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特許7092244医療情報管理装置及び医療情報管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】医療情報管理装置及び医療情報管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 30/00 20180101AFI20220621BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
G16H30/00
A61B6/00 330A
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2021139797
(22)【出願日】2021-08-30
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長束 澄也
【審査官】松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-027244(JP,A)
【文献】特開2017-018681(JP,A)
【文献】特開2020-116429(JP,A)
【文献】特表2007-527743(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
G06Q 50/22
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1の被検体の第1の部位に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報であって、前記第1の部位に関する疾患を有さない前記第1の被検体の動態情報と、
2の被検体の前記第1の部位に対して動態撮影以外の撮影又は前記疾患に関する検査を行うことで得られた非動態情報であって、前記第1の部位に関する疾患を有さない前記第2の被検体の非動態情報と
を対応付けて管理する管理手段を有し、
前記管理手段は、前記第1の被検体と前記第2の被検体の疾患情報、属性情報、撮影部位の情報、及び、病院情報の少なくとも一つに基づいて、前記動態情報と前記非動態情報とを対応付けて管理し、
前記疾患情報、前記属性情報、前記撮影部位の情報、及び、前記病院情報は、個人を特定する情報を含まないこと、
を特徴とする医療情報管理装置。
【請求項2】
1の被検体の第1の部位に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報であって、前記第1の部位に関する疾患を有する前記第1の被検体の動態情報と、
第2の被検体の前記第1の部位に対して動態撮影以外の撮影又は前記疾患に関する検査を行うことで得られた非動態情報であって、前記第1の部位に関する疾患を有する前記第2の被検体の非動態情報と
を対応付けて管理する管理手段を有し、
前記管理手段は、前記第1の被検体と前記第2の被検体の疾患情報、属性情報、撮影部位の情報、及び、病院情報の少なくとも一つに基づいて、前記動態情報と前記非動態情報とを対応付けて管理し、
前記疾患情報、前記属性情報、前記撮影部位の情報、及び、前記病院情報は、個人を特定する情報を含まないこと、
を特徴とする医療情報管理装置。
【請求項3】
前記動態情報は医用画像であること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の医療情報管理装置。
【請求項4】
前記非動態情報は医用画像であること、
を特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の医療情報管理装置。
【請求項5】
前記非動態情報における前記医用画像は、放射線による静止画撮影と透視撮影の少なくとも一方から得られた第1の医用画像、及び、放射線以外の撮影により得られた第2の医用画像の少なくとも一つを含むこと、
を特徴とする請求項に記載の医療情報管理装置。
【請求項6】
前記非動態情報は、画像を伴わない検査により得られた検査結果、及び、検査レポートの少なくとも一つを含むこと、
を特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の医療情報管理装置。
【請求項7】
前記動態情報は、医用画像を解析することで得られた動き情報を含むこと、
を特徴とする請求項1又は2に記載の医療情報管理装置。
【請求項8】
前記医用画像は動態画像であること、
を特徴とする請求項に記載の医療情報管理装置。
【請求項9】
前記第1の被検体と前記第2の被検体は異なる被検体であること、
を特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の医療情報管理装置。
【請求項10】
前記管理手段は、前記第1の部位に関する疾患を有する第3の被検体の前記第1の部位に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報と、前記第1の部位に関する疾患を有する第4の被検体の前記第1の部位に対して動態撮影以外の撮影又は前記疾患に関する検査を行うことで得られた非動態情報とを対応付けて管理すること、
を特徴とする請求項に記載の医療情報管理装置。
【請求項11】
外部装置からのリクエストを受信する受信手段と、
前記リクエストに基づいて、前記第1の部位に関する疾患を有さない前記第1の被検体の前記第1の部位に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報を前記外部装置に出力する出力手段と、
を備えること、
を特徴とする請求項に記載の医療情報管理装置。
【請求項12】
前記出力手段は、前記リクエストに基づいて、前記第1の部位に関する疾患を有さない前記第2の被検体の前記第1の部位に対して動態撮影以外の撮影又は前記疾患に関する検査を行うことで得られた非動態情報を前記外部装置に出力すること、
を特徴とする請求項11に記載の医療情報管理装置。
【請求項13】
外部装置からのリクエストを受信する受信手段と、
前記リクエストに基づいて、前記第1の部位に関する疾患を有する前記第1の被検体の前記第1の部位に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報を前記外部装置に出力する出力手段と、
を備えること、
を特徴とする請求項2に記載の医療情報管理装置。
【請求項14】
前記出力手段は、前記リクエストに基づいて、前記第1の部位に関する疾患を有する前記第2の被検体の前記第1の部位に対して動態撮影以外の撮影又は前記疾患に関する検査を行うことで得られた非動態情報を前記外部装置に出力すること、
を特徴とする請求項13に記載の医療情報管理装置。
【請求項15】
コンピューターに、
1の被検体の第1の部位に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報であって、前記第1の部位に関する疾患を有さない前記第1の被検体の動態情報と、
2の被検体の前記第1の部位に対して動態撮影以外の撮影又は前記疾患に関する検査を行うことで得られた非動態情報であって、前記第1の部位に関する疾患を有さない前記第2の被検体の非動態情報と
を対応付けて管理する管理処理を実行させる医療情報管理プログラムであって、
前記管理処理は、前記第1の被検体と前記第2の被検体の疾患情報、属性情報、撮影部位の情報、及び、病院情報の少なくとも一つに基づいて、前記動態情報と前記非動態情報とを対応付けて管理するものであり、
前記疾患情報、前記属性情報、前記撮影部位の情報、及び、前記病院情報は、個人を特定する情報を含まないこと、
を特徴とする医療情報管理プログラム。
【請求項16】
コンピューターに、
第1の被検体の第1の部位に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報であって、前記第1の部位に関する疾患を有する前記第1の被検体の動態情報と、
第2の被検体の前記第1の部位に対して動態撮影以外の撮影又は前記疾患に関する検査を行うことで得られた非動態情報であって、前記第1の部位に関する疾患を有する前記第2の被検体の非動態情報と
を対応付けて管理する管理処理を実行させる医療情報管理プログラムであって、
前記管理処理は、前記第1の被検体と前記第2の被検体の疾患情報、属性情報、撮影部位の情報、及び、病院情報の少なくとも一つに基づいて、前記動態情報と前記非動態情報とを対応付けて管理するものであり、
前記疾患情報、前記属性情報、前記撮影部位の情報、及び、前記病院情報は、個人を特定する情報を含まないこと、
を特徴とする医療情報管理プログラム。
【請求項17】
前記動態情報は医用画像であること、
を特徴とする請求項15又は16に記載の医療情報管理プログラム。
【請求項18】
前記非動態情報は医用画像であること、
を特徴とする請求項15~17のいずれか一項に記載の医療情報管理プログラム。
【請求項19】
前記非動態情報における前記医用画像は、放射線による静止画撮影と透視撮影の少なくとも一方から得られた第1の医用画像、及び、放射線以外の撮影により得られた第2の医用画像の少なくとも一つを含むこと、
を特徴とする請求項18に記載の医療情報管理プログラム。
【請求項20】
前記非動態情報は、画像を伴わない検査により得られた検査結果、及び、検査レポートの少なくとも一つを含むこと、
を特徴とする請求項15~17のいずれか一項に記載の医療情報管理プログラム。
【請求項21】
前記動態情報は、医用画像を解析することで得られた動き情報を含むこと、
を特徴とする請求項15又は16に記載の医療情報管理プログラム。
【請求項22】
前記医用画像は動態画像であること、
を特徴とする請求項21に記載の医療情報管理プログラム。
【請求項23】
前記第1の被検体と前記第2の被検体は異なる被検体であること、
を特徴とする請求項15~22のいずれか一項に記載の医療情報管理プログラム。
【請求項24】
前記管理処理では、前記第1の部位に関する疾患を有する第3の被検体の前記第1の部位に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報と、前記第1の部位に関する疾患を有する第4の被検体の前記第1の部位に対して動態撮影以外の撮影又は前記疾患に関する検査を行うことで得られた非動態情報とを対応付けて管理すること、
を特徴とする請求項15に記載の医療情報管理プログラム。
【請求項25】
前記コンピューターに、
外部装置からのリクエストを受信する受信処理と、
前記リクエストに基づいて、前記第1の部位に関する疾患を有さない前記第1の被検体の前記第1の部位に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報を前記外部装置に出力する出力処理と、
を実行させること、
を特徴とする請求項15に記載の医療情報管理プログラム。
【請求項26】
前記出力処理では、前記リクエストに基づいて、前記第1の部位に関する疾患を有さない前記第2の被検体の前記第1の部位に対して動態撮影以外の撮影又は前記疾患に関する検査を行うことで得られた非動態情報を前記外部装置に出力すること、
を特徴とする請求項25に記載の医療情報管理プログラム。
【請求項27】
前記コンピューターに、
外部装置からのリクエストを受信する受信処理と、
前記リクエストに基づいて、前記第1の部位に関する疾患を有する前記第1の被検体の前記第1の部位に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報を前記外部装置に出力する出力処理と、
を実行させること、
を特徴とする請求項16に記載の医療情報管理プログラム。
【請求項28】
前記出力処理では、前記リクエストに基づいて、前記第1の部位に関する疾患を有する前記第2の被検体の前記第1の部位に対して動態撮影以外の撮影又は前記疾患に関する検査を行うことで得られた非動態情報を前記外部装置に出力すること、
を特徴とする請求項27に記載の医療情報管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療情報管理装置及び医療情報管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、患者を過去に放射線撮影した画像と現在の画像とを比較して、病変等の異常を検出する診断方法が用いられている。しかし、診断対象患者について過去の正常例の画像(以下、正常画像という。)が常にあるわけではないため、正常画像からなる大規模な画像データベースから診断対象患者と正常構造が類似するものを抽出し、抽出された正常画像と診断対象患者の画像(以下、診断対象画像という。)との差分をとった類似差分画像を、診断補助画像として用いる技術が提案されている(特許文献1参照)。ただし、臓器の形状には個人差があり、類似差分画像にアーチファクトが生じてしまうことから、画像データベース内の正常画像と診断対象画像とで臓器の形状が一致する場合に、類似差分画像を生成することとする。
【0003】
ところで、上述の従来技術は、放射線撮影の静止画に関するものであり、静止画における正常画像の例として、最大呼気位のものが用いられることが知られている。一方、近年では、放射線による動態撮影から得られた動態画像(動態情報)を用いた診断が試みられているが、動態画像において何が正常画像であるかが十分に把握されていないため、動態画像に対しても、静止画における正常画像の知見に基づいた判断が行われている。
【0004】
しかし、最大呼気位の画像における臓器や骨等の構造物の形状は、正常画像と疾患を有する患者の画像とで大きな差異が見られない場合があり、静止画における正常画像の知見だけでは、医師が動態画像を用いた診断を十分に行えないという問題がある。
【0005】
また、動態画像は、静止画に比べて情報量が格段に多いため、診断基準となる正常画像の重要性が高まっている。
【0006】
また、動態画像は、動画であるため、静止画に比して視聴に時間を要する。動画の全フレームを視聴することになると、医師の確認工数が急増するため、受け入れがたい。そのため、動態においては、静止画以上に、医師の視聴効率化、診断効率化を図る必要がある。これには、動画データを解析し、異常個所の候補をマーク、強調表示等で報知するといった診断サポートが必要とされる。このような診断サポートを目的とした異常個所候補の抽出等には、正常画像が必要となるため、動画においては、静止画に比べて、正常画像の収集がより重要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2016-174735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、動態撮影は新しい技術であるため、正常例や異常例のデータ数が少なく、動態画像や解析に対する知識を有する医師も少ないという問題があった。
また、動態情報においては、動態撮影以外の従来の診断方法で得られた情報(他のモダリティーで撮影された医用画像、検査結果等)と対比しながら閲覧したいという要望もある。
【0009】
加えて、動態を広く普及させるためには、正常例や異常例を広く公開して閲覧やダウンロードを可能とすることで、ユーザーの教育や、さらなる研究を活性化していく必要がある。また、動態画像に対して定量的な診断基準(標準値)を設けることも、動態の診断を広める上では必要である。このように、動態画像の活用を進めるためには、動態画像に対する理解を深め、利用しやすい形で動態画像を蓄積することが必要となっている。
【0010】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、動態情報の活用を促進することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、第1の被検体の第1の部位に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報であって、前記第1の部位に関する疾患を有さない前記第1の被検体の動態情報と、2の被検体の前記第1の部位に対して動態撮影以外の撮影又は前記疾患に関する検査を行うことで得られた非動態情報であって、前記第1の部位に関する疾患を有さない前記第2の被検体の非動態情報とを対応付けて管理する管理手段を有し、前記管理手段は、前記第1の被検体と前記第2の被検体の疾患情報、属性情報、撮影部位の情報、及び、病院情報の少なくとも一つに基づいて、前記動態情報と前記非動態情報とを対応付けて管理し、前記疾患情報、前記属性情報、前記撮影部位の情報、及び、前記病院情報は、個人を特定する情報を含まないこと、を特徴とする医療情報管理装置である。
【0012】
請求項2に記載の発明は、第1の被検体の第1の部位に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報であって、前記第1の部位に関する疾患を有する前記第1の被検体の動態情報と、第2の被検体の前記第1の部位に対して動態撮影以外の撮影又は前記疾患に関する検査を行うことで得られた非動態情報であって、前記第1の部位に関する疾患を有する前記第2の被検体の非動態情報とを対応付けて管理する管理手段を有し、前記管理手段は、前記第1の被検体と前記第2の被検体の疾患情報、属性情報、撮影部位の情報、及び、病院情報の少なくとも一つに基づいて、前記動態情報と前記非動態情報とを対応付けて管理し、前記疾患情報、前記属性情報、前記撮影部位の情報、及び、前記病院情報は、個人を特定する情報を含まないこと、を特徴とする医療情報管理装置である。
【0014】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医療情報管理装置において、前記動態情報は医用画像であること、を特徴とする。
【0015】
請求項に記載の発明は、請求項1~のいずれか一項に記載の医療情報管理装置において、前記非動態情報は医用画像であること、を特徴とする。
【0016】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の医療情報管理装置において、前記非動態情報における前記医用画像は、放射線による静止画撮影と透視撮影の少なくとも一方から得られた第1の医用画像、及び、放射線以外の撮影により得られた第2の医用画像の少なくとも一つを含むこと、を特徴とする。
【0017】
請求項に記載の発明は、請求項1~のいずれか一項に記載の医療情報管理装置において、前記非動態情報は、画像を伴わない検査により得られた検査結果、及び、検査レポートの少なくとも一つを含むこと、を特徴とする。
【0018】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医療情報管理装置において、前記動態情報は、医用画像を解析することで得られた動き情報を含むこと、を特徴とする。
【0019】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の医療情報管理装置において、前記医用画像は動態画像であること、を特徴とする。
【0020】
請求項に記載の発明は、請求項1~のいずれか一項に記載の医療情報管理装置において、前記第1の被検体と前記第2の被検体は異なる被検体であること、を特徴とする。
【0021】
請求項10に記載の発明は、請求項に記載の医療情報管理装置において、前記管理手段は、前記第1の部位に関する疾患を有する第3の被検体の前記第1の部位に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報と、前記第1の部位に関する疾患を有する第4の被検体の前記第1の部位に対して動態撮影以外の撮影又は前記疾患に関する検査を行うことで得られた非動態情報とを対応付けて管理すること、を特徴とする。
【0022】
請求項11に記載の発明は、請求項に記載の医療情報管理装置において、外部装置からのリクエストを受信する受信手段と、前記リクエストに基づいて、前記第1の部位に関する疾患を有さない前記第1の被検体の前記第1の部位に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報を前記外部装置に出力する出力手段と、を備えること、を特徴とする。
【0023】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の医療情報管理装置において、前記出力手段は、前記リクエストに基づいて、前記第1の部位に関する疾患を有さない前記第2の被検体の前記第1の部位に対して動態撮影以外の撮影又は前記疾患に関する検査を行うことで得られた非動態情報を前記外部装置に出力すること、を特徴とする。
【0024】
請求項13に記載の発明は、請求項に記載の医療情報管理装置において、外部装置からのリクエストを受信する受信手段と、前記リクエストに基づいて、前記第1の部位に関する疾患を有する前記第1の被検体の前記第1の部位に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報を前記外部装置に出力する出力手段と、を備えること、を特徴とする。
【0025】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の医療情報管理装置において、前記出力手段は、前記リクエストに基づいて、前記第1の部位に関する疾患を有する前記第2の被検体の前記第1の部位に対して動態撮影以外の撮影又は前記疾患に関する検査を行うことで得られた非動態情報を前記外部装置に出力すること、を特徴とする。
【0026】
請求項15に記載の発明は、コンピューターに、第1の被検体の第1の部位に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報であって、前記第1の部位に関する疾患を有さない前記第1の被検体の動態情報と、第2の被検体の前記第1の部位に対して動態撮影以外の撮影又は前記疾患に関する検査を行うことで得られた非動態情報であって、前記第1の部位に関する疾患を有さない前記第2の被検体の非動態情報とを対応付けて管理する管理処理を実行させる医療情報管理プログラムであって、前記管理処理は、前記第1の被検体と前記第2の被検体の疾患情報、属性情報、撮影部位の情報、及び、病院情報の少なくとも一つに基づいて、前記動態情報と前記非動態情報とを対応付けて管理するものであり、前記疾患情報、前記属性情報、前記撮影部位の情報、及び、前記病院情報は、個人を特定する情報を含まないこと、を特徴とする医療情報管理プログラムである。
【0027】
請求項16に記載の発明は、コンピューターに、第1の被検体の第1の部位に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報であって、前記第1の部位に関する疾患を有する前記第1の被検体の動態情報と、2の被検体の前記第1の部位に対して動態撮影以外の撮影又は前記疾患に関する検査を行うことで得られた非動態情報であって、前記第1の部位に関する疾患を有する前記第2の被検体の非動態情報とを対応付けて管理する管理処理を実行させる医療情報管理プログラムであって、前記管理処理は、前記第1の被検体と前記第2の被検体の疾患情報、属性情報、撮影部位の情報、及び、病院情報の少なくとも一つに基づいて、前記動態情報と前記非動態情報とを対応付けて管理するものであり、前記疾患情報、前記属性情報、前記撮影部位の情報、及び、前記病院情報は、個人を特定する情報を含まないこと、を特徴とする医療情報管理プログラムである。
請求項17に記載の発明は、請求項15又は16に記載の医療情報管理プログラムにおいて、前記動態情報は医用画像であること、を特徴とする。
請求項18に記載の発明は、請求項15~17のいずれか一項に記載の医療情報管理プログラムにおいて、前記非動態情報は医用画像であること、を特徴とする。
請求項19に記載の発明は、請求項18に記載の医療情報管理プログラムにおいて、前記非動態情報における前記医用画像は、放射線による静止画撮影と透視撮影の少なくとも一方から得られた第1の医用画像、及び、放射線以外の撮影により得られた第2の医用画像の少なくとも一つを含むこと、を特徴とする。
請求項20に記載の発明は、請求項15~17のいずれか一項に記載の医療情報管理プログラムにおいて、前記非動態情報は、画像を伴わない検査により得られた検査結果、及び、検査レポートの少なくとも一つを含むこと、を特徴とする。
請求項21に記載の発明は、請求項15又は16に記載の医療情報管理プログラムにおいて、前記動態情報は、医用画像を解析することで得られた動き情報を含むこと、を特徴とする。
請求項22に記載の発明は、請求項21に記載の医療情報管理プログラムにおいて、前記医用画像は動態画像であること、を特徴とする。
請求項23に記載の発明は、請求項15~22のいずれか一項に記載の医療情報管理プログラムにおいて、前記第1の被検体と前記第2の被検体は異なる被検体であること、を特徴とする。
請求項24に記載の発明は、請求項15に記載の医療情報管理プログラムにおいて、前記管理処理では、前記第1の部位に関する疾患を有する第3の被検体の前記第1の部位に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報と、前記第1の部位に関する疾患を有する第4の被検体の前記第1の部位に対して動態撮影以外の撮影又は前記疾患に関する検査を行うことで得られた非動態情報とを対応付けて管理すること、を特徴とする。
請求項25に記載の発明は、請求項15に記載の医療情報管理プログラムにおいて、前記コンピューターに、外部装置からのリクエストを受信する受信処理と、前記リクエストに基づいて、前記第1の部位に関する疾患を有さない前記第1の被検体の前記第1の部位に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報を前記外部装置に出力する出力処理と、を実行させること、を特徴とする。
請求項26に記載の発明は、請求項25に記載の医療情報管理プログラムにおいて、前記出力処理では、前記リクエストに基づいて、前記第1の部位に関する疾患を有さない前記第2の被検体の前記第1の部位に対して動態撮影以外の撮影又は前記疾患に関する検査を行うことで得られた非動態情報を前記外部装置に出力すること、を特徴とする。
請求項27に記載の発明は、請求項16に記載の医療情報管理プログラムにおいて、前記コンピューターに、外部装置からのリクエストを受信する受信処理と、前記リクエストに基づいて、前記第1の部位に関する疾患を有する前記第1の被検体の前記第1の部位に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報を前記外部装置に出力する出力処理と、を実行させること、を特徴とする。
請求項28に記載の発明は、請求項27に記載の医療情報管理プログラムにおいて、前記出力処理では、前記リクエストに基づいて、前記第1の部位に関する疾患を有する前記第2の被検体の前記第1の部位に対して動態撮影以外の撮影又は前記疾患に関する検査を行うことで得られた非動態情報を前記外部装置に出力すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、動態情報の活用を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施の形態における医療情報管理システムのシステム構成を示す図である。
図2】医療情報管理装置の機能的構成を示すブロック図である。
図3】ユーザー管理テーブルのデータ構成例を示す図である。
図4】医療情報管理テーブルのデータ構成例を示す図である。
図5】クライアント端末の機能的構成を示すブロック図である。
図6】クライアント端末及び医療情報管理装置により実行される医療情報提供処理を示すラダーチャートである。
図7】医療情報管理装置により実行される医療情報抽出処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明に係る医療情報管理装置及び医療情報管理プログラムの実施の形態について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0031】
[医療情報管理システムの構成]
図1に、本発明の実施の形態における医療情報管理システム100のシステム構成を示す。
図1に示すように、医療情報管理システム100は、医療情報管理装置10と、各医療施設に所属する医療従事者が使用するクライアント端末20と、を備えて構成されている。医療情報管理装置10とクライアント端末20とは、通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。
【0032】
医療情報管理装置10は、クライアント端末20からアップロードされた医療情報を保存し管理する。医療情報管理装置10は、クライアント端末20からの閲覧要求に応じて、要求元のクライアント端末20に医療情報を提供する。医療情報管理装置10は、クラウドサーバーであってもよい。
医療情報には、動態情報、非動態情報が含まれる。
【0033】
動態情報は、被検体に対して動態撮影を行うことで得られた情報であり、動態画像(動態撮影により得られた医用画像)、動き情報の少なくとも一方を含む。
動態撮影は、呼吸運動に伴う肺の膨張及び収縮の形態変化、心臓の拍動等の動態を対象とした撮影である。動態撮影では、被検体に対し、X線等の放射線をパルス状にして所定時間間隔で繰り返し照射するか(パルス照射)、又は、低線量にして途切れなく継続して照射する(連続照射)ことで、被検体の動態を示す複数の画像を取得する。動態撮影には、動画撮影が含まれるが、動画を表示しながら静止画を撮影するもの(透視撮影)は含まれない。
【0034】
動態画像は、動態撮影により得られた一連の画像(画像データ)である。また、動態画像を構成する複数の画像のそれぞれをフレーム画像という。動態画像には、動画が含まれるが、動画を表示しながら静止画を撮影して得られた画像は含まれない。
【0035】
動き情報は、動態画像(動態撮影により得られた医用画像)を解析することで得られた被検体(呼吸器、循環器、整形、嚥下に関連する組織等)の動きを表す情報である。動き情報には、フレーム画像1枚ごとに求められる位置、フレーム画像間の差から求められる速度、それらの情報から解析的に得られる最大速度やサイズの変化率等の情報が含まれる。動き情報として、例えば、横隔膜速度、肺野面積変化率、気道径狭窄率等、組織の動きを定量化した情報が用いられる。
【0036】
非動態情報は、被検体に対して動態撮影以外の撮影又は検査を行うことで得られた情報であり、CT、シンチグラフィー、MRI、スパイロメトリー、レポート(読影レポート、検査レポート等)等から得られた情報を含む。
【0037】
非動態情報は、動態撮影以外の撮影により得られた医用画像(非動態画像)を含む。非動態情報における医用画像は、放射線による静止画撮影と透視撮影の少なくとも一方から得られた第1の医用画像(放射線画像)、及び、放射線以外の撮影により得られた第2の医用画像(非放射線画像)の少なくとも一つを含む。
静止画撮影は、単純X線撮影、CT、シンチグラフィー等である。
透視撮影は、放射線を用いて臓器や骨等の体内を透視した動画を表示しながら静止画を撮影するものである。
放射線以外の撮影は、MRI等である。
【0038】
非動態情報は、画像を伴わない検査により得られた検査結果(測定値等)、及び、検査レポート(検査に関する報告書)の少なくとも一つを含む。
画像を伴わない検査とは、スパイロメトリー、パルスオキシメーター(SpO:経皮的動脈血酸素飽和度)による検査等である。
【0039】
クライアント端末20は、各医療施設内で使用されるPC(Personal Computer)、タブレット端末等のコンピューター装置である。クライアント端末20は、医療施設において患者を撮影して得られた医用画像(動態画像・非動態画像)や、患者に対する検査により得られた検査結果等の医療情報を医療情報管理装置10にアップロードしたり、医療情報管理装置10に保存されている医療情報を表示したりする。
【0040】
図2に、医療情報管理装置10の機能的構成を示す。
図2に示すように、医療情報管理装置10は、制御部11、操作部12、表示部13、通信部14、記憶部15等を備えて構成されており、各部はバスにより接続されている。
【0041】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、医療情報管理装置10の各部の処理動作を統括的に制御する。制御部11のCPUは、記憶部15に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。
【0042】
操作部12は、カーソルキー、文字・数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部11に出力する。
【0043】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニターにより構成され、制御部11から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0044】
通信部14は、ネットワークインターフェース等により構成され、インターネット等の通信ネットワークNを介して接続された外部装置との間でデータの送受信を行う。
【0045】
記憶部15は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。例えば、記憶部15には、クライアント端末20に搭載されたWebブラウザーとHTTPプロトコルによる通信を行ってWebブラウザーに各種Web画面を提供するWebサーバーとしての機能を実現させるためのWebサーバープログラムや、Webサーバー上で動作するアプリケーションプログラム等が記憶されている。
【0046】
記憶部15には、医療情報管理プログラム151、ユーザー管理テーブル152、医療情報管理テーブル153が記憶されている。また、記憶部15は、データ記憶領域154を有する。
【0047】
ユーザー管理テーブル152は、医療情報管理システム100を利用するユーザー(医療従事者)ごとに、ユーザーのアクセス範囲を管理するためのテーブルである。
【0048】
図3に、ユーザー管理テーブル152のデータ構成例を示す。
ユーザー管理テーブル152には、ユーザーごとに、ユーザーID、パスワード、動態画像に対するアクセス権限、動き情報に対するアクセス権限、非動態情報における医用画像(非動態画像)に対するアクセス権限、検査結果に対するアクセス権限等が対応付けられている。なお、「医用画像」という用語を、非動態情報に含まれる医用画像に対して用いる場合には、非動態画像の意味で使用しており、動態画像を含まない。
ユーザーIDは、ユーザーの識別情報である。
パスワードは、ユーザーがシステムにログインする際のユーザー認証に用いられる。
ユーザー管理テーブル152の各項目(動態画像、動き情報、医用画像、検査結果等)において、「〇」は、アクセス権限があることを示しており、「×」は、アクセス権限がないことを示している。
【0049】
医療情報管理テーブル153は、医療情報を管理するためのテーブルであり、予め用意されている。医療情報管理テーブル153で管理されている医療情報は、各医療施設から収集されたものである。
【0050】
図4に、医療情報管理テーブル153のデータ構成例を示す。
医療情報管理テーブル153には、疾患情報、属性情報、撮影部位、病院情報の組み合わせごとに、動態情報と、非動態情報と、が対応付けられている。
【0051】
疾患情報は、被検体が有する疾患の情報である。疾患情報として、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、間質性肺炎、疾患なし等が挙げられる。
属性情報は、被検体の属性を示す情報である。属性情報として、性別、生年月日、年齢、身長、BMI、人種、喫煙歴等が挙げられる。属性情報は、個人を特定する情報を含まない。個人を特定する情報としては、氏名、住所、電話番号等が挙げられる。
撮影部位は、撮影対象とされた部位を示す情報である。撮影部位として、肺、心臓、声帯、肘、膝等が挙げられる。
病院情報は、被検体に対する撮影又は検査が行われた病院(医療施設)に関する情報である。病院情報として、内科、整形外科等の診療科や、撮影又は検査に携わった医師等が挙げられる。
【0052】
動態情報には、動態画像と、動き情報(横隔膜速度、肺野面積変化率、気道径狭窄率等)とが含まれる。
「動態画像」フィールドには、動態画像を特定するための識別情報が格納される。医療情報管理テーブル153において、各レコードに含まれる「動態画像」は、単一の動態画像であってもよいし、複数の動態画像群(同じような動き情報を持つ集団)であってもよい。
動き情報は、医療情報管理装置10が動態画像を解析して得られた情報でもよいし、外部装置から取得した情報でもよい。
【0053】
非動態情報には、動態撮影以外の撮影又は検査ごとに得られた情報が含まれる。
CT、MRI、シンチグラフィー等の撮影に関する非動態情報には、医用画像、所見、計測値等が含まれる。
「医用画像」フィールドには、動態撮影以外の撮影により得られた医用画像(非動態画像)を特定するための識別情報が格納される。
「所見」フィールドには、非動態画像に対する代表的な所見が格納される。
「計測値」フィールドには、非動態画像から算出された代表的な計測値が格納される。
スパイロメトリー検査等の画像を伴わない検査に関する非動態情報には、検査結果(測定値)等が含まれる。
【0054】
データ記憶領域154には、各医療施設のクライアント端末20からアップロードされた医療情報(動態情報・非動態情報)が格納される。
【0055】
また、記憶部15には、動き情報の項目(横隔膜速度、肺野面積変化率、気道径狭窄率等)ごとに、標準値が記憶されている。標準値は、疾患を有さない患者の動態画像を解析して得られた動き情報に基づいて設定された値であり、診断基準とする値・範囲である。例えば、標準値は、動き情報の値が、正常であるか、異常であるかを判断する際に用いられる。
【0056】
制御部11は、クライアント端末20において、各ユーザーに対応するログインアカウント(ユーザーID・パスワード)から医療情報管理装置10にアクセスがあった場合に、記憶部15のユーザー管理テーブル152を参照して、予め登録されているユーザーであるか否かを判断する。制御部11は、クライアント端末20において入力されたユーザーID及びパスワードが、ユーザー管理テーブル152に登録されている場合には、このユーザーIDに対応するユーザーが正当なユーザーであると判断する。
【0057】
制御部11は、クライアント端末20からの閲覧要求に応じて、要求された医療情報を要求元のクライアント端末20に提供する。
【0058】
制御部11は、所定の疾患の条件を満たす第1の被検体に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報と、所定の疾患の条件を満たす第2の被検体に対して動態撮影以外の撮影又は検査を行うことで得られた非動態情報とを対応付けて管理する。すなわち、制御部11は、管理手段として機能する。
【0059】
例えば、「所定の疾患の条件」として、「所定の疾患を有さないこと」を用いることができる。この場合、所定の疾患の条件を満たす第1の被検体は所定の疾患を有さず、所定の疾患の条件を満たす第2の被検体は所定の疾患を有さない。
【0060】
また、「所定の疾患の条件」として、「所定の疾患を有すること」を用いることができる。この場合、所定の疾患の条件を満たす第1の被検体は所定の疾患を有し、所定の疾患の条件を満たす第2の被検体は所定の疾患を有する。
【0061】
第1の被検体と第2の被検体は異なる被検体であってもよいし、同じ被検体であってもよい。ただし、「所定の疾患の条件」が「疾患なし」の場合には、疾患のない患者に対して様々な撮影や検査を実施するとは考えにくいため、基本的には、第1の被検体と第2の被検体は異なる被検体である。
【0062】
制御部11は、第1の被検体と第2の被検体の疾患情報、属性情報、撮影部位の情報、及び、病院情報の少なくとも一つに基づいて、動態情報と非動態情報とを対応付けて管理する。
なお、医療情報管理テーブル153では、疾患情報、属性情報、撮影部位、病院情報の組み合わせに基づいて、動態情報と非動態情報とを対応付けて管理しているが、医療情報管理テーブル153において、動態情報と非動態情報とを対応付けている疾患情報、属性情報、撮影部位又は病院情報の条件の一部が含まれなくてもよい。
【0063】
制御部11は、所定の疾患を有さない第1の被検体に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報と、所定の疾患を有さない第2の被検体に対して動態撮影以外の撮影又は検査を行うことで得られた非動態情報とを対応付けて管理するとともに、所定の疾患を有する第3の被検体に対して動態撮影を行うことで得られた動態情報と、所定の疾患を有する第4の被検体に対して動態撮影以外の撮影又は検査を行うことで得られた非動態情報とを対応付けて管理する。
【0064】
通信部14は、外部装置からのリクエストを受信する。すなわち、通信部14は、受信手段として機能する。
制御部11は、リクエストに基づいて、所定の疾患の条件を満たす第1の被検体に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報を外部装置に出力する。すなわち、制御部11は、出力手段として機能する。「動態情報を外部装置に出力する」ことには、動態情報を外部装置に表示させること、動態情報をデータとして外部装置に送信すること等が含まれる。
【0065】
また、制御部11は、リクエストに基づいて、所定の疾患の条件を満たす第2の被検体に対して動態撮影以外の撮影又は検査を行うことで得られた非動態情報を外部装置に出力する。「非動態情報を外部装置に出力する」ことには、非動態情報を外部装置に表示させること、非動態情報をデータとして外部装置に送信すること等が含まれる。
【0066】
図5に、クライアント端末20の機能的構成を示す。
図5に示すように、クライアント端末20は、制御部21、操作部22、表示部23、通信部24、記憶部25等を備えて構成されており、各部はバスにより接続されている。
【0067】
制御部21は、CPU、RAM等から構成され、クライアント端末20の各部の処理動作を統括的に制御する。制御部21のCPUは、記憶部25に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。
【0068】
操作部22は、カーソルキー、文字・数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部21に出力する。また、操作部22は、表示部23の表示画面にタッチパネルを備えてもよく、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部21に出力する。
【0069】
表示部23は、LCD等のモニターにより構成され、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。例えば、表示部23は、医療情報管理装置10から受信した各種Web画面の表示用データに基づいて各種Web画面を表示する。
【0070】
通信部24は、ネットワークインターフェース等により構成され、インターネット等の通信ネットワークNを介して接続された外部装置との間でデータの送受信を行う。
【0071】
記憶部25は、HDD、SSD等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。例えば、記憶部25には、Webブラウザーを実現するためのWebブラウザープログラム等が記憶されている。
【0072】
[医療情報管理システムの動作]
次に、医療情報管理システム100における動作について説明する。
図6は、クライアント端末20及び医療情報管理装置10により実行される医療情報提供処理を示すラダーチャートである。医療情報管理装置10における処理は、制御部11のCPUと記憶部15に記憶されている医療情報管理プログラム151との協働によるソフトウェア処理によって実現される。クライアント端末20における処理は、制御部21のCPUと記憶部25に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。この処理は、例えば、医療施設の医療従事者(ユーザー)が、新たに撮影した動態画像の診断の参考にするために、診断対象画像と同じ又は近い条件の被検体に対する医療情報を閲覧する際等に行われる。
【0073】
まず、クライアント端末20において、ユーザーが操作部22を操作してWebブラウザー上から医療情報管理装置10にアクセスするためのURLを入力すると、制御部21は、入力されたURLに基づいて、通信部24を介して医療情報管理装置10にアクセスを行う。
【0074】
医療情報管理装置10では、制御部11が、クライアント端末20に対し、通信部14を介してログイン画面を表示するための表示用データを送信する。なお、医療情報管理装置10のWebサーバー機能によりクライアント端末20に送信されるログイン画面をはじめとする各種Web画面の表示用データには、HTML、スタイルシート、画像データ、クライアント端末20で所定の処理を実行させるためのスクリプト等が含まれる。
【0075】
クライアント端末20では、表示部23にログイン画面が表示される。ログイン画面には、ユーザーID及びパスワードの入力領域が含まれる。ログイン画面において、ユーザーが操作部22を操作してユーザーID及びパスワードを入力すると(ステップS1)、制御部21は、入力されたユーザーID及びパスワードを、通信部24を介して医療情報管理装置10に送信する。
【0076】
医療情報管理装置10では、通信部14によりユーザーID及びパスワードを受信すると、制御部11は、ユーザー認証を行う(ステップS2)。具体的には、制御部11は、記憶部15のユーザー管理テーブル152から、受信されたユーザーIDと一致するレコードを検索し、検索されたレコードに含まれるパスワードと受信されたパスワードが一致する場合に、ユーザー認証が成功したと判断する。
【0077】
次に、制御部11は、ユーザー管理テーブル152から、ユーザーのアクセス範囲を取得する(ステップS3)。具体的には、制御部11は、ユーザー管理テーブル152を参照して、ログイン中のユーザーの動態画像、動き情報、非動態情報における医用画像(非動態画像)、検査結果等に対するアクセス権限を取得する。
【0078】
次に、制御部11は、クライアント端末20に対し、通信部14を介して検索条件指定画面を表示するための表示用データを送信する。
クライアント端末20では、表示部23に検索条件指定画面が表示される。検索条件指定画面には、疾患情報、属性情報、撮影部位、病院情報を指定するための指定領域が含まれる。検索条件指定画面において、ユーザーが操作部22を操作して疾患情報、属性情報、撮影部位、病院情報を指定すると、制御部21は、指定された検索条件を満たす医療情報のリクエストを、通信部24を介して医療情報管理装置10に送信する(ステップS4)。
【0079】
例えば、「疾患情報」として「疾患なし」、「属性情報」として「30代・男性」、「撮影部位」として「胸部」、「病院情報」として「指定なし」等の検索条件が指定される。
【0080】
また、「疾患情報」として「COPD」、「属性情報」として「喫煙歴あり」、「撮影部位」として「胸部」、「病院情報」として「内科」等の検索条件が指定される。
【0081】
医療情報管理装置10では、通信部14により検索条件を含むリクエストを受信すると、制御部11は、記憶部15の医療情報管理テーブル153から、検索条件に合致する医療情報を、ユーザーに許可されたアクセス範囲内で抽出する(ステップS5)。
【0082】
次に、制御部11は、抽出した医療情報を表示するための表示用データを、通信部14を介してクライアント端末20に送信する(ステップS6)。
【0083】
クライアント端末20では、表示部23に医療情報が表示される(ステップS7)。ユーザーは、表示部23に表示された医療情報を閲覧する。
さらに、クライアント端末20において、ユーザーが操作部22を操作して、表示部23に表示されている医療情報の中からダウンロード対象とする医療情報を選択することで、選択された医療情報を医療情報管理装置10からダウンロードする(クライアント端末20又は医療施設内の他の装置に保存する)こととしてもよい。
以上で、医療情報提供処理が終了する。
【0084】
図7は、医療情報管理装置10により実行される医療情報抽出処理を示すフローチャートである。医療情報抽出処理は、医療情報提供処理(図6参照)のステップS5の処理を詳細に説明するものである。
【0085】
医療情報管理装置10の制御部11は、医療情報提供処理のステップS3で取得したユーザーのアクセス範囲が医療情報の全てであるか否かを判断する(ステップS11)。
【0086】
ユーザーのアクセス範囲が医療情報の全てである場合には(ステップS11;YES)、制御部11は、記憶部15の医療情報管理テーブル153から、検索条件(疾患情報、属性情報、撮影部位、病院情報の組み合わせ)に合致する全ての動態情報及び非動態情報を抽出する(ステップS12)。具体的には、制御部11は、医療情報管理テーブル153において、ユーザーにより指定された疾患情報、属性情報、撮影部位、病院情報の組み合わせに対応するレコードに含まれる動態情報(動態画像、動き情報)及び非動態情報(モダリティーごとの医用画像、所見、計測値、検査ごとの検査結果)の全てを抽出対象とする。なお、動態画像については、動態画像の識別情報に基づいて、記憶部15のデータ記憶領域154から取得し、非動態情報における医用画像(非動態画像)については、医用画像の識別情報に基づいて、データ記憶領域154から取得する。
【0087】
ステップS11において、ユーザーのアクセス範囲が医療情報の全てではない場合には(ステップS11;NO)、制御部11は、ユーザーのアクセス範囲に動態画像が含まれるか否かを判断する(ステップS13)。
【0088】
ユーザーのアクセス範囲に動態画像が含まれる場合には(ステップS13;YES)、制御部11は、医療情報管理テーブル153から、検索条件に合致する動態画像を抽出する(ステップS14)。具体的には、制御部11は、医療情報管理テーブル153から抽出した動態画像の識別情報に基づいて、データ記憶領域154から動態画像を取得する。
【0089】
ステップS13において、ユーザーのアクセス範囲に動態画像が含まれない場合(ステップS13;NO)、又は、ステップS14の後、制御部11は、ユーザーのアクセス範囲に動き情報が含まれるか否かを判断する(ステップS15)。
【0090】
ユーザーのアクセス範囲に動き情報が含まれる場合には(ステップS15;YES)、制御部11は、医療情報管理テーブル153から、検索条件に合致する動き情報を抽出する(ステップS16)。
【0091】
ステップS15において、ユーザーのアクセス範囲に動き情報が含まれない場合(ステップS15;NO)、又は、ステップS16の後、制御部11は、ユーザーのアクセス範囲に非動態情報における医用画像(非動態画像)が含まれるか否かを判断する(ステップS17)。
【0092】
ユーザーのアクセス範囲に非動態情報における医用画像(非動態画像)が含まれる場合には(ステップS17;YES)、制御部11は、医療情報管理テーブル153から、検索条件に合致する非動態情報における医用画像(非動態画像)、所見、計測値を抽出する(ステップS18)。なお、非動態情報における医用画像(非動態画像)については、医用画像の識別情報に基づいて、データ記憶領域154から取得する。
【0093】
ステップS17において、ユーザーのアクセス範囲に非動態情報における医用画像(非動態画像)が含まれない場合(ステップS17;NO)、又は、ステップS18の後、制御部11は、ユーザーのアクセス範囲に検査結果が含まれるか否かを判断する(ステップS19)。
【0094】
ユーザーのアクセス範囲に検査結果が含まれる場合には(ステップS19;YES)、制御部11は、医療情報管理テーブル153から、検索条件に合致する検査結果を抽出する(ステップS20)。
【0095】
ステップS19において、ユーザーのアクセス範囲に検査結果が含まれない場合(ステップS19;NO)、ステップS20の後、又は、ステップS12の後、医療情報抽出処理が終了する。
【0096】
クライアント端末20を操作するユーザーに、動態情報及び非動態情報についてアクセス権限がある場合、医療情報管理装置10の制御部11は、検索条件に合致する動態情報及び非動態情報を表示するための表示用データを、通信部14を介してクライアント端末20に送信する。
クライアント端末20では、検索条件に合致する動態情報及び非動態情報が表示部23に表示される。ユーザーは、動態画像や動き情報を、動態撮影以外の撮影に係る医用画像(非動態画像)や検査結果と対比しながら、閲覧することができる。
【0097】
また、クライアント端末20を操作するユーザーに、動き情報についてアクセス権限がある場合、医療情報管理装置10の制御部11は、記憶部15から動き情報の項目ごとの標準値を取得して、この標準値を、検索条件に合致する動き情報とともに、クライアント端末20の表示部23に表示させることとしてもよい。ユーザーは、項目ごとの標準値を参考にしながら、動き情報を閲覧することができる。
【0098】
また、医療情報管理装置10が、診断対象とする動態情報等を受け付けて、正常/異常を判断したり、疾患名を指摘したりするためのAI(Artificial Intelligence)アルゴリズムを有することとしてもよい。このAIアルゴリズムに対する学習用データとして、医療情報管理テーブル153に蓄積されているデータセットを用いることができる。具体的には、医療情報管理テーブル153において対応付けられている、所定の疾患の条件を満たす第1の被検体に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報と、所定の疾患の条件を満たす第2の被検体に対して動態撮影以外の撮影又は検査を行うことで得られた非動態情報とを入力データとし、所定の疾患の条件(疾患名、疾患なし等)を出力データとして、機械学習を行わせる。この機械学習により生成された識別器に対して、診断対象とする患者(被検体)の動態情報及び非動態情報を入力すると、疾患の有無や疾患名が出力される。
【0099】
さらに、機械学習を行わせる際に、動態情報及び非動態情報とともに、被検体の属性情報、撮影部位、病院情報等を入力データに加えることとしてもよい。この機械学習により生成された識別器を用いることで、診断対象とする患者(被検体)の動態情報、非動態情報、属性情報、撮影部位、病院情報等から、疾患の有無や疾患名を出力することができる。
【0100】
以上説明したように、本実施の形態の医療情報管理装置10によれば、ユーザーが動態情報より慣れている非動態情報を動態情報と対応付けることで、動態情報の活用を促進することができる。
例えば、クライアント端末20の表示部23に対し、動態画像とともに非動態画像を表示させることで、動態画像と同じ疾患条件の被検体が、動態撮影以外でどのように撮影されているかという情報を提供することができる。
【0101】
動態撮影は比較的新しい技術であるため、診断上においても、臨床研究上においても、動態情報を、動態撮影以外の従来の診断方法で得られた情報と対比可能とすることで、ユーザーに動態情報の有用性を認識させることができる。
医療情報管理テーブル153において、動態情報は、非動態情報という客観的な事実により裏付けされているため、動態情報に対するユーザーからの信頼が高まり、動態情報の利用を促進することができる。
【0102】
医療情報管理装置10の医療情報管理テーブル153には、正常な被検体(疾患を有さない被検体)から得られた動態情報と非動態情報との対応関係が含まれるので、動態情報及び非動態情報の正常例を、ユーザーに提供することができる。
【0103】
医療情報管理装置10の医療情報管理テーブル153には、所定の疾患を有する被検体から得られた動態情報と非動態情報との対応関係が含まれるので、疾患ごとに、動態情報及び非動態情報の異常例を、ユーザーに提供することができる。
【0104】
また、医療情報管理装置10は、被検体の疾患情報(疾患の有無、疾患名)、属性情報、撮影部位の情報、及び、病院情報の少なくとも一つに基づいて、動態情報と非動態情報とを対応付けて管理することができる。
【0105】
疾患を有さない被検体については、同一の被検体に対して複数の撮影又は検査を行って動態情報や非動態情報を収集することは困難である。そのため、異なる被検体であっても、疾患について同一の条件を満たす被検体同士の動態情報と非動態情報とを対応付けて管理することが重要となる。
【0106】
また、医療情報管理装置10は、クライアント端末20からのリクエストに基づいて、所定の疾患の条件を満たす第1の被検体に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報をクライアント端末20に出力することができる。
さらに、医療情報管理装置10は、クライアント端末20からのリクエストに基づいて、所定の疾患の条件を満たす第2の被検体に対して動態撮影以外の撮影又は検査を行うことで得られた非動態情報をクライアント端末20に出力することができる。
医療情報管理装置10は、クライアント端末20からの医療情報の閲覧やダウンロードのリクエストに応じて、動態情報の正常例や異常例を広く公開し、動態の普及を図ることができる。
【0107】
医療情報管理装置10は、ユーザーに対して設定されているアクセス範囲内で、リクエストに対応する医療情報を公開することができる。
【0108】
また、仮に、正常/異常や疾患名を判断するAIアルゴリズムを医療施設ごとに持つ場合、医療施設ごとにデータを集めてアルゴリズムを更新していく必要があり、医療施設間での精度も変わってしまう。
これに対し、医療情報管理装置10は、複数の医療施設から医療情報を収集するため、医療施設ごとに情報を管理する場合と比較して、大量のデータを収集することが容易になるとともに、医療情報を利用したAIアルゴリズムによる疾患の判定における医療施設間の精度の差もなくなる。
【0109】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る医療情報管理装置及び医療情報管理プログラムの例であり、これに限定されるものではない。各装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0110】
例えば、医療情報管理テーブル153(図4参照)のデータ構成は、図示例に限定されるものではなく、用途に応じて変更可能である。
【0111】
また、医療情報管理装置10において、医療情報管理テーブル153に代えて、動態情報を管理する動態情報管理テーブルと、非動態情報を管理する非動態情報管理テーブルと、が別々に設けられていてもよい。具体的には、動態情報管理テーブルには、疾患情報、属性情報、撮影部位、病院情報の組み合わせごとに、動態情報(動態画像、動き情報等)が格納されている。非動態情報管理テーブルには、疾患情報、属性情報、撮影部位、病院情報の組み合わせごとに、非動態情報(医用画像、所見、計測値、検査結果等)が格納されている。この場合、検索条件(疾患情報、属性情報、撮影部位、病院情報の組み合わせ)に合致する動態情報を動態情報管理テーブルから抽出し、検索条件に合致する非動態情報を非動態情報管理テーブルから抽出することで、共通の検索条件で対応付けられている動態情報及び非動態情報をクライアント端末20に提供することができる。
【0112】
上記実施の形態では、動態情報が動態画像と動き情報を含む場合について説明したが、医療情報管理装置10において管理される動態情報が、動き情報を含まず、動態画像(動態撮影により得られた医用画像)のみであってもよい。ユーザーに、動態画像における正常例の動きと異常例の動きを知ってもらい、動態画像の意義を認識させることで、動態撮影の普及に寄与することができる。
【0113】
また、医療情報管理装置10において管理される非動態情報が、非動態画像(動態撮影以外の撮影により得られた医用画像)のみであってもよい。ユーザーが動態画像を、普段から見慣れている非動態画像と見比べることで、動態画像における正常例の動きと異常例の動きの理解が深まりやすい。
【0114】
また、ユーザー管理テーブル152(図3参照)において、閲覧、ダウンロード等に分けて、ユーザーのアクセス範囲を管理することとしてもよい。
【0115】
また、医療情報管理装置10内の医療情報を利用したユーザーに対して課金することとしてもよい。例えば、ユーザーが閲覧又はダウンロードした医療情報の量(データ量、ファイルの数、回数等)に応じて金額を決定する従量課金制を用いてもよいし、所定期間内での定額制を用いてもよい。また、各ユーザーが所属する医療施設ごとに課金することとしてもよい。また、閲覧、ダウンロードで別々に課金することとしてもよい。
【0116】
また、各装置において各処理を実行するためのプログラムは、可搬型記録媒体に格納されていてもよい。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0117】
10 医療情報管理装置
11 制御部
14 通信部
15 記憶部
20 クライアント端末
21 制御部
22 操作部
23 表示部
24 通信部
25 記憶部
100 医療情報管理システム
151 医療情報管理プログラム
152 ユーザー管理テーブル
153 医療情報管理テーブル
154 データ記憶領域
N 通信ネットワーク
【要約】      (修正有)
【課題】動態情報の活用を促進する医療情報管理装置、医療情報のデータ構造及び医療情報管理プログラムを提供する。
【解決手段】医療情報管理装置は、所定の疾患の条件を満たす第1の被検体に対して放射線による動態撮影を行うことで得られた動態情報と、所定の疾患の条件を満たす第2の被検体に対して動態撮影以外の撮影又は検査を行うことで得られた非動態情報とを対応付けて管理する。動態情報は、動態撮影により得られた一連の画像(動態画像)、動態画像を解析することで得られた動き情報を含む。非動態情報は、動態撮影以外の撮影により得られた医用画像(非動態画像)、検査結果等を含む。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7