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  • 特許-リン酸塩含有肥料の製造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】リン酸塩含有肥料の製造
(51)【国際特許分類】
   C05B 15/00 20060101AFI20220621BHJP
   C01B 25/37 20060101ALI20220621BHJP
   C05F 7/00 20060101ALI20220621BHJP
   C02F 11/121 20190101ALI20220621BHJP
   C02F 11/145 20190101ALI20220621BHJP
   C02F 11/143 20190101ALI20220621BHJP
   C02F 11/13 20190101ALI20220621BHJP
   C02F 11/00 20060101ALI20220621BHJP
   A61L 2/16 20060101ALI20220621BHJP
   A61L 2/10 20060101ALI20220621BHJP
   A61L 2/04 20060101ALI20220621BHJP
   A61L 11/00 20060101ALI20220621BHJP
   A61L 101/02 20060101ALN20220621BHJP
   A61L 101/22 20060101ALN20220621BHJP
   A61L 101/10 20060101ALN20220621BHJP
【FI】
C05B15/00 ZAB
C01B25/37 Z
C05F7/00
C02F11/121
C02F11/145
C02F11/143
C02F11/13
C02F11/00 C
A61L2/16
A61L2/10
A61L2/04
A61L11/00
A61L101:02
A61L101:22
A61L101:10
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2018560596
(86)(22)【出願日】2017-05-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-15
(86)【国際出願番号】 EP2017061886
(87)【国際公開番号】W WO2017198735
(87)【国際公開日】2017-11-23
【審査請求日】2019-11-15
(31)【優先権主張番号】1650669-3
(32)【優先日】2016-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】504186286
【氏名又は名称】ケミラ ユルキネン オサケイティエ
【氏名又は名称原語表記】KEMIRA OYJ
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100124707
【弁理士】
【氏名又は名称】夫 世進
(72)【発明者】
【氏名】オウティ グレンフォシュ
(72)【発明者】
【氏名】サマンサ キルユネン
【審査官】岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0099028(US,A1)
【文献】特開昭53-067959(JP,A)
【文献】特表2001-515406(JP,A)
【文献】国際公開第98/041479(WO,A1)
【文献】特開2006-188395(JP,A)
【文献】特開2004-249245(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02666759(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0223979(US,A1)
【文献】特表2002-519290(JP,A)
【文献】米国特許第06893567(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0043025(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C05B 15/00
C01B 25/37
C05F 7/00
C02F 11/121
C02F 11/145
C02F 11/143
C02F 11/13
C02F 11/00
A61L 2/16
A61L 2/10
A61L 2/04
A61L 11/00
A61L 101/02
A61L 101/10
A61L 101/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン酸塩含有肥料生成物を製造する方法であって、
- 廃水処理プロセスからリン酸塩含有沈殿物を提供する工程、
- 前記沈殿物から水を分離して、脱水スラリーケーキを提供する工程、および
- 追加的リン含有化合物を添加または混合する工程
を含み、
廃水処理プロセスは、
リン酸塩を含有する産業および/または都市廃水を一次処理に提供し、この一次処理にて、生下水から、懸濁および浮遊する固体を除去することと、
一次処理後の廃水について、廃水からの有機物質を消費するための微生物を用いて溶解有機物質を除去する生物学的処理を行う二次処理と、
二次処理後の廃水について、化学的または物理的に殺菌を行う三次処理であって、三次処理で処理された廃水についての、河口、低流量河川、サンゴ礁、またはその他の脆弱な生態系への排出を可能にすることとを含み、
リンが、前記一次及び二次処理の間中、水相中に保持され、前記リン酸塩含有沈殿物が、前記廃水処理プロセスの三次処理における水相から、第二もしくは第一鉄、アルミニウム、カルシウム、またはマグネシウムの塩を使用して沈殿され、
前記リン酸塩含有沈殿物のリン酸塩が、リン酸第二鉄、リン酸第一鉄、リン酸水酸化鉄、リン酸一カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸水酸化カルシウム、リン酸アルミニウム、およびリン酸マグネシウムアンモニウムの群から選択される塩であり、
前記方法が、熱的衛生化及び/または化学的衛生化から選択される、衛生化工程をさらに含み、前記衛生化工程は、スラリー、沈殿物または乾燥粒子としての前記リン酸塩含有沈殿物に適用され、
前記熱的衛生化は、50~180℃の温度で行われ、前記化学的衛生化は、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、石灰、過ギ酸、過酢酸、過酸化水素、およびアンモニア、ならびにそれらの任意の組み合わせの群から選択される化合物の添加によって行われる、方法。
【請求項2】
前記リン酸塩含有沈殿物のリン酸塩が、リン酸第二鉄、リン酸第一鉄、リン酸水酸化鉄、およびリン酸アルミニウムの群から選択される塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
窒素含有化合物及びカリウム含有化合物から選択される少なくとも1種の化合物を添加または混合する工程をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記窒素含有化合物が、尿素、硫酸アンモニウム、メチレン尿素、アンモニア、塩化アンモニウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸、およびUAN(尿素および硝酸アンモニウムおよび任意に水)の窒素溶液、ならびにそれらの任意の組み合わせの群から選択され、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記カリウム含有化合物が、硫酸カリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、リン酸カリウム、およびギ酸カリウム、ならびにそれらの任意の組み合わせの群から選択され、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記脱水スラリーケーキが5~70重量%、6~60重量%、7~50重量%、7~40重量%、7~30重量%、および8~20重量%の範囲のいずれか1つから選択される乾燥固体含量を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記脱水スラリーケーキが6~13重量%、7~13重量%、8~13重量%または8~12重量%の範囲のいずれか1つから選択される、乾燥固体含量に対して計算されたリン含量を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記熱的衛生化が50~120℃50~100℃70~95℃、または70~80℃の温度で行われる、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記方法が、
- 前記スラリーをペレット化または造粒して、それぞれ、ペレットまたは顆粒を得る工程
をさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、前記ペレット化または造粒の前に、
- 前記スラリーを混合する工程、及び
- 水を添加する工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、前記脱水スラリーケーキおよび/または前記形成ペレットもしくは顆粒を乾燥させる工程をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記乾燥した脱水スラリーケーキおよび/また前記乾燥した形成ペレットもしくは顆粒が、70~100重量%、80~99.8重量%、90~99.8重量%、95~99.8重量%、および98~99.5重量%の範囲の群から選択される乾燥固体含量を有する、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、任意の順序で、前記ペレットもしくは顆粒を冷却する工程、および/または前記ペレットもしくは顆粒を選別する工程をさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記方法が、前記ペレットまたは顆粒を、好ましくは植物油、鉱油、パーム油、タルク、およびマイカ、ならびにそれらの任意の組み合わせの群から選択される化合物を含むコーティングによってコーティングする工程をさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記リン酸塩含有沈殿物が、乾燥固体含量で、12.6%以下の有機炭素を含有する請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記リン酸塩含有沈殿物が、乾燥固体含量で、8.5~12.6%の有機炭素を含有する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記リン酸塩含有沈殿物が、乾燥固体含量で、0.3mg/kgより少ないカドミウム(Cd)を含有する請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記リン酸塩含有沈殿物が、乾燥固体含量で、0.3mg/kgより少ない鉛(Pb)を含有する請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記追加的リン含有化合物が、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸一カルシウム、リン酸二カルシウムの群から選択されるリン酸塩である請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記リン酸塩含有肥料生成物が、5~85.5~7.5、または6~7のpHを有する、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リン酸塩含有肥料およびそれらの製造に関する。
【背景技術】
【0002】
地球の資源は、多くの仕方で制限されている。多くの努力が、土地の持続可能な耕作方法を提供することに置かれている。増加する人口とともに、大量の作物に対する農業的要求は高い。
【0003】
地球規模の高品質リン酸塩の蓄えは、世界で減少しつつある。リン酸塩の蓄えは、有限な資源であり、常に少なくなっており、それらは、専らリン鉱石として存在する。リン酸塩に対する多くの産業の増加する依存によって、持続可能なリン酸塩管理に対する必要性が急速に増大している。
【0004】
最新技術によれば、リン含有肥料は通常、採掘された未処理リン豊富岩石を酸、硝酸または硫酸で溶解させて、肥料製造のためのリン酸またはスラリーを生成させることによって調製される。このプロセスは、多くの異なるプロセス工程を含む。プロセスは、非常にエネルギーを必要とし、大量の廃棄物を生成させる。例えば、石膏廃棄物および望ましくないガス状排出物、例えば、HFが上記プロセスを使用して形成される。プロセス中の酸の使用は、それが低pHのために、不純物、例えば、岩石からの重金属を浸出させるので、プロセスに影響を与える。重金属のような、不純物は、完成肥料製品にとって望ましくなく、かつ土地の上に置かれるのに適さず、したがって、さらなる処理工程によって除去される必要がある。さらに、プロセスは非常に低いpHで操作されるので、それにより、プロセス設備で腐食が生じ得、したがって、肥料の製造で使用されるプロセス材料に対して高い要求が設定される。次いで、得られたリン酸および/またはリン含有スラリーは、例えば、NPK、NPもしくはPK肥料の肥料製造において、または単一リン酸塩肥料の製造においてリン源として使用される。
【0005】
米国特許出願公開第2009/0314046号明細書には、廃棄生成物からの高リン肥料生成物の製造のための方法が開示されている。肥料生成物は、廃水処理スラッジの焼却によって得られる。
【0006】
しかしながら、今や、リンを含有する廃棄生成物を高温(650℃を超える、例えば、少なくとも800℃)にかけることは、リンを植物にあまり利用できなくさせる望ましくない副作用を与えることが示されている。リンは、植物に施される上記肥料にとって必須部分であるので、植物が肥料を十分に用いることが重要であり、そうでなければ、過剰の投与が必要とされる。不良な利用性を補償するための過剰な投与はまた、使用者にとって費用もかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在の技術を改良するために新規な肥料および製造方法を得ることが望ましい。したがって、生存植物にとって容易に利用可能にされる、リン酸塩豊富肥料を提供するために、新規で、容易な、および/またはより安い仕方を見出すことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、肥料生成物、および廃棄生成物、特に廃水処理、例えば、産業および/または都市廃水処理から上記肥料生成物を製造する方法に関する。
【0009】
本発明は、廃棄生成物から得られた、多量のリンを含有する肥料生成物の製造方法を提供する。特に、この方法では、廃水処理残渣から生成された液体および乾燥肥料生成物の製造が記載される。
【0010】
本発明によれば、リン酸塩は、リン酸塩含有岩石から得られる必要がなくもよく、代わりに再生リン酸塩が、入ってくる材料として使用されてもよい。
【0011】
廃水処理物から生成された残渣またはスラリーは、廃水処理プロセスから除去される高濃度のリンを含有しても、含有するようにされてもよい。次いで、上記残渣またはスラリーは、肥料製造のための入ってくる成分として使用されてもよい。
【0012】
本方法は、公知の製造方法とは異なる。本方法は、リンを溶解させるためにまったく酸を必要としない。代わりに、回収された無機リン酸塩は、肥料製造のリン源としてすぐ使用される。本発明による肥料中に存在するリン酸塩は、生物学的に利用可能であり、かつクエン酸塩可溶性であり、したがって、上記方法に酸はまったく必要とされない。
【0013】
肥料のリン酸塩は、スラリー、脱水スラリーケーキ沈殿物、または乾燥粒子として廃水処理プラントから回収されてもよい。
【0014】
本肥料は、産業および/または都市下水処理プラントからのリン豊富スラリー、脱水スラリーケーキ、沈殿物、または乾燥粒子から生成されてもよい。
【0015】
従来の方法と比較して新規な方法の利点は、より安価で、より簡単な操作、既にリンが中性クエン酸アンモニウム溶液に可溶性であるのでリンを溶解させるために酸が必要とされないこと、毒性ガス放出物がないこと、および石膏廃棄物生成がないことである。さらなる利点は、それが、植物のための微量栄養素として役立つ鉄を含有し得ることである。過リン酸石灰または重過リン酸石灰を上回る利点は、最終生成物のpHが、3未満またはさらには2未満である代わりに、中性に近く、生成物が土壌を酸性化しないことである。
【0016】
本発明の目的は、リン酸塩含有肥料生成物の製造方法であって、
- 廃水処理プロセスからリン酸塩含有沈殿物を提供する工程、
- 沈殿物から水を分離して、脱水スラリーケーキを提供する工程、および
- 任意に、窒素、カリウムおよび追加的リン含有化合物から選択される少なくとも1種の化合物を添加または混合する工程
を含む、方法を提供することである。
【0017】
一実施形態において、リン酸塩含有沈殿物は、廃水処理プロセスの第三次処理における水相から沈殿されてもよい。
【0018】
一実施形態において、リン酸塩含有沈殿物のリン酸塩は、リン酸鉄、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、およびリン酸マグネシウムアンモニウムの群から選択され、例えば、リン酸第二鉄、リン酸第一鉄、リン酸水酸化鉄、リン酸一カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸水酸化カルシウム、リン酸アルミニウム、およびリン酸マグネシウムアンモニウムの群から選択され、例えば、リン酸第二鉄、リン酸第一鉄、リン酸水酸化鉄、およびリン酸アルミニウムの群から選択される塩である。
【0019】
一実施形態において、窒素含有化合物は、尿素、硫酸アンモニウム、メチレン尿素、アンモニア、塩化アンモニウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸、およびUAN(尿素および硝酸アンモニウムおよび任意に水)の窒素溶液、ならびにそれらの任意の組み合わせの群から選択されてもよい。
【0020】
一実施形態において、カリウム含有化合物は、硫酸カリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、リン酸カリウム、およびギ酸カリウム、ならびにそれらの任意の組み合わせの群から選択されてもよい。
【0021】
一実施形態において、脱水スラリーケーキは、4~80重量%の、好ましくは5~70重量%、6~60重量%、7~50重量%、7~40重量%、7~30重量%、および8~20重量%の範囲のいずれか1つから選択される乾燥固体含量を有する。
【0022】
一実施形態において、脱水スラリーケーキは、約4~30重量%、例えば、4~25重量%、4~17重量%、4~13重量%、6~13重量%、7~13重量%、8~13重量%、または8~12重量%の、乾燥固体含量に対して計算されたリン含量を有する。
【0023】
一実施形態において、本方法は、好ましくは熱的衛生化、化学的衛生化、オゾン化、およびUV線の群から選択される、衛生化工程をさらに含む。
【0024】
一実施形態において、熱的衛生化は、約50~180℃、例えば、50~120℃、50~100℃、70~95℃、または70~80℃の温度で行われる。
【0025】
一実施形態において、化学的衛生化は、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、石灰、過ギ酸、過酢酸、過酸化水素、およびアンモニア、ならびにそれらの任意の組み合わせの群から選択される化合物の添加によって行われる。
【0026】
一実施形態において、本方法は、
- 任意に、上記スラリーを混合する工程、
- 任意に、水を添加する工程、および
- スラリーをペレット化または造粒して、ペレットまたは顆粒を得る工程
をさらに含む。
【0027】
本明細書でのペレット化および造粒は、スラリー材料を扱いやすい単位に形成するプロセスとして解釈されることが意図される。扱いやすい単位は、ペレットおよび/または顆粒として示されてもよい。
【0028】
一実施形態において、本方法は、脱水スラリーケーキおよび/または形成ペレットもしくは顆粒を乾燥させる工程をさらに含む。
【0029】
一実施形態において、乾燥脱水スラリーケーキおよび/または任意に、乾燥形成ペレットもしくは顆粒は、70~100重量%、80~99.8重量%、90~99.8重量%、95~99.8重量%、および98~99.5重量%の範囲の群から選択される乾燥固体含有量を有する。
【0030】
一実施形態において、本方法は、任意の順序で、ペレットもしくは顆粒を冷却する工程および/またはペレットもしくは顆粒を選別する工程をさらに含む。一実施形態において、本方法は、乾燥脱水スラリーケーキを冷却する工程をさらに含む。一実施形態において、本方法は、例えば、熱的衛生化後の、衛生化脱水スラリーケーキを冷却する工程をさらに含む。
【0031】
一実施形態において、本方法は、好ましくは植物油、鉱油、パーム油、タルク、およびマイカ、ならびにそれらの任意の組み合わせの群から選択される化合物を含むコーティングによって、ペレットまたは顆粒をコーティングする工程をさらに含む。
【0032】
本発明の目的は、廃水処理プロセスから得られたリン酸塩を含む肥料を提供することである。
【0033】
本発明の目的は、本方法から得られる肥料を提供することである。
【0034】
本発明の目的は、肥料の製造における廃水処理から得られたリン酸塩の使用を提供することである。
【0035】
本発明の目的は、栽培培地、例えば、土壌での、肥料、または本方法で得られる肥料の使用を提供することである。
【0036】
一実施形態において、本方法または肥料は、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウム、およびそれらの任意の組み合わせの群から選択され、例えば、カルシウム、鉄、およびアルミニウム、ならびにそれらの任意の組み合わせから選択され、好ましくは鉄および/またはアルミニウムから選択される金属を含む任意の塩であるリン酸塩を有している。
【0037】
一実施形態において、本方法または肥料は、5~8、例えば、5.5~7.5、または6~7の上記肥料を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、肥料製造のための本方法の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明は、肥料およびそれらの製造方法を提供する。
【0040】
肥料を得るために使用されるリン含有材料は、好ましくは廃水処理プロセスから得られる。処理される廃水は、産業および/または都市廃水であってもよい。リン含有材料は、廃水処理プロセスからの残渣またはスラリーであってもよい。肥料は、廃水処理プロセスからのリン酸塩含有スラリーから得られてもよい。
【0041】
都市廃水処理プラントは、下水を処理して、受容者に放出することができ、設定要件を満たす精製廃水流出物を得る。下水は、居住、機関、商業、および産業施設により生じ、下水道に流出するトイレ、浴室、シャワー、台所、および流しからの家庭廃液を含む。多くの分野において、下水には、産業および商業からの液体廃棄物も含まれる。例えば、下水道からの、廃水の処理は一般に、一次、二次および三次処理と呼ばれる、3つの段階を伴う。
【0042】
廃水は、水中で望ましくないたくさんの異なる物質を含有する。
【0043】
前処理により、生下水または廃水から容易に収集され得るすべての材料を、それらが一次処理装置のいずれかのポンプおよび下水ラインを損傷する前に除去する。前処理中に通常除去される物体には、ごみ、大枝、葉、小枝、および他の大きな物体が含まれる。
【0044】
一次処理は、生下水から大きな、懸濁した、および浮遊する固体を除去するように設計される。それには、固体物体を捕捉するための選別、および懸濁固体を除去するための重力による沈降を含む。このレベルは、時に「機械的処理」と称されるけれども、化学薬品が沈降プロセスを促進するためにしばしば使用される。一次処理は、通常は廃水処理の第1の段階である。一次処理で得られる一次スラッジであるスラッジは、さらなる処理および再使用に供されてもよい。スラッジは、堆肥にされ、埋立地に置かれ、脱水または乾燥されて、含水量を減少させ、および/またはメタン生産のために分解されてもよい。
【0045】
一次処理後、廃水は二次処理に向けられ、これは生物学的処理を含み、一次処理を免れる、溶解有機物質、リンおよび窒素を除去する。これは、有機物質を消費し、それを二酸化炭素、水、ならびにそれら自身の成長および繁殖のエネルギーに変換する微生物によって達成される。
【0046】
あるいは、廃水は、一次処理後に生物学的リン除去法(EBPR)にかけられてもよい。
【0047】
二次処理は、排出または三次処理前に処理水から微生物、およびより多くの懸濁固体を除去するために分離プロセス(「二次沈殿」)を必要としてもよい。
【0048】
三次処理は、時に、高度に感受性または脆弱な生態系(河口、低流量河川、サンゴ礁など)中への排除を可能にするために、一次および二次処理以上のものと定義される。処理水は、時に受容者または再使用への排出前に化学的または物理的に(例えば、ラグーンおよび精密ろ過によって)殺菌される。典型的な三次処理プロセスの一例は、さらなるリンおよび/または窒素を除去するための従来の二次処理の改良である。
【0049】
ある実施形態において、リンは、一次処理直後に沈殿されてもよい。
【0050】
上述の処理で得られる残渣、すなわち、スラリー(単数)またはスラリー(複数)は、好ましくは活かして使用される。スラリーは、主としてリン酸塩の形態でリンを含み、例えば、すべてまたはほとんどすべてのリンは、リン酸塩として存在する。一部の場合では、スラリーは、リン酸塩としてリンを含有し、微量の他のリン含有化合物を含むのみである。第2および第3の処理工程で得られるスラリーは、好ましくは上記肥料を得るために使用されるリン含有材料である。廃水の二次および三次処理から得られるスラリーは、混合され、リン含有材料を一緒に形成して、上記肥料を得るために使用される。
【0051】
本発明による一実施形態において、リンは、好ましくは主として一次および二次処理中に水相に保持され、主として三次処理で沈殿される。そのようにすることによって、リンの濃度は、三次スラリー中で増加する。そのリン豊富スラリーは、肥料の製造に使用される好ましい入ってくる材料である。リン豊富スラリーは、好ましくは三次処理またはその後の後処理工程の脱水工程で得られる。
【0052】
溶解したリンは、溶解したリンのほとんどすべてがリン酸塩として存在するので、化学的手段によって分離されてもよい。例えば、第二もしくは第一鉄、アルミニウム、カルシウム、またはマグネシウムの塩が、溶解したリンを分離するために使用されてもよい。適当な塩には、例えば、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、アルカリと一緒の塩化カルシウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸アルミニウム、ポリ硝酸アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、アルミン酸ナトリウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、クロロ硫酸第二鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、クロロ硫酸第一鉄、水酸化第二鉄、または水酸化第一鉄が含まれる。水酸化ナトリウムが、塩化カルシウムと一緒のアルカリとして使用されてもよい。次いで、これらの沈殿物は、物理的手段、例えば、沈降分離、浮選、ろ過、もしくは遠心分離、またはそれらの任意の組み合わせによって処理廃水から分離される。分離方法は、デカンタ遠心分離、ハイドロサイクロン、スクリュープレス、ディスクフィルタ、フィルタプレス、チャンバフィルタプレス、およびベルトフィルタプレス、ならびにそれらの任意の組み合わせを使用して行われてもよい。また、他のリン除去技術も、化学物理的分離方法のような処理で使用されてもよく、例えば、処理廃水から分離リンを分離するためのイオン交換または吸着が使用されてもよい。沈殿分離は、複数の分離工程を使用して行われてもよいことが留意されるべきである。これらの分離工程には、任意の組み合わせで、例えば、上述されたとおりの、1つ以上の分離装置が含まれてもよい。
【0053】
より高いリン回収率が、嫌気性消化による廃水処理プロセスで得られるスラッジをさらに処理することによって得られてもよい。
【0054】
リン回収率はまた、一次および/または生物学的(二次)スラッジを、生物学的、化学的もしくは物理的に、またはこれらの任意の組み合わせで処理して、より多くのリンを水中に放出させることによって増加されてもよい。適当な手段の例は、嫌気性、無酸素性、微-好気性または嫌気性処理における生物学的処理、オゾン、過酸化水素、過ギ酸、過酢酸、または他の強力な化学酸化剤もしくは反応剤による化学的処理、ならびに、例えば、超音波、精密ろ過、および他の物理的プロセスによる物理的手段によるものである。
【0055】
廃水処理の最後、好ましくは三次処理の最後で、スラッジまたはスラリーの形態で、リン豊富材料を得ることによって、有意に改善された純度が上記スラリーで見出される。リン豊富材料は、好ましくはリン酸塩含有スラリーである。リン酸塩含有スラリーは、低含量の不純物、例えば、金属、例えば、重金属を有し、これらは肥料中で望ましくない。さらに、スラッジまたはスラリーの形態の、リン豊富材料の焼却は、材料が処理プロセスのまさに最後、すなわち、三次処理から得られる場合、まったく必要とされない。また、廃水処理の最後に得られるリン酸塩スラリー中の多量のリンは、酸が使用される岩石封入リン酸塩の場合がそうであるような酸抽出を何ら必要としない。同様にまた、酸は上記スラリーの取得に使用されないので、リン酸塩スラリーのpHを増加させるためにアンモニアを使用する必要はない。NPKまたはNP肥料がリン含有材料から生成される場合、いずれの窒素含有材料が添加されてもよい。
【0056】
アンモニアは、公知プロセスにおけるpHに対するその影響のために都合よく使用される。しかしながら、本方法では、いずれの窒素含有材料も可能である。したがって、この方法は、肥料中の窒素源として使用される多種多様の窒素含有化合物を提供する。肥料のための適当な窒素含有化合物の例は、尿素、硫酸アンモニウム、メチレン尿素、アンモニア、塩化アンモニウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸、およびUAN(すなわち、尿素および硝酸アンモニウムおよび水)の窒素溶液である。
【0057】
NPKまたはPK肥料がリン含有材料から生成される場合、いずれのカリウム含有材料が添加されてもよく、カリウム含有化合物は、硫酸カリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、ギ酸カリウム、リン酸カリウム(例えば、リン酸一カリウム、リン酸二カリウムおよびリン酸三カリウム)である。
【0058】
上記に見られるとおりに、硝酸カリウムは、カリウム添加剤と窒素添加剤との両方として使用されてもよい。
【0059】
また、さらなるリン化合物が肥料に添加されてもよい。
【0060】
リン含有材料には、本方法によって得られるリン酸塩が含まれ、これは、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウム、および他の金属から、ならびに任意の組み合わせで選択される金属を含む任意の塩であってもよい。一実施形態において、塩は、カルシウム、鉄、およびアルミニウムの、好ましくは鉄およびアルミニウムの群から選択される、少なくとも1種を含んでもよい。リン含有材料は、リン酸鉄であってもよい。
【0061】
リン酸塩は、スラリー、沈殿物または乾燥粒子として、好ましくはスラリーまたは沈殿物として廃水から回収される。衛生化は、必要とされる場合、スラリーまたは粒子に適用されてもよい。化学的および/または熱的衛生化が使用されてもよい。熱的衛生化は、焼却と混同されるべきでないことが留意されるべきである。焼却は、それが植物のためのリンの生物学的利用性を妨げるので本発明で好ましいものではない。最新技術によれば、リンは、揮発性化合物、例えば、炭素、窒素および水銀を除去する焼却によって濃縮されてもよい。焼却はまた、使用される高温のために病原体のない生成物を生成させる特徴を有する。しかしながら、焼却された廃棄物材料は、比較的低い生物学的利用率を有するリンを与えることを示した。したがって、本発明の一実施形態によれば、廃水処理からのスラッジまたはスラリーの処理は、焼却されず、および/または少なくとも650℃の温度で熱処理されない。
【0062】
熱的衛生化は、約50~180℃、例えば、50~120℃、50~100℃、70℃~95℃、または70~80℃の温度で行われてもよい。化学的衛生化は、例えば、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、石灰、過ギ酸、過酢酸、過酸化水素、アンモニアの添加によって行われてもよい。衛生化はまた、オゾン化、またはUV線を使用して行われてもよい。リン酸塩は、そのままで、リン酸塩肥料を製造するための肥料製造における単なる原料として、またはNP、PK、もしくはNPK肥料を製造するための窒素および/もしくはカリウム化合物と混合されて使用され得る。他の栄養素または微量栄養素も添加され得る。この新規な方法は、非常に単純であり、必要とされるならば、所望の原材料の混合、可能な水添加、化学的および/または物理的粒状化造粒、乾燥、冷却、篩い分けならびにコーティングから選択されるプロセス工程を含んでもよい。代替として、最も単純な仕方は、いかなる造粒および/または乾燥もなしで栄養素混合物をそのまま用いることである。次いで、それは、プラントのためにスラリー肥料の形態で導入され得る。任意に、本明細書で述べられる添加物の添加および/またはそれらの混合によって、廃水処理からの得られたリン酸塩スラリーまたは沈殿物は、材料の唯一のさらなる処理として乾燥され、その後、肥料として使用されてもよく、すなわち、造粒またはペレット化は材料に対してまったく行われない。
【0063】
ペレットまたは顆粒が生成される場合、これらは、コーティングによって、好ましくは植物油、鉱油、パーム油、タルク、およびマイカ、ならびにそれらの任意の組み合わせの群から選択されるいずれか1種を含むコーティングによってコーティングされてもよい。
【0064】
肥料のリン酸塩は、沈殿物、スラリー、または乾燥粒子として廃水処理プラントから回収されてもよい。乾燥固体含量に対して計算されたリン含量は、約4~30重量%、例えば、4~25重量%、4~17重量%、4~13重量%、6~13重量%、7~13重量%、8~13重量%、または8~12重量%であってもよい。これらの量は、廃水プラントからの沈殿物中に得られる。
【0065】
廃水処理から得られるスラリーは、リン沈殿物に加えて、約7~20%、または8~15%の有機化合物を含んでもよい。これらの有機化合物は、いくつかのリン原子を含んでもよい。有機化合物内のいずれのリンの含量も微量であり、沈殿物中で与えられるリン酸塩と比較して痕跡量のリンとして上で述べられた。
【0066】
廃水処理から得られるリン酸塩は、必要とされる分解期間のために完全に水溶性のリン酸塩よりも遅い仕方でそれらのリンを放出すると考えられてもよい。本明細書に記載される廃水処理方法によって得られるリン酸塩は、しばしばリン酸鉄(例えば、リン酸第二鉄、リン酸第一鉄、リン酸水酸化鉄)、リン酸カルシウム(例えば、リン酸一カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸水酸化カルシウム)、リン酸アルミニウム、およびリン酸マグネシウムアンモニウムの群から選択されてもよい。植物の成長期の間の、リンの迅速な放出と、比較的遅いまたは持続した放出との両方を含む肥料を与えるために、廃水処理方法によって得られるリン酸塩および他のより迅速に得られるリン化合物を組み合わせることができる。一実施形態において、さらなるリン含有化合物が、肥料生成物に添加されてもよい。そのような添加物は、植物がその成長の始めに必要とするリンである開始リンと呼ばれてもよく、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸一カルシウム、リン酸二カルシウムの群から選択される化合物であってもよい。廃水処理からのリン酸塩と述べられるとおりのいわゆるスタータリン酸塩とを組み合わせることによって、作物のための施肥を成長期に与える肥料が提供されてもよい。
【0067】
本方法は、最終肥料が、そのままの脱水スラリーケーキであるか、または他の塩、例えば、上で述べられたものと混合される場合、約4~80重量%、例えば、5~70重量%、6~60重量%、7~50重量%、7~40重量%、7~30重量%、および8~20重量%の乾燥固体含量を有する肥料を提供してもよい。
【0068】
肥料が、任意に乾燥とともに、造粒またはペレット化を使用して提供される場合、生成物はより乾燥され、約70~100重量%、80~99.8重量%、90~99.8重量%、95~99.8重量%または98~99.5重量%の乾燥固体含量をもたらす。任意に、肥料は、造粒またはペレット化なしで乾燥を使用して提供され、生成物は、造粒またはペレット化を使用する場合とほぼ同じ乾燥固体含量に乾燥される。
【0069】
本肥料は、約5~8、例えば、5.5~7.5、または6~7のpHを有してもよい。
【0070】
本肥料は、本方法で沈殿されたリン酸塩がリン酸第二鉄である場合、約2.2~3.4g/cm、例えば、約2.3~3.1g/cm、約2.4~2.9g/cm、約2.5~2.8g/cm、または約2.6~2.8g/cmの平均粒子密度を有してもよい。本肥料は、本方法で沈殿されたリン酸塩がリン酸第一鉄である場合、約2.1~3.2g/cm、例えば、約2.2~2.9g/cm、約2.3~2.8g/cm、約2.4~2.7g/cm、または約2.5~2.7g/cmの平均粒子密度を有してもよい。本肥料は、本方法で沈殿されたリン酸塩がリン酸アルミニウムである場合、約1.8~3.0g/cm、例えば、約1.9~2.7g/cm、約2.0~2.5g/cm、約2.1~2.4g/cm、または約2.2~2.4g/cmの平均粒子密度を有してもよい。
【0071】
本肥料は、本方法で沈殿されたリン酸塩が、リン酸第二鉄(FePO)であり、かつ粒子サイズがMastersizerを使用して測定される場合、約d(0.5)10~50μm、例えば、約10~40μm、または約10~30μmの平均粒子サイズを有する。d(0.5)値は、それぞれの50体積%ベースのパーセンタイルである。すなわち、例えば、粒子の50%は、値d(0.5)より小さい。d(0.5)は、粒子サイズ分布の中央値であり、それは、全粒子の50%で見出すことができる粒子サイズを示す。
【0072】
肥料がペレット化または造粒により生成された場合、ペレット化/造粒後のペレットまたは顆粒サイズは、例えば、約0.3~8mm、例えば、0.5~6mm、1~5mm、または2~4mmである。
【0073】
本肥料は、本方法で沈殿されたリン酸塩が、リン酸第二鉄(FePO)であり、かつ粒子サイズがMastersizerを使用して測定される場合、60μm未満のもの約70%、60μm未満のもの約80%、または60μm未満のもの約90%の粒子サイズ分布を有してもよい。
【0074】
図1において、本方法の可能なセットアップが提示される。廃水処理プロセスからの回収リン酸塩1は、任意に、例えば、微量栄養素および二次栄養素2、例えば、鉄、ホウ素、銅、マンガン、モリブデン、ニッケル、亜鉛のような微量栄養素およびカルシウム、マグネシウムおよび硫黄のような二次栄養素;窒素含有化合物3;カリウム含有化合物4;ならびに追加的なリン含有化合物5(例えば、水溶性開始リン酸塩)から選択される、添加物の選択とともに、混合槽6に添加される。結合剤および充填剤(例えば、セルロースまたはその誘導体、硫酸カルシウム二水和物、無水硫酸カルシウム、マイカ、パーライト、または珪藻土)も添加することができるが、ここで示されない。追加的な添加剤が回収リン酸塩に添加されない場合、混合槽6は、必要とされない。また、たとえ異なる添加剤が回収リン酸塩1に添加されるにしても、混合槽および混合は、任意の要点であり、化合物は、造粒機7に直接添加されてもよい。造粒機7は、加熱されてもよい。造粒の間に水が廃棄され、例えば、蒸発されてもよい。造粒の間に水が、造粒機7に添加されて、造粒を支持してもよい(示されず)。造粒機7の後、肥料ペレットは、完成生成物として提示されてもよい。任意に、肥料ペレットまたは顆粒は、乾燥機8に送られてもよく、ここで、より多くの水が蒸発されてもよく、より乾燥した肥料ペレットまたは顆粒が得られる。肥料ペレットまたは顆粒はまた、篩9に送られて、得られるサイズを区分けし、肥料としてのさらなる使用のための所望のサイズ画分を送る。乾燥機8および篩9は両方とも任意であることが留意されるべきである。それらはまた、図1の開示と比較して逆の順序で位置付けられてもよいか、またはそれらの1つのみが本方法に存在してもよい。篩9から除去された、望ましくないサイズを有する材料は、さらなる処理のために造粒機7に戻されてもよい。大き過ぎるペレットまたは顆粒は、造粒機に戻される前に粉砕されてもよい(示されず)。得られた最後の最終製品はまた、コーティング工程(示されず)に送られて、最後の生成物をさらに増強してもよい。また、添加物の有無にかかわらず、回収リン酸塩は、造粒機7なしで乾燥機8に直接添加されてもよく、次いで、粒子状生成物がペレットまたは顆粒の代わりに得られる。
【0075】
造粒機7は、ペレット化ユニットであってもよい。
【0076】
廃水処理プロセスから得られたリン酸塩を含む本肥料およびその製造方法は、以下の実施例でさらに開示される。
【実施例
【0077】
実施例1
三次処理におけるリン回収を、生物学的処理プロセスを有する廃水処理プラントからの廃水を使用して実験室規模でシミュレートした。今日の廃水処理粒子はリンの除去を必要とするので、廃水中の総リンをプラントでこれらの要件を満たすために、0.3mgP/l未満に減少させた。したがって、リンレベルは最初に、NaPOを使用して所望のレベルに上昇させた。
【0078】
52.93グラムのNaPOを1リットルの水に溶解させた。1000リットルの水をプロセスから取り、モータ撹拌機を備えている1mIBC容器に入れた。撹拌のスイッチを入れ、調製されたNaPO-溶液を混合廃水中に添加して、リンレベルを10mgP/lに上昇させた。241.7gのPIX-111(Fe13.8%、密度1.42g/ml)を、十分に混合された容器中に瓶から注いで速く添加した。PIX-111の添加後、混合を10秒間続け、その後、それを止めた。沈殿物を1時間にわたって沈降させた。それが沈降すると直ぐに、容器の表面から約600リットルの透明な水を、ポンプを使用して注意深く除去した。沈降沈殿物を別個に収集し、コニカル反応器中に入れ、ここでそれを再び沈降させた。沈殿物がコニカル反応器の底に沈降すると直ぐに、底部バルブを通してそれを注意深く収集し、実験室規模でブフナー漏斗中、真空ろ過によってさらに脱水した。湿潤ケーキは、実験室でのろ過後に85%の水を含有した。脱水ケーキをオーブン中50℃で一晩にわたって乾燥させ、乾燥ケーキを分析した。FePO豊富沈殿物が得られた。
【0079】
以下の表1では、得られた沈殿物のリン、鉄、炭素および金属不純物についての測定値、沈殿物として同じプラントからの通常スラッジ中の測定リンおよび炭素、容認されたフィンランド国肥料中の金属不純物の限界値、標準スラッジの測定値、ならびにスラッジが農業土地で使用される場合の指令に従う下水スラッジのための金属不純物の限界値が示される。
【0080】
表1では、FePO沈殿物がリンに富み、同じプラントからの通常スラッジよりも多量のリンを含有することがわかる。
【0081】
表1は、非常に純粋なFePO含有沈殿物が得られたことを明らかに示す。非常に低い量の金属不純物が測定され、これらの不純物はすべて、フィンランド国での容認肥料の限界値未満であった。沈殿物はまた、標準スラッジよりも低い量の不純物を含有した。
【0082】
したがって、FePO沈殿物が、標準スラッジよりも低い量の金属不純物を含有し、農業用土地で、または肥料製造プロセスにおいてそのまま使用される標準スラッジと比較する場合、より純水な肥料材料であることがわかる。
【0083】
FePO沈殿物の有機炭素含量は、同じプラントからの通常スラッジにおけるよりもはるかに低いことがわかる。したがって、有機不純物も、通常スラッジと比較してFePO沈殿物で減少している。
【0084】
【表1】
【0085】
表1は、廃水処理の最後でのリンの回収が、リンの増加したリン含量を有するのみならず、廃水プロセスのより早い段階でリンの生産量を有し得るスラッジと比較して相当により低い量の不要な金属も含有する肥料としての使用のためのリン含有沈殿物/スラリー/材料を与えることを示す。
【0086】
リン豊富スラリーについて、その他の約3倍多いリンが得られた。また、リン豊富スラリーは、標準プロセススラッジに見られるカドミイウムの量の多くても11分の1、クロムの量の多くても7分の1、鉛の量の9分の1、亜鉛の3分の1、および水銀の量の半分未満を含有した。これから、好ましい実施形態において、肥料は、廃水処理プロセスのまさにその最後までリンが沈殿されないスラリーから作製されることが明らかに示される。
【0087】
本明細書で述べられるプラント1からのFePO沈殿物は、施肥を必要としている土壌の上に、なんらのさらなる処理なしに、肥料として直接散布され得る沈殿物の種類である。当然に、この種の沈殿物は、さらに処理されて、窒素、カリウムおよび/または追加的リン含有化合物を含むこともできる。また、材料は、存在する任意の水の蒸発によってさらに乾燥され、造粒させ、および任意にコーティングされ得る。また、材料は、いずれの造粒もなしに単に乾燥させることができ、次いで、粒子状生成物が得られる。
【0088】
実施例2
FePOである、得られた脱水リン酸塩沈殿物を、尿素(窒素源)および塩化カリウム(カリウム源)と混合して、NPK-肥料を生成させる。以下の成分および量を混合する:300.0gの尿素(46.0重量%N)、300.0gのKCl(60重量%KO=49.8重量%K)、および3000.0gのFePO脱水ケーキ(9.0重量%PのDS=20.6重量%PのDS、および90重量%HO)。乾燥固体基準での最終肥料中のN、PおよびKOの量は、15.33重量%N、6.88重量%Pおよび20.00重量%KOである。このスラリー混合物は、75%の水を含有し、スラリー肥料としてそのままで使用され得る。このスラリー肥料中のN、PおよびKOの量は、3.83重量%N、1.72重量%Pおよび5.00重量%KOである。
【0089】
任意に、スラリーを、造粒機に供給して、造粒肥料生成物を生成させ得、なおさらに乾燥器に導入して、より多くの水を蒸発させ、顆粒状の乾燥肥料生成物を生成させ得る。乾燥は、造粒することなしに単独でも適用され得る。任意に、顆粒は、所望の顆粒サイズに篩い分けされ得る。最終生成物顆粒は、任意にコーティングされ得る。造粒機および乾燥機において、最終生成物の水含量は、所望のレベルに調整され得る。
【0090】
0重量%のHO含量への肥料の造粒および乾燥は、15.33重量%N、6.88重量%P、および20.00重量%KOを有する肥料顆粒を与える。0.5重量%のHO含量に造粒し、および乾燥させると、15.26重量%N、6.84重量%Pおよび19.90重量%KOを有する肥料顆粒が得られる。0.5重量%のHO含量に、造粒なしで乾燥させると、15.26重量%N、6.84重量%Pおよび19.90重量%KOを有する肥料粒子が得られる。1.0重量%のHO含量に造粒し、および乾燥させると、15.18重量%N、6.81重量%P、および19.80重量%KOを有する肥料顆粒が得られる。1重量%HOを有する肥料顆粒が、3.0gの植物油および1.6gのタルクを含む0.5重量%のコーティングでコーティングされる場合、15.10重量%N、6.77重量%P、および19.70重量%KOを有する肥料顆粒が得られる。
【0091】
【表2】
【0092】
実施例3
FePOである、得られた脱水リン酸塩沈殿物を、尿素(窒素源)、リン酸二アンモニウム(窒素および開始リン源)、および塩化カリウム(カリウム源)と混合して、NPK-肥料を生成させる。以下の成分および量を混合する:291.5gの尿素(46.0重量%N)、301.0gのKCl(60重量%KO=49.8重量%K)、2000.0gのFePO脱水ケーキ(9.0重量%PのDS=20.6重量%PのDS、および85重量%HO)、および258.0gの(NHHPO(46重量%P=20.1重量%P、18.0重量%N)。乾燥固体基準での最終肥料中のN、PおよびKO量は、15.69重量%N、15.69重量%P、および15.70重量%KOである。このスラリー混合物は、59.64%のHOを含有し、スラリー肥料としてそのまま使用され得る。このスラリー肥料中のN、P、およびKOの量は、6.33重量%N、6.33重量%P、および6.34重量%KOである。
【0093】
任意に、スラリーを造粒機に供給して、造粒肥料生成物を生成させ、なおさらに乾燥機に供給して、より多くの水を蒸発させ、顆粒状の乾燥肥料生成物を生成させ得る。乾燥は、造粒なしで単独でも適用され得る。任意に、顆粒は、所望の顆粒サイズに篩い分けされ得る。最終生成物顆粒は、任意にコーティングされ得る。造粒機および乾燥機において、最終生成物の水含量は、所望のレベルに調整され得る。
【0094】
0重量%のHO含量へのスラリー肥料の造粒および乾燥は、15.69重量%N、15.69重量%P、および15.70重量%KOを有する肥料顆粒を与える。0.5重量%のHO含量に造粒し、および乾燥させると、15.61重量%N、15.62重量%P、および15.62重量%KOを有する肥料顆粒が得られる。0.5重量%のHO含量に、造粒なしで乾燥させると、15.61重量%N、15.62重量%P、および15.62重量%KOを有する肥料顆粒が得られる。1.0重量%のHO含量に造粒し、および乾燥させると、15.54重量%N、15.54重量%P、および15.54重量%KOを有する肥料顆粒が得られる。1重量%HOを有する肥料顆粒が、3.0gの植物油および2.8gのタルクを含む0.5重量%のコーティングでコーティングされる場合、15.46重量%N、15.46重量%P、および15.46重量%KOを有する肥料顆粒が得られる。
【0095】
【表3】
【0096】
実施例4
硫酸第二鉄、Kemira PIX-105(Fe11.2重量%、密度1.50g/cm)を廃水処理プラント(プラント2)で使用して、別に精製廃水から沈殿工程後にリンを沈殿させ、その後、水を受容者に放出した。試料採取期間の間、廃水流量は、20700~21900m/日であり、PIX投与量は1820~2210kg/日であり、水中PO-Pは、1.1~2.3mg/lであった。リン沈殿物が形成された。沈殿物を沈降槽中で沈降させ、デカンタ遠心分離を使用して沈降スラリーをさらに脱水した。
凝集剤、Kemira Superfloc A120HMWを沈降および脱水に添加して、固体液体分離を改善した。凝集剤は、0.02~0.05%溶液として使用した。
【0097】
脱水リン酸塩ケーキの5kgの試料を4日間毎日取った。取った5kgの試料を合わせ、コンクリートミキサで混合することによって均一化した。2つの収集均一化試料を同様に調製した(試料1および試料2)。同じプラントからの通常脱水下水スラッジを、プラントのデカンタ遠心分離から同様に収集した(試料3)。試料の特性を表4に提示する。
【0098】
【表4】
【0099】
沈殿後の脱水リン酸塩ケーキ中のリン含量は、同じプラントからの通常下水スラッジよりも約3倍高い。炭素含量は、通常下水スラッジ中よりも脱水リン酸塩ケーキ中で3~4.9倍低い。
【0100】
試料1中の測定大腸菌(Escherichia coli)は、580MPN/gであり、試料2中でそれは、550MPN/gであり、試料3中でそれは、>24000MPN/gであった。これは、リン沈殿物が、同じプラントからの通常下水スラッジよりも極めて低い量の望ましくない細菌を含むことを示す。試料1および試料2の粒子サイズは、Malvern Mastersizer 2000アナライザを使用して分析した。結果を表5に提示する。少量の試料を1500rpmの撹拌機によって脱イオン水中で測定した。報告したd(0.1)、d(0.5)およびd(0.9)値は、それぞれの10体積%、50体積%および90体積%ベースのパーセンタイルである。すなわち、例えば、粒子の10%は、μmで所与の値d(0.1)よりも小さい。d(0.5)は、粒子サイズ分布の中央値であり、それは、すべての粒子の50%で見出すことができる粒子サイズを示す。
【0101】
【表5】
【0102】
実施例5
100kgの脱水リン酸塩ケーキを、実施例4に記載された廃水処理プロセス(プラント2)からデカンタ遠心分離から取った。25kgのこの脱水ケーキを5つの大きなプレート上に広げて、2つの異なる条件:42℃で6夜の間、および100℃で1夜の間で空気循環を備えたオーブン中で乾燥させた。得られた結晶の特性を分析した(表6)。
【0103】
【表6】
【0104】
実施例6
プラント2からの25kgの得られた脱水リン酸塩ケーキを5つの大きなプレート上に広げ、空気循環を備えたオーブン中100℃で24時間乾燥させた。乾燥材料の組成を表7に提示する。
【0105】
【表7】
【0106】
この乾燥リン酸塩沈殿物を粉砕し、1.0mm粒子サイズ未満に篩い分けし、N-P-K肥料の造粒のために使用した。
【0107】
a)処方1。
448.76gのそのように調製乾燥させたリン酸塩沈殿物を取り、Merckからの、分析用の1277.89gの硫酸アンモニウム(NHSO、1.01217.5000およびVWR Chemicalsからの233.35gの硫酸カリウムKSO GPR Rectapur、26994.362と混合した。得られた混合物をRetschミルType SR2を使用して2回摩砕した。100gのそのように調製摩砕した塩混合物を、Mars Mineralからの実験室規模プレート造粒機、36cmの直径を有するModel No.DP-14上に置いた。プレートにスイッチを入れ、40rpmの速度で回転させた。造粒が開始し、塩床が、小シャベルの助けによってプレート上で穏やかに移動させた。造粒中に、小部分の水を移動塩床上に噴霧して、顆粒の形成を支援した。最初の初期顆粒が形成されると直ぐに、小部分の塩混合物をプレートに添加した。必要な場合は常に、塩混合物に水を小部分で一様に噴霧して、造粒を支援した。顆粒を成長させ、緩く摩砕された塩が顆粒形成に消費されてしまったときに常に次ぎの塩添加を行った。摩砕した塩のすべてを消費した。造粒中に、合計で230gのHOを造粒に使用した。造粒時間は1時間であった。得られた顆粒をオーブン中80℃で3時間乾燥させ、60℃で一夜にわたって続けた。
【0108】
b)処方2。
702.44gのそのように調製乾燥させたリン酸塩沈殿物を取り、Merckからの、分析用の1147.98gの硫酸アンモニウム(NHSO、1.01217.5000およびVWR Chemicalsからの109.58gの塩化カリウムKCl GPR Rectapur、26759.462と混合した。得られた混合物をRetschミルType SR2を使用して2回摩砕した。100gのそのように調製摩砕した塩混合物を、Mars Mineralからの実験室規模プレート造粒機、36cmの直径を有するModel No.DP-14上に置いた。プレートにスイッチを入れ、40rpmの速度で回転させた。造粒が開始し、塩床を、小シャベルの助けによってプレート上で穏やかに移動させた。造粒中に、小部分の水を移動塩床上に噴霧して、顆粒の形成を支援した。最初の初期顆粒が形成されると直ぐに、小部分の塩混合物をプレートに添加した。必要な場合は常に、塩混合物に水を小部分で一様に噴霧して、造粒を支援した。顆粒を成長させ、緩く摩砕された塩が顆粒形成に消費されてしまったときに常に次ぎの塩添加を行った。摩砕した塩のすべてを消費した。造粒中に、合計で240gのHOを形成顆粒上に一様に、かつゆっくりと噴霧して、顆粒形成を支援した。造粒時間は1時間であった。得られた顆粒をオーブン中80℃で2時間乾燥させ、60℃で一夜にわたって続けた。
【0109】
c)参照処方。
伝統的な市販の肥料塩のみを使用して、乾燥リン酸塩沈殿物なしの造粒を調製した。Merckからの、分析用の1128.43gの硫酸アンモニウム(NHSO、1.01217.5000を取り、VWR Chemicalsからの233.35gの硫酸カリウムKSO GPR Rectapur、26994.362、VWR Chemicalsからの174.37gのリン酸水素二アンモニウム、技術グレード、21306.362、およびShiilinjaerviからの423.85gの硫酸カルシウム二水和物CaSO・2HO廃棄物(結合剤)と混合した。得られた混合物を、RetschミルType SR2を使用して2回摩砕した。100gのそのように調製摩砕した塩混合物を、Mars Mineralからの実験室規模プレート造粒機、36cmの直径を有するModel No.DP-14上に置いた。プレートにスイッチを入れ、40rpmの速度で回転させた。造粒が開始し、塩床を、小シャベルの助けによってプレート上で穏やかに移動させた。造粒中に、小部分の水を移動塩床上に噴霧して、顆粒の形成を支援した。最初の初期顆粒が形成されると直ぐに、小部分の塩混合物をプレートに添加した。必要な場合は常に、塩混合物に水を小部分で一様に噴霧して、造粒を支援した。顆粒を成長させ、緩く摩砕された塩が顆粒形成に消費されてしまったときに常に次ぎの塩添加を行った。摩砕された塩のすべてを消費した。造粒中に、200gのHOを形成顆粒上に一様に、かつゆっくりと噴霧して、顆粒形成を支援した。造粒時間は1時間であった。得られた顆粒をオーブン中80℃で6時間乾燥させ、60℃で一夜にわたって続けた。
【0110】
処方1、処方2、および参照処方に従って調製された肥料の得られた特性を、表8に提示する。
【0111】
【表8】
【0112】
すべての肥料は、十分に造粒した。顆粒強度は良好であった。
【0113】
以下のN-P-K肥料を得た(N%として表されたN、P%として表されたP、およびKO%で表されたK):
処方1:N-P-K 11-4.1-6.6
処方2:N-P-K 11-5.7-3.9
参照処方:N-P-K 14-4.8-6.7。
図1