(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】インテリジェント型駐車場及びその作業集中型搬送ロボット
(51)【国際特許分類】
B61B 13/00 20060101AFI20220621BHJP
G05D 1/02 20200101ALI20220621BHJP
E04H 6/24 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
B61B13/00 A
G05D1/02 H
E04H6/24 C
B61B13/00 J
(21)【出願番号】P 2021513261
(86)(22)【出願日】2019-08-06
(86)【国際出願番号】 CN2019099485
(87)【国際公開番号】W WO2020073728
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】201811192230.7
(32)【優先日】2018-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521094090
【氏名又は名称】広州達泊智能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU DABO INTELLIGENT TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 401, Block B9 No. 11 Kaiyuan Road, High-Tech Industrial Development Zone Guangzhou, Guangdong 510000 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】符 建
(72)【発明者】
【氏名】劉 建権
(72)【発明者】
【氏名】劉 志君
(72)【発明者】
【氏名】占 永建
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-053082(JP,A)
【文献】特開平09-286338(JP,A)
【文献】特開平11-321655(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101915003(CN,A)
【文献】特開2010-150861(JP,A)
【文献】特開平09-269823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61B 13/00
E04H 6/22
B60P 3/07
B62B 3/00
B60S 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場での車両の運搬に用いられる作業集中型搬送ロボットであって、本体と、前記本体の下部に設けられた2つのクランプアームと、第一駆動機構とを備え、前記第一駆動機構は、前記搬送ロボットを走行させるための主動輪を含み、
前記クランプアームは、第二駆動機構と、前記第二駆動機構に接続された回転足場ユニットとを含み、前記回転足場ユニットは、前記本体に回転可能に接続された回転アームと、前記搬送ロボットを支持するために前記回転アーム上に設けられた支持ホイールとを含み、前記回転アームには、車輪をクランプするためのクランプ部を設け、2つの前記回転アームのクランプ部は、互いに対向して配置され、2つの前記クランプ部を互いに近づけることにより、車輪をクランプするための空間を形成
し、
前記第一駆動機構は、
取付板と、前記取付板上に設けられ、対向して配置された2つの支持部とを含み、それぞれの前記支持部に前記主動輪を取り付けており、2つの前記主動輪を同軸に配置する取付フレームと、
前記支持部に設けられた第一駆動モーターと、前記第一駆動モーターの出力軸に接続された第一減速機とを含み、前記第一減速機の出力軸を前記主動輪に接続する駆動ユニットと、
前記取付板上に設けられた第二駆動モーターと、前記第二駆動モーターの出力軸に接続された第二減速機と、前記第二減速機の出力軸に接続された主動ギアと、前記主動ギアに噛み合う回転サポートとを含み、前記回転サポートの内輪を前記取付板に接続し、前記回転サポートの外輪を前記本体に接続する操舵ユニットとを更に含み、 前記第二駆動機構は、第三駆動モーターとウォーム歯車伝動部とを含み、前記第三駆動モーターを前記本体に設け、ワームを前記第三駆動モーターの出力軸に接続し、ワームホイールは、前記本体に接続された固定内輪と、前記固定内輪に回転可能に接続された回転外輪とを含み、前記回転外輪を前記回転アームに固定し、ウォームに噛みあい、
前記作業集中型搬送ロボットが車両を運んでいない場合は、前記2つのクランプアームは前記本体と同じ直線方向にあり、前記作業集中型搬送ロボットが車両を地面から持ち上げる場合は、前記2つのクランプアームは前記本体を中心に同時に回転する
ことを特徴とする作業集中型搬送ロボット。
【請求項2】
前記第一駆動機構は、前記支持部と前記取付板との間に設けられた複数の振動低減ユニットをさらに含み、前記振動低減ユニットは、位置決めロッドと、前記取付板を支持するために前記位置決めロッドを巻き付ける弾性部材とを含み、前記位置決めロッドの一端を前記支持部に固定接続し、他端を取付板に摺動接続することを特徴とする請求項1に記載の作業集中型搬送ロボット。
【請求項3】
前記第一駆動機構は、前記支持部と前記取付板との間に設けられた複数のガイドユニットをさらに含み、前記ガイドユニットは、ガイドロッドと、前記ガイドロッドを巻き付ける軸スリーブとを含み、前記軸スリーブを前記支持部に固定接続し、前記ガイドロッドの片端を前記取付板に固定接続することを特徴とする請求項2に記載の作業集中型搬送ロボット。
【請求項4】
前記回転足場ユニットは、前記クランプ部に設けられたローラーセットをさらに含み、前記ローラーセットは、同じ回転軸に回転可能に設けられた複数の転動体を含むことを特徴とする請求項1に記載の作業集中型搬送ロボット。
【請求項5】
前記クランプ部は、斜めに設けられた停止面と、前記停止面の相対的な両側に設けられた側壁とを含み、前記ローラーセットの回転軸を2つの前記側壁に取り付けることを特徴とする請求項
4に記載の作業集中型搬送ロボット。
【請求項6】
前記作業集中型搬送ロボットは、前記本体に設けられた非常停止装置をさらに含み、前記非常停止装置は、前記搬送ロボットの電源装置に電気的に接続された非常停止用ノブを含むことを特徴とする請求項1に記載の作業集中型搬送ロボット。
【請求項7】
インテリジェント型駐車場であって、
作業集中型搬送ロボットを備え、前記作業集中型搬送ロボットは、本体と、前記本体の下部に設けられた2つのクランプアームと、第一駆動機構とを含み、前記第一駆動機構は、前記搬送ロボットを走行させるための主動輪を含み、
前記クランプアームは、第二駆動機構と、前記第二駆動機構に接続された回転足場ユニットとを含み、前記回転足場ユニットは、前記本体に回転可能に接続された回転アームと、前記搬送ロボットを支持するために前記回転アーム上に設けられた支持ホイールとを含み、前記回転アームには、車輪をクランプするためのクランプ部を設け、2つの前記回転アームのクランプ部は、互いに対向して配置され、2つの前記クランプ部を互いに近づけることにより、車輪をクランプするための空間を形成
し、
前記第一駆動機構は、
取付板と、前記取付板上に設けられ、対向して配置された2つの支持部とを含み、それぞれの前記支持部に前記主動輪を取り付けており、2つの前記主動輪を同軸に配置する取付フレームと、
前記支持部に設けられた第一駆動モーターと、前記第一駆動モーターの出力軸に接続された第一減速機とを含み、前記第一減速機の出力軸を前記主動輪に接続する駆動ユニットと、
前記取付板上に設けられた第二駆動モーターと、前記第二駆動モーターの出力軸に接続された第二減速機と、前記第二減速機の出力軸に接続された主動ギアと、前記主動ギアに噛み合う回転サポートとを含み、前記回転サポートの内輪を前記取付板に接続し、前記回転サポートの外輪を前記本体に接続する操舵ユニットとを更に含み、 前記第二駆動機構は、第三駆動モーターとウォーム歯車伝動部とを含み、前記第三駆動モーターを前記本体に設け、ワームを前記第三駆動モーターの出力軸に接続し、ワームホイールは、前記本体に接続された固定内輪と、前記固定内輪に回転可能に接続された回転外輪とを含み、前記回転外輪を前記回転アームに固定し、ウォームに噛み合い、
前記作業集中型搬送ロボットが車両を運んでいない場合は、前記2つのクランプアームは前記本体と同じ直線方向にあり、前記作業集中型搬送ロボットが車両を地面から持ち上げる場合は、前記2つのクランプアームは前記本体を中心に同時に回転する
ことを特徴とするインテリジェント型駐車場。
【請求項8】
前記第一駆動機構は、前記支持部と前記取付板との間に設けられた複数の振動低減ユニットをさらに含み、前記振動低減ユニットは、位置決めロッドと、前記取付板を支持するために前記位置決めロッドを巻き付ける弾性部材とを含み、前記位置決めロッドの一端を前記支持部に固定接続し、他端を取付板に摺動接続することを特徴とする請求項
7に記載のインテリジェント型駐車場。
【請求項10】
前記回転足場ユニットは、前記クランプ部に設けられたローラーセットをさらに含み、前記ローラーセットは、同じ回転軸に回転可能に設けられた複数の転動体を含むことを特徴とする請求項
7に記載のインテリジェント型駐車場。
【請求項11】
前記クランプ部は、斜めに設けられた停止面と、前記停止面の相対的な両側に設けられた側壁とを含み、前記ローラーセットの回転軸を2つの前記側壁に取り付けることを特徴とする請求項
10に記載のインテリジェント型駐車場。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場の技術分野、特にインテリジェント型駐車場及びその作業集中型搬送ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
AGV車は、移動ロボットにおける重要な一分野となっている。産業応用の目的とするAGVは、自律型無人搬送車とも呼ばれる。その自律型無人搬送車は、倉庫貯蔵や製造や輸送などの業界で広く使用されており、電磁式または光学式の自動誘導装置を搭載し、さまざまな運搬機能を備えているため、物体をその搬送車に載せて所定の誘導経路に沿って自律的に運転できる。従って、ある程度、手作業を減らし、物体の運搬効率を向上させる。AGV車には、通常、車載制御器、運動制御システム及びポジショニングナビゲーションシステムを含む。AGV車が搬送指示を受けると、車載制御器は、運転マップ、AGV車の現在位置、走行方向に基づいて計算・解析を行い、最適な走行ルートを計画する。その後、車載制御器は、走行経路に応じてAGV車の動き(運転、操舵)を制御し、AGV車を指定位置に到達させて正確に停止させる。最後に、運搬メカニズムは、搬送予定の物体をAGV車に転送し、それを載せて指定区域に移動する。
【0003】
近年、AGV車の発展に伴い、直角回転や正確な位置決めなどのAGV車の特性に基づく全自動駐車場が注目されている。駐車場にAGV車を適用すると、駐車予定の車両は、駐車場に入る必要がなくなるが、車両駐車場の駐車プラットホームにのみ駐車する必要があっても良い。その車両の駐車場に車載せ板と、車載せ板を置くための凹みとが設けられる。車両を車載せ板に停めた後、AGV車は、車載せ板の下に移動し、車載せ板を地面から分離するために一定の高さまで持ち上がり、指定の駐車スペースに移動して駐車する。車両を取り戻すときは、AGV車を車載せ板に付け合わせて、取り戻す予定の車両を駐車スペースから車両受取位置に移動する。このようにしては、車両の自動的な駐車を実現し、車両所有者の駐車時間を有効的に節約する。
【0004】
以上に基づいて知られるように、従来のAGV車は、車載せ板を駐車場の駐車プラットホームに合わせる結構(凹み設計)を必要として車両の運搬を実現することができる。そのため、従来のAGV車を駐車場に適用する場合は、それに応じて駐車場の駐車位置の変更に加えて、AGV車に合わせた車載せ板を追加する必要がある。これは、インテリジェント型駐車場の建設費を増加させ、インテリジェント型駐車場の発展を妨げることがよくある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、既存のインテリジェント型駐車場に従来のAGV車を用いる運搬モードによって引き起こされた高い建設費の技術的問題を解決するために、作業集中型搬送ロボットを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的問題を解決するため、本出願に採用された技術的解決策は以下の通りである。
【0007】
作業集中型搬送ロボットであって、その作業集中型搬送ロボットは、本体と、前記本体の下部に設けられた2つのクランプアームと、第一駆動機構とを含む。前記第一駆動機構は、前記搬送ロボットを走行させるための主動輪を含む。前記クランプアームは、第二駆動機構と、前記第二駆動機構に接続された回転足場ユニットとを含む。前記回転足場ユニットは、前記本体に回転可能に接続された回転アームと、前記搬送ロボットを支持するために前記回転アーム上に設けられた支持ホイールとを含む。前記回転アームには、車輪をクランプするためのクランプ部を設け、2つの前記回転アームのクランプ部は、互いに対向して配置され、2つの前記クランプ部を互いに近づけることにより、車輪をクランプするための空間を形成する。
【0008】
好ましくは、前記第一駆動機構はさらに取付フレームを含む。前記取付フレームは、取付板と、前記取付板上に設けられ、対向して配置された2つの支持部とを含む。前記主動輪はそれぞれの前記支持部に取り付けられており、2つの前記主動輪は同軸に配置される。駆動ユニットは、前記支持部に設けられた第一駆動モーターと、前記第一駆動モーターの出力軸に接続された第一減速機とを含む。前記第一減速機の出力軸は前記主動輪に接続される。操舵ユニットは、前記取付板上に設けられた第二駆動モーターと、前記第二駆動モーターの出力軸に接続された第二減速機と、前記第二減速機の出力軸に接続された主動ギアと、前記主動ギアに噛み合う回転サポートとを含む。前記回転サポートの内輪は前記取付板に接続され、前記回転サポートの外輪は前記本体に接続される。
【0009】
好ましくは、前記第一駆動機構は、前記支持部と前記取付板との間に設けられた複数の振動低減ユニットをさらに含む。前記振動低減ユニットは、位置決めロッドと、前記取付板を支持するために前記位置決めロッドを巻き付ける弾性部材とを含む。前記位置決めロッドの一端は前記支持部に固定接続され、他端は取付板に摺動接続される。
【0010】
好ましくは、前記第一駆動機構は、前記支持部と前記取付板との間に設けられた複数のガイドユニットをさらに含む。前記ガイドユニットは、ガイドロッドと、前記ガイドロッドを巻き付ける軸スリーブとを含む。前記軸スリーブは、前記支持部に固定接続され、前記ガイドロッドの片端は前記取付板に固定接続される。
【0011】
好ましくは、前記主動輪は、駆動モーターと操舵モーターとを含む操舵輪である。
【0012】
好ましくは、前記第二駆動機構は、第三駆動モーターとウォーム歯車伝動部とを含む。前記第三駆動モーターは前記本体に設けられ、前記ワームは前記第三駆動モーターの出力軸に接続される。前記ワームホイールは、前記本体に接続された固定内輪と、前記固定内輪に回転可能に接続された回転外輪とを含む。前記回転外輪は前記回転アームに固定され、前記ウォームに噛み合う。
【0013】
好ましくは、前記回転足場ユニットは、前記クランプ部に設けられたローラーセットをさらに含む。前記ローラーセットは、同じ回転軸に回転可能に設けられた複数の転動体を含む。
【0014】
好ましくは、前記クランプ部は、斜めに設けられた停止面と、前記停止面の相対的な両側に設けられた側壁とを含む。前記ローラーセットの回転軸は、2つの前記側壁に取り付けられている。
【0015】
好ましくは、作業集中型搬送ロボットは、前記本体に設けられた非常停止装置をさらに含む。前記非常停止装置は、前記搬送ロボットの電源装置に電気的に接続された非常停止用ノブを含む。
【0016】
さらに、本出願はインテリジェント型駐車場を提出する。そのインテリジェント型駐車場には、上記の作業集中型搬送ロボットを含む。その作業集中型搬送ロボットは、本体、前記本体の下部に設けられた2つのクランプアーム及び第一駆動機構を含む。前記第一駆動機構は、前記搬送ロボットを走行させるための主動輪を含む。前記クランプアームは、第二駆動機構と、前記第二駆動機構に接続された回転足場ユニットとを含む。前記回転足場ユニットは、前記本体に回転可能に接続された回転アームと、前記搬送ロボットを支持するために前記回転アーム上に設けられた支持ホイールとを含む。前記回転アームには、車輪をクランプするためのクランプ部を設け、2つの前記回転アームのクランプ部は、互いに対向して配置され、2つの前記クランプ部を互いに近づけることにより、車輪をクランプするための空間を形成する。
【0017】
本出願に提出された作業集中型搬送ロボットは、自動車を運搬する時、独立して動作する4台の搬送ロボットが、ナビゲーション装置及びタイヤ位置決め装置により各自動車タイヤの外側に正確に止まる。次に、各搬送ロボットの2つのグリップアームが自動車のタイヤの内側に向かって回転し、地面から自動車をグリップする。自動車をクランプした後、第一駆動機構により搬送ロボットの動きを制御して自動車を指定位置に運ぶ。本出願に提出された搬送ロボットは、搬送ロボットの移動制御システムにより各搬送ロボットの協調搬送を制御し、駐車場で駐車予定の車両に対して自動搬送を実現する。この種の搬送ロボットは、車載せ板の合わせや駐車場に対する変更を必要とせずに、さまざまな駐車場に適応でき、インテリジェント型駐車場の建設コストをある程度削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の作業集中型搬送ロボットの一実施例における併用状態の参照概略図である。
【
図2】本発明の作業集中型搬送ロボットの一実施例における概略構造図である。
【
図3】
図2に示された作業集中型搬送ロボットの底面図である。
【
図4】本発明の作業集中型搬送ロボットのクランプアームの一実施例における概略構造図である。
【
図5】本発明の作業集中型搬送ロボットの第一駆動機構の一実施例における概略構造図である。
【
図6】
図5に示された第一駆動機構の底面図である。
【
図7】本発明の作業集中型搬送ロボットの一実施例における別の観点からの概略構造図である。
【
図8】本発明の作業集中型搬送ロボットの別の実施例における底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施例は、以下に詳細に説明される。実施例の例は、添付の図面に示される。最初から最後まで一貫する同じまたは類似の参照番号は、同じもしくは類似の要素または同じもしくは類似の機能を有する要素を示す。添付の図面を参照して以下に説明された実施例は、例示的なものであり、本発明を解釈することを意図しているが、本発明を限定するものとして理解されるべきではない。本発明の実施例に基づいて、創造的な作業なしに当業者によって得られる他の全ての実施例は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0020】
図1に示されるように、上記の技術的問題を解決するために、本発明は作業集中型搬送ロボットを提出する。4台搬送ロボットは、2つの回転可能なクランプアーム2で同時に各自動車のタイヤの内側に向かって一定の角度を回転させて、各タイヤをクランプし、外力の作用下で地面から離し、自動車をその4台搬送ロボットに運ばせる。各搬送ロボットが管理監視システムから派遣信号を受信し、管理監視システムは、搬送ロボットの協調作業を一括制御し、搬送ロボットの分割設定を実現する。それは、従来のAGV無人搬送車と比較すると、比較的単純な構造や比較的低い製造コストという利点がある。
【0021】
本発明に提出された作業集中型搬送ロボットの具体的な構造は、
図2及び
図3に示される。その作業集中型搬送ロボットは、本体1と、本体1の下部に設けられた2つのクランプアーム2と、2つのクランプアーム2の間に設けられた第一駆動機構3とを含む。その中で、本体1の内部にポジショニングナビゲーション装置(図示せず)と電源装置(図示せず)が設けられている。ポジショニングナビゲーション装置は、搬送ロボットの経路計画に用いられる。電源装置は、搬送ロボットの正常な動作を確保するために電力供給に用いられる。よく知られているように、AGV無人搬送車で広く使用されているポジショニングナビゲーション方法は次のとおりである。電磁誘導方式は、専用ケーブルをAGVの経路下に埋め込み、低周波の正弦波電流によりケーブルの周囲に磁界を発生させる必要がある。AGVの電磁誘導センサーはケーブル周辺の磁界を検知し、AGVが線路に沿って走行する時に磁界強度の差動信号を出力し、車載制御器がその信号に基づいて補正制御を行う。制御帯による光学ガイド法は、地面色と帯状塗装色との対照を利用して、AGVに設けられた赤外線光源が帯状塗装色を照らし、光学検出器で帯状塗装色の異なる結合信号を検出して車の走行方向を制御する。レーザー誘導方式は、AGVの走行経路における特定の位置に多数のレーザー/赤外線の反射鏡を設け、AGVに設けられたレーザー走査ヘッドが周囲の環境を継続的にスキャンする。レーザー走査ヘッドが3つ以上の反射鏡をスキャンした場合、座標値とAGVの縦軸に対する各反射鏡の方位角とにより、正確な位置決めと方向付けを行うことができる。超音波誘導法は、制御帯による光学ガイド法に似て、どちらも、位置決めと方向付けに信号反射を利用するものである。違うところは、制御帯による光学ガイド法で反射用に専用の反射鏡を必要とするが、超音波誘導法で壁を介して信号を反射することである。上記の4つのポジショニングナビゲーション方法は、本発明に提出された作業集中型搬送ロボットに全て適用可能であり、当業者は、実際の要求に応じてポジショニングナビゲーション方法を選択することができる。
【0022】
本発明の実施例で、第一駆動機構3は、搬送ロボットが事前設定位置を停止するようにポジショニングナビゲーション装置により事前計画された経路に従って搬送ロボットの制御で直線及び回転運動を行う。搬送ロボットが移動する前に、搬送ロボットがタイヤの両側に正確に止まるようにタイヤ位置決め装置を使用して搬送予定の車両の各タイヤを位置決めする必要がある。そのタイヤ位置決め装置は、画像認識に基づく位置決め技術を採用し、カメラにより搬送予定の車両の各タイヤの画像を得て3次元空間におけるその画像の座標値を得るように、取得された画像に対する処理を行う。さらに、搬送予定の車両のタイヤの画像は、搬送ロボットに設けられたカメラで得られるだけでなく、駐車位置に設けられたカメラで得られる。
【0023】
図4に示されるように、クランプアーム2は、第二駆動機構21と、第二駆動機構21に接続された回転足場ユニット22とを含む。回転足場ユニット22は、本体1に回転可能に接続された回転アーム221と、搬送ロボットを支持するために回転アーム221に設けられた支持ホイール2211とを含む。回転アーム221には、車輪をクランプするためのクランプ部2211を設け、2つの回転アーム221のクランプ部2211は、互いに対向して配置され、2つのクランプ部2211を互いに近づけることにより、車輪をクランプするための空間を形成する。搬送ロボットが自動車を運んでいない場合、2つのクランプアーム2と本体1とは同じ直線方向にある。搬送ロボットが地面から自動車をクランプする時、2つのクランプアーム2を、本体1を中心に同時に90°回転させ、内向きの力でタイヤを地面から持ち上げる。さらに、第二駆動機構21は、ウォーム歯車伝動又はラック歯車伝動によって駆動を行う。ウォーム歯車伝動は、変速比と運搬能力が大きいという利点があるので、自動車の重量を考えると、本出願ではウォーム歯車伝動構造が好ましい。具体的には、第二駆動機構21は、第三駆動モーター211とウォーム歯車伝動部212とを含む。ここで、ワームは第三駆動モーター211の出力軸に接続される。ワームホイールは、固定内輪と回転外輪とを含む。ワームホイールの固定内輪は、ネジで本体1に固定接続されている。ワームホイールの回転外輪は、固定内輪に回転可能に接続されている。同時に、回転外輪は回転アームに固定され、ウォームに噛み合う。第三駆動モーター211は、ウォームホイールの回転外輪を回転させて回転アーム221を回転させ、それによって2つのクランプアーム2の相対回転ができる。
【0024】
上記の実施例で、回転足場ユニット22は、クランプ部2211に設けられたローラーセット23をさらに含む。ローラーセット23は、同じ回転軸231に回転可能に設けられた複数の転動体232を含む。その転動体232は、外力の作用で回転軸231を中心に回転することができ、これにより、2つのクランプアーム2が自動車のタイヤをクランプしている間にクランプ部2211と自動車のタイヤとの間に転動体232で発生する摩擦は滑り摩擦であるので、摩擦抵抗を有効的に低減できる。好ましくは、本発明の実施例で転動体232は軸受である。
【0025】
図4に示されるように、本発明の好ましい実施例で、クランプ部2211は、斜めに設けられた停止面2211aと、停止面2211aの相対的な両側に設けられた側壁2211bとを含む。前記ローラーセット23の回転軸231は、2つの前記側壁2211bに取り付けられている。さらに、本発明の好ましい実施例としては、停止面2211aと2つの側壁2211bと地面とで囲まれてローラーセット23を配置するための取付溝を形成する。その取付溝は、前面及び上部の開口部において開口状に設けられた「ホッパー」構造で作られる。
【0026】
さらに、第一駆動機構3は、取付フレーム31と駆動ユニット32と操舵ユニット33とを具体的に含む。ここで、取付フレーム31は、取付板312と、取付板312上に設けられ、対向して配置された2つの支持部313とを具体的に含む。主動輪311は各支持部313に取り付けられており、2つの主動輪311は同軸に配置される。本発明の特定の実施例では、
図5に示されるように、支持部313は、一体的に形成された2つの「L」字型支持板と、2つの「L」字型支持板の間に設けられた動輪取り付け板とを含む。2つの「L」字型支持板は反対面に設けられる。
図6に示されるように、駆動ユニット32は、支持部313に設けられた第一駆動モーター321と第一減速機322とを含む。駆動ユニット32の作動部は、主動輪311に接続されており、駆動ユニット32を介して主動輪311を回転させて搬送ロボットの直線運動を制御する。更に、操舵ユニット33は、取付板312上に設けられる。操舵ユニット33は、第二駆動モーター331と、第二駆動モーター331の出力軸に接続された第二減速機332と、第二減速機332の出力軸に接続された主動ギア333と、前記主動ギア333に噛み合う回転サポート334とを具体的に含む。回転サポート334の内輪は、ねじで取付板312に接続され、回転サポート334の外輪は、本体1の底部に接続されている。搬送ロボットの前進過程中、計画経路に従って前進方向を変更する必要がある場合、第二駆動モーター331と第二減速機332とは、主動ギア333を回転させる。主動ギア333は、回転サポート334と噛み合うので、回転サポート334が主動ギア333の作用下で回転し、それにより本体1を回転させ、すなわち、搬送ロボットの前進方向の変化ができる。2つの主動輪311の同じ回転速度と逆回転方向とで且つ主動ギア333が回転しない場合、差動速度の影響により搬送ロボット全体が回転することができる。2つの主動輪311の同じ回転速度と逆回転方向とで且つ同時に主動ギア333と連携する場合、第一駆動機構3が回転しながら本体1が回転しないままを保持することが実現できる。即ち、操舵動作は搬送ロボットの本体を調整することなく実現できる。
【0027】
図5に示されるように、第一駆動機構3は、支持部313と取付板312との間に縦方向に設けられた複数の振動低減ユニット34を含む。その振動低減ユニット34は、振動低減を加速して、搬送ロボットの走行平滑性を向上させることができる。その振動低減ユニット34は、位置決めロッド341と、取付板312を支持するために前記位置決めロッド341を巻き付ける弾性部材342とを含む。位置決めロッド341の一端は支持部313に固定接続され、他端は取付板312に摺動接続される。本発明の特定の実施例で、位置決めロッド341はねじであり、弾性部材342は伸縮ばねである。ねじの下端は、支持部313に設けられたねじ穴にねじ接続され、ねじの上端は、取付板312を貫通して設けられ、取付板312は、ねじの高さ方向に沿って上下に移動することができる。更に、取付板312の上下運動の精度を考えて支持部313と取付板312との間に複数の4つのガイドユニット35が設けられている。
図5に示されるように、ガイドユニット35は、ガイドロッド351と、ガイドロッド351を巻き付ける軸スリーブ352とを具体的に含む。軸スリーブ352は、支持部313に固定接続され、ガイドロッド351の片端は取付板312に固定接続される。ここで、支持部313には、軸スリーブ352に適合したガイド孔が設けられ、軸スリーブ352はガイド孔内に配置され、ガイドロッド351は軸スリーブ352に巻き付けられている。軸スリーブ352は、ガイドロッド351の耐摩耗性が高まることにより、ガイドロッド351の使用寿命を延長することができる。
【0028】
本発明の好ましい実施例で、搬送ロボットは、差動制御を採用できるだけでなく、舵輪制御を採用することができる。操舵輪とは、駆動モーターと操舵モーターと減速機とを一体とした機械構造であり、従来の差動制御と比べ、高い一体性や優れた適応性という特徴がある。具体的には、
図8に示されるように主動輪311は、駆動モーターと操舵モーターとを含む操舵輪36である。本発明の実施例で、1つの操舵輪36のみを使用して、搬送ロボットの前進運動を制御することができる。1つの操舵輪36及び2つの支持ホイール222によって形成される三角形の支持は、搬送ロボットのバランス及び安定性を有効的に保証することができる。もちろん、実際の状況に応じて2つ以上の操舵輪36を設計し、2つの支持ホイール222と連携して搬送ロボットの全体的な動きを実現することができる。
【0029】
作業集中型搬送ロボットの実際の動作中に搬送ロボットが制御不能又は管理不能になる状況が発生する可能性を考えると、本出願に提出された作業集中型搬送ロボットには、本体1に設けられた非常停止装置を更に含む。その非常停止装置は、搬送ロボットの電源装置に電気的に接続された非常停止用ノブ41を含み、非常停止用ノブ41を回転させることにより、搬送ロボットの電源のオン/オフを制御することができる。即ち、搬送ロボットの起動と停止を制御する。本出願により設計された非常停止装置は、いくつかの緊急事態に搬送ロボットの電源を遮断し、搬送ロボッの動作を停止するために使用することができる。
【0030】
本発明によりさらに提出されたインテリジェント型駐車場は、作業集中型搬送ロボットを含み、その作業集中型搬送ロボットの具体的な構造は、上記の実施例を参照する。そのインテリジェント型駐車場は、上記の実施例全体の技術的解決策を採用するため、少なくとも、上記の実施例の技術的解決策によるすべての技術的効果を有する。それらを1つずつ繰り返さない。
【0031】
前述の説明は、本発明の一部又は好ましい実施例だけであり、文字でも図面でも、本発明の保護範囲を制限するものではない。本発明の明細書と図面の内容に基づく、又は関連技術分野を直接/間接利用する同等の構造変換は、本発明の構想全体で全て本発明の保護範囲に含まれる。