(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】軸回転リニアモータ
(51)【国際特許分類】
H02K 7/06 20060101AFI20220621BHJP
F16C 31/04 20060101ALI20220621BHJP
F16D 3/06 20060101ALI20220621BHJP
H02K 41/03 20060101ALN20220621BHJP
【FI】
H02K7/06 A
F16C31/04
F16D3/06 A
H02K41/03 A
(21)【出願番号】P 2017152536
(22)【出願日】2017-08-07
【審査請求日】2020-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000180025
【氏名又は名称】山洋電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】唐 玉▲棋▼
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-023869(JP,A)
【文献】実開昭54-036053(JP,U)
【文献】特開2015-065748(JP,A)
【文献】特開2014-018072(JP,A)
【文献】特開2016-226124(JP,A)
【文献】特開2016-226123(JP,A)
【文献】特開2007-142332(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0084441(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102014224259(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 7/06
F16C 31/04
F16D 3/06
H02K 41/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直動軸を有するリニアモータと、
回転軸を有する回転モータと、
前記直動軸と平行であって前記回転軸と同軸に配置される直動回転軸と、
前記直動軸の直動運動を前記直動回転軸に伝達する直動伝達部と、
前記回転軸の回転運動を前記直動回転軸に伝達する回転伝達部と
を有し、
前記回転伝達部の一端は前記回転軸に固定され、他端は前記直動回転軸に連結され、
前記回転伝達部は、前記直動回転軸の軸方向に形成され前記直動回転軸側に開口を有し、前記直動回転軸を収容可能な空間部が設けられた筒状の部材である、軸回転リニアモータ。
【請求項2】
前記直動回転軸は、前記直動伝達部において回転運動が可能に構成されたボールスプラインシャフトであり、前記回転伝達部は、前記直動回転軸の直動を許容し、且つ前記直動回転軸に前記回転伝達部の回転運動を伝達するボールスプラインブッシュを備える、請求項
1に記載の軸回転リニアモータ。
【請求項3】
前記リニアモータと前記回転モータとを固定する固定部材を有する請求項1
又は2に記載の軸回転リニアモータ。
【請求項4】
前記直動回転軸には、
軸方向に延伸する第1の通路と、
前記第1の通路と連通する第2の通路と、が形成され、
前記直動伝達部には、
前記第2の通路と連通し前記直動伝達部の外周面まで達する第3の通路が形成されていることを特徴とする請求項1から
3までのいずれか1項に記載の軸回転リニアモータ。
【請求項5】
前記直動伝達部は前記直動回転軸が挿入される貫通孔を有し、前記貫通孔の内周面において前記第3の通路に通じる位置に凹部が設けられていることを特徴とする請求項
4に記載の軸回転リニアモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸回転リニアモータに関する。
【背景技術】
【0002】
磁石から発生する磁界とコイルに流れる電流によって、電機子に対して軸部材が相対的に直線運動するリニアモータが知られている。さらに、例えば、スマートフォンやチップマウンタなどの半導体製造装置では、直進と回転ができる軸回転リニアモータ(Z-θモータ)が利用できる。
特許文献1に記載の技術においては、回転可能な第2軸をリニアモータにより駆動する構造により第2軸において回転運動と直動運動とを行わせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、例えば、従来の回転モータとは異なり、回転と直動とが可能な回転軸を有する特殊な回転モータが必要となる。
従って、既存の回転モータを利用することができない。そのため、新たなラインを設けることなどに起因する特殊な回転モータの製造コストが高くなることにより、最終的には軸回転リニアモータの製造コストもより高くなるという問題がある。
【0005】
また、特許文献1に記載の装置では、チップ部品を吸着するための空気の通路に設ける空気を吸い込む部品、パイプ(チューブ)類などは、回転および直動を行う中空の第2軸と連動して回転かつ直動させる必要がある。従って、空気を吸い込む部品、パイプ(チューブ)類などの構成が煩雑となり、装置の信頼性が損なわれたり、長期的な動作の安定性・安全性という観点から問題となったりする。
【0006】
本発明は、既存のリニアモータと既存の回転モータとを利用することができ、製造コストを低減することが可能な軸回転リニアモータを提供することを目的とする。
また、本発明は、チップ部品等の吸着機構の信頼性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、リニアモータと回転モータとで共に駆動する第3軸部材を設ける直進・回転機構により、リニアモータと回転モータの負荷(共に第3軸直進・回転機構のみを駆動)を最小に抑えながら、現行リニアモータと回転モータをそのまま使用できるため、小型化かつ低コストを有する直進・回転モータが実現できる。
【0008】
本発明の一観点によれば、直動軸を有するリニアモータと、回転軸を有する回転モータと、前記直動軸と平行であって前記回転軸と同軸に配置される直動回転軸と、前記直動軸の直動運動を前記直動回転軸に伝達する直動伝達部と、前記回転軸の回転運動を前記直動回転軸に伝達する回転伝達部と、を有し、前記回転伝達部の一端は前記回転軸に固定され、他端は前記直動回転軸に連結される軸回転リニアモータが提供される。
【0009】
前記回転伝達部は、前記直動回転軸の軸方向に形成され前記直動回転軸側に開口を有し、前記直動回転軸を収容可能な空間部が設けられた筒状の部材であることが好ましい。
前記直動回転軸はボールスプラインシャフトであり、前記回転伝達部は、ボールスプラインブッシュであることが好ましい。
前記リニアモータと前記回転モータとを固定する固定部材を設けると良い。
【0010】
前記直動回転軸には、軸方向に延伸する第1の通路と、前記第1の通路と連通する第2の通路と、が形成され、前記直動伝達部には、前記第2の通路と連通し前記直動伝達部の外周面まで達する第3の通路が形成されていることが好ましい。
【0011】
前記直動伝達部は前記直動回転軸が挿入される貫通孔を有し、前記貫通孔の内周面において前記第3の通路に通じる位置に凹部が設けられていることが好ましい。凹部を設けることで、前記貫通孔に前記直動回転軸が挿入されると、前記直動回転軸の外周に例えば環状の空間(空気の通路)が形成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、既存のリニアモータと既存の回転モータとを利用して、製造コストを低減した軸回転リニアモータを提供することができる。
さらに、空気を吸い込む部品、パイプ(チューブ)類などは回転或いはスライド動作のいずれか一方の1つの動作のみを行うこととなるため、モータの動作の信頼性と長期的な安全使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態による軸回転リニアモータの側面図及び正面図であり、側面の要部に関して側断面図で示す図である。
図1(b)は、
図1(a)の直動回転軸が回転モータ側に直動した状態を示す図である。
【
図2】
図1におけるシャフト連結部の一構成例を示す正面図及び側断面図である。
【
図3】第1の実施の形態による回転伝達部の一構成例を示す側断面図及び正面図である。
【
図4】本発明の第2の実施の形態による軸回転リニアモータの側面図及び正面図であり、側面の要部に関して側断面図で示す図である。
【
図5】
図4におけるシャフト連結部の一構成例を示す正面図、平面図及び側断面図である。
【
図6】第2の実施の形態による直動回転軸の一構成例を示す図であり、
図6(a)は、側面図、平面図及び正面図である。
図6(b)は、直動回転軸の一構成例を示す側断面図、平面図及び正面図である。
【
図7】
図7(a)、
図7(b)は、第2の実施の形態によるシャフト連結部と直動回転軸とを示す正面図及び側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下において、本発明の実施の形態による軸回転リニアモータについて図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1から
図3までは、本発明の第1の実施の形態による軸回転リニアモータの一構成例を示す図である。
図1は、本実施の形態による軸回転リニアモータの側面図及び正面図であり、側面の要部に関して側断面図で示した図である。さらに、
図1(a)と
図1(b)とにより、直動回転軸が直動により変位する様子を示している。
図2は、
図1における直動伝達部(シャフト連結部)の一構成例を示す正面図及び側断面図である。
図3は、回転伝達部の一構成例を示す側断面図及び正面図である。
【0016】
図1から
図3までに示すように、本実施の形態による軸回転リニアモータAは、第1軸である直動軸(リニアモータ軸)5を直動させるリニアモータ1と、第2軸である中空の回転軸(回転モータ軸)43を回転させる回転モータ41と、中空の第3軸である直動回転軸(ボールスプライン軸)31を回転運動させる回転伝達部61と直動回転軸(ボールスプライン軸)31を直動運動させるために第1軸である直動軸5と連結する直動伝達部21とを有する。さらに、軸回転リニアモータAには、リニアモータ1と、回転モータ41と、回転伝達部61と、を固定し一体化する固定部材51が設けられる。
【0017】
尚、リニアモータ1は、公知の構成のものを用いることができる。例えば、特許文献1に示すようなリニアモータを用いることができる。また、回転モータ41に関しても、一般的な構造のものを用いることができる。従って、本明細書においては、リニアモータ及び回転モータの詳細な構造の説明は省略する。
【0018】
リニアモータ1は、例えば、図示しない磁石から発生する磁界とコイルに流れる電流によって、電機子に対して直動軸(リニアモータ軸)5が相対的に直線運動する周知のリニアモータを用いることができる。リニアモータ1には、筐体3と直動軸5と、リニアエンコーダ7を備えた基板部8が設けられている。リニアエンコーダ7からは配線11が延びている。これによりリニアエンコーダヘッドに電源を供給したり、信号を出したりする。基板部8にリニアスケールを貼り付けている。直動軸5は、リニアエンコーダ7側とは反対側において、直動伝達部21により、第3軸である直動回転軸31と連結されている。ここで、直動軸5と直動回転軸31とは平行に配置されている。
【0019】
直動伝達部21には、直動軸5を連結する貫通孔21bと、直動回転軸31が貫通する貫通孔21aとが設けられ、さらに、ボールベアリング機構33を設けるための空間21cが形成されている。直動軸5は貫通孔21bを通し、ボルト15で直動伝達部21に固定している。従って、リニアモータ1の直動軸5の直動は直動回転軸31に伝達される。加えて、ボールベアリング機構33により、直動伝達部21内の貫通孔21aにおける直動回転軸31の回転運動が可能である。
【0020】
回転モータ41は、第2軸である中空の回転軸43を回転させる。回転軸43の直動伝達部21側の端部45は、
図3に示すような構造を有する筒状の回転伝達部61の一端に設けられる固定用の貫通孔67において回転伝達部61と固定されている。従って、回転軸43の回転運動は回転伝達部61に伝達される。
【0021】
リニアモータ1と回転モータ41とは、直動軸5と回転軸43とが平行であり、かつ、相対的に直動方向に移動しないように固定部材51により固定されている。固定部材51は、例えば、回転モータ41がリニアモータ1の出力側端面よりストローク方向の反出力側にずらした位置に固定する。そして、リニアモータ1と回転モータ41とは、共に、直動回転軸31を駆動する。尚、固定部材51はボルト53でリニアモータ1に固定している。
回転軸43、回転伝達部61、直動回転軸31は、それぞれ同軸であることが好ましい。
【0022】
回転伝達部61は、例えば筒状の部材であり、その内部に直動回転軸31の直動を許す開口を有するとともに、直動回転軸31が直動するスペースを確保するための空間部63が軸方向に延在するように形成されている。さらに、回転伝達部61には、その直動伝達部21側の端部に開口を有する収容部68が形成され、収容部68内(内面側)にボールスプラインブッシュ65が形成されている。
【0023】
公知のボールスプラインブッシュを用いると、軸に設けられた溝をボールが転がることで許容荷重がリニアブッシュより大きく、直線運動を行いながらトルク(動力を伝達する回転軸に作用する力のモーメント)伝達もできる。より具体的には、直動回転軸31は、例えば、
図1に示すボール受け溝部32を備えたボールスプラインシャフトであり、そのボール受け溝部32に沿ってボールスプラインブッシュ65のボールが転がることにより、直動回転軸31は円滑に直線動作する。ボールスプラインブッシュ65は、回転伝達部61に固定された回転ベアリングに支承されている。従って、回転モータ41でボールスプラインブッシュ65を駆動することにより、ボールスプラインブッシュ65とともに、直動回転軸31を回転動作させることが可能である。ボール受け溝部32については、
図6の側面図においてより明確に示されている。
【0024】
このように、ボールスプラインブッシュ65は、直動回転軸31を受け入れて、直動回転軸31に回転伝達部61の回転運動を伝達するとともに、直動軸5の直動に連動して直動する直動回転軸31の直動を許容する。すなわち、
図1(b)に示すように、直動回転軸31が直動した場合でも、空間部63が直動回転軸31を受け入れることができるため、直動回転軸31の直動を妨げない。
空間部63の軸方向の長さを調整することにより、直動回転軸31の直動範囲を調整することができる。
【0025】
また、中空の直動回転軸31と回転軸43とを用いることで、黒塗り矢印に示したような、直動回転軸31の端部において電子部品等を吸着して保持するための空気通路を形成することができる。
【0026】
以上のように、回転伝達部61は、以下の構成・機能を有する。
1)回転伝達部61は、第2軸の回転運動を第3軸に伝える。
2)回転伝達部61は、第3軸の直動を第2軸に伝えない。
3)回転伝達部61は、第3軸の直動を許容する空間を有する筒状の部材である。
【0027】
以上のようにして、本実施の形態による軸回転リニアモータを、上記の特徴を有する回転伝達部を追加するだけで、既存のリニアモータ、既存の回転モータを用いて構成することができる。
また、直動回転軸のみを直動および回転動作させるため、リニアモータと回転モータの負荷を小さくすることができるという利点がある。
尚、回転軸43の反出力側において、図示していない吸着により吸い込む部品、パイプ(チューブ)類などは回転軸43と共に回転するが、直動はしない。
従って、部品等の吸着機構等を簡単にすることができる。
【0028】
(第2の実施の形態)
図4から
図6までは、本発明の第2の実施の形態による軸回転リニアモータの一構成例を示す図であり、第1の実施の形態の
図1から
図3までに対応する図である。
図4は、本実施の形態による軸回転リニアモータの側面図及び正面図あり、側面の要部に関して側断面図を示している。さらに、第2軸が直動する様子を示している。
図5は、
図4における直動伝達部21の一構成例を示す正面図、平面図及び側断面図である。
図6(a)は、直動回転軸31の一構成例を示す側面図、平面図及び正面図である。
図6(b)は、直動回転軸31の一構成例を示す側断面図、平面図及び正面図である。
図7は、シャフト連結部と直動回転軸とを示す断面図である。
【0029】
軸回転リニアモータとしての基本的な動作と構造は、第1の実施の形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。ボールスプラインブッシュ65を備えた回転伝達部61を有する点は同様である。
図6に示す直動回転軸31の両側面には、
図1にも示したボール受け溝部32が設けられている。
【0030】
本実施の形態の特徴は、回転軸43が中実であり、直動回転軸31が、半中空である点である。直動回転軸31が半中空とは、
図4から
図7までに示すように、直動回転軸31の直動伝達部21側に、すなわち、軸方向の回転モータ41とは反対側の端部から軸方向にある所定の位置まで、或いは、その所定の位置を越えて軸方向に延伸する空気の第1の通路31aが形成されている。第1の通路31aのある位置から、軸の径方向の外方に向けて延び第1の通路31aと連通する1本の第2の通路31b(穿孔)が形成されている。
直動伝達部21には、第2の通路31bと連通し直動伝達部21の外周面まで達する第3の通路25が形成されている。
【0031】
直動伝達部21の直動回転軸31が貫通する貫通孔21aの内周面には、第3の通路25に通じる軸方向の位置に、凹部23が形成されている。凹部23は、貫通孔21aの内面に沿って周方向に連続して設けられていても良いし、断続的に設けられていても良い。凹部23を形成することで、貫通孔21aに直動回転軸31が挿入されると、直動回転軸31の外周に例えば環状の空間が形成される。
従って、直動回転軸31が回転している場合でも、
図7において矢印で示す空気の通路が形成され続ける。
【0032】
図7(a)は、直動回転軸31が回転し、第2の通路31bが垂直になる状態を示す断面図及び正面図である。
図7(b)は、直動回転軸31が回転し、第2の通路31bが水平になる状態を示す断面図及び正面図である。
図7(a)に示す状態は、第2の通路31bと第3の通路25とが連通しているため、矢印で示すように空気が最も流れやすい状態である。
図7(b)に示す状態は、第2の通路31bが水平になっており、空気が最も流れにくい状態である。この状態においても、凹部23を形成しておくことで、第2の通路31bと第3の通路25との間の空気の通路を形成することができる。
【0033】
尚、直動回転軸31は回転しているが、
図7(a)と
図7(b)との間の状態においても、凹部23を形成しておくことで、第2の通路31bと第3の通路25との間の空気の通路を確保することができる。
従って、直動回転軸31が回転しても、空気は凹部23を通して、第3の通路25から吐き出される。すなわち、
図4の黒塗りの矢印で示したような、連通した空気の通路を形成することができる。このような構成により、回転軸43が中実であっても、第3の通路25の開口から吸気を行うことができ、直動回転軸31の直動伝達部21側の端部においてチップ部品を吸着することができる。更に、上記の構造を用いると、図示していない空気を吸い込む部品、パイプ(チューブ)類などは回転する必要がなく、直動軸5と共に行われる直動動作の影響のみを受けるため、パイプ類などは回転する必要がなく、チップ吸着空気を簡単に供給することはできる。
【0034】
このように、本実施の形態によれば、電子部品を吸着する空気通路を簡単に形成することができる。
【0035】
(まとめ)
以上に説明したように、本発明の実施の形態による軸回転リニアモータによれば、以下のような効果が得られる。
1)直動回転軸をリニアモータと回転モータとで駆動することで、モータの負荷が小さくなり、かつ、駆動元モータの新規設計・開発が不要となる。
2)直動回転軸の直進・回転機構のみを直進・回転させるため、駆動モータの負荷が小さくなり、高速な直進・回転を実現することができる。
3)直動駆動回転軸は、中空或いは半中空構造にすることで、電子部品を吸着する空気通路を簡単に形成することができる。
4)一般的なモータ(リニアモータ、回転モータ)を改変せずにそのまま使用できるため、コストを低くできる。
【0036】
上記の実施の形態において、添付図面に図示されている構成等については、これらに限定されるものではなく、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
また、本発明の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本発明に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、軸回転リニアモータに利用可能である。
【符号の説明】
【0038】
A…軸回転リニアモータ
1…リニアモータ
5…直動軸(リニアモータ軸)
7…リニアエンコーダ
21…直動伝達部(シャフト連結部)
23…凹部
25…第3の通路
31…直動回転軸(ボールスプライン軸)
31a…第1の通路
31b…第2の通路
32…ボール受け溝部
41…回転モータ
43…回転軸(回転モータ軸)
51…固定部材
61…回転伝達部
63…空間部
65…ボールスプラインブッシュ
68…収容部