(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220621BHJP
【FI】
A63F7/02 334
A63F7/02 326Z
(21)【出願番号】P 2018057593
(22)【出願日】2018-03-26
【審査請求日】2021-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
【審査官】森田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-225783(JP,A)
【文献】特開2009-247387(JP,A)
【文献】特開2016-042915(JP,A)
【文献】特開2009-261663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行う遊技機において、
特定事象を検出する特定検出手段と、
遊技を進行させる制御を行うメイン処理を実行するメイン処理実行手段と、
タイマ割込を所定時間毎に発生させるための設定を行うタイマ割込設定手段と、
前記タイマ割込が発生したことにもとづいて、前記メイン処理の実行を中断してタイマ割込処理を実行するタイマ割込処理実行手段と、を備え、
前記タイマ割込処理実行手段は、前記特定検出手段の検出結果にもとづいて判定データを作成する作成処理を実行する作成処理実行手段を含み、
前記メイン処理実行手段は、
前記判定データを参照して前記特定事象が発生したかを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記特定事象が発生したと判定されたときに遊技を進行させる遊技進行手段と、
遊技機に異常が発生したときに前記判定手段による判定が行われないエラー状態に移行させるエラー状態移行手段と、
エラー解除操作が行われたか否かを判定するエラー解除操作判定手段と、
前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作
が行われたことが判定されたことにもとづいて前記エラー状態を終了させるエラー状態終了手段と、を含み、
前記判定手段は、
前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われた
ことが判定された後、前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後であって、前記エラー状態であることを報知するための制御を終了させた後に、前記特定事象が発生したかを判定
し、
前記エラー解除操作を検出する解除操作検出手段をさらに備え、
前記タイマ割込処理実行手段は、前記解除操作検出手段の検出結果にもとづいて第2判定データを作成する第2作成処理を実行する第2作成処理実行手段をさらに含み、
前記メイン処理実行手段は、前記エラー解除操作判定手段を含み、
前記エラー解除操作判定手段は、
前記第2判定データを参照して前記エラー解除操作が行われたかを判定し、
前記エラー解除操作が行われていないと判定したときに、前記第2作成処理実行手段により前記第2作成処理が少なくとも1回実行された後に、再度前記エラー解除操作が行われたかを判定する、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域
に設けられている入賞口などの始動入賞領域に遊技媒体が入賞したときに複数種類の識別
情報の可変表示が行われるパチンコ遊技機や、所定の賭数を設定し、スタート操作が行わ
れたときに、複数種類の識別情報(例えば、図柄)の可変表示が行われるスロットマシン
などがある。このように識別情報の可変表示を実行可能に構成された遊技機では、可変表
示部において識別情報の可変表示の表示結果が所定の表示結果となった場合に、所定の遊
技価値(例えば、大当たり状態への移行など)を遊技者に与えるように構成されたものが
ある。
【0003】
このような遊技機として、特定状態に相当するエラー状態が終了したときに、一定間隔
毎の割込処理の実行を待つことなくエラー状態前の状態(すなわち、特別状態)に復帰す
る遊技機が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特定状態においてノイズの発生や不正な信号の一斉入力など要因に起因して
複数のセンサが一斉に検出状態になることがある。そして、遊技機によっては特定状態に
おいて複数のセンサが一斉に検出状態になると特定状態の終了条件が成立するものがある
。そして、複数のセンサが検出状態になったときに、特定状態終了後に移行する特別状態
で発生する特別事象も発生も検出状態となってしまうことがある。この場合には、特定状
態では発生しないはずの特別事象が特定状態で検出されてしまい、特別事象の検出に伴う
特別処理が特定状態から特別状態に移行したときに実行されてしまうことがある。このよ
うに、従来の遊技機は、特定状態が終了する前に変化した特別事象の検出状態によって特
別状態への復帰後に意図しない制御が行われてしまう不都合が生じるおそれがある。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、意図しない制御が行われ
ることを防止できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、
遊技を行う遊技機(例えば、遊技機1)において、
特定事象を検出する特定検出手段と、
遊技を進行させる制御を行うメイン処理を実行するメイン処理実行手段と、
タイマ割込を所定時間毎に発生させるための設定を行うタイマ割込設定手段と、
前記タイマ割込が発生したことにもとづいて、前記メイン処理の実行を中断してタイマ割込処理を実行するタイマ割込処理実行手段と、を備え、
前記タイマ割込処理実行手段は、前記特定検出手段の検出結果にもとづいて判定データを作成する作成処理を実行する作成処理実行手段(例えば、
図3のSb6、Sb7の処理を行う部分)を含み、
前記メイン処理実行手段は、
前記判定データを参照して前記特定事象が発生したかを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記特定事象が発生したと判定されたときに遊技を進行させる遊技進行手段と、
遊技機に異常が発生したときに前記判定手段による判定が行われないエラー状態に移行させるエラー状態移行手段と、
エラー解除操作が行われたか否かを判定するエラー解除操作判定手段と、
前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作
が行われたことが判定されたことにもとづいて前記エラー状態を終了させるエラー状態終了手段と、を含み、
前記判定手段は、
前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われた
ことが判定された後、前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後であって、前記エラー状態であることを報知するための制御を終了させた後に、前記特定事象が発生したかを判定
し(例えば、
図10のSe22の処理を行う部分、
図12、
図14に示す部分)
、
前記エラー解除操作を検出する解除操作検出手段をさらに備え、
前記タイマ割込処理実行手段は、前記解除操作検出手段の検出結果にもとづいて第2判定データを作成する第2作成処理を実行する第2作成処理実行手段をさらに含み、
前記メイン処理実行手段は、前記エラー解除操作判定手段を含み、
前記エラー解除操作判定手段は、
前記第2判定データを参照して前記エラー解除操作が行われたかを判定し、
前記エラー解除操作が行われていないと判定したときに、前記第2作成処理実行手段により前記第2作成処理が少なくとも1回実行された後に、再度前記エラー解除操作が行われたかを判定する。
この構成によれば、意図しない制御が行われることを防止できる。
すなわち、ノイズの発生や不正な信号の一斉入力など要因に起因してエラー状態が終了した場合に、エラー状態が終了する前に検出された特定事象の発生がそのまま復帰後の処理に反映されることを防止できる。
【0008】
特定状態において作成処理の実行を待つための待機処理を実行する待機処理実行手段(
例えば、
図9のSe22の処理を行う部分)を備えた。
この構成によれば、好適な処理により作成処理が実行されることを担保できる。
【0009】
終了条件が成立した後に該特定状態が終了することを報知するための報知処理を実行す
る報知処理実行手段(例えば、
図10のSe18の処理を行う部分)と、
該特定状態において前記報知処理が実行された後に作成処理の実行を待つための待機処
理を実行する待機処理実行手段(例えば、
図10のSe22の処理を行う部分)とを備え
た。
この構成によれば、特定状態が終了することを報知するための報知処理が実行されるこ
とを担保できる。
【0010】
少なくとも特定状態では発生し得ない所定事象の発生を検出する所定事象検出手段(例
えば、
図10のSe11~Se13の処理を行う部分)を備え、
特定状態終了手段は、前記所定事象検出手段により前記所定事象の発生が検出されてい
ないことを条件として前記特定状態を終了させる(例えば、
図10のSe14の処理を行
う部分)。
この構成によれば、異常な状況で特定状態が終了することを防止できる。
特に、複数のセンサの一斉検出(ノイズの発生や不正な信号の一斉入力、センサの電源
系統の短絡など)が発生して特定状態に移行した場合に、複数のセンサの検出状態が残っ
た状態で特定状態が終了してしまうことを防止できる。
【0011】
特定状態を終了させる特定操作は、第1特定操作(例えば、リセットスイッチ23の操
作)と第2特定操作(例えば、リセット/設定スイッチ38の操作)とを含み、
特定状態終了手段は、前記第1特定操作と前記第2特定操作のいずれか一方の操作が行
われたときに特定状態を終了させるとともに、前記第1特定操作と前記第2特定操作の両
方の操作が同時に行われているときでも前記特定状態を終了させる(
図10のSe16、
Se17の処理を行う部分)。
この構成によれば、特定状態を好適に終了させることができる。また、特定操作の利便
性を高めることができる。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、
遊技を行う遊技機(例えば、遊技機1)において、
特定状態(例えば、エラー状態)に移行させる特定状態移行手段(例えば、
図7のSd
11の処理を行う部分)と、
前記特定状態において特定操作(例えば、リセットスイッチ23またはリセット/設定
スイッチ38の操作)が行われたときに前記特定状態を終了させる特定状態終了手段(図
10のSe16、Se17の処理を行う部分)と、
前記特定操作が行われたか否かを判定するための判定データを参照することにより、前
記特定操作が行われたか否かを判定する判定手段(例えば、
図10のSe15~Se17
の処理を行う部分)と、
前記判定データを作成する作成処理を定期的に実行する作成処理実行手段(例えば、図
3のSb6、Sb7の処理を行う部分)とを備え、
前記判定手段は、前記特定状態に移行した後に少なくとも前記作成処理が1回実行され
た後に前記特定操作が行われたか否かを判定する(例えば、
図9のSe10の処理を行う
部分、
図11、
図13に示す部分)。
この構成によれば、意図せずに特定状態が終了することを防止できる。
すなわち、ノイズの発生や不正な信号の一斉入力など要因に起因して特定状態に移行し
た場合に、特定状態に移行する前に変化した特定操作の操作状態によってそのまま即座に
特定状態が終了してしまうような状況が生じることを防止できる。
【0013】
特定状態において作成処理の実行を待つための待機処理を実行する待機処理実行手段(
例えば、
図9のSe10の処理を行う部分)を備えた。
この構成によれば、好適な処理により作成処理が実行されることを担保できる。
【0014】
特定状態に移行した後に該特定状態に移行したことを報知するための報知処理を実行す
る報知処理実行手段(例えば、
図9のSe4~Se8の処理の処理を行う部分)と、
該特定状態において前記報知処理が実行された後に作成処理の実行を待つための待機処
理を実行する待機処理実行手段(例えば、
図9のSe10の処理を行う部分)とを備えた
。
この構成によれば、特定状態に移行したことを報知するための報知処理が実行されるこ
とを担保できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】遊技機が実行するタイマ割込処理のフローチャートである。
【
図3】遊技機が実行するポート入力処理のフローチャートである。
【
図4】ポート入力処理によりポート入力データが更新される流れについて説明するためのタイミングチャートである。
【
図5】ポート入力処理によりポート入力データが更新される流れについて説明するためのタイミングチャートである。
【
図6】遊技機が実行するメイン処理のフローチャートである。
【
図7】遊技機がメイン処理内で実行する遊技開始待ち処理のフローチャートである。
【
図8】遊技機がメイン処理内で実行する遊技開始待ち処理のフローチャートである。
【
図9】遊技機が遊技開始待ち処理内で実行するエラー処理のフローチャートである。
【
図10】遊技機が遊技開始待ち処理内で実行するエラー処理のフローチャートである。
【
図11】センサ電源が短絡されてエラー状態に移行したときにポート入力処理によりポート入力データが更新される流れについて説明するためのタイミングチャートである。
【
図12】電源が短絡されてエラー状態が終了したときにポート入力処理によりポート入力データが更新される流れについて説明するためのタイミングチャートである。
【
図13】リセットスイッチが操作されたか否かを判定するタイミングについて具体例である。
【
図14】遊技進行操作スイッチが操作されたか否かを判定するタイミングについて具体例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[遊技機の構成]
図1は、本実施の形態に係る遊技機1を示す図である。
図1に示すように、本実施の形
態に係る遊技機1は、画像を表示する液晶表示器51と、楽曲や演出音などの音声を出力
するスピーカ53,54とを備える。
【0017】
また、遊技機1には、筐体の前面扉に対して所定のキー操作を行うことによりエラー状
態を解除するリセットスイッチ23が設けられている。さらに、遊技機1の筐体の内部に
は、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機
能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更す
るための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38が設けられている。エ
ラー状態に移行したときには、リセットスイッチ23とリセット/設定スイッチ38との
いずれかを操作(特定操作)することによりエラー状態を解除することができ、さらに、
リセットスイッチ23とリセット/設定スイッチ38との両方を操作してもエラー状態を
解除することができる。エラー状態が解除されると、遊技の進行に基づく処理が行われる
通常状態に移行する。
【0018】
なお、前面扉は、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、
リセット/設定スイッチ38は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技
者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作によりエラー状態を解
除するリセットスイッチ23も同様である。
【0019】
遊技機1において、遊技の進行に応じた処理が行われる通常状態からエラー状態に移行
する要因として、静電気などによるノイズの影響や不正な信号の一斉入力、センサの電源
短絡などがある。遊技機1では、センサやスイッチの電源は1つの電源から供給されてい
る。このため、故意にいずれかのセンサやスイッチの電源を短絡させて当該センサやスイ
ッチの検出状態を変化させることにより利益を得ようとする不正行為が行われると、全て
のセンサやスイッチの電源が短絡して全てのセンサやスイッチの検出状態が変化してしま
うことがある。この場合には、エラーの発生を検出するセンサの検出状態が変化するとエ
ラー状態に移行してしまう。また、ノイズの影響や不正な信号の一斉入力によりセンサや
スイッチの検出状態が変化した場合においても同様にエラー状態に移行してしまう。
【0020】
また、遊技機1は、遊技の進行に係る操作を行う遊技進行スイッチ100を備えている
。遊技進行スイッチ100の操作が検出(すなわち、特別事象の発生の検出)されると特
別処理が実行される。遊技進行スイッチ100は、例えば、賭数を設定するBETスイッ
チ、可変表示部の変動表示を開始させるスタートスイッチ、可変表示部の変動表示を停止
させるストップスイッチ、遊技球を発射させる遊技用ハンドル、演出に用いる演出用スイ
ッチである。BETスイッチの操作が検出されると特別処理として賭数を設定する処理が
実行される。スタートスイッチの操作が検出されると特別処理としてリールが回転開始さ
せる処理が実行される。ストップスイッチの操作が検出されると特別処理としてリールを
停止させる処理が実行される。遊技用ハンドルの操作が検出されると特別処理として遊技
球の発射処理が実行される。演出用スイッチの操作が検出されると特別処理として演出の
態様を変化させる処理が実行される。
【0021】
遊技機1は、遊技の進行に関する主制御部を備えている。主制御部は、1チップマイク
ロコンピュータであり、プログラムに従って制御動作を行うCPU、遊技進行制御用のプ
ログラムなどを記憶するROM、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM
などを備えている。また、主制御部はパラレル出力ポートを介して副制御部に各種のコマ
ンドを送信する。主制御部から副制御部へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、副
制御部から主制御部へ向けてコマンドが送られることはない。副制御部は、液晶表示器5
1、スピーカ53、54等の演出装置の出力制御を行う。主制御部はパラレル入力ポート
などを介して外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作を行う。
【0022】
[タイマ割込処理]
次に、主制御部が所定のタイミングで行うタイマ割込処理について、
図2に基づいて説
明する。主制御部は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に定期的にタイ
マ割込処理を実行する。なお、タイマ割込処理の実行間隔は、メイン処理(
図6参照)に
おいて制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理の実行時間とを合
わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理との間で必ず
制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
【0023】
図2に示すように、タイマ割込処理では、先ず、使用中のレジスタのデータをスタック
領域に退避する(Sa1)。次いで、停電判定処理を行う(Sa2)。停電判定処理では
、電断検出回路から電圧低下信号が入力されているか否かを判定して、電圧低下信号が入
力されていれば、前回のタイマ割込処理における停電判定処理でも電圧低下信号が入力さ
れていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合に
は、遊技機1への電力供給が停止されて停電が発生していると判定して、その旨を示す電
断フラグをRAM41cの所定領域に設定する。
【0024】
Sa2のステップにおける停電判定処理の後、RAMの所定領域に電断フラグが設定さ
れているか否かを判定し(Se3)、電断フラグが設定されていなければ、メイン処理に
より制御される遊技の進行段階に応じて各種制御を行うための処理(例えば、カウンタの
更新に関する処理、ポート入力バッファの更新に関する処理、スイッチ類の入力判定に関
する処理、リールモータの位相信号の更新に関する処理、コマンドの送信に関する処理等
)を順次実行する。
【0025】
タイマ割込処理では、当該タイマ割込処理において行う複数の処理の一つとして、ポー
ト入力処理を1回実行する(Sa4)。ポート入力処理は、初期設定処理及び設定変更処
理において呼び出される場合と同様に、CALLF命令を用いて呼び出される。ポート入
力処理が呼び出されて実行されることで、該タイマ割込処理が行われた時点でパラレル入
力ポートを介して得られる各種スイッチ類の検出信号等に基づいて、ポート入力バッファ
に格納されている各種スイッチ類の入力データ、確定データ、エッジデータが更新される
こととなる。更新されたポート入力バッファのデータは、その後、タイマ割込処理で行わ
れるスイッチ入力判定処理、メイン処理における各種スイッチ類の入力の判定に関する処
理等で参照されて、スイッチ類の入力状況に応じて遊技の進行に関する処理が行われるこ
ととなる。
【0026】
そして、タイマ割込処理では、当該タイマ割込処理において行う複数の処理が全て終了
した後には、Sa1のステップにおいてスタック領域に退避したデータをレジスタに復帰
させて、当該処理を終了させ、タイマ割込処理が実行される前のメイン処理における処理
に戻る。
【0027】
[ポート入力バッファの構成について]
次に、スイッチ類の検出状態に関するデータが格納されるポート入力バッファの構成に
ついて説明する。
【0028】
主制御部が備えるパラレル入力ポートには、スイッチ類から出力される検出信号が入力
されるようになっている。また、主制御部のRAMの所定領域には、各スイッチ類につい
て検出信号に基づいて特定される検出状態を特定可能な入力データと、該当するスイッチ
類の今回の入力データの確定データと、該当するスイッチ類について今回と前回の確定デ
ータが異なる状態であることを示すエッジデータとを格納可能なポート入力バッファが設
定されている。主制御部は、後述する所定のタイミングでパラレル入力ポートを参照して
、検出信号に基づいて特定される各スイッチ類の検出状態を入力データとして取得し、当
該取得した入力データに基づいてポート入力バッファに格納されている入力データ、確定
データ、エッジデータを更新するようになっている。
【0029】
ポート入力バッファとして、RAMのメモリ領域のうち連続する9バイト分の領域が設
定されており、当該9バイト分の領域を構成する1ビット毎の領域に、予め定められたス
イッチ類に対応する入力データ、確定データ、エッジデータが格納されるようになってい
る。また、当該9バイト分の領域には、所定の初期値と当該初期値に1ずつ加算して得ら
れる連続する値からなるアドレスが1バイト毎に割り振られており、ポート入力バッファ
を構成する1バイト毎の領域をアドレスに基づいて特定可能となっている。
【0030】
ポート入力バッファを構成する各1ビットの領域には、所定のスイッチ類の入力データ
、確定データ、エッジデータが格納される領域として割り当てられている。
【0031】
[ポート入力処理ついて]
次に、主制御部がタイマ割込処理内で実行するポート入力処理について
図3を用いて説
明する。
【0032】
図3に示すように、ポート入力処理では、先ず、ポート入力バッファに格納されている
データを所定のレジスタに読み出す(Sb1)。その後、パラレル入力ポートを参照して
スイッチ類の検出信号等の入力データを新たに取得し(Sb2)、ポート入力バッファに
格納されている入力データを新たに取得した入力データに更新する(Sb3)。
【0033】
その後、Sb4のステップで更新した新たな入力データ(今回データ)に基づき、今回
の入力データにより特定される状態を確定データとして、各スイッチ類の確定データを作
成する(Sb4)。そして、ポート入力バッファに格納されている確定データを、Sb5
のステップで作成した確定データに更新する(Sb5)。
【0034】
その後、Sb1のステップでレジスタに読み出した確定データ(前回データ)と、Sb
5のステップで更新した新たな確定データ(今回データ)とをビット単位で比較して、各
スイッチ類について前回と今回の確定データがoff状態からon状態に変化しているか
否かを判定し、該当するスイッチ類については、onエッジデータを作成する(Sb6)
。また、各スイッチ類について前回と今回の確定データがon状態からoff状態に変化
しているか否かを判定し、該当するスイッチ類については、offエッジデータを作成す
る(Sb6)。その後、ポート入力バッファに格納されているエッジデータを、Sb6の
ステップで作成したonエッジデータまたはSb6のステップで作成したoffエッジデ
ータに更新する(Sb7)。なお、本実施形態においては、Sb6およびSb7の処理が
エッジデータ(判定データ)の作成処理である。
【0035】
本実施例の主制御部は、スロットマシン1への電力供給が開始されて起動した後、遊技
の進行に応じた処理を行うメイン処理(
図6参照)を繰り返しループさせて行い、所定の
時間間隔毎に当処理に割り込んでタイマ割込処理(
図2参照)を行う。そして、タイマ割
込処理では、ポート入力処理を行うことで、パラレル入力ポートを介して入力される各種
スイッチ類の検出状態に関する入力データ、確定データ、エッジデータを更新して、ポー
ト入力バッファに格納するようになっている。
【0036】
例えば、
図4に示すように、パラレル入力ポートに接続されている一のスイッチについ
て、遊技者等により操作が行われておらず検出状態がOFFの状態であった当該スイッチ
が操作されることで、当該スイッチの検出状態がOFFの状態からONの状態に変化し、
所定の期間にわたりONの状態で維持されるような場合には、タイマ割込処理毎にポート
入力処理が行われることにより、ポート入力バッファに格納されている当該スイッチの入
力データは、タイマ割込が行われてポート入力処理が行われた時点での当該スイッチの検
出状態を示すデータに更新されるので、当該スイッチが操作された後の最初のタイマ割込
が行われるときまでは、検出状態がOFFの状態であることを示す「0」が入力データと
して設定され、ポート入力バッファにおける当該スイッチに該当するビット領域に格納さ
れる。そして、当該スイッチが操作されて最初のタイマ割込が行われたとき以降では、検
出状態がONの状態であることを示す「1」が入力データとして該当するビット領域に格
納される。
【0037】
また、確定データについて、ポート入力処理では、ポート入力処理が行われた時点で更
新された入力データ(今回のデータ)により特定される検出状態に設定するように更新す
るので、当該スイッチの確定データについては、当該スイッチが押下されたことで入力デ
ータが「1」に更新されたタイマ割込から、検出状態がONの状態であることを示す「1
」が確定データとして該当するビット領域に格納される。
【0038】
また、エッジデータについて、ポート入力処理では、ポート入力処理が行われた時点で
更新された確定データ(今回のデータ)と更新前の確定データ(前回のデータ)を比較し
て、両データが一致する場合には、検出状態が変化していないことを示すエッジデータを
作成し、両データが一致しない場合であって、OFFの状態からONの状態に変化してい
る場合には、onエッジデータを作成し、ONの状態からOFFの状態に変化している場
合には、offエッジデータを作成して、作成したonエッジデータ、offエッジデー
タに更新するので、当該スイッチのエッジデータについては、当該スイッチが操作された
ことで入力データが「1」に更新されたタイマ割込において、確定データが「0」から「
1」に更新されたときに、検出状態が変化したことを示すエッジデータとして「1」が、
ポート入力バッファにおける当該スイッチのonエッジデータに該当するビット領域に格
納される。一方、当該onエッジデータが「1」に設定されたタイマ割込以外のタイマ割
込では、検出状態が変化していないことを示すエッジデータとして「0」が、当該スイッ
チのonエッジデータのビット領域に格納される。なお、特に図示しないが、offエッ
ジデータについては、各タイマ割込において検出状態が変化していないことを示すエッジ
データとして「0」が、ポート入力バッファにおける当該スイッチのoffエッジデータ
のビット領域に格納される。
【0039】
また、例えば、
図5に示すように、一のスイッチについて、遊技者等により操作が行わ
れており検出状態がONの状態であった当該スイッチが離されることで、当該スイッチの
検出状態がONの状態からOFFの状態に変化し、所定の期間にわたりOFFの状態で維
持されるような場合にも、前述のように当該スイッチの検出状態がOFFの状態からON
の状態に変化する場合と同様に、タイマ割込処理毎にポート入力処理が行われることによ
り、ポート入力処理が行われた時点での当該スイッチの検出状態に応じたデータが入力デ
ータとして設定され、ポート入力バッファにおける当該スイッチに該当するビット領域に
格納される。
【0040】
また、確定データについても、前述のように当該スイッチの検出状態がOFFの状態か
らONの状態に変化する場合と同様に、今回の入力データにより特定される検出状態を示
す値に設定され、ポート入力バッファにおける当該スイッチに該当するビット領域に格納
される。
【0041】
また、前述のように当該スイッチの検出状態がOFFの状態からONの状態に変化する
場合と同様に、前回と今回の確定データが一致している場合には、検出状態が変化してい
ないことを示すエッジデータを作成し、両データが一致しない場合であって、OFFの状
態からONの状態に変化している場合には、onエッジデータを作成し、ONの状態から
OFFの状態に変化している場合には、offエッジデータを作成して、作成したonエ
ッジデータ、offエッジデータに更新する。これにより、当該スイッチのエッジデータ
については、当該スイッチが離されたことで入力データが「0」に更新されたタイマ割込
において、確定データが「1」から「0」に更新されたときに、検出状態が変化したこと
を示すエッジデータとして「1」が、ポート入力バッファにおける当該スイッチのoff
エッジデータに該当するビット領域に格納される。一方、当該offエッジデータが「1
」に設定されたタイマ割込以外のタイマ割込では、検出状態が変化していないことを示す
エッジデータとして「0」が、当該スイッチのoffエッジデータのビット領域に格納さ
れる。なお、特に図示しないが、onエッジデータについては、各タイマ割込において検
出状態が変化していないことを示すエッジデータとして「0」が、ポート入力バッファに
おける当該スイッチのonエッジデータのビット領域に格納されることとなる。
【0042】
[メイン処理]
次に、主制御部が実行するメイン処理、メイン処理内で実行する遊技開始待ち処理(図
7および
図8参照)、遊技開始待ち処理内で実行するエラー処理(
図9および
図10参照
)において本発明を実施した例について説明する。なお、これらの各処理は、遊技機1が
スロットマシンである場合に実行される処理を例に挙げている。
【0043】
まず、メイン処理について
図6を用いて説明する。なお、メイン処理は一単位の遊技毎
に繰り返し実行される。そして、メイン処理の一周期が遊技の一単位に相当している。
【0044】
図6に示すように、メイン処理では、主制御部は、まず、遊技開始待ち処理を実行する
(Sc1)。遊技開始待ち処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた
規定数の賭数が設定され、遊技進行スイッチ100であるスタートスイッチが操作された
時点で遊技を開始させる処理を実行する。
【0045】
次いで、内部抽選処理を実行する(Sc2)。内部抽選処理では、Sc1のステップに
おけるスタートスイッチの検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数
値に基づいて上記した各役への入賞を許容するか(すなわち、表示結果の導出を許容する
か否か)どうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基
づいて、RAMに当選フラグが設定される。なお、内部抽選により特別役(BBまたはR
B)に当選した場合は特別役持ち越しフラグセットされる。そして、上記したように特別
役持ち越しフラグの有無を判定することによって特別役の持ち越しの有無を判定し、持ち
越しの有無に応じた当選役(特別役持ち越し中には特別役は内部抽選の対象から除外され
る)について判定処理が行われる。
【0046】
次いで、リール制御処理を実行する(Sc3)。リール制御処理では、スタートスイッ
チの操作に応答して各リールを回転させる処理、Sc2のステップにおける内部抽選の結
果および遊技者によるストップスイッチの操作が検出されたことに応じて対応するリール
の回転を停止させる処理を実行する。
【0047】
次いで、遊技終了時設定処理を実行する(Sc4)。遊技終了時設定処理では、Sc3
の処理において全てのリールの回転が停止したと判定した時点で、各リールに導出された
表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。そして、入賞が発生
したと判定した場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダ
ルの払出等の処理を行う。入賞が発生した場合にはメダルの払い出し等が終了した後に次
のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、入賞が発生しなかった場合
にはリールが停止した後に、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
【0048】
また、メイン処理では、ゲームの進行制御に応じてコマンドを生成してコマンドバッフ
ァに設定し、副制御部に送信されるようになっている。
【0049】
[遊技開始待ち処理]
次に、主制御部が実行するメイン処理内で実行する遊技開始待ち処理について
図7およ
び
図8を用いて説明する。
【0050】
図7および
図8に示すように、主制御部は、遊技開始待ち処理では、まず、クレジット
されているメダルの枚数(クレジット枚数)をカウントしているクレジットカウンタのカ
ウント値を取得する(Sd1)。次いで、取得したカウント値からクレジット枚数を識別
し、クレジット枚数を特定可能なクレジット枚数コマンドを送信データレジスタにセット
する(Sd2)。次いで、送信データレジスタにセットしたコマンドをシリアルデータに
変換して送信用シフトレジスタに格納する通信データ格納処理を実行する(Sd3)。通
信データ格納処理により送信用シフトレジスタに格納されたコマンドデータは直ぐに副制
御部に送信される。副制御部はクレジット枚数を液晶表示器51により表示する。
【0051】
次いで、クレジット枚数を表示するための投入枚数表示処理を実行する(Sd4)。こ
の後、ホッパーユニットのホッパータンクから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロー
タンクが満タン状態となり、これにより発生する満タンエラーのエラーコードをRAMに
セットする(Sd5)。満タンエラーはオーバーフロータンクの内部に設けられている満
タンセンサにより検出される。
【0052】
そして、満タンエラーが発生したか否かを判定する(Sd6)。満タンエラーが発生し
ていないときにはSd7に進む。満タンエラーが発生したときには
図9および
図10に示
すエラー処理(Sd11)を実行してからSd7に進む。なお、満タンエラーは、オーバ
ーフロータンクが満タン状態になったときに検出される他、ノイズの発生や不正な信号の
一斉入力、センサ電源の短絡などに起因して満タンセンサの検出状態が変化したときにも
検出される。よって、オーバーフロータンクが満タン状態になっていないにも関わらず、
エラー処理が実行されてエラー状態に移行することがある。
【0053】
次に、再遊技(リプレイ)が入賞したときに設定されていた賭数をカウントする再遊技
用メダルカウンタのカウント値を取得し(Sd7)、再遊技用メダルカウンタのカウント
値をクリアする(Sd8)。
【0054】
そして、Sd7のステップで取得したカウント値に基づいてカウント値が0であったか
否かを判定する(Sd9)。カウント値が0でなかったときは、取得したカウント値に基
づいて自動的に賭数を設定する再遊技手入れ投入処理を実行してSd13に進む(Sd1
2)。カウント値が0であったときはそのままSd13に進む。Sd13では、遊技者に
よる賭数の設定を許可するための手入れ許可設定処理を実行する(Sd13)。
【0055】
次いで、タイマ割込が1回行われるまで待機する割込1回待ち処理を行う(Sd14)
。割込1回待ち処理が終了した後は、メダルセレクタが有する投入メダルセンサ、ホッパ
ーユニットが有する払出センサにおいてエラーが発生していないか否かを判定する投入払
出エラーチェック処理を実行する(Sd15)。なお、エラーが発生していると判定され
たときにはエラー処理が実行される。
【0056】
そして、Sd15の処理においてエラー処理が実行されたか否かを判定する(Sd16
)。Sd15の処理においてエラー処理が実行されたときはSd14の処理に戻る。Sd
15の処理においてエラー処理が実行されていないときには、メダル投入部にメダルが投
入されたときに投入メダルセンサから入力されるメダル投入信号の処理を行うメダル投入
信号処理を実行する(Sd17)。次いで、BETスイッチが操作されたときに入力され
る信号を受け付ける入力受付処理を実行する(Sd18)。
【0057】
そして、スタートスイッチが操作されたか否かを判定するためのスタートフラグがオン
になったか否かを判定する(Sd19)。なお、スタートスイッチが操作されるとスター
トフラグがオフからオンになる。また、遊技進行スイッチ100がスタートスイッチであ
る場合には、スタートスイッチのエッジデータ(
図3のSb6、Sb7参照)を参照する
ことにより、スタートスイッチが操作されたか否かを判定する。次いで、スタートフラグ
がオンになっていないときは、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BET
LED、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED、賭数が3設定
されている旨を点灯により報知する3BETLED、メダルの投入が可能な状態を点灯に
より報知する投入要求LED、BETスイッチの操作による賭数の設定操作が有効である
旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LEDなど、各種LEDを表示させるLED
表示処理を実行し(Sd20)、Sd14に戻る。
【0058】
次いで、乱数値レジスタから乱数値を読み出し(Sd21)、読み出した乱数値を内部
抽選用の乱数値としてRAMに格納する(Sd22)。そして、投入済みのメダルの枚数
を取得し、RAMに格納する(Sd23)。次いで、リールの停止制御に用いるインデッ
クスデータなどの各種データをRAMにセットし(Sd24)、連続データ処理を実行し
て処理を終了する(Sd25)。連続データ処理は、メイン処理において内部抽選処理を
実行するにあたって必要なデータを作成、格納する処理である。
【0059】
[エラー処理]
次に、
図7のSd11で実行するエラー処理について
図9および
図10を用いて説明す
る。
【0060】
図9および
図10に示すように、エラー処理では、主制御部は、まず、エラーコードを
RAMに格納する(Se1)。次いで、エラー開始コマンドを送信データレジスタにセッ
トする(Se2)。次いで、送信データレジスタにセットしたコマンドをシリアルデータ
に変換して送信用シフトレジスタに格納する通信データ格納処理を実行する(Se3)。
通信データ格納処理により送信用シフトレジスタに格納されたコマンドデータは直ぐに副
制御部に送信される。副制御部は、エラー状態に移行した旨を液晶表示部51から表示す
る。
【0061】
そして、エラー要因を取得する(Se4)。次いで、払出し枚数表示が示す払出枚数を
取得し、レジスタに退避させる(Se5)。そして、エラー表示に用いるエラー表示デー
タを取得する(Se6)。エラー表示は、例えば、エラーであることを示す「E」とエラ
ーの種類を示す番号との組合せである。また、メダルが投入可能であることを示す投入可
能表示LEDおよび遊技が開始可能であることを示す遊技開始表示LEDをオフにする(
Se7)。
【0062】
次いで、エラー表示データをRAMに格納する(Se8)。そして、RAMに格納され
たエラー表示データに基づいてエラー表示が行われる。
【0063】
そして、エラーの種類がRAMのデータが正常でないRAM異常エラーであるか否かを
判定する(Se9)。RAM異常エラーであるときは、主制御部のCPUが停止して待機
状態に移行する。RAM異常エラーは、リセットスイッチ23およびリセット/設定スイ
ッチ38の操作では解除することができず、設定変更状態に移行して新たな設定値が設定
されるまで、解除されることがない。
【0064】
エラーの種類がRAM異常エラーでないときには、タイマ割込が1回行われるまで待機
する割込1回待ち処理を行う(Se10)。
【0065】
割込1回待ち処理を行った後は、投入されたメダルを検出する投入メダルセンサの状態
を入力バッファから抽出する(Se11)。また、オーバーフロータンクが満タン状態に
なったことを検出する満タンセンサの状態を入力バッファから抽出する(Se12)。さ
らに、払い出されたメダルを検出する払出センサの状態を入力バッファから抽出する(S
e13)。次いで、抽出した状態に基づいて各センサが正常な状態か否かを判定する(S
e14)。正常な状態でないときはSe10の処理に戻る。正常な状態であるときはリセ
ットスイッチ23およびリセット/設定スイッチ38のエッジデータを取得する(Se1
5)。
【0066】
次いで、取得したエッジデータに基づいてリセット/設定スイッチ38の操作が検出さ
れたか否かを判定する(Se16)。すなわち、リセット/設定スイッチ38の検出状態
がON状態であるか否かを判定する。リセット/設定スイッチ38の操作が検出されたと
きはSe18に進む。リセット/設定スイッチ38の操作が検出されていないときは、取
得したエッジデータに基づいてリセットスイッチ23の操作が検出されたか否かを判定す
る(Se17)。すなわち、リセットスイッチ23の検出状態がON状態であるか否かを
判定する。リセットスイッチ23の操作が検出されていないときはSe10の処理に戻る
。リセットスイッチ23の操作が検出されたときはSe18に進む。
【0067】
Se18では、払出し枚数表示データを復帰し、RAMに格納する(Se18)。そし
て、RAMに格納されている払出し枚数表示データに基づいて払出枚数が表示される。こ
れにより、エラー状態に移行する前に表示されていた払出し枚数が表示される。
【0068】
また、副制御部に送信する送信データを送信データレジスタにセットする(Se19)
。そして、エラーコードをクリアする(Se20)。次いで、送信データレジスタにセッ
トしたコマンドをシリアルデータに変換して送信用シフトレジスタに格納する通信データ
格納処理を実行する(Se21)。通信データ格納処理により送信用シフトレジスタに格
納されたコマンドデータは直ぐに副制御部に送信される。そして、タイマ割込が1回行わ
れるまで待機する割込1回待ち処理を行って処理を終了する(Se22)。
【0069】
ここで、前述したように、遊技機1では全センサの電源が1つの電源から供給されてい
る。このため、センサ電源を短絡させると全てのセンサやスイッチの検出状態が変化する
。よって、例えば、通常状態中にセンサ電源の短絡が行われて満タンセンサの検出状態が
変化したときは、リセットスイッチ23およびリセット/設定スイッチ38の検出状態も
同時に変化する。このため、リセットスイッチ23およびリセット/設定スイッチ38が
OFF状態であるときにはON状態に変化し、onエッジデータの作成処理が行われる(
図3のSb6、Sb7参照)。そして、
図9および
図10のエラー処理は満タンセンサの
検出状態が変化したことに起因してエラー状態に移行するため(
図7のSd6,Sd11
参照)、リセットスイッチ23およびリセット/設定スイッチ38の検出状態がON状態
に変化した後に通常状態からエラー状態に移行することになる。この場合に、Se10に
おける割込1回待ち処理を実行しなかった場合は、そのままSe16およびSe17の処
理でリセットスイッチ23およびリセット/設定スイッチ38がON状態であることが検
出される。このため、実際にリセットスイッチ23およびリセット/設定スイッチ38が
操作されていないにも関わらず、エラー状態に移行する前に変化したリセットスイッチ2
3およびリセット/設定スイッチ38の検出状態に基づいてエラー状態が終了してしまう
。
【0070】
しかし、本発明では、Se10で割込1回待ち処理を実行することにより、リセットス
イッチ23およびリセット/設定スイッチ38のエッジデータの作成処理が新たに行われ
る(
図3のSb6、Sb7参照)。そして、センサ電源の短絡によりエラー状態に移行し
たときには、実際にはリセットスイッチ23およびリセット/設定スイッチ38は操作さ
れていないため、Se10で割込1回待ち処理が実行されてエッジデータが新たに作成さ
れると、offエッジデータが新たに作成される(
図3のSb6、Sb7参照)。よって
、Se16およびSe17の処理ではリセットスイッチ23およびリセット/設定スイッ
チ38がOFF状態であることが検出される。このため、エラー処理に移行する前におけ
るリセットスイッチ23およびリセット/設定スイッチ38の検出状態の変化によりエラ
ー処理が終了してしまうことがなくなる。そして、エッジデータが新たに作成された後に
エラー状態を解除するには、実際にセットスイッチ23およびリセット/設定スイッチ3
8を操作する必要がある。このように、エッジデータを1回作成した後に実際にリセット
スイッチ23またはリセット/設定スイッチ38が操作されたか否かを判定することによ
り、意図せずエラー状態が終了してしまうことを防止できる。
【0071】
また、前述したように、センサ電源を短絡させると全てのセンサやスイッチの検出状態
が変化するので、例えば、エラー状態中にセンサ電源の短絡が行われた場合には、リセッ
トスイッチ23およびリセット/設定スイッチ38がOFF状態であるときにはON状態
に変化する。そして、本例ではSe10~Se15の処理の間のタイミングにリセットス
イッチ23およびリセット/設定スイッチ38の検出状態が変化したときは、Se16お
よびSe17の処理ではリセットスイッチ23およびリセット/設定スイッチ38がON
状態であることが検出され、エラー状態の終了条件が成立してしまう。また、センサ電源
を短絡させると全てのセンサやスイッチの検出状態が変化することから、リセットスイッ
チ23およびリセット/設定スイッチ38の検出状態が変化すると同時に、通常状態に移
行したときに操作される遊技進行スイッチ100(例えば、スタートスイッチ)の検出状
態も変化する。よって、遊技進行スイッチ100がOFF状態であるときにはON状態に
変化する。このため、遊技進行スイッチ100のエッジデータについては、onエッジデ
ータの作成処理が行われる(
図3のSb6、Sb7参照)。この場合に、Se22での割
込1回待ち処理を実行しなかった場合は遊技進行スイッチ100のエッジデータが新たに
作成されることない。よって、そのまま遊技開始待ち処理に復帰すると、例えば、遊技進
行スイッチ100がスタートスイッチである場合にはSd19の処理でスタートスイッチ
が操作されたと判定されてしまい、これに伴う処理が実行されてしまう。このため、実際
に遊技進行スイッチ100が操作されていないにも関わらず、センサ電源の短絡に起因し
て遊技進行スイッチ100の操作に基づく特別処理が実行されてしまう。
【0072】
しかし、本発明では、Se22で割込1回待ち処理を実行することにより、遊技進行ス
イッチ100のエッジデータの作成処理が新たに行われる(
図3のSb6、Sb7参照)
。そして、センサ電源の短絡により遊技進行スイッチ100がOFF状態からON状態に
変化したときは、実際には遊技進行スイッチ100は操作されていないため、Se22で
割込1回待ち処理が実行されてエッジデータが新たに作成されると、offエッジデータ
が新たに作成される(
図3のSb6、Sb7参照)。よって、例えば、遊技進行スイッチ
100がスタートスイッチである場合にはSd19の処理でスタートスイッチが操作され
ていないと判定される。このため、エラー状態中における遊技進行スイッチ100の検出
状態の変化に基づいて制御が行われることがなくなる。そして、エッジデータが新たに作
成された後に遊技進行スイッチ100に基づく制御を行わせるには、実際に遊技進行スイ
ッチ100を操作する必要がある。このように、エッジデータを1回作成した後に実際に
遊技進行スイッチ100が操作されたか否かを判定することにより、意図しない制御が行
われてしまうことを防止できる。
【0073】
また、エッジデータの作成処理の実行を待つために割込1回待ち処理を実行するので、
好適な処理によりエッジデータの作成処理が実行されることを担保できる。
【0074】
なお、Se4~Se8の処理はエラー状態に移行したことを報知するための報知処理で
ある。このように、Se10の処理の前にSe4~Se8の報知処理を行うことにより、
エラー状態に移行したことを報知するための報知処理が実行されることを担保できる。
【0075】
また、エラー状態中には、メダルの投入が行われる、あるいは、ホッパーユニットのオ
ーバーフロータンクが満タンになる、あるいは、メダルの払い出しが行われるといった所
定事象は発生し得ない。よって、Se12~Se14の処理を実行することにより、所定
事象が発生していないことを条件としてエラー状態を終了させるようにしている。これに
より、異常な状況で特定状態が終了することを防止できる。特に、センサ電源が一斉に短
絡されて各センサやスイッチの検出状態が変化したときなどに異常な状況で特定状態が終
了することを防止できる。
【0076】
また、リセットスイッチ23とリセット/設定スイッチ38のいずれか一方が操作され
たとき、または、リセットスイッチ23およびリセット/設定スイッチ38の両方が操作
されたときのいずれの場合においてもエラー状態を解除することができる。よって、エラ
ー状態を好適に終了させることができる。また、エラー状態を終了させるための特定操作
の利便性を高めることができる。
【0077】
なお、Se18の処理はエラー状態が終了することを報知するための報知処理である。
このように、リセットスイッチ23またはリセット/設定スイッチ38が操作されてエラ
ー状態の終了条件が成立した後にSe18の報知処理を行った後、Se22の処理を待つ
ことにより、エラー状態が終了することを報知するための報知処理が実行されることを担
保できる。
【0078】
[スイッチが操作されたか否かの判定タイミングについて]
次に、リセットスイッチ23またはリセット/設定スイッチ38が操作されたか否かの
判定タイミングについて従来例と比較しながら説明する。
【0079】
例えば、
図11に示すように、通常状態中にセンサ電源を短絡にさせる不正な行為が行
われたとする。これにより、全てのスイッチの検出状態がOFFの状態からONの状態に
変化し、所定の期間にわたりONの状態で維持されたとする。この場合には、リセットス
イッチ23およびリセット/設定スイッチ38の検出状態はOFFの状態からONの状態
に変化する。この後に、センサの電源が短絡されたことにより、エラーの発生を検出する
センサの検出状態が変化したことに起因してエラー状態に移行する。すなわち、リセット
スイッチ23およびリセット/設定スイッチ38の検出状態がON状態に変化した後にエ
ラー状態に移行する。
【0080】
このとき、タイマ割込処理毎にポート入力処理が行われることにより、ポート入力バッ
ファに格納されているリセットスイッチ23およびリセット/設定スイッチ38の入力デ
ータは、タイマ割込が行われてポート入力処理が行われた時点でのリセットスイッチ23
およびリセット/設定スイッチ38の検出状態を示すデータに更新される。よって、セン
サの電源が短絡された後の最初のタイマ割込(2)が行われるときまでは、検出状態がO
FFの状態であることを示す「0」が入力データとして設定され、ポート入力バッファに
おける当該スイッチに該当するビット領域に格納される。そして、最初のタイマ割込(2
)では、検出状態がONの状態であることを示す「1」が入力データおよび確定データと
して該当するビット領域に格納される。また、検出状態がOFFの状態からONの状態に
変化しているので、タイマ割込(2)において、検出状態が変化したことを示すエッジデ
ータとして「1」が、ポート入力バッファにおける当該スイッチのonエッジデータに該
当するビット領域に格納される。
【0081】
しかし、実際にはリセットスイッチ23およびリセット/設定スイッチ38が操作され
ていないので、その次のタイマ割込(3)では検出状態がOFFの状態であることを示す
「0」が入力データおよび確定データとして該当するビット領域に格納される。また、検
出状態がONの状態からOFFの状態に変化しているので、タイマ割込(3)において、
検出状態が変化したことを示すエッジデータとして「1」が、ポート入力バッファにおけ
る当該スイッチのoffエッジデータに該当するビット領域に格納される。
【0082】
このような場合に、従来は、リセットスイッチ23およびリセット/設定スイッチ38
のエッジデータが新たに作成されることを待つことなく、タイマ割込(2)におけるエッ
ジデータが参照されていた。すなわち、エラー状態に移行する前のスイッチの検出状態に
基づいて作成されたエッジデータが参照されていた。この場合には、前述したように、エ
ッジデータはonエッジデータに更新されているので、リセットスイッチ23およびリセ
ット/設定スイッチ38がON状態であることが検出されてしまい、実際にはリセットス
イッチ23およびリセット/設定スイッチ38が操作されていないにもかかわらず、意図
せずエラー状態が解除されてしまった。
【0083】
しかし、本発明は、エラー処理に移行したときに、タイマ割込1回待ち処理を実行する
ことにより、エッジデータが新たに1回作成された後(すなわち、タイマ割込(3)以降
)にリセットスイッチ23またはリセット/設定スイッチ38が操作されたか否かを判定
する。前述したようにタイマ割込(3)においてエッジデータはoffエッジデータに更
新されるので、エラー状態を解除するにはリセットスイッチ23またはリセット/設定ス
イッチ38を操作する必要がある。これにより、意図せずエラー状態が終了してしまうこ
とを防止できる。なお、
図11ではタイマ割込(6)においてリセットスイッチ23の操
作が検出されてエッジデータが参照されてエラー状態が解除された例を示している。
【0084】
次に、遊技進行スイッチ100が操作されたか否かの判定タイミングについて従来例と
比較しながら説明する。
【0085】
例えば、
図12に示すように、エラー状態中にセンサ電源を短絡にさせる不正な行為が
行われたとする。これにより、全てのスイッチの検出状態がOFFの状態からONの状態
に変化し、所定の期間にわたりONの状態で維持されたとする。この場合には、リセット
スイッチ23およびリセット/設定スイッチ38の検出状態はOFFの状態からONの状
態に変化する。同時に、遊技進行スイッチ100の検出状態もOFFの状態からONの状
態に変化する。
【0086】
このとき、タイマ割込処理毎にポート入力処理が行われることにより、ポート入力バッ
ファに格納されている遊技進行スイッチ100の入力データは、タイマ割込が行われてポ
ート入力処理が行われた時点での遊技進行スイッチ100の検出状態を示すデータに更新
される。よって、センサの電源が短絡された後の最初のタイマ割込(2)が行われるとき
までは、検出状態がOFFの状態であることを示す「0」が入力データとして設定され、
ポート入力バッファにおける当該スイッチに該当するビット領域に格納される。そして、
最初のタイマ割込(2)では、検出状態がONの状態であることを示す「1」が入力デー
タおよび確定データとして該当するビット領域に格納される。また、検出状態がOFFの
状態からONの状態に変化しているので、タイマ割込(2)において、検出状態が変化し
たことを示すエッジデータとして「1」が、ポート入力バッファにおける当該スイッチの
onエッジデータに該当するビット領域に格納される。
【0087】
しかし、実際には遊技進行スイッチ100が操作されていないので、その次のタイマ割
込(3)では検出状態がOFFの状態であることを示す「0」が入力データおよび確定デ
ータとして該当するビット領域に格納される。また、遊技進行スイッチ100の検出状態
がONの状態からOFFの状態に変化しているので、タイマ割込(3)において、検出状
態が変化したことを示すエッジデータとして「1」が、ポート入力バッファにおける当該
スイッチのoffエッジデータに該当するビット領域に格納される。
【0088】
なお、リセットスイッチ23およびリセット/設定スイッチ38についても、遊技進行
スイッチ100と同様に入力データおよび確定データ、エッジデータが格納される。
【0089】
そして、センサ電源の短絡により変化した検出状態に基づいて作成されたリセットスイ
ッチ23およびリセット/設定スイッチ38のエッジデータはタイマ割込(2)において
参照される。このとき、リセットスイッチ23およびリセット/設定スイッチ38のエッ
ジデータはonエッジデータに更新されているため、リセットスイッチ23およびリセッ
ト/設定スイッチ38がON状態であることが検出され、エラー状態の終了条件が成立す
る。
【0090】
このような場合において、遊技進行スイッチ100についても、センサ電源の短絡によ
り変化した検出状態に基づいて作成された遊技進行スイッチ100のエッジデータがタイ
マ割込(2)において参照されていた。この場合には、前述したように、エッジデータは
onエッジデータに更新されているので、遊技進行スイッチ100がON状態であること
が検出されてしまった。よって、実際には遊技進行スイッチ100が操作されていないに
もかかわらず、エラー状態の終了条件が成立した後に、意図せず遊技進行スイッチ100
の操作に応じた制御が行われてしまった。
【0091】
しかし、本発明は、エラー処理の終了条件が成立した後に、タイマ割込1回待ち処理を
実行することにより、エッジデータが1回作成された後(すなわち、タイマ割込(3)以
降)に遊技進行スイッチ100が操作されたか否かを判定する。前述したようにタイマ割
込(3)においてエッジデータはoffエッジデータに更新されるので、遊技進行スイッ
チ100の操作に応じた制御を行わせるには遊技進行スイッチ100を操作する必要があ
る。これにより、意図せず遊技進行スイッチ100の操作に応じた制御が行われてしまう
ことを防止できる。なお、
図12ではタイマ割込(6)において遊技進行スイッチ100
の操作が検出されてエッジデータが参照されて遊技進行スイッチ100の操作に応じた制
御が行われた例を示している。
【0092】
[リセットスイッチが操作されたか否かを判定するタイミングの具体例]
次に、リセットスイッチが操作されたか否かを判定するタイミングについての本発明と
従来例の比較を示す具体例について
図13を用いて説明する。なお、
図13(a)が従来
例、
図13(b)が本発明の実施例である。また、
図13ではリセットスイッチ23の操
作によってエラー状態が終了する例を挙げて説明する。
【0093】
図13(a)に示すように、遊技機1では全センサの電源が1つの電源から供給されて
いる。このため、センサ電源を短絡させると全てのセンサやスイッチの検出状態が変化す
る。よって、センサ電源を短絡させる不正な行為が行われた場合には、リセットスイッチ
23の検出状態がOFF状態からON状態に変化する。このため、タイマ割込が発生した
ときにリセットスイッチ23のエッジデータの作成処理が行われ、onエッジデータ作成
される。そして、センサ電源の短絡に起因して、エラーの発生を検出するセンサも検出状
態が変化するので、センサ電源が短絡されて全センサやスイッチの検出状態が変化した後
に通常状態からエラー状態に移行する。このような状況において、従来は、エラー処理中
の処理により次のタイマ割込を待つことなくリセットスイッチ23のエッジデータが参照
されていた。換言すると、次にエッジデータの作成処理が行われることを待つことなくリ
セットスイッチ23のエッジデータが参照されていた。よって、エラー状態に移行する前
に変化したリセットスイッチ23の検出状態(ON状態)によってエラーが解除されてし
まった。このため、リセットスイッチ23が操作されていないにも関わらず意図せずにエ
ラー状態が解除されてしまうという問題があった。
【0094】
しかし、本発明は、
図13(b)に示すように、エラー状態に移行したときにエラー処
理内の処理において割込1回待ち処理を実行することにより、リセットスイッチ23のエ
ッジデータの作成処理が新たに行われる。そして、センサ電源の短絡によりエラー状態に
移行したときには、実際にはセットスイッチ23は操作されていないため、割込1回待ち
処理が実行されてエッジデータが新たに作成されると、offエッジデータが新たに作成
される。よって、リセットスイッチ23がOFF状態であることが検出される。このため
、エラー処理に移行する前におけるリセットスイッチ23の検出状態の変化によりエラー
処理が終了してしまうことがなくなる。そして、エッジデータが新たに作成された後にエ
ラー状態を解除するには、実際にセットスイッチ23を操作する必要がある。このように
、エッジデータを1回作成した後に実際にリセットスイッチ23またはリセット/設定ス
イッチ38が操作されたか否かを判定することにより、意図せずエラー状態が終了してし
まうことを防止できる。
【0095】
[遊技進行操作スイッチが操作されたか否かを判定するタイミングの具体例]
次に、遊技進行操作スイッチ100が操作されたか否かを判定するタイミングについて
の本発明と従来例の比較を示す具体例について
図14を用いて説明する。なお、
図14(
a)が従来例、
図14(b)が本発明の実施例である。
【0096】
図14(a)に示すように、遊技機1では全センサやスイッチの電源が1つの電源から
供給されている。このため、センサ電源を短絡させると全てのセンサやスイッチの検出状
態が変化する。よって、エラー状態中にセンサ電源の短絡が行われた場合には、リセット
スイッチ23がOFF状態であるときにはON状態に変化し、エラー状態の終了条件が成
立し、エラー状態が解除される。また、センサ電源を短絡させると全てのセンサやスイッ
チの検出状態が変化することから、リセットスイッチ23の検出状態が変化すると同時に
遊技進行スイッチ100がOFF状からON状態に変化する。このため、遊技進行スイッ
チ100のエッジデータの作成処理が行われ、onエッジデータが作成される。このよう
な状況において、従来は、次のタイマ割込を待つことなく遊技進行スイッチ100のエッ
ジデータが参照されていた。換言すると、次にエッジデータの作成処理が行われることを
待つことなく遊技進行スイッチ100のエッジデータが参照されていた。よって、実際に
遊技進行スイッチ100が操作されていないにも関わらず、エラー状態の終了条件が成立
したときに変化した遊技進行スイッチ100の検出状態(ON状態)によって、意図せず
遊技進行スイッチ100の操作に基づく特別処理が実行されてしまうという問題があった
。
【0097】
しかし、
図14(b)に示すように、本発明では、エラー状態の終了条件が成立した後
に割込1回待ち処理を実行することにより、遊技進行スイッチ100のエッジデータの作
成処理が新たに行われる。そして、センサ電源の短絡により遊技進行スイッチ100がO
FF状態からON状態に変化したときは、実際には遊技進行スイッチ100は操作されて
いないため、割込1回待ち処理が実行されてエッジデータが新たに作成されると、off
エッジデータが新たに作成される。このため、エラー状態中における遊技進行スイッチ1
00の検出状態の変化に基づいて制御が行われることがなくなる。そして、エッジデータ
が新たに作成された後に遊技進行スイッチ100に基づく制御を行わせるには、実際に遊
技進行スイッチ100を操作する必要がある。このように、エラー状態の終了条件が成立
した後でエッジデータを1回作成した後に実際に遊技進行スイッチ100が操作されたか
否かを判定することにより、意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
【0098】
なお、本実施形態では、1回のタイマ割込分の入力データに基づいて確定データを更新
する構成としたが、複数回のタイマ割込分の期間にわたり同じ検出状態が継続されないと
、確定データが今回の入力データの検出状態に更新されないように構成することも可能で
ある。例えば、何らかの原因でスイッチ類の検出信号が、1回のタイマ割込のみで検出さ
れる程度の短時間で変化されるような場合(例えば、静電気などによるノイズが発生した
場合や当該スイッチに誤って触れてしまった場合等)には、入力データは当該検出信号の
変化に追従して検出状態に応じた値に変更されることとなるが、複数回のタイマ割込分の
期間にわたり同じ検出状態が継続されないと、確定データが今回の入力データの検出状態
に更新されないようにすることにより、スイッチ類の検出状態が一定期間(最低でも約2
.24ms)以上継続して検知されたことを条件に、当該当該スイッチについて有効な操
作等が検出されるようになる。これにより、何らかの原因、例えば、静電気などのノイズ
等によって1回のタイマ割込のみで検出される程度の短時間の検出状態が誤って検出され
てしまうことを防止できる。
【0099】
また、本実施形態では、各スイッチが操作されたときにOFF状態からON状態に変化
させる構成としたが、各スイッチが操作されたときにON状態からOFF状態に変化させ
る構成とすることも可能である。OFF状態からON状態に変化させる構成とした場合に
は静電気などのノイズ等に反応してしまう反面、電源がOFFにされてもスイッチが検出
状態とならないメリットがある。一方、各スイッチが操作されたときにON状態からOF
F状態に変化させる構成とした場合には電源がOFFにされるとスイッチが検出状態とな
ってしまう反面、静電気などのノイズ等に反応しないメリットがある。
【0100】
[本実施形態の効果]
本実施形態においては、エラー状態に移行した後にリセットスイッチ23またはリセッ
ト/設定スイッチ38のエッジデータの作成処理が1回実行された後にリセットスイッチ
23またはリセット/設定スイッチ38の操作が行われたか否かを判定する(本例では、
図9のSe10、Se16、Se17の処理を行う部分、
図11、
図13に示す部分)。
よって、意図せずにエラー状態が終了することを防止できる。
【0101】
本実施形態においては、エラー状態においてリセットスイッチ23またはリセット/設
定スイッチ38のエッジデータの作成処理の実行を待つための待機処理を実行する(本例
では、
図9のSe10、Se16、Se17の処理を行う部分、
図11、
図13に示す部
分)。
よって、好適な処理により作成処理が実行されることを担保できる。
【0102】
本実施形態においては、エラー状態において該エラー状態に移行したことを報知するた
めの報知処理が実行された後にリセットスイッチ23またはリセット/設定スイッチ38
のエッジデータの作成処理の実行を待つための待機処理を実行する(本例では、
図9のS
e4~Se8の処理を行った後にSe10の処理を行う部分)。
よって、エラー状態に移行したことを報知するための報知処理が実行されることを担保
できる。
【0103】
本実施形態においては、エラー状態では発生し得ない所定事象の発生が検出されていな
いことを条件としてエラー状態を終了させる(本例では、
図10のSe11~Se14の
処理を行う部分)。
よって、異常な状況でエラー状態が終了することを防止できる。
【0104】
本実施形態においては、リセットスイッチ23とリセット/設定スイッチ38のいずれ
か一方の操作が行われたときにエラー状態を終了させるとともに、リセットスイッチ23
とリセット/設定スイッチ38の両方の操作が同時に行われているときでもエラー状態を
終了させる(本例では、
図9のSe16、Se17の処理を行う部分)。
よって、複数のアドレスを初期化するための処理を好適に実行することができる。
【0105】
本実施形態においては、エラー状態の終了条件が成立した後に遊技進行スイッチ100
のエッジデータの作成処理が1回実行された後に遊技進行スイッチ100の操作が行われ
たか否かを判定する(本例では、
図9のSe22、
図8のSd17~Sd19の処理を行
う部分、
図12、
図14に示す部分)。
この構成によれば、意図しない制御が行われることを防止できる。
【0106】
本実施形態においては、エラー状態において遊技進行スイッチ100のエッジデータの
作成処理の実行を待つための待機処理を実行する(本例では、
図9のSe22の処理を行
う部分、
図12、
図14に示す部分)。
よって、好適な処理により作成処理が実行されることを担保できる。
【0107】
本実施形態においては、エラー状態において該エラー状態が終了ことを報知するための
報知処理が実行された後に遊技進行スイッチ100のエッジデータの作成処理の実行を待
つための待機処理を実行する(本例では、
図10のSe18の処理を行った後にSe22
の処理を行う部分)。
よって、エラー状態が終了することを報知するための報知処理が実行されることを担保
できる。
【0108】
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態
に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形
態の変形例について説明する。
【0109】
[遊技機について]
上述した遊技機1は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示
部を複数備え、可変表示部を変動表示した後、可変表示部の変動表示を停止することで表
示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入
賞が発生可能なスロットマシンであってもよい。上述した遊技機1は、各々が識別可能な
複数種類の識別情報の変動表示の結果に応じて、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に
制御可能なパチンコ遊技機であってもよい。
【0110】
[特定状態について]
上記実施形態では、特定状態としてエラー状態を例に挙げたが、例えば、設定値を変更
する設定変更状態、設定値を確認する設定確認状態、演出に関する演出メニューを表示す
る演出メニューの表示状態、当たりの発生確率が変動する確率変動状態、出玉率が上昇す
る高ベース状態など、上記実施形態と異なる態様の特定状態としてもよい。
【0111】
[特別事象について]
上記実施形態では、特別事象として遊技進行スイッチ100の操作を例に挙げたが、例
えば、遊技球の入賞の検出など、上記実施形態と異なる態様の特別事象としてもよい。な
お、遊技球の入賞検出を特別事象とした場合には、特別処理として遊技球の払出しが行わ
れる。
【0112】
[判定データについて]
上記実施形態では、判定データとして、リセットスイッチ23およびリセット/設定ス
イッチ38のエッジデータ、遊技進行スイッチ100のエッジデータを例に挙げたが、例
えば、設定変更状態や設定確認状態を終了させる設定キースイッチのエッジデータ、演出
メニューの表示状態を終了させる演出用スイッチのエッジデータ、賭数を設定するBET
スイッチのエッジデータ、リールを回転させるためのスタートスイッチのエッジデータ、
可変表示部の変動表示を停止させるストップスイッチのエッジデータ、遊技球の入賞を検
出する入賞検出スイッチのエッジデータなど、上記実施形態と異なる態様の判定データと
してもよい。
【符号の説明】
【0113】
1 遊技機、51 液晶表示器、53,54 スピーカ