(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】無線LANシステム、無線LAN通信装置、無線LAN端末及び無線通信制御方法
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20220621BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20220621BHJP
H04W 48/10 20090101ALI20220621BHJP
H04W 76/30 20180101ALI20220621BHJP
【FI】
H04W52/02
H04W84/12
H04W48/10
H04W76/30
(21)【出願番号】P 2019222089
(22)【出願日】2019-12-09
【審査請求日】2021-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】西村 亨
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-011387(JP,A)
【文献】特開2002-135197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1無線LAN通信装置と、無線LAN端末とを備え、
前記第1無線LAN通信装置は、
自装置が備える第1無線通信部が停止されるイベントを検出し、前記第1無線通信部が停止されるイベントを検出した場合、前記第1無線通信部が停止される時間を示す再開時間に関する再開時間情報を含み、前記無線LAN端末に帰属解除を要求する帰属解除要求を送信し、
前記無線LAN端末は、
前記帰属解除要求を受信し、
前記帰属解除要求の受信から前記帰属解除要求に含まれる前記再開時間情報が示す前記再開時間が経過するまで、自装置が備える第2無線通信部を停止し、
前記再開時間情報に基づいて、前記第1無線LAN通信装置の検索処理を実行する、
無線LANシステム。
【請求項2】
前記無線LAN端末は、前記帰属解除要求の受信から前記再開時間が経過した後に前記第1無線LAN通信装置の検索処理を実行する、請求項1に記載の無線LANシステム。
【請求項3】
第1無線LAN通信装置と、無線LAN端末と、前記無線LAN端末が帰属可能な第2無線LAN通信装置とを備え、
前記第1無線LAN通信装置は、
自装置が備える第1無線通信部が停止されるイベントを検出し、前記第1無線通信部が停止されるイベントを検出した場合、前記第1無線通信部が停止される時間を示す再開時間に関する再開時間情報を含み、前記無線LAN端末に帰属解除を要求する帰属解除要求を送信し、
前記無線LAN端末は、
前記帰属解除要求を受信し、
前記帰属解除要求の受信から、
前記帰属解除要求に含まれる前記再開時間情報が示す前記再開時間のうち、所定時間が経過するまで、前記第2無線LAN通信装置の検索処理を実行
し、
前記再開時間情報に基づいて、前記第1無線LAN通信装置の検索処理を実行する、無線LANシステム。
【請求項4】
前記無線LAN端末は、前記帰属解除要求の受信から前記所定時間が経過するまでに前記第2無線LAN通信装置を検出しない場合、前記帰属解除要求の受信から前記再開時間が経過した後に、前記第1無線LAN通信装置の検索処理を実行する、請求項
3に記載の無線LANシステム。
【請求項5】
前記無線LAN端末は、前記帰属解除要求の受信から所定時間が経過するまでに前記第2無線LAN通信装置を検出しない場合、前記所定時間の経過後、前記再開時間が経過するまで、自装置が備える第2無線通信部を停止する、請求項
3又は4に記載の無線LANシステム。
【請求項6】
無線LAN通信装置と無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
無線LAN通信装置から帰属解除を要求する帰属解除要求を受信し、
前記帰属解除要求の受信から、前記帰属解除要求に含まれる再開時間情報が示す再開時間であって、前記無線LAN通信装置の無線通信部が停止される時間を示す再開時間が経過するまで、自装置が備える前記無線通信部を停止し、
前記再開時間に関する再開時間情報に基づいて、前記無線LAN通信装置の検索処理を実行する、無線LAN端末。
【請求項7】
無線LAN通信装置と無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
第1無線LAN通信装置から帰属解除を要求する帰属解除要求を受信し、
前記帰属解除要求の受信から、前記帰属解除要求に含まれる再開時間情報が示す再開時間であって、前記第1無線LAN通信装置の無線通信部が停止される時間を示す再開時間のうち、所定時間が経過するまで、第2無線LAN通信装置の検索処理を実行し、
前記再開時間情報に基づいて、前記第1無線LAN通信装置の検索処理を実行する、無線LAN端末。
【請求項8】
無線LAN通信装置から帰属解除を要求する帰属解除要求を受信することと、
前記帰属解除要求の受信から前記帰属解除要求に含まれる再開時間情報が示す再開時間であって、前記無線LAN通信装置の無線通信部が停止される時間を示す再開時間が経過するまで自装置が備える無線通信部を停止することと、
前記再開時間情報に基づいて、前記無線LAN通信装置の検索処理を実行することと、を含む無線通信制御方法。
【請求項9】
第1無線LAN通信装置から帰属解除を要求する帰属解除要求を受信することと、
前記帰属解除要求の受信から、前記帰属解除要求に含まれる再開時間情報が示す再開時間であって、前記第1無線LAN通信装置の無線通信部が停止される時間を示す再開時間のうち、所定時間が経過するまで、第2無線LAN通信装置の検索処理を実行することと、
前記再開時間情報に基づいて、前記第1無線LAN通信装置の検索処理を実行することと、を含む無線通信制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線LANシステム、無線LAN通信装置、無線LAN端末及び無線通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線子機が、消費電力を抑制しながら無線親機を検索する無線通信システムが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、無線子機が自装置の無線部を起動後、所定の制限時間以内に無線親機の制御信号を捕捉できなかった場合、無線子機の無線部を停止し、一定時間後に無線部を再起動させて間欠受信することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術を用いた場合、無線子機が自装置の無線部を再起動したタイミングで、無線親機が制御信号を送信していない場合も想定される。この場合、無線子機は、無線親機が制御信号を送信していないにも関わらず、無線親機の制御信号を検索する処理を行うことになる。したがって、特許文献1に開示された技術を用いると、無線子機が、帰属可能な無線親機に対して無駄な検索処理を行ってしまう可能性があり、効率的に帰属可能な無線親機を検索できない場合があり得る。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題を解決するためになされたものであり、無線LAN端末が効率的に帰属可能な無線LAN通信装置を検索可能な無線LANシステム、無線LAN通信装置、無線LAN端末及び無線通信制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様にかかる無線LANシステムは、
第1無線LAN通信装置と、無線LAN端末とを備え、
前記第1無線LAN通信装置は、
自装置が備える第1無線通信部が停止されるイベントを検出し、前記第1無線通信部が停止されるイベントを検出した場合、前記第1無線通信部が停止される時間を示す再開時間に関する再開時間情報を含み、前記無線LAN端末に帰属解除を要求する帰属解除要求を送信し、
前記無線LAN端末は、
前記帰属解除要求を受信し、前記帰属解除要求に含まれる前記再開時間情報に基づいて、前記第1無線LAN通信装置の検索処理を実行する、無線LANシステムである。
【0007】
本開示の一態様にかかる無線LAN通信装置は、
無線LAN端末と無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記無線通信部が停止されるイベントを検出し、
前記イベントを検出した場合、前記無線通信部が停止される時間を示す再開時間に関する再開時間情報を含み、前記無線LAN端末に帰属解除を要求する帰属解除要求を前記無線LAN端末に送信する、無線LAN通信装置である。
【0008】
本開示の一態様にかかる無線LAN端末は、
無線LAN通信装置と無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
無線LAN通信装置から帰属解除を要求する帰属解除要求を受信し、
前記帰属解除要求に含まれる前記無線LAN通信装置の無線通信部が停止される時間を示す再開時間に関する再開時間情報に基づいて、前記無線LAN通信装置の検索処理を実行する、無線LAN端末である。
【0009】
本開示の一態様にかかる無線通信制御方法は、
自装置の無線通信部が停止されるイベントを検出することと、
前記イベントを検出した場合、前記無線通信部が停止される時間を示す再開時間に関する再開時間情報を含み、無線LAN端末に帰属解除を要求する帰属解除要求を前記無線LAN端末に送信することと、を含む無線通信制御方法である。
【0010】
本開示の他の態様にかかる無線通信制御方法は、
無線LAN通信装置から帰属解除を要求する帰属解除要求を受信することと、
前記帰属解除要求に含まれる、前記無線LAN通信装置の無線通信部が停止される時間を示す再開時間に関する再開時間情報に基づいて、前記無線LAN通信装置の検索処理を実行することと、を含む無線通信制御方法である。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、無線LAN端末が効率的に帰属可能な無線LAN通信装置を検索可能な無線LANシステム、無線LAN通信装置、無線LAN端末及び無線通信制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態1にかかる無線LANシステムの構成例を示す図である。
【
図2】実施の形態2にかかる無線LANシステムの構成例を示す図である。
【
図3】実施の形態2にかかる無線LAN通信装置の構成例を示す図である。
【
図4】実施の形態2にかかる無線LAN端末の構成例を示す図である。
【
図5】実施の形態2にかかる無線LAN通信装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図6】実施の形態2にかかる無線LAN端末の動作例を示すフローチャートである。
【
図7】実施の形態3にかかる無線LANシステムの構成例を示す図である。
【
図8】実施の形態3にかかる無線LAN端末の構成例を示す図である。
【
図9】実施の形態3にかかる無線LAN端末の動作例を示すフローチャートである。
【
図10】本開示の各実施の形態にかかる無線LAN通信装置等を実現可能な、コンピュータ(情報処理装置)のハードウェア構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の記載及び図面は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、以下の各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0014】
(実施の形態1)
図1を用いて、実施の形態1にかかる無線LAN(Local Area Network)システム100について説明する。
図1は、実施の形態1にかかる無線LANシステムの構成例を示す図である。無線LANシステム100は、無線LAN通信装置10と、無線LAN端末20とを備える。
【0015】
無線LAN通信装置10は、例えば、アクセスポイント装置、無線基地局装置、無線ルータを含む無線通信装置、無線中継装置等であってもよい。無線LAN通信装置10は、任意の無線LAN規格をサポートする。無線LAN通信装置10は、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a、IEEE802.11g、IEEE802.11n、IEEE802.11ac、IEEE802.11axをサポートしてもよい。無線LAN通信装置10は、無線LAN端末20と帰属処理(接続処理)を行い、無線LAN端末20が帰属され、無線LAN端末20と無線通信を行う。無線LAN通信装置10は、無線親機と称されてもよい。
【0016】
無線LAN端末20は、例えば、携帯電話端末、スマートフォン端末、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ装置、無線ルータ等であってもよい。無線LAN端末20は、無線LAN通信装置10と同一の無線LAN規格に対応する。無線LAN端末20は、無線子機、無線子局、クライアントと称されてもよい。無線LAN通信装置10は、無線親機と称されてもよい。無線LAN端末20は、無線LAN通信装置10を無線親機として、無線子機として無線LAN通信装置10に接続及び通信を行う。
【0017】
無線LAN通信装置10は、無線通信部11と、制御部12とを備える。
無線通信部11は、無線LAN端末20と無線通信を行う通信部である。
制御部12は、無線通信部11を制御する制御部である。制御部12は、無線通信部11が停止されるイベントを検出する。制御部12は、無線通信部11が停止されるイベントを検出した場合、無線通信部11が停止される時間を示す再開時間に関する再開時間情報を含み、無線LAN端末20に帰属解除を要求する帰属解除要求を、無線通信部11を介して送信する。
【0018】
無線LAN端末20は、無線通信部21と、制御部22とを備える。
無線通信部21は、無線LAN通信装置10と無線通信を行う通信部である。
制御部22は、無線通信部21を介して帰属解除要求を受信する。制御部22は、帰属解除要求に含まれる再開時間情報に基づいて、無線LAN通信装置10の検索処理を実行する。
【0019】
以上説明したように、無線LAN通信装置10は、無線通信部11が停止されるイベントを検出した場合、無線LAN端末20に再開時間情報を含む帰属解除要求を送信する。無線LAN端末20は、帰属解除要求に含まれる再開時間情報に基づいて、無線LAN通信装置10の検索処理を実行する。無線LAN端末20は、無線LAN通信装置10の無線通信部11が停止されている再開時間に基づいて、無線LAN通信装置10の検索処理を行えるため、効率的に無線LAN通信装置10を検索できる。すなわち、無線LAN端末20は、無線LAN通信装置10の無線通信部11が停止している間、無線LAN通信装置10の検索処理を行わないように制御できる。したがって、実施の形態1にかかる無線LANシステム100によれば、無線LAN端末20が効率的に帰属可能な無線LAN通信装置10を検索できる。
【0020】
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2について説明する。実施の形態2は、実施の形態1を具体的にした実施の形態である。
【0021】
<無線LANシステムの構成例>
図2を用いて、実施の形態2にかかる無線LANシステム200について説明する。
図2は、実施の形態2にかかる無線LANシステムの構成例を示す図である。無線LANシステム200は、無線LAN通信装置30と、無線LAN端末40と、PC(personal computer)45とを備える。
【0022】
無線LAN通信装置30は、実施の形態1における無線LAN通信装置10に対応する。無線LAN通信装置30は、例えば、アクセスポイント装置、無線基地局装置、無線ルータを含む無線通信装置、無線中継装置等であってもよい。無線LAN通信装置30は、例えば、IEEE802.11a規格に対応する。なお、無線LAN通信装置30は、IEEE802.11g、IEEE802.11n、IEEE802.11ac、IEEE802.11axに対応してもよい。換言すると、無線LAN通信装置30は、任意の無線LAN規格に対応してもよい。
【0023】
無線LAN通信装置30は、無線LAN端末40と帰属処理(接続処理)を行い、無線LAN端末40が自装置に帰属している。無線LAN通信装置30は、無線LAN端末40を無線子機とする無線親機と称されてもよい。無線LAN通信装置30は、ユーザ操作により再起動する。また、無線LAN通信装置30は、自装置の設定が変更された場合、後述する無線通信部31を一定期間停止する。さらに、無線LAN通信装置30は、IEEE802.11a規格のDFS(Dynamic Frequency Selection)機能により、無線通信部31を一定期間停止する。
【0024】
無線LAN端末40は、実施の形態1における無線LAN端末20に対応する。無線LAN端末40は、例えば、携帯電話端末、スマートフォン端末、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ装置、無線ルータ等であってもよい。無線LAN端末40は、無線LAN通信装置30と同一の無線LAN規格に対応する。無線LAN端末40は、無線LAN通信装置30に帰属するための帰属情報を保持している。帰属情報は、例えば、SSID、暗号化キー等であり、一般的な帰属情報と同様の情報を保持する。無線LAN端末40は、無線LAN通信装置30と帰属処理を行い、無線LAN通信装置30に帰属している。
【0025】
PC45は、有線で無線LAN通信装置30に接続されており、無線LAN通信装置30と通信可能に構成されている。PC45は、無線LAN通信装置30の各種設定を行うために用いられる。無線LAN通信装置30の管理者及び運用者は、PC45を用いて、無線LAN通信装置30の各種設定を行うと、無線LAN通信装置30が設定された内容を自装置に反映する。なお、PC45は、無線で無線LAN通信装置30に接続されてもよい。
【0026】
<無線LAN通信装置の構成例>
次に、
図3を用いて、無線LAN通信装置30の構成例について説明する。
図3は、実施の形態2にかかる無線LAN通信装置の構成例を示す図である。無線LAN通信装置30は、無線通信部31と、有線通信部32と、制御部33と、記憶部34とを備える。
【0027】
無線通信部31は、実施の形態1における無線通信部11に対応する。無線通信部31は、ANT(Antenna)を介して、高周波信号を送受信する。なお、
図3では、ANTが無線LAN通信装置30の外部に設けられているように図示されているが、ANTが無線LAN通信装置30の内部に設けられる構成であってもよい。
【0028】
無線通信部31は、自装置が対応する無線LAN規格に準拠した各種信号(各種メッセージ)を送受信する。無線通信部31は、例えば、ビーコン信号、無線LAN端末40に帰属解除を要求する帰属解除要求であるディオーセンティケーションフレームを無線LAN端末40に送信する。
【0029】
有線通信部32は、有線回線により信号を送受信する。有線回線は、例えば、有線LANであってもよい。有線通信部32は、PC45から送信される信号を受信し、PC45に対して信号を送信する。有線通信部32は、PC45からの設定情報を受信し、制御部33に送信する。
【0030】
制御部33は、実施の形態1における制御部12に対応する。制御部33は、無線通信部31を含む無線LAN通信装置30の各機能の制御を行う。制御部33は、無線通信部31が停止されるイベントを検出する。具体的には、制御部33は、自装置が再起動される場合、自装置の設定変更により無線通信部31が停止される場合、及びDFS機能により無線通信部31が停止される場合のいずれかを満たす場合、無線通信部31が停止されるイベントとして検出する。なお、無線通信部31が停止されると、無線LAN通信装置30に帰属している無線LAN端末40の帰属が解除されるため、以降の説明において、無線通信部31が停止されるイベントを帰属解除イベントと称して記載することがある。
【0031】
制御部33は、無線通信部31が停止されるイベント(帰属解除イベント)を検出した場合、記憶部34の次回ビーコン再開時間情報記憶領域341から次回ビーコン再開時間情報を取得する。次回ビーコン再開時間情報は、無線通信部31が停止される時間を示す再開時間に関する再開時間情報である。具体的には、次回ビーコン再開時間情報は、無線通信部31が停止される時刻から、無線通信部31が再起動した直後に送信されるビーコン信号の送信時刻までの時間情報である。
【0032】
制御部33は、次回ビーコン再開時間情報を取得すると、次回ビーコン再開時間情報をディオーセンティケーションフレームに付加する。制御部33は、次回ビーコン再開時間情報が付加されたディオーセンティケーションフレームを、無線通信部31を介して無線LAN端末40に送信する。
【0033】
制御部33は、無線通信部31の停止制御及び起動制御を行う。制御部33は、無線通信部31が停止されるイベント(帰属解除イベント)を検出した場合、ディオーセンティケーションフレームを送信した後、無線通信部31を停止する。制御部33は、無線通信部31を停止後、次回ビーコン再開時間情報に設定された再開時間が経過した後に、無線通信部31を起動する。
【0034】
制御部33は、有線通信部32から設定情報を受信する。制御部33は、PC45からの設定情報に基づいて、自装置に設定情報の内容を設定して反映する。
【0035】
記憶部34は、次回ビーコン再開時間情報記憶領域341を有しており、次回ビーコン再開時間情報記憶領域341に次回ビーコン再開時間情報を格納(記憶)する。記憶部34は、制御部33で使用される各種データ及びプログラムを格納(記憶)する。
【0036】
<無線LAN端末の構成例>
次に、
図4を用いて、実施の形態2にかかる無線LAN端末40の構成例について説明する。
図4は、実施の形態2にかかる無線LAN端末の構成例を示す図である。無線LAN端末40は、無線通信部41と、制御部42と、記憶部43とを備える。
【0037】
無線通信部41は、実施の形態1における無線通信部21に対応する。無線通信部41は、ANTを介して、高周波信号を送受信する。なお、
図4では、ANTが無線LAN端末40の外部に設けられているように図示されているが、ANTが無線LAN端末40の内部に設けられる構成であってもよい。
【0038】
無線通信部41は、自装置が対応する無線LAN規格に準拠した各種信号(各種メッセージ)を送受信する。無線通信部41は、例えば、ビーコン信号、無線LAN通信装置30から送信されるディオーセンティケーションフレームを受信する。
【0039】
制御部42は、実施の形態1における制御部22に対応する。制御部42は、無線通信部41を含む無線LAN端末40の各機能の制御を行う。制御部42は、ディオーセンティケーションフレームを、無線通信部41を介して受信する。制御部42は、ディオーセンティケーションフレームに付加された次回ビーコン再開時間情報を、記憶部43の帰属先SSID(Service Set Identifier)ビーコン再開情報記憶領域432に格納する。
【0040】
制御部42は、帰属先SSIDビーコン再開情報記憶領域432に格納した次回ビーコン再開時間情報に基づいて、無線通信部41の停止制御及び起動制御を行う。換言すると、制御部42は、ディオーセンティケーションフレームに付加された次回ビーコン再開時間情報に設定された再開時間に基づいて、無線通信部41の停止制御及び起動制御を行う。制御部42は、ディオーセンティケーションフレームの受信から次回ビーコン再開時間情報に設定された再開時間が経過するまで無線通信部41をOFFにして停止する。制御部42は、ディオーセンティケーションフレームの受信から再開時間が経過した後、無線通信部41が停止状態である場合、無線通信部41をONにして起動する。
【0041】
制御部42は、帰属先SSIDビーコン再開情報記憶領域432に格納した次回ビーコン再開時間情報に基づいて、無線LAN通信装置30の検索処理を実行する。換言すると、制御部42は、ディオーセンティケーションフレームに付加された次回ビーコン再開時間情報に設定された再開時間に基づいて、無線LAN通信装置30の検索処理を実行する。具体的には、制御部42は、ディオーセンティケーションフレームの受信から次回ビーコン再開時間情報に設定された再開時間が経過した後に無線LAN通信装置30の検索処理を実行する。
【0042】
具体的には、制御部42は、ディオーセンティケーションフレームの受信から再開時間が経過し、無線通信部41をONにして起動する場合、記憶部43の帰属先SSID情報記憶領域431に格納された帰属先SSID情報を取得する。帰属先SSID情報は、無線通信部41を停止する前に帰属していた無線LAN通信装置30のネットワーク識別子であるSSIDが格納された情報である。制御部42は、無線通信部41が受信するビーコン信号から帰属先SSID情報に設定された帰属先SSIDを検索して、無線LAN通信装置30の検索処理を実行する。制御部42は、無線通信部41が受信するビーコン信号から無線LAN通信装置30のSSIDを検出すると、無線LAN通信装置30への帰属処理を開始する。
【0043】
記憶部43は、帰属先SSID情報記憶領域431と、帰属先SSIDビーコン再開情報記憶領域432とを有している。記憶部43は、帰属先SSID情報記憶領域431に帰属先SSID情報を格納(記憶)し、帰属先SSIDビーコン再開情報記憶領域432に帰属先SSIDビーコン再開情報を格納(記憶)する。記憶部43は、制御部42で使用される各種データ及びプログラムを記憶(格納)する。
【0044】
<無線LAN通信装置の動作例>
次に、
図5を用いて、実施の形態2にかかる無線LAN通信装置30の動作例について説明する。
図5は、実施の形態2にかかる無線LAN通信装置の動作例を示すフローチャートである。
【0045】
制御部33は、自装置を監視し、帰属解除イベントが発生しているかを周期的に又は非周期的に判定する(ステップS1)。制御部33が、帰属解除イベントが発生したことを検出しない場合(ステップS1のNO)、自装置の監視を継続する。
【0046】
制御部33が、帰属解除イベントが発生したことを検出した場合(ステップS1のYES)、制御部33は、記憶部34の次回ビーコン再開時間情報記憶領域341から次回ビーコン再開時間情報を取得する(ステップS2)。制御部33は、自装置が再起動される場合、自装置の設定変更により無線通信部31が停止される場合、及びDFS機能により無線通信部31が停止される場合のいずれかを満たす場合、帰属解除イベントが発生したことを検出する。
【0047】
制御部33は、次回ビーコン再開時間情報を、無線LAN端末40に帰属解除要求であるディオーセンティケーションフレームに付加し、無線通信部31を介して、ディオーセンティケーションフレームを無線LAN端末40に送信する(ステップS3)。
【0048】
<無線LAN端末の動作例>
次に、
図6を用いて、実施の形態2にかかる無線LAN端末40の動作例について説明する。
図6は、実施の形態2にかかる無線LAN端末の動作例を示すフローチャートである。
【0049】
制御部42は、自装置を監視し、帰属解除要求であるディオーセンティケーションフレームを無線通信部41が受信したかを周期的に又は非周期的に判定する(ステップS11)。制御部42が、帰属解除要求であるディオーセンティケーションフレームを無線通信部41が受信したかを判定する場合であって、帰属解除要求を無線通信部41が受信していない場合(ステップS11のNO)、自装置の監視を継続する。
【0050】
制御部42は、ディオーセンティケーションフレームを無線通信部41が受信したと判定した場合(ステップS11のYES)、次回ビーコン再開時間情報を記憶部43の帰属先SSIDビーコン再開情報記憶領域432に格納する(ステップS12)。制御部42は、ディオーセンティケーションフレームを無線通信部41が受信した場合、ディオーセンティケーションフレームに付加された次回ビーコン再開時間情報を記憶部43の帰属先SSIDビーコン再開情報記憶領域432に格納する。
【0051】
制御部42は、無線通信部41をOFFにして無線通信部41を停止する(ステップS13)。
【0052】
制御部42は、ディオーセンティケーションフレームの受信から再開時間が経過したか否かを判定する(ステップS14)。制御部42は、ディオーセンティケーションフレームを受信した場合、帰属先SSIDビーコン再開情報記憶領域432から次回ビーコン再開時間情報を取得する。制御部42は、例えば、再開時間が経過したか否かを確認するためのタイマを発行する。そして、制御部42は、発行したタイマが次回ビーコン再開時間情報に設定された再開時間を超過し、タイマが満了したか否かに基づいて、ディオーセンティケーションフレームの受信から再開時間が経過したか否かを判定する。
【0053】
ディオーセンティケーションフレームの受信から再開時間が経過していない場合(ステップS14のNO)、制御部42は、継続してディオーセンティケーションフレームの受信から再開時間が経過したか否かを判定する(ステップS15)。
【0054】
ディオーセンティケーションフレームの受信から再開時間が経過した場合(ステップS14のYES)、制御部42は、無線通信部41をONにして起動する(ステップS15)。制御部42は、無線通信部41をONにする場合、帰属先SSID情報記憶領域431から帰属先SSID情報を取得する。
【0055】
制御部42は、無線通信部41が受信するビーコン信号から帰属先SSID情報に設定された帰属先SSIDを検索し、無線LAN通信装置30への帰属処理を開始する(ステップS16)。制御部42は、無線通信部41が受信するビーコン信号から無線LAN通信装置30のSSIDを検出する、無線LAN通信装置30の検索処理を実行し、無線LAN通信装置30のSSIDを検出すると、無線LAN通信装置30への帰属処理を開始する。
【0056】
以上説明したように、無線LAN通信装置30は、無線通信部31を停止する場合、無線停止する時間情報である再開時間を次回ビーコン再開時間情報に設定し、無線LAN端末40に通知する。無線LAN通信装置30は、次回ビーコン再開時間情報を無線LAN端末40に通知することで、無線LAN端末40が効率よく無線LAN通信装置30の検索処理を行うことができる。
【0057】
具体的には、無線LAN端末40は、無線LAN通信装置30の無線停止中に無線LAN通信装置30の検索処理を行うという無駄を省き、無線LAN通信装置30の無線再開後に無線LAN通信装置30の検索処理を開始できる。すなわち、実施の形態2にかかる無線LANシステム200によれば、無線LAN端末40が効率的に帰属可能な無線LAN通信装置30を検索できる。
【0058】
また、無線LAN端末40は、ディオーセンティケーションフレーム受信から再開時間経過まで無線通信部41をOFFするように制御するため、無線LAN端末40の消費電力を抑制できる。したがって、実施の形態2にかかる無線LANシステム200によれば、無線LAN端末40の消費電力を抑制できる。
【0059】
(実施の形態3)
続いて、実施の形態3について説明する。実施の形態3は、実施の形態2の改良例である。
【0060】
<無線LANシステムの構成例>
図7を用いて、実施の形態3にかかる無線LANシステム300について説明する。
図7は、実施の形態3にかかる無線LANシステムの構成例を示す図である。無線LANシステム300は、無線LAN通信装置30_1及び30_2と、無線LAN端末50とを備える。
【0061】
無線LANシステム300は、実施の形態2にかかる無線LANシステム200と比較すると、実施の形態2にかかる無線LAN通信装置30を2台備え、実施の形態2にかかる無線LAN端末40が無線LAN端末50に置き換わった構成である。なお、無線LANシステム300は、無線LAN通信装置30_1及び30_2の2台を備える構成としているが、3台以上の無線LAN通信装置30を備える構成であってもよい。
【0062】
無線LAN通信装置30_1及び30_2は、実施の形態2における無線LAN通信装置30に対応する。無線LAN通信装置30_1は、無線LAN端末50が帰属している。無線LAN通信装置30_1は、自装置の無線通信部31が停止されるイベントを検出すると、次回ビーコン再開時間情報を含むディオーセンティケーションフレームを無線LAN端末50に送信する。無線LAN通信装置30_2は、無線LAN端末50が帰属可能な無線LAN通信装置である。無線LAN通信装置30_1及び30_2は、実施の形態2における無線LAN通信装置30と同様の構成をしている。そのため、無線LAN通信装置30_1及び30_2の構成例についての説明は割愛する。
【0063】
無線LAN端末50は、実施の形態2における無線LAN端末40に対応する。無線LAN端末50の基本構成は、実施の形態2における無線LAN端末40と同様であり、無線LAN通信装置30_1及び30_2と同一の無線LAN規格に対応する。無線LAN端末50は、無線LAN通信装置30_1及び30_2のそれぞれに帰属するための帰属情報を保持している。帰属情報は、例えば、SSID、暗号化キー等であり、一般的な帰属情報と同様の情報を保持する。
【0064】
無線LAN端末50は、無線LAN通信装置30_1への帰属処理を行い、無線LAN通信装置30_1に帰属している。無線LAN端末50は、無線LAN通信装置30_1が次回ビーコン再開時間情報を含むディオーセンティケーションフレームを送信した場合、当該ディオーセンティケーションフレームを受信する。また、無線LAN端末50は、無線LAN通信装置30_2とは帰属処理を行っておらず、無線LAN通信装置30_2には帰属していない。
【0065】
<無線LAN端末の構成例>
図8を用いて、実施の形態3にかかる無線LAN端末50について説明する。
図8は、実施の形態3にかかる無線LAN端末の構成例を示す図である。無線LAN端末50は、実施の形態2にかかる無線LAN端末40の制御部42が制御部52に置き換わった構成をしている。無線LAN端末50は、実施の形態2における無線LAN端末40と基本的に同様の構成をしているため、実施の形態2における無線LAN端末40の構成と同様の構成については適宜説明を割愛する。
【0066】
記憶部43は、帰属先SSID情報記憶領域431と、帰属先SSIDビーコン再開情報記憶領域432とを有している。記憶部43は、帰属先SSID情報記憶領域431に帰属先SSID情報を格納(記憶)する。本実施の形態では、記憶部43は、帰属先SSID情報として、帰属可能な無線LAN通信装置30_1及び30_2のSSIDを格納する。記憶部43は、帰属先SSIDビーコン再開情報記憶領域432に帰属先SSIDビーコン再開情報を格納(記憶)する。
【0067】
制御部52は、実施の形態2における制御部42に対応する。制御部52は、無線LAN通信装置30_1がディオーセンティケーションフレームを送信した場合、当該ディオーセンティケーションフレームを、無線通信部41を介して受信する。制御部52は、ディオーセンティケーションフレームに付加された次回ビーコン再開時間情報を、記憶部43の帰属先SSIDビーコン再開情報記憶領域432に格納する。
【0068】
制御部52は、帰属先SSIDビーコン再開情報記憶領域432に格納した次回ビーコン再開時間情報に基づいて、無線LAN通信装置30_1又は30_2の検索処理を実行する。制御部52は、帰属先SSID情報記憶領域431から帰属先SSID情報を取得する。具体的には、制御部52は、帰属先SSID情報記憶領域431から無線LAN通信装置30_1及び30_2のSSIDを取得する。
【0069】
制御部52は、ディオーセンティケーションフレームの受信から、次回ビーコン再開時間情報に設定された再開時間のうち、所定時間が経過するまで、帰属していた無線LAN通信装置30_1と異なる無線LAN通信装置30_2の検索処理を実行する。所定時間は、例えば、再開時間の半分の時間であってもよく、任意に設定が可能な時間であってもよい。
【0070】
具体的には、制御部52は、ディオーセンティケーションフレームの受信から所定時間が経過するまで、無線通信部41が受信するビーコン信号から無線LAN通信装置30_2のSSIDを検索する。そして、制御部52は、無線LAN通信装置30_2のSSIDを検出すると、無線LAN通信装置30_2への帰属処理を行う。
【0071】
一方、制御部52は、無線LAN通信装置30_2を検出しない場合、ディオーセンティケーションフレームの受信から再開時間が経過した後に、無線LAN通信装置30_1の検索処理を実行する。
【0072】
具体的には、制御部52は、ビーコン信号から無線LAN通信装置30_2のSSIDを検出しない場合、ディオーセンティケーションフレームの受信から再開時間が経過した後に、ビーコン信号から無線LAN通信装置30_1のSSIDを検索する。そして、制御部52は、無線LAN通信装置30_1のSSIDを検出すると、無線LAN通信装置30_1への帰属処理を行う。
【0073】
制御部52は、無線通信部41の停止制御及び起動制御を行う。上記のように、制御部52は、ディオーセンティケーションフレームの受信から所定時間が経過するまで、無線LAN通信装置30_2の検索処理を行う。そのため、制御部52は、ディオーセンティケーションフレームの受信から所定時間が経過するまでに無線LAN通信装置30_2を検出しない場合、上記所定時間の経過後、再開時間が経過するまで、無線通信部41をOFFにして停止する。そして、制御部52は、ディオーセンティケーションフレームの受信から再開時間が経過したときに、無線通信部41が停止状態である場合、無線通信部41をONにして起動する。
【0074】
<無線LAN端末の動作例>
図9を用いて、実施の形態3にかかる無線LAN端末50の動作例について説明する。
図9は、実施の形態3にかかる無線LAN端末の動作例を示すフローチャートである。
【0075】
制御部52は、自装置を監視し、帰属解除要求であるディオーセンティケーションフレームを無線通信部41が受信したかを周期的に又は非周期的に判定する(ステップS21)。制御部52が、帰属解除要求であるディオーセンティケーションフレームを無線通信部41が受信したかを判定する場合であって、帰属解除要求を無線通信部41が受信していない場合(ステップS21のNO)、自装置の監視を継続する。
【0076】
制御部52は、ディオーセンティケーションフレームを無線通信部41が受信したと判定した場合(ステップS21のYES)、次回ビーコン再開時間情報を記憶部43の帰属先SSIDビーコン再開情報記憶領域432に格納する(ステップS22)。制御部52は、ディオーセンティケーションフレームを無線通信部41が受信した場合、ディオーセンティケーションフレームに付加された次回ビーコン再開時間情報を記憶部43の帰属先SSIDビーコン再開情報記憶領域432に格納する。
【0077】
次に、制御部52は、無線通信部41が受信するビーコン信号から、自装置が帰属可能な無線LAN通信装置30_2のSSIDを検索する(ステップS23)。制御部52は、帰属先SSID情報記憶領域431から帰属可能SSID情報として設定されている無線LAN通信装置30_1及び30_2のSSIDを取得する。そして、制御部52は、ディオーセンティケーションフレームを受信する前に帰属していた無線LAN通信装置30_1と異なる、帰属可能な無線LAN通信装置30_2のSSIDを無線通信部41が受信するビーコン信号から検索する。
【0078】
制御部52は、帰属可能SSIDである、無線LAN通信装置30_2のSSIDが検出されたか否かを判定する(ステップS24)。無線LAN通信装置30_2のSSIDが検出された場合(ステップS24のYES)、制御部52は、無線LAN通信装置30_2への帰属処理を開始する(ステップS25)。
【0079】
一方、ステップS24において、無線LAN通信装置30_2のSSIDが検出されなかった場合(ステップS24のNO)、制御部52は、ディオーセンティケーションフレームの受信から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS26)。制御部52は、ディオーセンティケーションフレームを受信した場合、帰属先SSIDビーコン再開情報記憶領域432から次回ビーコン再開時間情報を取得する。制御部52は、例えば、再開時間が経過したか否かを確認するためのタイマを発行する。そして、制御部52は、発行したタイマが所定時間を超過したか否かを判定する。所定時間は、例えば、次回ビーコン再開情報に設定された再開時間の半分の時間であってもよい。例えば、再開時間が100秒である場合、所定時間は、その半分の50秒であってもよい。
【0080】
ディオーセンティケーションフレームの受信から所定時間が経過していない場合(ステップS26のNO)、制御部52は、再度、無線通信部41が受信するビーコン信号から、無線LAN通信装置30_2のSSIDを検索する(ステップS23へ戻る)。
【0081】
一方、ディオーセンティケーションフレームの受信から所定時間が経過している場合(ステップS26のYES)、制御部52は、無線通信部41をOFFにして無線通信部41を停止する(ステップS27)。
【0082】
制御部52は、ディオーセンティケーションフレームの受信から再開時間が経過したか否かを判定する(ステップS28)。制御部52は、ステップS26で発行したタイマが次回ビーコン再開時間情報に設定された再開時間を超過し、タイマが満了したか否かに基づいて、ディオーセンティケーションフレームの受信から再開時間が経過したか否かを判定する。
【0083】
ディオーセンティケーションフレームの受信から再開時間が経過していない場合(ステップS28のNO)、制御部52は、継続してディオーセンティケーションフレームの受信から再開時間が経過したか否かを判定する(ステップS28)。
【0084】
ディオーセンティケーションフレームの受信から再開時間が経過した場合(ステップS28のYES)、制御部52は、無線通信部41をONにして起動する(ステップS29)。
【0085】
制御部52は、無線通信部41が受信するビーコン信号から帰属先SSID情報に設定され、無線通信部41を停止する前に帰属していた無線LAN通信装置30_1のSSIDを検索し、無線LAN通信装置30_1への帰属処理を開始する(ステップS30)。
【0086】
制御部52は、無線通信部41が受信するビーコン信号から、無線通信部41を停止する前に帰属していた無線LAN通信装置30_1のSSIDを検索する、無線LAN通信装置30_1の検索処理を実行する。つまり、制御部52は、無線通信部41が受信するビーコン信号から、ディオーセンティケーションフレームの送信元の無線LAN通信装置30_1のSSIDを検索する。制御部52は、無線LAN通信装置30_1のSSIDを検出すると、無線LAN通信装置30_1への帰属処理を開始する。
【0087】
以上説明したように、実施の形態3においても、無線LAN通信装置30_1は、無線通信部31を停止する場合、無線停止する時間情報である再開時間を次回ビーコン再開時間情報に設定し、無線LAN端末50に通知する。無線LAN端末50は、次回ビーコン再開時間情報を無線LAN通信装置30_1から受信することで、無線通信部31が停止している間、無駄な無線LAN通信装置30_1の検索処理を行わない。本実施の形態では、無線LAN通信装置30_1の他に帰属可能な無線LAN通信装置30_2が存在する場合、無線LAN端末50は、所定時間が経過するまで、帰属可能な無線LAN通信装置30_2の検索処理を実行する。すなわち、本実施の形態では、無線LAN端末50は、無線LAN通信装置30_1が停止している間は無駄な無線LAN通信装置30_1の検索処理を抑制しつつ、所定時間が経過するまで帰属可能な無線LAN通信装置30_2の検索処理を行う。したがって、実施の形態3にかかる無線LANシステム300によれば、無線LAN端末50が効率的に帰属可能な無線LAN通信装置30_1又は30_2を検索できる。
【0088】
また、無線LAN端末50は、無線LAN通信装置30_1から通知された再開時間のうち所定時間を、帰属可能な無線LAN通信装置30_2のビーコン信号の検索に使う。そのため、本実施の形態によれば、無線LAN端末50は、帰属解除された無線LAN通信装置30_1以外の帰属可能な無線LAN通信装置30_2への帰属を早めることができる。したがって、実施の形態3にかかる無線LANシステム300によれば、通信ができない時間を短くすることができるため、ユーザ利便性の高い通信を提供することができる。
【0089】
さらに、無線LAN端末50は、無線LAN通信装置30_2の検出ができない場合、所定時間が経過してから再開時間が経過するまで無線通信部41を停止するので、消費電力を抑制できる。したがって、実施の形態3にかかる無線LANシステム300によれば、無線LAN端末50の消費電力を抑制できる。
【0090】
(他の実施の形態)
上述した実施の形態において説明した無線LAN通信装置10、30、30_1、30_2、及び無線LAN端末20、40、50(以下、無線LAN通信装置10等と称する)は、次のようなハードウェア構成を有していてもよい。
図10は、本開示の各実施の形態にかかる無線LAN通信装置等を実現可能な、コンピュータ(情報処理装置)のハードウェア構成を例示するブロック図である。
【0091】
図10を参照すると、無線LAN通信装置10等は、複数のアンテナ1201-1~1201-N、ネットワーク・インターフェース1202、プロセッサ1203及びメモリ1204を含む。複数のアンテナ1201-1~1201-N及びネットワーク・インターフェース1202は、無線LAN通信装置及び無線LAN端末と通信するために使用される。ネットワーク・インターフェース1202は、例えば、IEEE 802.11 series、IEEE 802.3 series等に準拠したネットワークインターフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0092】
プロセッサ1203は、メモリ1204からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてフローチャートを用いて説明された無線LAN通信装置10等の処理を行う。プロセッサ1203は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサ1203は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0093】
メモリ1204は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1204は、プロセッサ1203から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1203は、図示されていないI/Oインターフェースを介してメモリ1204にアクセスしてもよい。
【0094】
図10の例では、メモリ1204は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1203は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ1204から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明された無線LAN通信装置10等の処理を行うことができる。
【0095】
図10を用いて説明したように、無線LAN通信装置10等が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1または複数のプログラムを実行する。
【0096】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/Wを含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、半導体メモリを含む。半導体メモリは、例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0097】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施の形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0098】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
第1無線LAN通信装置と、無線LAN端末とを備え、
前記第1無線LAN通信装置は、
自装置が備える第1無線通信部が停止されるイベントを検出し、前記第1無線通信部が停止されるイベントを検出した場合、前記第1無線通信部が停止される時間を示す再開時間に関する再開時間情報を含み、前記無線LAN端末に帰属解除を要求する帰属解除要求を送信し、
前記無線LAN端末は、
前記帰属解除要求を受信し、前記帰属解除要求に含まれる前記再開時間情報に基づいて、前記第1無線LAN通信装置の検索処理を実行する、無線LANシステム。
(付記2)
前記無線LAN端末は、前記帰属解除要求の受信から前記再開時間が経過した後に前記第1無線LAN通信装置の検索処理を実行する、付記1に記載の無線LANシステム。
(付記3)
前記無線LAN端末は、前記帰属解除要求の受信から前記再開時間が経過するまで、自装置が備える第2無線通信部を停止する、付記1又は2に記載の無線LANシステム。
(付記4)
前記無線LANシステムは、前記無線LAN端末が帰属可能な第2無線LAN通信装置を含み、
前記無線LAN端末は、前記帰属解除要求の受信から、前記再開時間のうち、所定時間が経過するまで、前記第2無線LAN通信装置の検索処理を実行する、付記1に記載の無線LANシステム。
(付記5)
前記無線LAN端末は、前記帰属解除要求の受信から前記所定時間が経過するまでに前記第2無線LAN通信装置を検出しない場合、前記帰属解除要求の受信から前記再開時間が経過した後に、前記第1無線LAN通信装置の検索処理を実行する、付記4に記載の無線LANシステム。
(付記6)
前記無線LAN端末は、前記帰属解除要求の受信から所定時間が経過するまでに前記第2無線LAN通信装置を検出しない場合、前記所定時間の経過後、前記再開時間が経過するまで、自装置が備える第2無線通信部を停止する、付記4又は5に記載の無線LANシステム。
(付記7)
前記第1無線LAN通信装置は、自装置が再起動される場合、自装置の設定変更により前記第1無線通信部が停止される場合、及びDFS(Dynamic Frequency Selection)機能により前記第1無線通信部が停止される場合のいずれかを満たす場合、前記イベントを検出する、付記1~6のいずれか1項に記載の無線LANシステム。
(付記8)
前記帰属解除要求は、ディオーセンティケーションフレームである、付記1~7のいずれか1項に記載の無線LANシステム。
(付記9)
無線LAN端末と無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記無線通信部が停止されるイベントを検出し、
前記イベントを検出した場合、前記無線通信部が停止される時間を示す再開時間に関する再開時間情報を含み、前記無線LAN端末に帰属解除を要求する帰属解除要求を前記無線LAN端末に送信する、無線LAN通信装置。
(付記10)
無線LAN通信装置と無線通信を行う無線通信部と、
前記無線通信部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
無線LAN通信装置から帰属解除を要求する帰属解除要求を受信し、
前記帰属解除要求に含まれる前記無線LAN通信装置の無線通信部が停止される時間を示す再開時間に関する再開時間情報に基づいて、前記無線LAN通信装置の検索処理を実行する、無線LAN端末。
(付記11)
自装置の無線通信部が停止されるイベントを検出することと、
前記イベントを検出した場合、前記無線通信部が停止される時間を示す再開時間に関する再開時間情報を含み、無線LAN端末に帰属解除を要求する帰属解除要求を前記無線LAN端末に送信することと、を含む無線通信制御方法。
(付記12)
無線LAN通信装置から帰属解除を要求する帰属解除要求を受信することと、
前記帰属解除要求に含まれる、前記無線LAN通信装置の無線通信部が停止される時間を示す再開時間に関する再開時間情報に基づいて、前記無線LAN通信装置の検索処理を実行することと、を含む無線通信制御方法。
(付記13)
自装置の無線通信部が停止されるイベントを検出することと、
前記イベントを検出した場合、前記無線通信部が停止される時間を示す再開時間に関する再開時間情報を含み、無線LAN端末に帰属解除を要求する帰属解除要求を前記無線LAN端末に送信することと、をコンピュータに実行させる無線通信制御プログラム。
(付記14)
無線LAN通信装置から帰属解除を要求する帰属解除要求を受信することと、
前記帰属解除要求に含まれる、前記無線LAN通信装置の無線通信部が停止される時間を示す再開時間に関する再開時間情報に基づいて、前記無線LAN通信装置の検索処理を実行することと、をコンピュータに実行させる無線通信制御プログラム。
【符号の説明】
【0099】
100、200 無線LANシステム
10、30、30_1、30_2 無線LAN通信装置
11、21、31、41 無線通信部
12、22、33、42、52 制御部
20、40、50 無線LAN端末
32 有線通信部
34、43 記憶部
45 PC
341 次回ビーコン再開時間情報記憶領域
431 帰属先SSID情報記憶領域
432 帰属先SSIDビーコン再開情報記憶領域