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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】レシーバ/ラウドスピーカ
(51)【国際特許分類】
   H04R 25/00 20060101AFI20220621BHJP
【FI】
H04R25/00 A
【請求項の数】 30
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018237601
(22)【出願日】2018-12-19
(65)【公開番号】P2019169933
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-12-15
(31)【優先権主張番号】17210378.0
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503021401
【氏名又は名称】ジーエヌ ヒアリング エー/エス
【氏名又は名称原語表記】GN Hearing A/S
【住所又は居所原語表記】Lautrupbjerg 7, 2750 Ballerup, Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラウリス イーデール キルヒホフ
(72)【発明者】
【氏名】アナス イェルモ ミカエルセン
【審査官】西村 純
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0004005(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0119586(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 25/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
補聴器であって、
コネクタソケットを有する補聴器ハウジングと、
コネクタプラグを有するイヤーピースコネクタと、を備え、
前記イヤーピースコネクタの前記コネクタプラグは、前記補聴器ハウジングに前記イヤーピースコネクタを接続するために前記補聴器ハウジングの前記コネクタソケットに取り外し可能に連結するように構成されており、
前記イヤーピースコネクタの前記コネクタプラグは、
コネクタプラグ本体と、
前記コネクタプラグ本体に対して可動なデッドボルトと、を備え、
前記デッドボルトは、前記コネクタプラグが前記コネクタソケットに連結されているか、または前記コネクタソケットから取り外されているかどうかに関わらず、前記コネクタプラグ本体に機械的に連結される、補聴器。
【請求項2】
前記デッドボルトは、ばねにより作動される、請求項1に記載の補聴器。
【請求項3】
前記コネクタプラグは、ばね力を提供するように構成されるばねを備える、請求項1に記載の補聴器。
【請求項4】
前記コネクタプラグは、
前端と、
反対側に配置される後端と、
前記前端と前記後端との間に延びている自由面であって、前記コネクタプラグが前記コネクタソケットに連結されるときに前記補聴器ハウジングと反対側を向く前記自由面と、を有する、請求項1に記載の補聴器。
【請求項5】
前記コネクタソケットは、後方アンダーカット部を備え、請求項1に記載の補聴器。
【請求項6】
前記コネクタプラグは、前記コネクタプラグの前端から外側に突出する前方延在部を有し、
前記コネクタソケットは、前方アンダーカット部を有し、
前記コネクタプラグの前記前方延在部は、前記コネクタプラグが前記コネクタソケットに連結されるときに前記コネクタソケットの前記前方アンダーカット部と係合するように構成されている、請求項5に記載の補聴器。
【請求項7】
前記デッドボルトは、前記コネクタプラグ本体のスロット内にあり、
前記デッドボルトは、前記コネクタプラグの前端から離れた延在位置と、収容位置との間を可動である、請求項1に記載の補聴器。
【請求項8】
前記補聴器ハウジングは、前記補聴器のユーザの耳の後ろに配置されるように構成されている、請求項1に記載の補聴器。
【請求項9】
前記イヤーピースコネクタの前記コネクタプラグは、前記補聴器のユーザの耳の中に配置されるように構成されたレシーバに接続されている、または接続するように構成されている、請求項1に記載の補聴器。
【請求項10】
前記デッドボルトは、傾斜面を有するデッドボルト端を備える、請求項1に記載の補聴器。
【請求項11】
前記イヤーピースコネクタから延びるチューブまたはケーブルをさらに備え、
前記補聴器ハウジングは、前記チューブまたは前記ケーブルの一部を収容するためのチャネルを備える、請求項1に記載の補聴器。
【請求項12】
補聴器であって、
コネクタソケットを有する補聴器ハウジングと、
コネクタプラグを有するイヤーピースコネクタと、を備え、
前記イヤーピースコネクタの前記コネクタプラグは、前記補聴器ハウジングに前記イヤーピースコネクタを接続するために前記補聴器ハウジングの前記コネクタソケットに取り外し可能に連結するように構成されており、
前記イヤーピースコネクタの前記コネクタプラグは、
コネクタプラグ本体と、
前記コネクタプラグ本体に対して可動なデッドボルトと、を備え、
前記コネクタプラグは、ばねを備え、
前記デッドボルトは、前記ばねのばね力に抗した方向に可動であるノブを備える、補聴器。
【請求項13】
前記ノブは、前記コネクタプラグ本体内のノブチャネルを通って延びており、
前記ノブは、前記デッドボルトを移動させるためにユーザにより操作可能である、請求項12に記載の補聴器。
【請求項14】
前記補聴器ハウジングは、前記補聴器のユーザの耳の後ろに配置されるように構成されている、請求項12に記載の補聴器。
【請求項15】
前記イヤーピースコネクタの前記コネクタプラグは、前記補聴器のユーザの耳の中に配置されるように構成されたレシーバに接続されている、または接続するように構成されている、請求項12に記載の補聴器。
【請求項16】
前記デッドボルトは、傾斜面を有するデッドボルト端を備える、請求項12に記載の補聴器。
【請求項17】
前記イヤーピースコネクタから延びるチューブまたはケーブルをさらに備え、
前記補聴器ハウジングは、前記チューブまたは前記ケーブルの一部を収容するためのチャネルを備える、請求項12に記載の補聴器。
【請求項18】
補聴器であって、
コネクタソケットを有する補聴器ハウジングと、
コネクタプラグを有するイヤーピースコネクタと、を備え、
前記イヤーピースコネクタの前記コネクタプラグは、前記補聴器ハウジングに前記イヤーピースコネクタを接続するために前記補聴器ハウジングの前記コネクタソケットに取り外し可能に連結するように構成されており、
前記イヤーピースコネクタの前記コネクタプラグは、
コネクタプラグ本体と、
前記コネクタプラグ本体に対して可動なデッドボルトと、を備え、
前記デッドボルトは、1つ以上の突起を有し、
前記デッドボルトは、前記1つ以上の突起が前記コネクタソケット内に配置されることを許容する収容位置と、前記1つ以上の突起の少なくとも一部が前記コネクタソケットと係合するために前記コネクタプラグ本体の外部にある延在位置と、の間で、前記コネクタプラグ本体に対して可動である、補聴器。
【請求項19】
前記コネクタプラグは、前記デッドボルトを前記延在位置に向けて付勢するばね要素をさらに備える、請求項18に記載の補聴器。
【請求項20】
前記1つ以上の突起のうちの1つの先端は、傾斜面を有する、請求項18に記載の補聴器。
【請求項21】
前記1つ以上の突起は、前記コネクタソケットの後方アンダーカット部とスナップ式で係合および/または係合解除するように構成されている、請求項18に記載の補聴器。
【請求項22】
前記補聴器ハウジングは、前記補聴器のユーザの耳の後ろに配置されるように構成されている、請求項18に記載の補聴器。
【請求項23】
前記イヤーピースコネクタの前記コネクタプラグは、前記補聴器のユーザの耳の中に配置されるように構成されたレシーバに接続されている、または接続するように構成されている、請求項18に記載の補聴器。
【請求項24】
前記デッドボルトは、傾斜面を有するデッドボルト端を備える、請求項18に記載の補聴器。
【請求項25】
前記イヤーピースコネクタから延びるチューブまたはケーブルをさらに備え、
前記補聴器ハウジングは、前記チューブまたは前記ケーブルの一部を収容するためのチャネルを備える、請求項18に記載の補聴器。
【請求項26】
補聴器であって、
コネクタソケットを有する補聴器ハウジングと、
コネクタプラグを有するイヤーピースコネクタと、を備え、
前記イヤーピースコネクタの前記コネクタプラグは、前記補聴器ハウジングに前記イヤーピースコネクタを接続するために前記補聴器ハウジングの前記コネクタソケットに取り外し可能に連結するように構成されており、
前記イヤーピースコネクタの前記コネクタプラグは、
コネクタプラグ本体と、
前記コネクタプラグ本体に対して可動なデッドボルトと、を備え、
前記コネクタソケットは、後方アンダーカット部を備え、
前記デッドボルトは、1つ以上の突起を有し、
前記デッドボルトは、前記1つ以上の突起が前記コネクタソケット内に配置されることを許容する収容位置と、前記1つ以上の突起の少なくとも一部が前記コネクタソケットの前記後方アンダーカット部と係合した状態にある延在位置と、の間で、前記コネクタプラグ本体に対して可動である、補聴器。
【請求項27】
前記補聴器ハウジングは、前記補聴器のユーザの耳の後ろに配置されるように構成されている、請求項26に記載の補聴器。
【請求項28】
前記イヤーピースコネクタの前記コネクタプラグは、前記補聴器のユーザの耳の中に配置されるように構成されたレシーバに接続されている、または接続するように構成されている、請求項26に記載の補聴器。
【請求項29】
前記デッドボルトは、傾斜面を有するデッドボルト端を備える、請求項26に記載の補聴器。
【請求項30】
前記イヤーピースコネクタから延びるチューブまたはケーブルをさらに備え、
前記補聴器ハウジングは、前記チューブまたは前記ケーブルの一部を収容するためのチャネルを備える、請求項26に記載の補聴器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補聴器に関する。特に、本発明は、補聴器ハウジングと、補聴器ハウジング内に配置されたコネクタソケットと、コネクタプラグを有するイヤーピースコネクタと、を備え、コネクタソケットおよびコネクタプラグは、補聴器ハウジングにコネクタを接続するためにコネクタプラグがコネクタソケットに着脱可能に取り付けられるように構成される、補聴器に関する。
【背景技術】
【0002】
上述の種類の補聴器において、様々な異なる実施形態が知られている。着脱可能に相互接続される別々のユニットとして、補聴器ハウジングおよびコネクタを設けることの目的は、ユーザが必ずしも補聴器全体を交換することなく、部品を交換できるようにすることである。
【0003】
これは、BTE型の補聴器について特に重要である。この補聴器では、補聴器ハウジングが「耳の後ろ(Behind The Ear)」に配置されて、コネクタが補聴器ハウジングとイヤープラグを接続するものである。このイヤープラグは、「耳の中(In The Ear)」に配置可能なRIE型のレシーバを備える。
【0004】
このことから、補聴器の最適な音質と性能を維持するために、可能な限り最高のコンディションを保つことが簡易であり且つコスト効率の良いRIE補聴器を提供することに関して、研究開発が進んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、特に例えば消耗したレシーバを有するコネクタの交換の際に、例えば専用の器具を使うことなく、少ない交換部品のみを使用して、ユーザがメンテナンス可能な補聴器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これは、冒頭に記載の補聴器において、コネクタプラグが、コネクタプラグ本体内に可動に配置された別個のデッドボルトを有するコネクタプラグ本体を備えることで実現される。
【0007】
好ましい実施形態では、コネクタプラグは、前端と、反対側に配置される後端と、前端と後端との間に延びており、前記コネクタプラグが前記コネクタソケット内に取り付けられるときに前記補聴器ハウジングと反対側を向く自由面と、を有し、前記イヤーピースコネクタは、前記コネクタプラグの前記後端から延びている。
【0008】
この関係で、コネクタソケットは、好ましくは、コネクタソケットに取り付けられるときにコネクタプラグの後端の外側に配置される後方アンダーカット部を備えてもよく、別個のデッドボルトは、1つ以上の突起を有してもよい。1つ以上の突起は、1つ以上の突起がコネクタプラグ本体内に収容される収容位置と、1つ以上の突起がコネクタプラグ本体の後端から延びておりコネクタソケット内の後方アンダーカット部と係合する延在位置との間で、別個のデッドボルトがコネクタプラグ本体内で移動可能となるように配置される。
【0009】
コネクタプラグは、デッドボルトを延在位置に移動させるように付勢するばね要素をさらに備えてもよい。
【0010】
さらに好ましい実施形態では、1つ以上の突起の先端は、1つ以上の突起が後方アンダーカット部とスナップ式で係合および/または係合解除することができるように配置される傾斜面を有する。
【0011】
さらに、コネクタプラグは、コネクタプラグの前端から外側に突出する前方延在部を有利に有してもよく、コネクタソケットは、前方アンダーカット部を有してもよい。前方アンダーカット部は、コネクタプラグがコネクタソケット内に取り付けられるときに前方延在部が前方アンダーカット部と係合するように配置される。
【0012】
好ましくは、別個のデッドボルトは、コネクタプラグ本体内のノブチャネルを通っており、自由面よりも下側に離間して配置されるスロット内に配置されてもよい。スロットは、別個のデッドボルトが、コネクタプラグの前端から相対的に離れたその延在位置と、コネクタプラグの前端に最も近いその収容位置との間で摺動できるように構成されている。
【0013】
ここで、別個のデッドボルトは、その延長位置に摺動するようにデッドボルトを付勢するために配置されている板ばね等のばねを有利に備えてもよい。
【0014】
デッドボルトは、コネクタプラグ本体内のノブチャネルを通っており、前記自由面よりも上側に離間して延びる取り外しノブをさらに備えてもよく、ノブチャネルは、自由面に沿った方向に取り外しノブを押すだけで、ユーザが別個のデッドボルトをばねの力に抗した方向に摺動させ、コネクタプラグが補聴器ハウジングとの係合から取り外されるその収容位置内に摺動させることができるように構成される。
【0015】
本発明は、コネクタが補聴器ハウジングとイヤープラグを接続するシンプルな音響管である補聴器等の、様々な種類の補聴器に対して有用である。ただし、好ましい実施形態では、補聴器ハウジングは、BTE型として補聴器ユーザの耳の後ろに掛けられるように構成され、コネクタソケットは、RIE型として補聴器ユーザの耳の中に配置されて使用されるレシーバに接続される、または接続されるように構成される。ここで、コネクタは、ユーザの耳内のレシーバを補聴器ハウジング内に配置された電気部品と接続するために必要な電気配線を備える。コネクタプラグ本体とコネクタソケットとは、この目的に即した必要な電気接点を備える。
【0016】
以下に、添付の図に示す実施形態を参照に、本発明をより詳細に説明する。図示の実施形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲を限定するものでないことに特に留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る補聴器の一部を示す斜視図である。
図2】本発明に係るコネクタプラグを有しており図1に示すようなコネクタを異なる方向から見た斜視図である。
図3】本発明に係るコネクタプラグを有しており図1に示すようなコネクタを異なる方向から見た斜視図である。
図4】本発明に係る補聴器の別実施形態の断面を示す原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1図2図3は全て、本発明に係る補聴器を部分的に示す斜視図である。この実施形態では、補聴器はBTE-RIE型である。補聴器は、イヤープラグと補聴器ハウジングという2つの別個のユニットを備える。イヤープラグは、ユーザの耳内に配置されるレシーバを少なくとも有する。補聴器ハウジングは、補聴器の機能に必要な、マイクロホン、バッテリ、処理部等の残りの電子部品のほぼ全てを備える。ここで、コネクタは、電子部品間の電気接続に利用される導電体/電気配線のセットを備える。電子部品は、イヤープラグ内のレシーバと、補聴器ハウジング内の残りの電子部品である。しかしながら、本発明の原理は、この種のあらゆる補聴器に適用可能であり、当業者であれば、補聴器の多くの異なる電子部品の構成を容易に提案できるであろう。さらに、本発明はまた、すべての必要な電子部品、または少なくともレシーバが補聴器ハウジング内に配置される補聴器に適用することができる。本発明のそのような実施形態では、コネクタは、補聴器ハウジング内に配置されたレシーバから、イヤープラグに音声を導く音響管を備えてもよい。
【0019】
図1は、補聴器ハウジング1を有する、本発明に係る組み立てられた補聴器を示す。補聴器ハウジング1は、イヤーピースコネクタ3を有する。イヤーピースコネクタ3は、自由端(図示省略)に配置されるレシーバを有するイヤープラグを有し、コネクタソケット2に配置されるコネクタプラグ4を介して補聴器ハウジング1に接続されている。イヤーピースコネクタ3は、コネクタプラグ本体5から、応力緩和チャネル7を介して延びている。コネクタプラグ4は、補聴器ハウジング1の外面と同一平面上にある上部自由面8を有する。コネクタプラグ4は、凸状面領域9を有する。凸状面領域9により、ユーザは、例えば爪を、コネクタプラグ4の上部自由面8と同一平面上にある上面を有する取り外しノブ10に押し当てながら、凸状面領域9に沿って滑らせるだけで、補聴器ハウジング1内のコネクタソケットからコネクタプラグ4を取り外すことができる。したがって、補聴器ハウジング内のコネクタソケットからコネクタプラグ本体5を取り外すための専用器具を使用する必要性が回避される。
【0020】
図2および図3は、図1に示すコネクタプラグ4をより詳細に示す。この本発明の実施形態によると、コネクタプラグ4は、前端11と後端12とを有し、後端12からイヤーピースコネクタ3が延びている。デッドボルト6は、コネクタプラグ4の前端11と後端12との間に配置されるスロット13内に摺動可能に配置される。デッドボルト6は、コネクタプラグ4の自由面8から外部に延びる取り外しノブ10を有する。この結果、ユーザは、ノブチャネル16内で取り外しノブ10を摺動させ、これによりスロット13内でデッドボルト6を摺動させることができる。
【0021】
この実施形態では、デッドボルト6は、熱可塑性材料を射出形成することで作製され、コネクタプラグ4の後端12から外部に延びる突起を有し、反対側の端に一体成型された板ばね14を有する。板ばね14が圧縮されると、板ばね14は、デッドボルト6を付勢するように配置される。これにより、デッドボルト6は図2および図3に示す位置まで、スロット13内で摺動する。図4に示すように、突起19は、コネクタプラグ4の後端12から外部に延びて、補聴器ハウジング1内に配置されたアンダーカット部18に係合する。
【0022】
コネクタプラグ4の前端11には、コネクタプラグ4の前端11に配置される固定延在部15が設けられている。図4に示すように、固定延在部15は、補聴器ハウジング1に配置されるアンダーカット部17に係合する。デッドボルト6は、突起19に配置される下部および上部傾斜面20、21を有するため、ユーザは、次のようにするだけで、補聴器ハウジング1にコネクタプラグ4を容易に取り付けることができる。まずコネクタプラグ4の前端11上の固定延在部15を補聴器ハウジング1内のアンダーカット部17内に配置し、次にコネクタプラグ4を、補聴器ハウジング1内のコネクタソケット2に押し込む。これにより、下部傾斜面20は、デッドボルト6を付勢して、板ばね14の力に抗して摺動するようにする。デッドボルト6の突起19が補聴器ハウジング1内のアンダーカット部18に位置合わせされると、板ばね14はデッドボルト6を後ろに摺動させるように付勢して、その結果、突起19がアンダーカット部18に係合する。
【0023】
この位置では、コネクタプラグ4は補聴器ハウジング1内のコネクタソケット2に強固に取り付けられ、あらゆる電気接点、および/または音響管(図示省略)が位置合わせされているので、補聴器の適切な機能が保証される。しかしながら、この位置では、イヤーピースコネクタ3に十分な引張力が加わると、上部傾斜面21の設計により、イヤーピースコネクタ3がコネクタプラグ4から引き出される前に、デッドボルト6の突起19が、自動的に補聴器ハウジング1内のアンダーカット部18から外れる。
【0024】
いくつかの実施形態を詳細に説明および図示してきたが、本発明はこれらに限定されず、添付の特許請求の範囲に定義された主題の範囲において、別の形で実施され得る。特に、本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が用いられ、構造的および機能的変形を加え得ることが理解されよう。上述のように、例えば、本発明によってもたらされる効果は特にBTE-RIE型補聴器に関するものであるが、本発明を上述のBTE-RIE型以外の別の種類の補聴器に適用し得ることは当業者には明白であろう。
【0025】
いくつかの特徴を列挙した装置クレームにおいて、これら特徴の内の一部を単一のハードウェア装置で実施することができる。ある手段が互いに異なる従属クレームにおいて言及されている、または異なる実施形態に記載されているという事実をもって、これらの手段を組み合わせて効果を得ることはできないとは言えない。
【0026】
本明細書で使用する「備える、備えている」という語は、記載された特徴、整数、工程、または構成要素を特定するものであるが、1つ以上の別の特徴、整数、工程、構成要素、またはこれらの群の存在や追加を排除するものではない。
【0027】
以下の項目は、出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
補聴器であって、
コネクタソケットを有する補聴器ハウジングと、
コネクタプラグを有するイヤーピースコネクタと、を備え、
前記コネクタソケットと前記コネクタプラグは、前記補聴器ハウジングに前記コネクタを接続するために前記コネクタプラグが前記コネクタソケットに取り外し可能に取り付けられるように構成されており、
前記コネクタプラグは、コネクタプラグ本体を備え、
前記コネクタプラグ本体は、前記コネクタプラグ本体内で可動に配置される別個のデッドボルトを有する、補聴器。
(項目2)
前記別個のデッドボルトは、ばねにより作動される、項目1に記載の補聴器。
(項目3)
前記コネクタプラグは、ばね力を提供するように構成されるばねを備える、項目1または2に記載の補聴器。
(項目4)
前記別個のデッドボルトは、取り外しノブを備え、
前記取り外しノブは、前記取り外しノブを操作することで、ユーザが前記別個のデッドボルトを前記ばねの前記力に抗した方向に摺動させることができるように構成される、項目1から3のいずれか一項に記載の補聴器。
(項目5)
前記コネクタプラグは、
前端と、
反対側に配置される後端と、
前記前端と前記後端との間に延びており、前記コネクタプラグが前記コネクタソケット内に取り付けられるときに前記補聴器ハウジングと反対側を向く自由面と、を有し、
前記イヤーピースコネクタは、前記コネクタプラグの前記後端から延びる、項目1に記載の補聴器。
(項目6)
前記別個のデッドボルトは、1つ以上の突起を有し、
前記1つ以上の突起は、前記1つ以上の突起が前記コネクタプラグ本体内に収容される収容位置と、前記1つ以上の突起が前記コネクタプラグ本体から延びており前記コネクタソケットと係合する延在位置との間で、前記別個のデッドボルトが前記コネクタプラグ本体内で移動可能となるように配置される、項目1に記載の補聴器。
(項目7)
前記コネクタソケットは、前記コネクタソケットに取り付けられるときに前記コネクタプラグの前記後端の外側に配置される後方アンダーカット部を備え、
前記別個のデッドボルトは、1つ以上の突起を有し、
前記1つ以上の突起は、前記1つ以上の突起が前記コネクタプラグ本体内に収容される収容位置と、前記1つ以上の突起が前記コネクタプラグ本体の前記後端から延びており前記コネクタソケット内の前記後方アンダーカット部と係合する延在位置との間で、前記別個のデッドボルトが前記コネクタプラグ本体内で移動可能となるように配置される、項目1または5に記載の補聴器。
(項目8)
前記コネクタプラグは、前記別個のデッドボルトを前記延在位置に移動させるように付勢するばね要素をさらに備える、項目6または7に記載の補聴器。
(項目9)
前記1つ以上の突起の先端は、前記1つ以上の突起が前記後方アンダーカット部とスナップ式で係合および/または係合解除することができるように配置される傾斜面を有する、項目6から8のいずれか一項に記載の補聴器。
(項目10)
前記コネクタプラグは、前記コネクタプラグの前記前端から外側に突出する前方延在部を有し、
前記コネクタソケットは、前方アンダーカット部を有し、
前記前方アンダーカット部は、前記コネクタプラグが前記コネクタソケット内に取り付けられるときに前記前方延在部が前記前方アンダーカット部と係合するように配置される、項目5から9のいずれか一項に記載の補聴器。
(項目11)
前記別個のデッドボルトは、前記コネクタプラグ本体内で前記自由面よりも下側に離間して配置されるスロット内に配置されており、
前記スロットは、前記別個のデッドボルトが、前記コネクタプラグの前記前端から離れたその延在位置と、前記コネクタプラグの前記前端に近いその収容位置との間で摺動できるように構成される、項目1から10のいずれか一項に記載の補聴器。
(項目12)
前記別個のデッドボルトは、前記コネクタプラグ本体内のノブチャネルを通っており、前記自由面よりも上側に離間して延びる取り外しノブを備え、
前記ノブチャネルは、前記取り外しノブを押すことで、ユーザが前記別個のデッドボルトを前記ばねの前記力に抗した方向に摺動させることができるように構成される、項目5から11のいずれか一項に記載の補聴器。
(項目13)
前記補聴器ハウジングは、BTE型として、補聴器ユーザの耳の後ろに掛けられるように構成されており、
前記コネクタソケットと、前記コネクタプラグと、前記イヤーピースコネクタとは、RIE型として、前記補聴器ユーザの前記耳の中に配置されるように構成されたレシーバに接続される、または接続されるように構成される、項目1から12のいずれか一項に記載の補聴器。
図1
図2
図3
図4