(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】オリゴホスファゼン化合物及びその調製方法と使用
(51)【国際特許分類】
C07F 9/6593 20060101AFI20220621BHJP
C08G 65/10 20060101ALI20220621BHJP
C08G 63/87 20060101ALI20220621BHJP
C08G 64/30 20060101ALI20220621BHJP
C08G 69/20 20060101ALI20220621BHJP
C08G 2/06 20060101ALI20220621BHJP
C08F 4/00 20060101ALI20220621BHJP
C08G 77/08 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
C07F9/6593 CSP
C08G65/10
C08G63/87
C08G64/30
C08G69/20
C08G2/06
C08F4/00
C08G77/08
(21)【出願番号】P 2019555531
(86)(22)【出願日】2017-10-17
(86)【国際出願番号】 CN2017106571
(87)【国際公開番号】W WO2018121005
(87)【国際公開日】2018-07-05
【審査請求日】2019-06-25
(31)【優先権主張番号】201611219031.1
(32)【優先日】2016-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201611218507.X
(32)【優先日】2016-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519230640
【氏名又は名称】青島科技大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】李志波
(72)【発明者】
【氏名】趙▲な▼
(72)【発明者】
【氏名】任伝利
(72)【発明者】
【氏名】付小会
(72)【発明者】
【氏名】劉紹峰
【審査官】小路 杏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03475394(US,A)
【文献】特開2002-265614(JP,A)
【文献】国際公開第2014/136758(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/116202(WO,A1)
【文献】特表昭60-500715(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105237759(CN,A)
【文献】英国特許出願公告第01115558(GB,A)
【文献】特公昭44-001235(JP,B1)
【文献】米国特許第03711542(US,A)
【文献】中国特許出願公開第104650147(CN,A)
【文献】BIDDLESTONE,M. et al.,Phosphorus-nitrogen compounds. Part 47. Conformations and phosphorus-phosphorus spin-spin coupling constants in phosphazenylcyclophosphazenes,Phosphorus and Sulfur and the Related Elements,1985年,Vol.25, No.1,p.25-31
【文献】DAHMANN,D. et al.,Darstellung und Struktur von Phosphazenylcyclophosphazenen,Zeitschrift fur Naturforschung, Teil B: Anorganische Chemie, Organische Chemie,1980年,vol.35B, No.8,p.964-969
【文献】DAHMANN,D. et al.,Phosphazenylcyclophosphazene syntheses using silylmonophosphazenes,Zeitschrift fur Naturforschung, Teil B: Anorganische Chemie, Organische Chemie,1977年,Vol.32B, No.2,p.236-237
【文献】VELDBOER,K. et al.,Cyclic Phosphazenes for the Surface Modification of Lanthanide Phosphate-based Nanoparticles,Zeitschrift fuer Anorganische und Allgemeine Chemie,2008年,Vol.634,p.2175-2180
【文献】BECKE-GOEHRING,M. et al.,Reaktionen von nucleophilen Reagentien mit trimerem Phosphornitrilchlorid,Zeitschrift fur Anorganische und Allgemeine Chemie,1959年,Vol.302,p.103-120
【文献】EVANS,T.L. et al.,The partial aminolysis of (NPF2)3,4,Inorganic Chemistry,1979年,Vol.18, No.9,p.2342-2344
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F
C08G
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物であって、
【化1】
【化2】
の少なくとも一つで表される化合物又はその溶媒和物である、
ことを特徴とする化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物を調製する方法であって、
(a)五塩化リンを、式Xで表される化合物とアンモニアガスと接触させることにより、式1で表される化合物を得るステップと、
(b)下記式1で表される化合物を塩基と接触させることにより、式2で表される化合物を得るステップと、
(c)下
記式2で表される化合物を、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン又はオクタクロロシクロテトラホスファゼンと接触させることにより、請求項1に記載の化合物を得るステップとを含み、
【化3】
【化4】
ここで、Rは、メチル、エチル、シクロヘキシル、フェニルであり、又はRは、隣接するN原子と
【化5】
を形成する、
ことを特徴とする方法。
【請求項3】
ステップ(a)において、前記接触は、第一無水溶媒で行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(a)において、窒素ガス雰囲気で、前記第一無水溶媒の中の五塩化リンを、式Xで表される化合物と接触させ、1~6時間反応させることにより、中間体を得るステップと、
前記中間体を、アンモニアガスと更に1~6時間接触させ、濾過処理を行い、第一ろ液を得、前記第一ろ液から溶媒を留去することにより、式1で表される化合物を得るステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(a)において、前記第一無水溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン及びテトラヒドロフランから選ばれる少なくとも一つを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(a)において、前記五塩化リンと前記式Xで表される化合物は、1:(3~10)のモル比で前記接触を行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(b)において、前記塩基が水酸化ナトリウム又はその水溶液である、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(c)において、酸結合剤の存在で第二無水溶媒の中
で前記式2で表される化合物を、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン又はオクタクロロシクロテトラホスファゼンと接触させるステップを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記第二無水溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン及びテトラヒドロフランから選ばれる少なくとも一つを含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ヘキサクロロシクロトリホスファゼン又は前記オクタクロロシクロテトラホスファゼンと、前記式2で表される化合物と、前記酸結合剤のモル比は、1:(1~8):(1~8)である、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記酸結合剤は、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選ばれる少なくとも一つを含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(c)において、前記接触は、40~150℃で3~18時間行って完成される、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項13】
窒素ガス雰囲気で、五塩化リンを無水ジクロロメタンに加え、-80~0℃で、無水ジクロロメタンに式Xで表される化合物を加え、1~6時間反応させることにより、中間体を得るステップと、
-80~0℃で、前記中間体へアンモニアガスを連続1~6時間通気し、濾過処理を行い、第一ろ液を得、前記第一ろ液から溶媒を留去することにより、式1で表される化合物を得るステップと、
式1で表される化合物と50wt%水酸化ナトリウムの水溶液とを混合して1~5時間反応させ、その後、濾過処理を行い、第二ろ液を得、前記第二ろ液から溶媒を留去することにより、式2で表される化合物を得るステップと、
窒素ガス雰囲気で、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン又はオクタクロロシクロテトラホスファゼンと
、式2で表される化合物と、トリエチルアミンとを混合し、無水トルエンで3~18時間還流反応させ、その後、濾過処理を行い、第三ろ液を得、前記第三ろ液から溶媒を留去することにより、前記化合物を得るステップとを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項14】
触媒としての請求項1に記載の化合物の重合反応での使用。
【請求項15】
ポリマーを調製する方法であって、請求項1に記載の化合物を触媒として用いる、
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記触媒を少なくとも一種類のモノマーと接触させることにより、前記ポリマーを得るステップを含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記モノマーは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン、1,2-ブチレンオキシド、グリコリド、ラクチド、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン、β-ラクタム、メチル置換β-ラクタム、ブチロラクタム、カプロラクタム、トリメチレンシクロカーボネート、2,2-ジメチルトリメチレンシクロカーボネート、1,3-ジオキサン-2-ケトン、トリオキシン、五員環の環状ホスフェート、六員環の環状ホスフェート、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、アクリルアミド、メチル置換アクリルアミド、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル又はN-カルボキシル-α-アミノ酸無水物を含む、
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記接触は、開始剤の存在で無水溶媒の中で行う、
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記開始剤は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、t-ブタノール、エチレングリコール、グリセロール、コレステロール、フェノール、ベンジルアルコール、n-酪酸、n-ペンタン酸、n-ヘキサン酸、n-ヘプタン酸、n-オクタン酸、n-デカン酸、ラウリン酸、テトラデカン酸、パルミチン酸、トリエチルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリヘキシルアミン、ベンズアミド、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール及びポリテトラヒドロフランジオールから選ばれる少なくとも一つを含む、
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記触媒と、前記開始剤と、前記モノマーのモル比は、1:(0~200):(50~100000)である、
ことを特徴とする請求項18又は19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機化学分野に関し、具体的に、本発明は、環状オリゴホスファゼン化合物及びその調製方法と用途に関する。
【背景技術】
【0002】
ホスファゼンは、ホスホニトリルとも呼ばれ、リン-窒素(P=N)二重結合を含有する非極性強塩基性化合物の一タイプであり、有機触媒反応に広く用いられる。
【0003】
ホスファゼン類化合物について数年間研究しているものの、現在、一般的なホスファゼン化合物触媒の種類が有限であり、合成方法が複雑であり、コストが高く、大規模な生産での応用に不利である。したがって、鋭意検討により低価で入手しやすい新規なホスファゼン触媒をできるだけ速く開発して、普及・応用すると、必ず大きな経済的及び社会的利益を生み出す。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、少なくともある程度で従来技術における一つの技術的課題を解決することである。そのため、本発明の一つの目的は、環状オリゴホスファゼン化合物及びその調製方法と用途を提出することにある。本発明に係る環状オリゴホスファゼン化合物は、構造が新しく、安定性がよく、保管及び搬送が容易であり、且つ重金属元素を含まなく、グリーン環境保護の製品である。
【0005】
本発明の第一形態において、本発明は一種の化合物を提出する。本発明の実施例によれば、前記化合物は、式(I)で表される化合物又はその溶媒和物であり、
【化1】
ここで、
Aは、
【化2】
からなる六員環又は八員環であり、
Bは、少なくとも一つの、置換されてもよいC
1-6アルキルアミノ基、置換されてもよいC
1-6シクロアルキルアミノ基、置換されてもよいアリールアミノ基、
【化3】
又はハロゲンであり、かつBは、AにおけるP原子に結合し、
Rは、置換されてもよいC
1-6アルキル、置換されてもよいC
1-6シクロアルキル、置換されてもよいアリール、置換されてもよいベンジルであり、又はRは、隣接するN原子とC
1-6ヘテロシクロアルキルを形成する。
【0006】
本発明の実施例によれば、当該化合物分子は、対称性が高く、安定性がよく、保管及び搬送が容易であり、且つ重金属元素を含まなく、グリーン環境保護の製品である。
【0007】
本発明の一部の実施例において、Bは、少なくとも一つの
【化4】
又はClであり、
Rは、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジルであり、又はRは、隣接するN原子と
【化5】
を形成する。
【0008】
本発明の一部の実施例において、前記化合物は、
【化6】
【化7】
の少なくとも一つで表される化合物又はその溶媒和物である。
【0009】
本発明の第二形態において、本発明は、本発明の上述実施例に係る化合物を調製する方法を提出する。本発明の実施例によれば、当該方法は、
(a)五塩化リンを、式Xで表される化合物とアンモニアガスと接触させることにより、式1で表される化合物を得るステップと、
(b)前記式1で表される化合物を塩基と接触させることにより、式2で表される化合物を得るステップと、
(c)下記式Xで表される化合物又は式2で表される化合物と、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン又はオクタクロロシクロテトラホスファゼンと接触させることにより、上述実施例に係る化合物を得るステップとを含み、
【化8】
ここで、Rが上述のとおりである。
【0010】
本発明の実施例によれば、本発明の上述実施例に係る化合物を調製する方法に用いられる原料は、入手しやすく、コストが低く、且つ調製方法が簡単である。
【0011】
本発明の一部の実施例において、ステップ(a)において、前記接触は、第一無水溶媒で行う。
【0012】
本発明の一部の実施例において、ステップ(a)において、前記第一無水溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン及びテトラヒドロフランから選ばれる少なくとも一つを含み、ジクロロメタンが好ましい。
【0013】
本発明の一部の実施例において、ステップ(a)において、前記接触は、-80~0℃で1~6時間行って完成された。
【0014】
本発明の一部の実施例において、ステップ(a)において、前記五塩化リンと前記式Xで表される化合物は、1:(3~10)のモル比で前記接触を行う。
【0015】
本発明の一部の実施例において、ステップ(b)において、前記塩基は、水酸化ナトリウムである。
【0016】
本発明の一部の実施例において、ステップ(b)において、前記塩基は、濃度が20~70wt%である水酸化ナトリウムの水溶液であり、好ましくは、50wt%の水酸化ナトリウムの水溶液である。
【0017】
本発明の一部の実施例において、ステップ(c)において、前記接触は、酸結合剤の存在で第二無水溶媒の中で行う。
【0018】
本発明の一部の実施例において、ステップ(c)において、前記第二無水溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン及びテトラヒドロフランから選ばれる少なくとも一つを含み、トルエンが好ましい。
【0019】
本発明の一部の実施例において、ステップ(c)において、前記ヘキサクロロシクロトリホスファゼン又は前記オクタクロロシクロテトラホスファゼンと、前記式2で表される化合物と、前記酸結合剤のモル比は、1:(1~8):(1~8)である。
【0020】
本発明の一部の実施例において、ステップ(c)において、前記酸結合剤は、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選ばれる少なくとも一つを含み、トリエチルアミンが好ましい。
【0021】
本発明の一部の実施例において、ステップ(c)において、前記接触は、40~150℃で3~18時間行って完成される。
【0022】
本発明の第三形態において、本発明は、本発明の上述実施例に係る化合物を調製する方法を提出する。本発明の実施例によれば、当該方法は、
窒素ガス雰囲気で、五塩化リンを無水ジクロロメタンに加え、-80~0℃で、無水ジクロロメタンに式Xで表される化合物を加え、1~6時間反応させることにより、中間体を得るステップと、
-80~0℃で、前記中間体へアンモニアガスを連続1~6時間通気し、濾過処理を行い、第一ろ液を得、前記第一ろ液から溶媒を留去することにより、式1で表される化合物を得るステップと、
前記式1で表される化合物と50wt%水酸化ナトリウムの水溶液とを混合して1~5時間反応させ、その後、濾過処理を行い、第二ろ液を得、前記第二ろ液から溶媒を留去することにより、式2で表される化合物を得るステップと、
窒素ガス雰囲気で、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン又はオクタクロロシクロテトラホスファゼンと、下記式Xで表される化合物又は下記式2で表される化合物と、トリエチルアミンとを混合し、無水トルエンで3~18時間還流反応させ、その後、濾過処理を行い、第三ろ液を得、前記第三ろ液から溶媒を留去することにより、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の化合物を得るステップと、を含み、
【化9】
ここで、Rが上述のとおりである。
【0023】
本発明の実施例によれば、本発明の上述実施例に係る化合物を調製する方法に用いられる原料は、入手しやすく、コストが低く、且つ調製方法が簡単である。
【0024】
本発明の第四形態において、本発明は、触媒としての本発明の上述実施例に係る化合物の重合反応での用途を提出する。本発明の実施例によれば、本発明の上述実施例に係る化合物は、触媒として、エステル類共重合体、エーテル類共重合体及びポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート共重合体の調製に用いられることができ、調製されたポリマー製品は、構造が調整しやすく、種類が豊富であり、また、製品には重金属元素を含まなく、触媒が少なく残留し、生体適合性がよく、応用範囲が広く、付加価値が高い。
【0025】
本発明の第五形態において、本発明は、ポリマーを調製する方法を提出する。当該方法は、本発明の上述実施例に係る化合物を触媒として用いる。
【0026】
本発明の実施例によれば、当該方法は、前記触媒を少なくとも一種類のモノマーと接触させることにより、前記ポリマーを得るステップを含む。
【0027】
本発明の実施例によれば、当該方法により調製されたポリマー製品は、構造が調整しやすく、種類が豊富であり、また、製品には重金属元素を含まなく、触媒が少なく残留し、生体適合性がよく、応用範囲が広く、付加価値が高い。
【0028】
本発明の一部の実施例において、前記モノマーは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン、1,2-ブチレンオキシド、グリコリド、ラクチド、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン、β-ラクタム、メチル置換β-ラクタム、ブチロラクタム、カプロラクタム、トリメチレンシクロカーボネート、2,2-ジメチルトリメチレンシクロカーボネート、1,3-ジオキサン-2-ケトン、トリオキシン、五員環の環状ホスフェート、六員環の環状ホスフェート、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、アクリルアミド、メチル置換アクリルアミド、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル又はN-カルボキシル-α-アミノ酸無水物を含む。
【0029】
本発明の一部の実施例において、前記接触は、開始剤の存在で無水溶媒のなかで行う。これにより、調製ポリマーの収率を顕著に向上させることができる。
【0030】
本発明の一部の実施例において、前記開始剤は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、t-ブタノール、エチレングリコール、グリセロール、コレステロール、フェノール、ベンジルアルコール、n-酪酸、n-ペンタン酸、n-ヘキサン酸、n-ヘプタン酸、n-オクタン酸、n-デカン酸、ラウリン酸、テトラデカン酸、パルミチン酸、トリエチルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリヘキシルアミン、ベンズアミド、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール及びポリテトラヒドロフランジオールから選択される少なくとも一つを含む。これにより、調製ポリマーの効率を顕著に向上させることができる。
【0031】
本発明の一部の実施例において、前記無水溶媒は、ベンゼン、トルエン、n-ヘキサン、テトラヒドロフラン及びジクロロメタンから選択される少なくとも一つを含み、トルエンが好ましい。これにより、調製化合物の収率を更に向上させることができる。
【0032】
本発明の一部の実施例において、前記触媒と、前記開始剤と、前記モノマーのモル比は、1:(0~200):(50~100000)であり、好ましくは1:(1~10):(100~2000)である。これにより、調製化合物の収率を更に向上させることができる。
【0033】
本発明の一部の実施例において、前記接触は、-40~150℃で0.1~72時間行って完成され、好ましくは20~100℃で0.5~48時間行って完成される。これにより、調製化合物の収率を更に向上させることができる。
【0034】
本発明の付加的な特徴及び利点は、以下の説明において部分的に示され、一部は以下の説明から明らかになるか、または、本発明の実施により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図面は、本発明を更に理解するためのものであり、明細書の一部を構成し、以下の具体的な実施形態とともに本発明を説明するが、本発明を限定するものではない。図面の中で、
【
図1】本発明の一実施例に係るトリ(ジメチルアミン)ホスファゼンの1H-NMRスペクトルである。
【
図2】本発明の一実施例に係るトリ(ジメチルアミン)ホスファゼンの13C-NMRスペクトルである。
【
図3】本発明の一実施例に係るトリ(ジメチルアミン)ホスファゼンの31P-NMRスペクトルである。
【
図4】本発明の一実施例に係るヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンの1H-NMRスペクトルである。
【
図5】本発明の一実施例に係るヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンの13C-NMRスペクトルである。
【
図6】本発明の一実施例に係るヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンの31P-NMRスペクトルである。
【
図7】本発明の一実施例に係るトリ(ジメチルアミン)ホスファゼンの高分解能マススペクトルである。
【
図8】本発明の一実施例に係るヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンの高分解能マススペクトルである。
【
図9】実施例20で調製されたポリプロピレンオキシドのゲルパーミエーションクロマトグラフィーのクロマトグラムである。
【
図10】実施例26で調製されたポリカプロラクトンのゲルパーミエーションクロマトグラフィーのクロマトグラムである。
【
図11】実施例28で調製されたポリジメチルシロキサンのゲルパーミエーションクロマトグラフィーのクロマトグラムである。
【
図12】実施例30で調製されたプロピレンオキシド-カプロラクトン共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのクロマトグラムである。
【
図13】実施例62で調製されたポリL-グルタミン酸-γ-ベンジルエステルのゲルパーミエーションクロマトグラフィーのクロマトグラムである。
【
図14】実施例66で調製されたポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジンのゲルパーミエーションクロマトグラフィーのクロマトグラムである。
【
図15】実施例68で調製されたポリL-グルタミン酸-γ-ベンジルエステルのゲルパーミエーションクロマトグラフィーのクロマトグラムである。
【
図16】実施例73で調製されたグルタミン酸とサルコシン共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのクロマトグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。以下に説明される実施例は例示的なものであり、本発明を解釈するためだけに用いられ、本発明を限定するものとして理解されてはならない。実施例で具体的な技術又は条件が記載されない場合に、本分野での文献に記載された技術又は条件により行い、又は製品指示書により行う。使用される試薬又は機器は、メーカーが記載されない場合に、何れも市販品として入手できる一般的な製品である。
【0037】
なお、本発明の説明において、「第一」、「第二」の用語は目的を説明するためだけに用いられるものであり、比較的な重要性を指示又は暗示するか、或いは示された技術的特徴の数を黙示的に指示すると理解してはいけない。そこで、「第一」、「第二」が限定されている特徴は少なくとも一つの前記特徴を含むことを明示又は暗示するものである。
【0038】
定義及び一般用語
以下、本発明のある実施形態を詳細に説明するが、その例は、付随する構造式及び化学式により説明される。本発明は、特許請求の範囲により規定される本発明の範囲内に含まれるすべての代替、修正及び等価の技術案をカバーすることを意図している。当業者は、本明細書に記載されたものと類似するか、等価の多くの方法及び材料は、本発明の実施に使用することができることを認識すべきである。本発明は、本明細書に記載された方法及び材料に限定されるものでは決してない。組み込まれた文献、特許及び類似した資料の1つ以上が、本出願と異なるか、矛盾する場合(定義された用語、用語の使用、説明された技術等を含んでいるが、これらに限定されない。)、本出願を基準とする。
【0039】
さらに、本発明のある特徴は、明確さのために、複数の独立の実施形態で説明されているが、単一の実施形態において組合せで提供されることもができることに認識すべきである。反対に、本発明の種々の特徴は、簡便さのために、単一の実施形態で説明されているが、単独又はいずれの好適なサブコンビネーションにて提供されてもよい。
【0040】
本明細書において用いられる冠詞「一つの(a)」、「一つの(an)」、及び「前記(the)」は、別段の指示がない限り、又は文脈に明らかな衝突が存在しない限り、「少なくとも一つ」又は「一つ又は二つ以上」を含むことを意味している。それゆえ、本明細書において用いられるこれらの冠詞は、一つ又は二つ以上(すなわち、少なくとも一つ)のオブジェクトの冠詞を意味する。例えば、「一種の成分」は1種又は2種以上の成分を指し、即ち、2種以上の成分が前記実施形態の実施例で採用されるか使用されることが考えられる。
【0041】
用語「含む」は、開放式の表現であり、本発明で示された内容を含むが、他の方面の内容を排除することではない。
【0042】
本発明で説明したように、本発明の化合物は、上記のような一般式で表される化合物、又は実施例における特定の例、サブクラス、及び本発明に含まられる一タイプの化合物により例示されるように、1つ以上の置換基で任意に選択して置換されていてもよい。
【0043】
一般的に、用語「置換され」は、示された構造式中の1つ以上の水素基が具体的な置換基に置き換えることをいう。別段の指示がない限り、置換されている基は、当該基の各置換可能な位置に置換基を有し得る。示された構造式中の2つ以上の位置が、具体的な置換基の群から選ばれた2つ以上の置換基で置換されるとき、各置換可能な位置に置換されている置換基は、同じでも異なってもよい。
【0044】
本明細書の各部分において、本発明に開示された化合物の置換基は、基の種類又は範囲にしたがって開示されている。本発明は、かかる基の種類及び範囲における様々なメンバーの個々の独立したサブコンビネーションを含むことが具体的に意図されている。例えば、用語「C1-6アルキル」は、個々に開示されたメチル、エチル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、及びC6アルキルを具体的に意図している。
【0045】
本発明の各部分において、連結置換基が記載されている。当該構造が明らかに連結基を必要とする場合、当該基のために列挙されたマーカッシュの被選択要素は、連結基であるものと理解される。例えば、構造が連結基を必要とし、当該被選択要素のためのマーカッシュグループの定義が「アルキル」又は「アリール」を列挙している場合、その「アルキル」又は「アリール」は、それぞれ、連結されるアルキレン基又はアリーレン基を表すものと理解される。
【0046】
本発明に用いられる用語「アルキル」又は「アルキル基」は、飽和直鎖若しくは分枝鎖の一価炭化水素基をいい、ここで、前記アルキル基は、本明細書に記載された1つ以上の置換基で置換されていてもよい。別段の指示がない限り、アルキル基は、1個~20個の炭素原子を含有する。一実施形態において、アルキル基は、1個~12個の炭素原子を含有する。他の実施形態において、アルキル基は、3個~12個の炭素原子を含有する。他の実施形態において、アルキル基は、1個~6個の炭素原子を含有する。さらに他の実施形態において、アルキル基は、1個~4個の炭素原子を含有する。
【0047】
アルキル基の幾つかの非限定的な例は、メチル(Me、-CH3)、エチル(Et、-CH2CH3)、n-プロピル(n-Pr、-CH2CH2CH3)、イソプロピル(i-Pr、-CH(CH3)2)、n-ブチル(n-Bu、-CH2CH2CH2CH3)、i-ブチル(i-Bu、-CH2CH(CH3)2)、s-ブチル(s-Bu、-CH(CH3)CH2CH3)、t-ブチル(t-Bu、-C(CH3)3)、n-アミル(-CH2CH2CH2CH2CH3)、2-アミル(-CH(CH3)CH2CH2CH3)、3-アミル(-CH(CH2CH3)2)、2-メチル-2-ブチル(-C(CH3)2CH2CH3)、3-メチル-2-ブチル(-CH(CH3)CH(CH3)2)、3-メチル-1-ブチル(-CH2CH2CH(CH3)2)、2-メチル-1-ブチル(-CH2CH(CH3)CH2CH3)、n-ヘキシル(-CH2CH2CH2CH2CH2CH3)、2-ヘキシル(-CH(CH3)CH2CH2CH2CH3)、3-ヘキシル(-CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3))、2-メチル-2-アミル(-C(CH3)2CH2CH2CH3)、3-メチル-2-アミル(-CH(CH3)CH(CH3)CH2CH3)、4-メチル-2-アミル(-CH(CH3)CH2CH(CH3)2)、3-メチル-3-アミル(-C(CH3)(CH2CH3)2)、2-メチル-3-アミル(-CH(CH2CH3)CH(CH3)2)、2,3-ジメチル-2-ブチル(-C(CH3)2CH(CH3)2)、3,3-ジメチル-2-ブチル(-CH(CH3)C(CH3)3)、n-ヘプチル、n-オクチル等を含む。
【0048】
用語「ハロゲン」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)又はヨウ素(I)をいう。
【0049】
用語「アリール」は、6個~14個の環原子、又は6個~12個の環原子、又は6個~10個の環原子を有する単環、二環又は三環の炭素環系をいい、ここで、少なくとも一つの環が芳香族のものであり、一つ又は複数の付着点は、分子の他の部分に接続される。用語「アリール」は用語「芳香環」と交換して使用してもよい。一実施形態において、アリールは、6個~10個環原子からなり、少なくとも一つの芳香環を含む炭素環系である。アリール基の例は、フェニル、ナフチル及びアントリルを含むことができる。ここで、前記アリール基は、独立的に本発明に記載の一つ又は複数の置換基で置換されてもよい。
【0050】
用語「アルキルアミノ基」は、「N-アルキルアミノ基」及び「N,N-ジアルキルアミノ基」を含み、ここで、アミノ基は、それぞれ独立的に、1つ又は2つのアルキル基で置換されており、前記アルキル基は、本明細書で定義したとおりである。幾つかの実施形態において、アルキルアミノ基は、1つ又は2つのC1-6アルキル基が窒素原子に結合した低級アルキルアミノ基である。他の実施形態において、アルキルアミノ基は、1つ又は2つのC1-4低級アルキル基が窒素原子に結合したアリールアミノ基である。好適なアルキルアミノ基は、モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基であってもよい。このような例は、N-メチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基等を含むが、これらに限定されない。
【0051】
用語「アリールアミノ基」は、「N-アリールアミノ基」及び「N,N-ジアリールアミノ基」を含み、ここで、アミノ基は、それぞれ独立的に、1つ又は2つのアリール基で置換されており、前記アリールは、本明細書で定義したとおりである。幾つかの実施形態において、アリールアミノ基は、1つ又は2つのC1-6アリール基が窒素原子に結合した低級アリールアミノ基である。好適なアリールアミノ基は、モノアリールアミノ基又はジアリールアミノ基であってもよい。このような例は、N-フェニルアミノ基、N,N-二フェニルアミノ基、N,N-ジナフチルアミノ基等を含むが、これらに限定されない。
【0052】
本発明における「溶媒和物」は、1つ以上の溶媒分子と本明細書の化合物との会合体をいう。溶媒和物を生成する溶媒は、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、酢酸及びエタノールアミンを含むが、これらに限定されない。用語「水和物」とは、溶媒分子が水である複合物をいう。
【0053】
前記溶媒が水である場合に、用語「水和物」を使用してもよい。一部の実施例で、本発明に係る一つの化合物分子は、一つの水分子と結合されてもよく、例えば一水和物になり、他の一部の実施例で、本発明に係る一つの化合物分子は、2以上の水分子と結合されてもよく、例えば二水和物になり、更なる一部の実施例で、本発明に係る一つの化合物分子は、一つ未満の水分子と結合されてもよく、例えば、半水和物になる。本発明に記載の水和物には非水和物である前記化合物のバイオアベイラビリティが保留されることに注意すべきである。
【0054】
本発明の第一形態において、本発明は一種の化合物を提出する。本発明の実施例によれば、前記化合物は、式(I)で表される化合物又はその溶媒和物であり、
【化10】
ここで、
Aは、
【化11】
からなる六員環又は八員環であり、
Bは、少なくとも一つの、置換されてもよいC
1-6アルキルアミノ基、置換されてもよいC
1-6シクロアルキルアミノ基、置換されてもよいアリールアミノ基、
【化12】
又はハロゲンであり、かつBは、AにおけるP原子に結合し、
Rは、置換されてもよいC
1-6アルキル、置換されてもよいC
1-6シクロアルキル、置換されてもよいアリール、置換されてもよいベンジルであり、又はRは、隣接するN原子とC
1-6ヘテロシクロアルキルを形成する。
【0055】
本発明の一部の実施例において、Bは、少なくとも一つの
【化13】
又はClであり、
Rは、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジルであり、又はRは、隣接するN原子と
【化14】
を形成する。
【0056】
本発明の一部の実施例において、前記化合物は、
【化15】
【化16】
の少なくとも一つで表される化合物又はその溶媒和物である。
【0057】
本発明の実施例によれば、当該化合物分子は、対称性が高く、安定性がよく、保管及び搬送が容易になり、且つ重金属元素を含まなく、グリーン環境保護の製品である。
【0058】
本発明の第二形態において、本発明は、本発明の上述実施例に係る化合物を調製する方法を提出する。本発明の実施例によれば、当該方法は、以下のステップ(a)~ステップ(c)を含む。
【0059】
(a)五塩化リンを、式Xで表される化合物とアンモニアガスと接触させることにより、式1で表される化合物を得る。
【0060】
具体的に、窒素ガス雰囲気で、五塩化リンを第一無水溶媒に懸濁させ、低温浴にセットし、激しい撹拌を保持した。反応系に式Xで表される化合物を連続通気し、系温度を室温まで自然上昇させ、反応を1~6時間続けた。系を再度低温浴にセットし、アンモニアガスを飽和まで通気し、室温までゆっくり上昇させ、アンモニアガスを1~6時間通気し続ける。不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去することにより、式1で表される化合物を得る。
【0061】
本発明の実施例によれば、第一無水溶媒の種類は、特に限定されず、当業者は、必要に応じて選択でき、本発明の具体的な実施例によれば、第一無水溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン及びテトラヒドロフランから選ばれる少なくとも一つを含んでもよく、ジクロロメタンが好ましい。発明者が実験によって発見したように、五塩化リンと式Xで表される化合物は、無水ジクロロメタンでの溶解性がよく、無水ジクロロメタンを用いると、反応物を効果的に、十分に溶解させることができ、これにより、反応効率を向上させる。
【0062】
本発明の具体的な実施例によれば、五塩化リンと式Xで表される化合物は、1:(3~10)のモル比で接触する。発明者が実験によって発見したように、式Xで表される化合物の配合比が低すぎると、五塩化リンにおける塩素原子を効果的に、十分に置換することができず、式1で表される化合物を得ることができない。
【化17】
ここで、Rが上述のとおりである。
【0063】
本発明の具体的な実施例によれば、低温浴の温度は-80~0℃であってもよい。発明者は、反応系の温度が高すぎると、反応が激しくなりすぎ、低温浴の温度を-80~0℃に制御することにより、反応が低温条件でスムーズに行うことが保証できることを発見した。
【0064】
(b)式1で表される化合物を塩基と接触させることにより、式2で表される化合物を得る。
【0065】
具体的に、式1で表される化合物を塩基液に加え、室温で1~5時間反応させる。反応が終了すると、不溶物をろ別し、ろ液を分液し、有機相から溶媒を減圧除去することにより、式2で表される化合物を得る。
【0066】
本発明の具体的な実施例によれば、塩基は、水酸化ナトリウムであってもよい。
【0067】
本発明の具体的な実施例によれば、塩基は、濃度が20~70wt%である水酸化ナトリウムの水溶液であってもよく、好ましくは50wt%の水酸化ナトリウムの水溶液である。これにより、50wt%の水酸化ナトリウムの水溶液により、式1で表される化合物における塩素イオンを効果的に除去し、式1で表される化合物と脱離反応させ、式2で表される化合物を得る。
【化18】
ここで、Rが上述のとおりである。
【0068】
(c)式Xで表される化合物又は式2で表される化合物を、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン又はオクタクロロシクロテトラホスファゼンと接触させることにより、上述実施例に係る化合物を得る。
【0069】
具体的に、窒素ガス雰囲気で、式2で表される化合物と、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン又はオクタクロロシクロテトラホスファゼンと、酸結合剤とを第二無水溶媒に溶解させ、3~18時間還流反応させる。反応した後、五塩化リンにおける塩素原子と酸結合剤より形成された塩酸塩をろ別し、得られたろ液を濃縮することにより、本発明の上述実施例に係る化合物を得る。
【0070】
本発明の実施例によれば、第二無水溶媒の種類は、特に限定されず、当業者は、必要に応じて選択でき、本発明の具体的な実施例によれば、第二無水溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン及びテトラヒドロフランから選ばれる少なくとも一つであってもよく、トルエンが好ましい。発明者が実験によって発見したように、五塩化リンと式Xで表される化合物は、無水クロロベンゼンでの溶解性がよく、無水クロロベンゼンを用いると、反応物を効果的に、十分に溶解させることができ、これにより、反応効率を向上させる。
【0071】
本発明の具体的な実施例によれば、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン又はオクタクロロシクロテトラホスファゼンと、式Xで表される化合物又は式2で表される化合物と、酸結合剤のモル比は、1:(1~8):(1~8)であってもよい。発明者が実験によって発見したように、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン又はオクタクロロシクロテトラホスファゼンと式Xで表される化合物又は式2で表される化合物の仕込み比を変わる(同時に、酸結合剤の仕込み比を対応的に変わる)ことにより、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン又はオクタクロロシクロテトラホスファゼンにおける塩素原子が置換される数を制御することができ、数の異なるホスファゼンで置換された目的の化合物を得ることができる。
【0072】
本発明の実施例によれば、酸結合剤の種類は特に限定されず、当業者は、必要に応じて選択でき、本発明の具体的な実施例によれば、酸結合剤は、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選ばれる少なくとも一つを含んでもよく、トリエチルアミンが好ましい。発明者は、式2で表される化合物とヘキサクロロシクロトリホスファゼン又はオクタクロロシクロテトラホスファゼンとが反応して低分子であるHClを生成しまうため、酸結合剤を加え、酸結合剤とHClとを反応させて酸塩を得ることにより、反応系におけるHClを除去することができることを発見した。本発明の実施例によれば、発明者は、トリエチルアミンを酸結合剤として用いる効果が良好であり、トリエチルアミンとHClが反応して生成されたトリエチルアミン塩酸塩は、有機溶媒での溶解度が非常に低く、濾過により除去しやすいことを発見した。
【0073】
本発明の具体的な実施例によれば、式Xで表される化合物又は式2で表される化合物と、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン又はオクタクロロシクロテトラホスファゼンとは、40~150℃で反応し、これにより、反応の効率を顕著に向上させることができる。
【0074】
これにより、本発明の実施例によれば、当該方法により本発明の上述実施例に係る化合物を効果的に調製して得ることができ、用いられる原料は、入手しやすく、コストが低く、調製方法が簡単である。
【0075】
本発明の第三形態において、本発明は、本発明の上述実施例に係る化合物を調製する方法を提出する。本発明の実施例によれば、当該方法は、
窒素ガス雰囲気で、五塩化リンを無水ジクロロメタンに加え、-80~0℃で、無水ジクロロメタンに式Xで表される化合物を加え、1~6時間反応させることにより、中間体を得るステップと、
-80~0℃で、中間体にアンモニアガスを連続1~6時間通気して、濾過処理を行い、第一ろ液を得、第一ろ液から溶媒を留去することにより、式1で表される化合物を得るステップと、
式1で表される化合物と50wt%水酸化ナトリウムの水溶液とを混合して1~5時間反応させ、その後、濾過処理を行い、第二ろ液を得、第二ろ液から溶媒を留去することにより、式2で表される化合物を得るステップと、
窒素ガス雰囲気で、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン又はオクタクロロシクロテトラホスファゼンと、式Xで表される化合物又は式2で表される化合物と、トリエチルアミンとを混合し、無水トルエンで3~18時間還流反応させ、その後、濾過処理を行い、第三ろ液を得、第三ろ液から溶媒を留去することにより、本発明に係る上述化合物を得るステップと、を含み、
【化19】
ここで、Rが上述のとおりである。
【0076】
これにより、本発明の実施例によれば、当該方法により本発明の上述実施例に係る化合物を効果的に調製して得ることができ、用いられる原料は、入手しやすく、コストが低く、調製方法が簡単である。
【0077】
本発明の第四形態において、本発明は、触媒としての本発明の上述実施例に係る化合物の重合反応での用途を提出する。本発明の実施例によれば、本発明の上述実施例に係る化合物は、触媒としてエステル類共重合体、エーテル類共重合体及びポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート共重合体を調製することができ、調製されたポリマー製品は、構造が調整しやすく、種類が豊富であり、また、製品には重金属元素を含まなく、触媒が少なく残留し、生体適合性がよく、応用範囲が広く、付加価値が高い。
【0078】
本発明の第五形態において、本発明は、ポリマーを調製する方法を提出する。本発明の実施例によれば、当該方法は、触媒を少なくとも一種類のモノマーと接触させることにより、ポリマーを得ることを含み、ここで、触媒は、本発明により提出される化合物である。
【0079】
本発明の実施例によれば、モノマーは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン、1,2-ブチレンオキシド、グリコリド、ラクチド、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン、β-ラクタム、メチル置換β-ラクタム、ブチロラクタム、カプロラクタム、トリメチレンシクロカーボネート、2,2-ジメチルトリメチレンシクロカーボネート、1,3-ジオキサン-2-ケトン、トリオキシン、五員環の環状ホスフェート、六員環の環状ホスフェート、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、アクリルアミド、メチル置換アクリルアミド、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル又はN-カルボキシル-α-アミノ酸無水物を含んでも良い。
【0080】
本発明の実施例によれば、接触は、開始剤の存在で無水溶媒の中で行うことができる。これにより、ポリマーを調製する収率を顕著に向上させることができる。
【0081】
本発明の実施例によれば、開始剤は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、t-ブタノール、エチレングリコール、グリセロール、コレステロール、フェノール、ベンジルアルコール、n-酪酸、n-ペンタン酸、n-ヘキサン酸、n-ヘプタン酸、n-オクタン酸、n-デカン酸、ラウリン酸、テトラデカン酸、パルミチン酸、トリエチルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリヘキシルアミン、ベンズアミド、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール及びポリテトラヒドロフランジオールから選ばれる少なくとも一つを含んでも良い。これにより、ポリマーを調製する収率を顕著に向上させることができる。
【0082】
本発明の実施例によれば、無水溶媒は、ベンゼン、トルエン、n-ヘキサン、テトラヒドロフラン及びジクロロメタンから選ばれる少なくとも一つを含んでもよく、トルエンが好ましい。これにより、化合物を調製する収率を更に向上させることができる。
【0083】
本発明の実施例によれば、触媒と、開始剤とモノマーのモル比は、1:(0~200):(50~100000)であってもよく、好ましくは1:(1~10):(100~2000)である。これにより、化合物を調製する収率を更に向上させることができる。
【0084】
本発明の実施例によれば、接触は、-40~150℃で0.1~72時間行って完成することができ、好ましくは20~100℃で0.5~48時間行って完成することができる。これにより、化合物を調製する収率を更に向上させることができる。
【0085】
本発明の実施例によれば、モノマーがエチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン、1,2-ブチレンオキシド、β-ラクタム、メチル置換β-ラクタム、ブチロラクタム又はカプロラクタムである場合に、以下の調製方法によりポリマーを調製することができる:窒素雰囲気で、本発明に係る化合物を無水トルエンに溶解し、反応釜に加え、トルエンを減圧除去し、開始剤とモノマーを加え、密閉系とし、0.5~48時間反応させることにより、ポリマーを得る。
【0086】
本発明の実施例によれば、モノマーがグリコリド、ラクチド、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン、トリメチレンシクロカーボネート、2,2-ジメチルトリメチレンシクロカーボネート、1,3-ジオキサン-2-ケトン、トリオキシン、五員環の環状ホスフェート、六員環の環状ホスフェート、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、アクリルアミド、メチル置換アクリルアミド、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル又はN-カルボキシル-α-アミノ酸無水物である場合に、以下の調製方法によりポリマーを調製することができる:窒素雰囲気で、本発明に係る化合物を無水溶媒に溶解し、反応管に加え、開始剤とモノマーとを順に加え、密閉系とし、0.5~48時間反応させることにより、ポリマーを得る。
【0087】
本発明の実施例によれば、本発明の上述実施例に係る化合物は、更に触媒としてN-カルボン酸無水物(単にNCAと呼ばれ、構造は式D-1に示され、ここでR
Xが置換基を示す)、N-置換グリシン-N-カルボン酸無水物(単に
NR
X-NCAと呼ばれ、構造は式D-2に示され、ここでR
Xが置換基を示す)、N-置換グリシン-N-チオカルボン酸無水物(単に
NR
X-NTAと呼ばれ、構造は式D-3に示され、ここでR
Xは置換基を示す)等の環状モノマーを開環重合反応させ、ポリマー生成物を生成することができる。
【化20】
【0088】
本発明の具体的な実施例によれば、D-1におけるRXは、置換基を有するか又は置換基を有しないアミノ酸ペンダント基であってもよく、前記アミノ酸は、グリシン、アラニン、ロイシン、バリン、イソロイシン、フェニルアラニン、γ-ベンジル-グルタメート、β-ベンジル-アスパラテート、ε-ベンジルオキシカルボニル-リジン又は他の側鎖が修飾されたアミノ酸であってもよい。D-2とD-3において、RXは、置換又は無置換のアルキル、フェニル、アルケニル、アルキニル又はオリゴエチレングリコール基であってもよく、且つ、前記アルキルは、更にビニル、フェニル又はハロゲンで置換されてもよく、前記オリゴエチレングリコールは、繰り返し単位数が9未満である。
【0089】
本発明の具体的な実施例によれば、本発明の上述実施例に係る化合物は、触媒としてNCA、NRX-NCA、NRX-NTAを重合反応させる時、用いられる無水溶媒は、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、N-メチルピロリドン、トルエン、ジクロロメタン及びクロロホルムの少なくとも一つであってもよく、用いられる開始剤は、上述開始剤の他、アミン類化合物、例えばアルキルアミン、ベンジルアミン、末端がアミノ基で修飾されたポリエチレングリコール又はヘキサメチルジシラザン(HMDS)であってもよい。
【0090】
本発明の実施例によれば、本発明により提出される化合物は、触媒として異なるモノマーからブロック共重合体を調製してもよく、調製方法は、窒素雰囲気で、本発明に係る化合物を無水溶媒に溶解し、反応釜又は反応管に加え、開始剤と一つのモノマー(モノマー1)を順に加え、密閉系とし、モノマー1が完全に転化した後、他のモノマー(モノマー2)を更に加え、モノマー2が完全に転化した後、更なるモノマー(モノマー3)を更に加えることにより、ブロック共重合体が得られ、ここで、モノマー1とモノマー2とモノマー3は、上述のモノマーである。
【0091】
本発明の実施例によれば、本発明により提出される化合物は、触媒として異なるモノマーによりランダム共重合体を調製してもよく、調製方法は、窒素雰囲気で、本発明に係る化合物を無水溶媒に溶解し、反応釜又は反応管に加え、開始剤を加え、二種類のモノマー(モノマーaとモノマーb)を混合して無水溶媒に均一に溶解し、反応釜又は反応管に加え、密閉系とし、0.5~48時間反応させることにより、ランダム共重合体が得られ、ここで、モノマーa、モノマーbは、上述のモノマーである。
【0092】
本発明の実施例によれば、当該方法は、本発明の上述実施例に係る化合物を触媒として用いてポリマーを調製し、当該触媒には重金属元素を含まなく、安定性がよく、触媒活性が高くて触媒が少なく残留する。当該方法により調製されたポリマー製品は、構造が調整しやすく、種類が豊富であり、また、製品には重金属元素を含まなく、生体適合性がよく、応用範囲が広く、付加価値が高い。また、当該方法は、条件が温和であり、汎用性がよく、大規模な生産に適用する。
【0093】
本発明の付加的な特徴及び利点は、以下の説明において一部が示され、一部が以下の説明により明らかになるか、または、本発明の実施により理解され得る。
【0094】
以下に、具体的な実施例を参照しながら、本発明を説明する。なお、これらの実施例は、本発明を解釈するためだけに用いられ、本発明を限定するものと理解してはいけない。
【0095】
実施例1
トリ(ジメチルアミン)ホスファゼンの調製
【化21】
1Lの機械撹拌装置付き三ツ口フラスコに、五塩化リン(41.7g,0.2mol,1.0equiv.)を加え、窒素雰囲気で150mLの無水ジクロロメタンを加え、-40℃の低温浴にセットし、激しい撹拌を保持した。反応系にジメチルアミンガス(54g,1.2mol,6.0equiv.)を連続通気し、溶液温度を-30℃より低く維持した。通気が終了した後、系温度を20℃まで自然上昇させ、反応を1時間続けた。系温度を再度-20℃まで低減し、飽和までアンモニアガスを通気し、20℃まで昇温し、アンモニアガスを3時間通気し続け、攪拌が止まるまで系表面に沈殿物の生成がなかった。不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、得られた固体を水酸化ナトリウムの水溶液(50wt%)400mLに加え、室温で1時間反応した。反応が終了すると、不溶物をろ別し、有機相から溶媒を減
圧留去し、無色液体を33g得、収率が93%であった。
1H NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 2.52(d,18 H)。
13C NMR(125 MHz,CDCl
3) δ: 81.68。
31P NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 43.75。HRMS(ESI) calcd for C
6H
19N
4P [M + H]
+,179.1426,found 179.1417。
【0096】
実施例2
トリ(ジエチルアミン)ホスファゼンの調製
【化22】
1Lの機械撹拌装置付き三ツ口フラスコに、五塩化リン(41.7g,0.2mol,1.0equiv.)を加え、窒素雰囲気で150mLの無水ジクロロメタンを加え、-40℃の低温浴にセットし、激しい撹拌を保持した。反応系にジエチルアミン(124mL,1.2mol,6.0equiv.)を連続滴下し、溶液温度を-30℃より低く維持した。通気が終了した後、系温度を20℃まで自然上昇させ、反応を2時間続けた。系温度を再度0℃まで低減し、飽和までアンモニアガスを通気し、20℃まで昇温し、アンモニアガスを3時間通気し続け、攪拌が止まるまで表面に沈殿物の生成がなかった。不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、得られた固体を水酸化ナトリウムの水溶液(50wt%)400mLに加え、室温で1時間反応した。反応が終了すると、不溶物をろ別し、有機相から溶媒を減圧留去し、得無色液体を52.0g得、収率が99%であった。
1H NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 2.58(t,12 H),1.08(q,18 H)。HRMS(ESI) calcd for C
12H
31N
4P [M + H]
+,263.2365,found 263.2359。
【0097】
実施例3
トリ(ジシクロヘキシルアミン)ホスファゼンの調製
【化23】
1Lの機械撹拌装置付き三ツ口フラスコに、五塩化リン(41.7g,0.2mol,1.0equiv.)を加え、窒素雰囲気で150mLの無水ジクロロメタンを加え、-40℃の低温浴にセットし、激しい撹拌を保持した。反応系にジシクロヘキシルアミン(239mL,1.2mol,6.0equiv.)を連続滴下し、溶液温度を-30℃より低く維持した。通気が終了した後、系温度を20℃まで自然上昇させ、反応を1時間続けた。系温度を再度0℃まで低減し、飽和までアンモニアガスを通気し、20℃まで昇温し、アンモニアガスを3時間通気し続け、攪拌が止まるまで表面に沈殿物の生成がなかった。不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、得られた固体を水酸化ナトリウムの水溶液(50wt%)400mLに加え、室温で1時間反応した。反応が終了すると、不溶物をろ別し、有機相から溶媒を減圧留去し、無色液体を88g得、収率が75%であった。
1H NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 2.57(m,6 H),1.68-1.07(m,60 H)。HRMS(ESI) calcd for C
36H
67N
4P [M + H]
+,587.5182,found 587.5173。
【0098】
実施例4
トリ(ジフェニルアミン)ホスファゼンの調製
【化24】
1Lの機械撹拌装置付き三ツ口フラスコに、五塩化リン(41.7g,0.2mol,1.0equiv.)を加え、窒素雰囲気で150mLの無水ジクロロメタンを加え、-40℃の低温浴にセットし、激しい撹拌を保持した。反応系にジフェニルアミンのジクロロメタン溶液(ジフェニルアミン203gを含み,1.2mol,6equiv.)を連続滴下し、溶液温度を-30℃より低く維持した。通気が終了した後、系温度を20℃まで自然上昇させ、反応を1時間続けた。系温度を再度-20℃まで低減し、飽和までアンモニアガスを通気し、20℃まで昇温し、アンモニアガスを3時間通気し続け、攪拌が止まるまで表面に沈殿物の生成がなかった。不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、得られた固体を水酸化ナトリウムの水溶液(50wt%)400mLに加え、室温で1時間反応した。反応が終了すると、不溶物をろ別し、有機相から溶媒を減圧留去し、白色固体を79g得、収率が72%であった。
1H NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 7.45(m,12 H),6.98(m,6 H),6.77(m,12H)。HRMS(ESI) calcd for C
36H
31N
4P [M + H]
+,551.2365,found 551.2352。
【0099】
実施例5
トリピロリジンホスファゼンの調製
【化25】
1Lの機械撹拌装置付き三ツ口フラスコに、五塩化リン(41.7g,0.2mol,1.0equiv.)を加え、窒素雰囲気で150mLの無水ジクロロメタンを加え、-40℃の低温浴にセットし、激しい撹拌を保持した。反応系にピロリジン(99mL,1.2mol,6.0equiv.)を連続滴下し、溶液温度を-30℃より低く維持した。通気が終了した後、系温度を20℃まで自然上昇させ、反応を2時間続けた。系温度を再度-20℃まで低減し、飽和までアンモニアガスを通気し、20℃まで昇温し、アンモニアガスを3時間通気し続け、攪拌が止まるまで表面に沈殿物の生成がなかった。不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、得られた固体を水酸化ナトリウムの水溶液(50wt%)400mLに加え、室温で1時間反応した。反応が終了すると、不溶物をろ別し、有機相から溶媒を減圧留去し、無色液体を44g得、収率が85%であった。
1H NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 3.17(m,12 H),1.68(m,12 H)。HRMS(ESI) calcd for C
12H
25N
4P [M + H]
+,257.1895,found 257.1888。
【0100】
実施例6
ヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンの調製
【化26】
窒素雰囲気で、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(0.7g,2.0mmol,1.0equiv.)をトルエン4mLに溶解させ、-78℃の低温浴にセットして均一に攪拌し、トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン(2.14g,12.0mmol,6equiv.)をトルエン4mLに溶解させ、反応系にゆっくり滴下し、その後、酸結合剤であるトリエチルアミン(1.21g、12.0mmol,6.0equiv.)を加えた。還流になるまで加熱し、12時間反応させた。反応が終了した後、室温まで自然冷却させ、不溶物をろ別し、濃縮して白色固体を1.63g得、収率が68%であった。
1H NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 2.63(d,108 H)。
13C NMR(125 MHz,CDCl
3) δ: 37.53。
31P NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 47.02,34.87。HRMS(ESI) calcd for C
36H
108N
27P
9 [M + H]
+,1198.6998,found 1198.6949。
【0101】
実施例7
ヘキサ[トリ(ジエチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンの調製
【化27】
窒素雰囲気で、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(0.7g,2.0mmol,1.0equiv.)をトルエン4mLに溶解させ、-78℃の低温浴にセットして均一に攪拌し、トリ(ジエチルアミン)ホスファゼン(3.15g,12.0mmol,6equiv.)をトルエン4mLに溶解させ、反応系にゆっくり滴下し、その後、酸結合剤であるトリエチルアミン(1.21g、12.0mmol,6.0equiv.)を加えた。還流になるまで加熱し、12時間反応させた。反応が終了した後、室温まで自然冷却させ、不溶物をろ別し、濃縮して白色固体を1.74g得、収率が51%であった。
1H NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 2.65(t,72 H),1.11(q,108 H)。HRMS(ESI) calcd for C
72H
180N
27P
9 [M + H]
+,1703.2632,found 1703.2609。
【0102】
実施例8
オクタ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]テトラポリホスファゼンの調製
【化28】
窒素雰囲気で、オクタクロロシクロテトラホスファゼン(2.32g,5.0mmol,1.0equiv.)をトルエン10mLに溶解させ、-78℃の低温浴にセットして均一に攪拌し、トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン(7.13g,40.0mmol,8equiv.)をトルエン10mLに溶解させ、反応系にゆっくり滴下し、その後、酸結合剤であるトリエチルアミン(4.05g、40.0mmol,8.0equiv.)を加えた。還流になるまで加熱し、12時間反応させた。反応が終了した後、室温まで自然冷却させ、不溶物をろ別し、濃縮して白色固体を5.75g得、収率が72%であった。
1H NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 2.68(m,144 H)。HRMS(ESI-TOF) calcd for C
48H
145N
36P
12 [M + H]
+,1597.9304,found 1597.9275。
【0103】
実施例9
ヘキサ[トリ(ジシクロヘキシルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンの調製
【化29】
窒素雰囲気で、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(0.7g,2.0mmol,1.0equiv.)をトルエン4mLに溶解させ、-78℃の低温浴にセットして均一に攪拌し、トリ(ジシクロヘキシルアミン)ホスファゼン(7.04g,12.0mmol,6equiv.)をトルエン4mLに溶解させ、反応系にゆっくり滴下し、その後、酸結合剤であるトリエチルアミン(1.21g、12.0mmol,6.0equiv.)を加えた。還流になるまで加熱し、12時間反応させた。反応が終了した後、室温まで自然冷却させ、不溶物をろ別し、濃縮して白色固体を4.97g得、収率が68%であった。
1H NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 2.62(m,36 H),1.62-1.09(m,360 H)。HRMS(ESI-TOF) calcd for C
216H
396N
27P
9 [M + H]
+,3650.9601,found 3650.9575。
【0104】
実施例10
ヘキサ[トリ(ジフェニルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンの調製
【化30】
窒素雰囲気で、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(0.7g,2.0mmol,1.0equiv.)をトルエン4mLに溶解させ、-78℃の低温浴にセットして均一に攪拌し、トリ(ジフェニルアミン)ホスファゼン(6.61g,12.0mmol,6equiv.)をトルエン4mLに溶解させ、反応系にゆっくり滴下し、その後、酸結合剤であるトリエチルアミン(1.21g、12.0mmol,6.0equiv.)を加えた。還流になるまで加熱し、12時間反応させた。反応が終了した後、室温まで自然冷却させ、不溶物をろ別し、濃縮して白色固体を3.64g得、収率が53%であった。
1H NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 7.39(m,72 H),6.88(m,36 H),6.72(m,72 H)。HRMS(ESI-TOF) calcd for C
216H
180N
27P
9 [M + H]
+,3433.2699,found 3433.2646。
【0105】
実施例11
ヘキサ[トリピロリジンホスファゼン]トリポリホスファゼンの調製
【化31】
窒素雰囲気で、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(0.7g,2.0mmol,1.0equiv.)をトルエン4mLに溶解させ、-78℃の低温浴にセットして均一に攪拌し、トリピロリジンホスファゼン(3.08g,12.0mmol,6equiv.)をトルエン4mLに溶解させ、反応系にゆっくり滴下し、その後、酸結合剤であるトリエチルアミン(1.21g、12.0mmol,6.0equiv.)を加えた。還流になるまで加熱し、12時間反応させた。反応が終了した後、室温まで自然冷却させ、不溶物をろ別し、濃縮して白色固体を1.93g得、収率が58%であった。
1H NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 3.27(m,72 H),1.72(m,72 H)。HRMS(ESI) calcd for C
72H
144N
27P
9 [M + H]
+,1666.9815,found 1666.9798。
【0106】
実施例12
ペンタ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]モノクロロトリポリホスファゼンの調製
【化32】
窒素雰囲気で、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(0.7g,2.0mmol,1.0equiv.)をトルエン4mLに溶解させ、-78℃の低温浴にセットして均一に攪拌し、トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン(1.78g,10.0mmol,5.0equiv.)をトルエン4mLに溶解させ、反応系にゆっくり滴下し、その後、酸結合剤であるトリエチルアミン(1.01g、10.0mmol,5.0equiv.)を加えた。還流になるまで加熱し、12時間反応させた。反応が終了した後、室温まで自然冷却させ、不溶物をろ別し、濃縮して白色固体を1.52g得、収率が72%であった。
1H NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 2.67(d,90 H)。HRMS(ESI) calcd for C
30H
90ClN
23P
8 [M + H]
+,1056.5417,found 1056.5399。
【0107】
実施例13
テトラ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]ジクロロトリポリホスファゼンの調製
【化33】
窒素雰囲気で、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(0.7g,2.0mmol,1.0equiv.)をトルエン4mLに溶解させ、-78℃の低温浴にセットして均一に攪拌し、トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン(1.43g,8.0mmol,4.0equiv.)をトルエン4mLに溶解させ、反応系にゆっくり滴下し、その後、酸結合剤であるトリエチルアミン(0.81g、8.0mmol,4.0equiv.)を加えた。還流になるまで加熱し、12時間反応させた。反応が終了した後、室温まで自然冷却させ、不溶物をろ別し、濃縮して白色固体を1.24g得、収率が68%であった。
1H NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 2.68(d,72 H)。HRMS(ESI) calcd for C
24H
72Cl
2N
19P
7 [M + H]
+,914.3837,found 914.3819。
【0108】
実施例14
トリ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリクロロトリポリホスファゼンの調製
【化34】
窒素雰囲気で、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(0.7g,2.0mmol,1.0equiv.)をトルエン4mLに溶解させ、-78℃の低温浴にセットして均一に攪拌し、トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン(1.07g,6.0mmol,3.0equiv.)をトルエン4mLに溶解させ、反応系にゆっくり滴下し、その後、酸結合剤であるトリエチルアミン(0.61g、6.0mmol,3.0equiv.)を加え、室温で12時間反応させた。反応が終了した後、不溶物をろ別し、濃縮して白色固体を1.20g得、収率が78%であった。
1H NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 2.67(d,54 H)。HRMS(ESI) calcd for C
18H
54 Cl
3N
15P
6 [M + H]
+,772.2256,found 772.2247。
【0109】
実施例15
ジ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]テトラクロロトリポリホスファゼンの調製
【化35】
窒素雰囲気で、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(0.7g,2.0mmol,1.0equiv.)をトルエン4mLに溶解させ、-78℃の低温浴にセットして均一に攪拌し、トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン(0.71g,4.0mmol,2.0equiv.)をトルエン4mLに溶解させ、反応系にゆっくり滴下し、その後、酸結合剤であるトリエチルアミン(0.41g、4.0mmol,2.0equiv.)を加え、室温で12時間反応させた。反応が終了した後、不溶物をろ別し、濃縮して白色固体を0.98g得、収率が78%であった。
1H NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 2.67(d,36 H)。HRMS(ESI) calcd for C
12H
36 Cl
4N
11P
5 [M + H]
+,632.0646,found 632.0633。
【0110】
実施例16
[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]ペンタクロロトリポリホスファゼンの調製
【化36】
窒素雰囲気で、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(0.7g,2.0mmol,1.0equiv.)をトルエン4mLに溶解させ、-78℃の低温浴にセットして均一に攪拌し、トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン(0.36g,2.0mmol,1.0equiv.)をトルエン4mLに溶解させ、反応系にゆっくり滴下し、その後、酸結合剤であるトリエチルアミン(0.20g,2.0mmol,1.0equiv.)を加え、室温で12時間反応させた。反応が終了した後、不溶物をろ別し、濃縮して白色固体を0.67g得、収率が68%であった。
1H NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 2.68(d,18 H)。HRMS(ESI) calcd for C
6H
18 Cl
5N
7P
4 [M + H]
+,489.9066,found 489.9051。
【0111】
実施例17
ヘキサ(ジメチルアミン)トリポリホスファゼンの調製
【化37】
窒素雰囲気で、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(3.5g,10.0mmol,1.0equiv.)をクロロホルム30mLに溶解させ、還流になるまで加熱し、過剰なジメチルアミンを通気し、反応を30分間続けた。室温まで冷却させ、溶媒を減圧留去し、50mL石油エーテルにより、生成物を抽出し、-10℃まで冷却し、結晶させ、白色晶体を3.2g得、収率80%であった。
1H NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 2.62(s,36 H)。HRMS(ESI) calcd for C
12H
36N
9P
3 [M + H]
+,400.2385,found 400.2346。
【0112】
実施例18
ヘキサ(ジフェニルアミン)トリポリホスファゼンの調製
【化38】
窒素雰囲気で、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(3.5g,10.0mmol,1.0equiv.)をトルエン60mLに溶解させ、トリエチルアミン
30mLとジフェニルアミン(10.2g,60.0mmol,6.0equiv.)を加え、還流になるまで加熱した。反応が終了した後、冷却させ、不溶物をろ別し、ろ液から溶媒を減圧留去し、得られた固体をn-ヘキサンで再結晶させ、最終生成物を6.4g得、収率が53%であった。
1H NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 7.16(m,60 H)。HRMS(ESI) calcd for C
72H
60N
9P
3 [M + H]
+,1144.4263,found 1144.4236。
【0113】
実施例19
ヘキサピロリジントリポリホスファゼンの調製
【化39】
窒素雰囲気で、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン(3.5g,10.0mmol,1.0equiv.)をトルエン60mLに溶解させ、
トリエチルアミン30mLとピロリジン(9.9mL,120.0mmol,12.0equiv.)を加え、還流になるまで加熱した。反応が終了した後、冷却させ、不溶物をろ別し、ろ液から溶媒を減圧留去し、得られた固体をn-ヘキサンで再結晶させ、最終生成物を4.2g得、収率が75%であった。
1H NMR(500 MHz,CDCl
3) δ: 3.16(m,24 H),1.78(m,24 H)。HRMS(ESI) calcd for C
24H
48N
9P
3 [M + H]
+,556.3324,found 556.3301。
【0114】
実施例20
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリプロピレンオキシドを調製する
【化40】
窒素雰囲気で、5.0mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.50mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、ベンジルアルコール(52μL,0.50mmol)とプロピレンオキシド(3.5mL,50.0mmol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終ポリマーであるポリプロピレンオキシドを2.85g得、転化率が98%であった。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、M
n,GPC = 3 500gmol
-1、M
w/M
n (M
nは数平均分子量であり、M
wは重量平均分子量である)= 1.25を検出する。
【0115】
実施例21
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリプロピレンオキシドを調製する
【化41】
窒素雰囲気で、2.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.25mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、ベンジルアルコール(26μL,0.25mmol)とプロピレンオキシド(3.5mL,50.0mmol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終ポリマーであるポリプロピレンオキシドを2.85g得、転化率が98%であった。M
n,GPC = 4800gmol
-1、M
w/M
n = 1.22。
【0116】
実施例22
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリプロピレンオキシドを調製する
【化42】
窒素雰囲気で、0.1mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.01mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、ベンジルアルコール(52μL,0.50mmol)とプロピレンオキシド(7.0mL,100.0mmol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終ポリマーであるポリプロピレンオキシドを5.72g得、転化率が98%であった。M
n,GPC = 9 300gmol
-1、M
w/M
n = 1.15。
【0117】
実施例23
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリエチレンオキシドを調製する
【化43】
窒素雰囲気で、5.0mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.50mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、ベンジルアルコール(52μL,0.50mmol)とエチレンオキシド(2.2g,50.0mmol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終ポリエチレンオキシドを2.15g得、転化率が98%であった。M
n,GPC = 3800gmol
-1、M
w/M
n = 1.06。
【0118】
実施例24
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてプロピレンオキシド-エチレンオキシド共重合体を調製する
【化44】
窒素雰囲気で、5.0mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.50mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、ベンジルアルコール(52μL,0.50mmol)とプロピレンオキシド(3.5mL,50.0mmol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させ、その後、エチレンオキシド(2.2g,50.0mmol)を加え、
圧力が0に低下するまで反応を続けた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終プロピレンオキシド-エチレンオキシド共重合体を5.01g得、転化率が98%であった。M
n,GPC = 7500gmol
-1、M
w/M
n = 1.11。
【0119】
実施例25
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてエチレンオキシド-プロピレンオキシド共重合体を調製する
【化45】
窒素雰囲気で、5.0mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.50mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、ベンジルアルコール(52μL,0.50mmol)とエチレンオキシド(2.2g,50.0mmol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させ、その後、プロピレンオキシド(3.5mL,50.0mmol)を加え、
圧力が0に低下するまで反応を続けた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終エチレンオキシド-プロピレンオキシド共重合体を4.96g得、転化率が97%であった。M
n,GPC = 7800gmol
-1、M
w/M
n = 1.13。
【0120】
実施例26
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリカプロラクトンを調製する
【化46】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応管に加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)を加え、室温で10分間反応させ、その後、ε-カプロラクトン(1.11mL,10.0mmol)を加え、窒素雰囲気で、室温で12時間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、100mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終ポリマーであるポリカプロラクトンを1.05g得、転化率が92%であった。M
n,GPC = 16 000gmol
-1、M
w/M
n = 1.21。
【0121】
実施例27
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリラクチドを調製する
【化47】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応管に加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)を加え、室温で10分間反応させ、その後、ラクチド(1.44g,10.0mmol)を加え、窒素雰囲気で、室温で12時間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、100mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終ポリマーであるポリラクチドを1.35g得、転化率が94%であった。M
n,GPC = 16 800gmol
-1、M
w/M
n = 1.22。
【0122】
実施例28
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリジメチルシロキサンを調製する
【化48】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応管に加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)を加え、室温で10分間反応させ、その後、オクタメチルシクロテトラシロキサン(3.10mL,10.0mmol)を加え、80℃に予め加熱された油浴にセットし、20分間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量のトリエチルアミンを加え、100mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終ポリマーであるポリジメチルシロキサンを2.97g得、転化率が99%であった。M
n,GPC = 83 900gmol
-1、M
w/M
n = 1.06。
【0123】
実施例29
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてカプロラクトン-ラクチド共重合体を調製する
【化49】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応管に加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)を加え、室温で10分間反応させ、その後、ε-カプロラクトン(1.11mL,10.0mmol)を加え、窒素雰囲気で、室温で12時間反応させた。反応が終了した後、ラクチド(1.44g,10.0mmol)を加え、室温で30分間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、100mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終カプロラクトン-ラクチド共重合体を2.09g得、転化率が81%であった。M
n,GPC = 17 000gmol
-1、M
w/M
n = 1.31。
【0124】
実施例30
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてプロピレンオキシド-カプロラクトン共重合体を調製する
【化50】
窒素雰囲気で、2.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.25mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、ベンジルアルコール(26μL,0.25mmol)とプロピレンオキシド(3.5mL,50.0mmol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、2.5mLのトルエンを加え、均一に攪拌し、その後、ε-カプロラクトン(1.11mL,10.0mmol)を加え、窒素雰囲気で、室温で12時間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、100mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終プロピレンオキシド-カプロラクトン共重合体を3.68g得、転化率が91%であった。M
n,GPC = 8 700gmol
-1、M
w/M
n = 1.22。
【0125】
実施例31
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリプロピレンオキシドを調製する
【化51】
窒素雰囲気で、2.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.25mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、エチレングリコール(13μL,0.25mmol)とプロピレンオキシド(3.5mL,50.0mmol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終ポリマーであるポリプロピレンオキシドを2.87g得、転化率が99%であった。M
n,GPC = 5 200gmol
-1、M
w/M
n = 1.22。
【0126】
実施例32
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリプロピレンオキシドを調製する
【化52】
窒素雰囲気で、2.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.25mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、グリセロール(18μL,0.25mmol)とプロピレンオキシド(3.5mL,50.0mmol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終ポリマーであるポリプロピレンオキシドを2.76g得、転化率が95%であった。M
n,GPC = 5 100gmol
-1、M
w/M
n = 1.32。
【0127】
実施例33
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリプロピレンオキシドを調製する
【化53】
窒素雰囲気で、2.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.25mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、プロピレンオキシド(3.5mL,50.0mmol)を加え、開始剤を加えなく、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終ポリマーであるポリプロピレンオキシドを2.76g得、転化率が95%であった。M
n,GPC = 4 500gmol
-1、M
w/M
n = 1.56。
【0128】
実施例34
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリプロピレンオキシドを調製する
【化54】
窒素雰囲気で、2.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.25mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、ベンジルアルコール(26μL,0.25mmol)とプロピレンオキシド(17.5mL,250.0mmol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終ポリマーであるポリプロピレンオキシドを11.91g得、転化率が82%であった。M
n,GPC = 21 800gmol
-1、M
w/M
n = 1.25。
【0129】
実施例35
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリプロピレンオキシドを調製する
【化55】
窒素雰囲気で、2.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.25mmol含む)を取り、500mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、ベンジルアルコール(26μL,0.25mmol)とプロピレンオキシド(175mL,2.5mol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終ポリマーであるポリプロピレンオキシドを76.96g得、転化率53%であった。M
n,GPC = 25 500gmol
-1、M
w/M
n = 1.21。
【0130】
実施例36
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリプロピレンオキシドを調製する
【化56】
窒素雰囲気で、2.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.25mmol含む)を取り、500mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、ベンジルアルコール(260μL,2.5mmol)とプロピレンオキシド(175mL,2.5mol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終ポリマーであるポリプロピレンオキシドを108.91g得、転化率75%であった。M
n,GPC = 23 400gmol
-1、M
w/M
n = 1.27。
【0131】
実施例37
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリプロピレンオキシドを調製する
【化57】
窒素雰囲気で、2.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.25mmol含む)を取り、500mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、ベンジルアルコール(2.6mL,25mmol)とプロピレンオキシド(175mL,2.5mol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終ポリマーであるポリプロピレンオキシドを113.26g得、転化率78%であった。M
n,GPC = 3 700gmol
-1、M
w/M
n = 1.27。
【0132】
実施例38
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリプロピレンオキシドを調製する
【化58】
窒素雰囲気で、2.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.25mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、ベンジルアルコール(26μL,0.25mmol)とプロピレンオキシド(3.5mL,50.0mmol)を加え、反応釜を閉鎖し、50℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終ポリマーであるポリプロピレンオキシドを2.70g得、転化率が93%であった。M
n,GPC = 5 300gmol
-1、M
w/M
n = 1.32。
【0133】
実施例39
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリプロピレンオキシドを調製する
【化59】
窒素雰囲気で、2.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.25mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、ベンジルアルコール(26μL,0.25mmol)とプロピレンオキシド(3.5mL,50.0mmol)を加え、反応釜を閉鎖し、120℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終ポリマーであるポリプロピレンオキシドを2.76g得、転化率が95%であった。M
n,GPC = 5 300gmol
-1、M
w/M
n = 1.52。
【0134】
実施例40
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリカプロラクトンを調製する
【化60】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応管に加え、エチレングリコール(2.6μL,0.05mmol)を加え、室温で10分間反応させ、その後、ε-カプロラクトン(1.11mL,10.0mmol)を加え、窒素雰囲気で、室温で12時間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、100mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終ポリマーであるポリカプロラクトンを1.02g得、転化率が90%であった。M
n,GPC = 16 600gmol
-1、M
w/M
n = 1.24。
【0135】
実施例41
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリカプロラクトンを調製する
【化61】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応管に加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)を加え、室温で10分間反応させ、その後、ε-カプロラクトン(0.55mL,5.0mmol)を加え、窒素雰囲気で、室温で12時間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、100mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終ポリマーであるポリカプロラクトンを0.54g得、転化率が95%であった。M
n,GPC = 8 700gmol
-1、M
w/M
n = 1.25。
【0136】
実施例42
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリカプロラクトンを調製する
【化62】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応管に加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)を加え、室温で10分間反応させ、その後、ε-カプロラクトン(5.5mL,50.0mmol)を加え、窒素雰囲気で、室温で24時間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、100mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終ポリマーであるポリカプロラクトンを3.13g得、転化率55%であった。M
n,GPC = 28 700gmol
-1、M
w/M
n = 1.21。
【0137】
実施例43
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリカプロラクトンを調製する
【化63】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応管に加え、開始剤を加えなく、ε-カプロラクトン(1.11mL,10.0mmol)を加え、窒素雰囲気で、室温で12時間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、100mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終ポリマーであるポリカプロラクトンを0.93g得、転化率が82%であった。M
n,GPC = 16 300gmol
-1、M
w/M
n = 1.45。
【0138】
実施例44
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリカプロラクトンを調製する
【化64】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応管に加え、ベンジルアルコール(52μL,0.5mmol)を加え、室温で10分間反応させ、その後、ε-カプロラクトン(27.5mL,250.0mmol)を加え、窒素雰囲気で、室温で24時間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、200mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終ポリマーであるポリカプロラクトンを7.13g得、転化率が25%であった。M
n,GPC = 31 700gmol
-1、M
w/M
n = 1.18。
【0139】
実施例45
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリカプロラクトンを調製する
【化65】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応管に加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)を加え、室温で10分間反応させ、氷水浴にセットし、10分後、ε-カプロラクトン(1.11mL,10.0mmol)を加え、窒素雰囲気で、0℃で12時間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、100mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終ポリマーであるポリカプロラクトンを0.97g得、転化率が85%であった。M
n,GPC = 17 500gmol
-1、M
w/M
n = 1.16。
【0140】
実施例46
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリカプロラクトンを調製する
【化66】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応管に加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)を加え、室温で10分間反応させ、50℃に予め加熱された油浴にセットし、10分後、ε-カプロラクトン(1.11mL,10.0mmol)を加え、窒素雰囲気で、50℃で12時間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、100mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終ポリマーであるポリカプロラクトンを1.08g得、転化率が95%であった。M
n,GPC = 16 300gmol
-1、M
w/M
n = 1.31。
【0141】
実施例47
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリカプロラクトンを調製する
【化67】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応管に加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)を加え、室温で10分間反応させ、100℃に予め加熱された油浴中にセットし、10分後、ε-カプロラクトン(1.11mL,10.0mmol)を加え、窒素雰囲気で、100℃で12時間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、100mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終ポリマーであるポリカプロラクトンを1.12g得、転化率が99%であった。M
n,GPC = 15 600gmol
-1、M
w/M
n = 1.36。
【0142】
実施例48
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリカプロラクトンを調製する
【化68】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応管に加え、溶媒を減圧除去し、その後、0.5mLのテトラヒドロフランを加え、触媒を溶解させた後、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)を加え、室温で10分間反応させ、その後、ε-カプロラクトン(1.11mL,10.0mmol)を加え、窒素雰囲気で、室温で12時間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、100mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終ポリマーであるポリカプロラクトンを1.12g得、転化率が98%であった。M
n,GPC = 16 800gmol
-1、M
w/M
n = 1.25。
【0143】
実施例49
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリカプロラクトンを調製する
【化69】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応管に加え、溶媒を減圧除去し、その後、0.5mLのジクロロメタンを加え、触媒を溶解させた後、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)を加え、室温で10分間反応させ、その後、ε-カプロラクトン(1.11mL,10.0mmol)を加え、窒素雰囲気で、室温で12時間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、100mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終ポリマーであるポリカプロラクトンを0.97g得、転化率が85%であった。M
n,GPC = 15 300gmol
-1、M
w/M
n = 1.28。
【0144】
実施例50
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてプロピレンオキシド-カプロラクトン共重合体を調製する
【化70】
窒素雰囲気で、2.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.25mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、エチレングリコール(13μL,0.25mmol)とプロピレンオキシド(3.5mL,50.0mmol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、2.5mLのトルエンを加え、均一に攪拌し、その後、ε-カプロラクトン(1.11mL,10.0mmol)を加え、窒素雰囲気で、室温で12時間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、100mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終プロピレンオキシド-カプロラクトン共重合体を3.55g得、転化率が88%であった。M
n,GPC = 9 300gmol
-1、M
w/M
n = 1.25。
【0145】
実施例51
実施例12で調製されたペンタ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]モノクロロトリポリホスファゼンを触媒としてポリプロピレンオキシドを調製する
【化71】
窒素雰囲気で、2.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.25mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、ベンジルアルコール(26μL,0.25mmol)とプロピレンオキシド(3.5mL,50.0mmol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終ポリマーであるポリプロピレンオキシドを2.70g得、転化率が93%であった。M
n,GPC = 4 500gmol
-1、M
w/M
n = 1.42。
【0146】
実施例52
実施例13で調製されたテトラ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]ジクロロトリポリホスファゼンを触媒としてポリプロピレンオキシドを調製する
【化72】
窒素雰囲気で、2.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.25mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、ベンジルアルコール(26μL,0.25mmol)とプロピレンオキシド(3.5mL,50.0mmol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終ポリマーであるポリプロピレンオキシドを2.75g得、転化率が95%であった。M
n,GPC = 4 300gmol
-1、M
w/M
n = 1.45。
【0147】
実施例53
実施例14で調製されたトリ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリクロロトリポリホスファゼンを触媒としてポリプロピレンオキシドを調製する
【化73】
窒素雰囲気で、2.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.25mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、ベンジルアルコール(26μL,0.25mmol)とプロピレンオキシド(3.5mL,50.0mmol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終ポリマーであるポリプロピレンオキシドを2.76g得、転化率が95%であった。M
n,GPC = 4 600gmol
-1、M
w/M
n = 1.40。
【0148】
実施例54
実施例15で調製されたジ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]テトラクロロトリポリホスファゼンを触媒としてポリプロピレンオキシドを調製する
【化74】
窒素雰囲気で、2.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.25mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、ベンジルアルコール(26μL,0.25mmol)とプロピレンオキシド(3.5mL,50.0mmol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終ポリマーであるポリプロピレンオキシドを2.55g得、転化率が87%であった。M
n,GPC = 4 200gmol
-1、M
w/M
n = 1.36。
【0149】
実施例55
実施例16で調製された[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]ペンタクロロトリポリホスファゼンを触媒としてポリプロピレンオキシドを調製する
【化75】
窒素雰囲気で、2.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.25mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、ベンジルアルコール(26μL,0.25mmol)とプロピレンオキシド(3.5mL,50.0mmol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、12時間反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終ポリマーであるポリプロピレンオキシドを2.15g得、転化率74%であった。M
n,GPC = 3 400gmol
-1、M
w/M
n = 1.32。
【0150】
実施例56
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリカプロラクトン-ラクチドランダム共重合体を調製する
【化76】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応管に加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)を加え、室温で10分間反応させ、その後、ε-カプロラクトン(1.11mL,10.0mmol)とラクチド(1.44g,10.0mmol)を加え、窒素雰囲気で、室温で12時間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、100mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終カプロラクトン-ラクチドランダム共重合体を2.21g得、転化率が86%であった。M
n,GPC = 19200gmol
-1、M
w/M
n = 1.27。
【0151】
実施例57
実施例17で調製されたヘキサ(ジメチルアミン)トリポリホスファゼンを触媒としてポリプロピレンオキシドを調製する
【化77】
窒素雰囲気で、2.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.25mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、ベンジルアルコール(26μL,0.25mmol)とプロピレンオキシド(3.5mL,50.0mmol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、不溶物をろ別し、溶媒を減圧留去し、最終ポリマーであるポリプロピレンオキシドを2.72g得、転化率が94%であった。M
n,GPC = 4 400gmol
-1、M
w/M
n = 1.35。
【0152】
実施例58
実施例17で調製されたヘキサ(ジメチルアミン)トリポリホスファゼンを触媒としてポリカプロラクトンを調製する
【化78】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応管に加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)を加え、室温で10分間反応させ、その後、ε-カプロラクトン(1.11mL,10.0mmol)を加え、窒素雰囲気で、室温で24時間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、100mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終ポリマーであるポリカプロラクトンを1.00g得、転化率が88%であった。M
n,GPC = 17 100gmol
-1、M
w/M
n = 1.25。
【0153】
実施例59
実施例17で調製されたヘキサ(ジメチルアミン)トリポリホスファゼンを触媒としてプロピレンオキシド-カプロラクトン共重合体を調製する
【化79】
窒素雰囲気で、2.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.25mmol含む)を取り、100mLの耐圧反応釜に加え、高真空で溶媒を除去し、ベンジルアルコール(26μL,0.25mmol)とプロピレンオキシド(3.5mL,50.0mmol)を加え、反応釜を閉鎖し、100℃に予め加熱された油浴にセットし、
圧力が0に低下するまで反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、2.5mLのトルエンを加え、均一に攪拌し、その後、ε-カプロラクトン(1.11mL,10.0mmol)を加え、窒素雰囲気で、室温で12時間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、100mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終プロピレンオキシド-カプロラクトン共重合体を3.15g得、転化率78%であった。M
n,GPC = 8 700gmol
-1、M
w/M
n = 1.29。
【0154】
実施例60
実施例18で調製されたヘキサ(ジフェニルアミン)トリポリホスファゼンを触媒としてポリカプロラクトンを調製する
【化80】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応管に加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)を加え、室温で10分間反応させ、その後、ε-カプロラクトン(1.11mL,10.0mmol)を加え、窒素雰囲気で、室温で24時間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、100mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終ポリマーであるポリカプロラクトンを0.74g得、転化率65%であった。M
n,GPC = 13 200gmol
-1、M
w/M
n = 1.32。
【0155】
実施例61
実施例19で調製されたヘキサピロリジントリポリホスファゼンを触媒としてポリカプロラクトンを調製する
【化81】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応管に加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)を加え、室温で10分間反応させ、その後、ε-カプロラクトン(1.11mL,10.0mmol)を加え、窒素雰囲気で、室温で24時間反応させた。反応が終了した後、テトラヒドロフランと少量の酢酸を加え、100mLの冷メタノールで2回沈殿させ、最終ポリマーであるポリカプロラクトンを1.02g得、転化率が90%であった。M
n,GPC = 16 500gmol
-1、M
w/M
n = 1.23。
【0156】
実施例62
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリL-グルタミン酸-γ-ベンジルエステルを調製する
【化82】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応フラスコに加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)と13.1mLのγ-ベンジル-グルタミン酸-N-カルボン酸無水物(BLG-NCA)溶液(100mg/mLのDMF溶液,BLG-NCAを5.0mmol含む)を加え、0℃の低温恒温槽にセットした。反応が終了した後、室温まで昇温し、エチルエーテルを加えて沈殿させ、遠心し、真空乾燥により溶媒を除去し、最終ポリマーであるポリL-グルタミン酸-γ-ベンジルエステル(PBLG)を1.05g得、転化率が96%であった。M
n,GPC = 17 300gmol
-1、M
w/M
n = 1.41。
【0157】
実施例63
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリL-グルタミン酸-γ-ベンジルエステルを調製する
【化83】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応フラスコに加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)と6.55mLのγ-ベンジル-グルタミン酸-N-カルボン酸無水物(BLG-NCA)溶液(100mg/mLのDMF溶液,BLG-NCAを2.5mmol含む)を加え、0℃の低温恒温槽にセットした。反応が終了した後、室温まで昇温し、エチルエーテルを加えて沈殿させ、遠心し、真空乾燥により溶媒を除去し、最終ポリマーであるポリL-グルタミン酸-γ-ベンジルエステル(PBLG)を0.52g得、転化率が95%であった。M
n,GPC = 9 500gmol
-1、M
w/M
n = 1.49。
【0158】
実施例64
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリL-グルタミン酸-γ-ベンジルエステルを調製する
【化84】
窒素雰囲気で、50μLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.005mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応フラスコに加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)と13.1mLのγ-ベンジル-グルタミン酸-N-カルボン酸無水物(BLG-NCA)溶液(100mg/mLのDMF溶液,BLG-NCAを5.0mmol含む)を加え、0℃の低温恒温槽にセットした。反応が終了した後、室温まで昇温し、エチルエーテルを加えて沈殿させ、遠心し、真空乾燥により溶媒を除去し、最終ポリマーであるポリL-グルタミン酸-γ-ベンジルエステル(PBLG)を1.02g得、転化率が93%であった。M
n,GPC = 18 600gmol
-1、M
w/M
n = 1.35。
【0159】
実施例65
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジンを調製する
【化85】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応フラスコに加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)と15.3mLのε-ベンジルオキシカルボニル-リジン-N-カルボン酸無水物(ZLL-NCA)溶液(100mg/mLのDMF溶液,ZLL-NCAを5.0mmol含む)を加え、0℃の低温恒温槽にセットした。反応が終了した後、室温まで昇温し、エチルエーテルを加えて沈殿させ、遠心し、真空乾燥により溶媒を除去し、最終ポリマーであるポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジン(PZLL)を1.24g得、転化率が95%であった。M
n,GPC = 16 900gmol
-1、M
w/M
n = 1.36。
【0160】
実施例66
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジンを調製する
【化86】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応フラスコに加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)と7.65mLのε-ベンジルオキシカルボニル-リジン-N-カルボン酸無水物(ZLL-NCA)溶液(100mg/mLのDMF溶液,含ZLL-NCA 2.5mmol)を加え、0℃の低温恒温槽にセットした。反応が終了した後、室温まで昇温し、エチルエーテルを加えて沈殿させ、遠心し、真空乾燥により溶媒を除去し、最終ポリマーであるポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジン(PZLL)を0.61g得、転化率が94%であった。M
n,GPC = 9 800gmol
-1、M
w/M
n = 1.45。
【0161】
実施例67
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジンを調製する
【化87】
窒素雰囲気で、50μLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.005mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応フラスコに加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)と15.3mLのε-ベンジルオキシカルボニル-リジン-N-カルボン酸無水物(ZLL-NCA)溶液(100mg/mLのDMF溶液,ZLL-NCAを5.0mmol含む)を加え、0℃の低温恒温槽にセットした。反応が終了した後、室温まで昇温し、エチルエーテルを加えて沈殿させ、遠心し、真空乾燥により溶媒を除去し、最終ポリマーであるポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジン(PZLL)を1.22g得、転化率が94%であった。M
n,GPC = 18 500gmol
-1、M
w/M
n = 1.24。
【0162】
実施例68
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリL-グルタミン酸-γ-ベンジルエステルを調製する
【化88】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応フラスコに加え、0.5mLのヘキサメチルジシラザン(HMDS)溶液(0.1mol/LのDMF溶液,0.05mmol)と6.55mLのγ-ベンジル-グルタミン酸-N-カルボン酸無水物(BLG-NCA)溶液(100mg/mLのDMF溶液,BLG-NCAを2.5mmol含む)を加え、0℃の低温恒温槽にセットした。反応が終了した後、室温まで昇温し、エチルエーテルを加えて沈殿させ、遠心し、真空乾燥により溶媒を除去し、最終ポリマーであるポリL-グルタミン酸-γ-ベンジルエステル(PBLG)を1.07g得、転化率が97%であった。M
n,GPC = 8 900gmol
-1、M
w/M
n = 1.32。
【0163】
実施例69
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジンを調製する
【化89】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応フラスコに加え、0.5mLのヘキサメチルジシラザン(HMDS)溶液(0.1mol/LのDMF溶液,0.05mmol)と15.3mLのε-ベンジルオキシカルボニル-リジン-N-カルボン酸無水物(ZLL-NCA)溶液(100mg/mLのDMF溶液,ZLL-NCAを5.0mmol含む)を加え、0℃の低温恒温槽にセットした。反応が終了した後、室温まで昇温し、エチルエーテルを加えて沈殿させ、遠心し、真空乾燥により溶媒を除去し、最終ポリマーであるポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジン(PZLL)を1.24g得、転化率が95%であった。M
n,GPC = 18 200gmol
-1、M
w/M
n = 1.31。
【0164】
実施例70
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリサルコシンを調製する
【化90】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応フラスコに加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)と5.75mLの
NMethyl-NCA溶液(100mg/mLのDMF溶液,
NMethyl-NCAを5.0mmol含む)を加え、0℃の低温恒温槽にセットした。反応が終了した後、室温まで昇温し、エチルエーテルを加えて沈殿させ、遠心し、真空乾燥により溶媒を除去し、最終ポリマーであるポリサルコシンを0.32g得、転化率が91%であった。M
n,GPC = 17 300gmol
-1、M
w/M
n = 1.41。
【0165】
実施例71
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリサルコシンを調製する
【化91】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応フラスコに加え、0.5mLのヘキサメチルジシラザン(HMDS)溶液(0.1mol/LのDMF溶液,0.05mmol)と5.75mLの
NMethyl-NCA溶液(100mg/mLのDMF溶液,
NMethyl-NCAを5.0mmol含む)を加え、0℃の低温恒温槽にセットした。反応が終了した後、室温まで昇温し、エチルエーテルを加えて沈殿させ、遠心し、真空乾燥により溶媒を除去し、最終ポリマーであるポリサルコシンを0.32g得、転化率が91%であった。M
n,GPC = 6 700gmol
-1、M
w/M
n = 1.36。
【0166】
実施例72
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリサルコシンを調製する
【化92】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応フラスコに加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)と6.55mLの
NMethyl-NTA溶液(100mg/mLのDMF溶液,
NMethyl-NTAを5.0mmol含む)を加え、40℃で反応させた。反応が終了した後、室温まで冷却させ、エチルエーテルを加えて沈殿させ、遠心し、真空乾燥により溶媒を除去し、最終ポリマーであるポリサルコシンを0.33g得、転化率が93%であった。M
n,GPC = 6 300gmol
-1、M
w/M
n = 1.32。
【0167】
実施例73
実施例6で調製されたヘキサ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリポリホスファゼンを触媒としてポリグルタミン酸とサルコシンの共重合体を調製する
【化93】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応フラスコに加え、ベンジルアルコール(5.2μL,0.05mmol)と6.55mLのγ-ベンジル-グルタミン酸-N-カルボン酸無水物(BLG-NCA)溶液(100mg/mLのDMF溶液,BLG-NCAを2.5mmol含む)を加え、NCAが完全に反応した後、2.88mLの
NMethyl-NCA溶液(100mg/mLのDMF溶液,
NMethyl-NCAを2.5mmol含む)を加え、40℃で反応させた。反応が終了した後、室温まで昇温し、エチルエーテルを加えて沈殿させ、遠心し、真空乾燥により溶媒を除去し、最終ポリグルタミン酸とサルコシンの共重合体を0.66g得、転化率が92%であった。M
n,GPC = 10 300gmol
-1、M
w/M
n = 1.72。
【0168】
実施例74
実施例12で調製されたペンタ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]モノクロロトリポリホスファゼンを触媒としてポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジンを調製する
【化94】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応フラスコに加え、0.5mLのヘキサメチルジシラザン(HMDS)溶液(0.1mol/LのDMF溶液,0.05mmol)と15.3mLのε-ベンジルオキシカルボニル-リジン-N-カルボン酸無水物(ZLL-NCA)溶液(100mg/mLのDMF溶液,ZLL-NCAを5.0mmol含む)を加え、0℃の低温恒温槽にセットした。反応が終了した後、室温まで昇温し、エチルエーテルを加えて沈殿させ、遠心し、真空乾燥により溶媒を除去し、最終ポリマーであるポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジン(PZLL)を1.21g得、転化率が92%であった。M
n,GPC = 17 700gmol
-1、M
w/M
n = 1.33。
【0169】
実施例75
実施例13で調製されたテトラ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]ジクロロトリポリホスファゼンを触媒としてポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジンを調製する
【化95】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応フラスコに加え、0.5mLのヘキサメチルジシラザン(HMDS)溶液(0.1mol/LのDMF溶液,0.05mmol)と15.3mLのε-ベンジルオキシカルボニル-リジン-N-カルボン酸無水物(ZLL-NCA)溶液(100mg/mLのDMF溶液,ZLL-NCAを5.0mmol含む)を加え、0℃の低温恒温槽にセットした。反応が終了した後、室温まで昇温し、エチルエーテルを加えて沈殿させ、遠心し、真空乾燥により溶媒を除去し、最終ポリマーであるポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジン(PZLL)を1.23g得、転化率が94%であった。M
n,GPC = 17 900gmol
-1、M
w/M
n = 1.31。
【0170】
実施例76
実施例14で調製されたトリ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]トリクロロトリポリホスファゼンを触媒としてポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジンを調製する
【化96】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応フラスコに加え、0.5mLのヘキサメチルジシラザン(HMDS)溶液(0.1mol/LのDMF溶液,0.05mmol)と15.3mLのε-ベンジルオキシカルボニル-リジン-N-カルボン酸無水物(ZLL-NCA)溶液(100mg/mLのDMF溶液,ZLL-NCAを5.0mmol含む)を加え、0℃の低温恒温槽にセットした。反応が終了した後、室温まで昇温し、エチルエーテルを加えて沈殿させ、遠心し、真空乾燥により溶媒を除去し、最終ポリマーであるポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジン(PZLL)を1.19g得、転化率が91%であった。M
n,GPC = 17 400gmol
-1、M
w/M
n = 1.35。
【0171】
実施例77
実施例15で調製されたジ[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]テトラクロロトリポリホスファゼンを触媒としてポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジンを調製する
【化97】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応フラスコに加え、0.5mLのヘキサメチルジシラザン(HMDS)溶液(0.1mol/LのDMF溶液,0.05mmol)と15.3mLのε-ベンジルオキシカルボニル-リジン-N-カルボン酸無水物(ZLL-NCA)溶液(100mg/mLのDMF溶液,ZLL-NCAを5.0mmol含む)を加え、0℃の低温恒温槽にセットした。反応が終了した後、室温まで昇温し、エチルエーテルを加えて沈殿させ、遠心し、真空乾燥により溶媒を除去し、最終ポリマーであるポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジン(PZLL)を1.23g得、転化率が94%であった。M
n,GPC = 17 900gmol
-1、M
w/M
n = 1.31。
【0172】
実施例78
実施例16で調製された[トリ(ジメチルアミン)ホスファゼン]ペンタクロロトリポリホスファゼンを触媒としてポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジンを調製する
【化98】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応フラスコに加え、0.5mLのヘキサメチルジシラザン(HMDS)溶液(0.1mol/LのDMF溶液,0.05mmol)と15.3mLのε-ベンジルオキシカルボニル-リジン-N-カルボン酸無水物(ZLL-NCA)溶液(100mg/mLのDMF溶液,ZLL-NCAを5.0mmol含む)を加え、0℃の低温恒温槽にセットした。反応が終了した後、室温まで昇温し、エチルエーテルを加えて沈殿させ、遠心し、真空乾燥により溶媒を除去し、最終ポリマーであるポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジン(PZLL)を1.20g得、転化率が92%であった。M
n,GPC = 17 300gmol
-1、M
w/M
n = 1.32。
【0173】
実施例79
ヘキサクロロシクロトリホスファゼンを触媒としてポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジンを調製する
【化99】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応フラスコに加え、0.5mLのヘキサメチルジシラザン(HMDS)溶液(0.1mol/LのDMF溶液,0.05mmol)と15.3mLのε-ベンジルオキシカルボニル-リジン-N-カルボン酸無水物(ZLL-NCA)溶液(100mg/mLのDMF溶液,ZLL-NCAを5.0mmol含む)を加え、0℃の低温恒温槽にセットした。反応が終了した後、室温まで昇温し、エチルエーテルを加えて沈殿させ、遠心し、真空乾燥により溶媒を除去し、最終ポリマーであるポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジン(PZLL)を1.24g得、転化率が95%であった。M
n,GPC = 16 900gmol
-1、M
w/M
n = 1.36。
【0174】
実施例80
ヘキサ(ジメチルアミン)トリポリホスファゼンを触媒としてポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジンを調製する
【化100】
窒素雰囲気で、0.5mLの触媒溶液(0.1mol/Lのトルエン溶液、触媒を0.05mmol含む)を取り、50mLのSchlenk反応フラスコに加え、0.5mLのヘキサメチルジシラザン(HMDS)溶液(0.1mol/LのDMF溶液,0.05mmol)と15.3mLのε-ベンジルオキシカルボニル-リジン-N-カルボン酸無水物(ZLL-NCA)溶液(100mg/mLのDMF溶液,ZLL-NCAを5.0mmol含む)を加え、0℃の低温恒温槽にセットした。反応が終了した後、室温まで昇温し、エチルエーテルを加えて沈殿させ、遠心し、真空乾燥により溶媒を除去し、最終ポリマーであるポリε-ベンジルオキシカルボニル-リジン(PZLL)を1.17g得、転化率が89%であった。M
n,GPC = 16 500gmol
-1、M
w/M
n = 1.28。
【0175】
本発明の説明において、「一実施例」、「一部の実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「一部の例」などの用語を参照した説明とは、該実施例又は例に結合して説明された具体的な特徴、構成、材料又は特点が、本発明の少なくとも一つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する例示的な記述は、必ずしも同一の実施例又は例を示すことではない。又、説明された具体的な特徴、構成、材料又は特点は、いずれか1つ又は複数の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。さらに、互いに矛盾しない場合、当業者であれば、本明細書に記述した異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例示的特徴に対して結合及び組み合わせを行うことができる。
【0176】
以上、本発明の実施例を示して説明したが、上記実施例は例示するものであり、本発明を制限するものとして理解してはいけない。普通の当業者であれば、本発明の範囲内で上記実施例に対して変更、修正、取り替え、変形を行うことができる。