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特許7092556洗浄装置、蓋付き容器設置具および洗浄方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】洗浄装置、蓋付き容器設置具および洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20220621BHJP
   B08B 9/093 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
B08B3/02 B
B08B9/093
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018102050
(22)【出願日】2018-05-29
(65)【公開番号】P2019205961
(43)【公開日】2019-12-05
【審査請求日】2021-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】396013329
【氏名又は名称】株式会社クレオ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】河野 雅行
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-185906(JP,A)
【文献】特公平04-009115(JP,B2)
【文献】特開2010-274145(JP,A)
【文献】実開平06-057476(JP,U)
【文献】特開2002-095408(JP,A)
【文献】特開2000-037669(JP,A)
【文献】登録実用新案第3062993(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 3/00- 3/14
B08B 9/00- 9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と蓋とを備えて構成されており、前記容器本体の開口部を前記蓋が塞ぐようにして、また、前記容器本体と前記蓋との間の接触面にごく僅かな隙間ができる態様で、前記容器本体に前記蓋が設置されている蓋付き容器が載置される回転テーブルと、
前記回転テーブルに載置されている前記蓋付き容器に向けて洗浄液を噴射する洗浄液噴射部と、
前記回転テーブルを回転させた状態で、前記洗浄液噴射部から洗浄液を噴射するように前記回転テーブルと前記洗浄液噴射部とを制御する制御部と、
を有し、前記回転テーブルの回転中心と、前記回転テーブルに載置されている前記蓋付き容器の中心とは互いが一致しており、前記容器本体と前記蓋との接触面の中心のところに前記回転テーブルの回転中心が位置していることを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の洗浄装置において、
前記回転テーブルは、細長い棒材で構成されており、
前記蓋付き容器の底面に接する回転テーブル本体の部位は、前記棒材が「U」字状に曲がった形状に形成されているとともに、「U」字を上下逆転した形態になっており、前記蓋付き容器の底面に接する回転テーブル本体の部位は、複数設けられていることを特徴とする洗浄装置。
【請求項3】
請求項2に記載の洗浄装置において、
前記洗浄液噴射部は、前記回転テーブルに載置されている前記蓋付き容器の下方から前記蓋付き容器に向けて洗浄液を噴射する洗浄液噴射部位を備えて構成されており、
前記洗浄液噴射部位から前記蓋付き容器に向けて噴射された洗浄液が、前記回転テーブルを通り抜けて前記蓋付き容器に到達するように構成されていることを特徴とする洗浄装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の洗浄装置において、
前記制御部は、第1の回転速度で前記回転テーブルを回転させた状態で前記洗浄液噴射部から洗浄液を第1の所定の時間にわたって噴射した後、前記第1の回転速度よりも速い第2の回転速度で第2の所定の時間にわたって前記回転テーブルを回転するように、前記回転テーブルと前記洗浄液噴射部とを制御することを特徴とする洗浄装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の洗浄装置に使用される蓋付き容器設置具において、
細長い棒材で構成されており、
お互いの大きさが異なる複数種類の前記蓋付き容器のそれぞれを設置するための複数の容器設置部を備え、前記回転テーブルの所定の位置に載置されて設置されるように構成されていることを特徴とする蓋付き容器設置具。
【請求項6】
洗浄液を用いた蓋付き容器の洗浄方法であって、前記蓋付き容器を回転している状態で、前記蓋付き容器に向けて前記洗浄液を噴射する洗浄方法において、
前記蓋付き容器は、容器本体と蓋とを備えて構成されており、前記容器本体の開口部を前記蓋が塞ぐようにして、また、前記容器本体と前記蓋との間の接触面にごく僅かな隙間ができる態様で、前記容器本体に前記蓋が設置されており、
前記回転テーブルの回転中心と、前記回転テーブルに載置されている前記蓋付き容器の中心とは互いが一致しており、前記容器本体と前記蓋との接触面の中心のところに前記回転中心が位置している特徴とする蓋付き容器の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄装置、蓋付き容器設置具および洗浄方法に係り、特に、容器本体と蓋とを備えた蓋付き容器を蓋がついている状態で洗浄するものに関する。
【背景技術】
【0002】
基板製造工場の部品製造工場で製造した電子部品やプリント基板等を出荷する場合、電子部品等が埃等で汚れることを防止するために、電子部品等を蓋付きの樹脂ケース(蓋付き容器)内に緩衝材とともに入れて出荷し、自動車工場等の組立工場まで配送している。
【0003】
内部に電子部品等が入っている蓋付き容器の開梱(蓋の取り外し)等は、一般的には、自動車工場等内で行われる。
【0004】
蓋付き容器の開梱後、内部を入っている緩衝材を残しておいて、内部に入っている電子部品を取り出し、自動車等の組立に使用している(自動車等に組み付けている)。
【0005】
電子部品を取り出した蓋付き容器は、内部に緩衝材が入っているまま蓋がされ、部品製造工場まで配送されて(返されて)、次の電子部品等の出荷に使用される。つまり、蓋付き容器は、部品製造工場と組立工場との間を行き来きしている(往復移動している;循環移動している)。
【0006】
ところで、部品製造工場のクリーンルーム内で次の電子部品等を内部に入れる前に、蓋がされ内部に緩衝材が入っている蓋付き容器の外面を掃除する必要がある。部品製造工場と組立工場との間を行き来きにより、蓋付き容器の外面が埃等で汚れてしまうことがあるからである。
【0007】
そこで、内部に緩衝材が入っている蓋付き容器に圧縮空気を吹き付けて(エアーブローによって)、蓋付き容器の外面に付着している埃等の汚れを除去している。この作業をするとき、作業者は、防塵マスクを使用し、エアーブローによって発生する騒音から耳を保護するために、イアーマフを使用している。
【0008】
ここで、従来の技術に関する文献としてたとえば特許文献1を掲げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2016-87563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、配送等により汚れた蓋付き容器(内部に緩衝材が入っている蓋付き容器)をエアーブローにより人手をかけて掃除する作業では、長い時間がかかるとともに、埃が室内に充満し再び蓋付き容器の外面に付着し、さらに、粉塵公害等の作業環境の悪化につながる。
【0011】
また、人手をかけてのエアーブローによる掃除では、作業者によって埃等の除去の程度にばらつきが生じてしまう。
【0012】
そこで、配送等により汚れた蓋付き容器(内部に緩衝材が入っている蓋付き容器)を、洗浄液を用いて洗浄することが考えられる。
【0013】
しかし、洗浄液を用いた洗浄では、容器本体と蓋との間のごく僅かな隙間から蓋付き容器の内部に洗浄液が入り込むおそれがあるという問題がある。
【0014】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、内部に緩衝材が入っている蓋付き容器の外面を、蓋付き容器の内部に洗浄液が侵入しないようにして洗浄することができる洗浄装置、この洗浄装置に使用される蓋付き容器設置具および洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に記載の発明は、容器本体と蓋とを備えて構成されており、前記容器本体の開口部を前記蓋が塞ぐようにして、また、前記容器本体と前記蓋との間の接触面にごく僅かな隙間ができる態様で、前記容器本体に前記蓋が設置されている蓋付き容器が載置される回転テーブルと、前記回転テーブルに載置されている前記蓋付き容器に向けて洗浄液を噴射する洗浄液噴射部と、前記回転テーブルを回転させた状態で、前記洗浄液噴射部から洗浄液を噴射するように前記回転テーブルと前記洗浄液噴射部とを制御する制御部とを有し、前記回転テーブルの回転中心と、前記回転テーブルに載置されている前記蓋付き容器の中心とは互いが一致しており、前記容器本体と前記蓋との接触面の中心のところに前記回転テーブルの回転中心が位置している洗浄装置である。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の洗浄装置において、前記回転テーブルは、細長い棒材で構成されており、前記蓋付き容器の底面に接する回転テーブル本体の部位は、前記棒材が「U」字状に曲がった形状に形成されているとともに、「U」字を上下逆転した形態になっており、前記蓋付き容器の底面に接する回転テーブル本体の部位は、複数設けられている洗浄装置である。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の洗浄装置において、前記洗浄液噴射部は、前記回転テーブルに載置されている前記蓋付き容器の下方から前記蓋付き容器に向けて洗浄液を噴射する洗浄液噴射部位を備えて構成されており、前記洗浄液噴射部位から前記蓋付き容器に向けて噴射された洗浄液が、前記回転テーブルを通り抜けて前記蓋付き容器に到達するように構成されている洗浄装置である。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の洗浄装置において、前記制御部は、第1の回転速度で前記回転テーブルを回転させた状態で前記洗浄液噴射部から洗浄液を第1の所定の時間にわたって噴射した後、前記第1の回転速度よりも速い第2の回転速度で第2の所定の時間にわたって前記回転テーブルを回転するように、前記回転テーブルと前記洗浄液噴射部とを制御する洗浄装置である。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の洗浄装置に使用される蓋付き容器設置具において、細長い棒材で構成されており、お互いの大きさが異なる複数種類の前記蓋付き容器のそれぞれを設置するための複数の容器設置部を備え、前記回転テーブルの所定の位置に載置されて設置されるように構成されている蓋付き容器設置具である。
【0020】
請求項6に記載の発明は、洗浄液を用いた蓋付き容器の洗浄方法であって、前記蓋付き容器を回転している状態で、前記蓋付き容器に向けて前記洗浄液を噴射する洗浄方法において、前記蓋付き容器は、容器本体と蓋とを備えて構成されており、前記容器本体の開口部を前記蓋が塞ぐようにして、また、前記容器本体と前記蓋との間の接触面にごく僅かな隙間ができる態様で、前記容器本体に前記蓋が設置されており、前記回転テーブルの回転中心と、前記回転テーブルに載置されている前記蓋付き容器の中心とは互いが一致しており、前記容器本体と前記蓋との接触面の中心のところに前記回転中心が位置している蓋付き容器の洗浄方法である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、内部に電子部品等が入っている蓋付き容器の外面を、蓋付き容器の内部に洗浄液が侵入しないようにして洗浄することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る洗浄装置の洗浄対象である蓋付き容器の斜視図であって、容器本体と蓋とが離れている状態を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る洗浄装置の洗浄対象である蓋付き容器の断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る洗浄装置の正面図である。
図4】本発明の実施形態に係る洗浄装置の正面図であって、筐体の前方の部位(側板部)を取り除いた状態を示す図である。
図5図4におけるV矢視図であって、筐体の側方の部位(側板部)を取り除いた状態を示す図である。
図6図4におけるVI矢視図である。
図7】本発明の実施形態に係る洗浄装置の回転テーブルの平面図である。
図8図7におけるVIII矢視図である。
図9】(a)は本発明の実施形態に係る洗浄装置のクランプ部の正面図であり、(b)は(a)におけるIXB矢視図である。
図10】本発明の実施形態に係る洗浄装置の洗浄液噴射部を示す平面図である。
図11図10におけるXI矢視図である。
図12図11におけるXII矢視図である。
図13】本発明の実施形態に係る洗浄装置に使用される蓋付き容器設置具の斜視図である。
図14】(a)は、本発明の実施形態に係る洗浄装置に設置されている蓋付き容器設置具に、蓋付き容器を設置した状態を示す平面図であり、(b)は、(a)におけるXIVB矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態に係る洗浄装置(洗浄脱水装置)1は、洗浄液を用いて蓋付き容器R1を洗浄するものであり、図3図6図10等で示すように、回転テーブル3と洗浄液噴射部5と制御部7とを備えて構成されている。
【0024】
ここで、説明の便宜のために、水平な所定の一方向をX方向(横方向)とし、水平な所定の他の一方向であってX方向に対して直交する方向をY方向(前後方向)とし、X方向とY方向とに対して直交する方向をZ方向(上下方向)とする。
【0025】
回転テーブル3には、蓋付き容器(通箱)R1が載置されるようになっている。洗浄液噴射部5は、回転テーブル3に載置されている蓋付き容器R1の外面の全面を洗浄するために、回転テーブル3に載置されている蓋付き容器R1に向けて洗浄液を噴射する(吐出する;スプレーする)ようになっている。
【0026】
制御部7は、回転テーブル3を回転させた状態で、洗浄液噴射部5から洗浄液を噴射するように(図10図12の矢印A1、A2、A3参照)、回転テーブル3と洗浄液噴射部5とを制御するようになっている。
【0027】
蓋付き容器R1は、図1図2で示すように、たとえば、合成樹脂等の材料で矩形な枡状に形成された容器本体R2と、合成樹脂等の材料で矩形な板状に形成されている蓋(容器本体とは別体である蓋)R3とを備えて構成されている。
【0028】
容器本体R2の内部には、たとえば、電子部品やプリント基板R4等が収容されるようになっている。また、この収容された電子部品R4等のガタツキ等を防止して電子部品R4等を保護するための仕切り材や発泡材やスポンジ等で構成されている緩衝材R5も、容器本体R2の内部に収容されるようになっている。
【0029】
洗浄装置1は、容器本体R2の内部に緩衝材R5が収容されており(電子部品R4は取り出されており)、容器本体R2の上側の開口部が蓋R3で蓋がされている蓋付き容器(洗浄対象である蓋付き容器)R1の外面を洗浄するようになっている。
【0030】
洗浄装置1での洗浄をするときには、容器本体R2の底板が回転テーブル3に接しており、蓋R3が容器本体R2の上側の開口部を塞いでいる。
【0031】
また、洗浄装置1には、図4等で示すように、クランプ部9が設けられている。クランプ部9は、回転テーブル3に載置されている蓋付き容器R1の、回転テーブル3の回転による位置ずれ(回転テーブル3に対する位置ずれ)を防止するために、蓋付き容器R1を回転テーブル3と協働して挟み込むようになっている。
【0032】
蓋付き容器R1が、回転テーブル3に載置されており、クランプ部9と回転テーブル3とで挟み込まれている状態(蓋付き容器R1がクランプされている状態)において、回転テーブル3が回転したときには、蓋付き容器R1に当接しているクランプ部の部位(蓋付き容器当接部材)11も、回転テーブル3や蓋付き容器R1と同時に回転するように構成されている。
【0033】
回転テーブル3(回転テーブル本体13)とクランプ部9の蓋付き容器当接部材11とは、図7図9で示すように、細長い棒材15で構成されている。細長い棒材15は、たとえば、この断面(長手方向に対して直交する平面による断面)が円形状になっている。
【0034】
回転テーブル本体13や蓋付き容器当接部材11は、たとえば、適宜の長さで適宜の形状になっている複数本の棒材15が適宜接合された状態になっていることで形成されており、回転テーブル本体13や蓋付き容器当接部材11の外形面(包絡面)の内部では、各棒材15同士が適宜の間隔をあけて長く延びており、棒材15の占める体積が非常に小さく、棒材15の間の空間(空隙)17が占める体積が大きくなっている。
【0035】
これにより、回転テーブル本体13や蓋付き容器当接部材11は、いわゆるスカスカな状態になっており、洗浄液噴射部5から噴射された洗浄液が回転テーブル本体13や蓋付き容器当接部材11を容易に通り抜ける(洗浄液噴射部5から噴射された洗浄液の大部分が回転テーブル本体13や蓋付き容器当接部材11で遮られることなく蓋付き容器R1に到達する)とともに、回転テーブル3(回転テーブル本体13)やクランプ部9(蓋付き容器当接部材11)の、蓋付き容器R1に接して(当接して)いる面の面積は、非常に小さくなっている。
【0036】
洗浄液噴射部5は、図10図12で示すように、第1の洗浄液噴射部位19と第2の洗浄液噴射部位21と第3の洗浄液噴射部位23とを備えて構成されている。
【0037】
第1の洗浄液噴射部位19は、回転テーブル3に載置されている蓋付き容器R1の下方から蓋付き容器R1に向けて洗浄液を噴射するようになっている。第2の洗浄液噴射部位21は、回転テーブル3に載置されている蓋付き容器R1の側方から蓋付き容器R1に向けて洗浄液を噴射するようになっている。第3の洗浄液噴射部位23は、回転テーブル3に載置されている蓋付き容器R1の上方から蓋付き容器R1に向けて洗浄液を噴射するようになっている。
【0038】
なお、第1の洗浄液噴射部位19から蓋付き容器R1に向けて上方に噴射された洗浄液のほぼ総て(洗浄液の大部分)が、回転テーブル3(回転テーブル本体13)を構成している棒材15の間の空間17を通り抜けて蓋付き容器R1に直接到達するようになっている。
【0039】
第2の洗浄液噴射部位21から蓋付き容器R1に向けて側方に噴射された洗浄液の一部が蓋付き容器当接部材11を通り抜けて蓋付き容器R1に到達し、第2の洗浄液噴射部位21から蓋付き容器R1に向けて側方に噴射された洗浄液の残りの大部分が蓋付き容器R1に直接到達するようになっている。
【0040】
また、第3の洗浄液噴射部位23から蓋付き容器R1に向けて下方に噴射された洗浄液の一部が蓋付き容器当接部材11を通り抜けて蓋付き容器R1に到達し、第3の洗浄液噴射部位23から蓋付き容器R1に向けて下方に噴射された洗浄液の残りの大部分が蓋付き容器R1に直接到達するようになっている。
【0041】
制御部7は、蓋付き容器R1の洗浄をするために、第1の回転速度(第1の回転角速度)で回転テーブル3(回転テーブル本体13)を回転させた状態で洗浄液噴射部5から洗浄液を第1の所定の時間にわたり、回転テーブル3に載置されクランプ部9でクランプされている蓋付き容器R1に向けて洗浄液を噴射をするように、回転テーブル3と洗浄液噴射部5とクランプ部9とを制御するようになっている。
【0042】
また、制御部7は、脱水をするために、たとえば、上記洗浄後に回転テーブル3の回転を停止することなくクランプ部9によるクランプをしたままで、洗浄液噴射部5からの洗浄液の噴射を停止し、第2の回転速度で第2の所定の時間にわたって回転テーブル3を回転するように、回転テーブル3と洗浄液噴射部5とを制御するようになっている。なお、第2の回転速度は、第1の回転速度よりも速い速度になっている。
【0043】
このようにして、洗浄装置1は、洗浄対象の蓋付き容器R1の洗浄後に、蓋付き容器R1の脱水(水切り)するようになっている。洗浄装置1での脱水をするときや洗浄装置1での脱水をするときに、容器本体R2の底板が回転テーブル3に接しており、蓋R3が容器本体R2の上側の開口部を塞いでおり、蓋R3が蓋付き容器当接部材11に当接している。
【0044】
上記洗浄をしているときに、第1の回転速度で蓋付き容器R1の外面に発生する遠心力によって、洗浄液噴射部5から噴射され蓋付き容器R1に到達した洗浄液が、蓋付き容器R1の外面の総てで、蓋付き容器R1の回転中心C1から離れる方向に移動するようになっている。そして、蓋付き容器R1の容器本体R2と蓋R3との係合部(接触面)から、蓋付き容器R1の内部への洗浄液の侵入が防止されるようになっている。
【0045】
なお、平面視すると、容器本体R2と蓋R3との接触面は、容器本体R2の開口部の縁で、所定の幅を備えた細長い長方形を曲げて両端を繋いだ「ロ」字状に形成されており、「ロ」字の中心のところに蓋付き容器R1の回転中心C1が位置している。
【0046】
また、上記脱水をしているときに、第2の回転速度で蓋付き容器R1の外面に発生する遠心力によって、蓋付き容器R1の外面にくっついている洗浄液の水滴の総てが、蓋付き容器R1から離れる方向に移動し、蓋付き容器R1の外面の総てで水滴が残らないようになっている。このときにも、蓋付き容器R1の容器本体R2と蓋R3との接触面から、蓋付き容器R1の内部への洗浄液の侵入が防止されるようになっている。
【0047】
また、洗浄装置1は、たとえば、蓋付き容器設置具25を使用して、蓋付き容器R1の洗浄をするようになっている。
【0048】
蓋付き容器設置具25には、図13図14で示すように、お互いの大きさが異なる複数種類(たとえば3種類)の蓋付き容器R1(R1a、R1b、R1c)のそれぞれを設置するための複数の容器設置部27(27a、27b、27c)を備えて構成されている。
【0049】
また、蓋付き容器設置具25は、回転テーブル3の所定の位置に図示しない位置決めピンで位置決めされ、回転テーブル3に載置されて一体的に設置されるように構成されている。
【0050】
蓋付き容器設置具25が回転テーブル3に設置された状態では、蓋付き容器設置具25の中心と回転テーブル3の回転中心C1とがお互いに一致している。
【0051】
また、蓋付き容器設置具25を用いて回転テーブル3に設置された蓋付き容器R1は、回転テーブル3に対して位置決めがされた状態になっている。さらに、回転テーブル3に設置された蓋付き容器設置具25に設置されている蓋付き容器R1の中心と、回転テーブル3の回転中心C1とは、蓋付き容器R1のサイズが異なっても、お互いに一致している。
【0052】
また、蓋付き容器設置具25を使って蓋付き容器R1を回転テーブル3に設置したときであっても、クランプ部9と回転テーブル3(蓋付き容器設置具25)とにより蓋付き容器R1の挟み込み(蓋付き容器R1のクランプ)ができるように構成されている。
【0053】
ここで、洗浄装置1についてさらに詳しく説明する。
【0054】
洗浄装置1は、図3等で示すように、筐体29を備えて構成されている。筐体29の外形は、たとえば直方体状に形成されている。また、筐体29は、たとえば、底部31と矩形な平板状の4枚の側板部33と、背の低い四角錐台側面状の天板部35と矩形な平板状の仕切り板部37を備えて構成されており、側板部33と天板部35と仕切り板部37との内部には、直方体状の密閉空間(上部空間)39が形成されている。仕切り板部37と底部31との間には下部空間41が形成されている。
【0055】
4枚の側板部33のうちの前側の1枚の側板部33Aには、図3で示すように、たとえば矩形状に形成されている開口部43が形成されている。この開口部43には、矩形な平板状のシャッタ45が設けられている。
【0056】
シャッタ45は、図示しないガイド部でガイドされて、図示しないシリンダ(たとえば空気圧シリンダ)等のアクチュエータによって、移動(たとえば、上下方向に移動)するようになっている。
【0057】
そして、シャッタ45が下降端に位置しているときには、側板部33Aに開口部43が閉じられており、外界とはほぼ遮断された密閉空間39が形成されている。一方、シャッタ45が下降端から上昇することで開口部43が開き、シャッタ45が上昇端に位置しているときに、開口部43が全開になり、この全開になった状態で、筐体29内からの蓋付き容器R1の搬出(回転テーブル3上の蓋付き容器R1の搬出)や、筐体29内への蓋付き容器R1の搬入(回転テーブル3上への蓋付き容器R1の載置)や、洗浄装置1の保守や点検がされるようになっている。
【0058】
シャッタ45の一部には、透明な部材で構成された窓部47が設けられており、筐体29の外部から蓋付き容器R1の洗浄状態等を覗けるようになっている。
【0059】
筐体29の外部には、制御盤49が設けられており、制御盤49には図示しない操作部が設けられているとともに、制御盤49に内部には、図示しないCPUとメモリとを備えて構成されている制御部7が設けられている。なお、図5に参照符号50で示すものは、排気口である。
【0060】
次に、図7図8を参照しつつ、回転テーブル3について説明する。
【0061】
回転テーブル3は、上述した回転テーブル本体13とこの回転テーブル本体13を回転駆動するための回転駆動部51とを備えて構成されている。
【0062】
回転テーブル本体13は上述したように、棒材15を組み合わせことで形成されている。回転テーブル本体13の外形は、背の低い(高さ寸法の小さい)円柱状(所定の厚さの円板状)に形成されている。回転テーブル本体13の直径の値は、たとえば、蓋付き容器R1の矩形な底面の対角線の寸法の値や、蓋付き容器設置具25の矩形な底部の対角線の寸法の値よりも大きくなっている。
【0063】
また、回転テーブル本体13は、円板の厚さ方向がZ方向になっており、上部空間39内に配置されている。回転テーブル本体13は、仕切り板部37の上方で仕切り板部37から僅かに離れている。
【0064】
回転テーブル本体13の上方には、蓋付き容器R1や蓋付き容器設置具25や蓋付き容器当接部材11が入るための空間(上部空間39の一部で構成された空間)が形成されている。
【0065】
なお、平面視では、図6で示すように、回転テーブル本体13は、筐体29(上部空間39)の中央部に位置している。
【0066】
回転テーブル本体13に蓋付き容器R1が載置されるのであるが、このときに、蓋付き容器R1の底面に接する回転テーブル本体13の部位は、図8で示すように、棒材15を「U」字状に曲げた形状に形成されているとともに、「U」字を上下逆転した形態になっている。
【0067】
蓋付き容器R1の底面に接する回転テーブル本体13の部位は、図7図8で示すように、複数設けられており、X方向とY方向で所定の間隔をあけて、行列をなして配置されている。
【0068】
そして、蓋付き容器R1が載置された状態では、上下逆転した「U」字の円弧の頂上に、蓋付き容器R1の底面がほぼ点接触するようになっている。
【0069】
回転駆動部51は、図8で示すように、回転駆動軸53とベース体55とモータ等のアクチュエータ57とを備えて構成されている。ベース体55は、回転駆動軸支持部59とアクチュエータ支持部61とを備えて構成されている。
【0070】
回転駆動軸53は、たとえば円柱状に形成されており、回転テーブル本体13の下部から下方に延出しており、回転駆動軸53は、仕切り板部37を通り抜けて、筐体29の底部31の近傍まで達している。回転テーブル本体13の中心軸C1と回転駆動軸53の中心軸とはお互いが一致している。
【0071】
また、回転駆動軸53は、図示しないベアリング等を介して、回転駆動軸支持部59に支持されている。そして、回転駆動軸53は、Z方向に延びた中心軸C1を中心にして回転駆動軸支持部59に対して回転自在になっている。
【0072】
回転駆動軸支持部59は、たとえば、筒状に形成されており、上下方向に延びている内部空間を回転駆動軸53が通り抜けている。また、回転駆動軸支持部59は、仕切り板部37を貫通して上端部が上部空間39内に位置している。回転駆動軸支持部59の下端は、回転駆動軸53は筐体29の底部31の近傍まで達しているが、回転駆動軸53よりも上方に位置している。
【0073】
すなわち、回転駆動軸53と回転駆動軸支持部59とはこれらの上端部の僅かな部位が上部空間39内に位置しており、これらの上端部よりも下方のほとんどの部位が下部空間41内に位置している。
【0074】
アクチュエータ支持部61は、下部空間41内に位置しており、回転駆動軸支持部59の下端で回転駆動軸支持部59に一体的に設けられており、回転駆動軸支持部59の下端からX方向の一方の側に延出している。また、ベース体55(アクチュエータ支持部61)は筐体29に一体的に設けられている。
【0075】
アクチュエータ支持部61には、モータ57の筐体63が一体的に設けられている。モータ57の回転出力軸65には、プーリ(モータ側プーリ)67が一体的にも設けられており、回転駆動軸53の下端部には、プーリ(回転駆動軸側プーリ)69が一体的にも設けられている。なお、モータ57は、下部空間41内に位置している。
【0076】
各プーリ67、69には、ベルト(たとえばタイミングベルト)70が巻き掛けられており、モータ57の回転出力軸65が回転することで、回転テーブル本体13が回転するようになっている。
【0077】
なお、図7図8に参照符号52で示す円板状のものは、回転テーブル本体13を回転駆動軸53に接合するだめの接合部材である、この接合部材52には、洗浄液を通過させるための貫通孔54が複数(たとえば4つ)設けられている。また、図7図8に参照符号56で示す棒状のものは、回転テーブル本体13の回転駆動軸53への接合を補強するための接合補強材である。
【0078】
次に、洗浄液噴射部5について説明する。
【0079】
洗浄液噴射部5は、洗浄液用タンク71と図示しないポンプと第1の洗浄液噴射部位19を構成する第1の洗浄液噴射用配管73と第2の洗浄液噴射部位21を構成する第2の洗浄液噴射用配管75と第3の洗浄液噴射部位23を構成する第3の洗浄液噴射用配管77と、洗浄液用タンク71から上記ポンプを経て各洗浄液噴射用配管73、75、77まで洗浄液を流すための配管(図示せず)とを備えて構成されている(図4図10図12参照)。
【0080】
各洗浄液噴射用配管73、75、77は、上部空間39内に配置されている。第1の洗浄液噴射用配管73は、回転テーブル本体13の下側で回転テーブル本体13から僅かに離れ、X方向(水平方向)に延伸している。また、第1の洗浄液噴射用配管73は、平面視すると図10で示すように、回転駆動軸53から僅かに離れ、回転テーブル本体13の径のほぼ全体にわたって延伸している。
【0081】
第1の洗浄液噴射用配管73には、洗浄液を吐出(噴出)するための噴出孔(吐出孔)73Aが複数設けられている。各噴出孔73Aは、第1の洗浄液噴射用配管73の長手方向で所定の間隔をあけてならんでいる。各噴出孔73Aからは、矢印A1で示すように、上方に向かって洗浄液が噴出するようになっている。
【0082】
なお、図12に矢印A1aで示すように、洗浄液が、各噴出孔73Aから回転中心軸C1側に向かうようにして斜め上方に噴出するようになっていてもよい。また、各噴出孔73Aからの洗浄液の噴出方向が、お互いに僅かに異なっていてもよい。
【0083】
第2の洗浄液噴射用配管75は、回転テーブル本体13の外側で回転テーブル本体13から僅かに離れ、Z方向(上下方向)に延伸している。また、側面視すると図11図12で示すように、第2の洗浄液噴射用配管75に下端は、回転テーブル本体13よりも下方に位置しており、第2の洗浄液噴射用配管75の上端は、回転テーブル本体13よりも上方に位置している。
【0084】
第2の洗浄液噴射用配管75には、洗浄液を噴出するための噴出孔75Aが複数設けられている。各噴出孔75Aは、回転テーブル本体13よりも上側で、第2の洗浄液噴射用配管75の長手方向で所定の間隔をあけてならんでいる。各噴出孔75Aからは、矢印A2で示すように、水平方向であって回転中心軸C1に向かうようにして、洗浄液が噴出するようになっている。
【0085】
なお、洗浄液が、各噴出孔75Aから僅かに斜め上方に噴出するようになっていてもよい。また、第1の洗浄液噴射用配管73の場合と同様にして、各噴出孔75Aからの洗浄液の噴出方向が、お互いに僅かに異なっていてもよい。
【0086】
第3の洗浄液噴射用配管77は、回転テーブル本体13の上側で回転テーブル本体13から離れ、Y方向(水平方向)に延伸している。また、第3の洗浄液噴射用配管77は、平面視すると図10で示すように、回転テーブル本体13から僅かに離れ、回転テーブル本体13の径のほぼ全体にわたって延伸している。
【0087】
第3の洗浄液噴射用配管77には、洗浄液を噴出するための噴出孔77Aが複数設けられている。各噴出孔77Aは、第3の洗浄液噴射用配管77の長手方向で所定の間隔をあけてならんでいる。各噴出孔77Aからは、矢印A3で示すように、斜め下方に向かって洗浄液が噴出するようになっている。
【0088】
なお、第1の洗浄液噴射用配管73の場合と同様にして、各噴出孔77Aからの洗浄液の噴出方向が、お互いに僅かに異なっていてもよい。
【0089】
また、各噴出孔73A、75A、77Aのところノズルを設け、これらのノズルから洗浄液を噴出するようにしてもよい。さらに、これらのノズルが、吐出口の方向を変更することで洗浄液の噴出方向を調整自在なように構成されていてもよい。
【0090】
各噴出孔73A、75A、77Aから蓋付き容器R1に向けた噴出した洗浄液は、蓋付き容器R1にあたった後に上部空間39の下部にたまり、そこから図示しない流路を通って、洗浄液用タンク71に戻り、再び、各洗浄液噴射用配管73、75、77に供給されるようになっている。
【0091】
次に、クランプ部9について説明する。
【0092】
クランプ部9は、図3図4等で示すように、回転テーブル3の上方で筐体29の上部に設けられており、図9等で示すように、蓋付き容器当接部材11と蓋付き容器当接部材駆動部79とを備えて構成されている。
【0093】
蓋付き容器当接部材11は、棒材15でトーラスの形状に形成されている大径部81と、棒材15でトーラスの形状に形成されている小径部83と、直線状の棒材15で構成され大径部81と小径部83とを連結している複数の連結材85とで構成されている。
【0094】
大径部81の中心と小径部83の中心とはお互いが一致しており、回転テーブル3に載置されている蓋付き容器R1をクランプしているときには、大径部81と小径部83とが、蓋付き容器R1(蓋R3)に線接触するようになっている。なお、大径部81の外径は、回転テーブル本体13の外径よりも小さくなっており、平面視において大径部81や小径部83の中心と回転テーブル本体13の中心とはお互いが一致している。
【0095】
容器当接部材駆動部79は、ベース体87とガイドロッド89と連結材91と空気圧シリンダ等のアクチュエータ93と蓋付き容器当接部材支持体95とを備えて構成されている。
【0096】
ベース体87は、筐体29に一体的に設けられている。ガイドロッド89は、この長手方向が上下方向になっており、図示しないリニアガイドベアリングを介してベース体87に支持されており、ベース体87や筐体29に対しして移動自在になっている。
【0097】
ガイドロッド89は、たとえば2本設けられており、お互いがX方向に離れて配置されている。2本のガイドロッド89の下端には、連結材91が設けられている。これにより、2本のガイドロッド89と連結材91とが一体化している。
【0098】
空気圧シリンダ93は、筒状のシリンダ本体97がベース体87に一体的に設けられており、シリンダロッド99が、ベース体87から下方に延出しているとともに、シリンダロッド99の下端が、連結材91に接合されている。
【0099】
蓋付き容器当接部材11は、蓋付き容器当接部材支持体95を介して、連結材91の下側で連結材91に支持されている。これにより、蓋付き容器当接部材11が、上下方向に延びており、蓋付き容器当接部材11の中心を通っている軸C2を中心にして、連結材91に対して回転自在になっている。なお、軸C2と軸C1とはお互いが一致している。
【0100】
そして、シリンダロッド99が上下方向に移動することで、2本のガイドロッド89と連結材91と蓋付き容器当接部材支持体95と蓋付き容器当接部材11とが、上下方向に移動し、回転テーブル3に載置されている蓋付き容器R1のクランプ、アンクランプがされるようになっている(図4参照)。
【0101】
なお、図4で示すように、2本のガイドロッド89の下側の部位と連結材91と蓋付き容器当接部材支持体95と蓋付き容器当接部材11とは、上部空間39内に位置している。
【0102】
次に、蓋付き容器設置具25について説明する。
【0103】
蓋付き容器設置具25も、蓋付き容器当接部材11と同様にして、棒材15で構成されている(図13参照)。
【0104】
蓋付き容器設置具25の容器設置部27は複数(たとえば3つ)設けられており、図14で示すように、3種類の大きさの蓋付き容器R1(大きい蓋付き容器R1a、中くらいの大きさの蓋付き容器R1b、小さい蓋付き容器R1cのいずれかが、蓋付き容器設置具25の2容器設置部27a、27b、27cのいずれかに設置されるようになっている。
【0105】
平面視すると、蓋付き容器設置具25に設置された蓋付き容器R1(R1a、R1b、R1c)の中心は、回転テーブル3の回転中心C1と一致している。
【0106】
次に、洗浄装置1の動作を説明する。
【0107】
初期状態では、回転テーブル3に蓋付き容器R1が載置されておらず、シャッタ45が上昇して側板部33Aの開口部43が開いており、蓋付き容器当接部材11が上昇しており、洗浄液噴射部5からの洗浄液の噴射は停止しているものとする。
【0108】
この初期状態で、蓋付き容器R1を開口部43から筐体29内に搬入し回転テーブル3に蓋付き容器R1を載置する。
【0109】
続いて、シャッタ45を下降して開口部43を閉じ、蓋付き容器当接部材11を下降してクランプ部9で蓋付き容器R1をクランプする。
【0110】
続いて、回転テーブル3(回転テーブル本体13)を回転し、蓋付き容器R1の回転速度が第1の回転速度になったときにまたはなる前に、洗浄液噴射部5からの洗浄液の噴射をして、蓋付き容器R1外面の洗浄を行う。
【0111】
回転テーブル3の回転と洗浄液噴射部5からの洗浄液の噴射とを所定時間行った後、洗浄液噴射部5からの洗浄液の噴射を停止し、回転テーブル3の回転速度を上げて蓋付き容器R1を第2の回転速度で回転し、蓋付き容器R1外面の脱水を行う。
【0112】
続いて、回転テーブル3の回転を停止し、回転テーブル3の停止後に、蓋付き容器当接部材11を上昇して蓋付き容器R1のクランプを解除し、シャッタ45を上昇して開口部43を開き、洗浄と脱水とがされた蓋付き容器R1を、開口部43を通して、筐体29の外部に搬出する。
【0113】
続いて、同様にして、次の蓋付き容器R1の洗浄と脱水とを行う。
【0114】
洗浄装置1によれば、洗浄液噴射部5から蓋付き容器R1に向けて洗浄液を噴射し、このときに回転テーブル3が回転しているので、回転テーブル3の回転によって発生する遠心力によって、蓋付き容器R1の外面の洗浄液が蓋付き容器R1から離れるようにして蓋付き容器R1の外側に飛び去る(回転テーブル3の中心軸C1から離れる方向に飛び去る)。
【0115】
これにより、容器本体R2と蓋R3との間のごく僅かな隙間から蓋付き容器R1の内部に洗浄液が入り込むことがなくなり、内部に緩衝材R5が入っている蓋付き容器R1の外面を、蓋付き容器R1の内部に洗浄液が侵入しないようにして洗浄することができる。
【0116】
なお、外面の掃除がされ内部に緩衝材R5が入っている蓋付き容器R1は、クリーンルーム内で、蓋R3が取り外され、内部に電子部品やプリント基板R4等と緩衝材R5とが入れられた後、蓋R3がされ、電子部品やプリント基板R4等の出荷に使用される。
【0117】
また、エアーブローにより人手をかけての掃除に比べて、短い時間で蓋付き容器R1の外面を掃除することができるとともに、埃等の除去の程度にばらつきが生じてしまうことなくなる。すなわち、複数の蓋付き容器R1の外面の清掃を、各蓋付き容器R1間でのばらつきが発生しないようにして行うことができる。
【0118】
さらに、圧縮エアーのかわりに洗浄液を使用しているので、埃が室内に充満し再び蓋付き容器R1の外面に付着することがなく、粉塵公害等の作業環境の悪化が防止される。
【0119】
また、洗浄装置1によれば、回転テーブル3とクランプ部9とによって蓋付き容器R1が挟まれて蓋付き容器R1が回転テーブル3と一体化するので、回転テーブル3の回転によって蓋付き容器R1が回転テーブル3に対して移動し、たとえば、回転テーブル3の外側に落下してしまう等の事態の発生を無くすことができる。
【0120】
また、回転テーブル3とクランプ部9とによって蓋付き容器R1が挟まれている状態では、容器本体R2と蓋R3とがお互いに接している平面(所定の幅の「ロ」字状の平面)が、付勢されているので、容器本体R2と蓋R3とがお互いに接している平面(容器本体R23蓋R3との間のごく僅かな隙間)を通っての、蓋付き容器R1の内部への洗浄液の侵入を、一層確実に抑制することができる。
【0121】
また、洗浄装置1によれば、回転テーブル本体13が細長い棒材15で構成されており、第1の洗浄液噴射部位19から蓋付き容器R1に向けて上方に噴射された洗浄液が、回転テーブル本体13を構成している棒材15の間の空間を通り抜けて蓋付き容器R1に到達するように構成されているので、回転テーブル3に載置されているにもかかわらず、蓋付き容器R1の下面に向けて洗浄液を噴射することができ、蓋付き容器R1の洗浄を確実に行うことができる。
【0122】
また、蓋付き容器当接部材11も細長い棒材15で構成されているので、クランプ部9でクランプされているにもかかわらず、蓋付き容器R1の上面に洗浄液を噴射することができ、蓋付き容器R1の洗浄を確実に行うことができる。
【0123】
また、洗浄装置1によれば、第1の回転速度で回転テーブル3を回転させた状態で洗浄液噴射部5から洗浄液を第1の所定の時間にわたって噴射した後、第2の回転速度で第2の所定の時間にわたって回転テーブル3を回転するので、洗浄液を噴射しての洗浄後ただちに蓋付き容器R1の脱水を行うことができ、外面の汚れが除去されてしかも外面に水滴が付着していていない蓋付き容器R1を、短時間で得ることができる。
【0124】
また、蓋付き容器設置具25を用いると、蓋付き容器設置具25がお互いの大きさが異なる複数の容器設置部27を備えており、蓋付き容器設置具25が回転テーブル3の所定の位置に載置されて設置されるので、お互いの大きさが異なる複数種類の蓋付き容器R1のそれぞれを、回転テーブル3に対して位置決めして設置することができる。これにより、蓋付き容器R1が載置された回転テーブル3を、バランスを崩すことなく回転されることができる。
【0125】
なお、蓋付き容器設置具25を用いない場合において、回転テーブル本体13に位置決めピン等の位置決め部材を設け、回転テーブル本体13に対する蓋付き容器R1の位置決めがされるようにしてもよい。
【0126】
また、上記説明では、1つの回転テーブル3に1つの蓋付き容器R1を載置して洗浄と脱水とを行っているが、1つの回転テーブル3に2つ以上の複数の蓋付き容器R1を載置して洗浄と脱水とを行ってもよい。この場合、各蓋付き容器R1はお互いが離れて回転テーブル3にされる。
【0127】
さらに、上述した記載内容を、洗浄方法(洗浄脱水方法)の発明として把握してもよい。
【0128】
すなわち、洗浄液を用いた蓋付き容器の外面の洗浄方法において、前記蓋付き容器を回転している状態で、前記蓋付き容器に向けて前記洗浄液を噴射する洗浄方法として把握してもよい。
【0129】
前記蓋付き容器を回転するときには、前記蓋付き容器が回転テーブルに載置されており、しかも、前記回転テーブルとクランプ部とで挟み込まれていることが望ましい。そして、前記蓋付き容器が前記回転テーブルと一体化していることが望ましい。
【0130】
また、第1の回転速度で前記回転テーブルを回転させた状態で前記洗浄液を第1の所定の時間にわたって噴射した後、前記洗浄液の噴射を停止し、前記第1の回転速度よりも速い第2の回転速度で第2の所定の時間にわたって回転テーブルを回転する洗浄方法として把握してもよい。
【符号の説明】
【0131】
1 洗浄装置
3 回転テーブル
5 洗浄液噴射部
7 制御部
9 クランプ部
15 棒材
19 洗浄液噴射部位
25 蓋付き容器設置具
27、27a、27b、27c 容器設置部
R1 蓋付き容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14