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  • 特許-二酸化炭素施用装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】二酸化炭素施用装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/02 20060101AFI20220621BHJP
   A01G 9/18 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
A01G7/02
A01G9/18
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019146375
(22)【出願日】2019-08-08
(65)【公開番号】P2021023261
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2020-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】谷澤 好人
(72)【発明者】
【氏名】弓達 昌樹
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-041649(JP,A)
【文献】特開2014-121290(JP,A)
【文献】特開2013-074887(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0007779(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 7/02
A01G 9/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を回収し、農業用ハウス内に供給する二酸化炭素施用装置であって、
液体を貯留し、燃焼排ガスが前記液体を通過するように構成された浄化タンクと、
前記液体を通過した前記燃焼排ガスに含まれる水分を回収する回収タンクと、
前記燃焼排ガス中の二酸化炭素を吸着する吸着材が内部に配置された吸着タンクと、
前記液体を通過した前記燃焼排ガスを前記回収タンクから前記吸着タンクに供給するブロワを含む動力ユニットと、
を備え、
前記浄化タンクと、前記動力ユニットとは、互いに分離して配置され
前記浄化タンクは、農業用ハウスの外部に配置され、
前記動力ユニット、前記吸着タンク及び前記回収タンクは、農業用ハウスの内部に配置される、二酸化炭素施用装置。
【請求項2】
請求項1に記載の二酸化炭素施用装置であって、
前記動力ユニットを制御する制御ユニットをさらに備え、
前記制御ユニットは、前記動力ユニットの外部に配置される、二酸化炭素施用装置。
【請求項3】
請求項に記載の二酸化炭素施用装置であって、
前記動力ユニットは、前記ブロワを保持する枠体を含み、
前記制御ユニットは、前記動力ユニットの前記枠体と分離し、かつ前記枠体に連結された筐体を有する、二酸化炭素施用装置。
【請求項4】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の二酸化炭素施用装置であって、
前記動力ユニットは、前記ブロワを保持する枠体を含み、
前記動力ユニットにおいて、前記ブロワは、前記枠体によって前記動力ユニットの外部に開放された空間に配置される、二酸化炭素施用装置。
【請求項5】
燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を回収し、農業用ハウス内に供給する二酸化炭素施用装置であって、
液体を貯留し、燃焼排ガスが前記液体を通過するように構成された浄化タンクと、
前記液体を通過した前記燃焼排ガスに含まれる水分を回収する回収タンクと、
前記燃焼排ガス中の二酸化炭素を吸着する吸着材が内部に配置された吸着タンクと、
前記液体を通過した前記燃焼排ガスを前記回収タンクから前記吸着タンクに供給するブロワを含む動力ユニットと、
前記動力ユニットを制御する制御ユニットと、
を備え、
前記制御ユニットは、前記動力ユニットの外部に配置され
前記浄化タンクは、農業用ハウスの外部に配置され、
前記動力ユニット、前記吸着タンク及び前記回収タンクは、農業用ハウスの内部に配置される、二酸化炭素施用装置。
【請求項6】
請求項5に記載の二酸化炭素施用装置であって、
前記動力ユニットは、前記ブロワを保持する枠体を含み、
前記制御ユニットは、前記動力ユニットの前記枠体と分離し、かつ前記枠体に連結された筐体を有する、二酸化炭素施用装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の二酸化炭素施用装置であって、
前記動力ユニットにおいて、前記ブロワは、前記動力ユニットの外部に開放された空間に配置される、二酸化炭素施用装置。
【請求項8】
請求項に記載の二酸化炭素施用装置であって、
前記動力ユニットは、前記ブロワを保持する枠体を含み、
前記動力ユニットにおいて、前記ブロワは、前記枠体によって前記動力ユニットの外部に開放された空間に配置される、二酸化炭素施用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、二酸化炭素施用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
園芸植物の収率及び品質を向上させるため、二酸化炭素を農業用ハウス内に施用する二酸化炭素施用装置が公知である。一方で、農業用ハウスには、夜間の気温低下を防止するための加温機が設けられる。加温機は、重油や灯油等を燃焼して温風を農業用ハウスに供給する。
【0003】
そこで、加温機から発生する燃焼排ガス中の二酸化炭素を回収及び貯留し、任意のタイミングで二酸化炭素を農業用ハウス内に供給する二酸化炭素施用装置が考案されている(特許文献1参照)。
【0004】
この二酸化多炭素施用装置では、燃焼排ガスを浄化タンク内の液体に通過させて冷却及び浄化した後に、吸着材が配置されたに吸着タンクにブロワによって燃焼排ガスを送り、二酸化炭素を吸着させる。
【0005】
吸着材に吸着された二酸化炭素は、例えば昼間に吸着材から脱離され、農業用ハウス内に施用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-41639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のような二酸化炭素施用装置において、例えば、浄化タンクとブロワとを1つの筐体内に配置したユニットとすることで、二酸化炭素施用装置の設置を容易化することができる。
【0008】
しかし、二酸化炭素施用装置を構成する機器ごとに、好適な配置場所や環境は異なる。そのため、1つのユニットに種々の機器を組み込むと、一部の機器でパフォーマンスが十分に発揮されない場合や、パフォーマンスを確保するための付加設備が必要となる場合がある。
【0009】
本開示の一局面は、配置の最適化によって、装置を構成する機器のパフォーマンスを向上できる二酸化炭素施用装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様は、燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を回収し、農業用ハウス内に供給する二酸化炭素施用装置である。二酸化炭素施用装置は、液体を貯留し、燃焼排ガスが液体を通過するように構成された浄化タンクと、燃焼排ガス中の二酸化炭素を吸着する吸着材が内部に配置された吸着タンクと、液体を通過した燃焼排ガスを吸着タンクに供給するブロワを含む動力ユニットと、を備える。浄化タンクと、動力ユニットとは、互いに分離して配置される。
【0011】
このような構成によれば、浄化タンクと動力ユニットとが分離していることで、浄化タンクとブロワとを離間して配置することができる。そのため、浄化タンクの位置に関わらず、ブロワを吸着タンクと共に農業用ハウスの内部に配置することができる。
【0012】
このようにブロワが農業用ハウスの内部に配置されることで、ブロワによって暖められた燃焼排ガスの外気での冷却による温度低下が抑制される。その結果、湿度が抑制された燃焼排ガスが吸着タンクに供給されるため、吸着材の吸着能力及び脱離能力が向上する。また、吸着タンク内の錆の発生を抑制できる。
【0013】
本開示の一態様では、浄化タンクは、農業用ハウスの外部に配置されてもよい。動力ユニット及び吸着タンクは、農業用ハウスの内部に配置されてもよい。このような構成によれば、燃焼排ガスの冷却及び浄化を農業用ハウスの外で行いつつ、燃焼排ガスの湿度の抑制による吸着材の能力向上を図ることができる。
【0014】
本開示の一態様は、動力ユニットを制御する制御ユニットをさらに備えてもよい。制御ユニットは、動力ユニットの外部に配置されてもよい。このような構成によれば、熱源であるブロワと制御ユニットとを離間して配置できるため、制御ユニットの信頼性を向上できる。また、制御ユニットを冷却するための設備を設ける必要がなくなる。
【0015】
本開示の別の態様は、燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を回収し、農業用ハウス内に供給する二酸化炭素施用装置である。二酸化炭素施用装置は、液体を貯留し、燃焼排ガスが液体を通過するように構成された浄化タンクと、燃焼排ガス中の二酸化炭素を吸着する吸着材が内部に配置された吸着タンクと、液体を通過した燃焼排ガスを吸着タンクに供給するブロワを含む動力ユニットと、動力ユニットを制御する制御ユニットと、を備える。制御ユニットは、動力ユニットの外部に配置される。
【0016】
このような構成によれば、熱源であるブロワと制御ユニットとを離間して配置できるため、制御ユニットの信頼性を向上できる。また、制御ユニットを冷却するための設備を設ける必要がなくなる。
【0017】
本開示の一態様では、動力ユニットにおいて、ブロワは、動力ユニットの外部に開放された空間に配置されてもよい。このような構成によれば、冷却設備を設けることなく、ブロワの温度上昇が抑制できる。その結果、装置の小型化とコストダウンとが促進される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施形態における二酸化炭素施用装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図2図2は、図1の二酸化炭素施用装置の動力ユニット及び制御ユニットの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示す二酸化炭素施用装置1は、燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を回収し、農業用ハウスA内に供給するための装置である。
【0020】
二酸化炭素施用装置1は、燃焼装置2と、浄化タンク3と、回収タンク4と、動力ユニット5と、吸着タンク6と、制御ユニット7と、調整弁8とを備える。
また、二酸化炭素施用装置1は、排ガス流路10と、第1取込流路11と、第2取込流路13と、第1供給流路15と、第2供給流路16と、排出流路17とを備える。
【0021】
<燃焼装置>
燃焼装置2は、主に夜間、重油や灯油等の燃料を燃焼させ、農業用ハウスA内の空気を暖める装置である。排ガス流路10を介して燃焼排ガスを農業用ハウスA内に流通させる。燃焼装置2は、農業用ハウスAの内部に配置されてもよいし、農業用ハウスAの外部に配置されてもよい。
【0022】
<浄化タンク>
浄化タンク3は、燃焼装置2から発生した燃焼排ガスの一部を液体L1によって冷却及び浄化するための装置である。
【0023】
浄化タンク3は、内部に液体L1を貯留している。また、浄化タンク3は、燃焼装置2で発生した燃焼排ガスを取り込み、取り込んだ燃焼排ガスが液体L1を通過するように構成されている。
【0024】
燃焼排ガスは、液体L1との熱交換により冷却されると共に、液体L1に含まれる化合物によって含有する成分の一部が取り除かれる。なお、浄化タンク3内に貯留されている液体L1の体積は、浄化タンク3の容積よりも小さい。
【0025】
具体的には、浄化タンク3には、第1取込流路11が接続されており、第1取込流路11から液体L1中に燃焼排ガスが供給される。第1取込流路11は、排ガス流路10に接続され、燃焼排ガスを取り込んでいる。
【0026】
液体L1中に供給された燃焼排ガスは、液体L1中を気泡となって浮上する。つまり、浄化タンク3内においてバブリングが行われる。液体L1を通過した燃焼排ガスは、第2取込流路13によって、回収タンク4に取り込まれる。
【0027】
浄化タンク3に貯留される液体L1としては、燃焼排ガス中に含まれる硫化物や窒化物等の有害物質を除去できるものが好ましい。例えば、硫化物や窒化物と反応する化合物の水溶液が液体L1として好適に使用できる。
【0028】
なお、浄化タンク3には、液体L1を冷却するための冷却空気流路(図示省略)が接続されている。冷却空気流路から冷却空気を液体L1中に供給することで、液体L1が冷却される。
【0029】
<回収タンク>
回収タンク4は、浄化タンク3の液体L1を通過した燃焼排ガスに含まれる水分を回収するための装置である。
【0030】
具体的には、回収タンク4には、第2取込流路13が接続されており、第2取込流路13から回収タンク4内に燃焼排ガスと燃焼排ガスから分離した水分が供給される。回収タンク4を通過した燃焼排ガスは、第1供給流路15及び第2供給流路16によって吸着タンク6に供給される。一方、燃焼排ガスから分離した水L2は、回収タンク4の内部に貯留される。
【0031】
図2に示すように、回収タンク4は、燃焼排ガスの供給口4Aと、燃焼排ガスの排出口4Bと、キャップ4Cとを有する。回収タンク4としては、例えば、市販のプラスチック製のタンクが使用できる。
【0032】
供給口4Aには、第2取込流路13が接続されている。排出口4Bには、第1供給流路15が接続されている。供給口4A及び排出口4Bは、共に、回収タンク4の側方に配置されている。排出口4Bは、供給口4Aよりも上方に位置している。
【0033】
第2取込流路13の先端部13A及び第1供給流路15の先端部15Aは、それぞれ、回収タンク4内において水平方向に延伸している。また、回収タンク4内の水L2の水面は、第2取込流路13の先端部13Aよりも低い位置にある。そのため、第2取込流路13の先端部13Aへの回収タンク4内の水の侵入が抑制される。その結果、第2取込流路13の回収タンク4内に配置された部位の長さを小さくできる。これにより、軽量化及びコストダウンが促進される。
【0034】
また、第1供給流路15の先端部15Aは、周壁に複数の孔が形成されている。さらに、先端部15Aの周壁には、複数の孔を覆うように、フィルタ15Bが巻回されている。第2取込流路13の先端部13Aから回収タンク4内に放出された燃焼排ガスは、フィルタ15Bを介して第1供給流路15の先端部15A内に取り込まれる。
【0035】
回収タンク4は、キャップ4Cを取り外した状態で姿勢を傾けることで、内部の水L2を排出することができる。なお、第1供給流路15に可撓性を持たせる(例えば蛇腹形状とする)ことで、第1供給流路15を回収タンク4に接続したまま、水L2の排出が可能となる。また、回収タンク4には、第2取込流路13の先端部13Aよりも下方に配置された排水弁が設けられてもよい。これにより、より容易に水L2を排出できる。
【0036】
<動力ユニット>
動力ユニット5は、ブロワ5Aと、枠体5Bとを有する。
【0037】
ブロワ5Aは、液体L1を通過した燃焼排ガスを回収タンク4から吸着タンク6に供給するための装置である。ブロワ5Aは、第1供給流路15と第2供給流路16との間に配置されている。
【0038】
二酸化炭素の吸着工程では、ブロワ5Aの運転により、浄化タンク3及び回収タンク4内が負圧となり、燃焼装置2で発生した燃焼排ガスが、浄化タンク3及び回収タンク4を経由して吸着タンク6に圧送される。
【0039】
枠体5Bは、ブロワ5A、第1供給流路15及び第2供給流路16を保持している。具体的には、ブロワ5Aは、枠体5Bの第1敷板5Cに載置されている。枠体5Bは、ブロワ5Aを囲う側壁を有しない。つまり、動力ユニット5において、ブロワ5Aは、動力ユニット5の外部に開放された空間に配置されている。
【0040】
また、枠体5Bは、第1敷板5Cよりも下方に配置された第2敷板5Dを有する。第2敷板5Dには、回収タンク4が載置されている。そのため、回収タンク4は、ブロワ5Aよりも下方に配置されている。
【0041】
<吸着タンク>
図1に示す吸着タンク6には、燃焼排ガス中の二酸化炭素を吸着する吸着材が内部に配置されている。二酸化炭素の吸着工程では、ブロワ5Aによって供給された燃焼排ガス中の二酸化炭素が吸着材によって吸着される。吸着材としては、例えば活性炭、ゼオライト等の親水性多孔質材料などが使用できる。
【0042】
一方、二酸化炭素の施用工程では、施用空気流路(図示省略)から施用空気が吸着タンク6内に供給され、吸着材から二酸化炭素が脱離する。脱離した二酸化炭素は、排出流路17を介して農業用ハウスA内に施用される。
【0043】
<制御ユニット>
制御ユニット7は、二酸化炭素施用装置1の運転を制御する装置である。具体的には、制御ユニット7は、動力ユニット5の制御(つまりブロワ5Aの運転及び停止)、各流路に配置された切替弁(例えばソレノイド弁)の開閉等を行う。
【0044】
制御ユニット7は、図2に示すように、動力ユニット5の外部に配置されている。つまり、制御ユニット7は、動力ユニット5の枠体5Bとは分離した筐体を有している。本実施形態の制御ユニット7は、農業用ハウスAの内部に配置されているため、農業用ハウスAの外部環境に比べ、高い耐候性が求められない。そのため、制御ユニット7の筐体は、プラスチック製とすることができ、これにより筐体の軽量化を図ることができる。
【0045】
なお、本実施形態では、制御ユニット7は、動力ユニット5の上に配置されている。ただし、制御ユニット7は、動力ユニット5の下方に配置されてもよいし、動力ユニット5と離間して配置されてもよい。
【0046】
<調整弁>
調整弁8は、浄化タンク3及び回収タンク4内の圧力を調整する。調整弁8は、ブロワ5Aの運転停止後における吸着タンク6から回収タンク4内へのガスの流れを遮断する。つまり、調整弁8は、ブロワ5Aの運転停止後における浄化タンク3及び回収タンク4内の圧力の上昇を抑制する。
【0047】
調整弁8は、第1供給流路15内、つまりブロワ5Aよりも燃焼排ガスの流れ方向における上流に配置されている。調整弁8は、回収タンク4の排出口4Bよりも上方、かつ、ブロワ5Aの吸気口5Eよりも下方に配置されている。
【0048】
調整弁8としては、例えばチャッキ弁が使用できる。また、調整弁8としてゲート弁、グローブ弁、ボール弁等を使用し、二酸化炭素の吸着工程では調整弁8を開けておき、ブロワ5Aの運転停止後に手動又は制御ユニット7によって調整弁8を閉めるように構成してもよい。ただし、調整弁8をチャッキ弁とすることで、構成が簡潔になると共に、コストを低減できる。
【0049】
なお、本実施形態では、調整弁8は、燃焼排ガスの流れ方向が水平方向となる向きに配置されている。ただし、調整弁8は、燃焼排ガスの流れ方向が上下方向となる向きに配置されてもよい。
【0050】
<各機器の配置>
二酸化炭素施用装置1において、浄化タンク3と、動力ユニット5と、吸着タンク6とは、互いに分離して配置される。
【0051】
具体的には、図1に示すように、浄化タンク3は農業用ハウスAの外部に配置されている。また、動力ユニット5、制御ユニット7、及び吸着タンク6は、農業用ハウスAの内部に配置されている。
【0052】
また、動力ユニット5は、浄化タンク3よりも吸着タンク6に近づけて配置されるとよい。つまり、第2取込流路13及び第1供給流路15の合計長さよりも、第2供給流路16の長さが小さくなるように、浄化タンク3、動力ユニット5、及び吸着タンク6が配置されるとよい。これにより、吸着タンク6の性能向上を図ることができる。
【0053】
[1-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)浄化タンク3と動力ユニット5とが分離していることで、浄化タンク3とブロワ5Aとを離間して配置することができる。そのため、浄化タンク3の位置に関わらず、ブロワ5Aを吸着タンク6と共に農業用ハウスAの内部に配置することができる。
【0054】
このようにブロワ5Aが農業用ハウスAの内部に配置されることで、ブロワ5Aによって暖められた燃焼排ガスの外気での冷却による温度低下が抑制される。その結果、湿度が抑制された燃焼排ガスが吸着タンク6に供給されるため、吸着材の吸着能力及び脱離能力が向上する。また、吸着タンク6内の錆の発生を抑制できる。
【0055】
(1b)浄化タンク3を農業用ハウスAの外部に配置することで、外気によって燃焼排ガスの冷却効果が向上する。さらに、燃焼排ガスの冷却及び浄化を農業用ハウスAの外で行いつつ、燃焼排ガスの湿度の抑制による吸着材の能力向上を図ることができる。
【0056】
(1c)制御ユニット7が動力ユニット5の外部に配置されることで、熱源であるブロワ5Aと制御ユニット7とを離間して配置できる。その結果、制御ユニット7の信頼性を向上できる。また、制御ユニット7を冷却するための設備を設ける必要がなくなる。
【0057】
(1d)動力ユニット5において、ブロワ5Aが動力ユニット5の外部に開放された空間に配置されることで、冷却設備を設けることなく、ブロワ5Aの温度上昇が抑制できる。その結果、装置の小型化とコストダウンとが促進される。
【0058】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0059】
(2a)上記実施形態の二酸化炭素施用装置において、ブロワは必ずしも動力ユニットの外部に開放された空間に配置されなくてもよい。例えば、ブロワは側壁に囲まれた空間に配置されてもよい。
【0060】
(2b)上記実施形態の二酸化炭素施用装置において、調整弁は、必ずしも回収タンクの排出口よりも上方、かつ、ブロワの吸気口よりも下方に配置されなくてもよい。また、回収タンクの排出口と供給口とは、必ずしも回収タンクの側方に配置されなくてもよい。
【0061】
(2c)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0062】
1…二酸化炭素施用装置、2…燃焼装置、3…浄化タンク、4…回収タンク、
4A…供給口、4B…排出口、4C…キャップ、5…動力ユニット、5A…ブロワ、
5B…枠体、5C…第1敷板、5D…第2敷板、5E…吸気口、6…吸着タンク、
7…制御ユニット、8…調整弁、10…排ガス流路、11…第1取込流路、
13…第2取込流路、13A…先端部、15…第1供給流路、15A…先端部、
15B…フィルタ、16…第2供給流路、17…排出流路。
図1
図2