(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】温風循環マット用送風装置及び温風循環マット
(51)【国際特許分類】
A47C 27/12 20060101AFI20220621BHJP
H05B 3/00 20060101ALI20220621BHJP
F24H 3/04 20220101ALI20220621BHJP
【FI】
A47C27/12 D
H05B3/00 330Z
F24H3/04 302
(21)【出願番号】P 2020161068
(22)【出願日】2020-09-25
【審査請求日】2020-09-25
(31)【優先権主張番号】201910958903.3
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520373383
【氏名又は名称】シャンハイ・フーレン・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI FUREN TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】ROOM 402/403/404, BUILDING 25, NO. 1698, WANGYUAN ROAD, FENGXIAN DISTRICT, SHANGHAI, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ピアオ,グァンジェ
(72)【発明者】
【氏名】シュー,ユンフェン
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-091650(JP,U)
【文献】中国実用新案第208725264(CN,U)
【文献】特開2007-007378(JP,A)
【文献】特開2018-171435(JP,A)
【文献】実開昭62-070860(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2011/0041246(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0127769(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/00,27/12
H05B 3/00
F24H 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温風循環マット用送風装置であって、ファン、発熱体、及び制御部を含み、ここで、
前記ファンは給風口と送風口を有し、前記送風口には3つの中空
の送風路が設けられ、前記発熱体は中間の前記送風路内に取り付けられ、前記発熱体が取り付けられた前記送風路を流れる風は前記発熱体によって加熱され、且つ前記温風循環マットの内部に供給され、前記発熱体が取り付けられていない前記送風路を流れる風は前記温風循環マットの内部に同時に供給され、それによって前記温風循環マットの給風部位の高い温度が低下され、前記ファンと発熱体の動作は前記制御部によって制御されることを特徴とする温風循環マット用送風装置。
【請求項2】
前記送風装置は第1接続部をさらに含み、前記第1接続部の一端は前記発熱体が取り付けられた前記送風路に接続され、他端は前記温風循環マット内の給気路層に連通することを特徴とする請求項1に記載の温風循環マット用送風装置。
【請求項3】
前記第1接続部は全体として扇形構造であり、前記扇形構造の小口径端部は前記発熱体が取り付けられた前記送風路に接続され、前記扇形構造の大口径端部は前記給気路層に連通することを特徴とする請求項2に記載の温風循環マット用送風装置。
【請求項4】
前記送風口は送風口本体、及び前記送風口本体と取り外し可能に接続される第2接続部を含み、前記送風路はいずれも前記第2接続部内に設けられることを特徴とする請求項1に記載の温風循環マット用送風装置。
【請求項5】
前記送風装置は上部阻止板をさらに含み、前記上部阻止板は前記送風口の上面に固定され、それによって前記送風口の上面に隣接するマット本体内部の層面が潰れて前記送風口を塞ぐことを防止することを特徴とする請求項1~
4のいずれか一項に記載の温風循環マット用送風装置。
【請求項6】
前記発熱体はPTC発熱体、発熱膜、発熱シート又は発熱ワイヤのうちの1種であることを特徴とする請求項1~
4のいずれか一項に記載の温風循環マット用送風装置。
【請求項7】
マット本体、及び請求項1~
6のいずれか一項に記載の送風装置を含む温風循環マットであって、ここで、
前記マット本体は三次元メッシュ構造を有する給気路層と還気路層を含み、前記給気路層と前記還気路層の間には前記給気路層と還気路層を分離し、かつ断熱保温の役割を果たす還気分離層が敷設され、前記還気分離層には還気入口が開けられ、
前記送風装置の送風口は前記給気路層に連通し、前記送風装置によって提供される風は前記送風口から前記給気路層に入り、続いて前記還気入口を経由して上へ前記還気路層に入ることを特徴とする温風循環マット。
【請求項8】
前記還気分離層は前記給風口の上方において還気出口が開けられ、前記還気路層を流れる風は前記還気出口を介して前記給風口に入り、それによって循環送風が実現されることを特徴とする請求項
7に記載の温風循環マット。
【請求項9】
前記給気路層内に複数の給気管が埋め込まれるように取り付けられ、前記給気管の一端は前記発熱体が取り付けられた前記送風路に連通し、
前記発熱体が取り付けられた前記送風路を流れる風は前記発熱体によって加熱され、且つ前記給気管を介して前記給気路層の内部に供給され、それによって熱伝達効率と熱伝達距離が向上され、前記発熱体が取り付けられていない前記送風路を流れる風は前記給気路層の内部における前記給気管の周辺に供給され、それによって前記給気路層の給風部位の高い温度が低下されることを特徴とする請求項
7に記載の温風循環マット。
【請求項10】
前記給気路層は少なくとも2層で構成され、隣接する2層の給気路層の間には給気分離層が敷設され、前記給気分離層は前記還気入口の下方において開口が設けられ、少なくとも2つの給気路層を流れる風は前記開口及び前記還気入口を介して上へ前記還気路層に入り、
それに対応して、前記送風装置の送風口には少なくとも2つの中空の前記送風路が設けられ、前記発熱体はそのうちの1つの前記送風路内に取り付けられ、前記発熱体が取り付けられた前記送風路を流れる風は前記発熱体によって加熱され、かつそのうちの1つの前記給気路層の内部に供給され、前記発熱体が設けられていない前記送風路を流れる風はそれぞれ残りの前記給気路層の内部に供給され、それによって前記給気路層の給風部位の高い温度が低下されることを特徴とする請求項
7に記載の温風循環マット。
【請求項11】
前記給気路層は上部給気路層、中間給気路層、及び下部給気路層で構成され、隣接する前記上部給気路層、中間給気路層、及び下部給気路層の間にはそれぞれ第1給気分離層と第2給気分離層が敷設され、前記第1給気分離層と第2給気分離層はそれぞれ前記還気入口の下方において第1開口と第2開口が設けられ、下部給気路層と中間給気路層を流れる風は前記第1開口と第2開口を介して、前記上部給気路層を流れる風と合流し、前記還気入口を介して上へ前記還気路層に入り、
それに対応して、前記送風装置の送風口には上、中、下といった3層の中空の前記送風路が設けられ、前記発熱体は中間層の前記送風路内に取り付けられ、前記発熱体が取り付けられた中間層の前記送風路を流れる風は前記発熱体によって加熱され、且つ中間層の前記給気路層の内部に供給され、前記発熱体が設けられていない上、下といった2層の前記送風路を流れる風はそれぞれ上部給気路層と下部給気路層の内部に供給され、それによって前記給気路層の給風部位の高い温度が低下されることを特徴とする請求項
7又は
10に記載の温風循環マット。
【請求項12】
前記マット本体は前記給気路層の下方に敷設される底層、及び前記還気路層の上方に敷設される表面層、並びに縁取りストリップをさらに含み、前記底層、給気路層、還気分離層、還気路層、及び表面層の外縁は前記縁取りストリップによって包まれることを特徴とする請求項
7に記載の温風循環マット。
【請求項13】
前記マット本体の一側の縁取りストリップの側面部位には少なくとも2つの給気入口、及び還気出口が開けられ、前記給気入口は前記給気路層に連通し、前記還気出口は前記還気路層に連通することを特徴とする請求項
12に記載の温風循環マット。
【請求項14】
前記還気路層内には温度感知プローブが挿設され、前記制御部は温度制御回路基板を含み、前記温度感知プローブ、前記ファン、及び前記発熱体はそれぞれ前記温度制御回路基板に接続されることを特徴とする請求項
7に記載の温風循環マット。
【請求項15】
前記給気路層と前記還気路層はマクロポーラス網状スポンジ層、三次元メッシュ布層、及びPOE高分子3D糸状層のうちの1種又は複数層の組み合わせであり、
前記還気分離層はネオプレーン生地層、ニードルパンチコットン層、織物生地層、不織布層、スポンジ複合生地層、エアロゲル生地層、EVA層、XPE層、及びEPE層のうちから選ばれる1種又は複数層の組み合わせであることを特徴とする請求項
7に記載の温風循環マット。
【請求項16】
前記給気分離層はネオプレーン生地層、ニードルパンチコットン層、織物生地層、不織布層、スポンジ複合生地層、エアロゲル生地層、EVA層、XPE層、及びEPE層のうちから選ばれる1種又は複数層の組み合わせであることを特徴とする請求項
10に記載の温風循環マット。
【請求項17】
前記底層はネオプレーン生地層、キルティング加工生地層、EVA複合生地層、スポンジ複合生地層、及びエアロゲル生地層のうちの1種又は複数層の組み合わせであり、
前記表面層は織物生地層、キルティング加工生地層、空気層生地層、及び皮革層のうちから選ばれる1種又は複数層の組み合わせであることを特徴とする請求項
12又は
13に記載の温風循環マット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマットの技術分野に属し、具体的には温風循環マット用送風装置及び温風循環マットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
日常生活において、ベッドで暖を取ることに最も広く使用されている加熱装置は電気毛布と温水暖房マットである。しかしながら、電気毛布には漏電という潜在的な危険があり、また局所過熱、電磁放射等の危険が発生しやすい。一方、温水暖房マットには水漏れ、詰まり、凍結防止対策と定期的な水の補充が必要など、多くの問題があり、使用にもメンテナンスにも不便である。
【0003】
中国実用新案第208725264号明細書は温冷風を利用して降温又は加熱する温冷マットを開示しており、該当温冷マットは、マット本体、給気管、送風装置、及びコネクタなどを含む。マット本体は、下から上へ順に重なり合う底層生地、保温層、第1三次元メッシュ布層、第2三次元メッシュ布層、ライナー層、表面層を含む。第1三次元メッシュ生地層と第2三次元メッシュ生地層は通気するための通道を有し、多孔質構造の給気路層又は還気路層に属する。給気管、第1三次元メッシュ布層、及び第2三次元メッシュ布層の組み合わせによって温冷風の循環が形成され、給気管は冷風又は温風を供給してマット本体を冷却又は加熱する。上記解決手段により前記電気毛布と温水暖房マットに存在する問題が解決される。
【0004】
しかしながら、前記技術的解決手段において、給気管により供給される冷風又は温風は、給気管によって第1三次元メッシュ布層の内部に直接供給された後、さらに上へ第2三次元メッシュ布層に直接入るため、冷却/加熱源付近のマット本体の温度が低すぎる又は高すぎるという問題があり、使用者の快適さに影響を及ぼし、また、局所過冷却又は低温やけどという潜在的な危険がある。送風装置の送風口におけるマット本体の局所温度が低すぎる又は高すぎることによって引き起こされる一連の問題を解決するために、中国実用新案第208725264号明細書においては、第1三次元メッシュ布層の下方に保温層が増設され、第2三次元メッシュ布層の上方にライナー層が増設される。ライナー層は主に効果的に熱を伝達し、断熱し、熱を均一にするという役割を果たし、送風装置に近いマット本体の前端におけるライナー層の厚さはやや厚く、前端から後端まで厚さは徐々に薄くなる。そのため、該発明のマット本体は層数が多く、構造が複雑であり、コストが明らかに増加する。
【0005】
したがって、従来技術における前記技術的欠陥を克服するためには、新しい送風装置とマットを設計する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の第1目的は、従来技術における前記技術的欠陥を克服するために、温風循環マット用送風装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を実現するために、本発明は次の技術的解決手段を採用する。
【0009】
温風循環マット用送風装置であって、ファン、発熱体、及び制御部を含み、ここで、
前記ファンは給風口と送風口を有し、前記送風口には少なくとも2つの中空の送風路が設けられ、そのうち、少なくとも1つの前記送風路内には前記発熱体が取り付けられる。前記発熱体が取り付けられた前記送風路を流れる風は前記発熱体によって加熱され、かつ前記温風循環マットの内部に供給される。前記発熱体が取り付けられていない前記送風路を流れる風は前記温風循環マットの内部に同時に供給され、それによって前記温風循環マットの給風部位の高い温度が低下させる。前記ファンと発熱体の動作は前記制御部によって制御される。
【0010】
本発明の好ましい技術的解決手段によれば、前記温風循環マット用送風装置は第1接続部をさらに含み、前記第1接続部の一端は前記発熱体が取り付けられた前記送風路に接続され、他端は前記温風循環マット内の給気路層に連通する。
【0011】
より好ましくは、前記第1接続部は全体として扇形構造である。前記扇形構造の小口径端部は前記発熱体が取り付けられた前記送風路に接続され、前記扇形構造の大口径端部は前記給気路層に連通する。
【0012】
本発明の別の好ましい技術的解決手段によれば、前記送風口は送風口本体、及び前記送風口本体と取り外し可能に接続される第2接続部を含み、前記送風路はいずれも前記第2接続部内に設けられる。
【0013】
好ましくは、前記発熱体の数は1である。
【0014】
好ましくは、前記送風口には少なくとも3つの中空の送風路が設けられ、そのうち、少なくとも1つの前記送風路内には前記発熱体が取り付けられる。
【0015】
より好ましくは、前記送風口には3つの中空の送風路が設けられ、前記発熱体は中間の前記送風路内に取り付けられる。
【0016】
好ましくは、前記送風装置は上部阻止板をさらに含み、前記上部阻止板は前記送風口の上面に固定され、それによって前記送風口の上面に隣接するマット本体内部の層面が潰れて前記送風口を塞ぐことを防止する。
【0017】
好ましくは、前記発熱体はPTC発熱体、発熱膜、発熱シート又は発熱ワイヤのうちの少なくとも1種である。
【0018】
より好ましくは、前記発熱体はPTC発熱体である。
【0019】
より好ましくは、前記発熱膜はポリイミド金属発熱膜である。
【0020】
本発明によれば、前記発熱シートはセラミック発熱シート、シリカゲル発熱シート、マイカ発熱シート、MCH発熱シート、導電性シリコン発熱シート、炭素結晶発熱シート、アルミ箔発熱シートなどであってもよく、好ましくはセラミック発熱シートである。
【0021】
本発明の別の目的は温風循環マットを提供することであり、温風循環マットは、マット本体と、前記いずれかの送風装置を含み、ここで、
前記マット本体は三次元メッシュ構造を有する給気路層と還気路層を含み、前記給気路層と還気路層の間には前記給気路層と還気路層を分離し、かつ断熱保温の役割を果たす還気分離層が敷設される。前記還気分離層には還気入口が開けられる。
【0022】
前記送風装置の送風口は前記給気路層に連通し、前記送風装置によって提供される風は前記送風口から前記給気路層に入り、続いて前記還気入口を経由して上へ前記還気路層に入る。
【0023】
本発明の好ましい技術的解決手段によれば、前記還気分離層は前記給風口の上方において還気出口が開けられ、前記還気路層を流れる風は前記還気出口を介して前記給風口に入り、それによって循環送風が実現される。
【0024】
本発明の好ましい別の技術的解決手段によれば、前記給気路層内に複数の給気管が埋め込まれるように取り付けられ、前記給気管の一端は前記発熱体が取り付けられた前記送風路に連通する。
【0025】
前記発熱体が取り付けられた前記送風路を流れる風は前記発熱体によって加熱され、かつ前記給気管を介して前記給気路層の内部に供給され、それによって熱伝達効率と熱伝達距離が向上される。前記発熱体が取り付けられていない前記送風路を流れる風は前記給気路層の内部における前記給気管の周辺に供給され、それによって前記給気路層の給風部位の高い温度が低下される。
【0026】
本発明の第3の好ましい技術的解決手段によれば、前記給気路層は少なくとも2層で構成される。隣接する2つの給気路層の間には給気分離層が敷設される。前記給気分離層は前記還気入口の下方において開口が設けられる。少なくとも2つの給気路層を流れる風は前記開口及び前記還気入口を介して上へ前記還気路層に入る。
【0027】
それに対応して、前記送風装置の前記送風口には少なくとも2つの中空の前記送風路が設けられ、前記発熱体はそのうち1つの前記送風路内に取り付けられる。前記発熱体が取り付けられた前記送風路を流れる風は前記発熱体によって加熱され、かつそのうち1つの前記給気路層の内部に供給される。前記発熱体が設けられていない前記送風路を流れる風はそれぞれ残りの前記給気路層の内部に供給され、それによって前記給気路層の給風部位の高い温度が低下される。
【0028】
より好ましくは、前記給気路層は上部給気路層、中間給気路層、及び下部給気路層で構成される。隣接する前記上部給気路層、中間給気路層、及び下部給気路層の間にはそれぞれ第1給気分離層と第2給気分離層が敷設される。前記第1給気分離層と第2給気分離層はそれぞれ前記還気入口の下方において第1開口と第2開口が設けられる。下部給気路層と中間給気路層を流れる風は前記第1開口と第2開口を介して、前記上部給気路層を流れる風と合流し、前記還気入口を介して上へ前記還気路層に入る。
【0029】
それに対応して、前記送風装置の送風口には上、中、下といった3層の中空の送風路が設けられ、前記発熱体は中間層の送風路内に取り付けられる。前記発熱体が取り付けられた中間層の送風路を流れる風は前記発熱体によって加熱され、かつ中間層の給気路層の内部に供給される。前記発熱体が設けられていない上、下といった2層の前記送風路を流れる風はそれぞれ上部給気路層と下部給気路層の内部に供給され、それによって前記給気路層の給風部位の高い温度が低下される。
【0030】
好ましくは、前記マット本体は前記給気路層の下方に敷設される底層、及び前記還気路層の上方に敷設される面層、並びに縁取りストリップをさらに含む。前記底層、給気路層、還気分離層、還気路層、及び面層の外縁は前記縁取りストリップによって包まれる。
【0031】
より好ましくは、前記マット本体の一側の縁取りストリップの側面部位には少なくとも2つの給気入口、及び還気出口が開けられる。前記給気入口は前記給気路層に連通する。前記還気出口は前記還気路層に連通する。
【0032】
この場合、前記送風装置は前記マット本体の外部に取り付けられ、前記送風装置の送風口は前記給気入口に連通し、又は前記送風装置の送風口は前記給気入口内に挿入される。前記還気出口は前記送風装置の給風口に連通する。
【0033】
当業者であれば、前記底層は好ましくは保温断熱機能を有する材料層であることを容易に理解できる。
【0034】
当業者であれば、前記制御部は従来技術における一般的な制御方式、例えば一般的な電気毛布や温水暖房毛布の温度制御及びタイマーなどの方式であることを容易に理解できる。
【0035】
好ましくは、前記還気路層内には温度感知プローブが挿設され、前記制御部は温度制御回路基板を含み、前記温度感知プローブ、前記ファン、及び前記発熱体はそれぞれ前記温度制御回路基板に接続される。
【0036】
好ましくは、前記給気路層と前記還気路層はマクロポーラス網状スポンジ層、三次元メッシュ布層、及びPOE高分子3D糸層のうちの1種又は複数層の組み合わせである。
【0037】
前記還気分離層はネオプレーン生地層、ニードルパンチコットン層、織物生地層、不織布層、スポンジ複合生地層、エアロゲル生地層、EVA層、XPE層、及びEPE層のうちから選ばれる1種又は複数層の組み合わせである。
【0038】
好ましくは、前記給気分離層はネオプレーン生地層、ニードルパンチコットン層、織物生地層、不織布層、スポンジ複合生地層、エアロゲル生地層、EVA層、XPE層、及びEPE層のうちから選ばれる1種又は複数層の組み合わせである。
【0039】
好ましくは、前記底層はネオプレーン生地層、キルティング加工生地層、EVA複合生地層、スポンジ複合生地層、及びエアロゲル生地層のうちの1種又は複数層の組み合わせである。
【0040】
前記表面層は織物生地層、キルティング加工生地層、空気層生地層、及び皮革層のうちから選ばれる1種又は複数層の組み合わせである。
【発明の効果】
【0041】
従来技術と比べて、本発明の技術的解決手段は次の有益な効果を有する。
【0042】
(一)本発明の温風循環マット用送風装置は、少なくとも2つの送風路で送風し、発熱体が取り付けられていない送風路を流れる風の温度は、発熱体が取り付けられた送風路を流れる風の温度より低く、前記発熱体が取り付けられた、及び取り付けられていない送風路を流れる風は温風循環マットの内部に同時に供給され、前記温風循環マットの給風部位の高い温度は効果的に低下され、それによってマット本体内部の熱はより均一に伝達でき、マット本体給風部位の局所過熱によって引き起こされる低温やけどという潜在的な危険が解決される。それと同時に、マット本体給風部位における分離層と底層の厚さを増やすことで給風部位の局所過熱の問題を克服する必要がなくなり、マット本体の表面がより平坦となり、快適さがより高い。本発明の送風装置はコンパクトな構造、小さい体積、小さい騒音、高い動作効率を有する。
【0043】
(二)本発明の温風循環マットは、給気路層と還気路層が前記還気分離層によって分離され、送風装置によって提供される風は送風口から給気路層に入り、続いて還気入口を経由して上へ還気路層に入り、さらに還気路層を流れて給風口に入る。このように設置すれば、給気路層給風部位の高い温度は効果的に低下されるだけでなく、還気路層を流れる風はマット本体内部の温度分布に対してさらなる熱平衡の処理を行い、マット本体表面の異なる領域間の温度差を最大限低下させることができ、それによってマット本体表面の熱はより均一に分布でき、快適さが高い。また、マット本体内部の風は順調に循環し、熱エネルギー利用率が高く、エネルギー消費量は大幅に削減される。同時に、本発明のマット本体の構造は簡素化され、材料コストの削減と生産効率の向上により役立つ。
【0044】
(三)給気路層と還気路層はマクロポーラスメッシュスポンジ、三次元メッシュ生地、POE高分子3D糸などの三次元メッシュ構造を有する材料を採用し、順調な給気、還気の放熱路を提供でき、マット本体表面の異なる領域の温度差の低下に役立ち、さらに良好な支持性と反発弾性を有し、睡眠中のボディラインにぴったりとくっつけ、人体の快適さを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明の実施例1に係る送風装置の構造概略図である。
【
図4】第1接続部が取り付けられた送風装置の左側面図である。
【
図5】実施例1に係る送風装置の構造概略図である(送風口は送風口本体と第2接続部を含む)。
【
図6】送風口に上部阻止板が取り付けた実施例1の送風装置の構造概略図である。
【
図7】実施例2の温風循環マットの構造概略図の分解図である(外部カバー又は縁取り層がない)。
【
図8】還気分離層上方から見た実施例2の温風循環マットの上面図である。
【
図9】前記送風装置のファンの中心に沿って切断された実施例2の温風循環マットの1つの断面概略図である。
【
図10】実施例2の温風循環マットの送風装置の送風口部位の局所拡大図である(送風口には上部阻止板が取り付けられている)。
【
図11】実施例2の温風循環マットの送風装置の送風口部位の局所拡大図である(送風口には上部阻止板が取り付けられている)。
【
図12】実施例3の給気管が取り付けられた温風循環マットの構造概略図の分解図である(外部カバー又は縁取り層がない)。
【
図13】実施例3の温風循環マットの送風装置と給気管が接続される部位の局所拡大図である。
【
図14】実施例3の温風循環マットの送風装置と給気管が接続される部位の局所拡大図である(送風口において、給気管の上下には阻止板が取り付けられる)。
【
図15】実施例3の給気管の1種の分布概略図である(給気管には複数の小給気小孔が開けられている)。
【
図16】実施例3の給気管の1種の分布概略図である。
【
図17】実施例4の温風循環マットの構造概略図の分解図である(外部カバー又は縁取り層がない)。
【
図18】前記送風装置のファンの中心に沿って切断された実施例4の温風循環マットの1つの断面概略図である。
【
図19】送風装置がマット本体の外部に設けられる場合の構造概略図の局所拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下において具体的な実施例、好ましい実施例をもって本発明の温風循環マット用送風装置及び温風循環マットについてさらに説明する。当然のことながら、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0047】
次に具体的な実施例をもって本発明についてさらに説明する。
【0048】
[実施例1]温風循環マット用送風装置
図1~
図4に示すように、本実施例の温風循環マット用送風装置は、温風循環マットの内側又は外側に設けられ、前記温風循環マット内に送風するために用いられ、ファン10、PTC発熱体20、及び制御部30を含み、ここで、
前記ファン10は給風口13と送風口11を有し、前記送風口11には3層の中空の送風路12が設けられ、それぞれは上部送風路121、中間送風路122、及び下部送風路123である。前記中間送風路122内に1つの前記PTC発熱体20が取り付けられる。前記ファン10とPTC発熱体20の動作は前記制御部30によって制御される。
【0049】
前記送風装置が温風を供給する際、前記PTC発熱体20が取り付けられた中間送風路122を流れる風は前記PTC発熱体20によって加熱され、かつ前記温風循環マットの内部に供給される。前記PTC発熱体20が取り付けられていない上部送風路121と下部送風路123を流れる風は前記温風循環マットの内部に同時に供給される。
【0050】
このように設置すれば、前記上部送風路121と下部送風路123を流れる風の温度は、前記中間送風路122を流れる風の温度より低く、そのため前記マット本体の給風部位を降温させることができ、前記温風循環マットの給風部位(すなわち前記送風口に隣接する温風循環マットの温度が高い部位)の高い温度が効果的に低下され、それによってマット本体内部の熱はより均一に伝達でき、マット本体の給風部位の局所過熱によって引き起こされる低温火傷という潜在的な危険が解決される。それと同時に、マット本体の給風部位における分離層と底層の厚さを増やすことで給風部位の局所過熱の問題を克服する必要がなくなり、マット本体の表面がより平坦となり、快適さがより高い。本発明の送風装置はコンパクトな構造、小さい体積、小さい騒音、高い動作効率を有する。
【0051】
尚、本実施例において、3層の中空の送風路12は他の形式とする3通路の送風路であってもよく、例えば、左右分布であり、即ちそれぞれ左送風路、中間送風路、及び右送風路に設置する。当然ながら、3層の中空の前記送風路12は従来技術における他の可能な分布形式であってもよい。
【0052】
尚、本実施例において、前記送風路12の通路数は少なくとも2つであるが、これに限られない。当業者は実際の必要に応じて、前記送風路12の通路数及び少なくとも2通路の送風路12の分布形式を合理的に設置することができ(例えば、円周分布であり、前記発熱体が取り付けられた送風路は中間にあり、前記発熱体が取り付けられていない送風路は周囲にあるようなものであり、この場合、より適する発熱体は片状発熱体、棒状発熱体又は螺旋状発熱ワイヤである)、同様に前記マット本体の給風部位に対する降温を実現できる。
【0053】
尚、本実施例において、前記PTC発熱体20の数は制限されない。当業者は実際の必要に応じて、前記PTC発熱体20の数を合理的に設置することができる。複数の前記PTC発熱体20は異なる送風路12内に取り付けられてもよい。
【0054】
好ましくは、前記送風口11には少なくとも3つの中空の送風路が設けられ、そのうち、少なくとも1つの前記送風路12内には前記PTC発熱体20が取り付けられる。このように設置すれば、送風路12の通路数はより合理的であり、構造が簡単であり、処理しやすく、また、前記PTC発熱体20が取り付けられたの送風路12内を離れる風の温度をより低くし、送風装置及びマット本体の給風部位の降温に役立つ。
【0055】
好ましくは、前記PTC発熱体20の数は1であり、前記PTC発熱体の発熱パワーや前記ファンの回転速度などのパラメータを調整することで前記加熱される風の温度を調整することができる。
【0056】
当然ながら、前記PTC発熱体を従来技術における他の発熱体、例えば発熱膜、発熱シート又は発熱ワイヤのうちの1種で代替することができる。前記発熱体20が取り付けられた送風路12を流れる風は前記発熱体によって加熱され、かつ前記温風循環マットの内部に供給される。前記発熱体が取り付けられていない給気路層を流れる風は前記温風循環マットの内部に同時に入る。ただし、比較すると、PTC発熱体は熱抵抗が小さく、熱交換効率が高く、発火することなく発熱でき、特有の自己温度制限機能、及び高い安全性があるため、好ましい部品である。
【0057】
本実施例において、前記発熱膜は従来技術における一般的な発熱膜、例えばポリイミド金属発熱膜、グラフェン発熱膜などであってもよく、好ましくはポリイミド金属発熱膜である。前記発熱シートはセラミック発熱シート、シリカゲル発熱シート、マイカ発熱シート、MCH発熱シート、導電性シリコン発熱シート、炭素結晶発熱シート、アルミ箔発熱シートなどであってもよく、好ましくはセラミック発熱シートである。
【0058】
当業者であれば、前記制御部30は従来技術における一般的な温度コントローラであってもよいということを容易に理解できる。例えば、可撓性部材(例えばゴムケーシング)内に感温装置が取り付けられた制御型電気毛布の温度コントローラ及び温度制御方式は、一般的には2つの制御方式が使用される:
(一)温度の変化とともに入力パワーを自動的に調整する方式。
(二)設定温度に基づいて自動的に起動、停止する方式。
【0059】
本実施例に使用されるのは設定温度に基づいて自動的に起動、停止する方式であり、そのうちの1種の操作方式は具体的に次のように設定することができる。
【0060】
送風装置200を起動し、前記マット本体100の温度が設定温度より1℃高い温度に達していない場合、前記PTC発熱体20と前記ファン10は正常に動作し、前記マット本体100は被加熱状態にある。温度が設定温度より1℃高くなった場合、前記PTC発熱体20と前記ファン10は動作を停止し、前記マット本体100は降温状態にある。前記マット本体100の温度が設定温度より1℃低くなった場合、前記PTC発熱体20と前記ファン10は再起動し、前記マット本体100は被加熱状態にある。このように前記PTC発熱体20と前記ファン10の動作状態の起動、停止を繰り返し、マット本体100の小さい温度差範囲内の相対的な恒温を維持し、人の快適な睡眠に適する最適な体感温度を保障する。
【0061】
好ましくは、前記制御部30内には温度制御回路基板が設けられ、前記ファン10、PTC発熱体20、及び前記マット本体100内に取り付けられる温度感知プローブ170は、前記温度制御回路基板に接続される。前記制御部30は、前記マット本体100の一側に設けられて前記マット本体100と一体にされることができる。また、独立した温度コントローラの形式で前記マット本体100の外部に設置され、かつ導線を介して前記送風装置200に接続されることもできる。
【0062】
本実施例において、前記制御部30は独立した温度コントローラの形式である。このように設置すれば、制御はすべて温度コントローラに集まり、制御方法が簡略化され、操作しやすい。
【0063】
図2に示すように、本発明によれば、前記PTC発熱体20はPTC固定フレーム条片21によって前記送風路12内に固定される。
【0064】
図3及び
図4に示すように、本実施例の一部の好ましい実施例によれば、前記送風装置は第1接続部40をさらに含む。前記第1接続部40の一端は前記送風口11内の前記PTC発熱体20が取り付けられた中間送風路122に接続される。他端は前記温風循環マットの給気路層に連通する。
【0065】
前記給気路層内に給気管が取り付けられた場合、前記第1接続部40の他端は給気管に接続される。
【0066】
この場合、好ましくは、前記第1接続部40は全体として扇形構造である。前記扇形構造の小口径端部は前記PTC発熱体20が取り付けられた送風路に接続され、大口径端部は給気管に接続される。このように設置すれば、前記給気管の数と口径に基づいて、前記第1接続部の大口径端部の寸法と形状を柔軟に配置することができ、熱風を供給する効率及び前記給気管の組み立て効率を高めることができる。
【0067】
当然ながら、当業者であれば、前記第1接続部40は全体として円筒型とラッパ型であってもよいということを容易に理解でき、この場合、給気管を2列又は複数列に重ね合わせて接続することができる。前記第1接続部40は従来技術における他の可能な構造であってもよい。
【0068】
当業者であれば容易に理解できるように、従来技術において、前記給気管と前記第1接続部40の具体的な接続形式は複数あってもよく、例えば、前記第1接続部40の他端内には給気管挿着口が設けられ、前記給気管挿着口は前記給気管に挿着して接続される。
【0069】
図5に示すように、本実施例の一部の好ましい実施例によれば、前記送風口11は送風口本体111、及び前記送風口本体111に取り外し可能に接続される第2接続部112を含み、前記送風路12はいずれも前記第2接続部112内に設けられる。前記第2接続部112内において、前記PTC発熱体20が取り付けられた送風路12は前記温風循環マットの内部に連通する。
【0070】
このように設置すれば、前記PTC発熱体20又は前記第2接続部112を取り付け、又は取り替える必要がある場合は、前記第2接続部112のみを取り付け、取り外せばよく、よって取り付けとメンテナンスはより容易になる。
【0071】
好ましくは、前記第2接続部112の両端には挿着口があり、前記第2接続部112は挿着口を介して前記送風口本体111及び前記第1接続部40に接続される。このように設置すれば、前記第2接続部112の取り付けと取り外しが非常に容易になる。
【0072】
図6に示すように、本実施例の一部の好ましい実施例によれば、前記送風装置は上部阻止板14をさらに含み、前記上部阻止板14はそれぞれ前記送風口11の上面に固定される。
【0073】
マット本体の材料は一般的に柔らかいため、このように設置すれば、前記送風口11の上面に隣接するマット本体内部の層面が潰れて前記送風口11を塞ぐことを防止することができ、送風装置200の送風効率が向上され、潜在的な危険を減らす。
【0074】
[実施例2]温風循環マット
図5、
図7~
図9に示すように、本実施例の温風循環マットは、基本構造がマット本体100、及び実施例1の送風装置200を含み、前記送風口11は送風口本体111、及び前記送風口本体111に取り外し可能に接続される第2接続部112を含み、前記送風路12はいずれも前記第2接続部112内に設けられる。前記第2接続部112内において、前記発熱体20が取り付けられた送風路12は前記温風循環マットの内部に連通する。
【0075】
ここで、前記マット本体100は三次元メッシュ構造を有する給気路層110と還気路層120を含み、前記給気路層110と還気路層120の間には前記給気路層110と還気路層120を分離し、かつ断熱保温の役割を果たす還気分離層130が設けられる。前記還気分離層130には還気入口131が開けられる。
【0076】
前記送風装置200の送風口11は前記第2接続部112を介して前記給気路層110に連通し、前記送風装置200によって提供される風は前記送風口11から前記第2接続部112を介して前記給気路層110に入り、続いて前記還気入口131を経由して上へ前記還気路層120に入る。
【0077】
当業者であれば容易に理解できるように、前記送風装置200の給風口13に入る風は外部の新鮮空気であってもよく、前記還気路層120に循環して戻る風であってもよく、好ましくは両者であり、すなわち、前記還気路層120を流れる風の小さな部分はマット本体の外部環境に浸透し、大部分は前記送風装置200の給風口13を介して前記給気路層110に戻り、少量の外部環境における新鮮空気は前記送風装置200の給風口13に同時に入り、風量の補充が実現される。
【0078】
図7~
図9に示すように、好ましくは、前記還気分離層130は前記ファン10の給風口13の上方において還気出口132が開けられ、前記還気路層120を流れる風は前記還気出口132を介して前記給風口13に入り、循環送風が実現される。
【0079】
この場合、前記送風装置200は好ましくは前記給気路層110の一端に埋め込まれるように取り付けられる。前記送風装置200によって提供される風は前記給気路層110内に直接、迅速に入ることができ、前記還気路層120によって循環された還気は前記還気分離層130の還気出口132から下へ前記ファン10の給風口13に入り、循環送風が実現される。当然ながら、
図19に示すように、前記送風装置200を前記マット本体100の外側に取り付けることができ、前記還気出口132は縁取りストリップ160の一側面に設けられ、還気管路(図示せず)を介して前記給風口13に連通する。
【0080】
好ましくは、
図9に示すように、前記マット本体100は前記給気路層110の下方に敷設され、保温・断熱機能を有する底層140、及び前記還気路層120の上方に敷設される表面層150、並びに縁取りストリップ160をさらに含み、前記底層140、給気路層110、還気分離層130、還気路層120、及び表面層150の外縁は前記縁取りストリップ160によって包まれる。
【0081】
前記送風装置200が前記マット本体100の内側に取り付けられることもよく、前記マット本体100の外側に取り付けられることもよい。
【0082】
より好ましくは、
図19に示すように、前記マット本体100の一側の縁取りストリップ160の側面部位には少なくとも2つの給気入口161、及び還気出口132が開けられる。前記給気入口は前記給気路層110に連通する。前記還気出口132は送風装置100の給風口13に連通する。
【0083】
この場合、前記送風装置200は前記マット本体100の外部に取り付けられ、前記送風装置200の送風口11は前記給気入口161に連通し、又は送風口11は前記給気入口161を介して前記給気路層110内に挿入され、前記還気出口132は前記送風装置100の給風口13に連通する。
【0084】
好ましくは、
図7に示すように、前記還気路層120内には温度感知プローブ170が挿設され、前記制御部30は温度制御回路基板を含み、前記温度感知プローブ170、前記ファン10、及び前記発熱体20はそれぞれ前記温度制御回路基板に接続される。前記温度感知プローブ170は前記還気路層120内の温度をリアルタイムに検出し、かつ前記温度制御回路基板にリアルタイムにフィードバックし、前記マット本体100の温度に対する検出及び制御に役立つ。
【0085】
前記制御部30は従来の温度制御技術における一般的なタイマー機能を備えた温度コントローラを用いてもよい。本実施例に使用される温度コントローラは太倉大豊電器有限公司製の型番MOT-6320Bの温度制御型温度コントローラである。具体的な操作ステップは次のとおりである。
【0086】
1)「電源」ボタンを押すと、温度コントローラはパワーオンになり、かつ送風装置200は起動され、動作を開始し、「電源」ボタンを再び押すと、温度コントローラはパワーオフになり、送風装置200は動作を停止する。
【0087】
2)温度コントローラのパワーオン状態で、「機能」ボタンを押すと温度指示ランプが点灯し、この際「+」、「-」ボタンを押して温度を設定することができ、温度設定が完了してから3秒後に、温度コントローラは現在の温度を表示するように戻る。設定温度が現在温度より高い場合、温度コントローラは加熱を開始し、この際加熱ランプが点灯する。設定温度が現在温度より低い場合、温度コントローラは加熱を停止し、加熱ランプが消灯する。このように起動、停止を繰り返し、相対的な恒温を維持する。
【0088】
3)「機能」ボタンを押すとタイマー指示ランプが点灯し、この際「+」、「-」ボタンを押してタイマーの設定を行うことができる。タイマー設定が完了してから3秒後に温度コントローラは現在の温度を表示するように戻る。タイマーの設定時間になった時、温度コントローラは加熱を停止し、かつ「--」を表示する。
【0089】
4)記憶機能を有する。毎回パワーオンされると、前回設定された温度と時間設定値に自動的に設定され、寝る前に同じ操作を繰り返すことが効果的に回避される。
【0090】
5)温度と時間を自由に設定できる。例えば風邪を引いた場合や、発汗したいなどの場合は、設定温度を適切に上げること等ができる。
【0091】
このような制御方式を用いると、身体に密着する暖房製品に必須な機能のより簡便な設定と操作が実現され、老人、幼児、妊婦、産婦など、身体に密着する健康暖房製品に硬直的需要のあるグループに特に適する。
【0092】
好ましくは、
図10に示すように、前記送風装置200の送風口11には前記上部阻止板14が取り付けられる。前記上部阻止板14は前記送風口11の上面に固定される。マット本体の材料は一般的に柔らかいため、このように設置すれば、前記送風口11の上面に隣接するマット本体内部の層面が潰れて前記送風口11を塞ぐことを防止することができ、送風装置200の送風効率を向上し、潜在的な危険を減らす。
【0093】
当然ながら、
図11に示すように、前記上部阻止板14と同様に、隣接する送風路12の間に外へ延伸する風案内用阻止板15を追加することができる。このように設置すれば、前記風案内用阻止板15は前記送風路の風を案内し、より順調に送風することができる。
【0094】
本発明によれば、前記給気路層110と前記還気路層120は従来技術における三次元メッシュ構造を有する材料層を使用することができ、それによって通気を効果的に実現することができ、かつ一定の支持するための硬度を有する。
【0095】
好ましくは、前記給気路層110と前記還気路層120はマクロポーラス網状スポンジ層、三次元メッシュ布層、POE高分子3D糸層のうちの1種又は複数層の組み合わせである。
【0096】
前記還気分離層130は従来技術における一般的な風止め、断熱、及び保温効果を有する材料層が使用される。
【0097】
前記還気分離層130は好ましくはネオプレーン生地層、ニードルパンチコットン層、織物生地層、不織布層、スポンジ複合生地層、エアロゲル生地層、EVA層、XPE層、及びEPE層のうちの1種又は複数層の組み合わせである。
【0098】
本発明によれば、前記底層140は好ましくは従来技術における保温・断熱機能を有する材料層が使用される。好ましくは、前記底層140はネオプレーン生地層、キルティング加工生地層、EVA複合生地層、スポンジ複合生地層、及びエアロゲル生地層のうちの1種又は複数層の組み合わせである。
【0099】
前記表面層150は従来技術における一般的な表面層、例えば化学繊維生地層、純綿生地層である。前記表面層150は好ましくは織物生地層、キルティング加工生地層、空気層生地層、及び皮革層のうちの1種又は複数層の組み合わせである。
【0100】
好ましくは、前記底層140の底部に滑り止め機能が備わっている。
【0101】
なお、POE高分子3D糸層は、POEプラスチック装置から押し出し、生産ラインによって製造された弾性材料層であり、その内部には非常に豊富な不規則に絡み合う糸状細孔通路構造があり、さらに優れた反発弾性を有し、一般的には弾性マットレスの製造に用いられる。
【0102】
三次元メッシュ布層は、ダブルニードルベッドトリコットメッシュ生地であり、上下2層のトリコットメッシュ布、及び中間においてそれらを接続するポリエステル単糸で構成される三次元の立体メッシュ布構造である。一般的には、上下の2面はポリエステルであり、中間の接続糸はポリエステル単糸であり、厚さは一般的に2-20mmである。その特有の二面メッシュ及び中間の三次元「X-90度」単糸支持構造によって形成された百万個以上の支持点によって、内部空気が自在に流れることができる透かし彫り状の立体構造、及び良好な支持性と反発弾性が示される。
【0103】
EVA層:EVAはエチレン-酢酸ビニル(ビニルアセタート)共重合体で、発泡材料であり、ベビークロールマット、保温マットなどに広く使用されている。
【0104】
XPE層:XPEは化学架橋ポリエチレン発泡材料である。XPE層は低密度ポリエチレン樹脂を用い、架橋剤と発泡剤を加え、高温連続発泡を経て形成されたポリエチレン発泡材料層である。
【0105】
EPE層:EPEは発泡ポリエチレンであり、ミラマットとも呼ばれ、非架橋独立気泡構造である。EPE層は低密度ポリエチレンを主要原料として押し出しによって生成された高発泡ポリエチレン層である。
【0106】
EVA複合生地層とはEVA材料と布生地などの材料を接着又は超音波などの技術を用いて一体に複合した生地層を指す。
【0107】
スポンジ複合生地層とはスポンジと布生地などの材料を接着又は超音波などの技術を用いて一体に複合した生地層を指す。
【0108】
本実施例の温風循環マットは、使用時に以下のように操作することができる。
【0109】
(1)前記制御部30によって前記送風装置200を起動し、前記発熱体20は発熱し、前記発熱体20によって加熱された温風と加熱されていない自然風はそれぞれの送風路12に沿って前記給気路層110に入り、続いて前記還気入口131を介して上へ前記還気路層120に入る。温風は前記給気路層110と還気路層120内において均一に分布し、熱の均一分布が実現され、前記還気路層120を通った後の風の大部分は還気出口132を介して前記給風口13に入り、それによって循環給気が実現される。
【0110】
(2)前記制御部30は温度感知プローブ170によって前記還気路層120内の温度をリアルタイムに監視し、さらに前記温度制御回路基板の温度制御モジュールによって前記発熱体20とファン10の動作の起動、停止を制御し、それによって前記マット本体100の温度が制御される。
【0111】
[実施例3]温風循環マット
図12と
図13に示すように、本実施例の基本構造は実施例2と同じであり、相違点は以下のとおりである。
【0112】
前記給気路層110内に複数の給気管180が埋め込まれるように取り付けられ、前記給気管180の一端は前記発熱体20が取り付けられた前記送風路12に連通する。
【0113】
前記発熱体20が取り付けられた前記送風路12を流れる風は前記発熱体によって加熱され、かつ前記給気管180を介して前記給気路層110の内部に供給され、それによって熱伝達効率と熱伝達距離が向上される。前記発熱体20が取り付けられていない前記送風路12を流れる風は前記給気路層110の内部における前記給気管180の周辺に供給され、それによって前記給気路層110の給風部位の高い温度が低下される。
【0114】
図14に示すように、前記送風装置200の送風口11には前記上部阻止板14と底部阻止板16が取り付けられる。前記上部阻止板14と底部阻止板16はそれぞれ前記送風口11の上面と底面に固定される。マット本体の材料は一般的に柔らかいため、このように設置すれば、前記送風口11の上面に隣接するマット本体内部の層面が潰れて前記送風口11を塞ぐことを防止することができ、また、前記送風口11の底面に接続される前記マット本体内部の層面が突起して前記送風口11を塞ぐことを防止することができる。したがって、送風装置200の送風効率を向上し、潜在的な危険を減らす。
【0115】
当業者であれば、前記給気路層110内部の熱を均一に分布させるには、多くの方式があることを容易に理解できる。
【0116】
図15に示すとおり、例えば、前記給気管180の管壁に複数組の給気小孔を開けることが挙げられる。当業者は前記マット本体200の寸法及び前記マット本体200表面の異なる領域の温度分布状態に基づいて、前記給気管180の口径、数、及び長さ、並びに各組の前記給気小孔の位置及び前記給気小孔の口径を柔軟に配置し、前記マット本体200の異なる領域の熱を均一に分布させ、したがって前記マット本体200表面の異なる領域間の温度差を最小化することを実現する。
【0117】
図16に示すとおり、例えば、前記給気管180の末端に温風出口があり、前記マット本体200の寸法及び前記マット本体200表面の異なる領域の温度分布状態に基づいて、前記給気管180の口径、数、及び長さを柔軟に配置し、前記マット本体200の異なる領域の熱を均一に分布させ、したがって前記マット本体200表面の異なる領域間の温度差を最小化することを実現する。
【0118】
さらに、前記2つの場合の組み合わせであってもよい。また、従来技術における他の可能な形式であってもよい。
【0119】
本発明によれば、前記給気管180の形状と材料を限定しなくてもよい。例えば、シリカゲルホース又はプラスチックホースを前記給気管180として使用してもよく、1本の単腔パイプを使用してもよく、二腔パイプを使用してもよい。
【0120】
本実施例の温風循環マットは、使用時に以下のように操作する。
【0121】
(1)前記制御部30によって前記送風装置200を起動し、前記発熱体20は発熱し、発熱体20によって加熱された温風は送風路12に沿って前記給気管180に入り、前記給気管180を経て前記給気路層110内に供給され、かつ前記送風口11との距離が遠いほど、供給される熱風の量が多い。加熱されていない自然風はその送風路12に沿って前記給気路層110内における前記給気管180の周辺に供給され、続いて前記還気入口131を介して上へ前記還気路層120に入る。温風は前記還気路層120内において均一に流れ、分布し、前記還気路層120を通った後の風の大部分は還気出口132を介して前記給風口13に入り、それによって循環送風が実現される。
【0122】
(2)前記制御部30は温度感知プローブ170によって前記還気路層120内の温度をリアルタイムに監視し、さらに前記温度制御回路基板の温度制御モジュールで前記発熱体とファンの動作の起動、停止を制御し、それによって前記マット本体100の温度が制御される。
【0123】
[実施例4]温風循環マット
図17に示すように、本実施例の基本構造は実施例2と同じであり、相違点は以下のとおりである。
【0124】
前記給気路層110は上部給気路層113、中間給気路層114、及び下部給気路層115で構成される。隣接する前記上部給気路層113、中間給気路層114、及び下部給気路層115の間にはそれぞれ第1給気分離層190aと第2給気分離層190bが敷設される。前記第1給気分離層190aと第2給気分離層190bはそれぞれ前記還気入口131の下方において第1開口191と第2開口192が設けられる。下部給気路層115と中間給気路層114を流れる風は前記第1開口191と第2開口192を介して、前記上部給気路層113を流れる風と合流し、前記還気入口131を介して上へ前記還気路層120に入る。
【0125】
それに対応して、前記送風装置200の送風口11には上、中、下といった3つの中空の送風路が設けられ、前記発熱体20は中間の前記送風路内に取り付けられる。前記発熱体20が取り付けられた中間の前記送風路122を流れる風は前記発熱体によって加熱され、かつ中間層の前記給気路層110の内部に供給される。前記発熱体20が設けられていない上部と下部の前記送風路121、123を流れる風はそれぞれ上部給気路層113と下部給気路層115の内部に供給され、それによって前記給気路層110の給風部位の高い温度が低下される。
【0126】
当然ながら、当業者であれば、前記給気路層110の層数は少なくとも2層であるがこれに限られないことを容易に理解できる。当業者は実際の必要に応じて、前記給気路層110の層数を合理的に設置することができる。隣接する2つの給気路層110の間には給気分離層が敷設される。前記給気分離層は前記還気入口131の下方において開口が設けられる。少なくとも2つの給気路層110を流れる風は前記開口及び還気入口131を介して上へ前記還気路層120に入る。
【0127】
それに対応して、前記送風装置200の送風口11には少なくとも2つの中空の送風路12が設けられ、前記発熱体20はそのうちの1つの前記送風路12内に取り付けられる。前記発熱体20が取り付けられた前記送風路12を流れる風は前記発熱体によって加熱され、かつそのうちの1つの前記給気路層110の内部に供給される。前記発熱体20が設けられていない送風路を流れる風はそれぞれ残りの前記給気路層110の内部に供給され、それによって前記給気路層110の給風部位の高い温度が低下される。
【0128】
尚、前記給気分離層は従来技術における一般的な風止め、断熱、及び保温効果を有する材料層が使用され、好ましくはネオプレーン生地層、ニードルパンチコットン層、織物生地層、不織布層、スポンジ複合生地層、エアロゲル生地層、EVA層、XPE層、EPE層のうちの1種又は複数層の組み合わせである。
【0129】
[実施例5]温風循環マットの温度検出試験
従来技術において、一般的には、温風循環マットの給風端と末端の間の温度差が10℃以下であると、良好な均一加熱効果を達成していると見なされ、5℃以下であると、相当よい均一的な加熱効果と見なされる。
【0130】
実施例2~4において、前記給気路層110と還気路層120はいずれも三次元メッシュ布層が使用される。前記マット本体100の長さ×幅×厚さは200×100×4cmである。前記送風装置200の送風口11は送風口本体と第2接続部で構成される。第2接続部内には上、中、下といった3層の送風路が設けられ、PTC発熱体は中間の送風路内に取り付けられ、PTC発熱体が取り付けられている中間の送風路から吹き出された熱風の温度は80℃であり、風速は4.5m/sである。
【0131】
実施例3は6本の給気管180が使用され、1本の給気管180の内径は10mm、外径は13mm、長さは135cm~145cmである。1本の給気管180の管壁には4~6組の給気小孔が開けられ、給気小孔の口径は4mmであり、組毎には2つの孔がある。前記給気管180は単腔シリカゲルホースである。
【0132】
実施例4の給気路層110は上部給気路層、中間給気路層、及び下部給気路層で構成される。
【0133】
前記送風装置200は前記マット本体100の給風端の左側に取り付けられ、温度感知プローブ170はマット本体200の中端の中間部位に設けられ、前記マット本体100の表面は布団が掛けられ、テスト環境温度は26℃であり、前記制御部30の設定温度は50℃である。前記送風装置を起動してから30分後と60分後に、複数のプローブを有する温度検出器を用いて前記マット本体100の表面の異なる領域の温度を検出した結果は表1と表2に示す。
【0134】
【0135】
【0136】
表1から見せるように、送風してから30分後、実施例2~4の3種の温風循環マットはいずれも温風循環マットに対する加熱を迅速、効果的に実現でき、給風端左側の温度範囲は39~40℃であり、送風路から吹き出された熱風温度80℃よりはるかに小さく、この温度条件で人体に低温やけどを与えることはない。実施例2~4の3種の温風循環マットのマット本体100表面における異なる領域間の温度差は小さい。
【0137】
表1のデータを計算してからわかるように、実施例2の給風端と末端の最大温度差は10℃である。実施例3の給風端と末端の最大温度差は5℃である。実施例4の給風端と末端の最大温度差は9℃である。実施例2において、中、右側の温度値はいずれも実施例3と実施例4より低い。これから見ると、実施例3と実施例4のマット本体100表面の異なる領域間の温度差はより小さく、実施例3のマット本体100表面の異なる領域間の温度差は最も小さい。また、送風してから30分後、実施例3の温風循環マットの温度分布は良好な効果を達成してしまう。
【0138】
表2から見せるように、送風してから60分後、実施例2~4の3種の温風循環マットはいずれも前記温風循環マットに対する加熱を実現でき、給風端左側の温度範囲は46~48℃であり、送風路から吹き出された熱風温度80℃より小さい。実施例2~4の3種の温風循環マットのマット本体100表面における異なる領域間の温度差は小さい。
【0139】
表2のデータを計算してからわかるように、実施例2の給風端と末端の最大温度差は18℃である。実施例3の給風端と末端の最大温度差は5℃である。実施例4の給風端と末端の最大温度差は10℃である。実施例2において、中、右側の温度値はいずれも実施例3と実施例4より低い。これから見ると、実施例3と実施例4のマット本体100表面の異なる領域間の温度差はより小さく、実施例3のマット本体100表面の異なる領域間の温度差は最も小さく、また、送風時間の延長とともに、実施例3のマット本体100全体の温度が上昇し、ただし、最大温度差は基本的に変わらない。
【0140】
要約すれば、実施例3の前記マット本体100表面における異なる領域の温度差は最も小さく、従来の条件で好ましい解決手段とされてもよい。また、実施例3の加熱時間は好ましくは30~60分間に制御し、そうすればマット本体の加熱温度の要件を満たすことができる。実施例3において60分間加熱した時の温度はダニ除去に適する。
【0141】
当然ながら、当業者であれば容易に理解できるように、前記還気分離層130と前記給気分離層190が厚いほど、その断熱性能が高く、前記マット本体100表面の異なる領域の温度差が小さい。将来、還気分離層と給気分離層材料の性能の向上と改良に伴い、前記還気分離層130と前記給気分離層がより薄くなったことで良好な断熱性能が実現できるようになった場合、実施例2と実施例4の技術的解決手段においては給気管を設ける必要がなくなり、したがって構造がより簡単になり、コストがより低くおさえられ、また、良好な加熱効果が実現でき、これはより好ましい技術的解決手段になる。
【0142】
本発明の温風循環マットは、除湿、ダニ除去時の推奨設定温度値は45℃であり、睡眠時の推奨設定温度は32~35℃であり、かつ37℃を超えることが厳禁され、これにより給風端の局所過熱が引き起こす低温やけどを効果的に回避することができる。
【0143】
本発明の温風循環マットは、前記給気路層110の給風端の温度を適切な温度範囲まで効果的に低減することができ、それにより前記マット本体100表面の局所過熱による低温やけどが引き起こさないことを確保し、人体と命の安全を確保し、快適さを最大限に高める。同時に、本発明のマット本体の構造が簡素化され、材料コストが削減され、生産効率が向上される。また、本発明の好ましい実施例3の温風循環マットの給風端と、中部と、末端との温度差はより適切であり、よってマット本体表面の熱がより均一であり、人体の快適さがより高い。順調な内部循環によって、熱エネルギー利用率がより高く、エネルギー消費量がさらに削減される。
【0144】
以上、本発明の具体的な実施例について詳細に説明したが、それらは例示的なものであり、本発明は以上に説明した具体的な実施例に限定されるものではない。当業者にとって、本発明に対して行われるあらゆる等同の修正及び代替はすべて本発明の範囲内にあるものとする。したがって、本発明の精神と範囲から逸脱するこなく行われる均等な変更と修改は、すべて本発明の特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0145】
100 マット本体
200 送風装置
10 ファン
20 PTC発熱体又は発熱体
30 制御部
40 第1接続部
11 送風口
12 送風路
13 給風口
14 上部阻止板
15 風案内用阻止板
111 送風口本体
112 第2接続部
121 上部送風路
122 中間送風路
123 下部送風路
21 PTC固定フレーム条片
110 給気路層
120 還気路層
130 還気分離層
140 底層
150 表面層
160 縁取りストリップ
170 温度感知プローブ
180 給気管
190 給気分離層
113 上部給気路層
114 中間給気路層
115 下部給気路層
131 還気入口
132 還気出口
161 給気入口
190a 第1給気分離層
190b 第2給気分離層
191 第1開口
192 第2開口