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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】接着剤塗布を制御するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B05D 3/00 20060101AFI20220621BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20220621BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20220621BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20220621BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
B05D3/00 D
B05C5/00 101
B05C11/10
B05D1/26 Z
B05D7/24 301P
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017208872
(22)【出願日】2017-10-30
(65)【公開番号】P2018069237
(43)【公開日】2018-05-10
【審査請求日】2020-10-29
(31)【優先権主張番号】62/414,793
(32)【優先日】2016-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/790,210
(32)【優先日】2017-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391019120
【氏名又は名称】ノードソン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ダヴリュ.エステル
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0008834(US,A1)
【文献】特開2014-018799(JP,A)
【文献】特表2013-538672(JP,A)
【文献】特開2014-018798(JP,A)
【文献】特表2009-542430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/00- 7/26
B05C 1/00-21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤塗布を制御する方法であって、
固形又は半固形の接着剤を溶融することと、
前記溶融した接着剤をポンプによりマニホールドを介して複数の基材に塗布するためにアプリケーターに送り込むことと、
前記マニホールドにおける流量センサにより前記接着剤の流量を検出することによって前記複数の基材に塗布された接着剤の量を測定することと、
前記基材の数を検出することと、
基材毎に塗布された接着剤の量を求めることと、
前記基材毎に塗布された接着剤を目標値と比較することと、
前記比較に基づいて前記ポンプの圧力を調整することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記塗布された接着剤の量を測定することは、供給部の弁の開放を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
量センサーによって前記アプリケーターと連通しているホース内の流量を検出することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基材の数を検出することは、基材センサーを通過するコンベアーベルト上の該基材の数を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ユーザーインターフェースによって前記目標値を受け取ることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
接着剤塗布を制御する制御システムであって、
固体又は半固体の接着剤を収容する供給部と、
前記固体又は半固体の接着剤を溶融するように構成されているメルターと、
マニホールドと、
アプリケーターと、
前記溶融された接着剤を複数の基材に塗布するために前記アプリケーターに送り込むように構成されているポンプと、
前記接着剤の流量を検出することにより前記複数の基材に塗布された接着剤の量を測定するように構成された前記マニホールドにおける流量センサーと、
前記基材の数を検出するように構成された基材センサーと、
前記流量センサー及び前記基材センサーと通信するコントローラーと、を備え、
該コントローラーは、基材毎に塗布された接着剤の量を求め、前記基材毎に塗布された接着剤を目標値と比較し、前記比較に基づいて前記ポンプの圧力を調整するように構成されている、制御システム。
【請求項7】
前記供給部の弁の開放を検出して前記塗布された接着剤の量を測定するように構成されているセンサーを更に含む、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記アプリケーターに連通しているホースに配置され、前記ホース内の流量を検出するように構成されている流量センサーを更に含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記基材センサーは、コンベアーベルト上の前記基材の数を検出するように構成されている、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記目標値を受け取るように構成されたユーザーインターフェースを更に含む、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
命令を格納する非一時的コンピューター可読媒体であって、該命令は、実行されると、1つ以上のプロセッサに対して接着剤塗布を制御するプロセスを実行させる、媒体であり、該プロセスは、
固形又は半固形の接着剤を溶融することと、
前記溶融した接着剤をポンプによりマニホールドを介して複数の基材に塗布するためにアプリケーターに送り込むことと、
前記マニホールドにおける流量センサにより前記接着剤の流量を検出することによって前記複数の基材に塗布された接着剤の量を測定することと、
前記基材の数を検出することと、
基材毎に塗布された接着剤の量を求めることと、
前記基材毎に塗布された接着剤を目標値と比較することと、
前記比較に基づいて前記ポンプの圧力を調整することと、
を含む、媒体。
【請求項12】
前記塗布された接着剤の量を測定することは、供給部の弁の開放をセンサーにより検出することを含む、請求項11に記載の媒体。
【請求項13】
量センサーによって前記アプリケーターと連通しているホース内の流量を検出することを更に含む、請求項11に記載の媒体。
【請求項14】
前記基材の数を検出することは、基材センサーを通過するコンベアーベルト上の該基材の数を検出することを含む、請求項11に記載の媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包括的には、接着剤塗布を制御するシステム及びプロセスに関し、より詳細には、基材(substrate)毎に塗布された接着剤の量に基づいて閉ループで接着剤塗布を制御するシステム及びプロセスに関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2016年10月30日に出願された米国仮特許出願第62/414,793号の利益を主張し、この出願の開示は引用することにより本明細書の一部をなす。
【背景技術】
【0003】
基材に塗布される接着剤の量は、重要であることが多い。例えば、包装に対して適切な量の接着剤が塗布されるのを確実にすることは、包装品の販売に実質的に影響を与える可能性がある。一方では、包装に過剰な接着剤を塗布することにより、包装品のコストが増大する可能性があるとともに、接合部の接着剤「はみ出し」があることにより、審美性が低下する可能性もある。他方では、塗布する接着剤が不十分であることにより、包装の完全性が損なわれる可能性があり、場合によっては包装品に損傷がもたらされる。これらの欠陥のうちのわずかによっても、製品の生産操業全体が見込み客によって拒絶されることになる可能性がある。現行のシステムは、基材に接着剤を塗布する際に十分な制御を提供していない。したがって、塗布量及び基材の数に基づいて接着剤塗布を制御するように構成された閉ループシステムを提供することが望ましい。したがって、本発明の目的のうちの1つは、接着剤塗布に対する条件に基づいて接着剤塗布を制御するように構成された閉ループシステムを提供することである。
【発明の概要】
【0004】
上述した必要性は、本明細書に記載するシステム及びプロセスによって大幅に満たされる。本開示の一態様はプロセスに関する。プロセスは、ポンプによって複数の基材に塗布された接着剤の量を測定することと、基材の数を検出することと、基材毎に塗布された接着剤の量を求めることと、基材毎に塗布された接着剤を目標値と比較することと、比較に基づいてポンプの圧力を調整することとを含むことができる。
【0005】
本開示の別の態様は、接着剤塗布を制御する制御システムであって、ポンプによって複数の基材に塗布された接着剤の量を測定するように構成された第1のセンサーと、基材の数を検出するように構成された第2のセンサーと、第1のセンサー及び第2のセンサーと通信するコントローラーとを備える、制御システムに関する。コントローラーは、基材毎に塗布された接着剤の量を求め、基材毎に塗布された接着剤を目標値と比較し、比較に基づいてポンプの圧力を調整するように構成されている。
【0006】
本開示の更に別の態様は、命令を格納する非一時的コンピューター可読媒体であって、命令は、実行されると、1つ以上のプロセッサに対して接着剤塗布を制御するプロセスを実行させる、媒体に関する。プロセスは、ポンプによって複数の基材に塗布された接着剤の量を測定することと、基材の数を検出することと、基材毎に塗布された接着剤の量を求めることと、基材毎に塗布された接着剤を目標値と比較することと、比較に基づいてポンプの圧力を調整することとを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ホットメルト接着剤システムの例示的な模式図である。
図2図1の例示的なホットメルト接着剤システムとともに使用することができる制御システムの例示的な概略図である。
図3図2の例示的な制御システムによって実行することができる、接着剤の塗布を制御する例示的なプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示を容易に理解することができるために、本開示の態様を、添付図面において例として示す。図面及び以下の詳細な説明において、同じか又は同様の部分に言及するために同じ参照符号を用いる。
【0009】
ホットメルト接着剤システム10は、基材毎に塗布される接着剤の量の制御を可能にすることにより、使用者及び品質管理担当者に利便性及び理解を提供するように構成することができる。ホットメルト接着剤システム10は、センサー及び制御部を用いて、接着剤の消費量を合計し基材の数を検出することができる。ホットメルト接着剤システム10は、基材(複数の場合もある)に一貫した量の接着剤(例えば、「アドオン」重量又は体積)を塗布するように構成することができる。ホットメルト接着剤システム10は、基材毎に塗布される目標接着剤量を受け取り、それに従って構成要素を連続的に制御するように構成することができる。したがって、ホットメルト接着剤システム10は、無駄を削減することにより接着剤塗布の経済性及び審美性を向上させる一方で、十分な接着剤が塗布されることを確実にすることができる。
【0010】
本明細書に図示し記載するホットメルト接着剤システム10は単に例示的なものであり、基材毎に塗布される接着剤の量の制御は、他のホットメルト接着剤システムに適用可能である、ということが理解されよう。例えば、ホットメルト接着剤システム10は、分離したホッパー及びメルターを含むが、グリッド・リザーバーメルター(grid and reservoir melter:グリッドとリザーバーとを有するメルター)を含むホットメルト接着剤システムとすることができる。ホットメルト接着剤システム10は、包装(例えば、箱、封筒)、電子機器(例えば、半導体、回路基板)、衛生品、工業製品、消費者製品、及び/又は紙製品等、任意のタイプの基材に接着剤を塗布することができる。さらに、接着剤に関して考察するが、接着剤システム10は、食品等、複数の他の材料を塗布するようにも構成することができる。
【0011】
図1を参照すると、ホットメルト接着剤システム10は、分配ユニット12及び塗布ユニット20を含むことができる。分配ユニット12は、固体又は半固体ホットメルト接着材料16を受け取り溶融させるように構成された接着剤供給部14と、接着剤供給部14に接続されたマニホールド18と、接着材料16を推進するように構成されたポンプ44とを更に含むことができる。分配ユニット12及び/又は塗布ユニット20の動作は、コントローラー100及び/又はユーザーインターフェース24によって制御し操作することができる。
【0012】
接着剤供給部14は、固体状態又は半固体状態にあるときの接着材料16を収容するように構成されたホッパー26と、加熱素子30及びリザーバー32を有するメルター28とを含むことができ、加熱素子30は、リザーバー32に収容された接着材料16を溶融させるように構成されている。他の実施態様では、接着剤供給部14は、加熱素子30を含まない場合があり、代わりに加熱素子30はマニホールド18内にある場合がある。接着剤供給部14はまた、ホッパー26を収容するように構成された1つ以上の側壁34及び取外し可能カバー36も含むことができる。ホッパー26はまた、接着材料16がリザーバー32に入るのを選択的に可能にするように構成された弁38も含むことができる。リザーバー32は、溶融した接着材料16がマニホールド18に入るのを可能にする剛性又は可撓性流路40に結合することができる。剛性又は可撓性流路40は、最小の又はゼロに近い長さを有することができる。幾つかの実施形態では、接着剤供給部14は、弁38との相互作用を通して、マニホールド18に搬送される接着材料16の量を検出するように構成された弁センサー42を更に含むことができる。例えば、幾つかの実施形態では、弁センサー42は、弁38の開放によって引き起こされる光ビームの遮断を検出するように構成された光センサーとすることができる。弁センサー42は、追加的に又は代替的に、誘導スイッチ、容量スイッチ、機械式マイクロスイッチ等とすることができる。したがって、塗布された接着材料16の量は、弁38の検出された開放と、開放毎に弁38を通過する接着材料16の既知の量とに基づいて、求めることができる。
【0013】
マニホールド18は、接着剤供給部14の側壁34に取り付けることができ、ポンプ44に結合することができる。ポンプ44は、液体ホットメルト接着材料16を接着剤供給部14からマニホールド18内に圧送するように構成することができ、マニホールド18では、液体ホットメルト接着材料16は別個の流れに分割される。幾つかの実施形態では、ポンプ44は、ピストン54を受け入れるピストンチャンバーを画定するハウジング46を含むことができる。ポンプロッド56が、接着材料16を加圧するように、ピストン54からマニホールド18内に下方に延在することができる。ピストン54は、ピストンチャンバーを上部チャンバー50及び下部チャンバー52に分割することができる。上部チャンバー50は、第1のアクチュエーター48から加圧空気を選択的に受け取ることができ、下部チャンバー52は、第2のアクチュエーター49から加圧空気を選択的に受け取ることができる。したがって、第1のアクチュエーター48及び第2のアクチュエーター49は、ピストン54の上側を押すように上部チャンバー50内に加圧空気を提供して、ピストン54及びポンプロッド56を一方向に移動させ、その後、ピストン54の下側を押すように下部チャンバー52内に加圧空気を提供して、ピストン54及びポンプロッド56を別の方向に移動させるように、交互に作動させることができる。ポンプロッド56のこの往復移動により、繰返し、接着材料16を接着剤供給部14からマニホールド18内に引き込み、かつ接着材料16をマニホールド18から排出することができる。ピストン54及び/又はポンプロッド56は、材料流量を測定する1つ以上のセンサー(図示せず)を含むことができる。アクチュエーター48、49は、ソレノイド、スプール弁、及び/又は加圧空気を提供するように構成された他の任意のタイプのアクチュエーターを含むことができる。幾つかの実施形態では、代替的に、ポンプ44は、1つ以上の磁気シフターによって作動させることができる。ポンプ44は、ピストンポンプとして記載しているが、空気ピストンポンプ又はモーター制御ポンプを含む任意のタイプのポンプを具体化することができる。
【0014】
幾つかの実施形態では、ポンプ44は、ポンプ44に対する空気圧を制御するように、空気作動式の電圧-圧力変換装置又は電流-圧力変換装置を含むか又はそれに結合することができ、それにより、出力液圧は入力空気圧に比例することができる。幾つかの実施形態では、ポンプ44は、出力経路に対して平行な再循環経路に圧力調整弁を含むことができ、圧力調整弁は、空気によって又は電気的に調節することができる。幾つかの実施形態では、減圧レギュレーターが出力流路に直接一列に並んで、実質的定圧力源を提供することができる。
【0015】
マニホールド18は、接着材料16の流れをもたらす1つ以上のポート58を含むことができる。マニホールド18は、内部を通過する液体ホットメルト接着材料16の流量を測定する流量センサー59も含むことができる。流量センサー59は、流量情報を示す信号を生成することができる。例えば、流量センサー59は、液体ホットメルト接着材料16の流れが回転を引き起こす、マニホールド18内のシャフトの回転を測定するエンコーダーとすることができる。流量センサー59は、追加的に又は代替的に、マニホールド18の出口に位置することができ、流量センサー59は、ホース57に取り付けるための複数のポートを含むことができる。本発明に対して好適な流量センサーを含む例示的なマニホールドは、米国特許第6,857,441号、及び2016年4月4日に出願された米国仮特許出願第62/318,114号に開示されており、それらの開示内容は、引用することにより本明細書の一部をなす。他のマニホールド、流量センサー、又は流量測定装置を使用することができ、本明細書で考察するマニホールド18及び流量センサー59の具体的な形態は、単に例示的な実例を提供するものである。さらに、流量センサー59の代わりに又はそれとともに、圧力センサーも用いることができる。流量センサー59は、述べられているように、ポンプ44に関連する制御システムの一部である。
【0016】
マニホールド18の1つ以上のポート58に、塗布ユニット20に接続されたホース57を取り付けることができる。ホース57に、流量情報に基づいて信号を生成するように構成された1つ以上の流量センサー61を取り付けることができる。流量センサー61は、ホース57と一列に配置することができる。例えば、システム10は、ホース57の各々と一列に複数の小型の流量センサー61を含むことができる。幾つかの実施形態では、流量センサー61は、ホース57の内側に配置されたロータリーエンコーダーを含むことができ、接着材料16の流体流の流量に基づいて信号を生成するように構成することができる。幾つかの実施形態では、流量センサー61は、(例えば、図1に示すように)ホース57の外側に配置し、レーザーベースの干渉法及び/又はドップラーベースの測定を通して流量を測定し、信号を生成するように構成することができる。
【0017】
塗布ユニット20は、支持体64の上に配置された基材62に接着材料16を塗布するように構成された1つ以上の接着剤ガン60を含むことができる。幾つかの実施形態では、塗布ユニット20は、連続したガン60を通して1つ以上の基材62を搬送するように構成されたコンベアー(例えば、コンベアーベルト)を含むことができる。コンベアーは、コントローラー100からの信号によって制御することができる。ガン60は、ガンヒーター70を有するガン本体68にかつ支持体64の上に取り付けられた、1つ以上の接着剤分配モジュール66を含むことができる。ガン60の接着剤分配モジュール66は、接着材料16が分配されるノズルを提供することができる。幾つかの実施形態では、1つ以上の流量センサーは、ガン60の中及び/又は上に配置し、塗布される接着材料16の流量情報に基づいて信号を生成するように構成することができる。例えば、ガン60の流量センサー(複数の場合もある)は、ガン60内への、ガン60を通る、及び/又はノズル(複数の場合もある)から出る接着材料16の流量、及び/又はノズル(複数の場合もある)のサイズを検出するように構成することができる。流量センサー(複数の場合もある)は、所望の精度に応じて、ガン(複数の場合もある)60の入口に、及び/又はノズル(複数の場合もある)の各々に配置することができる。
【0018】
塗布ユニット20は、支持体64の上で搬送され及び/又は接着材料16が塗布される基材62の数を検出するように構成された、1つ以上の基材センサー72を含むことができる。幾つかの実施形態では、基材センサー72は、基材62の通過によって引き起こされる光ビームの遮断を検出するように構成された光センサー等、弁センサー42と同様の構造を有することができる。基材センサー72は重量センサーを含むことができ、重量センサーは、基材センサー72にかかる重量に基づいて基材62の通過を検出するように構成されている。
【0019】
図1では、ホットメルト接着剤システム10は、単一の分配ユニット12に隣接して位置する単一の塗布ユニットを含むものとして示すが、異なる数の分配ユニット12、塗布ユニット20及び接着剤ガン60を任意の構成で用いることができる。
【0020】
図2は、図1の例示的なホットメルト接着剤システム10に含めることができる制御システム11の例示的な概略図を示す。制御システム11は、1つ以上のセンサー及び/又はアクチュエーターと通信するコントローラー100のうちの1つ以上を含むことができる。例えば、コントローラー100は、ユーザーインターフェース24、弁センサー42、アクチュエーター48、49、流量センサー59、61のうちの1つ以上、及び/又は基材センサー72と有線及び/又は無線通信することができる。コントローラー100は、様々なセンサー入力を受け取り、例えば、アクチュエーター48、49を通してポンプ44を制御する制御信号を生成する、1つ以上のコンピューター、サーバー、モジュール及び/又はプログラマブル回路を含むことができる。コントローラー100はまた、接着材料16の目標塗布設定を(例えば、ユーザーインターフェース24を通して)受け取るか、又は接着材料16の事前設定された塗布設定を格納し、閉ループで目標塗布設定に基づいてポンプ44を制御するように構成することもできる。例えば、コントローラー100は、各基材62に塗布される接着材料16の目標量を受け取るように構成することができる。コントローラー100は、適切な制御アルゴリズム、例えば閉ループPID制御方法を実行するように、限定されないが、プログラマブルマイクロコントローラー、PLC、ディスクリート回路コンポーネント及びASIC型コントローラーを含む多くの異なる形態及び構成で具現化することができる。
【0021】
コントローラー100は、センサーのうちの1つ以上から流量情報を受け取ることができる。例えば、幾つかの実施形態では、制御システム11は、マニホールド18を通る液体ホットメルト接着材料16の流量を測定する流量センサー59を含むことができる。制御システム11は、追加的に又は代替的に、弁38の開閉を検出するように構成された弁センサー42等、流量情報を検出する他のセンサーを含むことができ、そうした流量情報を処理して、メルター28内への接着材料16の流量を求めることができる。制御システム11は、ホース57のうちの1つ以上を通るガン60への接着材料16の流量を検出するように構成された流量センサー61を含むことができる。制御システム11は、ガン60に動作可能に接続された流量センサーを更に含むことができ、それは、ガン60から1つ以上の基材62の上に流れる接着材料16を検出するように構成されている。接着材料16の検出された流量情報は、流量、圧力、温度及び/又は粘度を含むことができる。ガン60に動作可能に接続された流量センサーは、ガン60のノズルサイズを更に検出することができる。流量情報は、制御信号を実行するために、コントローラー100が受け取って処理することができる。
【0022】
コントローラー100はまた、基材センサー72から基材情報を受け取ることもできる。基材センサー72は、例えばコンベアーベルトによって、支持体64を通過する基材62を検出するように構成することができる。基材情報は、基材62の数、サイズ及び/又はタイプを含むことができ、基材毎に目標接着剤量に達するように塗布される接着材料16の量を求めるために使用することができる。例えば、支持体64を通過する基材62が多いほど、多くの接着材料16を塗布する必要がある。さらに、基材62が大きいほど、追加の接着材料16が必要である可能性がある。基材センサー72は、基材62の塗布領域を検出するように位置決めし及び/又は構成することができる。例えば、接着剤システム10が、基材(箱等)の継ぎ目に接着材料16を塗布するように意図されている場合、基材センサー72は、継ぎ目の長さを測定して、継ぎ目に塗布する必要のある接着材料の量を求めるように構成することができる。基材センサー72は、コントローラー100に対して基材情報を示す信号を生成することができる。
【0023】
コントローラー100はまた、アクチュエーター48、49に対して、ポンプ44に関連する制御信号も生成することができる。コントローラー100は、アクチュエーター48、49の動作状態を液圧式に、機械式に、磁気的に及び/又は電気的に変更することができ、コントローラー100は、ポンプ44がホットメルト接着剤システム10を通して液体ホットメルト接着材料16を送り出す速度を制御する。
【0024】
コントローラー100は、機械制御を実行するように構成することができ、ホットメルト接着剤システム10において諸態様の圧送を開始、停止、及び制御する機能を含む。特に、コントローラー100は、制御システム11に対する基材毎の目標接着剤量に関連する目標情報等、様々な制御情報を受け取り及び/又は生成することができる。例えば、基材毎に塗布される接着剤は、流量情報(例えば、接着材料16の流量、圧力、温度及び/又は粘度)及び基材情報(例えば、基材62の分量及びサイズ)の複数の態様によって決めることができる。したがって、コントローラー100は、センサーを通してこれらの態様の各々を検出し、それらの態様が基材62毎に接着剤にいかに影響を与えるかを判断することができる。コントローラー100は、基材62毎に実際の流量の情報を目標とされる接着剤量と比較することができる。それに応じて、コントローラー100は、基材毎に塗布される目標接着剤量に関連するポンプ速度で動作するようにアクチュエーター48、49を制御する制御信号を送信することができる。
【0025】
コントローラー100はまた、ホットメルト接着剤システム10の圧送機能に関する情報及びそうした機能に対する制御を使用者に提供するように、ユーザーインターフェース24に関連することもできる。ユーザーインターフェース24は、ホットメルト接着剤システム10の接着剤流量、モーター速度及び他の圧送関連パラメーターに関する情報を使用者に提示することができる。ユーザーインターフェース24は、使用者に対して、ホットメルト接着剤システム10の圧送関連パラメーターを調整するための制御部を提供することができる。幾つかの実施形態では、ユーザーインターフェース24は、基材62毎に塗布される目標接着剤量又は他の制御情報を使用者から受け取るように構成することができる。例えば、ユーザーインターフェース24は、基材62毎に塗布される1グラムの接着材料16という目標を受け取ることができる。そして、ユーザーインターフェース24は、コントローラー100に対して信号を生成することができ、そこで、信号は、接着材料16の必要な速度及びポンプ44の対応する圧力を求めるために処理される。コントローラー100はまた、流量情報(例えば、圧力、温度、粘度及び/又はノズルサイズ)及び基材情報(例えば、接着材料16への基材62の露出量を求めるための支持体64のコンベアーの速度)も考慮することができる。そして、コントローラー100は、アクチュエーター48、49に対してポンプ44を制御する制御信号を生成することができる。
【0026】
流量センサー59、61から測定された流量情報を受け取ることに加えて、コントローラー100は、測定された流量情報を制御情報と比較するように構成されている。この比較に応じて、コントローラー100は、モーター制御命令を生成及び実施することができ、又は他の方法でアクチュエーター48、49を、アクチュエーター48、49に供給される電力の周波数若しくは電圧を制御すること等により制御若しくは調整する。そして、制御命令に関連する基材62毎に塗布される目標接着剤量に対応する(例えば、流量センサー59、61のうちの1つによって測定されるような)接着材料16の流量をもたらすように、ポンプ44を制御又は調整することができる。液体ホットメルト接着材料16の流量を連続的に測定することにより、及び測定された流量情報を考慮して(アクチュエーター48、49を通して)ポンプ44を連続的に調整することにより、閉ループ接着剤流量フィードバックシステムが提供される。
【0027】
本明細書に開示するように制御システム11内に閉ループフィードバックシステムを実施することにより、流量情報を収集しホットメルト接着剤システムの他の制御構成要素と通信する別個の補助コントローラーを使用しなくてもよい。むしろ、流量センサーによって収集される流量情報は、ポンプアクチュエーター48、49を制御するコントローラー100に直接提供され、それにより、閉ループフィードバックシステムが提供される。接着剤システム10における構成要素の数を低減させることに加えて、開示する制御システム11及び全体の構成は、ホットメルト接着剤システムの主要な構成要素とは別個の構成要素に収容された別個の補助コントローラーを用いるものと比較して、接着剤分配システムのコストを削減する。さらに、別個の補助コントローラーをなくすことにより、閉ループフィードバックシステムで使用される装置の数が低減し、それにより、流量測定値が収集されるときとポンプ又はポンプモーターが調整されるときとの間の時間のずれが低減する。
【0028】
図3は、図2の例示的な制御システム11によって実行することができる、接着剤の塗布を制御する例示的なプロセス1000を示す。プロセス1000は、コントローラー100によって実行されるものとして述べるが、プロセス1000のステップのうちの1つ以上は、制御システム11の他の構成要素によって実行することができることが考慮できる。
【0029】
ステップ1010において、コントローラー100は、塗布されている接着材料16の量を測定することができる。例えば、コントローラー100は、弁センサー42及び/又は流量センサー59、61の1つ以上を通して信号を受け取ることによって、塗布される接着材料16の量を測定することができる。例えば、弁センサー42は、ホッパー26の弁38が開閉する回数を通して充填サイクルを検出し、コントローラー100に対する信号を生成することができる。そして、コントローラー100は、その信号を、メルター28のリザーバー32まで進行している接着材料16の量に相関させることができる。コントローラー100はまた、流量センサー59、61のうちの1つ以上から信号を受け取ることにより、塗布される接着材料16の量を測定することもできる。コントローラー100はまた、塗布の流量及び期間に基づいて、塗布済み接着材料16を合計することもできる。ステップ1010はまた、圧力、温度、粘度及び/又はノズルサイズ等、接着材料16の追加の流量情報を検出することも含むことができる。様々なセンサーは、精度を確保するために冗長的な流量情報をコントローラー100に提供することができることが企図される。
【0030】
ステップ1020において、コントローラー100は、基材62の製品数を測定することができる。例えば、基材センサー72は、所望の期間にわたって支持体64のコンベアーベルトを通過する基材62の数を測定することができる。基材センサー72は、光ビームを生成し、基材62がコンベアーベルトに沿って通過する際に光ビームの遮断を検出することができる。幾つかの実施形態では、ステップ1020は、例えばカメラ及び/又はレーザーを用いて、基材及び/又は塗布領域の各々のサイズを検出することを更に含むことができる。
【0031】
ステップ1030において、コントローラー100は、基材62毎に塗布される接着剤量を求めることができる。例えば、コントローラー100は、或る期間にわたって塗布された塗布済み接着材料16の総量を求め、その総量を同じ期間にわたってコンベアーベルトを通過した基材62の数における総量と比較することができる。ステップ1030の判断は、流量情報(例えば、接着材料16の流量、圧力、温度及び/又は粘度)及び基材情報(例えば、基材62の分量及びサイズ)の複数の態様に基づくことができる。コントローラー100はまた、例えば、接着材料16の流れの投影と基材62のサイズとを比較することにより、分配プロセスにおいて無駄になる可能性のある接着材料16の量も考慮することができる。
【0032】
ステップ1040において、コントローラー100は、基材62毎に塗布された接着剤量を目標量と比較することができる。例えば、目標量は、使用者がユーザーインターフェース24に入力することができる。目標量は、追加的に又は代替的に、PLC又はサーバー等の別のデバイスから遠隔的に受け取ることができる。検出された基材毎に塗布された接着剤量が、目標量と一致しない場合、コントローラー100はステップ1050に進むことができる。
【0033】
ステップ1050において、コントローラー100は、比較に基づいてポンプの圧力を調整することができる。例えば、検出された基材毎に塗布された接着剤量が目標量より低い場合、コントローラー100は、液圧ポンプ44のアクチュエーター48、49によって引き起こされる駆動圧を上昇させることができ、それにより、ピストン54はより高速に往復運動することができる。一方、検出された基材毎に塗布された接着剤量が目標量より高い場合、コントローラー100は、液圧ポンプ44のアクチュエーター48、49によって引き起こされる駆動圧を低下させることができ、それにより、ピストン54はより低速に往復運動することができる。アクチュエーター48、49の作動は、ステッピングモーター又は他のタイプのアクチュエーターによって制御することができる。ポンプが空圧式である場合、コントローラー100は、ポンプの空気圧を調整することができる。コントローラー100は、追加的に又は代替的に、ユーザーインターフェース24に対して使用者が観察可能な出力を生成することができる。例えば、出力は、使用者に対して、接着材料16及び/又は基材62毎に塗布される接着剤の粘度を増大させるようにより多くの接着材料16を追加するようにすることを示すことができる。
【0034】
本明細書の書かれている記述及び方法に基づくコンピュータープログラムは、ソフトウェア開発者の技能の範囲内にある。種々のプログラミング技法を用いて、様々なプログラム又はプログラムモジュールを生成することができる。例えば、プログラムセクション又はプログラムモジュールを、Java(登録商標)、C、C++、アセンブリ言語又は任意のこうしたプログラミング言語で又はそれを用いて設計することができる。こうしたソフトウェアセクション又はモジュールのうちの1つ以上は、コンピューターシステム、非一時的コンピューター可読媒体又は既存の通信ソフトウェアに組み込むことができる。コンピュータープログラムは、コントローラー100のプロセッサによって読み出して実行することができる。
【0035】
さらに、本明細書では例示的な実施形態について記載しているが、範囲は、本開示に基づく、均等要素を有するありとあらゆる実施形態、変更、省略、組合せ(例えば、様々な実施形態にわたる態様の組合せ)、適合又は改変を含む。さらに、開示した方法のステップは、ステップの順番を変更するか又はステップを挿入若しくは削除することによる等、任意の方法で変更することができる。
図1
図2
図3