニットBMUの間で、シリアル通信の規格であるI2CやSMBus(System Management Bus)、SPI(Serial Peripheral Interface)、CAN(Controller Area Network )等の規格に準じた双方向の通信が行われる。通信は、有線でもよく無線でもよい。
【0023】
電池管理ユニットBMUが、複数の蓄電池モジュールMの充電許可又は充電禁止を制御する。例えば、電池管理ユニットBMUは、通信にて、集線装置HUBから指令を受け、充電許可又は充電禁止を制御する。例えば、電池管理ユニットBMUは、充電許可の判定がされた蓄電池モジュールMに対して充電許可指令を送信する。充電許可指令を受けた蓄電池モジュールMが充電スイッチ素子をオンする。但し、電池の過充電等の条件が成立した場合では、充電スイッチ素子をオフする。充電許可指令を受けない蓄電池モジュールMは、充電スイッチ素子をオフする。
【0024】
蓄電池モジュールMは、電池部として複数のリチウムイオン二次電池が直列に接続された電池部を有する。各リチウムイオン二次電池のセルバランス制御がなされる。さらに、電池部の端子間の電圧を検出する電圧検出部、電池部の温度を検出する温度検出部及び電流検出部が備えられる。検出された電圧、温度及び電流がデジタルデータに変換され、電池モニタに供給される。
【0025】
電池モニタがデジタル電圧データ及びデジタル温度データを監視し、電池の異常の有無を監視する。例えば、デジタル電圧データにより示される電圧が過充電の目安となる電圧、もしくは、過放電の目安となる電圧である場合には、異常がある、又は異常が生じるおそれがあることを示す異常通知信号を生成する。さらに、電池モニタは、電池の温度もしくは蓄電池モジュールM全体の温度が閾値より大きい場合も同様に、異常通知信号を生成する。さらに、電池モニタは、デジタル電流データを監視する。デジタル電流データにより示される電流値が閾値より大きい場合に、電池モニタは、異常通知信号を生成する。電池モニタにより生成された異常通知信号は、電池モニタが有する通信機能により、電池管理ユニットBMUに対して送信される。
【0026】
電池モニタは、上述した異常の有無を監視するとともに、デジタル電圧データ及びデジタル電流データを、通信にて、電池管理ユニットBMUに送信する。さらに電池管理ユニットBMUと集線装置HUBとが通信を行い、各蓄電池モジュールMの電圧データ、電流データ、温度データ等を集線装置HUBに対して送信する。
【0027】
電池管理ユニットBMUは、MCU(Module controller Unit)、充電スイッチ、放電スイッチ等のスイッチを備える。MCUは、通信機能を有するCPU(Central Processing Unit )等により構成され、各蓄電池モジュールMを制御する。電池管理ユニットBMUは、例えば、電池モニタから異常通知信号が供給されると、通信機能を使用して集線装置HUBに異常を通知する。この通知に応じて、例えば、集線装置HUBは、通信にて、電池管理ユニットBMUに指令を送り、充電又は放電を停止する等の蓄電池盤STに対する制御を適宜、実行する。
【0028】
電池管理ユニットBMUと集線装置HUBとが、通信配線Lcを介して、互いに接続されている。また、複数の電池管理ユニットBMU及び蓄電池モジュールMが通信配線Lcを介して、互いに接続されている。通信配線Lcとしては、CAN、RS232C、RS485等が使用される。
【0029】
集線装置HUBは、電池管理ユニットBMUと通信を行って、複数の蓄電池盤ST(複数の蓄電池モジュールM)の状態の監視を行う。また、集線装置HUBは、複数の蓄電池盤ST(複数の蓄電池モジュールM)の状態の通知を、システムコントローラSYS、交流直流変換装置INVに対して行う。また、集線装置HUBは、通信にて、システムコントローラSYS、交流直流変換装置INVからの指令を受けて、通信にて、電池管理ユニットBMUに対して指令を与え、電池管理ユニットBMUを制御する。なお、集線装置HUBに制御機能を持たせて、集線装置HUBが、複数の蓄電池盤ST(複数の蓄電池モジュールM)の監視及び制御を行ってもよい。
【0030】
集線装置HUBには、例えば、蓄電池システムにおける、蓄電池盤STの直列接続数、並列接続数、蓄電池盤STの合計接続数、各蓄電池盤の蓄電池モジュールMの直列接続及び/又は並列接続の数、蓄電池モジュールM接続数等の接続情報が保持される。この接続情報は、例えば、作業者(ユーザー)が集線装置HUBのUI(user interface、図示省略)に対する操作、又は、システムコントローラSYSから集線装置HUBに対して接続情報を送信する等によって、設定される。
【0031】
集線装置HUBに、各蓄電池モジュールMの現在の電圧、電流、温度等に関する蓄電池モジュール情報が保持されるようにしてもよい。この蓄電池モジュール情報は、例えば集線装置HUBが電池管理ユニットBMUと通信を行うことにより取得する。
【0032】
本技術の一実施の形態による蓄電池システムでは、集線装置HUBが、各電池管理ユニットBMUと通信を行い、各蓄電池盤STの電圧が、所定電圧(上限電圧より所定電圧低い電圧、又は、下限電圧より所定電圧高い電圧)に達したか、監視される。所定電圧に達した蓄電池盤電力値を、定格の電流値Iの1/2又は1/4に低減させるため、集線装置HUBが、各電池管理ユニットBMUと通信を行い、電流値変更を指示する。集線装置HUBからの指示を受けた電池管理ユニットBMUは、蓄電池盤STに流す電流値を変更するように制御する。これにより、電流値が制限される。
【0033】
上述した本技術の一実施の形態による蓄電池システムでは、外部1に接続されている負荷の電力消費が監視されており、電力負荷が大きくなった場合に、系統電力からの電力に加えて蓄電池モジュールの出力電力を負荷に供給して電力負荷を平準化するようになされる。また、系統に停電が発生した時に、系統電力を切り離し、蓄電池モジュールから負荷に電力を供給するようになされる。
【0034】
「コンテナに収納された蓄電池システムの一例」
上述した蓄電池システムは、コンテナ(例えば40フィートの長さを有する金属製の箱)に収納される。コンテナは、前面、背面、側面、天井板及び底面で構成される。前面には、人の出入りのための扉(正面扉と適宜称する)が設けられている。コンテナ内には蓄電池盤とともに、交流直流変換装置INV、直流入出力盤等の回路盤が収納されている。蓄電池システムの一例の構成について
図2を参照して説明する。
【0035】
一つの蓄電池盤例えば蓄電池盤ST1は、金属製のラックに対して電池管理ユニットBMUと(2×8=16)個の蓄電池モジュールMとが収納された構成とされている。複数のラック同士は、機械的且つ電気的に連結可能とされている。他の蓄電池盤ST2~ST14も蓄電池盤ST1と同様の構成とされている。蓄電池モジュールM1~M16の接地箇所がラックR1の棚板に電気的に接続されている。ラックR1の接地線15がコンテナと接続される。コンテナは、接地手段を通じて大地と接続されている。
【0036】
蓄電池モジュールM1~M16が直列接続され、電池管理ユニットBMUに直列接続の+側及び-側が接続される。電池管理ユニットBMUと交流直流変換装置INVの間が直流電力配線Lpによって接続される。さらに、蓄電池モジュールM1~M16の通信端子が順次接続され、電池管理ユニットBMUの通信端子に接続される。電池管理ユニットBMUとシステムコントローラSYSの間が通信配線Lcによって接続されている。
【0037】
「コンテナに収納された蓄電池システムの他の例」
図3に蓄電池盤ST1の他の例を示す。他の蓄電池盤ST2~ST14も蓄電池盤ST1と同様の構成とされている。各蓄電池盤STの蓄電池モジュールMがラックの棚板に載置されると共に、蓄電池モジュールM1~M16の接地箇所が棚板と電気的に接続される。ラックR1の16個の棚板がアース線Le1に接続される。
【0038】
蓄電池盤ST1~ST7のそれぞれから導出されたアース線が1本のアース線に変換され、蓄電池盤ST8~ST14のそれぞれから導出されたアース線が1本のアース線に変換される。これらのアース線は、コンテナの外部に導出され、コンテナの外部において大地に接続される。したがって、ラックR1、交流直流変換装置INV及び直流入出力盤の接地箇所がコンテナ外の大地(同電位)に共通接続されることになる。
【0039】
蓄電池モジュールM1~M16が直列接続され、電池管理ユニットBMUに直列接続の+側及び-側が接続される。電池管理ユニットBMUと交流直流変換装置INVの間が直流電力配線Lpによって接続される。さらに、蓄電池モジュールM1~M16の通信端子が順次接続され、電池管理ユニットBMUの通信端子に接続される。電池管理ユニットBMUとシステムコントローラSYSの間が通信配線Lcによって接続されている。
【0040】
上述した他の構成では、コンテナとラックR1が絶縁され、ラックR1がアース線を通じてコンテナ11の外部の大地と接続される。したがって、ノイズの発生源となる交流直流変換装置INVと独立して接地を行うことができるので、接地を通じてノイズが蓄電池モジュールMに伝搬し、ノイズによって制御通信が影響を受けて誤動作するおそれを防止することができる。特に、蓄電池盤毎にアース線を独立に設けることによって蓄電池盤間のノイズの伝搬を抑えることができる。また、蓄電池モジュールMの接地箇所がラックR1を通じてコンテナの外部の大地に接続されるので、浮遊容量の発生を防止することができ、誤って蓄電池モジュールに接触しても感電を防止することができる。
【0041】
「蓄電池盤の構成」
図4は、蓄電池盤例えば蓄電池盤ST1の構成を示す。以下の説明では、横方向に3列、縦方向に7列の(3×7=21)個の蓄電池モジュールM1~M21及び電池管理ユニットBMU1が蓄電池盤ST1のラックR1に載置されている。ラックR1は、正面扉2及び天井板3を含むケースに複数の棚が設置されたものである。天井板3には、空気の通過孔が形成されている。
【0042】
ラックR1の底面には、開口4が設けられ、開口4を通じて下側にケーブルが引き出されている。以下の説明における蓄電池盤STは、横方向に3列、縦方向に7列の(3×7=21)個の蓄電池モジュールがラックR1~R11のそれぞれに載置された構成を有する。他の蓄電池盤ST2~ST11も蓄電池盤ST1と同様の構成とされ、回路盤例えば直流入出力盤DCも同様にラックに載置されている。なお、個々のラックを区別する必要が無い場合は、適宜、ラックRと表記する。なお、ラックとしては、ケースを有しないで棚のみからなる構成も可能である。
【0043】
「コンテナ内部の構成」
コンテナ11内部の配置について説明する。
図5に示すように、コンテナ11の中央の通路を挟んで一方の側に蓄電池盤ST1~ST6が整列して床FL上に配置され、他方の側の床FL上に蓄電池盤ST7~ST11が整列して配置されている。さらに、蓄電池盤ST11に隣接して直流入出力盤DCが配置されている。
図5には示されていないが,コンテナ11内には、交流直流変換装置INVなどの回路盤が設けられている。
図5では、コンテナ11の前面(正面扉)、天井板、一方の側面が省略されている。また、
図6は、蓄電池システムの前後方向(通路の延長方向)に延びる分割線でコンテナ11を2分割して内部を示すものである。
【0044】
図7及び
図8に示すように、コンテナ11の底面12と床FLの間に形成されている所定高さの隙間が床下配線スペースとされる。各蓄電池盤及び直流入出力盤DCが載置されている床FLには開口がそれぞれ形成されている。この開口が床下配線スペースに通じている。この開口を通じて各蓄電池盤及び直流入出力盤DCのケーブルが床下配線スペースに引き込まれる。
【0045】
図7に示すように、床下配線スペースは、仕切り壁によって前後方向に延びる中央のエリアとその左右のエリアからなる3個のエリアに区画されている。左右のエリアの床FL上に、蓄電池盤ST1~ST6及び蓄電池盤ST7~ST11、直流入出力盤DCが設置される。蓄電池盤ST1~ST6の直下に位置する床下配線スペースに対してSP1~SP6の参照符号を付し、蓄電池盤ST7~ST11、直流入出力盤DCの直下に位置する床下配線スペースに対してSP7~SP12の参照符号を付す。
【0046】
床下配線スペースSP1~SP12を形成するための仕切り壁には、ケーブル及び空気を通すための開口が形成されている。したがって、開口を通じてケーブルを引き回すとともに、冷却された空気を流通させることができる。
【0047】
図8は、コンテナ11の前面側から見た側面図である。床下配線スペースSP1及び床下配線スペースSP12の間の区切り壁に孔が形成され、ケーブルが孔を通じて配線される。蓄電池盤ST1のラックR1及び直流入出力盤DCのラックR12がそれぞれ位置する床FLに対して開口(図示せず)が形成されている。この開口を通じてケーブルが配線されるとともに、空気が流通可能とされている。
【0048】
コンテナ11の前面及び背面の天井の近くにエアコン13a及び13bが設けられている。エアコン13a及び13bの空気の出入り口に対してエアコン近傍のダクトに接続される。前面側のエアコン13aと背面側のエアコン13bの間に天井にそって前後方向に平行して延びるダクト14a及び14bが設けられる。ダクト14aが蓄電池盤ST1(ラックR1)から蓄電池盤ST6(ラックR6)の上方に配され、ダクト14bが蓄電池盤ST7(ラックR7)から直流入出力盤DCの上方に配されている。ダクト14a及び14bの例えば底面に通気孔が形成されている。通気孔は、底面以外に形成してもよい。
【0049】
さらに、コンテナ11の内部の四隅に上下に延長する4本のダクト15a,15b,15c,15dが設けられている。ダクト15a~15dは、上端がエアコン13a及び13bのそれぞれの近傍と接続され、下端が床下配線スペースと接続されたものである。ダクト15a~15dは、例えば通気孔が形成されていない角パイプ状のものである。さらに、コンテナ11の天井部には、照明装置16a,16b及び火災・煙報知機17a,17bが設置されている。
【0050】
「一実施の形態の冷却効果」
上述した一実施の形態における空気のながれを
図9、
図10及び
図11における矢印で示す。斜線の入った矢印がエアコン13a及び13bにより冷やされた空気(冷気と適宜称する)を表し、斜線の入っていない矢印が温かい又は暑い空気(熱気と適宜称する)を表す。
【0051】
エアコン13a及び13bからの冷気の風がダクト15a~15dを通って下方の床下配線スペースに供給される。床FLに形成された開口、並びに各蓄電池盤及び各回路盤の底面の開口を通じて冷気が各蓄電池盤及び各回路盤のラック内に供給される。各蓄電池盤及び各回路盤の発熱によって熱気が発生する。熱気は、各蓄電池盤及び各回路盤のラック内部を下から上に向かって流れ、天井板の排気孔から上方に排気される。
【0052】
上方に排気された熱気がダクト14a及び14bを通じてエアコン13a及び13bに回収され、エアコン13a及び13bによって冷却される。エアコン13a及び13bからの冷気が上述した経路でもって各蓄電池盤及び回路盤に対して供給される。このような空気の流れでもって蓄電池システムの冷却がなされる。
【0053】
一実施の形態では、床下配線スペースに入れられた冷気が盤内の温度分布による自然対流によって、盤内に取り入れられ、盤内の蓄電池モジュール及び回路部を冷却する。蓄電池盤を冷却し、熱を持った空気は、ラックの排気孔により外へ排出され、エアコン13a、13bにより、再度冷却される。このような冷却循環構造を実現することができる。
【0054】
<2.変形例>
図12に示すように、例えば蓄電池盤ST1の天井板3に対して排気用ファン18を設け、蓄電池盤ST1内を下から上に流れる空気の流れを強制的に形成するようにしてもよい。
【0055】
また、
図13に示すように、各蓄電池盤のラックの正面扉2
1,2
2,2
3,・・・に排気窓19
1,19
2,19
3,・・・を形成してもよい。この場合、
図13に示すように、エアコン13a、13b又はダクト15a~15dと蓄電池盤間の距離によって冷気の量を変えるようにしてもよい。すなわち、距離が小さい場合には、冷気の温度が低いので、冷気の量を少なくし、距離が大きい場合には、冷気の温度が高くなっているので、冷気の量を多くする。
図13の例では、正面扉2
1,2
2,2
3,・・・に形成されている排気窓19
1,19
2,19
3,・・・の大きさ(排気口の開口の面積)を変えて冷気の量を制御している。排気窓が大きいほど、ラック内を通る冷気の量が多くなる。
【0056】
図14に示すように、排気孔として開口の代わりにパンチング孔を形成した正面扉2A,2B,2Cを使用できる。正面扉2Aから正面扉2B,正面扉2Cの順にパンチング孔の個数が増加し、排気量も増加し、流れる冷気の量を増加させることができる。
【0057】
図15に示すように、ラックの天井板3A,3B及び3Cに形成したパンチング孔を排気孔として使用してもよい。天井板3A,3B及び3Cの順にパンチング孔の個数が増加し、排気量も増加する。なお、上述した排気用ファンの回転数を制御して排気量を制御してもよい。
【0058】
図16に示すように、ラックRの底面の開口4A,4B及び4Cの大きさを変えるようにしてもよい。開口4A,4B及び4Cの順に開口面積が増加し、排気量も増加する。このように、冷気の量を制御することによって、各蓄電池盤及び回路盤間で均一な冷却が可能となる。
【0059】
さらに、コンテナ11内に並べて配置された蓄電池盤を、エアコン13a及び13bからの距離にかかわらず均一に冷却するためのラック通気孔は、正面扉にあっても良いし、ラック側面、背面パネルにあっても良いし、天井部にあっても良いし、もしくはそれぞれの組み合わせ状態でも良い。また、機能が満たせるのであれば、ラック底部の開口部の面積を変えることでも問題ない。
【0060】
以上、本技術の一実施の形態について具体的に説明したが、本技術は、上述の一実施の形態に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えばエアコンの設置位置は、前面及び背面の近傍の必要はなく、また、2台に限られることはない。さらに、エアコンによる冷気を床下配線スペースに供給する箇所は4隅に限られない。また、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料及び数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料及び数値などを用いてもよい。
【0061】
<3.応用例>
「応用例としての住宅における蓄電池システム」
本技術を住宅用の蓄電池システムに適用した例について、
図17を参照して説明する。例えば住宅9001用の蓄電池システム9100においては、火力発電9002a、原子力発電9002b、水力発電9002c等の集中型電力系統9002から電力網9009、情報網9012、スマートメータ9007、パワーハブ9008等を介し、電力が蓄電装置9003に供給される。これと共に、家庭内発電装置9004等の独立電源から電力が蓄電装置9003に供給される。蓄電装置9003に供給された電力が蓄電される。蓄電装置9003を使用して、住宅9001で使用する電力が給電される。住宅9001に限らずビルに関しても同様の蓄電池システムを使用できる。
【0062】
住宅9001には、発電装置9004、電力消費装置9005、蓄電装置9003、各装置を制御する制御装置9010、スマートメータ9007、各種情報を取得するセンサー9011が設けられている。各装置は、電力網9009及び情報網9012によって接続されている。発電装置9004として、太陽電池、燃料電池等が利用され、発電した電力が電力消費装置9005及び/又は蓄電装置9003に供給される。電力消費装置9005は、冷蔵庫9005a、空調装置9005b、テレビジョン受信機9005c、風呂9005d等である。さらに、電力消費装置9005には、電動車両9006が含まれる。電動車両9006は、電気自動車9006a、ハイブリッドカー9006b、電気バイク9006cである。
【0063】
蓄電装置9003に対して、上述した本技術のバッテリユニットが適用される。蓄電装置9003は、二次電池又はキャパシタから構成されている。例えば、リチウムイオン電池によって構成されている。リチウムイオン電池は、定置型であっても、電動車両9006で使用されるものでも良い。スマートメータ9007は、商用電力の使用量を測定し、測定された使用量を、電力会社に送信する機能を備えている。電力網9009は、直流給電、交流給電、非接触給電の何れか一つ又は複数を組み合わせても良い。
【0064】
各種のセンサー9011は、例えば人感センサー、照度センサー、物体検知センサー、消費電力センサー、振動センサー、接触センサー、温度センサー、赤外線センサー等である。各種センサー9011により取得された情報は、制御装置9010に送信される。センサー9011からの情報によって、気象の状態、人の状態等が把握されて電力消費装置9005を自動的に制御してエネルギー消費を最小とすることができる。さらに、制御装置9010は、住宅9001に関する情報をインターネットを介して外部の電力会社等に送信することができる。
【0065】
パワーハブ9008によって、電力線の分岐、直流交流変換等の処理がなされる。制御装置9010と接続される情報網9012の通信方式としては、UART(Universal synchronous Receiver-Transmitter:非同期シリアル通信用送受信回路)等の通信インターフェースを使う方法、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、Wi-Fi等の無線通信規格によるセンサーネットワークを利用する方法がある。Bluetooth(登録商標)方式は、マルチメディア通信に適用され、一対多接続の通信を行うことができる。ZigBeeは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 802.15.4の物理層を使用するものである。IEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network) 又はW(Wireless)PANと呼ばれる短距離無線ネットワーク規格の名称である。
【0066】
制御装置9010は、外部のサーバ9013と接続されている。このサーバ9013は、住宅9001、電力会社、サービスプロバイダーの何れかによって管理されていても良い。サーバ9013が送受信する情報は、たとえば、消費電力情報、生活パターン情報、電力料金、天気情報、天災情報、電力取引に関する情報である。これらの情報は、家庭内の電力消費装置(たとえばテレビジョン受信機)から送受信しても良いが、家庭外の装置(たとえば、携帯電話機等)から送受信しても良い。これらの情報は、表示機能を持つ機器、たとえば、テレビジョン受信機、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)等に、表示されても良い。
【0067】
各部を制御する制御装置9010は、CPU(Central Processing Unit )、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等で構成され、この例では、蓄電装置9003に格納されている。制御装置9010は、蓄電装置9003、家庭内発電装置9004、電力消費装置9005、各種センサー9011、サーバ9013と情報網9012により接続され、例えば、商用電力の使用量と、発電量とを調整する機能を有している。なお、その他にも、電力市場で電力取引を行う機能等を備えていても良い。
【0068】
以上のように、電力が火力9002a、原子力9002b、水力9002c等の集中型電力系統9002のみならず、家庭内発電装置9004(太陽光発電、風力発電)の発電電力を蓄電装置9003に蓄えることができる。したがって、家庭内発電装置9004の発電電力が変動しても、外部に送出する電力量を一定にしたり、又は、必要なだけ放電するといった制御を行うことができる。例えば、太陽光発電で得られた電力を蓄電装置9003に蓄えると共に、夜間は料金が安い深夜電力を蓄電装置9003に蓄え、昼間の料金が高い時間帯に蓄電装置9003によって蓄電した電力を放電して利用するといった使い方もできる。
【0069】
なお、この例では、制御装置9010が蓄電装置9003内に格納される例を説明したが、スマートメータ9007内に格納されても良いし、単独で構成されていても良い。さらに、蓄電池システム9100は、集合住宅における複数の家庭を対象として用いられてもよいし、複数の戸建て住宅を対象として用いられてもよい。
【0070】
以上、本技術に係る技術が適用され得る蓄電池システム9100の一例について説明した。本技術に係る技術は、以上説明した構成のうち、蓄電装置9003に好適に適用され得る。但し、本技術は直流電力を供給するものであるので、家庭用の交流機器に対しては、直流電力を交流電力に変換して供給する必要がある。
【符号の説明】
【0071】
1・・・外部、11・・・コンテナ、12・・・底面、13a,13b・・・エアコン、14a,14b・・・ダクト、15a,15b,15c,15d・・・ダクト、
R・・・ラック、DC・・・直流入出力盤、M,M1~M16・・・蓄電池モジュール、BMU・・・電池管理ユニット、HUB・・・集線装置、INV・・・交流直流変換装置、ST・・・蓄電池盤、SP・・・床下配線スペース、SYS・・・システムコントローラ