(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】組電池用吸熱シートおよび組電池
(51)【国際特許分類】
H01M 10/653 20140101AFI20220621BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20220621BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20220621BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20220621BHJP
H01M 10/651 20140101ALI20220621BHJP
H01M 10/6555 20140101ALI20220621BHJP
H01M 10/658 20140101ALI20220621BHJP
H01M 50/20 20210101ALI20220621BHJP
【FI】
H01M10/653
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/647
H01M10/651
H01M10/6555
H01M10/658
H01M50/20
(21)【出願番号】P 2018065759
(22)【出願日】2018-03-29
【審査請求日】2021-01-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000153591
【氏名又は名称】株式会社巴川製紙所
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 直己
(72)【発明者】
【氏名】畑中 清成
(72)【発明者】
【氏名】安藤 寿
(72)【発明者】
【氏名】森永 栄徳
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-053196(JP,A)
【文献】特開2010-165597(JP,A)
【文献】特表2017-523584(JP,A)
【文献】国際公開第2010/026732(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/60 -10/667
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが吸熱シートを介して配置され、該複数の電池セルが直接または並列に接続された組電池に用いられる吸熱シートであって、
脱水温度が異なる物質を2種以上含有するとともに、該物質のうち少なくとも1種は、前記電池セルの通常使用時において脱水可能であり、該物質のうち少なくとも1種は、前記電池セルの異常時において脱水可能であ
り、
前記吸熱シートにおける厚み方向中心部から両端部に向かうほど、前記通常使用時において脱水可能な物質の含有量が大きく、かつ、
前記吸熱シートにおける厚み方向両端部から中心部に向かうほど、前記異常時において脱水可能な物質の含有量が大きい、組電池用吸熱シート。
【請求項2】
前記異常時において脱水可能な物質を主成分とする第1の吸熱層と、該第1の吸熱層の両面に形成され、前記通常使用時において脱水可能な物質を主成分とする第2の吸熱層を有する、請求項
1に記載の組電池用吸熱シート。
【請求項3】
前記通常使用時において脱水可能な物質は、150℃以下の温度で脱水可能な脱水剤であり、前記異常時において脱水可能な物質は、熱分解開始温度が200℃以上の無機水和物である、請求項1
又は2に記載の組電池用吸熱シート。
【請求項4】
前記脱水剤は、シリカゲル、活性アルミナ、活性炭、ゼオライト、イオン交換樹脂、硫酸塩水和物、亜硫酸塩水和物、リン酸塩水和物、硝酸塩水和物、酢酸塩水和物、金属水和塩からなる群のうち少なくとも1つである、請求項
3に記載の組電池用吸熱シート。
【請求項5】
前記脱水剤がゼオライトである、請求項
4に記載の組電池用吸熱シート。
【請求項6】
前記無機水和物は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、水酸化鉄、水酸化マンガン、水酸化ジルコニウムおよび水酸化ガリウムからなる群のうち少なくとも1つである、請求項
3~
5のいずれか1項に記載の組電池用吸熱シート。
【請求項7】
前記無機水和物が水酸化アルミニウムである、請求項
6に記載の組電池用吸熱シート。
【請求項8】
前記複数の電池セルが、請求項1~
7のいずれか1項に記載の組電池用吸熱シートを介して配置され、該複数の電池セルが直列または並列に接続された組電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電気自動車またはハイブリッド車などを駆動する電動モータの電源となる組電池に好適に用いられる組電池用吸熱シートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護の観点から電動モータで駆動する電気自動車またはハイブリッド車などの開発が盛んに進められている。この電気自動車またはハイブリッド車などには、駆動用電動モータの電源となるための、複数の電池セルが直列または並列に接続された組電池が搭載されている。
【0003】
この電池セルには、鉛蓄電池やニッケル水素電池などに比べて、高容量かつ高出力が可能なリチウムイオン二次電池が主に用いられているが、電池の内部短絡や過充電などが原因で1つの電池セルに熱暴走が生じた場合(すなわち、異常時)、隣接する他の電池セルへ熱の伝播が起こることで、他の電池セルの熱暴走を引き起こすおそれがある。
【0004】
上記のような熱暴走の伝播を抑制するための技術として、特許文献1には、1以上の蓄電素子を備える蓄電装置であって、前記1以上の蓄電素子のうちの1つである第一蓄電素子の側方に配置された第一板材および第二板材であって、互いの面が対向するように配置された第一板材および第二板材を備え、前記第一板材と前記第二板材との間には、前記第一板材および前記第二板材よりも熱伝導率の低い物質の層である低熱伝導層(例えば、空気層)が形成されていることにより、第一蓄電素子からの輻射熱、または、第一蓄電素子に向かう輻射熱は2枚の板材によって遮断され、かつ、これら2枚の板材の一方から他方への熱の移動は低熱伝導層によって抑制されるため、蓄電素子と他の物体との間の効果的な断熱を実現することができることが開示されている。
【0005】
また、熱暴走の伝播を抑制するための他の技術として、特許文献2には、電解液を収容する電池筐体と、前記電池筐体の中に設けられた、熱暴走抑制物質をその内部に収容する熱暴走抑制物質収容構造体とを備える二次電池であって、前記熱暴走抑制物質として、水酸化アルミニウム水和物などの各種材料が例として開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-211013号公報
【文献】特開2009-301798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、組電池化した電池セルに対し充放電サイクルを行う場合(すなわち、通常使用時)において、電池セルの充放電性能を十分に発揮させるためには、電池セル表面の温度を所定値以下(例えば、150℃以下)に維持する必要がある。
しかしながら、上記特許文献1においては、熱暴走時の熱の伝播抑制のため、複数の電池セル間に断熱層を設けることから、充放電サイクル時に発熱する電池セルを効果的に冷却することができるものではなかった。
また、上記特許文献2においては、異常事態が発生したときに速やかにリチウムイオン二次電池を安全な状態にすることのみを目的としていることから、その解決方法として、水酸化アルミニウム水和物のような、高温(例えば、200℃以上)条件下で水分を放出して周囲の冷却を行うような熱暴走抑制物質を電池内部に収容することしか想定されていない。よって、充放電サイクル時に発熱する電池セルを効果的に冷却するには必ずしも十分であるとは言えなかった。
【0008】
本発明は、このような事情に着目してなされたものであり、複数の電池セルが直列または並列に接続された組電池を構成するに当たり、異常時における各電池セル間の熱の伝播を抑制しつつ、通常使用時における各電池セルを冷却することのできる、組電池用吸熱シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る組電池用吸熱シートの要旨は、複数の電池セルが吸熱シートを介して配置され、該複数の電池セルが直接または並列に接続された組電池に用いられる吸熱シートであって、脱水温度が異なる物質を2種以上含有するとともに、該物質のうち少なくとも1種は、前記電池セルの通常使用時において脱水可能であり、該物質のうち少なくとも1種は、前記電池セルの異常時において脱水可能であることを特徴とする。
【0010】
上記組電池用吸熱シートにおける好ましい実施形態において、前記通常使用時において脱水可能な物質は、150℃以下の温度で脱水可能な脱水剤であり、前記異常時において脱水可能な物質は、熱分解開始温度が200℃以上の無機水和物である。
上記組電池用吸熱シートにおける好ましい実施形態において、前記脱水剤は、シリカゲル、活性アルミナ、活性炭、ゼオライト、イオン交換樹脂、硫酸塩水和物、亜硫酸塩水和物、リン酸塩水和物、硝酸塩水和物、酢酸塩水和物、金属水和塩からなる群のうち少なくとも1つである。
上記組電池用吸熱シートにおける好ましい実施形態において、前記脱水剤がゼオライトである。
上記組電池用吸熱シートにおける好ましい実施形態において、前記無機水和物は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、水酸化鉄、水酸化マンガン、水酸化ジルコニウムおよび水酸化ガリウムからなる群のうち少なくとも1つである。
上記組電池用吸熱シートにおける好ましい実施形態において、前記無機水和物が水酸化アルミニウムである。
上記組電池用吸熱シートにおける好ましい実施形態において、前記吸熱シートにおける厚み方向中心部から両端部に向かうほど、前記通常使用時において脱水可能な物質の含有量が大きく、かつ、前記吸熱シートにおける厚み方向両端部から中心部に向かうほど、前記異常時において脱水可能な物質の含有量が大きい。
上記組電池用吸熱シートにおける好ましい実施形態において、前記異常時において脱水可能な物質を主成分とする第1の吸熱層と、該第1の吸熱層の両面に形成され、前記通常使用時において脱水可能な物質を主成分とする第2の吸熱層を有する。
【0011】
また、本発明の一態様に係る組電池の要旨は、複数の電池セルが、上記の組電池用吸熱シートを介して配置され、該複数の電池セルが直列または並列に接続されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る組電池用吸熱シートによれば、複数の電池セルが直列または並列に接続された組電池を構成するに当たり、異常時における各電池セル間の熱の伝播を抑制しつつ、通常使用時における各電池セルを冷却することのできる、組電池用吸熱シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る組電池用吸熱シートの構成例を模式的に示す断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る組電池用吸熱シートの他の構成例を模式的に示す断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る組電池用吸熱シートの構成例を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る組電池用吸熱シートの他の構成例を模式的に示す断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る組電池用吸熱シートを適用した組電池の構成例を模式的に示す断面図である。
【
図6】
図6は、実施例1および比較例1および比較例2の吸熱シートをヒーターで加熱した場合(ヒーター温度:150℃)の、経過時間に対する熱源となる電池セル表面の温度変化をプロットしたグラフである。
【
図7】
図7は、実施例1、比較例1、比較例2および参考例1の吸熱シートをヒーターで加熱した場合(ヒーター温度:700℃)の、経過時間に対する隣接する電池セル表面の温度変化をプロットしたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明者らは、高温の熱が発生する異常時における各電池セル間の熱の伝播を抑制しつつ、比較的低温の熱が発生する通常使用時における各電池セルを冷却することのできる、組電池用吸熱シートを提供するため、鋭意検討を行ってきた。
【0015】
その結果、脱水温度が異なる物質を2種以上含有するとともに、該物質のうち少なくとも1種は、前記電池セルの通常使用時において脱水可能であり、該物質のうち少なくとも1種は、前記電池セルの異常時において脱水可能である吸熱シートを、組電池に配置された各電池セル間に介在させることにより、上記課題を解決できることを見出した。
【0016】
すなわち、電池セルの温度が比較的低い通常使用時において脱水可能な物質を含有することにより、電池セルの温度が比較的低温で上昇した場合に、当該物質が水分を放出するため、通常使用時における電池セルを効果的に冷却することができる。
【0017】
また、通常使用時における電池セルの温度範囲は、一般的に、常温(20℃程度)から最大150℃程度までであるため、通常使用時において脱水可能な物質として、150℃以下の温度で脱水可能な脱水剤を用いることが好ましいことも見出した。
【0018】
一方、電池セルの温度が高温となる異常時において脱水可能な物質を含有することにより、電池セルの温度が異常に上昇した場合に、当該物質が水分を放出するため、異常時における各電池セル間の熱の伝播を抑制することができる。
【0019】
また、異常時における電池セルの温度範囲は、一般的に200℃以上であるため、異常時において脱水可能な物質として、熱分解開始温度が200℃以上の無機水和物を用いることが好ましいことも見出した。
【0020】
なお、通常使用時における電池セルの冷却を行うために、発生した熱を外部に逃がすための空間を電池セル間に設けたり、また、異常時における各電池セル間の熱の伝播を抑制するための空間を電池セル間に設けたりするものではないため、電池セル間の距離を極端に大きく取る必要がない。このため、吸熱シート全体の厚さを薄くすること(例えば、5mm以下)も可能となり、結果として、組電池の安全性や電池セルの十分な充放電性能を確保しつつ、組電池の体積エネルギー密度の向上を図ることも可能となる。
【0021】
以下、本発明の実施形態(本実施形態)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下において「~」とは、その下限の値以上、その上限の値以下であることを意味する。
【0022】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係る組電池用吸熱シートについて説明する。第1の実施形態は、当該吸熱シートが単層の場合である。
<組電池用吸熱シートの基本構成>
図1は、第1の実施形態に係る組電池用吸熱シート10の構成例を模式的に示す断面図である。本実施形態に係る組電池用吸熱シート10は、150℃以下の温度で脱水可能な脱水剤22、および熱分解開始温度が200℃以上の無機水和物24を含有する。
【0023】
本実施形態に係る組電池用吸熱シートは、通常使用時における電池セル20の温度範囲である、常温(20℃程度)から最大150℃程度までの温度範囲内で脱水可能な脱水剤22を有する。そして、電池セル20としての通常使用時である充放電サイクルを行うに際し、電池セル20の温度が比較的低温で上昇した場合に、脱水剤22が水分を放出するため、通常使用時における電池セル20を効果的に冷却することができる。
【0024】
また、本実施形態に係る組電池用吸熱シートは、異常時における電池セル20の温度範囲である200℃以上の温度範囲内において、熱分解開始温度を有する無機水和物24を有する。そして、電池セル20としての異常時である熱暴走が生じ、電池セル20の温度が異常に上昇した場合において、無機水和物24の分解による吸熱反応が生ずるため、異常時における各電池セル20間の熱の伝播を効果的に抑制することができる。
【0025】
この組電池用吸熱シート10の具体的な使用形態としては、
図5に示すように、複数の電池セル20が、組電池用吸熱シート10を介して配置され、複数の電池セル20同士が直接または並列に接続された状態(接続された状態は図示を省略)で、電池ケース30に格納されて組電池100が構成される。なお、電池セル20は、例えば、リチウムイオン二次電池が好適に用いられるが、特にこれに限定されず、その他の二次電池にも適用され得る。
【0026】
<組電池用吸熱シートの詳細>
次に、組電池用吸熱シート10における各構成要素につき詳細に説明する。
【0027】
まず、組電池用吸熱シート10を構成する脱水剤22について説明する。脱水剤22は、150℃以下の温度で脱水可能である。上記脱水剤22としては、例えば、シリカゲル、活性アルミナ、活性炭、ゼオライト、イオン交換樹脂などのような水分吸着剤、あるいは、硫酸塩水和物、亜硫酸塩水和物、リン酸塩水和物、硝酸塩水和物、酢酸塩水和物、金属水和塩などが挙げられる。これらの脱水剤22は、単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0028】
ここで、上記硫酸塩水和物としては、例えば、硫酸アンモニウムアルミニウム12水和物、硫酸ナトリウムアルミニウム12水和物、硫酸アルミニウム27水和物、硫酸アルミニウム18水和物、硫酸アルミニウム16水和物、硫酸アルミニウム10水和物、硫酸アルミニウム6水和物、硫酸カリウムアルミニウム12水和物、硫酸鉄7水和物、硫酸鉄9水和物、硫酸カリウム鉄12水和物、硫酸マグネシウム7水和物、硫酸ナトリウム10水和物、硫酸ニッケル6水和物、硫酸亜鉛7水和物、硫酸ベリリウム4水和物、硫酸ジルコニウム4水和物等が挙げられる。
上記亜硫酸塩水和物としては、例えば、亜硫酸亜鉛2水和物、亜硫酸ナトリウム7水和物等が挙げられる。
上記リン酸塩水和物としては、例えば、リン酸アルミニウム2水和物、リン酸コバルト8水和物、リン酸マグネシウム8水和物、リン酸マグネシウムアンモニウム6水和物、リン酸水素マグネシウム3水和物、リン酸水素マグネシウム7水和物、リン酸亜鉛4水和物、リン酸二水素亜鉛2水和物等が挙げられる。
上記硝酸塩水和物としては、例えば、硝酸アルミニウム9水和物、硝酸亜鉛6水和物、硝酸カルシウム4水和物、硝酸コバルト6水和物、硝酸ビスマス5水和物、硝酸ジルコニウム5水和物、硝酸セリウム6水和物、硝酸鉄6水和物、硝酸鉄9水和物、硝酸ニッケル6水和物、硝酸マグネシウム6水和物等が挙げられる。
上記酢酸塩水和物としては、例えば、酢酸亜鉛2水和物、酢酸コバルト4水和物等が挙げられる。
上記金属水和塩としては、例えば、塩化コバルト6水和物、塩化鉄4水和物等の塩化物塩、ホウ砂(四ホウ酸ナトリウム5水和物、四ホウ酸ナトリウム10水和物)、八ホウ酸二ナトリウム四水物、ホウ酸亜鉛3.5水和物等のホウ酸塩等が挙げられる。
【0029】
なお、例えば、150℃以下の温度範囲内における高温側(75℃~150℃)での水分吸着量が大きいゼオライトと、上記高温側での水分吸着量が小さいシリカゲルを併用すれば、温度上昇した電池セル20を広い温度領域で冷却することが可能となるため、好ましい。
【0030】
上記脱水剤22のうち、より多くの水分を放出することができ、かつ、脱水温度範囲が広いという特性を有する観点から、特にゼオライトを用いることが好ましい。ゼオライトとしては、特に種類に限定されるものではなく、例えば、β型ゼオライト、Y型ゼオライト、フェリエライト、ZSM-5型ゼオライト、モルデナイト、フォージサイト、ゼオライトAおよびゼオライトL等が挙げられる。
【0031】
ゼオライトは、3次元網目構造を有するアルミノケイ酸塩である。水分を吸着するゼオライトは安定的に存在するため、通常、常温条件下で3次元網目構造の隙間に水分などを吸着している。しかし、ある温度以上の熱が与えられることにより、ゼオライトに吸着されていた水分がゼオライトから脱着する。
しかし、水分を吸着していないゼオライトは不安定であるため、脱水したゼオライトは高い吸着作用を有するため、温度が低下した後は再び水分を吸着する。
【0032】
例えばゼオライトのように、150℃以下の温度で脱水可能な脱水剤22は、充放電サイクルを行う場合の電池セル20表面の上昇温度と温度範囲が大きく重複しているため、通常使用時における電池セル20の温度上昇に伴い、水分を放出することで効果的に電池セル20を冷却することができる。
【0033】
また、特にゼオライトの場合には、電池セル20が冷却され、組電池用吸熱シート10内の脱水剤22の温度が低下した後は、組電池用吸熱シート10周囲の水分を再び吸着することとなるため、繰り返し行われる充放電サイクルに対して何度でも再利用することができる。
【0034】
上記脱水剤22の配合量としては、組電池用吸熱シート10を構成する材料の合計質量に対して、好ましい上限が90質量%であり、より好ましい上限は65質量%である。
これに対し、上記脱水剤22の配合量の好ましい下限は10質量%であり、より好ましい下限は35質量%である。この配合量が10質量%未満では、十分な脱水効果が得られないおそれがある。また、この配合量が90質量%を超えると、吸熱シート10としての十分な強度を保つことができないおそれがある。
【0035】
続いて、組電池用吸熱シート10を構成する無機水和物24について説明する。無機水和物24は、熱分解開始温度が200℃以上である。
上記無機水和物24として、例えば、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、水酸化亜鉛(Zn(OH)2)、水酸化鉄(Fe(OH)2)、水酸化マンガン(Mn(OH)2)、水酸化ジルコニウム(Zr(OH)2)、水酸化ガリウム(Ga(OH)3)などが挙げられる。
これらの無機水和物24は、単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0036】
なお、水酸化アルミニウムの熱分解開始温度は約200℃であり、水酸化マグネシウムの熱分解開始温度は約330℃であり、水酸化カルシウムの熱分解開始温度は約580℃であり、水酸化亜鉛の熱分解開始温度は約200℃であり、水酸化鉄の熱分解開始温度は約350℃であり、水酸化マンガンの熱分解開始温度は約300℃であり、水酸化ジルコニウムの熱分解開始温度は約300℃であり、水酸化ガリウムの熱分解開始温度は約300℃である。
このような熱分解開始温度が異なる2種以上の無機水和物24を併用すれば、温度上昇した電池セル20を広い温度領域で冷却することができ、熱暴走時の各電池セル間の熱の伝播を効果的に抑制することが可能となるため、好ましい。
【0037】
例えば水酸化アルミニウムの場合、水酸化アルミニウム中には約35%の結晶水を有しており、下記式に示すように、熱分解時に結晶水を放出することで、消炎機能(吸熱反応)を発揮することができる。
2Al(OH)3→Al2O3+3H2O
この機能により、電池セル20で発生した高温の熱を吸収することができ、電池セル20の発熱量を低減することができる。
【0038】
例えば水酸化アルミニウムのような、熱分解温度が200℃以上である無機水和物24は、電池セル20の熱暴走が生じた場合の電池セル20表面の上昇温度と温度範囲が大きく重複しているため、異常時における電池セル20の温度上昇に伴い、熱分解により脱水反応(吸熱反応)を生ずることで、効果的に各電池セル間の熱の伝播を抑制することができる。
【0039】
特に水酸化アルミニウムの場合には、上記無機水和物24の中で熱分解開始温度が低め(熱分解開始温度:約200℃)であるため、電池セルの異常時の初期段階(比較的低めの温度)から、電池セル20の冷却を行うことができるため、好ましい。
【0040】
上記無機水和物24の配合量としては、組電池用吸熱シート10を構成する材料の合計質量に対して、好ましい上限が90質量%であり、より好ましい上限は65質量%である。
これに対し、上記脱水剤22の配合量の好ましい下限は10質量%であり、より好ましい下限は35質量%である。この配合量が10質量%未満では、十分な脱水効果が得られないおそれがある。また、この配合量が90質量%を超えると、吸熱シート10としての十分な強度を保つことができないおそれがある。
【0041】
なお、上記組電池用吸熱シート10は、成形時の強度向上を目的として、無機繊維やパルプ繊維を含んでいてもよい。
【0042】
上記無機繊維としては、例えば、シリカ-アルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール、アルカリアースシリケート繊維、ガラス繊維、ジルコニア繊維およびチタン酸カリウムウィスカ繊維などが挙げられる。これらの無機繊維は、耐熱性、強度、入手容易性などの点で好ましい。上記無機繊維は、単独で使用してもよいし2種以上組み合わせて使用してもよい。上記無機繊維のうち、取り扱い性の観点から、特にシリカ-アルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール、アルカリアースシリケート繊維、ガラス繊維が好ましい。
【0043】
上記無機繊維の断面形状は、特に限定されず、円形断面、扁平断面、中空断面、多角断面、芯鞘断面などが挙げられる。中でも、中空断面、扁平断面または多角断面を有する異形断面繊維は、断熱性が若干向上されるため好適に使用することができる。
【0044】
上記無機繊維の平均繊維長の好ましい下限は0.1mmであり、より好ましい下限は0.5mmである。一方、上記無機繊維の平均繊維長の好ましい上限は50mmであり、より好ましい上限は10mmである。上記無機繊維の平均繊維長が0.1mm未満であると、無機繊維同士の絡み合いが生じにくく、得られる吸熱シート10の機械的強度が低下するおそれがある。一方、50mmを超えると、補強効果は得られるものの無機繊維同士が緊密に絡み合うことができなったり、単一の無機繊維だけで丸まったりし、それにより連続した空隙が生じやすくなるので断熱性の低下を招くおそれがある。
【0045】
上記無機繊維の平均繊維径の好ましい下限は1μmであり、より好ましい下限は2μmであり、更に好ましい下限は3μmである。一方、上記無機繊維の平均繊維径の好ましい上限は10μmであり、より好ましい上限は7μmである。上記無機繊維の平均繊維径が1μm未満であると、無機繊維自体の機械的強度が低下するおそれがある。また、人体の健康に対する影響の観点より、上記無機繊維の平均繊維径が3μm以上であるが好ましい。一方、上記無機繊維の平均繊維径が10μmより大きいと、無機繊維を媒体とする固体伝熱が増加して断熱性の低下を招くおそれがあり、また、吸熱シート10の成形性が悪化するおそれがある。
【0046】
この無機繊維やパルプ繊維は、吸熱シート10を構成する材料の合計重量に対して、10~70質量%の範囲で必要に応じて使用することができる。
【0047】
吸熱シート10を構成する材料として、有機バインダーを必要に応じて使用してもよい。この有機バインダーは、成形時の強度向上を目的とする上で有用であり、例えば高分子凝集剤やアクリルエマルジョンなどを好適に使用することができる。
上記有機バインダーの配合量としては、吸熱シート10を構成する材料の合計重量に対して0.5~5.0質量%の範囲で必要に応じて使用することができる。
【0048】
上記吸熱シート10の厚さとしては特に限定されないが、0.05~5mmの範囲にあることが好ましい。吸熱シート10の厚さが0.05mm未満であると、充分な機械的強度を吸熱シート10に付与することができない。一方、吸熱シート10の厚さが5mmを超えると、吸熱シート10の成形自体が困難となるおそれがある。
【0049】
なお、吸熱シート10に用いられる脱水剤22と無機水和物24の具体的な組み合わせとしては、上記脱水剤22の中で比較的高温(100℃~150℃程度)においても水分吸着量が高めのゼオライトと、上記無機水和物24の中で熱分解開始温度が低めの水酸化アルミニウム(熱分解開始温度:約200℃)の組み合わせが好ましい。
これは、電池セル20における通常使用時の温度範囲と、異常時の温度範囲との境界温度域(150℃~200℃程度)においても、有効に電池セル20の冷却を行うことができるため、好ましい。
【0050】
ところで、
図1においては、脱水剤22と無機水和物24とが均一に分散している例を示しているが、
図2に示すように、吸熱シート10における厚み方向(図中の上下方向)中心部から両端部に向かうほど、通常使用時において脱水可能な物質、すなわち脱水剤22の含有量が大きく、かつ、吸熱シート10における厚み方向両端部から中心部に向かうほど、異常時において脱水可能な物質、すなわち無機水和物24の含有量が大きいことが好ましい。
その理由として、
図5に示すように、吸熱シート10の両端部はそれぞれ電池セル20に近接しているため、電池セル20の通常使用時において効率よく電池セル20を冷却する必要がある。このため、通常使用時に効果を十分に発揮することのできる脱水剤22は、吸熱シート10内においてより多く両端部側に存在していることが好ましい。
【0051】
一方、
図5に示すように、吸熱シート10の厚み方向両端側にはそれぞれ電池セル20が存在しており、電池セル20の異常時においては、いずれの電池セル20からも熱暴走が生ずる可能性がある。よって、電池セル20から生ずる熱暴走による、各電池セル20間の熱の伝播を効果的に抑制するためには、異常時に効果を発揮することのできる無機水和物24は、吸熱シート10内の中心部側に多く存在していることが好ましい。
【0052】
(第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態に係る組電池用吸熱シートについて説明する。第2の実施形態は、当該吸熱シートが複層(積層体)の場合である。
【0053】
図3は、第2の実施形態に係る組電池用吸熱シート10の構成例を模式的に示す断面図である。本実施形態に係る組電池用吸熱シート10は、中間層として、異常時において脱水可能な物質、すなわち無機水和物24を主成分とする第1の吸熱層14と、その両面に形成され、通常使用時において脱水可能な物質、すなわち脱水剤22を主成分とする第2の吸熱層12とを有する、3層から構成される。
なお、主成分とは最も多い成分をいい、通常は含有量として50質量%超であり、70質量%超が好ましく、90質量%超がさらに好ましい。
【0054】
本実施形態によれば、上述したように、吸熱シート10における厚み方向中心部から両端部に向かうほど、脱水剤22の含有量が大きく、かつ、吸熱シート10における厚み方向両端部から中心部に向かうほど、無機水和物24の含有量が大きくなる構成を容易に実現することができるため、好ましい。
【0055】
また、
図3においては、第1の吸熱層14として無機水和物24のみからなり、また、第2の吸熱層12として脱水剤22のみからなる例を示しているが、例えば、
図4に示すように、第1の吸熱層14および第2の吸熱層12のいずれにおいても、脱水剤22および無機水和物24が含まれるものの、第1の吸熱層14には無機水和物24が主成分として含まれ、第2の吸熱層12には脱水剤22が主成分として含まれるような形態であっても良い。
【0056】
(組電池用吸熱シートの製造方法)
続いて、組電池用吸熱シート10の製造方法について詳細に説明する。
【0057】
本実施形態に係る吸熱シート10は、少なくとも上記脱水剤22および上記無機水和物24から構成される材料を、乾式成形法または湿式成形法により型成形して製造される。以下に、吸熱シート10をそれぞれの成形法により得る場合の製造方法について説明する。
【0058】
[乾式成形法を用いて製造する場合]
まず、乾式成形法では、脱水剤22および上記無機水和物24、更に必要に応じて無機繊維やパルプ繊維、あるいは有機バインダーを所定の割合でV型混合機などの混合機に投入する。混合機に投入された材料を充分に混合した後、所定の型内に混合物を投入し、プレスすることにより吸熱シート10を得る。プレス時には、必要に応じて加熱してもよい。
【0059】
上記プレス圧は、0.98~9.80MPaの範囲であることが好ましい。プレス圧が0.98MPa未満であると、得られる吸熱シート10において、強度を保つことができずに崩れてしまうおそれがある。一方、プレス圧が9.80MPaを超えると、過度の圧縮によって加工性が低下したり、更に、かさ密度が高くなるため固体伝熱が増加し、断熱性が低下するおそれがある。
【0060】
[湿式成形法を用いて製造する場合]
続いて、湿式成形法では、脱水剤22および上記無機水和物24、更に必要に応じて無機繊維やパルプ繊維、あるいは有機バインダーを水中で混合撹拌して充分に分散させ、その後、凝集剤を添加して、一次凝集体を得る。次に、必要に応じて有機弾性物質のエマルジョンなどを所定の範囲内で上記水中に添加した後、高分子凝集剤を添加することにより凝集体を含むスラリーを得る。
【0061】
次に、上記凝集体を含むスラリーを所定の型内へ投入して湿潤した吸熱シート10を得る。得られた吸熱シート10を乾燥することにより、目的の吸熱シート10が得られる。
【0062】
上述のように、吸熱シート10は、乾式成形法または湿式成形法のいずれによっても得られるが、一体成形の容易性や機械的強度の点から湿式成形法を用いることが好ましい。
【0063】
なお、
図2に示すような、吸熱シート10における厚み方向(図中の上下方向)中心部から両端部に向かうほど、脱水剤22の含有量が大きく、かつ、吸熱シート10における厚み方向両端部から中心部に向かうほど、無機水和物24の含有量が大きくなる吸熱シート10は、例えば、
図3で示したように、無機水和物24を主成分とする第1の吸熱層14と、脱水剤22を主成分とする第2の吸熱層12を各々作製し、第1の吸熱層14の両面に第2の吸熱層12を積層することによって得ることができる。
【0064】
また、
図3や
図4に示すような、中間層として無機水和物24を主成分とする第1の吸熱層14と、その両面に形成され、脱水剤22を主成分とする第2の吸熱層12とを有する、3層から構成される吸熱シート10は、第1の吸熱層14および第2の吸熱層12をそれぞれ上記製造方法に基づき作製した後、これらの層がウェット状態での加圧プレスや、これら部材の乾燥後に接着剤を用いて接着する方法などにより得ることができる。
【実施例】
【0065】
以下に、本実施形態に係る組電池用吸熱シートの実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0066】
<実施例1>
水酸化アルミニウム(Al(OH)3)粉末(平均粒径:1μm)を40質量%、ゼオライト粉末(平均粒径:7μm)を40質量%、無機繊維としてロックウールを10質量%、パルプ繊維を9質量%、高分子凝集材を1質量%加え、十分に撹拌混合してスラリーを調整した。上記スラリーを抄造して厚さ2mmの組電池用吸熱シートを得た。
なお、用いた水酸化アルミニウムの熱分解開始温度が200℃であり、ゼオライトは150℃以下の温度で脱水可能であることを確認した。
【0067】
<比較例1>
アルカリアースシリケート(AES)ファイバーにより構成される厚み2mのシートを準備し、組電池用吸熱シートとした。
【0068】
<比較例2>
実施例1で使用したものと同一のゼオライト粉末(平均粒径:7μm)を80質量%、無機繊維としてロックウールを10質量%、パルプ繊維を9質量%、高分子凝集材を1質量%加え、十分に撹拌混合してスラリーを調整した。上記スラリーを抄造して厚さ2mmの組電池用吸熱シートを得た。
【0069】
<参考例1>
実施例1で使用したものと同一の水酸化アルミニウム(Al(OH)3)粉末(平均粒径:1μm)を80質量%、無機繊維としてロックウールを10質量%、パルプ繊維を9質量%、高分子凝集材を1質量%加え、十分に撹拌混合してスラリーを調整した。上記スラリーを抄造して厚さ2mmの組電池用吸熱シートを得た。
【0070】
実施例1、比較例1および比較例2で得られた組電池用吸熱シートの一方の面に接するように、熱源となる電池セルを模擬した金属板を配置し、更にその金属板に隣接するようにヒーターを配置した。また、金属板に熱電対を取り付けて、ヒーター温度が150℃になるように加熱し、経過時間に対する熱源となる電池セル(金属板)表面の温度変化を測定した。
実施例1、比較例1および比較例2における、経過時間に対する熱源となる電池セル表面の温度変化をプロットしたグラフを
図6に示す。
【0071】
また、実施例1、比較例1、比較例2および参考例1で得られた組電池用吸熱シートの一方の面に隣接するようにヒーターを配置し、他方の面に隣接する電池セルを模擬した金属板を配置した。更に、金属板に熱電対を配して、ヒーター温度が700℃になるように加熱し、経過時間に対する隣接する電池セル(金属板)表面の温度変化を測定した。
実施例1、比較例1、比較例2および参考例1における、経過時間に対する隣接する電池セル表面の温度変化をプロットしたグラフを
図7に示す。
【0072】
図6の結果に示されるように、ゼオライトと水酸化アルミニウムを併用した実施例1の組電池用吸熱シートは、ゼオライトのみを使用した比較例2の吸熱シートほどは、熱源となるセル表面の最大温度を低く抑えることができなかったものの、AESを使用した比較例1の吸熱シートよりも熱源となるセル表面の最大温度を低く抑えることができた。
【0073】
また、
図7の結果に示されるように、実施例1の吸熱シートは、比較例1や比較例2の吸熱シートに比べ、隣接するセル表面の最大温度を大幅に低く抑えることができた。なお、実施例1の吸熱シートと、水酸化アルミニウムのみを使用した参考例1の吸熱シートとを比べた場合、隣接するセル表面の最大温度はほぼ同等であった。
【0074】
以上のことから、実施例1の吸熱シートは、電池セルとしての通常使用時における電池セルの冷却を効果的に行いつつも、電池セルとしての異常時における各電池セル間の熱の伝播を効果的に抑制できることが実験的に示された。
【符号の説明】
【0075】
10 組電池用吸熱シート
12 第2の吸熱層
14 第1の吸熱層
20 電池セル
22 脱水剤(水分吸着剤)
24 無機水和物
30 電池ケース
100 組電池