特許7092294IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

超薄膜から成る生体組織被覆用材料、及びそれで被覆された生体組織

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

顕微鏡観察において、観察したい生体組織をカバーガラスで覆う場合には、生体組織が破壊したり、ステージを動かす慣性力によって生体組織がぶれてしまったりする。また、アガロースなどのヒドロゲルで生体組織を包埋する場合には、ガラス基板と生体組織との間にゲルが入りこみ、その深部に至るまで高精度、高解像度の画像が取得できない。さらに後者の場合、たとえ生体組織を透明化しても、ヒドロゲルや緩衝液が組織に侵入して元の不透明な組織に戻ってしまうため、透明化した組織を観察する際にヒドロゲルは利用できないという制限がある。このように、従来技術では、生体組織の乾燥と観察時のぶれを防ぐことができず、生体組織をその深部に至るまで高精度、高解像度で長時間観察することができない。 本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、簡便な方法で作製できる超薄膜から成る生体組織被覆用材料の提供と、それで被覆された生体組織の提供を課題とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明者らは、課題を解決するために鋭意検討した結果、撥水性樹脂を素材にして製造した超薄膜で生体組織を被覆することで、生体組織の乾燥と観察時のぶれを防げることを見出した。また、該撥水性樹脂としては、顕微鏡観察において、生体組織の深部に至るまで高精度、高解像度で観察することを実現するために、水とほぼ同じ屈折率を有する樹脂を用いればよいことを見出した。本発明は下記の通りである。

発明の効果[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明によれば、簡便な方法で作製できる超薄膜から成る生体組織被覆用材料の提供と、それで被覆された生体組織が提供できる。該生体組織被覆用材料で生体組織を被覆するにより、該生体組織の乾燥と観察時のぶれが防がれ、その深部に至るまで高精度、高解像度で長時間観察することが可能となる。
すなわち、本発明の超薄膜から成る生体組織被覆用材料は、観察すべき生体組織の乾燥による変化を抑え、また観察時の顕微鏡各部の動きにより生じる被観察対象である生体組織の位置ズレやブレを押さえることができるため、従来に比べ長時間且つ組織表面から深部に至るまで精度の良い観察を可能にする。また、該生体組織被覆用材料で被覆された生体組織は、生命現象の解明という先進生命研究の場での活用のみならず、病院等の医療機関で採取された生体組織を専門の検査・分析機関に運んだ上で観察・評価する場においても、採取時の状態を少なくとも24時間以上保持できるため、高精度の検査・分析が可能となり、該検査結果をもとに診断を下す医師のみならず、患者にとっても意義がある。

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】 超薄膜の製造例1のフローを示す図である。
【図2】 製造例1で製造した超薄膜の撥水性を示す画像である(図面代用写真)。
【図3】 製造例1における、撥水性樹脂の濃度と超薄膜の膜厚との関係を示すグラフである。
【図4】 製造例1で製造した超薄膜の紫外・可視領域(200~800 nm)の透過率を示す図である。
【図5】 実施例1に係る超薄膜で被覆されたヒドロゲルの製造例を示す図である。
【図6】 実施例1に係る超薄膜によるヒドロゲルの被覆後時間とヒドロゲルの水分保持率との関係を示すグラフである。
【図7】 実施例1と比較例1-1の結果である。超薄膜によりヒドロゲルを被覆してから24時間経過後のヒドロゲルの画像である(図面代用写真)。(i)は被覆しなかった場合、(ii)は膜厚43 nmで被覆した場合、(iii)は膜厚133 nmで被覆した場合、(iv)は膜厚294 nmで被覆した場合である。
【図8】 実施例2-1、実施例2-2、比較例2-1、比較例2-2、比較例2-3の生体組織の可視光像と蛍光像である(図面代用写真)。
【図9】 実施例2-1、実施例2-2、比較例2-2の生体組織の共焦点顕微鏡像である(図面代用写真)。

代表図 図1本件の代表的な図

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