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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/32 20060101AFI20220621BHJP
【FI】
A47L9/32 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019118898
(22)【出願日】2019-06-26
(65)【公開番号】P2021003374
(43)【公開日】2021-01-14
【審査請求日】2021-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 大史
(72)【発明者】
【氏名】倉田 敦史
(72)【発明者】
【氏名】長田 剛一
(72)【発明者】
【氏名】矢野 将
(72)【発明者】
【氏名】中野 俊
(72)【発明者】
【氏名】板垣 慶太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 叶登
(72)【発明者】
【氏名】川本 孔陽
(72)【発明者】
【氏名】加藤 尚樹
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-064359(JP,U)
【文献】特開2004-041540(JP,A)
【文献】特開2013-220223(JP,A)
【文献】米国特許第05507071(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/32
F25D 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動送風機を備える掃除機本体と、
該掃除機本体に対して着脱自在な集塵装置と、
前記掃除機本体に取り付けられ、前記掃除機本体を持ち運びする際に把持される本体ハンドルとを備え、
前記掃除機本体は、
前記本体ハンドルに外力が加わった際に前記本体ハンドルに当接して支持する支持部

前記本体ハンドルが取り付けられる際に前記本体ハンドルを案内するとともに、前記本体ハンドルに外力が加わった際に前記本体ハンドルに当接して支持する第1案内支持部とを有し、
前記本体ハンドルは、末端部より中央側に案内リブが形成され、
前記支持部は、前記第1案内支持部より高い位置に形成され、
前記本体ハンドルに後方への外力が加わった際、前記本体ハンドルが後部の前記支持部に当接するとともに、前記本体ハンドルの前記案内リブが前記第1案内支持部に当接する
ことを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
請求項に記載の電気掃除機において、
前記案内リブは、前記本体ハンドルが取り付けられる際に前記第1案内支持部が摺動するように構成されている
ことを特徴とする電気掃除機。
【請求項3】
請求項に記載の電気掃除機において、
前記本体ハンドルは、第2案内支持部が形成され、
前記第1案内支持部は、前記本体ハンドルが取り付けられる際に前記第2案内支持部が摺動する案内リブである
ことを特徴とする電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気掃除機には、吸引したゴミを紙パック内に圧縮する紙パック式の集塵装置と、旋回気流により遠心分離し集塵装置内に収容するサイクロン方式の集塵装置という大きく分けて二種類の集塵方式がある(特許文献1)。サイクロン方式は、旋回気流を発生させるため紙パック方式と比べ、圧力損失が大きくなる傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-37689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、サイクロン式電気掃除機は、本体を運ぶ際に把持されるハンドル部分の部品点数が多く、大型になっていた。そのため、組立性が悪い場合がある。
また、サイクロン式電気掃除機は、形状が大きく重量が大きいと使用時の取扱性が悪い。そのため、小型、軽量化が望まれている。
【0005】
本発明は上記実状に鑑み創案されたものであり、小型かつ軽量の電気掃除機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、第1の本発明の電気掃除機は、電動送風機を備える掃除機本体と、該掃除機本体に対して着脱自在な集塵装置と、前記掃除機本体に取り付けられ、前記掃除機本体を持ち運びする際に把持される本体ハンドルとを備え、前記掃除機本体は、前記本体ハンドルに外力が加わった際に前記本体ハンドルに当接して支持する支持部
、前記本体ハンドルが取り付けられる際に前記本体ハンドルを案内するとともに、前記本体ハンドルに外力が加わった際に前記本体ハンドルに当接して支持する第1案内支持部とを有し、前記本体ハンドルは、末端部より中央側に案内リブが形成され、前記支持部は、前記第1案内支持部より高い位置に形成され、前記本体ハンドルに後方への外力が加わった際、前記本体ハンドルが後部の前記支持部に当接するとともに、前記本体ハンドルの前記案内リブが前記第1案内支持部に当接している。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、小型かつ軽量の電気掃除機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る実施形態の電気掃除機の外観斜視図。
図2A】実施形態の電気掃除機から延長管を外した状態の側面図。
図2B図2AのV部拡大図。
図3】電気掃除機から延長管を外した状態の上面図。
図4】掃除機本体から集塵装置を取り外した状態の外観斜視図。
図5A】掃除機本体の上ケースを取り外した状態の斜視図。
図5B図5Aのお知らせ用LED周りのVI方向拡大矢視図。
図6】掃除機本体を側方から見た図3のI-I断面図。
図7A】導入管の左側面図。
図7B図7AのII方向矢視図。
図7C】パッキンの外観斜視図。
図7D図7CのIII-III断面図。
図8】本体ハンドルの斜視図。
図9】掃除機本体から本体ハンドルを外した状態の斜視図。
図10】メイン基板周りを下方から上方に見た図。
図11図3のIV部拡大図。
図12】掃除機本体の後部を下にして床面に立てた状態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に、本発明に係る実施形態の電気掃除機Sの外観斜視図を示す。なお、上下方向、左右方向、前後方向については図1に示す方向とする。なお、左右方向は、掃除機本体1側から見たものである。
【0012】
図2Aに、実施形態の電気掃除機Sから延長管6を外した状態の側面図を示す。図2Bに、図2AのV部拡大図を示す。
【0013】
図1に示す電気掃除機Sは、吸口体7と、掃除機本体1と、掃除機本体1に着脱自在に設けられるサイクロン方式の集塵装置10とを備えている。
吸口体7は、塵埃などを吸込む。掃除機本体1は、吸口体7からの吸引力を発生させる電動送風機14が内蔵されている。集塵装置10には、吸口体7で吸込んだ塵埃などのごみが収集される。
【0014】
掃除機本体1は、吸引ホース2を介して手元ハンドル3と接続される。手元ハンドル3は、延長管6を介して吸口体7と接続されている。
【0015】
掃除機本体1には、自在に移動できるように、左右に一対の車輪15aと、前部に一つのキャスタ15b(図2A参照)とが備えられている。
図3に、電気掃除機Sから延長管6を外した状態の上面図を示す。
車輪15aは、中央部15a1が外側に膨らんだ形状としている。これにより、車輪15aの断面二次モーメントIを大きくしてEIを高めて強度を高くしている。そのため、車輪15aを薄く構成し、小型・軽量化を図っている。
掃除機本体1には、利用者が電気掃除機Sを持ち運ぶ際に把持される本体ハンドル19が取り付けられている。
【0016】
図1に示す手元ハンドル3には、掃除機本体1に内蔵される電動送風機14や、吸口体7に設けられる電動回転ブラシ(図示せず)などの駆動制御を担う操作部4を備えている。操作部4には、操作ボタン5が配置されている。操作ボタン5には、運転を開始する際、押下される(強・中・弱)ボタンや、運転を停止する際に押下される(切)ボタンなどがある。
【0017】
図2A図2Bに示すように、掃除機本体1の本体ハンドル19の後方には電源コード23a(図5A参照)を巻き取るためのコードリール23の巻き取り釦23oが設けられている。巻き取り釦23oは、逆R形状(図2B参照)に形成されている。これにより、巻き取り釦23oは、掃除機本体1から上方に突出して水平状に構成されている。そのため、利用者は、巻き取り釦23oを上方から下方に押下し易い。
【0018】
<掃除機本体1>
図4に、掃除機本体1から集塵装置10を取り外した状態の外観斜視図を示す。
掃除機本体1は、上ケース1aと下ケース1cとが組み合わされ外殻が形成されている。上ケース1aや下ケース1cは、軽量な樹脂材料、例えば軽量なPP(ポリプロピレン)で形成されている。
ここで、PPの比重は、約0.95~0.97であり、一般的な電気掃除機の外郭で使用されることの多いABSは比重が約1.1であり、PPはABSより軽量である。
【0019】
上ケース1aは、シボ加工を施し、デザイン性や意匠性を向上させている。
下ケース1cの前部には、塵埃を含む空気が吸い込まれるホース取り付け口(本体吸気口)11が開口されている。
【0020】
図3に示すように、下ケース1cの後部には、電源コード23a(図5A参照)のコードプラグ23bのカバー1b1が形成されている。ここで、カバー1b1における外側壁1b2を、内側壁1b3より後方に長い形状に形成している。これにより、掃除機本体1が転倒した際に、コードプラグ23bの床面Yへの接触を抑制できる。そのため、床面やコードプラグ23bの損傷を回避できる。
【0021】
図5Aに、掃除機本体1の上ケース1aを取り外した状態の斜視図を示し、図5Bに、図5Aのお知らせ用LED24a周りのVI方向拡大矢視図を示す。
図6に、掃除機本体1を側方から見た図3のI-I断面を示す。
【0022】
ホース取り付け口11は、掃除機本体1内の塵埃を含む空気が通過する導入管20(図5A参照)に接続されている。
【0023】
掃除機本体1の内部には、吸口体7(図1参照)での吸引力を発生する電動送風機14(図6参照)が収納されている。また、電動送風機14で吸引した塵埃を除去した後の空気の流路には排気を清浄化するプリーツ状の高捕塵フィルタ29(図6参照)が配置されている。
【0024】
掃除機本体1の正面である前側には、ホース取り付け口11を備えている。
掃除機本体1内の右側には、導入管20を介して内部を気体が流通するように流体的に接続される導入管出口12が備わっている。導入管出口12は、掃除機本体1に着脱される集塵装置10に気体が流通するように流体的に接続される。集塵装置10は、吸口体7(図1参照)で吸込んだ塵埃などを含む空気から塵埃を分離し、塵埃を収容する。
【0025】
一方、掃除機本体1の正面上部には、電動送風機14と連通するダクト21(図5A参照)へのダクト入口部13が備わっている。ダクト入口部13は、集塵装置10で塵埃を除去した後の空気が吸い込まれる口である。図4に示すように、ダクト入口部13は、電動送風機14への異物の侵入を抑制するために格子13aが設けられている。ダクト入口部13手前には、保護フィルタ17aが設けらる。保護フィルタ17aはフィルタカバー17より上流に設けられている。
【0026】
<集塵装置10>
集塵装置10は、図2Aの矢印α1、α2に示すように、上部が後側に傾斜した状態で着脱自在に取り付けられる。集塵装置10は、塵埃が外筒30内に溜まった際に、図2Aに示す矢印α2方向に移動させることで、掃除機本体1から取り外される。一方、外筒30内の塵埃排出(ごみ捨て)後に、集塵装置10を矢印α1方向に移動させることで、掃除機本体1に取り付けられる。
【0027】
掃除機本体1には、集塵装置10を掃除機本体1に取り付けた際に容易に気密を保持できるように、集塵装置10を位置決めするための構造や固定するための構造を備えている。
【0028】
図4に示す掃除機本体1における凹状の取っ手収納部には、集塵装置10の後方に備えている取っ手が収納される。取っ手と取っ手収納部は、集塵装置10を掃除機本体1にセットする際の集塵装置10の位置決めのための構造となっている。
【0029】
また、掃除機本体1における集塵装置10の取り付け箇所の下部には、集塵装置10を固定するための構造として、集塵装置10の底蓋31(図2A参照)の底面との嵌合部1a6が設けられている。
【0030】
図6に示すように、集塵装置10が掃除機本体1に取り付けられた状態では、集塵装置10は、ダクト21と流体的に接続されている。ダクト21は、ホース取り付け口11に隣接する導入管20およびダクト21に設けた図示しないツメで固定される保護フィルタ17aに隣接する。
【0031】
図6に示す電動送風機14は、上流側に塵埃を除去後の保護フィルタ17aを通った空気が流れるダクト21が流体的に接続される一方、下流側に高捕塵フィルタ29が流体的に接続されている。
【0032】
電気掃除機Sにおいて、集塵装置10は、電動送風機14よりも上流側に位置している。つまり、吸口体7(図1参照)の吸引力の上流側から、集塵装置10、ダクト21、電動送風機14の順に構成されている。具体的には、集塵装置10から電動送風機14までは、集塵装置10の上部からダクト21、ダクト21から電動送風機14の上部へと連通している。
【0033】
<コードリール23と導入管出口12>
図6に示す電動送風機14を収納するモータケース16は、掃除機本体1右側後方に配置され、左側後方にはコンセント等から電動送風機14などへ電力を供給するための電源コード23a(図5A参照)を収納するためのコードリール23が配置されている。
掃除機本体1の左右方向にて、コードリール23(図5A参照)の位置する側とは反対側に導入管20の出口の導入管出口12が設けられる。
【0034】
図5Aに示すように、コードリール23は大きいため、導入管出口を左側に配置するとコードリール23とスペース的に干渉し、コードリール23を左右方向に避けて導入管出口を配置する必要がある。この場合、電気掃除機Sの左右方向の寸法が大きくなる。
そこで、本実施形態では、モータケース16およびコードリール23の配置を勘案して、導入管20および導入管出口12を右側に配置している。導入管20および導入管出口12を右側に配置することで掃除機本体1を左右方向の寸法を抑え、全体小型化している。そのため、電気掃除機Sの軽量化にもなる。
【0035】
導入管20を掃除機本体1の中央ではなく、右の側部に寄せて配置するのは、集塵装置10の外筒30の内周面の接線方向(掃除機本体1の右の側部に位置する)から、吸込んだ空気を流入させることにより旋回流を発生させ易くするためである。本実施形態では、導入管20を右側に配置し、反時計回りの旋回流としている。
【0036】
<導入管20>
図6に示すように、導入管20は、掃除機本体1の所定位置に載置されることで設けられる。
図7Aに、導入管20の左側面図を示し、図7Bに、導入管20の図7AのII方向矢視図を示す。図7Cに、パッキン20pの外観斜視図を示し、図7D図7CのIII-III断面図を示す。
導入管20は、集塵装置10の位置決め用の上ケース20uの位置決め孔1a6を塞ぐ構造としている。これにより、集塵装置10を外した際に位置決め孔1a6に異物が混入することを抑制できる。
【0037】
導入管20は、屈曲したパイプ形状を有している。導入管20は、一方端部にホース取り付け口11(図6参照)につながる塵埃を含む空気の取りれ口20iが設けられ、他方端部に集塵装置10に続く導入管出口12が設けられている。
【0038】
導入管20は、上ケース20uと下ケース20sとを有している。
図7Aに示すように、上ケース20uにはホース取り付け口11と導入管出口12(図4参照)とが形成されている。
上ケース20uの下ケース20sとの接合部である周端部20u1には、下ケース20sの側に凸形状のパッキン抑え20u2が周回して形成されている。
【0039】
そして、上ケース20uの導入管出口12側の端部からは、下ケース20sの第1被係合部20s3に係合する鉤状の第1係合部20u3が下ケース20s側に延びて形成されている。また、上ケース20uの周端部20u1の長手方向側には、それぞれ下ケース20sの第2被係合部20s4に係合する鉤状の第2係合部20u4が2つ下ケース20s側に延びて形成されている。つまり、上ケース20uの周端部20u1の一方の長手方向側には、2つの鉤状の第2係合部20u4が形成され、上ケース20uの周端部20u1の他方の長手方向側には、2つの鉤状の第2係合部20u4が形成されている。
【0040】
下ケース20sには、上ケース20uの接合部である周端部20s1には、凹形状のパッキン溝20s2が周回して形成されている。凹形状のパッキン溝20s2には、断面円形であり環形状のゴム製のパッキン20p(図7C図7D参照)が嵌入されている。
【0041】
そして、下ケース20sの周端部20s1の導入管出口12側には、上ケース20uの鉤状の第1係合部20u3が係合する孔をもつ第1被係合部20s3が形成されている。また、下ケース20sの周端部20s1の一対の長手方向側には、それぞれ上ケース20uの鉤状の第2係合部20u4が係合する孔をもつ第2被係合部20s4が形成されている。
【0042】
この構成により、図7C図7Dに示すゴム製のパッキン20pが取り付けられた下ケース20sと上ケース20uとを押し合わせる。すると、上ケース20uの鉤状の第1係合部20u3と第2係合部20u4とがそれぞれ下ケース20sの孔をもつ第1被係合部20s3と第2被係合部20s4に当接して弾性変形して係合し、導入管20(図7A参照)を組立できる。
この構成により、上ケース20uと下ケース20sとを固定するネジが無くなる。そのため、部品数が削減され、組立て性が向上する。
また、ネジが無くなるので、軽量化できる。
【0043】
<ダクト21>
図6に示すように、導入管20の上方には、集塵装置10を通って塵埃を除去した空気がダクト口21aから吸込まれるダクト21が配設されている。ダクト21の下部開口21oの周囲には、ダクトベース21sの複数の爪部21s1(図5A参照)がそれぞれ係合する係合孔が複数を設けられている。
【0044】
ダクト21の係合孔に、図5Aに示すダクトベース21sの複数の爪部21s1がそれぞれ係合することで、ダクト21がダクトベース21sに固定される。本構成により、ダクトのダクトベースへの固定用のネジを無くすことが可能であり、軽量化できる。また、部品数が削減され、組立性が向上する。
【0045】
図4に示すように、ダクト口21aは、格子形状としている。これにより、集塵装置10を外した際に、ダクト口21aから異物が混入しないようにしている。
また、上ケース1aには、集塵装置10の蓋部のレバー(図示せず)が係合する係合孔1a7がダクト口21aの両側方に形成されている。
【0046】
図5Aに示すように、ダクト21のダクト口21aの両側方には、閉塞凸部21tが側方に突出して設けられている。これにより、図4に示すように、ダクト21を掃除機本体1に組み込んだ際、上ケース1aの一対の係合孔1a7を内部側から塞ぐことができる。この構成により、掃除機本体1から集塵装置10を外した際に、係合孔1a7から異物が混入することを抑制できる。
【0047】
図5A図6に示すダクトベース21sは内部を目視できる透明性を有する材料で形成されている。これにより、ダクトベース21aの内側に配置される電動送風機14の防振用ゴム21g(図6参照)を目視できる。目視により、組立て時に防振用ゴム21gが正常にセットされているか、一目で確認できる。
【0048】
<掃除機本体1内に吸い込まれた塵埃を含む空気の流路>
集塵装置10が掃除機本体1に取り付けられた状態では、縦断面図の図6に示すように、ホース取り付け口11から高捕塵フィルタ29に至るまで、一連の流路となっている。
【0049】
電気掃除機Sの掃除機本体1において、吸口体7(図1参照)から掃除機本体1に吸込まれた空気は図6に示す矢印β1~β8のように流れる。
【0050】
具体的には、吸口体7(図1参照)で吸い込まれた塵埃などを含む空気は、ホース取り付け口11から掃除機本体1内の導入管20に流入する(図6の矢印β1)。導入管20内を通って導入管出口12を通って集塵装置10に至る(図6の矢印β2)。集塵装置10内に入った塵埃などを含む空気は内筒40の廻りを回る気流となる(図6の矢印β3)。この気流により発生する遠心力で空気と塵埃を分離し、空気は内筒40内に吸い込まれ、一部の気流(図6の矢印β4)は集塵装置10の下部へ流れる。塵埃は、この気流(図6の矢印β4)により、外筒30内面に沿って落下し、集塵装置10の下部に溜まる。
【0051】
集塵装置10の下部への気流(図6の矢印β4)は、円筒状の傘部44の外周面に沿って上昇し(図6の矢印β5)、内筒40内に吸い込まれる。内筒40内には、図示しないメッシュ部材を通過した遠心分離しきれなかった微細な塵埃を含む空気が流れ、集塵装置10に設けた捕塵フィルタ32で微細な塵埃が除去される。そして、塵埃が除去された空気は、ダクト21の内部を通過して、電動送風機14に吸い込まれる(図6の矢印β6)。そして、電動送風機14に吸い込まれた空気は、高捕塵フィルタ29を通過して残留する異物などが除去され(図6の矢印β7)、掃除機本体1の後下部の排出口34から外部に排出される(図6の矢印β8)。
【0052】
<本体ハンドル19>
図1図4に示すように、下ケース1cと上ケース1aとの間には、本体ハンドル19が取り付けられている。
本体ハンドル19は、電気掃除機Sを持ち運ぶ際に利用者に把持される部材である。
【0053】
図8に、本体ハンドル19の斜視図を示す。
本体ハンドル19は樹脂を用いて略コの字状に形成されている。本体ハンドル19は、把持部19aと把持部19aの両端からそれぞれ下方に延びる一対の支持部19bとを有している。
【0054】
本体ハンドル19の掃除機本体1に対する位置は、掃除機本体1の重心位置で決まり、掃除機本体1を小型化すると本体ハンドル19の長手方向の長さが長くなる。本体ハンドル19が長いと強度が弱くなる。そこで、本体ハンドル19を長手方向に分割して2部品で構成して強度を向上させると、部品数が増えて構造が複雑になる。すると、本体ハンドル19の組立てに手間がかかるなどの問題がある。
【0055】
そのため、本電気掃除機Sでは、本体ハンドル19を根元から先端までの長手方向を1部品で形成している。本体ハンドル19を長手方向に一部品で構成することで、構造が簡素になり、組立てが容易となる。また、組立て用のネジが無くなるので、軽量化できる。
【0056】
図1に示すように、電気掃除機Sの使用時、利用者は本体ハンドル19を把持し、電気掃除機Sを持ち上げたり、振ったりする。この場合、本体ハンドル19には後側に力が掛かったり(図2Aの矢印α11)、前側に力が掛かったり(図2Aの矢印α12)する。この場合、本体ハンドル19に大きな外力が加わる。
【0057】
そこで、本電気掃除機Sでは、本体ハンドル19に対して、掃除機本体1に支持部を形成している。本体ハンドル19の前後方向を上ケース1aで支える構造とすることで、本体ハンドル19に加わる外力に起因する曲げモーメントを低減する。
【0058】
図8に示すように、本体ハンドル19の内側に内凸部であるコの字形状のリブ19b1を設けている。詳細には、本体ハンドル19の左右の各支持部19bの内側下方中央に、それぞれ長さ方向に延びて下方側に開口19b2をもつコの字形状のリブ19b1を内側に向けて凸形状に形成している。
【0059】
図9に、掃除機本体1から本体ハンドル19を外した状態の斜視図を示す。
一方、上ケース1aの側には、本体ハンドル19のコの字形状のリブ19b1に前後が挟まれるように案内支持部1a2を設けている。案内支持部1a2は、側方に向けて凸形状を成して上下方向に延びて形成されている。案内支持部1a2は、先端部1a21が次第に細くなる形状としている。
【0060】
この構成により、本体ハンドル19を掃除機本体1に取り付けるに際して、本体ハンドル19の左右の支持部19bのコの字形状のリブ19b1をその開口19b2を上ケース1aの案内支持部1a2に差し込むことで、支持部19bのリブ19b1を案内支持部1a2を挟んでスライドさせて嵌合できる。これにより、本体ハンドル19を下ケース1cと上ケース1aとの間に嵌合させて、ねじなどで取り付けることができる。
このように、本体ハンドル19の一対の支持部19bのリブ19b1と上ケース1aの案内支持部1a2は、本体ハンドル19の掃除機本体1への取付け性の向上と位置決めの役割を果たしている。
また、上ケース1aには、本体ハンドル19の後部に当接するように、第1支持部1a1が設けられる。
【0061】
上述の構成により、本体ハンドル19に外力が加わった際(図2Aの矢印α11、α12)、下記のように、本体ハンドル19が掃除機本体1で支持される。
本体ハンドル19に後方への外力(図2Aの矢印α11)が加わった際、本体ハンドル19が後部の上ケース1aの支持部1a1に当接するとともに、本体ハンドル19のコの字形状のリブ19b1が上ケース1aの案内支持部1a2に当接する。これにより、本体ハンドル19に加わる外力を上ケース1aの支持部1a1と案内支持部1a2とで支持できる。
こうして、本体ハンドル19を上ケース1aで支えることで、本体ハンドル19の後方への曲げモーメントが抑えられ耐荷重性を向上させられる。そのため、本体ハンドル19の後方への変形を抑制できる。
【0062】
一方、本体ハンドル19に前方への外力(図6の矢印α12)が加わった際、本体ハンドル19の左右の支持部19bのリブ19b1が、それぞれ上ケース1aの案内支持部1a2に当接するとともに、本体ハンドル19の後部が上ケース1aの支持部1a1に当接し、外力を上ケース1aの案内支持部1a2と支持部1a1とで支持できる。
【0063】
こうして、本体ハンドル19の前方への曲げモーメントを抑えて耐荷重性を向上させられる。そのため、本体ハンドル19の前方への変形を抑制できる。
したがって、本体ハンドル19の支持構造を設けることで、本体ハンドル19の曲げモーメントを抑えて、強度向上を図れる。
【0064】
<基板の固定>
図10に、メイン基板22周りを下方から上方に見た図を示す。
メイン基板22は、掃除機本体1の内部下方に設けられている。
電気掃除機Sは、制御を担うメイン基板22と、操作表示を行うLED基板24(図5B参照)とがある。
メイン基板22は、2箇所のツメ22tの係合と、1箇所のネジ22n止めとで固定している。3本のネジで固定するものに対し、本構成では、2本のネジを減らしており、軽量化を図っている。
【0065】
LED基板24には、操作表示をするために、変色して発光するお知らせ用LED24a(図5A図5B参照)が実装されている。図5Bに示すLED基板24は、2箇所での係合24tで固定されており、ネジを用いず設けられている。
1本のネジを用いて固定するものに対し、本構成では、1本のネジを減らしており、軽量化を図っている。
【0066】
<お知らせ用LED24aの表示>
図6に示すように、お知らせ用LED24aの上方の上ケース1aには、お知らせ用LED24aの光を通す光通過孔1a8が形成されている。
【0067】
図11に、図3のIV部拡大図を示す。
上ケース1aの光通過孔1a8を覆って半透明の樹脂シート25が貼られている。
半透明の樹脂シート25には、お知らせ用LED24aの上に白色が印刷された表示25aが配置されている。そして、樹脂シート25には、表示25a上に横一列に予め表示25aに緑が点灯するとECOモードの表示25bと、表示25aに緑が点滅するとアイドリング&ストップを示す表示25cと、表示25aに赤が点灯するとフィルタの目詰まりを示す25dが印刷されている。
【0068】
これにより、透明なプラスチック部品と、透明なプラスチック部品におけるお知らせ用LEDの光が何のモードであるかを示す刻印(ホットスタンプ)を用いるものに対し、工程を削減できる。
【0069】
<延長管係止部>
図12に、掃除機本体1の後部を下にして床面Yに立てた状態の斜視図を示す。
次に、電気掃除機Sの未使用時の構成について説明する。
図1に示す電気掃除機Sの未使用時には、掃除機本体1から延長管6を外して、掃除機本体1の後部1k(図3参照)を下にして床面Yに立てる。そして、掃除機本体1の延長管被係止部11c1(図12参照)に延長管6の鉤状の係止部(図示せず)を係止して載置される。
【0070】
掃除機本体1の下面側は、下ケース1cとホース口部材11とが接合され、構成されている。ホース口部材11では、キャスタ15bの位置を幾分後方(図12の紙面の下側)に配置している。そして、ホース口部材11のキャスタ15bの前方に凹形状の延長管被係止部11c1を前方から後方に延びる孔を形成して設けている。
【0071】
ホース口部材11の延長管被係止部11c1には、延長管6の裏側に形成される鉤状の係止部が係止される。これにより、掃除機本体1の小型化、軽量化に役立つ。また、延長管6を使う際の掃除機本体1の強度向上にもつながる。
【0072】
上記構成によれば、図9に示すように、掃除機本体1に本体ハンドル19に当接する支持部1a1と案内支持部(支持部)1a2とを備えることで、本体ハンドル19に加わる外力を軽減できる。したがって、本体ハンドル19の強度を構造的に強化できる。
【0073】
また、本体ハンドル19の内側にリブ19b1が形成され、掃除機本体1にリブ19b1が摺動する案内支持部1a2が形成されることで、本体ハンドル19の掃除機本体1への取り付け性が向上する。また、本体ハンドル19を掃除機本体1に取り付ける際に、本体ハンドル19を掃除機本体1への位置決めを行える。
【0074】
また、本体ハンドル19を長手方向に1部品で形成することで、本体ハンドル19周りの部品点数を削減できる。
従って、電気掃除機Sの小型・軽量化を図れる。
また、電気掃除機Sの部品点数を削減でき、組立性の向上を実現できる。
利点がある。
【0075】
<<その他の実施形態>>
1.なお、前記実施形態では、図8に示すように、本体ハンドル19にコの字形状のリブ19b1を設ける場合を示したが、本体ハンドル19のリブ19b1が上ケース1aの案内支持部1a3を摺動して位置決めできれば、リブ19b1の形状はその他の形状でもよい。
【0076】
2.なお、前記実施形態では、本体ハンドル19にコの字形状のリブ19b1を設け、上ケース1aに案内支持部1a2を設ける場合を例に挙げたが、本体ハンドル19に案内支持部1a2を設け、上ケース1aにコの字形状のリブ19b1を設ける構成としてもよい。この場合も、同様な作用効果を奏する。
【0077】
3.前記実施形態では、掃除機本体1に当接して本体ハンドル19を支持する複数の構成を例に挙げて説明したが、複数の構成のうち少なくとも何れかを有する構成としてもよい。また、説明した複数の構成は、本体ハンドル19に掃除機本体1に当接して支持する構成であれば他の構成を採用してもよい。この構成により、本体ハンドル19の耐荷重性を高めることができる。
【0078】
4.前記実施形態では、様々な構成を説明したが、各構成の少なくとも一部を採用してもよい。例えば、説明した各構成を、選択して適宜組み合わせて構成してもよいし、説明した各構成の一つを備える構成としてもよい。
【0079】
5.前記実施形態で説明した構成は、本発明の一例であり、特許請求の範囲で記載した範囲内でその他の様々な形態が可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 掃除機本体
1a1 支持部(第1支持部)
1a2 案内支持部(支持部、案内支持部、第1案内支持部、第2案内支持部)
10 集塵装置
14 電動送風機
19 本体ハンドル
19b1 リブ(案内リブ、支持部、案内支持部、第1案内支持部)
S 電気掃除機
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10
図11
図12