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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】液体貯蔵容器およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/02 20060101AFI20220621BHJP
   G01M 3/26 20060101ALI20220621BHJP
   B65D 90/501 20190101ALI20220621BHJP
【FI】
G01M3/02 L
G01M3/26 Z
B65D90/501
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021019604
(22)【出願日】2021-02-10
(65)【公開番号】P2021169997
(43)【公開日】2021-10-28
【審査請求日】2021-02-10
(31)【優先権主張番号】109112461
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】521063395
【氏名又は名称】何 建智
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(74)【代理人】
【識別番号】100150773
【弁理士】
【氏名又は名称】加治 信貴
(72)【発明者】
【氏名】何 建智
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-162205(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00705773(EP,A1)
【文献】特開平11-142277(JP,A)
【文献】特開2009-113859(JP,A)
【文献】特開2012-096823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00~3/40
B65D 90/50~90/513
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体貯蔵容器には以下が含み、
コンテナシェルは、内壁、外壁、および少なくとも1つのスペーサーを有し、
少なくとも1つのスペーサーは、内壁と外壁との間に固定され、複数の層間空間を形成し、
内壁は、液体を貯蔵するための貯蔵空間を形成し、少なくとも1つのスペーサーは、第1の表面、および第2の表面を有し、第1の表面は、複数の凹部を有し、内壁は、少なくとも1つの接着層を有し、接着層は、複数の凹部に対応し、互いにしっかりと接続される複数の凸部を有し、第2の表面は外壁に接続され、
以下の安全制御システムを有する警報通知部であって、
少なくとも1つのガス抽出装置、
少なくとも1本のガス抽出パイプが対応する層間空間とガス抽出装置に接続されており、
ガス抽出装置はガス抽出パイプ内の空気圧を760Torr未満にし、
少なくとも1つの感知ユニットが警告値とともに組み込まれ、少なくとも1つのガス抽出パイプに接続され、対応する層間空間とガス抽出装置との間に配置され、
これにより、少なくとも1つの感知ユニットを使用して、層間空間内の所定の物質の圧力変化、濃度変化、導電率変化、およびpH変化のうちの1つが警告値を超えるかどうかを検出および決定し、警告値を超えると、対応する警告信号が警報通知部に送信され、警報通知部が対応する警告動作となる液体貯蔵容器。
【請求項2】
前記液体貯蔵容器は、
接着層はフッ素含有熱可塑性樹脂であり、パーフルオロアルコキシ樹脂、フッ素化エチレンプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、およびエチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体のいずれかから選択され、
内壁は、構造強化層と作業層を含み、構造強化層は、接着層と作業層の間に固定され、
構造強化層は、金属メッシュ、非金属メッシュ、および多孔質穴のある構造のいずれかから選択され、複数の凹部は、貫通穴の構造であり、作業層はフッ素含有熱可塑性樹脂であり、パーフルオロアルコキシ樹脂、フッ素化エチレンプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体のいずれかから選択される、請求項1に記載の液体貯蔵容器。
【請求項3】
前記内壁は、複数の隣接する内壁ユニットから構成され、隣接する内壁ユニットは、スペーサーに対応するジョイントインターフェースを形成する請求項2に記載の液体貯蔵容器。
【請求項4】
下記のステップを含む液体貯蔵容器の製造方法、
一、準備ステップ、内壁、外壁、および少なくとも1つのスペーサーを備えたコンテナシェルを準備し、少なくとも1つのスペーサーは、内壁と外壁との間に配置され、複数の層間空間を形成し、前記内壁は、液体を貯蔵するための貯蔵空間を形成し、少なくとも1つのスペーサーは、前記内壁に対向する第1の表面および前記外壁に対向する第2の表面を有し、第1の表面は、複数の凹部を有し、内壁は、複数に対応する少なくとも1つの接着層を有し、凹部のうち、前記第2の表面は外壁に接続され、
二、加圧および加熱ステップ、接着層を貯蔵空間から外壁に向かってプレスおよび加熱し、その結果、接着層は、熱変形によって複数の凹部に部分的に溶け込み、
三、冷却固化接合ステップ:接着層は、複数の凹部の一部に部分的に溶け込み、冷却および凝固後、複数の凹部に対応し、さらに互いにしっかりと接続された複数の凸部が形成され、
四、完成ステップ、液体貯蔵容器の製造を完了する。
【請求項5】
準備ステップにおいて、コンテナシェルが安全制御システムに接続され、安全制御システムが以下を有し、警報通知部、複数の感知ユニット、各感知ユニットは内蔵の警告値を有し、一端は対応する複数の層間空間に接続され、他端は警報通知部分に電気的に接続され、
これにより、各感知ユニットを使用して、対応する層間空間内の預定の物質の濃度が警告値を超えているかどうかを検出および判断し、もし、警告値を超えている場合、警告信号が警報通知部に送信される通知、警報通知部は、アラームアクションを対応する請求項4に記載の液体貯蔵容器の製造方法。
【請求項6】
準備ステップにおいて、コンテナシェルが安全制御システムに接続され、安全制御システムが以下を有する、
警報通知部であって、
少なくとも1つのガス抽出装置
少なくとも1本のガス抽出パイプが対応する層間空間とガス抽出装置に接続されており、ガス抽出装置はガス抽出パイプ内の空気圧を760Torr未満にし、
少なくとも1つの感知ユニットが警告値とともに組み込まれ、少なくとも1つのガス抽出パイプに接続され、対応する層間空間とガス抽出装置との間に配置され、
これにより、少なくとも1つの感知ユニットを使用して、層間空間内の所定の物質の圧力変化、濃度変化、導電率変化、およびpH変化のうちの1つが警告値を超えるかどうかを検出および決定し、
警告値を超えると、対応する警告信号が警報通知部に送信され、警報通知部が対応する警告動作となる請求項4に記載の液体貯蔵容器の製造方法。
【請求項7】
前記接着層はフッ素含有熱可塑性樹脂であり、パーフルオロアルコキシ樹脂、フッ素化エチレンプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、およびエチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体のいずれかから選択され、
内壁は、構造強化層と作業層を含み、
構造強化層は、接着層と作業層の間に固定され、
構造強化層は、金属メッシュ、非金属メッシュ、および多孔質穴のある構造のいずれかから選択され、複数の凹部は、貫通穴の構造であり、
作業層はフッ素含有熱可塑性樹脂であり、パーフルオロアルコキシ樹脂、フッ素化エチレンプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体のいずれかから選択される請求項5または6に記載の液体貯蔵容器の製造方法。
【請求項8】
内壁が複数の隣接する内壁ユニットから構成され、隣接する内壁ユニットが、スペーサーに対応するジョイントインターフェースを形成する請求項7に記載の液体貯蔵容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体貯蔵容器およびその製造方法、特に、浸透または漏出中の汚染または接着剤層の破損の問題を解決する液体貯蔵容器に関するものであり、内壁の浸透または漏出について警報を発することができ、安全性とその製造方法を改善する。
【背景技術】
【0002】
従来の液体貯蔵容器は、さまざまな化学液体を貯蔵するために使用でき、化学液体(アンモニア、過酸化水素、硫酸、塩酸、硝酸、フッ化水素酸など)を貯蔵する場合、通常、2層式で設計される。
図9に示すように、これは第一の従来の液体貯蔵容器であり、コンテナシェル81を有し、内壁811(通常は腐食保護のための耐食性プラスチック製)と接着剤層812および外壁813(構造を強化するために金属または非金属で作ることができる。)内壁811は、液体を貯蔵するための貯蔵空間Bをする。内壁811および外壁813は、接着剤層812を介して密接に接着および固定さる。内壁811に亀裂(図には示されていない)がある場合、液体システムは亀裂を通って漏れ出し、接着剤層812に接触し、次に外壁813に接触する。
【0003】
また、亀裂がなくても、接着剤層812に接触し、次に外壁813に浸透(permeation)して接触することができる。図10に示されるように、これは、内壁711、複数のスペーサー712、複数の接着剤層713、および外壁714を備えたコンテナシェル71を有する従来の第2の液体貯蔵容器であり、 内壁711は、液体を貯蔵するための貯蔵空間Bをする。それにより、複数のスペーサー712は、内壁711と外壁714との間に接着および固定される複数の接着剤層713を貫通する。内壁711に亀裂がある場合(図には示されていない)、液体は亀裂を通って内壁711と外壁714との間の空間に浸透する。
【0004】
上記の2つの従来の液体保存容器には、次の問題がある。
[1] 貯蔵された液体の汚染、および浸透または漏れ中の接着剤層の破損。
液体が内壁に浸透または漏れると、外壁を徐々に腐食させ、最終的に漏れるだけでなく、接着剤層と化学的に反応してガスを発生させる可能性がある(内壁、外壁を押す)。また、接着剤層と化学的に反応することもあり、反応の反応物は内壁に浸透し、液体全体を汚染します(貯蔵された液体全体の不純または劣化を引き起こる)。または、徐々に外壁を腐食させ、最終的には漏出して、産業安全や環境汚染の問題を引き起こす。
また、貯蔵液が腐食性でなくても、前述の浸透や漏れにより接着剤層の老化や劣化(加水分解など)が発生し、接着剤層の劣化(粘度低下、剥離、発泡などが発生し、元の接着機能を失い。)が起こる。
【0005】
[2] 内壁からの侵入や漏れの早期警告はない。
従来の液体貯蔵容器が内壁に浸透したり漏れたりすると、漏れを検出できないため、早期の警告ができない。
そのため、上記の従来の欠点を解決できる技術を開発する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2012-96823
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、浸透または漏出時の接着剤層の汚染または破壊の問題を解決するという利点、ならびに内壁の浸透または漏れるとき、警報を発する能力を有する液体貯蔵容器の安全性を向上させること、および、その製造方法を提供することであり、特に、本発明によって解決されるべき問題は、従来の装置が内壁の浸透または漏出するときの貯蔵液汚染および接着剤層の破損の問題にあり、内壁からの浸透または漏出の早期警告は、不可能であることである。
【0008】
上記の問題を解決するための技術的手段は、液体貯蔵容器およびその製造方法を提供することであり、液体貯蔵容器に関する内容は、以下を含む。
コンテナシェルは、内壁、外壁、および少なくとも1つのスペーサーを有する。ここで、少なくとも1つのスペーサーは、内壁と外壁との間に固定され、複数の層間空間を形成する。
内壁は、液体を貯蔵するための貯蔵空間を形成し、少なくとも1つのスペーサーは、第1の表面および第2の表面を有し、第1の表面は、複数の凹部を有し、内壁は、少なくとも1つの接着層を有し、接着層は、複数の凹部に対応し、互いにしっかりと接続されている、複数の凹部に対応する複数の凸部、第2表面は外壁に接続される。
液体貯蔵容器の製造方法は、以下のステップを含む:
一、準備ステップ、
二、加圧および加熱ステップ、
三、冷却固化接合ステップ、
四、完成ステップ。
【0009】
本発明の上記の目的および利点は、以下の選択された実施形態の詳細な説明および添付の図面から容易に理解することができる。以下、本発明について、以下の実施例および図面を用いて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本発明の第1の実施形態図である。
図1B】本発明の第2の実施形態図である。
図2】本発明の断面図である。
図3A】本発明の構造の一部の製造プロセスのうちの1つの図である。
図3B】本発明の部分構造の製造プロセスの第2の図である。
図3C】本発明の部分構造の製造プロセスの第3の図である。
図4A】本発明の内壁の第1の変化例の図である。
図4B】本発明の内壁の第2の変化例の図である。
図5】本発明の安全制御システムの第1の実施形態の図である。
図6A図5の部分拡大図である。
図6B】本発明の安全制御システムの第2の実施形態図である。
図6C】本発明の安全制御システムの第3の実施形態図である。
図7】本発明の製造方法のフローチャートである。
図8】本発明の別の実施形態の図である。
図9】公知のデバイスの第1の実施形態の図である。
図10】公知のデバイスの第2の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1A、1B、2、3A、3B、および3Cを参照すると、本発明は、液体貯蔵容器およびその製造方法であり、液体貯蔵容器の内容は、以下を含む。
コンテナシェル10は、内壁11、外壁12、および少なくとも1つのスペーサー13を有し、 その中で、少なくとも1つのスペーサー13は、内壁11と外壁12との間に固定され、複数の層間空間Aを形成する。内壁11は、液体を貯蔵するための貯蔵空間Bをする。
少なくとも1つのスペーサー13は、第1の表面131および第2の表面132を有し、第1の表面131は、複数の凹部13Aを有し、内壁11は、少なくとも1つの接着層111を有し、接着層111は、複数の凹部13Aに対応し、さらに互いにしっかりと接続された複数の凹部13Aに対応する複数の凸部11Aを有し、第2の表面132は、外壁12に接続される。
【0012】
実際には、接着層111は、パーフルオロアルコキシアルカン(Perfluoroalkoxy alkanesPFA)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(Fluorinated Ethylene Propylene、FEP)、およびポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene difluoridePVDF)の1つ、ポリテトラフルオロエテン(PolytetrafluoroetheneETFE)、およびエチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体(ethylene-chlorotrifluoroethylene copolymerECTFE)、から選択されるフッ素含有熱可塑性樹脂であり、
外壁12は、金属および繊維強化プラスチック(「fiber reinforced plastics」略してFRP)のうちの1つから選択することができ、少なくとも1つのスペーサー13は、外壁12に対応し、金属構造および非金属構造のうちの1つであり、外壁12および少なくとも1つのスペーサー13は、統合および固定される溶接構造または他の埋め込み構造である。
【0013】
さらに、図4Aを参照すると、内壁11は、構造強化層112および作業層113をさらに含むことができ、構造強化層112は、接着層111と作業層113との間に固定され、 構造強化層112は、金属メッシュ、非金属メッシュ、および多孔質の穴を有する構造(図4Bに示される)のうちの1つであり、複数の凹部13Aは、また(図4Bに示されるように)貫通形状の穴の構造を有し得る。
【0014】
作業層13は、
パーフルオロアルコキシアルカン(Perfluoroalkoxy alkanesPFA)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(Fluorinated Ethylene PropyleneFEP)、ポリフッ化ビニリデン(ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene difluoridePVDF)の1つ)、ポリテトラフルオロエチレン(PolytetrafluoroetheneETFE)およびエチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体(ethylene-chlorotrifluoroethylene copolymerECTFE)、
からなる群から選択されるフッ素含有熱可塑性樹脂である。
液体貯蔵容器はさらに以下を含み得る(図5および6Aに示されるように):安全制御システム20、その第1の実施形態は、以下を有する。
警報通知部21および複数の感知ユニット22、各感知ユニット22は、組み込みの警告値22Aを有し、一端は、対応する複数の層間空間Aに接続され、他端は、警報通知部21に電気的に接続される。
このようにして、各感知ユニット22は、対応する層間空間A内の所定の物質の濃度が警告値22Aを超えるかどうかを検出および決定するために使用され、それが警告値22Aを超える場合、警告を送信する警告信号22Bが送信され、対応するアラームアクションを生成する警報通知部21に対応する。
【0015】
より詳細には、各感知ユニット22は異なる領域に対応するので、警報通知部21は、対応する警報アクションを生成することができ、 例えば、特定の層間空間Aに浸透または漏れがある場合、警報アクションが発行され、浸透または漏れの対応する領域(層間空間A)に通知されて、早期警告の機能を実現する。
次に、感知ユニット22が特定の物質(例えば、硫酸など)のガス濃度センサーであると仮定する。浸透または漏出があると、対応する層間空間A、および感知ユニット22より高い濃度を有し、検出することができ、 もちろん、この場合の感知ユニット22の検出対象は、気体または液体である。
【0016】
安全制御システム20の第2の実施形態(図6Bに示される)に関して、それは、第1の実施形態に従って設計され、さらに以下を含み、少なくとも1つのガス抽出装置23がある。
少なくとも1つのガス抽出パイプ24が、対応する層間空間Aおよびガス抽出装置23に接続され、ガス抽出装置23は、ガス抽出パイプ24内の空気圧を760(Torr)未満にする。
【0017】
感知ユニット22は圧力計であり、少なくとも1つのガス抽出パイプ24に接続され、対応する層間空間Aとガス抽出装置23との間に配置される。
このようにして、各感知ユニット22は、層間空間Aの対応する空気圧変化が警告値22Aを超えるかどうかを検出および決定するために使用され、警告値22Aを超える場合、対応する警告信号22Bを警報通知に送信し、警報通知部21は警報アクションと対応する。
【0018】
安全制御システム20の第3の実施形態(図6Cに示す)に関して、感知ユニット22は、第2の実施形態の設計に基づいて濃度計(または他のデバイス)に変更され、濃度に対応するかどうかを検出および決定し、層間空間Aにおける所定の物質の変化(または導電率変化、pH変化)が警告値22Aを超え、他の機能は同じであるので、説明を繰り返さない。
より詳細な例として、層間空間Aの空気圧が圧送された後380(Torr)に維持されたと仮定し、一定期間使用した後、内壁11が見えるかまたは漏れ、このとき、空気圧は上昇し設定値を超えて警告値が22A(仮に456(Torr)を想定)の場合、アラームが発生する。
【0019】
同様に、所定の物質の濃度が設定された警告値の22Aを超えると警報を発するように変更することもでき、図7を参照すると、液体貯蔵容器の製造方法には、開始後の次のステップが含まれる。
一、準備ステップS1:内壁11、外壁12、および少なくとも1つのスペーサー13を有し、コンテナシェル10を準備し、少なくとも1つのスペーサー13は、内壁11と外壁12との間に配置され、複数の層間空間Aを形成し、 内壁11は、液体を貯蔵するための貯蔵空間Bをする。
少なくとも1つのスペーサー13は、図示するように内壁に対向する第1の表面131、および前記外壁に対向する第2の表面132を有し、第1の表面131は、複数の凹部13Aを有する。内壁11は、複数の凹部13Aに対応する少なくとも1つの接着層111を有し、第2の表面132は、外壁12に接続される。
【0020】
二、 加圧および加熱ステップS2:貯蔵空間Bから外壁12に向かって、接着層111を(接着層111の融点を超えて)押して加熱し、接着層111が熱変形し、部分的に複数の凹部13A、融合されるようにする。

三、冷却固化接合ステップS3:接着層111は、複数の凹部13Aの一部に部分的に
融合され、冷却固化後、複数の凹部13Aに対応する複数の凸部11Aが形成され、さらに互いにしっかりと接続される。

四、完成ステップS4が完了する:液体貯蔵容器の製造が完成する。
【0021】
実際には、接着層111は、
パーフルオロアルコキシアルカン(Perfluoroalkoxy alkanesPFA)、
フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(Fluorinated Ethylene PropyleneFEP)、ポリフッ化ビニリデン(ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene difluoridePVDF)の1つ)、ポリテトラフルオロエチレン(PolytetrafluoroetheneETFE)、およびエチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体(ethylene-chlorotrifluoroethylene copolymerECTFE)、からなる群から選択されるフッ素含有熱可塑性樹脂である。
外壁12は、金属および繊維強化プラスチック(fiber reinforced plastics略してFRP)のうちの1つから選択することができ、少なくとも1つのスペーサー13は、外壁12に対応し、金属構造および非金属構造のうちの1つであり得る。外壁12および少なくとも1つのスペーサー13は、統合および固定される溶接構造または他の埋め込み構造である。
さらに、図4Aを参照すると、内壁11は、構造強化層112および作業層113をさらに含み得る。
【0022】
構造強化層112は、接着層111と作業層113との間に固定され、 構造強化層112は、金属メッシュ、非金属メッシュ、および多孔質の穴を有する構造(図4Bに示される)のうちの1つであり得る。複数の凹部13Aはまた、(図4Bに示されるように)貫通形状の穴の構造を有し得る。
【0023】
作業層13は、
パーフルオロアルコキシアルカン(Perfluoroalkoxy alkanesPFA)、
フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(Fluorinated Ethylene PropyleneFEP)、ポリフッ化ビニリデン(ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene difluoridePVDF)の1つ)、
ポリテトラフルオロエチレン(PolytetrafluoroetheneETFE)
およびエチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体(ethylene-chlorotrifluoroethylene copolymerECTFE)、からなる群から選択されるフッ素含有熱可塑性樹脂である。
【0024】
もちろん、前述の準備ステップS1において、コンテナシェル10は、安全制御システム20に接続することができ、詳細な構造および機能については、上記で詳細に説明した安全制御システム20の第1および第2の実施形態を参照され、および第3の実施形態は、ここでは説明繰り返されない。
本発明の主なポイントは、接着層111を貯蔵空間Bから外壁12に向かって加圧(プレス)および加熱することであり、その結果、接着層111は熱変形し、複数の凹部13Aに部分に部分的に溶け込む。
【0025】
次に、接着層111は、複数の凹部13Aの部分に部分的に溶け込まれ、冷却固化後、複数の凹部13Aに対応し、さらに互いにしっかりと接続された複数の凸部11Aが形成される。
このようにして、内壁11と複数の仕切り13との間の接着強度が大幅に向上し、関連する接着剤を使用しないため、接着剤が液化して浸透し、浸透時に貯蔵空間Bを汚染することを回避でき、または漏れが発生する。
さらに、図8を参照されように、この場合をより大きな液体貯蔵容器に適用する場合、内壁11は、互いに隣接する複数の内壁ユニット110から構成され(ホットメルト接合、溶接またはその他によるかどうかにかかわらず)、接合方法、および隣接する内壁ユニット110の間に、スペーサー13の位置に対応するジョイントインターフェースFが形成される。
【0026】
ジョイントインターフェースFが最も漏れやすい場所であり、この場合のジョイントインターフェースFはスペーサー13の位置に正確に対応するので、液体が特定のジョイントインターフェースFから漏れると、それが互いにしっかりと接続され、この場合、凸部11Aは、複数の凹部13Aから遮断されており、漏れにくい。
また、この場合、従来の接着剤層がないので、もちろん、従来の接着剤層による汚染や故障の問題はない、したがって、この場合、この場合の漏れ防止効果は非常に良好です。
【0027】
もちろん、前述の外壁12、少なくとも1つのスペーサー13および構造強化層112は、すべて金属構造または非金属構造である。
【0028】
本発明の利点および効果は以下の通り
[1]浸透または漏れ中の貯蔵液汚染および接着剤層の故障の問題を解決する。接着層とこの場合の複数のスペーサーが加熱、加圧されて、全く使用されていないため、凸部と凹部を組み合わせた接合技術を形成し、何らかの要因で内壁が貫通または漏れた場合接着剤を使用するので、化学反応や貯蔵空間を汚す液体の劣化の問題はない。
したがって、浸透または漏れの際の貯蔵液汚染および接着剤層の問題を解決する。
[2]安全性を高めるために、内壁が貫通または漏れたときにアラームを行う。
本発明は、外壁から各層間空間までの感知ユニットを備え、内壁が貫通または漏出すると、対応する感知ユニットは、層間空間中の所定の物質の濃度が警告値を超えるかどうかを検出、および決定することができ、警告値は、対応する警告信号を警報通知部に送信し、警報通知部は、対応する警報(アラート)アクションとなり、 そのため、内壁が貫通・漏れた場合に警報を発して安全性を高めることができる。
上記は、好ましい実施形態に基づく本発明の詳細な説明に過ぎず、実施形態に加えられた単純な修正および変更は、本発明の精神および範囲から逸脱するものではない。
【符号の説明】
【0029】
10、71、81コンテナシェル
11、711、811内壁
110内壁ユニット
111接着層
112構造強化層
113作業層
11A凸部
12、714、813外壁
13,712スペーサー
131第1の表面
132第2の表面
13A凹部
20安全制御システム
21警報通知部
22感知ユニット
22A警告値
22B警告信号
23ガス抽出装置
24ガス抽出パイプ
713、812接着剤層
A層間空間
B貯蔵空間
Fジョイントインターフェース
S1準備ステップ
S2加圧および加熱ステップ
S3冷却固化接合ステップ
S4完成ステップ
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10