(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】エラストママトリックスを有する管状壁を備える可撓性管状装置、そのような装置を備える飼育囲い、および、可撓性管状装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
A01K 1/00 20060101AFI20220621BHJP
【FI】
A01K1/00 B
(21)【出願番号】P 2019529513
(86)(22)【出願日】2017-12-20
(86)【国際出願番号】 FR2017053738
(87)【国際公開番号】W WO2018115745
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-11-05
(32)【優先日】2016-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】519191606
【氏名又は名称】ビオレ アグリ-ロジェット コンフォール
(74)【代理人】
【識別番号】100074734
【氏名又は名称】中里 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100086265
【氏名又は名称】川崎 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100076451
【氏名又は名称】三嶋 景治
(72)【発明者】
【氏名】ビオレ ジャン-ヴァンサン
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】特表2000-509601(JP,A)
【文献】特開平05-096691(JP,A)
【文献】実開昭50-117085(JP,U)
【文献】特開昭56-042782(JP,A)
【文献】特開平10-304950(JP,A)
【文献】国際公開第2011/162596(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0109414(US,A1)
【文献】米国特許第4029441(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 1/00 - 3/00
A01K 15/00 - 15/04
A47C 27/00 - 27/22
B32B 25/00 - 27/42
F16L 11/00 - 11/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体で満たされることが意図される密閉室(3)を区切る管状壁(2)を有する一体部品(1)を備え、
前記管状壁(2)が、2つの長手方向部分(82)によって区切られる少なくとも1つの補強プライ(8)と一体化されたエラストママトリックス(7)を備え、
前記少なくとも1つの補強プライ(8)は、
その全体形状が、前記密閉室(3)を囲むために前記管状壁(2)内で延在するスリーブ
の形状を有すること、および、
前記少なくとも1つの補強プライ(8)が、
- 密閉室3を囲むために、全体形状が、管状壁2内で延在するスリーブの形状である主要部分(81)と
- 互いに並置される2つの長手方向部分(82)
の2つの部分を有し、
前記主要部分(81)は、その全体形状が、断面図において、それ自体で閉じられる、連続的な輪の形状を有し、
前記一体部品(1)が、前記管状壁(2)に対して長手方向に接続された、半径方向の長手方向リップ(5)を含むこと、および、
前記少なくとも1つの補強プライ(8)の前記2つの長手方向部分(82)が、前記半径方向の長手方向リップ(5)内で互いに重ね合わされること
を特徴とする、
可撓性管状装置。
【請求項2】
前記管状壁(2)が、前記少なくとも1つの補強プライ(8)をはさみ込む、内側エラストマ層(71)と外側エラストマ層(72)とを含むこと、および、
前記半径方向の長手方向リップ(5)が、一方では、前記内側エラストマ層(71)の側方部分(711)をはさみ込み、他方では、前記外側エラストマ層(72)の2つの側方部分(721)によってはさみ込まれる、前記少なくとも1つの補強プライ(8)の前記2つの長手方向部分(82)を含むこと
を特徴とする、
請求項
1に記載の可撓性管状装置。
【請求項3】
空のとき、前記可撓性管状装置(1)が、前記密閉室(3)を区切り、2つの側方部分(12、13)で組み立てられる、2つの重ね合わされた平行六面体壁(11)を有する平行六面体ストリップの形状を有する
ことを特徴とし、
前記少なくとも1つの補強プライ(8)が、一方で、それぞれが前記2つの平行六面体壁(11)のうちの1つの幅にわたって延在する2つの主要部(85)と、他方で、前記側方部分(12、13)の第1の側方部分(12)内で延在する接合部(86)とを備え、
前記少なくとも1つの補強プライ(8)の前記長手方向部分(82)が、前記側方部分(12、13)の第2の側方部分(13)内で延在する、
請求項1
または2に記載の可撓性管状装置。
【請求項4】
- 2つの横仕切り(L1)と、
- アクセス通路に沿って延在する区画後部シル(L2)と、
- 区画(L)の背面を形成する前部限界(L3)と
によって区切られる少なくとも1つの前記区画(L)を備え、
前記前部限界(L3)が、下部ストップを形成するために、請求項1~
3のいずれか一項に記載の可撓性管状装置(1)を含む、
家畜囲い。
【請求項5】
前記後部シル(L2)が、請求項1~
3のいずれか一項に記載の可撓性管状装置(1)も備え付けられる
ことを特徴とする、
請求項
4に記載の家畜囲い。
【請求項6】
前記家畜囲い(E)が、前記少なくとも1つの可撓性管状装置(1)を満たすための手段(61)を備える
ことを特徴とする、
請求項
4または
5に記載の家畜囲い。
【請求項7】
前記少なくとも1つの可撓性管状装置(1)が、その半径方向の長手方向リップ(5)を通して加えられる締結手段(57)によって固定される
ことを特徴とする、
請求項4~6のいずれか一項に記載の家畜囲い。
【請求項8】
(i)少なくとも1つの補強プライ(8)が間に加えられるエラストマ材料の少なくとも2つの層(71、72)を重ね合わせて、中間ストリップ(15)を形成するステップと、
(ii)前記密閉室(3)を形成するために自由表面(151)が貼り付くのを局所的に防ぐのに適した中間層手段(9)を、前記中間ストリップ(15)の前記自由表面(151)上に加えるステップと、
(iii)前記中間層手段(9)をはさみ込むように、前記中間ストリップ(15)の中央長手方向軸(15’)に対応する折曲線に沿って前記中間ストリップ(15)を半分に折り曲げるステップと、
(iv)前記重ね合わせた層(71、72)の接触する前記表面(151)を一緒に貼り付けて、前記可撓性管状装置(1)を形成するステップと
を含む、
請求項1~
3のいずれか一項に記載の可撓性管状装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、流体で満たされることが意図される密閉室を区切るエラストママトリックス有する管状壁を有する可撓性管状装置の分野に関する。
【0002】
本発明はまた、下部ストップを形成するそのような可撓性管状装置を備える少なくとも1つの区画を備える家畜囲いにも関する。
【背景技術】
【0003】
特定の技術分野において、流体で満たされることが意図される密閉室を区切る管状壁を有する一体部品を備える可撓性管状装置の実装が興味深いことがある。
【0004】
強度と柔軟性とを組み合わせるために、管状壁は、補強プライが組み込まれたエラストママトリックスを備える。
【0005】
このような可撓性管状装置は、たとえば、家畜囲いの区画に備え付けて、下部ストップを形成してもよい。
【0006】
実際、家畜飼育の分野において、動物が室内にいる時間の増加に伴い、区画内の敷料の快適性は重要になっていることがある。
【0007】
次いで、下部ストップまたはネックバーは、牛をその区画内に正確に位置付けることができる2つの要素である。
【0008】
下部ストップは、動物のひざに怪我をさせる可能性がある鋭角を有してはならない。さらに、下部ストップは、敷料より十分に高くなければならない。
【0009】
紐などの従来のシステムは、思いとどまらせるための囲いを提供するが、それらを使用する動物は、囲いを押して、緩めることをためらわない。よって、囲いは効力を失い、定期的にきつく張り直す必要がある。木製のストップ(垂木)は有効であり、効果的に動物を止めるが、動物たちの快適性を損ない、衝突時に精神的外傷を引き起こすことがある。
【0010】
よって、下部ストップは有利なことには、上述のように可撓性管状装置によって形成される。
【0011】
この可撓性管状装置の実施形態は、以下のいくつかの利点を提供する。
- 就寝中の精神的外傷の恐れがない。
- 高さおよび剛性が調整可能である(特に、牛、遺伝的性質、区画、マットレスの種類に応じて)。
- 多くの場合、脚をストップの前方まで伸ばす、牛の自然な寝姿勢に好都合である。
- 衝撃を吸収する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、現在の可撓性管状装置は、完全に満足できるものではなく、管状壁は、密閉室からの流体の流出を引き起こす、引裂/破断現象に悩まされている。
【0013】
たとえば、上記「下部ストップ」の用途においては、動物が発生させる繰返し応力によって、破断が引き起こされる。
【0014】
よって、引裂/破断現象に対する強度を増加させた可撓性管状装置の必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0015】
従来技術の上記欠点を改善するために、本発明は、前記少なくとも1つの補強プライの配置を新しくした、新しい可撓性管状装置を提案する。
【0016】
引裂/破断現象が、現在の可撓性管状装置における前記少なくとも1つの補強プライの不適当な配置に起因していることが、実際に観察されている。
【0017】
より詳細には、流体で満たされることが意図される密閉室を区切る管状壁を有する一体部品を備える可撓性管状装置が本発明によって提案される。管状壁は、2つの長手方向部分によって区切られる少なくとも1つの補強プライと一体化されたエラストママトリックスを備える。
【0018】
さらに、本発明によると、前記少なくとも1つの補強プライは、前記密閉室を囲むために前記管状壁内で延在するスリーブの一般的形状を有する。前記少なくとも1つの補強プライの前記2つの長手方向部分は、互いに並置される。
【0019】
本発明において、前記少なくとも1つの補強プライは、管状壁の全周にわたって連続的である(または、少なくとも略連続的である)。
【0020】
この配置により、可撓性管状装置の強度は大きく増加し、よって、先行技術の可撓性管状装置で見られた引裂/破断現象は大幅に減少する。
【0021】
個々にまたは任意の技術的に可能な組合せによって利用される、本発明による可撓性管状装置の他の非限定的かつ有利な特性は、以下の通りである。
- 一体部品は、前記管状壁に対して長手方向に接続される、半径方向の長手方向リップを含み、前記少なくとも1つの補強プライの2つの長手方向部分は、前記半径方向の長手方向リップ内で互いに重ね合わされる。特定の実施形態によると、前記管状壁は、前記少なくとも1つの補強プライをはさみ込む、内側エラストマ層と外側エラストマ層とを含み、前記半径方向の長手方向リップは、一方では、内側エラストマ層の側方部分をはさみ込み、他方では、外側エラストマ層の2つの側方部分によってはさみ込まれる、前記少なくとも1つの補強プライの2つの長手方向部分を含む。
- 空のとき、前記可撓性管状装置は、密閉室を区切り、2つの側方部分で組み立てられる、2つの重ね合わされた平行六面体壁を有する平行六面体ストリップの形状を有し、前記少なくとも1つの補強プライは、一方で、それぞれが2つの平行六面体壁のうちの1つの幅にわたって延在する2つの主要部と、他方で、前記側方部分の第1の側方部分内で延在する接合部とを備え、前記少なくとも1つの補強プライの前記長手方向部分は、前記側方部分の第2の側方部分内で延在する。
【0022】
本発明は、
- 2つの横仕切り、たとえば管状構造と、
- アクセス通路に沿って延在する区画後部シルと、
- 区画の背面を形成する前部限界と
によって区切られる少なくとも1つの区画を備え、前記前部限界が、下部ストップを形成するために、本発明による可撓性管状装置を含む、家畜囲いも提案する。
【0023】
好ましくは、前記後部シルは、本発明による可撓性管状装置も備え付けられる。
【0024】
また、好ましくは、前記家畜囲いは、前記少なくとも1つの可撓性管状装置を満たすための手段を備える。
【0025】
さらに、好ましくは、前記少なくとも1つの可撓性管状装置は、その半径方向の長手方向リップを通して加えられる締結手段によって固定される。
【0026】
本発明は、本発明による可撓性管状装置を製造するための方法にも関し、その方法は、
(i)少なくとも1つの補強プライが間に加えられるエラストマ材料の少なくとも2つの層を重ね合わせて、中間ストリップを形成するステップと、
(ii)密閉室を形成するために自由表面が貼り付くのを局所的に防ぐのに適した中間層手段を、前記中間ストリップの前記自由表面上に加えるステップと、
(iii)前記中間層手段をはさみ込むように、前記中間ストリップの中央長手方向軸に対応する折曲線に沿って前記中間ストリップを半分に折り曲げるステップと、
(iv)前記重ね合わせた層の接触する表面を一緒に貼り付けて、前記可撓性管状装置を形成するステップと
を含む。
【0027】
本発明は、いっさい限定されることなく、添付図面に関連する特定の実施形態の以下の記載によって、さらに示される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明による可撓性管状装置の斜視概略図であり、横断面平面である。
【
図2】
図1による可撓性管状装置の断面図を概略的に示し、その密閉室は空である。
【
図3】
図1および2による可撓性管状装置を製造するための方法の主要なステップの概略側面図である。
【
図4】本発明による2つの可撓性管状装置を備える一連の区画の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
可撓性管状装置1が、
図1において、単独で概略的に示されている。
【0030】
この可撓性管状装置1は、ロッドまたは管の一般的形状の一体部品であり、本明細書では、2つの主要部分である、
- 流体で満たされる密閉室3を区切る管状壁2と、
- 管状壁2に対して長手方向に接続されて、有利なことには管状壁2の全長にわたって延在する半径方向の長手方向リップ5と
を備える。
【0031】
管状壁2は連続的であり(本明細書では、長手方向の開口がない)、半径方向の長手方向リップ5は、前記管状壁2と一体化されている。
【0032】
密閉室3が完全であるとき、管状壁2は略円筒形状であり、長手方向軸2’を有する。
【0033】
この管状壁2は、2つの対向する円筒表面である、
- 密閉室3を区切る内面21と、
- 外面22と
を含む。
【0034】
これらの2つの表面21、22の間の距離は、管状壁2の厚さを画定する。
【0035】
この管状壁2は、密閉された2つの端部23も含む(
図4参照)。これらの2つの端部23の間の距離は、管状壁2の長さを画定する。
【0036】
たとえば、管状壁2は以下の寸法特性を有する。
- 直径が150~400mmである内面21。
- 1.5~6mmの厚さ。
- 輸送可能限度(重量、巻径など)の関数である長さ。
【0037】
指標としては、密閉室3は、流体、たとえば水で満たされるように意図されて、圧力は、100mbar~2barである。
【0038】
半径方向の長手方向リップ5は、平行六面体板の一般的形状を有し、それは、2つの長手方向縁である、
- 管状壁2に一体的に接続される内縁51と、
- 自由外縁52と
によって横方向に区切られる。
【0039】
半径方向の長手方向リップ5のこれらの長手方向縁51、52は、管状壁2の長手方向軸2’と平行に延在する。
【0040】
この半径方向の長手方向リップ5は、2つの対向する矩形表面53も含み、それらは、それぞれが管状壁2の外面22の延長まで来る。
【0041】
2つの長手方向縁51、52の間の距離は、半径方向の長手方向リップ5の幅を画定する。2つの対向する表面53の間の距離は、半径方向の長手方向縁5の厚さを画定する。
【0042】
たとえば、半径方向の長手方向リップ5は以下の寸法特性を有する。
- 3mm~12mmの厚さ。
- 50mm~100mmの幅。
【0043】
管状壁2は、本明細書において、半径方向の長手方向リップ5とは正反対に、半径方向の長手方向リブ55を含む。
【0044】
半径方向の長手方向リブ55は有利なことには、管状壁2の全長にわたって延在する。この半径方向の長手方向リブ55は、以下に記載される製造方法で作成される。
【0045】
可撓性管状装置1は、少なくとも1つの補強プライ8が一体化されたエラストママトリックス7で作られる。
【0046】
エラストママトリックス7は、「弾性材料」とも呼ばれる、弾性変形を受けるのに適した少なくとも1つの材料を備え、それはたとえば、以下から選択される。
- エラストマ材料、すなわち、たとえば、天然ゴム、「合成天然」ゴム(または、合成ポリイソプレン)、ポリブタジエン、またはスチレンブタジエン、あるいは、
- プラスチック材料または熱可塑性エラストマ(TPE)。
【0047】
前記少なくとも1つの補強プライ8は、たとえば、織物繊維、金属繊維、または、安定性または伸び強度を提供する任意の他の生成物から選択される材料から作られる。
【0048】
前記少なくとも1つの補強プライ8は、たとえば、有利なことには、ナイロン、綿、ポリエステル、ポリアミド、または任意の他の補強織物から選択される材料から作られる、補強材として働く織物フレーム内にある。
【0049】
一般に、前記少なくとも1つの補強プライ8は、可撓性管状装置1に最適な強度を提供するように配置される。特に、その密閉室3が流体で満たされたときに管状壁2の強度が最適化されることになる。
【0050】
その目的のために、可撓性管状装置1は、本明細書において、2つの部分である、
- 密閉室3を囲むために、スリーブの一般的形状を有して、管状壁2内で延在する主要部分81と、
- (本明細書において半径方向の長手方向リップ5内で)互いに並置される2つの長手方向部分82と
を有する補強プライ8を含む。
【0051】
換言すれば、主要部分81は、断面図において、それ自体で閉じられる、連続的または略連続的な輪の一般的形状を有する。
【0052】
よって、主要部分81は、密閉室3にその形態および強度を与える。
【0053】
この主要部分81は、本明細書では、半径方向の長手方向リブ55内において、外に伸びた形態で(たとえば、密閉室3の方に開いたU形で)連続的に延在する。
【0054】
半径方向の長手方向リップ5の両側で連続的な、主要部分81のこの特定の構成は、密閉室3に特に興味深い強度を与えることは気付かれるであろう。
【0055】
管状壁2の端部23において、補強プライ8は、切断された縁または成形された縁で終わる。
【0056】
2つの長手方向部分82はそれぞれ、矩形ストリップの一般的形状を有する。
【0057】
これらの2つの長手方向部分82は、半径方向の長手方向リップ5内で互いに合流する。それらは互いに重ね合わされて、互いに離れて配置される。
【0058】
本明細書において、これらの2つの長手方向部分82はそれぞれ、
- 半径方向の長手方向リップ5の全長にわたって(すなわち、その2つの長手方向縁51、52の間でも)、ならびに、
- 互いに対して、かつ、半径方向の長手方向リップ5の2つの対向する表面53に対して平行にまたは少なくとも略平行に
延在する。
【0059】
補強プライ8のこの配置を考慮すると、管状壁2は、補強プライ8の主要部分81をはさみ込む2つのエラストマ層71、72である、
- 管状壁2の内面21を形成する連続的な内側エラストマ層71と、
- 管状壁2の外面22を形成する同様に連続的な外側エラストマ層72と
を含む。
【0060】
エラストマ層71、72は有利なことには、0.75~3mmの厚さを有する。
【0061】
半径方向の長手方向リップ5はまた、いくつかの重ね合わされたエラストマ層である、
- 内側エラストマ層71を伸ばし、補強プライ8の2つの長手方向部分82の間にはさみ込まれる、一体かつ唯一の中央部分711と、
- 外側エラストマ層72を伸ばし、補強プライ8の2つの長手方向部分82をはさみ込む、2つの外側部分721と
を備える。
【0062】
中央部分711は、内側エラストマ層71と一体化されている。2つの外側部分721は、外側エラストマ層72と一体化されている。
【0063】
一般に、可撓性管状装置1は、少なくとも1つの他の補強プライを含む可能性もある。
【0064】
たとえば、この追加の補強プライは、上に記載されたものと類似である可能性があり、上述のようなエラストマ層71、72の厚さに、および/または、半径方向の長手方向リップ5に一体化される可能性がある。
【0065】
さらに、管状壁2には、弁6(
図4に非常に概略的に示される)が備え付けられ、弁6は満たすための内室3に接続されている。
【0066】
この弁6は有利なことには、それ自体は従来の方法で加えられる。たとえば、それは農業用タイヤのための標準的な通過弁である。
【0067】
図2は、空の状態の(すなわち、その密閉室3に流体がない)可撓性管状装置1を示す。
【0068】
この場合、この可撓性管状装置1は、平坦な平行六面体ストリップの形状を有し、2つの側方部分12、13で(有利なことには、単一の連続的な部品として)組み立てられた2つの重ね合わされた平行六面体壁11を有し、密閉室3を形成することが観察されている。
【0069】
第1の側方部分12(
図2の右側)は、第2の側方部分13(
図2の左側)より小さい幅を有する。
【0070】
よって、第1の側方部分12は、上記半径方向の長手方向リブ55を形成するように意図される。第2の側方部分13は、上記半径方向の長手方向リップ5を形成するように意図される。
【0071】
補強プライ8は、いくつかの部分である、
- それぞれが2つの平行六面体壁11のうちの1つの幅にわたって延在する2つの主要部85と、
- 第1の側方部分12内で延在して、2つの主要部85を接続する接合部86と
を備える。
【0072】
2つの主要部85および接合部86は、補強プライ8の主要部分81を一緒に形成する。
【0073】
第2の側方部分13内で、2つの主要部85は、互いに平行に延在し、補強プライ8の長手方向部分82を形成するように互いに離れる。
【0074】
これらの長手方向部分82は有利なことには、半径方向の長手方向リップ5の外縁52に沿って現れる。
【0075】
空のとき、この可撓性管状装置1は特に平坦である。
【0076】
この態様は、特に輸送のために興味深く、その輸送をより容易にする。
【0077】
装置の製造
本発明による可撓性管状装置1は、一体化されたユニットを形成するために、一組の重ね合わされた層の組み立てによって製造されてもよい。
【0078】
組み立ての技術は、加硫、結合、または溶接から選択されてもよい。
【0079】
好適な製造方法は、
図3に関連して、以下に一例として説明される。
【0080】
この方法は、
(i)補強プライ8が間に加えられる(上記内側71および外側72枚の層を形成するように意図される)エラストマ材料71、72の少なくとも2つの層を重ね合わせて、いわゆる「中間」ストリップ15を一緒に形成するステップ(
図3A)と、
(ii)密閉室3を形成するためにこの自由表面151が貼り付くのを局所的に防ぐのに適した中間層手段9を、中間ストリップ15の自由表面151上に加えるステップ(
図3B)と、
(iii)上記中間層手段9を自由表面151ではさみ込むように、この中間ストリップ15の中央長手方向軸15’に対応する折曲線に沿って中間ストリップ15を半分に折り曲げるステップ(
図3C)と、
(iv)それ自体の上に折り曲げられた自由表面151の接触する表面を一緒に貼り付けて、可撓性管状装置1を形成するステップ(
図3D)と
を含む。
【0081】
重ね合わせるステップ(i)の間、エラストマ材料71、72の2つの層および補強プライ8は、有利なことには、同一のまたは少なくとも略同一の大きさを有する。
【0082】
加えるステップ(ii)については、中間層手段9は、それ自体の上に折り曲げられた内側層71の対向する表面間の貼り付きの回避に適した手段である。
【0083】
加硫の場合、中間層手段9は、たとえば、有利なことには、耐熱プラスチックである、
- たとえば、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレンから作られる抑制剤を含有する耐火フィルム、
- 加硫エラストマ材料の層、たとえば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、またはエチレンプロピレンジエンモノマから作られる管
から選択される材料から作られるストリップまたは管である。
【0084】
中間層手段9は、たとえば、細長い矩形である。
【0085】
これらの中間層手段9は、第1の長手方向側部91において、中央長手方向軸15’に沿って延在し、第2の長手方向側部92において、この内側層71で2つの自由ストリップ712を維持するために内側層71の並置された長手方向縁から離れるように寸法を決められる。
【0086】
貼り付けるステップ(iv)のときに、内側層71はそれ自体の上に折り曲げられる。
【0087】
よって、この内側層71の接触した2つの自由ストリップ712は一緒に貼り付けられて、上記中央部分711を形成する。
【0088】
その端部で、密閉室3は、たとえば、上部および下部締付装置によって閉じられる。
【0089】
家畜囲い
本発明は、少なくとも1つの可撓性管状装置1を備える家畜囲いEにも関する(
図4および5)。
【0090】
家畜囲いEは有利なことには、牧畜、特に、乳牛または肉牛のための牛舎である。
【0091】
この家畜囲いEは、少なくとも1つのラインに沿って配置される、本明細書では区画Lにある敷料区画を含む。
【0092】
区画Lは、牛のための快適な敷料、立/寝姿勢間の移動の観点、快適な立ち姿勢、および、区画の汚れの最小化の間の妥協が成り立つ。
【0093】
各区画Lは、従来のそれ自体が、
- 2つ横仕切りL1、たとえば管状構造と、
- アクセス通路に沿って延在する区画後部シルL2と、
- 有利なことには、肩甲骨間の隆起の位置の上部バーと、下部ストップ(または、前進リミッタ)を形成する本発明による可撓性管状装置1とを備える前部限界L3と、
- 地面L4、たとえばコンクリートスラブと
によって区切られる。
【0094】
この一連の区画Lには有利なことには、動物がとどまることが意図されるコンフォートシステムL5が、たとえばコンフォートマットレスとして備え付けられる。
【0095】
ストップを形成する可撓性管状装置1は、区画Lの並びの前部限界L3に沿って、よって、コンフォートシステムL5の前縁に沿って延在する。
【0096】
本明細書において、後部シルL2には、本発明による可撓性管状装置1も備え付けられる。
【0097】
よって、この可撓性管状装置1は、区画Lの並びの後部シルL2、および、コンフォートシステムL5の後縁に沿って延在する。
【0098】
この追加の可撓性管状装置1の利益は、相分離器からの乾燥残留物、砂、または藁などの、マットレス上に蓄積される材料から形成される快適層を保持することである。
【0099】
さらに、横になった動物がその脚を伸ばしたとき、ひざの後ろの怪我を回避できる。
【0100】
各可撓性管状装置1は、その半径方向の長手方向リップ5を通して加えられる締結手段57によって地面L4に固定される。
【0101】
締結手段57は、たとえば、半径方向の長手方向リップ5の長さにわたって一定間隔の釘である。
【0102】
これらの締結手段57は、その2つの対向する表面53で、半径方向の長手方向リップ5を正確に貫通する。よって、これらの締結手段57は、最適な強度を提供するために、補強プライ8の2つの長手方向部分82を貫通する。
【0103】
よって、半径方向の長手方向リップ5の表面53のうちの1つは、地面L4に対して平らにされる。
【0104】
よって、可撓性管状装置1の2つの長手方向部分82の組み立て体は、締結手段57によって補強される。
【0105】
次いで、この配置により、可撓性管状装置1の強度を大きく増加させることができ、よって、引裂/破断現象のリスクを実質的に減少させることができる。
【0106】
各可撓性管状装置1は、さらに有利なことには、その管状壁2がその半径方向の長手方向リップ5とコンフォートシステムL5との間に配置されるように向けられる。
【0107】
よって、コンフォートシステムL5は、2つの可撓性管状装置1によって長手方向に整列する。
【0108】
家畜囲いEには、有利なことには、可撓性管状装置1を満たすための手段61(
図4に概略的に示される)も備え付けられる。
【0109】
これらの充填手段61は、たとえば、循環機と関連付けられた水源である。水は流れずに、快適性の役割だけ果たしてもよい。
【0110】
各可撓性管状装置1の充填は、この可撓性管状装置1と水道との間に置かれるマノメータで制御される。
【0111】
実際には、前部限界L3に沿って配置される前部可撓性管状装置1は、動物によるより高いまたはより低い圧力によって、常に満たされる(高さおよび剛性調整)。
【0112】
後部シルL2に沿って配置される後部可撓性管状装置1も、区画LおよびそのコンフォートシステムL5の清掃作業中を除いて、常に満たされる。
【0113】
実際、この後部可撓性管状装置1は、折り畳まれて、(
図2に示されるように平らにされた後部可撓性管状装置1の上を通すことによって)アクセス通路の方へ洗浄水を排出することを可能とするように空にされてもよい。