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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】産物分配デバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 3/17 20060101AFI20220621BHJP
【FI】
B65B3/17
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019539843
(86)(22)【出願日】2018-01-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 EP2018051898
(87)【国際公開番号】W WO2018138230
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2021-01-15
(31)【優先権主張番号】1750598
(32)【優先日】2017-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】1800015
(32)【優先日】2018-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515213881
【氏名又は名称】ジェーベー デヴェロップメント
(74)【代理人】
【識別番号】100084375
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 康夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125221
【弁理士】
【氏名又は名称】水田 愼一
(74)【代理人】
【識別番号】100142077
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 真之
(72)【発明者】
【氏名】ブーレ,ギョーム
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-045324(JP,A)
【文献】特表2010-521382(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0252033(US,A1)
【文献】特開平04-044928(JP,A)
【文献】実開昭50-004755(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 3/17
B65B 31/02
B65B 31/04
B05B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
産物分配デバイス(1)を製造する方法であって、
- 変形可能なチャンバ内に基準圧力に対する低圧を形成する排気ステップと、
- リザーバに産物を充填する充填ステップと、
- 前記変形可能なチャンバ(45)に接続され、充填開口(8)が設けられて成る前記リザーバ(3)を備えるデバイス(1)を供給するステップと、
- 前記充填開口が閉鎖される閉鎖ステップと、を備え、
前記変形可能なチャンバの内側は、少なくとも部分的に可動壁(13)によって画定され、その可動壁(13)の移動が前記変形可能なチャンバの容積の変化を引き起こし、
・少なくとも供給弁(4)によって前記リザーバから分離され、および/または、
・少なくとも分配弁(5)によって前記デバイスの出口(6)から分離されており、
前記排気、充填、および供給ステップは、前記変形可能なチャンバの内部が前記基準圧力よりも低い圧力にある間に、前記リザーバが産物で充填されるように実行される、ことを特徴とする産物分配デバイス(1)の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
- 前記排気ステップと、
- 前記充填ステップと、そして、
- 前記デバイスを形成して前記デバイスを供給するステップを実行するため、前記変形可能なチャンバと前記リザーバとを組み立てるステップと、を含むことを特徴とする産物分配デバイス(1)の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記閉鎖ステップが、前記変形可能なチャンバと前記リザーバとを組み立てる間に行われることを特徴とする産物分配デバイス(1)の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
- 前記デバイスの供給と、そして、任意の順序で下記ステップ:
- 前記排気ステップと、
- 前記充填ステップと、
- 前記閉鎖ステップと、を備えることを特徴とする産物分配デバイス(1)の製造方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法であって、
前記閉鎖ステップの後に、前記産物が前記リザーバから前記変形可能なチャンバの内側に運ばれるステップである始動ステップ、をさらに備えることを特徴とする産物分配デバイス(1)の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記始動ステップおよび/または前記排気ステップが、
- 前記分配弁および/または前記供給弁を振動にさらすことによって、および/または、
- 前記分配弁および/または前記供給弁を、例えばそれを押すという、機械的作用により直接開くことによって、
実施されることを特徴とする産物分配デバイス(1)の製造方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の方法であって、
前記始動ステップが、前記リザーバの周囲の圧力を前記基準圧力まで上昇させることを
含むことを特徴とする産物分配デバイス(1)の製造方法。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか一項に記載の方法であって、
前記変形可能なチャンバの内部が前記基準圧力より低い始動圧力にある間に、前記始動ステップが開始することを特徴とする産物分配デバイス(1)の製造方法。
【請求項9】
請求項5から8のいずれか一項に記載の方法であって、
前記始動ステップの間、前記出口が塞がれることを特徴とする産物分配デバイス(1)の製造方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の方法であって、
前記供給弁(4)が1cm/分を超える漏れ速度を有することを特徴とする産物分配デバイス(1)の製造方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法であって、
前記可動壁(13)を通る漏れ速度がゼロであり、前記分配弁(5)を通る漏れ速度がゼロであることを特徴とする産物分配デバイス(1)の製造方法。
【請求項12】
産物分配デバイスを製造するためのシステムであって、
- 変形可能なチャンバ内に基準圧力に対する低圧を形成するように構成された排気手段(26)と、
- 前記変形可能なチャンバに接続され、充填開口が設けられて成るリザーバを有する、デバイスを供給する供給手段と、
- 前記充填開口を閉じるように構成された閉鎖手段(12,14)とを備え、
前記変形可能なチャンバの内側は、少なくとも部分的に可動壁によって画定され、前記可動壁の移動が前記変形可能なチャンバの容積の変化を引き起こし、
・少なくとも供給弁によって前記リザーバから分離され、および/または、
・少なくとも分配弁によって前記デバイスの出口から分離されており、
前記排気手段と前記供給手段は、前記変形可能なチャンバの内部が前記基準圧力より低い圧力にある間に、前記リザーバが産物で充填されるように構成されていることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産物を分配するデバイスを製造する方法に関する。
本発明の分野は、より具体的には、例えば製薬または化粧品または農業食品産業における、液体、ゲルまたはクリームなどの産物の分配に係る分野である。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献FR3005459A1に記載されているような、産物を分配するためのデバイスが知られている。そのようなデバイスは、
- 変形可能なチャンバと、
- リザーバと、
- チャンバからデバイスの外に向かう産物出口となる分配弁と、
- リザーバからチャンバへの産物の通路となる供給弁と、を備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このデバイスは、優れているが、まだ技術的な問題があるため、改良の余地がある。
第1の問題は、始動の問題であり、デバイスが新しく、チャンバが空気で満たされているとき、ユーザはリザーバから産物をポンプで汲み出してチャンバを満たすため、チャンバを押す。
【0004】
この問題は、
- 分配される特に非常に粘性のある、産物に対して供給弁が柔軟、および/または、
- 分配弁が非常に硬いときに、特に現実的となる。実際のところ、分配弁はバクテリアと酸素がリザーバに入るための特別なドアとなる。分配弁がきついほど、従って堅いほど、デバイスの始動がより困難である。すなわち、チャンバ内に最初に存在するガスは分配弁を通って出ることが困難であり、最初にチャンバ内に含まれるガスは、むしろ供給弁を通ってリザーバに行く。
【0005】
従って、始動のためにチャンバを押すと、空気が分配弁を通るのではなく供給弁を通ることになる。その場合、産物をリザーバからチャンバ内に上げることができない。
【0006】
本発明の目的は、この問題を解決する産物分配デバイスを製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、産物分配デバイスを製造する方法は、
- 変形可能なチャンバ内に基準圧力に対する低圧を形成する排気ステップと、
- リザーバに産物を充填する充填ステップと、
- 前記変形可能なチャンバに接続され、充填開口が設けられて成る前記リザーバを備えるデバイスを供給するステップと、
- 充填開口が閉鎖される閉鎖ステップと、を備え、
前記変形可能なチャンバの内側は、少なくとも部分的に可動壁によって画定され、その可動壁の移動が前記変形可能なチャンバの容積の変化を引き起こし、
・少なくとも供給弁によって前記リザーバから分離されており、および/または、
・少なくとも分配弁によって前記デバイスの出口から分離されており、
前記排気、充填、および供給ステップは、前記デバイスのいわゆる「中間」状態において、前記変形可能なチャンバの内部が前記基準圧力よりも低い中間圧力にある間に、前記リザーバが産物で充填されるように実行される。
【0008】
異なる実施形態によれば、
- 本発明に係る方法は、排気ステップと、充填ステップと、そして、デバイスを形成しデバイスを供給するステップを実行するために、変形可能なチャンバとリザーバとを組み立てること、を含むことができ、閉鎖ステップは、好ましくは、変形可能なチャンバとリザーバとの組み立て中に行われてもよく、また、
- 本発明に係る産物分配デバイスを製造する方法は、
・デバイスがリザーバを有し、そのリザーバが変形可能なチャンバに接続され、充填開口を備え、変形可能なチャンバの内側が少なくとも部分的に可動壁によって画定され、その可動壁の移動が変形可能なチャンバの容積の変化を引き起こし、そのデバイスが出口を有する、そのようなデバイスの供給と、
そして、順序不問の下記ステップ、
・変形可能なチャンバ内に基準圧力に対する低圧を形成する排気ステップと、デバイスのいわゆる「中間」状態において、変形可能なチャンバの内部が基準圧力よりも低い中間圧力にある間に、リザーバが産物で充填されるようにリザーバに産物が充填される充填ステップと、
・充填開口が封止または閉鎖される閉鎖ステップと、
を備えるものであってもよい。
【0009】
変形可能なチャンバの内側は、
・少なくとも供給弁によってリザーバから分離され、および/または
・少なくとも分配弁によってデバイスの出口から分離されていてもよい。
本発明に係る方法は、閉鎖ステップの後に、産物がリザーバから変形可能なチャンバの内側に供給されるステップである始動ステップをさらに備えてもよい。
【0010】
始動ステップは、
- 好ましくは機械的手段によって、リザーバの外側からリザーバに力を加えることによって、および/または
- 分配弁および/または供給弁を振動にさらすことによって、および/または
- 機械的作用によって、例えばそれを押すことによって、分配弁および/または供給弁を直接開くことによって、実施してもよい。
始動ステップは、リザーバの周囲の圧力を基準圧力まで上昇させることを含んでもよい。
始動ステップは、変形可能なチャンバの内部が基準圧力より低い始動圧力にある間に開始してもよい。
【0011】
出口は、始動ステップ中に塞いでもよい。
排気ステップ中に、
- チャンバの容積を増加させるため、および/またはチャンバの容積を減少させるために、チャンバの容積を(すなわち、好ましくはチャンバの可動壁を移動させて)変えてもよく、および/または
- 分配弁および/または供給弁は振動を受けるようにされてもよく、および/または
- 分配弁および/または供給弁は、機械的作用によって、例えばそれを押すことによって、直接開かれてもよい。
【0012】
排気ステップは、リザーバ内、リザーバの周り、変形可能なチャンバ内、デバイスの出口までの変形可能なチャンバ内、および/またはリザーバまでの変形可能なチャンバ内に、低圧を作り出すことができる。
出口は、排気ステップ中に塞がれなくともよい。
【0013】
リザーバの壁は、排気ステップ中および/または充填ステップ中に、互いに離されていてもよい。排気中にリザーバの壁を離しておくこと、および/または充填ステップ中にリザーバの壁を離しておくことは、
- 充填開口を通ってリザーバ内に挿入されて充填ステップ中に産物を放出する充填ノズルによって、リザーバの互いの壁の間に空間を保持すること、および/または
- リザーバが少なくとも2つのスペーサの間に置かれることにより、少なくとも2つのスペーサによって、リザーバの壁の間に空間を保持することを、含むことができる。
【0014】
中間状態において、リザーバに産物を充填することができ、この間は、リザーバの周り、変形可能なチャンバからデバイスの出口まで、および/または変形可能なチャンバからリザーバまでにおいて、圧力は中間圧力および/または基準圧力以下であってもよい。
【0015】
出口は、充填ステップ中に塞がれてもよい。
閉鎖ステップは、デバイスがその中間状態にある間に実施してもよい。
出口は、閉鎖ステップ中に塞がれてもよい。
排気ステップは、充填ステップに先行してもよい。
排気、充填、および閉鎖のステップは、同じ排気エンクロージャ内で行ってもよい。
【0016】
ステップは、
- 一方で充填し、そして
- 他方で閉鎖する、ステップを、2つの別々のエンクロージャで実行してもよい。この場合、充填ステップは、排気ステップに先行してもよい。
【0017】
可動壁を通る漏れ速度はゼロでもよく、および/または分配弁を通る漏れ速度はゼロでもよい。
【0018】
本発明の他の態様によれば、産物分配デバイスを製造するためのシステムが提供され、このシステムは、
- 変形可能なチャンバ内に基準圧力に対する低圧を作り出すように構成された排気手段と、
- リザーバに産物を充填するように構成された、任意選択の、充填手段と、
- 変形可能なチャンバに接続され、充填開口が設けられて成るリザーバを有するデバイスを供給する供給手段(この供給手段は、例えば、変形可能なチャンバとリザーバを組み立てるための手段および/またはデバイスを搬送するための手段を備える)と、
- 前記充填開口を密封または閉鎖するように構成された閉鎖手段と、を備え、
変形可能なチャンバの内側は、少なくとも部分的に可動壁によって画定され、可動壁の移動が変形可能なチャンバの容積の変化を引き起こし、
・少なくとも供給弁によってリザーバから分離されており、および/または、
・少なくとも分配弁によってデバイスの出口から分離されており、
排気手段、(任意選択で充填手段)、および供給手段は、デバイスのいわゆる「中間」状態において、前記変形可能なチャンバの内部が前記基準圧力より低い中間圧力にある間に、前記リザーバが産物で充填されるように構成されている。
【0019】
異なる実施形態によれば、
- 供給手段は、(例えば、排気手段によって作られた低圧と充填手段による充填の後に)変形可能なチャンバとリザーバとを組み立てるように構成された組み立て手段を備えてもよく、閉鎖手段は、組立手段を含んでもよく、組立手段による変形可能なチャンバとリザーバの組立中に、充填開口を密封または閉鎖するように構成されてもよく、または
- 供給手段は、このデバイスが(任意の順序で)排気手段、充填手段および閉鎖手段に投入される前に、すでにリザーバと組み立てられた変形可能なチャンバを含むデバイスを供給するように構成されてもよい。
【0020】
変形可能なチャンバの内側は、
・少なくとも供給弁によってリザーバから分離されていてもよく、および/または
・少なくとも分配弁によってデバイスの出口から分離されていてもよい。
本発明によるシステムは、リザーバから変形可能なチャンバの内部に産物を移動させるように構成された始動手段を備えてもよい。
【0021】
始動手段は、
- 好ましくは機械的手段で、リザーバの外側からリザーバに力を加えることにより、および/または
- 分配弁および/または供給弁を振動にさらすことにより、および/または
- 機械的作用で、例えば押して、分配弁および/または供給弁を直接開くことにより、この産物を移動させるように構成してもよい。
【0022】
始動手段は、リザーバの周りの圧力を基準圧力まで上昇させることによってこの産物を移動させるように構成してもよい。
始動手段は、変形可能なチャンバの内部が基準圧力より低い始動圧力にある間に始動を開始するように構成してもよい。
始動手段は、出口が塞がれている間に始動を実施する(すなわちこの産物を移動させる)ように構成してもよい。
【0023】
排気手段は、
- チャンバの容積を増加および/またはチャンバの容積を減少させるために、チャンバの容積を変化させる(すなわち、好ましくはチャンバの可動壁を移動させる)、および/または
- 分配弁および/または供給弁を振動にさらす、および/または
- 分配弁および/または供給弁を機械的な操作、例えば押し付けるなどして直接開ける、ことによって、低圧を作り出すように構成してもよい。
排気手段は、リザーバ内部、リザーバの周り、変形可能なチャンバ、変形可能なチャンバからデバイスの出口まで、および/または変形可能なチャンバからリザーバまでの内部に、低圧を作り出すように構成してもよい。
排気手段は、排気手段による低圧の生成中に出口が塞がれないように構成されてもよい。
【0024】
本発明によるシステムは、排気手段による低圧の生成中および/または充填手段による充填中にリザーバの壁を互いに離すための手段を備えてもよく、例えば、
- 充填開口を通してリザーバ内に挿入されて充填ステップ中に産物が排出される充填ノズルによって、リザーバの壁を互いに離して保持することにより、および/または
- リザーバが少なくとも2つのスペーサの間に位置するように、リザーバの壁を少なくとも2つのスペーサによって互いに離しておくことにより、リザーバの壁を互いに離してもよい。
【0025】
中間状態において、リザーバに産物を充填してもよく、リザーバの周り、変形可能なチャンバからデバイスの出口まで、および/または変形可能なチャンバからリザーバまで、圧力は中間圧力か、基準圧力以下であってもよい。
【0026】
充填手段は、充填手段による充填中に出口が塞がれるように構成されてもよい。
閉鎖手段は、デバイスがその中間状態にある間に充填開口を密封または閉鎖するように構成されてもよい。
閉鎖手段は、出口が塞がれている間に充填開口を密封または閉鎖するように構成されてもよい。
排出手段および充填手段は、排出手段による低圧の形成が充填手段による充填に先行するように構成されてもよい。
【0027】
排気手段、充填手段、および閉鎖手段は、グループ化して1つの排気エンクロージャ内にまとめてもよい。
手段は、
- 一方で充填し、
- 他方で閉鎖するように、これらのための手段を2つの別々のエンクロージャに配置してもよい。この場合、充填手段による充填が、排気手段による低圧の形成に先行するように、充填手段および閉鎖手段を構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の他の利点および詳細は、実施形態および非限定的な実施形態の詳細な説明、ならびに以下の添付の図面、を読めば明らかになるであろう。
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係る、デバイス1を製造するための方法の初期ステップを示す側面断面図である。
図2図2は、本発明の第1の実施形態に係る方法の排気ステップを示す側面断面図である。
図3図3は、本発明の第1の実施形態に係る方法の充填ステップを示す側面断面図である。
図4図4は、本発明の第1の実施形態に係る方法の閉鎖ステップを示す側面断面図である。
図5図5は、本発明の第1の実施形態に係る方法の始動ステップを示す側面断面図である。
図6図6は、本発明の第1の実施形態に係る方法の変形例において製造されているデバイス1の細部の側面断面図である。
図7図7は、本発明の第1の実施形態に係る方法の変形例におけるデバイス1の斜視図である。
図8図8は、本発明の第2の実施形態に係る方法の排気ステップを示す側面断面図である。
図9図9は、本発明の第2の実施形態に係る方法の閉鎖ステップを示す側面断面図である。
図10図10は、本発明の第2の実施形態に係る方法の始動ステップを示す側面断面図である。
図11図11は、本発明に係る方法を実施するためのシステムまたは設備の斜視図である。
図12図12は、本発明の第3の実施形態に係る方法の様々なステップを示す側面断面図である。
図13図13は、本発明の第4の実施形態に係る方法により製造中のデバイス1の完全な側面断面図である。
図14図14は、本発明の第4の実施形態に係る方法により製造中のデバイス1の完全な側面断面図である。
図15図15は、本発明の第4の実施形態に係る方法により製造中のデバイス1の部分的な側面断面図である。
図16図16は、本発明の第4の実施形態に係る方法により製造中のデバイス1の部分的な側面断面図である。
図17図17は、各実施形態の変形例を示す側面断面図である。
図18図18は、各実施形態の変形例を示す側面断面図である。
図19図19は、各実施形態の変形例を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の特徴および効果は実施形態の詳細な説明を読めば明らかであり、添付図面を参照しつつ説明する。本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特に、以下に記載され図示された複数の特徴から選択され、その他の特徴から孤立した特徴を1つしか備えていない本発明の変形例も、(その選択された特徴がその他の複数の特徴を備えた文の中で孤立していたとしても)、その選択された特徴が、技術的な有利性を議論したり、本発明を従来技術と区別するのに十分であるならば、本発明であると見なすことができる。この選択は、構造的な詳細がなくても、或いは、構造的な詳細の一部分しかなくとも、その一部分だけでも、技術的な有利性を議論したり、本発明を従来技術と区別するのに十分であるならば、少なくとも1つの好ましい機能的な特徴を備えているものとみなすことができる。
【0030】
まず、図1から図7を参照して、本発明に係る産物分配デバイス16を製造するための方法の第1の実施形態を説明する。
この方法を実施するために記載された種々の技術的手段は本発明に係る製造システム10を構成する。
図1に示されるこの方法の最初のステップは、リザーバ3とヘッド2とを備えるデバイス1を供給するステップである。
ヘッド2は、剛性フレーム(例えばポリプロピレン(PP))を有し、その上に、移動可能および/または変形可能(例えばフレームよりはるかに薄い厚さを有するポリプロピレン(PP))であってフレームよりも柔軟な壁13が固定されている。
ヘッド2は、変形可能なチャンバ45を有する。
【0031】
リザーバ3は、典型的には多層ポリエチレンテレフタレート(PET)/アルミニウム/キャストポリプロピレン(PP)フィルムによる、柔軟バッグで形成され、PET層はリザーバ3の外側に向いている。
【0032】
リザーバ3は、
- 変形可能なチャンバ45に(供給導管および供給弁4を介して)連通するオリフィス7、および
- 充填開口8、を備えている。
【0033】
この供給の初期ステップの間、チャンバ45の内部は基準圧力にある。
充填開口8は、リザーバ3の内部とデバイス1の外部との間の直接連通口である。
変形可能なチャンバ45の内側は、少なくとも部分的に壁13によって画定され、その変位は変形可能なチャンバ45の容積の変動を引き起こす。
この初期ステップの間、デバイス1は「空」である。
この初期ステップの間、リザーバ3は産物16を含まず、好ましくは気体のみ、好ましくは空気および/または窒素のような中性気体で満たされている。
【0034】
この初期ステップの間、デバイス1は産物16を含まず、好ましくは気体のみ、好ましくは空気および/または窒素のような中性気体で満たされている。
この初期ステップの間、デバイス1は、充填開口8が存在し、まだ封止されていないので、「非封止」と呼ばれる初期状態にある。
チャンバ45は、少なくとも供給弁4によって、リザーバ3から分離されている。
供給弁4は、柔軟であり、典型的には熱可塑性エラストマー(TPE)または80ショアAの熱可塑性ポリウレタンエラストマーである。
【0035】
チャンバ45は、少なくともチャンバ45が産物16で(好ましくは完全に)満たされたとき(まだこの初期ステップでは当てはまらない)に、チャンバ45の容積が(例えば壁13を押すことにより)減少すると、供給弁4が閉じるように構成されている。
【0036】
チャンバ45は、少なくともチャンバ45が産物16で(好ましくは完全に)満たされたとき(まだこの初期ステップでは当てはまらない)に、チャンバ45の容積が(例えば壁13への外圧をなくすことにより)増加すると、供給弁4が開くように構成されている。
【0037】
チャンバ45は、少なくとも分配弁5によって、デバイス1の出口6から分離されている。
分配弁5は柔軟であり、典型的には80ショアAの熱可塑性エラストマー(TPE)または熱可塑性ポリウレタンエラストマーである。
チャンバ45は、少なくともチャンバ45が産物16で(好ましくは完全に)満たされたとき(まだこの初期ステップでは当てはまらない)に、チャンバ45の容積が(例えば壁13を押すことにより)減少すると、分配弁5が開くように構成されている。
【0038】
チャンバ45は、少なくともチャンバ45が産物16で(好ましくは完全に)満たされたとき(まだこの初期ステップでは当てはまらない)に、チャンバ45の容積が(例えば壁13への外圧をなくすことにより)増加すると、分配弁5が閉じるように構成されている。
【0039】
供給弁4は、開いているとき、典型的にはリザーバ3からチャンバ45への産物の通過を可能にする。供給弁4は、閉じているとき、そのような産物の通過を許容しない。
分配弁5は、開いているとき、典型的にはチャンバ45から出口6への産物の通過を可能にする。分配弁5は、閉じているとき、そのような産物の通過を許容しない。
供給オリフィスは、チャンバ45を供給導管に接続する。
【0040】
供給弁4は膜を有し、その膜は、この供給弁4の閉状態では、供給オリフィスを塞ぐように供給オリフィスに対して押圧され、この供給弁4の開状態では、この供給オリフィスを開けるように供給オリフィスから離れており、供給弁4は、ヘッド2とは独立した部品であり、チャンバ45側に(少なくともその膜が)収容されている。
【0041】
供給弁4(その閉状態と開状態の間で可動)は、その閉状態において、静止部分(供給座と呼ばれ、対応する供給オリフィスの周囲を少なくとも部分的に囲む)であってチャンバ45の内壁の「剛体」部分(すなわち柔軟材料ではない)に対し、押圧されたままとされる。より正確には、供給弁4は膜を有し、その膜は、供給弁4の閉状態では供給座に押圧されたままとされ、開状態では供給座から離れる。
【0042】
壁13は、供給弁4に機械的に接続されていない。供給弁4は、供給座を覆う単純な壁であり、供給弁4は供給導管に嵌り込んでない。
供給座は、チャンバ45の内側に配置されている。
分配オリフィスが、チャンバ45を分配導管に接続する。
分配弁5は、ヘッド2から独立した部品であり、分配導管内に(全体的に)収容されている。
【0043】
分配弁5は膜を有し、その膜は、この分配弁5の閉状態ではこの分配オリフィスを塞ぐように分配オリフィスに対して押圧され、この分配弁の開状態ではこの分配オリフィスが開くように分配オリフィスから離れる。
【0044】
分配オリフィスは、分配導管の側壁に位置し、分配オリフィス、分配導管、および分配弁5は、産物がグローバルに(つまり産物16の微粒子の渦よりも大きいスケールで)チャンバ45から分配導管に向けて、すなわち、分配弁5の入口における産物の移動方向と、分配弁5の出口における産物の移動方向とが、直角または実質的に直角になるように、配置されている。
【0045】
分配弁5(その閉状態と開状態との間で可動)は、その閉状態において、(例えば特許文献WO2015/155318に記載されているように弁5の戻し手段または戻しばねによって十分にしっかりと)分配導管の内壁の非可動部分(対応する分配オリフィスの周囲を少なくとも部分的に取り囲む分配座と呼ばれる部分)であって「硬質」(すなわち、柔軟材料ではない)である部分に押圧されている。より具体的には、分配弁5は膜を備えており、その膜は、分配弁の閉状態では分配座に押圧されたままであり、その開状態ではこの座から離れている。さらに、分配座は分配導管の側面部分であり、この座は、分配導管の内壁の面、好ましくは平面、に限定されており、また、分配導管の伸長方向に垂直な平面における分配導管の全周ではない。
【0046】
分配座は、チャンバ45の外側に配置されている。
供給オリフィスは、供給導管の側壁に位置し、供給オリフィス、供給導管、および供給弁4は、産物がグローバルに供給導管からチャンバ45へ、すなわち、供給弁4の入口での産物の移動方向と供給弁4の出口での産物の移動方向との間を、直角または実質的に直角に通過して移動するように、配置されている。
【0047】
供給弁4と分配弁5とは接続要素によって接続され、この供給弁4、この分配弁5、および接続要素は一体的に構成され、かつ一体部品として(例えば、熱可塑性エラストマー(TPE)、または熱可塑性ポリウレタンエラストマーで製造され)形成されている。このユニークな部品はモノブロックである。この接合要素は、典型的には70から80ショアAの硬度を有する。1つの孔が、チャンバ45を通過することなく、分配導管と供給導管との間に通路を形成する。接合要素は、この孔を塞ぎ、この孔にきつく締め付けられて維持されている。
【0048】
次に、図2を参照すると、本発明に係る方法の第1の実施形態は、「排気下に置く」ステップ(低圧ステップとも呼ばれる)を含み、このステップでは、変形可能なチャンバ45内に、基準圧力に対する低圧が形成される。
この基準圧力は、大気圧に等しく、1barに等しい。
この圧力低下は、基準圧力に対して少なくとも0.2bar、さらには0.3bar、好ましくは基準圧力に対して少なくとも0.5bar、さらに基準圧力に対して少なくとも0.7barである。
【0049】
本明細書では、圧力または圧力への言及はいずれも気体を指し、その組成は本発明による方法の間に変化する可能性があることに留意されたい。
排気ステップの間、壁13は、チャンバ45の容積を増大させるように移動され、および/または例えば、振動ジャッキ25によってチャンバ13の容積を減少させるように、壁13が変位させられ、振動は、好ましくは少なくとも1回(またはそれ以上)の往復で行われ、各往復は、チャンバ45の容積を増大させるようにする壁13の変位と、チャンバ45の容積を減少させるようにする壁13の変位とを含む。
【0050】
これにより、弁4および弁5が開かれ、従って、弁4および/または5が存在するにもかかわらず、チャンバ45内の低圧または真空(部分真空である)の適切な実現が確実にされる。
ジャッキ25の作用は有用な補助手段であるが、特に弁4および/または弁5が非常に柔軟か、または非常にきつくはなく弁4または5とその弁座との間に可能な空間がある場合には必須ではない。
排気ステップの間、デバイス1は、エンクロージャ18内にあり、吸引手段26(ポンプなど)で行われる吸引によって、その中の排気が実行される。
【0051】
排気ステップは、
- リザーバ3内、
- リザーバ3の周囲の(およびこれに接触した)空間内、
- 変形可能なチャンバ45内、
- 変形可能なチャンバ45からデバイス1の出口6への分配導管内、および
- 変形可能なチャンバ45からリザーバ3への供給導管内、に低圧を作る。
排気ステップの間、出口6は塞がれていない。これは、出口6からも、空気を出すのを助けることができる。
排気ステップの間、リザーバ3の壁31,32は、互いに離れた状態に保たれる。
【0052】
排気中にリザーバ3の壁31,32の間に空間を保持することは、充填開口8からリザーバ3に挿入された充填ノズル11によって、リザーバ3の壁31,32の間に空間を保持することを含む。
次に、図3を参照すると、本発明に係る方法の第1の実施形態は、リザーバ3の少なくとも一部に産物16を充填する充填ステップを含む。
産物16は液体、クリーム、ペースト、ゲルまたはこれらの混合物である。
充填ステップの間、リザーバ3の壁31,32は互いに離間されている。
【0053】
充填ステップ中にリザーバの壁31,32を間隔を置いて維持することは以下を含む:
- 充填開口8を通してリザーバ3に挿入され、充填ステップ中に産物16が排出される充填ノズル11によってリザーバ3の壁31,32を互いから離して維持すること、
- リザーバ3が少なくとも2つのスペーサ12の間に位置するように、少なくとも2つのスペーサ12によってリザーバ3の壁31,32を互いから離して維持すること。スペーサ12はリザーバ3の外側にある。各スペーサ12は吸盤である。出口6は、充填ステップ中に塞がれている。
【0054】
本発明に係る方法の第1の実施形態では、排気ステップが充填ステップの前に行われる。これにより、
- 排気ステップ中に、開口8からも空気を追い出すこと、
- 充填ステップ中に産物16とリザーバー3の間に気泡を閉じ込めないようにすること、ができる。
排気および充填ステップの順序は、逆にできる。
【0055】
デバイス1のいわゆる「中間」状態を得るために、排気ステップと充填ステップとが組み合わされるかまたは連続され、その中で、
- リザーバ3は(少なくとも部分的に)産物16で満たされ、
- 変形可能なチャンバ45の内部は産物16を含まず、基準圧力より低い中間圧力のガスを含む。
【0056】
この中間圧力は、排気ステップ中に作り出された排気によって得られる圧力に等しい。
この中間圧力は、0.7bar未満、好ましくは0.5bar未満、好ましくは0.3bar未満、さらには0.2barである。
中間圧力は、基準圧力よりも少なくとも0.2bar、さらには0.3bar低く、好ましくは基準圧力に対して少なくとも0.5bar、好ましくは少なくとも0.7bar低い。
【0057】
図3に示すステップの終わりに対応する中間状態では、リザーバ3において(少なくとも部分的に)産物16が充填され、他方、
- リザーバ3の周囲の空間15、
- 変形可能なチャンバ45からデバイス1の出口6まで、すなわち分配導管、および
- 任意選択で、産物16が十分に粘性である場合、変形可能なチャンバ45からリザーバ3まで、すなわち供給導管、
においては、産物16はなくガスがあって、そのガスは圧力が基準圧力より低い(そして好ましくは中間圧力に等しい)。
【0058】
次いで、図4を参照すると、本発明に係る方法の第1の実施形態は、閉鎖ステップを有し、そのステップでは、充填開口8が密封または閉鎖される。
閉鎖ステップは、デバイス1がその中間状態にある間に実施される。
閉鎖は、例えば超音波溶接または熱溶接をするプライヤ9によって行われる。
閉鎖ステップの間、出口6は塞がれる。
【0059】
開口8を溶接または閉鎖する前にバッグの縁部(すなわち、開口8を画定する壁31,32の縁部)を互いに近づけるように構成された手段(図示せず)があり、開口8を溶接または閉鎖する前にバッグの縁部(すなわち、開口8を画定する壁31,32の縁部)を互いに近づけるステップを実行する。
【0060】
次に、図5を参照すると、本発明による方法の第1の実施形態は、閉鎖ステップおよび排気ステップおよび充填ステップの後に、始動ステップをさらに含み、その間に、産物16が、リザーバ3から変形可能なチャンバ45の内側に(少なくとも供給弁4とチャンバ45の内壁(より正確には供給座)との間まで)供給され、例えば産物16が非常に粘性である場合、好ましくは、チャンバ45の内容積の少なくとも1%または少なくとも5%(すなわち、入口弁4の弁座の高さ)まで産物で満たすようにし、例えば産物16があまり粘性でない場合、好ましくは産物をチャンバ45の内部容積の少なくとも30%で満たすようにし、そして、好ましくはチャンバ45を産物16で完全に満たすようにする。
【0061】
始動ステップは、変形可能なチャンバ45の内部が基準圧力より低い始動圧力(中間圧力に等しい)にある間に開始し、これはこの始動を大いに助ける。
【0062】
この始動圧力は、0.7bar未満、好ましくは0.5bar未満、好ましくは0.3bar未満、さらには0.2barである。
始動圧力は、それぞれ基準圧力より少なくとも0.2bar、さらには0.3bar、好ましくは基準圧力に対して少なくとも0.5bar、好ましくは基準圧力に対して少なくとも0.7bar低い。
【0063】
始動ステップは、
- リザーバの外側からリザーバ3に、機械的手段14、ここでは手段12と同じ、によって力を加え、
- 始動圧力から始めて少なくとも基準圧力まで(基準圧力までまたはそれを超えて)リザーバ3の周囲の空間のガスの圧力を増加させることによって実施され、圧力の増加は、デバイス1が配置されているエンクロージャ18を開いて、ガス17(例えば空気)をリザーバ3の周囲の空間15に導入することによって実施される。これは、非常に単純で、実施が非常に速い、という利点を有する。
【0064】
始動ステップの間、出口6は塞がれている。これは、エンクロージャを開くときに、空気またはガスが出口6を通ってデバイス1内に入るのを防止する。
始動の後、デバイス1は、ユーザにより使用される準備が整った「最終」状態になる。
【0065】
本発明に係る方法の第1の実施形態では、排気、充填、閉鎖および始動のステップは、排気のために同じエンクロージャ18内で行われる。
この第1の実施形態では、
- 排気ステップが充填ステップに先行し、
- 排気ステップが閉鎖ステップに先行し、
- 充填ステップが閉鎖ステップに先行し、
- 閉鎖ステップは始動ステップに先行する。
【0066】
本発明に係る方法の第1の実施形態では、出口6が塞がれるとき、それは典型的には出口6に取り付けられるプラグ19(例えばゴムまたはポリマー)によって塞がれる。しかしながら、変形例として、
図6を参照すると、出口6を塞ぐとき、出口6に分配弁5を接続する分配導管に挿入されるロッド20(例えばステンレス鋼)によってそれを塞ぐことができ、挿入されるロッド20は弁5をその閉位置にロックするように構成されている、または
図7を参照すると、出口6を塞ぐとき、出口6に固定された(好ましくは接着された)栓またはフィルムまたはキャップ21(例えば、多層ポリエチレンテレフタレート(PET)/アルミニウム/ポリプロピレン(PP))によって塞ぐことができる。
【0067】
本発明に係る方法の第1の実施形態では、開口8は常にオリフィス7よりも高い位置にある(高さは、地球重力と平行に地球から離れるにつれて増し、または充填ステップにおいてノズル11からリザーバ3に向けて産物16が流れる方向とは逆に向かうと増大する)。
【0068】
次に、産物分配デバイス1を製造するための本発明に係る方法の第2の実施形態を、図8から図10を参照して説明する。
この第2の実施形態は、本発明の第1の方法の実施形態との相違点についてのみ説明され、既に上で説明されたすべての参照番号が、必ずしも再度説明されるとは限らない。
【0069】
この第2の実施形態では、リザーバ3は柔軟なバッグではなくチューブによって形成されている。
この第2の実施形態では、出口6は排気ステップの間は塞がれ、この方法は栓22を担持するデバイス1の製造に適合する。それは、充填ステップ、閉鎖ステップ、および始動ステップの間においても塞がれる。
【0070】
この第2の実施形態では、出口6が塞がれるとき、それは好ましくはヒンジ23によってヘッド2に接続された取り外し可能な栓22によって塞がれる。
ヒンジ23および栓22は、理想的にはヘッド2のフレームと同じ材料で成る。
この第2の実施形態では、壁31,32は互いに離しておく必要はない。
図8は、この第2の実施形態の排気ステップを示す。
ノズル11による充填ステップは図示されていない。
図9は、この第2の実施形態の閉鎖ステップを示している。
図10は、この第2の実施形態の始動ステップを示している。
【0071】
ここで、図11を参照して、今説明した2つの実施形態のそれぞれの変形例を説明する。これらの変形例では、本発明に係る方法のすべてのステップが必ずしも同じエンクロージャ内で実施されるわけではない。特に、2つの別々のエンクロージャ181,182において、
- 充填(そしておそらく排気)ステップが一方で、
- 閉鎖(そしておそらく始動)ステップが他方で、行われる。
【0072】
特に産物16が粘性の場合、産物16とリザーバ3との間に気泡が閉じ込められないようにするために、またチャンバ45内に低圧を作り出すために、排気ステップが、第1のエンクロージャ181内で行われる。
【0073】
そして、第1のエンクロージャ181において充填ステップが行われる。
次いで、デバイス1は、チャンバ45内の低圧を維持するため出口6が手段19,20、または21によって塞がれた状態で、第1のエンクロージャ181から第2のエンクロージャ182に搬送される。
次いで、始動を見越して、第2のエンクロージャ182内のリザーバ3の周囲を始動圧力にする「排気」が行われる。
【0074】
次に、リザーバ3を閉じるステップが、第2のエンクロージャ182内で、溶接によって行われる。
次いで、始動ステップの第1部が、エンクロージャ182および容積15内のガス入口17の開放中に(圧力を増加させることにより)行われる。
【0075】
始動ステップの第2部は、リザーバ3を押しつける機械的手段14によってエンクロージャ181,182の外で行われる。
本発明に係る方法のステップを異なる「ステーション」または異なるエンクロージャによって分離することにより、生産性を上げることが可能になる。
【0076】
次に、図12を参照して、産物16の分配器であるデバイス1を製造するための、本発明に係る方法の第3の実施形態を説明する。
【0077】
この第3の実施形態は、本発明に係る方法の第1の実施形態との相違点についてのみ説明され、既に上で説明されたすべての参照符号が必ずしも再度説明されるとは限らない。
この第3の実施形態では、
- 充填ステップが閉鎖ステップに先行し、
- 閉鎖ステップが排気ステップに先行し、
- 閉鎖ステップは始動ステップに先行し、
- 排気ステップは始動ステップに先行する。
この第3の実施形態は、連続縦型充填機で実施される。
【0078】
リザーバ3は、2枚の柔軟フィルムによって組み立てられ形成される。
これら2枚のフィルムのそれぞれは、例えば、多層ポリエチレンテレフタレート(PET)/アルミニウム/ポリプロピレン(PP)フィルムである。
これら2枚の組み立てられた柔軟フィルムは、直列に接続された数個のデバイス1を形成し、これらは、方向24に沿って、充填機の、あるステーションから別のステーションへと、移動する。
【0079】
デバイス1を供給する最初のステップは、図12の上部の部分101に示すように、これらの2つのフィルムを組み立て、その間にこのデバイス1のヘッド2を挿入することによって実施される。フィルムは、開口8を開いたままにして(典型的には超音波および/または熱溶着技術によって)組み立てられる。
次に、デバイス1は方向24に移動し、図12の中央の部分102に示されるように、ノズル11によってデバイス1のリザーバ3を産物16で充填するステップを実行する。
【0080】
それから、デバイス1は方向24に移動し、
- 開口8を閉じるステップ(典型的には超音波溶接技術による)、そして、
- 排気ステップ、ここで、変形可能なチャンバ45内に低圧が形成され、この低圧は(手段26による)出口6を介した吸引によって形成され、そして、
- 始動ステップ(典型的には前述のようにリザーバ3を押す手段14による)、が図12の下部の部分103に示すように行われる。
【0081】
本発明は今説明した例に限定されず、本発明の範囲から逸脱することなくこれらの例に多くの調整を加えることができる。
記載の実施形態では、充填ステップが閉鎖ステップに先行することに留意されたい。
記載の実施形態では、閉鎖ステップが始動ステップに先行することに留意されたい。
記載の実施形態においては、排気ステップが始動ステップに先行することに留意されたい。
【0082】
説明した実施形態において、排気ステップは、
・充填ステップの前および/または閉鎖ステップの前に、行うことができ、または、
・充填ステップの後(エンクロージャ18,181,182または他の場所で)であって、
・充填ステップと閉鎖ステップの間、
・閉鎖ステップの後(閉鎖ステップと始動ステップの間)、に行うことができる。
【0083】
さらに、記載された実施形態において、始動ステップは必須ではなく、この始動は、後でユーザによって手動で実行されることができるが、これはそれほど有利ではない(漏れがある場合、チャンバ45の内部は徐々に大気圧に戻る)。
【0084】
さらに、記載された実施形態の変形例として、リザーバ3の壁31,32を、それらの間に間隔を空けて、保持することは、
- 排気ステップにおいてスペーサ12で保持することで代替または組み合わせて、および/または、
- 充填ステップにおいてノズル11またはスペーサ12のみを使用して、行ってももよい。
【0085】
さらに、記載された実施形態の変形例として、始動ステップは、
- リザーバ3の外からリザーバに、機械的手段14によって、力を加えることだけで、または、
- リザーバ3の周囲の空間15内のガスの圧力を始動圧力から基準圧力まで、または基準圧力を超えて、上昇させることだけで、実施してもよい。
【0086】
さらに、記載された実施形態の変形例として、変形可能な可動壁13は、剛性ピストンのような可動壁であって、チャンバ45の容積を変えるようにピストンを動かす作動ボタンに接続して構成されたピストンによって代替してもよい。
【0087】
さらに、記載された実施形態の変形例として、始動は、(好ましくは始動について前述した様々な他のステップの後のサイクルの終わりに)、チャンバ45に、典型的には壁13に、力を加えることを含んでもよい。これにより、例えば、デバイス1が後で使えなくならないように、もう少し多くの産物16をチャンバ45に入れることができる。
【0088】
次に、産物分配デバイス1を製造するための、本発明に係る方法の第4の実施形態を図13から図16を参照して説明する。
この第4の実施形態は、本発明の第1の方法の実施形態との相違点についてのみ説明され、既に説明されたすべての参照番号が再度説明されるとは限らない。
【0089】
図13を参照すると、この第4の実施形態では、
- 吸引手段26によって吸引されて低圧が生成されるエンクロージャ18内における変形可能なチャンバ45内に、基準圧力(1bar)に対する低圧が形成される排気ステップ、および
- リザーバ3の少なくとも一部が、産物16で充填される充填ステップ(排気化ステップの前、最中または後)、が行われる。
【0090】
排気ステップは、
- リザーバ3の周囲の空間に(そしてそれに接触して)、および、
- 変形可能なチャンバ45内に、低圧を作る。
【0091】
次に、図14を参照すると、この第4の実施形態は、デバイス1を形成してデバイス1を供給するステップを実行するため、変形可能なチャンバ45とリザーバ3とを組み立てことが含まれる。閉鎖ステップは、変形可能なチャンバ45とリザーバ3との組み立て中に、より正確にはヘッド2によって開口8を塞ぐことによって、行われる。
【0092】
この組み立ての後、デバイス1のいわゆる「中間」状態を得るために、排気ステップと充填ステップとが組み合わされるかまたは連続され、その中で、
- リザーバ3は(少なくとも部分的に)産物16で満たされ、
- 変形可能なチャンバ45の内部は産物16を含まず、基準圧力より低い中間圧力のガスを含む。
【0093】
次に、図15および図16を参照すると、この第4の実施形態は、始動ステップを含み、このステップの間に産物16がリザーバ3から変形可能なチャンバ45の内側に入れられる。
産物の量は、チャンバ45の気密性およびチャンバ45内の低圧の程度に依存する。
【0094】
図15は、チャンバ45内の最小レベルの産物を示す(リザーバ3から、供給弁4とチャンバ45の内壁(より正確には供給座)との間までの産物16)。
【0095】
図16は、チャンバ45内の高レベルの産物を示し、産物16はリザーバ3から変形可能なチャンバ45の中に、好ましくはチャンバ45(すなわち、入口弁4の弁座の高さ)の内部容積の少なくとも1%または少なくとも5%を産物16で充填するように、例えば、分配弁5がより気密性および/または産物16が低粘度である場合に、好ましくはチャンバ45の内部容積の少なくとも20%、さらには少なくとも30%の容積を産物16で充填するように、例えば、さらに加えて低圧が強い場合に、好ましくは70%または全体を産物16で充填するように充填される。始動に必要な充填レベルは産物の性質に依存し、一般的にゲルではより少ない。
【0096】
始動ステップは、変形可能なチャンバ45の内部が基準圧力より低い開始圧力(中間圧力に等しい)にある間に開始し、これはこの始動を大いに助ける。リザーバ3は、空間15と接触している可動壁46によって少なくとも部分的に画定されている。
【0097】
始動ステップは、リザーバ3の周囲の空間内のガス圧力を始動圧力から、少なくとも基準圧力(基準圧力まで、または基準圧力以上)まで、増加させることによって行われ、この増加は、ガス17(例えば空気)をリザーバ3の周りの空間15に導入するように、デバイス1が配置されているエンクロージャ18を開くことによって、実施される。
【0098】
この増加は、リザーバ3の容積を減少させるように、チャンバ45による吸引と壁46の推力とを引き起こす。これは始動を容易にする。
これには、非常に単純で実施が非常に速いという利点がある。
分配弁5は、供給弁4よりも密封性良くされている。
【0099】
同じ低圧(典型的には少なくとも0.2barまたはさらに0.3barまたは少なくとも0.5barまたは少なくとも0.7barまたは0.7barと0.95barの間であって、排気ステップ中に生成されるチャンバ内の低圧に対応するか、または基準圧力と「中間圧力」の差または基準圧力と「始動圧力」の差に対応)に対して、
- 出口6または空間15に対するチャンバ45内(チャンバ45からの吸引、好ましくは、分配弁5が保持されているが供給弁4は取り除かれている試験中)においては、出口6の弁5を通ってチャンバ45に漏れる可能性があり、
- チャンバ45に対するオリフィス7または供給導管内(オリフィス7からの吸引、好ましくは、供給弁4が保持されているが分配弁5は取り除かれている試験中)においては、チャンバ45の弁4を通ってオリフィス7に漏れる可能性があり、ガス漏れ(単位時間当たりの体積の単位で)は、少なくとも空気について、分配弁5を通るよりも供給弁4を通る方が大きく、好ましくは少なくとも2倍、さらには少なくとも10倍大きい。当然のことながら、弁4と弁5との間の封止の違いは、前述のすべての実施形態にも存在する。分配弁5を通るガス漏れは、ゼロであることが好ましい。
【0100】
同じ低圧(典型的には少なくとも0.2barまたはさらに0.3barまたは少なくとも0.5barまたは少なくとも0.7bar、または0.7barと0.95barの間であって、排気ステップ中に生成されるチャンバ内の低圧に対応するか、または基準圧力と「中間圧力」の差または基準圧力と「始動圧力」の差に対応)に対して、
- 出口6または空間15に対するチャンバ45内(それ故、出口6の弁5を通ってチャンバ45に漏れる可能性があり)においては、そして、
- オリフィス7または供給導管に対するチャンバ45内(それ故、オリフィス7の弁4を通ってチャンバ45に漏れる可能性があり)においては、ガス漏れ(単位時間当たりの体積の単位で)は、少なくとも空気について、分配弁5を通るよりも供給弁4を通る方が大きく、好ましくは少なくとも2倍、さらには少なくとも10倍大きい。当然のことながら、弁4と弁5との間の封止の違いは、前述のすべての実施形態にも存在する。分配弁5を通るガス漏れは、ゼロであることが好ましい。
【0101】
供給弁4の漏れ速度は1cm/分よりも大きい(典型的に始動圧力すなわち始動ステップの開始時に対応するチャンバ45内の20℃、低圧の空気の場合)。
壁13を通る漏れ速度(典型的に20℃の空気の場合)はゼロまたはほぼゼロである。
弁5を通る漏れ速度(典型的に20℃の空気の場合)はゼロまたはほぼゼロである。
【0102】
壁13および/または弁5の、これらのゼロまたはほぼゼロの漏れ速度は、0.9barの圧力差(出口6または空間15に対するチャンバ45およびリザーバ3内)で1時間、供給弁4を取り外して測定される。チャンバ45とリザーバ3の合計は1リットルの総容積を有する。
出口6は、空気が出口6を通ってチャンバ45に入るのを防ぐために、始動ステップ中に塞がれることが好ましい。
【0103】
さらに、チャンバ45は、開くことができる弁4および/または5を除いて、完全に密封されていることに留意されたい。言い換えれば、チャンバ45は(弁4および/または5を除き)、
- ガス(すなわち、任意の種類のガス、少なくとも空気)に対する非透過性の壁のみで囲まれており、そして、低圧(典型的には少なくとも0.2barまたはさらに0.3barまたは少なくとも0.5barまたは少なくとも0.7bar、または0.7barと0.95barの間であって、排気ステップ中に生成されるチャンバ内の低圧に対応するか、または基準圧力と「中間圧力」の差または基準圧力と「始動圧力」の差に対応)に対し、
- チャンバ45が異なる壁の集合体で構成されている場合、これらの異なる壁の全ての接合部が、
・気体に対して(すなわち、任意の種類の気体に対して、好ましくは少なくとも空気に対して)透過性ではなく、または、
・これらすべての接合部の合計について、1cm/秒以下さらには0.1cm/秒以下の漏れ速度を有する。
【0104】
各接合部は、例えば締付け(例えば2つの締付けリングそれぞれ50と51または150と151の間)または溶接(例えば超音波溶接またはオーバーモールドまたはバイインジェクション)によって維持される。
【0105】
本例では、接合部は2つしかなく、それは、
- 壁13と底壁53との間の供給弁4および/または供給座を担持する(環状の)接合部「下」、および、
- 壁13と分配弁5および/または分配座を担持するキャップ54との間の(環状の)接合部「上」、である。
【0106】
これにより、エンクロージャ18の開放中に出口6を介してデバイス1内に、空気またはガスが入るのを防止でき、始動されるまでチャンバ45内を真空に保つことができる。
最終的な状態は図15または16に示されている。
【0107】
ここで、図17から図19を参照して、本発明に係る方法の前述の実施形態の変形例であって前述の変形例のそれぞれと組み合わせることができるものについて説明する。
これらの変形例では、排気が行われるエンクロージャ(典型的には18)に振動支持体49が設けられ、その上にデバイス1が置かれる。
【0108】
排気ステップの間、分配弁5は開かれている。典型的には、排気ステップにおいて、
- 分配弁5および/または供給弁4は、弁4および/または5を介してチャンバ45内に真空を作り出すのを容易にするように振動を受ける。これは、弁4および/または5を通るガスの通過を容易にすることを可能にし、および/または
- 好ましくは本発明に係る分配デバイス70が図17に示すようにヘッド2を上にして配置されている場合、弁5は、例えば図19に示すように(例えば工具55で)押すことによる機械的作用によって直接開かれる。
【0109】
始動ステップの間、供給弁4は開かれている。例えば、
- 低圧がチャンバ45に使用されている、および/または
- 供給弁4が振動を受けている。これにより、弁4を通るガスの通過を容易にすることが可能になる。弁5は、弁4よりも密封性が良いことが好ましい。
【0110】
これらの変形例では、排気が行われるエンクロージャ(典型的には18)はコンベヤに沿って配置され、2つの取り外し可能なドア47および48によって境界を定められている。
【0111】
図17に示すように、本発明に係る分配器80がエンクロージャ内でヘッド2を下に(分配弁5を地面側に)している場合、振動は必要なく、エンクロージャ内に作られた低圧はチャンバ45内に可能な限りの低圧を作り出し、リザーバ3は柔軟であり、変形することができる。この低圧は、大気圧でポケット45内に空気を吸い込み、弁4の近くの産物はチャンバ45に入る。
【0112】
図19を参照すると、始動操作は、工具55を備えた吸引ヘッド66を用いて大気圧でエンクロージャ18の外側で実行することができるが、ヘッド66が引き出されると、弁は閉じられる。従って、工具55は、引き抜き中およびヘッド66の取り外しの少し前でさえも弁5に作用しない。
【0113】
当然ながら、本発明の様々な特徴、形状、変形、および実施形態は、それらが互いに不適合または排他的ではない限り、様々な組み合わせで互いに関連付けることができる。特に、上記の全ての変形例および実施形態は互いに組み合わせることができる。
【0114】
図1から図18の全ての実施形態において、分配弁5は、
- 流体の流れがチャンバ45から出口6に向かってまたは空間15に向かって(例えば、空間15から吸引することによって)生成され、および/または
- チャンバ45の内側に対して出口6または空間15に低圧が形成される場合に、その閉位置から開位置に移動するように構成されていることに留意されたい。これにより、ポケット45に低圧を容易に形成できる。
図19の場合は、他の逆の変形例である。
【0115】
図1から図18の全ての実施形態において、分配弁5は、
- 流体の流れが出口6からまたは空間15からチャンバ45に向かって生成され、および/または、
- 出口6または空間15に対してチャンバ45に低圧が形成される場合に、閉位置に留まるように構成されていることに留意されたい。
【0116】
これは始動中に空気が出口6を通ってチャンバ45に入るのを防ぐ。
図19の場合は、他の逆の変形例である。
【0117】
図1から図19の全ての実施形態において、供給弁4は、
- 流体の流れがオリフィス7または供給導管からチャンバ45に向かって生成され、および/または、
- 低圧がオリフィス7または供給導管に対してチャンバ45に形成される場合に、その閉位置から開位置に移動するように構成されていることに留意されたい。
これは始動を容易にする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19