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  • 特許-電極組立体製造用巻取り装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】電極組立体製造用巻取り装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20220621BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALN20220621BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M10/0587
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020536879
(86)(22)【出願日】2019-08-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-04-01
(86)【国際出願番号】 KR2019010707
(87)【国際公開番号】W WO2020060049
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2020-07-07
(31)【優先権主張番号】10-2018-0112413
(32)【優先日】2018-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジェウン
(72)【発明者】
【氏名】リュー、ドゥク ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョン クォン
【審査官】松嶋 秀忠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/022337(WO,A1)
【文献】特開2004-171836(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108352261(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0125196(KR,A)
【文献】特開2000-232043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04-39
H01M 6/10
H01M 6/16
H01G 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部;
電極と分離膜を巻き取る巻芯;および
前記本体部に連結され、異物を除去する異物除去部;
を含み、
前記異物除去部は、巻芯から離隔した状態で前記巻芯の周辺を囲む構造であり、
前記異物除去部には、前記異物除去部の内部空間に前記電極と前記分離膜が流入する流入部を含み、
前記異物除去部は、円筒構造である、電極組立体製造用巻取り装置。
【請求項2】
前記円筒の直径は、少なくとも電極組立体の直径より大きい、請求項に記載の電極組立体製造用巻取り装置。
【請求項3】
前記異物除去部は、内面に形成された吸入口を含む、請求項1または2に記載の電極組立体製造用巻取り装置。
【請求項4】
前記吸入口を通じて吸入された前記異物は、前記本体部を通じて外部に放出される、請求項に記載の電極組立体製造用巻取り装置。
【請求項5】
前記異物除去部は、前記本体部から分離される、請求項1からのいずれか一項に記載の電極組立体製造用巻取り装置。
【請求項6】
前記異物除去部は、磁石をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の電極組立体製造用巻取り装置。
【請求項7】
前記磁石は、前記流入部が形成された前記異物除去部の部位に含まれる、請求項に記載の電極組立体製造用巻取り装置。
【請求項8】
前記異物除去部の開口部を覆う蓋部をさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載の電極組立体製造用巻取り装置。
【請求項9】
前記蓋部は、前記本体部から分離される、請求項に記載の電極組立体製造用巻取り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年9月19日付韓国特許出願第10-2018-0112413号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電極組立体製造用巻取り装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
最近、化石燃料の枯渇によるエネルギー源の価格上昇、環境汚染の関心が増幅されるにつれて、環境にやさしい代替エネルギー源に対する要求が未来生活のための必須不可欠な要因になっている。よって、原子力、太陽光、風力、潮力など多様な電力生産技術に対する研究が持続しており、このように生産されたエネルギーをさらに効率的に使用するための電力貯蔵装置も大きな関心が続いている。
【0004】
さらに、モバイル機器と電池自動車に対する技術開発と需要が増加することによってエネルギー源としての電池の需要が急激に増加しており、これにより、多様な要求に応えられる電池に関する多くの研究が行われている。特に、材料面では、高いエネルギー密度、放電電圧、出力安定性などの長所を有するリチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池などのようなリチウム二次電池に対する需要が高い。
【0005】
二次電池は、正極、負極、および正極と負極の間に介される分離膜が積層された構造の電極組立体がいかなる構造になっているかによって分類される。代表的には、長いシート型の正極と負極を分離膜が介された状態で巻き取った構造のゼリーロール型(巻取り型)電極組立体、所定大きさの単位で切り取った複数の正極と負極を分離膜を介した状態で順次に積層したスタック型(積層型)電極組立体などが挙げられ、最近は、前記ゼリーロール型電極組立体およびスタック型電極組立体が有する問題点を解決するために、前記ゼリーロール型とスタック型の混合形態である一歩進んだ構造の電極組立体であって、所定単位の正極と負極を分離膜を介した状態で積層した単位セルを分離フィルム上に位置させた状態で順次に巻き取った構造のスタック/フォールディング型電極組立体が開発された。
【0006】
このような電極組立体のうち、ゼリーロール型電極組立体は製造が容易であり、重量当りエネルギー密度が高い長所を有していて、携帯用コンピュータから電池自動車に至るまで多様な機器のエネルギー源として使用されている。
【0007】
図1は、従来のゼリーロール型電極組立体製造装置の巻取り部を示す模式図である。
【0008】
図1を参照すれば、巻取り部10において、正極11、負極12、および分離膜13が巻芯15に流入して巻き取られることによってゼリーロールが作られる。ゼリーロール型電極組立体製造装置は巻取り部10以外に、図示しないが、電極融着部、電極切断部、およびローラ駆動部などの多様な設備を含み、これら設備の作動によって多様な金属および非金属異物が発生する。このような異物が巻芯15に流入する正極11と負極12の表面に位置して共に巻き取られることによって、低電圧および短絡のような問題点を招く。
【0009】
このような問題点を解決するために、巻芯15に流入する正極11と負極12部位に異物除去装置14を配置して金属異物を除去する方法が使用されている。
【0010】
しかし、先に言及した異物は正極11、負極12、および分離膜13が流入する部位以外にも多様なところから流入するので、電極および分離膜の周囲に局部的に設置された異物除去装置では前記異物を効果的に除去できないという問題点がある。
【0011】
したがって、このような問題点を根本的に解決することができる技術が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前記のような従来の技術の問題点と過去から要請されてきた技術的課題を解決することを目的とする。
【0013】
本出願の発明者らは、深度ある研究と多様な実験を重ねた末に、以後に説明するように、電極組立体製造用巻取り装置が巻芯の周辺を囲む構造の異物除去部を含み、異物除去部の内面には吸入口を形成することによって異物を効果的に除去することができるのを確認して本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0014】
このような目的を達成するための本発明による電極組立体製造用巻取り装置は、本体部、電極と分離膜を巻き取る巻芯、および前記本体部に連結され、異物を除去する異物除去部を含み、前記異物除去部は巻芯から離隔した状態で前記巻芯の周辺を囲む構造として形成することができる。
【0015】
前記異物除去部には、前記電極と前記分離膜が流入する流入部を含むことができる。
【0016】
前記異物除去部は、円筒構造として形成することができる。
【0017】
前記円筒の直径は、少なくとも前記電極組立体の直径より大きく形成することができる。
【0018】
前記異物除去部は、内面に形成された吸入口を含むことができる。
【0019】
前記吸入口を通じて吸入された前記異物は、前記本体部を通じて外部に放出することができる。
【0020】
前記異物除去部は、前記本体部から分離することができる。
【0021】
前記異物除去部は、磁石をさらに含むことができる。
【0022】
前記磁石は、前記流入部が形成された前記異物除去部部位に形成することができる。
【0023】
前記異物除去部の開口部を覆う蓋部をさらに含むことができる。
【0024】
前記蓋部は、前記本体部から分離することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明による電極組立体製造用巻取り装置は、巻芯の周辺を囲む構造の異物除去部を含み、異物除去部の内面には吸入口を形成することによって異物の流入を防止することができるだけでなく、流入した異物を効果的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】従来のゼリーロール型電極組立体製造装置の巻取り部を示す模式図である。
図2】本発明の一実施形態による電極組立体製造用巻取り装置を示す模式図である。
図3図2の電極組立体製造用巻取り装置の断面図である。
図4】本発明の他の一実施形態による電極組立体製造用巻取り装置を示す模式図である。
図5】本発明の他の一実施形態による電極組立体製造用巻取り装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参考として本発明の様々な実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は様々の異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0028】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を"含む"という時、これは、特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
【0029】
また、明細書全体において、"断面図"という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0030】
図2は、本発明の一実施形態による電極組立体製造用巻取り装置を示す模式図である。図3は、図2の電極組立体製造用巻取り装置の断面図である。
【0031】
図2および図3を参照すれば、電極組立体製造用巻取り装置100は、本体部101、巻芯102、および異物除去部103を含む。異物除去部103には、電極(図示せず)と分離膜(図示せず)が流入する流入部104が形成されている。電極と分離膜は流入部104を通じて巻芯102に流入して巻き取られる。
【0032】
流入部104の形状は電極と分離膜の形状によって多様に形成することができるが、流入部104を通じた異物の流入を最少化するために、電極と分離膜が干渉されずに流入できる最小限の大きさで形成されることが好ましい。一般に、電極と分離膜は一定の厚さを有する幅に比べて長さが長いシート形状であるので、流入部104はシートが流入できる形状であってもよい。
【0033】
異物除去部103の形状は特に限定されず、所望の電極組立体の形状および製造設備などを考慮して多様に形成することができるが、巻芯102から一定の離隔距離を維持しながら巻芯102を囲む円筒構造として形成するのが好ましい。図2に示された異物除去部103は、円筒構造として形成されている。異物除去部103の直径は、少なくとも巻取りが完了された電極組立体の直径より大きくてもよい。そして、異物除去部103の長さは、少なくとも巻芯102の長さより同じか長い。ここで、異物除去部103の長さとは、巻芯102が伸びている方向に沿って定義される長さを意味する。このような構造によって、電極と分離膜が巻き取られる時、異物が巻芯に流入することを効果的に防止することができる。
【0034】
異物除去部103の内面109には、複数の吸入口105が形成されている。吸入口105が形成される位置は特に限定されないが、異物除去部103の内面109に所定の間隔を維持しながら形成することができる。作業者の必要によって、吸入口105は特定の部位に相対的に多く形成することができる。一つの例として、吸入口105は異物除去部103の開口部106に隣接した異物除去部103内面に集中的に配置されて、開口部106を通じて流入する異物を効果的に除去することができる。ここで、開口部106は、外部空間と円筒構造の異物除去部105内部空間の間の境界に該当する部分であってもよい。または、吸入口105は流入部104に隣接した異物除去部103の内面109に集中的に配置されて、流入部104を通じて流入する異物を効果的に除去することができる。吸入口105を通じて流入した異物は、異物除去部103の内面109と外面110の間の内部移動通路121を通じて本体部101に移動して外部に放出される。本体部101には、空気吸入ポンプ120を形成することができ、このような空気吸入ポンプ120によって吸入口105を通じて異物除去部103に異物が流入して本体部101を通じて外部に放出できる。
【0035】
このような構造を通じて、電極と分離膜が巻き取られる時、異物が巻芯102に流入するのを防止することができるだけでなく、流入した異物も吸入口105を通じて効果的に除去することができる。
【0036】
異物除去部103は本体部101に連結されているが、必要によって分離可能である。
【0037】
図4は、本発明による他の一実施形態による電極組立体製造用巻取り装置を示す模式図である。
【0038】
図4を参照すれば、電極組立体製造用巻取り装置100は、流入部104が形成された異物除去部103部位に磁石107をさらに含んでいる。説明の便宜のために、複数の磁石107のうち、代表的に一つの磁石のみを指示線で表示した。磁石107は、流入部104に流入する電極についている金属異物を磁力で分離除去する。前記金属異物は前記電極の切断加工過程で発生し、非金属異物の重量より重くて吸入口105を通じて吸入されない場合がある。除去されなかった前記金属異物が前記電極と共に巻き取られる場合、電極組立体の変形だけでなく短絡を誘発する。
【0039】
異物除去部103において、磁石107が形成される部位は特に限定されない。異物除去部103の外面110だけでなく内面109にも形成することができ、必要な場合、異物除去部103の一部または全部を磁石から形成することができる。
【0040】
図5は、本発明による他の一実施形態による電極組立体製造用巻取り装置を示す模式図である。
【0041】
図5を参照すれば、電極組立体製造用巻取り装置100は、蓋部108をさらに含むことができる。蓋部108は、開口部106を覆う形態に異物除去部103に連結される。電極組立体の巻取り過程中、蓋部108は異物除去部103に結合されていて、開口部106を通じて異物が流入することを防止する。前記電極組立体の巻取りが完了すれば、蓋部108を異物除去部103から分離し、前記電極組立体を巻芯102から分離することができる。
【0042】
本発明の属した分野における通常の知識を有する者であれば、前記の内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用および変形を行うことができるはずである。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上で説明した通り、本発明による電極組立体製造用巻取り装置は、巻芯の周辺を囲む構造の異物除去部を含み、異物除去部の内面には吸入口を形成することによって、異物の流入を防止することができるだけでなく、流入した異物を効果的に除去することができる。
【符号の説明】
【0044】
100 電極組立体製造用巻取り装置
101 本体部
102 巻芯
103 異物除去部
104 流入部
105 吸入口
106 開口部
107 磁石
108 蓋部
109 内面
120 空気吸入ポンプ
図1
図2
図3
図4
図5