(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】搬送集積装置
(51)【国際特許分類】
B65G 57/03 20060101AFI20220621BHJP
B65G 57/02 20060101ALI20220621BHJP
B65G 47/28 20060101ALI20220621BHJP
B65G 47/29 20060101ALI20220621BHJP
B65H 31/08 20060101ALI20220621BHJP
B65H 29/66 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
B65G57/03
B65G57/02
B65G47/28 E
B65G47/29 D
B65G47/29 F
B65H31/08
B65H29/66
(21)【出願番号】P 2019144755
(22)【出願日】2019-08-06
【審査請求日】2021-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000161057
【氏名又は名称】株式会社ミヤコシ
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 昌
(72)【発明者】
【氏名】中川 勝之
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 出
(72)【発明者】
【氏名】難波 幸生
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-086943(JP,U)
【文献】特開2009-107730(JP,A)
【文献】特開昭51-043568(JP,A)
【文献】特開昭52-105470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/00-47/32
B65G 57/00-57/32
B65H 9/00
B65H 29/66
B65H 31/00-31/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被搬送物を一定速度の一定間隔で連続して供給する供給部と、前記供給部から供給された被搬送物を搬送する搬送部と、前記搬送部が搬送した被搬送物を集積する集積部とを備えた搬送集積装置であって、
前記搬送部は、前記供給部から供給された被搬送物を、設定された一定速度の一定間隔で連続して搬送する第1コンベアと、前記第1コンベアから渡された被搬送物を、設定の数の被搬送物がずれ重なった被搬送物群として搬送する第2コンベアと、前記第2コンベアから渡された被搬送物群を、ずれ重なった状態で搬送して前記集積部に排出する第3コンベアと、前記第1コンベアから前記第2コンベアに渡される一定間隔で搬送されている被搬送物の通過を検出、かつ被搬送物の数を計数するための計数用センサと、前記第3コンベアの搬送方向下流側部分に搬送された被搬送物群を検出する排出側センサを有し、
前記集積部は、前記第3コンベアから排出された被搬送物を積み重ねて集積する集積ポケットを有し、前記集積ポケットは、集積開始時には設定の上方位置に保持され、集積が開始すると下降可能となり、前記排出側センサが被搬送物群を検出すると下降を開始し、前記計数用センサが被搬送物を検出するごとに設定の下降量だけ下降することを特徴とする搬送集積装置。
【請求項2】
請求項1記載の搬送集積装置において、
前記第3コンベアの搬送方向上流側部分に搬送された被搬送物群を検出する受け側センサを設け、
前記集積ポケットは、前記排出側センサが被搬送物群を検出すると下降を開始し、前記受け側センサが被搬送物群を検出している時は、前記計数用センサが被搬送物を検出するごとに設定の下降量だけ下降し、この状態で、前記受け側センサが被搬送物を検出しなくなると、前記第3コンベアの搬送速度に応じた下降速度で下降するように切り替えられ、
前記排出側センサが被搬送物群を検出しなくなり、かつ、前記受け側センサが被搬送物群を検出しなくなってから設定の搬送量だけ前記第3コンベアが搬送動作をすると、前記集積ポケットは集積のための下降を終了するようにした搬送集積装置。
【請求項3】
請求項2に記載の搬送集積装置において、
前記集積ポケットは、前記計数用センサが被搬送物を検出しない時には、前記受け側センサの被搬送物群の検出の有無にかかわらず、前記第3コンベアの搬送速度に応じた下降速度で下降するようにした搬送集積装置。
【請求項4】
被搬送物を一定速度の一定間隔で連続して供給する供給部と、前記供給部から供給された被搬送物を搬送する搬送部と、前記搬送部が搬送した被搬送物を集積する集積部とを備えた搬送集積装置であって、
前記搬送部は、前記供給部から供給された被搬送物を、設定された一定速度の一定間隔で連続して搬送する第1コンベアと、前記第1コンベアから渡された被搬送物を、設定の数の被搬送物がずれ重なった被搬送物群として搬送する第2コンベアと、前記第2コンベアから渡された被搬送物群を、ずれ重なった状態で搬送して前記集積部に排出する第3コンベアと、前記第3コンベアの搬送方向上流側部分に搬送された被搬送物群を検出する受け側センサと、前記第3コンベアの搬送方向下流側部分に搬送された被搬送物群を検出する排出側センサを有し、
前記集積部は、前記第3コンベアから排出された被搬送物を積み重ねて集積する集積ポケットを有し、前記集積ポケットは、集積開始時には設定の上方位置に保持され、集積が開始すると下降可能となり、前記排出側センサが被搬送物群を検出すると下降を開始し、前記第3コンベアの搬送速度に応じた下降速度で下降し、
前記排出側センサが被搬送物群を検出しなくなり、かつ、前記受け側センサが被搬送物群を検出しなくなってから設定の搬送量だけ前記第3コンベアが搬送動作をすると、前記集積ポケットは集積のための下降を終了するようにしたことを特徴とする搬送集積装置。
【請求項5】
被搬送物を一定速度の一定間隔で連続して供給する供給部と、前記供給部から供給された被搬送物を搬送する搬送部と、前記搬送部が搬送した被搬送物を集積する集積部とを備えた搬送集積装置であって、
前記搬送部は、前記供給部から供給された被搬送物を搬送する第1コンベアと、前記第1コンベアから渡された被搬送物を、設定された一定速度の一定間隔で連続して設定の数の被搬送物がずれ重なった被搬送物群として搬送する第2コンベアと、前記第2コンベアから渡された被搬送物群を、ずれ重なった状態で搬送して前記集積部に排出する第3コンベアと、前記第1コンベアから前記第2コンベアに渡される一定間隔で搬送されている被搬送物の通過を検出、かつ被搬送物の数を計数するための計数用センサと、前記第3コンベアの搬送方向上側部分に搬送された被搬送物群を検出する受け側センサと、前記第3コンベアの搬送方向下流側部分に搬送された被搬送物群を検出する排出側センサを有し、
前記集積部は、前記第3コンベアから排出された被搬送物を積み重ねて集積する集積ポケットを有し、前記集積ポケットは、集積開始時には設定の上方位置に保持され、集積が開始すると下降可能となり、第1の下降設定と第2の下降設定のどちらか一方で下降し、
前記第1の下降設定は、前記集積ポケットを、前記排出側センサが前記被搬送物群を検出すると下降を開始し、前記受け側センサが前記被搬送物を検出している時は、前記計数用センサが被搬送物を検出するごとに設定の下降量だけ下降し、この状態で、前記受け側センサが前記被搬送物を検出しなくなると前記第3コンベアの搬送速度に応じた下降速度で下降するように切り替え、
前記第2の下降設定は、前記集積ポケットを、前記排出側センサが被搬送物群を検出すると下降を開始し、前記第3コンベアの搬送速度に応じた下降速度で下降し、
前記第1の下降設定と前記第2の下降設定のどちらか一方を選択して設定可能であることを特徴とする搬送集積装置。
【請求項6】
請求項1から5いずれかに記載の搬送集積装置において、
前記集積部は、2つの集積ポケットを有し、前記2つの集積ポケットは、前記第3コンベアの搬送方向と直角方向に移動可能で、かつ、交互に前記第3コンベアの排出側と対向した集積位置に移動する搬送集積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される複数の被搬送物を積み重ねて集積する搬送集積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被搬送物を搬送する搬送部と、集積部を備え、搬送部から排出した被搬送物を集積部に向けて落下し、集積部に積み重ねて集積する搬送集積装置が知られている。
このような搬送集積装置においては、搬送部から排出された被搬送物が、集積部に集積されるまでの落下距離が重要である。
例えば、落下距離が短い場合には、排出された被搬送物が、集積部等に衝突し、被搬送物が破損することや、被搬送物が表裏反転することがある。落下距離が長い場合には、排出された被搬送物が、集積部に正しく積み重ならずに集積部から落下することや、被搬送物が表裏反転すること、被搬送物が集積部の側面に立てかかるように集積されることがある。
これらのことから、落下距離は、適切な距離とすることが必要である。
【0003】
落下距離を一定にできるようにした搬送集積装置が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された搬送集積装置を
図15に基づき説明する。
被搬送物である扁平部品を、搬送部であるコンベアベルト101とガイド105で搬送し、搬送部の排出端であるガイド105の終端から、集積部であるマガジン115に落下して集積する。マガジン115を上下に移動するリフター116と、マガジン115に集積された最上部の扁平部品に光線を投光し、扁平部品からの反射光を受ける光電装置117を備え、光電装置117が扁平部品からの反射光を受けている間にリフター116を下降することで、マガジン115に集積された最上部の扁平部品の上面の高さを、ガイド105の終端部挿入位置の高さより常に僅かに低い所定の位置に保持し、落下距離を一定にできるようにしてある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の搬送集積装置は、マガジン115に集積された最上部の扁平部品からの反射光を、光電装置117が受けている間にリフター116が下降し、マガジン115を下降する構成であるから、最上部の扁平部品の上面が所定の高さではない場合、例えばマガジン115に集積された最上部の扁平部品が、マガジン115の底面と平行でなく、斜めなどの姿勢である場合には、マガジン115の下降量が所定の下降量と異なり、マガジン115に集積された最上部の扁平部品の上面の高さが所定の位置とならず、落下距離を一定にできないので、扁平部品を破損することや、正しい姿勢で集積できないことがある。
【0006】
また、光電装置117が最上部の扁平部品からの反射光を受けないとき、光電装置117は最上部の扁平部品よりわずかに高い位置に光線を投光しているが、このときに、ガイド105の終端から落下しマガジン115に集積される前の扁平部品からの反射光を受けることがある。
特に、複数のシート状の被搬送物をずれ重なったひとまとまりの被搬送物群として搬送し、被搬送物群の被搬送物を、集積部に積み重ねて集積するようにした搬送集積装置であると、ひとまとまりの被搬送物群が落下する間、マガジン115に集積される前の被搬送物からの反射光を連続して受け続けることになる。その結果、マガジン115が下降を続け、落下距離が長くなる虞がある。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために為されたものであり、その目的は、搬送部から排出された被搬送物が集積部に集積されるまでの落下距離を一定の範囲内に保てる搬送集積装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の搬送集積装置は、被搬送物を一定速度の一定間隔で連続して供給する供給部と、前記供給部から供給された被搬送物を搬送する搬送部と、前記搬送部が搬送した被搬送物を集積する集積部とを備えた搬送集積装置であって、前記搬送部は、前記供給部から供給された被搬送物を、設定された一定速度の一定間隔で連続して搬送する第1コンベアと、前記第1コンベアから渡された被搬送物を、設定の数の被搬送物がずれ重なった被搬送物群として搬送する第2コンベアと、前記第2コンベアから渡された被搬送物群を、ずれ重なった状態で搬送して前記集積部に排出する第3コンベアと、前記第1コンベアから前記第2コンベアに渡される一定間隔で搬送されている被搬送物の通過を検出、かつ被搬送物の数を計数するための計数用センサと、前記第3コンベアの搬送方向下流側部分に搬送された被搬送物群を検出する排出側センサを有し、前記集積部は、前記第3コンベアから排出された被搬送物を積み重ねて集積する集積ポケットを有し、前記集積ポケットは、集積開始時には設定の上方位置に保持され、集積が開始すると下降可能となり、前記排出側センサが被搬送物群を検出すると下降を開始し、前記計数用センサが被搬送物を検出するごとに設定の下降量だけ下降することを特徴とする搬送集積装置である。
【0009】
本発明の第1の搬送集積装置においては、前記第3コンベアの搬送方向上流側部分に搬送された被搬送物群を検出する受け側センサを設け、前記集積ポケットは、前記排出側センサが被搬送物群を検出すると下降を開始し、前記受け側センサが被搬送物群を検出している時は、前記計数用センサが被搬送物を検出するごとに設定の下降量だけ下降し、この状態で、前記受け側センサが被搬送物を検出しなくなると、前記第3コンベアの搬送速度に応じた下降速度で下降するように切り替えられ、前記排出側センサが被搬送物群を検出しなくなり、かつ、前記受け側センサが被搬送物群を検出しなくなってから設定の搬送量だけ前記第3コンベアが搬送動作をすると、前記集積ポケットは集積のための下降を終了するようにした搬送集積装置とすることができる。
この構成の搬送集積装置によれば、第3コンベア上の被搬送物群を短時間に集積するために、第3コンベアの搬送速度を速くしても、第3コンベアから排出された被搬送物が、集積ポケットに集積されるまでの落下距離を一定の範囲内に保つことができる。
【0010】
本発明の第1の搬送集積装置においては、前記集積ポケットは、前記計数用センサが被搬送物を検出しない時には、前記受け側センサの被搬送物群の検出の有無にかかわらず、前記第3コンベアの搬送速度に応じた下降速度で下降するようにした搬送集積装置とすることができる。
この構成の搬送集積装置によれば、搬送終了時に供給部から被搬送物が第1コンベアに供給されなくなっても、第3コンベアから排出された被搬送物が、集積ポケットに集積されるまでの落下距離を一定の範囲内に保つことができる。
【0011】
本発明の第2の搬送集積装置は、被搬送物を一定速度の一定間隔で連続して供給する供給部と、前記供給部から供給された被搬送物を搬送する搬送部と、前記搬送部が搬送した被搬送物を集積する集積部とを備えた搬送集積装置であって、前記搬送部は、前記供給部から供給された被搬送物を、設定された一定速度の一定間隔で連続して搬送する第1コンベアと、前記第1コンベアから渡された被搬送物を、設定の数の被搬送物がずれ重なった被搬送物群として搬送する第2コンベアと、前記第2コンベアから渡された被搬送物群を、ずれ重なった状態で搬送して前記集積部に排出する第3コンベアと、前記第3コンベアの搬送方向上流側部分に搬送された被搬送物群を検出する受け側センサと、前記第3コンベアの搬送方向下流側部分に搬送された被搬送物群を検出する排出側センサを有し、前記集積部は、前記第3コンベアから排出された被搬送物を積み重ねて集積する集積ポケットを有し、前記集積ポケットは、集積開始時には設定の上方位置に保持され、集積が開始すると下降可能となり、前記排出側センサが被搬送物群を検出すると下降を開始し、前記第3コンベアの搬送速度に応じた下降速度で下降し、前記排出側センサが被搬送物群を検出しなくなり、かつ、前記受け側センサが被搬送物群を検出しなくなってから設定の搬送量だけ前記第3コンベアが搬送動作をすると、前記集積ポケットは集積のための下降を終了するようにしたことを特徴とする搬送集積装置である。
【0012】
本発明の第3の搬送集積装置は、被搬送物を一定速度の一定間隔で連続して供給する供給部と、前記供給部から供給された被搬送物を搬送する搬送部と、前記搬送部が搬送した被搬送物を集積する集積部とを備えた搬送集積装置であって、前記搬送部は、前記供給部から供給された被搬送物を、設定された一定速度の一定間隔で連続して搬送する第1コンベアと、前記第1コンベアから渡された被搬送物を、設定の数の被搬送物がずれ重なった被搬送物群として搬送する第2コンベアと、前記第2コンベアから渡された被搬送物群を、ずれ重なった状態で搬送して前記集積部に排出する第3コンベアと、前記第1コンベアから前記第2コンベアに渡される一定間隔で搬送されている被搬送物の通過を検出し、かつ被搬送物の数を計数するための計数用センサと、前記第3コンベアの搬送方向上側部分に搬送された被搬送物群を検出する受け側センサと、前記第3コンベアの搬送方向下流側部分に搬送された被搬送物群を検出する排出側センサを有し、前記集積部は、前記第3コンベアから排出された被搬送物を積み重ねて集積する集積ポケットを有し、前記集積ポケットは、集積開始時には設定の上方位置に保持され、集積が開始すると下降可能となり、第1の下降設定と第2の下降設定のどちらか一方で下降し、
前記第1の下降設定は、前記集積ポケットを、前記排出側センサが前記被搬送物群を検出すると下降を開始し、前記受け側センサが前記被搬送物を検出している時は、前記計数用センサが被搬送物を検出するごとに設定の下降量だけ下降し、この状態で、前記受け側センサが前記被搬送物を検出しなくなると前記第3コンベアの搬送速度に応じた下降速度で下降するように切り替え、前記第2の下降設定は、前記集積ポケットを、前記排出側センサが被搬送物群を検出すると下降を開始し、前記第3コンベアの搬送速度に応じた下降速度で下降し、前記第1の下降設定と前記第2の下降設定のどちらか一方を選択して設定可能であることを特徴とする搬送集積装置である。
【0013】
本発明の第1から第3いずれかの搬送集積装置においては、前記集積部は、2つの集積ポケットを有し、前記2つの集積ポケットは、前記第3コンベアの搬送方向と直角方向に移動可能で、かつ、交互に前記第3コンベアの排出側と対向した集積位置に移動する搬送集積装置とすることができる。
この搬送集積装置によれば、1つの被搬送物群ごとに交互に集積ポケットに集積できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1、第2、第3の搬送集積装置によれば、搬送部の第3コンベアから排出された被搬送物が、集積部の集積ポケットに集積されるまでの落下距離を一定の範囲内に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】
図1に示す第2、第3コンベアの拡大正面図である。
【
図3】
図1に示すせき止め用ストッパの動作制御フローである。
【
図4】
図1に示す第2コンベアの速度切換えフローである。
【
図5】
図1に示す第3コンベアの速度切換えフローである。
【
図7】
図6に示す集積ポケットの拡大正面図である。
【
図10】集積ポケットの横移動説明用平面図である。
【
図11】集積ポケットの横移動説明用平面図である。
【
図14】集積ポケットの下降動作制御フローである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の搬送集積装置の全体構成を
図1に基づいて説明する。
図1は、本発明の搬送集積装置の全体正面図である。
図1に示すように、本発明の搬送集積装置100は、被搬送物を供給する供給部1と、供給部1から供給された被搬送物を搬送する搬送部2と、搬送部2から排出された被搬送物を集積する集積部3と、供給部1、搬送部2、集積部3をそれぞれ動作制御する制御部4と、搬送集積装置100を駆動、停止させるためのボタン5と、モニター6などを備えている。モニター6はタッチパネルとなり、制御部4に設定値などを入力することができる。
被搬送物は、円形や四角形等の所定の形状のシート状で、実施の形態では、円形の厚紙を被搬送物としている。厚紙の厚さは0.5~1.2mmであることが好ましい。
【0017】
供給部1は、被搬送物を一定速度の一定間隔で連続して搬送部2に供給するものである。実施の形態の供給部1は、ウエブ状の厚紙10を給紙する給紙装置(図示せず)と、給紙された厚紙10から円形の被搬送物を抜き加工するダイロール装置11と、給紙装置からダイロール装置11まで厚紙10を搬送する搬送装置(図示せず)と、厚紙10の被搬送物を抜いた残りの抜き粕10aを除去する粕除去装置12を有する。抜き粕10aは2点鎖線で図示してある。
供給部1は、
図1に示すものに限ることはなく、被搬送物を連続的に一定速度で搬送部2に供給するものであればよい。例えば、所定の形状のシート状の被搬送物をセットし、その被搬送物を一つごとに順次搬送部2に供給するもの、ウエブ状の厚紙を所定の長さに切断して被搬送物とし、その被搬送物を一つごとに搬送部2に供給するもの等でもよい。
【0018】
搬送部2は、供給部1から供給された被搬送物をずれ重ねて搬送し、ひとまとまりの複数の被搬送物に区分けをして、先行するひとまとまりの複数の被搬送物、つまり先行する被搬送物群と、後続するひとまとまりの複数の被搬送物、つまり後続する被搬送物群との間に搬送方向の隙間を形成して集積部3に向けて搬送するものである。
実施の形態の搬送部2は、供給部1の供給側と連続して設けられ、供給部1から供給された被搬送物を搬送する第1コンベア20と、第1コンベア20の搬送方向下流側端部(以下、渡し側端部という)と連続して設けられ、第1コンベア20から渡された被搬送物を搬送する第2コンベア21と、第2コンベア21の搬送方向下流側端部(以下、渡し側端部という)と連続して設けられ、第2コンベア21から渡された被搬送物を搬送し、集積部3に向けて排出する第3コンベア22を備えている。
【0019】
搬送部2は、供給部1から搬送部2に供給された被搬送物の数を計数するための計数用センサ23と、第2コンベア21上に被搬送物をせき止めるせき止め用ストッパ24と、第2コンベア21の搬送方向下流側部分(以下渡し側部分という)上の被搬送物の有無を検知するセンサ25と、第3コンベア22の搬送方向上流側部分(以下受け側部分という)上の被搬送物の有無を検知する受け側センサ26と、第3コンベア22の搬送方向下流側部分(以下排出側部分という)上の被搬送物の有無を検知する排出側センサ27を有している。
第1コンベア20は、被搬送物を吸着して搬送するサクションコンベアである。例えば、穴あきの無端ベルト20aを吸引ボックス20bに沿って移動する構成で、無端ベルト20aを回転するとともに吸引ボックス20b内の空気を吸引することで、無端ベルト20aに被搬送物を吸着して搬送する。
【0020】
第1コンベア20の搬送方向上流側部に、ダイロール装置11で被搬送物が抜き加工された厚紙10が送られ、被搬送物と抜き粕10aを吸着して搬送する。第1コンベア20の搬送方向中間部から抜き粕10aが粕除去装置12に送られ、粕除去装置12で抜き粕10aを吸引して除去する。厚紙10を抜き加工した被搬送物のみが第1コンベア20の無端ベルト20aに吸着されて搬送され続け、第2コンベア21に渡される。
なお、ダイロール装置11から抜き粕10aを粕除去装置12に直接送り、厚紙10から抜き加工した被搬送物のみを第1コンベア20に直接に供給するようにしてもよい。さらには、第1コンベア20をサクションコンベアとせず、被搬送物に対し表裏面を無端ベルトで挟んで搬送するようにしてもよいし、被搬送物の搬送速度や製品条件によっては、表面側の無端ベルトを装備しないで単純な搬送コンベアとしてもよい。要するに、被搬送物を一定速度の一定間隔で連続して搬送することができて、第2コンベア21に渡すことができれば第1コンベア20の形態に規制はない。
【0021】
図2に示すように、第2コンベア21は、複数のローラに巻き掛けられた無端ベルト21aと、無端ベルト21aの幅方向の両側に設けられた一対のサイドガイド21bと、搬送方向に間隔をおいて設けられた第1、第2、第3コロ21c、21d、21eを備えている。1つのローラを図示しないモータで駆動して無端ベルト21aを回転することで、被搬送物を第3コンベア22に向けて搬送する。一対のサイドガイド21bで被搬送物の無端ベルト21aの幅方向の位置、つまり搬送方向と直角方向の位置を規制する。
第1、第2、第3コロ21c、21d,21eは、上下揺動自在で、自重で下方に揺動して無端ベルト21aの上面(搬送経路21-1)に接触する。
第2コンベア21の搬送方向上流側端部(以下、受け側端部という)は、第1コンベア20の搬送方向下流側端部(以下、渡し側端部という)よりも下に位置しているので、第1コンベア20から排出された被搬送物の先端部は,最も搬送方向上流側の第1コロ21cの外周面に接触し、外周面の曲面に沿って被搬送物の先端部が、第1コロ21cと無端ベルト21aの接触位置へ案内されることで、被搬送物全体が無端ベルト21a上に落下する。搬送方向中間部に位置する第2コロ21dと、最も搬送方向下流側に位置する第3コロ21eは、被搬送物を無端ベルト21aに押しつけて確実に搬送するものである。
以上に説明のように、最も搬送方向上流側の第1コロ21cは、被搬送物を無端ベルト21a上に落下させるための補助をするものであり、被搬送物の材質、厚さ、搬送方向長さ、重さ、搬送時の速度など様々な条件に対応できるように、搬送方向における設置位置の調整装置、あるいはコロの重さを調整できるバランス機構などを設けることが好ましい。
【0022】
第3コンベア22は、第2コンベア21と同様に、複数のローラに巻き掛けられた無端ベルト22aと、無端ベルト22aの幅方向の両側に設けられた一対のサイドガイド22bと、コロ22cを備えている。1つのローラを図示しないモータで駆動して無端ベルト22aを回転することで被搬送物を搬送し、集積部3に向けて排出する。一対のサイドガイド22bで搬送方向と直角方向の位置を規制する。
第3コンベア22の排出側部分22-1は、搬送方向下流側端部(以下、排出側端部という)22-1aが下方に位置するように斜め下向きに傾斜し、被搬送物を斜め下向きに排出し、集積部3に集積しやすいようにしてある。
第3コンベア22の排出側部分22-1の上部に、被搬送物を集積部3に向けて排出することを補助する補助コンベア28が設けられている。
【0023】
補助コンベア28は、複数のローラに無端ベルト28aを巻き掛けたものである。1つのローラを図示しない補助モータで第3コンベア22のローラと反対方向に駆動して無端ベルト28aを第3コンベア22の無端ベルト22aと反対方向に回転する。
なお、補助モータを用いずに第3コンベア22のモータの動力を利用して無端ベルト28aを回転するようにしてもよい。
補助コンベア28の無端ベルト28aは、第3コンベア22の排出側部分22-1で搬送される被搬送物の上面に接触し、第3コンベア22の無端ベルト22aと補助コンベア28の無端ベルト28aとで被搬送物を集積部3に向けて排出する。
補助コンベア28の搬送方向下流側部分(以下、排出側部分という)28-1は、第3コンベア22の排出側端部22-1aよりも集積部3側にせり出しているので、被搬送物を、第3コンベア22の排出側端部22-1aよりも集積部3側まで搬送するので、被搬送物を集積部3に向けて確実に排出できる。
【0024】
図1に示すように、計数用センサ23は、第1コンベア20の搬送方向下流側部分(以下、渡し側部分という)に設けてあり、渡し側部分における被搬送物の有無を検知し、被搬送物の有無に応じた信号を制御部4に送る。これによって、第1コンベア20から一つの被搬送物が第2コンベア21に渡されるごとに制御部4に計数用の信号が送られる。
実施の形態の計数用センサ23は、無端ベルト20aよりも上に設けた発光器23aと、無端ベルト20aの下に設けた受光器23bを有し、発光器23aの光を受光器23bが受光しないときに計数用の信号を制御部4に送る。つまり、被搬送物が発光器23aと受光器23bとの間を通過している時に計数用の信号を制御部4に送る。
図1に示すように、センサ25は、第2コンベア21の渡し側部分で、せき止め用ストッパ24よりも搬送方向上流側に設けられ、第2コンベア21の渡し側部分上の被搬送物の有無を検知し、被搬送物の有無に応じた信号を制御部4に送る。
【0025】
実施の形態のセンサ25は、第2コンベア21の上下に設けた発光器25aと受光器25bを有し、発光器25aの光を受光器25bが受光しないときに被搬送物検知信号を制御部4に送る。つまり、被搬送物が発光器25aと受光器25bとの間を通過している時に被搬送物検出信号を制御部4に送る。
受け側センサ26は、第3コンベア22の受け側部分に設けられ、第3コンベア22の受け側部分上の被搬送物の有無を検知し、被搬送物の有無に応じた信号を制御部4に送る。
実施の形態の受け側センサ26は、第3コンベア22の上下に設けた発光器26aと受光器26bを有し、発光器26aの光を受光器26bが受光しないときに被搬送物検知信号を制御部4に送る。つまり、被搬送物が発光器26aと受光器26bとの間を通過している時に被搬送物検出信号を制御部4に送る。
【0026】
排出側センサ27は、第3コンベア22の排出側部分に設けられ、第3コンベア22の排出側部分上の被搬送物の有無を検知し、被搬送物の有無に応じた信号を制御部4に送る。
実施の形態の排出側センサ27は、第3コンベア22の上下に設けた発光器27aと受光器27bを有し、発光器27aの光を受光器27bが受光しないときに被搬送物検出信号を制御部4に送る。つまり、被搬送物が発光器27aと受光器27bとの間を通過している時に被搬送物検出信号を制御部4に送る。
なお、計数用センサ23、センサ25、受け側センサ26、排出側センサ27は、被搬送物を検知できるものであれば実施の形態に限らず、他の検出方式によるセンサ、例えば、反射式、超音波式等のセンサなどを使用してもよい。
せき止め用ストッパ24は、第2コンベア21で搬送される被搬送物が第3コンベア22に向けて搬送されなくするせき止め動作をするせき止め位置と、第2コンベア21で搬送された被搬送物を第3コンベア22まで搬送できるようにする非せき止め位置に移動可能である。
【0027】
実施の形態のせき止め用ストッパ24は、
図2に示すように、第2コンベア21の渡し側端部と第3コンベア23の受け側端部との間における、第2コンベア21よりも下部に、上下方向に移動可能に設けてある。なお、第2コンベア21のローラと無端ベルト21aは、搬送方向と直角方向に間隔をおいて複数設けてある。せき止め用ストッパ24は、2つのローラの間と、2つの無端ベルト21aの間を通り上下に移動する。
せき止め用ストッパ24は上下動機構24aで上方位置と下方位置に移動される。
せき止め用ストッパ24が上方位置であると、第2コンベア21の被搬送物の搬送経路(無端ベルト21aの上面)21-1よりも上方に突き出し、被搬送物の搬送方向下流側端部がせき止め用ストッパ24に当接するので、せき止め用ストッパ24は、せき止め位置となる。
【0028】
せき止め用ストッパ24が下方位置であると、第2コンベア21の被搬送物の搬送経路21-1よりも下方に引き込まれ、被搬送物の搬送方向下流側端部が当接しないので、せき止め用ストッパ24は非せき止め位置となる。
せき止め用ストッパ24は、
図3に示す動作制御フローに基づいて動作制御される。具体的な動作制御は後に説明する。
せき止め用ストッパ24は、この構成に限ることはない。例えば、第2コンベア21の被搬送物の搬送経路21-1より上方部に、上下方向に移動可能に設けてもよいし、第2コンベア21の搬送方向と直角方向にずれた位置に、被搬送物の搬送経路21-1上に臨むせき止め位置と、被搬送物の搬送経路21-1上から外れた非せき止め位置に亘って水平方向に移動可能に設けてもよい。
【0029】
第1、第2、第3コンベア20、21、22の搬送速度について説明する。
第1コンベア20の搬送速度をV1、第2コンベア21の搬送速度をV2、第3コンベア22の搬送速度をV3とする。
第1コンベア20の搬送速度V1は、常時第1コンベア通常速度V10である。つまり、第1コンベア20は第1コンベア通常速度V10で連続して駆動される。
第2コンベア21の搬送速度V2は、
図4(a)、(b)に示す速度切り替えフローに基づき、第2コンベア通常速度V20と、第2コンベア区分け速度V21と、第2コンベアせき止め速度V22とに切り替えられる。速度の具体的な切り替えは後に説明する。
第3コンベア22の搬送速度V3は、
図5に示す速度切り替えフローに基づき第3コンベア通常速度V30と、第2コンベア早送り速度V31とに切り替えられる。速度の具体的な切り替えは後に説明する。
【0030】
第2コンベア通常速度V20、第3コンベア通常速度V30は、第1コンベア通常速度V10に対する割合である第2コンベア通常速度係数K20、第3コンベア通常速度係数K30を設定することで、下記の式に基づいて決定される。
V20=V10×K20、V30=V10×K30
例えば、V20=V10である場合、K20=100%である。
第2コンベアせき止め速度V22は、第2コンベア通常速度V20に対する割合である第2コンベアせき止め速度係数K22を設定することで、下記の式に基づいて決定される。
V22=V20×K22
【0031】
実施の形態では、第1コンベア通常速度V10は30m/min~40m/minである。
第2コンベア通常速度係数K20は、0~100%の範囲の値に設定可能で、第3コンベア通常速度係数K30は、0~300%の範囲の値に設定可能である。実施の形態では、第2コンベア通常速度係数K20は30~40%、第3コンベア通常速度係数K30は35~45%に設定している。
第2コンベアせき止め速度係数K22は、0~100%の範囲の値に設定可能である。実施の形態では35~45%に設定している。
また、第1コンベア通常速度V10>第2コンベア通常速度V20、第2コンベア区分け速度V21>第2コンベア通常速度V20となるように設定する。
【0032】
第2コンベア区分け速度V21は、区分け距離(隙間の大きさ)Lと区分け時間Mを設定することで下記の式に基づいて決定される。
V21=L÷M
区分け距離Lは、1~999mmの間の値に設定可能である。被搬送物の重さや表面の滑りやすさによって、実際にできる被搬送物群間の隙間が、設定した区分け距離Lと異なることがあるので、区分け距離Lの設定可能な範囲を広く設けている。
第3コンベア早送り速度V31は、1~100m/minの範囲の値に設定可能であり、第3コンベア早送り速度V31>第3コンベア通常速度V30となるように設定する。実施の形態では、V31=70m/minに設定している。
【0033】
ただし、第1コンベア通常速度V10、第2コンベア通常速度V20、第3コンベア通常速度V30、第2コンベア区分け速度V21、第2コンベアせき止め速度V22、第3コンベア早送り速度V31は、それぞれの速度や被搬送物の厚さ、種類、形状、ひとまとまりとしてずれ重ねする被搬送物の数等により好ましい速度が異なるので、実施の形態の範囲に限ることはない。
なお、各速度、ひとまとまりとしてずれ重ね搬送する被搬送物の数、つまり被搬送物群(以下の説明では、バッチとする)の被搬送物の数Nは、区分け搬送集積動作を開始する前に、制御部4にそれぞれ設定する。例えば、モニター6をタッチ操作して設定する。
【0034】
集積部3は、
図1に示すように、第3コンベア22の排出側に位置する集積ポケット30を備えている。
集積ポケット30は、
図6に示すように、上下移動装置40で上下方向に移動される。上下移動装置40は横移動装置50で被搬送物の搬送方向と直角な方向に移動される。
したがって、集積ポケット30は上下方向に移動すると共に、被搬送物の搬送方向と直角な方向に移動される。
図1、
図6では1つの集積ポケット30のみが図示されているが、集積ポケット30は被搬送物の搬送方向と直角な方向に2つ設けてある。
【0035】
集積ポケット30は、
図6に示すように、被搬送物が入り込み、取出しできるように開放した上面部30aと、被搬送物が入り込めるように開放した第3コンベア22に向かう前面部30bと、入り込んだ被搬送物が載置される底面部30cと、入り込んだ被搬送物の位置を規制する後面部30dと、2つの側面部30eを有する。
図1、
図2では1つの側面部を省略して図示してある。
後面部30dとは、前面部30bと被搬送物の搬送方向に対向した面部である。側面部30eとは被搬送物の搬送方向と直角な方向に相対向した面部である。
集積ポケット30は、上下移動装置40の上下移動部材41に取り付け、取り外し可能に取り付けてあるので、被搬送物の形状や大きさにあった集積ポケット30を交換して取り付けることができる。
【0036】
集積ポケット30は、
図2に示すように、開放した前面部30bが第3コンベア22の排出側端部22-1aに向かうように設けられ、第3コンベア22から排出されるバッチの被搬送物が、集積ポケット30内に順次落下して積み重ねた状態で集積される。
【0037】
図7から
図9に基づいて、集積ポケット30の構成を説明する。
板状の底面部材31の上面に、側面部30eを構成する板状の第1側面部材32aと、板状の第2側面部材32bと、板状の第3側面部材32cが被搬送物の搬送方向と直角の方向に間隔をあけてそれぞれ設けてある。底面部材31の上面における第1側面部材32aと第2側面部材32bとの間、及び第2側面部材32bと第3側面部材32cとの間に、角柱状の支持部材33が前後方向に向けて2つそれぞれ取り付けてあり、支持部材33の上面が底面部30cである。第1、第2、第3側面部材32a、32b、32cは支持部材33に固定してある。
各支持部材33の後部に、円柱形状の当て部材34がそれぞれ上下方向に向けて取り付けてあり、当て部材34が後面部30dである。
【0038】
第1側面部材32aと第2側面部材32bとの間および、第2側面部材32bと第3側面部材32cとの間に被搬送物積層部30fをそれぞれ形成している。つまり、第1、第2、第3コンベア20、21、22は、2つの被搬送物を搬送方向と直角方向に並べて搬送し、第3コンベア22から2つの被搬送物を、搬送方向と直角な方向に並べて同時に排出するので、集積ポケット30は、被搬送物の搬送方向と直角な方向に2つの被搬送物積層部30fを有し、2点鎖線で示すように被搬送物7が2つの被搬送物積層部30fにそれぞれ入り込んで集積するようにしてある。なお、第1側面部材32aと第2側面部材32bの相対向した面における前面側部分と、第2側面部材32bと第3側面部材32cの相対向した面における前面側部分と、支持部材33の上面における前面側部分にはそれぞれ面取り加工がしてあり、被搬送物が被搬送物積層部30fに進入する際に引っかからないようにガイドをする。
第1、第2、第3コンベア20、21、22が、搬送方向と直角な方向に1つの被搬送物7を搬送するのであれば、集積ポケット30は1つの被搬送物積層部30fを有する構成とすることができる。
【0039】
集積ポケット30の第3側面部材32cに振動発生装置35が取り付けてある。
振動発生装置35が細かい微振動を発生することで、第3側面部材32cを伝わった細かい微振動が集積ポケット30全体を振動させ、集積中の被搬送物7の後端面と当て部材34が繰り返して接触し、被搬送物の側端面と第1、第2、第3側面部材32a、32b、32cが繰り返して接触するので、被搬送物7を揃えて積み重ねることができる。
振動発生部材35は、第3側面部材32cに限ることはなく、集積ポケット30を構成するいずれの部材に取り付けることができる。
底面部材31の下面に、板状の一対の取付用部材36が下方に向けて取り付けてあり、取付用部材36が上下移動部材41にボルト37で固定して取り付けてある。
【0040】
横移動装置50は、
図6に示すように、固定部材51と、固定部材51にガイド52で被搬送物の搬送方向と直角な方向に移動可能に支持された横移動部材53と、横移動部材53を移動する横移動機構54を有する。
横移動機構54は、シリンダを用いて横移動部材53を移動するもの、送りネジとナット部材を備え、モータで送りネジを回転して横移動部材53を移動するもの、モータで回転されるプーリに索条を巻き掛け、その索条で横移動部材53を移動するものなど従来から知られているものを用いることができる。
横移動部材53に2つの上下移動装置40が、被搬送物の搬送方向と直角の方向に間隔をあけてそれぞれ取り付けられ、2つの上下移動装置40に集積ポケット30がそれぞれ取り付けてあるので、横移動部材53を移動することで2つの集積ポケット30が同時に被搬送物の搬送方向と直角の方向に移動することができる。
【0041】
図10と
図11に基づいて、集積ポケット30の被搬送物の搬送方向と直角な方向の移動を説明する。
図10、
図11において、被搬送物の搬送方向と直角な方向の一方側(被搬送物の搬送方向上流側から下流側を見て右側)を操作側とし、被搬送物の搬送方向と直角な方向の他方側(被搬送物の搬送方向上流側から下流側を見て左側)を原動側とする。
被搬送物の搬送方向と直角な方向に並んだ2つの集積ポケットにおける原動側に位置する集積ポケットを原動側集積ポケット30-1とし、操作側に位置する集積ポケットを操作側集積ポケット30-2とする。
【0042】
図10に示すように、横移動部材53を操作側に移動した状態では、原動側集積ポケット30-1が集積位置で、操作側集積ポケット30-2が操作側の取出位置である。
図11に示すように、横移動部材53を原動側に移動した状態では、操作側集積ポケット30-2が集積位置で、原動側集積ポケット30-1が原動側の取出位置である。
集積位置とは、集積ポケット30-1、30-2が第3コンベア22の排出側端部22-1aと連続して対向し、被搬送物を集積する位置である。取出位置とは、第3コンベア22の排出側端部22-1aと被搬送物の搬送方向と直角な方向に離れ、集積している被搬送物を取り出す位置である。
【0043】
図6に示すように、上下移動装置40は、上下移動部材41と、本体42と、上下移動機構43を有している。上下移動部材41は本体42に上下方向に移動可能に支持され、本体42は横移動部材53に取り付けてある。
上下移動機構43は、本体42に回転可能に取り付けした上下方向に向かう送りネジ43aと、送りネジ43aに螺合したナット部材43bと、送りネジ43aを回転するモータ43cを備えている。ナット部材43bは本体42に、回転しないで上下方向に移動可能に支持され、ナット部材43bと上下移動部材41が連結してある。
モータ43cを正逆一方に回転して送りネジ43aを正逆一方に回転することで、ナット部材43bが上方に移動するから上下移動部材41も上方に移動し、集積ポケット30は集積を開始する上方位置に移動する。
【0044】
集積ポケット30が上方位置であると、底面部30cが第3コンベア22の排出側端部22-1aに接近して両者の上下方向の距離が短く、排出された被搬送物7の底面部30cまでの落下距離が短い。
モータ43cを正逆他方に回転して送りネジ43aを正逆他方に回転することで、ナット部材43bが下方に移動するので、上下移動部材41も下方に移動し、集積ポケット30は下方に移動する。集積ポケット30が下方に移動するにつれて、底面部30cが第3コンベア22の排出側端部22-1aから遠く離れ、両者の上下方向の距離が長く、排出された被搬送物7の底面部30cまでの落下距離が長くなる。
原動側集積ポケット30-1は横移動部材53に取り付けられた一方の上下移動装置40で上下に移動され、操作側集積ポケット30-2は、横移動部材53に取り付けられた他方の上下移動装置40で上下に移動されるので、原動側集積ポケット30-1と操作側集積ポケット30-2はそれぞれ独立して上下に移動することができる
【0045】
被搬送物の搬送集積動作を説明する。
搬送集積動作を開始する際、原動側集積ポケット30-1と操作側集積ポケット30-2の一方を集積位置で、かつ上方位置とし、他方の集積ポケットを取出位置とすることで、集積部3を集積可能状態とする。
例えば、
図12(a)に示すように、原動側集積ポケット30-1を集積位置で、かつ上方位置とし、操作側集積ポケット30-2を取出位置とする。
第1コンベア20は搬送速度V1を第1コンベア通常速度V10として駆動し、第2コンベア21は搬送速度V2を第2コンベア通常速度V20として駆動し、第3コンベア22は搬送速度V3を第3コンベア通常速度V30として駆動する。せき止め用ストッパ24は非せき止め位置としてせき止め動作をしないようにする。集積部3に集積する被搬送物の数Nを、制御部4に設定する。設定する数Nは所望する数とする。
【0046】
図12(a)に示すように、第1コンベア20は、供給部1から一定の速度で連続して供給される被搬送物7を、被搬送物7同士が搬送方向に一定の隙間をあけた状態で搬送し、第2コンベア21に渡す。
第2コンベア通常速度V20は第1コンベア通常速度V10よりも低速度であるので、第2コンベア21は第1コンベア20から渡された被搬送物7を、先に第2コンベア21に渡された被搬送物7の上面に、後から渡される被搬送物7の底面の搬送方向前方(搬送方向下流側)が重なるようにずれ重ねた状態で搬送する。
先に渡された被搬送物7と後から渡された被搬送物7のずれ重なり量(搬送方向の重なり長さ)は、第1コンベア通常速度V10と第2コンベア通常速度V20の速度差、つまり第2コンベア通常速度V20によって変わるので、所望のずれ重なり量の大きさとなるように第2コンベア通常速度V20を決定する。
また、ずれ重なり量に反し、第2コンベア21の搬送面に接触する被搬送物7の長さが、バッチの区分けを安定して動作させるために重要である。
【0047】
第1コンベア20から一つの被搬送物7が第2コンベア21に渡されるごとに、制御部4に計数用の信号が送られる。制御部4は計数用の信号を元に第2コンベア21に渡された被搬送物7の数をカウントする。カウントのタイミングは、計数用の信号が制御部に送られた時点でカウントする方法、計数用の信号が制御部4に送られなくなった時点でカウントする方法等があるが、一つの被搬送物が第2コンベア21に渡されるごとに1枚分のカウントがなされるものであればよい。また、計数用センサ23があらかじめ設定された一定時間連続して被搬送物を検出し続けている場合には、制御部4からエラー信号を出力するようにしてもよい。
カウントした数が設定した集積する被搬送物の数Nと一致すると、第2コンベア21の搬送速度V2を、第2コンベア通常速度V20から第2コンベア区分け速度V21に切り替える。
V21>V20であるから、
図12(b)に示すように、最初に供給された被搬送物7-3から数えて設定した集積する被搬送物の数番目の被搬送物7-1と、後続する被搬送物7-2との間に隙間Sが生じて区分けされ、バッチ8が形成される。
最初に供給された被搬送物7-3が、バッチ8の最も搬送方向下流側の被搬送物で、バッチ8の先頭の被搬送物である。バッチ8の数番目の被搬送物7-1が、バッチ8の最も搬送方向上流側の搬送物で、バッチ8の後尾の被搬送物である。
【0048】
第2コンベア21の搬送速度V2は、設定した区分け時間Mが経過すると第2コンベア通常速度V20に切り替えられる。
バッチ8が第2コンベア21で搬送されることで、バッチ8の先頭の被搬送物7-3がセンサ25に到達すると、センサ25は検出信号を制御部4に送り、バッチ8の後尾の被搬送物7-1がセンサ25を通過すると、センサ25は検出信号を制御部4に送らなくなる。つまり、センサ25は1つのバッチ8が通過するまでの間バッチ8を検出し続ける。
制御部4は、センサ25から検出信号が送られた後に送られなくなることで、センサ25がバッチ8を検出開始した後に検出終了したとして、バッチ8の全体が第2コンベア21の渡し側部分まで搬送されたと判断する。すなわち、センサ25は、バッチ8の全体が第2コンベア21の渡し側部分までに搬送されたことを検出するためのものである。また、せき止め用ストッパ24がストップ位置になっているにもかかわらずセンサ25が被搬送物を検出しない等の検出異常が発生した場合には、制御部4からエラー信号を出力するようにしてもよい。
【0049】
バッチ8は第2コンベア21から第3コンベア22に渡され、バッチ8は第3コンベア22で搬送され、原動側集積ポケット30-1に向けて排出される。第3コンベア22で搬送されるバッチ8の先頭の被搬送物7-3が、受け側センサ26に到達すると、受け側センサ26は検出信号を制御部4に送り、バッチ8の後尾の被搬送物7-1が受け側センサ26を通過すると、受け側センサ26は検出信号を制御部4に送らなくなる。つまり、受け側センサ26は1つのバッチ8が通過するまでの間バッチ8を検出し続ける。
制御部4は、受け側センサ26から検出信号が送られた後に送られなくなることで、受け側センサ26がバッチ8を検出開始した後に検出終了したとして、バッチ8の全体が第3コンベア22の受け側部分まで搬送されたと判断する。すなわち、受け側センサ26は、バッチ8の全体が第3コンベア22の受け側部分までに搬送されたことを検出するためのものである。また、せき止め用ストッパ24がストップ位置になっている状態で、受け側センサ26が被搬送物を検出し続けている場合等の異常検出が発生した場合には、制御部4からエラー信号を出力するようにしてもよい。
【0050】
バッチ8が第3コンベア22で更に搬送され、
図12(c)に示すように、バッチ8の先頭の被搬送物7-3が排出側センサ27に到達すると、排出側センサ27が検出信号を制御部4に送る。制御部4は、第3コンベア22から被搬送物7が排出開始したと判断し、原動側集積ポケット30-1の上下移動装置40を駆動制御して原動側集積ポケット30-1を下降開始する。
図12(d)に示すように、第3コンベア22から排出されるバッチ8は、原動側集積ポケット30-1に向けて落下し、先頭の被搬送物7-3が底面部30cに載置し、その上に被搬送物7が順次積み重なるように集積される。この時、原動側集積ポケット30-1は下降しているので、正しい姿勢で正確に積み重ねて集積することができる。
【0051】
バッチ8の後尾の被搬送物7-1の後端がセンサ25から離れると、センサ25はバッチ8を検出しなくなり、制御部4に検出信号を送らなくなるので、制御部4は、先に述べたように、バッチ8の全体が第2コンベア21の渡し側部分まで搬送されたと判断し、第2コンベア21の搬送速度V2を第2コンベア通常速度V20から第2コンベアせき止め速度V22に切り替える。すなわち、バッチ8の全体が第2コンベア21の渡し側部分まで搬送された時に、第2コンベア21の搬送速度V2を第2コンベア通常速度V20から第2コンベアせき止め速度V22に切り替える。
【0052】
図13(a)に示すように、バッチ8の被搬送物7が原動側集積ポケット30-1に更に集積され、バッチ8の後尾の被搬送物7-1の後端が受け側センサ26から離れると、受け側センサ26はバッチ8を検出しなくなり、制御部4に検出信号を送らないので、制御部4は、バッチ8の全体が第3コンベア22の受け側部分まで搬送されたと判断し、せき止め用ストッパ24をストップ位置に移動するとともに、第3コンベア22の搬送速度V3を第3コンベア通常速度V30から第3コンベア早送り速度V31に切り替える。すなわち、バッチ8の全体が第3コンベア22の受け側部分まで搬送された時に、せき止め用ストッパ24をせき止め位置とし、第3コンベア22を第3コンベア早送り速度V31とする。
【0053】
せき止め用ストッパ24がストップ位置となることで、
図13(a)に示すように、第3コンベア22上のバッチ8の搬送方向下流側に位置する第2コンベア21上の後続するバッチ8-1はせき止められる。つまり、
図13(b)に示すように、後続するバッチ8-1の先頭の被搬送物7-3がせき止め用ストッパ24に当接するので、後続するバッチ8-1は、第3コンベア22に向けて搬送されないように第2コンベア21上でせき止められる。第2コンベア21上にせき止められた後続するバッチ8-1は
図13(c)に示すように、被搬送物7のずれ重なり量が多くなる。
後続するバッチ8-1が第2コンベア21上でせき止められている状態で、第3コンベア22上のバッチ8は原動側集積ポケット30-1に集積される。この時の第3コンベア22の搬送速度V3は、第3コンベア通常速度V30よりも高速度の第3コンベア早送り速度V31であるので、第3コンベア22上のバッチ8は高速で排出され、バッチ8を原動側集積ポケット30-1に短時間で集積することができる。
【0054】
したがって、第2コンベア21上の後続するバッチ8-1は、第3コンベア22に搬送されることがないので、第3コンベア22上の排出されているバッチ8と混ざることがなく、設定した数Nの被搬送物7を原動側集積ポケット30-1に確実に集積できる。
バッチ8の先頭の被搬送物7-3は第2コンベア用せき止め用ストッパ24に1回だけ当接するので、被搬送物7に当接の跡がつくことが低減する。
しかも、後続するバッチ8-1の先頭の被搬送物7-3がせき止め用ストッパ24に当接する時の第2コンベア21の搬送速度V2は、第2コンベア通常速度V20よりも低速度の第2コンベアせき止め速度V22であるので、被搬送物7に当接した痕がつくことがない。さらには、後続するバッチ8-1は正しいずれ重ね姿勢でせきとめられるので、せき止め用ストッパ24を非せき止め位置としたときに第3コンベア22に向けて確実に搬送することができる。
【0055】
つまり、第2コンベア21の搬送速度V2が第2コンベア通常速度V20のままで、後続するバッチ8-1の先頭の被搬送物7-3がせき止め用ストッパ24に当接すると、被搬送物7-3に当接の跡がついてしまう。さらには、後続するバッチ8-1の先頭側の複数の被搬送物7のずれ重なりがなくなったり、せき止め用ストッパ24に当接した衝撃で被搬送物7が上下反転したり、被搬送物7のずれ重なりが乱れたりして、バッチ8のずれ重ね姿勢が乱れ、せき止め用ストッパ24を非ストップ位置としても後続するバッチ8-1を第3コンベア22に向ける搬送できなくなることがある。
【0056】
第3コンベア22上のバッチ8の後尾の被搬送物7-1の後端が排出側センサ27を通過するとバッチ8を検出しなくなり、排出側センサ27は検出信号を制御部4に送らなくなる。
制御部4は、排出側センサ27から検出信号が送られなくなると第3コンベア22が被搬送物を排出完了したと判断する。つまり、排出側センサ27は、第3コンベア22の被搬送物7の排出開始、被搬送物7の排出完了を検出するものである。
制御部4は、受け側センサ26の検出信号が送られなくなると、第3コンベア22の搬送量を予め設定した搬送量になるまで算出、照合、判定を繰り返す。
【0057】
第1、第2、第3コンベア20、21、22はそれぞれ単独で駆動され、かつ単独で制御されているため、第3コンベア22の搬送量は、コンベア駆動系ギア比、駆動回転数、時間などの各条件から演算された回転量によって算出することができる。
制御部4は、算出した第3コンベア22の搬送量が設定した搬送量となり、かつ排出側センサ27から検出信号が送られなくなると、第3コンベア22上の被搬送物7がすべて原動側集積ポケット30-1に集積されたと判断し、制御部4は、集積部3が再び集積を開始できる状態とする動作を開始するとともに、第3コンベア22の搬送速度V3を、第3コンベア早送り速度V31から第3コンベア通常速度V30に切り替える。すなわち、第3コンベア22の搬送速度V3は、受け側センサ26によりバッチ8の全体が第3コンベア22の受け側部分に搬送されたことを検出した時から、第3コンベア22上のバッチ8の全ての被搬送物7が集積部3に集積されるまでの間だけ、第3コンベア通常速度V30より高速度である第3コンベア早送り速度V31に切り替えられる。
【0058】
なお、制御部4が算出した第3コンベア22の搬送量が設定した搬送量となっても、排出側センサ27が検出信号を制御部4に送り続けている場合には、制御部4は、第3コンベア22が設定した搬送量だけ搬送したにもかかわらず、排出側センサ27がバッチ8を検出している異常な状態と判断し、異常状態であることを警告するようにしてもよい。例えば、モニター6に、どこの箇所でエラー、異常が発生したかを表示する。警報音を発生する。警告灯を点灯する。これらを組み合わせる。
つまり、制御部4は、算出した第3コンベア22の搬送量が設定した搬送量となった時、または、排出側センサ27が検出信号を制御部4に送らなくなった時に、第3コンベア22上の被搬送物7がすべて原動側集積ポケット30-1に集積されたと判断してもよいが、安全性を考慮して第3コンベア22の搬送量が設定の搬送量で、かつ排出側センサ27から検出信号が送られないことで、第3コンベア22上の被搬送物7がすべて原動側集積ポケット30-1に集積されたと判断している。
【0059】
集積部3が再び集積を開始できる状態とする動作を説明する。
図13(c)に示すように、集積部3の横移動装置50の横移動部材53を原動側に移動して、被搬送物7を集積した原動側集積ポケット30-1を原動側の取出位置とするとともに、空の操作側集積ポケット30-2を集積位置とする。操作側集積ポケット30-2が集積位置に移動したことを図示しないセンサなどで検出し、制御部4に送る。制御部4は、上下移動装置40の上下移動部材41を上昇し、操作側集積ポケット30-2を設定された上方位置とする。設定された上方位置とは、第3コンベア22から排出されるバッチ8の先頭の被搬送物7-3がスムーズに集積される位置である。実施の形態では、この設定された上方位置は、上下移動装置40に取り付けられた図示しないセンサによって設定することができる。すなわち、上下移動部材41を上昇し、図示しないセンサが集積ポケット30を検知する位置を設定された上方位置とする。センサの取り付け位置を変更することによって、被搬送物の形状や厚さ等に応じた適切な上方位置とすることができる。
【0060】
これにより、集積部3は再び集積を開始できる状態となる。この動作を行う時には後続するバッチ8-1は第2コンベア21上にせき止められ、第3コンベア22上にはバッチ8が存在しないので、第3コンベア22から被搬送物が排出されることがなく、被搬送物を集積ポケット以外に落下することがない。
原動側の取出位置に移動した原動側集積ポケット30-1に集積されている被搬送物を取り出しする。
原動側集積ポケット30-1は第3コンベア22と搬送方向と直角な方向に離れているので、原動側集積ポケット30-1から被搬送物を取り出している間に、操作側集積ポケット30-2を集積位置として被搬送物を集積できる。
したがって、第2コンベア21上に後続のバッチ8-1をせき止めている時間を短くすることができ、被搬送物の搬送集積を効率よく行うことができると共に、せき止め用ストッパ24付近の被搬送物のずれ重なり量が大きくなったりして搬送することができなくなることを防ぐことができる。
【0061】
被搬送物の取り出しの一例を説明する。
集積ポケット30は
図8に示すように、2つの支持部材33の間に空間を有し、2つの当て部材34間に上下に連続した隙間を有し、隙間と空間が連続している。
上下の把持片を有した把持具の下の把持片を空間に挿入し、上の把持片を2つの当て部材間の隙間に挿入して、積み重ねて集積されている複数の被搬送物を把持する。
把持具を上に移動して複数の被搬送物7を集積ポケット30の上方まで移動して取り出す。
取り出した被搬送物は、把持具を移動して次の動作をする。
【0062】
操作側集積ポケット30-2が上方位置であることを図示しないセンサなどで検出して制御部4に送る。
制御部4は集積部3が再び集積できる状態であると判断し、制御部4は、せき止め用ストッパ24をストップ位置から非ストップ位置に移動するとともに、第2コンベア21の搬送速度V2を第2コンベアせき止め速度V22から第コンベア通常速度V20に切り替える。すなわち、第2コンベア21の搬送速度V2は、センサ25によりバッチ8の全体が第2コンベア21の渡し側部分に搬送されたことを検出した時から、第3コンベア22上のバッチ8の全ての被搬送物7が集積部3に集積された後に集積部3が再び集積可能な状態となるまでの間だけ、第2コンベア通常速度V20より低速度である第2コンベアせき止め速度V22に切り替えられる。
【0063】
せき止め用ストッパ24が非せき止め位置となることで、第2コンベア21上でせき止められていたバッチ8-1は搬送され、第2コンベア21から第3コンベア22に渡され、第3コンベア22で搬送され、操作側集積ポケット30-2に向けて排出される。
すなわち、せき止め用ストッパ24は、受け側センサ26によりバッチ8の全体が第3コンベア22の受け側部分に搬送されたことを検出した時から、第3コンベア22上の全ての被搬送物7が集積部3に集積された後に、集積部3が再び集積可能な状態となるまでの間だけせき止め位置であるので、その間にせき止め動作をする。
【0064】
図13(d)に示すように、バッチ8-1の先頭の被搬送物7-3の先端が排出側センサ27に到達すると、検出信号を制御部4に送る。
制御部4は操作側集積ポケット30-2を下降し、先の説明と同様に操作側集積ポケット30-2に被搬送物を集積する。
操作側集積ポケット30-2に被搬送物の集積が完了すると、集積部3が再び集積できる状態とする動作を開始する。
つまり、横移動装置50の横移動部材53を操作側に向けて移動し、空の原動側集積ポケット30-1を集積位置に移動し、被搬送物7を集積している操作側集積ポケット30-2を操作側の取出位置に移動し、原動側集積ポケット30-1を上方位置に移動する。
【0065】
実施の形態の集積部3は、
図6に示すように集積ポケット30が垂直方向に対して斜めの方向に上下動すると共に、集積ポケット30の前面部30bは開放し、底面部30cは水平ではなく前面部側が後面部側寄りも高くなるように斜めで、後面部30dは上部が下部よりも第3コンベア22から離れるように斜めとなっているから、集積ポケット30が上方位置の時に底面部30cを第3コンベア22の排出側端部22-1aに近づけ、被搬送物7の落下距離を著しく短くできるとともに、第3コンベア22から排出され底面部30cに載置した被搬送物7は、水平姿勢ではなく、搬送方向先端が搬送方向後端より低い斜めの姿勢で、被搬送物7の搬送方向先端が後面部30dに接するので、集積ポケット30に集積した被搬送物が開放した前面部30bから落ちることがなく安定して集積できると共に、集積ポケット30を取り出し位置に移動する時に被搬送物が落ちることがない。
したがって、第3コンベア22から排出される被搬送物を底面部30cから順次正確に積み重ねて集積できる。
【0066】
被搬送物を搬送集積している時の集積ポケット30の下降動作について説明する。
集積ポケット30は、第1の下降設定(イ)と、第2の下降設定(ロ)のいずれかに基づいて下降する。
第1の下降設定(イ)は、第1下降動作と第2下降動作を搬送集積動作中に切り替えて集積ポケット30を下降する。
第2の下降設定(ロ)は、第2下降動作のみで集積ポケット30を下降する。
第1下降動作は、排出側センサ27がバッチ8の被搬送物7を検出している間に、計数用センサ23が被搬送物7を検出するごとに、予め設定した設定の下降量Hだけ集積中の集積ポケット30を下降する。つまり、集積位置の集積ポケット30を下降する。
【0067】
第1下降動作の設定の下降量Hは、搬送集積動作を開始した際に最初のバッチ8を集積する初回の集積での下降量である初回下降量H41と、2番目以降のバッチ8-1を集積する2回目以降の集積での下降量である2回目以降下降量H42を有している。初回下降量H41<2回目以降下降量H42である。
すなわち、最初のバッチ8は、せき止め用ストッパ24でせき止められずに第3コンベア22に搬送されて集積されるが、2番目以降のバッチ8-1は、せき止め用ストッパ24でせき止められた後に、第3コンベア22に搬送されて集積されるので、被搬送物7のずれ重なり量は、
図12と
図13に示すように、最初のバッチ8よりも2番目以降のバッチ8-1のほうが多く、単位時間あたりに集積ポケット30に集積される被搬送物7の数は、初回の集積よりも2回目以降の集積のほうが多くなる。
【0068】
このために、第3コンベア22から排出された被搬送物7が集積ポケット30に集積されるまでの落下距離を一定に保つため、初回下降量H41と2回目以降下降量H42を単位時間あたりに集積される被搬送物の量に応じてそれぞれ設定する必要がある。
初回下降量H41は、被搬送物7の厚さTに対する割合である初回下降量係数K41を設定することで、下記の式に基づいて決定される。
H41=T×K41
2回目以降下降量H42は、被搬送物7の厚さTに対する割合である2回目以降下降量係数K42を設定することで、下記の式に基づいて決定される。
H42=T×K42
【0069】
初回下降量係数K41と2回目以降下降量係数K42は、10~200%の範囲の値に設定可能であり、K41<K42となるように設定する。
実施の形態では、K41を70~85%の範囲の値に設定している。つまり、初回下降量H41は、被搬送物7の厚さTの70%~85%の範囲の値に設定している。
実施の形態では、K42を80~105%の範囲の値に設定している。つまり、2回目以降下降量H42は、被搬送物7の厚さTの80%~105%の範囲の値に設定している。
【0070】
第2下降動作は、第3コンベア22の搬送速度V3に応じた下降速度V40で集積中の集積ポケット30を下降する動作である。
下降速度V40は、第3コンベア22の搬送速度V3に対する割合である下降速度係数K40を設定することで、下記の式に基づいて決定される。
V40=V3×K40
したがって、第2下降動作中に、第3コンベア通常速度V30から第3コンベア早送り速度V31に変化しても、下降速度V40も変化するので、第3コンベア22の搬送速度V3に応じた下降速度V40で、集積中の集積ポケット30を下降できる。
下降速度係数K40は、1~100%の範囲の値に設定可能であり、実施の形態では、20~30%の範囲の値に設定している。つまり、下降速度V40は、第3コンベア22の搬送速度V3の20~30%の範囲の値に設定している。
ただし、第2コンベア21の搬送速度V2、第3コンベア22の搬送速度V3等によって、単位時間当たりに集積される被搬送物の数が変化し、好ましい初回下降量H41、2回目以降下降量H42、下降速度V40が異なってくるため、初回下降量係数K41、2回目以降下降量係数K42、下降速度係数K40の設定値は、この値に限ることがない。
【0071】
搬送集積動作中に集積ポケット30を第1の下降設定(イ)で下降する動作を説明する。
搬送集積動作を開始する前に、第1の下降設定(イ)を制御部4に設定し、第1下降動作の初回下降量H41と、2回目以降下降量H42と、第2下降動作の下降速度V40と、被搬送物7の厚さTを制御部4にそれぞれ設定する。
原動側集積ポケット30-1が集積位置で、操作側集積ポケット30-2が操作側の取り出し位置である。
集積位置である原動側集積ポケット30-1は、設定の上方位置である。
【0072】
搬送集積動作をして、
図12(c)に示すように、最初のバッチ8の先頭の被搬送物7-3が、排出側センサ27に到達すると、排出側センサ27が検出信号を制御部4に送る。
制御部4はバッチ8の排出が開始したと判断し、計数用センサ23から被搬送物7の検出信号が送られるごとに、原動側集積ポケット30-1の上下移動装置40を駆動して、原動側集積ポケット30-1を初回下降量H41ずつ下降する。つまり、受け側センサ26と排出側センサ27が被搬送物7を検出している間、第1下降動作で原動側集積ポケット30-1を下降する。
【0073】
第3コンベア22から排出された最初のバッチ8は、先頭の被搬送物7-3が原動側集積ポケット30-1の底面部30cに載置して集積される。2番目の被搬送物7は先頭の被搬送物7-3の上面に載置して重なるように集積され、3番目以降の被搬送物7も同様に先に集積された被搬送物7の上面に重なるように集積される。
したがって、原動側集積ポケット30―1が上下に移動しなければ、排出された被搬送物7が原動側集積ポケット30-1に集積されるまでの落下距離は順次短くなるが、原動側集積ポケット30-1は、被搬送物7が落下している間初回下降量H41ごとに下降するので、被搬送物7が原動側集積ポケット30-1に集積されるまでの落下距離を一定にできる。
【0074】
すなわち、第1コンベア20の搬送速度V1は第1コンベア通常速度V20で、第3コンベア22の搬送速度V3は第3コンベア通常速度V30で、第1コンベア20から第2コンベア21に被搬送物7を渡すタイミングと、第3コンベア22から被搬送物7を排出するタイミングは共に一定の間隔である。原動側集積ポケット30-1は第1コンベア20から第2コンベア21に被搬送物7を渡すタイミングで下降するが、初回下降量係数K41を適切な値に設定することにより、1つの被搬送物が原動側集積ポケット30-1に集積されるごとに、原動側集積ポケット30-1は被搬送物の厚さTと略同一な距離だけ下降することになるため、次の被搬送物が先に集積されている被搬送物の上に載置して集積される時の落下距離が、前回の落下距離と同じとなる。
したがって、排出された被搬送物が原動側集積ポケット30-1に集積されるまでの落下距離を一定にできる。
【0075】
図13(a)のように、最初のバッチ8の後尾の被搬送物7-1が受け側センサ26から離れると、制御部4は第3コンベア22の搬送速度V3を第3コンベア通常速度V30から第3コンベア早送り速度V31に切り替える。制御部4は、これと同時に原動側集積ポケット30-1を下降速度V40で下降する。つまり、第1下降動作から第2下降動作に切り替える。
したがって、第3コンベア22が、第3コンベア通常速度V30より高速度の第3コンベア早送り速度V31で駆動されていても、被搬送物7の落下距離を一定にできる。
すなわち、第3コンベア22が第3コンベア早送り速度V31で駆動されると、被搬送物の排出のタイミングが早くなるので、原動側集積ポケット30-1の下降速度を第3コンベア早送り速度V31に応じて速くすることで、被搬送物7の落下距離を一定にしている。
【0076】
排出側センサ27が最初のバッチ8を検出しなくなり、かつ受け側センサ26が最初のバッチ8を検出しなくなってから第3コンベア22が設定の搬送量だけ搬送動作をすると、制御部4は最初のバッチ8を全て原動側集積ポケット30-1に集積したと判断し、制御部4は、集積部3を再び集積を開始できる状態とする動作を開始する。この動作を開始するまでに制御部4は、原動側の上下移動装置40を駆動して原動側集積ポケット30-1を最下方位置まで下降する。
原動側集積ポケット30-1が原動側の取出位置で、操作側集積ポケット30-2が集積位置で、かつ設定の上方位置となると、集積部3は再び集積を開始できる状態となる。この状態となると、せき止め用ストッパ24が非せき止め位置に移動し、第2コンベア22の搬送速度V2が第2コンベアせき止め速度V22から第2コンベア通常速度V20に切り替わる。
【0077】
第2コンベア22上でせき止められていた後続するバッチ8-1(以下2番目のバッチ8-1とする)が搬送され、第3コンベア22に渡されて2番目のバッチ8-1の集積動作が開始する。
2番目のバッチ8-1の先頭の被搬送物7-3が排出側センサ27に到達すると、操作側集積ポケット30-2は、計数用センサ23が被搬送物7を検出するごとに2回目以降下降量H42ずつ下降する(第1下降動作)。2番目のバッチ8-1の後尾の被搬送物7-1が受け側センサ26から離れ、第3コンベア22の搬送速度V3が第3コンベア早送り速度V31に切り替えられると、操作側集積ポケット30-2は下降速度V40で下降する(第2下降動作)。
すなわち、2番目のバッチ8-1の集積動作は最初のバッチ8の集積動作と同様であるが、第1下降動作の下降量(H)が多いことが相違する。
【0078】
2番目のバッチ8-1の集積が終了すると、集積部3が再び集積を開始できる状態とする動作を開始する。2番目のバッチ8-1の複数の被搬送物7を積み重ねて集積している操作側集積ポケット30-2を操作側の取り出し位置に移動し、空の原動機側の集積ポケット30-1を集積位置に移動し、かつ集積が開始される状態とする1つの条件を決定するために設定の上方位置に移動することで集積部3は集積を開始する状態となる。この動作は各センサの検出に基づき制御部4の指令で行われる。
3番目以降のバッチは2番目のバッチ8-1と同様に集積され、原動側集積ポケット30-1と操作側集積ポケット30-2は交互に集積位置と取出位置に移動する。
以上説明した集積部3は、効率を上げるために1サイクル時間を極力短くすることが必要であるから、次のようにして1サイクル時間を短縮することが好ましい。例えば、取出位置の集積ポケット30が集積位置に移動した時、あるいは、その位置を検出してタイマー設定などして設定の上方位置まで上昇する間において、集積を開始する状態、すなわち、せき止めていたバッチ8を開放し、第3コンベア22上に移動させるようにする。ただし、排出側センサ27にバッチ8が到達する前に集積ポケット30が設定の上方位置に到達していることを検出、判定させる必要がある。
したがって、集積ポケット30が設定の上方位置に到達してから開放されるバッチ8が集積開始されるまでの待機時間を短縮することができるので、1サイクル時間を短縮できる。
【0079】
搬送集積動作を終了する際には、供給部1から被搬送物7が第1コンベア20に供給されなくなり、計数用センサ23が被搬送物7を検出しなくなるので、集積ポケット30を第1下降動作で下降できなくなる。
このため、計数用センサ23が被搬送物7を検出しない状態で集積ポケット30を第1下降動作で下降する際には、第2下降動作で下降するように切り替え、下降速度V40で下降する。
例えば、集積ポケット30を第1下降動作で下降している際に計数用センサ23から検出信号が制御部4に送られなくなった時には、制御部4は集積ポケット30を下降速度V40で下降する。計数用センサ23から検出信号が制御部4に送られない状態で、第3コンベア22に渡されたバッチ8の先頭の被搬送物7-3を排出側センサ27が検出した時には、制御部4は集積ポケット30を下降速度V40で下降する。
【0080】
搬送集積動作中に集積ポケット30を第2の下降設定(ロ)で下降する動作を説明する。
搬送集積動作を開始する前に、第2の下降設定(ロ)を制御部4に設定する。下降速度V40を制御部4に設定する。
集積位置である原動側集積ポケット30-1は、第3コンベア22の排出側端部22-1aから底面部30cまでの距離が最適な落下距離となる設定の上方位置である。
搬送集積動作をして、
図12(c)に示すように、最初のバッチ8の先頭の被搬送物7-3が、排出側センサ27に到達すると、排出側センサ27が検出信号を制御部4に送る。
【0081】
制御部4は最初のバッチ8の排出が開始したと判断し、原動側集積ポケット30-1を設定した下降速度V40で下降する。
排出側センサ27が最初のバッチ8を検出しなくなり、かつ受け側センサ26が最初のバッチ8を検出しなくなってから第3コンベア22が設定の搬送量だけ搬送動作をすると、制御部4は最初のバッチ8をすべて原動側集積ポケット30-1に集積したと判断し、制御部4は、集積部3を再び集積を開始できる状態とする動作を開始する。この動作と同時に制御部4は、原動側の上下移動装置40を駆動して原動側集積ポケット30-1を最下方位置まで下降する。
【0082】
複数の被搬送物7を積み重ねて集積している原動側集積ポケット30-1が原動側の取出位置で、空の操作側集積ポケット30-2が集積位置で、かつ設定の上方位置となると、集積部3は再び集積を開始できる状態となる。この状態となると、せき止め用ストッパ24が非せき止め位置に移動し、第2コンベア22の搬送速度V2が第2コンベアせき止め速度V22から第2コンベア通常速度V20に切り替わる。
第2コンベア21上でせき止められていた2番目のバッチ8-1が搬送され、第3コンベア22に渡されて2番目のバッチ8-1の集積動作が開始する。
2番目のバッチ8-1の集積動作は最初のバッチ8と同様であり、操作側集積ポケット30-2を設定した下降速度V40で下降して行う。
【0083】
2番目のバッチ8-1の集積が終了すると、集積部3が再び集積を開始できる状態とする動作を開始する。2番目のバッチ8-1の複数の被搬送物7を積み重ねて集積している操作側集積ポケット30-2を操作側の取出位置に移動し、空の原動側集積ポケット30-1を集積位置に移動し、かつ設定の上方位置に移動することで集積部3は集積を開始する状態となる。この動作は各センサの検出に基づき制御部4の指令で行われる。
3番目以降のバッチは2番目のバッチ8-1と同様に集積され、原動側集積ポケット30-1と操作側集積ポケット30-2は交互に集積位置と取出位置に移動する。
【0084】
制御部4に第1の下降設定(イ)と第2の下降設定(ロ)を予め設定し、搬送集積動作を開始する時に、第1の下降設定(イ)と、第2の下降設定(ロ)の一方を選択するようにしてもよい。この場合には、第1下降動作の初回下降量H41と、2回目以降下降量H42と、第2下降動作の下降速度V40と、被搬送物7の厚さTを制御部4にそれぞれ設定する。集積ポケット30は
図14に示す下降動作制御フローに基づいて下降する。
また、第2の下降設定(ロ)における下降速度は、第3コンベア通常速度V30に基づく下降速度V40-1と、第3コンベア早送り速度V31に基づく下降速度V40-2を設定し、第3コンベア22が第3コンベア通常速度V30で駆動する時には下降速度V40-1を選択し、第3コンベア22が第3コンベア早送り速度V31で駆動する時には下降速度V40-2を選択するようにしてもよい。
【0085】
なお、集積ポケット30は、垂直な前面部30bを有し、底面部30cは水平で、後面部30dが垂直で、被搬送物7を底面部30cに水平に載置し、被搬送物7の搬送方向後端を前面部30bで規制し、被搬送物7の搬送方向先端を後面部30dで支持するようにしてもよい。この集積ポケット30であると、前面部30bにジョガー機構を設けて積み重ねた被搬送物7を揃えるようにすることもできる。
図示は省略するが、供給部1の給紙装置の給紙側に、印刷や切抜き加工部を設けることができる。
【符号の説明】
【0086】
1…供給部、2…搬送部、3…集積部、4…制御部、7…被搬送物、7-1…バッチ後尾の被搬送物、7-3…バッチ先頭の被搬送物、8…バッチ(被搬送物群)、8-1…後続するバッチ、20…第1コンベア、21…第2コンベア、22…第3コンベア、23…計数用センサ、24…せき止め用ストッパ、25…センサ、26…受け側センサ、27…排出側センサ、30…集積ポケット、30-1…原動側集積ポケット、30-2…操作側集積ポケット、40…上下移動装置、50…横移動装置。