(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】改善されたトリガ機能を備えた製品を分注するための装置
(51)【国際特許分類】
B65D 47/34 20060101AFI20220621BHJP
B05B 11/00 20060101ALN20220621BHJP
【FI】
B65D47/34 110
B05B11/00 101K
(21)【出願番号】P 2019571112
(86)(22)【出願日】2018-03-07
(86)【国際出願番号】 FR2018050527
(87)【国際公開番号】W WO2018162850
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2021-02-18
(32)【優先日】2017-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】519325094
【氏名又は名称】プロメンズ ソシエテ アノニム
(74)【復代理人】
【識別番号】100196449
【氏名又は名称】湯澤 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100167793
【氏名又は名称】鈴木 学
(72)【発明者】
【氏名】アンネマン,パスカル
(72)【発明者】
【氏名】ドゥーリン,グウェナエル
(72)【発明者】
【氏名】クルツ,ジョーイ
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0164156(US,A1)
【文献】実開平05-074653(JP,U)
【文献】特表2014-525877(JP,A)
【文献】特開平11-076883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/34
B05B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分注される液体
又はペースト状製品(L)を分注するための装置(1;101;201)であって、前記分注装置は、
前記分注される製品を封入する容器(R)の開口端(E)に設置されるように設けられる接続部材(10;110;210)と、
前記接続部材に対して固定配置されたピストン(3;103;203)と、
前記ピストンとシリンダ本体との間にドージングチャンバ(100;200;300)を画定するように前記ピストンが配置されたシリンダ本体(6;106;206)であって、前記ピストンはドージング入口(35;135;235)と呼ばれる前記ドージングチャンバの入口を形成する少なくとも1つの上流開口部を備え、前記ドージングチャンバは、ドージング出口(73;173;273)と呼ばれる出口を備え、前記シリンダ本体は、展開位置と格納位置との間で前記ピストンに沿って摺動可能である、シリンダ本体(6;106;206)と、
前記ピストンに取り付けられ、凹形状を有する流入膜(50)を備えた流入逆止弁(5;105)と、
を備え、
前記ピストンは、第1の部分(30;130;230)
及び前記第1の部分の少なくとも一部の周囲に嵌合
又はオーバーモールドされたシーリング部材(40;140;240)を形成する第2の部分を備え、前記シーリング部材は、前記ピストンと前記シリンダ本体の1つ
又は複数の側壁との間のシールを強化し、さらに前記ピストン
及び前記流入逆止弁は、別個の部品を形成し、かつ、
前記シリンダ本体が動かないか、
又は前記格納位置に向かって変位すると、前記流入膜が前記
ドージング入口の上部に緊密にクランプされ、前記ドージング入口を閉じる、
及び、
前記シリンダ本体は、その展開位置に向かって変位する際に前記ドージングチャンバ内で発生する負圧を受けると、前記流入膜の前記凹形状が弾性変形して前記ドージング入口を開く
ように配置さ
れ、
前記流入膜(50)がカップの形状を有し、その縁部(以下、流入カップ縁部(53))が凹形状の周囲を画定し、前記凹形状は前記ドージング入口(35;135;235)に面し、前記流入カップ縁部(53)は前記ドージング入口の周囲に配置され、前記流入カップ縁部は、前記緊密なクランプ中に前記シーリング部材(40;140;240)の上部に対する弾性応力の下で支持され、前記流入カップ縁部は、前記ドージングチャンバ(100;200;300)内の負圧中に前記ピストンの上部から離れる、
分注装置(1;101;201)。
【請求項2】
前記ドージング出口(73;173;273)と連通する分注オリフィス(81;181)を備えた前記分注装置(1;101;201)において、前記分注装置(1;101;201)が前記ドージング出口と前記分注オリフィスとの間に配置された流出逆止弁(9;109)をさらに備え、前記流出逆止弁での圧力の増加の下で、前記ドージング出口と前記分注オリフィスとの間の流路を
確保するようにし、前記分注装置は、前記流出逆止弁(9;109)と前記流入逆止弁(5;105)の2つの弁のみを備えることを特徴とする、請求項1に記載の分注装置(1;101;201)。
【請求項3】
前記シーリング部材(40;140;240)が、フレア面(45;145;245)で区切られた中央開口部(46)を備え、その内側には前記ドージング入口(35;135;235)が配置され、前記中央開口部は上流から下流に向かって広がり、前記流入逆
止弁(5;105)は、前記緊密なクランプの間に、前記流入カップ縁部(53)が前記フレア面(45;145;245)の上方に接するように取り付けられることを特徴とする、請求項
1又は2に記載の分注装置(1;101;201)。
【請求項4】
前記流入逆止弁(5;105)が、前記ピストン(3;103;203)の上部に固定された中央部分(54)を含み、前記中央部分の周りに前記膜(50)が配置されていることを特徴とする、請求項1から
3のいずれか一項に記載の分注装置(1;101;201)。
【請求項5】
前記ピストンの前記第1の部分(30;130;230)の上側部分が、前記中央部分(54)がその間にクリップ留めされるクリップラグ(36;136;236)を備え、これらのクリップラグと前記中央部分(54)のクリップ留めされた部分との間に1つ
又は複数の前記ドージング入口(35;135;235)が配置されていることを特徴とする、請求項
4に記載の分注装置(1;101;201)。
【請求項6】
前記クリップラグ(36;236)が、凸状の上側部分(36a;236a)を備え、前記凸
状の上側部分(36a;236a)の面は、前記凹形状の凹面に面して配置されていることを特徴とする、請求項
5に記載の分注装置(1;201)。
【請求項7】
前記ピストン(3;103;203)が、前記接続部材(10;110;210)の管状部分(12;112;212)に取り付けられることを特徴とする、請求項1から
6のいずれか一項に記載の分注装置(1;101;201)。
【請求項8】
前記ピストン(203)のストロークが、前記シーリング部材(240)の長さよりも短いことを特徴とする、請求項1から
7のいずれか一項に記載の分注装置(201)。
【請求項9】
前記ドージングチャンバ(100;300)の頂部が上壁(64;264)を形成し、その内側に前記ドージング出口(73;273)が形成されること、
及び格納位置では、前記上壁の表面の少なくとも一部が完全に覆われ、この部分は前記ドージング出口(73;273)を含み、この被覆は前記流入逆止弁(5)の下流の表面(51)によって、
又は前記流入逆止弁の下流の表面(51)
及び前記ピストン(3;203)の1つ
又は複数の部分(41;241)によって実行されることを特徴とする、請求項1から
8のいずれか一項に記載の分注装置(1;201)。
【請求項10】
前記流入逆止弁(5)
又は前記流入逆止弁(5)
及び前記ピストン(3;203)が前記上壁(64;264)に面する面を有し、これらの面は、前記ドージング出口(73;273)を含む前記上壁の表面の少なくとも一部の形状と相補的な形状であることを特徴とする、請求項
9に記載の分注装置(1;201)。
【請求項11】
前記ドージング出口(73;173;273)と連通する分注オリフィス(81;181)を備えた前記分注装置において、前記分注装置は前記ドージング出口(73;173;273)と前記分注オリフィス(81;181)との間に配置された流出逆止弁(9;109)を備え、前記流出逆止弁での圧力の増加の下で、前記ドージング出口と前記分注オリフィスとの間の流路を
確保するようにすることを特徴とする、請求項1から
10のいずれか一項に記載の分注装置(1;101;201)。
【請求項12】
前記流出逆止弁(109)が、前記シリンダ本体(106)の前記ドージング出口(173)
及び前記シリンダ本体の外側に取り付けられていることを特徴とする、請求項
11に記載の分注装置(101)。
【請求項13】
前記流出逆止弁(109)が、弾性的に変形できる凹形状を有する流出膜(50)を備え、
前記シリンダ本体(106)の展開位置への変位中に、前記流出膜が前記ドージングチャンバ(200)で発生する負圧にさらされると、前記流出膜は、前記シリンダ本体の上部に緊密にクランプされることにより前記ドージング出口を閉じ、前記流出膜の凹形状は、緊密にクランプされた応力を維持するように、前記シリンダ本体の上部に対してこの膜の戻り力を生成するように変形され、
前記シリンダ本体が動かないか、
又は前記
格納位置に変位すると、前記流出膜の凹形状は、前記流体が通過できるように弾性変形するようにする
ことを特徴とする、請求項
12に記載の分注装置(101)。
【請求項14】
前記分注装置が前記ドージング出口と連通する分注オリフィス(81)を備え、前記流出逆止弁(9)が前記分注オリフィスを開閉するように配置されることを特徴とする、請求項
11に記載の分注装置(1;201)。
【請求項15】
前記流出逆止弁(9)が、
前記分注オリフィスの閉塞具(90)と、
前記閉塞具に接続された弾性変形可能なタンク膜(96)と、
前記タンク膜で密閉された密閉タンク(86)と、
を連続して備え、
前記流出逆止弁は、前記タンクの外側の前記タンク膜の面が前記分注オリフィス(81)と前記ドージング出口(73;273)とを接続する連通空間と流体連通するように配置され、一方では前記格納位置に向かって前記シリンダ本体(6;206)の作動中に前記タンク膜が前記製品の変形により応力を受け、前記分注オリフィスの前記閉塞具の解放を駆動するように、そして他方では、前記タンク膜が、前記ドージングチャンバ(100;300)内の負圧中に反対方向に応力を受け、したがって、前記閉塞具を前記分注オリフィスの閉位置に戻すようにする
ことを特徴とする、請求項
14に記載の分注装置(1;201)。
【請求項16】
前記分注装置が、
前記接続部材(210)について、前記容器(R)の前記開口部(O)と連通することを目的とす
る流路オリフィス(220)
と、
前記流路オリフィス(220)に取り付けられた追加管(310)
とを
更に備え、
前記管の下端が前記分注装置の前記製品の入口(E’)を形成するようにすることを特徴とする、請求項
15に記載の分注装置(201)。
【請求項17】
前記管(310)が、前記流路オリフィス(220)の直径よりも少なくとも20%小さい直径を有する内部セクションを有し、前記流路オリフィスの下に延びることを特徴とする、請求項
16に記載の分注装置(201)。
【請求項18】
前記ピストン(3;103;203)が、前記シリンダ本体(6;106;206)の1つ
又は複数の側壁(61;261)と接触する下側周辺リップ(42;242)を備えることを特徴とする、請求項1から
17のいずれか一項に記載の分注装置(1;101;201)。
【請求項19】
分注される液体
又はペースト状製品を調整するためのアセンブリであって、前記アセンブリは、
前記分注される製品(L)を封入するための容器(R)と、
接続部材(10;110;210)の流路オリフィス(20;120;220)が前記容器の内部と連通するように、前記容器の開口端(O)に設置されている、請求項1から
18のいずれか一項に記載の分注装置(1;101;201)と
を備える、アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に化粧品用途のために、分注される液体またはペースト状製品、特にクリーム、軟膏またはペーストを分注するための装置に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、分注される製品を含む容器の開口部に取り付けられるように設けられる分注装置に関し、製品は、容器の開口部から分注オリフィスを通過することにより分注装置の分注オリフィスを通って出る。
【0003】
より詳細には、この分注装置は、このドージングチャンバの容積に対応する所与の量の分注を可能にするドージングチャンバを備えたポンプを形成する。
【背景技術】
【0004】
液体またはクリームを含む容器のネックに取り付けられた分注装置が先行技術から知られている。
【0005】
これらの装置には、ポンプを形成する部品、特に容器に対して静止しているシリンダ本体と、このシリンダ本体内で下降するピストンが含まれる。中央ダクトは、ピストンとピストンを変位させるロッドの内側に長手方向に延びている。このダクトの一端は、ピストンのドージングチャンバに接続され、他端は、ロッドの上部で製品の分注オリフィスにつながる追加のダクトに接続されている。
【0006】
ポンプがすでにトリガされている場合、つまり、ドージングチャンバおよびこのチャンバと分注オリフィスとの間のすべての連通空間が分注された製品で満たされている場合、押しボタンによるピストンの作動により、シリンダ本体の底部とピストンの底部との間に形成されたドージングチャンバに存在する製品は、中央ダクトを通って分注オリフィスに送達され得る。ピストンが反対方向に移動すると、デプレッションが発生し、ドージングチャンバ内の製品の吸引を促す。ドージングチャンバの入口と出口に逆止弁が存在するため、ピストンが下降すると製品が分注オリフィスの方向に正しく送達され、上昇すると吸引される。
【0007】
これらの装置の中で、3つの逆止弁を備えた分注装置が知られており、1つ目はドージングチャンバの入口に、2つ目はドージングチャンバの出口に、3つ目は分注オリフィスにあり、分注弁と呼ばれる。送達中、製品によって加えられる力により、分注弁が開き、製品を分注できる。この分注弁は、分注オリフィスを閉じ、製品、特にクリームの細菌汚染または2回の使用の間の乾燥から保護することを目的としている。
【0008】
ただし、この分注弁は、弱い圧力で弁が開くのを防ぐために、開くことに対してある程度の抵抗力があり、したがって、意図しない開口を防ぐ。
【0009】
国際出願公開第2013001193号パンフレットのような2つの弁のみを含む分注装置もあり、2つの弁はドージングチャンバの入口にある低部弁と分注オリフィスにある分注弁である。したがって、ドージング出口に中間弁がない。
【0010】
これらの様々な装置では、使用開始時に連通空間が空気で満たされている。液体で満たすために、この空気を連通空間からパージする必要がある。次に、ピストンを使用して、1つまたは複数の往復運動を実行する必要がある。ピストンは、圧力が分注弁を開くのに十分になるまで、ドージングチャンバからこれらの連通空間に向かって空気を除去し、そ
のため、空気は内部で圧縮される。その後、空気は分注装置から排出され、空気が除去されると閉じ、圧力が分注弁を開いたままにするには不十分になる。次に、ピストンが上昇し、低部弁により容器内の一定量の製品を吸引する。空気が完全にパージされるまで、必要に応じて操作が繰り返される。これらのパージ操作はトリガに対応している。
【0011】
分注される量が比較的多い場合、これらの装置は正常に動作する。実際、そのような場合、ドージングチャンバの容積は、分注弁の開口を可能にするのに十分な圧力を連通空間に生成するのに十分である。ただし、特定のドージング量以下では、トリガが煩雑になり、誤動作することさえある。
【0012】
したがって、上記のように2つの弁のみを使用する装置の場合、圧力が分注弁を開くには不十分であるため、このトリガを実行するには圧力が不十分になる限界ドージング量がある。
【0013】
さらに、圧力がこの限界に近い場合、弁を開いてトリガを実行するのに十分なだけであるが、かなり大きなサイズの気泡が液体中に存在し、これらの連通空間が上昇すると、アンプライミングの問題が発生する可能性がある。
【0014】
上記の3つの弁を使用する装置の場合、アンプライミングは発生しないが、少量のドージングチャンバでは、上部弁と分注弁との間の圧力が十分になり分注弁が開く前にこれを数回ポンプする必要がある。トリガは煩雑になる。最悪の場合、ユーザは分注装置に欠陥があると考えて、この装置を破棄する可能性がある。
【0015】
解決策は、分注弁の抵抗を減らすことであり得るが、これにより、偶発的な分注のリスク、および/または連通空間に含まれる液体と外気が接触するリスクが高まり、これは、例えば、製品が空気中で容易に酸化する場合に特定の製品には不都合であり得る。
【0016】
さらに、出願人は、特に流入逆止弁が従来技術の特定の装置の球形である場合、特定のトリガの問題が逆止弁の気密性の問題に直接起因することに気づいた。球形をしたこの逆止弁は、重力と分注システムの位置に応じて変位し、その気密性を失う可能性がある。
【0017】
また、仏国特許第2848618号明細書は、手動ポンプが逆にされた2つの弁を備えた装置、すなわち、静止しているピストンと移動可能なシリンダ本体である装置を開示している。逆止弁は、ピストンと一体になっている。
【0018】
この弁は、実際にピストンの一部を形成している。この部分はキャップを形成し、その環状スカートはピストンの横方向の気密性を提供する。キャップの底部は、ドージングチャンバの入口を開閉するように、ピストンの剛性基部の頂部に形成されたニップルと協働する中央開口部を含む。ただし、この逆止弁の気密性は改善できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【文献】国際公開第2013/001193号パンフレット
【文献】仏国特許第2848618号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
したがって、本発明が解決しようとする技術的問題は、特にそのドージングチャンバの容積が小さい場合、例えば0.15~0.4ミリリットル(ml)の場合、分注装置のトリガを改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
このため、本発明の第1の目的は、分注される液体またはペースト状製品を分注するための装置であって、この装置は:
分注される製品を封入する容器の開口端に設置されるように設けられる接続部材と、
接続部材に対して固定配置されたピストンと、
ピストンとシリンダ本体との間にドージングチャンバを画定するようにピストンが配置されたシリンダ本体であって、ピストンはドージング入口と呼ばれるドージングチャンバの入口を形成する少なくとも1つの上流開口部を備え、ドージングチャンバは、ドージング出口と呼ばれる出口を備え、シリンダ本体は、展開位置と格納位置との間でピストンに沿って摺動可能である、シリンダ本体と、
ピストンに取り付けられ、凹形状を有する流入膜を備えた流入逆止弁と、
を備え、
ピストンは、第1の部分および第1の部分の少なくとも一部の周囲に嵌合またはオーバーモールドされたシーリング部材を形成する第2の部分を備え、このシーリング部材は、ピストンとシリンダ本体の1つまたは複数の側壁との間のシールを強化し、ピストンおよび流入逆止弁は別個の部品を形成し、
シリンダ本体が動かないか、または格納位置に向かって変位すると、流入膜が前記ジョイントの上部に緊密にクランプされ、ドージング入口を閉じる、および、
シリンダ本体がその展開位置に向かって変位する際にドージングチャンバ内で発生する負圧にさらされると、流入膜の凹形状が弾性変形してドージング入口を開く
ように配置されている。
【0022】
したがって、固定ピストンと可動シリンダ本体を実装することにより、可動シリンダ本体はピストン上で下降し、ドージングチャンバの上部から直接ドージングチャンバから空気を除去し、これにより、ドージングチャンバと分注弁との間の連通空間を減らすことができる。
【0023】
上記の段落で述べたこの反転ポンプの効果は、上記の本発明の第1の目的によるピストンおよび弁の特定の実現により増大する。ピストンと弁のこの特定の実現は、流体がドージングチャンバの入口を介してのみドージングチャンバの内側に向かってのみ通過できるように膜が配置されているため、特にシリンダ本体がピストン上に引っ込んだときの、ドージングチャンバの入口の気密性を強化することができる。
【0024】
この気密性、したがって圧力の増加は、以下の特性間の相乗効果により強化される:
緊密なクランプ,
ピストンの2つの部分の実現であって、そのうちの1つは横方向の気密性を有し、その上で緊密なクランプが行われる,
ピストンから、特にその第2の部分から分離した弁。
【0025】
本発明による分注装置を用いた緊密なクランプに関して、流入逆止弁は、ピストンと逆止弁との間のプレストレスを付与したシールによりピストンに固定され、これにより、静止時、つまりシリンダ本体が動いていないとき、またはシリンダ本体が格納位置または移動終了位置に向かって変位している間に、この格納位置への変位中の分注装置の位置に関係なく、一定の気密性のクランプを保持することが可能になる。
【0026】
2つの部分でのピストンの実行に関して、逆止弁とピストンの第2の部分は両方とも、気密性を提供するように設計されている。その結果、このシーリング部材とこの弁との間の緊密なクランプは非常に効果的であり、前段落で述べたプレストレスの方がより効果的である。
【0027】
特に、この弁およびこのシーリング部材は、剛性材料で作られたピストンの第1の部分と比較して、それぞれ柔軟な材料で形成されることができる。弁の材料とシーリング部材の材料は同一であってもよい。
【0028】
したがって、この相乗効果により、トリガ問題が発生するリスクを減らすことができる。したがって、トリガ中のシステム内の圧力の増加が改善され、デッドボリュームの存在を補償し、それにより、より小さなボリュームのドージングチャンバを使用することが可能になる。
【0029】
分注装置は手動ポンプを形成できる。
【0030】
なお、分注装置では、ドージングチャンバは、ピストンの上部とドージングチャンバの頂部との間に画定されている。特に、流入逆止弁は、ドージングチャンバの頂部に面するピストンに取り付けられている。
【0031】
なお、展開位置は、ドージングチャンバの頂部が流入逆止弁およびピストンから離れた位置に対応している。
【0032】
また、格納位置、または移動終了位置は、ドージングチャンバの頂部が展開位置よりも流入逆止弁に近い位置に対応し、特にドージングチャンバの頂部は流入逆止弁に接している。
【0033】
本発明によるアプリケーション装置は、オプションとして、以下の特徴の1つまたは複数を有することができる:
-流入膜の凹形状は、ピストンの上部に対する膜の戻り力を生成するように変形して、緊密にクランプされた応力を維持するようにする;
-ドージング入口は、容器から来る液体を受け取ることを目的とした接続部材の流路オリフィスと連通して配置される;
-分注装置は、特に連通空間を介して、ドージング出口と連通している分注オリフィスを備えている;
-ピストンの第1の部分は、一方の側が液体と連通し、もう一方の側がドージング入口と連通する中央ダクトを備えている;
-流入逆止弁は、流体シールにより得られる、空気および液体への流入膜の凹形状によって与えられる寸法締め付けプレストレスで、ピストン上に密閉された方法で組み立てられ;寸法締め付けプレストレスという用語は、ピストンに弁が取り付けられると、ここでは凹形状のレベルで、応力を受けないときにこの凹形状の形状に対して変形するように行われる締め付けを意味し;したがって、この凹形状にはプレストレスが付与されている;
-流入逆止弁はピストンとの気密性を失い、膜はドージングチャンバの内側と分注装置の外側との間の-20mbar未満の負圧の差から弾性的に変形し;したがって、この気密性は、圧力の非常に低い差から膜の弾性変形によって破られ、流体をドージングチャンバに入れることが可能になる;
-流入膜はカップの形状を有し、その縁部(以下、流入カップの縁部)が凹形状の周囲を画定し、凹形状はドージング入口に面し、流入カップの縁部はドージング入口の周囲に配置され、流入カップの縁部は前記緊密なクランプの間に、すなわち、シリンダ本体が動かないか、または移動終了位置に向かって変位するとき、シーリング部材の上部に対して弾性応力を受け、流入カップの縁部は、ドージングチャンバ内の負圧中にピストンの上部から離れ;出願人は、そのような形状により、ドージングチャンバの圧力が上昇している間も含めて、気密性を維持するために簡単な方法で良好な結果が得られることに気づいた;
-シーリング部材は、フレア面で区切られた中央開口部を備え、その内側にはドージング入口が配置され、この中央開口部は上流から下流に向かって広がり、流入逆止弁は、前記緊密なクランプの間に、流入カップの縁部がこのフレア面の上方に接するように取り付けられ;このようにして、緊密な応力での圧迫が強化され;このフレア面を円錐形にすることができる;
-流入逆止弁は、ピストンの上部に固定された中央部分を備え、膜はこの中央部分の周りに配置され;このタイプの弁は、シーリング部材のより均一かつ緊密なクランプに協働するのに適している;
-ピストンの第1の部分の上側部分は、中央部分がその間にクリップ留めされるクリップラグを備え、これらのクリップラグと中央部分のクリップ留めされた部分との間に1つまたは複数のドージング入口が配置され;これにより、弁および1つまたは複数のドージング入口を実現し、簡単に取り付けられる;
-クリップラグは、凸面が凹形状の凹面に面して配置された凸状上側部分を含み;これにより、膜がクランプで反転するリスクを防止し、クランプを強化することができる;
-ピストンは接続部材の管状部分に取り付けられ;これにより、特に第2の部分によって形成されたシーリング部材が第1の部分にオーバーモールドされている場合、2つの部分でのピストンの実現が容易になる;
-ピストンのストロークがシーリング部材の長さより短く;これにより、シーリング部材は、ドージングされる製品と接触するシリンダ本体の部分の底部を超えないようにすることができ;これにより、ドージングチャンバ外に製品が漏れるリスクが減少する;
-ドージングチャンバの頂部は上壁を形成する;
-ドージング出口は上壁の内側に形成され;
-格納位置では、上壁の表面の少なくとも一部が完全に覆われ、この部分はドージング出口を含み、この被覆は流入逆止弁の下流の表面、または流入逆止弁の下流の表面とピストンの1つまたは複数の部分によって行われ;したがって、シリンダ本体がその格納位置に向かって変位する間、空気は実質的に完全に、さらには完全に、ドージングチャンバから除去され;特定の代替形態によれば、この被覆は上壁全体に行われる;
-流入逆止弁または流入逆止弁とピストンは、格納位置で上壁の表面の形状に追従するように配置され;これにより、上壁を完全に覆い、ドージングチャンバ内のすべての空気を除去することができる;
-流入逆止弁または流入逆止弁とピストンは、上壁に面する面を有し、これらの面は、ドージング出口を含む上壁の表面の少なくとも一部の形状と相補的な形状であり;これは、この出口が位置する上壁の少なくとも一部を覆うことを可能にする実施形態であり、したがって、トリガ中にドージングチャンバからより多くの空気を除去し;特定の代替形態によれば、形状は上壁全体を補完するものであるため、空気を完全に除去することができる;
-上壁は、流入逆止弁に面して配置された環状溝を備え、移動終了位置で流入膜の凹形状が環状溝に収容されるようになっており;したがって、流入膜に適合した形状がある;
-ドージング出口は環状溝に配置され;したがって、トリガ中に空気がより効果的に除去され、膜は空気が包み込む部分に空気を押す;
-流入逆止弁は、ピストンの中央セクタを1つだけ覆い、ピストンは、中央セクタの周囲に配置された上壁に面する周辺セクタを有し、周辺セクタは、環状溝の周囲に配置されかつ周辺セクタに面する周辺ゾーンを有し、移動終了位置で周辺ゾーンが周辺セクタと接触し;これにより、ピストンを使用してのみ、ドージングチャンバの1つまたは複数の側壁に対して摩擦を行うことが可能であり;周辺セクタはリップで形成され得る;
-分注装置は、この流出逆止弁での圧力の増加の下で、ドージング出口と分注オリフィスとの間の流路をクリアするように、ドージング出口と分注オリフィスとの間に配置された流出逆止弁を含み;これにより、シリンダ本体が移動終了位置から展開位置に戻ったときに、分注装置を閉じることができる;
-分注装置は、流入逆止弁と流出逆止弁の2つの弁のみで構成され;これは簡単に実現
できる装置である;
-流出逆止弁は、シリンダ本体およびシリンダ本体の外側のドージング出口取り付けられ;したがって、流出逆止弁はドージングチャンバを直接閉じ;追加の連通空間を形成するダクトで接続することにより、直後または少し先に分注オリフィスを配置することができ;これは、液体自体が防腐剤および/または抗菌剤を含む場合など、汚染のリスクがほとんどない製品に使用できるより単純なモードである;
-前の段落によれば、流出逆止弁は、次のような方法で弾性的に変形できる凹形状を有する流出膜を備える:
・シリンダ本体の展開位置への変位中に、流出膜がドージングチャンバで発生する負圧にさらされると、流出膜は、シリンダ本体の上部に緊密にクランプされることによりドージング出口を閉じ、流出膜の凹形状は、緊密にクランプされた応力を維持するように、シリンダ本体の上部に対してこの膜の戻り力を生成するように変形され、
・シリンダ本体が動かないか、または移動終了位置に変位すると、流出膜の凹形状は、流体が通過できるように弾性変形し;
したがって、流出逆止弁は、プレストレスを付与したシールによってシリンダ本体に固定され、これにより、シリンダ本体が展開位置に変位する間、この変位中の分注装置の位置に関係なく、密閉状態を一定に維持することができるため、ドージングチャンバの新しい空気入口により、発生するトリガ問題のリスクを低減し;したがって、トリガ中のシステム内の圧力の増加が改善される;
-前の段落のいずれかに従って、流出逆止弁はシリンダ本体の頂部でその気密性を失い、流出膜はドージングチャンバの内側と分注装置の外側との間の20mbarを超える圧力差から弾性変形し;したがって、分注装置を不用意に開くリスクが低減される;
-流入逆止弁および/または流出逆止弁は、ショアA硬度が30~90の柔軟な材料、特に熱可塑性エラストマー(TPEとも呼ばれる)で成形され;これにより、製品をトリガまたは分注したいユーザの多大な労力を必要とせずに、シリンダ本体に自発的なアクションがない場合に良好な気密性を維持するための戻り力を生成できる;
-代替として、または前の段落と組み合わせて、流入逆止弁および/または流出逆止弁の膜の厚さは0.15~0.3ミリメートル(mm)であり;この段落と前の段落の組み合わせにより、弾性膜の柔軟性を最適に得ることができ、この膜の非常に薄い厚さと、特にTPEタイプの非常に柔軟な材料との関係のおかげで、流体が通過できるように、良好な気密性と小さい圧力差での変形を可能にする;
-中央部分を含む流入逆止弁および/または流出逆止弁、対応する逆止弁の膜またはこれらの逆止弁の膜は、この中央部分の周りに配置され、このまたはこれらの膜はピストンに沿ってシリンダ本体が摺動する方向に横方向にグローバルに延び;したがって、流入膜および/または場合により流出膜は横方向の円で囲まれており、それぞれドージング入口および/またはドージング出口の被覆に好適であり;頂部が上壁を形成する場合、上壁の被覆を大部分改善することも可能であり;特に、上壁はほとんど流入膜で覆われている;
-流入逆止弁の中央部分は、ピストン内部のクリップにより固定され;これにより、逆止弁の良好な維持が可能になるが、それでもなおピストンの上部で流入膜を締め付けるプレストレスを簡単かつ均一に付与し;したがって、流体の気密性は一定に作成され;実際、流入逆止弁の膜のドーム形状は、柔軟な膜のばね機能を提供し、ピストンに一定のクランプ応力を維持することを可能にする;
-流出逆止弁の中央部分は、シリンダ本体の頂部の内側をクリップ留めすることにより固定され、流出膜はシリンダ本体の外側に配置され;これにより、逆止弁の良好な維持が可能になるが、それでもなお、シリンダ本体の上部に流出膜をクランプするプレストレスを簡単かつ均一に付与し;したがって、流体の気密性は一定に作成され、流入逆止弁の膜のドーム形状は、柔軟な膜のばね機能を提供し、シリンダ本体に一定のクランプ応力を維持することを可能にする;
-流入膜は、上壁に面する上側フランクとピストンに面する下側フランクで構成され、これらのフランクは、特に円形の縁部で分離され、流入膜に凹形状を与え、上側フランク
は凸面で、下側フランクは凹面であり、したがって流入膜の凹形状は中央部分の周りに環状溝の形状を有し;これにより、シリンダ本体がその展開位置に向かって変位するときに流入膜のより容易な変形が可能になり、ドージングチャンバ内に、したがって流入膜の上面にデプレッションが生成され、このデプレッションにより、この柔軟な膜を変形させ得るために、逆止弁のシールを破り、したがって分注装置が取り付けられているリザーバに含まれる流体がドージングチャンバに入ることを可能にする;
-流出弁は、流入弁の形状特性の1つ、いくつか、またはすべてを有することができる;
-ドージング出口に取り付ける代わりに、分注オリフィスを開閉するように流出逆止弁を配置することができ;ここでは、すべての連通空間の閉鎖が提供され;これにより、分注装置内の液体と空気との接触を防ぐことができ;これは、例えば液体自体に防腐剤および/または抗菌剤が含まれていない場合など、細菌汚染に敏感な製品で使用できるようにするモードである;
-前の段落によれば、流出逆止弁は連続して:
・分注オリフィスの閉塞具、
・閉塞具に接続された弾性変形可能なタンク膜、
・必要に応じて、特に閉塞具の閉鎖を求める低圧に適した補助戻り部材、および
・タンク膜で密閉された密閉タンク、
を備え、
流出逆止弁は、タンクの外側のタンク膜の面が、分注オリフィスとドージング出口を接続する連通空間と流体連通するように配置され、一方では、分注オリフィスの閉塞具の解放を駆動するように、シリンダ本体が前記格納位置に向かって作動している間、製品によって変形時に応力を受け、他方で、タンク膜は、ドージングチャンバ内の負圧中に反対方向に応力を受け、したがって、閉塞具を分注オリフィスの閉位置に戻し;
したがって、分注オリフィスの閉塞具の解放を駆動するように、シリンダ本体がその移動終了位置に向かって作動している間、製品によってタンク膜が変形するように求めることができ;このタンクにより、特に低圧、すなわち2バール未満、特に0.4バール未満の圧力で、弁がタイミング悪く開かないようにすることができる;
-補助戻り部材は、タンク膜との恒久的な接続として密閉タンクの内部に軸方向に配置され、異なる特性に応じて2つの弾性変形可能なステージを備え、第1のステージは、前記膜に対して所定値の一定の戻り力を維持し、その結果、閉塞具上で、第2のステージが第1のステージとタンクの底部との間に挿入され、第1のステージよりも大きい戻り力を維持し、タンク膜が求められた場合にのみ作用する;
-第1のステージと第2のステージは中心コアからのものである;
-第1のステージは、外縁がタンクの内壁を支えるカップを形成することにより、中心コアの周りに放射状に延び、このカップは弾性材料で作られており;したがって、閉塞具を分注オリフィスに戻すことを可能にするコアの関節を備えたばね要素がある;
-第2のステージは、外縁がタンクの底部を支えるベルを形成することにより、中心コアから軸方向に延び、このベルは弾性材料で作られており、タンク膜に応力がかかったときにのみ変形して戻り力を加えることができる;
-分注装置は、シリンダ本体にしっかりと取り付けられた分注ヘッドを備え、その壁が分注オリフィスおよびドージングチャンバと連通するオリフィスとを含むハウジングを備え、流出逆止弁は、タンク膜によって片側が密閉された上部容積を画定するようにハウジング内に配置され、この上部容積は、開口部としての分注オリフィスおよびドージングチャンバと連通するオリフィスとを有する;
-分注装置は、容器の開口部と連通することを目的とする接続部材の流路オリフィスに取り付けられた追加管を備え、管の下端が分注装置の製品の入口を形成するようにする;
-管の内部セクションは、シリンダ本体が展開位置に向かって変化したときに、ドージングチャンバのデプレッションが8mbar以上になるように選択されている;
-管の内部セクションは、流路オリフィスの直径より少なくとも20%小さくなってい
る;
-管は流路開口部の下に延ばされている;
-分注装置は、タンク膜と分注オリフィスとの間で、タンク膜と分注オリフィスとの距離で、閉塞具を取り囲むハウジングの内壁の部分に対して配置された縮小リングを備え、レデューサは縮小された流路を有し、その内部に閉塞具がこの縮小された流路の壁から一定の距離で摺動可能に取り付けられ、タンク膜は、縮小された流路の直径よりも大きい直径を有し;したがって、流体圧力をかけることができる膜の表面を拡張しながら、分注ヘッドのデッドボリュームが制限される;
-装置内では:
・接続部材は、ピストンとシリンダ本体を収容する容器を形成し、
・この容器には、容器の開口端を閉じるための底部があり、
・製品の流路オリフィスがこの底部を通過し、
・接続部材は、この流路オリフィスと連通する第1の端部とピストンが取り付けられる第2の端部との間で長手方向に延びる管状部分を備え、ドージング入口は管状部分と連通しており;
これは、ピストンの基部への取り付けの一実施形態であり;これにより、シリンダ本体がピストン上で簡単に下降できる;
-接続部材は、容器の底部から管状部分の周りに特に長手方向に延びるドラムを備えており、シリンダ本体、管状部分、およびドラムは、シリンダ本体の1つまたは複数の側壁が管状部分とドラムとの間を摺動するように配置され;したがって、摺動時のガイドが改善される;
-シリンダ本体の1つまたは複数の側壁は、上壁と開口端との間を延び、この開口端の外面に突出する周辺突起を有し、このバルジと上壁との間のシリンダ本体の直径は、展開位置に近づくと、バルジとドラムの内面の上部との間に半径方向の圧力が発生するように、ドラムの内径に合わせて調整され;これにより、1つまたは複数の側壁の端部の外側の移動終了時に気密性を作成することができる;
-分注装置は、ドラムの周囲に縦方向に配置された渦巻きばねを備え、ばねは一方の側が容器の底部に、他方の側がシリンダ本体に対して固定的に一体化されたストップのセットに支えられ;これにより、ばねを維持し、ばねの座屈のリスクを防ぐことができる;
-ばねとドラムは、ドラムがばねの圧縮または拡張中にばねの回転をガイドするように配置され;これにより、シリンダ本体の作動と展開位置への戻りが容易になる;
-ピストンは、シリンダ本体の1つまたは複数の側壁と接触する上側周辺リップを備え;これにより、ドージングチャンバの気密性を向上させることができる;
-ピストンは、シリンダ本体の1つまたは複数の側壁と接触する下側周辺リップを備え;これにより、ピストンの上部と1つまたは複数の側壁との間を通過した液体をブロックできる;
-ピストンは2つの部分から構成され:第1の部分は、一方の側が液体と、他方の側がドージング入口と連通する中央ダクトを備え、第2の部分は、第1の部分の少なくとも一部の周囲に嵌合またはオーバーモールドされたシーリング部材を形成し、このシーリング部材は、ピストンとシリンダ本体の1つまたは複数の側壁との間のシールを強化する;
-分注オリフィスは、分注オリフィスとドージング出口との間の連通を含む押しボタンに配置され、押しボタンは、特に接続部材に入れ子式にシリンダ本体に固定して取り付けられる。
【0034】
本発明の別の目的は、分注される液体またはペースト状製品を調整するためのアセンブリであって、前記アセンブリは:
-分注される製品を封入するための容器と、
-接続部材の流路オリフィスが容器の内部と連通するように、容器の開口端に設置された本発明による分注装置と、
を備える。
【0035】
したがって、調整のためのこのアセンブリは、充填する準備ができているか、充填して使用する準備ができている。
【0036】
本出願では、「上部(top)」と「底部(bottom)」、「上側(upper)」と「下側(lower)」という用語は、
図2~
図7および
図14~
図18に示すような様々な要素の向きに応じて適用される。用語「上流」および「下流」は、分注中の製品の循環方向に従って適用される。
【0037】
本発明の他の特徴および利点は、理解のために添付図面を参照して、非限定的な例の以下の詳細な説明により明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の第1の例示的な実施形態に対応する、第1の実施形態による分注装置の一例の分解図である。
【
図2】
図1の分注装置によるトリガステップと液体の最初の分注の段階を示す図である。
【
図3】
図1の分注装置によるトリガステップと液体の最初の分注の別の段階を示す図である。
【
図4】
図1の分注装置によるトリガステップと液体の最初の分注のさらに別の段階を示す図である。
【
図5】
図1の分注装置によるトリガステップと液体の最初の分注のさらに別の段階を示す図である。
【
図6】
図1の分注装置によるトリガステップと液体の最初の分注のさらに別の段階を示す図である。
【
図7】
図1の分注装置によるトリガステップと液体の最初の分注のさらに別の段階を示す図である。
【
図8】
図1の装置のシリンダ本体の基部の底面図である。
【
図9】
図1のアプリケーション装置のドージングチャンバの流入逆止弁の上面斜視図である。
【
図11】
図1の装置のピストンの一部の上面斜視図である。
【
図12】
図1の装置のピストンの別の部分の上面斜視図である。
【
図13】
図1のアプリケーション装置の接続部材の上面図である。
【
図14】本発明の第2の例示的な実施形態に対応する、第2の実施形態による分注装置の一例の分解図である。
【
図15】
図14の垂直断面図であり、分注装置が容器に取り付けられている。
【
図16】第1の例示的な実施形態の第2の代替形態による分注装置の断面図である。
【
図18】
図16を示し、弁はピストンに取り付けられている図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、本発明の第1の例示的な実施形態の第1の代替形態による、この例では液体である製品Lを分注するための装置1を形成する様々な部分の分解図を示している。
【0040】
本発明による分注装置は、この例のように、2つの主要なアセンブリ、すなわち、
ドージング部7と、
ドージング部7の上部に固定された分注ヘッド8と、
を備えるポンプ1であり得る。
【0041】
ドージング部7と分注ヘッド8は一緒にポンプ1を形成する。このポンプは、分注装置1に対応している。
【0042】
図2および
図3は、液体Lで満たされた容器、ここでは容器Rに取り付けられたこのポンプを示している。これは、化粧品および/またはケア製品であってもよい。したがって、このポンプ1およびこの容器Rは、製品を調整するためのアセンブリを形成する。
【0043】
ドージング部7は、
図2に示すように、容器のネックCに取り付けられ、ポンプ1をこの容器Rに接合することを目的とする接続部材10を含む。
【0044】
本発明によれば、この例のように、接続部材10は、容器Rの開口端の壁の間に取り付けられたネックシール2によって覆われた底部19を有することができ、接続部材10およびこの開口端に対する気密性を提供するようにする。
【0045】
ドージング部7は、内部にピストン3が取り付けられたシリンダ本体6を備える。
【0046】
本発明の原理によれば、ピストン3は接続部材10に固定的に取り付けられ、シリンダ本体6は、このピストン3の周りを摺動軸Aに沿って摺動することにより移動可能である。この摺動軸は、ここでは、分注装置1の長手方向軸に対応している。
【0047】
本発明によれば、
図1に示すように、ドージング部7の様々な要素は、以下の順序で、摺動軸Aに沿って互いに積み重ねることができる:
-接続部材10の内側に取り付けられたピストン3の第1の部分30、以下、ピストンの基部30,
-管状シール40を形成し、ピストンの基部30の周りに取り付けられたピストンの第2の部分40、
-ピストン3の上部に取り付けられ、したがってピストン3と分離している流入逆止弁5,
-上記のすべての要素の周りに配置された摺動管を形成する側壁61を備えた円筒体の基部60,
-円筒体の基部60と共に前記シリンダ本体6を形成する一対のシーリング部材70,
-円筒体の基部60と接続部材10、特にその底部19との間に圧縮状態で取り付けられ、ここでの回転は摺動管61を取り囲んでいる、渦巻きばね4,
-内部に上記の様々な要素が収容される容器を形成する接続部材10。
【0048】
本発明によれば、図示の例のように、これらの要素30,40,5,60,70,10は、単一の部品から個々に形成され得る。したがって、ドージング部7はかなり単純である。
【0049】
本発明によれば、分注ヘッド8は、この押しボタン80の上部を手動で押すことにより、シリンダ本体6を下方に駆動するように、シリンダ本体6と一体の押しボタン80を含むことができる。
【0050】
この押しボタン80は、分注の際に液体Lを排出する分注オリフィス(
図1では見えない)を前方の片側に含む。分注オリフィスは
図1の右側にある。後方の反対側では、この押しボタン80は、ここで、開くことができ、したがってハウジング85へのアクセスを可能にする。
【0051】
このハウジング内では、次の要素をこの順序で、閉塞軸Bに沿って積み重ねることがで
きる:
-閉塞軸Bの軸に沿って貫通流路を有するレデューサ83,
-閉塞具90を形成する部分と、この第1の部分の後部に、タンク膜96を形成する第2の部分とを有する部品,
-閉塞具90の内部補強部95,
-ここでは、補助戻り部材97,
-補助戻り部材97を収容するタンク86。
【0052】
キャップ87は、押しボタン80のハウジング85を閉じる。
【0053】
本発明によれば、示された例のように、これらの要素が押しボタン80の内側に収容され、押しボタン80およびキャップ87は、単一の部品から個々に形成され得る。したがって、分注ヘッド8はかなり単純である。
【0054】
これらの様々な要素の詳細は、特に、容器Rに取り付けられたポンプ1の長手方向断面を示す
図2から
図7を参照して、以下でより正確に提供されるものとする。図面を明確にするために、すべての参考符号が各図に記されているわけではない。
【0055】
図2は、作動前、すなわち液体Lを分注オリフィス81に運ぶことを可能にする連通空間の間に含まれる空気をパージすることからなるトリガ段階の前のポンプ1を示している。
【0056】
本発明によれば、接続部材10は、液体Lと接触するためにネックCの下に延びることができるように、ネックCへの固定部分よりも低く配置された中央部分を含むことができる。
【0057】
したがって、底部19は、液体Lに面して配置された流路オリフィス20を中央部分に有する。この流路オリフィス20は、ポンプ1内部の液体Lの入口を形成する。
【0058】
この例では、ポンプの取り付けは、ネックCの接続部材10のクリップ留めを介して実行される。
【0059】
接続部材はスカート21を備え、したがって二重壁から形成される。
【0060】
スカート21の下端は開いており、その内壁に、内側に突出し、ネックのクリップラグ26と協働するクリップラグ22を有する。したがって、接続部材10はネックCでブロックされる。
【0061】
ここで、ネックCの内側と基部で、縁部は半径方向に突き出て中間開口部Oを形成する。
【0062】
ネックシール2は、流路オリフィス20の周りに配置されることにより、接続部材10の下および底部を覆うドームを形成する。
【0063】
本発明によれば、ネックシール2を、ここで、接続部材10上にオーバーモールドすることができる。
【0064】
この例では、ネックシール2を形成するドームの下面には、中間開口部Oの突出縁部を支える円形のリップ23があり、これにより、容器Rの開口端に第1の気密ゾーンが形成される。
【0065】
ネックシール2を形成するドームは、ネックCの上部内壁に対して気密な軸受ゾーン24を備えた上縁を有し、したがって、容器Rの開口端に第2の気密ゾーンを形成する。
【0066】
ドームは、ネックシール2がこれらの2つの気密ゾーンの間のネックCの内壁から距離を置くように配置されている。したがって、これらの2つの気密ゾーンの間に乾燥ゾーンが形成され、汚染のリスクの低減に役立つ。
【0067】
流路オリフィス20の周囲には、接続部材10の底部19から長手方向かつ上方に延びる管状部分12が配置されている。この管状部分には、ピストン3が圧入される。このピストン3の管状部分の周りには、シリンダ本体6が取り付けられている。
【0068】
シリンダ本体6の基部60は、上壁64によって上部が区切られた内部空間を有する。摺動管61は、上壁64および開口端74から長手方向下向きに延びている。内部空間は、底部が開口端74によって、側部が摺動管61によって区切られている。
【0069】
図2では、シリンダ本体6は、展開位置で最大限に取り付けられ、したがって、上壁64とピストン3の頂部との間の容積を解放し、この容積がドージングチャンバ100を形成する。したがって、上壁64は、このドージングチャンバ100の頂部を形成する。
【0070】
図3では、シリンダ本体6はピストン3上に完全に下降しており、移動終了位置にある。
【0071】
本発明によれば、この例のように、ピストン3は、ドージングチャンバ100に通じる開口部35を備えた流路37を介して直接通じる中央ダクト34を含むことができる。これらの開口部は、ドージングチャンバ100内の液体Lの入口、以下、ドージング入口35を形成する。
【0072】
中央ダクト34は、管状部分12に直接開口しており、したがって、液体Lと直接連通しており、液体Lをドージング入口35に運ぶことができる。
【0073】
これらのドージング入口35は流入逆止弁5によって閉じられ、流入する流体はドージングチャンバ100に流入するが、これらのドージング入口35によってそこから出るのを防ぐ。
【0074】
図9および
図10にさらに示される流入逆止弁5は、これらのドージング入口35の下流に配置され、これらを閉じることができるようにドージング入口35に面する流入膜50を有する。
【0075】
図3および
図8に示すように、上壁64は、上壁64の中央ゾーン65の周りに配置された環状溝(以下、上部溝66)を含む。この上部溝66の周囲には、周辺ゾーン67を形成する平坦部分が配置されている。
【0076】
本発明によれば、中央ゾーン65、上部溝66および周辺ゾーン67は、摺動軸Aに対して同心円状に配置され得る。
【0077】
この上部溝66の底部、すなわち
図2のドージングチャンバの頂部には、ドージング出口73を形成するオリフィスが配置されており、それを通じて、流体、トリガ後の液体、またはトリガ中の空気がドージングチャンバ100から出ることができる。この例では、ドージング出口73は1つだけである。
【0078】
第1の例示的な実施形態、より具体的には示される例では、流入弁5は、上壁64と少なくとも部分的に相補的な形状を備える。第1の代替形態によると、この相補性は実質的に完全である。一方、
図16から
図18に示され、さらに説明される第2の代替形態では、上壁264は、弁5の側面でのみ相補的である。
【0079】
例えば、
図9および
図10に示すように、流入逆止弁5は中央部分54を備え、その表面は上壁64の中央ゾーン65と同じ直径のディスクを形成する。
【0080】
この中央部分54の周囲には、流入膜50が配置されている。この流入膜50は、上側フランク51と、その反対側である下側フランク52とを備え、これらの2つのフランクは縁部53によって分離されている。この縁部53は円形であり、流入膜50は、この縁部53が摺動軸Aに垂直に配置された円に外接するように配置されている。
【0081】
上側フランク51は凸状であり、下側フランク52は凹状である。
【0082】
ここで、上側フランク51の凸形状は、上部溝と相補的である。
【0083】
したがって、本発明によれば、
図3に示すように、流入弁5の上面は、特に、ここで、その表面の大部分を覆う上壁64の表面と相補的であり得る。
【0084】
ここで、流入膜50は、移動終了位置で周辺ゾーン67までのみ上壁を覆うように、摺動管61の内面まで延びていない。
【0085】
ピストン3は、
図11に示すように、ピストンの上側周縁部に配置された上側リップ41を含むことができる。
【0086】
ピストン3の一部、ここではこの上側リップ41は、縁部53の周囲全体を超えることができ、
図3に示すように、シリンダ本体6が移動終了位置にあるとき、上側リップ41は上壁64のこの周辺ゾーン67を覆うように配置されている。
【0087】
移動終了位置または格納位置では、流入膜50は上部溝66の内側に収容され、その上側フランク51がこの上部溝66の底部を包み込む。中央ゾーン65は、中央部分54を正確に覆っている。上側リップ41は、周辺ゾーン67の表面を包み込む。次に、トリガ中に、ドージングチャンバ100の空気のすべてが除去され、ドージング出口73がこの上部溝66の底部に配置されている場合により簡単に除去されることになる。
【0088】
したがって、ドージングチャンバ100からの出口73の後に圧力を増加させ、ポンプ1内の空気をさらに容易に除去するために、トリガ中にドージングチャンバ100の容積のすべてを使用することが可能である。
【0089】
下側フランク52からは、その基部よりも広い縁部を備えたヘッドを有するスタッド55を形成する突起が下方に延びている。したがって、スタッド55は、
図2および
図3に示されるように、ピストン3にクリップ留めすることにより取り付けられる。
【0090】
本発明によれば、特に
図12のように、ピストン基部30は、管状部分12に圧入されるスリーブ31を含むことができる。本発明の実施形態によれば、ピストン基部は、スリーブ31よりも広い上側部分を備えることもできる。
【0091】
この上側部分は、管状部分12の頂部が入れ子になっている環状溝を形成するように、
このスリーブ31の周囲に、距離を置いて対面する下向きに延びるスイープ32を含むことができる。
【0092】
ここで、この固定を完了するために、入れ子状の肩部33がスリーブ31の底部に配置され、管状部分12の内壁に配置された相補的な内部肩部75の下にクリップ留めされる。
【0093】
このスリーブ31は、ここで、スリーブ31の変形によって入れ子状の肩部33の接近を可能にするスロット38を含むことができる。
【0094】
このスリーブ31の開口端は底部に配置され、管状部分12に開口し、スリーブ31の内側は中央ダクト34を形成する。
【0095】
本発明によれば、ここで、ピストン3の基部の上側部分は、スタッドがクリップ留めされるクリップラグ36を含むことができる。この場合、流路37とドージング入口35は、これらのクリップラグ36とスタッド55との間に配置される。
【0096】
これらのクリップラグ36は、ここで、流入弁5のスタッド55を挿入する余地を与えるような方法で接合することなく、半径方向内側に延びることができる。したがって、流入弁5はピストン3の頂部にしっかりと固定され、流入膜50はドージング入口35を覆っている。
【0097】
したがって、流入膜50は、圧力がその下側フランク52に対して加えられるとき、またはデプレッションがその上側フランク51の側面に加えられるときに、ドージング入口35を通して液体Lに対して流路を開いたままにすることによって上方に変形することができる。一方、圧力がドージングチャンバ100に加えられると、流入膜50の下流から上流にかけられる力は、ドージング入口35が閉じられるように、流入膜50をドージング入口35の上でピストン3に押し付ける。したがって、流入弁5は逆止弁を形成し、液体Lがドージングチャンバ100内を通過することを可能にするが、液体Lがこれらのドージング入口35を介して出るのを防止する。
【0098】
本発明によれば、シリンダ本体の側壁61とピストン3との間の気密性を改善するために、ピストンは、シーリング部材、ここでは
図11に詳細に示される管状シーリング部材40を形成する第2の部分40を備える。この管状シーリング部材40は、ピストン3の上側部分に直接圧入されている。
【0099】
この管状シーリング部材40は、ここではそれぞれ上側リップ41と下側リップ42によって区切られた2つの開口端を備える。これらのリップは、上部と底部で上側部分を超えている。これにより、摺動管61の内壁に対して二重の気密性を作り出すことが可能になる。
【0100】
これらのリップ41と42との間に、シーリング部材は環状突起44を含むことができ、その最大直径は、摺動管61の内壁と接触するように配置される。この環状突起により、シリンダ本体6の摺動のガイドを改善することが可能になる。
【0101】
これらのリップ41,42とこの環状突起44との間で、管状シーリング部材40は、摺動管61の内壁から一定の距離にある。したがって、これらのリップによって形成される気密ゾーン間に空間が作成され、リップ間に液体の連続フィルムが形成されるリスクが減少する。
【0102】
図2~
図7および
図13に示すように、接続部材10によって形成された容器は、開口端11とその底部19との間に延びている。容器の内側は、移動終了部18を形成する肩部を有する側壁17によって形成されている。
【0103】
管状部分12は、ここで、流路オリフィス20を区切ることができる。
【0104】
ドラム14は、この管状部分12とこのドラム14との間に第1の下側溝13を形成するように、この管状部分12の周りに同心円状に配置され、その内側で移動終了位置と展開位置との間で摺動管61を摺動させる。
【0105】
このドラム14の頂部で、ドラム14の内壁は、内側に突出する突起15を含む。この突起15は、摺動管61の外側に接触している。
【0106】
摺動管61は、その開口端に、外向きに突出し、移動終了位置で突起15と接触するバルジ71を備える。
【0107】
ここで、シリンダ本体6の一対のシーリング部材70は、シリンダ本体の基部60の上側部分を形成する協働部69を囲む上側シーリング部材72を含む。上側シーリング部材72は、協働部と分注ヘッド8との間の気密性を提供する。
【0108】
シリンダ本体6の一対のシーリング部材70は、環状突起71を形成するシーリング部材を備え、それにより、摺動管61の端部でバルジを形成する。
【0109】
摺動管61の底部は、その外径を減少させる突起62を備え、したがって、環状突起71の受け部63を作成することを可能にする。
【0110】
一対のシーリング部材70は、シリンダ本体の基部60上にオーバーモールドすることにより、単一部品で作成され得る。例えば、協働部69と受け部とを接続するために、シリンダ本体6に溝を配置することができる。
図1からわかるように、この溝に形成されたインジェクションコードは、上側シーリング部材72と環状突起71を接続する。
【0111】
本発明によれば、環状突起71の上の摺動管61の直径は、移動終了位置でドラム14の壁に応力がかからないように、そしてばね4がシリンダ本体6を上方に戻すとき、摺動管61は、ほとんどの運動に応力を加えることなく突起15に対して摺動するように、突起15によって区切られる内径にほぼ対応することができる。これにより、シリンダ本体の上昇が容易になる。
【0112】
図2に示すように、シリンダ本体6がその展開位置に近づくと、環状突起71は突起15と接触し、突起15に外向きに徐々に応力を加え、それにより、気密性を強化する。
【0113】
ここで、環状突起71の材料は接続部材の材料よりも柔軟であるため、圧縮されるのはリングバルジ71である。これにより、気密性が強化される。
【0114】
このため、展開位置では、摺動管61の開口端74の壁の両側に以下の二重の気密性がある:
-下側リップ42と摺動管61の内壁との間の内側,
-環状突起71とドラム14の突起15との間の外側。
【0115】
この二重の気密性の間に空気で満たされた空間が作成され、この空間は第1の下側溝13に通じている。このため、第1の気密性部分を通過した液体は、この第1の下側溝13
の底部に落ちる。したがって、液体のフィルムが下側リップ42とこの第1の下側溝13の外側との間に環状バルジ71を越えて接合部を作成する可能性はほとんどない。
【0116】
このようにして、ドージングチャンバの内側とドージングチャンバの外側との間の汚染を防ぐ非常に良好な気密性が提供された。
【0117】
示された例では、これはさらに効果的であり、分注ヘッド8の底部が入れ子式に容器に取り付けられているため、容器の内部容積がポンプ1の外部と連通している。
【0118】
渦巻きばね4は、容器の内側でドラム14の周りに配置されている。渦巻きばね4は、ドラム14と容器の側壁16との間に形成された第2の下側溝16の底部の片側に支持されている。
【0119】
シリンダ本体60の基部は、摺動管61よりも広いカラー76を備える。ばねは、このカラー76の反対側を支える。ここで、カラーは、放射状リブ68によって形成されたストップのセットを含むことができ、それに対してばね4が押し付けられる。
【0120】
第1の例示的な実施形態の2つの代替形態では、ポンプ1は、防腐剤を含まず、したがって外気から遠ざけなければならない液体に適合している。
【0121】
このため、ドージング出口73は、連通空間を介して分注オリフィス81に接続され、流出逆止弁9がこの分注オリフィス81を直接閉じる。
【0122】
第1の例示的な実施形態の2つの代替形態によれば、これらの連通空間は、3つの中間ダクトと上側空間82とを連続して備えることができる。
【0123】
上側空間は、レデューサ83、タンク膜96、および分注オリフィスにつながる押しボタン80の前壁の流路を通る流路によって区切られている。
【0124】
レデューサ83は、ここで、リングの形状を有することができ、そうでなければ縮小リング83と呼ばれる。
【0125】
第1の中間ダクト84aは、シリンダ本体に形成され、ドージング出口73から押しボタン80の横断壁に配置された第2の中間ダクト84bに通じている。
【0126】
第2の中間ダクト84bは、レデューサ83の内部に形成され、上側空間82に開口する第3の中間ダクト84cに開口する。
【0127】
この第1の例示的な実施形態に示される例およびその代替形態では、用語「前方」および「後方」は、閉塞具90の変位の方向に従って適用される。
【0128】
第1の例示的な実施形態の2つの代替形態によれば、タンク膜96の縁部が押しボタン80の対応する内部肩部とタンク86の縁部との間に挟まれるように、そしてタンク膜96がタンク86を密閉するように、ここで、密閉タンク86を押しボタン80のハウジング85に入れ子式に取り付けることができる。
【0129】
このタンク膜96は、ここでは、分注オリフィス81に向かって軸方向に延びる閉塞具90と一体である。
【0130】
この閉塞具90は、その自由端に、分注オリフィス81を密閉できるように配置された
ニップル91を備える。
【0131】
したがって、流体が上側空間82内に入り、タンク膜96に推力を加えると、タンク膜96はタンク86の底部89に向かって変形し、したがって、軸Bに従って閉塞具の後退を駆動し、分注オリフィス81を解放する。
【0132】
補助戻り部材97は、タンク膜96と常に接続されており、特に異なる剛性および/または幾何学的形状で弾性変形可能な2つのステージ92,93を備える。
【0133】
第1のステージ92は、タンク膜96に対して、したがって閉塞具90に対して所定の値の一定の戻り力を維持する。
【0134】
第2のステージ93は、第1のステージ92とタンク86の底部89との間に挿入され、第1のステージ92よりも大きい戻り力を維持し、タンク膜96が求められたときにのみ作用する。
【0135】
第1および第2のステージ92,93は、ここでは異なる形状のものである。
【0136】
例えば、第1および第2のステージ92,93は、中央コア94からのものであり得る。
【0137】
第1のステージ92は、その外縁がタンク86の内壁に、例えば溝内で、またはこの内壁の肩部に当接するカップ98を形成することにより、中央コア94の周りに半径方向に延びることができる。このカップ98は弾性材料から作られており、コア94と外縁との間のそのゾーンは弾性関節を形成している。
【0138】
第2のステージ93は、外縁がタンク86の底部89に当接するベルを形成することにより、同じ中央コア94から軸方向に延びることができる。このベル99は弾性材料で作られており、コア94と外縁との間のそのゾーンは弾性関節を形成している。
【0139】
一方では、タンク86が密閉されているので、分注装置が静止しているとき、タンク86の圧力P2は、ポンプ1の初期組み立て時の周囲空気の圧力に等しい、つまり初期大気圧に相当することが確立される。
【0140】
他方、液体の容器Rには空気取り入れ口がなく、容器Rは特に可変容積を有する。したがって、ドージングチャンバ100の圧力P3は、ポンプ1の周囲の環境の圧力P1の変化に追従する。
【0141】
このため、この第1の例示的な実施形態および第2の代替形態では、押しボタン80が上昇するとき、または分注装置1が低圧P1(初期大気圧よりも小さいP1)の環境に置かれるとき、例えば飛行機での移動中、ドージングチャンバの圧力P3は減少し、初期大気圧より低くなり、したがってタンクの圧力P2よりも低くなり、このタンクの圧力P2は不変のままであり、したがって初期大気圧に等しく、タンクは密閉されている。
【0142】
ドージングチャンバの圧力P3とタンクの圧力P2の圧力差により、タンク膜96に力が発生し、タンク膜96が分注オリフィス81に向かって変形し、このため、閉塞具90のサポート、したがって気密性が強化される。
【0143】
補助戻り部材97は、熱可塑性エラストマー材料(TPE)または動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)材料を成形することにより、またはシリコーン基部もしくは同様
の特性を提供する他の材料で、シングルブロック方式で実施することができる。
【0144】
同様に、タンク膜96およびその閉塞具90は、熱可塑性エラストマー材料(TPE)または動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)材料を成形するか、シリコーン基部もしくは同様の特性を提供する他の材料で、シングルブロック方式で実施することができる。
【0145】
閉塞具は、ここで軸方向に延びて中空であり得る。これにより、ここではより剛性の高い材料で補強部95を収容することが可能になる。この補強部95は、前記タンク膜96から延びており、補助戻り部材97の第1のステージ92に機械的に接続されている。
【0146】
ここでタンク膜96およびその閉塞具90を形成する部分、および補強部95は、バイマテリアルインジェクションにより得ることができる。
【0147】
押しボタン80、タンク膜96、レデューサ83、シリンダ本体6、流入逆止弁およびピストン3の基部30を含む材料は、抗菌剤を含むことができる。
【0148】
本発明の実施形態によれば、この例および第2の代替形態のように、レデューサ83は、タンク膜96と押しボタン80ハウジング85の内壁との間に画定される容積内に配置され得る。
【0149】
このレデューサ83は、閉塞具90の周囲で利用可能な容積よりも大きい直径を有するタンク膜96を実装することを可能にする。言い換えれば、ハウジング85は、タンク膜96のサイズを有することを可能にするサイズを有し、レデューサは、ハウジングの壁と閉塞具90との間の利用可能な空間を減少させる。
【0150】
したがって、この上側空間82内の上昇液体Lを駆動する押しボタンを押すことにより、より多くの圧力がタンク膜96に加えられ、したがって、開口が容易になる。しかしながら、閉塞具90の周りの自由容積を減少させることにより、分注オリフィス81への連通空間の容積も減少する。これにより、本発明によるシリンダ本体6およびそのピストン3の配置に関連するパージ能力がさらに増加する。
【0151】
この例では、押しボタン80の適切な溝内にカラー76をクリップ留めすることにより、押しボタン80はシリンダ本体6に対してしっかりと固定される。これは、第2の代替形態にも当てはまる。
【0152】
ポンプ1の動作の詳細は、
図2から
図7を参照して説明するものとする。
【0153】
図2では、押しボタン80は展開位置にあり、この押しボタン80と一体のシリンダ本体6もあり、上壁64はピストン3から一定の距離にある。
【0154】
したがって、ドージングチャンバ100は最大容積にある。
【0155】
管状部分12、中央ダクト34および流路37、ならびにドージングチャンバ100および様々な連通空間84a,84b,84c,82によって形成されるダクトは、空気で満たされている。
【0156】
次に、空気で満たされたこれらの空間を、含まれている空気からパージすることからなるトリガ操作が開始される。
【0157】
次に、
図2のポンプの向きに対して押しボタン80に下向きの圧力が加えられる。次に、シリンダ本体6は、ピストン3に沿って摺動することにより、
図2に示す展開位置から
図3に示す移動終了位置に移動する。
【0158】
そうすることにより、ドージングチャンバ100内の圧力が上昇し、流入膜50をドージング入口35に押し付ける。
【0159】
次いで、空気は、すべての連通空間、特に上側空間82で圧縮され、タンク膜96の後方に向かって変形を駆動し、したがって、閉塞軸Bに沿って閉塞具90を後方に後退させ、これにより、ニップル91を分注オリフィス81から解放する。
【0160】
そうすることにより、カップ98およびボウル99は変形し、コア94は分注オリフィス81からタンク86の底部89に向かって移動し、カップ98およびボウル99の縁部はタンク86の内壁に対する固定された押圧状態のままである。したがって、空気は、分注オリフィス81によって排出される。
【0161】
空気が除去されると、圧力は再びポンプ1の外側と上側空間82の内側との間で等しくなり、カップ98およびボウル99によって加えられる戻り力の下で閉塞具を分注オリフィス81に戻す。
図4に示されるように、閉塞具90の戻り運動が終わると、ニップル91は分注オリフィス81を塞ぐ。
【0162】
図4では、空気が排出され、ポンプは密閉されている。
【0163】
シリンダ本体6のこの下降中、ばね4はドラム14に沿ってガイドされることにより、接続部材10の底部19に対して圧縮された。
【0164】
押しボタン80が解放されると、ばね4はシリンダ本体を上方に戻し、したがって押しボタン80を上方に駆動する。
【0165】
このため、流入膜50および上側リップ41と相補的に接触するようになった上壁64は、少しずつピストンから遠ざかり、ドージングチャンバ100の容積を増加させる。このようにして、デプレッションが形成され、流入膜50に力が加えられ、上壁64に向かって変形し、その縁部53がピストン3から離れ、上側フランク51の凹面および下側フランク52の凸面が減少する。したがって、流入膜50は、ドージング入口35を解放し、液体Lに至るすべての連通部への空気の吸引を駆動する。したがって、液体Lは、管状壁12、次いで中央ダクト34、次いで流路37内で吸引されて上昇し、ドージング入口35を通過し、ドージングチャンバ100を満たし始める。
【0166】
さらに、このデプレッションは、タンク膜96の変形を分注オリフィス81に向けて促し、したがって、分注オリフィス81の閉塞具90をさらに押す。したがって、トリガは同様に強化される。これは、流入弁5の気密性が改善されるほど効果的である。
【0167】
第1のステップでは、ドージングチャンバ100の容積に相当する液体Lが、流路オリフィス20からドージング入口35に至るダクト内で上昇する。最初の吸引の後、シリンダ本体6が展開位置に戻ると、
図5に示すように、ドージングチャンバ100は完全に満たされない。
【0168】
ここでは、空気を完全にパージするために、少なくとも1つの下向きの圧力が必要である。この下向きの圧力の数は制限されない。
【0169】
シリンダ本体6がピストン3上で再び下降すると、ドージングチャンバ100内および様々な連通空間84a,84b,84c,82内に残っている空気の圧縮を駆動し、それにより、閉塞具90の後退による分注オリフィス81の開口を再び駆動する。
【0170】
空気が最初に除去される。次に、ピストンが上壁64に接近し続け、ドージングチャンバ100内に存在する液体Lが上壁64に到達し、ドージング出口73を介して入口を通過し、中間ダクト84a,84b,84cに沿って上昇し、その後、閉塞具の周りの上側空間82を満たし、分注オリフィス81に到達する。したがって、空気は完全に排出された。
【0171】
ここで、シリンダ本体6のストローク長がまだある場合、
図6のように、シリンダ本体6が図のように移動終了位置に到達するまで、液体が流れ始める。
【0172】
したがって、
図6では、空気は完全にパージされ、液体Lは、分注オリフィス81とドージング出口73との間の連通空間84a,84b,84c,82のすべて、ならびにドージング入口35から容器Rに続くすべての流路を満たす。トリガは完了する。
【0173】
移動終了時に、液体Lはもはやタンク膜96に当接せず、タンク膜96は、上記のように補助戻り部材97によって前方に戻され、
図7に示すように再び分注オリフィス81の閉鎖を駆動する。
【0174】
その後、押しボタン80の押圧が止まると、図示されていない方法で、ばね4は再びシリンダ本体6を上方に戻し、ドージングチャンバ100が完全に満たされるまでドージングチャンバ100内の液体Lの吸引を駆動する。ポンプ1がトリガされると、各押圧がドージングチャンバ100の容積に等しい液体Lの容積の分注を駆動する。
【0175】
したがって、
図16~
図18は、第1の例示的な実施形態の第1の代替形態と同様の第2の代替形態を示している。したがって、これらの
図16~
図18の完全な説明は含まれていない。したがって、上記で説明した第1の代替形態の例の特徴は、以下で特に言及しない限り、第2の代替形態の例に適用可能である。
【0176】
特に、押しボタン80、密閉タンク96と共に閉塞具90を備えた流出逆止弁、および流入逆止弁5は、
図1~
図13の代替形態と
図16~
図18の代替形態との間で同一である。したがって、これらの要素には同じ参照符号が使用される。
【0177】
したがって、これらの2つの代替形態では、
図11および
図17からわかるように、ピストン3,203は、それぞれ30と40および230と240の2つの部分にある。
【0178】
管状シーリング部材40,240は、ここでは上側リップ41,241の上部に形成された、フレア面45,245が上方にある部分を有する。これにより、このフレア面45,245に対するカップ縁部53の緊密なクランプを提供することが可能になる。これは、ピストン3,203に対する流入弁5のプレストレスから生じる気密性を強化する。このプレストレスを付与したクランプは、特に第1の代替形態については
図2に、第2の代替形態については
図18に示す。流入弁5の気密性、したがってトリガはこのようにして最適化されている。
【0179】
さらに、この流入弁5をカップに入れたこのフレア面45,245は、クリップラグ36,236の間に形成されたドージング入口35,235の周りの緊密なクランプをより容易に実装することを可能にする。
【0180】
流入弁5の有効性を強化するために、クリップラグ36および236には、ここでは丸い突起によって形成された凸状の上側部分36a,236aが設けられ、その凸面が膜50の凹形状の凹面に面して配置される。したがって、特に
図2、
図3、
図16および
図18に示すように、この凸形状の上部は弁5の膜50の底部に続く。これにより、圧縮中にその形状を維持し、気密性、トリガ、ドージングの精度を向上させることができる。
【0181】
この第2の代替の実施形態では、第1の実施形態とは異なり、シーリング部材240の長さh2は、ピストン203の移動距離h1よりも大きい。このため、シリンダ本体206がピストン203に対して格納位置にあるとき、すなわち移動終了位置にあるとき、管状シーリング部材240の下側リップ242は、上側リップ241の上部の低位置Lより下にある、すなわち、このリップ241は展開位置にある。使用中に、製品は、ドージングされた製品との接触ゾーンz1に対応するこの低位置Lの上のドージングチャンバ300の壁の部分とのみ接触するため、この下側リップ242はこの接触ゾーンz1の内部に決して入らない。したがって、管状シーリング部材240と摺動管261の壁との間に製品のフィルムが形成される場合、製品は下側リップ242によって下方に除去されず、環状突起244と下側リップ242との間に閉じ込められたままである。したがって、製品の漏れに、特に第1の下側溝213に向かって追加の障害物が追加される。したがって、装置201の衛生が改善される。
【0182】
接続部材210はまた、この第2の代替形態において、押しボタン80およびばね4をその開口端211を介して受け入れる容器を形成する。しかしながら、その底部219は、第1の代替形態に対して下方に延びているという点で異なっている。実際、より長い長さh2を有する管状シーリング部材241を実装するために、管状部分212、ドラム214およびそれらの間に形成された第1の下側溝213は、展開位置にある下側リップ242の底部と、この第1の下側溝213の底部との間の高さh3がシリンダ本体206の移動距離h1よりも大きくなるように下方に延びている。
【0183】
第1の下側溝213の上部、ここでは摺動管261の底部の外側に、同じ追加の気密性のための手段215,271を追加することができる。
【0184】
ここでは、上壁264が簡略化されている。それは、ドームの形状を有し、その周囲の丸みを帯びた部分264’にドージング出口273が配置されている。ドージング出口273は、膜50の凹形状の外側側面と相補的な形状であり、これらの外側側面が周辺の丸みを帯びた部分264’を包み込み、ドージング出口273を可能な限り近く塞ぐようになっている。
【0185】
さらに、追加管310が、接続部材210の底部219に位置する流路オリフィス220に取り付けられている。この流路オリフィスは、管310の下端が分注装置201の製品の入口E’を形成するように、容器Rの中間開口部Oと連通するように設けられている。
【0186】
管310は、ここで、流路オリフィス220の直径より少なくとも20%小さい直径の内部セクション312を有することができる。
【0187】
特に、ここでは、管は、特にピストン203の中央ダクト234の下側開口部238の近くまで、管状部分212の内側ダクトにクリップ留めされている流路オリフィス220を介して管状部分212の内側ダクトに圧入される。
【0188】
管310は、流路オリフィス220の下に延びている。
【0189】
ポンプには2つの弁5,9のみがあり、流出弁9はドージングチャンバ300と直接連通しているため、押しボタン80の上昇中にドージングチャンバ300に生じるデプレッションにより、流出弁9の閉鎖が強化され、最適な気密性を有するために、閉塞具90のニップルが分注穴81に入ることができる。
【0190】
追加管310がなければ、このデプレッションは、水などの流体製品にとって最適な気密性を提供するには不十分である可能性がある。より小さなセクション312の追加管310を追加することにより、追加の負荷損失が提供され、流出弁9の閉鎖を強化する。
【0191】
このため、柔軟な流入弁5を保持することにより、このデプレッションを大きくすることができ、これにより、空気によるポンプのより良いトリガが可能になることに留意されたい。
【0192】
この追加管310の動作に関する比較研究が行われた。
【0193】
この追加管310の3ミリメートル(mm)セクションは、以下のドージングチャンバに追加のデプレッションを提供する:
-粘性クリームで85ミリバール(mbar)
-流体クリームで18mbar
-水で1.7mbar
この追加管310の1mmセクションは、以下のドージングチャンバに真空を提供する:
-粘性クリームで511mbar
-流体クリームで108mbar
-水で10mbar
水などの流体製品の場合、追加管の8mbarのデプレッションから流出弁9が最適に閉じられるため、バクテリアの逆汚染のリスクが大幅に低減される。
【0194】
したがって、追加管310の適切なセクション312を選択することにより、追加管310は流入弁5に関連して動作し、水のような流体から非常に粘性の高い製品までのすべての液体に対して、ドージングチャンバ300に十分な負荷損失を発生させ、空気によるトリガを損なうことなく分注オリフィス81の閉鎖を最適化し、これは、非常に少量のポンプと細菌から密封された端部閉鎖を備えたポンプにとって重要である。
【0195】
図14および
図15に例を示す第2の例示的な実施形態によれば、分注装置101は、第1の例示的な実施形態のものと部分的に同一のドージング部107を備える。しかしながら、分注ヘッド108は異なっている。
【0196】
この第2の例示的な実施形態では、単一の流出逆止弁109が、分注オリフィス181から距離を置いて、ドージングチャンバ200の出口に取り付けられている。
【0197】
この第2の例示的な実施形態は、より単純であるという利点を有する。この第2の例示的な実施形態は、防腐剤を含む液体またはクリームと共に優先的に使用される。
【0198】
したがって、示された第1の例のように、ドージング部107および分注ヘッド108もまた、分注装置101に対応するポンプ101を一緒に形成する。
【0199】
図15では、このポンプ101は、液体で満たされるように設けられた容器、ここでは容器Rに取り付けられ、したがって、この液体を調整するためのアセンブリを形成する。
【0200】
第1の例示的な実施形態に示される例の要素と同一の要素は、体系的に含まれない。したがって、言及される相違点以外に、
図1から
図13に示される例の詳細な特徴は、この第2の例示的な実施形態の
図14から
図15に示される例に当てはまる。
【0201】
ここで、ドージング部107は、第1の例示的な実施形態のものと実質的に同一であり、
図15に示すように同じ方法で一緒に配置されたネックシール102、接続部材110、渦巻きばね104を備える。
【0202】
ドージング部107は、内部にピストン103が取り付けられたシリンダ本体106も備える。
【0203】
本発明の原理によれば、第1の例示的な実施形態のように、ピストン103は接続部材110に固定的に取り付けられ、シリンダ本体106は、摺動軸A’に従ってこのピストン103の周りを摺動することにより移動可能である。この摺動軸は、ここでは、分注装置101の長手方向軸に対応している。
【0204】
ピストン103は、第1の例示的な実施形態のものに近い。
【0205】
他方、第1の例示的な実施形態の例と同様の場合、ピストン基部130は、接続部材110の管状部分112に嵌合するスリーブ131と、スリーブ131よりも広い上側部分とを備え、一方、このピストン基部130はスイープを欠いている。加えて、このピストン基部130の上側部分の周囲に配置されたリブ132が設けられている。
【0206】
この第2の例では、管状シーリング部材140は、ピストン基部130のリブ132と協働する内面にリブを備えるという点で、この第1の例示的な実施形態の第1の代替形態の管状シーリング部材40とは異なる。これにより、このピストン基部130への管状シーリング部材140の圧入を強化することが可能になる。これらのリブは、
図16から
図18に示される第1の例示的な実施形態の第2の代替形態に存在する。
【0207】
残りについては、特に
図11に示すように、管状シーリング部材140の外面は、第1の例示的な実施形態のものと同一であり、同じ対応する特性がここで当てはまる。
【0208】
さらに、ピストン基部130はまた、第1の例示的な実施形態のピストン30のクリップラグ36と同様の形状の第1の一連のクリップラグ136を備え、第1の例のように、第1の流入逆止弁105が固定されている。この弁105は、ここでは、第1の例示的な実施形態の流入逆止弁5の形状と同一の形状である。
【0209】
言い換えると、容器Rからの流体の吸引は、第1の例示的な実施形態と同じ方法で、特に、移動終了位置から展開位置へのピストン103の周りのシリンダ本体106の摺動に関して、および流入逆止弁105の変形によるドージング入口135の開口に関して行われる。
【0210】
これは、展開位置から移動終了位置へのその移動に関する流体の送達の場合でもある。
【0211】
したがって、第2の例示的な実施形態では、示されるように、第1の例示的な実施形態、特に以下にリンクされたものと共通の利点を見出すことが可能である:
-ピストン103に対するシリンダ本体106の摺動,
-管状シーリング部材140のリップ間の二重の気密性,
-フレア面145とカップ縁部53との緊密なクランプの協働,
-一方ではシリンダ本体106の底部と管状部分112との間、他方ではシリンダ本体
106の底部と支えられたドラム114との間で作成された二重の気密性であって、この管状部分112およびこのドラムは、接続部材110の底部によって支えられている。
【0212】
一方、第2の例示的な実施形態では、図に例示するように、ドージングチャンバ200の出口173上の配置は第1の例示的な実施形態とは異なる。
【0213】
実際、第2の逆止弁(以下、流出逆止弁109)は、ドージングチャンバ200の出口(以下、ドージング出口173)の開閉を可能にするように、シリンダ本体106の上に固定されている。
【0214】
この第2の例示的な実施形態によれば、図示の例のように、ドージングチャンバ200の頂部164は、流入逆止弁105の固定を可能にするピストン103のクリップラグ136と同様の形状の第2の一連のクリップラグ139によって形成され得る。
【0215】
ここで、この頂部は、シリンダ本体106の頂部も形成する。
【0216】
この例では、この第2の一連のクリップラグ139の一部またはすべての間に、いくつかのドージング出口173が配置されている。
【0217】
これらのドージング出口173は、流出逆止弁109によって閉じられており、これにより流体がドージングチャンバ200から出て通過することを可能にするが、これらのドージング出口173によってその中に入ることを防ぐ。
【0218】
この流出逆止弁109は、流入逆止弁105と同様の方法で、特に中央部分と、この中央部分の周りに配置された膜(以下、流出膜)とで形成され得る。
【0219】
図示の例では、逆止弁105および109は同一であり交換可能である。ここに同一の逆止弁があると、これらの部品の標準化が可能になる。
【0220】
しかしながら、図示されていない方法で、第2の例示的な実施形態では、この流出逆止弁は、流入逆止弁の形状と必ずしも同一の形状ではない。形状は同じでも、比率が異なる場合がある。
【0221】
この例では、これらの逆止弁105および109は、第1の例示的な実施形態の流入逆止弁5と同一である。これらの弁105および109については、
図9および10を参照することができる。
図9および10の参照は、逆止弁105および109の特性の詳細について以下に含まれる。
【0222】
したがって、流出膜50は、ドージングチャンバ200内でその下側フランク52に対して圧力が加えられたときに、ドージング出口173を介して液体に通じる流路を可能にすることにより、上方に変形することができる。他方、ドージングチャンバ200内の圧力が負の場合、ここで流出逆止弁109の膜50に下流から上流に加えられる力は、ドージング出口173が閉じられるように、流出逆流弁109をドージング出口173の上およびシリンダ本体106の頂部に押し付ける。
【0223】
第2の一連のクリップラグ139のラグは、ドージングチャンバ200から張り出している。その下には下面139’が形成される。
【0224】
図示されていない可能性によれば、この下面139’は、流出逆止弁109の上側フランク51と相補的な形状を有することができる。これにより、この下面139’、したが
ってドージングチャンバの頂部の一部を、流出逆止弁109の膜50で覆うことが可能になる。したがって、ドージングチャンバ200の頂部でのデッドボリュームは減少する。
【0225】
ここで、シリンダ本体106は、第1の例示的な実施形態と同様に以下を備える:
-シリンダ本体基部160,
-ドラム114との移動終了時にその気密性を強化するために、シリンダ本体の基部160の底部に取り付けられた環状突起171,
-シリンダ本体106と押しボタン180との間の気密性を提供するために、シリンダ本体の基部160の上部に取り付けられた上側シーリング部材172。
【0226】
この環状突起171およびこの上側シーリング部材172は、同じ材料で得ることができ、および/または同じインジェクション動作中に一緒に得ることができる。これを、第1の例示的な実施形態と同じ方法で実行することができる。
【0227】
第2の例示的な実施形態によれば、この例のように、上側シーリング部材172は、フレア面172’によって区切られ、特にテーパ付きの中央開口部を含むことができ、この開口部は上流から下流に広がる。第2の逆止弁109は、静止位置で、接続部材110の流路オリフィス120からの流体の吸引中に、膜50の縁部53がこのフレア面172’の上方で当接するように取り付けることができる。
【0228】
ここで、接続部材110は、容器RのネックCに取り付けられ、その中間開口部Oは、一方の側で容器Rの内側と連通し、他方の側で流路オリフィス120と連通する。
【0229】
第2の例示的な実施形態によれば、ドージング出口173と分注オリフィス181との間に別の逆止弁を追加する必要はない。分注ヘッド108はここではより単純である。
【0230】
このヘッド108は、押しボタン180を備えており、シリンダ本体106を下向きに作動させて、ばね104を下向きに圧縮しながら流体の送達を実行するように、シリンダ本体の基部160にしっかりと入れ子にされる。圧力が解放されると、ばね104は押しボタン180を上方に戻し、したがってシリンダ本体106を戻し、ドージングチャンバ200内の流体の吸引を駆動する。
【0231】
ドージング出口173は、ここでは、上側空間182に開口する単一のダクト184を介して押しボタン180の分注オリフィス181に接続され得、ドージング出口173が開いたときに上側空間182に直接開口する。
【0232】
デッドボリュームを減らすために、この上側空間182にレデューサ183を配置することができる。
【0233】
これらの例では、第1の例示的な実施形態の流入逆止弁5、ならびに第2の例示的な実施形態の流入逆止弁105および流出逆止弁109は、ショアA硬度が30~90の柔軟な材料、特にTPEで成形されている。さらに、これらの例では、これらの弁5,105,109の膜50の厚さは0.15~0.3mmである。