(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】化粧板
(51)【国際特許分類】
B32B 27/18 20060101AFI20220621BHJP
B32B 13/12 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
B32B27/18 F
B32B13/12
(21)【出願番号】P 2017171170
(22)【出願日】2017-09-06
【審査請求日】2020-07-09
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】392036821
【氏名又は名称】DICデコール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【氏名又は名称】小川 眞治
(72)【発明者】
【氏名】古川 知行
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 孝剛
【審査官】芦原 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-001079(JP,A)
【文献】特開2015-077691(JP,A)
【文献】特開2016-137718(JP,A)
【文献】特開平10-157031(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窯業系無機系基材上に着色剤を含有する化粧層とクリア層とを有する化粧板であって、
前記クリア層が化粧板の表層であり、
前記クリア層が抗ウイルス剤を含有し、
前記クリア層中の抗ウイルス剤の含有量が10質量%以下であり、
前記クリア層の乾燥塗布量が0.2~3g/m
2であ
り、
前記クリア層が体積平均粒子径1~12μmのシリカ粒子を含有し、クリア層中の前記シリカ粒子の含有量が10質量%以下であることを特徴とする化粧板。
【請求項2】
前記化粧層の塗布量が乾燥塗膜で20~70g/m
2である請求項1に記載の化粧板。
【請求項3】
前記窯業系無機系基材がケイ酸カルシウム基材である請求項1又は2に記載の化粧板。
【請求項4】
前記化粧板は、前記窯業系無機系基材上に形成されるイソシアネート系樹脂を含有するシーラー層と、前記シーラー層上に形成されるエポキシアクリレート系樹脂を含有する目止め処理層とを備えたベースコート層をさらに有し、
前記化粧層および前記クリア層は、前記ベースコート層上に形成される請求項1~3のいずれかに記載の化粧板。
【請求項5】
前記クリア層のヘイズ値が50%以下である請求項1~4のいずれかに記載の化粧板。
【請求項6】
前記クリア層を形成する塗料が、紫外線硬化型樹脂または2液硬化型樹脂を含有する請求項1~5のいずれかに記載の化粧板。
【請求項7】
前記化粧層が酸化チタンを含有する請求項1~6のいずれかに記載の化粧板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗ウイルス剤を含有する化粧板に関し、より詳細には、無機系基材上に化粧層を有し、当該化粧層上に抗ウイルス剤を含有するクリア層が設けられた化粧板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢者施設や病院内での施設内感染予防の観点から、化粧板への抗ウイルス性付与が検討されている。このような抗ウイルス性を有する化粧板としては、例えば、メラミン系樹脂を表層に有する基板に金属粒子含有層を転写したメラミン系化粧板などが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、メラミン系の化粧板は、一枚ごとのプレス加工が必要であり、生産効率が悪く、コストが高い問題があった。また、安価な化粧板構成として無機系基材に着色塗膜からなる化粧層を設けた化粧板構成があげられるが、当該化粧層中に抗ウイルス剤を含有する化粧板構成では、光照射時に変色を生じる場合があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、抗ウイルス性を発現可能な抗ウイルス剤を含有しながらも、低コストで好適な外観を有する化粧板を提供することにあり、特に耐光試験での変色が生じにくく、光照射に対しても良好な外観を保持できる化粧板を提供することにある。
【0006】
さらに、本発明が解決しようとする課題は、上記課題と共に、耐擦傷性にも優れた化粧板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、無機系基材上に着色剤を含有する化粧層とクリア層とを有する化粧板であって、前記クリア層が化粧板の表層であり、前記クリア層が抗ウイルス剤を含有し、前記クリア層中の抗ウイルス剤の含有量が10質量%以下であり、前記クリア層の乾燥塗布量が0.2~25g/m2である化粧板により、上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の化粧板は、安価な無機系基材上に、着色剤を含有する化粧層を有し、該化粧層側の表層にクリア層を有する構成であるため、メラミン化粧板に比してコストが低い。そして、当該クリア層が抗ウイルス剤をクリア層中の10質量%以下の含有量で含有し、当該クリア層の乾燥塗膜での塗布量を0.2~25g/m2とすることで、化粧層の意匠性を大きく阻害することなく良好な意匠性を実現できると共に、光照射による変色が生じにくく良好な外観を保持できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の化粧板は、無機系基材上に着色剤を含有する化粧層とクリア層とを有し、前記クリア層が化粧板の表層を構成する。そして、前記クリア層が抗ウイルス剤を、クリア層中10質量%以下で含有し、クリア層の乾燥塗布量が0.2~25g/m2である。
【0010】
[無機系基材]
本発明に使用する無機系基材は、化粧板に使用される各種無機系基材を使用できる。当該無機系基材としては、窯業系無機質基材のほか、骨材としての無機物や無機系繊維を有機系結合材により固めたものも使用することもできるが、無機物の総量が無機系基材の50質量%以上であることが好ましい。当該無機物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム等の結晶水を有する無機物を使用することが好ましい。不燃性向上のためには不燃性基材を使用することが好ましく、なかでも、耐熱性や不燃性を確保しやすく、また低コストで入手しやすいことから、窯業系無機質基材が好ましく、繊維強化珪酸カルシウム成形体、繊維強化セメント成形体、繊維強化セラミックス成形体、軽量気泡コンクリート(ALC)、ガラス、タイル、石材又はこれらの複合材等が挙げられる。これらのうち、特に珪酸カルシウム成形体、繊維強化珪酸カルシウム成形体や繊維強化セメント成形体が好ましい。
【0011】
[化粧層]
本発明に使用する化粧層は、着色剤を含有する層であり、化粧層塗料の塗布、または転写用基材上に形成された化粧層の転写によって形成され、基材の色調を隠蔽して、化粧板に対して任意の意匠性の高い色調の付与を行う層である。本発明においては、低い光沢で意匠性を確保しやすいことから、化粧層の光沢は基板上に積層された状態で光沢度30以下であることが好ましい。当該光沢度は、基板と化粧層間にベースコート層等の任意の層を有する場合には、当該層上に積層された状態の光沢度である。化粧層の光沢は、化粧層下層の表面形状、積層される化粧層の膜厚、化粧層中の樹脂量もしくは添加剤含有量等で調整することができる。光沢度は25以下であることが良好なつや消し状の質感が得られる点で好ましく、20以下であることがさらに好ましい。このような調整手法による化粧層表面の光沢の抑制、艶消し効果の向上は、いずれも樹脂の使用量を低下させる方向であり、不燃性能の向上のために好ましい。特に無機微粒子を艶消し剤として添加することにより化粧層の光沢を調整するときは、化粧層中の樹脂成分をより一層削減することができる。
【0012】
化粧層を形成するための化粧層用塗料は樹脂、着色剤を含有し、さらに必要に応じて前記艶消し剤、及びその他付加機能を付与するための添加剤を含有することができる。化粧層は、化粧層用塗料をロールコーター法、スプレー法、フローコーター法等の塗布手段による直接塗布、あるいは転写用基体上に塗布して転写することにより形成できる。良好な不燃性能の実現のためには化粧層の塗布量は乾燥塗膜で70g/m2以下が好ましく、20~70g/m2がより好ましく、30~60g/m2がさらに好ましい。
【0013】
化粧層に使用する樹脂としては、例えば塩化ビニル酢酸-ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、硝化綿、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、セルロース誘導体、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、等の樹脂の一種または二種以上の混合物が用いられる。尚、これらは硬化剤を用いていわゆる2液型とすることもできる。そのなかでも特にベースコート層表面に直接塗布されて形成される化粧層形成用の塗料として使用される樹脂としては、二液ウレタン系樹脂が好ましく、例えばポリエステル、アクリル、アクリルアルキッド等のポリオールとイソシアネートを二液混合したもの等が例示できる。
【0014】
化粧層に使用する着色剤としては有機顔料及び無機顔料から選ばれた着色剤及び体質顔料を含むものである。着色剤を構成する無機顔料としては、たとえば、チタン白、カーボンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、弁柄、群青、及びアルミホワイト等を使用することができる。有機顔料としては、キナクリドン、レーキレッド、ベンジシンイエロー、イソインドリノン、フタロシアニンブルー、シンクレアレッド等を使用することができ、所望の色調に応じて上記以外にも任意の有機及び無機顔料が適宜使用できる。また、浸透促進剤として用いる体質顔料としては、無機質のものが好ましく、炭酸カルシウム、クレー、タルク、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、アルミナ等の粒子等を用いることができる。
【0015】
これら顔料は、膜厚が薄く樹脂使用量の少ない化粧層であっても良好に下地の色相を隠蔽するものが好ましく、特に酸化チタンは隠蔽力が高く、またつや消し剤としても化粧層中に配合されることが多い。酸化チタンを配合すると化粧層の色調が全体として白っぽい方向に移行する。このため後述するようにクリア層のヘイズや光沢の影響を受けにくくなるが、色相がパステル調のものとなる傾向がある。さらに酸化チタンの配合によって、化粧層中の樹脂の含有量をより低減させることができる。
【0016】
化粧層中に酸化チタンを使用する際には、その含有量を化粧層中の5~55質量%とすることが好ましく、15~45質量%とすることがより好ましい。当該範囲とすることで好適な隠蔽性と共に、クリア層を設けた際の好適な耐擦傷性を実現しやすくなる。
【0017】
艶消し剤としては、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物等の微粒子酸化物を挙げることができ、分散性を高める目的で、それらの表面にシリカ処理、アルミナ処理、カップリング処理等を施したものを使用することができる。
【0018】
また、化粧層には、化粧層表面にエンボスを施し表面の質感を向上させる目的で、アクリルビーズやポリプロピレンビーズ等の有機系ビーズ、セラミックビーズやガラスビーズ等の無機系ビーズを含有させることも好ましい。
【0019】
なお、化粧層中には後述の抗ウイルス剤を実質的に含有しないことが好ましい。化粧層中に抗ウイルス剤を含有する場合でも化粧層中の1質量%以下とすることが好ましく、0.5質量%以下とすることがより好ましい。
【0020】
[クリア層]
本発明に使用するクリア層は、化粧層上に積層されていて化粧板の最表面層を形成し、化粧層の意匠を視認可能な透明性を有する層である。当該クリア層は抗ウイルス剤を含有し、クリア層に含まれる抗ウイルス剤の含有量が10質量%以下、好ましくは8質量%以下、より好ましくは6質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。抗ウイルス剤の含有量の下限は抗ウイルス効果が発現できる範囲であれば特に制限されないが好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、特に好ましくは1質量%以上である。抗ウイルス剤の含有量を当該範囲とすることで、化粧層の意匠性を好適に視認でき、また、光照射時に変色を生じにくく、好適な外観を確保できる。
【0021】
本発明に使用するクリア層は、乾燥塗膜の塗布量が0.2~25g/m2であり、好ましくは0.5~20g/m2、より好ましくは1~15g/m2である。クリア層の乾燥塗布量を当該範囲とすることで、化粧層の意匠性を好適に視認でき、また、光照射に対しても好適な外観を維持できる。
【0022】
クリア層に含有する抗ウイルス剤としては、無機系の抗ウイルス剤を使用しても、有機系の抗ウイルス剤を使用してもよいが、取り扱いが容易で不燃性を確保しやすいことから、無機系の抗ウイルス剤を使用することが好ましい。無機系抗ウイルス剤としては、金属イオン担持体や金属酸化物等を好ましく使用できる。金属イオン担持体の金属イオンとしては、銀イオン、銅イオン、亜鉛イオン等を使用できる。これら金属イオンを担持させる担持体としては、ゼオライト、シリカゲル、粘土鉱物、リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム、ガラス、金属等のイオン交換体を例示できる。また、金属酸化物としては、酸化チタン、酸化スズ、酸化タングステン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化ジルコニウム等を例示できる。
【0023】
化粧層上に形成される本願発明のクリア層は、化粧層上に積層されていて化粧板の最表面層を形成し、基本的に透明で、クリア層形成後であっても化粧板に光沢の低い、好ましくは艶消し状の外観を保持させるものである。化粧層上へ積層されるクリア層については該クリア層の形成前後において、化粧板表面の外観変化が小さいものであるほど好ましい。クリア層形成前後で化粧板表面の外観をできるだけ変化しないように保つために、クリア層は透明もしくは半透明であり、そのヘイズ値は60%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。ヘイズ値が60%を超えるとクリア層を透過するときのクリア層中の光散乱がより強くなるため、色相が白味を有する方向に変化しやすく、特に化粧層が濃色系である場合は外観が白っぽくなる傾向がある。またクリア層からの正反射の割合が減少するため化粧板表面の光沢度が、クリア層形成前より低下しやすい。
【0024】
また、クリア層を光沢度6の白色基板上に形成したときの光沢度が3~30であることが好ましく、3~25であることがより好ましい。クリア層の光沢度を当該範囲とすることで、全ての色相の化粧層において、クリア層形成後の化粧板を、クリア層形成前の化粧層を最表面とした化粧板に対して、その外観における差違を小さくできる。
【0025】
本願発明のクリア層は樹脂を含有する。クリア層の構成成分として使用可能な樹脂としては透明で化粧層との接着性が良好な各種樹脂をあげることができ、例えばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂など用いられ、これらは硬化剤を用いていわゆる2液型とすることもできる。また、紫外線硬化性樹脂等を使用することもできる。特に好ましい樹脂としては、透明性、表面硬度、化粧層への接着性等の点において、アクリル、ポリエステル、アクリルアルキッド等のポリオールとイソシアネートを2液混合したもの等が挙げられる。
【0026】
本願発明で使用するクリア層のヘイズ値や光沢度は、クリア層の表面に光散乱のための凹凸を形成し、その凹凸形状や凹凸頻度を調整することで行うことができる。凹凸形状の調整には平滑なクリア層表面を形成後に、該表面に対して粗面を押しつけて腑形処理をして形成することもできる。しかし、クリア層中に光散乱性物質である微粒子を添加し、上記凹凸の形状や頻度を、添加する微粒子の大きさ、形状、配合量等を調整することで行う方が光散乱の程度を調整し易く、さらにクリア層表面の凹凸からの散乱ばかりでなく、クリア層中の微粒子表面からの光散乱も寄与するため、少ない添加量でより効率的な散乱効果が得られる傾向にあり好ましい。
【0027】
クリア層に添加する微粒子としては樹脂粒子等の有機微粒子を使用することもできるが、クリア層中の樹脂との屈折率差が大きく、クリア層の膜厚が薄く、またクリア層中の含有量が少なかったとしても、これら少量の含有量で効果的な散乱を発生させることが可能な無機微粒子を使用でき、本発明においては、当該無機微粒子として、特に透明性が高く分散の容易なシリカ粒子を使用する。なかでも、少量の添加で表面凹凸を容易に形成することのできる不定形シリカ粒子がさらに好ましい。
【0028】
シリカ粒子の粒径はコールターカウンター法(AP50μm)により測定される平均粒子径で1~12μmであることが好ましく、3~8μmがより好ましい。さらにクリア層中のシリカ粒子含有量は8質量%以下であり、5質量%以下がより好ましい。本発明においては、当該シリカ粒子を当該含有量で使用することで、クリア層の有無による化粧板の外観の変化を抑制できる。
【0029】
また、化粧板として不燃性能を向上させたい場合には、クリア層中の有機成分量を40g/m2以下とすることが好ましく、25g/m2以下とすることがより好ましく、15g/m2以下とすることがさらに好ましい。
【0030】
本発明の化粧板は、クリア層を施す前後での色差がΔ=3以下であることが好ましく、2以下とすることがより好ましい。色調により差異はあるものの色差を当該範囲とすることで、クリア層を有する化粧板とクリア層の無い化粧板を並べても、両者共に低い艶を保持しつつ、両化粧板間での色調的な違和感が生じにくくなる。
【0031】
クリア層の塗布は樹脂、必要に応じて他の微粒子を含有するクリア層用塗料を、化粧層用塗料の塗布と同様にして、公知の塗布方法を用いて塗布することで形成できる。
【0032】
クリア層には上記の他、その配合と添加剤の種類を調整することにより種々の特性を付与することが可能であり、例えば抗菌性、耐擦傷性・耐汚染性などの各種機能を適宜付加することができる。
【0033】
[ベースコート層]
本発明の化粧板においては、無機系基材からのアルカリ成分溶出の防止、化粧層の無機系基材への浸透防止、化粧層の密着性向上、無機質系基材の色調の隠蔽、さらには化粧層塗布前の下地の平滑化等を目的に、基材と化粧層との間にベースコート層を設けることも好ましい。
【0034】
ベースコート層を有する具体的な構成例としては、
図2に示したように、基材1上にベースコート層4を設け、当該ベースコート層4上に化粧層2と、クリア層3を有する構成が好ましく例示できる。
【0035】
ベースコート層に使用される樹脂としてはイソシアネート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルシリコーン樹脂等が使用される。また、これらは紫外線硬化型でも熱硬化型でもよい。
【0036】
これら機能は一つのベースコート層に全てを割り当てて発現させてもよいが、ベースコート層の果たす機能を分担する複数の層を積層して使用し、それらの間で果たすべき機能を割り当てて発現させたほうが、使用できる原材料の種類も、またそれらを用いた設計の幅も格段と多くなる。
【0037】
当該構成の例としては、例えば、
図3に示したように、ベースコート層4として、シーラー層5と目止め処理層6とからなるベースコート層を使用する構成を好ましく例示できる。当該構成においては、シーラー層により、無機系基材からのアルカリ成分溶出の防止、目止め処理層の無機系基材への浸透防止を図り、シーラー層上に形成される目どめ処理層により、無機質系基材の色調の隠蔽、化粧層塗布前の下地の平滑化を図る態様が例示できる。当該態様においては、シーラー層としてイソシアネート樹脂を、シーラー層上に形成される目どめ処理層としてエポキシアクリルアクリレート樹脂を使用すると、各々の機能を効果的に発現させやすくなるため好ましい。
【0038】
シーラー層は、樹脂及び必要に応じて溶剤等を含有するシーラー層用塗料から形成される。シーラー層用塗料の塗布においては、その目的に応じて塗布量を調整することができるが、無機系基材からのアルカリ成分溶出の防止、化粧層の無機系基材への浸透防止等をはかる場合、シーラー層の塗布量は乾燥塗膜で15~100g/m2が好ましい。
【0039】
目どめ処理層は、樹脂及び必要に応じて体質顔料等の添加剤を含有する目止め処理層用塗料から形成される。使用する顔料としては、炭酸カルシウム、タルク等の顔料を好ましく使用できる。目止め処理層用塗料においては使用する樹脂の使用量を増加するとより表面平滑性を高めることができ、その上に形成する化粧層の平滑性や光沢を高めることが可能である。しかし本発明の化粧板においては、無機質系基材の高い不燃性能を最大限発揮させることを重視し、樹脂の使用はむしろ必要最低限に留めつつ化粧板の意匠性や諸機能を発揮させることが好ましく、上記目どめ処理層の塗布量は乾燥塗膜で50~200g/m2、有機固形分配合比は30~60質量%が好ましく、40~50質量%がさらに好ましい。
【0040】
[化粧板]
本発明の化粧板は、上記のとおり、無機系基材上に着色剤を含有する化粧層とクリア層とを有し、クリア層が抗ウイルス剤を10質量%以下で含有し、その乾燥塗布量が0.2~25g/m2である。本発明の化粧板は、当該構成により、良好な意匠性を有し、光照射による変色が生じにくく良好な外観を有する化粧板を低コストで実現できる。
【0041】
また、クリア層の配合や種々の添加剤の添加を行うことにより、種々の追加機能をクリア層に付加することができる。クリア層形成前の化粧板と光沢度と色差が近似し、外観は、クリア層形成前の化粧板と識別し難いほど差の小さいものとした化粧板は、クリア層を有さない化粧板と、外観上の差異を生じさせることなく、違和感なく併用することができる。クリア層を有さない化粧板は該クリア層に付随する追加機能は有さないが、クリア層が形成されていない分、より優れた不燃性能を有する。このため、クリア層を有する追加機能の付加された化粧板と設置箇所に応じて使い分けることにより、全体として均質で統一感のある良好な意匠性と優れた不燃性能を維持しつつ、それぞれの設置箇所に要請される種々の追加機能を発揮させることが可能となる。
【0042】
例えばクリア層に表面硬度の向上機能付加する場合、必ずしも家屋等の建築物の内装面全てに該機能の付加の必要の無い場合がある。例えば居住者の手の届かない壁面の高所や天井などには優れた表面硬度が必要とされず、むしろ不燃性能を高めておくことが好ましい。このような場合においては表面硬度を高めた組成のクリア層を有する化粧板と、該クリア層を有さずその分不燃性能のより優れた化粧板を設置箇所に応じて使用することが、内装面全体の意匠性、不燃性能向上のためには好ましい。
【0043】
さらに、例えば化粧層中において、下地の隠蔽機能が高い酸化チタンを添加した場合、化粧層における酸化チタンの研磨性を抑制するためにクリア層を使用することもできる。化粧層上にクリア層を形成することで酸化チタン表面を被覆する被膜を形成し、かつクリア層形成後の化粧板の表面の外観が、クリア層形成前の化粧層の表面との間で、識別不可能なほど小さい差異しか生じない場合。クリア層を形成することにより化粧層の研磨性を抑制した化粧板を建築物の内装面の例えば壁面の低い位置に使用し、居住者の手の届かないような壁面の高所や天井には、むしろ不燃化性能を重視したクリア層を有さない化粧板を使用することによって、内装面全体の高い意匠性と優れた不燃性能を維持しつつ、酸化チタンを化粧層に使用した化粧板の有する研磨性を適正に抑え、接触金属等の削れによる金属汚れを防止することができる。本発明は、このような酸化チタンを化粧層に使用した構成において、特に好適に意匠性や耐光性を実現できる。
【0044】
本発明の化粧板は、さらに好適な不燃性能を付与するために、有機成分量の総量を250g/m2以下とすることが好ましく、200g/m2以下とすることがより好ましく、180g/m2以下とすることがさらに好ましい。当該範囲とすることで、クリア層を有さない化粧板との組み合わせにおいて、設置箇所全般にわたって特に好適な不燃性能を実現できる。本発明の化粧板は、このような不燃性能を付与した場合にも、低い光沢度と透明性とを実現でき、化粧層の良好な色味を有しつつ、好適な艶消し性を実現できる。
【0045】
本発明の化粧板は、家屋、建築物等の内装面や外装面である外壁、内壁、床、天井等の建築構造の被覆の他、庇やドア等の建築構造の付設物、あるいはキッチン設備等の台所施設や収納棚等の建築構造の内外に設置される家具、設備等の物品の表面に対して適用することで、上記好適な効果を生じることが可能となる。
【実施例】
【0046】
<実施例1>
[クリア層形成前の化粧板(白色塗装板)の作製]
まず、厚さ6mmの珪酸カルシウム板(三菱マテリアル建材社製ヒシタイカ#70)の片面に対して、珪酸カルシウム板の表層強化及びアルカリ成分の溶出を防止するための固形分比50%MDI(日本ポリウレタン製MR-100)をロールコーターで乾燥時の塗布量が40g/m2となるように塗工し、ベースコート層の一つであってシーラー処理を行うシーラー層を形成し、十分に乾燥させた。次に、その上から目どめ処理層として固形分比100%のエポキシアクリレート系紫外線硬化型塗料(DIC製AC-12)をロールコーターで乾燥時の塗布量100g/m2となるように塗工し、上記シーラー層と併せてベースコート層を形成した。次に、その上からサンディング加工を行い、表面が平滑な下地処理済み珪酸カルシウム板を得た。
【0047】
次に、その上から化粧層用塗料として、二液タイプの白色系アクリルウレタン系エナメル塗料(DIC製UCカラーFK D-023NT(酸化チタン含有))をフローコーターで乾燥時の塗布量で40g/m2塗工して、クリア層形成前の化粧板(白色塗装板)を得た。化粧層用塗膜中の酸化チタンの含有率は40%である。
【0048】
[クリア層用塗料の作製]
次に、クリア層用塗料として二液タイプの白色系アクリルウレタン系クリア塗料(DIC製UCクリヤーDFクリーン01(酸化チタン非含有))100部に、抗ウイルス剤(銀イオン系担持ガラスタイプ 平均粒径3ミクロン)を乾燥後のクリア層における含有率が1質量%になるように配合し、クリア層用塗料を作製した。
【0049】
[クリア層付き化粧板の特性]
上記クリア層形成前の化粧板の上にクリア層用塗料をナチュラルロールコーターで乾燥塗布量1g/m2となるように塗工して、実施例1のクリア層付きの白色化粧板を得た。その後、実施例1のクリア塗装白色化粧板の60°光沢度をグロスメーター(堀場製作所製IG-330)により測定した結果、15となった。
【0050】
また、実施例1のクリア層付きの白色化粧板の耐光性を調べるため、合板の日本農林規格(平成26年改訂版)で定められた退色試験を実施した。退色試験用水銀ランプ400Wを用いて、試験体に光を48時間照射し、光照射前後の色差ΔEを色差計(JUKI製JP7200C:D65光源10度視野を使用)で測定した。ここで色差ΔEは下記のハンターの色差式で得られるものを用いた。
ΔE={(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)2}1/2
ここでΔLとΔa,Δbは、比較する二つの表面色の明度指数Lと色座標a,bの差である。
測定の結果、ΔE=0.7であった。
【0051】
<実施例2>
実施例1と同様の方法で作製したクリア層形成前の化粧板(白色塗装板)上に、クリア層用塗料の抗ウイルス剤の含有率が3質量%とした以外は実施例1と同様な条件でクリア層を形成して実施例2のクリア層付き化粧板を得た。実施例1と同様に光沢度を測定した結果、14となった。また、実施例1と同様の方法で耐光性試験(退色試験)を実施したところ、ΔE=0.7であった。
【0052】
<実施例3>
実施例1と同様の方法で作製したクリア層形成前の化粧板(白色塗装板)上に、クリア層用塗料の抗ウイルス剤の含有率が3質量%、乾燥塗布量が2g/m2とした以外は実施例1と同様な条件でクリア層を形成して実施例3のクリア層付き化粧板を得た。実施例1と同様に光沢度を測定した結果、16となった。また、実施例1と同様の方法で耐光性試験(退色試験)を実施したところ、ΔE=0.8であった。
【0053】
<実施例4>
実施例1と同様の方法で作製したクリア層形成前の化粧板(白色塗装板)上に、クリア層用塗料の抗ウイルス剤の含有率が3質量%、乾燥塗布量が3g/m2となるようにバーコーターで塗工した以外は実施例1と同様な条件でクリア層を形成して実施例4のクリア層付き化粧板を得た。実施例1と同様に光沢度を測定した結果、17となった。また、実施例1と同様の方法で耐光性試験(退色試験)を実施したところ、ΔE=0.6であった。
【0054】
<実施例5>
実施例1と同様の方法で作製したクリア層形成前の化粧板(白色塗装板)上に、クリア層用塗料の抗ウイルス剤の含有率が3質量%、乾燥塗布量が7g/m2となるようにバーコーターで塗工した以外は実施例1と同様な条件でクリア層を形成して実施例5のクリア層付き化粧板を得た。実施例1と同様に光沢度を測定した結果、19となった。また、実施例1と同様の方法で耐光性試験(退色試験)を実施したところ、ΔE=1.1であった。
【0055】
<実施例6>
実施例1と同様の方法で作製したクリア層形成前の化粧板(白色塗装板)上に、クリア層用塗料の抗ウイルス剤の含有率が3質量%、乾燥塗布量が10g/m2となるようにバーコーターで塗工した以外は実施例1と同様な条件でクリア層を形成して実施例6のクリア層付き化粧板を得た。実施例1と同様に光沢度を測定した結果、19となった。また、実施例1と同様の方法で耐光性試験(退色試験)を実施したところ、ΔE=1.0であった。
【0056】
<実施例7>
実施例1と同様の方法で作製したクリア層形成前の化粧板(白色塗装板)上に、クリア層用塗料の抗ウイルス剤の含有率が3質量%、乾燥塗布量が14g/m2となるようにバーコーターで塗工した以外は実施例1と同様な条件でクリア層を形成して実施例7のクリア層付き化粧板を得た。実施例1と同様に光沢度を測定した結果、20となった。また、実施例1と同様の方法で耐光性試験(退色試験)を実施したところ、ΔE=1.0であった。
【0057】
<実施例8>
実施例1と同様の方法で作製したクリア層形成前の化粧板(白色塗装板)上に、クリア層用塗料の抗ウイルス剤の含有率が3質量%、乾燥塗布量が19g/m2となるようにバーコーターで塗工した以外は実施例1と同様な条件でクリア層を形成して実施例8のクリア層付き化粧板を得た。実施例1と同様に光沢度を測定した結果、21となった。また、実施例1と同様の方法で耐光性試験(退色試験)を実施したところ、ΔE=1.5であった。
【0058】
<実施例9>
実施例1と同様の方法で作製したクリア層形成前の化粧板(白色塗装板)上に、クリア層用塗料の抗ウイルス剤の含有率が5質量%、乾燥塗布量が2g/m2とした以外は実施例1と同様な条件でクリア層を形成して実施例9のクリア層付き化粧板を得た。実施例1と同様に光沢度を測定した結果、15となった。また、実施例1と同様の方法で耐光性試験(退色試験)を実施したところ、ΔE=1.3であった。
【0059】
<実施例10>
実施例1と同様の方法で作製したクリア層形成前の化粧板(白色塗装板)上に、クリア層用塗料の抗ウイルス剤の含有率が7質量%、乾燥塗布量が2g/m2とした以外は実施例1と同様な条件でクリア層を形成して実施例10のクリア層付き化粧板を得た。実施例1と同様に光沢度を測定した結果、14となった。また、実施例1と同様の方法で耐光性試験(退色試験)を実施したところ、ΔE=1.6であった。
【0060】
<比較例1>
実施例1と同様の方法で作成したクリア層形成前の化粧板(白色塗装板)を比較例1とした。実施例1と同様に光沢度を測定した結果、6となった。また、実施例1と同様の方法で耐光性試験(退色試験)を実施したところ、ΔE=0.5であった。
【0061】
比較例1のクリア層形成前の化粧板の白色化粧層用塗料中に、実施例1で用いた抗ウイルス剤を、乾燥後の化粧層用塗料における抗ウイルス剤の含有率が3質量%になるように配合した以外は、同様の方法で作成したクリア層形成前の化粧板(白色塗装板)を比較例2とする。実施例1と同様に光沢度を測定した結果、5となった。また、実施例1と同様の方法で耐光性試験(退色試験)を実施したところ、黒く変色し、ΔE=2.7であった。
【0062】
<比較例3>
比較例1のクリア層形成前の化粧板の白色化粧層用塗料中に、実施例1で用いた抗ウイルス剤を、乾燥後の化粧層用塗料における抗ウイルス剤の含有率が5質量%になるように配合した以外は、同様の方法で作成したクリア層形成前の化粧板(白色塗装板)を比較例3とする。実施例1と同様に光沢度を測定した結果、4となった。また、実施例1と同様の方法で耐光性試験(退色試験)を実施したところ、黒く変色し、ΔE=4.0であった。
【0063】
<比較例4>
比較例1のクリア層形成前の化粧板の白色化粧層用塗料中に、実施例1で用いた抗ウイルス剤を、乾燥後の化粧層用塗料における抗ウイルス剤の含有率が7質量%になるように配合した以外は、同様の方法で作成したクリア層形成前の化粧板(白色塗装板)を比較例4とする。実施例1と同様に光沢度を測定した結果、4となった。また、実施例1と同様の方法で耐光性試験(退色試験)を実施したところ、黒く変色し、ΔE=5.6であった。
【0064】
<比較例5>
実施例1と同様の方法で作製したクリア層形成前の化粧板(白色塗装板)上に、抗ウイルス剤を配合しないクリア層用塗料を乾燥塗布量が1g/m2となるように塗工した以外は実施例1と同様な条件でクリア層を形成して比較例5のクリア層付き化粧板を得た。実施例1と同様に光沢度を測定した結果、16となった。また、実施例1と同様の方法で耐光性試験(退色試験)を実施したところ、ΔE=0.4であった。
【0065】
<比較例6>
実施例1と同様の方法で作製したクリア層形成前の化粧板(白色塗装板)上に、抗ウイルス剤を配合しないクリア層用塗料を乾燥塗布量が2g/m2となるように塗工した以外は実施例1と同様な条件でクリア層を形成して比較例6のクリア層付き化粧板を得た。実施例1と同様に光沢度を測定した結果、19となった。また、実施例1と同様の方法で耐光性試験(退色試験)を実施したところ、ΔE=0.9であった。
【0066】
<比較例7>
実施例1と同様の方法で作製したクリア層形成前の化粧板(白色塗装板)上に、抗ウイルス剤を配合しないクリア層用塗料を乾燥塗布量が27g/m2となるようにバーコーターで塗工した以外は実施例1と同様な条件でクリア層を形成して比較例7のクリア層付き化粧板を得た。実施例1と同様に光沢度を測定した結果、37となった。また、実施例1と同様の方法で耐光性試験(退色試験)を実施したところ、黄色く変色し、ΔE=2.3であった。
【0067】
<比較例8>
実施例1と同様の方法で作製したクリア層形成前の化粧板(白色塗装板)上に、クリア層用塗料の抗ウイルス剤の含有率が3質量%、乾燥塗布量が30g/m2となるようにバーコーターで塗工した以外は実施例1と同様な条件でクリア層を形成して比較例8のクリア層付き化粧板を得た。実施例1と同様に光沢度を測定した結果、36となった。また、実施例1と同様の方法で耐光性試験(退色試験)を実施したところ、黄色く変色し、ΔE=2.6であった。
【0068】
<比較例9>
実施例1と同様の方法で作製したクリア層形成前の化粧板(白色塗装板)上に、クリア層用塗料の抗ウイルス剤の含有率が3質量%、乾燥塗布量が59g/m2となるようにバーコーターで塗工した以外は実施例1と同様な条件でクリア層を形成して比較例9のクリア層付き化粧板を得た。実施例1と同様に光沢度を測定した結果、72となった。また、実施例1と同様の方法で耐光性試験(退色試験)を実施したところ、黄色く変色し、ΔE=4.2であった。
【0069】
上記実施例1~10の塗布量および抗ウイルス剤の含有率とその特性について、下記に一覧表を示す。
【0070】
【0071】
上記比較例1~9の塗布量および抗ウイルス剤の含有率とその特性について、下記に一覧表を示す。
【0072】
【0073】
表1と表2から明らかなように、実施例の化粧板は、比較例に示す抗ウイルス剤を含有する化粧板と比較して、光照射による変色が生じにくく良好な外観を保持できる。比較例2~4で示すように、化粧層用塗料(着色塗料)に抗ウイルス剤を配合すると、耐光試験で黒く変色する問題があるが、実施例のように着色顔料を含まないクリア層用塗料に抗ウイルス剤を配合することで、抗ウイルス剤特有の耐光性試験における黒変を抑え、有機系塗料に特有の黄変が僅かに発生するのみにすることができる。