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特許7092507自己整列するリベット締め工具及びその動作方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】自己整列するリベット締め工具及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   B21J 15/28 20060101AFI20220621BHJP
【FI】
B21J15/28 F
【請求項の数】 21
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018006286
(22)【出願日】2018-01-18
(65)【公開番号】P2018153862
(43)【公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-01-13
(31)【優先権主張番号】15/461,561
(32)【優先日】2017-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】プラディーパン・クニイル
(72)【発明者】
【氏名】ブレア・ラーソン
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03562893(US,A)
【文献】特公昭46-004955(JP,B1)
【文献】実開昭61-167236(JP,U)
【文献】米国特許第03391449(US,A)
【文献】欧州特許第376822(EP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21J 15/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己整列するリベット締め工具(100)を使用して第1の部分(210)を第2の部分(220)に結合するためのリベット(230)を取り付ける方法(300)であって、前記方法(300)は、
前記リベット(230)のリベット頭部(232)上に前記自己整列するリベット締め工具(100)の整列スリーブ(130)を位置決めするステップ(360)であって、
前記リベット頭部(232)は、前記第1の部分(210)から突出しており、
前記整列スリーブ(130)は、前記リベット(230)に対して第1のダイ(110)の同心の向きを維持する、ステップ(360)と、
前記リベット(230)のシャンク端部(235)を前記自己整列するリベット締め工具(100)の第2のダイ(120)と接触させるステップ(370)であって、
前記第2のダイ(120)は、前記リベット(230)に対してダイホルダ(140)の同心の向きを維持する、ステップ(370)と、
前記リベット頭部(232)が前記第1のダイ(110)と接触し、前記ダイホルダ(140)が前記第2のダイ(120)の内側接触面(122)に接触するまで、前記第1のダイ(110)を前記ダイホルダ(140)に向けて前進させるステップ(380)と、
前記リベット(230)のリベット尾部(236)を前記シャンク端部(235)に形成するステップ(390)と
を含む、方法(300)。
【請求項2】
前記リベット(230)の前記シャンク端部(235)が前記第2のダイ(120)と接触している間に前記第1のダイ(110)が前記ダイホルダ(140)に向かって前進するように、前記自己整列するリベット締め工具(100)の前記整列スリーブ(130)を位置決めするステップ(360)の前に、前記リベット(230)の前記シャンク端部(235)を前記第2のダイ(120)と接触させる、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項3】
前記第1のダイ(110)を前記ダイホルダ(140)に向けて前進させるステップ(380)、及び前記リベット尾部(236)を形成するステップ(390)の間、前記整列スリーブ(130)が前記リベット(230)に対して前記第1のダイ(110)の同心の向きを維持する、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項4】
前記リベット(230)の前記シャンク端部(235)を前記第2のダイ(120)と接触させるステップ(370)、及び前記リベット尾部(236)を形成するステップ(390)の間、前記第2のダイ(120)が前記リベット(230)に対して前記ダイホルダ(140)の同心の向きを維持する、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項5】
前記リベット頭部(232)上に前記整列スリーブ(130)を位置決めするステップ(360)が、前記整列スリーブ(130)を前記第1の部分(210)に向けて前記第1のダイ(110)に対して付勢するステップ(362)を含む、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項6】
前記整列スリーブ(130)を前記リベット頭部(232)上に位置決めするステップ(360)の後、前記第1のダイ(110)を前記ダイホルダ(140)に向けて前進させるステップの前に、前記第1のダイ(110)を前記リベット頭部(232)から離して位置決めする、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項7】
前記シャンク端部(235)を前記第2のダイ(120)と接触させるステップ(370)が、前記第2のダイ(120)を前記シャンク端部(235)に向けて前記ダイホルダ(140)に対して付勢するステップ(372)を含む、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項8】
前記シャンク端部(235)を前記第2のダイ(120)と接触させるステップ(370)の後、前記第1のダイ(110)を前記ダイホルダ(140)に向けて前進させるステップ(380)の前に、前記ダイホルダ(140)を前記第2のダイ(120)の内側接触面(122)から離して位置決めする、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項9】
前記第1のダイ(110)を前記ダイホルダ(140)に向けて前進させるステップ(380)が、前記自己整列するリベット締め工具(100)の中心軸線(101)に沿って前記第1のダイ(110)を前記整列スリーブ(130)に対して摺動させるステップ(382)を含む、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項10】
前記第1のダイ(110)を前記ダイホルダ(140)に向けて前進させるステップ(380)が、前記自己整列するリベット締め工具(100)の中心軸線(101)に沿って前記ダイホルダ(140)を前記第2のダイ(120)に対して摺動させるステップ(384)を含む、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項11】
前記第1のダイ(110)を前記ダイホルダ(140)に向けて前進させるステップ(380)が、前記自己整列するリベット締め工具(100)の前記中心軸線(101)に沿って前記第1のダイ(110)を前記整列スリーブ(130)に対して摺動させるステップ(382)をさらに含み、前記第1のダイ(110)を前記整列スリーブ(130)に対して摺動させるステップ(382)は、前記ダイホルダ(140)を前記第2のダイ(120)に対して摺動させるステップ(384)と時間的に重なる、請求項10に記載の方法(300)。
【請求項12】
前記第1のダイ(110)を前記ダイホルダ(140)に向けて前進させるステップ(380)が、前記整列スリーブ(130)と前記第1の部分(210)との間の接触を維持するステップ(386)を含む、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項13】
前記リベット尾部(236)を形成するステップ(390)が、前記第2のダイ(120)を前記第2の部分(220)に向けて前進させるステップ(392)を含む、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項14】
前記第1の部分(210)と前記第2の部分(220)との合計厚さ(401)を測定するステップ(310)と、
前記合計厚さ(401)に少なくとも部分的に基づいて前記リベット(230)を選択するステップ(320)と
をさらに含む、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項15】
前記自己整列するリベット締め工具(100)の前記整列スリーブ(130)を前記リベット(230)の前記リベット頭部(232)上に位置決めするステップ(360)の後、前記第1のダイ(110)と前記リベット(230)は同軸である、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項16】
リベット(230)を取り付けるための自己整列するリベット締め工具(100)であって、
第1のダイ(110)と、
前記第1のダイ(110)に摺動可能に結合された整列スリーブ(130)と、
前記リベット(230)のシャンク端部(235)に前記リベット(230)のリベット尾部(236)を形成するように動作可能な第2のダイ(120)と、
前記第2のダイ(120)に摺動可能に結合されたダイホルダ(140)であって、
前記ダイホルダ(140)は前記第2のダイ(120)に少なくとも部分的に突出している、ダイホルダ(140)と
を備え
前記整列スリーブ(130)が、前記リベット(230)のリベット頭部(232)上に位置決めされ、前記リベット(230)に対して前記第1のダイ(110)の同心の向きを維持するように動作可能である、自己整列するリベット締め工具(100)。
【請求項17】
前記第1のダイ(110)が前記整列スリーブ(130)を通って少なくとも部分的に突出している、請求項16に記載の自己整列するリベット締め工具(100)。
【請求項18】
中心軸線(101)に沿って前記第1のダイ(110)に対して前記整列スリーブ(130)を付勢する第1の付勢装置(150)をさらに備える、請求項16に記載の自己整列するリベット締め工具(100)。
【請求項19】
中心軸線(101)に沿って前記第2のダイ(120)に対して前記ダイホルダ(140)を付勢する第2の付勢装置(152)をさらに備える、請求項16に記載の自己整列するリベット締め工具(100)。
【請求項20】
前記第2の付勢装置(152)が、前記第2のダイ(120)の内部に配置される、請求項19に記載の自己整列するリベット締め工具(100)。
【請求項21】
前記ダイホルダ(140)と前記第2のダイ(120)との間の摺動可能距離(402)が調整可能である、請求項16に記載の自己整列するリベット締め工具(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自己整列するリベット締め工具及びそのような自己整列するリベット締め工具を使用してリベットを取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リベットは、例えば、航空機スキンを航空機フレーム構成要素や、航空機の様々な内部構造などに取り付ける、様々な締結用途に使用され得る。リベットは広く使用されており、構造部品を一緒に締結する最も軽くて安価な方法の1つである傾向がある。しかしながら、リベットを挿入し、(リベット尾部を形成するために)それらのシャンク端部を座屈させる/据え込むことは、非常に労働集約的なプロセスであり、高度に熟練したオペレータを必要とする可能性がある。特に困難であり得るプロセスの1つの側面は、リベットに対してリベット締め工具の2つのダイを整列させることである。リベット締め動作中、一方のダイはリベット頭部を支持し、他方のダイはリベット尾部を形成する。リベット尾部が適切に形成されるように、ダイとリベットの両方を厳密に同軸にする必要がある。この整列の難しさは、リベット締めジョイントのコストを上昇させ、リベット締め材料の固有の低コストを相殺する傾向がある。リベット締めされるジョイントの品質は、ダイとリベットの整列に依存する。自己整列するリベット締め工具及びそのような自己整列するリベット締め工具を使用してリベットを取り付ける方法は、労働の重さを軽減し、一貫したダイとリベットの整列を確実にするために必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
自己整列するリベット締め工具と、リベットを取り付けるためのそのような工具を利用する方法が提供される。工具は、第1のダイに摺動可能に結合された整列スリーブを含む。さらに、工具は、第2のダイに摺動可能に結合されたダイホルダを含む。動作中、整列スリーブはリベット頭部上に位置決めされ、それにより、第1のダイがリベット頭部に接触する前であっても、第1のダイをリベットに対して軸線方向に整列させる。第2のダイは、リベットシャンク端部と接触し、それによって、第2のダイ及びダイホルダに対してリベットを軸線方向に整列させる。ダイホルダを第1のダイに向けて前進させると、最初に工具にリベットがクランプされ、続いてリベット尾部が形成される。リベットは、これらの動作のすべての間、両方のダイと同軸のままである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施形態では、自己整列するリベット締め工具を使用して第1の部分と第2の部分とを結合するためのリベットを取り付ける方法が提供され、この方法は、自己整列するリベット締め工具の整列スリーブをリベット頭部上に位置決めするステップを含む。リベット頭部は、第1の部分から、すなわちより具体的には、第1の部分の外面よりも上に突出している。整列スリーブは、自己整列するリベット締め工具の第1のダイに摺動可能に結合される。さらに、整列スリーブは、リベットに対する第1のダイの同心の向きを維持する。言い換えれば、整列スリーブは、自己整列するリベット締め工具の中心軸線に垂直な任意の方向において第1のダイがリベットに対して移動することを防止する。この同心の向きを、例えば、リベット尾部が形成されるまで、この方法のその後の動作を通して維持することができる。例えば、第1のダイとリベットは同軸であってもよい。
【0005】
この方法はまた、リベットのシャンク端部を自己整列するリベット締め工具の第2のダイと接触させるステップを含む。第2のダイは、自己整列するリベット締め工具のダイホルダに摺動可能に結合される。さらに、第2のダイは、リベットに対するダイホルダの同心の向きを維持する。言い換えれば、第2のダイは、自己整列するリベット締め工具の中心軸線に垂直な任意の方向においてリベットに対して移動しない。この同心の向きを、例えば、リベット尾部が形成されるまで、この方法のその後の動作を通して維持することができる。例えば、第2のダイとリベットは同軸であってもよい。シャンク端部を第2のダイと接触させるステップは、リベット頭部上に整列スリーブを位置決めするステップの前、後、又はその間に行われてもよい。
【0006】
シャンク端部が第2のダイと接触し、整列スリーブがリベット頭部上に位置決めされると、本方法は、第1のダイをダイホルダに向けて前進させるステップに進むことができる。この前進させるステップの動作を、リベット頭部が第1のダイと接触するまで、また、ダイホルダが第2のダイの内側接触面に接触するまで行うことができる。この段階で、外部から支持されている第1のダイとダイホルダとの間にリベットがクランプされる。第1のダイはリベットに直接接触し、第2のダイの一部はダイホルダとリベットとの間に位置決めされることに留意されたい。
【0007】
次に、この方法は、シャンク端部にリベットのリベット尾部を形成するステップに進む。形成するステップの動作はまた、第1のダイをダイホルダに向けて前進させ、第2のダイでシャンク端部を据え付けるステップを含むことができる。この動作の間、ダイホルダの第1のダイへの移動は、第2のダイの同じ方向への移動も引き起こすことに留意されたい。この前進の限界、例えばダイホルダに対する第1のダイの利用可能な移動は、自己整列するリベット締め工具によって設定されてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、整列スリーブを第1の頭部上に位置決めするステップは、リベット頭部の周縁部を整列スリーブと係合させるステップを含む。具体的には、整列スリーブは、リベット頭部上にしっかりと嵌合してもよく、リベット頭部の周縁部に接触してもよい。自己整列するリベット締め工具の整列スリーブをリベットのリベット頭部上に位置決めするステップの後、第1のダイとリベットは同軸であり得る。少なくとも、第1のダイとリベットは、互いに対して同心円状に動くことができない。
【0009】
さらに、整列スリーブをリベット頭部上に位置決めするステップは、整列スリーブを第1の部分に向けて第1のダイに対して付勢するステップを含む。この付勢するステップは、第1のダイをリベット頭部から離れる方向に付勢するステップを含むことができる。具体的には、整列スリーブを第1の頭部上に位置決めするステップの後、第1のダイをダイホルダに向けて前進させるステップの前に、第1のダイをリベット頭部から離して位置決めすることができる。
【0010】
第1のダイの少なくとも一部が第1の付勢装置を通って突出するように、第1のダイ上に配置された第1の付勢装置を使用して、整列スリーブを第1の部分に向けて第1のダイに対して付勢するステップを実行することができる。具体的には、第1の付勢装置はばねであってもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、シャンク端部を第2のダイと接触させるステップは、第2のダイをシャンク端部に向けてダイホルダに対して付勢するステップを含む。具体的には、第2のダイをシャンク端部に向けてダイホルダに対して付勢するステップを、第2のダイの内部に配置された第2の付勢装置を使用して実行することができる。いくつかの実施形態では、ダイホルダは、第2の付勢装置を通って少なくとも部分的に突出する。第2の付勢装置はばねであってもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、第2のダイをシャンク端部に向けてダイホルダに対して付勢するステップは、ダイホルダを第2のダイの内側接触面から離れる方向に付勢するステップを含む。具体的には、シャンク端部を第2のダイと接触させるステップの後、第1のダイをダイホルダに向けて前進させるステップの前に、ダイホルダを第2のダイの内側接触面から離して位置決めすることができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、シャンク端部を第2のダイと接触させるステップは、第2のダイの整列部分をシャンク端部の開口部に突出させるステップを含む。例えば、整列部分は、シャンク端部を第2のダイと接触させるステップの後に、整列部分と開口部とが同軸となるように、円錐形状や球形状等を有していてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1のダイをダイホルダに向けて前進させるステップは、自己整列するリベット締め工具の中心軸線に沿って第1のダイを整列スリーブに対して摺動させるステップを含む。さらに、第1のダイをダイホルダに向けて前進させるステップは、ダイホルダを中心軸線に沿って第2のダイに対して摺動させるステップを含む。整列スリーブに対して第1のダイを摺動させるステップは、ダイホルダを第2のダイに対して摺動させるステップと時間的に重なることがある。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1のダイをダイホルダに向けて前進させるステップは、整列スリーブと第1の部分との間の接触を維持するステップを含む。より具体的には、整列スリーブは、リベットのリベット頭部上に位置決めされたままである。したがって、整列スリーブ、第1のダイ、及びリベットは、同軸のままであり得る。さらに、第1のダイをダイホルダに向けて前進させるステップは、第2のダイとシャンク端部との間の接触を維持するステップを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、リベット尾部を形成するステップは、第2のダイを第2の部分に向けて前進させるステップを含む。この移動の結果として、シャンク端部が据え付けられ、リベット尾部が形成される。整列スリーブは、この動作の間、リベットのリベット頭部上に位置決めされたままである。したがって、リベットと第1のダイは同軸のままである。
【0017】
いくつかの実施形態では、方法は、第1の部分と第2の部分との合計厚さを測定するステップと、この合計厚さに少なくとも部分的に基づいてリベットを選択するステップとをさらに含む。方法は、合計厚さに少なくとも部分的に基づいて自己整列するリベット締め工具を選択するステップをさらに含むことができる。例えば、第1のダイ、ダイホルダ、及びダイホルダを越えて延伸する第2のダイの一部の長さを、合計厚さを考慮して考えることができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、合計厚さに基づいて自己整列するリベット締め工具を選択するステップは、合計厚さに少なくとも部分的に基づいて第2のダイ及びダイホルダを選択するステップを含む。例えば、合計厚さに基づいて自己整列するリベット締め工具を選択するステップは、合計厚さに基づいて、第2のダイとダイホルダとの間の摺動可能距離を調整するステップを含む。
【0019】
また、リベットを取り付けるための自己整列するリベット締め工具も提供される。自己整列するリベット締め工具は、第1のダイ、整列スリーブ、第2のダイ、及びダイホルダを備えることができる。整列スリーブは、第1のダイに摺動可能に結合される。第1のダイは、整列スリーブを通って少なくとも部分的に突出していてもよい。整列スリーブは、リベットのリベット頭部上に位置決めされ、リベットに対して第1のダイの同心の向きを維持するように動作可能であってもよい。第2のダイは、リベットのシャンク端部にあるリベットのリベット尾部を形成するように動作可能であってもよい。ダイホルダは、第2のダイに摺動可能に結合されてもよい。さらに、ダイホルダは、第2のダイに少なくとも部分的に突出していてもよい。ダイホルダと第2のダイとの間の摺動可能距離は調整可能であってもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、自己整列するリベット締め工具は、中心軸線に沿って第1のダイに対して整列スリーブを付勢することができる第1の付勢装置をさらに備える。自己整列するリベット締め工具はまた、中心軸線に沿って第2のダイに対してダイホルダを付勢することができる第2の付勢装置を備えていてもよい。第2の付勢装置は、第2のダイの内部に配置されてもよい。
【0021】
説明された形態及び機能を、様々な例において独立して達成することができ、又は、さらに別の例で組み合わせることが可能であり、そのさらなる詳細が以下の説明及び図面を参照して理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】いくつかの例に係る、プレスの一部であり得る自己整列するリベット締め工具の概略ブロック図である。
図2A】いくつかの例に係る、リベットに係合する自己整列するリベット締め工具の概略図である。
図2B】いくつかの例に係る、リベットに係合する図2Aの自己整列するリベット締め工具の整列スリーブの概略拡大図である。
図2C】いくつかの例に係る、リベットに係合する図2Aの自己整列するリベット締め工具の第2のダイの概略拡大図である。
図2D】リベットに係合する自己整列するリベット締め工具の別の例の概略図である。
図3】いくつかの例に係る、自己整列するリベット締め工具を使用してリベットを取り付ける方法に対応するプロセスフローチャートである。
図4A】いくつかの例に係る、図3の方法の一段階の概略図である。
図4B】いくつかの例に係る、図3の方法の別の段階の概略図である。
図4C】いくつかの例に係る、図3の方法のさらに別の段階の概略図である。
図4D】いくつかの例に係る、図3の方法のさらに別の段階の概略図である。
図4E】いくつかの例に係る、図3の方法のさらに別の段階の概略図である。
図5】いくつかの例に係る、航空機の製造及び保守点検における主要な動作を反映するプロセスフローチャートである。
図6】いくつかの例に係る、航空機の様々な主要構成要素を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明では、提示された概念の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が述べられる。提示された概念は、これらの特定の詳細の一部又は全部を用いずに実施され得る。他の例では、周知のプロセス動作は、説明された概念を不必要に不明瞭にしないように詳細には記載されていない。いくつかの概念は特定の例と関連して説明されるが、これらの例は限定を意図するものではないことが理解されよう。
【0024】
図1において、様々な要素及び/又は構成要素を接続する実線がある場合、機械的、電気的、流体的、光学的、電磁的結合及び他の結合並びに/又はそれらの組み合わせを表すことができる。本明細書中で使用される場合、「結合された」とは直接的にも間接的にも関連することを意味する。様々な開示された要素間のすべての関係が必ずしも表されているわけではないことが理解されよう。したがって、ブロック図に示されたもの以外の結合も存在し得る。同様に、点線で表された要素及び/又は構成要素がある場合、本開示の代替例を表す。本開示の範囲から逸脱することなく、実線及び/又は破線で示す1つ又は複数の要素を特定の例から省略することができる。環境要素がある場合は、点線で表される。明確にするために、仮想の(架空の)要素も表示することができる。当業者であれば、図1に示された形態のいくつかは、図1に記載された他の形態、他の図面、及び/又は添付の開示を含む必要なく様々な方法で組み合わせられ得ることを理解されよう。このような組み合わせは本明細書に明示的に示されていない。同様に、提示された例に限定されない追加の形態は、本明細書に示され記載された形態の一部又は全部と組み合わせられてもよい。
【0025】
他に指示がない限り、「第1の」、「第2の」などの用語は単にラベルとして使用され、これらの用語が参照する項目に順序、位置、又は階層の要件を課すことを意図しない。さらに、例えば「第2の」項目への言及は、例えば「第1の」若しくはより小さい番号の項目、及び/又は「第3の」若しくはより大きい番号の項目などの存在を必要としないか排除するものではない。
【0026】
本明細書において「一例」とは、例に関連して説明された1つ又は複数の形態、構造、又は特性が、少なくとも1つの実装に含まれることを意味する。本明細書の様々な箇所における「一例」という語句は、同じ例を参照してもしなくてもよい。
【0027】
本明細書で使用される場合、特定の機能を実行する「ように構成されている」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、さらなる変更の後に特定の機能を実行する可能性を単に有するのではなく、実際に変更なしに特定の機能を実行することができる。言い換えれば、特定の機能を実行する「ように構成されている」システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、特定の機能を実行する目的で具体的に選択され、作成され、実施され、利用され、プログラムされ、及び/又は設計される。本明細書で使用される場合、「ように構成されている」とは、システム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアがさらなる変更なしに特定の機能を実行することを可能にするシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアの既存の特性を表す。この開示の目的のために、特定の機能を実行する「ように構成されている」と記載されたシステム、装置、構造、物品、要素、構成要素、又はハードウェアは、追加的又は代替的に、その機能を実行する「ように適合されている」及び/又は「ように機能する」と記載され得る。
【0028】
本開示による主題の、特許請求されていてもいなくてもよい例示的で非網羅的な例が、以下に提供される。
【0029】
序文
上述したように、リベットを、様々な締結用途に使用することができる。リベットはリベットガンを使用して取り付けられることが多く、その一例が図1に概略的に示されている。リベットガン190は、自己整列するリベット締め工具100に結合された2つの圧縮部192及び194を含むことができる。圧縮部192及び194は、自己整列するリベット締め工具100の中心軸線101に沿って、ダイホルダ140及び第1のダイ110などの自己整列するリベット締め工具100の構成要素を駆動するように動作可能である。リベットガン190は、手動操作(例えば、レバーハンドル195を有する)されてもよく、又は駆動手段197、例えば空気圧、油圧、電気、又は機械的手段を用いて動作されてもよい。いくつかの例では、リベットガン190はプレスである。
【0030】
いくつかの実施形態では、リベットガン190は、例えば図4Eに概略的に示すように、2つの圧縮部192と194の間に設定最小ギャップ400を有する。設定最小ギャップは、圧縮部192と194が最も近いそれぞれの位置にあるときの圧縮部192と194との間の距離として規定される。言い換えれば、圧縮部192と194とを、設定最小ギャップ400より近づけることはできない。
【0031】
リベットガン190を使用して取り付けることができるリベット230の長さを決定するために、リベットガン190の設定最小ギャップ400を少なくとも部分的に使用することができる。別の要因は、以下でさらに説明するように、自己整列するリベット締め工具100の設計である。自己整列するリベット締め工具100又はその構成要素は、異なるリベット長さ(2つの圧縮部192と194との間の同じ設定最小ギャップ400に対して)を収容するために置き換えられ得ることに留意すべきである。例えば、リベット230の長さは、自己整列するリベット締め工具100の特定の設計又は構成を選択するための独立変数として使用されてもよい。具体的には、形成されたリベットの長さと、2つの圧縮部192と194との間の同じ設定最小ギャップとの間の差は、自己整列するリベット締め工具100の様々な構成要素によって占有される。これらの構成要素は、従来のリベット締め工具及びプロセスに存在する可能性があるシム及び試行錯誤のリベット締めを必要とせずに、高さ/ギャップの差に対応するように特に選択される。具体的には、従来のリベット締めプロセスでは、リベットガンとリベットとを、リベットダイの小さな突起とリベット頭部の窪みを用いて整列させることが含まれ、これには熟練したオペレータが必要である。ダイの突起がリベットの窪みと整列されていない場合、取り付けは不適合であり、再加工が必要である。
【0032】
自己整列するリベット締め工具100は、従来のリベット締め工具及びプロセスに関連する上述の問題に対処し、オペレータがリベット230に対して自己整列するリベット締め工具100を迅速にセンタリングすることを可能にする。具体的には、整列スリーブ130は、既存のリベット頭部上に位置決めされ、それによって、リベット230を第1のダイ110と整列させる。さらに、第2のダイ120は、リベット230と接触し、より具体的には、第2のダイ120の整列部分123は、シャンク端部235の端部開口部237内に少なくとも部分的に突出する。この形態は、リベット230と第2のダイ120との整列を確実にする。この段階で、リベット230は、第2のダイ120を引っ込め、及び/又はスリーブ130を整列させることによって、又は第2のダイ120及び整列スリーブ130に動作可能な付勢力に打ち勝つことによって、自己整列するリベット締め工具100に対して依然として再整列され得ることに留意されたい。これらの付勢力は、リベット230と第2のダイ120との間の接触を維持するだけでなく、リベット230と整列スリーブ130との接触を維持するのに十分であるが、リベット230はこれらの構成要素の間にしっかりとクランプされず、再整列が依然として可能である。このように、整列はオペレータからの実質的な努力の中で達成され、それによって時間を節約し、欠陥を低減し、品質を改善する。このプロセスは、リベットをクランプし、最終的にリベット尾部を形成することによって継続される。
【0033】
自己整列するリベット締め工具の例
図2Aは、いくつかの例に係る、自己整列するリベット締め工具100の概略図である。自己整列するリベット締め工具100は、第1のダイ110、整列スリーブ130、第2のダイ120、及びダイホルダ140を備える。いくつかの実施形態では、自己整列するリベット締め工具100は、第1の付勢装置150及び/又は第2の付勢装置152をさらに備える。次に、自己整列するリベット締め工具100のこれらの構成要素のそれぞれについて、より詳細に説明する。
【0034】
整列スリーブ130は、整列スリーブ130及び第1のダイ110が自己整列するリベット締め工具100の中心軸線101に沿って互いに対して摺動することができるように、第1のダイ110に摺動可能に結合される。この摺動可能な形態により、第1のダイ110がリベット頭部232と接触する前に整列スリーブ130をリベット頭部232上に位置決めし、第1のダイ110をリベット230に対して整列させることができる。第1のダイ110がリベット頭部232に向かって前進するにつれて、第1のダイ110とリベット230との間の整列が維持され、これにより、自己整列するリベット締め工具100の動作を実質的に単純化する。オペレータは、整列スリーブ130がリベット頭部232上に位置決めされた後に、第1のダイ110とリベット230との間の整列を維持することから解放される。具体的には、整列スリーブ130がリベット頭部232上に位置決めされたまま、整列スリーブ130は、任意の動作中にリベット230に対して第1のダイ110の同心の向きを維持する。
【0035】
いくつかの例(例えば、図2Aに示す)では、整列スリーブ130がリベット頭部232上に位置決めされると、整列スリーブ130は、第1のダイ110及びリベット230の同軸向きを確立する。具体的には、整列スリーブ130は、第1のダイ110に対して同軸であってもよい。整列スリーブ130がリベット頭部232に係合すると、整列スリーブ130はリベット230に対して同軸になることができる。
【0036】
図2A及び図2Bに示すように、整列スリーブ130は、整列スリーブ130の内部の少なくとも一部を画定するリベット係合面132を備える。リベット係合面132は、第1の部分210の上方、より具体的には、第1の部分210の外面213の上方に突出するリベット頭部232の一部に接触する。この開示の目的のために、外面213は、第2の部分220から離れて面する第1の部分210の表面として画定される。より具体的には、リベット係合面132は、例えば、図2Bに概略的に示されるように、リベット頭部232の周縁部231に係合する。ただし、他の形式の係合もまた、その範囲内である。リベット係合面132は、円筒形、円錐形、球形、又は他の適切な形状を有することができる。
【0037】
第1のダイ110は、例えば、図2Aに概略的に示すように、整列スリーブ130を通って少なくとも部分的に突出していてもよい。第1のダイ110の一部は、第1の圧縮部190などのリベットガンの別の構成要素と係合するように、整列スリーブ130の外側に延在することができる。自己整列するリベット締め工具100の動作中、第1の圧縮部190は、第1のダイ110に力を及ぼして、これを整列スリーブ130に対して移動させる。第1のダイ110は、第1の圧縮部190から分離されてもよい。例えば、異なる長さを有する第1のダイ110を、同じ第1の圧縮部190と共に使用することができる。異なる長さを有するリベット230を収容するために、例えば、異なる第1のダイ110を使用することができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、自己整列するリベット締め工具100は、中心軸線101に沿って第1のダイ110に対して整列スリーブ130を付勢することができる第1の付勢装置150をさらに備える。具体的には、第1の付勢装置150は、第1のダイ110をリベット230から離れる方向に付勢することができる。同様に、第1の付勢装置150は、整列スリーブ130を、第1のダイ110を支持する第1の圧縮部190から離れる方向に付勢することができる。
【0039】
第1の付勢装置150は、ばね、より具体的にはコイルばねであってもよい。他のタイプの付勢装置もまた、その範囲内である。いくつかの実施形態では、第1のダイ110の少なくとも一部が、第1の付勢装置150を通って突出している。第1の付勢装置150は、第1のダイ110の同心の突起112と整列スリーブ130の外側リム134との間に延在することができる。図2Aに示すように、整列スリーブ130の一部は、第1の付勢装置150内に突出することができる。
【0040】
第2のダイ120は、ダイホルダ140によって摺動可能に結合され、支持される。次いで、ダイホルダ140は、例えば、図2Aに示すように、第2の圧縮部195によって支持される。第2のダイ120はリベットガンのいかなる部分とも直接係合していない。
【0041】
第2のダイ120は、中心軸線101に沿ってダイホルダ140に対して摺動することができる。いくつかの実施形態では、ダイホルダ140は、第2のダイ120内に少なくとも部分的に突出している。ダイホルダ140が第2のダイ120の中を摺動するとき、ホルダ接触面142は、第2のダイ120の内側接触面122に接触することができ、これは圧縮摺動と呼ばれることがあるこの摺動運動の実用的なストップとして作用する。内側接触面122は、第2のダイ120の空隙部125内に延伸する内側軸線方向突起124の一部であってもよい。第2のダイ120の半径方向に突出したカラー127及びダイホルダ140の半径方向に突出したノッチ147によって、第2のダイ120に対するダイホルダ140の軸線方向移動のための別の実用的なストップが提供されてもよい。図2Aに示すように、カラー127とノッチ147との組み合わせは、ダイホルダ140が第2のダイ120から完全に滑り落ちることを防止する。
【0042】
内側接触面122は、中心軸線101に対して垂直であってもよい。同様に、ホルダ接触面142も、中心軸線101に対して垂直であってもよい。これらの垂直な形態は、例えば、図4D及び図4Eに示すように、内側接触面122がホルダ140のホルダ接触面142に接触するとき、第2のダイ120及びダイホルダ140の同心の整列を可能にする。ホルダ接触面142が内側接触面122に接触するとき、及びダイホルダ140が第1のダイ110に向かってさらに前進するとき、ダイホルダ140は第2のダイ120を同じ方向に同じ速度で移動させる。
【0043】
いくつかの実施形態では、ダイホルダ140と第2のダイ120との間の摺動可能距離402は、例えば図2Dに示すように調整可能である。具体的には、ダイホルダ140の長さが、(図2Dに示すように)調節可能であってもよく、すなわち第2のダイ120の内部空隙部の長さが調整可能であってもよい。図2Dに示すように、ダイホルダ140は、それぞれに対して螺合可能に結合され、内側接触面122とホルダ接触面142との間の内部ギャップ149を変更するように動作可能な2つの部分144及び146を有することができる。さらに、第2のダイ120及び/又はダイホルダ140を取り外して交換することによって、同様の調整を達成することができる。
【0044】
第2のダイ120は、図3及び図4Eを参照して以下にさらに説明するように、シャンク端部235でリベット230のリベット尾部236を形成するように動作可能であり得る。第2のダイ120は、シャンク端部235で開口部237内に突出する整列部分123を含むことができる。整列部分123とシャンク開口部237の組み合わせは、係合されると、例えば図2Cに概略的に示されるように、第2のダイ120をリベット230に対して同軸に整列させる。シャンク端部235は、リベット締めの間に据え付けられ、リベット尾部236内に形成されることに留意されたい。整列部分123は、少なくとも部分的に、リベット尾部236の形状を画定することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、自己整列するリベット締め工具100は、第2の付勢装置152を備える。第2の付勢装置152は、中心軸線101に沿って第2のダイ120に対してダイホルダ140を付勢することができる。第2の付勢装置152を、第2のダイ120の内部に配置することができる。
【0046】
第1の付勢装置150及び第2の付勢装置152を、それぞれ、リベット230に対して整列スリーブ130及び第2のダイ120を同心に整列させるために使用することができる。
【0047】
方法の例
図3は、いくつかの例に従って自己整列するリベット締め工具100を使用して第1の部分210と第2の部分220を結合するためのリベット230を取り付ける方法300に対応するプロセスフローチャートである。自己整列するリベット締め工具100の様々な形態は、上述されている。リベット230は、管状リベットやソリッドリベットのような様々な種類のものを使用することができる。管状リベットは、図2A及び図2Bに示すように、シャンク端部235に開口部237を有する。開口部237を使用して、シャンク端部を据え付ける(例えば、管状部分を外側に回転させる)ために必要な力の大きさを低減することができる。例えば、この力は、同様のサイズのソリッドリベットと比較して、管状リベットの場合、約10~30%であり得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、方法300は、任意の動作310中に第1の部分210と第2の部分220との合計厚さ401を測定するステップを含む。例えば、事前にリベットされていない新しいタイプの第1の部分210及び第2の部分220において、方法300を実行することができる。第1の部分210と第2の部分220との合計厚さ401が図4Aに概略的に示されている。合計厚さ401が測定されるか、又は第1の貫通開口部211(第1の部分210にある)及び第2の貫通開口部221(第2の部分220にある)の近くの厚さを表すべきであることに留意されたい。この動作の間、第1の貫通開口部211と第2の貫通開口部221は同軸に整列されてもよい。合計厚さ401は、第1の部分210を第2の部分220に対して固定するのに必要とされ得るリベット230の長さを駆動する。図4Aは、両方の部分210及び220に設けられた皿穴を示しているが、(例えば、1つの皿穴又は皿穴なしの)他の例もその範囲内である。
【0049】
方法300は、任意の動作320の間に(第2の部分220に対して第1の部分210を固定するための)リベット230を選択するステップに進むことができる。リベット230は、合計厚さ401に少なくとも部分的に基づいて選択されてもよい。
【0050】
方法300は、任意の動作330中に自己整列するリベット締め工具100を選択するステップをさらに含むことができる。自己整列するリベット締め工具100は、合計厚さ410及び/又はリベット230の長さに少なくとも部分的に基づいて選択されてもよい。具体的には、第1のダイ110と第2のダイ120との間のギャップは(第2のダイの内側接触面122がダイホルダ140と接触するとき、並びに圧縮部190及び195がそれらの最小設定ギャップにあるとき)、シャンク端部235の適切な据え付けとリベット尾部236の形成を達成するために、リベット230の長さに矯正されるべきである。完全な締め付け後のリベット230の長さであるリベット締め付けサイズは、いくつかのリベットについて、きつい許容範囲で制御され得る。例えば、動作330中に選択されたリベット230の長さが(合計厚さから導かれた)0.500インチである場合、いくつかの例では、締め付けサイズは0.450インチ~0.455インチになるはずである。
【0051】
いくつかの実施形態では、動作330(合計厚さ410に基づいて自己整列するリベット締め工具100を選択するステップ)は、任意の動作332の間に第2のダイ120及びダイホルダ140を選択するステップを含む。例えば、第2のダイ120及びダイホルダ140は、合計厚さ410に少なくとも部分的に基づいて選択されてもよい。いくつかの実施形態では、動作330は、合計厚さ401に基づいて、第2のダイ120とダイホルダ140との間の摺動可能距離402(図4Cに示される)を調整する。摺動可能距離402の調整は、設定最小ギャップ400を有し、この最小ギャップ400を達成するために移動する、同じリベットガン190を使用して異なる長さのリベットを収容するために使用されてもよい。
【0052】
方法300は、任意の動作340の間に自己整列するリベット締め工具100のダイギャップ420を検証するステップをさらに含むことができる。この動作中、第2のダイ120の内側接触面122はダイホルダ140のホルダ接触面142に接触し、圧縮部190及び195はそれらの最小設定ギャップ400にあることに留意されたい。
【0053】
方法300は、動作350中にリベット230を第1の貫通開口部211(第1の部分210にある)及び第2の貫通開口部221(第2の部分220にある)に挿入するステップをさらに含むことができる。動作350を完了した後の第1の部分210、第2の部分220、及びリベット230を含む組立体を図4Bに示す。
【0054】
方法300は、図4C並びに図2A及び図2Bに概略的に示すように、動作360中にリベット230のリベット頭部232上に自己整列するリベット締め工具100の整列スリーブ130を位置決めするステップを含むことができる。リベット頭部232は、第1の部分210から、すなわちより具体的には、第1の部分210の外面213よりも上に突出する。動作360が完了すると、整列スリーブ130は、リベット230に対して第1のダイ110の同心の向きを維持する。言い換えれば、整列スリーブ130により、自己整列するリベット締め工具100の中心軸線101に対して垂直な任意の方向に第1のダイ110がリベット230に対して移動することが防止される。
【0055】
さらに、動作360(リベット頭部232上に整列スリーブ130を位置決めするステップ)は、図3のブロック362で概略的に示されるように、第1の部分210に向けて第1のダイ110に対して整列スリーブ130を付勢するステップを含むことができる。付勢するステップの動作362は、図3のブロック363で概略的に示されるように、第1のダイ110をリベット頭部232から離れる方向に付勢するステップを含むことができる。具体的には、整列スリーブ130を第1の頭部232上に位置決めするステップの後、第1のダイ110をダイホルダ140に向けて前進させるステップの前に、第1のダイ110をリベット頭部232から離して位置決めする。第1のダイ110が第1の付勢装置150を通って突出するように、第1のダイ110上に配置された第1の付勢装置150を使用して、整列スリーブ130を第1の部分210に向けて第1のダイ110に対して付勢するステップを実行することができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、動作360(整列スリーブ130を第1の頭部232上に位置決めするステップ)は、図3のブロック364で概略的に示されるように、リベット頭部232の周縁部231を整列スリーブ130と係合させるステップを含む。整列スリーブ130は、リベット頭部232上にしっかりと嵌合することができ、リベット頭部232の周縁部231と整列スリーブ130とを接触させることができる。リベット230のリベット頭部232上に自己整列するリベット締め工具100の整列スリーブ130を位置決めするステップの後、第1のダイ110とリベット230は同軸である。
【0057】
方法300はまた、図3のブロック370で概略的に示されるように、リベット230のシャンク端部235を自己整列するリベット締め工具100の第2のダイ120に接触させるステップを含む。自己整列するリベット締め工具100(動作370の完了後)は、図4C並びに図2A及び図2Cに概略的に示されている。シャンク端部235は、第2の部分220から、すなわちより具体的には、第2の部分220の外面223の下方に突出している。第2のダイ120は、リベット230に対してダイホルダ140の同心の向きを維持する。動作360の前、後、又は実行中に、動作370を実行することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、動作370中にシャンク端部235を第2のダイ120に接触させるステップは、図3のブロック372で概略的に示されるように、第2のダイ120をシャンク端部235に向けてダイホルダ140に対して付勢するステップを含む。具体的には、第2のダイ120をシャンク端部235に向けてダイホルダ140に対して付勢するステップを、第2のダイ120の内部に配置された第2の付勢装置152を使用して実行することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、第2のダイ120をシャンク端部235に向けてダイホルダ140に対して付勢するステップは、図3のブロック373で概略的に示されるように、ダイホルダ140を第2のダイ120の内側接触面122から離れる方向に付勢するステップを含む。具体的には、シャンク端部235を第2のダイ120に接触させるステップの後、第1のダイ110をダイホルダ140に向けて前進させるステップの前に、ダイホルダ140を第2のダイ120の内側接触面122から離して位置決めすることができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、シャンク端部235を第2のダイ120に接触させるステップは、図3のブロック374で概略的に示されるように、第2のダイ120の整列部分123をシャンク端部235の開口部237に突出させるステップを含む。シャンク端部235内に突出する整列部分123の一例が図2Cに示されており、この図を参照して上述されている。
【0061】
方法300は、動作360及び370を完了した後(例えば、シャンク端部235が第2のダイ120に接触し、整列スリーブ130がリベット頭部232上に位置決めされると)、動作380中に第1のダイ110をダイホルダ140に向けて前進させるステップに進むことができる。例えば、図4Dに概略的に示されるように、リベット頭部232が第1のダイ110に接触するまで、また、ダイホルダ140が第2のダイ120の内側接触面122に接触するまで、動作380を行うことができる。この前進させる動作380の制御限界は、設定された力であってもよい。具体的には、この前進させる動作380に必要な力は、リベット尾部236が形成された後の動作の場合よりもずっと小さくてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、動作380中に第1のダイ110をダイホルダ140に向けて前進させるステップは、図3のブロック382で概略的に示されるように、自己整列するリベット締め工具100の中心軸線101に沿って第1のダイ110を整列スリーブ130に対して摺動させるステップを含む。さらに、第1のダイ110をダイホルダ140に向けて前進させるステップは、図3のブロック384で概略的に示されるように、中心軸線101に沿ってダイホルダ140を第2のダイ120に対して摺動させるステップを含む。整列スリーブ130に対して第1のダイ110を摺動させるステップは、第2のダイ120に対してダイホルダ140を摺動させるステップと時間的に重なることがある。
【0063】
いくつかの実施形態では、動作380中にダイホルダ140に向けて第1のダイ110を前進させるステップは、図3のブロック386で概略的に示されるように、整列スリーブ130と第1の部分210との間の接触を維持するステップを含む。より具体的には、整列スリーブ130は、リベット230のリベット頭部232上に位置決めされたままである。さらに、第1のダイ110をダイホルダ140に向けて前進させるステップは、図3のブロック388で概略的に示されるように、第2のダイ120とシャンク端部235との間の接触を維持するステップを含む。
【0064】
次いで、方法300は、動作390中にリベット230のリベット尾部236をシャンク端部235に形成するステップに進むことができる。いくつかの実施形態では、リベット尾部236を形成するステップは、図3のブロック392で概略的に示されるように、第2のダイ120を第2の部分220に向けて前進させるステップを含む。この前進の限界、例えばダイホルダ140に対する第1のダイ110の利用可能な移動は、自己整列するリベット締め工具100によって設定されてもよい。整列スリーブ130は、この動作中にリベット230のリベット頭部232上に位置決めされたままであってもよい。したがって、リベット230及び第1のダイ110は同軸のままである。具体的には、リベット尾部236の形成中のリベット230の圧縮により、シャンク端部235は、例えば、図4Eに概略的に示すように、第2の部分220の表面223と接触/干渉するように同軸に拡張する結果となる。この時点で、リベット230はリベット尾部236を受ける。第1の部分210及び第2の部分220は、リベット頭部232とリベット尾部236との間で圧縮される。
【0065】
リベット尾部236を形成するステップの後、第1の圧縮部192及び第2の圧縮部194は、整列スリーブ130がリベット頭部232から取り外され、第2のダイ120がリベット尾部236から分離される地点に分離されてもよい。方法300の動作は、別のリベットで繰り返されてもよい。
【0066】
航空機の例
上記で言及した図5及び図6において、ブロックは、動作及び/又はその一部を表してもよく、様々なブロックを接続する線は、動作又はその一部の特定の順序又は依存関係を意味するものではない。破線で表されたブロックは、代替動作及び/又はその一部を表す。様々なブロックを接続する破線がある場合、それは、動作又はその一部の代替の依存関係を表す。様々な開示された動作間のすべての依存関係が必然的に表されるわけではないことが理解されよう。図5及び図6並びに本明細書に記載の方法の動作を説明する付随する開示は、動作が実行されるシーケンスを必ず決定するものと解釈されるべきではない。むしろ、1つの例示的な順序が示されているが、動作のシーケンスは、適切なときに変更されてもよいことが理解されるべきである。したがって、特定の動作は、異なる順序で、又は同時に実行されてもよい。さらに、当業者であれば、説明されたすべての動作が実行される必要はないことを理解されよう。
【0067】
図5に示される航空機の製造及び保守点検方法1100並びに図6に示される航空機1102は、本明細書に提示されるプロセス及びシステムの様々な形態をより良く説明するために、ここで説明される。試作中に、航空機の製造及び保守点検方法1100は、航空機1130の仕様及び設計1102や材料調達1104を含むことができる。生産段階には、航空機1130の構成要素及び部分組立品の製造11011及びシステム統合1108が含まれる。その後、航空機1130は、認証及び搬送1110を経由して、就航中1112になることができる。顧客の就航中、航空機1130は、(修正、再構成、改修などを含み得る)日常の整備及び保守点検1114のためにスケジュールされている。本明細書で説明する例は、一般に商用航空機の保守点検に関するものであるが、それらを航空機の製造及び保守点検方法1100の他の段階で実施することができる。例えば、自己整列するリベット締め工具(本明細書に記載)を使用してリベットを取り付ける方法を、航空機製造の様々な段階で実施することができる。
【0068】
航空機の製造及び保守点検方法1100の各プロセスを、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば、顧客)によって実行することができる。この説明の目的のために、システムインテグレータは、非限定的に、任意の数の航空機製造業者及び主要システムの下請業者を含んでもよく;第三者は、例えば、非限定的に、任意の数のベンダ、下請業者、及びサプライヤを含んでもよく;オペレータは、航空会社、リース会社、軍部、サービス組織等であってもよい。
【0069】
図6に示すように、航空機の製造及び保守点検方法1100によって生産される航空機1102は、機体1132、内部11311、及び複数のシステム1134を含むことができる。システム1134の例は、推進システム1138、電気システム1140、油圧システム1142、及び環境システム1144の1つ又は複数を含む。この例には、任意の数の他のシステムを含めることができる。航空機の例が示されているが、本開示の原理は、自動車産業などの他の産業に適用されてもよい。
【0070】
自己整列するリベット締め工具及び本明細書で実現されたそのような工具を使用してリベットを取り付けるための方法は、航空機の製造及び保守点検方法1100のいずれか1つ又は複数の段階中に、すなわちより具体的には、動作1108,1110,1116及び1118中に使用され得る。例えば、構成要素及び部分組立品の製造1106に対応する構成要素又は部分組立品は、航空機1130が就航中に生産された構成要素又は部分組立品と同様の方法で製造されてもよい。
【0071】
また、構成要素及び部分組立品の製造1106及びシステム統合1108の間に、例えば、非限定的に、航空機1130の組み立てを実質的に迅速化し、又はコストを削減することによって、1つ又は複数の自己整列するリベット締め工具の例、方法の例、又はそれらの組み合わせを利用することができる。同様に、航空機1130の就航中に、1つ又は複数の自己整列するリベット締め工具の例、方法の例、又はそれらの組み合わせを利用することができ、例えば、非限定的に、整備及び保守点検1114をシステム統合1108及び/又は整備及び保守点検1114中に使用して、部品が互いに接続及び/又は嵌合され得るかどうかを決定することができる。
【0072】
本発明は、特許請求の範囲と混同されるべきではない以下の条項でも言及される。
【0073】
A1.自己整列するリベット締め工具を使用して第1の部分を第2の部分に結合するためのリベットを取り付ける方法であって、本方法は、
リベットのリベット頭部上に自己整列するリベット締め工具の整列スリーブを位置決めするステップであって、
リベット頭部は、第1の部分から突出しており、
整列スリーブは、リベットに対して第1のダイの同心の向きを維持する、ステップと、
リベットのシャンク端部を自己整列するリベット締め工具の第2のダイと接触させるステップであって、
第2のダイは、リベットに対してダイホルダの同心の向きを維持する、ステップと、
リベット頭部が第1のダイと接触し、ダイホルダが第2のダイの内側接触面に接触するまで、第1のダイをダイホルダに向けて前進させるステップと、
リベットのリベット尾部をシャンク端部に形成するステップと
を含む。
【0074】
A2.リベットのシャンク端部が第2のダイと接触している間に第1のダイがダイホルダに向かって前進するように、自己整列するリベット締め工具の整列スリーブを位置決めするステップの前に、リベットのシャンク端部を第2のダイと接触させる、段落A1に記載の方法。
【0075】
A3.整列スリーブが自己整列するリベット締め工具の第1のダイに摺動可能に結合されている、段落A1に記載の方法。
【0076】
A4.第1のダイをダイホルダに向けて前進させるステップ、及びリベット尾部を形成するステップの間、整列スリーブがリベットに対して第1のダイの同心の向きを維持する、段落A1に記載の方法。
【0077】
A5.第2のダイが自己整列するリベット締め工具のダイホルダに摺動可能に結合されている、段落A1に記載の方法。
【0078】
A6.リベットのシャンク端部を第2のダイと接触させるステップ、及びリベット尾部を形成するステップの間、第2のダイがリベットに対してダイホルダの同心の向きを維持する、段落A1に記載の方法。
【0079】
A7.リベット頭部上に整列スリーブを位置決めするステップが、リベット頭部の周縁部を整列スリーブと係合させるステップを含む、段落A1に記載の方法。
【0080】
A8.リベット頭部上に整列スリーブを位置決めするステップが、整列スリーブを第1の部分に向けて第1のダイに対して付勢するステップを含む、段落A1に記載の方法。
【0081】
A9.第1のダイが第1の付勢装置を通って突出するように、第1のダイ上に配置された第1の付勢装置を使用して、整列スリーブを第1の部分に向けて第1のダイに対して付勢するステップが実行される、段落A8に記載の方法。
【0082】
A10.第1の付勢装置がばねである、段落A9に記載の方法。
【0083】
A11.整列スリーブを第1の部分に向けて第1のダイに対して付勢するステップが、第1のダイをリベット頭部から離れる方向に付勢するステップをさらに含む、段落A8に記載の方法。
【0084】
A12.整列スリーブをリベット頭部上に位置決めするステップの後、第1のダイをダイホルダに向けて前進させるステップの前に、第1のダイをリベット頭部から離して位置決めする、段落A1に記載の方法。
【0085】
A13.シャンク端部を第2のダイと接触させるステップが、第2のダイをシャンク端部に向けてダイホルダに対して付勢するステップを含む、段落A1に記載の方法。
【0086】
A14.第2のダイをシャンク端部に向けてダイホルダに対して付勢するステップが、第2のダイの内部に配置された第2の付勢装置を使用して実行される、段落A13に記載の方法。
【0087】
A15.ダイホルダが、第2の付勢装置を通って少なくとも部分的に突出している、段落A14に記載の方法。
【0088】
A16.第2の付勢装置がばねである、段落A14に記載の方法。
【0089】
A17.第2のダイをシャンク端部に向けてダイホルダに対して付勢するステップが、ダイホルダを第2のダイの内側接触面から離れる方向に付勢するステップを含む、段落A13に記載の方法。
【0090】
A18.シャンク端部を第2のダイと接触させるステップの後、第1のダイをダイホルダに向けて前進させるステップの前に、ダイホルダを第2のダイの内側接触面から離して位置決めする、段落A1に記載の方法。
【0091】
A19.シャンク端部を第2のダイと接触させるステップが、第2のダイの整列部分をシャンク端部の開口部内に突出させるステップを含む、段落A1に記載の方法。
【0092】
A20.第1のダイをダイホルダに向けて前進させるステップが、自己整列するリベット締め工具の中心軸線に沿って第1のダイを整列スリーブに対して摺動させるステップを含む、段落A1に記載の方法。
【0093】
A21.第1のダイをダイホルダに向けて前進させるステップが、自己整列するリベット締め工具の中心軸線に沿ってダイホルダを第2のダイに対して摺動させるステップを含む、段落A1に記載の方法。
【0094】
A22.第1のダイをダイホルダに向けて前進させるステップが、自己整列するリベット締め工具の中心軸線に沿って第1のダイを整列スリーブに対して摺動させるステップをさらに含み、第1のダイを整列スリーブに対して摺動させるステップは、ダイホルダを第2のダイに対して摺動させるステップと時間的に重なる、段落A21に記載の方法。
【0095】
A23.第1のダイをダイホルダに向けて前進させるステップが、整列スリーブと第1の部分との間の接触を維持するステップを含む、段落A1に記載の方法。
【0096】
A24.リベット尾部を形成するステップが、第2のダイを第2の部分に向けて前進させるステップを含む、段落A1に記載の方法。
【0097】
A25.第1の部分と第2の部分との合計厚さを測定するステップと、
合計厚さに少なくとも部分的に基づいてリベットを選択するステップと
をさらに含む、段落A1に記載の方法。
【0098】
A26.合計厚さに少なくとも部分的に基づいて自己整列するリベット締め工具を選択するステップをさらに含む、段落A25に記載の方法。
【0099】
A27.合計厚さに基づいて自己整列するリベット締め工具を選択するステップが、合計厚さに基づいて第2のダイ及びダイホルダを選択するステップを含む、段落A26に記載の方法。
【0100】
A28.合計厚さに基づいて自己整列するリベット締め工具を選択するステップが、合計厚さに基づいて第2のダイとダイホルダとの間の摺動可能距離を調整するステップを含む、段落A26に記載の方法。
【0101】
A29.自己整列するリベット締め工具の整列スリーブをリベットのリベット頭部上に位置決めするステップの後、第1のダイとリベットは同軸である、段落A1に記載の方法。
【0102】
本発明のさらなる態様によれば、以下が提供される。
【0103】
B1.リベットを取り付けるための自己整列するリベット締め工具であって、自己整列するリベット締め工具は、
第1のダイと、
第1のダイに摺動可能に結合された整列スリーブと、
リベットのシャンク端部にリベットのリベット尾部を形成するように動作可能な第2のダイと、
第2のダイに摺動可能に結合されたダイホルダであって、
ダイホルダは第2のダイに少なくとも部分的に突出している、ダイホルダと
を備える。
【0104】
B2.第1のダイが整列スリーブを通って少なくとも部分的に突出している、段落B1に記載の自己整列するリベット締め工具。
【0105】
B3.整列スリーブが、リベットのリベット頭部上に位置決めされ、リベットに対して第1のダイの同心の向きを維持するように動作可能である、段落B1に記載の自己整列するリベット締め工具。
【0106】
B4.中心軸線に沿って第1のダイに対して整列スリーブを付勢する第1の付勢装置をさらに備える、段落B1に記載の自己整列するリベット締め工具。
【0107】
B5.中心軸線に沿って第2のダイに対してダイホルダを付勢する第2の付勢装置をさらに備える、段落B1に記載の自己整列するリベット締め工具。
【0108】
B6.第2の付勢装置が第2のダイの内部に配置されている、段落B5に記載の自己整列するリベット締め工具。
【0109】
B7.ダイホルダと第2のダイとの間の摺動可能距離が調整可能である、段落B1に記載の自己整列するリベット締め工具。
【0110】
結論
前述の概念は、理解を明確にするために詳細に記載されているが、上記の開示を読めば、添付の特許請求の範囲内で特定の変更及び修正を実施できることは明らかとされよう。プロセス、システム、及び自己整列するリベット締め工具を実装する多くの代替方法があることに留意すべきである。したがって、本発明の例は例示的なものであり、限定的ではないと考えられるべきである。
【0111】
上記の説明では、開示された概念の完全な理解を提供するために多くの特定の詳細が示されており、それをこれらの詳細の一部又は全部を用いずに実施することができる。他の例では、公知の装置及び/又はプロセスの詳細は、開示を不必要に不明瞭にすることを避けるために省略されている。一部の概念は特定の例と関連して説明されるが、これらの例は限定を意図するものではないことが理解されよう。
【符号の説明】
【0112】
100 自己整列するリベット締め工具
101 中心軸線
110 第1のダイ
112 突起
120 第2のダイ
122 内側接触面
123 整列部分
124 突起
125 空隙部
127 カラー
130 整列スリーブ
132 リベット係合面
134 外側リム
140 ダイホルダ
142 ホルダ接触面
144 部分
146 部分
147 ノッチ
149 内部ギャップ
150 第1の付勢装置
152 第2の付勢装置
190 圧縮部,リベットガン
192 圧縮部
194 圧縮部
195 圧縮部,レバーハンドル
197 駆動手段
210 第1の部分
211 第1の貫通開口部
213 外面
220 第2の部分
221 第2の貫通開口部
223 外面
230 リベット
231 周縁部
232 リベット頭部、第1の頭部
235 シャンク端部
236 リベット尾部
237 開口部
400 最小ギャップ
401 合計厚さ
402 摺動可能距離
420 ダイギャップ
1100 製造及び保守点検方法
1102 仕様及び設計
1104 材料調達
1106 構成要素及び部分組立品の製造
1108 システム統合
1110 認証及び搬送
1112 就航中
1114 整備及び保守点検
1130 航空機
1132 機体
1134 システム
1138 推進システム
1140 電気システム
1142 油圧システム
1144 環境システム
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6