(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】統合アクセス・バックホールド・ネットワークにおける適合レイヤ・セットアップ及び構成
(51)【国際特許分類】
H04W 16/26 20090101AFI20220621BHJP
H04W 88/04 20090101ALI20220621BHJP
【FI】
H04W16/26
H04W88/04
(21)【出願番号】P 2020546949
(86)(22)【出願日】2019-04-04
(86)【国際出願番号】 SE2019050311
(87)【国際公開番号】W WO2019194737
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-11-04
(32)【優先日】2018-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100161399
【氏名又は名称】大戸 隆広
(72)【発明者】
【氏名】テイエブー, ウマル
(72)【発明者】
【氏名】ミルド, グンナー
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド, アジマル
【審査官】白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-512777(JP,A)
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,Architecture and Protocols: MAC adaptation layer based IAB[online],3GPP TSG RAN WG3 #99 R3-180993,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_99/Docs/R3-180993.zip>
【文献】Intel Corporation,On RAN architecture for IAB relaying in NR[online],3GPP TSG RAN WG3 #99 R3-181351,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_99/Docs/R3-181351.zip>
【文献】Ericsson,Setup procedures for IAB-node and a UE connected to an IAB node[online],3GPP TSG RAN WG3 #99 R3-181313,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_99/Docs/R3-181313.zip>
【文献】Ericsson,Setup Procedure for the Adaptation Layer of an IAB system[online],3GPP TSG RAN WG3 #99bis R3-182249,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_99bis/Docs/R3-182249.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
IABノードにおいて、適合レイヤを構成するための方法であって、前記
IABノードは、
IABドナーの分散ユニットを通じて前記
IABドナーの中央ユニットと通信し、前記
IABノードは、モバイル端末(MT)部及び分散ユニット部を備え、前記
IABドナーは、前記中央ユニット及び1つ以上の分散ユニットを備え、前記中央ユニットと前記分散ユニットのそれぞれとの間にF1インタフェースが規定され、前記方法は、
無線リソース制御(RRC)シグナリングを使用して、前記IABドナーの前記分散ユニットを介して、前記IABノードの前記MT部と前記IABドナーの前記中央ユニットとを接続すること(3402)と、
前記接続を確立した後に、前記
IABノードの前記MT部についてプロトコル・スタック内に適合レイヤを構成すること(3404)であって、前記適合レイヤは、前記
IABノードに接続された1つ以上のユーザ機器(UE)又は1つ以上のさらなる
IABノードへの着信パケットのルーティングと、当該着信パケットのベアラへのマッピングと
に備える、ことと、
前記
IABノードの前記MT部について前記適合レイヤを構成した後に、前記
IABドナーの前記中央ユニットと前記
IABノードの下流にある第1のさらなる
IABノードとの間で交換されるパケットを転送するために前記
IABノードの前記分散ユニット部について適合レイヤを構成すること(3406)と、を有
し、
前記IABノードの前記分散ユニット部についての前記適合レイヤの前記構成は、前記第1のさらなるIABノードがMTとして前記IABノードに接続したことに応じて実行される、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記
IABノードの前記MT部について前記プロトコル・スタック内に前記適合レイヤを構成すること(3404)は、前記
IABドナーから受信されたRRCシグナリングを使用して実行される、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、前記
IABノードの前記分散ユニット部について前記適合レイヤを構成すること(3406)は、F1アプリケーション・プロトコル(F1‐AP)に従って、前記
IABドナーから受信されたF1シグナリングを使用して実行される、方法。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法であって、前記
IABドナーの前記中央ユニットと前記
IABノードの下流にある第2のさらなる
IABノードとの間で交換されるパケットを、前記
IABドナーの前記中央ユニットとのF1シグナリングを使用して転送すること
に備えるために、前記
IABノードの前記分散ユニット部について前記適合レイヤをその後に再構成することをさらに有する、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、前記第2のさらなる
IABノードは、前記第1のさらなる
IABノードと並列に前記
IABノードに接続される、方法。
【請求項6】
請求項4に記載の方法であって、前記第2のさらなる
IABノードは、前記第1のさらなる
IABノードとのカスケードで前記
IABノードに接続され且つ前記第1のさらなる
IABノードの下流にある、方法。
【請求項7】
IABドナーの中央ユニットにおける方法であって、前記
IABドナーは、前記中央ユニットと、アタッチされた
IABノードとの無線通信のための1つ以上の分散ユニットとを備え、前記中央ユニットと前記分散ユニットのそれぞれとの間にF1インタフェースが規定され、前記方法は、前記
IABドナーの分散ユニットを通じて前記中央ユニットと通信する
IABノード内に適合レイヤを構成するための方法であって、前記方法は、
前記
IABドナーの前記分散ユニットを介して、前記
IABノードのモバイル端末(MT)部との接続を確立するために、無線リソース制御(RRC)シグナリングを使用すること(3502)と、
前記接続を確立した後に、前記
IABノードの前記MT部についてプロトコル・スタック内に適合レイヤを構成するために
前記中央ユニットと前記
IABノードの前記MT部と
の間でシグナリングすること(3504)であって、前記適合レイヤは、前記
IABノードに接続された1つ以上のユーザ機器(UE)又は1つ以上のさらなる
IABノードへの着信パケットのルーティングと、当該着信パケットのベアラへのマッピングと
に備える、ことと、
前記
IABドナーの前記分散ユニットにおける適合レイヤを構成すること(3506)であって、前記
IABドナーの前記分散ユニットにおける前記適合レイヤは、着信パケットを、前記
IABドナーの下流にある1つ以上の
IABノードのうちの適切な
IABノードにルーティングするように構成される、ことと、
前記IABノードの前記MT部について前記適合レイヤを構成するために前記IABノードの前記MT部とシグナリングした後に、前記IABドナーの前記中央ユニットと前記IABノードの下流にある第1のさらなるIABノードとの間で交換されるパケットを転送するために前記IABノードの前記分散ユニット部について適合レイヤを構成するために前記IABノードの分散ユニット部とシグナリングすることと、を有し、
前記IABノードの前記分散ユニット部についての前記適合レイヤの前記構成は、前記第1のさらなるIABノードがMTとして前記IABノードに接続したことに応じて実行される、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記
IABノードの前記MT部について前記プロトコル・スタック内に前記適合レイヤを構成するために前記
IABノードの前記MT部とシグナリングすることは、RRCシグナリングを使用して実行される、方法。
【請求項9】
請求項
7に記載の方法であって、前記
IABノードの前記分散ユニット部について前記適合レイヤを構成するために前記
IABノードの前記分散ユニット部とシグナリングすることは、F1アプリケーション・プロトコル(F1‐AP)に従って、F1シグナリングを使用して実行される、方法。
【請求項10】
請求項
9に記載の方法であって、前記
IABドナーの前記中央ユニットと前記
IABノードの下流にある第2のさらなる
IABノードとの間で交換されるパケットを、前記
IABノードとのF1シグナリングを使用して転送すること
に備えるために、前記
IABノードの前記分散ユニット部について前記適合レイヤをその後に再構成することをさらに有する、方法。
【請求項11】
請求項
10に記載の方法であって、前記第2のさらなる
IABノードは、前記第1のさらなる
IABノードと並列に前記
IABノードに接続される、方法。
【請求項12】
請求項
10に記載の方法であって、前記第2のさらなる
IABノードは、前記第1のさらなる
IABノードとのカスケードで前記
IABノードに接続され且つ前記第1のさらなる
IABノードの下流にある、方法。
【請求項13】
IABドナーの分散ユニットを通じて前記
IABドナーの中央ユニットと通信するために適合された
IABノードであって、前記
IABノードは、モバイル端末(MT)部及び分散ユニット部を備え、前記
IABドナーは、前記中央ユニット及び1つ以上の分散ユニットを備え、前記中央ユニットと前記分散ユニットのそれぞれとの間にF1インタフェースが規定され、前記
IABノードは、請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法を実行するように適合される、
IABノード。
【請求項14】
IABドナーの中央ユニットであって、前記
IABドナーは、前記中央ユニットと、アタッチされた
IABノードとの無線通信のための1つ以上の分散ユニットとを備え、前記中央ユニットと前記分散ユニットのそれぞれとの間にF1インタフェースが規定され、前記中央ユニットは、請求項7乃至
12の何れか1項に記載の方法を実行するように適合される、中央ユニット。
【請求項15】
少なくとも1つの処理回路で実行された場合に、前記少なくとも1つの処理回路に、請求項1乃至
12の何れか1項に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータ・プログラム。
【請求項16】
請求項
15に記載のコンピュータ・プログラムを含む
コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般にワイヤレス通信ネットワークに関連し、より詳細には、中継ノードに接続された1つ以上のユーザ機器(UE)又は1つ以上のさらなる中継ノードへの着信パケットのルーティングと、当該着信パケットのベアラへのマッピングとを提供する適合レイヤを構成するための中継ノードに関連する。
【背景技術】
【0002】
図1は、第3世代パートナシップ・プロジェクト(3GPP)によって現在開発中であり、次世代無線アクセス・ネットワーク(NG‐RAN)及び5Gコア(5GC)からなる5Gワイヤレス通信システムのための5Gネットワーク・アーキテクチャのハイレベル図を示す。NG‐RANは、1つ以上のNGインタフェースを介して5GCに接続されたgノードB(gNB)の集合を備えるが、gNBは1つ以上のXnインタフェースを介して互いに接続されうる。gNBのそれぞれは、周波数分割複信(FDD)、時分割複信(TDD)、又はそれらの組み合わせをサポートできる。NG‐RANの無線技術は、しばしば「ニュー・ラジオ」(NR)と呼ばれる。
【0003】
図1に示される(及び3GPP TS 38.401及び3GPP TR 38.801に記載される)NG RAN論理ノードは、中央ユニット(CU又はgNB‐CU)と、1つ以上の分散ユニット(DU又はgNB‐DU)とを含む。CUは、上位レイヤ・プロトコルをホストする集中型ユニットである論理ノードであり、DUの動作の制御を含む多数のgNB機能を含む。DUは、下位レイヤ・プロトコルをホストする非集中型論理ノードであり、機能分割オプションに依存して、gNB機能のさまざまな部分集合を含むことができる。(本書で「中央ユニット」及び「集中型ユニット」という用語が互換的に使用され、「分散ユニット」及び「非集中型ユニット」という用語が互換的に使用される。)gNB‐CUは、個別のF1論理インタフェースを介してgNB‐DUに接続する。gNB‐CU及び接続されたgNB‐DUは、他のgNB及び5GCにとってgNBとしてのみ可視であり、例えば、F1インタフェースは、gNB‐CUを超えて可視ではない。
【0004】
さらに、gNB‐CUとgNB‐DUとの間のF1インタフェースは、以下の一般原則に基づいて規定される。
‐F1はオープンインタフェースである。
‐F1は、個別のエンドポイント間のシグナリング情報の交換、並びに個別のエンドポイントへのデータ送信をサポートする。
‐論理的な観点から、F1は、(エンドポイント間に物理的な直接接続がない場合であっても、)エンドポイント間のポイント・ツー・ポイント・インタフェースである。
‐F1は、gNB‐CUがCP及びUPにおいて分離されうるように、制御プレーン(CP)及びユーザ・プレーン(UP)分離をサポートする。
‐F1は、無線ネットワーク・レイヤ(RNL)とトランスポート・ネットワーク・レイヤ(TNL)とを分離する。
‐F1は、ユーザ機器(UE)関連情報及び非UE関連情報の交換を可能にする。
‐F1は、新しい要件、サービス、及び機能に関して将来においても有効であると規定される。
‐gNBはX2、Xn、NG、及びS1‐Uインタフェースを終端し、DUとCUとの間のF1インタフェースについて、3GPP TS 38.473において規定され、その全体が参照により本書に組み込まれるF1アプリケーション部プロトコル(F1‐AP)を利用する。
【0005】
さらに、CUは、無線リソース制御(RRC)やパケット・データ・コンバージェンス・プロトコル(PDCP)のようなプロトコルをホストすることができ、DUは、無線リンク制御(RLC)、媒体アクセス制御(MAC)及び物理レイヤ・プロトコル(PHY)のようなプロトコルをホストできる。しかし、CU内のRRC、PDCP、及びRLCプロトコルの一部(例えば、自動再送要求(ARQ)機能)をホストする一方で、DU内のRLCプロトコルの残りの部分をMAC及びPHYとともにホストするように、CUとDUとの間のプロトコル分散の他の変形形態が存在しうる。いくつかの例示的な実施形態で、CUは、RRC及びPDCPをホストすることができ、ここで、PDCPは、UPトラフィック及びCPトラフィックの両方を扱うことが想定される。それにもかかわらず、他の例示的な実施形態は、CU内の特定のプロトコル及びDU内の特定の他のプロトコルをホストすることによって、他のプロトコル分割を利用してもよい。例示的な実施形態は、集中型ユーザ・プレーン・プロトコル(例えば、PDCP‐U)に関して、異なるCU内に集中型制御プレーン・プロトコル(例えば、PDCP‐C及びRRC)を配置することもできる。
【0006】
また、3GPP RAN3作業グループ(WG)において、gNB‐CUをCU‐CP機能(無線ベアラのシグナリングのためのRRC及びPDCPを含む)とCU‐UP機能(ユーザ・プレーンのためのPDCPを含む)とに分離することをサポートすることが合意された。CU‐CP部及びCU‐UP部は、E1インタフェースを介してE1‐APプロトコルを使用して相互に通信する。CU‐CP/UP分離を
図2に示す。
【0007】
CU及びDUによって識別されるアーキテクチャで、同じCUによってサービスされる複数のDUにUEが接続することを可能にすることによって、又は異なるCUによってサービスされる複数のDUにUEが接続することを可能にすることによって、デュアル・コネクティビティ(DC)が達成されうる。
図1に示されるように、gNBは、個別のF1インタフェースを介して1つ以上のgNB‐DUに接続されたgNB‐CUを含むことができ、そのすべては、以下でより詳細に説明される。ただし、NG‐RANアーキテクチャで、gNB‐DUは1つのgNB‐CUにしか接続できない。
【0008】
NG‐RANは、無線ネットワーク・レイヤ(RNL)とトランスポート・ネットワーク・レイヤ(TNL)とに階層化されている。NG‐RANアーキテクチャ、すなわちNG‐RAN論理ノードとそれらの間のインタフェースとは、RNLの一部として規定される。NG‐RANインタフェース(NG、Xn、F1)ごとに、関連するTNLプロトコル及び機能が指定される。TNLは、ユーザ・プレーン・トランスポート及びシグナリング・トランスポートのためのサービスを提供する。NG‐Flex構成で、各gNBは、プール・エリア内のすべての5GCノードに接続される。プール・エリアは、3GPP TS 23.501において規定される。NG‐RANインタフェースのTNL上の制御プレーン及びユーザ・プレーンデータのセキュリティ保護をサポートする必要がある場合に、ネットワーク・ドメイン・セキュリティ/IPレイヤ・セキュリティ(NDS/IP)が適用される(3GPP TS 33.401)。
【0009】
RAN 5Gアーキテクチャの文脈で、3GPPはデュアル・コネクティビティがサポートされることに同意した。このようなメカニズムは、マスタ・ノード及びセカンダリ・ノードを確立することからなり、可能な最良のトラフィック及び無線リソース管理に従って、ユーザ・プレーン(UP)トラフィックをマスタ・ノード(MN)及びセカンダリ・ノード(SN)に分配することからなる。CPトラフィックは1つのノードのみで、すなわちMNのみで終端すると想定される。
図3及び4は、ftp.3gpp.org/Specs/archive/38_series/38.300/38300‐060.zipで見つけることができる、3GPP TS 38.300v0.6.0によるデュアル・コネクティビティに関与するプロトコル及びインタフェースを示す。
【0010】
図3は、マスタgNB(MgNB)におけるデュアル・コネクティビティのベアラを示し、MgNBがPDCPベアラ・トラフィックをセカンダリgNB(SgNB)へ転送できることを示している。同様に、
図4は、SgNBにおけるデュアル・コネクティビティのベアラを示し、SGNBがPDCPベアラ・トラフィックをMgNBへ転送することを示している。MgNB及びSgNBは上記で概説したRAN分離アーキテクチャに従ってもよく、よって、CU及びDUを備えてもよいことを理解されたい。図はマスタ・セル・グループ(MCG)ベアラ及びセカンダリ・セル・グループ(SCG)ベアラを示し、MCGベアラはMgNBの無線レッグのみを使用する無線ベアラであり、SCGベアラは、SgNBの無線レッグのみを使用する無線ベアラであることに留意されたい。MN終端分離ベアラはMgNBによって制御されるが、MgNB及びSgNBの両方の無線レッグを使用し、一方、SN分離ベアラはSgNBによって制御されるが、SgNB及びMgNBの両方の無線レッグを使用する。
【0011】
さらに、5G標準化の文脈で、マルチRATデュアル・コネクティビティ(MR‐DC)が特定されつつある。MR‐DCが適用されると、RANノード(マスタ・ノード、MN)は制御プレーンをCNに向けてアンカーし、別のRANノード(セカンダリ・ノード、SN)はMNとの協調を介して制御及びユーザ・プレーン・リソースをUEに提供する。これは
図5に示されており、3GPP TS 37.340から抽出されている。
【0012】
MR‐DCの範囲内で、
図6(これも3GPP TS 37.340から取得)に示すように、様々なユーザ・プレーン/ベアラ・タイプのソリューションが可能であり、これはMGCベアラ、MGC分離ベアラ、SCGベアラ、及びSCG分離ベアラについての無線プロトコル・アーキテクチャを、5GとのMR‐DCで示している。
【0013】
3GPP TS 38.401で、UEからの初期アクセス、DU間モビリティなどの処理のためのgNB‐CU/gNB‐DUアーキテクチャにおけるシグナリング・フローを含む、全体的な手順が描かれている。
【0014】
MR‐DCの一つの特定の種類は、EN‐DC(発展型ユニバーダル地上無線アクセス/ニュー・ラジオ・デュアル・コネクティビティ)と呼ばれる。この場合、LTE eNBはマスタ・ノード(MN)であり、NR gNBはセカンダリ・ノード(SN)である。
【0015】
3GPP標準のリリース15(以下、「3GPPリリース15」と呼ぶ)について、非スタンドアロンNR展開をサポートすることが合意されている。この場合、NR RATはスタンドアロン動作をサポートせず、すなわち、NR RATは、それ自体でUEにサービスを提供することができない。代わりに、エンド・ユーザにサービスするためにデュアル・コネクティビティ(EN‐DCフレーバ)が使用される。これは、UEが最初にLTE MeNBに接続し、これが後にSgNB(セカンダリgNB)においてNRレッグをセットアップすることを意味する。
図7は、この手順のための例示的なシグナリング・フローを示す。
【0016】
図7に示す手順で、UEはまず、LTEにおいて接続を実行する(ステップ1~11)。この時点で、ネットワークは、NR RAT上で測定するようにUEに命令している。測定設定は、メッセージ11の後(又は一緒に)の任意の時点で行うことができる。その後、UEは、NR RATに関する測定報告を送信する。その後、ネットワークは、NRレッグのセットアップを開始できる(ステップ16~26)。EN‐DCについて、5Gコア(5GC)ではなく、発展型パケット・コア(EPC)コア・ネットワークが使用される。
【0017】
非スタンドアロン動作に加えて、NRはまた、スタンドアロン(SA)動作をサポートする。この場合、SA NRをサポートするUEは、NRセルにキャンプ・オンし、NRシステムへのアクセスを直接実行する(すなわち、NRにアクセスするためにLTEに最初に接続することが要求されない)。SA対応NR gNBは、LTE動作と同様の方法で、NRセルにアクセスするために使用されるセル内でシステム情報(SI)をブロードキャストするが、SIの内容、並びにブロードキャストされる方法(たとえば、周期性)はLTEとは異なりうる。
【0018】
ますます多くの基地局(例えば、マクロ又はマイクロ基地局)の展開による高密度化は、主にビデオ・ストリーミング・サービスの増加する使用によって推進される、モバイル・ネットワークにおける帯域幅及び/又は容量に対する増加する需要を満たすために採用されうるメカニズムの1つである。ミリ波(mmw)帯でより多くのスペクトルが利用可能であるため、この帯域で動作する小型セルを展開することは、これらの目的のための魅力的な展開オプションである。しかし、小型セルを事業者のバックホール・ネットワークに光ファイバで接続する通常のアプローチは結局、非常に高価であり、実用的ではない。小型セルを事業者のネットワークに接続するために無線リンクを使用することは、より安価でより実用的な代替案である。そのようなアプローチの1つは統合アクセス・バックホール(IAB)ネットワークであり、ここで、事業者はバックホール・リンクのために利用可能な無線リソースの一部を利用できる。
【0019】
IABは、ロング・ターム・エボリューション(LTE)リリース10の範囲において、3GPPにおいて以前に検討されている。その作業で、中継ノード(RN)がLTE eNB及びUEモデムの両方の機能を有するアーキテクチャが採用された。RNはドナーeNBに接続されており、ドナーeNBはS1/X2プロキシ機能を有し、ネットワークの残りの部分からRNを隠す。このアーキテクチャは、ドナーeNBがRNの背後のUEにも気づき、ドナーeNBと、同じドナーeNB上の中継ノードと間のUEモビリティをCNから隠すことを可能にした。リリース10検討中に、例えば、RNがドナーgNBに対してより透過的であり、別個のスタンドアロンP/S‐GWノードを割り当てるなど、他のアーキテクチャも検討された。
【0020】
5G/NRについて、IABを利用する同様のオプションも検討できる。LTEと比較した1つの違いは上述したgNB‐CU/DU分離であり、これは時間クリティカルなRLC/MAC/PHYプロトコルを、時間クリティカルでないRRC/PDCPプロトコルから分離する。同様の分割がIABの場合にも適用できることが予想される。LTEと比較してNRにおいて予想される他のIAB関連の差異は、複数のホップのためのサポート及び冗長パスのためのサポートである。
【0021】
アテネでのRAN3#99会議(2018年2月)中に、いくつかのIABマルチホップ設計が提案され、5つのアーキテクチャ参照図(35w.3gpp.org/ftp/tsg_ran/wg3_iu/TSGR3_99/Docs/R3‐181502.zipで入手可能)の下で要約された。これらの参照図は例えば、マルチホップ転送を達成するために必要とされる、インタフェース上で必要とされる修正、又は追加の機能に関して異なる。これら5つのアーキテクチャは、2つのアーキテクチャ・グループに分割される。これらのアーキテクチャの主な特徴は、以下のように要約されうる。
【0022】
アーキテクチャ・グループ1:アーキテクチャ1a及び1bからなる。どちらのアーキテクチャもCU/DU分離アーキテクチャを利用する。
‐アーキテクチャ1a:
○F1‐Uのバックホールは、適合レイヤ又は適合レイヤと組み合わされたGTP‐Uを使用する。
○中間ノードをわたるホップ・バイ・ホップ転送は、適合レイヤを使用する。
‐アーキテクチャ1b:
○アクセス・ノード上のF1‐Uのバックホールは、GTP‐U/UDP/IPを使用する。
○中間ノードをわたるホップ・バイ・ホップ転送は、適合レイヤを使用する。
【0023】
アーキテクチャ・グループ2:アーキテクチャ2a、2b、及び2cからなる。
‐アーキテクチャ2a:
○アクセス・ノード上のF1‐U又はNG‐Uのバックホールは、GTP‐U/UDP/IPを使用する。
○中間ノードをわたるホップ・バイ・ホップ転送は、パケット・データ・ユニット(PDU)セッション・レイヤ・ルーティングを使用する。
‐アーキテクチャ2b:
○アクセス・ノード上のF1‐U又はNG‐Uのバックホールは、GTP‐U/UDP/IPを使用する。
○中間ノードをわたるホップ・バイ・ホップ転送は、GTP‐U/UDP/IPネストされたトンネリングを使用する。
‐アーキテクチャ2c:
○アクセス・ノード上のF1‐U又はNG‐Uのバックホールは、GTP‐U/UDP/IPを使用する。
○中間ノードをわたるホップ・バイ・ホップ転送は、GTP‐U/UDP/IP/PDCPネストされたトンネリングを使用する。
【0024】
アーキテクチャ1aは、CU/DU分離アーキテクチャを活用する。
図8は、IABドナーの下のIABノードの2ホップ連鎖のための参照図を示す。このアーキテクチャで、各IABノードがDU及びモバイル終端(MT)を保持し、後者はIABドナー又は他のIABノードに向かうバックホールUuインタフェースの無線インタフェース・レイヤを終端するIABノード上に存在する機能である。事実上、MTは、上流の中継ノードへのUuインタフェース上のUEを表す。MTを介して、IABノードは、上流のIABノード又はIABドナーに接続する。DUを介して、IABノードは、下流にあるIABノードのUE及びMTへのRLCチャネルを確立する。MTについて、このRLCチャネルは、修正されたRLC
*を指してもよい。
【0025】
ドナーはまた、下流にあるIABノードのUE及びMTをサポートするためにDUを保持する。IABドナーは、すべてのIABノードのDU及びそれ自体のDUのためのCUを保持する。IABノード上の各DUは、F1
*と呼ばれる修正された形態のF1を使用して、IABドナー内のCUに接続する。F1
*‐Uは、サービングIABノード上のMTとドナー上のDUとの間のワイヤレス・バックホール上でRLCチャネルを通じて動作する。F1
*‐Uは、サービングIABノード上のMTとDUとの間、並びにドナー上のDUとCUとの間のトランスポートを提供する。ルーティング情報を保持する適合レイヤが追加され、ホップ・バイ・ホップ転送を可能にする。これは、標準F1スタックのIP機能を置き換える。F1
*‐Uは、CUとDUとの間のエンド・ツー・エンド関連付けのためのGTP‐Uヘッダを搬送してもよい。さらなる拡張で、GTP‐Uヘッダ内で搬送される情報が適合レイヤに含まれてもよい。さらに、ホップ・バイ・ホップではなく、エンド・ツー・エンド接続にのみARQを適用するような、RLCに対する最適化が検討されてもよい。
図8の右側は、そのようなF1
*‐Uプロトコル・スタックの2つの例を示す。この図で、RLCの拡張をRLC
*と呼ぶ。各IABノードのMTは、さらにIABノードの認証など、NGCへのNASコネクティビティを維持する。それはさらに、例えば、IABノードにOAMへのコネクティビティを提供するために、NGCを介してPDUセッションを維持する。
【0026】
アーキテクチャ1bは、CU/DU分離アーキテクチャも利用する。
図9は、IABドナーの下のIABノードの2ホップ・チェーンについて、このアーキテクチャのための参照図を示す。IABドナーは、1つの論理CUのみを保持することに留意されたい。
【0027】
このアーキテクチャで、各IABノード及びIABドナーは、アーキテクチャ1aと同じ機能を保持する。また、アーキテクチャ1aと同様に、すべてのバックホール・リンクはRLCチャネルを確立し、F1*のホップ・バイ・ホップ転送を可能にするために適合レイヤが挿入される。
【0028】
しかし、アーキテクチャ1aで採用されたアプローチとは対照的に、各IABノード上のMTは、ドナー上に存在するUPFとのPDUセッションを確立する。MTのPDUセッションは、コロケーションDUのためにF1
*を搬送する。このようにして、PDUセッションは、CUとDUとの間のポイント・ツー・ポイント・リンクを提供する。中間ホップで、F1
*のPDCP‐PDUは、アーキテクチャ1aについて説明したのと同じ方法で適合レイヤを介して転送される。
図9の右側は、F1
*‐Uプロトコル・スタックの例を示す。
【0029】
アーキテクチャ2aで、IABノードは、親IABノード又はIABドナー上のgNBとのNR Uuリンクを確立するためにMTを保持する。このNR‐Uuリンクを介して、MTはgNBとコロケーションされたUPFとのPDUセッションを維持する。このようにして、独立したPDUセッションが、すべてのバックホール・リンク上に生成される。各IABノードは、隣接リンクのPDUセッション間でデータを転送するルーティング機能をさらにサポートする。これは、ワイヤレス・バックホールにわたる転送プレーンを生成する。PDUセッション・タイプに基づいて、この転送プレーンはIP又はイーサネットをサポートする。PDUセッション・タイプがイーサネットの場合に、IPレイヤを上に確立できる。このようにして、各IABノードは、有線バックホール・ネットワークへのIPコネクティビティを取得する。
【0030】
NG、Xn、F1、N4などのすべてのIPベースのインタフェースは、この転送プレーンを介して搬送される。F1の場合に、UEにサービスするIAB‐ノードは、全gNBではなくDUを含んでおり、CUはIABドナー内又はそれを超えたところにありうる。
図10の右側は、IPベースとイーサネットベースとのPDUセッション・タイプのNG‐Uプロトコル・スタックの例を示す。
【0031】
UEアクセスのためにIABノードがDUを保持する場合に、UEとCUとの間のエンド・ツー・エンド・PDCPを使用してエンド・ユーザ・データがすでに保護されるので、各ホップに関してPDCPベースの保護をサポートすることは要求されなくてもよい。 アーキテクチャ2bで、IABノードは、親IABノード又はIABドナー上のgNBとのNR Uuリンクを確立するためにMTを保持する。このNR‐Uuリンクを介して、MTはUPFとのPDUセッションを維持する。アーキテクチャ2aで採用されたアプローチとは対照的に、このUPFはIABドナーに位置する。また、上流のIABノード間にわたるPDUの転送は、トンネル経由で行われる。したがって、複数のホップにわたる転送は、ネストされたトンネルのスタックを作成する。アーキテクチャ2aにおけるように、各IABノードは、有線バックホール・ネットワークへのIPコネクティビティを取得する。NG、Xn、F1、N4などのすべてのIPベースのインタフェースは、この転送IPプレーンを介して搬送される。
図11の右側は、NG‐Uのプロトコル・スタック例を示す。
【0032】
アーキテクチャ2cは、DU‐CU分離を活用する。IABノードは、親IABノード又はIABドナー上のDUとのRLCチャネルを維持するMTを保持する。IABドナーは、各IABノードのDUについてCU及びUPFを保持する。各IABノード上のMTはCUとのNR‐Uuリンクを維持し、ドナー上のUPFとのPDUセッションを維持する。中間ノード上での転送はトンネルを介して達成される。複数のホップにわたる転送は、ネストされたトンネルのスタックを作成する。アーキテクチャ2a及び2bにおけるように、各IABノードは、有線バックホール・ネットワークへのIPコネクティビティを取得する。しかし、アーキテクチャ2bとは異なり、各トンネルは、SDAP/PDCPレイヤを含む。NG、Xn、F1、N4などのすべてのIPベースのインタフェースは、この転送プレーンを介して搬送される。
図12の右側は、NG‐Uのプロトコル・スタック例を示す。
【0033】
3GPP RAN2合意から、(UEとIABノードとの間の)アクセス・リンク上のSA及びNSA(EN‐DC)の両方がサポートされるべきである。EN‐DCを使用したIABの展開例は、一部がIABを使用してバックホールされる新しいマイクロ・ノードを追加することによって高密度化されるマクロ・グリッドLTEネットワークでありうる。この例示的なシナリオで、
図13に示すように、マクロ・サイトは(LTEに加えて)NRもサポートするようにアップグレードされ、マイクロ・サイトはNRのみをサポートする。
【0034】
この場合、データ・ブーストとしてLTEワイド・エリア・カバレッジ及びNRを利用してEN‐DCで動作することが可能であるべきである。EN‐DCソリューションは理想的でないトランスポートを使用してLTEとNRとを分離することを可能にする。これは、UEにサービスするNRノードが別のNRノードを使用してワイヤレスでバックホールされるIABシナリオをEN-DCソリューションがサポートすることが実現可能である必要があることを意味する。
図14は、NR IABノードとラベル付けされたNRを介してワイヤレスでバックホールされているNRノードがNR SCGリンクにサービスするen‐gNB‐DUの機能を実行する、このシナリオのための例示的な論理アーキテクチャを示す。
【0035】
X2インタフェース機能を含む既存のEN‐DCソリューションは、IABノードでサポートされたEN‐DC UEに適用可能である必要がある。アクセス・リンク上のEN‐DCをサポートするためのIAB固有の影響は、LTE eNB上では予測されない。
【0036】
統合されたアクセス及びバックホールは、スタンドアロンNR展開においてもサポートされるべきであると想定される。このため、我々は、
図15に示すように、完全にNRのみの展開を可能にするために、アクセス・リンク及びバックホール・リンクの両方でスタンドアロンNRを使用する場合にも、標準はIABをサポートすべきであると想定する。
【0037】
この標準は、アクセス・リンク及びバックホール・リンクの両方でスタンドアロンNRを使用する際にIABをサポートすべきである。
【0038】
IABバックホール・リンクがネットワーク内部リンクであると仮定すると、何百万ものデバイス/UE(レガシー・デバイスを含む)と相互作用する必要があるアクセス・リンクと比較して、このリンクを実現できる方法はより柔軟である。このため、EN‐DCとSA NRとの両方がバックホール・リンクでサポートされるべきかどうかを議論できる。バックホールのためにEN‐DCを使用するシナリオ及びそのハイレベル論理アーキテクチャを
図16に示す。
【0039】
EN‐DCをサポートするための1つの議論は、ネットワークの残り(パケット・コアを含む)がスタンドアロンNRをサポートしないならば、スタンドアロンNRを使用してIABノードを接続することが実現不可能であることである。
【発明の概要】
【0040】
上述のように、IABのためのいくつかの提案されたアーキテクチャがある。しかし、プロトコル・スタックの詳細、特に、適合レイヤがドナーDU/gNBだけでなく、異なるIABノード上でどのようにセットアップされ、再構成されるかに関する詳細は、依然として未解決である。本書で開示される技術及び装置は、これらの未解決な側面のいくつかに対処する。
【0041】
より詳細に、本書では適切な経路(すなわち、次のIABノード又は宛先UE)への着信パケットの適切なルーティング、並びに当該経路内の適切なベアラへのマッピングのために、IABノード及びドナーDU/gNBで必要とされる適合レイヤのセットアップ及び再構成のメカニズムについて説明する。これは、F1‐AP及びRRCプロトコルを強化することによって実現される。本書に記載される技術は、既存のRRC及びF1‐APプロトコル、又は既存の手順を利用して、適切な経路(すなわち、次のノード)へのパケットのルーティング及びそれらを正しい経路内の適切なベアラへのマッピングに必要な適合レイヤのセットアップ及び再構成を実現する。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、中継ノードにおいて、適合レイヤを構成するための方法であって、中継ノードがドナー基地局の分散ユニットを介してドナー基地局の中央ユニットと通信する方法は、中継ノードがドナー基地局に接続することを含む。ドナー基地局は、中央ユニットと1つ以上の分散ユニットとを含み、中央ユニットと分散ユニットのそれぞれとの間にF1インタフェースが規定される。本方法は、接続を確立した後に、中継ノードのMT部についてプロトコル・スタック内に適合レイヤを構成することを含み、適合レイヤは、中継ノードに接続された1つ以上のさらなる中継ノード又は1つ以上のUEへの着信パケットのルーティングと、当該着信パケットのベアラへのマッピングとを提供する。本方法は、中継ノードのMT部について適合レイヤを構成した後に、ドナー基地局の中央ユニットと中継ノードの下流にある第1のさらなる中継ノードとの間で交換されるパケットを転送するために、中継ノードの分散ユニット部について適合レイヤを構成することをさらに含む。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、ドナー基地局の分散ユニットを通じてドナー基地局の中央ユニットと通信する中継ノードにおいて適合レイヤを構成するための方法は中央ユニットにおいて実行され、ドナー基地局は、中央ユニットと、アタッチされたノードと無線通信するための1つ以上の分散ユニットとを備え、中央ユニットと各分散ユニットとの間にF1インタフェースが規定される。本方法は、接続を確立した後に、中継ノードのMT部との接続を確立するためにRRCシグナリングを使用することと、中継ノードのMT部についてプロトコル・スタック内に適合レイヤを構成するために中継ノードのMT部とシグナリングすることであって、適合レイヤは、中継ノードに接続された1つ以上のさらなる中継ノード又は1つ以上のUEへの着信パケットのルーティングと、それらの着信パケットのベアラへのマッピングとを提供する、ことと、を含む。本方法は、ドナー基地局の分散ユニットにおいて適合レイヤを構成することをさらに含み、ドナー基地局の分散ユニットにおける適合レイヤは、ドナー基地局の下流にある1つ以上の中継ノードの適切な中継ノードに着信パケットをルーティングするように構成される。
【0044】
本発明のさらなる側面は、上記に要約された方法に対応する中央ユニット、IAB/中継ノード、及びコンピュータ・プログラム製品又はコンピュータ可読記憶媒体を対象とする。
【0045】
当然のことながら、本発明は、上記の特徴及び利点に限定されるものではない。当業者は以下の詳細な説明を読み、添付の図面を見ると、さらなる特徴及び利点を認識するのであろう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】5Gの論理ネットワーク・アーキテクチャを説明する。
【
図2】gNBの制御ユニット(CU)における制御プレーン(CP)とユーザ・プレーン(UP)との分離を示す。
【
図3】デュアル・コネクティビティ・シナリオでのマスタgNBベアラの処理を説明する。
【
図4】デュアル・コネクティビティ・シナリオでのセカンダリgNBベアラの処理を説明する。
【
図5】5GのマルチRATデュアル・コネクティビティ(MR‐DC)の原理を説明する。
【
図6】5GにおけるMR‐DCにおける分離ベアラ処理のための無線プロトコル・アーキテクチャを示す。
【
図7】NRにおけるEN‐DCを介した非スタンドアロン接続セットアップを説明する信号フロー図である。
【
図10】IABアーキテクチャ2aの参照図を示す。
【
図11】IABアーキテクチャ2bの参照図を示す。
【
図12】IABアーキテクチャ2cの参照図を示す。
【
図13】EN‐DCモードのUEと、IABノードとがスタンドアロンNRを介して接続されたIABシナリオを説明する。
【
図14】
図13のシナリオに対応するIAB論理ネットワーク・アーキテクチャを説明する。
【
図15】UEとIABノードとがスタンドアロンNRを介して接続されたIABシナリオを説明する。
【
図16】UEといくつかのIABノードとがEN‐DCを介して接続されたIABアーキテクチャを示す。
【
図17】例示的なIABノード・コネクティビティ手順を説明する信号フロー図である。
【
図18】カスケードで追加されたIABノードの構成を説明する。
【
図19】並列にアタッチされたIABノードの構成を示す。
【
図21】いくつかの実施形態によるワイヤレス・ネットワークを示す。
【
図22】いくつかの実施形態による例示的なユーザ機器(UE)を説明する。
【
図23】いくつかの実施形態による例示的な仮想化環境を説明する。
【
図24】いくつかの実施形態に従って、中間ネットワークを介してホスト・コンピュータに接続された電気通信ネットワークを示す。
【
図25】いくつかの実施形態による、基地局を介して、部分的にワイヤレス接続を通じてユーザ機器と通信するホスト・コンピュータを説明する。
【
図26】いくつかの実施形態による分散5Gアーキテクチャを有する基地局を示す。
【
図27】いくつかの実施形態による中央ユニットを示す。
【
図28】いくつかの実施形態による例示的な中央ユニット設計を説明する。
【
図29】いくつかの実施形態による例示的なIAB/中継ノードを説明する。
【
図30】いくつかの実施形態による、ホスト・コンピュータ、基地局、及びユーザ機器を含む通信システムにおいて実施される例示的な方法及び/又は手順を示す。
【
図31】いくつかの実施形態による、ホスト・コンピュータ、基地局、及びユーザ機器を含む通信システムにおいて実施される例示的な方法及び/又は手順を示す。
【
図32】いくつかの実施形態による、ホスト・コンピュータ、基地局、及びユーザ機器を含む通信システムにおいて実施される例示的な方法及び/又は手順を示す。
【
図33】いくつかの実施形態による、ホスト・コンピュータ、基地局、及びユーザ機器を含む通信システムにおいて実施される例示的な方法及び/又は手順を示す。
【
図34】IABにおける例示的な方法を示すプロセスフロー図である。
【
図35】ドナー基地局における例示的な方法を示すプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
上記で簡単に要約した例示的な実施形態を、添付の図面を参照してより十分に説明する。これらの説明は、主題を当業者に説明するために例として提供され、本書に記載された実施形態のみに主題の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。より具体的には、上述の利点による様々な実施形態の動作を示す例が以下に提供される。
【0048】
一般に、本書で使用されるすべての用語は、異なる意味が明確に与えられ、及び/又はそれが使用される文脈から暗示されない限り、関連する技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。a/an/theが付いた要素、装置、コンポーネント、手段、ステップなどへの言及はすべて、特に明記しない限り、要素、装置、コンポーネント、手段、ステップなどの少なくとも1つのインスタンスを指すものとして開放的に解釈されるべきである。本書に開示される任意の方法及び/又は手順のステップは、ステップが別のステップの後又は前として明示的に記載されていない限り、及び/又はステップが別のステップの後又は前になければならないことが暗示されている場合を除いて、開示される正確な順序で実行される必要はない。本書に開示される実施形態のいずれかの任意の特徴は、適切な場合には任意の他の実施形態に適用できる。同様に、任意の実施形態の任意の利点は任意の他の実施形態に適用することができ、その逆も同様である。添付の実施形態の他の目的、特徴、及び利点は、以下の説明から明らかになるだろう。
【0049】
繰り返すと、適切な経路(すなわち、次のIABノード又は宛先UE)への着信パケットの適切なルーティング、及び当該経路内の適切なベアラへのマッピングのために、IABノード及びドナーDU/gNBで必要とされる適合レイヤのセットアップ及び再構成のメカニズムが本書に詳細に記載されている。これは、F1‐AP及びRRCプロトコルを強化することによって実現される。本書に記載される技術は、既存のRRC及びF1‐APプロトコル、又は既存の手順を利用して、適切な経路(すなわち、次のノード)へパケットをルーティングすることと、それらを正しい経路内の適切なベアラにマッピングすることとに必要な適合レイヤのセットアップ及び再構成を実現する。
【0050】
以下の説明は、NRエア・インタフェースを使用して、IABノードがネットワークに向かって(チェーン上の次のIABノードに、又はチェーン内の最後のIABノードの場合にはドナーDU/gNBに)接続される場合に焦点を当てる。したがって、NR RRCプロトコルが想定される。しかし、本書に記載される技術は、これらのリンクがLTEエア・インタフェースを使用している場合(例えば、上述のようなEN‐DCセッティングにおいて)にも等しく適用可能である。この場合に、RRCは、LTE RRCプロトコルを参照する。
【0051】
さらに、本明細書は、上述したようなアーキテクチャ1a及び1bに焦点を当てている。しかし、これらの技術はアーキテクチャ1a及び1bのようにCU/DU分離アーキテクチャを利用するように更新されるならば、例えばアーキテクチャ2変形にも等しく適用可能である。
【0052】
最後に、本明細書は、適合レイヤのセットアップ/再構成側面に焦点を当て、したがって、制御プレーン・アーキテクチャ図及びF1‐AP/RRC側面を議論し説明する。しかし、適合レイヤの実際の動作(すなわち、ルーティング及びマッピング)は、ユーザ・プレーン(UP)UPと制御プレーン(CP)パケットとの両方に適用可能である。UPパケットについて、適合レイヤのマッピングの一部は、GTP‐U情報(例えば、GTPトンネルID、ポート番号など)に基づく。
【0053】
この明細書で、関与するすべてのIABノードのDU部分を同じCUが制御していると想定した。しかし、そうではなく、様々なCUがIABノードを制御してもよい。その場合に、適合レイヤのセットアップ/再構成の間にCU間の通信が必要とされる。
【0054】
IABノード・セットアップ/動作の第1のフェーズにおいて、IABノードは、事業者のネットワークへのIPコネクティビティを確立する。これにより、IABノードは初期OAM構成のためにOAM機能に到達することができ、また、セットアップ手順の第2のフェーズで実行されるCUへのコネクティビティをセットアップできる。この目的のために、1つの可能なオプションは、
図17に示されるように、レガシーUEアタッチ手順を検討し、それをIABノードの要件を満たすように調整することである。
【0055】
適合レイヤは、IABノードのセットアップ手順のこの第1のフェーズにおいて構成される必要がある。適合レイヤは、中継ノードがドナー基地局に接続した後に、例えば、(NASレベルでの)PDUセッションが確立された後に、セットアップされうる。より具体的には、バックホール・リンク上の正しい無線ベアラへのマッピングだけでなく、ドナー・ノードのDU部について適合レイヤを構成するように、「UEコンテキスト・セットアップ」手順が修正されうる。一方、MTスタックの適合レイヤは、DRBセットアップの一部であってもよい。
【0056】
UEコンテキスト・セットアップ及びデータ無線ベアラ・セットアップ手順は、ドナー・ノードの適合レイヤとIABノードのMT部の構成に対して修正できることが分かった。したがって、適合レイヤは、(IABノードのMT部のための)PDUセッションが確立された後に、IABノードのためのセットアップ手順の第1のフェーズにおいて構成されるべきである。さらに、MTスタックの適合レイヤは、バックホール・リンク上のDRBセットアップの一部として構成されるべきである。
【0057】
MTスタックの適合レイヤの構成が完了した後に、次のステップはIABノードのDU部分をセットアップ/構成することである。この目的のために、MT部のための適合レイヤがセットアップされると、DU機能のセットアップ/構成をトリガするメカニズムが必要とされる。よって、IABノードのMT部の適合レイヤは、IABノードのDU機能をセットアップする前に構成される。
【0058】
その後、最初のIABノードを介して、別のIABノードがMTとしてネットワークに接続されうる(すなわち、マルチホップ・セットアップ)。そして、この第2のレベルのIABノードのMT部のためのセットアップ・プロセス中に、第1のIABノードのDU部の適合レイヤも構成されるべきである。よって、IABノードのDU部の適合レイヤは、別のIABノードがMTとしてそれに接続する場合に構成される必要がある(すなわち、マルチホップ・セットアップ)ことがさらに観察されうる。
【0059】
RRC接続手順はMTスタックのための適合レイヤをセットアップするために使用されうるが、F1‐APはIABノードのDU部だけでなくドナーDUのための適合レイヤを構成するために採用されうる。MTのための適合レイヤは、F1シグナリングをセットアップする前に配置されなければならない。
【0060】
よって、現在開示されている技術のいくつかの実施形態で、RRCプロトコルは、IABノードのMT部のための適合レイヤをセットアップするために使用される。F1‐APは、IABノードのDU部分並びにドナーDUのための適合レイヤをセットアップするために採用されてもよい。IABノードのMT部のための適合レイヤは、IABノードのDU部のためのF1シグナリングをセットアップする前に配置されるべきであることに留意されたい。
【0061】
よって、
図17に示されるシグナリング・メッセージの内容は、IABノードの両方の部分のための適合レイヤのセットアップを含むように修正/強化されるべきである。
【0062】
アーキテクチャ1a及び1bについて、新しいIABノードがネットワークにアタッチされるたびに、すでに接続されているIAB DU(及びドナーDU)の適合レイヤが更新/修正される必要がある。これは
図18に示されており、必要な再構成を行うためにF1‐APが使用される。したがって、現在開示されている技術のいくつかの実施形態で、IABノードの適合レイヤがF1‐APで再構成/更新される。
【0063】
図19は、ネットワークに並列にアタッチされたIABノードのMT部の例(つまり、同じホップレベルでのIABノードの追加)を示す。一般に、並列の場合とカスケードの場合との間に有意な差はなく、いずれの場合も、再構成のためにF1‐APが使用されるが、ただし、ネットワークにアタッチされたすべてのIABノードのMT部のためのRRCプロトコルは同じ数のホップを横断する。カスケードの場合と同様に、ここでは中間IABノード(及びドナーDU)の適合レイヤも、他のIABノード向けのパケットをルーティングできるようにするように更新/修正されるべきである。
【0064】
図20は、IABノードにアタッチするUEの例を示す。上記の2つの場合/例とは異なり、この場合に、IAB1ノードは最後のノードである(すなわち、さらなるホップはない)。上記の場合のように、IABノードの適合レイヤを再構成するためにF1‐APが使用される。一方、ドナー・ノード(並びに中間ノード)のDU部のための適合レイヤは、IABノードのMT部及びDU部のために異なるIPアドレスが使用されるか又は同じIPアドレスが使用されるか、UEのベアラにマッピングされうるバックホール・ベアラ・セットアップがすでに存在するかどうか、及び/又はすべてのバックホール・ノードにおいて静的マッピングが使用されるかどうか(例えば、所与のQoSのベアラに関連付けられたポート番号の所定の範囲)などのいくつかの要因に応じて、再構成される必要があってもよいし、そうでなくてもよい。
【0065】
本書で説明される主題は任意の好適なコンポーネントを使用して任意の適切なタイプのシステムで実施できるが、本書で開示される実施形態は
図21に説明される例示的なワイヤレス・ネットワークのようなワイヤレス・ネットワークに関連して説明される。簡潔にするために、
図21のワイヤレス・ネットワークは、ネットワーク2106、ネットワーク・ノード2160及び2160b、並びにWD2110、2110b、及び2110cのみを示す。実際には、ワイヤレス・ネットワークは、ワイヤレス・デバイス間の通信や、ワイヤレス・デバイスと、別の通信デバイス、例えば、固定電話、サービス・プロバイダ、又は任意の他のネットワーク・ノード又はエンド・デバイスとの間の通信をサポートするのに適した任意の追加要素をさらに含みうる。図示されたコンポーネントのうち、ネットワーク・ノード2160及びワイヤレス・デバイス(WD)2110が、さらなる詳細とともに示されている。ワイヤレス・ネットワークは、ワイヤレス・ネットワークによって、又はワイヤレス・ネットワークを介して提供されるサービスへのワイヤレス・デバイスのアクセス及び/又はサービスの使用を容易にするために、1つ以上のワイヤレス・デバイスに通信及び他のタイプのサービスを提供できる。
【0066】
ワイヤレス・ネットワークは、任意のタイプの通信、電気通信、データ、セルラ、及び/又は無線ネットワーク、あるいは他の同様のタイプのシステムを備えるか、これらとやり取りできる。いくつかの実施形態で、ワイヤレス・ネットワークは、特定の標準又は他のタイプの事前規定されたルール又は手順に従って動作するように構成されうる。よって、ワイヤレス・ネットワークの特定の実施形態は、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニエk-ション(GSM)、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、及び/又は他の適切な2G、3G、4G、又は5G標準、IEEE802.11標準などのワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)標準、及び/又はワールドワイド・インタオペラビリティ・フォー・マイクロ波アクセス(WiMax)、ブルートゥース、Zウェーブ、及び/又はZigBee標準のような通信標準を実施しうる。
【0067】
ネットワーク2106は、1つ以上のバックホール・ネットワーク、コア・ネットワーク、IPネットワーク、公衆交換電話網(PTSN)、パケット・データ・ネットワーク、光ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)、有線ネットワーク、ワイヤレス・ネットワーク、メトロポリタン・エリア・ネットワーク、及びデバイス間の通信を可能にする他のネットワークを含みうる。
【0068】
ネットワーク・ノード2160及びWD2110は、以下でより詳細に説明する様々なコンポーネントを備える。これらのコンポーネントは、ワイヤレス・ネットワークでワイヤレス接続を提供するなど、ネットワーク・ノード及び/又はワイヤレス・デバイス機能を提供するために連携する。様々な実施形態で、ワイヤレス・ネットワークは、任意の数の有線又はワイヤレス・ネットワーク、ネットワーク・ノード、基地局、コントローラ、ワイヤレス・デバイス、中継局、及び/又は有線接続を介するか又はワイヤレス接続を介するかにかかわらず、データ及び/又は信号の通信を容易にするか又は参加できる任意の他のコンポーネント又はシステムを備えることができる。
【0069】
本書で使用されるように、ネットワーク・ノードは、ワイヤレス・デバイスと直接的又は間接的に通信し、及び/又はワイヤレス・ネットワーク内の他のネットワーク・ノード又は機器と通信して、ワイヤレス・デバイスへのワイアレス・アクセスを可能にし及び/又は提供し、及び/又はワイヤレス・ネットワーク内の他の機能(例えば、管理)を実行することが可能か、このように構成され、配置され、及び/又は動作可能な機器を指す。ネットワーク・ノードの例は、アクセス・ポイント(AP)(例えば、無線アクセス・ポイント)、基地局(BS)(例えば、無線基地局、ノードB、発展型ノードB(eNB)及びNRノードB(gNB))を含むが、これらに限定されない。基地局は、それらが提供する(又は別の言い方をすれば、それらが電力レベルを送信する)カバレッジの量に基づいて分類されることができ、そして、フェムト基地局、ピコ基地局、マイクロ基地局、又はマクロ基地局とも呼ばれることができる。基地局は、中継を制御する中継ノード又は中継ドナー・ノードでありうる。ネットワーク・ノードはまた、集中型デジタル・ユニット及び/又は遠隔無線ユニット(RRU)(遠隔無線ヘッド(RRH)と呼ばれることもある)などの分散型無線基地局の1つ以上の(又はすべての)部分を含むことができる。このような遠隔無線ユニットは、アンテナ一体型無線機としてアンテナと一体化されてもよいし、されなくてもよい。分散無線基地局の一部は、分散アンテナシステム(DAS)におけるノードとも呼ぶことができる。
【0070】
ネットワーク・ノードのさらなる例は、MSR BSなどのマルチ標準無線(MSR)機器、無線ネットワーク・コントローラ(RNC)又は基地局コントローラ(BSC)などのネットワーク・コントローラ、基地送受信局(BTS)、送信ポイント、送信ノード、マルチセル/マルチキャスト調整エンティティ(MCE)、コア・ネットワーク・ノード(例えば、MSC、MME)、O&Mノード、OSSノード、SONノード、測位ノード(例えば、E‐SMLC)、及び/又はMDTを含む。別の例として、ネットワーク・ノードは、以下により詳細に説明するように、仮想ネットワーク・ノードでありうる。しかし、より一般的に、ネットワーク・ノードは、ワイヤレス・ネットワークへのアクセスを有するワイヤレス・デバイスを可能にし及び/又は提供し、又はワイヤレス・ネットワークにアクセスしたワイヤレス・デバイスに何らかのサービスを提供することが可能であるか、そのように構成、配置、及び/又は動作可能な任意の適当なデバイス(又はデバイスのグループ)を表すことができる。
【0071】
図21において、ネットワーク・ノード2160は、処理回路2170、デバイス可読媒体2180、インタフェース2190、補助機器2184、電源2186、電力回路2187、及びアンテナ2162を含む。
図21の例示的なワイヤレス・ネットワークに示されたネットワーク・ノード2160はハードウェア・コンポーネントの図示された組合せを含むデバイスを表すことができるが、他の実施形態はコンポーネントの異なる組合せを有するネットワーク・ノードを備えることができる。ネットワーク・ノードは、本書で開示されるタスク、特徴、機能、及び方法、及び/又は手順を実行するために必要とされるハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の適切な組合せを備えることを理解されたい。さらに、ネットワーク・ノード2160のコンポーネントがより大きなボックス内に配置された単一のボックスとして描かれているか、又は複数のボックス内にネストされているが、実際にはネットワーク・ノードは、単一の説明されたコンポーネントを構成する複数の異なる物理コンポーネントを備えることができる(例えば、デバイス可読媒体2180は複数の個別のハードドライブと、複数のRAMモジュールとを含むことができる)。
【0072】
同様に、ネットワーク・ノード2160は、複数の物理的に別個のコンポーネント(例えば、gNB CU及びgNB DU、IAB MT部及びIAB分散ユニット部など)から構成されてもよく、これらはそれぞれ、それら自体の個別のコンポーネントを有しうる。ネットワーク・ノード2160が複数の別個のコンポーネント(例えば、BTS及びBSCコンポーネント)を含む特定のシナリオで、別個のコンポーネントのうちの1つ以上は、いくつかのネットワーク・ノード間で共有されうる。いくつかの実施形態で、ネットワーク・ノード2160は、複数の無線アクセス技術(RAT)をサポートするように構成されうる。そのような実施形態で、いくつかのコンポーネントが複製されてもよく(例えば、異なるRATについて別個のデバイス可読媒体2180)、いくつかのコンポーネントは再使用されてもよい(例えば、同じアンテナ2162はRATによって共有されることができる)。ネットワーク・ノード2160はまた、例えば、GSM、WCDMA、LTE、NR、WiFi、又はブルートゥース・ワイヤレス技術のような、ネットワーク・ノード2160に統合された異なるワイヤレス・技術のための様々な説明されたコンポーネントの複数のセットを含むことができる。これらのワイヤレス技術は、ネットワーク・ノード2160内の同じ又は異なるチップ又はチップ集合及び他のコンポーネントに統合されうる。
【0073】
処理回路2170は、ネットワーク・ノードによって提供されるものとして本書で説明される任意の判定、計算、又は類似の動作(例えば、特定の取得動作)を実行するように構成されうる。処理回路2170によって実行されるこれらの動作は例えば、取得された情報を他の情報に変換すること、取得された情報又は変換された情報をネットワーク・ノードに記憶された情報と比較すること、及び/又は取得された情報又は変換された情報に基づいて1つ以上の動作を実行すること、及当該処理の結果として判定を行うことによって、処理回路2170によって取得された情報を処理することを含みうる。
【0074】
処理回路2170は、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、中央演算ユニット、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、又は任意の他の適切なコンピューティング・デバイス、リソース、又はハードウェア、ソフトウェア、及び/又は符号化ロジックの組合せのうちの1つ以上の組合せを備えることができ、これらは、単独で、又はデバイス可読媒体2180、ネットワーク・ノード2160機能などの他のネットワーク・ノード2160コンポーネントと併せてのいずれかで提供するように動作可能である。例えば、処理回路2170は、デバイス可読媒体2180又は処理回路2170内のメモリに記憶された命令を実行できる。そのような機能は、本書で説明される様々なワイヤレス特徴、機能、又は利益のいずれかを提供することを含みうる。いくつかの実施形態で、処理回路2170はシステム・オン・チップ(SOC)を含みうる。
【0075】
いくつかの実施形態で、処理回路2170は、高周波(RF)送受信機回路2172及びベースバンド処理回路2174のうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態で、高周波(RF)送受信機回路2172及びベースバンド処理回路2174は、無線ユニット及びデジタル・ユニットなどの、別個のチップ(又はチップの集合)、ボード、又はユニット上にあってもよい。代替の実施形態で、RF送受信機回路2172及びベースバンド処理回路2174の一部又は全部は、同じチップ又はチップの集合、ボード、又はユニット上にあってもよい。
【0076】
いくつかの実施形態で、ネットワーク・ノード、基地局、eNB、又は他のそのようなネットワーク・デバイスによって提供されるものとして本書で説明される機能のいくつか又はすべては、デバイス可読媒体2180又は処理回路2170内のメモリ上に記憶された命令を処理回路2170が実行することによって実行されうる。代替の実施形態で、機能のいくつか又はすべては、ハードワイヤード方式などで、別個の又は個別のデバイス可読媒体上に記憶された命令を実行することなく、処理回路2170によって提供されうる。これらの実施形態のいずれにおいても、デバイス可読記憶媒体上に記憶された命令を実行するか否かにかかわらず、処理回路2170は、説明された機能を実行するように構成されうる。そのような機能性によって提供される利点は、処理回路2170単独又はネットワーク・ノード2160の他のコンポーネントに限定されず、ネットワーク・ノード2160全体によって、及び/又はエンド・ユーザ及びワイヤレス・ネットワーク全体によって享受される。
【0077】
デバイス可読媒体2180は、限定されるものではないが、永続的記憶装置、ソリッド・ステート・メモリ、遠隔でマウントされたメモリ、磁気媒体、光学媒体、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリ・メモリ(ROM)、大容量記憶媒体(例えば、ハードディスク)、取り外し可能記憶媒体(例えば、フラッシュ・ドライブ、コンパクト・ディスク(CD)又はデジタル・ビデオ・ディスク(DVD))、及び/又は処理回路2170によって使用されうる情報、データ、及び/又は命令を記憶する他の任意の揮発性又は不揮発性の非一時的なデバイス可読及び/又はコンピュータ実行可能メモリ・デバイスを含む、任意の形態の揮発性又は不揮発性コンピュータ可読メモリを含みうる。デバイス可読媒体2180は、コンピュータ・プログラム、ソフトウェア、ロジック、ルール、コード、テーブルなどのうちの1つ以上を含むアプリケーション、及び/又は処理回路2170によって実行され、ネットワーク・ノード2160によって利用されることが可能な他の命令を含む、任意の適切な命令、データ、又は情報を記憶できる。デバイス可読媒体2180は、処理回路2170によって行われた任意の演算、及び/又はインタフェース2190を介して受信された任意のデータを記憶するために使用されうる。いくつかの実施形態で、処理回路2170及びデバイス可読媒体2180は一体化されていると考えることができる。
【0078】
インタフェース2190は、ネットワーク・ノード2160、ネットワーク2106、及び/又はWD2110間のシグナリング及び/又はデータの有線又はワイヤレス通信で使用される。説明されるように、インタフェース2190は、例えば有線接続を介してネットワーク2106へ又はネットワーク2106からデータを送受信するためのポート/端子2194を備える。インタフェース2190はまた、アンテナ2162に、又は特定の実施形態でその一部に結合されうる無線フロントエンド回路2192を含む。無線フロントエンド回路2192は、フィルタ2198及び増幅器2196を含む。無線フロントエンド回路2192は、アンテナ2162及び処理回路2170に接続されうる。無線フロントエンド回路は、アンテナ2162と処理回路2170との間で通信される信号を条件付けるように構成されうる。無線フロントエンド回路2192は、ワイヤレス接続を介して他のネットワーク・ノード又はWDに送出されるデジタル・データを受信できる。無線フロントエンド回路2192は、フィルタ2198及び/又は増幅器2196の組合せを使用して、デジタル・データを、適切なチャネル及び帯域幅パラメータを有する無線信号に変換できる。そして、無線信号は、アンテナ2162を介して送信されうる。同様に、データを受信する際に、アンテナ2162は無線信号を収集し、次いで、無線フロントエンド回路2192によってデジタル・データに変換されうる。デジタル・データは、処理回路2170に渡されうる。他の実施形態で、インタフェースは、異なるコンポーネント及び/又はコンポーネントの異なる組み合わせを含みうる。
【0079】
所定の代替の実施形態で、ネットワーク・ノード2160は、別個の無線フロントエンド回路2192を含んでいなくてもよく、代わりに、処理回路2170が無線フロントエンド回路を含んでもよく、別個の無線フロントエンド回路2192を伴わずにアンテナ2162に接続されてもよい。同様に、いくつかの実施形態で、RF送受信機回路2172のすべて又はいくつかはインタフェース2190の一部と見なされうる。さらに他の実施形態で、インタフェース2190は、無線ユニット(図示せず)の一部として、1つ以上のポート又は端子2194、無線フロントエンド回路2192、及びRF送受信機回路2172を含むことができ、インタフェース2190はデジタル・ユニット(図示せず)の一部であるベースバンド処理回路2174と通信できる。
【0080】
アンテナ2162は、ワイヤレス信号を送信及び/又は受信するように構成された1つ以上のアンテナ、又はアンテナ・アレイを含みうる。アンテナ2162は、無線フロントエンド回路2190に結合されることができ、データ及び/又は信号を無線で送受信できる任意のタイプのアンテナでありうる。いくつかの実施形態で、アンテナ2162は、例えば、2GHzと66GHzとの間で無線信号を送受信するように動作可能な、1つ以上の無指向性、セクター又はパネル・アンテナを備えることができる。無指向性アンテナは任意の方向に無線信号を送受信するために使用されることができ、セクタ・アンテナは特定のエリア内のデバイスから無線信号を送受信するために使用されることができ、パネル・アンテナは、比較的直線上に無線信号を送受信するために使用する視線アンテナでありうる。いくつかの例で、複数のアンテナの使用をMIMOと呼ぶことができる。所定の実施形態で、アンテナ2162がネットワーク・ノード2160とは別個であってもよく、インタフェース又はポートを介してネットワーク・ノード2160に接続可能であってもよい。
【0081】
アンテナ2162、インタフェース2190、及び/又は処理回路2170は、ネットワーク・ノードによって実行されるものとして本書で説明される任意の受信動作及び/又は所定の取得動作を実行するように構成されうる。ワイヤレス・デバイス、別のネットワーク・ノード、及び/又は任意の他のネットワーク機器から、任意の情報、データ、及び/又は信号が受信されうる。同様に、アンテナ2162、インタフェース2190、及び/又は処理回路2170は、ネットワーク・ノードによって実行されるものとして本書に記載される任意の送信動作を実行するように構成されうる。ワイヤレス・デバイス、別のネットワーク・ノード、及び/又は任意の他のネットワーク機器へ、任意の情報、データ、及び/又は信号が送信されうる。
【0082】
電力回路2187は電力管理回路を備えることができ、又は電力管理回路に結合されることができ、本書に記載される機能を実行するための電力をネットワーク・ノード2160のコンポーネントに供給するように構成されうる。電力回路2187は、電源2186から電力を受け取ることができる。電源2186及び/又は電力回路2187は、個別のコンポーネントに適した形態(例えば、各個別のコンポーネントに必要な電圧及び電流レベル)で、ネットワーク・ノード2160の様々なコンポーネントに電力を提供するように構成されうる。電源2186は、電力回路2187及び/又はネットワーク・ノード2160内に含まれても、又はその外部に含まれてもよい。例えば、ネットワーク・ノード2160は、電気ケーブルなどの入力回路又はインタフェースを介して、外部電源(例えば、電気コンセント)に接続可能であり、それによって、外部電源は、電力回路2187に電力を供給する。さらなる例として、電源2186は、電力回路2187に接続される、又は統合される、バッテリ又はバッテリ・パックの形態の電源を含んでもよい。外部電源に障害が発生した場合に、バッテリはバックアップ電力を提供できる。光起電装置のような他のタイプの電源も使用されうる。
【0083】
ネットワーク・ノード2160の代替的な実施形態は、本書で説明される機能のいずれか、及び/又は本書で説明される主題をサポートするために必要な任意の機能を含む、ネットワーク・ノードの機能の所定の側面を提供する責任を負うことができる、
図21に示されるものを超える追加のコンポーネントを含みうる。例えば、ネットワーク・ノード2160は、ネットワーク・ノード2160への情報の入力を可能及び/又は容易にし、ネットワーク・ノード2160からの情報の出力を可能及び/又は容易にするためのユーザ・インタフェース機器を含みうる。これにより、ユーザはネットワーク・ノード2160の診断、保守、修理、及びその他の管理機能を実行することが可能になり、及び/又は容易になる。
【0084】
本書で使用されるように、ワイヤレス・デバイス(WD)は、ネットワーク・ノード及び/又は他のワイヤレス・デバイスと無線で通信できる、構成される、配置される、及び/又は動作可能なデバイスを指す。特に断らない限り、WDという用語は、本書でユーザ機器(UE)と互換的に使用されうる。無線で通信することは、電磁波、電波、赤外線、及び/又は空気を通じて情報を伝達するのに適した他のタイプの信号を使用して、ワイヤレス信号を送信及び/又は受信することを含みうる。いくつかの実施形態で、WDは、直接的な人間の対話なしに情報を送信及び/又は受信するように構成されうる。例えば、WDは、所定のスケジュールで、内部又は外部イベントによってトリガされたときに、又はネットワークからの要求に応じて、ネットワークへ情報を送信するように設計されうる。WDの例は、スマートフォン、モバイル電話、携帯電話、ボイス・オーバIP(VoIP)電話、ワイヤレス・ローカル・ループ電話、デスクトップ・コンピュータ、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ワイヤレス・カメラ、ゲーム・コンソール又はデバイス、音楽記憶装置、再生装置、ウェアラブル端末デバイス、ワイヤレス・エンドポイント、移動局、タブレット、ラップトップ、ラップトップ埋め込み機器(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、スマート・デバイス、ワイヤレス顧客構内装置(CPE)、車載ワイヤレス端末デバイスなどを含むが、これらに限定されない。
【0085】
WDは例えば、サイドリンク通信、車車間通信(V2V)、車対インフラストラクチャ(V2I)、車対エブリシング通信(V2X)のための3GPP標準を実施することによって、デバイス・ツー・デバイス(D2D)通信をサポートすることができ、この場合に、D2D通信デバイスと呼ぶことができる。さらに別の特定の例として、モノのインターネット(IoT)シナリオで、WDは、監視及び/又は測定を実行し、そのような監視及び/又は測定の結果を別のWD及び/又はネットワーク・ノードへ送信する機械又は他のデバイスを表すことができる。この場合、WDはマシン・ツー・マシン(M2M)デバイスであってもよく、3GPP文脈で、MTCデバイスと呼ばれることができる。1つの特定の例として、WDは、3GPP狭帯域モノのインターネット(NB‐IoT)標準を実施するUEでありうる。そのような機械又はデバイス置の特定の例は、センサ、電力計、産業機械などの計量デバイス、又は家庭用もしくは個人用機器(例えば、冷蔵庫、テレビなど)、個人用ウェアラブル(例えば、時計、フィットネス・トラッカなど)である。
他のシナリオで、WDは、その動作状態又はその動作に関連する他の機能を監視及び/又は報告できる車両又は他の機器を表すことができる。上記のようなWDは、ワイヤレス接続のエンドポイントを表すことができる。この場合、デバイスはワイヤレス端末と呼ばれる。さらに、上述のようなWDはモバイルであってもよく、その場合、モバイル・デバイス又はモバイル端末とも呼ばれることができる。
【0086】
説明されるように、ワイヤレス・デバイス2110は、アンテナ2111、インタフェース2114、処理回路2120、デバイス可読媒体2130、ユーザ・インタフェース機器2132、補助機器2134、電源2136、及び電力回路2137を含む。WD2110は、ほんの数例を挙げると、例えば、GSM、WCDMA、LTE、NR、WiFi、WiMAX、又はブルートゥース無線技術のような、WD2110によってサポートされる異なるワイヤレス技術のための例示されたコンポーネントのうちの1つ以上の複数の集合を含みうる。これらのワイヤレス技術は、WD2110内の他のコンポーネントと同じ又は異なるチップ又はチップの集合に統合されうる。
【0087】
アンテナ2111は、ワイヤレス信号を送信及び/又は受信するように構成された1つ以上のアンテナ又はアンテナ・アレイを含んでもよく、インタフェース2114に接続される。特定の代替実施形態で、アンテナ2111は、WD2110とは別個であってもよく、インタフェース又はポートを通じてWD2110に接続可能であってもよい。アンテナ2111、インタフェース2114、及び/又は処理回路2120は、WDによって実行されるものとして本書で説明される任意の受信動作又は送信動作を実行するように構成されうる。ネットワーク・ノード及び/又は別のWDから、任意の情報、データ、及び/又は信号が受信されうる。いくつかの実施形態で、無線フロントエンド回路及び/又はアンテナ2111は、インタフェースとみなされうる。
【0088】
説明されるように、インタフェース2114は、無線フロントエンド回路2112及びアンテナ2111を備える。無線フロントエンド回路2112は、1つ以上のフィルタ2118及び増幅器2116を備える。無線フロントエンド回路2114は、アンテナ2111及び処理回路2120に接続され、アンテナ2111と処理回路2120との間で通信される信号を条件付けるように構成されうる。無線フロントエンド回路2112は、アンテナ2111に結合されうるか、又はその一部でありうる。いくつかの実施形態で、WD2110は、別個の無線フロントエンド回路2112を含んでいなくてもよく、むしろ、処理回路2120が無線フロントエンド回路を含んでもよく、アンテナ2111に接続されてもよい。同様に、いくつかの実施形態で、RF送受信機回路2122の一部又は全部は、インタフェース2114の一部とみなされうる。無線フロントエンド回路2112は、ワイヤレス接続を介して他のネットワーク・ノード又はWDに送出されるデジタル・データを受信できる。無線フロントエンド回路2112は、フィルタ2118及び/又は増幅器2116の組合せを使用して、デジタル・データを、適切なチャネル及び帯域幅パラメータを有する無線信号に変換できる。次いで、無線信号は、アンテナ2111を介して送信されうる。同様に、データを受信する場合に、アンテナ2111は、無線信号を収集でき、これは、次いで、無線フロントエンド回路2112によってデジタル・データに変換される。デジタル・データは、処理回路2120に渡されうる。他の実施形態で、インタフェースは、異なるコンポーネント及び/又はコンポーネントの異なる組み合わせを含みうる。
【0089】
処理回路2120は、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、中央処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、又は任意の他の適切なコンピューティング・デバイス、リソース、又はハードウェア、ソフトウェア、及び/又は符号化ロジックの組合せのうちの1つ以上の組合せを備えることができ、これらは、単独で、又はデバイス可読媒体2130、WD2110機能などの他のWD2110コンポーネントと併せてのいずれかで提供するように動作可能である。そのような機能は、本書で説明される様々なワイヤレス特徴又は利点のいずれかを提供することを含みうる。例えば、処理回路2120は、本書で開示される機能を提供するために、デバイス可読媒体2130又は処理回路2120内のメモリに記憶された命令を実行できる。
【0090】
説明されるように、処理回路2120は、RF送受信機回路2122、ベースバンド処理回路2124、及びアプリケーション処理回路2126のうちの1つ以上を含む。他の実施形態で、処理回路は、異なるコンポーネント及び/又はコンポーネントの異なる組み合わせを備えることができる。特定の実施形態で、WD2110の処理回路2120は、SOCを備えることができる。いくつかの実施形態で、RF送受信機回路2122、ベースバンド処理回路2124、及びアプリケーション処理回路2126は別個のチップ又はチップの集合上にありうる。代替の実施形態で、ベースバンド処理回路2124及びアプリケーション処理回路2126の一部又は全部は、1つのチップ又はチップの集合に組み合わされてもよく、RF送受信機回路2122は別個のチップ又はチップの集合上にあってもよい。さらに代替的な実施形態で、RF送受信機回路2122及びベースバンド処理回路2124の一部又は全部が同一チップ又はチップセット上にあってもよく、アプリケーション処理回路2126が別個のチップ又はチップセット上にあってもよい。さらに他の代替実施形態で、RF送受信機回路2122、ベースバンド処理回路2124、及びアプリケーション処理回路2126の一部又は全部は、同じチップ又はチップの集合で組み合わされてもよい。いくつかの実施形態で、RF送受信機回路2122はインタフェース2114の一部でありうる。RF送受信機回路2122は、処理回路2120のためのRF信号を条件付けることができる。
【0091】
特定の実施形態で、WDによって実行されるものとして本書で説明される機能の一部又はすべては、所定の実施形態でコンピュータ可読記憶媒体でありうるデバイス可読媒体2130上に記憶された命令を処理回路2120が実行することによって提供されうる。代替の実施形態で、機能のいくつか又はすべては、ハードワイヤード方式などで、別個の又は個別のデバイス可読記憶媒体上に記憶された命令を実行することなく、処理回路2120によって提供されうる。これらの特定の実施形態のいずれにおいても、デバイス可読記憶媒体上に記憶された命令を実行するか否かにかかわらず、処理回路2120は、説明された機能を実行するように構成されうる。そのような機能によって提供される利点は、処理回路2120単独又はWD2110の他のコンポーネントに限定されず、WD2110全体によって及び/又はエンド・ユーザ及びワイヤレス・ネットワーク全体によって享受される。
【0092】
処理回路2120は、WDによって実行されるものとして本書で説明される任意の判定、計算、又は類似の動作(例えば、所定の取得動作)を実行するように構成されうる。処理回路2120によって実行されるようなこれらの動作は、例えば、取得された情報を他の情報に変換すること、取得された情報又は変換された情報をWD2110によって記憶された情報と比較すること、及び/又は取得された情報又は変換された情報に基づいて1つ以上の動作を実行すること、及び当該処理の結果として判定を行うことによって、処理回路2120によって取得された情報を処理することを含みうる。
【0093】
デバイス可読媒体2130は、コンピュータ・プログラム、ソフトウェア、ロジック、ルール、コード、テーブルなどのうちの1つ以上を含むアプリケーション、及び/又は処理回路2120によって実行されることが可能な他の命令を記憶するように動作可能でありうる。デバイス可読媒体2130は、コンピュータ・メモリ(例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)又はリード・オンリ・メモリ(ROM))、大容量記憶媒体(例えば、ハードディスク)、取り外し可能記憶媒体(例えば、コンパクト・ディスク(CD)又はデジタル・ビデオ・ディスク(DVD))、及び/又は処理回路2120によって使用されうる情報、データ、及び/又は命令を記憶する任意の他の揮発性又は不揮発性の一時的でないデバイス可読及び/又はコンピュータ実行可能メモリ・デバイスを含みうる。いくつかの実施形態で、処理回路2120及びデバイス可読媒体2130は、統合されているとみなされうる。
【0094】
ユーザ・インタフェース機器2132は、人間のユーザがWD2110と対話することを可能にし及び/又は容易にするコンポーネントを含みうる。このような対話は、視覚的、聴覚的、触覚的などの多くの形態でありうる。ユーザ・インタフェース機器2132は、ユーザへの出力を生成し、ユーザがWD2110に入力を提供することを可能にし及び/又は容易にするように動作可能でありうる。対話のタイプは、WD2110に設置されたユーザ・インタフェース機器2132のタイプに応じて変わりうる。例えば、WD2110がスマートフォンであるならば、対話はタッチスクリーンを介することができ、WD2110がスマート・メータであるならば、対話は使用量(例えば、使用されるガロン数)を提供するスクリーン、又は可聴警報(例えば、煙が検出される場合)を提供するスピーカを介しうる。ユーザ・インタフェース機器2132は、入力インタフェース、デバイス及び回路、並びに出力インタフェース、デバイス及び回路を含みうる。ユーザ・インタフェース装置2132は、WD2110への情報の入力を可能にする及び/又は容易にするように構成されることができ、及び/又は処理回路2120に接続されて、処理回路2120が入力情報を処理することを可能にする及び/又は容易にする。ユーザ・インタフェース機器2132は例えば、マイクロフォン、近接又は他のセンサ、キー/ボタン、タッチ・ディスプレイ、1つ以上のカメラ、USBポート、又は他の入力回路を含みうる。ユーザ・インタフェース機器2132はまた、WD2110からの情報の出力を可能及び/又は容易にし、処理回路2120がWD2110からの情報を出力することを可能及び/又は容易にするように構成される。ユーザ・インタフェース機器2132は例えば、スピーカ、ディスプレイ、振動回路、USBポート、ヘッドホン・インタフェース、又は他の出力回路を含みうる。ユーザ・インタフェース機器2132の1つ以上の入出力インタフェース、デバイス、及び回路を使用して、WD2110は、エンド・ユーザ及び/又はワイヤレス・ネットワークと通信でき、本書で説明する機能からの利点をこれらに与えることを可能にでき及び/又は容易にできる。
【0095】
補助装置2134は、WDによって一般に実行されなくてもよいより具体的な機能を提供するように動作可能である。これは、様々な目的のために測定を行うための専用センサ、有線通信などの追加のタイプの通信のためのインタフェースを備えることができる。補助装置2134のコンポーネントの包含及びタイプは、実施形態及び/又はシナリオに応じて変わりうる。
【0096】
電源2136は、一部の実施形態で、バッテリ又はバッテリ・パックの形態でありうる。外部電源(例えば、電気コンセント)、光起電デバイス又は電力セルなどの他のタイプの電力源も使用されうる。WD2110は、電源2136からの電力を、本書に記載又は示される任意の機能を実行するために電源2136からの電力を必要とするWD2110の種々の部分に送る電力回路2137をさらに備えることができる。電力回路2137は、所定の実施形態で電力管理回路を含みうる。電力回路2137は追加的又は代替的に、外部電源から電力を受け取るように動作可能であってもよく、その場合、WD2110は、入力回路又は電力ケーブルなどのインタフェースを介して、外部電源(電気コンセントなど)に接続可能であってもよい。電力回路2137は、所定の実施形態で、外部電源から電源2136へ電力を送るように動作可能であってもよい。これは、例えば、電源2136の充電のためでありうる。電力回路2137は、WD2110の個別のコンポーネントへの供給に適したものとするために、電源2136からの電力に対する任意の変換又は他の修正を実行できる。
【0097】
図22は、本書で説明される様々な側面によるUEの一実施形態を示す。本書で使用されるように、ユーザ機器すなわちUEは、必ずしも、関連するデバイスを所有し及び/又は操作する人間のユーザという意味でユーザを有していなくてもよい。代わりに、UEは、人間のユーザへの販売又は人間のユーザによる操作が意図されているが、特定の人間のユーザに関連付けられていていない、又は最初は関連付けられていなくてもよいデバイス(例えば、スマート・スプリンクラ・コントローラ)を表すことができる。あるいは、UEは、エンド・ユーザへの販売又はエンド・ユーザによる操作を意図されていないが、ユーザのために関連付けられ又は動作されうるデバイス(例えば、スマート電力計)を表すことができる。UE22200は、NB‐IoT UE、マシン・タイプ通信(MTC)UE、及び/又は発展型MTC(eMTC)UEを含む、第3世代パートナシップ・プロジェクト(3GPP)によって識別される任意のUEでありうる。UE2200は、
図22に示されるように、3GPPのGSM、UMTS、LTE、及び/又は5G標準などの、第3世代パートナシップ・プロジェクト(3GPP)によって公布される1つ以上の通信標準に従って通信するように構成されるWDの一例である。前述のように、WD及びUEという用語は、交換可能に使用されうる。したがって、
図22はUEであるが、本書で説明されるコンポーネントはWDに等しく適用可能であり、その逆もまた同様である。
【0098】
図22において、UE2200は、入出力インタフェース2205、高周波(RF)インタフェース2209、ネットワーク接続インタフェース2211、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)2217、リード・オンリ・メモリ(ROM)2219、及び記憶媒体2221などを含むメモリ2215、通信サブシステム2231、電源2233、及び/又は任意の他のコンポーネント、又はそれらの任意の組合せに動作可能に結合される処理回路2201を含む。記憶媒体2221は、オペレーティング・システム2223、アプリケーション・プログラム2225、及びデータ2227を含む。他の実施形態で、記憶媒体2221が他の同様のタイプの情報を含みうる。所定のUEは、
図22に示されるコンポーネントのすべて、又はコンポーネントのサブセットのみを利用できる。コンポーネント間の統合のレベルは、UEごとに変わりうる。さらに、所定のUEは、複数のプロセッサ、メモリ、送受信機、送信機、受信機などのコンポーネントの複数のインスタンスを含みうる。
【0099】
図22で、処理回路2201は、コンピュータ命令及びデータを処理するように構成されうる。処理回路2201は、1つ以上のハードウェア実装状態機械(例えば、ディスクリート論理、FPGA、ASICなど)、適切なファームウェアを有するプログラマブル論理、1つ以上の記憶されたプログラム、適切なソフトウェアを伴うマイクロプロセッサ又はデジタル信号プロセッサ(DSP)などの汎用プロセッサ、又は上記の任意の組合せなどのような、機械可読コンピュータ・プログラムとしてメモリに記憶された機械命令を実行するように動作する任意の順次状態機械を実装するように構成されうる。例えば、処理回路2201は、2つの中央処理ユニット(CPU)を含みうる。データは、コンピュータによる使用に適した形態の情報でありうる。
【0100】
図示の実施形態で、入出力インタフェース2205は、入力デバイス、出力デバイス、又は入力及び出力デバイスへの通信インタフェースを提供するように構成されうる。UE2200は、入出力インタフェース2205を介して出力デバイスを使用するように構成されうる。出力デバイスは、入力デバイスと同じタイプのインタフェース・ポートを使用できる。例えば、USBポートを使用して、UE2200への入力及びUEからの出力を提供できる。出力デバイスは、スピーカ、サウンド・カード、ビデオ・カード、ディスプレイ、モニタ、プリンタ、アクチュエータ、エミッタ、スマートカード、別の出力デバイス、又はそれらの任意の組合せでありうる。UE2200は、入出力インタフェース2205を介して入力デバイスを使用して、ユーザがUE2200に情報をキャプチャすることを可能にし及び/又は容易にするように構成されうる。入力デバイスはタッチ・センシティブ又はプレゼンス・センシティブ・ディスプレイ、カメラ(例えば、デジタル・カメラ、デジタル・ビデオ・カメラ、ウェブ・カメラなど)、マイクロフォン、センサ、マウス、トラックボール、方向パッド、トラックパッド、スクロール・ホイール、スマートカードなどを含みうる。プレゼンス・センシティブ・ディスプレイは、ユーザからの入力を感知するために、容量性又は抵抗性タッチセンサを含みうる。センサは例えば、加速度計、ジャイロスコープ、傾斜センサ、力センサ、磁力計、光学センサ、近接センサ、別の同様のセンサ、又はそれらの任意の組合せでありうる。例えば、入力デバイスは、加速度計、磁力計、デジタル・カメラ、マイクロフォン、及び光センサでありうる。
【0101】
図22で、RFインタフェース2209は、送信機、受信機、及びアンテナなどのRFコンポーネントに通信インタフェースを提供するように構成されうる。ネットワーク接続インタフェース2211は、ネットワーク2243aへの通信インタフェースを提供するように構成されうる。ネットワーク2243aは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、コンピュータ・ネットワーク、ワイヤレス・ネットワーク、電気通信ネットワーク、他のネットワーク又はそれらの組み合わせのような有線及び/又はワイヤレス・ネットワークを含みうる。例えば、ネットワーク2243aは、Wi‐Fiネットワークを備えうる。ネットワーク接続インタフェース2211は、イーサネット、TCP/IP、SONET、ATMなどの1つ以上の通信プロトコルに従って、通信ネットワークを介して1つ以上の他のデバイスと通信するために使用される受信機及び送信機インタフェースを含むように構成されうる。ネットワーク接続インタフェース2211は、通信ネットワーク・リンク(例えば、光、電気など)に適した受信機及び送信機機能を実施できる。送信機機能及び受信機機能は回路コンポーネント、ソフトウェア、又はファームウェアを共有することができ、あるいは、別々に実施されうる。
【0102】
RAM2217は、オペレーティング・システム、アプリケーション・プログラム、及びデバイス・ドライバなどのソフトウェア・プログラムの実行中にデータ又はコンピュータ命令の記憶又はキャッシュを提供するために、バス2202を介して処理回路2201にインタフェースするように構成されうる。ROM2219は、コンピュータ命令又はデータを処理回路2201に提供するように構成されうる。例えば、ROM2219は、基本入出力(I/O)、スタートアップ、又は不揮発性メモリに記憶されたキーボードからのキーストロークの受信のような基本的なシステム機能のための不変の低レベル・システム・コード又はデータを記憶するように構成されうる。記憶媒体2221は、RAM、ROM、プログラマブル・リード・オンリ・メモリ、消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ、電気的消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ、磁気ディスク、光ディスク、フロッピー・ディスク、ハードディスク、リムーバブル・カートリッジ、又はフラッシュ・ドライブなどのメモリを含むように構成されうる。一例で、記憶媒体2221は、オペレーティング・システム2223、ウェブ・ブラウザ・アプリケーション、ウィジェット又はガジェット・エンジン又は別のアプリケーションなどのアプリケーション・プログラム2225、及びデータ・ファイル2227を含むように構成されうる。記憶媒体2221は、UE2200によって使用するために、様々なオペレーティング・システムのうちの任意のもの、又はオペレーティング・システムの組合せを記憶できる。
【0103】
記憶媒体2221は、独立ディスクの冗長アレイ(RAID)、フロッピー・ディスク・ドライブ、フラッシュ・メモリ、USBフラッシュ・ドライブ、外部ハードディスク・ドライブ、サム・ドライブ、ペン・ドライブ、キー・ドライブ、高密度デジタル多用途ディスク(HD‐DVD)光ディスク・ドライブ、内部ハードディスク・ドライブ、ブルーレイ光ディスク・ドライブ、ホログラフィック・デジタル・データ・ストレージ(HDDS)光ディスク・ドライブ、外部ミニデュアル・インライン・メモリ・モジュール(DIMM)、同期ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(SDRAM)、外部マイクロDIMM SDRAM、加入者識別モジュール又は取り外し可能ユーザ識別(SIM/RUIM)モジュールなどのスマートカード・メモリ、他のメモリ、又はそれらの任意の組合せなど、複数の物理ドライブ・ユニット含むように構成されうる。記憶媒体2221は、UE2200が一時的又は非一時的なメモリ媒体に記憶されたコンピュータ実行可能な命令、アプリケーション・プログラムなどにアクセスしたり、データをオフロードしたり、データをアップロードしたりすることを可能及び/又は容易にできる。通信システムを利用するもののような製品は、デバイス可読媒体を備えることができる記憶媒体2221において有形に具現化されうる。
【0104】
図22で、処理回路2201は、通信サブシステム2231を使用してネットワーク2243bと通信するように構成されうる。ネットワーク2243a及びネットワーク2243bは、同じネットワーク若しくは複数のネットワーク、又は異なるネットワーク若しくは複数のネットワークであってもよい。通信サブシステム2231は、ネットワーク2243bと通信するために使用される1つ以上の送受信機を含むように構成されうる。例えば、通信サブシステム2231は、IEEE802.22、CDMA、WCDMA、GSM、LTE、UTRAN、WiMaxなどの1つ以上の通信プロトコルに従って、無線アクセス・ネットワーク(RAN)の別のWD、UE、又は基地局などのワイヤレス通信が可能な別のデバイスの1つ以上のリモート送受信機と通信するために使用される1つ以上の送受信機を含むように構成されうる。各送受信機は、RANリンク(例えば、周波数割り当てなど)に適切な送信機又は受信機機能をそれぞれ実施するために、送信機2233及び/又は受信機2235を含みうる。さらに、各送受信機の送信機2233及び受信機2235は、回路コンポーネント、ソフトウェア、又はファームウェアを共有することができ、あるいは別々に実施されうる。
【0105】
説明される実施形態で、通信サブシステム2231の通信機能は、データ通信、音声通信、マルチメディア通信、ブルートゥースなどの短距離通信、近距離通信、位置を決定するための全地球測位システム(GPS)の使用などの位置ベース通信、別の同様の通信機能、又はそれらの任意の組合せを含みうる。例えば、通信サブシステム2231は、セルラ通信、Wi‐Fi通信、ブルートゥース通信、及びGPS通信を含みうる。ネットワーク2243bは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、コンピュータ・ネットワーク、ワイヤレス・ネットワーク、電気通信ネットワーク、別の同様のネットワーク又はそれらの任意の組合せなどの有線及び/又はワイヤレス・ネットワークを含みうる。例えば、ネットワーク2243bは、セルラ・ネットワーク、Wi‐Fiネットワーク、及び/又は近距離ネットワークでありうる。電源2213は、UE2200のコンポーネントに交流(AC)又は直流(DC)電力を供給するように構成されうる。
【0106】
本書で説明される特徴、利点、及び/又は機能はUE2200のコンポーネントのうちの1つで実施されることができ、又はUE2200の複数のコンポーネントにわたって区分されることができる。さらに、本書で説明される特徴、利点、及び/又は機能は、ハードウェア、ソフトウェア、又はファームウェアの任意の組合せで実施されうる。一例で、通信サブシステム2231は、本書で説明されるコンポーネントのいずれかを含むように構成されうる。さらに、処理回路2201は、バス2202を介してそのようなコンポーネントのいずれかと通信するように構成されうる。別の例で、そのようなコンポーネントのいずれも、処理回路2201によって実行されると、本書で説明される対応する機能を実行する、メモリに記憶されたプログラム命令によって表されうる。別の例で、そのようなコンポーネントのいずれかの機能は、処理回路2201と通信サブシステム2231との間で区分されうる。別の例で、このようなコンポーネントのいずれかの非計算集約的機能はソフトウェア又はファームウェアで実施されることができ、計算集約的機能はハードウェアで実施されうる。
【0107】
図23は、いくつかの実施形態によって実施される機能が仮想化されうる仮想化環境2300を説明する概略ブロック図である。本文脈において、仮想化は、ハードウェア・プラットフォーム、記憶デバイス及びネットワーク・リソースを仮想化することを含みうる装置又はデバイスの仮想化バージョンを作成することを意味する。本書で使用されるように、仮想化は、ノード(例えば、仮想化された基地局又は仮想化された無線アクセス・ノード)又はデバイス(例えば、UE、ワイヤレス・デバイス、又は任意の他のタイプの通信デバイス)又はそれらのコンポーネントに適用されることができ、機能の少なくとも一部が1つ以上の仮想コンポーネントとして(例えば、1つ以上のネットワーク内の1つ以上の物理処理ノード上で実行される1つ以上のアプリケーション、コンポーネント、機能、仮想マシン、又はコンテナを介して)実施される実施形態に関係する。
【0108】
いくつかの実施形態において、本書に記載される機能の一部又は全部は、1つ以上のハードウェア・ノード2330によってホストされる1つ以上の仮想環境2300内に実施される1つ以上の仮想マシンによって実行される仮想コンポーネントとして実施されうる。さらに、仮想ノードが無線アクセス・ノードでないか、無線接続を必要としない実施形態(例えば、コア・ネットワーク・ノード)で、ネットワーク・ノードは完全に仮想化されうる。
【0109】
機能は、本書で開示される実施形態のいくつかの特徴、機能、及び/又は利益のいくつかを実施するように動作可能な1つ以上のアプリケーション2320(代替として、ソフトウェア・インスタンス、仮想アプライアンス、ネットワーク機能、仮想ノード、仮想ネットワーク機能などと呼ばれうる)によって実施されうる。アプリケーション2320は、処理回路2360及びメモリ2390を備えるハードウェア2330を提供する仮想化環境2300において実行される。メモリ2390は、処理回路2360によって実行可能な命令2395を含み、それによって、アプリケーション2320は、本書で開示される特徴、利点、及び/又は機能のうちの1つ以上を提供するように動作可能である。
【0110】
仮想化環境2300は、市販の既製(COTS)プロセッサ、専用の特定用途向け集積回路(ASIC)、又はデジタル又はアナログのハードウェア・コンポーネント又は専用プロセッサを含む任意の他のタイプの処理回路でありうる、1つ以上のプロセッサ又は処理回路2360の集合を備える汎用又は専用のネットワーク・ハードウェア・デバイス2330を備える。各ハードウェア・デバイスは、処理回路2360によって実行される命令2395又はソフトウェアを一時的に記憶するための非永続的メモリでありうるメモリ2390‐1を備えることができる。各ハードウェア・デバイスは、物理ネットワーク・インタフェース2380を含むネットワーク・インタフェース・カードとも呼ばれる1つ以上のネットワーク・インタフェース・コントローラ(NIC)2370を備えることができる。各ハードウェア・デバイスはまた、処理回路2360によって実行可能なソフトウェア2395及び/又は命令を記憶した、非一時的で永続的な機械可読記憶媒体2390‐2を含みうる。ソフトウェア2395は、1つ以上の仮想化レイヤ2350(ハイパーバイザとも呼ばれる)をインスタンス化するためのソフトウェア、仮想マシン2340を実行するためのソフトウェア、並びに本書に記載するいくつかの実施形態に関連して記載される機能、特徴、及び/又は利点を実行することを可能にするソフトウェアを含む任意のタイプのソフトウェアを含みうる。
【0111】
仮想マシン2340は、仮想処理、仮想メモリ、仮想ネットワーキング又はインタフェース及び仮想記憶装置を含み、対応する仮想化レイヤ2350又はハイパーバイザによって実行されうる。仮想アプライアンス2320のインスタンスの様々な実施形態は仮想マシン2340の1つ以上で実施されることができ、実施は異なる方法で行うことができる。
【0112】
動作中、処理回路2360は、仮想マシン・モニタ(VMM)と呼ばれることもあるハイパーバイザ又は仮想化レイヤ2350をインスタンス化するためにソフトウェア2395を実行する。仮想化レイヤ2350は、ネットワーキング・ハードウェアのように見える仮想オペレーティング・プラットフォームを仮想マシン2340に提示できる。
【0113】
図23に示すように、ハードウェア2330は、汎用又は専用のコンポーネントを有するスタンドアロン・ネットワーク・ノードでありうる。ハードウェア2330はアンテナ23225を備えることができ、仮想化を介していくつかの機能を実施できる。あるいは、ハードウェア2330は、多くのハードウェア・ノードが協調して動作し、特にアプリケーション2320のライフサイクル管理を監督する管理及びオーケストレーション(MANO)23100を介して管理される、(例えば、データ・センタや顧客構内機器(CPE)内などの)より大きなハードウェアのクラスタの一部でありうる。
【0114】
ハードウェアの仮想化は、ネットワーク機能仮想化(NFV)と呼ばれるいくつかの文脈で行われる。NFVは、多くのネットワーク機器タイプを、業界標準の大容量サーバ・ハードウェア、物理スイッチ、及びデータ・センタに配置できる物理記憶装置、並びに顧客構内機器に統合するために使用されうる。
【0115】
NFVの文脈で、仮想マシン2340は、あたかも物理的な仮想化されていないマシン上で実行されているかのようにプログラムを実行する物理マシンのソフトウェア実装でありうる。仮想マシン2340の各々、及びその仮想マシンを実行するハードウェア2330のその部分は、当該仮想マシンに専用のハードウェアであり、及び/又は、当該仮想マシンによって仮想マシン2340の他のものと共有されるハードウェアであり、別個の仮想ネットワーク要素(VNE)を形成する。
【0116】
さらに、NFVの文脈で、仮想ネットワーク機能(VNF)は、ハードウェア・ネットワーキング・インフラストラクチャ2330の上の1つ以上の仮想マシン2340で実行され、
図23のアプリケーション2320に対応する特定のネットワーク機能を処理する責任を負う。
【0117】
いくつかの実施形態で、それぞれが1つ以上の送信機23220及び1つ以上の受信機23210を含む1つ以上の無線ユニット23200は、1つ以上のアンテナ23225に結合されうる。無線ユニット23200は、1つ以上の適切なネットワーク・インタフェースを介してハードウェア・ノード2330と直接通信することができ、仮想コンポーネントと組み合わせて使用して、無線アクセス・ノードや基地局などの無線機能を仮想ノードに提供できる。
【0118】
いくつかの実施形態で、何らかのシグナリングが、ハードウェア・ノード2330と無線ユニット23200との間の通信のために代替的に使用されうる制御システム23230を使用して達成されうる。
【0119】
図24を参照すると、実施形態に従って、通信システムは、無線アクセス・ネットワークなどのアクセス・ネットワーク2411とコア・ネットワーク2414とを含む3GPPタイプのセルラ・ネットワークなどの電気通信ネットワーク2410を含む。アクセス・ネットワーク2411は、複数の基地局2412a、2412b、2412c、例えば、NB、eNB、gNB、又は他のタイプのワイヤレス・アクセス・ポイントを備え、各々が対応するカバレッジ・エリア2413a、2413b、2413cを規定する。各基地局2412a、2412b、2412cは、有線又はワイヤレス接続2415を介してコア・ネットワーク2414に接続可能である。カバレッジ・エリア2413cに位置する第1のUE2491は、対応する基地局2412cに無線接続するように、又はページングされるように構成されうる。カバレッジ・エリア2413a内の第2のUE2492は、対応する基地局2412aに無線で接続可能である。この例で複数のUE2491、2492が示されているが、開示された実施形態は、単一のUEがカバレッジ・エリア内にある状況、又は単一のUEが対応する基地局2412に接続している状況にも等しく適用可能である。
【0120】
電気通信ネットワーク2410はそれ自体がホスト・コンピュータ2430に接続されており、これは、スタンドアロン・サーバ、クラウド実施サーバ、分散サーバ、又はサーバ・ファーム内の処理リソースのハードウェア及び/又はソフトウェアで実施されうる。ホスト・コンピュータ2430はサービス・プロバイダの所有権又は制御下に置くことができ、あるいはサービス・プロバイダによって、又はサービス・プロバイダのために動作されうる。電気通信ネットワーク2410とホスト・コンピュータ2430との間の接続2421及び2422は、コア・ネットワーク2414からホスト・コンピュータ2430に直接延長することができ、あるいはオプションの中間ネットワーク2420を介して延びることができる。中間ネットワーク2420は、パブリック、プライベート又はホストされたネットワークのうちの1つ以上の組合せであってもよく、中間ネットワーク2420はもしあれば、バックボーン・ネットワーク又はインターネットであってもよく、特に、中間ネットワーク2420は、2つ以上のサブ・ネットワーク(図示せず)を備えてもよい。
【0121】
図24の通信システム全体は、接続されたUE2491、2492とホスト・コンピュータ2430との間のコネクティビティを可能にする。コネクティビティは、オーバ・ザ・トップ(OTT)接続2450として説明されうる。ホスト・コンピュータ2430及び接続されたUE2491、2492は、アクセス・ネットワーク2411、コア・ネットワーク2414、任意の中間ネットワーク2420、及び可能なさらなるインフラストラクチャ(図示せず)を媒介として使用して、OTT接続2450を介してデータ及び/又はシグナリングを通信するように構成される。OTT接続2450は、OTT接続2450が通過する参加通信装置がアップリンク通信及びダウンリンク通信のルーティングに気付かないという意味で、透過的でありうる。例えば、基地局2412は、接続されたUE2491へ転送(例えば、ハンドオーバ)されるホスト・コンピュータ2430から発信されたデータを有する着信ダウンリンク通信の過去のルーティングについて通知されなくてもよいし、通知される必要がない。同様に、基地局2412は、UE2491からホスト・コンピュータ2430に向けて発信される発信アップリンク通信の将来のルーティングを認識する必要はない。
【0122】
先の段落で説明されたUE、基地局、及びホスト・コンピュータの実施例に従う例示の実装が
図25を参照して説明される。通信システム2500において、ホスト・コンピュータ2510は、通信システム2500の異なる通信デバイスのインタフェースとの有線又はワイヤレス接続をセットアップし維持するように構成された通信インタフェース2516を含むハードウェア2515を含む。ホスト・コンピュータ2510は、記憶及び/又は処理能力を有しうる処理回路2518をさらに備える。特に、処理回路2518は、命令を実行するように適合された1つ以上のプログラマブル・プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、又はこれらの組み合わせ(図示せず)を備えることができる。ホスト・コンピュータ2510は、さらにソフトウェア2511を備え、これは、ホスト・コンピュータ2510によって記憶され、又はアクセス可能であり、処理回路2518によって実行可能である。ソフトウェア2511は、ホスト・アプリケーション2512を含む。ホスト・アプリケーション2512は、UE2530及びホスト・コンピュータ2510で終端するOTT接続2550を介して接続するUE2530のような、リモート・ユーザにサービスを提供するように動作可能である。サービスをリモート・ユーザに提供する際に、ホスト・アプリケーション2512は、OTT接続2550を使用して送信されるユーザ・データを提供できる。
【0123】
通信システム2500はまた、電気通信システムに設けられ、ホスト・コンピュータ2510及びUE2530と通信することを可能にするハードウェア2525を含む基地局2520を含みうる。ハードウェア2525は、通信システム2500の異なる通信デバイスのインタフェースとの有線又はワイヤレス接続をセットアップ及び維持するための通信インタフェース2526と、基地局2520によってサービスされるカバレッジ・エリア(
図25に示されていない)に配置されたUE2530との少なくともワイヤレス接続2570をセットアップ及び維持するための無線インタフェース2527とを含みうる。通信インタフェース2526は、ホスト・コンピュータ2510への接続2560を容易にするように構成されうる。接続2560は直接的であってもよいし、電気通信システムのコア・ネットワーク(
図25には示されていない)及び/又は電気通信システムの外部の1つ以上の中間ネットワークを通過してもよい。図示の実施形態で、基地局2520のハードウェア2525は、命令を実行するように適合された1つ以上のプログラマブル・プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ又はこれらの組み合わせ(図示せず)を含みうる処理回路2528も含みうる。基地局2520はさらに、内部に記憶された、又は外部接続を介してアクセス可能なソフトウェア2521を有する。
【0124】
通信システム2500はまた、既に参照されたUE2530を含みうる。そのハードウェア2535は、UE2530が現在配置されているカバレッジ・エリアにサービスする基地局とのワイヤレス接続2570をセットアップし維持するように構成された無線インタフェース2537を含みうる。UE2530のハードウェア2535はまた、処理回路2538を含んでもよく、これは、1つ以上のプログラマブル・プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、又は命令を実行するように適合されたこれら(図示せず)の組み合わせを含んでもよい。UE2530はさらにソフトウェア2531を備え、それはUE2530に記憶され、又はアクセス可能であり、処理回路2538によって実行可能である。ソフトウェア2531は、クライアント・アプリケーション2532を含む。クライアント・アプリケーション2532は、ホスト・コンピュータ2510のサポートにより、UE2530を介して人間又は非人間のユーザにサービスを提供するように動作可能である。ホスト・コンピュータ2510において、実行中のホスト・アプリケーション2512は、UE2530及びホスト・コンピュータ2510で終端するOTT接続2550を介して、実行中のクライアント・アプリケーション2532と通信できる。ユーザにサービスを提供する際に、クライアント・アプリケーション2532は、ホスト・アプリケーション2512から要求データを受信し、要求データに応じてユーザ・データを提供できる。OTT接続2550は、要求データとユーザ・データの両方を転送できる。クライアント・アプリケーション2532は、ユーザと対話して、それが提供するユーザ・データを生成できる。
【0125】
図25に説明されるホスト・コンピュータ2510、基地局2520、及びUE2530は、それぞれ、
図24のホスト・コンピュータ2430、基地局2412a、2412b、2412cのうちの1つ、及びUE2491、2492のうちの1つと同様又は同一でありうることに留意されたい。すなわち、これらのエンティティの内部動作は
図25に示すようであってもよく、独立して、周囲のネットワーク・トポロジは、
図24のものであってもよい。
【0126】
図25で、OTT接続2550を抽象的に描いて、基地局2520を介したホスト・コンピュータ2510とUE2530との間の通信を示しているが、いかなる中間デバイスも明示的に参照せず、これらのデバイスを介したメッセージの正確なルーティングも示していない。ネットワーク・インフラストラクチャはルーティングを決定することができ、これは、UE2530から、又はホスト・コンピュータ2510を動作するサービス・プロバイダから、あるいはその両方から隠すように構成されうる。OTT接続2550がアクティブである間、ネットワーク・インフラストラクチャは、ルーティングを動的に(例えば、負荷分散の考慮又はネットワークの再構成に基づいて)変更する決定をさらに行うことができる。
【0127】
UE2530と基地局2520との間のワイヤレス接続2570は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従う。様々な実施形態のうちの1つ以上は、ワイヤレス接続2570が最後のセグメントを形成するOTT接続2550を使用して、UE2530に提供されるOTTサービスの性能を改善する。より正確には、本書で開示される例示的な実施形態は、F1‐AP及びRRCプロトコルを強化することによって、適切な経路(すなわち、次のIABノード又は宛先UE)への着信パケットの適切なルーティング、並びに当該経路内の適切なベアラへのマッピングを可能にする。本書に記載する技術は既存のRRC及びF1‐APプロトコル、又は既存の手順を利用して、適切な経路(すなわち、次のノード)へパケットをルーティングすることと、それらを正しい経路内の適切なベアラにマッピングすることとに必要な適合レイヤのセットアップ及び再構成を実現する。これら及び他の利点は、5G/NRソリューションのよりタイムリーな設計、実施、及び展開を容易にできる。さらに、そのような実施形態は、データ・セッションQoSの柔軟かつタイムリーな制御を容易にすることができ、これは、5G/NRによって想定され、OTTサービスの成長にとって重要な容量、スループット、レイテンシなどの改善につながりうる。
【0128】
1つ以上の実施形態が改善するデータ速度、レンテンシ、及び他のネットワーク動作側面を監視する目的で、測定手順を提供できる。さらに、測定結果の変動に応じて、ホスト・コンピュータ2510とUE2530との間のOTT接続2550を再構成するためのオプションのネットワーク機能が存在しうる。OTT接続2550を再構成するための測定手順及び/又はネットワーク機能は、ホスト・コンピュータ2510のソフトウェア2511及びハードウェア2515、又はUE2530のソフトウェア2531及びハードウェア2535、あるいはその両方で実現できる。実施形態で、OTT接続2550が通過する通信デバイス内に、又はそれに関連してセンサ(図示せず)が配置されうる。センサは上記で例示された監視量の値を供給することによって、又はソフトウェア2511、2531が監視量を計算又は推定できる他の物理量の値を供給することによって、測定手順に参加できる。OTT接続2550の再構成は、メッセージ・フォーマット、再送信設定、好ましいルーティングなどを含むことができ、再構成は、基地局2520に影響を及ぼす必要はなく、基地局2520には知られていないか、又は知覚できないことがある。このような手順及び機能は当技術分野で既知であり、実施されうる。所定の実施形態で、測定は、スループット、伝搬時間、レイテンシなどのホスト・コンピュータ2510による測定を容易にする独自のUEシグナリングを含みうる。測定は、ソフトウェア2511及び2531が伝搬時間、エラーなどを監視しながら、OTT接続2550を使用して、メッセージ、特に空又は「ダミー」メッセージを送信させることによって実施されうる。
【0129】
いくつかの例示的な実施形態で、
図25の基地局2520は、
図1及び
図2に反映されるような5Gの分散アーキテクチャを備える。例えば、以下の
図26は、中央ユニット2610(例えば、gNB‐CU)及び少なくとも1つの分散ユニット2630(例えば、gNB‐DU)を有する基地局2520を示す。
【0130】
基地局2520は、いくつかの例示的な実施形態で中央ユニット2610と各分散ユニット2630との間にF1インタフェースが規定されたドナーgNBであってもよく、ドナーgNBの分散ユニット2630を通じて中央ユニットと通信する中継ノードにおいて適合レイヤを構成するように適合される。中央ユニット2610は、RRCシグナリングを使用して、ドナー基地局の分散ユニットを介して中継ノードのMT部との接続を確立し、接続を確立した後に、中継ノードのMT部についてプロトコル・スタック内に適合レイヤを構成するように中継ノードのMT部とのシグナリングするように構成された処理回路を有することができ、適合レイヤは、中継ノードに接続された1つ以上のUE又は1つ以上のさらなる中継ノードに着信パケットをルーティングし、当該着信パケットをベアラにマッピングすることを提供する。処理回路は、ドナー基地局の分散ユニットにおいて適合レイヤを構成するようにさらに構成されてもよく、ドナー基地局の分散ユニットにおける適合レイヤは、ドナー基地局の下流にある1つ以上の中継ノードのうちの適切な中継ノードに着信パケットをルーティングするように構成される。
【0131】
図27は、中央ユニット2610の例示的な実施形態を示す。中央ユニット2610は、ドナーgNBなどの基地局の一部であってもよい。中央ユニット2610(例えば、gNB‐CU)は無線アクセス・ポイント、又は分散ユニット(例えば、gNB‐DU)に接続され、制御してもよい。中央ユニット2610は、無線アクセス・ポイント(例えば、gNB‐DU2630)及びコア・ネットワーク(例えば、5GC)内の他の機器と通信するための通信回路2618を含んでもよい。
【0132】
中央ユニット2610は、通信回路2618と動作可能に関連する処理回路2612を含んでもよい。例示的な実施形態で、処理回路2612は、1つ以上のデジタル・プロセッサ2614、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又はそれらの任意の混合を備える。より一般的に、処理回路2612は、固定回路、又は本書で教示する機能を実施するプログラム命令の実行を介して特別に構成されるプログラマブル回路を備えてもよい。
【0133】
処理回路2612はまた、記憶装置2616を含むか、又はそれに関連する。記憶装置2616は、ある実施形態で、1つ以上のコンピュータ・プログラムと、オプションで構成データとを記憶する。記憶装置2616は、コンピュータ・プログラムのための非一時的記憶を提供し、ディスク記憶装置、ソリッド・ステート・メモリ記憶装置、又はそれらの任意の混合などの1つ以上のタイプのコンピュータ可読媒体を備えてもよい。非限定的な例として、記憶装置2616は、SRAM、DRAM、EEPROM、及びフラッシュ・メモリのうちの任意の1つ以上を備える。
【0134】
一般に、記憶装置2616は、コンピュータ・プログラムの非一時的記憶と、基地局によって使用される任意の構成データとを提供する、1つ以上のタイプのコンピュータ可読記憶媒体を含む。ここで、「非一時的」は、永続的、半永続的、又は少なくとも一時的に永続的な記憶を意味し、不揮発性メモリ内の長期記憶装置と、例えば、プログラムのためのワーキング・メモリ内の記憶装置との両方を包含する。
【0135】
いくつかの実施形態で、処理回路2612は、以下に詳細に説明される
図35に示される方法を実行するように構成される。
【0136】
先に説明したように、gNB‐CUは、複数のエンティティに分離されてもよい。これは、ユーザ・プレーンにサービスし、PDCPプロトコルをホストするgNB‐CU‐UPと、制御プレーンにサービスし、PDCP及びRRCプロトコルをホストする1つのgNB‐CU‐CPとを含む。これらの2つのエンティティは、制御プレーン2622及び第1及び第2の(ユーザ・プレーン)制御ユニット2624及び2626として、
図28において個別の制御ユニットとして示される。制御プレーン2622及び制御ユニット2624、2626は、
図2のCU‐CP及びCU‐UPと同等であってもよい。
図26は中央ユニット2610内の制御プレーン2622及び制御ユニット2624、2626の両方を示すが、ネットワーク・ノードの同じユニットとともに配置されている場合のように、他の実施形態で、制御ユニット2624、2626は制御プレーン2622が存在するユニットの外側に、又は別のネットワーク・ノード内にさえ配置されてもよい。正確な配置に関係なく、処理回路2612は、処理回路2612が1つのユニット内に一緒にあるかどうか、又は処理回路2612が何らかの方法で分散されているかどうかにかかわらず、中央ユニット2610について本書で説明される技術を実行するために必要な1つ以上のネットワーク・ノード内の処理回路であるとみなされてもよい。
【0137】
図29は、IAB/中継ノード2900の例示的な実施形態を示す。IAB/中継ノード2900は、ドナーgNBとUE又は他のIABとの間の通信を中継するように構成されてもよい。IAB/中継ノード2900は、UE又は他のIABSに面して、これらの要素に基地局として見えるための無線回路2912を含んでもよい。この無線回路2912は、分散ユニット2910の一部とみなされてもよい。また、IAB/中継ノード2900は、ドナーgNBに面するための無線回路2922を含む、モバイル端末(MT)部分2920を含んでもよい。ドナーgNBは、分散ユニット2910に対応する中央ユニット2610を収容してもよい。
【0138】
IAB/中継ノード2900は、無線回路2912、2922と動作可能に関連するか、又はこれを制御する処理回路2930を含んでもよい。例示的な実施形態で、処理回路2930は、1つ以上のデジタル・プロセッサ、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又はそれらの任意の混合を備える。より一般的に、処理回路2930は、固定回路、又は本書で教示する機能を実施するプログラム命令の実行を介して特別に構成されるプログラマブル回路を備えてもよい。
【0139】
処理回路2930はまた、記憶装置を含むか、又は記憶装置に関連付けられる。記憶装置は、ある実施形態で、1つ以上のコンピュータ・プログラムと、オプションで構成データとを記憶する。記憶装置は、コンピュータ・プログラムのための非一時的記憶を提供し、ディスク記憶装置、ソリッド・ステート・メモリ記憶装置、又はそれらの任意の混合などの1つ以上のタイプのコンピュータ可読媒体を備えてもよい。非限定的な例として、記憶装置は、SRAM、DRAM、EEPROM、及びフラッシュ・メモリのうちの任意の1つ以上を備える。
【0140】
一般に、記憶装置は、基地局によって使用されるコンピュータ・プログラムと任意の構成データとの非一時的記憶を提供する1つ以上のタイプのコンピュータ可読記憶媒体を含む。ここで、「非一時的」は、永続的、半永続的、又は少なくとも一時的に永続的な記憶を意味し、不揮発性メモリ内の長期記憶と、例えば、プログラムのためのワーキング・メモリ内の記憶との両方を包含する。
【0141】
いくつかの実施形態によれば、ドナー基地局の分散ユニットを介してドナー基地局(例えば、gNB)の中央ユニット2610と通信するように適合される、IAB/中継ノード2900の処理回路2930であって、ドナー基地局が中央ユニット及び1つ以上の分散ユニットを備え、中央ユニット2610と分散ユニットのそれぞれとの間でF1インタフェースが規定される、処理回路2930は、適合レイヤを構成するように構成される。処理回路2930は、ドナー基地局に接続し、接続を確立した後に、中継ノードのMT部についてプロトコル・スタック内に適合レイヤを構成するように構成され、適合レイヤは、IAB/中継ノード2900に接続された1つ以上のUE又は1つ以上のさらなる中継ノードへの着信パケットのルーティング、及び当該着信パケットのベアラへのマッピングを提供する。処理回路2930はさらに、中継ノードのMT部について適合レイヤを構成した後に、ドナー基地局の中央ユニットと中継ノードの下流にある第1のさらなる中継ノードとの間で交換されるパケットを転送するために、中継ノードの分散ユニット部について適合レイヤを構成するように構成される。
【0142】
いくつかの実施形態で、処理回路2930は、以下で詳細に説明する
図34に示す方法を実行するように構成される。
【0143】
図30は、一実施形態による、通信システムにおいて実施される例示的な方法及び/又は手順を示すフローチャートである。通信システムは、ホスト・コンピュータと、基地局と、UEとを含み、これらは、いくつかの例示的な実施形態で
図24及び
図25を参照して説明されたものでありうる。本開示を簡単にするために、
図30に対する図面参照のみがこのセクションに含まれる。ステップ3010において、ホスト・コンピュータは、ユーザ・データを提供する。ステップ3010のサブステップ3011(オプションでありうる)において、ホスト・コンピュータは、ホスト・アプリケーションを実行することによって、ユーザ・データを提供する。ステップ3020において、ホスト・コンピュータは、UEへユーザ・データを伝える送信を開始する。ステップ3030(オプションでありうる)において、基地局は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、ホスト・コンピュータが開始した送信において伝えられたユーザ・データをUEへ送信する。ステップ3040(これもオプションでありうる)において、UEは、ホスト・コンピュータによって実行されるホスト・アプリケーションに関連するクライアント・アプリケーションを実行する。
【0144】
図31は、一実施形態による、通信システムにおいて実施される例示的な方法及び/又は手順を示すフローチャートである。通信システムは、ホスト・コンピュータ、基地局、及びUEを含み、これらは
図24及び
図25を参照して説明したものでありうる。本開示を簡単にするために、
図31に対する図面参照のみがこのセクションに含まれる。方法のステップ3110において、ホスト・コンピュータは、ユーザ・データを提供する。オプションのサブステップ(図示せず)で、ホスト・コンピュータは、ホスト・アプリケーションを実行することによってユーザ・データを提供する。ステップ3120において、ホスト・コンピュータは、UEへユーザ・データを伝える送信を開始する。送信は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、基地局を介して渡されうる。ステップ3130(オプションでありうる)において、UEは、送信において伝えられたユーザ・データを受信する。
【0145】
図32は、一実施形態による、通信システムにおいて実施される例示的な方法及び/又は手順を示すフローチャートである。通信システムは、ホスト・コンピュータ、基地局、及びUEを含み、これらは
図24及び
図25を参照して説明したものでありうる。本開示を簡単にするために、
図32に対する図面参照のみがこのセクションに含まれる。ステップ3210(オプションでありうる)において、UEは、ホスト・コンピュータによって提供された入力データを受信する。さらに又は代替的に、ステップ3220において、UEは、ユーザ・データを提供する。ステップ3220のサブステップ3221(オプションでありうる)において、UEは、クライアント・アプリケーションを実行することによって、ユーザ・データを提供する。ステップ3210のサブステップ3211(オプションでありうる)において、UEは、ホスト・コンピュータによって提供された受信入力データに応じてユーザ・データを提供するクライアント・アプリケーションを実行する。ユーザ・データを提供する際に、実行されたクライアント・アプリケーションは、ユーザから受け取ったユーザ入力をさらに考慮できる。ユーザ・データが提供された特定の方法にかかわらず、UEは、サブステップ3230(オプションでありうる)において、ユーザ・データのホスト・コンピュータへの送信を開始する。本方法のステップ3240において、ホスト・コンピュータは、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、UEから送信されたユーザ・データを受信する。
【0146】
図33は、一実施形態による、通信システムにおいて実施される例示的な方法及び/又は手順を示すフローチャートである。通信システムは、ホスト・コンピュータ、基地局、及びUEを含み、これらは
図24及び
図25を参照して説明したものでありうる。本開示を簡単にするために、
図33を参照する図面のみがこのセクションに含まれる。ステップ3310(オプションでありうる)で、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、基地局は、UEからユーザ・データを受信する。ステップ3320(オプションでありうる)で、基地局は、受信したユーザ・データのホスト・コンピュータへの送信を開始する。ステップ3330(オプションでありうる)において、ホスト・コンピュータは、基地局によって開始された送信において伝えられたユーザ・データを受信する。
【0147】
図34は、本開示の特定の例示的な実施形態による、ドナー基地局の分散ユニットを通じてドナー基地局(例えば、ドナーgNB)の中央ユニットと通信するように適合された中継ノード(例えば、IAB中継ノード)における例示的な方法及び/又は手順を示す。ドナー基地局は、中央ユニットと1つ以上の分散ユニットとを含み、中央ユニットと各分散ユニットとの間にF1インタフェースが規定される。例示的な方法及び/又は手順は特に指示されない限り、特定の順序でブロックによって
図34に示されているが、順序は例示的であり、ブロックに対応する動作は異なる順序で実行されることができ、
図34に示されているものとは異なる機能を有するブロックに結合及び/又は分離されることができる。さらに、
図34に示されている例示的な方法及び/又は手順は、本書で開示されている他の例示的な方法及び/又は手順と相補的であり、したがって、これらは協働して使用されて、本書で上述した問題に対する利益、利点、及び/又はソリューションを提供できる。
【0148】
例示的な方法及び/又は手順は、ブロック3402から始まり、ここで、中継ノードは例えば、中継ノードのモバイル端末(MT)部のためのパケット・データ・ユニット(PDU)セッションを確立するために無線リソース制御(RRC)シグナリングを使用して、ドナー基地局に接続する。ブロック3404において、中継ノードは、接続を確立した後に、中継ノードのMT部についてプロトコル・スタック内に適合レイヤを構成し、適合レイヤは、中継ノードに接続された1つ以上のUE又は1つ以上の中継ノードへの着信パケットのルーティングと、当該着信パケットのベアラへのマッピングのための提供するためのものである。ブロック3406において、中継ノードは、中継ノードのMT部について適合レイヤを構成した後に、ドナー基地局の中央ユニットと中継ノードの下流にある第1のさらなる中継ノードとの間で交換されるパケットを転送するために、中継ノードの分散ユニット部について適合レイヤを構成する。
【0149】
いくつかの例示的な実施形態で、中継ノードのMT部についてプロトコル・スタック内に適合レイヤを構成することは、(例えば、
図18~20に示されるように)ドナー基地局から受信されたRRCシグナリングを使用して実行される。
【0150】
いくつかの例示的な実施形態で、中継ノードの分散ユニット部についての適合レイヤのセットアップは、F1アプリケーション・プロトコル(F1‐AP)に従って、ドナー基地局から受信されたF1シグナリングを使用して実行される。
【0151】
いくつかの例示的な実施形態で、
図34に示される例示的な方法は、ドナー基地局の中央ユニットとのF1シグナリングを使用して、ドナー基地局の中央ユニットと、中継ノードの下流にある第2のさらなる中継ノードとの間で交換されるパケットを転送することを提供するために、中継ノードの分散ユニット部について適合レイヤを後に再構成することをさらに含む。いくつかのさらなる例示的な実施形態で、中継ノードの分散ユニット部についての適合レイヤの再構成は、第1のさらなる中継ノードと並列に中継ノードに接続された第2のさらなる中継ノードについて実行される。他のさらなる例示的な実施形態で、中継ノードの分散ユニット部についての適合レイヤの再構成は、第1のさらなる中継ノードとのカスケードで中継ノードに接続され且つ第1のさらなる中継ノードの下流にある第2のさらなる中継ノードに関して実行される。
【0152】
図35は、本開示の特定の例示的な実施形態による、ドナー基地局の分散ユニットを通じて中央ユニットと通信する中継ノードにおいて適合レイヤを構成するための、F1インタフェースが中央ユニットと分散ユニットのそれぞれとの間に規定された、中央ユニットと、アタッチされたノードとの無線通信のための1つ以上の分散ユニットとを備えるドナー基地局(例えば、gNB)の中央ユニットにおける例示的な方法及び/又は手順を示す。例示的な方法及び/又は手順は特に指示されない限り、特定の順序でブロックによって
図35に示されているが、この順序は例示的であり、ブロックに対応する動作は異なる順序で実行することができ、
図35に示されているものとは異なる機能を有するブロックに結合及び/又は分離されることができる。さらに、
図35に示されている例示的な方法及び/又は手順は、本書で開示されている他の例示的な方法及び/又は手順と相補的であり、したがって、これらは協働して使用されて、本書で上述した問題に対する利益、利点、及び/又はソリューションを提供できる。
【0153】
例示的な方法及び/又は手順はブロック3502で始まり、ここで、中央ユニットは、RRCシグナリングを使用して、中継ノードのモバイル端末(MT)部との接続を確立する。ブロック3504において、中央ユニットは、接続を確立した後に、中継ノードのMT部とシグナリングして、中継ノードのMT部についてプロトコル・スタック内に適合レイヤを構成し、適合レイヤは、中継ノードに接続された1つ以上のUE又は1つ以上のさらなる中継ノードへの着信パケットのルーティング、及び当該着信パケットのベアラへのマッピングを提供する。ブロック3506において、中央ユニットは、中継ノードのMT部についてF1適合レイヤを構成した後に、中継ノードの分散ユニット部において適合レイヤを構成してもよく、ドナー基地局の分散ユニットにおける適合レイヤは、ドナー基地局の下流にある1つ以上の中継ノードのうちの適切な中継ノードに着信パケットをルーティングするように構成される。
【0154】
いくつかの例示的な実施形態で、中継ノードのMT部についてプロトコル・スタック内に適合レイヤを構成するための中継ノードのMT部とのシグナリングは、RRCシグナリングを使用して実行される。
【0155】
いくつかの例示的な実施形態で、中継ノードの分散ユニット部について適合レイヤを構成するための中継ノードの分散ユニット部とのシグナリングは、F1アプリケーション・プロトコル(F1‐AP)に従って、F1シグナリングを使用して実行される。
【0156】
いくつかの例示的な実施形態で、方法は、その後、中継ノードとのF1シグナリングを使用して、ドナー基地局の中央ユニットと、中継ノードの下流にある第2のさらなる中継ノードとの間で交換されるパケットを転送することを提供するために、中継ノードの分散ユニット部について適合レイヤを再構成することを含む。いくつかのさらなる例示的な実施形態で、中継ノードの分散ユニット部についての適合レイヤの再構成は、第1のさらなる中継ノードと並列に中継ノードに接続された第2のさらなる中継ノードに関して実行される。他のさらなる例示的な実施形態で、中継ノードの分散ユニット部についての適合レイヤの再構成は、第1のさらなる中継ノードとのカスケードで中継ノードに接続され且つ第1のさらなる中継ノードの下流にある第2のさらなる中継ノードに関して実行される。
【0157】
ユニットという用語は、電子機器、電気デバイス、及び/又は電子デバイスの分野において従来の意味を有することができ、例えば、本書で説明されるような、電気及び/又は電子回路、デバイス、モジュール、プロセッサ、メモリ、ロジック・ソリッド・ステート及び/又はディスクリート・デバイス、それぞれのタスク、手順、演算、出力、及び/又は表示機能などを実行するためのコンピュータ・プログラム又は命令を含みうる。
【0158】
例示的な実施形態
本書で説明される技術及び装置の例示的な実施形態は以下の列挙された例を含むが、これらに限定されない。
【0159】
1.中継ノードにおいて、ドナー基地局の分散ユニットを通じて前記ドナー基地局の中央ユニットと通信するための適合レイヤを構成するための方法であって、前記ドナー基地局は、前記中央ユニットと1つ以上の分散ユニットとを備え、前記中央ユニットと前記分散ユニットのそれぞれとの間にF1インタフェースが規定され、前記方法は、
前記ドナー基地局に接続し、前記中継ノードのモバイル端末(MT)部についてパケット・データ・ユニット(PDU)セッションを確立するために無線リソース制御(RRC)シグナリングを使用することと、
前記PDUセッションを確立した後に、前記中継ノードの前記MT部についてプロトコル・スタック内に適合レイヤを構成することであって、前記適合レイヤは、前記ドナー基地局の前記中央ユニットと前記中継ノードとの間のF1シグナリングを提供する、ことと、
前記中継ノードの前記MT部について前記適合レイヤを構成した後に、前記ドナー基地局の前記中央ユニットとのF1シグナリングを使用して、前記中継ノードの下流にある第1のさらなる中継ノードと通信するために、前記中継ノードの前記分散ユニット部について適合レイヤをセットアップすることであって、前記中継ノードの前記分散ユニット部についての前記F1適合レイヤは、前記ドナー基地局の前記中央ユニットと前記第1のさらなる中継ノードとの間で交換されるパケットを転送するように構成される、ことと、を有する、方法。
2.例示的な実施形態1に記載の方法であって、前記中継ノードの前記MT部について前記プロトコル・スタック内に前記適合レイヤを構成することは、RRCシグナリングを使用して実行される、方法。
3.例示的な実施形態1又は2に記載の方法であって、前記中継ノードの前記分散ユニット部について前記適合レイヤのセットアップすることは、F1アプリケーション・プロトコル(F1‐AP)に従って、F1シグナリングを使用して実行される、方法。
4.例示的な実施形態1乃至3の何れか1つに記載の方法であって、前記ドナー基地局の前記中央ユニットとのF1シグナリングを使用して、前記中継ノードの下流にある第2のさらなる中継ノードとの通信を提供するために、前記中継ノードの前記分散ユニット部について前記F1適合レイヤをその後に再構成することをさらに有する、方法。
5.例示的な実施形態4に記載の方法であって、前記中継ノードの前記分散ユニット部について前記F1適合レイヤを再構成することは、前記第1のさらなる中継ノードと並列に前記中継ノードに接続された前記第2のさらなる中継ノードとの通信を提供するために実行される、方法。
6.例示的な実施形態4に記載の方法であって、前記中継ノードの前記分散ユニット部について前記F1適合レイヤを再構成することは、前記第1のさらなる中継ノードとのカスケードで前記中継ノードに接続され且つ前記第1のさらなる中継ノードの下流にある前記第2のさらなる中継ノードとの通信を提供するために実行される、方法。
7.中央ユニットと、アタッチされたノードとの無線通信のための1つ以上の分散ユニットとを備え、前記中央ユニットと前記分散ユニットのそれぞれとの間にF1インタフェースが規定されたドナー基地局の前記中央ユニットにおいて、前記ドナー基地局の分散ユニットを通じて中継ノードと通信するための適合レイヤを構成するための方法であって、前記方法は、
前記中継ノードのモバイル端末(MT)部についてパケット・データ・ユニット(PDU)セッションを確立するために無線リソース制御(RRC)シグナリングを使用することと、
前記PDUセッションを確立した後に、前記中継ノードの前記MT部についてプロトコル・スタック内にF1適合レイヤを構成することであって、前記F1適合レイヤは、前記ドナー基地局の前記中央ユニットと、前記中継ノードとの間のF1シグナリングを提供する、ことと、
前記中継ノードの前記MT部について前記F1適合レイヤを構成した後に、前記中継ノードとのF1シグナリングを使用して、前記中継ノードの下流にある第1のさらなる中継ノードと通信するために、前記中継ノードの分散ユニット部についてF1適合レイヤをセットアップすることであって、前記中継ノードの前記分散ユニット部についての前記F1適合レイヤは、前記ドナー基地局の前記中央ユニットと、前記第1のさらなる中継ノードとの間で交換されるパケットを転送するように構成される、ことと、を有する、方法。
8.例示的な実施形態7に記載の方法であって、前記中継ノードの前記MT部について前記プロトコル・スタック内に前記F1適合レイヤを構成することは、RRCシグナリングを使用して実行される、方法。
9.例示的な実施形態7又は8に記載の方法であって、前記中継ノードの前記分散ユニット部について前記F1適合レイヤをセットアップすることは、F1アプリケーション・プロトコル(F1‐AP)に従って、F1信号を使用して実行される、方法。
10.例示的な実施形態7乃至9の何れか1つに記載の方法であって、前記中継ノードとのF1シグナリングを使用して、前記中継ノードの下流にある第2のさらなる中継ノードとの通信を提供するために、前記中継ノードの前記分散ユニット部について前記F1適合レイヤをその後に再構成することをさらに有する、方法。
11.例示的な実施形態10に記載の方法であって、前記中継ノードの前記分散ユニット部について前記F1適合レイヤを再構成することは、前記第1のさらなる中継ノードと並列に前記中継ノードに接続された前記第2のさらなる中継ノードとの通信を提供するために実行される、方法。
12.例示的な実施形態10に記載の方法であって、前記中継ノードの前記分散ユニット部について前記F1適合レイヤを再構成することは、前記第1のさらなる中継ノードとのカスケードで前記中継ノードに接続され且つ前記第1のさらなる中継ノードの下流にある前記第2のさらなる中継ノードとの通信を提供するために実行される、方法。
13.ドナー基地局の分散ユニットを通じて前記ドナー基地局の中央ユニットと通信するための適合レイヤを構成するように構成された中継ノードであって、前記ドナー基地局は、前記中央ユニットと1つ以上の分散ユニットとを備え、前記中央ユニットと前記分散ユニットのそれぞれとの間にF1インタフェースが規定され、前記中継ノードは、例示的な実施形態1乃至6の何れか1つに記載の方法を実行するように構成される、中継ノード。14.中央ユニットと、アタッチされたノードとの無線通信のための1つ以上の分散ユニットとを備え、前記中央ユニットと前記分散ユニットのそれぞれとの間にF1インタフェースが規定されるドナー基地局の前記中央ユニットであって、前記中央ユニットは、前記ドナー基地局の分散ユニットを通じて中継ノードと通信するための適合レイヤを構成するように構成され、前記中央ユニットは、例示的な実施形態7乃至14の何れか1項に記載の方法を実行するように構成される、中央ユニット。
15.少なくとも1つの処理回路で実行された場合に、前記少なくとも1つの処理回路に、例示の実施形態1乃至14の何れか1つに記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータ・プログラム。
16.例示の実施形態15に記載のコンピュータ・プログラムを含むキャリアであって、前記キャリアは、電気信号、光信号、無線信号、又はコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである、キャリア。
17. ユーザ・データを提供するように構成された処理回路と、
ユーザ機器(UE)への送信のためにセルラ・ネットワークに前記ユーザ・データを転送するように構成された通信インタフェースと、を備えるホスト・コンピュータを含む通信システムであって、
前記セルラ・ネットワークは、無線インタフェース及び処理回路を有する第1のネットワーク・ノードを備え、
前記第1のネットワーク・ノードの処理回路は、実施形態1乃至14の何れか1つの方法に対応する動作を実行するように構成される、通信システム。
18.前記第1及び第2のネットワーク・ノードのうちの少なくとも1つと通信するように構成されたユーザ機器をさらに含む、実施形態17に記載の通信システム。
19.実施形態17又は18に記載の通信システムであって、
前記ホスト・コンピュータの前記処理回路は、ホスト・アプリケーションを実行し、それによってユーザ・データを提供するように構成され、
前記UEは、前記ホスト・アプリケーションに関連付けられたクライアント・アプリケーションを実行するように構成された処理回路を備える、通信システム。
20.実施形態17乃至19の何れか1つに記載の通信システムであって、マルチホップ統合アクセス・バックホール(IAB)構成で配置され、前記第1のネットワーク・ノードを介して前記UEと通信するように構成された複数のさらなるネットワーク・ノードをさらに備える、通信システム。
21.ホスト・コンピュータと、第1のネットワーク・ノードと、ユーザ機器(UE)とを含む通信システムにおいて実施される方法であって、前記方法は、
前記ホスト・コンピュータにおいて、ユーザ・データを提供することと、
前記ホスト・コンピュータにおいて、前記第1のネットワーク・ノードを備えるセルラ・ネットワークを介してUEへのユーザ・データを伝える送信を開始すると、
実施形態1乃至14の何れか1つに記載の方法に対応する、第1のネットワーク・ノードによって実行される動作と、を有する方法。
22.実施形態21に記載の方法であって、前記第1の第2のネットワーク・ノードによって前記ユーザ・データを送信することをさらに有する、方法。
23.請求項21又は22に記載の方法であって、前記ユーザ・データは、ホスト・アプリケーションを実行することによって前記ホスト・コンピュータで提供され、前記方法は、前記UEにおいて、前記ホスト・アプリケーションに関連付けられたクライアント・アプリケーションを実行することをさらに有する、方法。
24.実施形態21乃至23の何れか1つに記載の方法であって、実施形態1乃至14の何れか1つに記載の方法に対応する、前記第1のネットワーク・ノードとのマルチホップ統合アクセス・バックホール(IAB)構成に配置された第2のネットワーク・ノードによって実行される動作をさらに有する、方法。
25.ユーザ機器(UE)から第1のネットワーク・ノードへの送信から生じるユーザ・データを受信するように構成された通信インタフェースと、実施形態1乃至14の何れか1つに記載の方法に対応する動作を実行するように構成された処理回路とを備えるホスト・コンピュータを含む通信システム。
26.実施形態25の通信システムであって、前記第1のネットワーク・ノードをさらに備える、通信システム。
27.実施形態25又は26の通信システムであって、前記第1のネットワーク・ノードとのマルチホップ統合アクセス・バックホール(IAB)構成に配置され、実施形態1乃至14の何れか1つに記載の方法に対応する動作を実行するように構成された無線インタフェース回路及び処理回路を備える第2のネットワーク・ノードをさらに含む、通信システム。
28.実施形態25乃至28の何れか1つに記載の通信システムであって、前記UEをさらに含み、前記UEは、前記第1及び第2のネットワーク・ノードのうちの少なくとも1つと通信するように構成される、通信システム。
29.実施形態25乃至28の何れか1つに記載の通信システムであって、
前記ホスト・コンピュータの前記処理回路は、ホスト・アプリケーションを実行するように構成され、
前記UEは、前記ホスト・アプリケーションに関連するクライアント・アプリケーションを実行し、それによって、前記ホスト・コンピュータによって受信される前記ユーザ・データを提供するように構成される、通信システム。
【0160】
特に、前述の説明及び関連する図面に提示された教示の恩恵を受ける当業者に、開示された発明の修正及び他の実施形態が思い浮かぼう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるべきではなく、修正及び他の実施形態が本開示の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本書で特定の用語が使用されうるが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定を目的とするものではない。