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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】医療デバイスデータ統合装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/14 20060101AFI20220621BHJP
   A61M 1/36 20060101ALI20220621BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20220621BHJP
   A61M 5/172 20060101ALI20220621BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20220621BHJP
   G16H 20/17 20180101ALI20220621BHJP
【FI】
A61M1/14 100
A61M1/14 110
A61M1/36 100
A61M5/142 530
A61M5/172 500
G16H10/00
G16H20/17
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019156395
(22)【出願日】2019-08-29
(62)【分割の表示】P 2018507619の分割
【原出願日】2016-08-12
(65)【公開番号】P2020006193
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2019-08-29
(31)【優先権主張番号】62/205,104
(32)【優先日】2015-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/235,701
(32)【優先日】2016-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(73)【特許権者】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン アラン ハンドラー
【審査官】胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-528806(JP,A)
【文献】特開2012-000291(JP,A)
【文献】特開2021-000291(JP,A)
【文献】特開平06-205827(JP,A)
【文献】特表2004-527023(JP,A)
【文献】特開2014-217528(JP,A)
【文献】特表2016-528605(JP,A)
【文献】特開2015-185125(JP,A)
【文献】特表2012-517298(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0143116(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/14
A61M 1/36
A61M 5/142
A61M 5/172
G16H 10/00
G16H 20/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
統合エンジン装置であって、
患者識別子を受信するように構成された構成インターフェースと、
サブスクリプションプロセッサであって、
少なくとも1つの注入ポンプから注入治療進度データを受信するために、前記患者識別子を含む第1のメッセージを第1のゲートウェイに伝送することと、
少なくとも1つの腎不全治療機械から腎不全治療進度データを受信するために、前記患者識別子を含む第2のメッセージを第2のゲートウェイに伝送することと
を行うように構成されている、サブスクリプションプロセッサと、
データプロセッサであって、
第1のインターフェースに、前記第1のゲートウェイから前記注入治療進度データを受信させることと、
第2のインターフェースに、前記第2のゲートウェイから前記腎不全治療進度データを受信させることと、
組み合わせユーザインターフェースに、注入タイムライン内に前記注入治療進度データを表示させ、前記注入タイムラインと整合される腎不全治療タイムライン内に前記腎不全治療進度データを表示させることと
を行うように構成されている、データプロセッサと
を備える、装置。
【請求項2】
前記第1のゲートウェイからの前記注入治療進度データは、前記少なくとも1つの注入ポンプに関連する第1の規格にあり、前記第1のインターフェースに、前記第1のゲートウェイから前記注入治療進度データを受信させることは、前記第1のインターフェースに、前記第1のゲートウェイからの前記注入治療進度データを前記第1の規格から共通規格に変換させることを含み、
前記第2のゲートウェイからの前記腎不全治療進度データは、前記少なくとも1つの腎不全治療機械に関連する第2の規格にあり、前記第2のインターフェースに、前記第2のゲートウェイから前記腎不全治療進度データを受信させることは、前記第2のインターフェースに、前記第2のゲートウェイからの前記腎不全治療進度データを前記第2の規格から前記共通規格に変換させることを含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記データプロセッサは、
前記注入治療進度データおよび前記腎不全治療進度データに基づいて、微分データを判定することであって、前記微分データは、流体バランスデータ、流体蓄積データ、患者への合計流体入力、または、前記患者からの合計流体出力のうちの少なくとも1つである、ことと、
前記組み合わせユーザインターフェースに、前記腎不全治療タイムラインおよび前記注入タイムラインと整合される微分データタイムライン内に前記微分データを表示させることと
を行うようにさらに構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記微分データを判定することは、
前記注入治療進度データおよび前記腎不全治療進度データから複数の異なるタイプの微分データを判定することと、
前記複数のタイプの微分データを表示することと、
前記複数のタイプの微分データのうちの1つのユーザ選択を受信することと
を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記構成インターフェース、前記サブスクリプションプロセッサ、および前記データプロセッサのうちの少なくとも1つは、前記第1のゲートウェイおよび前記第2のゲートウェイにネットワークを介して通信可能に結合されているモニタゲートウェイに位置する、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記モニタゲートウェイは、病院情報システムサーバに通信可能に結合されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記データプロセッサは、
前記組み合わせユーザインターフェースに、オペレータによる選択のために、複数の医療データタイプおよび動作を表示させることと、
前記医療データタイプのうちの少なくともいくつかと少なくとも1つの動作との間の関係を含む、前記医療データタイプのうちの前記少なくともいくつかおよび前記少なくとも1つの動作の選択を前記組み合わせユーザインターフェースから受信することと、
前記医療データタイプのうちの前記少なくともいくつかおよび前記少なくとも1つの動作の前記選択に基づいて、前記微分データを判定することと
によって、前記微分データを判定するようにさらに構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記データプロセッサは、前記受信された注入治療進度データおよび前記受信された腎不全治療進度データに基づいて、表示のために利用可能な複数の微分データタイプを判定するようにさらに構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記受信された注入治療進度データに関連する前記複数の医療データタイプは、注入速度、注入投薬量、注入進度時間、動作ステータス、または注入されるべき残りの流体の体積のうちの少なくとも2つを含み、
前記受信された腎不全治療進度データに関連する前記複数の医療データタイプは、充填速度、滞留時間、排液または流体除去速度、血液流率、放出投薬量、限外濾過除去速度、透析液除去速度、注入された合計透析液、透析液流率、交換前希釈流率、交換後希釈流率、患者体重バランス、戻り圧力、過剰な患者流体サイン、濾過割合、残り時間、透析液濃度、または透析液名称のうちの少なくとも2つを含、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記動作は、加算、減算一致、条件、データ分布との比較、または少なくとも1つの限界との比較のうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記データプロセッサは、
前記少なくとも1つの注入ポンプおよび前記少なくとも1つの腎不全治療機械から利用可能な複数の医療データタイプに基づいて、利用可能な複数の微分データタイプを判定することと、
前記組み合わせユーザインターフェースに、前記利用可能な複数の微分データタイプを表示させることと、
前記利用可能な複数の微分データタイプのうちの少なくとも1つの選択を前記組み合わせユーザインターフェースから受信することと
によって前記微分データを判定するようにさらに構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項12】
前記構成インターフェース、前記サブスクリプションプロセッサ、または前記データプロセッサのうちの少なくとも1つは、前記第1のゲートウェイおよび前記第2のゲートウェイにネットワークを介して通信可能に結合されている患者モニタに位置し、前記組み合わせユーザインターフェースは、前記患者モニタのユーザインターフェースである、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のメッセージは、前記サブスクリプションプロセッサまたは前記データプロセッサのうちの少なくとも1つに、前記患者識別子に基づいて、前記注入治療進度データをサブスクライブさせ、前記第2のメッセージは、前記サブスクリプションプロセッサに、前記患者識別子に基づいて、前記腎不全治療進度データをサブスクライブさせる、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記データプロセッサは、前記組み合わせユーザインターフェースを表示するディスプレイスクリーンに通信可能に結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記ディスプレイスクリーンは、患者ベッドサイドモニタ、臨床医デバイス、前記少なくとも1つの注入ポンプ、または、前記少なくとも1つの腎不全治療機械のうちの少なくとも1つ内に含まれる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
統合エンジン装置であって、
患者識別子を受信するように構成された構成インターフェースと、
サブスクリプションプロセッサであって、
少なくとも1つの注入ポンプから注入治療進度データを受信するために、前記患者識別子を含む第1のメッセージを第1のゲートウェイに伝送することと、
少なくとも1つの腎不全治療機械から腎不全治療進度データを受信するために、前記患者識別子を含む第2のメッセージを第2のゲートウェイに伝送することと、
同一の患者のために使用されているバイタルサインモニタから少なくとも1つの生理学的センサパラメータを受信するために、前記患者識別子を含む第3のメッセージを第3のゲートウェイに伝送することと
を行うように構成されている、サブスクリプションプロセッサと、
データプロセッサであって、
第1のインターフェースに、前記第1のゲートウェイから前記注入治療進度データを受信させることと、
第2のインターフェースに、前記第2のゲートウェイから前記腎不全治療進度データを受信させることと、
第3のインターフェースに、前記第3のゲートウェイから前記少なくとも1つの生理学的センサパラメータを受信させることと、
組み合わせユーザインターフェースに、注入タイムライン内に前記注入治療進度データを表示させ、前記注入タイムラインと整合される腎不全治療タイムライン内に前記腎不全治療進度データを表示させ、前記少なくとも1つの生理学的センサパラメータに関連する情報を表示させることと
を行うように構成されている、データプロセッサと
を備える、装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの生理学的センサパラメータは、前記注入タイムラインと整合される生理学的パラメータタイムライン内に表示される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記データプロセッサは、前記患者識別子に基づいて、前記注入治療進度データ、前記腎不全治療進度データ、および前記少なくとも1つの生理学的センサパラメータが前記組み合わせユーザインターフェースに表示されるべきであることを判定するように構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記データプロセッサは、
前記注入治療進度データと前記腎不全治療進度データとの間の差異に基づいて差異パラメータを判定することと、
前記差異パラメータに関連する情報を前記組み合わせユーザインターフェースに表示することと
を行うように構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記データプロセッサは、前記組み合わせユーザインターフェースを表示するディスプレイスクリーンに通信可能に結合されている、請求項16に記載の装置。
【請求項21】
前記ディスプレイスクリーンは、患者ベッドサイドモニタ、臨床医デバイス、前記少なくとも1つの注入ポンプ、または、前記少なくとも1つの腎不全治療機械のうちの少なくとも1つ内に含まれる、請求項20に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、医療デバイスデータ統合に関し、より具体的には、単一のユーザインターフェースにおける表示のために注入ポンプデータおよび腎不全治療データを統合することに関する。
【背景技術】
【0002】
病院は、異なる製造業者からの異なるタイプの医療デバイスを使用する。医療デバイスは、同一のネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(「LAN」))を経由して通信するように構成されるが、各デバイスからのデータのフォーマットは、異なる。各医療デバイス開発者は、他のフォーマットよりも優れていると考えられるその独自の専用フォーマットを有し得る。デバイス開発者は、他の開発者が病院システムに参入することを制限するために、または同一のデータフォーマットを同じく使用することを所望する他の開発者からライセンス料を取得するために、その専用データフォーマットを広く普及させようと試みる。Health Level 7(「HL7」)等の標準データフォーマットを使用する各開発者であっても、依然として、カスタマイズされたデータフィールドおよび定義を使用し、他の開発者がその医療デバイスを同一のシステムに統合することを困難にし得る。
【0003】
一実施例では、病院システムは、第1の開発者からの注入ポンプを使用するように選択し得る。注入ポンプからのデータは、専用フォーマットを使用してフォーマットされる。専用フォーマットの使用は、注入ポンプからのデータが残りのシステムと互換性があることを可能にするインターフェースを開発するために、病院に数百万ドルおよび数ヶ月の時間を費やすことを強いる。インターフェースは、例えば、注入ポンプデータを、電子医療記録内に含めるための、または集中監視システムもしくは臨床医タブレットコンピュータ/スマートフォン等のユーザインターフェースデバイスに伝送するためのフォーマットに変換し得る。インターフェースはまた、病院システムにおいて作成されるデータを注入ポンプと互換性があるフォーマットに変換し得る。例えば、調剤管理システムからの電子注入治療処方箋は、注入ポンプによって認識されるフォーマットに変換され得る。
【0004】
理解し得るように、専用データフォーマットおよび特殊化インターフェースの使用は、医療デバイスがデータを共有または統合することを困難もしくは殆ど不可能にする。これは、例えば、医療デバイス開発者が、全ての可能性として考えられる専用データフォーマットと互換性がある、そのデバイスのための別個のインターフェースを作成することを要求するであろう。代替として、病院システムは、付加的特殊化インターフェースを作成する必要があるであろう。異なるタイプの医療デバイス(例えば、注入ポンプ、透析または腎臓治療機械、生理学的センサ/バイタルサインモニタ、医療走査装置等)の数を考慮して、これは、殆ど不可能なタスクである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
単一のディスプレイまたはユーザインターフェース内で異なるタイプの医療デバイスからのデータを並行して表示する、例示的システム、方法、および装置が、本明細書に開示される。例示的システム、方法、および装置は、複数の医療デバイスからのデータを共通フォーマットまたはプロトコルに変換するように特別にプログラムされる、統合エンジンとともに構成される。複数のデバイスから1つのフォーマットへのデータの変換は、データが1つのユーザインターフェース内で並行して表示されることを可能にする。複数のデバイスから1つのフォーマットへのデータの変換はまた、計算またはルーチンが、異なるタイプのデータ間の関係を判定するように実施されることを可能にする。例えば、注入データ、腎不全治療データ、および尿収集データが、患者の流体バランスを判定するためにともに分析され得る。他の実施例では、異なるタイプのデータは、1つの医療デバイスまたはセンサからのデータを分析することによって明白ではない場合がある傾向を判定するために、集合的に分析され得る。さらに、異なるデバイスからのデータの統合は、あるデバイス限界またはアラーム限界の修正もしくは調節を可能にする。
【0006】
本明細書に説明される主題の側面は、単独で、または本明細書に説明される1つもしくはそれを上回る他の側面との組み合わせにおいて有用であり得る。前述の説明を限定するわけではないが、本開示の第1の側面では、ネットワーク化ヘルスケアシステムが、病院情報システムに通信可能に結合され、患者に対して腎不全治療処置を実施し、流体が患者から除去される限外濾過率を含む、腎不全治療処置に関連する少なくとも1つの腎不全治療パラメータを判定し、少なくとも1つの腎不全治療パラメータに関する腎不全治療タイムスタンプを判定し、少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、患者の患者識別子、および腎不全治療タイムスタンプを病院情報システムに伝送するように構成される、腎不全治療機械を備える。本システムはまた、病院情報システムに通信可能に結合され、腎不全治療機械と並行して、同一の患者に対して注入処置を実施し、流体が患者の中に注入される注入速度を含む、注入処置に関連する少なくとも1つの注入パラメータを判定し、少なくとも1つの注入パラメータに関する注入タイムスタンプを判定し、少なくとも1つの注入パラメータ、患者識別子、および注入タイムスタンプを病院情報システムに伝送するように構成される、注入ポンプを備える。本システムはさらに、患者と関連付けられ、病院情報システムに通信可能に結合され、統合エンジンと併せて動作し、少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、患者識別子、および腎不全治療タイムスタンプを受信し、少なくとも1つの注入パラメータ、患者識別子、および注入タイムスタンプを受信し、少なくとも1つの腎不全治療パラメータおよび少なくとも1つの注入パラメータが、患者識別子に基づいて、組み合わせユーザインターフェースに表示されることを判定し、少なくとも1つの注入パラメータと少なくとも1つの腎不全治療パラメータとの間の差異に基づいて、差異パラメータを判定し、組み合わせユーザインターフェース内で、腎不全治療タイムライン内に少なくとも1つの腎不全治療パラメータを表示し、組み合わせユーザインターフェース内で、腎不全治療タイムラインと時間的に並行に整合される注入タイムライン内に少なくとも1つの注入パラメータを表示し、組み合わせユーザインターフェース内で、腎不全治療タイムラインおよび注入タイムラインと時間的に並行に整合される差異タイムライン内に差異パラメータを表示するように構成される、バイタルサインモニタを備える。
【0007】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第2の側面によると、ネットワーク化ヘルスケアシステムはさらに、腎不全治療機械から少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、患者識別子、および腎不全治療タイムスタンプを受信し、注入ポンプから少なくとも1つの注入パラメータ、患者識別子、および注入タイムスタンプを受信し、患者識別子と関連付けられる、複数のバイタルサインモニタ間のバイタルサインモニタを判定し、少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、患者識別子、および腎不全治療タイムスタンプを判定されたバイタルサインモニタに伝送し、少なくとも1つの注入パラメータ、患者識別子、および注入タイムスタンプを判定されたバイタルサインモニタに伝送するように構成される、モニタゲートウェイエンジンを備える。
【0008】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第3の側面によると、ネットワーク化ヘルスケアシステムはさらに、腎不全治療機械から少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、患者識別子、および腎不全治療タイムスタンプを受信し、少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、患者識別子、および腎不全治療タイムスタンプがモニタゲートウェイエンジンに伝送されることを判定し、少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、患者識別子、および腎不全治療タイムスタンプをモニタゲートウェイエンジンに伝送するように構成される、腎不全治療ゲートウェイエンジンを備える。
【0009】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第4の側面によると、ネットワーク化ヘルスケアシステムはさらに、注入ポンプから少なくとも1つの注入パラメータ、患者識別子、および注入タイムスタンプを受信し、少なくとも1つの注入パラメータ、患者識別子、および注入タイムスタンプがモニタゲートウェイエンジンに伝送されることを判定し、少なくとも1つの注入パラメータ、患者識別子、および注入タイムスタンプをモニタゲートウェイエンジンに伝送するように構成される、注入ゲートウェイエンジンを備える。
【0010】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第5の側面によると、バイタルサインモニタは、生理学的センサに通信可能に結合され、生理学的センサから少なくとも1つの生理学的パラメータを受信し、組み合わせユーザインターフェース内で、腎不全治療タイムラインおよび注入タイムラインと時間的に並行に整合される生理学的タイムライン内に少なくとも1つの生理学的パラメータを表示するように構成される。
【0011】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第6の側面によると、バイタルサインモニタは、モニタゲートウェイエンジンを介して、少なくとも1つの生理学的パラメータを腎不全治療機械また注入ポンプのうちの少なくとも1つに伝送するように構成される。
【0012】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第7の側面によると、バイタルサインモニタは、少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、少なくとも1つの注入パラメータ、および差異パラメータを個別のタイムラインに隣接する数値として表示するように構成される。
【0013】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第8の側面によると、注入ポンプは、第1の注入ポンプであり、ネットワーク化ヘルスケアシステムはさらに、病院情報システムに通信可能に結合され、第1の注入ポンプと並行して、同一の患者に対して第2の注入処置を実施し、第2の流体が患者の中に注入される第2の注入速度を含む、第2の注入処置に関連する少なくとも1つの第2の注入パラメータを判定し、少なくとも1つの第2の注入パラメータに関する第2の注入タイムスタンプを判定し、少なくとも1つの第2の注入パラメータ、患者識別子、および第2の注入タイムスタンプを病院情報システムに伝送するように構成される、第2の注入ポンプを備え、統合エンジンと併せて動作するバイタルサインモニタは、少なくとも1つの第2の注入パラメータ、患者識別子、および第2の注入タイムスタンプを受信し、少なくとも1つの注入パラメータと、少なくとも1つの第2の注入パラメータと、少なくとも1つの腎不全治療パラメータとの間の差異に基づいて、差異パラメータを判定し、1つを上回る注入処置が患者に提供されていることを判定し、組み合わせユーザインターフェース内で、注入タイムラインと時間的に並行に整合される第2の注入タイムライン内に少なくとも1つの第2の注入パラメータを表示し、組み合わせユーザインターフェース内で、注入タイムラインに隣接して第1の注入ポンプによって注入される流体の第1の名称を表示し、第2の注入タイムラインに隣接して第2の注入ポンプによって注入される第2の流体の第2の名称を表示するように構成される。
【0014】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第9の側面によると、少なくとも1つの差異パラメータは、ある時間期間あたりの患者内の流体変化の正味量を含む。
【0015】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第10の側面によると、少なくとも1つの腎不全治療パラメータは、流体が腎不全治療機械から患者に追加される速度、患者から除去された流体の合計量、腎不全治療処置に関する残り時間量、および腎不全治療処置と関連付けられる事象を含む。
【0016】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第11の側面によると、少なくとも1つの注入パラメータは、タイムスタンプ、患者の中に注入される流体の薬物名称、患者の中に注入された流体の合計量、注入処置に関する残り時間量、注入処置と関連付けられる事象、および注入処置に関する薬物限界を含む。
【0017】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第12の側面によると、バイタルサインモニタ装置は、患者識別子と関連付けられる患者に対して腎不全治療処置を実施する腎不全治療機械から、少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、患者識別子、および腎不全治療タイムスタンプを受信するように構成される、腎不全治療インターフェースと、同一の患者に対して注入処置を実施する注入ポンプから、少なくとも1つの注入パラメータ、患者識別子、および注入タイムスタンプを受信するように構成される、注入ポンプインターフェースと、腎不全治療インターフェースおよび注入ポンプインターフェースに通信可能に結合される、バイタルサインモニタエンジンであって、少なくとも1つの腎不全治療パラメータおよび少なくとも1つの注入パラメータが、患者識別子に基づいて、組み合わせユーザインターフェースにおいて表示されることを判定し、組み合わせユーザインターフェース内で、腎不全治療タイムライン内に少なくとも1つの腎不全治療パラメータを表示し、組み合わせユーザインターフェース内で、腎不全治療タイムラインと時間的に並行に整合される注入タイムライン内に少なくとも1つの注入パラメータを表示するように構成される、バイタルサインモニタエンジンとを備える。
【0018】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第13の側面によると、注入ポンプ装置が、患者識別子と関連付けられる患者に対して腎不全治療処置を実施する腎不全治療機械から、少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、患者識別子、および腎不全治療タイムスタンプを受信するように構成される、腎不全治療インターフェースと、腎不全治療機械と並行して、同一の患者に対して注入処置を実施し、流体が患者の中に注入される注入速度を含む、注入処置に関連する少なくとも1つの注入パラメータを判定し、少なくとも1つの注入パラメータに関する注入タイムスタンプを判定するように構成される、注入処置プロセッサとを備える。注入ポンプ装置はまた、少なくとも1つの腎不全治療パラメータおよび少なくとも1つの注入パラメータが、患者識別子に基づいて、組み合わせユーザインターフェースに表示されることを判定し、少なくとも1つの注入パラメータと少なくとも1つの腎不全治療パラメータとの間の差異に基づいて、差異パラメータを判定し、組み合わせユーザインターフェース内で、腎不全治療タイムライン内に少なくとも1つの腎不全治療パラメータを表示し、組み合わせユーザインターフェース内で、腎不全治療タイムラインと時間的に並行に整合される注入タイムライン内に少なくとも1つの注入パラメータを表示し、組み合わせユーザインターフェース内で、腎不全治療タイムラインおよび注入タイムラインと時間的に並行に整合される差異タイムライン内に差異パラメータを表示するように構成される、注入表示エンジンを含む。
【0019】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第14の側面によると、腎不全治療機械装置が、患者識別子と関連付けられる患者に対して注入処置を実施する注入ポンプから、少なくとも1つの注入パラメータ、患者識別子、および注入タイムスタンプを受信するように構成される、注入ポンプインターフェースと、注入機械と並行して、同一の患者に対して腎不全治療処置を実施し、流体が患者から除去される限外濾過率を含む、腎不全治療処置に関連する少なくとも1つの腎不全治療パラメータを判定し、少なくとも1つの注入パラメータに関する腎不全治療タイムスタンプを判定するように構成される、腎不全治療処置プロセッサとを備える。腎不全治療機械装置はまた、少なくとも1つの腎不全治療パラメータおよび少なくとも1つの注入パラメータが、患者識別子に基づいて、組み合わせユーザインターフェースに表示されることを判定し、少なくとも1つの注入パラメータと少なくとも1つの腎不全治療パラメータとの間の差異に基づいて、差異パラメータを判定し、組み合わせユーザインターフェース内で、腎不全治療タイムライン内に少なくとも1つの腎不全治療パラメータを表示し、組み合わせユーザインターフェース内で、腎不全治療タイムラインと時間的に並行に整合される注入タイムライン内に少なくとも1つの注入パラメータを表示し、組み合わせユーザインターフェース内で、腎不全治療タイムラインおよび注入タイムラインと時間的に並行に整合される差異タイムライン内に差異パラメータを表示するように構成される、腎不全治療表示エンジンを含む。
【0020】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第15の側面によると、病院監視システム装置が、患者識別子と関連付けられる患者に対して注入処置を実施する注入ポンプから、少なくとも1つの注入パラメータおよび患者識別子を受信するように構成される、注入ポンプインターフェースと、同一の患者に対して腎不全治療処置を実施する腎不全治療機械から、少なくとも1つの腎不全治療パラメータおよび患者識別子を受信するように構成される、腎不全治療インターフェースと、同一の患者に隣接するバイタルサインモニタから、少なくとも1つの生理学的センサパラメータおよび患者識別子を受信するように構成される、バイタルサインモニタインターフェースとを備える。病院監視システム装置はまた、少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、少なくとも1つの注入パラメータ、および少なくとも1つの生理学的センサパラメータが、患者識別子に基づいて、組み合わせユーザインターフェースに表示されることを判定し、少なくとも1つの注入パラメータと少なくとも1つの腎不全治療パラメータとの間の差異に基づいて、差異パラメータを判定し、組み合わせユーザインターフェース内で、少なくとも1つの腎不全治療パラメータに関連する情報を表示し、組み合わせユーザインターフェース内で、少なくとも1つの注入パラメータに関連する情報を表示し、組み合わせユーザインターフェース内で、差異パラメータに関連する情報を表示し、組み合わせユーザインターフェース内で、少なくとも1つの生理学的センサパラメータに関連する情報を表示するように構成される、監視システム表示エンジンを含む。
【0021】
本開示の第16の側面によると、図1-15と関連して図示ならびに説明される構造および機能性のいずれかは、別様に記載されない限り、図1-15のその他のいずれかと関連して図示ならびに説明される構造および機能性のいずれかと、前述の側面のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものと組み合わせて使用され得る。
【0022】
開示されるシステム、方法、ならびに装置の付加的特徴および利点が、以下の発明を実施するための形態および図において説明され、それらから明白となるであろう。
(項目1)
ネットワーク化ヘルスケアシステムであって、
病院情報システムに通信可能に結合された腎不全治療機械であって、
患者に対して腎不全治療処置を実施することと、
流体が上記患者から除去される限外濾過率を含む、上記腎不全治療処置に関連する少なくとも1つの腎不全治療パラメータを判定することと、
上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータに関する腎不全治療タイムスタンプを判定することと、
上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、上記患者の患者識別子、および上記腎不全治療タイムスタンプを上記病院情報システムに伝送することと
を行うように構成される、腎不全治療機械と、
上記病院情報システムに通信可能に結合された注入ポンプであって、
上記腎不全治療機械と並行して、同一の患者に対して注入処置を実施することと、
流体が上記患者の中に注入される注入速度を含む、上記注入処置に関連する少なくとも1つの注入パラメータを判定することと、
上記少なくとも1つの注入パラメータに関する注入タイムスタンプを判定することと、
上記少なくとも1つの注入パラメータ、上記患者識別子、および上記注入タイムスタンプを上記病院情報システムに伝送することと
を行うように構成される、注入ポンプと、
上記患者と関連付けられ、上記病院情報システムに通信可能に結合される、モニタであって、上記モニタは、
上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、上記患者識別子、および上記腎不全治療タイムスタンプを受信することと、
上記少なくとも1つの注入パラメータ、上記患者識別子、および上記注入タイムスタンプを受信することと、
上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータおよび上記少なくとも1つの注入パラメータが、上記患者識別子に基づいて、組み合わせユーザインターフェースに表示されるべきであることを判定することと、
上記少なくとも1つの注入パラメータと上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータとの間の差異に基づいて、差異パラメータを判定することと、
上記組み合わせユーザインターフェースにおいて、腎不全治療タイムライン内に上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータを表示することと、
上記組み合わせユーザインターフェースにおいて、上記腎不全治療タイムラインと整合される注入タイムライン内に上記少なくとも1つの注入パラメータを表示することと、
上記組み合わせユーザインターフェースにおいて、上記腎不全治療タイムラインおよび上記注入タイムラインと整合される差異タイムライン内に上記差異パラメータを表示することと
を行うように構成される、モニタと
を備える、システム。
(項目2)
モニタゲートウェイエンジンであって、
上記腎不全治療機械から上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、上記患者識別子、および上記腎不全治療タイムスタンプを受信することと、
上記注入ポンプから上記少なくとも1つの注入パラメータ、上記患者識別子、および上記注入タイムスタンプを受信することと、
上記患者識別子と関連付けられる、複数のモニタ間の上記モニタを判定することと、
上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、上記患者識別子、および上記腎不全治療タイムスタンプを上記判定されたモニタに伝送することと、
上記少なくとも1つの注入パラメータ、上記患者識別子、および上記注入タイムスタンプを上記判定されたモニタに伝送することと
を行うように構成される、モニタゲートウェイエンジン
をさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目3)
腎不全治療ゲートウェイエンジンであって、
上記腎不全治療機械から上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、上記患者識別子、および上記腎不全治療タイムスタンプを受信することと、
上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、上記患者識別子、および上記腎不全治療タイムスタンプが上記モニタゲートウェイエンジンに伝送されるべきであることを判定することと、
上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、上記患者識別子、および上記腎不全治療タイムスタンプを上記モニタゲートウェイエンジンに伝送することと
を行うように構成される、腎不全治療ゲートウェイエンジン
をさらに備える、項目2に記載のシステム。
(項目4)
注入ゲートウェイエンジンであって、
上記注入ポンプから上記少なくとも1つの注入パラメータ、上記患者識別子、および上記注入タイムスタンプを受信することと、
上記少なくとも1つの注入パラメータ、上記患者識別子、および上記注入タイムスタンプが上記モニタゲートウェイエンジンに伝送されるべきであることを判定することと、
上記少なくとも1つの注入パラメータ、上記患者識別子、および上記注入タイムスタンプを上記モニタゲートウェイエンジンに伝送することと
を行うように構成される、注入ゲートウェイエンジン
をさらに備える、項目2または3に記載のシステム。
(項目5)
上記モニタは、生理学的センサに通信可能に結合されたバイタルサインモニタであり、上記バイタルサインモニタは、
上記生理学的センサから少なくとも1つの生理学的パラメータを受信することと、
上記組み合わせユーザインターフェースにおいて、上記腎不全治療タイムラインおよび上記注入タイムラインと整合される生理学的タイムライン内に上記少なくとも1つの生理学的パラメータを表示することと
を行うように構成される、項目2、3、または4に記載のシステム。
(項目6)
上記バイタルサインモニタは、上記モニタゲートウェイエンジンを介して、上記少なくとも1つの生理学的パラメータを上記腎不全治療機械または上記注入ポンプのうちの少なくとも1つに伝送するように構成される、項目5に記載のシステム。
(項目7)
上記モニタは、上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、上記少なくとも1つの注入パラメータ、および上記差異パラメータを個別のタイムラインに隣接する数値として表示するように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目8)
上記注入ポンプは、第1の注入ポンプであり、上記注入パラメータは、第1の注入パラメータであり、上記注入タイムスタンプは、第1の注入タイムスタンプであり、上記病院情報システムに通信可能に結合される、第2の注入ポンプをさらに備え、上記第2の注入ポンプは、
上記第1の注入ポンプと並行して、同一の患者に対して第2の注入処置を実施することと、
第2の流体が上記患者の中に注入される第2の注入速度を含む、上記第2の注入処置に関連する少なくとも1つの第2の注入パラメータを判定することと、
上記少なくとも1つの第2の注入パラメータに関する第2の注入タイムスタンプを判定することと、
上記少なくとも1つの第2の注入パラメータ、上記患者識別子、および上記第2の注入タイムスタンプを上記病院情報システムに伝送することと
を行うように構成され、
上記モニタはさらに、
上記少なくとも1つの第2の注入パラメータ、上記患者識別子、および上記第2の注入タイムスタンプを受信することと、
上記少なくとも1つの第1の注入パラメータと、上記少なくとも1つの第2の注入パラメータと、上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータとの間の差異に基づいて、差異パラメータを判定することと、
1つを上回る注入処置が上記患者に提供されていることを判定することと、
上記組み合わせユーザインターフェースにおいて、上記注入タイムラインと整合される第2の注入タイムライン内に上記少なくとも1つの第2の注入パラメータを表示することと、
上記組み合わせユーザインターフェースにおいて、上記第1の注入タイムラインに隣接して上記第1の注入ポンプによって注入される流体の第1の名称を表示し、上記第2の注入タイムラインに隣接して上記第2の注入ポンプによって注入される第2の流体の第2の名称を表示することと
を行うように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目9)
上記少なくとも1つの差異パラメータは、ある時間期間あたりの上記患者内の流体変化の正味量を含む、項目1に記載のシステム。
(項目10)
上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータは、流体が上記腎不全治療機械から上記患者に追加される速度、上記患者から除去された流体の合計量、上記腎不全治療処置に関する残り時間量、または上記腎不全治療処置と関連付けられる事象を含む、項目1に記載のシステム。
(項目11)
上記少なくとも1つの注入パラメータは、タイムスタンプ、上記患者の中に注入される流体の薬物名称、上記患者の中に注入された流体の合計量、上記注入処置に関する残り時間量、上記注入処置と関連付けられる事象、または上記注入処置に関する薬物限界を含む、項目1に記載のシステム。
(項目12)
バイタルサインモニタ装置であって、
患者に対して腎不全治療処置を実施する腎不全治療機械から、少なくとも1つの腎不全治療パラメータおよび腎不全治療タイムスタンプを受信するように構成される、腎不全治療インターフェースと、
同一の患者に対して注入処置を実施する注入ポンプから、少なくとも1つの注入パラメータおよび注入タイムスタンプを受信するように構成される、注入ポンプインターフェースと、
上記腎不全治療インターフェースおよび上記注入ポンプに通信可能に結合される、モニタエンジンであって、上記モニタエンジンは、
上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータおよび上記少なくとも1つの注入パラメータが、上記患者識別子に基づいて、上記同一の患者に関連し、組み合わせユーザインターフェースにおいて表示されるべきであることを判定することと、
上記組み合わせユーザインターフェースにおいて、腎不全治療タイムライン内に上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータを表示することと、
上記組み合わせユーザインターフェースにおいて、上記腎不全治療タイムラインと整合される注入タイムライン内に上記少なくとも1つの注入パラメータを表示することと
を行うように構成される、モニタエンジンと
を備える、装置。
(項目13)
上記モニタエンジンはさらに、
上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータを表示する前に、上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータを上記腎不全治療機械に関連する第1の規格から共通規格に変換することと、
上記少なくとも1つの注入パラメータを表示する前に、上記少なくとも1つの注入パラメータを上記注入ポンプに関連する第2の規格から上記共通規格に変換することと
を行うように構成される、項目12に記載の装置。
(項目14)
上記共通規格は、上記組み合わせユーザインターフェースを有するバイタルサインモニタ装置に関連する、項目13に記載の装置。
(項目15)
上記モニタエンジンはさらに、
上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータおよび上記少なくとも1つの注入パラメータを変換した後、上記少なくとも1つの注入パラメータと上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータとの間の差異に基づいて、差異パラメータを判定することと、
上記組み合わせユーザインターフェースにおいて、上記腎不全治療タイムラインおよび上記注入タイムラインと整合される差異タイムライン内に上記差異パラメータを表示することと
を行うように構成される、項目13に記載の装置。
(項目16)
上記モニタエンジンはさらに、
上記腎不全治療機械および上記注入ポンプのうちの少なくとも1つからアラームを受信することと、
上記アラームが表示されるべきであることを判定することと、
上記組み合わせユーザインターフェースにおいて、上記個別の腎不全治療タイムラインおよび上記注入タイムラインに近接して上記アラームを表示することと
を行うように構成される、項目12に記載の装置。
(項目17)
統合エンジン装置であって、
患者の識別子を受信するように構成される、構成インターフェースと、
サブスクリプションプロセッサであって、
少なくとも1つの注入ポンプから注入治療進度データを受信するために、上記患者識別子を含む第1のメッセージを第1のゲートウェイに伝送することと、
少なくとも1つの腎不全治療機械から腎不全治療進度データを受信するために、上記患者識別子を含む第2のメッセージを第2のゲートウェイに伝送することと
を行うように構成される、サブスクリプションプロセッサと、
データプロセッサであって、
第1のインターフェースに、上記第1のゲートウェイから上記注入治療進度データを受信させることと、
第2のインターフェースに、上記第2のゲートウェイから上記腎不全治療進度データを受信させることと、
組み合わせユーザインターフェースに、注入タイムライン内に上記注入治療進度データを表示させ、上記腎不全治療タイムラインと整合される腎不全治療タイムライン内に上記腎不全治療進度データを表示させることと
を行うように構成される、データプロセッサと
を備える、装置。
(項目18)
上記第1のインターフェースに注入治療進度データを受信させることは、上記第1のインターフェースが上記注入治療進度データを上記少なくとも1つの注入ポンプに関連する第1の規格から共通規格に変換することを規定することを含み、
上記第2のインターフェースに腎不全治療進度データを受信させることは、上記第2のインターフェースが上記腎不全治療進度データを上記少なくとも1つの腎不全治療機械に関連する第2の規格から変換することを規定することを含む、
項目17に記載の装置。
(項目19)
上記データプロセッサはさらに、
上記注入治療進度データおよび上記腎不全治療進度データに基づいて、微分データを判定することと、
上記組み合わせユーザインターフェースに、上記腎不全治療タイムラインおよび上記注入タイムラインと整合される微分データタイムライン内に上記微分データを表示させることと
を行うように構成される、項目17に記載の装置。
(項目20)
上記微分データを判定することは、
上記注入治療進度データおよび上記腎不全治療進度データから複数の異なるタイプの微分データを判定することと、
上記複数のタイプの微分データを表示することと、
上記複数のタイプの微分データのうちの1つのユーザ選択を受信することと
を含む、項目19に記載の装置。
(項目21)
注入ポンプ装置であって、
患者識別子と関連付けられる患者に対して腎不全治療処置を実施する腎不全治療機械から、少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、上記患者識別子、および腎不全治療タイムスタンプを受信するように構成される、腎不全治療インターフェースと、
注入処置プロセッサであって、
上記腎不全治療機械と並行して、同一の患者に対して注入処置を実施することと、
流体が上記患者の中に注入される注入速度を含む、上記注入処置に関連する少なくとも1つの注入パラメータを判定することと、
上記少なくとも1つの注入パラメータに関する注入タイムスタンプを判定することと
を行うように構成される、注入処置プロセッサと、
注入表示エンジンであって、
上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータおよび上記少なくとも1つの注入パラメータが、上記患者識別子に基づいて、組み合わせユーザインターフェースに表示されるべきであることを判定することと、
上記少なくとも1つの注入パラメータと上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータとの間の差異に基づいて、差異パラメータを判定することと、
上記組み合わせユーザインターフェースにおいて、腎不全治療タイムライン内に上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータを表示することと、
上記組み合わせユーザインターフェースにおいて、上記腎不全治療タイムラインと整合される注入タイムライン内に上記少なくとも1つの注入パラメータを表示することと、
上記組み合わせユーザインターフェースにおいて、上記腎不全治療タイムラインおよび上記注入タイムラインと整合される差異タイムライン内に上記差異パラメータを表示することと
を行うように構成される、注入表示エンジンと、
を備える、装置。
(項目22)
腎不全治療機械装置であって、
患者識別子と関連付けられる患者に対して注入処置を実施する注入ポンプから、少なくとも1つの注入パラメータ、上記患者識別子、および注入タイムスタンプを受信するように構成される、注入ポンプインターフェースと、
腎不全治療処置プロセッサであって、
上記注入機械と並行して、同一の患者に対して腎不全治療処置を実施することと、
流体が上記患者から除去される限外濾過率を含む、上記腎不全治療処置に関連する少なくとも1つの腎不全治療パラメータを判定することと、
上記少なくとも1つの注入パラメータに関する腎不全治療タイムスタンプを判定することと
を行うように構成される、腎不全治療処置プロセッサと、
腎不全治療表示エンジンであって、
上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータおよび上記少なくとも1つの注入パラメータが、上記患者識別子に基づいて、組み合わせユーザインターフェースに表示されるべきであることを判定することと、
上記少なくとも1つの注入パラメータと上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータとの間の差異に基づいて、差異パラメータを判定することと、
上記組み合わせユーザインターフェースにおいて、腎不全治療タイムライン内に上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータを表示することと、
上記組み合わせユーザインターフェースにおいて、上記腎不全治療タイムラインと整合される注入タイムライン内に上記少なくとも1つの注入パラメータを表示することと、
上記組み合わせユーザインターフェースにおいて、上記腎不全治療タイムラインおよび上記注入タイムラインと整合される差異タイムライン内に上記差異パラメータを表示することと
を行うように構成される、腎不全治療表示エンジンと
を備える、装置。
(項目23)
病院監視システムであって、
患者識別子と関連付けられる患者に対して注入処置を実施する注入ポンプから、少なくとも1つの注入パラメータおよび上記患者識別子を受信するように構成される、注入ポンプインターフェースと、
同一の患者に対して腎不全治療処置を実施する腎不全治療機械から、少なくとも1つの腎不全治療パラメータおよび上記患者識別子を受信するように構成される、腎不全治療インターフェースと、
上記同一の患者に対して使用されるバイタルサインモニタから、少なくとも1つの生理学的センサパラメータおよび上記患者識別子を受信するように構成される、バイタルサインモニタインターフェースと、
統合エンジンであって、
上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータ、上記少なくとも1つの注入パラメータ、および上記少なくとも1つの生理学的センサパラメータが、上記患者識別子に基づいて、組み合わせユーザインターフェースに表示されるべきであることを判定することと、
上記少なくとも1つの注入パラメータと上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータとの間の差異に基づいて、差異パラメータを判定することと、
上記組み合わせユーザインターフェースにおいて、上記少なくとも1つの腎不全治療パラメータに関連する情報を表示することと、
上記組み合わせユーザインターフェースにおいて、上記少なくとも1つの注入パラメータに関連する情報を表示することと、
上記組み合わせユーザインターフェースにおいて、上記差異パラメータに関連する情報を表示することと、
上記組み合わせユーザインターフェースにおいて、上記少なくとも1つの生理学的センサパラメータに関連する情報を表示することと
を行うように構成される、統合エンジンと
を備える、システム。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本開示の例示的実施形態による、病院環境の図を示す。
図2図2は、本開示の例示的実施形態による、図1の病院環境内に実装され得る、Baxter(R) SIGMA Spectrumポンプを含む例示的注入ポンプの図を示す。
図3図3は、本開示の例示的実施形態による、図1の病院環境内に実装され得る、Gambro(R) Prismaflex(R) CRRT機械を含む例示的透析または腎不全治療機械の図を示す。
図4図4は、本開示の例示的実施形態による、図1の病院環境内の統合エンジンからのデータを表示する患者モニタの図を示す。
図5図5-9は、本開示の例示的実施形態による、統合エンジンが異なるデバイスにおいて動作する、図1の病院環境の図を示す。
図6図5-9は、本開示の例示的実施形態による、統合エンジンが異なるデバイスにおいて動作する、図1の病院環境の図を示す。
図7図5-9は、本開示の例示的実施形態による、統合エンジンが異なるデバイスにおいて動作する、図1の病院環境の図を示す。
図8図5-9は、本開示の例示的実施形態による、統合エンジンが異なるデバイスにおいて動作する、図1の病院環境の図を示す。
図9図5-9は、本開示の例示的実施形態による、統合エンジンが異なるデバイスにおいて動作する、図1の病院環境の図を示す。
図10図10は、本開示の例示的実施形態による、図1および5-9の例示的統合エンジンの図を示す。
図11図11および12は、本開示の例示的実施形態による、単一のディスプレイ上で複数の医療デバイスからの医療データを表示するための例示的プロシージャを図示する、フロー図を示す。
図12図11および12は、本開示の例示的実施形態による、単一のディスプレイ上で複数の医療デバイスからの医療データを表示するための例示的プロシージャを図示する、フロー図を示す。
図13図13および14は、本開示の例示的実施形態による、図1および5-9の例示的統合エンジンからのデータを表示するための構成パラメータを提供する、図4の患者モニタの図を示す。
図14図13および14は、本開示の例示的実施形態による、図1および5-9の例示的統合エンジンからのデータを表示するための構成パラメータを提供する、図4の患者モニタの図を示す。
図15図15は、本開示の例示的実施形態による、図1の例示的病院環境内の1つまたはそれを上回る統合エンジンによって提供される、データ変換の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示は、概して、単一のディスプレイまたはユーザインターフェース内で異なるタイプの医療デバイスからのデータを統合ならびに並行して表示するための方法、システム、および装置に関する。例示的方法、システム、および装置は、データを複数のフォーマット、プロトコル、または規格から単一のフォーマットに変換することによって、医療デバイスの相互運用性を改良するように構成される、本明細書では統合エンジンと称される1つのモジュールを提供することによって、病院システムの公知の限定を克服するように構成される。Integrating the Healthcare Enterprise(「IHE」)の発案およびAssociation for the Advancement of Medical Instrumentation(「AAMI」)財団の努力にもかかわらず、医療デバイスに関するいかなる国家的または世界的規格も存在していない。例えば、多くの注入ポンプ製造業者は、ポイントオブケア注入検証(「PIV」)、デバイス企業通信(「DEC」)、患者識別結合(「PIB」)、およびアラーム通信管理(「ACM」)を提供するための異なる規格またはプロトコルを有する。その結果、異なるタイプの注入ポンプからの注入データは、データ、パラメータ、またはフィールドが標識化される異なる方法を有し得る。差異はまた、データの標識化に関するタイプもしくは単位、データがタイムスタンピングされる方法、またはさらにはデータが伝送される頻度を含み得る。医療設備は、故に、典型的には、1つの供給者(または同一の規格を使用する供給者の群)からの医療デバイスのいずれかを使用する必要がある。これらの公知のシステムは、それによって、複数の医療デバイスからのデータを使用し、患者の全体的健康評価を構築し、動的デバイスプログラミング、プログラミング限界調節、アラーム限界調節、またはさらには単一のディスプレイもしくはユーザインターフェース内でのデータの並行表示を提供するその能力において限定される。
【0025】
本明細書に開示される例示的統合エンジンは、複数のインターフェースを有するモジュールとして構成され、これらは、それぞれ、順に、データを1つの規格またはプロトコルから共通規格に変換するように構成される。統合エンジンにおける全ての関連する医療データの変換は、統合エンジンが、異なるタイプのデータを分析するようにプログラムされ、例えば、傾向を識別する、差異もしくは相関を判定する、限界/アラームを調節する、および/またはプログラミングパラメータを調節することを可能にする。加えて、統合エンジンは、ディスプレイデバイスまたはモニタと併用され、1つのインターフェース内で異なるタイプの医療データ(およびその導関数)を視覚的に提供し得る。統合エンジンのモジュール性は、異なる医療デバイスがシステムに導入される際、またはデータ規格もしくはプロトコルが変更される際、インターフェース更新が容易かつ迅速に提供されることを可能にする。故に、例示的統合エンジンは、全体的システム相互運用性を改良する。
【0026】
ある実施例では、統合エンジンは、注入ポンプデータを腎不全治療データと組み合わせ、患者モニタが注入ポンプデータおよび腎不全治療データを並行して表示することを可能にするように構成される。例示的統合エンジンはまた、流体バランスを判定するために、注入および腎不全治療データを使用して、1つまたはそれを上回る計算を実施し得る。統合エンジンはさらに、データを1つまたはそれを上回るアルゴリズムもしくはルーチンに統合する、または組み込み、計算された流体バランスまたは微分データと併せてデータを並行して表示し、患者のより完全な医療表現を提供し得る。統合エンジンはまた、注入ポンプデータおよび流体バランス微分データを使用し、腎不全治療のパラメータを調節し得る。さらに、統合エンジンは、注入ポンプデータ、腎不全治療データ、および/または流体バランス微分データを使用し、例えば、流体バランスが規定された閾値を超えるとき、および/または腎不全治療排液がある時間期間にわたってスケジューリングされていないとき、アラームを提供し得る。
【0027】
上記に言及されるように、例示的統合エンジンは、1つのインターフェース内での導関数を含む異なるタイプの医療データの表示を促進する。本明細書に議論されるように、医療データは、例えば、治療進度データ、プログラミング命令/パラメータ、動作パラメータ、ステータスメッセージ、アラーム、アラート等を含む、医療デバイスからのデータを含む。医療データはまた、生理学的データまたは他の感知されたデータを含み得る。ある実施例では、注入ポンプからの医療データは、注入速度、注入投薬量、注入進度時間、注入ポンプの動作ステータス(例えば、一時停止)、注入されるべき残りの流体体積、薬物ライブラリ限界を超えた、もしくは超過したかどうかのインジケーション、ポンプアラーム、ポンプアラート、および/またはそれらの導関数を含む。
【0028】
本明細書に議論されるように、微分データは、任意の1つのデータストリームのみからでは決定的ではない、1つまたはそれを上回る医療デバイスから受信された医療データの組み合わせを含み得る。組み合わせは、例えば、1つまたはそれを上回るデバイスからの医療データを組み込む、特殊化プログラムまたはルーチンを追加する、差し引く、または実施するステップを含み得る。微分データはまた、1つまたはそれを上回る医療デバイスからの少なくともいくつかの医療データをデータ分布と比較する分析を含み得る。微分データはさらに、医療データの統計分析を実施することからの結果を含み得る。いくつかの事例では、統合エンジンは、微分データを判定するための1つまたはそれを上回る事前構成もしくは事前記憶されたアルゴリズムもしくはルーチンを含み得る。事前構成された微分データは、最も頻繁に使用されるタイプの微分データに対応し得る。他の実施例では、例示的統合エンジンは、臨床医が、微分データが受信された医療データから判定または生成されるべき方法を規定することを可能にし得る。例示的統合エンジンの開示される変換特徴は、1つまたはそれを上回る異なる規格もしくはプロトコルにおいて生成され得る異なるタイプの医療データからの微分データの生成を促進することを理解されたい。本変換特徴は、多くの異なるデバイスおよび規格からのデータが、1つの規格またはプロトコルに正規化もしくはフォーマットされる(多くの場合、データを表示するデバイスと互換性がある)ことを可能にし、これは、複数の異なるデータストリームが、ともに比較される、組み合わせられる、統合される、または分析されることを可能にする。そのような構成の下、統合エンジンは、医療デバイスおよび/またはセンサのモデルもしくは製造業者にかかわらず、同一の計算が実施され、データが表示されることを可能にする。
【0029】
図1は、本開示の例示的実施形態による、本明細書に説明される例示的方法、装置、およびシステムを実装するように構成される、病院環境100の図を示す。例示的環境100は、例えば、注入ポンプ102、透析もしくは腎不全治療(「RFT」)機械104、患者モニタ106、および/または1つもしくはそれを上回る生理学的センサ108(例えば、バイタルサインセンサ)等の医療デバイスを含む。例示的病院環境100は、他のタイプの医療デバイスおよび/または複数のポンプ102、RFT機械104、モニタ106、ならびに/もしくはセンサ108を含み得ることを理解されたい。集合的に、医療デバイスは、患者110に治療を提供する、患者からの生理学的パラメータもしくはバイタルサインを読み取る、および/または患者もしくは処置に関するデータを表示するように構成される。
【0030】
例示的環境100はまた、注入ゲートウェイ112と、RFTゲートウェイ114と、モニタゲートウェイ116とを含む。代替実施形態では、ゲートウェイ112、114、および116は、単一のゲートウェイに組み合わせられ得る。他の代替実施形態では、ゲートウェイ112、114、および116は、個別の医療デバイス102、104、および106と組み合わせられ得る。図1に図示されるように、注入ゲートウェイ112およびRFTゲートウェイ114は、有線接続および/または無線接続(例えば、イーサネット(登録商標)ネットワーク、LAN、WLAN等)を介して、モニタゲートウェイ116に通信可能に結合される。ゲートウェイ112、114、および116は、それぞれ、ネットワーク118に通信可能に結合され、これは、同一のイーサネット(登録商標)ネットワーク、LAN、WLAN、および/または、加えて、インターネット等の外部ネットワークを含み得る。ネットワーク118は、病院情報システム(「HIS」)120、1つもしくはそれを上回る医療ネットワーク122、および/または1つもしくはそれを上回る臨床医デバイス124に通信可能に結合される。
【0031】
例示的注入ポンプ102は、1つまたはそれを上回るラインセットを介して患者110に静脈内治療を送達することが可能な任意のポンプを含み得る。実施例は、シリンジポンプ、線形蠕動ポンプ、大容量ポンプ(「LVP」)、携帯型ポンプ、マルチチャネルポンプ等を含む。シリンジポンプは、シリンジ内のプランジャを駆動するために、駆動アームに接続されるモータを使用する。線形蠕動ポンプは、回転しながら管の一部を圧縮するために、ロータを使用する。多くの場合、ロータの1つまたはそれを上回るローラが、半回転にわたって管に接触する。圧縮された回転は、定義された量の流体を管に通過させる。LVPは、典型的には、静脈内治療(「IV」)管の一部を圧縮するために、1つまたはそれを上回るフィンガもしくはアームを使用する。管に対するフィンガ駆動のタイミングは、管を通した流体の一定またはほぼ一定の移動を引き起こす。
【0032】
図2は、本開示の例示的実施形態による、Baxter(R) SIGMA SpectrumTMポンプを含む、例示的注入ポンプ102の図を示す。図2の例示的注入ポンプ102は、臨床医が注入治療を規定またはプログラムすることを可能にするためのインターフェース204aおよび204bを伴うディスプレイ202を含む。注入ポンプの他の実施例は、米国公開第2013/0336814号に説明される線形容積非経口ポンプ、米国公開第2015/0157791号に説明されるシリンジポンプ、米国特許第7,059,840号に説明される携帯型注入ポンプ、米国特許第5,395,320号に説明される注入ポンプ、および米国特許第5,764,034号に説明される注入ポンプ(それぞれの全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる)を含む。注入ポンプ102はまた、Baxter(R) ColleagueTM容量注入ポンプを含み得る。
【0033】
図1を参照すると、注入ポンプ102は、注入ゲートウェイ112を介して、HIS120または他の調剤システムから電子処方箋(またはソフトウェア更新)を受信するように構成され得る。例えば、ゲートウェイ112は、事前判定された時間に、および/または注入ポンプ102が処方箋を受け取るために利用可能であるとき、電子処方箋(またはソフトウェア更新)を注入ポンプ102に送信し得る。他の事例では、注入ポンプ102は、ゲートウェイ112に周期的にポーリングし、電子処方箋(またはソフトウェア更新)がポンプにダウンロードされることを待機しているかどうかを判定するように構成され得る。注入ポンプ102は、ケア面積、投薬量変化、変化率、薬物タイプ、濃度、患者年齢、患者体重等に基づく、特定のプログラムパラメータ限界を含む1つまたはそれを上回る薬物ライブラリを記憶するメモリを含み得る。限界は、受信される処方箋または入力される注入治療が、医療設備、医師、または臨床医によって決定される許容可能範囲および/もしくは限界以内であることを確実にするように構成される。
【0034】
注入ポンプ102は、患者110に対して注入治療を実施するように構成され、これは、患者の中への1つまたはそれを上回る液剤103もしくは薬物の注入を含む。注入ポンプ102は、ポンプのユーザインターフェース(例えば、図2のインターフェース204)において臨床医によって入力された、または注入ゲートウェイ112を介して受信された注入処方箋に従って動作する。注入ポンプ102は、処方箋を薬物ライブラリと比較し、処方箋のパラメータがソフトまたはハード限界に反する場合、任意のアラートまたはアラームを提供し得る。注入ポンプ102は、治療の進度を監視し、注入治療進度データ130をゲートウェイ112に周期的に伝送するように構成される。治療進度データ130は、本明細書に開示されるように、例えば、注入速度、投薬量、注入された合計体積、治療に関する残り時間、薬物濃度、速度変化、薬品容器内の残りの体積、薬物名称、患者識別子、滴定情報、ボーラス情報、ケア面積識別子、データが生成されたときのタイムスタンプ、アラーム条件、アラート条件、事象等を含み得る。注入ポンプ102は、データを連続的に、周期的に(例えば、30秒毎、1分毎等)、またはゲートウェイ112による要求に応じて伝送し得る。
【0035】
図1の注入ゲートウェイ112は、注入ポンプ102と通信するように構成される、サーバ、プロセッサ、コンピュータ等を含む。注入ゲートウェイ112は、例えば、Baxter(R) CareEverywhereゲートウェイを含み得る。いくつかの実施形態では、ゲートウェイ112は、1つを上回る注入ポンプに通信可能に結合され得る。注入ゲートウェイ112は、薬物ライブラリ、注入処方箋、および治療進度データ130に関する有線/無線のセキュアな転送のために、ポンプ102との双方向通信を提供するように構成される。ゲートウェイ112はまた、HIS120または他の病院システムと統合し、ポンプ102から、例えば、病院電子医療記録(「EMR」)への注入治療進度データ130の伝送を促進するように構成され得る。
【0036】
図1のHIS120は、クライアント-サーバアーキテクチャにおいて、異なる医療システム間のデータ130、140、および150を含む医療データの伝送を促進するように構成されるネットワークシステムである。HIS120は、医療データを処理または記憶するように構成される、1つもしくはそれを上回るサーバを含み得る。HIS120はまた、医療データを分析するための、または病院環境100の他の部分から医療データを受信するための1つもしくはそれを上回るサーバを含み得る。HIS120は、例えば、EMRへの医療データ記憶を管理するためのサーバを含み得る。HIS120は、どのEMRが記憶のために医療データを受信するかを判定するために、患者識別子または類似物を使用し得る。HIS120はまた、実験室情報システム、調剤システム、方針/手技管理システム、または継続的品質改善(「CQI」)システムを含む、もしくはそれに通信可能に結合され得る。実験室システムは、患者の生物学的サンプルの分析に基づいて、医療データを生成するように構成される。調剤システムは、注入ポンプ102および/またはRFT機械104をプログラムするための命令を含む、患者に対する医療処方箋を生成するように構成される。方針/手技管理システムは、アラーム/アラートに関して薬物ライブラリおよび/または閾値を管理するように構成される。CQIシステムは、例えば、1人またはそれを上回る患者からの注入治療進度データ130に基づいて、統計および/または分析報告を生成するように構成される。HIS120はまた、注入治療進度データ130の少なくとも一部を表示するように構成される、1つまたはそれを上回るモニタを含む、もしくはそれに接続され得る。HIS120はさらに、注入治療進度データ130、腎不全治療進度データ140、および/または生理学的データ150を臨床医ドキュメンテーションに統合し、迅速かつ正確な注入ポンプドキュメンテーションおよびほぼリアルタイムの傾向へのアクセス、ならびに患者処置を改良する文脈上の患者注入データを提供し得る。
【0037】
図1の例示的RFT機械104は、任意の血液透析、血液濾過、血液透析濾過、連続腎代替治療(「CRRT」)、または腹膜透析(「PD」)機械を含み得る。例えば、腎不全治療を受ける患者110は、RFT機械104に接続され、患者の血液は、機械を通して圧送され得る。血液は、機械104の透析器を通過し、これは、血液から老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。清浄にされた血液は、患者に戻される。PDでは、処置流体が、毒素および過剰な水分を除去するために、患者の腹膜腔に送達され、それから除去される。
【0038】
図3は、本開示の例示的実施形態による、Gambro(R) Prismaflex(R) CRRT機械を含む、例示的RFT機械104の図を示す。RFT機械104の他の実施例は、米国特許第8,403,880号に説明される腹膜透析機械、米国公開第2014/0112828号に説明される血液透析透析機械、および米国公開第2011/0106002号に説明される腹膜透析機械(それぞれの全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる)を含む。
【0039】
CRRTは、典型的には、急性腎障害(「AKI」)を発症する、集中治療室内の緊急または重篤入院患者を処置するために使用される透析モダリティである。経時的に緩慢に起こる慢性腎疾患とは異なり、AKIは、多くの場合、入院患者において起こり、典型的には、数時間から数日にわたって起こる。
【0040】
血液透析は、血液からの老廃物が半浸透性膜を横断して拡散される、腎不全処置である。血液透析中、血液が、患者から除去され、半浸透性膜アセンブリ(透析器)を通して流動し、血液は、半浸透性膜の他方の側上を流動する透析液剤に対して、概して、逆流する。透析器では、血液からの毒素が、半浸透性膜を横断して進行し、透析器から使用された透析液剤(透析液)中に退出する。透析器を通して流動し、清浄にされた血液は、次いで、患者に戻される。
【0041】
透析器では、圧力差が、透析器の中に透析液剤を導入するために使用されるものを上回る流率において透析液を除去することによって、半浸透性膜を横断して生成される。本圧力差は、半浸透性膜を横断して、小、中、および大分子毒素を含有する流体を引動する。流動および体積測定値が、除去される流体の量(限外濾過)を制御するために使用される。上記に例証されるように、血液濾過機械のポンプは、典型的には、患者の動脈側から血液を引動し、これを透析器の中に、それを通して押動し、患者の静脈側に透析された血液を戻す前に、空気を分離する点滴チャンバを通してこれを押動する。
【0042】
RFT機械104は、代替として、血液濾過機械であり得る。血液濾過は、血液透析と類似する別の腎不全処置である。血液濾過中、患者の血液もまた、半浸透性膜(血液濾過器)を通過され、流体(老廃物を含む)が、圧力差によって半浸透性膜を横断して引動される。本対流は、半浸透性膜を横断して、あるサイズの分子毒素および電解質(これらは、血液濾過では清浄にすることが困難である)を引き込む。血液濾過中、補液が、血液濾過器を通して、血液から除去された流体体積および電解質と交換するために血液に添加される。補液が血液濾過器に先立って血液に添加される血液濾過が、前希釈血液濾過として公知である。補液が血液濾過器の後に血液に添加される血液濾過が、後希釈血液濾過として公知である。
【0043】
RFT機械104は、代替として、血液透析濾過機械であり得る。血液透析濾過は、血液濾過と組み合わせて血液透析を使用する、さらなる腎不全処置である。血液が、透析器を通して圧送され、これは、血液濾過器とは異なり、新鮮な透析流体を受け取る。しかしながら、血液透析濾過では、補液が、血液濾過と同様に、血液回路に送達される。血液透析濾過は、故に、血液透析および血液濾過と同種のものである。
【0044】
RFT機械104は、代替として、腹膜透析機械であり得る。腹膜透析は、透析液とも呼ばれる、透析液剤を使用し、これは、カテーテルを介して患者の腹膜腔の中に注入される。透析液は、患者の腹膜腔の腹膜に接触する。老廃物、毒素、および過剰な水分が、液剤によって生成される浸透勾配に起因して、患者の血流から、腹膜を通して、透析液の中に通過する。使用済透析液105が、患者から排液され、患者から老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。本サイクルが、繰り返される。
【0045】
図1のRFT機械104として動作する、例示的腹膜透析機械は、連続サイクル腹膜透析(「CCPD」)、潮汐流自動化腹膜透析(「APD」)、および連続流動腹膜透析(「CFPD」)を含む、種々のタイプの付加的腹膜透析治療を実施し得る。APD機械は、典型的には、患者が眠っている間に、排液、充填、および滞留サイクルを自動的に実施する。APD機械は、処置サイクルを手動で実施する必要性および日中に供給物を輸送する必要性から患者および臨床医を解放する。APD機械は、移植されたカテーテル、新鮮な透析液の源もしくはバッグ、および流体ドレインに流体的に接続する。APD機械は、新鮮な透析液を透析液源から、カテーテルを通して、患者の腹膜腔の中に圧送する。APD機械は、透析液が腔内で滞留することを可能にし、それによって、老廃物、毒素、および過剰な水分の移送が起こることを可能にする。源は、複数の滅菌透析液液剤バッグであり得る。APD機械は、使用済透析液を腹膜腔から、カテーテルを通して、ドレインに圧送する。手動プロセスと同様に、いくつかの排液、充填、および滞留サイクルが、APD中に起こる。「最後の充填」が、CAPDおよびAPDの終了時に起こり、これは、次の処置まで患者の腹膜腔内に残留する。
【0046】
CCPD処置は、各排液に応じて患者から完全に排液しようと試みる。CCPDおよび/またはAPDは、使用済透析液流体をドレインに送出するバッチタイプシステムであり得る。潮汐流システムは、修正されたバッチシステムである。潮汐流では、より長い時間期間にわたって患者から流体の全てを除去する代わりに、流体の一部が、より短い時間増分後に除去および交換される。
【0047】
腹膜透析の透析液は、0.5%~10%、好ましくは、1.5%~4.25%のブドウ糖(またはより一般的には、グルコース)を含む液剤または混合物を含み得る。腹膜透析の透析液は、例えば、本開示の譲受人によって販売される、Dianeal(R)、Physioneal(R)、Nutrineal(R)、およびExtraneal(R)透析液を含み得る。透析液は、加えて、または代替として、ある割合のイコデキストリンを含み得る。本開示のいくつかの実施形態では、透析液は、RFT機械104ではなく、注入ポンプ102を介して患者110の中に注入され得ることを理解されたい。
【0048】
連続流動またはCFPD透析システムは、使用済透析液を廃棄する代わりに、これを清浄にする、または再生する。CFPDシステムは、ループを通して、流体を患者の内外に圧送する。透析液は、腹膜腔の中に、1つのカテーテル管腔を通して、別のカテーテル管腔の外に流動する。患者から退出した流体は、透析液から老廃物を除去する再構成デバイスを通して、例えば、尿素をアンモニア(例えば、アンモニウムカチオン)に酵素的に変換するためにウレアーゼを採用する尿素除去カラムを介して通過する。アンモニアは、次いで、腹膜腔の中への透析液の再導入に先立って、吸着によって透析液から除去される。付加的センサが、アンモニアの除去を監視するために採用される。CFPDシステムは、典型的には、バッチシステムよりも複雑である。
【0049】
血液透析および腹膜透析の両方において、「吸着剤」技術が、廃透析液から尿毒性毒素を除去し、治療剤(イオンおよび/またはグルコース等)を処置流体の中に再注入し、患者の透析を継続するためにその流体を再使用するために使用されることができる。1つの一般的に使用される吸着剤は、リン酸ジルコニウムから作製され、これは、尿素の加水分解から生成されるアンモニアを除去するために使用される。典型的には、大量の吸着剤が、透析処置中に生成されるアンモニアを除去するために必要である。
【0050】
注入ポンプ102と同様に、RFT機械104は、透析処方箋をローカルにプログラムされる、またはRFTゲートウェイ114を介して透析処方箋を受信し得る。RFT機械104は、患者110に対して腎不全治療を実施するように構成され、これは、上記に議論されるように、患者110から限外濾過を除去することを含む。腹膜透析では、RFT機械104は、充填サイクル中に患者110の中に透析液を注入する。任意の透析処方箋に関して、RFT機械104は、処方箋のパラメータを1つまたはそれを上回る限界と比較し、処方箋のパラメータがソフトまたはハード限界に反する場合、任意のアラートまたはアラームを提供し得る。RFT機械104は、治療の進度を監視し、腎不全治療進度データ140をRFTゲートウェイ114に周期的に伝送するように構成される。腎不全治療進度データ140は、例えば、充填速度、滞留時間、排液または流体除去速度、血液流率、放出投薬量、限外濾過除去速度、透析液除去速度、注入された合計透析液、透析液流動、交換前流動、交換後流動、患者体重バランス、戻り圧力、過剰な患者流体サイン、濾過割合、残り時間、透析液濃度、透析液名称、透析液識別子、部屋識別子、ケア面積識別子、データが生成されたときのタイムスタンプ、アラーム条件、アラート条件、事象等を含み得る。RFT機械104は、データを連続的に、周期的に(例えば、30秒毎、1分毎等)、またはRFTゲートウェイ114による要求に応じて伝送し得る。
【0051】
RFTゲートウェイ114は、RFT機械104と通信するように構成される、サーバ、プロセッサ、コンピュータ等を含む。RFTゲートウェイ114は、例えば、Global Baxter ExchangeTM(「GBX」)サーバまたはゲートウェイを含み得る。ゲートウェイ114は、1つを上回るRFT機械に通信可能に結合され得る。RFTゲートウェイ114は、薬物ライブラリ、透析処方箋、および腎不全治療進度データ140の有線/無線のセキュアな転送のために、機械104との双方向通信を提供するように構成される。ゲートウェイ114はまた、HIS120または他の病院システムと統合または通信し、RFT機械104から患者のEMRに腎不全治療進度データ140を伝送するように構成され得る。腎不全治療進度データ140はまた、分析、報告、および/または相談のためにHIS120によって使用され得る。
【0052】
図1の図示される実施形態の例示的患者モニタ106は、生理学的センサ108からの生理学的データ107の1つまたはそれを上回るグラフを表示するように構成される。モニタ106は、センサ108に有線または無線で結合され得、これは、例えば、心拍数センサ(例えば、EKGセンサ、ECGセンサ)、温度センサ、パルスオキシメトリセンサ、患者体重計、グルコースセンサ、呼吸センサ、血圧センサ等を含み得る。患者モニタ106は、時間ベースのグラフ内でセンサからのデータを表示するように構成される。患者モニタ106はまた、データを色コード化することに加えて、センサ108からの直近のデータの数値を表示し得る。集合的に、センサ108から患者モニタ106において受信されるデータは、本明細書では生理学的データ150と称され得る。
【0053】
患者モニタ106は、モニタゲートウェイ116に通信可能に結合される。患者モニタ106は、連続的に、周期的に、または要求に応じて、生理学的データ150をモニタゲートウェイ116に伝送し得、これは、次いで、患者のEMR内または臨床医の記録内に含めるために、生理学的データ150をHIS120に伝送し得る。生理学的データ150はまた、CQIシステム内でデータ130および140と併用される、または臨床医デバイス124に伝送され得る。
【0054】
図1の例示的モニタゲートウェイ116は、それぞれ、注入ポンプ102、RFT機械104、および患者モニタ106からのデータ130、140、および150を処理するように構成される、統合エンジン160を含む。例示的統合エンジン160は、データが表示および/または提示されるべき方法を判定するために、1つまたはそれを上回るルーチン、アルゴリズム等と併せてデータ130、140、および150を分析するように構成される。例えば、患者モニタ106は、接続されるセンサ108からの生理学的データ150を表示するように構成される一方、患者モニタ106は、データ130および140を表示するように構成されない場合がある。いくつかの実施形態では、データ130および140は、患者モニタ106と互換性がない、またはそれによって認識されない規格もしくはフォーマットであり得る。
【0055】
統合エンジン160は、データ130および140を、モニタ106と互換性がある規格、フォーマット、またはプロトコル(例えば、本明細書では共通フォーマットと称される)に変換もしくは別様にフォーマットするように構成される。統合エンジン160はまた、注入データ130および透析データ140のどちらが特定の時間に表示されるべきかを判定し、モニタ106に、規定された時間に生理学的データ150と併せて変換またはフォーマットされたデータを表示するように命令するように構成される。その結果、同一の時間からの生理学的データを伴う注入データおよび腎不全治療データが、並行表示される。そのような構成は、臨床医が、1つの場所で注入データ、腎不全治療データ、および生理学的データを閲覧することを可能にし、腎不全治療または注入の変化が患者の生理学的条件にどのように影響を及ぼすかを迅速に判定することを可能にする。
【0056】
データ130、140、ならびに/または150の並行処理、統合、および変換は、統合エンジン160が、異なるタイプのデータに基づいて、条件、デルタ、または導関数を判定することもまた可能にする。例えば、統合エンジン160は、患者の中に注入された流体の量を透析または腎不全治療を通して患者から除去された流体と比較し、流体バランスを示す微分データを判定するルーチンを含み得る。統合エンジン160は、次いで、新しい流体差異を計算し、注入および腎不全治療データ140と並行閲覧するために本情報をモニタ106に提供し得る。
【0057】
そのような構成はまた、統合エンジン160が強化されたアラートおよび/またはアラームを提供することを可能にする。例えば、統合エンジン160は、患者の生理学的パラメータをハード限界、ソフト限界、またはデルタ限界と比較するルーチンを動作させるように構成され得る。
統合エンジン160はまた、1つまたはそれを上回る限界と併せて治療進度データ130および/または腎不全治療データ140を分析し得る。一実施例では、統合エンジン160は、患者の生理学的パラメータが危険レベルの傾向にあることを検出し、注入治療または腎不全治療を変更(または中止)するためにアラームをアクティブ化し得る。別の実施例では、統合エンジン160は、生理学的条件が第1の限界に接近していることを検出し得る。しかしながら、統合エンジン160はまた、注入が起こっており、第2のより高い限界が代わりに使用されるべきであることを判定する。
【0058】
異なるタイプのデータ130、140、および150へのアクセスを有することは、統合エンジン160が、相互運用性および患者ケアに対する無数の改良を提供することを可能にすることを理解されたい。統合エンジン160は、データ130、140、および150(ならびに/またはその導関数)のあるものに基づいて、医療デバイス動作限界および/またはアラーム/アラート閾値を動的に調節するように構成され得る。例えば、注入ポンプ102は、典型的には、患者の体重、性別、ケア面積等に基づいて、動作パラメータ限界を定義する1つまたはそれを上回る薬物ライブラリを含む。統合エンジン160の使用は、限界のうちの少なくとも1つが、あるデータに基づいて、ルーチンまたはアルゴリズムによって規定されることを可能にする。例えば、注入投薬量限界は、並行して提供されている腎不全治療のタイプに基づいて調節され得る。他の実施例では、統合エンジン160は、データ130、140、および/または150(ならびにその導関数)の分析に基づいて、処方箋設定を調節し得る。例えば、注入速度は、腎不全治療進度データ140が、患者110が過多の流体を蓄積していることを示す場合、(規定されたルーチンに従って)減少され得る。限界または動作パラメータを変更するために、統合エンジン160は、注入ポンプ102に対して適切なメッセージ規格において命令を作成し、限界または動作パラメータが調節されるようにするように構成され得る。
【0059】
例示的統合エンジン160はまた、動的トリガ条件および/または閾値を用いて、アラームおよび/またはアラートの使用を促進し得る。例えば、統合エンジンは、データ130、140、および/または150(ならびにその導関数)を分析し、注入ポンプ102および/またはRFT機械104のアラーム/アラートに関するある閾値が調節されるべきかどうかを判定し得る。ある閾値が変更されるべきであることの検出に応答して、統合エンジン160は、閾値修正を示す1つまたはそれを上回るメッセージを適切なデバイス102もしくは104に伝送する。統合エンジン160は、1つまたはそれを上回るアルゴリズムおよび/もしくはルーチンを使用し、データ130、140、および/または150(ならびにその導関数)の組み合わせがどのようにアラーム/アラート閾値に影響を及ぼすかを判定するように構成される。
【0060】
例示的統合エンジン160はまた、データ130、140、および/または150(ならびにその導関数)に基づいて、その独自のアラートおよび/またはアラームを生成するように構成され得る。統合エンジン160は、アラーム/アラートおよび対応する閾値条件のリストまたはテーブルを含み得る。統合エンジンは、アラームまたはアラートが生成されるべきであるかどうかを判定するために、適切なデータ130、140、および/または150(ならびにその導関数)をリストと比較する。テーブルはまた、アラーム/アラートが伝送されるべき宛先を規定し得る。例えば、アラーム/アラートは、注入ポンプ102、RFT機械104、および/または患者モニタ106上での表示もしくはオーディオ作動のために伝送され得る。加えて、または代替として、統合エンジン160は、アラーム/アラートをHIS120または他の医療システム122に伝送し得る。そのような構成は、例えば、アラームまたはアラートが、治療進度データ130、腎不全治療進度データ140、生理学的データ150、および/またはその導関数の組み合わせに基づいて生成されることを可能にする。例えば、統合エンジン160は、(注入およびRFTデータから導出される)流体バランスがある閾値を超えると、アラームを生成し得る。さらに、統合エンジン160は、アラーム/限界に関する条件および/または閾値を調節するように構成され得る。
【0061】
いくつかの事例では、統合エンジン160は、アラームおよび/またはアラートと組み合わせて(またはそれに応答して)プログラミング命令を提供し得る。例えば、統合エンジン160は、注入ポンプ102に関する問題を判定し(または注入ポンプ102からアラームを受信し)、データを分析するためのルーチンを使用して、RFT機械104が中断されるべきであることを判定し得る。統合エンジン160は、RFT機械104に対して適切な規格における1つまたはそれを上回るメッセージをRFT機械104に適宜伝送し、RFT機械104に動作を中断させる。
【0062】
いくつかの実施形態では、統合エンジン160は、モニタゲートウェイ116に通信可能に結合されるコンピュータ、プロセッサ、および/またはサーバ内に含まれ得る。代替として、統合エンジン160は、コンピュータ、モニタゲートウェイ116、および患者モニタ106間に分散され得る。そのような構成は、臨床医が、どのデータが表示されるべきか、ならびにどのルーチンがデータ130、140、および150を処理するために使用されるべきかを(コンピュータまたはスマートフォンから)修正もしくは選択することを可能にする。臨床医による選択は、モニタゲートウェイ116がデータをルーティングおよび/または処理する方法ならびに/もしくは患者モニタ106がデータを処理する方法を更新し得る。そのような構成はまた、ユーザインターフェース機能性が、データと併せて含まれることを可能にする。これは、臨床医に、流体の正味量波形を選択する、または判定された量に寄与するデータ130、140、および150の個々の波形を確認する能力を提供することを含み得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、注入ポンプ102および/またはRFT機械104はまた、1つまたはそれを上回る生理学的センサ108に通信可能に結合され得る。例えば、注入ポンプ102は、パルスオキシメトリセンサに接続され得る。注入ポンプ102は、パルスオキシメトリセンサからのデータを注入治療進度データ130に統合する、もしくは別様にそれを含む、または代替として、パルスオキシメトリデータを注入ゲートウェイ112に別個に伝送するように構成され得る。同様に、RFT機械104は、血圧センサ、患者体重計、グルコースセンサ、心臓モニタ等に通信可能に結合され得る。RFT機械104は、センサからのデータを腎不全治療進度データ140に統合する、もしくは別様にそれを含む、または代替として、センサデータをRFTゲートウェイ114に別個に伝送するように構成され得る。
例示的実施形態
【0064】
患者の流体バランスを監視することは、脱水または水分過剰を防止するために重要であることを理解されたい。しかしながら、公知の流体バランス記録システムは、これらのシステムが、注入ならびに腎不全治療情報の別個の収集および入力を要求するため、不適正または不十分であるとして評判が悪い。しかしながら、臨床医は、腎不全治療もしくは注入情報をタイムリーに記録しない場合がある、または一方を記録するが、他方を記録しない場合がある。いくつかの事例では、臨床医は、注入情報を記録し、次いで、腎不全治療情報を記録することにある程度の時間を費やし得る。しかしながら、注入および腎不全治療情報を収集することの間の時間における差異は、相関誤差を生産し得る。
【0065】
図1の例示的病院環境100では、注入ポンプ102が、流体を患者110の中に圧送または注入している間に、RFT機械104は、患者110から流体105を除去する。RFT機械104はまた、流体を用いて患者110を充填し得る。ある実施例では、注入ポンプ102は、1つまたはそれを上回る薬品もしくは生理食塩水を注入し得る一方、RFT機械104は、血液透析または腹膜透析を実施するように構成される。そのような構成は、注入された後に迅速に除去される必要がある特定の薬品に対して、または薬品が腎機能不全を伴う患者に投与される状況において使用され得る。
【0066】
流体の「一部始終」は、患者の流体ならびに血液力学ステータスを判定および管理することの重要側面である。処置が開始される前に、ゲートウェイ112、114、および116は、患者110に関連する全てのデータが集約されるようにデータをルーティングおよび処理するように構成され、したがって、集約されたデータの少なくともいくつかが、統合および/または処理ならびに表示され得る。本実施例では、患者モニタ106は、患者110の識別子を受信または別様に取得し得る。例えば、モニタ106に取り付けられるバーコード走査装置が、患者110のリストバンドを走査するために使用され得る。モニタ106は、次いで、モニタ106のIPアドレスまたはMACアドレスに加えて識別子をゲートウェイ116に伝送し得、統合エンジン160は、モニタ106のアドレスを患者識別子と相関させる。
【0067】
また、処置前に、注入ポンプ102およびRFT機械104は、患者の識別子を取得または別様に受信し得る。例えば、注入ポンプに内蔵された、または注入ポンプに通信可能に結合されたバーコード走査装置が、患者のリストバンドまたは薬品容器を走査し、患者の識別子を取得し得る。注入ポンプ102およびRFT機械104は、データ130および140内に患者の識別子を含む。
【0068】
処置中、注入ポンプ102は、注入治療進度データ130を生成し、これは、ゲートウェイ112に伝送される一方、RFT機械は、腎不全治療進度データ140を生成し、これは、ゲートウェイ114に伝送される。例示的ゲートウェイ112および114は、個別のデータをモニタゲートウェイ116に伝送する。例示的患者モニタ106はまた、(患者識別子を含む)生理学的データ150をモニタゲートウェイ106に伝送する。モニタゲートウェイ106における統合エンジン160は、患者識別子に関するデータ130および140を分析する。同一の患者識別子を伴うデータの全ては、次いで、患者モニタ106における表示のために、統合エンジン160によって処理される。例えば、統合エンジン160は、タイムスタンプ情報に関して同一の患者と関連付けられるデータの全てを検索し得る。統合エンジン160は、次いで、個別のチャート内での表示のために、同一のタイムスタンプを伴うデータを患者モニタ106に送信し得る。
【0069】
例示的統合エンジン160はまた、具体的微分値またはパラメータのためにデータ130、140、および150を計算もしくは処理し得る。例えば、統合エンジン160は、注入ポンプ102からの注入速度およびRFT機械104からの透析流体除去速度を使用し、患者110内の正味流体蓄積を判定し得る。統合エンジン160は、次いで、タイムスタンプを、注入速度および透析流体除去速度のタイムスタンプに対応する正味流体蓄積データに付加し得る。統合エンジン160は、次いで、正味流体蓄積データ、注入速度、および透析流体除去速度を表示のためにモニタ106に送信する。
【0070】
図4は、本開示の例示的実施形態による、統合エンジン160からのデータを表示する患者モニタ106の図を示す。ユーザインターフェース402が、例えば、EKGデータ、呼吸データ、パルスオキシメトリデータ、および血圧データを含む、生理学的センサデータ150を表示するように構成される。直近の値と併せて、ユーザインターフェース402は、各データタイプのタイムラインまたはチャートを表示する。データタイプ毎のタイムラインスケールは、同一であり得るが、ユーザ選択に基づいて異なり得ることを理解されたい。
【0071】
ユーザインターフェース402はまた、注入ポンプ102を介して患者110の中に能動的に注入されている時間期間あたりの流体の量(cc/時)を例証する数値を示す。統合エンジン160は、患者110に接続される全ての注入ポンプ102からのデータおよび/またはRFT機械104からのデータを組み合わせ得る。統合エンジン160はさらに、例えば、栄養供給管等の他のデバイスからの流体入力を組み合わせ得る。データは、ある構成可能な最近の時間期間(例えば、過去8時間)にわたって注入された合計流体を示す数値に加えて、最近の時間にわたる入力速度の波形として表示される。
【0072】
ユーザインターフェース402はさらに、RFT機械104を介して患者110から能動的に除去されている時間期間あたりの流体の量(cc/時)を例証する数値を示す。統合エンジン160は、患者110に接続される全てのRFT機械104からのデータおよび/または尿収集デバイス(例えば、生理学的センサ108)からのデータを組み合わせ得る。データは、ある構成可能な最近の時間期間(例えば、過去8時間)にわたって除去された合計流体を示す数値に加えて、最近の時間にわたる出力速度の波形として表示される。
【0073】
例示的ユーザインターフェース402はさらに、時間期間あたりの流体変化の正味量(例えば、cc/時)を例証する数値を示す。本微分データは、ある構成可能な最近の時間期間(例えば、過去8時間)にわたる正味流体変化を示す数値に加えて、最近の時間にわたる正味速度の波形として表示される。
【0074】
例示的統合エンジン160はまた、どのデータが表示されるべきかに関する命令をモニタ106に送信するように構成され得る。例えば、統合エンジン160は、注入ポンプ102からのデータ130のみを受信し得る。応答して、統合エンジン160は、注入速度に関するタイムラインまたは波形のみが表示されるべきであることを示す命令をモニタ106に送信し得る。
【0075】
上記に議論されるように、1つを上回る注入ポンプ102が、患者110に接続され得る。これらの状況では、統合エンジン160は、ポンプの全てからのデータ130に基づいて、患者への流体入力を(事前定義されたルーチンに従って)集約し得る。加えて、統合エンジン160は、患者の中に注入されている物質の名称のリストまたはデータ構造を作成するように構成され得る。統合エンジン160は、種々の物質の名称を順序付け、ユーザインターフェース402内での表示のためにその順序をモニタ106に送信し得る。統合エンジン160は、重要性、患者に対する致命度、注入速度等に基づいて、名称を順序付け得る。名称の数がユーザインターフェース402内の表示面積を上回る事例では、例示的統合エンジン160は、どの名称が表示されるべきであるか、およびどの名称が省略記号の後方に隠されるべきであるかを規定し得る。統合エンジン160は、省略記号を入力フィールドとして設定し得、したがって、ユーザによる選択が、モニタ106に他の名称を表示させる、または統合エンジン160に他の名称を送信させる。
【0076】
統合エンジン160はまた、(注入治療進度データ130内に規定されるステータスインジケータまたは注入速度情報に基づいて)どの注入が一時停止されている、または終了された注入と比較して能動的であるかを判定し得る。統合エンジン160は、活動に基づいて、注入物名称を順序付け得る、および/または活動に基づいて、名称を色コード化し得る。いくつかの事例では、統合エンジン160は、モニタ106に、流体の正味量波形に隣接して能動的注入のインジケーションを表示させ得る。
【0077】
いくつかの事例では、名称のそれぞれもまた、入力フィールドとして設定され得る。特定の名称の選択は、統合エンジン160に、その選択された物質のみに関する患者への流体入力を表示させ得る。統合エンジン160はまた、選択された注入物質間の流体の正味量を透析データへの表示のために判定し得る。統合エンジン160は、既知の注入物質のセット全体のサブセットを含む注入物質の複数の選択のために、本流体の正味量入力を実施するように構成され得る。
【0078】
統合エンジン160は、データ130、140、および150(ならびにその導関数)が表示のために処理および構成されるべき方法を規定する無限の数のルーチンを含み得ることを理解されたい。ルーチンのいくつかは、定義されたデータ間の関係に基づいて事前定義され得る。ルーチンの他のものは、オペレータによってモニタ106において規定され得る。例えば、臨床医は、どのデータタイプがモニタ106に表示されるべきかを選択し得る。あるデータタイプの選択は、統合エンジン160に、選択されたデータタイプを判定するためのルーチンを実行させ得る。
【0079】
例示的統合エンジン160はまた、データ130および140が患者モニタ106による表示のために許容可能なフォーマットであることを確実にするように構成される。エンジン160は、データの受信に応じて本変換を実施し得る。例えば、統合エンジン160は、個別のデバイス102および104からデータを受け取るように構成される、複数の明確に定義されたアプリケーションプログラミングインターフェース(「API」)を含み得る。APIは、分析のためにフィールドまたはパケット構造が変換および/もしくは解析され、モニタ106と互換性がある対応するフィールドまたはパケットにルーティングされるべき方法を定義し得る。
病院環境の付加的実施形態
【0080】
図5-9は、本開示の例示的実施形態による、統合エンジン160が異なるデバイスにおいて動作する図1の病院環境100の図を示す。例えば、図5は、患者モニタ106内に含まれる統合エンジン160を示す。本実施例では、患者モニタ106は、生理学的データ150を別のデバイスへの伝送を伴わずに統合エンジン160に提供する。患者モニタ106は、例えば、EMR内に含めるために、生理学的データ150をモニタゲートウェイ116に依然として送信し得る。患者モニタ106における統合エンジン160の使用は、比較的により高速の応答をユーザの入力に提供し得る、および/または患者ベッドサイドでのより容易なルーチンのカスタマイズを行い得る。例えば、臨床医は、選択を行うためにモニタゲートウェイ116に接続またはアクセスする必要性の代わりに、患者モニタのユーザインターフェース402を使用し、どのデータが表示されるべきかを選択し得る。
【0081】
図6および7は、統合エンジン160がRFTゲートウェイ114および/またはRFT機械104に含まれ得ることを図示する。これらの事例では、RFT機械104における患者の識別子の走査は、RFT機械104および/またはRFTゲートウェイ114に、患者識別子を含むデータがRFTゲートウェイ114にルーティングされるべきであることをモニタゲートウェイ116および注入ゲートウェイ112にブロードキャストさせる。代替として、RFT機械104における患者識別子の走査は、RFT機械104および/またはRFTゲートウェイ114に、注入ゲートウェイ112において患者識別子に関連するデータ130をサブスクライブさせ、モニタゲートウェイ116において患者識別子に関連するデータ150をサブスクライブさせる。データのサブスクリプションは、注入ゲートウェイ112およびモニタゲートウェイ116に、患者識別子を含むデータ130および150をRFT機械104における表示のためにRFTゲートウェイ114に伝送させる。本実施例では、統合エンジン160は、データ130および150をRFT機械104と互換性があるフォーマットに変換するように構成される。そのような構成は、例えば、RFT機械および注入ポンプのみが患者110に接続されているときに所望され得る。また、そのような構成は、センサ108がRFT機械104および/または注入ポンプ102に通信可能に結合され得る場合、患者モニタ106の必要性を排除することを理解されたい。
【0082】
図8および9は、統合エンジン160が注入ゲートウェイ112および/または注入ポンプ102に含まれ得ることを図示する。これらの事例では、注入ポンプ102における患者の識別子の走査は、注入ポンプ102および/または注入ゲートウェイ112に、患者識別子を含むデータが注入ゲートウェイ112にルーティングされるべきであることをモニタゲートウェイ116およびRFTゲートウェイ114にブロードキャストさせる。代替として、注入ポンプ102における患者識別子の走査は、注入ポンプ102および/または注入ゲートウェイ112に、RFTゲートウェイ114において患者識別子に関連するデータ140をサブスクライブさせ、モニタゲートウェイ116において患者識別子に関連するデータ150をサブスクライブさせる。データのサブスクリプションは、RFTゲートウェイ114およびモニタゲートウェイ116に、患者識別子を含むデータ140および150を注入ポンプ102における表示のために注入ゲートウェイ112に伝送させる。統合エンジン160は、データ140および150を注入ポンプ102と互換性があるフォーマットに変換するように構成される。再び、そのような構成は、例えば、RFT機械および注入ポンプのみが患者110に接続されているときに所望され得る。本構成は、センサ108がRFT機械104および/または注入ポンプ102に通信可能に結合され得る場合、患者モニタ106の必要性を排除し得る。
統合エンジンの実施形態
【0083】
図10は、本開示の例示的実施形態による、図1および5-9の例示的統合エンジン160の図を示す。上記に議論されるように、統合エンジン160は、医療デバイス102、104、および106のうちのいずれか1つならびに/またはゲートウェイ112、114、および116のうちのいずれか1つの中に含まれ得る。さらに、統合エンジン160は、1つを上回るデバイスを横断して分散される、および/またはサーバ等の他のデバイス上に実装され得る。図10と併せて説明される統合エンジン160は、一実施形態にすぎず、他の実施形態が、より少ないまたは付加的コンポーネントを含み得ることを理解されたい。
【0084】
図10に示されるコンポーネントは、別個の特定用途向け集積回路として実装される、1つもしくはそれを上回る特定用途向け集積回路内に実装される、ならびに/または、実行されると、回路および/もしくはプロセッサに、単一のユーザインターフェース内での表示のためにデータ130、140、および150(ならびにその導関数)の受信、集約、統合、変換、および/もしくは処理に関連する1つもしくはそれを上回る特別に構成される動作を実施させる、コンピュータ可読命令として定義され得る。
【0085】
例示的統合エンジン160は、注入治療進度データ130を受信するための注入ポンプインターフェース1002と、腎不全治療進度データ140を受信するための透析インターフェース1004と、生理学的データ150を受信するためのモニタインターフェース1006とを含む。インターフェース1002、1004、および1006は、定義されたフォーマットに従ってデータを受信するように構成される、明確に定義されたAPIを含み得る。代替として、インターフェース1002、1004、および/または1006は、例えば、HTTPプロトコルを経由するパケットを介してデータ130、140、および150を受信するためのウェブインターフェースを含み得る。
【0086】
統合エンジン160は、異なるデータ規格、プロトコル、フォーマット等との互換性のために、複数のバージョンのそれぞれのインターフェース1002、1004、および/または1006(例えば、異なるAPI)を含み得る。例えば、統合エンジン160は、第1の規格と関連付けられる注入データを受信するための第1の注入ポンプインターフェース1002と、第2の規格と関連付けられる注入データを受信するための第2の注入ポンプインターフェース1002とを含み得る。注入ゲートウェイ112は、例えば、各規格と関連付けられ、統合エンジン160における個別の注入ポンプインターフェース1002に通信可能に結合される、明確に定義されたポートおよび/またはインターフェースを有し得る。そのような構成は、各規格の注入治療進度データ130を適切な注入ポンプインターフェース1002に自動的にルーティングする。ゲートウェイ114および116は、注入ゲートウェイ112として同様に構成され得ることを理解されたい。
【0087】
加えて、または代替として、統合エンジン160は、注入治療進度データ130を適切なバージョンの注入ポンプインターフェース1002にルーティングするように構成されるルータを含み得る。例えば、ルータは、データパケットヘッダ、識別子、または規格を示す他の印(例えば、データタイプ、標識等)を1つまたはそれを上回るルーティングテーブルと比較し得る。ルーティングテーブルは、判定された規格に基づいて、インターフェース1002のどれにデータ130がルーティングされるべきかを規定する。規格の判定に応答して、ルータは、データを共通フォーマットへの変換のために適切な注入ポンプインターフェース1002に伝送する。ルータはまた、インターフェース1004および1006のためにも存在し得ることを理解されたい。
【0088】
インターフェース1002、1004、および/または1006において受信されたデータ130、140、および150は、個別のゲートウェイ112、114、および116ならびに/または医療デバイス102、104、および106から周期的にストリーミングもしくは伝送され得る。いくつかの事例では、インターフェース1002、1004、および1006は、個別のゲートウェイ112、114、および116ならびに/または医療デバイス102、104、および106からデータ130、140、および150を要求するように構成され得る。これらの事例では、要求は、患者識別子および/またはどのタイプのデータが受信されるべきかのインジケーションを含み得る。
【0089】
データ130、140、および150を受信するために、例示的統合エンジン160は、サブスクライバ1007を含む。例示的サブスクライバ1007は、どの患者がどの医療デバイスに隣接して位置するかに関するインジケーションを受信するように構成される。例えば、統合エンジン160がモニタゲートウェイ116に位置する場合、患者モニタ106は、患者識別子ならびにMACアドレスまたはIPアドレスを提供し得る。IPまたはMACアドレスは、統合エンジン160によって、表示のために伝送されるパケットまたはデータに関する宛先アドレスとして使用される。サブスクライバ1007は、患者識別子を含むデータ130および140をサブスクライブするために、(エンジン160がゲートウェイ116にある事例では)患者識別子をゲートウェイ112および114に伝送するように構成される。サブスクライブは、ゲートウェイ112および114に、規定された基準を伴うデータ130および140のいずれかを統合エンジン160に伝送させる。
【0090】
代替として、ゲートウェイ116(および統合エンジン160)は、ゲートウェイ112および114から全てのデータを受信し得る。本事例では、サブスクライバ1007は、データのどれが処理および/または表示されるべきかを選択するために、インターフェース1002、1004、1006、コンバータ1008、および/またはデータインテグレータ1010とともに動作する。これらの事例のいくつかでは、サブスクライバ1007は、患者識別子をモニタゲートウェイ116に提供し得、これは、患者識別子によってフィルタ処理し、フィルタ処理されたデータをインターフェース1002、1004、および1006に伝送する。
【0091】
サブスクライバ1007はまた、患者に関連するデータに加えて、あるデータタイプをサブスクライブし得る。例えば、モニタ106における構成または設定は、全ての注入速度データが表示されることを規定することを含み得る。統合エンジン160は、コンフィギュラ1012を介して本構成情報を受信し、これは、サブスクライバ1007に伝送される。例示的サブスクライバ1007は、注入速度と関連付けられる1つまたはそれを上回るパラメータ、データ標識、および/もしくは対応するデータ識別子を判定し、患者識別子および所望のパラメータの識別子(例えば、注入速度、薬物名称、ポンプ識別子等)を含む、1つまたはそれを上回るサブスクリプションメッセージを注入ゲートウェイ112に伝送する。これは、注入ゲートウェイ112に、規定されたパラメータまたは識別子を含む関連するデータのみを送信させ、それによって、病院環境100を通して伝送され、統合エンジン160によって処理されるデータの量を低減させる。
【0092】
例示的サブスクライバ1007は、動的である。例えば、処置中、モニタ106における臨床医は、注入投薬量もまた閲覧するように規定し得る。これは、メッセージがモニタ106から統合エンジン160に(コンフィギュラ1012を介して)送信されるようにし、これは、(サブスクライバ1007を介して)注入投薬量データと関連付けられる1つまたはそれを上回る注入パラメータ(および対応する識別子)を判定する。サブスクライバ1007は、次いで、所望の投薬量データの識別子とともに、サブスクリプションメッセージを注入ゲートウェイ112に送信する。
【0093】
図10の例示的統合エンジン160はまた、受信されたデータ130、140、および150を、データを表示するべきデバイス(例えば、患者モニタ106)と互換性がある形態にフォーマットまたは別様に変換するように構成される、コンバータ1008を含む。コンバータ1008は、個別のバージョンのインターフェース1002、1004、および1006から異なる規格のデータを受信するための別個のモジュールまたはインターフェースを含み得る。各モジュールにおける変換は、1つの規格から正規化された、または共通規格にデータを変換するために規定されたルーチンに従って実行され得る。例えば、第1の規格に関するモジュールは、第1の規格の標識を共通規格に関する標識に関連させる定義を有し得る。モジュールは、本1対1または多対1マッピングを使用し、データが変換されるべき方法を判定する。
【0094】
代替として、統合エンジン160は、各タイプのインターフェース1002、1004、および1006のうちの1つを含み得る。これらの代替実施形態では、コンバータ1008は、受信されたデータ130、140、および150に関する規格を判定するように構成される。コンバータ1008は、次いで、規格毎に受信されたデータを適切なデータ変換アルゴリズムまたはエンジンにルーティングする。例えば、コンバータ1008は、あるフォーマットもしくは規格の、またはパケットのある部分において位置するデータが、分析のために解析および再フォーマットされるべき方法を規定する、1つまたはそれを上回る明確に定義された変換アルゴリズムを含み得る。例えば、アルゴリズムは、コンバータ1008がデータのコンテンツを判定することを可能にするために、異なる既知の医療デバイスに関連するパラメータ名称、標識、および/またはデータタイプのルックアップテーブルを含み得る。ルックアップテーブル(またはアルゴリズム)は、サポートされるデータの規格毎に変換を提供し得ることを理解されたい。さらに、ルックアップテーブル(またはアルゴリズム)は、付加的規格が作成される、または異なるタイプの医療デバイスが環境100に追加されると、周期的に更新され得る。
【0095】
図10の例示的データインテグレータ1010は、異なるインターフェース1002、1004、および1006からのデータ(ならびにその微分データ)を分析し、どのデータが並行して表示されるべきかを判定するように構成される。データインテグレータ1010は、どのデータが表示されるべきかに関する基準を提供するデータベース1014(例えば、メモリ)にアクセスし得る。これは、特に、統合エンジン160が特定の患者に関する全てのデータ130、140、および150を受信する事例において当てはまる。あるデータのみがサブスクライブされる事例では、例示的データインテグレータ1010は、依然として、どのデータが同一の時間期間からであるかを判定する必要がある。
【0096】
例示的実施形態では、データインテグレータ1010は、特定の患者に関するデータが表示のために処理されるべきであるという命令を受信し得る。データインテグレータ1010は、表示されるべきデータタイプ、パラメータ、またはデータ識別子のリストに関してデータベース1014にアクセスする。データインテグレータ1010は、次いで、規定された識別子を含む特定の患者に関するデータを解析または別様にフィルタ処理する。データインテグレータ1010はまた、データと関連付けられるタイムスタンプを読み取り、同一の時間期間または時間フレームからのデータが、並行表示のために後で同時に下流で処理されることを確実にする。いくつかの事例では、データインテグレータ1010は、同一の時間期間に関する選択されたデータを、同一のタイムスタンプを有する1つまたはそれを上回るパケットに集約し得る。
【0097】
図10の例示的コンフィギュラ1012は、どのデータが、例えば、モニタ106に表示されるべきかに関するリストを定義するように構成される。例示的コンフィギュラ1012は、インターフェースを提供する、または患者モニタ106のユーザインターフェース402を通して動作し得る。コンフィギュラ1012は、表示され得る利用可能なパラメータまたはデータタイプのリストを含み得る。リストはまた、患者に関連する全ての医療デバイスおよびセンサの識別子を含み得る。コンフィギュラ1012は、付加的デバイスが患者110に接続される、または別様にそれと関連付けられると、リストを動的に更新し得る。
【0098】
一実施形態では、臨床医は、処置が開始される前にモニタ106を構成し得る。本事例では、コンフィギュラ1012は、臨床医が選択するパラメータのデフォルトリストを提供し得る。コンフィギュラ1012は、次いで、デバイスがオンラインになり、データの伝送を開始すると、具体的デバイスパラメータまたはデバイス自体を判定し得る。本事例では、コンフィギュラ1012は、臨床医が、どの波形が表示されるべきかを選択することを可能にし、次いで、サブスクライバ1007およびデータインテグレータ1010とともに動作し、所望のデータが表示されることを確実にする。例えば、データが利用可能ではない場合、統合エンジン160は、エラーメッセージまたはヌル波形を提供し得る(例えば、臨床医は、実際に、いかなるRFTまたは透析機械も患者110に接続されていないとき、RFTの限外濾過率を閲覧するように選択する)。
【0099】
別の実施形態では、コンフィギュラ1012は、どのデバイスが患者識別子と関連付けられるかを追跡し得る。コンフィギュラ1012は、各デバイスのパラメータまたはデータタイプを判定し、臨床医がモニタ106を構成するための対応するリストを構築し得る。例えば、各医療デバイスは、患者と関連付けられることに応じて、患者識別子と併せてデバイス識別子を伝送し得る。コンフィギュラ1012は、メッセージを受信し、デバイス識別子を使用し、どのデバイスが患者110に接続されているか、または別様に関連しているかを追跡する。
【0100】
コンフィギュラ1012はまた、臨床医または管理者が、データ130、140、および150の導関数を処理ならびに/または作成するための1つまたはそれを上回るルーチンもしくはアルゴリズムを作成することを可能にする。例えば、管理者または臨床医は、コンフィギュラ1012を使用し、どのデバイスが患者に接続されているかに基づいて、合計流体入力に関する計算を定義し得る。コンフィギュラ1012は、例えば、患者と関連付けられるデバイスおよび対応するパラメータのマップまたは図示を示す、グラフィカルプログラマブルインターフェースを提供し得る。臨床医は、異なる機械からの流体入力と関連付けられるパラメータを方程式にドラッグまたは別様に選択し得、これは、データベース1014に記憶されるルーチンを作成する。プロセッサ1016が、データベース1014におけるルーチンにアクセスし、どのパラメータがどのように合計されるべきかを判定する。
【0101】
他の事例では、データベース1014は、デフォルト計算またはルーチンを記憶し、データ130、140、および150の一般的に使用される導関数を判定し得る。例えば、流体バランスに関するデフォルト計算は、注入速度データ130が、流体充填および出力データ140ならびに尿データ150に加えて必要とされることを規定し得る。流体バランス計算の選択は、コンフィギュラ1012に、注入速度データ130が、表示のために流体充填および出力データ140ならびに尿データ150に加えて必要とされることを判定させ、適切なデバイスがプログラムされ、患者110に接続されることを確実にし得る。患者処置中、プロセッサ1016は、流体充填および出力データ140ならびに尿データ150に加えて、注入速度データ130を使用する計算に基づいて、流体バランスに関する値を判定し、これらの計算された微分値を表示のために提供する。
【0102】
代替として、管理者は、任意の患者処置の前に、デフォルトルーチンを定義し得る。コンフィギュラ1012は、どのデバイスが患者に接続されているかおよび/または臨床医の選好に基づいて、ルーチンを投入し得る。例えば、管理者は、コンフィギュラ1012を介して、流体吸入のデフォルト定義を作成し得、これは、栄養供給システムから受信される任意の情報に加えて、患者に接続される全ての注入ポンプからの注入速度が、患者の腹膜腔の中に提供される透析流体と合計されることを規定し得る。コンフィギュラ1012は、臨床医が流体吸入パラメータを閲覧することを所望するモニタからメッセージを受信し得、これは、コンフィギュラ1012に、(まだ完了していない場合)どの注入ポンプ、RFT機械、および栄養供給システムが患者に接続されているかを判定させる。コンフィギュラ1012は、次いで、それらの機械からの注入速度、透析速度、および供給速度パラメータに関して検索し、ルーチンを適宜投入する。
【0103】
図1の例示的プロセッサ1016は、データベース1014内に記憶される1つまたはそれを上回るルーチンおよび/もしくはアルゴリズムに基づいて、データ130、140、および150の任意のパラメータまたは導関数を判定するように構成される。例示的プロセッサ1016は、例えば、1つまたはそれを上回るルーチンを使用し、患者への合計流体入力、患者からの合計流体出力、および患者内の正味合計流体を判定する。プロセッサ1016は、変換ならびに統合されたデータ130、140、および150のインスタンスまたはタイムスタンプ毎に1つもしくはそれを上回るルーチンを実施する。
【0104】
例示的プロセッサ1016はまた、コンフィギュラ1012とともに動作し、ユーザインターフェース機能性にデータを提供し得る。例えば、プロセッサ1016は、ユーザがモニタ106に表示される波形の一部を選択することを条件として実施され得る、1つまたはそれを上回るアクションを定義し得る。具体的には、プロセッサ1016は、ユーザがある波形を選択するまで表示から隠される、メニューオプションボックスを作成し得る。メニューオプションの選択は、どのデータが表示されるべきかを変更し得る。例示的プロセッサ1016および/またはコンフィギュラ1012は、ユーザによる新しい選択によってデータベース1014内のリストを更新し、これは、データインテグレータ1010に、場合によっては処理するための付加的またはより少ないデータを選択させ、プロセッサ1016に、より多いまたはより少ないルーチンを実施させる。
【0105】
プロセッサ1016はまた、アラーム、アラート、またはイベントに関連する1つもしくはそれを上回るルーチンを動作させ得る。例えば、プロセッサ1016は、規定されたデータを限界または限界に対するデータの傾向と比較し、アラートまたはイベントが生成されるべきかどうかを判定し得る。プロセッサ1016は、メッセージをモニタ106に伝送し、アラームまたはイベントが表示されるようにし得る。ルーチンは、多種多様な医療デバイスからのデータを考慮する能力によって複雑であり得ることを理解されたい。例えば、あるアラーム限界は、注入または透析が起こっているかどうかに基づいて調節され得る。別の事例では、患者の中に留置された流体の量に対する限界に関するアラームは、RFT機械が排液段階を開始しようとしていることの判定に応じて、遅延され得る。
【0106】
例示的プロセッサ1016はまた、モニタ106に同時に(または可能な限り近似して)同一のタイムスタンプと関連付けられるデータを伝送することを含む、表示のためにデータをフォーマットする。プロセッサ1016はさらに、患者モニタ106と互換性があるようにデータをフォーマットし得る。例えば、プロセッサ1016は、どのデータがモニタ106上のあるスクリーン場所において表示されるべきかに関するインジケーションを提供し得る。臨床医は、初期判定を提供し得、これは、プロセッサ1016によってモニタ106への1つまたはそれを上回るメッセージ内に含まれる。代替として、プロセッサ1016は、異なるパラメータまたはデータタイプの事前判定された重要性に基づいて、順序を判定し得る。
【0107】
統合エンジン160の例示的伝送インターフェース1018は、例えば、患者モニタ106のユーザインターフェース402内での表示のためにデータを伝送するように構成される。伝送は、データパケットを含み得る。代替として、伝送は、データのストリームを含み得る。いくつかの事例では、伝送インターフェース1018は、5秒毎または10秒毎等、周期的にデータを伝送し得る。代替として、伝送インターフェース1018は、要求メッセージが患者モニタ106から受信されるまで、データを待ち行列に入れ得る。
【0108】
上記の開示に基づいて、統合エンジン160は、特定の患者に関して規定されたデータのみが単一のユーザインターフェース上に表示されるように、数百または数千の医療デバイスからの(異なるフォーマットにおける)データの数千の断片を同時に処理することによって、病院環境100の性能を改良することを理解されたい。統合エンジン160はまた、受信されたデータからパラメータ、イベント、またはアラームを判定し、これらのパラメータ、イベント、およびアラームもまたユーザインターフェース内で表示するための論理、アルゴリズム、もしくはルーチンを含む。そのような動作は、一般的または汎用機能を動作させる汎用コンピュータの能力を超えている。
例示的統合エンジンデータ処理実施形態のフローチャート
【0109】
図11および12は、本開示の例示的実施形態による、ユーザインターフェースにおける表示のために異なる医療デバイスからの医療データを処理するための例示的プロシージャ1100を図示する、フロー図を示す。例示的プロシージャ1100は、例えば、図1-10と併せて説明される統合エンジン160によって実行され得る。プロシージャ1100は、図11および12に図示されるフロー図を参照して説明されるが、プロシージャ1100と関連付けられる機能を実施する多くの他の方法も、使用され得ることを理解されたい。例えば、ブロックの多くの順序は、変更され得、あるブロックは、他のブロックと組み合わせられ得、説明されるブロックの多くは、随意である。
【0110】
プロシージャ1100は、統合エンジン160が、処置を受けるべき患者の患者識別子を含むメッセージ1101を受信すると、開始される(ブロック1102)。統合エンジン160はまた、どの医療デバイスが患者識別子と関連付けられるかに関するインジケーションを受信し得る。いくつかの事例では、統合エンジン160は、ゲートウェイ112、114、および/または116のいくつかまたは全てにクエリを行い、どの医療デバイスが患者と関連付けられるかを判定し得る。これらの実施例では、医療デバイスは、処置をプログラムまたは開始することに先立って、患者識別子を入力する、または患者と関連付けられるバーコードを走査するように臨床医を促し得る。これらの実施例では、患者識別子は、医療データのヘッダ内に含まれ得る。加えて、または代替として、統合エンジン160は、患者-デバイス関連付けに関してHIS120にクエリを行い得る。これらの実施例では、下流HIS120は、医療デバイスと患者との間の関連付けを行う、または関連付けを判定し得る。
【0111】
プロシージャ1100を実行する統合エンジン160はまた、どの医療データが患者モニタに表示されるべきかを示す1つまたはそれを上回るメッセージ1103を受信し得る(ブロック1104)。メッセージ1103は、波形または数値に対応する医療デバイスパラメータの名称もしくは識別子を規定し得る。いくつかの事例では、統合エンジン160は、患者モニタにおけるパラメータまたはパラメータ名称入力に基づいて、生成する医療デバイスによって規定されるような識別子を判定し得る。
【0112】
図13は、本開示の例示的実施形態による、統合エンジン160によって動作され、患者モニタ106によって表示され得る例示的構成ユーザインターフェース1300の図を示す。本実施例では、統合エンジン160は、どの医療デバイスがABC123患者と関連付けられるかを判定する。これは、心拍数センサおよび/または血圧センサを含み得る、どの医療デバイスがモニタ106に直接または間接的に接続されているかを検出することを含む。故に、統合エンジン160は、患者モニタ106に、接続されるセンサを示すアイコンを表示させる。ユーザは、センサのいずれかまたはそれぞれを選択し、統合エンジン160に、センサについての情報(例えば、識別子、データタイプ、データ規格等)およびセンサが構成可能かどうかを判定させ得る。例えば、統合エンジン160は、ユーザインターフェース1300を通して、ユーザが、どのタイプのデータがセンサによって出力されるかおよび/またはデータが伝送される頻度を選択することを可能にし得る。
【0113】
例示的ユーザインターフェース1300はまた、モニタ106に接続されていないが、患者と関連付けられるように判定される医療デバイスを表示する。例証される実施例では、関連付けられる患者デバイスは、SP9CY注入ポンプ102と、WSPEXQ腹膜RFT機械104とを含む。統合エンジン160は、デバイスのポーリングを通して(または構成を定義するライブラリを通して)、各デバイスによってどの医療データのパラメータが出力される(または臨床医選択の治療タイプに基づいて、出力されるように選択される)かを判定する。例えば、注入ポンプは、注入速度治療進度データ130、注入投薬量治療進度データ130、および注入されるべき体積(「VTBI」)治療進度データ130を伝送することになる。統合エンジン160は、ユーザインターフェース1300を通して、臨床医が、データのどれが処置中にモニタ106上に表示されるべきかを選択することを可能にする。いくつかの実施例では、臨床医は、パラメータのそれぞれを選択し、統合エンジン160に、動作情報に関して医療デバイスにクエリを行わせ得る(または別様にそれを判定させる)。統合エンジン160は、ユーザインターフェース1300を通して、次いで、ユーザが、治療パラメータまたは設定を変更することを可能にし、これは、統合エンジン160に、プログラミング命令を伴う1つまたはそれを上回るメッセージを適切な医療デバイスに送信させる。このように、統合エンジン160は、臨床医が、1つのデバイス、例えば、モニタ106から、患者に接続される、または別様にそれと関連付けられる医療デバイスをプログラムすることを可能にする。
【0114】
例示的ユーザインターフェース1300はまた、臨床医が、アラームおよび/または微分データをプログラムもしくは構成することを可能にする特徴を含む。図14は、本開示の例示的実施形態による、統合エンジン160によって動作され、患者モニタ106によって表示され得る例示的微分データ構成ユーザインターフェース1400の図を示す。ユーザインターフェース1300上の「微分データ」アイコンの選択は、統合エンジン160に、ユーザインターフェース1400を表示させ得る。統合エンジン160は、ユーザインターフェース1400を通して、臨床医が、微分データを選択し、モニタ106上に表示すること、および/または医療デバイスに基づいて、新しいタイプの微分データを作成することを可能にする。ユーザインターフェース1400は、患者ABC123に関連する医療デバイスのリストを含み、これは、注入ポンプ、RFT機械、心拍数センサ、および血圧センサを含む。ユーザインターフェース1400はまた、どの医療データが医療デバイスから利用可能であるかを表示する区分1402を含む。
【0115】
例示的ユーザインターフェース1400はまた、微分データが導出される方法を規定するように構成される、定義区分1404を表示する。いくつかの事例では、定義は、事前定義または事前規定され得る。例えば、ユーザインターフェース1400は、利用可能なタイプの医療データに基づいて、利用可能なタイプの微分データの区分(図示せず)を含み得る。利用可能な微分データのタイプを判定するために、統合エンジン160は、区分1402内の利用可能なタイプの医療データを、微分データが判定されることを可能にするために利用可能である必要がある医療データの変数の全てを識別する微分データのリストと比較し得る。いくつかの事例では、臨床医は、ある微分データを選択し得、統合エンジン160は、どの医療データが依然として必要とされるかに関するインジケーションを提供し得る。そのようなインジケーションは、患者に接続される、またはそれと関連付けられる必要がある付加的デバイスについての臨床医への命令またはリマインダとして提供され得る。
【0116】
図14の図示される実施例では、区分1404内のユーザインターフェース1400は、臨床医が微分データをグラフで作成することを可能にするように構成される。例えば、ユーザインターフェース1400は、統合エンジン160を介して、臨床医が、医療データを区分1404に選択およびドラッグすることを可能にし、これは、グラフ表現を作成する。ユーザインターフェース1400はまた、臨床医が、区分1406から動作を選択し、データ間の関係を規定することを可能にする。そのような構成は、臨床医によってグラフで規定されたルーチンを使用して、微分データを判定するように統合エンジン160を特別にプログラムする。本実施例では、臨床医は、流体バランス微分データが注入治療データ130およびRFTデータ140の組み合わせから判定される方法を規定する。統合エンジン160は、アラームおよび/またはアラートに関する条件/閾値の規定を促進するために、類似するインターフェースを提供し得ることを理解されたい。
【0117】
図11を参照すると、データ選択および/または構成後、統合エンジン160は、患者識別子および/または医療データを使用し、識別子患者と関連付けられる識別された医療データをサブスクライブまたは別様に受信もしくはフィルタ処理する(ブロック1106)。例えば、統合エンジン160は、1つまたはそれを上回るメッセージ1107を適切なゲートウェイ112、114、および/または116に伝送し、選択または要求された医療データ130、140、および/または150を受信し得る。メッセージ1107は、IPアドレスまたは統合エンジン160と関連付けられる他のアドレス/識別子/ポートインターフェース番号を含み得る。メッセージ1107はまた、要求された医療データの識別子またはデータ標識を含み得る。
【0118】
統合エンジン160は、次いで、医療デバイスから医療データを受信する(ブロック1108)。医療データは、例えば、ゲートウェイ112、114、116、および/または患者モニタ106から、1つまたはそれを上回るメッセージおよび/もしくはパケット1109内に受信され得る。統合エンジン160は、データのどれが患者および/または識別されたパラメータと関連付けられるかを判定し得る(ブロック1110)。例えば、統合エンジン160は、それぞれ、医療データまたは治療進度データの少なくとも1つのパラメータを出力する2つまたはそれを上回る医療デバイスと関連付けられる、数百の患者に関する医療データ処理を管理し得る。言い換えると、統合エンジン160は、患者、医療デバイス、パラメータ、タイムスタンプ等によって編成される必要がある有意な量の医療データをサブスクライブし得る。本ステップは、統合エンジン160が1人の患者のみに関連する医療データをサブスクライブまたは受信するように構成されるとき、省略され得ることを理解されたい。
【0119】
統合エンジン160は、ブロック1104において以前に受信されたメッセージ1103に基づいて、識別されたデータのどれが表示されるべきかを判定する(ブロック1112)。統合エンジン160は、医療データをさらに処理し、微分データを判定するために、1つまたはそれを上回るルーチンもしくはアルゴリズムが動作されるべきかどうかを判定する(ブロック1114)。例えば、統合エンジン160が、合計流体入力、合計流体出力、および正味流体パラメータが判定され、モニタに表示されるべきであることを判定する場合、統合エンジン160は、これらのパラメータを判定するための関連付けられるルーチンを動作させる(ブロック1116)。統合エンジン160は、次いで、表示のために医療データを患者モニタと互換性があるフォーマットに変換し得る(ブロック1118)。いくつかの実施例では、本ステップは、代わりに、医療デバイスからの医療データが受信された後に実施され得る。統合エンジン160は、次いで、医療データを表示のために患者モニタに伝送する(ブロック1120)。ブロック1108および1120は、患者が処置を受けている限り、および/または医療デバイスの全てが無効にされる、もしくは患者から分離されるまで、連続的にループされ得ることを理解されたい。この時点で、例示的プロシージャ1100は、監視されている患者に関して終了する。
データ変換実施形態
【0120】
上記に議論されるように、図1および5-12の例示的統合エンジン160は、医療データ130および140を1つの規格、フォーマット、言語、またはプロトコルから、HIS120もしくは別の医療デバイスと互換性がある別の規格、フォーマット、言語、またはプロトコルに変換もしくは別様に変換するように構成される。図15は、本開示の例示的実施形態による、図1の例示的病院環境100内の1つまたはそれを上回る統合エンジン160によって提供される、データ変換の図を示す。図示される実施例では、注入ゲートウェイ112は、第1の統合エンジン160aを含み、RFTゲートウェイ114は、第2の統合エンジン160bを含み、患者モニタ106は、第3の統合エンジン160cを含む(モニタゲートウェイ116は、省略される)。しかしながら、いくつかの代替実施形態では、モニタゲートウェイ116は、環境100内に含まれ、統合エンジン160cを動作させ得る。
【0121】
図15の実施例では、注入ポンプ102およびRFT機械104は、EXTCOMプロトコル(すなわち、Baxter(R)専用通信プロトコル)を使用して動作するように構成される。患者モニタ106は、Health Level 7(「HL7」)プロトコルを使用して動作するように構成される。公知の病院システムでは、注入ポンプ102およびRFT機械104は、異なるプロトコルの使用のため、患者モニタ106と通信することが可能ではないであろう。
【0122】
EXTCOMプロトコルは、ヘッダ、本文、およびセッショントークン識別子を含む拡張マークアップ言語(「XML」)エンコードシンタックスを使用する。ヘッダは、例えば、EXTCOMプロトコルバージョン、伝送側デバイスシリアル番号、宛先アドレス、メッセージタイムスタンプ、一意のメッセージ識別子、EXTCOMメッセージのタイプ、暗号化フラグ、および認証トークンを規定するフィールドを含む。ヘッダはまた、例えば、HIS120との構成のためのデバイスEMR識別子を規定し得る。メッセージタイプは、ステータスメッセージ、構成メッセージ、設定メッセージ、薬物ライブラリメッセージ、ポンプクエリメッセージ、または注入順序メッセージを含み得る。
【0123】
HL7プロトコルもまた、XMLエンコードシンタックスを含む。HL7プロトコルのいくつかの部分は、プロトコルバージョン、伝送側デバイスシリアル番号、宛先アドレス、メッセージタイムスタンプ、一意のメッセージ識別子を含む、EXTCOMプロトコルと類似するメッセージヘッダを含む。しかしながら、HL7プロトコルは、EXTCOMプロトコルと比較して、ヘッダフィールドに関して異なる標識を使用する。加えて、HL7プロトコルは、相互作用識別子、処理コード、デバイスタイプ識別子、伝送側デバイス場所識別子、および受信側デバイス場所識別子を含む、付加的ヘッダフィールドを含み得る。
【0124】
RFT機械104および注入ポンプ102は、EXTCOMメッセージを受信および処理するように構成される。これは、RFT機械104および注入ポンプ102が、フィールドを識別するために、ある標識を使用して、ヘッダおよび本文情報に関して検索するようにプログラムされることを意味する。異なる標識およびメッセージ構造の使用は、不可能ではないにしても、RFT機械104および注入ポンプ102がHL7メッセージを受信および処理することを困難にする。
【0125】
これらの限定を克服するために、第1の統合エンジン160aは、注入ポンプ102に伝送されるデータをEXTCOMプロトコルに変換するように構成される。第1の統合エンジン160aはまた、注入ポンプ102から受信されるデータをHL7プロトコルに変換するように構成される。同様に、第2の統合エンジン160bは、RFT機械104に伝送されるデータをEXCOMプロトコルに変換するように構成される。第2の統合エンジン160bはまた、RFT機械104から受信されるデータをHL7プロトコルに変換する。第3の統合エンジン160cは、個別の医療デバイス102および104からのデータ130および140をHL7プロトコルにおいて受信ならびに表示するように構成される。いくつかの実施例では、統合エンジン160aおよび160bは、患者モニタ106および/またはモニタゲートウェイ116において統合エンジン160cと統合され得る。
【0126】
図15に示される図示される実施例では、(患者110の処置中の)注入ポンプ102は、EXTCOMプロトコルにおいてフォーマットされる注入治療進度データ130aを注入ゲートウェイ112に伝送する。第1の統合エンジン160aは、データ130aをEXTCOMプロトコルからHL7プロトコルに変換する。第1の統合エンジン160aは、次いで、変換されたデータ130bを表示のために患者モニタ106に伝送する。変換を実施するために、第1の統合エンジン160aは、あるEXTCOM標識がHL7標識に転換されるべき方法を規定する命令を含み得る。命令はまた、HL7メッセージ内のフィールドの順序または配置を規定し得る。命令はさらに、HL7メッセージが適切であると検証されることを確実にするために、HL7メッセージに追加されるべき付加的情報(既知の場合)または提供されるべきデフォルト情報を規定し得る。いくつかの事例では、命令はまた、EXTCOMに関して使用される第1の単位タイプからHL7に関して使用される第2の単位タイプへの単位変換を提供し得る。さらに、統合エンジン160aにおける命令はまた、EXTCOMプロトコルにおいて使用される薬物名称(または略語)のHL7プロトコルにおいて使用される対応する薬物名称(または略語)への転換を提供し得る。
【0127】
また、図示される実施例では、RFT機械104は、EXTCOMプロトコルにおいてフォーマットされる腎不全治療進度データ140aをRFTゲートウェイ114に伝送する。第2の統合エンジン160bは、データ140aをEXTCOMプロトコルからHL7プロトコルに変換する。第2の統合エンジン160bは、次いで、変換されたデータ140bを表示のために患者モニタ106に伝送する。統合エンジン160cは、HL7フォーマットにおけるデータ130bおよび140bを受信し、微分データが判定されるべきであるかどうかを判定する。統合エンジン160cはまた、患者モニタにデータ130bおよび140bを表示させる。いくつかの事例では、統合エンジン160cは、データが表示され得る前に、データ130bおよび140bを、患者モニタ106と互換性がある別のプロトコルに変換するように構成され得る。
結論
【0128】
本明細書に説明される、開示される方法およびプロシージャの全ては、1つまたはそれを上回るコンピュータプログラムもしくはコンポーネントを使用して実装され得ることを理解されたい。これらのコンポーネントは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、磁気もしくは光学ディスク、光学メモリ、または他の記憶媒体を含む、任意の従来のコンピュータ可読媒体上の一連のコンピュータ命令として提供され得る。命令は、一連のコンピュータ命令を実行すると、開示される方法およびプロシージャの全てまたは一部の性能を実施もしくは促進する、プロセッサによって実行されるように構成され得る。
【0129】
本明細書に説明される例示的実施形態の種々の変更および修正が、当業者に明白となるであろうことを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつその意図される利点を減少させることなく成されることができる。したがって、そのような変更および修正は、添付される請求項によって網羅されることが意図される。
【0130】
35 U.S.C. 112(f)またはpre-AIA 35 U.S.C 112(第6段落)は、用語「手段」または「ステップ」が請求項に明示的に列挙されない限り、実施されることを意図されないことを理解されたい。故に、請求項は、本明細書またはその均等物に説明される対応する構造、材料、もしくはアクションに限定されることを意味しない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15