(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】ブレード制御装置及びブレード制御方法
(51)【国際特許分類】
E02F 3/84 20060101AFI20220621BHJP
E02F 9/20 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
E02F3/84 A
E02F9/20 N
(21)【出願番号】P 2018102632
(22)【出願日】2018-05-29
【審査請求日】2021-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石原 隆男
(72)【発明者】
【氏名】登尾 大地
(72)【発明者】
【氏名】中山 裕
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/118027(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2016/0201298(US,A1)
【文献】米国特許第09014924(US,B2)
【文献】特開2018-016970(JP,A)
【文献】特開2018-021427(JP,A)
【文献】特開2018-071256(JP,A)
【文献】特開2018-021348(JP,A)
【文献】特開昭63-103135(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/20-9/22
E02F 3/42-3/43
E02F 3/84-3/85
G08G 1/00-99/00
B60W 10/00-10/30
F02D 29/00-29/06
G05G 1/00-13/02
G05G 25/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両のブレードで掘削される掘削対象の目標形状を示す初期設計面において前記作業車両の前方に存在する第1面と前記第1面とは異なる勾配の第2面とを結ぶ補正設計面を生成する補正設計面生成部と、
前記補正設計面に基づいて前記ブレードの高さを制御する制御指令を出力するブレード制御部と、を備え
、
前記第1面は、前記作業車両の前方に向かって下方に傾斜し、
前記第2面は、前記第1面よりも前方に存在し、前記第1面に接続され、
前記第1面と前記第2面との境界を示す変曲位置よりも上側の前記第1面と前記第2面とがなす角度αは、180[°]よりも小さく、
前記補正設計面は、前記作業車両の進行方向において、前記変曲位置から後方に第1距離に位置する前記第1面の第1部分と、前記変曲位置から前方に第2距離に位置する前記第2面の第2部分とを結ぶように生成される、
ブレード制御装置。
【請求項2】
前記初期設計面において
前記変曲位置を探索する変曲位置探索部を備え
る、
請求項1に記載のブレード制御装置。
【請求項3】
前記補正設計面生成部は、規定の補正条件を満足するときに前記補正設計面を生成し、
前記補正条件は、前記第1面と前記第2面とがなす角度が角度閾値以下であること、及び前記第1面に進入する前記作業車両の走行速度が速度閾値以上であること
を含む、
請求項1
又は請求項
2に記載のブレード制御装置。
【請求項4】
前記第1面は、平坦であり、
前記第2面は、平坦であり、
前記第2面は、前記第1面の最下部に接続され、水平面と平行であり、
前記第1距離及び前記第2距離は、前記第2面と平行な方向における前記変曲位置からの距離であり、
前記第1面と前記補正設計面との交点よりも上側の前記第1面と前記補正設計面とがなす角度β1及び前記第2面と前記補正設計面との交点よりも上側の前記第2面と前記補正設計面とがなす角度β2のそれぞれは、前記角度αよりも大きく、
前記補正設計面生成部は、規定の補正条件を満足するときに前記補正設計面を生成し、
前記補正条件は、前記第1面と前記第2面とがなす角度が角度閾値以下であること、及び前記第1面に進入する前記作業車両の走行速度が速度閾値以上であることを含む、
請求項1又は請求項2に記載のブレード制御装置。
【請求項5】
前記作業車両に係る車両データに基づいて前記ブレードの高さを算出する実高さ算出部と、
前記初期設計面に基づいて算出された前記ブレードの目標高さを取得する目標高さ取得部と、
前記補正設計面に基づいて前記目標高さを補正して補正目標高さを生成する目標高さ補正部と、を備え、
前記ブレード制御部は、前記ブレードの刃先が前記初期設計面に位置付けられる状態においては、前記ブレードの刃先の高さと前記目標高さとの偏差が小さくなるように、前記制御指令を出力し、前記ブレードの刃先が前記補正設計面に位置付けられる状態においては、前記ブレードの刃先の高さと前記補正目標高さとの偏差が小さくなるように、前記制御指令を出力する、
請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載のブレード制御装置。
【請求項6】
作業車両のブレードで掘削される掘削対象の目標形状を示す初期設計面において前記作業車両の前方に存在する第1面と前記第1面とは異なる勾配の第2面とを結ぶ補正設計面を生成することと、
前記補正設計面に基づいて前記ブレードの高さを制御する制御指令を出力することと、を含
み、
前記第1面は、前記作業車両の前方に向かって下方に傾斜し、
前記第2面は、前記第1面よりも前方に存在し、前記第1面に接続され、
前記第1面と前記第2面との境界を示す変曲位置よりも上側の前記第1面と前記第2面とがなす角度αは、180[°]よりも小さく、
前記補正設計面は、前記作業車両の進行方向において、前記変曲位置から後方に第1距離に位置する前記第1面の第1部分と、前記変曲位置から前方に第2距離に位置する前記第2面の第2部分とを結ぶように生成される、
ブレード制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレード制御装置及びブレード制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブレードを有する作業車両は、掘削対象の掘削又は整地に使用される。ブレードを設計面に追従させる作業車両が提案されている。設計面とは、掘削対象の目標形状をいう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ブレードは、油圧システムにより駆動する。油圧システムは、ブレード制御装置から出力される制御指令に基づいて駆動する。設計面において異なる勾配の複数の面が存在する場合がある。異なる勾配の面の境界をブレードが通過するとき、制御遅れが発生すると、ブレードは設計面を追従しきれなくなる可能性がある。その結果、ブレードが設計面を超えて掘削対象を掘削してしまい、掘削対象が所望の形状に掘削されない可能性がある。
【0005】
本発明の態様は、掘削対象を所望の形状に掘削することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、作業車両のブレードで掘削される掘削対象の目標形状を示す初期設計面において前記作業車両の前方に存在する第1面と前記第1面とは異なる勾配の第2面とを結ぶ補正設計面を生成する補正設計面生成部と、前記補正設計面に基づいて前記ブレードの高さを制御する制御指令を出力するブレード制御部と、を備えるブレード制御装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の態様によれば、掘削対象を所望の形状に掘削することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る作業車両を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る作業車両を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係るブレード制御装置を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る初期設計面を模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係る補正設計面を模式的に示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係るブレード制御方法を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本実施形態に係る作業車両の動作を模式的に示す図である。
【
図8】
図8は、比較例に係る作業車両の動作を模式的に示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態に係るコンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
以下の説明においては、グローバル座標系及びローカル座標系を規定して、各部の位置関係について説明する。グローバル座標系とは、地球に固定された原点を基準とする座標系をいう。グローバル座標系は、GNSS(Global Navigation Satellite System)によって規定される座標系である。GNSSとは、全地球航法衛星システムをいう。全地球航法衛星システムの一例として、GPS(Global Positioning System)が挙げられる。GNSSは、複数の測位衛星を有する。GNSSは、緯度、経度、及び高度の座標データで規定される位置を検出する。ローカル座標系とは、作業車両1の車体2に固定された原点を基準とする座標系をいう。ローカル座標系において、上下方向、左右方向、及び前後方向が規定される。後述するように、作業車両1は、シート13及び操作装置14が設けられる車体2と、駆動輪15及び履帯17を含む走行装置3とを備える。上下方向とは、履帯17の接地面と直交する方向をいう。左右方向とは、駆動輪15の回転軸と平行な方向をいう。左右方向は、作業車両1の車幅方向と同義である。前後方向とは、左右方向及び上下方向と直交する方向をいう。
【0011】
上方とは、上下方向の一方向をいい、履帯17の接地面から離れる方向をいう。下方とは、上下方向において上方の反対方向をいい、履帯17の接地面に近付く方向をいう。左方とは、左右方向の一方向をいい、操作装置14と正対するようにシート13に着座した作業車両1の運転者を基準として左側の方向をいう。右方とは、左右方向において左方の反対方向をいい、シート13に着座した作業車両1の運転者を基準として右側の方向をいう。前方とは、前後方向の一方向をいい、シート13から操作装置14に向かう方向をいう。後方とは、前後方向において前方の反対方向をいい、操作装置14からシート13に向かう方向をいう。
【0012】
また、上部とは、上下方向において部材又は空間の上側の部分をいい、履帯17の接地面から離れた部分をいう。下部とは、上下方向において部材又は空間の下側の部分をいい、履帯17の接地面に近い部分をいう。左部とは、シート13に着座した作業車両1の運転者を基準としたときの部材又は空間の左側の部分をいう。右部とは、シート13に着座した作業車両1の運転者を基準としたときの部材又は空間の右側の部分をいう。前部とは、前後方向において部材又は空間の前側の部分をいう。後部とは、前後方向において部材又は空間の後側の部分をいう。
【0013】
[作業車両]
図1は、本実施形態に係る作業車両1を示す図である。
図2は、本実施形態に係る作業車両1を模式的に示す図である。本実施形態においては、作業車両1がブルドーザであることとする。作業車両1は、車体2と、走行装置3と、作業機4と、油圧シリンダ5と、位置センサ6と、傾斜センサ7と、速度センサ8と、作動量センサ9と、ブレード制御装置10とを備える。
【0014】
車体2は、運転室11とエンジン室12とを有する。エンジン室12は、運転室11の前方に配置される。運転室11には、運転者が着座するシート13と、運転者に操作される操作装置14とが配置される。操作装置14は、作業機4を操作するための作業レバー及び走行装置3を操作するための走行レバーを含む。
【0015】
走行装置3は、車体2を支持する。走行装置3は、スプロケットと呼ばれる駆動輪15と、アイドラと呼ばれる遊動輪16と、駆動輪15及び遊動輪16に支持される履帯17とを有する。遊動輪16は、駆動輪15の前方に配置される。駆動輪15は、油圧モータのような駆動源が発生する動力により駆動する。駆動輪15は、操作装置14の走行レバーの操作により回転する。駆動輪15が回転して履帯17が回転することにより作業車両1が走行する。
【0016】
作業機4は、車体2に移動可能に支持される。作業機4は、リフトフレーム18とブレード19とを有する。
【0017】
リフトフレーム18は、車幅方向に延在する回転軸AXを中心に上下方向に回動可能に車体2に支持される。リフトフレーム18は、球関節部20、ピッチ支持リンク21、及び支柱部22を介して、ブレード19を支持する。
【0018】
ブレード19は、車体2の前方に配置される。ブレード19は、球関節部20に接触する自在継手23と、ピッチ支持リンク21に接触するピッチング継手24とを有する。ブレード19は、リフトフレーム18を介して、車体2に移動可能に支持される。ブレード19は、リフトフレーム18の上下方向の回動に連動して、上下方向に移動する。
【0019】
ブレード19は、刃先19Pを有する。刃先19Pは、ブレード19の下端部に配置される。掘削作業又は整地作業において、刃先19Pが掘削対象を掘削する。
【0020】
油圧シリンダ5は、作業機4を移動させる動力を発生する。油圧シリンダ5は、リフトシリンダ25と、アングルシリンダ26と、チルトシリンダ27とを含む。
【0021】
リフトシリンダ25は、ブレード19を上下方向(リフト方向)に移動可能な油圧シリンダ5である。リフトシリンダ25は、車体2及びリフトフレーム18のそれぞれに連結される。リフトシリンダ25が伸縮することによって、リフトフレーム18及びブレード19は、回転軸AXを中心に上下方向に移動する。
【0022】
アングルシリンダ26は、ブレード19を回転方向(アングル方向)に回動可能な油圧シリンダ5である。アングルシリンダ26は、リフトフレーム18及びブレード19のそれぞれに連結される。アングルシリンダ26が伸縮することによって、ブレード19は、回転軸BXを中心に回動する。回転軸BXは、自在継手23の回転軸とピッチング継手24の回転軸とを通る。
【0023】
チルトシリンダ27は、ブレード19を回転方向(チルト方向)に回動可能な油圧シリンダ5である。チルトシリンダ27は、リフトフレーム18の支柱部22とブレード19の右上端部とに連結される。チルトシリンダ27が伸縮することによって、ブレード19は、回転軸CXを中心に回動する。回転軸CXは、球関節部20とピッチ支持リンク21の下端部とを通る。
【0024】
位置センサ6は、作業車両1の車体2の位置を検出する。位置センサ6は、GPS受信機を含み、グローバル座標系における車体2の位置を検出する。位置センサ6の検出データは、車体2の絶対位置を示す車体位置データを含む。
【0025】
傾斜センサ7は、水平面に対する車体2の傾斜角度を検出する。傾斜センサ7の検出データは、車体2の傾斜角度を示す車体角度データを含む。傾斜センサ7は、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)を含む。
【0026】
速度センサ8は、走行装置3の走行速度を検出する。速度センサ8の検出データは、走行装置3の走行速度を示す走行速度データを含む。
【0027】
作動量センサ9は、油圧シリンダ5の作動量を検出する。油圧シリンダ5の作動量は、油圧シリンダ5のストローク長を含む。作動量センサ9の検出データは、油圧シリンダ5の作動量を示す作動量データを含む。作動量センサ9は、油圧シリンダ5のロッドの位置を検出する回転ローラと、ロッドの位置を原点復帰する磁力センサとを有する。なお、作動量センサ9は、作業機4の傾斜角度を検出する角度センサでもよい。また、作動量センサ9は、油圧シリンダ5の回転角度を検出する角度センサでもよい。
【0028】
作動量センサ9は、リフトシリンダ25、アングルシリンダ26、及びチルトシリンダ27のそれぞれに設けられる。作動量センサ9は、リフトシリンダ25のストローク長、アングルシリンダ26のストローク長、及びチルトシリンダ27のストローク長を検出する。
【0029】
図2に示すように、リフトシリンダ25のストローク長Lに基づいて、ブレード19のリフト角θが算出される。リフト角θとは、作業機4の原点位置からのブレード19の下降角度をいう。
図2の二点鎖線で示すように、作業機4の原点位置とは、ブレード19の刃先19Pが履帯17の接地面と平行な所定面に接触したときの作業機4の位置をいう。リフト角θは、所定面と所定面よりも下方に配置された刃先19Pとの距離(貫入深さ)に相当する。ブレード19の刃先19Pが所定面よりも下方に配置された状態で作業車両1が前進することによって、ブレード19による掘削作業又は整地作業が実施される。
【0030】
[ブレード制御装置]
図3は、本実施形態に係るブレード制御装置10を示す機能ブロック図である。ブレード制御装置10は、コンピュータシステムを含む。ブレード制御装置10に目標高さ生成装置30が接続される。目標高さ生成装置30は、コンピュータシステムを含む。
【0031】
ブレード制御装置10は、ブレード19の刃先19Pの高さを制御する制御指令を出力する。制御指令は、ブレード19を上下方向に移動可能なリフトシリンダ25を駆動する駆動指令を含む。
【0032】
ブレード制御装置10は、リフトシリンダ25に供給される作動油の流量及び方向を制御する制御弁28に制御指令を出力することによって、刃先19Pの高さを制御する。ブレード制御装置10から出力される制御指令は、制御弁28を制御する電流を含む。
【0033】
制御弁28は、比例制御弁を含む。制御弁28は、ブレード19を駆動するための作動油を吐出する油圧ポンプ(不図示)とリフトシリンダ25との間の油路に配置される。油圧ポンプは、制御弁28を介して、リフトシリンダ25に作動油を供給する。リフトシリンダ25は、制御弁28により制御された作動油に基づいて駆動する。
【0034】
目標高さ生成装置30は、掘削対象の目標形状を示す初期設計面ISに基づいて、ブレード19の刃先19Pの目標高さを示す目標高さデータを生成する。刃先19Pの目標高さとは、ローカル座標系において初期設計面ISに一致させることができる刃先19Pの位置をいう。
【0035】
<目標高さ生成装置>
目標高さ生成装置30は、設計面データ記憶部31と、外形データ記憶部32と、データ取得部33と、目標高さ算出部34とを含む。
【0036】
設計面データ記憶部31は、掘削対象の目標形状である初期設計面ISを示す初期設計面データを記憶する。初期設計面ISは、掘削対象の目標形状を示す3次元形状データを含む。初期設計面ISは、例えば掘削対象の目標形状に基づいて作成されたCAD(Computer Aided Design)データを含み、設計面データ記憶部31に予め記憶される。
【0037】
なお、設計面データは、作業車両1の外部から通信回線を介して目標高さ生成装置30に送信されてもよい。
【0038】
外形データ記憶部32は、作業車両1の寸法及び形状を示す外形データを記憶する。作業車両1の寸法は、リフトフレーム18の寸法及びブレード19の寸法を含む。作業車両1の形状は、ブレード19の形状を含む。外形データは、作業車両1の設計データ又は諸元データから導出可能な既知データであり、外形データ記憶部32に予め記憶される。
【0039】
データ取得部33は、作業車両1に係るデータを示す車両データを取得する。車両データの少なくとも一部は、作業車両1に設けられている車両データセンサによって検出される。データ取得部33は、車両データセンサから車両データを取得する。車両データセンサは、位置センサ6、傾斜センサ7、及び作動量センサ9を含む。車両データは、車体2の絶対位置を示す車体位置データ、車体2の傾斜角度を示す車体角度データ、リフトシリンダ25のストローク長を示す作動量データ、及び作業車両1の外形データを含む。データ取得部33は、車体位置データを位置センサ6から取得する。データ取得部33は、車体角度データを傾斜センサ7から取得する。データ取得部33は、作動量データを作動量センサ9から取得する。データ取得部33は、外形データを外形データ記憶部32から取得する。
【0040】
データ取得部33は、初期設計面ISを示す初期設計面データを設計面データ記憶部31から取得する。データ取得部33は、作業車両1の寸法及び形状を示す外形データを外形データ記憶部32から取得する。
【0041】
目標高さ算出部34は、車体位置データと、車体角度データと、作動量データと、外形データと、初期設計面データとに基づいて、刃先19Pの目標高さを算出する。
【0042】
<ブレード制御装置>
ブレード制御装置10は、初期設計面取得部101と、変曲位置探索部102と、補正設計面生成部103と、ブレード制御部104と、車両データ取得部120と、実高さ算出部109と、目標高さ取得部110と、目標高さ補正部111とを有する。
【0043】
初期設計面取得部101は、ブレード19で掘削される掘削対象の目標形状を示す初期設計面ISを設計面データ記憶部31から取得する。
【0044】
変曲位置探索部102は、初期設計面ISにおいて作業車両1の前方に存在する第1面F1と第2面F2との境界を示す変曲位置CPを探索する。
【0045】
図4は、本実施形態に係る初期設計面ISを模式的に示す図である。初期設計面ISにおいて、勾配が異なる複数の面が存在する場合がある。
図4に示す例において、作業車両1の前方に、初期設計面ISの第1面F1が存在し、第1面F1よりも前方に第2面F2が存在する。第1面F1の勾配と第2面F2の勾配とは異なる。初期設計面において、第1面F1と第2面F2とがなす角度αは、180[°]よりも小さい。
図4に示す例において、第1面F1は、作業車両1の前方に向かって下方に傾斜する。第2面F2は、実質的に水平面と平行である。第1面F1の最下部に第2面F2が接続される。第1面F1の最下部は、法尻(foot of slope)である。
【0046】
変曲位置探索部102は、初期設計面取得部101により取得された初期設計面データに基づいて、第1面F1と第2面F2との境界を示す変曲位置CPを探索することができる。
【0047】
変曲位置探索部102は、2次元平面において変曲位置CPを探索してもよいし、3次元空間において変曲位置CPを探索してもよい。2次元平面において変曲位置CPを探索する場合、変曲位置探索部102は、ローカル座標系において刃先19Pを通り前後方向に延在する面と初期設計面ISとの交線上で第1面F1と第2面F2との交点を探索することによって、変曲位置CPを特定することができる。3次元空間において変曲位置CPを探索する場合、変曲位置探索部102は、車体2の前方に存在する初期設計面ISの車体2に対する高さデータの変化具合に基づいて、変曲位置CPを特定することができる。
【0048】
補正設計面生成部103は、初期設計面ISにおいて作業車両1の前方に存在する第1面F1と第1面F1とは異なる勾配の第2面F2とを結ぶ補正設計面CSを生成する。
【0049】
図5は、本実施形態に係る補正設計面CSを模式的に示す図である。補正設計面生成部103は、変曲位置CPに基づいて、補正設計面CSを生成する。
【0050】
補正設計面生成部103は、作業車両1の進行方向において、変曲位置CPから後方に第1距離D1に位置する第1面F1の第1部分P1と、変曲位置CPから前方に第2距離D2に位置する第2面F2の第2部分P2とを結ぶように、補正設計面CSを生成する。
【0051】
第1面F1と補正設計面CSとがなす角度β1及び第2面F2と補正設計面CSとがなす角度β2のそれぞれは、角度αよりも大きい。
【0052】
補正設計面生成部103は、規定の補正条件を満足するときに、補正設計面CSを生成する。補正条件は、第1面F1と第2面F2とがなす角度αが角度閾値以下であり、第1面F1に進入する作業車両1の走行速度Vが速度閾値以上であることを含む。
【0053】
角度αは、初期設計面データに基づいて導出可能である。また、補正設計面生成部103は、作業車両1の走行速度Vを示す走行速度データを速度センサ8から取得する。角度閾値及び速度閾値は、予め定められている値であり、補正設計面生成部103に記憶されている。そのため、補正設計面生成部103は、初期設計面取得部101により取得された初期設計面データと、速度センサ8から取得した走行速度データと、角度閾値及び速度閾値とに基づいて、補正条件を満足するか否かを判定することができる。
【0054】
本実施形態において、補正設計面生成部103は、角度α及び走行速度Vに連動するように、第1距離D1及び第2距離D2を設定する。補正設計面生成部103は、角度αが小さいほど第1距離D1及び第2距離D2を長い値に設定し、角度αが大きいほど第1距離D1及び第2距離D2を短い値に設定する。補正設計面生成部103は、走行速度Vが高いほど第1距離D1及び第2距離D2を長い値に設定し、走行速度Vが低いほど第1距離D1及び第2距離D2を短い値に設定する。
【0055】
補正設計面生成部103は、角度αが小さいほど角度β1及び角度β2が大きくなるように、角度αが大きいほど角度β1及び角度β2が小さくなるように、補正設計面CSを生成してもよい。補正設計面生成部103は、走行速度Vが高いほど角度β1及び角度β2が大きくなるように、走行速度Vが低いほど角度β1及び角度β2が小さくなるように、補正設計面CSを生成してもよい。
【0056】
なお、
図5に示す例において、第1距離D1及び第2距離D2は、第2面F2と平行な方向における変曲位置CPからの距離である。第1距離D1として、第1面F1と平行な方向における変曲位置CPからの第1距離D1bが設定されてもよい。
【0057】
車両データ取得部120は、作業車両1に係るデータを示す車両データをデータ取得部33から取得する。上述のように、車両データは、車体位置データ、車体角度データ、作動量データ、及び外形データを含む。車両データ取得部120は、車体位置取得部105と、車体角度取得部106と、作動量取得部107と、外形データ取得部108とを含む。
【0058】
車体位置取得部105は、車体2の位置を示す車体位置データをデータ取得部33から取得する。車体角度取得部106は、車体2の傾斜角度を示す車体角度データをデータ取得部33から取得する。作動量取得部107は、ブレード19を移動可能なリフトシリンダ25の作動量を示す作動量データをデータ取得部33から取得する。外形データ取得部108は、作業車両1の寸法及び形状を示す外形データをデータ取得部33から取得する。
【0059】
実高さ算出部109は、車両データ取得部120により取得された車両データに基づいて、ローカル座標系におけるブレード19の刃先19Pの実際の高さを示す実高さを算出する。すなわち、実高さ算出部109は、車体位置データと、車体角度データと、作動量データと、外形データとに基づいて、ローカル座標系におけるブレード19の刃先19Pの実際の高さを示す実高さを算出する。
【0060】
実高さ算出部109は、作動量データに基づいて、ブレード19のリフト角θを算出する。実高さ算出部109は、リフト角θと外形データとに基づいて、ローカル座標系におけるブレード19の刃先19Pの高さを算出する。なお、実高さ算出部109は、リフト方向のブレード19の角度を示すリフト角θ、アングル方向のブレード19の角度を示すアングル角、及びチルト方向のブレード19の角度を示すアングル角と、外形データに基づいて、刃先19Pの高さを算出してもよい。また、実高さ算出部109は、ローカル座標系の原点と位置センサ6の検出データとに基づいて、グローバル座標系におけるブレード19の刃先19Pの高さを算出することができる。
【0061】
目標高さ取得部110は、目標高さ算出部34で算出された刃先19Pの目標高さを目標高さ算出部34から取得する。
【0062】
目標高さ補正部111は、補正設計面CSに基づいて目標高さを補正して、ブレード19の刃先19Pの補正目標高さを生成する。刃先19Pの補正目標高さとは、ローカル座標系において補正設計面CSに一致させることができる刃先19Pの位置をいう。
【0063】
ブレード制御部104は、補正設計面CSに基づいて、ブレード19の刃先19Pの高さを制御する制御指令を出力する。ブレード制御部104は、補正設計面CSに刃先19Pが一致するように制御指令を出力する。ブレード制御部104は、制御弁28に制御指令を出力する。
【0064】
ブレード制御部104は、ブレード19の刃先19Pが第1部分P1より後方又は第2部分P2より前方に位置する場合、すなわち初期設計面ISに位置付けられる状態においては、実高さ算出部109により算出されたブレード19の刃先19Pの高さと目標高さ取得部110により取得された目標高さとの偏差が小さくなるように、制御指令を出力する。
【0065】
ブレード制御部104は、ブレード19の刃先19Pが第1部分P1と第2部分P2の間に位置する場合、すなわち補正設計面CSに位置付けられる状態においては、実高さ算出部109により算出されたブレード19の刃先19Pの高さと目標高さ補正部111により生成された補正目標高さとの偏差が小さくなるように、制御指令を出力する。
【0066】
[ブレード制御方法]
次に、本実施形態に係るブレード制御方法について説明する。
図6は、本実施形態に係るブレード制御方法を示すフローチャートである。
図6に示す処理は、規定の周期で実施される。
【0067】
初期設計面取得部101は、初期設計面ISを設計面データ記憶部31から取得する(ステップS10)。本実施形態において、作業車両1が前進している状態で、作業車両1の前方の規定範囲(例えば10[m])における初期設計面ISが目標高さ生成装置30からブレード制御装置10に送信される。初期設計面取得部101は、作業車両1の前方の規定範囲における初期設計面ISを設計面データ記憶部31から取得する。初期設計面取得部101は、作業車両1の前進に伴って変化する作業車両1の前方の規定範囲における初期設計面ISを規定の周期で取得する。
【0068】
変曲位置探索部102は、初期設計面取得部101により取得された初期設計面ISにおいて第1面F1と第2面F2との境界を示す変曲位置CPを探索する(ステップS20)。
【0069】
補正設計面生成部103は、初期設計面ISが規定の補正条件を満足するか否かを判定する。補正設計面生成部103は、第1面F1と第2面F2とがなす角度αが角度閾値以下か否かを判定する(ステップS30)。
【0070】
ステップS30において、角度αが角度閾値以下であると判定した場合(ステップS30:Yes)、補正設計面生成部103は、第1面F1を走行する作業車両1の走行速度Vが速度閾値以上か否かを判定する(ステップS40)。
【0071】
ステップS40において、走行速度Vが速度閾値以上であると判定した場合(ステップS40:Yes)、補正設計面生成部103は、補正設計面CSを生成する(ステップS50)。
【0072】
図5を参照して説明したように、補正設計面生成部103は、第1面F1の第1部分P1と第2面F2の第2部分P2とを結ぶように補正設計面CSを生成する。また、角度αが角度閾値を大きく下回っている場合、補正設計面生成部103は、第1距離D1及び第2距離D2を長くした状態で、補正設計面CSを生成する。また、走行速度Vが速度閾値を大きく上回っている場合、補正設計面生成部103は、第1距離D1及び第2距離D2を長くした状態で、補正設計面CSを生成する。
【0073】
目標高さ取得部110は、目標高さ算出部34から刃先19Pの目標高さを取得する。目標高さ補正部111は、目標高さ取得部110から刃先19Pの目標高さを取得する。目標高さ補正部111は、補正設計面生成部103により生成された補正設計面CSに基づいて、刃先19Pの目標高さを補正して、刃先19Pの補正目標高さを算出する。
【0074】
ブレード制御部104は、補正設計面CSに基づいて、ブレード19の高さを制御する制御指令を制御弁28に出力する(ステップS60)。
【0075】
ブレード制御部104は、刃先19Pが初期設計面ISに位置付けられる状態においては、刃先19Pの高さと目標高さとの偏差が小さくなるように、制御指令を出力する。ブレード制御部104は、刃先19Pが補正設計面CSに位置付けられる状態においては、刃先19Pの高さと補正目標高さとの偏差が小さくなるように、制御指令を出力する。
【0076】
ステップS30において、角度αが角度閾値以下でないと判定した場合(ステップS30:No)、又は、ステップS40において、走行速度Vが速度閾値以上でないと判定した場合(ステップS40:No)、補正条件は満足していないため、補正設計面生成部103は、補正設計面CSを生成しない。ブレード制御部104は、初期設計面ISに基づいて、ブレード19の高さを制御する制御指令を制御弁28に出力する。
【0077】
[作用]
図7は、本実施形態に係る作業車両1の動作を模式的に示す図である。作業車両1は前進しながら、ブレード19を用いて掘削対象を掘削する。
図7に示すように、ブレード19の刃先19Pが初期設計面ISの第1面F1に位置付けられる状態においては、刃先19Pの高さと目標高さとの偏差が小さくなるように、すなわち、刃先19Pが第1面F1に一致するように、ブレード19の高さが制御される。
【0078】
補正設計面CSが生成された場合、ブレード制御装置10は、ブレード19の刃先19Pが補正設計面CSに追従するように、ブレード19の高さを制御する。ブレード19の刃先19Pが補正設計面CSに位置付けられる状態においては、刃先19Pの高さと補正目標高さとの偏差が小さくなるように、すなわち、刃先19Pが補正設計面CSに一致するように、ブレード19の高さが制御される。
【0079】
刃先19Pが補正設計面CSを通過した後、ブレード19の刃先19Pが初期設計面ISの第2面F2に位置付けられる状態においては、刃先19Pの高さと目標高さとの偏差が小さくなるように、すなわち、刃先19Pが第2面F2に一致するように、ブレード19の高さが制御される。
【0080】
図8は、比較例に係る作業車両1の動作を模式的に示す図である。第1面F1と第2面F2とがなす角度αが小さかったり、変曲位置CPに進入する作業車両1の走行速度Vが高かったりした場合において、ブレード19が変曲位置CPを通過するとき、ブレード19の制御遅れが発生すると、ブレード19は初期設計面ISを追従しきれなくなる可能性がある。ブレード19の高さ及び移動速度は、油圧により制御されるため、油圧に起因する制御遅れが発生する可能性がある。また、データ通信遅延に起因する制御遅れが発生する可能性がある。ブレード19の制御遅れが発生すると、
図8に示すように、刃先19Pが初期設計面ISの第2面F2を超えた状態でブレード19が掘削対象を掘削してしまい、掘削対象が所望の形状に掘削されない可能性がある。
【0081】
本実施形態においては、角度αが角度閾値以下であり、変曲位置CPに進入する作業車両1の走行速度Vが速度閾値以上である場合において、補正設計面CSが生成される。補正設計面CSは、第1面F1と第2面F2とを結ぶように生成される。これにより、第1面F1と補正設計面CSとがなす角度β1が角度αよりも大きくなるので、ブレード19の制御遅れが発生しても、刃先19Pが補正設計面CSに追従するようにブレード19が制御されることにより、刃先19Pが初期設計面ISを超えることが抑制される。したがって、掘削対象が深掘りされてしまうことが抑制される。
【0082】
[コンピュータシステム]
図9は、本実施形態に係るコンピュータシステム1000を示すブロック図である。上述のブレード制御装置10及び目標高さ生成装置30のそれぞれは、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインターフェース1004とを有する。上述のブレード制御装置10の機能及び目標高さ生成装置30の機能は、プログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、プログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って上述の処理を実行する。なお、プログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0083】
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、規定の補正条件を満足するときに、第1面F1と第2面F2とを結ぶ補正設計面CSが生成される。刃先19Pが補正設計面CSに追従するようにブレード19が制御されることにより、刃先19Pが初期設計面ISを超えることが抑制される。したがって、掘削対象が深掘りされてしまうことが抑制され、掘削対象は所望の形状に掘削される。
【0084】
本実施形態においては、第1面F1と第2面F2との境界を示す変曲位置CPが探索される。これにより、補正設計面生成部103は、変曲位置CPに基づいて、補正設計面CSを生成することができる。また、本実施形態においては、変曲位置CPから第1距離D1(D1b)に位置する第1面F1の第1部分P1と、変曲位置CPから第2距離D2に位置する第2面F2の第2部分P2とを結ぶように補正設計面CSが生成される。これにより、補正設計面生成部103による演算の負荷が軽減される。
【0085】
[他の実施形態]
なお、上述の実施形態においては、補正条件が、第1面F1と第2面F2とがなす角度αが角度閾値以下であること、及び第1面F1に進入する作業車両1の走行速度Vが速度閾値以上であることの両方を含むこととした。補正条件は、第1面F1と第2面F2とがなす角度αが角度閾値以下であること、及び第1面F1に進入する作業車両1の走行速度Vが速度閾値以上であることのいずれか一方でもよい。
【0086】
なお、上述の実施形態において、位置センサ6及び傾斜センサ7の少なくとも一方は、ブレード17に取り付けられていてもよい。
【0087】
なお、上述の実施形態においては、作業車両1がブルドーザである例について説明した。作業車両1は、ブレード機構を有するモータグレーダでもよい。
【符号の説明】
【0088】
1…作業車両、2…車体、3…走行装置、4…作業機、5…油圧シリンダ、6…位置センサ、7…傾斜センサ、8…速度センサ、9…作動量センサ、10…ブレード制御装置、11…運転室、12…エンジン室、13…シート、14…操作装置、15…駆動輪、16…遊動輪、17…履帯、18…リフトフレーム、19…ブレード、19P…刃先、20…球関節部、21…ピッチ支持リンク、22…支柱部、23…自在継手、24…ピッチング継手、25…リフトシリンダ、26…アングルシリンダ、27…チルトシリンダ、28…制御弁、30…目標高さ生成装置、31…設計面データ記憶部、32…外形データ記憶部、33…データ取得部、34…目標高さ算出部、101…初期設計面取得部、102…変曲位置探索部、103…補正設計面生成部、104…ブレード制御部、105…車体位置取得部、106…車体角度取得部、107…作動量取得部、108…外形データ取得部、109…実高さ算出部、110…目標高さ取得部、111…目標高さ補正部、AX…回転軸、BX…回転軸、CS…補正設計面、CX…回転軸、D1…第1距離、D1b…第1距離、D2…第2距離、F1…第1面、F2…第2面、IS…初期設計面、L…ストローク長、P1…第1部分、P2…第2部分、α…角度、β1…角度、β2…角度、θ…リフト角。