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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】機械的相互作用の検出
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20220621BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20220621BHJP
   G01L 1/18 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
G06F3/041 600
G06F3/02 E
G01L1/18 Z
G06F3/041 570
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019545739
(86)(22)【出願日】2018-02-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 GB2018000031
(87)【国際公開番号】W WO2018154265
(87)【国際公開日】2018-08-30
【審査請求日】2021-02-22
(31)【優先権主張番号】1703109.7
(32)【優先日】2017-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519104503
【氏名又は名称】ペラテック ホールドコ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145883
【弁理士】
【氏名又は名称】新池 義明
(72)【発明者】
【氏名】ギャレット, マイケル ロバート
(72)【発明者】
【氏名】メテルス, ジョエル エリック クリストファー
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-049011(JP,A)
【文献】特表平11-509674(JP,A)
【文献】国際公開第2016/103350(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/02
G01L 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力の適用がないと実質的に非導電性であり、圧力に応答して導電性が増加する検出素子に通電し;
前記検出素子によって最初に検出できる適用された圧力に応答してプロセッサを低電力消費状態から中断させ
前記検出素子が前記プロセッサを中断させる第1モードと前記プロセッサに入力データを提供する第2モードの両方で動作するように、前記検出素子が適用された圧力を更に監視するように前記プロセッサを構成し;そして
前記第1モードの間に、前記検出素子、参照抵抗器及び閾値抵抗器の直列接続を通して電流を供給することによって前記検出素子に通電する:ここで
前記参照抵抗器と前記閾値抵抗器の間に存在する電圧が前記プロセッサに割り込み信号を供給し;
前記第1モードの間に、前記プロセッサの第1入力が前記割り込み信号を受信し;そして、
前記第2モードに入る前に、前記第1入力が前記プロセッサによって接地される
ことを特徴とする機械的相互作用の検出方法。
【請求項2】
前記第2モードの間に、前記検出素子と前記参照抵抗器の間に存在する電圧が前記プロセッサに入力信号を供給する、請求項記載の機械的相互作用の検出方法。
【請求項3】
割り込み入力とデータ入力を備えたプロセッサ;及び、
圧力の適用がないと実質的に非導電性であり、圧力に応答して導電性が増加する検出素子を含み:
前記プロセッサは、
第1モードの間に低電力消費状態に入っており;
前記検出素子上に適用された最初の検出可能な圧力に応答して前記低電力消費状態の間に割り込み信号を受信し、それにより、監視活動中である第2モードに入っており;そして
前記第2モードの間に、同じ前記検出素子が低電力消費状態である前記第1モード及び監視活動中である前記第2モードの両モードの間に適用される圧力に応答するように、前記検出素子に適用される圧力を更に監視するように構成されていることを特徴とする機械的相互作用の検出装置であって
前記プロセッサが、前記第1モードの間に、前記検出素子、参照抵抗器及び閾値抵抗器の直列接続を通して電流を供給するように構成されている;ここで
前記割り込み信号が、前記参照抵抗器と前記閾値抵抗器の間に存在する電圧から生じており;
前記プロセッサが、
前記割り込み信号を受信するために、前記第1モードの間に第1入力を割り込み入力として確立し;そして
前記第2モードに入ると、前記第1入力のピンを接地するように構成されている
ことを特徴とする検出装置。
【請求項4】
前記プロセッサが、
第2入力を入力データとして監視し;そして、
前記第2モードの間に、前記検出素子と前記参照抵抗器の間の電圧を前記第2入力で受け取るように構成されてい
請求項記載の検出装置。
【請求項5】
前記検出素子が、検出素子の配列を提供するために複数の同様な検出素子に含まれている、請求項3又は請求項4記載の検出装置。
【請求項6】
前記プロセッサが、
多重化された入力データを生成するために、前記配列内の検出素子を順次監視し;そして、
前記多重化された入力データから機械的相互作用の位置を決定するように構成されてい
請求項記載の検出装置。
【請求項7】
前記検出素子が、複数の入力線を介して連続的に通電されており
前記各入力線の通電中、複数の出力線が連続的に監視されている;そして、
前記第2モードの間に、それぞれの入力電圧を生成するために、前記各力線が各参照抵抗器を含む
請求項記載の検出装置。
【請求項8】
1つの検出素子とそれぞれの参照抵抗器の各直列接続が、共通の閾値抵抗器と直列に接続されている、請求項記載の検出装置。
【請求項9】
機械的相互作用が手による加圧によって引き起こされ、前記プロセッサが出力制御信号を生成するように構成されている、請求項ないしのいずれか1項記載の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2017年2月25日に出願された英国特許出願第1703109.7号に基づく優先権を主張するものであり、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[発明の背景]
本発明は、機械的相互作用を検出する方法に関する。本発明は、また、機械的相互作用を検出する装置に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
タッチスクリーン上のオペレータの指の動きに応答して機能が制御されるように、手で応答するタッチスクリーンを備え、バッテリーで作動する制御装置が提供されていることが知られている。この機能レベルを提供するためには、電気エネルギーが継続的に必要であるので、しばしば、毎日再充電操作を行うことによって補充しなければならないことが一般に認められている。
他の利用では、装置に従来の使い捨て電池が備えられている。これらの電池は頻繁に交換する必要がないことが望まれる。したがって、この種の装置は、従来のスイッチを操作するための物質としてのボタンを備える傾向がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[発明の簡単な説明]
本発明の第1の観点によれば、圧力の適用がないと実質的に非導電性であり、圧力に応答して導電性が増加する検出素子に通電し;前記検出素子によって最初に検出できる適用された圧力に応答してプロセッサを低電力消費状態から中断させ前記検出素子が前記プロセッサを中断させる第1モードと前記プロセッサに入力データを提供する第2モードの両方で動作するように、前記検出素子が適用された圧力を更に監視するように前記プロセッサを構成し;そして、前記第1モードの間に、前記検出素子、参照抵抗器及び閾値抵抗器の直列接続を通して電流を供給することによって前記検出素子に通電する:ここで、前記参照抵抗器と前記閾値抵抗器の間に存在する電圧が前記プロセッサに割り込み信号を供給し;前記第1モードの間に前記プロセッサの第1入力が前記割り込み信号を受信し;そして、前記第2モードに入る前に前記第1入力が前記プロセッサによって接地されることを特徴とする機械的相互作用の検出方法を提供する。
【0005】
前記第2モードの間に、前記センサ素子と前記参照抵抗器の間に存在する電圧が前記プロセッサに入力信号を供給してもよい。
【0006】
本発明の第2の観点によれば、割り込み入力とデータ入力を備えたプロセッサ;及び、圧力の適用がないと実質的に非導電性であり、圧力に応答して導電性が増加する検出素子を含み:前記プロセッサは、第1モードの間に低電力消費状態に入っており;前記検出素子上に適用された最初の検出可能な圧力に応答して前記低電力消費状態の間に割り込み信号を受信し、それにより、監視活動中である第2モードに入っており;そして、前記第2モードの間に、同じ前記検出素子が低電力消費状態である前記第1モード及び監視活動中である前記第2モードの両モードの間に適用される圧力に応答するように、前記検出素子に適用される圧力を更に監視するように構成されていることを特徴とする機械的相互作用の検出装置であって;前記プロセッサが、前記第1モードの間に、前記検出素子、参照抵抗器及び閾値抵抗器の直列接続を通して電流を供給するように構成されている;ここで、前記割り込み信号が、前記参照抵抗器と前記閾値抵抗器の間に存在する電圧から生じており;前記プロセッサが、前記割り込み信号を受信するために、前記第1モードの間に第1入力を割り込み入力として確立し;そして、前記第2モードに入ると、前記第1入力のピンを接地するように構成されていることを特徴とする検出装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の一実施形態を示し;
図2図2は、個々の検出素子を示し;
図3図3は、検出素子の配列を示し;
図4図4は、マイクロコントローラを含む、図2に示すタイプの装置を多重化する回路を詳細に示し;
図5図5は、図14で特定されたマイクロコントローラによって実行される操作を示し;
図6図6は、図5で特定されたスキャンプロセスを詳細に示し;
図7図7は、基板に取り付けられた図2で特定されたタイプの検出素子を示し;
図8図8は、図7に示すタイプの基板で構成された装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態は、単なる例として、添付の図面を参照して説明される。詳細な実施形態は、発明者に知られている最良の形態を示しており、特許請求の範囲に記載されている発明をサポートしている。しかしながら、それらは例示にすぎず、特許請求の範囲を解釈又は制限するために使用されるべきではない。それらの目的は、当業者に教示を提供することである。
【0009】
[例示的な実施形態の詳細な説明]
図1
図1は、本発明の実施形態を示す。この装置は、適用された力、又は適用された圧力の形を利用し、機械的相互作用を検出するように構成されいると考えることができる。一実施形態では、この適用された力又は圧力は、制御装置上にユーザーの指、つまり親指を適用することによって達成されるが、本発明の本質的な要素は代替環境で実施できることを理解されたい。
プロセッサ101は、割り込み入力102とデータ入力103を含む。検出素子104は、圧力が適用されないと実質的に非導電性であり、適用された圧力の増加とともにますます導電性になる。これらの特性を満たす装置の例については、図2を参照して詳細に説明する。
【0010】
プロセッサは、第1モードで動作するように構成されており、そして、第2モードで動作するようにも構成されている。第1モードは、低電力消費モードとして特定され、第1モードに入るとプロセッサ101が低電力消費状態に入る。一実施形態では、マイクロコントローラの通信ピンは、プログラム制御によって設定を変えることができる。したがって、ピンの多くは、駆動電圧の供給による出力、入力電圧のスキャンによる入力、又は割り込みとして選択できるであろう。したがって、オペレーションの第1モードでは、割り込み機能を提供するために特定の入力ピンが選択される。
【0011】
低電力消費状態(オペレーションの第1モード)の間、装置は、検出素子上に付加された最初の検出可能な圧力に応答して割り込み信号を受信するように設定されている。この最初の適用された圧力を検出すると、プロセッサ101は、監視活動中である第2モードに入るように構成されている。監視活動中である第2モードの間に、検出素子に適用される更なる圧力が測定される。このようにして、同じ検出素子104が、低電力消費の第1モードと監視活動中の第2モードの両方で適用される圧力に応答することが可能である。低電力消費状態からプロセッサを中断し、オペレーションの第2モードの中で監視活動中の機能を実行するために、個別の検出装置を備える必要がない。本願により特定されるタイプの装置は、適切に構成された場合、同じ装置が両タイプの機能を達成することを可能にする。
【0012】
同じ装置が両タイプの動作を促進することができるという結果を達成するために、多くの回路構成が可能であることを理解されたい。図1の実施形態では、プロセッサ101は、オペレーションの第1モードの間に、検出素子104、参照抵抗器105及び閾値抵抗器106の直列接続を通して電流を供給するように構成されている。電流は、出力として構成されているプロセッサ101のインターフェースピンから引き出され、出力駆動電圧を出力駆動線107に供給する。その結果、電流は、検出素子104、参照抵抗器105及び閾値抵抗器106を通って第1の接地コネクタ108から地面に流れる。
【0013】
この実施形態では、割り込み信号は、参照抵抗器105と閾値抵抗器106の直列接続の電圧から得られる。直列接続された抵抗のこの組み合わせを電位分圧器と定義する。
プロセッサ101自体は、第2の接地コネクタ109によって示されるように、接地されている。このように、プロセッサ101によって提供されるインターフェースピンの性質は、一実施形態では、入力信号を受信した後、割り込み入力102を再構成することができるように構成できる。したがって、一実施形態では、プロセッサ101は、前述の電位分圧器を介して割り込み信号を受信するために、第1モードの間に第1入力102を割り込み入力として確立するように構成されている。その後、第1入力102は、第2モードに入るとプログラム制御下で、第2の接地コネクタ109を介して接地される。
【0014】
割り込み線102を地面へ接続することによって回路から閾値抵抗器106が効果的に除去されるので、検出素子104と参照抵抗器105を横切ってすべての利用可能な電圧が現れる。一実施形態では、プロセッサは第2入力103をデータ入力として監視するように構成されている。このデータ入力は、第2モードの間、検出素子104と参照抵抗器105の間の電圧を受領し、第2の分圧器を効果的に規定する。
【0015】
したがって、要約すると、オペレーションの第1モードの間、参照抵抗器105と閾値抵抗器106の間の接続に現れる電圧は、プロセッサ101に割り込み信号を提供する。この割り込み信号の受信に応答して、割り込み線101は接地され、それによって閾値抵抗器106が効果的に除去される。従来の動作は、第2モードに従って、今や検出素子104と参照抵抗105の間に現れる電圧を入力データとして受信することによって採用される。機械的相互作用に応じて、検出素子104の抵抗変化を使用してプロセッサを低電力消費状態から中断し、その後更なる機械的相互作用の範囲に関する入力データを提供するような、他の回路構成が可能であることを理解されたい。
【0016】
図2
図2は、図1に示したタイプの検出素子104の例を詳細に示す。この例では、検出素子は、本願の出願人によって商標QTCのもとに販売されている材料を含むセンサの形態をとる。このタイプの材料は、「量子トンネル化合物」という名称でも特定されている。
図2に示すタイプのQTCセンサは、感圧膜スイッチであり、力すなわち圧力の付加後に予測可能な方法で抵抗を変化させる。図1を参照して説明したように、センサは可変抵抗器の電気特性を持ち、図1を参照して説明したような電子システムに実装でき、上述のように電位分圧回路の一部として実装される。
【0017】
図3
一実施形態では、複数の同様の検出素子に含めて、検出素子104を検出素子の配列301として提供することが可能である。この例では、配列301は15個の列302と5個の行303からなる。第1列コネクタ304は、図4を参照して説明するように、プロセッサから駆動電圧を受け取る。同様に、第1行コネクタ305は プロセッサへスキャンした電圧を提供する。圧力の適用がないと配列301内の検出素子はすべて非導電性のままである。しかしながら、特定の検出素子の位置に十分な圧力が加えられると、その検出素子は導電性になり、それによって入力駆動線と出力スキャン線の間に伝送経路をもたらす。
【0018】
図4
図3を参照して説明したタイプの配列は、図4に示すタイプの処理回路に接続する。したがって、第1列コネクタ304は第2列コネクタ401に接続し、第1行コネクタ305は第2行コネクタ402に接続する。
マイクロコントローラ403として実装されたプロセッサは、検出素子を連続的に監視して、多重化された入力データを生成する。その後、マイクロコントローラ403は、多重化された入力データから機械的相互作用の位置を決定するように構成されている。したがって、マイクロコントローラ403は、図5で特定し、図6を参照して詳細に説明するように、スキャン動作を実行する。これにより、配列301の検出素子に複数の入力線404を介して連続的にエネルギーを与えることができる。さらに、各入力線の通電中に、複数の出力線405が順次監視される。本実施形態では、各出力線は参照抵抗器を含む。この例では、5つの出力線が存在し、第1参照抵抗器411、第2参照抵抗器412、第3参照抵抗器413、第4参照抵抗器414、及び第5参照抵抗器415が提供される。したがって、各参照抵抗器は、第2モードの間に各入力電圧を生成する。
本実施形態では、1つの検出素子と各参照抵抗器の各直列接続は、共通の閾値抵抗器416と直列に接続され、これは再び第3の接地コネクタ417に接続される。
【0019】
図6を参照して説明するように、一連のスキャンは第2モードの間に実行され、このタイプのスキャンを実行するには、多くの実施形態ではバッテリが実装された電源からかなりのレベルの電力を引き出す必要があることが理解される。
上述のように、第1モードでは、消費電力が最小限に抑えられる。マイクロコントローラは、低電力消費状態に入るように構成されている。割り込み入力418が提供され、マイクロコントローラ403は、その低電力消費状態から中断され、その後、割り込み信号を受信すると、第2モードに入るように構成されている。
【0020】
第1モードに入ると、低電力消費状態に入る前に、すべての入力線404は、入力電源419から入力電源電圧を受領するマイクロコントローラ403によって通電される。しかしながら、機械的相互作用はなく、すべての検出素子104は非導電性のままであるため、入力線404は実質的に供給電圧(入力電源419から)のままであり、最小電流が第3の接地コネクタ417に流れる。したがって、第1モードでは、電圧が印加されているという点で、配列301はアクティブであるが、検出素子の非導電性の性質によって、実際の電流の流れは最小限であり、典型的にはわずか数マイクロアンペアである。
【0021】
配列内の任意の場所に機械的圧力が加えられると、1つ又はより多くの検出素子が導電性になる場合がある(十分な圧力が加えられていると仮定する)。この結果、電流は1つ又はより多くの参照抵抗器411から415を通って流れ、そして、それゆえに共通の閾値抵抗器416を通って流れるであろう。したがって、この結果として、参照抵抗器と共通の閾値抵抗器416の間に電圧分圧器が確立され、割り込み線418上に割り込み電圧が供給される。上述のように、割り込みを受信すると、マイクロコントローラ403は第2モードに入り、割り込み線418が第4接地端子420に接続される。そして、スキャン動作中に、配列内の検出器と参照抵抗器411から415の直列接続から電圧が得られる。
【0022】
図5
図5は、本発明の態様を具体化する装置の機能を提供するためにマイクロコントローラ403によって実行される動作を示す。ステップ501で、マイクロコントローラは、通常、電力入力419から受領するような、適切な電源の適用により初期化される。ステップ502で、入力線404はハイに設定される。すなわち、15本(本実施形態では)はすべて電力入力419から実質的に供給電圧を受領する。上述のように、機械的相互作用がないので、実質的に電流が流れないため、この動作電圧を維持しながら電力消費が最小限に抑えられる。
ステップ503で、割り込み線418は、この線で受信する割り込み信号にマイクロコントローラが応答するように構成されている。したがって、このように構成された後、マイクロコントローラ403は、ステップ504で最小電力消費状態(又はスリープモード)に入る。
【0023】
適切に選択された閾値抵抗器(411から415)によって、装置は、検出器のいずれかが割り込み信号を提供するのに十分な導電状態でなくても、ある程度の機械的相互作用を受けることができる。したがって、たとえば、自重では電子装置を第2モードに通電することは不十分であるので、装置の表面を下にして置くことができる。しかしながら、一実施形態において、閾値抵抗器は、1又はより多くの検出素子が導電状態になることによって、装置がユーザーによる適度な圧力の印加に十分に応答するように選択されている。
【0024】
上述のように、最小電力消費状態では、すべての入力線(駆動線)404が通電するため、各センサに駆動電圧が印加され、それぞれのスキャン線(出力線)405を通して電流を流すことができる。電流が駆動線のいずれかを流れ、その後、センサ線のいずれかを介して戻るとき、共通の閾値抵抗器と組み合わせた参照抵抗器の1つが、十分な電流を地面に流す。その結果、共通の閾値抵抗器416の両端に電圧が現れ、割り込み電圧が割り込み線418に印加される。これにより、図5に示すように、マイクロコントローラが割り込み信号を受信する。
【0025】
割り込み信号の受信に応答して、ステップ505に示すように、中断が実行される。これにより、マイクロコントローラは(低電力消費の)第1モードを離れ、第2モード、つまり動作モードに入る。割り込み入力は今やその目的を果たしており、ステップ506に示すように第4の接地コネクタ420に接続されることによりローに設定される。
ステップ507で、入力データを識別するためにスキャン手順が実行される。したがって、図6で詳述するように、入力線404が順次通電されて、多重化動作が実施される。
【0026】
一実施形態では、ステップ508で、データを受信したかどうかについて質問される前に、所定のサイクル数が実行される。装置が誤って、おそらく場所間を移動している間に中断される可能性がある。したがって、装置を停止すると、それ以上の入力データは受信されないため、所定の閾値の後、ステップ508で問われた質問に否定的に回答すると、装置は最小電力消費状態(又は第1モード)に戻り、ステップ502に戻る。
ステップ508で問われた質問に肯定的に回答したならば、データが受信されたという効果に対して、ステップ509で、受信されたデータは既知の技術に沿った方法で処理される。その後、ステップ510で、シャットダウン条件が発生するかどうかについて質問され、答えが否定的であると、ステップ507で更なるスキャンが実行される。
【0027】
図5に関して説明した手順は、圧力の適用がないと実質的に非導電性であり、圧力の適用に応答してますます導電性が増加する検出素子にエネルギーを与える機械的相互作用の検出方法を提供する。プロセッサは、検出素子によって最初に検出された圧力の適用に応答して、低電力消費状態から中断される。さらに、プロセッサは、検出素子に適用された更なる圧力を監視し、同じ検出素子がプロセッサを中断する第1モードと、プロセッサに入力データを提供する第2モードの両方で動作するように構成されている。
【0028】
図6
図6は、入力データを生成するためのスキャン手順507を詳細に示す。
ステップ601で、入力線が選択され、通電される。その後、ステップ602で、出力線が選択され、スキャンされる。これにより、特定のセンサについて、通電された入力線とスキャンされた出力線の交点で特定の結果が得られる。そして、ステップ603で、このスキャンの結果が保存される。
ステップ604で、別の出力線が存在するかどうかについて質問され、答えが肯定的であると、この次の出力線が選択され、ステップ602でスキャンされる。したがって、この手順は繰り返されるので、特定の入力線について、すべての出力線がスキャンされる。
【0029】
その後、ステップ605で、別の入力線(404)が存在するかどうかについて質問され、答えが肯定的であると、ステップ601で次の入力線が通電される。したがって、この手順は再び繰り返されるので、この入力線について、すべての出力線がスキャンされる。
最終的に、ステップ605で、すべての入力線にエネルギーが供給されるかどうが聞かれると否定的に回答する。次いで、受信データは、図5を参照して上述したように、ステップ508及び509で評価される。
【0030】
図7
図7は、図3及び図4に模式的に示した装置の物理的具現化を示す。
検出素子は基板701上に取り付けられ、基板701はコネクタ702を含む。これによって、(上述した)コネクタ304、305、401及び402を実装する。マイクロコントローラ403は適切な回路基板703上に搭載され、外部装置への接続はインターフェース704を介して行われる。
【0031】
図8
図7のサブアセンブリは、出力制御信号を生成するように構成された制御装置801などの制御装置内に含まれてもよい。例示の目的として、制御装置801はテレビ受信機を制御することができる。
制御装置801は、次に対話型表面803を規定するハウジング802を含む。対話型表面803は、ユーザーが実施する操作によって適用された圧力又は力の形で機械的相互作用を受けるように構成されている。したがって、基板701は、対話型表面803に機械的に近接して配置され、それにより、ユーザーが行なう機械的操作により、配列内の検出素子の抵抗率を制御することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8