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特許7092925ループ依存電圧ランプ目標及びタイミング制御を通じたピーク電流及びプログラム時間最適化
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】ループ依存電圧ランプ目標及びタイミング制御を通じたピーク電流及びプログラム時間最適化
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/24 20060101AFI20220621BHJP
   G11C 16/10 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
G11C16/24 110
G11C16/10 140
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021103686
(22)【出願日】2021-06-22
【審査請求日】2021-06-22
(31)【優先権主張番号】17/191,153
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511242535
【氏名又は名称】サンディスク テクノロジーズ エルエルシー
【住所又は居所原語表記】5080 Spectrum Drive,Suite 1050W,Addison,Texas 75001,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン・ヤンチエ
(72)【発明者】
【氏名】チン・ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】リャン・ギロン
(72)【発明者】
【氏名】ウー・チャンツィ
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-205130(JP,A)
【文献】特開2012-133851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/10
G11C 16/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性メモリデバイスであって、
複数のビット線に電気的にそれぞれ電気的に結合された複数のメモリセルと、
制御回路であって、前記複数のメモリセルに結合されており、かつ、
前記複数のメモリセルのプログラミングサイクルに基づいて、ループ依存性プログラミング調節パラメータを判定するステップと、
前記ループ依存性プログラミング調節パラメータによって修正される際に、前記複数のメモリセルに対するプログラミング及び検証動作を実行するステップと、を実行するように構成されている、制御回路と、を備え、
前記ループ依存性プログラミング調節パラメータの前記判定が、前記複数のメモリセルの前記とそれぞれ電気通信している複数のビット線の相対容量に基づく、不揮発性メモリデバイス。
【請求項2】
前記制御回路が、
前記複数のメモリセルに対するプログラミング動作を完了するために実行されるプログラムループのシーケンス内のプログラムループの位置を判定するステップを実行するように更に構成されており、
前記ループ依存性プログラミング調節パラメータの前記判定が、前記プログラムループのシーケンス内の前記ループの前記位置に更に基づく、請求項1に記載の不揮発性メモリデバイス。
【請求項3】
プログラム制御回路のシーケンス内の前記ループの前記位置が、開始セクション、中間セクション、又は終了セクションのうちの1つにあると判定され、
前記ループ位置が前記開始セクション内にある場合、前記調節パラメータを第1のより低い値に設定し、
前記ループ位置が前記中間セクション内にある場合、前記調節パラメータをより高い値に設定し、
前記ループ位置が前記終了セクション内にある場合、前記調節パラメータを第2のより低い値に設定する、請求項2に記載の不揮発性メモリデバイス。
【請求項4】
前記複数のビット線の前記相対容量が、前記複数のビット線にそれぞれ割り当てられた禁止電圧又はプログラム電圧の構成に基づいて判定される、請求項1に記載の不揮発性メモリデバイス。
【請求項5】
前記複数のビット線の前記相対容量が、前記複数のメモリセルのそれぞれのプログラミング状態に基づいて判定される、請求項4に記載の不揮発性メモリデバイス。
【請求項6】
前記複数のメモリセルに対する前記プログラミング及び検証動作の修正が、前記メモリデバイスによるピーク電流利用の低減をもたらす、請求項1に記載の不揮発性メモリデバイス。
【請求項7】
前記プログラミング調節パラメータが、前記それぞれのビット線の禁止電圧チャージアップの電圧検出閾値を含む、請求項1に記載の不揮発性メモリデバイス。
【請求項8】
前記プログラミング調節パラメータが、前記プログラミングサイクルのプログラム回復フェーズのビット線等化時間値を含む、請求項1に記載の不揮発性メモリデバイス。
【請求項9】
前記プログラミング調節パラメータが、前記プログラミングサイクルのプログラム検証/読み出しフェーズの電圧時間値を読み出すためのビット線設定を含む、請求項1に記載の不揮発性メモリデバイス。
【請求項10】
前記ループ依存性プログラミング調節パラメータの前記判定が、前記メモリデバイスの前記メモリセルのうちの少なくとも1つの電圧閾値状態に基づく、請求項1に記載の不揮発性メモリデバイス。
【請求項11】
複数のビット線にそれぞれ電気的に結合された複数のメモリセルと、前記複数のメモリセルに結合された制御回路と、を備える、不揮発性メモリデバイスを制御するための方法であって、
前記複数のメモリセルのプログラミングサイクルに基づいて、ループ依存性プログラミング調節パラメータを判定することと、
前記ループ依存性プログラミング調節パラメータによって修正される際に、前記複数のメモリセルに対するプログラミング及び検証動作を実行することと、を含み、
前記ループ依存性プログラミング調節パラメータの前記判定が、前記複数のメモリセルの前記とそれぞれ電気通信している複数のビット線の相対容量に基づく、方法。
【請求項12】
前記制御回路が、
前記複数のメモリセルに対するプログラミング動作を完了するために実行されるプログラムループのシーケンス内のプログラムループの位置を判定するステップを実行するように更に構成されており、
前記ループ依存性プログラミング調節パラメータの前記判定が、前記プログラムループのシーケンス内の前記ループの前記位置に更に基づく、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
プログラム制御回路のシーケンス内の前記ループの前記位置が、開始セクション、中間セクション、又は終了セクションのうちの1つにあると判定され、
前記ループ位置が前記開始セクション内にある場合、前記調節パラメータを第1のより低い値に設定し、
前記ループ位置が前記中間セクション内にある場合、前記調節パラメータをより高い値に設定し、
前記ループ位置が前記終了セクション内にある場合、前記調節パラメータを第2のより低い値に設定する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のビット線の前記相対容量が、前記複数のビット線にそれぞれ割り当てられた禁止電圧又はプログラム電圧の構成に基づいて判定される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記複数のビット線の前記相対容量が、前記複数のメモリセルのそれぞれのプログラミング状態に基づいて判定される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のメモリセルに対する前記プログラミング及び検証動作の修正が、前記メモリデバイスによるピーク電流利用の低減をもたらす、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記プログラミング調節パラメータが、前記それぞれのビット線の禁止電圧チャージアップの電圧検出閾値を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記プログラミング調節パラメータが、前記プログラミングサイクルのプログラム回復フェーズのビット線等化時間値を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記プログラミング調節パラメータが、前記プログラミングサイクルのプログラム検証/読み出しフェーズの電圧時間値を読み出すためのビット線設定を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記ループ依存性プログラミング調節パラメータの前記判定が、前記メモリデバイスの前記メモリセルのうちの少なくとも1つの電圧閾値状態に基づく、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、電子記憶デバイスに関する。より具体的には、本開示は、ピーク電流を最適化し、電圧ランプ目標のループ依存制御中のプログラミング時間の影響を最小化するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ソリッドステートメモリ又はデータ記憶システムなどの特定のコンピューティングシステムでは、高いピーク電流レベルは、性能及び/又は効率に悪影響を及ぼす可能性がある。プログラミング中のピーク電流レベルを減少させる先行手法が試みられてきたが、それらは、多くの場合、プログラミング時間の大幅な増加、メモリ構成要素の動作の大幅な減速などの望ましくない副作用を導入する。
【0003】
メモリデバイスは、典型的には、コンピュータ又は他の電子デバイス内の内部、半導体、集積回路として提供される。ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)、読み出し専用メモリ(read only memory、ROM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random access memory、DRAM)、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(synchronous dynamic random access memory、SDRAM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、フラッシュメモリ、及び/又は同様のものを含む、多くの異なる種類のメモリが存在する。EEPROM又はフラッシュNANDアレイアーキテクチャでは、メモリセルは、行及び列の行列に配置され得、これにより、各メモリセルのゲートは、行によってワード線に結合される。メモリセルは、所与のストリング内のメモリセルが共通のソース線と共通のビット線との間で、直列に、ソースからドレインに結合されるように、ストリング内に一緒に配置され得る。より具体的には、現在のNANDフラッシュ設計では、ピーク電流消費(ピークICC)の低減は、ピーク電力降下につながり得、NANDフラッシュメモリの誤動作を引き起こす可能性があるため、最も困難な問題の1つとなっている。しかしながら、ピークICCを低減するための従来の手法は、特に、影響を受けたメモリデバイスのプログラミング時間を増加させ、かつ動作性能を低減することによって、許容不可能な性能劣化も導入する。
【発明の概要】
【0004】
複数のソリッドステート記憶素子と、複数のソリッドステート記憶素子に結合された複数の制御線と、複数の制御線と通信する制御回路と、を含む、装置が提供される。制御回路は、制御線プリチャージ段階の第1のフェーズ中に、制御線のプログラミング状態に関連する予測された寄生容量に少なくとも部分的に基づいて、一定期間にわたって、調節された充電電流を使用して、複数の制御線のうちの1つ以上の非選択制御線を充電し、かつ、制御線プリチャージ段階の第2のフェーズ中に、調節されていない充電電流を使用して、1つ以上の非選択ビット線を禁止電圧レベルに充電するように構成されている。
【0005】
本開示の態様は、閾値検出パラメータVHSATGTのループ依存調節を提供し、その非動的手法でのtprogペナルティの少ない総プログラミング時間を最適化しつつ、大きなピークICC電流スパイクの低減を可能にする。本開示の態様は、制御線上の電位データパターンの分析を利用して、プログラムサイクルの各ループに対するビット線容量負荷を予測し、次いで、制御された~制御されていない充電閾値パラメータVHSATGTを、期待される静電容量に応じて、各パルスに対して異なるように適用することができる。
【0006】
不揮発性メモリデバイスであって、複数のビット線に電気的にそれぞれ電気的に結合された複数のメモリセルと、制御回路であって、複数のメモリセルに結合されており、かつ、複数のメモリセルのプログラミングサイクルに基づいて、ループ依存性プログラミング調節パラメータを判定するステップと、
ループ依存性プログラミング調節パラメータによって修正される際に、複数のメモリセルに対するプログラミング及び検証動作を実行するステップと、を実行するように構成されている、制御回路と、を有し、ループ依存性プログラミング調節パラメータの判定が、複数のメモリセルのとそれぞれ電気通信する複数のビット線の相対容量に基づく、不揮発性メモリデバイスが提供される。制御回路は、複数のメモリセルに対するプログラミング動作を完了するために実行されるプログラムループのシーケンス内のプログラムループの位置を判定するステップを実行するように更に構成されることを含み、かつループ依存性プログラミング調節パラメータの判定が、プログラムループのシーケンス内のループの位置に更に基づく、任意の所望の機能を提供し得る。更に、不揮発性メモリデバイスでは、プログラム制御回路のシーケンス内のループの位置が、開始セクション、中間セクション、又は終了セクションのうちの1つにあると判定され得、ループ位置が開始セクション内にある場合、調節パラメータを第1のより低い値に設定し、ループ位置が中間セクション内にある場合、調節パラメータをより高い値に設定し、ループ位置が終了セクション内にある場合、調節パラメータを第2のより低い値に設定する。複数のビット線の相対容量は、複数のビット線にそれぞれ割り当てられた禁止電圧又はプログラム電圧の構成に基づいて静電容量を判定することなど、任意の所望の方式で判定され得る。更に、複数のビット線の相対容量はまた、複数のメモリセルのそれぞれのプログラミング状態に基づいて判定され得る。
【0007】
本開示の様々な態様は、メモリデバイスのピークICC電流を低減する。この観点から、複数のメモリセルに対するプログラミング及び検証動作の修正は、メモリデバイスによるピーク電流利用の低減をもたらし得る。更に、その中のメモリデバイス又は制御システムによって使用される任意のパラメータは、少なくともピーク電流管理及びタイミング/動作管理のための動作改善を提供するように調整され得る。一態様では、プログラミング調節パラメータは、それぞれのビット線の禁止電圧チャージアップの電圧検出閾値を含み、別の態様では、プログラミング調節パラメータは、プログラミングサイクルのプログラム回復フェーズのビット線等化時間値を含み、更に別の態様では、プログラミング調節パラメータは、プログラミングサイクルのプログラム検証/読み出しフェーズの電圧時間値を読み出すためのビット線設定を含む。ループ依存性プログラミング調整パラメータは、メモリデバイスのメモリセルのうちの少なくとも1つの電圧閾値状態に基づき得る。上記の記憶デバイスに加えて、本開示の方法は、複数のビット線にそれぞれ電気的に結合された複数のメモリセルと、複数のメモリセルに結合された制御回路と、を備える、不揮発性メモリデバイスを制御するためのステップを規定し得、複数のメモリセルのプログラミングサイクルに基づいて、ループ依存性プログラミング調節パラメータを判定することと、ループ依存性プログラミング調節パラメータによって修正される際に、複数のメモリセルに対するプログラミング及び検証動作を実行することと、を実行するように構成される、制御回路と、を有し、ループ依存性プログラミング調節パラメータの判定が、複数のメモリセルのとそれぞれ電気通信する複数のビット線の相対容量に基づく、方法が提供される。制御回路は、複数のメモリセルに対するプログラミング動作を完了するために実行されるプログラムループのシーケンス内のプログラムループの位置を判定するステップを実行するように更に構成されることを含み、かつループ依存性プログラミング調節パラメータの判定が、プログラムループのシーケンス内のループの位置に更に基づく、任意の所望の機能を提供し得る。更に、不揮発性メモリデバイスでは、プログラム制御回路のシーケンス内のループの位置が、開始セクション、中間セクション、又は終了セクションのうちの1つにあると判定され得、ループ位置が開始セクション内にある場合、調節パラメータを第1のより低い値に設定し、ループ位置が中間セクション内にある場合、調節パラメータをより高い値に設定し、ループ位置が終了セクション内にある場合、調節パラメータを第2のより低い値に設定する。複数のビット線の相対容量は、複数のビット線にそれぞれ割り当てられた禁止電圧又はプログラム電圧の構成に基づいて静電容量を判定することなど、任意の所望の方式で判定され得る。更に、複数のビット線の相対容量はまた、複数のメモリセルのそれぞれのプログラミング状態に基づいて判定され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付図面は、本開示の様々な態様を示し、説明と共にその原理を説明する役割を果たす。便利である場合、同じ参照番号は、同じ又は同様の要素を指すために図面全体にわたって使用されることになる。
【0009】
図1A】例示的なメモリデバイスのブロック図を示す。
【0010】
図1B】プログラミング回路、カウント回路、及び判定回路を備える例示的な制御回路のブロック図を示す。
【0011】
図2】本開示の原理による3つのメモリストリングアーキテクチャの概略図を示す。
【0012】
図3図1のメモリアレイの例示的な2次元構成におけるメモリセルのブロックを示す。
【0013】
図4A】NANDストリング内の例示的な電荷トラップメモリセルの断面図を示す。
【0014】
図4B】線429に沿った図4Aの構造の断面図を示す。
【0015】
図5A図1の感知ブロックSB1の例示的なブロック図を示す。
【0016】
図5B図1の感知ブロックSB1の別の例示的なブロック図を示す。
【0017】
図6A図1の感知ブロックSB1の例示的なブロック図を示す。
【0018】
図6B図1の感知ブロックSB1の別の例示的なブロック図を示す。
【0019】
図6C】1つ以上の実施形態による感知回路のブロック図である。
【0020】
図6D】本開示の1つ以上の実施形態によるチャージポンプ回路の概略図を示す別の例示的なブロック図を示す。
【0021】
図7A図1のメモリアレイの例示的な3次元構成における1組のブロックの斜視図を示す。
【0022】
図7B図7Aのブロックのうちの1つの一部分の例示的な断面図を示す。
【0023】
図7C図7Bのスタックにおけるメモリホール直径のプロットを示す。
【0024】
図7D図7Bのスタックの領域622の拡大図を示す。
【0025】
図8A図6Bのスタックの例示的なワード線層WLL0の平面図を示す。
【0026】
図8B図67Bのスタックの例示的な上部誘電体層DL19の上面図を示す。
【0027】
図9A図8AのサブブロックSBa~SBdにおける例示的なNANDストリングを示す。
【0028】
図9B】サブブロック内のNANDストリングの別の例示的な図を示す。
【0029】
図9C】4つのデータ状態を有する例示的なワンパスプログラミング動作におけるメモリセルのVth分布を示す。
【0030】
図9D】8つのデータ状態を有する例示的なワンパスプログラミング動作におけるメモリセルのVth分布を示す。
【0031】
図9E】16のデータ状態を有する例示的なワンパスプログラミング動作におけるメモリセルのVth分布を示す。
【0032】
図10】例示的なプログラミング動作の波形を示す。
【0033】
図11A】ソリッドステートメモリプログラミング動作のための複数のプログラミングループの上の例示的な電流プロファイルを示すグラフを示す。
【0034】
図11B】プログラムループによってプロットされた、シミュレートされたビット線/制御線ローディング容量を示すグラフを示す。
【0035】
図11C】本開示の1つ以上の態様によるプログラミング動作のための電流プロファイルを示す。
【0036】
図11D】本開示のメモリデバイスのための電流ピークとプログラミング段階との間の関係を示す、図11Cに示すプログラミング動作のプログラミングループのサブセットを含む図11Cのグラフのセグメント図を示す。
【0037】
図12A】プログラミングループの選択された部分内の電圧レベル遷移の更なる詳細を提供する。
図12B】プログラミングループの選択された部分内の電圧レベル遷移の更なる詳細を提供する。
【0038】
図13A】プログラミングループの一部分、具体的には、プログラミングサイクルにおける初期のループの一部分の、近接したICC電流プロファイル図を示す。
【0039】
図13B】プログラミングループの一部分、具体的には、プログラミングサイクルの中間セクションにおけるループの一部分の、近接したICC電流プロファイル図を示す。
【0040】
図14A】本開示のメモリセルアレイ及び関連する制御回路を示す。
【0041】
図14B】3ビット線に対する本開示のメモリセルアレイ及び関連するビット線容量の一部分を示す。
【0042】
図14C】5ビット線に対する本開示のメモリセルアレイ及び関連するビット線容量を示す。
【0043】
図14D】電流ビット線禁止又はプログラム構成に基づいてビット線の寄生容量を予測するための式の表を提供する。
【0044】
図15】本開示のプロセスフローを示す。
【0045】
図16】本開示の別のプロセスフローを示す。
【0046】
図17】本開示の別のプロセスフローを示す。
【0047】
図18】本開示の別のプロセスフローを示す。
【0048】
図19】本開示の別のプロセスフローを示す。
【0049】
図20】本開示の別のプロセスフローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下の考察は、本開示の様々な実施形態を対象とする。これらの実施形態のうちの1つ以上が好ましい場合があるが、開示される実施形態は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、ないしは別の方法で使用されるべきではない。加えて、当業者であれば、以下の説明は広義の出願を有し、任意の実施形態の考察は、その実施形態の例示に過ぎず、特許請求の範囲を含む本開示の範囲がその実施形態に限定されることを意図するものではないことを理解するであろう。
【0051】
記載されるように、不揮発性メモリシステムは、外部電源を必要とせずに、記憶された情報を保持するメモリの種類である。不揮発性メモリは、様々な電子デバイス及びスタンドアロン型メモリデバイスにおいて広く使用されている。例えば、不揮発性メモリは、ラップトップ、デジタルオーディオプレーヤ、デジタルカメラ、スマートフォン、ビデオゲーム、科学機器、産業用ロボット、医療用電子機器、ソリッドステートドライブ、USBドライブ、メモリカードなどに見出すことができる。不揮発性メモリは、電子的にプログラム/再プログラムされ、消去され得る。
【0052】
不揮発性メモリシステムの例としては、NANDフラッシュ又はNORフラッシュなどのフラッシュメモリが挙げられる。NANDフラッシュメモリ構造体は、典型的には、2つの選択ゲート(例えば、ドレイン側選択ゲート及びソース側選択ゲート)の間に直列に複数のメモリセルトランジスタ(例えば、浮動ゲートトランジスタ又は電荷トラップトランジスタ)を配設する。メモリセルトランジスタは、直列であり、選択ゲートは、NANDストリングと呼ばれることがある。ビット当たりのコストを低減するために、NANDフラッシュメモリがスケーリングされ得る。更に、EEPROM又はフラッシュNANDアレイアーキテクチャでは、メモリセルは、行及び列の行列に配置され得、これにより、各メモリセルのゲートは、行によってワード線に結合される。メモリセルは、所与のストリング内のメモリセルが共通のソース線と共通の制御線又はビット線との間で、直列に、ソースからドレインまで結合されるように、ストリングのアレイ内に一緒に配置され得る。本開示の目的のために、一般的に「ビット線」という用語は、制御線の種類であると見なされ、したがって、用語は互換的に使用される。
【0053】
現在のフラッシュメモリ設計では、最も困難な問題の1つは、ピーク電流消費(ピークICC)を低減することであり、これは、ピーク電力降下につながり、フラッシュメモリ内の誤動作を引き起こす可能性がある。より具体的には、メモリデバイスの複数の並行して動作するフラッシュメモリの場合、ピークICCに、同時に動作するフラッシュメモリの数を乗じる。したがって、フラッシュメモリ当たりのピークICCの低減は、メモリデバイスがホストのピーク電流制限内で機能するのを補助することができる。
【0054】
ソリッドステートメモリデバイスが、プログラム及び/又は読み出し動作中の平均電流消費に関連し得る必要又は望ましい電流仕様を満たすことを確実にするために、ピーク電流管理が必要又は望ましい場合がある。したがって、過度に高い電流スパイクは、プログラミング動作にわたってデータポイントにわたる平均電流消費を増加させ得る。更に、プログラム又は読み出し動作中に消費される最高電流レベルによって定義される絶対ピーク電流は、同様に、ソリッドステートメモリデバイスの重要又は重大な仕様又は特性を同様に表し得る。過度に高いピーク電流レベルは、電流スパイク(複数可)によって課される電力供給量に起因して並列に実行され得るソリッドステートメモリダイの数を制限し得る。
【0055】
メモリストリングのアレイに含まれるメモリセルをプログラムするために、メモリセルが消去状態で提供された後に、一連のプログラム電圧をメモリセルに印加するためのプログラミング動作が実行され得る。各プログラム電圧は、プログラム検証反復とも呼ばれるプログラムループ内に提供される。例えば、プログラム電圧は、メモリセルの制御ゲートに接続されるワード線に印加され得る。一手法では、増分ステップパルスプログラミングが実行され、プログラム電圧は、各プログラムループ内のステップサイズによって増加される。メモリセルに対するプログラミングが完了すると、プログラミングが後続のプログラムループ内の他のメモリセルに対して継続する間、更なるプログラミングからロックアウトすることができる。
【0056】
メモリデバイスに対する1組のメモリセルのプログラミング動作は、典型的には、メモリセルが消去状態で提供された後に、一連のプログラム電圧をメモリセルに印加することを伴う。各プログラム電圧は、プログラム検証反復とも呼ばれるプログラムループ内に提供される。例えば、プログラム電圧は、メモリセルの制御ゲートに接続されるワード線に印加され得る。一手法では、増分ステップパルスプログラミングが実行され、プログラム電圧は、各プログラムループ内のステップサイズによって増加される。メモリセルがプログラミングを完了したかどうかを判定するために、各プログラム電圧の後に検証動作が実行され得る。メモリセルに対するプログラミングが完了すると、プログラミングが後続のプログラムループ内の他のメモリセルに対して継続する間、更なるプログラミングからロックアウトすることができる。
【0057】
各メモリセルは、プログラムコマンド内の書き込みデータに従って、データ状態に関連付けられ得る。メモリセルは、消去されたデータ状態(本明細書では消去状態と称される)にあることができ、又は消去状態とは異なるプログラムされたデータ状態(本明細書ではプログラム状態と称される)にプログラミングすることができる。例えば、1ビット/セルメモリデバイス(シングルレベルセル(single-level cell、「SLC」))では、消去状態及び1つのより高いデータ状態を含む2つのデータ状態が存在する。また、2ビット/セルメモリデバイス(マルチレベルセル(multi-level cell、「MLC」))では、消去状態と、A、B、及びCデータ状態と称される3つのプログラムされたデータ状態とを含む4つのデータ状態が存在する(図9Cを参照)。3ビット/セルメモリデバイス(又は、トリプルレベルセル(triple-level cell、「TLC」))では、消去状態と、A、B、C、D、E、F、及びGデータ状態と称される7つのプログラムされたデータ状態を含む8つのデータ状態が存在する(図9Dを参照)。4ビット/セルメモリデバイス(クアッドレベルセル(quad-level cell、「QLC」))では、消去状態と、ER、1、2、3、4、5、6、7、8、9、A、B、C、D、E、及びFデータ状態と称される15個のプログラムされたデータ状態とを含む16のデータ状態が存在する(図9Dを参照)。
【0058】
プログラムコマンドが発行されると、書き込みデータは、メモリセルに関連付けられたラッチ内に記憶される。プログラミング中、メモリセルのラッチを読み出して、セルがプログラミングされるデータ状態を判定することができる。各メモリセルは、感知動作が、関連する検証電圧によって閾値電圧(Vth)が満たされていると判定すると、各メモリセルは、プログラミングを完了したと見なされる。感知動作は、関連する検証電圧を制御ゲートに印加し、メモリセルを通る電流を感知することによって、メモリセルが関連する検証電圧よりも高いVthを有するかどうかを判定することができる。電流が比較的高い場合、これは、メモリセルが、メモリセルが導電状態にあることを示し、これによって、Vthは制御ゲート電圧よりも低いことになる。電流が比較的低い場合、これは、メモリセルが、メモリセルが非導電性状態にあることを示し、これによって、Vthは制御ゲート電圧よりも高いことになる。
【0059】
メモリセルをプログラミングするとき、デバイスの誤動作を防止するために、迅速かつピークICCを制御する方法でプログラム検証動作を実行することが重要である。プログラムループの間、特定のプログラミングクロック時間間隔(以下のP7として識別される)は、ビット線プリチャージ中に大きなICC電流スパイクの発生を受けやすい。以下でより詳細に説明するように、この問題に対処する1つの方法は、ビット線のプリチャージ速度を減速させることによるビット線ピーク電流制御を提供する、VHSASLOWPとして本明細書で特定されるパラメータで構成される制御回路によって変化させられる制御された電流プリチャージ制御を適用することによるものである。しかしながら、関連するビット線のチャージアップを禁止状態に減速させることによって、この制御された電流が最大電荷レベル(例えば、VDDSA)まで全て動作する場合、全体的なプログラミング時間は悪影響を受ける。より典型的には、電圧閾値パラメータ(例えば、VHSATGT)は、制御回路が、制御された充電から制御されていない充電構成に切り替えて、チャージアップ期間を短縮することができる。しかしながら、以下により完全に記載されるように、理想的な調節された充電点から調節されていない充電点への選択は問題である。本開示の実施形態では、以下に記載されるように、ビット線チャージアップは、隣接するビット線構成に基づいて有効ビット線容量の統計的予測に基づいて制御され、閾値充電遷移点の適用を制御することによって、ピークICCは、デバイスプログラミング時間tprogに対する全体的な影響を最小限に抑えて制御することができる。
【0060】
1つの解決策は、マルチステップ検証(multistep verify、MSV)動作を実施することである。MSV動作はツーステップ動作であり、各ステップ中に異なる検証電圧が印加される。一旦メモリセルに対する閾値電圧が第1の検証電圧に達すると、制御電圧が変化して、より速いプログラムされたメモリセルを減速させる。しかしながら、MSV動作は、メモリセル上での電子移動又は外乱により、(例えば、1ステッププログラミング動作に対して)性能が低下し得る。更に、MSV動作は、メモリセルをプログラムするために追加のステップを必要とするため、非効率的である。
【0061】
これらの理由、及び本明細書及び対応する図を読むと当業者には明らかとなる他の理由について、メモリデバイスのプログラミングスループットを低減することなく、狭いVth分布を作り出す方法が当該技術分野において必要とされている。
【0062】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、選択されたワード線内のメモリセルのデータ状態を検証するために、検証動作の反復を実行するためのシステム及び/又は方法を含み得、高速プログラミング検証技術又は精度ベースの検証技術が、検証動作の各反復のために選択及び実装される。例えば、システム及び/又は方法は、実行されている検証動作の繰り返しに基づいて、メモリセルの位置が、自然閾値電圧分布(natural threshold voltage distribution、NVD)の上部若しくは下部テールの一部分であるか(例えば、高速プログラミング検証技術を使用する)、又はNVDの中間部分の一部(例えば、貴重な検証技術を使用する)、及び/又は同様のものであるかどうかに基づいて、検証技術(例えば、高速プログラミング検証技術又は精度ベースの検証技術)を選択し得る。
【0063】
本明細書に記載されるシステム及び/又は方法は、メモリセルのVth分布を効率的かつ効果的に狭めることができる。更に、システム及び/又は方法は、下位システム又は方法(例えば、高速プログラミング検証技術のみ又は貴金属系検証技術のみを利用する)に対するプログラム検証動作実行時間を低減することにより、リソース(例えば、処理リソース、メモリリソース、及び/又は同様のもの)を節約する。合計プログラム検証時間を短縮することにより、リソース(例えば、電力リソース、処理リソース、メモリリソース、及び/又は同様のもの)を節約し、そうでなければ、プログラミングを終了し、貴金属系検証技術のみを使用してメモリセルを検証する。
【0064】
一手法では、メモリセルがプログラミングを完了したと判定するために使用される検証電圧は、最終又はロックアウト検証電圧と称され得る。場合によっては、メモリセルがプログラミングの完了に近づいていると判定するために、追加の検証電圧が使用され得る。この追加の検証電圧は、オフセット検証電圧と称されてもよく、最終検証電圧よりも低くてもよい。メモリセルがプログラミングの完了に近いとき、メモリセルのプログラミング速度は、1つ以上の後続のプログラム電圧中にそれぞれのビット線の電圧を上昇させることなどによって低減され得る。例えば、図9では、Aデータ状態にプログラミングされるメモリセルは、VvAL(Aデータ状態のオフセット検証電圧)、及びVvA(Aデータ状態の最終検証電圧)における検証試験に供され得る。
【0065】
図1Aは、例示的なメモリデバイスのブロック図である。メモリデバイス100は、1つ以上のメモリダイ108を含み得る。メモリダイ108は、メモリセルのアレイなどのメモリセルのメモリ構造126、制御回路110及び読み出し/書き込み回路128を含む。メモリ構造126は、行デコーダ124を介してワード線によりアドレス指定可能であり、列デコーダ132を介してビット線によりアドレス指定可能である。読み出し/書き込み回路128は、複数の感知ブロックSB1、SB2、...、SBp(感知回路)を含み、メモリセルのページが並列で読み出し又はプログラムされることを可能にする。典型的には、コントローラ122は、1つ以上のメモリダイ108と同じメモリデバイス100(例えば、リムーバブル記憶カード)に含まれる。コマンド及びデータは、データバス120を介してホスト140とコントローラ122との間で転送され、線118を介してコントローラと1つ以上のメモリダイ108との間で転送される。
【0066】
メモリ構造は、2D又は3Dであり得る。メモリ構造は、3Dアレイを含むメモリセルの1つ以上のアレイを含み得る。メモリ構造は、複数のメモリレベルが、介在する基板なしでウェハなどの単一の基板の上方に形成された(かつ、基板内には形成されない)モノリシック3次元メモリ構造を含み得る。メモリ構造は、シリコン基板の上方に配置されたアクティブ領域を有するメモリセルのアレイの1つ以上の物理レベルでモノリシックに形成された任意の種類の不揮発性メモリを含み得る。メモリ構造は、関連する回路が基板の上方又は内部にあるかどうかに関わらず、メモリセルの動作に関連する回路を有する不揮発性メモリデバイスにあり得る。
【0067】
制御回路110は、読み出し/書き込み回路128と協働して、メモリ構造126でメモリ動作を実行し、ステートマシン112、オンチップアドレスデコーダ114及び電力制御モジュール116を含む。ステートマシン112は、メモリ動作のチップレベル制御を提供する。
【0068】
記憶領域113は、例えば、プログラミングパラメータのために提供され得る。プログラミングパラメータは、プログラム電圧、プログラム電圧バイアス、メモリセルの位置を示す位置パラメータ、接触線コネクタの厚さパラメータ、検証電圧などを含み得る。位置パラメータは、NANDストリングのアレイ全体内のメモリセルの位置、特定のNANDストリング群内にあるメモリセルの位置、特定の平面上のメモリセルの位置、及び/又は同様のものを示し得る。接触線コネクタの厚さパラメータは、接触線コネクタの厚さ、接触線コネクタが含まれる基板又は材料の厚さ、及び/又は同様のものを示し得る。
【0069】
オンチップアドレスデコーダ114は、ホスト又はメモリコントローラによって使用されるものと、デコーダ124及び132によって使用されるハードウェアアドレスとの間のアドレスインターフェースを提供する。電力制御モジュール116は、メモリ動作中にワード線及びビット線に供給される電力及び電圧を制御する。それは、ワード線、SGS、及びSGDトランジスタ、並びにソース線のためのドライバを含むことができる。感知ブロックは、一手法では、ビット線ドライバを含むことができる。SGSトランジスタは、NANDストリングのソース端での選択ゲートトランジスタであり、SGDトランジスタトはNANDストリングのドレイン端での選択ゲートトランジスタである。
【0070】
いくつかの実施形態では、構成要素の一部を組み合わせることができる。様々な設計において、メモリ構造126以外の構成要素のうちの1つ以上(単独で又は組み合わせて)は、本明細書で説明される活動を実行するように構成される少なくとも1つの制御回路と考えることができる。例えば、制御回路は、制御回路110、ステートマシン112、デコーダ114/132、電力制御モジュール116、感知ブロックSBb、SB2、...SBp、読み出し/書き込み回路128、コントローラ122などのうちのいずれか1つ、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0071】
制御回路は、1組のメモリセルに対するプログラミング動作を実行するように構成されたプログラミング回路を含むことができ、1組のメモリセルは、複数のデータ状態間の1つのデータ状態を表すように割り当てられたメモリセルと、複数のデータ状態間の別のデータ状態を表すように割り当てられたメモリセルと、を含み、プログラミング動作は、複数のプログラム検証反復を含み、各プログラム検証反復において、プログラミング回路は、プログラミング回路が1つのワード線に検証信号を適用する1つのワード線に対するプログラミングを実行する。制御回路はまた、1つのデータ状態に対する検証試験を通過するメモリセルのカウントを取得するように構成されたカウント回路を含むことができる。制御回路はまた、カウントが閾値を超える量に基づいて、別のデータ状態を表すように割り当てられたメモリセルに関する別のデータ状態に関する検証試験を実行する、複数のプログラム検証反復のうちの特定のプログラム検証反復を判定するように構成された判定回路を含むことができる。
【0072】
例えば、図1Bは、プログラミング回路151、カウント回路152、及び判定回路153を備える例示的な制御回路150のブロック図である。
【0073】
オフチップコントローラ122は、プロセッサ122c、ROM122a及びRAM122bなどの記憶デバイス(メモリ)、並びにエラー訂正コード(error-correction code、ECC)エンジン245を備え得る。ECCエンジンは、Vth分布の上部テールが高すぎるときに生じる読み出しエラーの数を修正することができる。しかしながら、場合によっては、補正不可能な誤差が存在し得る。本明細書で提供される技術は、補正不可能な誤差の可能性を低減する。
【0074】
記憶デバイスは、1組の命令などのコードを含み、プロセッサは、この1組の命令を実行して本明細書に記載される機能を提供するように動作可能である。代替的に又は追加的に、プロセッサは、1つ以上のワード線内のメモリセルの予約領域等の、メモリ構造の記憶デバイス126aからコードにアクセスすることができる。
【0075】
例えば、プログラムは、プログラミング、読み出し、及び消去動作などのために、メモリ構造にアクセスするために、コントローラによって使用され得る。コードは、起動コード及び制御コード(例えば、1組の命令)を含むことができる。起動コードは、起動又は起動プロセス中にコントローラを初期化し、コントローラがメモリ構造にアクセスすることを可能にするソフトウェアである。コードは、1つ以上のメモリ構造を制御するためにコントローラによって使用され得る。電源投入されると、プロセッサ122cは、実行のためにROM122a又は記憶デバイス126aから起動コードをフェッチし、起動コードはシステム構成要素を初期化し、制御コードをRAM122bにロードする。制御コードがRAMにロードされると、プロセッサによって実行される。制御コードは、メモリの制御及び割り当て、命令の処理の優先順位付け、並びに入力及び出力ポートの制御などの基本タスクを実施するためのドライバを含む。
【0076】
一般に、制御コードは、以下で更に考察されるフローチャートのステップを含む、本明細書に記載される機能を実施する命令を含むことができ、以下で更に考察されるものを含む電圧波形を提供することができる。
【0077】
一実施形態では、ホストは、本明細書に記載される方法を実施するために、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサをプログラミングするためのプロセッサ可読コード(例えば、ソフトウェア)を記憶する1つ以上のプロセッサ可読ストレージデバイス(RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートメモリ)と、を含む、コンピューティングデバイス(例えば、ラップトップ、デスクトップ、スマートフォン、タブレット、デジタルカメラ)である。ホストはまた、1つ以上のプロセッサと通信する、追加のシステムメモリ、1つ以上の入力/出力インターフェース、及び/又は1つ以上の入力/出力デバイスを含み得る。NANDフラッシュメモリに加えて、他の種類の不揮発性メモリを使用することもできる。
【0078】
半導体メモリデバイスは、ダイナミックランダムアクセスメモリ(「DRAM」)、スタティックランダムアクセスメモリ(static random access memory、「SRAM」)デバイス等の揮発性メモリデバイス、抵抗ランダムアクセスメモリ(resistive random access memory、「ReRAM」)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(「EEPROM」)、フラッシュメモリ(EEPROMのサブセットと見なすこともできる)、強誘電性ランダムアクセスメモリ(ferroelectric random access memory、「FRAM」)、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(magnetoresistive random access memory、「MRAM」)等の不揮発性メモリデバイス及び情報を記憶する能力がある他の半導体素子を含む。各種類のメモリデバイスは、異なる構成を有してもよい。例えば、フラッシュメモリデバイスは、NAND又はNOR構成で構成され得る。
【0079】
メモリデバイスは、受動及び/又は能動素子から、任意の組み合わせで形成することができる。非限定的な例として、受動半導体メモリ素子は、ReRAMデバイス素子を含み、これはいくつかの実施形態では、アンチヒューズ、相変化材料等の抵抗率スイッチング記憶素子、及び任意選択的にダイオード、トランジスタ等のステアリング素子を含む。更に非限定的な例として、能動半導体メモリ素子は、EEPROM及びフラッシュメモリデバイス素子を含み、これはいくつかの実施形態では、浮遊ゲート、導電性ナノ粒子、電荷蓄積誘電材料等の電荷蓄積領域を含有する素子を含む。
【0080】
複数のメモリ素子は、直列に接続されるように、あるいは各素子が個別にアクセス可能であるように構成され得る。非限定的な例として、NAND構成(NANDメモリ)内のフラッシュメモリデバイスは、典型的には、直列に接続されたメモリ素子を含む。NANDストリングは、メモリセル及びSGトランジスタを含む直列接続トランジスタのセットの例である。
【0081】
NANDメモリアレイは、ストリングが、単一のビット線を共有しグループとしてアクセスされる複数のメモリ素子から構成される、複数のメモリストリングからアレイが構成されるように構成され得る。代替的に、メモリ素子は、各素子が個別にアクセス可能、例えば、NORメモリアレイであるように構成され得る。NAND及びNORメモリ構成は例であり、メモリ素子は、別の方法で構成され得る。基板内及び/又は基板の上に位置する半導体メモリ素子は、2次元メモリ構造、3次元メモリ構造等の2次元又は3次元で配置され得る。
【0082】
2次元メモリ構造では、半導体メモリ素子は、単一の平面又は単一のメモリデバイスレベルに配置される。典型的には、2次元メモリ構造では、メモリ素子は、メモリ素子を支持する基板の主表面に実質的に平行に延在する平面(例えば、xy方向平面)に配置される。基板は、ウェハであり、ウェハの上又はウェハ内にメモリ素子の層が形成されるウェハであってもよく、あるいはメモリ素子が形成された後にメモリ素子に取り付けられるキャリア基板であってもよい。非限定的な例として、基板は、シリコンなどの半導体を含み得る。
【0083】
メモリ素子は、複数の行及び/又は列などの順序付きアレイにおいて単一のメモリデバイスレベルに配置され得る。しかしながら、メモリ素子は非規則的又は非直交構成で配列され得る。メモリ素子は各々2つ以上の電極又はビット線、ワード線等の接触線を有し得る。
【0084】
3次元メモリアレイは、メモリ素子が複数の平面又は複数のメモリデバイスレベルを占有するように配置され、それによって、3次元(すなわち、x、y、及びz方向であり、z方向は基板の主表面に実質的に垂直であり、x及びy方向は基板の主表面に実質的に平行である)の構造を形成する。
【0085】
非限定的な例として、3次元メモリ構造は、複数の2次元メモリデバイスレベルの積層体として垂直に配置され得る。別の非限定的な例として、3次元メモリアレイは、各列が複数の素子を有する複数の垂直列(例えば、基板の主表面に対して実質的に垂直、すなわちy方向に延在する列)として配置され得る。列は、2次元構成、例えば、xy平面に配置されてもよく、複数の垂直に積層されたメモリ面に素子があるメモリ素子の3次元配置をもたらす。3次元のメモリ素子の他の構成が、3次元メモリアレイを構成することもできる。
【0086】
非限定的な例として、3次元NANDストリングアレイでは、メモリ素子は、単一の水平(例えば、xy)メモリデバイスレベル内にNANDストリングを形成するようにまとめて結合され得る。代替的に、メモリ素子は、複数の水平メモリデバイスレベルにわたって横断する垂直なNANDストリングを形成するようにまとめて結合され得る。いくつかのNANDストリングが単一のメモリレベルでメモリ素子を含有し、他のストリングが複数のメモリレベルにわたるメモリ素子を含有する、他の3次元構成を想定することができる。3次元メモリアレイはまた、NOR構成及びReRAM構成で設計され得る。
【0087】
典型的には、モノリシック3次元メモリアレイでは、1つ以上のメモリデバイスレベルが単一の基板の上方に形成される。任意選択的に、モノリシック3次元メモリアレイは、単一の基板内に少なくとも部分的に1つ以上のメモリ層も有し得る。非限定的な例として、基板は、シリコンなどの半導体を含み得る。モノリシック3次元アレイでは、アレイの各メモリデバイスレベルを構成する層は、典型的には、アレイの下方のメモリデバイスレベルの層上に形成される。しかしながら、モノリシックな3次元メモリアレイの隣接するメモリデバイスレベルの層は、共有されてもよく、あるいはメモリデバイスレベル間に介在する層を有してもよい。
【0088】
追加として、2次元アレイが別個に形成され、次いでまとめてパッケージ化されて、複数のメモリ層を有する非モノリシックメモリデバイスを形成してもよい。例えば、非モノリシック積層メモリは、別個の基板上にメモリレベルを形成し、次いで、メモリレベルを互いの上に積層することによって構築することができる。基板は、積層前にメモリデバイスレベルから薄くされるか、あるいは除去され得るが、メモリデバイスレベルが別個の基板にわたって最初に形成されるため、結果として得られるメモリアレイはモノリシックな3次元メモリアレイではない。更に、複数の2次元メモリアレイ又は3次元メモリアレイ(モノリシック又は非モノリシック)は、別個のチップ上に形成され、次いでまとめてパッケージ化されて積層チップメモリデバイスを形成してもよい。
【0089】
関連する回路は、典型的には、メモリ素子の動作及びメモリ素子との通信のために必要とされる。非限定的な例として、メモリデバイスは、プログラミング、読み出し等の機能を達成するためにメモリ素子を制御及び駆動するために使用される回路を有し得る。これに関連する回路は、メモリ素子と同じ基板上及び/又は別個の基板上にあってもよい。例えば、メモリ読み出し書き込み動作のためのコントローラは、別個のコントローラチップ上及び/又はメモリ素子と同じ基板上に位置し得る。
【0090】
当業者であれば、この技術は説明された2次元及び3次元の例示的な構造に限定されず、本明細書で説明され、当業者によって理解されるように、その技術の趣旨及び範囲内で、多くの関連するメモリ構造をカバーすると理解するであろう。
【0091】
図2は、千鳥状のメモリストリングを利用する例示的なBiCSメモリアーキテクチャの概略図を示す。例えば、参照番号201は、例示的なBiCS4メモリアーキテクチャの概略図を示し、参照番号203は、例示的なBiCS5メモリアーキテクチャの概略図を示し、参照番号205は、例示的なBiCS6メモリアーキテクチャの概略図を示す。いくつかの実施形態では、示されるように、BiCSメモリアーキテクチャは、千鳥状のNANDストリングのアレイを含み得る。
【0092】
メモリアーキテクチャ201を参照すると、メモリストリングが、ストリングアーキテクチャ201内の行207-0~207-7に示される。メモリストリングは、1組のメモリセル(例えば、1組のメモリホールに対応する)を含み得る。各行は、4つの端部をメモリストリングに示す。メモリストリングは、端部で隣接するストリングに接続され得る(この図の下には見えない)。ダミー行208の左側に示される207-0~207-3の第1の行群。ダミー行208の右側に示される207-4~207-7の第2の行群。ダミー行208は、千鳥状の8行内の2つの行群を分離する。ソース線209は、第1の群の縁部に位置づけられ、ダミー行208から離れている。ソース線210は、第2の群の縁部に位置づけられ、ダミー行208及びソース線209から離れている。
【0093】
メモリアーキテクチャ203及び205は、追加のグループが追加されることを除いて、ストリングアーキテクチャ201のものと同様であり得る。ストリングアーキテクチャ203は、アーキテクチャ201のサイズの2倍であってもよく、ダミー行によって分離された4つの行の各群を有する16列のストリングを含み得る。ストリングアーキテクチャ205は、メモリアーキテクチャ201及びメモリアーキテクチャ203の両方よりも大きくてもよい。ストリングアーキテクチャ205は、ダミー行208によって分離された4つの行の各群を有する20行のストリングを含み得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、メモリアーキテクチャ201、203、及び/又は205は、アレイ構造下のチップを含み得る。例えば、メモリアーキテクチャ201、203、及び/又は205は、制御回路がメモリストリングの群を含むメモリアレイの下にある、アレイ構造下のチップを含み得る。アレイ構造下のチップでは、メモリストリングは、読み出し及び消去動作のためのソース線のための直接ストラップ接点を含み得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、メモリアーキテクチャ205は、BiCS6メモリアーキテクチャであり得る。例えば、BiCS6メモリアーキテクチャでは、5つのNANDストリング群が存在し得る。NANDストリング群212-1、NANDストリング群212-2、NANDストリング群212-3、NANDストリング群212-3、及びNANDストリング群212-4)。NANDストリング群212-0及びNANDストリング群212-4は、外部NANDストリング群と称され得る。NANDストリング群212-1、NANDストリング群212-2、及びNANDストリング群212-3は、総称して、内部NANDストリング群と称され得る。NANDストリング群212-2は、最も内側のNANDストリング群と称され得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、BiCS6メモリアーキテクチャは、1つ以上の3Dブロックを含む3Dメモリアーキテクチャであり得る。この場合、3Dブロックは、NANDストリング群に対応する複数のサブブロックに論理的にセグメント化され得る。3Dブロックはまた、複数の平面に分割され得る。追加のブロックの説明は、本明細書で更に提供される。
【0097】
1つ以上の実施形態は、BiCSメモリアーキテクチャを指すが、これは例として提供されることを理解されたい。実際には、本明細書に記載される技術は、パイプ型BiCS(pipe-shaped BiCS、P-BiCS)、垂直凹部アレイトランジスタ(vertical recess array transistor、VRAT)アーキテクチャ、及び/又は任意の他の種類のEEPROM若しくはフラッシュメモリアーキテクチャなどの、任意の数の異なるメモリアーキテクチャ上に実装され得る。
【0098】
図3は、図1のメモリアレイ126の例示的な2次元構成におけるメモリセルのブロックを示す。メモリアレイは、多くのブロックを含むことができる。各例示的なブロック300、310は、複数のNANDストリング及びそれぞれのビット線、例えば、BL0、BL1、...を含み、これらはブロック間で共有される。各NANDストリングは、一端でドレイン選択ゲート(drain select gate、「SGD」)に接続され、ドレイン選択ゲートの制御ゲートは共通SGD線を介して接続される。NANDストリングは、その他方の端部でソース選択ゲートに接続され、次に、ソース選択ゲートは、共通ソース線320に接続される。16のワード線、例えば、WL0~WL15は、ソース選択ゲートとドレイン選択ゲートとの間に延在する。いくつかの場合には、ユーザデータを含まないダミーワード線もまた、選択ゲートトランジスタに隣接するメモリアレイ内で使用することができる。このようなダミーワード線は、あるエッジ効果からエッジデータワード線を遮蔽することができる。
【0099】
メモリアレイ内に提供され得る1種類の不揮発性メモリは、浮遊ゲートメモリである。図4A及び図4Bを参照されたい。他の種類の不揮発性メモリを使用することもできる。例えば、電荷トラップメモリセルは、導電性浮遊ゲートの代わりに非導電性誘電材料を使用して、不揮発性の方式で電荷を蓄積する。図5A及び図5Bを参照されたい。酸化シリコン、窒化シリコン、及び酸化シリコン(silicon oxide, silicon nitride and silicon oxide、「ONO」)から形成された三層誘電体は、導電性制御ゲートと、メモリセルチャネルの上方の半導電性基板の表面との間に挟まれる。セルは、セルチャネルから窒化物に電子を注入することによってプログラムされ、それらは、限定された領域内に閉じ込められ、かつ保存される。次いで、この蓄積された電荷は、検出可能な方式で、セルのチャネルの一部分の閾値電圧を変化させる。このセルは、窒化物にホットホールを注入することによって消去される。同様のセルを分割ゲート構成で提供することができ、この分割ゲート構成では、ドープされたポリシリコンゲートが、メモリセルチャネルの一部分の上方に延在して、別個の選択トランジスタを形成する。
【0100】
別の手法では、NROMセルが使用される。2ビットは、例えば、各NROMセルに記憶され、ONO誘電体層は、ソースとドレイン拡散との間のチャネルを横切って延在する。1つのデータビットに対する電荷は、ドレインに隣接する誘電体層内に局在化され、他のデータビットに対する電荷は、ソースに隣接する誘電体層に局在化される。多状態データ記憶は、誘電体内の空間的に分離された電荷蓄積領域のバイナリ状態を別々に読み出すことによって得られる。他の種類の不揮発性メモリも知られている。
【0101】
図4Aは、NANDストリング内の例示的な浮遊ゲートメモリセルの断面図を示す。ビット線又はNANDストリング方向はページに入り、ワード線方向は左から右に進む。一例として、ワード線424は、それぞれのチャネル領域406、416、及び426を含むNANDストリングにわたって延在する。メモリセル400は、制御ゲート402、浮遊ゲート404、トンネル酸化物層405、及びチャネル領域406を含む。メモリセル410は、制御ゲート412、浮遊ゲート414、トンネル酸化物層415、及びチャネル領域416を含む。メモリセル420は、制御ゲート422、浮遊ゲート421、トンネル酸化物層425、及びチャネル領域426を含む。各メモリセルは、異なるそれぞれのNANDストリング内にある。ポリ誘電体(inter-poly dielectric、IPD)層428も示される。制御ゲートはワード線の部分である。接触線コネクタ429に沿った断面図が、図4Bに提供される。
【0102】
制御ゲートは、浮遊ゲートの周囲に巻き付き、制御ゲートと浮遊ゲートとの間の表面接触面積を増加させる。これにより、より高いIPD容量がもたらされ、より高い結合比につながり、プログラミング及び消去がより容易になる。しかしながら、NANDメモリデバイスが縮小されると、隣接セル間の間隔は小さくなるため、2つの隣接する浮動ゲート間に制御ゲート及びIPDのスペースがほとんどない。
【0103】
代替として、図5A及び図5Bに示されるように、制御ゲートが平坦又は平面である、平坦又は平面状メモリセルが開発されている。すなわち、それは、浮遊ゲートの周囲には巻き付いておらず、その唯一の電荷蓄積層との接触は、その上からである。この場合、高い浮遊ゲートを有する利点はない。その代わりに、浮遊ゲートは、はるかに薄くされる。更に、電荷を蓄積するために浮遊ゲートを使用することができ、又は電荷トラップ層を使用して電荷をトラップすることができる。この手法は、弾道電子輸送の問題を回避することができ、電子は、プログラミング中にトンネル酸化物を通してトンネリング後に浮遊ゲートを通って移動することができる。
【0104】
図5Bは、接触線コネクタ529に沿った図5Aの構造の断面図を示す。NANDストリング530は、SGSトランジスタ531、例示のメモリセル500、533、...、534、及び535、並びにSGDトランジスタ536を含む。各メモリセルの例としてのメモリセル400は、図5Aと一致する制御ゲート402、IPD層428、浮遊ゲート404、及びトンネル酸化物層505を含む。SGS及びSGDトランジスタ内のIPD層の通路は、制御ゲート層及び浮遊ゲート層が通信することを可能にする。制御ゲート及び浮遊ゲート層は、ポリシリコンであり得、トンネル酸化物層は、例えば、酸化シリコンであり得る。IPD層は、N-O-N-O-N構成などの窒化物(nitrides、N)及び酸化物(oxides、O)のスタックであり得る。
【0105】
NANDストリングは、p型基板領域555、n型ウェル556、及びp型ウェル557を備える基板上に形成され得る。N型のソース/ドレイン拡散領域sd1、sd2、sd3、sd4、sd5、sd6、及びsd7は、p型ウェル内に形成される。チャネル電圧Vchは、基板のチャネル領域に直接印加され得る。
【0106】
図6Aは、図1の感知ブロックSB1の例示的なブロック図を示す。一手法では、感知ブロックは、複数の感知回路を含む。各感知回路はデータラッチに関連付けられる。例えば、例示的な感知回路650a、651a、652a、及び553aは、それぞれ、データラッチ650b、551b、652b、及び653bに関連付けられる。一手法では、異なるビット線のサブセットを、異なるそれぞれの感知ブロックを使用して感知することができる。これにより、感知回路に関連付けられた処理負荷を分割し、各感知ブロック内のそれぞれのプロセッサによって処理することが可能になる。例えば、SB1における感知回路コントローラ660は、1組の感知回路及びラッチと通信することができる。感知回路コントローラは、プリチャージ電圧を設定するための各感知回路に電圧を提供する、プリチャージ回路661を含み得る。1つの可能な手法では、電圧は、例えば、図6Bのデータバス603及びLBUS1又はLBUS2などのローカルバスを介して、独立して、各感知回路に提供される。別の可能な手法では、共通電圧が、例えば、図6Bの接触線605を介して、各感知回路に同時に提供される。感知回路コントローラはまた、メモリ662及びプロセッサ663を含み得る。メモリ662は、本明細書に記載される機能を実行するためにプロセッサによって実行可能なコードを記憶し得る。これらの機能は、感知回路に関連付けられたラッチを読み出すことと、ラッチ内のビット値を設定することと、感知回路の感知ノード内にプリチャージレベルを設定するための電圧を提供することと、を含むことができる。感知回路コントローラ及び感知回路650a及び651aの更なる例示の詳細は、以下に提供される。
【0107】
感知回路コントローラは、例えば、時分割多重化された方式で、異なる感知回路と通信することができる。接触線605は、一手法では、各感知回路内の電圧クランプに接続され得る。
【0108】
感知回路651aは、トリップラッチ646と、オフセット検証ラッチ647と、データ状態ラッチ648とを含むラッチ651bを含む。電圧クランプ641は、感知ノード642においてプリチャージ電圧を設定するために使用され得る。ビット線(bit line、BL)スイッチ643への感知ノードは、感知ノードがビット線645と通信することを選択的に可能にし、電圧クランプ644は、ビット線上に電圧を設定することができる。ビット線645は、メモリセルMC2などの1つ以上のメモリセルに接続される。ローカルバスLBUS2は、感知回路コントローラが、場合によってはラッチ651b及び電圧クランプなどの感知回路内の構成要素と通信することを可能にする。感知回路651aと通信するために、感知回路コントローラは、接触線601を介してトランジスタ606に電圧を提供して、LBUS2をDBUSと接続する。
【0109】
感知回路650aは、第1のトリップラッチ626を備える第1の感知回路であり得、感知回路651aは、第2のトリップラッチ646を備える第2の感知回路であり得る。
【0110】
感知回路650aは、第1の感知回路が第1のメモリセルMC1及び第1のビット線625に関連付けられる第1の感知ノード622を含む第1の感知回路の一例である。感知回路651aは、第2の感知回路が第2のメモリセルMC2及び第2のビット線645に関連付けられる第2の感知ノード642を含む第2の感知回路の一例である。
【0111】
いくつかの実施形態では、メモリセルは、フラグビットを記憶する1組のラッチを含むフラグレジスタを含み得る。いくつかの実施形態では、フラグレジスタの量は、ある量のデータ状態に対応し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のフラグレジスタを使用して、メモリセルを検証する際に使用される検証技術の種類を制御し得る。いくつかの実施形態では、フラグビットの出力は、特定のセルのブロックが選択されるように、デバイスの関連論理、例えば、アドレス復号回路を修正し得る。バルク動作(例えば、消去動作など)は、フラグレジスタにおいて設定されたフラグを使用して実施され得るか、又は、フラグレジスタとアドレスレジスタとの組み合わせは、暗示されたアドレス指定のように、又は代替的にアドレスレジスタのみに直線アドレス指定することによって実施され得る。
【0112】
図6Bは、図1の感知ブロックSB1の別の例示的なブロック図を示す。感知回路コントローラ660は、図6Aにも示される例示的な感知回路650a及び651aを含む複数の感知回路と通信する。感知回路650aは、トリップラッチ626と、オフセット検証ラッチ627と、データ状態ラッチ628とを含むラッチ650bを含む。感知回路は、感知ノード622においてプリチャージ電圧を設定するトランジスタなどの電圧クランプ621を更に含む。ビット線(BL)スイッチ623への感知ノードは、感知ノードがビット線625と通信することを選択的に可能にし、例えば、感知ノードは、感知ノード電圧が減衰することができるようにビット線に電気的に接続される。ビット線625は、メモリセルMC1などの1つ以上のメモリセルに接続される。電圧クランプ624は、感知動作中又はプログラム電圧中など、ビット線上に電圧を設定することができる。ローカルバスLBUS1は、感知回路コントローラが、場合によってはラッチ650b及び電圧クランプなどの感知回路内の構成要素と通信することを可能にする。感知回路650aと通信するために、感知回路コントローラは、接触線602を介してトランジスタ604に電圧を提供して、LBUS1をデータバスDBUS603と接続する。通信することは、感知回路にデータを送信すること、及び/又は感知回路からデータを受信することを含むことができる。
【0113】
図6Cは、感知モジュール680及び共通部分690と称される、コア部分に分割された個々の感知ブロック675のブロック図である。図6Cに示され、説明される素子は、図6A及び図6Bに従って説明されるものと同じ又は異なる素子を含み得、本開示の実施形態と共に動作するように上記の機能を増強し得る。いくつかの実施形態では、別個の感知モジュール680が各ビット線に提供され得、一方、単一の共通部分は、一組の複数の感知モジュールに対して提供され得る。特定の実施形態では、感知ブロックは、1つの共通部分690及び8つ以上の感知モジュール680を含む。グループ内の感知モジュール680の各々は、データバス672を介して関連する共通部分と通信し得る。更なる詳細については、米国特許出願公開第2006/0140007号を参照されたい。その内容は、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0114】
感知モジュール680は、感知回路670を含み得る。特定の実施形態では、感知回路670は、接続されたビット線内の伝導電流が所定の閾値レベルを上回るか又は下回るかどうかを判定するように構成される。代替的に又は追加的に、感知回路670は、所与の閾値電圧が関連ワード線に印加されたときに、ビット線及び/又はメモリセル内を電流が流れるかどうかを判定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、感知モジュール680は感知増幅器回路を含む。感知モジュール680は、接続されたビット線(複数可)上に電圧状態を設定するために使用される1つ以上のビット線ラッチを更に含み得る。例えば、ビット線ラッチ682にラッチされた所定の状態は、接続されたビット線(複数可)が、プログラム禁止状態(例えば、VDD)に引っ張られることをもたらし得る。禁止電圧レベル(inhibit voltage level、VDD)は、任意の種類の電圧(又は電流)源であり得る電圧源入力によって提供される。本明細書では「ビット線ラッチ」と称されるが、いくつかの文脈では、そのような素子は、本開示の実施形態による制御線バイアス設定/情報を記憶する任意の種類の感知データラッチ(sense data latches、「SDL」)であり得ることを理解されたい。
【0115】
感知ブロック675の共通部分690は、1つ以上のプロセッサ692、1組のデータラッチ694、及び/又は1組のデータラッチ694とデータバス620との間に結合された入力/出力(input/output、「I/O」)インターフェース596を含む。プロセッサ692は、様々な計算を実行するように構成され得る。例えば、プロセッサ(複数可)692は、感知されたメモリセルに記憶されたデータを判定し、データラッチ694の組内に判定されたデータを記憶するように構成され得る。データラッチのセット694は、読み出し動作中にプロセッサ(複数可)692によって判定されたデータビットを記憶するために使用され得る。データラッチ694はまた、プログラム動作中にデータバス620からインポートされたデータビットを記憶するために使用され得る。インポートされたデータビットは、メモリにプログラムされることを意味する書き込みデータを表す。I/Oインターフェース696は、データラッチ694とデータバス620との間のインターフェースを提供する。
【0116】
読み出し又は感知中、感知ブロック675の動作は、アドレス指定されたセルへの異なる制御ゲート電圧の供給を制御するステートマシンの制御下にあり得る。メモリによってサポートされる様々なメモリ状態に対応する様々な所定の制御ゲート電圧をステートマシーンステップ実行すると、感知モジュール680はこれらの電圧のうちの1つでトリップすることができ、出力は、バス672を介してプロセッサ(複数可)692に感知モジュール680から提供されることになる。その時点で、プロセッサ(複数可)692は、感知モジュールのトリップイベント(複数可)及び入力線693を介したステートマシンからの印加された制御ゲート電圧に関する情報を考慮することによって、結果として得られるメモリ状態を判定する。次いで、メモリ状態のバイナリ符号化を計算し、結果として得られるデータビットをデータラッチ694に記憶する。いくつかの実施形態では、ビット線ラッチ682は、感知モジュール680の出力をラッチするためのラッチとして、及び上記のようなビット線ラッチとして機能する。ビット線ラッチ682は、複数のビット線又は他の制御線の選択されたビット線及び非選択ビット線を示す複数のビット線を記憶するように構成された複数のビット線ラッチのうちの1つであり得る。
【0117】
プログラム又は検証中、プログラムされるデータは、データバス620から1組のデータラッチ694内に記憶され得る。プログラム動作は、ステートマシンの制御下で少なくとも部分的に実行され得、アドレス指定されたメモリセルの制御ゲートに印加される一連のプログラミング電圧パルス(大きさを増加させて)を含み得る。ビット線がプログラムされているメモリセルに関連付けられないとき、プログラミング動作のプログラミングパルスの前に、ビット線は、プリチャージ段階の一部として禁止電圧に充電され得、これは、M1などのメモリトランジスタがプログラム禁止モードに置かれたときに、チャネル電圧が高電圧に押し上げられるもので、以下に詳述される。
【0118】
各プログラミングパルスに続いて、メモリセルが所望の状態にプログラムされているかどうかを判定するための検証プロセスが続き得る。プロセッサ(複数可)692は、所望のメモリ状態に対して検証されたメモリ状態を監視し得る。2つが一致しているとき、プロセッサ(複数可)692は、ビット線ラッチ(複数可)682を設定して、上記で参照したように、ビット線(複数可)をプログラム禁止電圧レベルに引き寄せ得る。これにより、その制御ゲート上のプログラミングパルスに供されても、ビット線に結合されたセルの更なるプログラミングが禁止される。いくつかの実施形態では、プロセッサ692は、最初にビット線ラッチ682をロードし、感知回路は、検証プロセス中にビット線ラッチ682を禁止値に設定する。一実施形態では、禁止値の大きさは、選択されたワード線の位置に依存する。
【0119】
データラッチスタック694は、感知モジュール680に対応するデータラッチのスタックを含み得る。いくつかの実施形態では、感知モジュール毎に3~5(又は別の数)のデータラッチがある。いくつかの実施形態では、ラッチは各々1ビットである。データラッチはシフトレジスタとして実装され得るため、そこに記憶されたパラレルデータはデータバス620のシリアルデータに変換され、逆もまた同様である。一実施形態では、Mメモリセルの読み出し/書き込みブロックに対応する全てのデータラッチをリンクして、データのブロックがシリアル転送によって入力又は出力され得るように、ブロックシフトレジスタを形成することができる。具体的には、読み出し/書き込みモジュールのバンクは、データラッチの組の各々が、読み出し/書き込みブロック全体のシフトレジスタの一部であるかのように、データバスの中又は外のデータをシーケンス内でシフトさせるように適合される。
【0120】
図6Dは、1つ以上の実施形態によるチャージポンプ回路600Dの概略図である。回路600Dは、感知増幅器で使用され得る。特定の実施形態では、回路600Dは、図4に示され、かつ上述した感知回路670と関連して使用され得る。回路600Dは、ビット線に結合されたビット線クランプトランジスタ614を含み得る。単一のトランジスタ614が示され説明されるが、いくつかの実施形態では、図示されたトランジスタ614は直列接続されたトランジスタスタックを表し得ることを理解されたい。トランジスタ614の1つの端子は、供給電圧に接続される(本明細書では「VDD」とも称され、また、特定の構成における禁止電圧も表し得る)。VDDは、外部又は内部に供給される電圧であり得る。特定の実施形態では、トランジスタ54がビット線に電圧VDDを提供する速度は、そのゲート電圧に依存する。
【0121】
回路600Dは、1つ以上のコンデンサ615を含み得る。例えば、コンデンサ(複数可)615は、トランジスタ614のゲートに結合された1つのノードと、接地基準に結合された他のノードとを有し得る。回路600Dはまた、いくつかの実施形態において可変であり得る電流供給610を含むか、又はそれに接続され得る。電流供給部610は、ビット線クランプトランジスタ614のゲートに結合されたコンデンサ(複数可)615のノードに結合され得る。したがって、トランジスタ614のゲートに供給される電圧は、少なくとも部分的に、電流源610を使用してコンデンサ(複数可)615を充電することによって制御され得る。
【0122】
チャージポンプ回路600Dは、経路616上の関連するビット線(複数可)に提供される一定の電流値を促進又は保証するように機能し得る。例えば、ビット線を目標電圧にプリチャージするためのプリチャージ段階の制御された、又は定電流フェーズ中に、チャージポンプ回路を使用して、定電流を提供して、定電流を提供して、ビット線電圧が定電流フェーズ中に急速に上昇するときに不必要な電流スパイクを防止し得る。ビット線電圧上昇速度を制御するために、トランジスタ(複数可)614上のゲートバイアスは、電流源610によって変調され得る。電流源610からの電流が高いほど、トランジスタ614バイアスのゲートは、より速く上昇し、ビット線電圧のより速い上昇をもたらす。一方、電流源610からの電流が小さいほど、トランジスタ614バイアスのゲートは、よりゆっくりと上昇し、ビット線電圧のより遅い上昇をもたらす。いくつかの実施形態では、より遅いビット線充電速度は、電流源610からの電流を電流源の最大規模の約3/4まで低減することによって達成することができる。完全な大きさの任意の割合は、より遅い電荷速度に使用され得る。また、任意の数の異なる電荷速度が存在し得る。
【0123】
チャージポンプ回路600Dは、ビット線/制御線のための充電電流を提供するように、本明細書では特定の文脈で説明されるが、回路600D及び/又は他のチャージポンプからの電荷、又は本明細書に記載される回路から充電される電荷は、ワード線充電、又は他の制御線充電に使用され得ることを理解されたい。「チャージポンプ回路」という用語は、概して、本開示の態様による制御線チャージ/プリチャージを提供するように構成された回路及び/若しくはデバイスの任意の種類又は構成を指し得る。チャージポンプ回路600Dは、複数の制御線を目標電圧に充電するための手段、及び/又は電圧源から管理電流に充電電流を制限するための手段を提供し得る。
【0124】
ソリッドステートデータ記憶システムでは、異なるチャージポンプをワード線及びビット線充電にそれぞれ利用し得る。例えば、様々な制御線充電機能に使用される電圧源入力(例えば、電池)は、ビット線及びワード線に関して変化し得る。更に、このような回路のローディングは、ビット線及びワード線用途に関して変化し得る。例えば、特定のワード線充電用途では、チャージポンプは、ビット線チャージポンプと比較して、有利には0~10Vをサポートし得るが、比較的低い精度(例えば、0.1Vのステップサイズ精度など)を提供し得る。すなわち、ビット線チャージポンプに対して、ワード線チャージポンプは、より低い精度で比較的強いポンプを表し得る。ビット線チャージポンプに関しては、異なる充電段階に対して異なるポンプが使用され得る。例えば、プリチャージのために、関連するターゲット電圧は、例えば、約3Vであり得、一方で、読み出し/検証段階充電のために、電圧目標は、例えば、約0.5Vなど、強力なポンプを必要としない場合があるが、より高い精度(例えば、0.01Vの精度)を必要とする場合がある。
【0125】
図7Aは、図1のメモリアレイ126の例示的な3次元構成におけるブロック700のセットの斜視図である。基板上には、メモリセル(記憶素子)のブロック(block)BLK0、BLK1、BLK2、及びBLK3、並びにブロックによって使用される回路を有する周辺領域704がある。例えば、回路は、ブロックの制御ゲート層に接続することができる電圧ドライバ705を含むことができる。一手法では、ブロック内の共通の高さにおける制御ゲート層が一般的に駆動される。基板701はまた、回路の信号を搬送するために導電路内でパターン化された1つ以上の下部金属層と共に、ブロックの下に回路を搬送することができる。ブロックは、メモリデバイスの中間領域702に形成される。メモリデバイスの上部領域703において、1つ以上の上部金属層は、回路の信号を搬送するために導電路内でパターン化される。各ブロックは、メモリセルのスタック領域を含み、スタックの交互レベルはワード線を表す。1つの可能な手法では、各ブロックは、垂直接点が上方金属層まで上方に延在して導電路への接続を形成する、対向する階層側面を有する。4つのブロックが例として示されるが、x方向及び/又はy方向に延在する2つ以上のブロックを使用することができる。
【0126】
1つの可能な手法では、x方向の平面の長さは、ワード線への信号経路が1つ以上の上部金属層に延在する方向(ワード線又はSGD線方向)を表し、また、y方向の平面の幅は、ビット線への信号経路が1つ以上の上部金属層内に延在する方向(ビット線方向)を表す。Z方向は、メモリデバイスの高さを表す。
【0127】
図7Bは、図7Aのブロックのうちの1つの一部分の例示的な断面図を示す。ブロックは、交互の導電層及び誘電体層のスタック710を含む。この例では、導電層は、データワード線層(又はワード線(word line layers))WLL0~WLL10に加えて、2つのSGD層、2つのSGS層、4つのダミーワード線層DWLD0、DWLD1、DWLS0、及びDWLS1を含む。誘電体層をDL0~DL19とラベル付けする。更に、NANDストリングNS1及びNS2を含むスタックの領域が示される。各NANDストリングは、ワード線に隣接するメモリセルを形成する材料で充填されたメモリホール718又は719を包含する。スタックの領域722は、図7Dでより詳細に示される。
【0128】
スタックは、基板711、基板上の絶縁膜712、及びソース線SLの一部分を含む。NS1は、スタックの底部714にソース端713を有し、スタックの上部716にドレイン端715を有する。接触線コネクタ(金属充填スリットなどのスリット)717及び720は、ソース線をスタックの上方の特定の接触線に接続するように、スタックを通って延在する相互接続として、スタックにわたって周期的に設けられてもよい。接触線コネクタは、ワード線の形成中に使用され、続いて金属で充填されてもよい。ビット線BL0の一部分も示される。導電ビア721は、ドレイン端715をBL0に接続する。
【0129】
図7Cは、図7Bのスタックにおけるメモリホール直径のプロットを示す。垂直軸は、図7Bのスタックと整列され、メモリホール718及び719の幅(wMH)、例えば、直径を示す。図7Aのワード線層WLL0~WLL10は、一例として繰り返され、スタック内のそれぞれの高さz0~z10である。このようなメモリデバイスでは、スタックを通してエッチングされるメモリホールは、非常に高いアスペクト比を有する。例えば、約25~30の深さ対直径比が一般的である。メモリホールは、円形の断面を有し得る。エッチングプロセスにより、メモリホール幅は、ホールの長さに沿って変化し得る。典型的には、直径は、メモリホールの上部から底部まで漸進的に小さくなる。すなわち、メモリホールはテーパ状であり、スタックの底部で狭まる。場合によっては、選択ゲート付近のホールの上部でわずかな狭まりが生じ、その結果、直径は、メモリホールの上部から底部まで漸進的に小さくなる前に、わずかに幅広になる。
【0130】
メモリホールの幅の不均一性により、メモリセルのプログラム勾配及び消去速度を含むプログラミング速度は、例えば、スタックの高さに基づいて、メモリホールに沿ったそれらの位置に基づいて変化し得る。より小さい直径のメモリホールでは、トンネル酸化物全体にわたる電界は、比較的強いので、その結果、プログラミング速度及び消去速度は比較的高い。1つの手法は、例えば、定義された直径範囲内で、メモリホール直径が類似する隣接ワード線の群を定義し、グループ内の各ワード線に対して、最適化された検証スキームを適用することである。異なるグループは、異なる最適化された検証スキームを有することができる。
【0131】
図7Dは、図7Bのスタックの領域722の拡大図を示す。メモリセルは、ワード線層とメモリホールとの交点において、スタックの異なるレベルで形成される。この実施例では、SGDトランジスタ780及び781は、ダミーメモリセル782及び783、並びにデータメモリセルMCの上方に提供される。いくつかの層は、例えば、原子層堆積を使用して、メモリホール730の側壁(sidewall、SW)に沿って、及び/又は各ワード線層内に堆積させることができる。例えば、各列(例えば、メモリホール内の材料によって形成されるピラー)は、SiN又は他の窒化物などの電荷トラップ層又はフィルム763、トンネル層664、ポリシリコン本体又はチャネル765、及び誘電体コア766を含み得る。ワード線層は、ブロック酸化物/ブロック高k材料760、金属障壁761、及び制御ゲートとしてのタングステンなどの導電性金属762を含むことができる。例えば、制御ゲート790、791、792、793、及び794が提供される。この実施例では、金属を除く全ての層が、メモリホール内に提供される。他の手法では、層の一部は、制御ゲート層内にあり得る。追加のピラーは、異なるメモリホール内に同様に形成される。ピラーは、NANDストリングの柱状活性領域(active area、AA)を形成することができる。
【0132】
メモリセルがプログラムされるとき、電子は、メモリセルに関連する電荷トラップ層の一部分に蓄積される。これらの電子は、チャネルからトンネル層を通って電荷トラップ層に引き込まれる。メモリセルのVthは、蓄積電荷量に比例して増加する。消去動作中、電子はチャネルに戻る。
【0133】
メモリホールの各々は、ブロッキング酸化物層と、電荷トラップ層と、トンネル層と、チャネル層と、を含む複数の環状層で充填することができる。メモリホールの各々のコア領域は、本体材料で充填され、複数の環状層は、メモリホールの各々の内のコア領域とワード線との間にある。
【0134】
NANDストリングは、チャネルの長さが基板上に形成されないため、浮遊体チャネルを有すると考えることができる。更に、NANDストリングは、スタックで互いに上方に複数のワード線層によって設けられ、誘電体層によって互いに分離されている。
【0135】
図8Aは、図7Bのスタックの例示的なワード線層WLL0の平面図を示す。上述のように、3Dメモリデバイスは、交互の導電層及び誘電体層のスタックを含むことができる。導電層は、SGトランジスタ及びメモリセルの制御ゲートを提供する。SGトランジスタに使用される層はSG層であり、メモリセルに使用される層はワード線層である。更に、メモリホールはスタック内に形成され、電荷トラップ材料及びチャネル材料で充填される。これにより、垂直NANDストリングが形成される。ソース線は、スタックの下方のNANDストリングに接続され、ビット線は、スタックの上方のNANDストリングに接続される。
【0136】
3Dメモリデバイス内のブロックBLKはサブブロックに分割することができ、各サブブロックは、共通のSGD制御線を有するNANDストリンググループを含む。例えば、それぞれ、サブブロックSBa、SBb、SBc、及びSBdにおけるSGD線/制御ゲートSGD0、SGD1、SGD2、及びSGD3を参照されたい。更に、ブロック内のワード線層を領域に分割することができる。各領域は、それぞれのサブブロックであり、メモリデバイスの製造プロセス中にワード線層を処理するために、スタック内に周期的に形成された接触線コネクタ(例えば、スリット)間に延在することができる。この処理は、ワード線層の犠牲材料を金属で置き換えることを含み得る。一般に、接触線コネクタ間の距離は、エッチング剤が横方向に移動して犠牲材料を除去でき、金属が移動して犠牲材料の除去によって作成されるボイドを充填する距離の限界を考慮して、比較的小さくする必要がある。例えば、接触線コネクタ間の距離は、隣接する接触線コネクタ間のメモリホールのいくつかの行を可能にし得る。メモリホール及び接触線コネクタのレイアウトはまた、各ビット線が異なるメモリセルに接続されている間に、領域にわたって延在することができるビット線の数の限界を考慮しなければならない。ワード線層を処理した後、接触線コネクタは、任意選択的に金属で充填されて、スタックを介して相互接続を提供することができる。
【0137】
この例では、隣接する接触線コネクタ間には、4行のメモリホールが存在する。ここでの行は、x方向に整列されたメモリホールのグループである。更に、メモリホールの行は、メモリホールの密度を増加させるために千鳥状パターンである。ワード線層又はワード線は、各々が接触線813によって接続されたWLL0a、WLL0b、WLL0c、及びWLL0dに分割される。ブロック内のワード線層の最後の領域は、一手法では、次のブロック内のワード線層の第1の領域に接続され得る。接触線813は、次に、ワード線層のための電圧ドライバに接続される。領域WLL0aは、接触線812に沿った例示的なメモリホール810及び811を有する。領域WLL0bは、例示的なメモリホール814及び815を有する。領域WLL0cは、例示的なメモリホール816及び817を有する。領域WLL0dは、例示的なメモリホール818及び819を有する。メモリホールはまた、図8Bに示される。各メモリホールは、それぞれのNANDストリングの一部とすることができる。例えば、メモリホール810、814、816、及び818は、それぞれ、NANDストリングNS0_SBa、NS1_SBb、NS2_SBc、NS3_SBd、及びNS4_SBeの一部とすることができる。
【0138】
各円は、ワード線層又はSG層におけるメモリホールの断面を表す。点線で示される例示的な円は、メモリホール内の材料によって、及び隣接するワード線層によって提供されるメモリセルを表す。例えば、メモリセル820及び821はWLL0a内にあり、メモリセル824及び825はWLL0bにあり、メモリセル826及び827はWLL0cであり、メモリセル828及び829はWLL0dにある。これらのメモリセルは、スタック内で共通の高さである。
【0139】
接触線コネクタ(例えば、金属充填スリットなどのスリット)801、802、803及び804は、領域WLL0a~WLL0dの縁部の間に、かつそれらに隣接して配置され得る。接触線コネクタは、スタックの底部からスタックの上部まで導電路を提供する。例えば、スタックの底部のソース線は、スタックの上方の導電線に接続されてもよく、導電線は、メモリデバイスの周辺領域内の電圧ドライバに接続される。図8AのサブブロックSBa~SBdの更なる詳細については、図9Aも参照されたい。
【0140】
図8Bは、図7Bのスタックの例示的な上部誘電体層DL19の上面図を示す。誘電体層は、領域DL19a、DL19b、DL19c、及びDL19dに分割される。各領域は、それぞれの電圧ドライバに接続することができる。これにより、ワード線層の1つの領域内の1組のメモリセルが同時にプログラムされることを可能にし、各メモリセルは、対応するビット線に接続されるそれぞれのNANDストリング内にある。各ビット線に電圧を設定して、各プログラム電圧の間のプログラミングを許可又は禁止することができる。
【0141】
領域DL19aは、ビット線BL0と一致する接触線812aに沿った例示的なメモリホール810及び811を有する。「X」記号で示されるように、多数のビット線がメモリホールの上方に延在し、メモリホールに接続される。BL0は、メモリホール811、815、817及び819を含む1組のメモリホールに接続される。別の例示的なビット線BL1は、メモリホール810、814、816及び818を含む1組のメモリホールに接続される。図8Aから、接触線コネクタ(金属充填スリットなどのスリット)801、802、803及び804もまた、スタックを通って垂直に延在するように描かれる。ビット線は、x方向にDL19層にわたってシーケンスBL0~BL23で番号付けされ得る。
【0142】
異なる行のメモリセルには、異なるビット線のサブセットが接続される。例えば、BL0、BL4、BL8、BL12、BL16、及びBL20は、各領域の右縁部のセルの第1の行内のメモリセルに接続される。BL2、BL6、BL10、BL14、BL18、及びBL22は、右縁部の第1の行に隣接して、隣接するセルの行内のメモリセルに接続される。BL3、BL7、BL11、BL15、BL19、及びBL23は、各領域の左縁部のセルの第1の行内のメモリセルに接続される。BL1、BL5、BL9、BL13、BL17、及びBL21は、左縁部の第1の行に隣接して、隣接するメモリセルの行内のメモリセルに接続される。
【0143】
図9Aは、図8AのサブブロックSBa~SBeにおける例示的なNANDストリングを示す。サブブロックは、図7Bの構造と一致する。スタック内の導電層は、左手側で参照するために示される。各サブブロックは、複数のNANDストリングを含み、1つの例示的なNANDストリングが示される。例えば、SBaは、例示的なNANDストリングNS0を含み、SBbは、例示的なNANDストリングNS1を含み、SBcは、例示的なNANDストリングNS2を含み、SBdは、例示的なNANDストリングNS3を含み、SBeは、例示的なNANDストリングNS4を含む。
【0144】
加えて、NS0_SBaとしては、SGSトランジスタ900及び901、ダミーメモリセル902及び903、データメモリセル904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、及び914、ダミーメモリセル915及び916、並びにSGDトランジスタ917及び918を含む。
【0145】
NS1_SBbは、SGSトランジスタ920及び921、ダミーメモリセル922及び923、データメモリセル924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、及び934、ダミーメモリセル935及び936、並びにSGDトランジスタ937及び938を含む。
【0146】
NS2_SBcは、SGSトランジスタ940及び941、ダミーメモリセル942及び843、データメモリセル944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、及び954、ダミーメモリセル955及び956、並びにSGDトランジスタ957及び958を含む。
【0147】
NS3_SBdとしては、SGSトランジスタ960及び961、ダミーメモリセル962及び963、データメモリセル964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、及び974、ダミーメモリセル975及び976、並びにSGDトランジスタ977及び978を含む。
【0148】
NS4_SBeは、SGSトランジスタ980及び981、ダミーメモリセル982及び983、データメモリセル984、985、986、987、988、989、980、981、982、983、及び984、ダミーメモリセル985及び986、並びにSGDトランジスタ987及び988を含む。
【0149】
ブロック内の所与の高さでは、各サブブロック内のメモリセルは、共通の高さにある。例えば、1組のメモリセル(メモリセル904を含む)は、交互の導電層及び誘電体層のスタック内のテーパ状メモリホールに沿って形成された複数のメモリセルの中にある。1組のメモリセルは、スタック内の特定の高さz0にある。1つのワード線(WLL0)に接続された別の組のメモリセル(メモリセル924を含む)もまた、特定の高さにある。別の手法では、別のワード線(例えば、WLL8)に接続された別の組のメモリセル(例えば、メモリセル912を含む)は、スタック内の別の高さ(z8)にある。
【0150】
図9Bは、サブブロック内のNANDストリングの別の例示的な図を示す。NANDストリングは、48のワード線(例えば、WL0~WL47)を有するNS0_SBa、NS1_SBb、NS2_SBc、NS3_SBd、及びNS4_SBeを含む。各サブブロックは、x方向に延在し、かつ共通のSGD線、例えば、SGD0、SGD1、SGD2、SGD3、又はSGD4を有するNANDストリング群を含む。この簡略化された実施例では、各NANDストリング内に1つのSGDトランジスタ及び1つのSGSトランジスタのみが存在する。NANDストリングNS0_SBa、NS1_SBb、NS2_SBc、NS3_SBd、及びNS4_SBeは、それぞれ、サブブロックSBa、SBb、SBc、SBd、SBeにある。更に、例として、ワード線G0、G1、及びG2の群が示される。
【0151】
図10は、例示的なプログラミング動作の波形を示す。水平軸はプログラムループ番号を示し、垂直軸はプログラム電圧値及びプログラム検証値を示す。プログラム電圧(program voltage、Vpgm)は、ワード線電圧(word line voltage、WLVpgm)及び/又はビット線電圧(bit line voltage、BLVpgm)を含み得る。一般に、プログラミング動作は、選択されたワード線にパルス列を適用することを伴い得、パルス列は複数のプログラム検証(program-verify、PV)反復を含む。PV反復のプログラム部分はプログラム電圧を含み、PV反復の検証部分は1つ以上の検証電圧を含む。
【0152】
各プログラム電圧に関しては、単純化のために方形波形が示されるが、多レベル形状又は傾斜形状などの他の形状が可能である。更に、プログラム電圧が各連続するプログラムループ内で上昇する、本実施例では、増分ステップパルスプログラミング(Incremental Step Pulse Programming、ISPP)が使用される。この実施例は、プログラミングが完了する単一のプログラミングステップにおいてISPPを使用する。ISPPはまた、多段階動作の各プログラミングステップにおいて使用することができる。一般的に、ISPPを使用してフラッシュメモリセルをプログラムするための背景手法は、Suhらの「A 3.3V 32 Mb NAND Flash Memory with Incremental Step Pulse Programming Scheme」 IEEE International Solid State Circuits Conference,1995,page 128-130に記載されており、その全開示は、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。ISPPを利用する本開示の実施は、本明細書に更に記載されるように、Suhらの背景手法を凌ぐいくつかの重要な革新的改善を追加する。
【0153】
パルス列は、典型的には、電圧バイアス(dVpgm)を使用して、各プログラム検証反復において段階的に増加するプログラム電圧を含む。電圧バイアスは、例えば、ワード線電圧バイアスであり得る。新しいパルス列は、初期プログラム電圧(例えば、初期Vpgm)で開始し、閾値電圧Vth(例えば、最大許容値)を超えない最終プログラム電圧(例えば、最終Vpgm)で終了する、多ステッププログラム検証動作の各プログラミングステップにおいて適用され得る。初期プログラム電圧は、異なるプログラミングステップにおいて同じであっても異なってもよい。最終プログラム電圧はまた、異なるプログラミングステップにおいて同じであっても異なってもよい。電圧バイアスは、異なるプログラミングステップにおいて同じであっても異なってもよい。場合によっては、より小さい電圧バイアスを最終プログラミングステップで使用して、Vth分布幅を低減する。
【0154】
パルス列1000は、プログラミング用に選択されたワード線に印加される一連のプログラム電圧1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、及び1015、並びに関連する組の不揮発性メモリセルを含む。示される実施例では、例えば、検証されている目標データ状態の数に基づいて、各プログラム電圧の後に、1つ、2つ、又は3つの検証電圧が提供される。検証されている目標データ状態の数は、例えば、ワード線に関連付けられた多数のメモリセルに対応し得る。プログラム電圧及び対応する検証電圧は、プログラム電圧と検証電圧との間に、選択されたワード線に0Vを印加することによって分離され得る。
【0155】
図示の例では、VvAのA状態検証電圧(例えば、波形又はプログラミング信号1016)は、それぞれ、第1、第2、及び第3のプログラム電圧1001、1002、及び1003の各々の後に印加され得る。A状態及びB状態は、VvA及びVvBの電圧(例えば、プログラミング信号1017)は、それぞれ、第4、第5、及び第6のプログラム電圧1004、1005及び1006の各々の後に印加され得る。VvA、VvB、及びVvCのA状態、B状態、及びC状態検証電圧(例えば、プログラミング信号1018)は、それぞれ、第7及び第8のプログラム電圧1007及び1008の各々の後に印加され得る。VvB及びVvCのB状態及びC状態検証電圧(例えば、プログラミング信号1019)は、それぞれ、第9、第10、及び第11のプログラム電圧1009、1010、及び1011の各々の後に印加され得る。最後に、VvCのるC状態検証電圧(例えば、プログラミング信号1020)は、それぞれ、第12、第13、第14、及び第15のプログラム電圧1012、1013、1014、及び1015の各々の後に印加され得る。
【0156】
いくつかの実施形態では、メモリデバイス100(例えば、制御回路110のステートマシン112、コントローラ122、及び/又は制御回路150を使用して)は、制御された上昇/下降又はクランプ電圧と共に、異なるプログラム電圧及び/又は異なるプログラム電圧バイアスを使用して、検証動作を実行し得る。いくつかの実施形態では、プログラミング動作を実行するために使用されるプログラム電圧及びプログラム電圧バイアスは、それぞれ、ワード線電圧及びワード線電圧バイアスを含み得る。加えて、又は代替的に、プログラミング動作を実行するために使用されるプログラム電圧及びプログラム電圧バイアスは、それぞれ、ビット線電圧及びビット線電圧バイアスを含み得る。
【0157】
図11Aは、ソリッドステートメモリプログラミング動作のための複数のプログラミングループにわたる例示的な電流プロファイルを示すグラフである。図は、一般に図10で考察された、複数のプログラミングループ/サイクル(本明細書で使用するとき、「プログラミングループ」及び「プログラミングサイクル」は、互換性があると見なされる)の測定されたピークICC電流を示す。複数のプログラミングサイクルを介してメモリデバイスの選択されたセルを完全にプログラムするために、下軸は合計時間を反映する(このプログラミング動作の時間は、「tprog」と称されることがある)。上述のように、特定のソリッドステートプログラミングスキームによれば、メモリセルは、消去状態から最終的な所望の状態(例えば、状態A、B、Cなど)に漸進的にプログラミングされる。漸進的にプログラムされているメモリセルの充電状態は、最終的な所望の充電状態に達するまで、複数のプログラミングループ/サイクルにわたって漸進的に増加され得る(一般的に、「tprog」時に)。一旦メモリセルの最終プログラミング充電状態に達すると、その特定のメモリセルに関連付けられたビット線は、そこに禁止電圧/バイアスレベルを印加することによってロックアウトされ得る。以下でより詳細に説明されるように、最も顕著なICC電流ピークは、プログラミングのフェーズ中に発生し、ここで、禁止電圧/バイアス下に置かれるビット線は、所望の禁止レベル(命名法に応じて、VINHIBIT又はVDDSA)に充電されている。「禁止電圧レベル」は、それぞれの制御線(例えば、ワード線)に関連付けられた記憶素子に印加されるプログラミング電圧パルスの影響を相殺するのに十分に高い電圧レベルに対応し得る。
【0158】
図11Aに示すように、ピークICC電流レベル(例えば、参照番号1100によって識別されたもの)は、プログラミング期間tprogを介して複数のプログラミングループからピーク電流エンベロープ1105エンベロープレベルを形成し、tprogの中間セクションの間に最も高い状態に達する。複数のプログラミングループにわたるピーク電流ICCレベルのこの変化は、プログラム又は禁止モードに配置されているビット線上の変動する静電容量に関連する。一般に、これらのICCピークは、ピークがより高いが、通常は所定の閾値(図示した水平線1111)を超えない開始セクション1107、ICCピークが所定の閾値1111を超える可能性がある中間セクション1108、又はICCピークが下降し、一般に所定の閾値1111未満のままであり得る終了セクション1109にグループ化することができる。
【0159】
ピークエンベロープ1105の形状の原因は、禁止状態に充電しているビット線の静電容量を含むいくつかの要因に関連する。図11Bを参照すると、シミュレートされたビット線負荷容量がプログラムループによってプロットされる場合、ピークICC曲線1105について見られる特性形状と同様の形状もまた、プロファイル1105B内のプログラミングにわたって示される様々なビット線容量において見られ得る。前述したように、大きなピークICC値は、記憶デバイスの誤動作、特に、図11Aの1107に示されるものなどの所定のレベルを超えるものを引き起こし得、本開示の態様は、ピークICC、特に、中間高ICCセクション1108におけるピークICCを低減することを求める。ビット線/制御線に影響を及ぼす静電容量は、特に図14B図14Dに関連して以下でより詳細に考察される。
【0160】
図11C及び図11Dは、ピークICCの発生と共に示される個々のプログラミングループ内の個々のプログラミングループ及び段階を有する、メモリデバイスのための電流ピークとプログラミング段階との間の関係を示す。図11Cは、1つ以上の実施形態によるソリッドステートメモリプログラミング動作のための複数のプログラミングループにわたる例示的な電流プロファイルを示す、図11Dと同様のグラフを提供する。例えば、図11Cに示されるプロファイルは、例えば、最大96層以上を含み、マルチレベルセル(MLC)、トリプルレベルセル(TLC)、及び/又はクアッドレベルセル(QLC)プログラミングアーキテクチャを実装するように構成された3DNANDメモリチップにおけるプログラミング動作に対応し得る。
【0161】
図11Dは、図11Dのセグメントが、関連するプログラミング動作のプログラミングループのサブセットを含む、図11Cのグラフのセグメントを示す。図11C及び図11Dのグラフは、個々のプログラミングループ内の3つの別個の段階又は期間を示し、これらのプログラミングループは、図11Dの2つのループ「ループN」及び「ループN+1」として例示的な方式で示され、それぞれが図11Dで識別される、プリチャージ段階、ログラミングパルス段階、及び検証段階を含む。各段階は、以下に記載されるように、より粒状の段階に更に分割され得る。いくつかの実施態様では、プログラミングパルス段階中に、メモリセルをプログラムするために、比較的高い電圧(例えば、20V)が印加され得る。プリチャージ段階の第1及び第2のフェーズ中、及び検証段階中に、図示されるように、特定の電流ピークが発生し得る。一般に、メモリアレイ及び/又はデバイスに関するピーク電流消費に対する最大の影響を有するピークは、プリチャージ段階の間に生じ得る一方で、検証段階中により少ないピークが発生し得る。プリチャージ及び/又は検証段階における電流ピークを低減又は制御することにより、データ記憶デバイスのピーク電流消費は管理又は抑制され得る。以下でより詳細に説明されるように、本開示の実施形態は、プリチャージ段階における電流ピークを低減するための手法を提供し、プログラム回復段階又は読み出し/検証段階などの後の段階のために、電流ピーク低減に対する代替的な手法が提供される。
【0162】
所与のプログラミング動作については、図11Cのグラフに示されるプログラミング動作について示されるように、プログラミング動作の第1のプログラミングループのプリチャージ段階は、ループ内のプログラミング段階の最大ピーク電流を表すピーク電流1101Cに関連付けられ得る。上記で詳細に説明したように、プログラミングループのプリチャージ段階は、タイミングクロックに関連付けられ第1のフェーズ(図12A及び図12Bにも見られる「フェーズ1」)を含み、タイミングクロックの間に、制御線(例えば、ビット線)を目標電圧レベルにチャージアップするために定電流が使用され、これは、禁止電圧レベルの割合又は一部分(例えば、VHSATGTなどのループ依存性プログラミング調節パラメータを判定することによって設定される場合の禁止電圧レベルの70~90%)であり得る。
【0163】
図12A及び図12Bは、プログラミングループの選択された部分内で動作するメモリ回路信号の電圧レベル遷移の詳細を提供する。図12Aは、プログラムされるセルの特定の収集のためのプログラミングループ1200の一部分、例えば、記憶デバイスのメモリアレイの記憶デバイスセクション内のセルのページを示す。ビット線/制御線の電圧状態は、禁止電圧状態(VINHIBIT/VDDSA)に充電されるビット線のために1220Bに示され、プログラム状態(VSEL/VSS)に構成されるビット線のために1220Aに示される。プログラム段階1233と、プリチャージ段階1230と、プリチャージ段階1230の第1プリチャージ段階1231と、プリチャージ段階1230の第2プリチャージ段階1232と、プログラム回復ステージ1235と、読み出し/検証段階1240と、を含む、図示されたプログラムlopセクション1200のいくつかの段階が示される。更なる明確さのために、図12Bは、禁止状態に充電されるビット線1220Bのプリチャージ段階1230のフェーズ1及びフェーズ2(それぞれ1231、1232)、並びにプログラム状態に充電されるビット線1220Aを示す代替図を提供する。
【0164】
図11Aに示されるICC電流「スパイク」の各々(1100で示されるものなど)は、VDDSA開始までの禁止ビット線電圧の変曲点/高速上昇の付近で発生する(ビット線充電点で約1225であり、ピークで約7であるか、プリチャージ段階1230の第1のフェーズ1231の終了時である)。より具体的には、図11C図11D及び図12A図12Bを見ると、プリチャージ段階1230の第1のフェーズ1231は、関連する制御線に供給される電流(すなわち、禁止状態に置かれるビット線)が、第1のフェーズの少なくとも一部分にわたって一定の値を維持し得、この一定値が、VHSASLOWPなどのパラメータによって調節され得る点において、「一点電流フェーズ」と考えられ得る。例えば、約20~30mAの範囲のVHSASLOWPは、プログラム/ソフトプログラムモードでビット線プリチャージ電流制御を提供する(すなわち、ピーク電流制御を提供する)。更に、プリチャージ状態の第1のフェーズは、VHSATGT設定によって判定された閾値点までの所望の充電レベルを達成するために、特定の制御回路によって電流が管理又は調節され得るという意味で、「管理電流フェーズ」又は「制御電流フェーズ」と称され得る。「管理電流」、「管理充電電流」、「制御電流」、及び「調節された充電電流」は、本明細書では、広義及び通常の意味に従ってそれぞれ使用され、概して、何らかの方式で管理又は調節される電流フローを指す。一般に、プリチャージ段階の第1段階の間に電流が管理されるとき、ICCスパイクは、プログラムループのこのフェーズ中に懸念されない。
【0165】
一旦ビット線1231が、ビット線/制御線チャージアップ中に所定の閾値に達すると(そのような線の閾値電圧がVHSATGTによって表される所定の閾値に達するとき1225など)、プリチャージ段階1230の第2のフェーズ1232が入力される。プリチャージプロセスの第2の段階1232の間、非制限電流は、所望の制御線(複数可)(例えば、ビット線(複数可))を比較的急速に充電することを可能にされ得る。このようなフェーズは、本明細書では、「調節されていない」又は「管理されていない」電流フェーズと称され得る。「制御されていない充電電流」、「制御されていない電流」、「管理されていない充電電流」、及び「管理されていない電流」という用語は、広義かつ通常の意味に従って本明細書で使用され、概して、実質的に管理又は調節されていない制御線/ビット線を充電するためなどの充電電流を指す。制御線/ビット線の残りの充電が制御されていない方式で生じることを可能にすることが、VDDSA(又は代替的にVINHIBIT)などの所定のレベルに到達するのに必要な時間量を最小化する一方で、その後に続くペナルティは、急速充電から生じる高いICC電流スパイクである。論理的に、この電流を制御するための1つの手法は、閾値電流(例えば、VHSATGT又はVTGT)を変化(又は増加)することであり得る。制御システムは、調節された電流から調節されていない電流への制御線/ビット線の充電を修正するために閾値電流を利用し、したがって、プログラムループのプリチャージ段階の第2のフェーズで生じる、調節されていない/高速充電の量を低減する。しかしながら、VHSATGT/VTGT閾値を上昇させることは、プログラムループがプリチャージフェーズを完了する必要がある時間量を増加させ、したがって、メモリデバイスの全体的な動作速度に悪影響を及ぼす。
【0166】
図12A及び図12Bは、1つ以上の実施形態による、ビット線などの制御線に印加されるプリチャージ電圧を示すことが分かり得る。用語「制御線プリチャージ」、「制御線プリチャージ段階」、及び「プリチャージ」は、それらの広義かつ通常の意味に従って本明細書で使用され、特定の文脈において、制御線(例えば、ビット線)の電圧/電荷レベルを目標電圧レベル(例えば、電圧レベル、所望のプログラミングバイアス、又は他の電圧)に駆動するためのプロセスを指し得る。制御線プリチャージは、アプリケーションに応じて、関連する記憶素子(複数可)のプログラミングを禁止する、又はより速い読み出し/書き込み動作を促進するように機能し得る。図12Bのグラフは、2つの種類の制御線((1)このビット線上のプログラミング又はメモリセルのために選択されるビット線を一般に指し得る、「選択された」制御線1220B、及び(2)メモリセルが現在プログラムされていない、又は現在、又は禁止電圧若しくは他の目標電圧レベルに予め充電されることを意図するビット線を一般に指し得る、「非選択」又は「禁止された」制御線(例えば、ビット線)1220A))の電圧レベルを示す。図示のような制御線1220Aは、プリチャージ段階期間1230にわたって接地基準電圧レベルVSEL又はVSSにおいて維持され得、一方、非選択制御線1220Bは、接地基準電圧VSEL又はVSSで開始し、VDDSAとも称される禁止電圧VINHIBITなどのプリチャージ期間中により高い電圧レベルまで上昇し得る。「禁止電圧レベル」は、それぞれの制御線(例えば、ワード線)に関連付けられた記憶素子に印加されるプログラミング電圧パルスの影響を相殺するのに十分に高い電圧レベルに対応し得る。
【0167】
図12A図12Bに示されるように、ビット線などの制御線に対するプリチャージプロセスは、複数のフェーズを伴い得る。例えば、第1のフェーズ(「フェーズ1」)1231は、定電流制御線充電と関連付けられ得る。電流制御線充電限界は、予充電中に線を通る電流引き込みを制限するか、又は制御する。プリチャージ中に最初に制御線を通る電流引き込みを制限又は制御することによって、プリチャージの初期段階中に発生する電流スパイクを低減することができる。しかしながら、電流引き込みが制限されるため、制御線が所望のバイアスレベルまで充電されるのに必要な時間量は、充電が制限されないか又は制御されていない場合よりも大きくなり得る。第1のフェーズ中、調節された又は制御された電流が使用されて、制御線1220Bを充電し得る。フェーズ1の間、定電流充電を管理することによって、高電流消費が緩和される。
【0168】
第1のフェーズ中、制御線1220Bは、目標電圧レベルVTGT/VHSATGTに充電され得る。制御線1220Bの目標電圧レベルVTGT/VHSATGTへの充電は、期間フェーズ1にわたる期間にわたって行われ得る。「期間」という用語は、その広義の通常の意味に従って本明細書で使用され、プリチャージプロセスの1つ以上のフェーズに関連する任意の時間的持続時間又は期間を指し得る。図12A及び図12Bのグラフに関連付けられたチャージポンプ回路は、第1のフェーズが定電流プリチャージフェーズと見なされ得るように、第1のフェーズ中の充電電流を制限し、かつ/又は充電電流を一定にするように構成され得る。第1のフェーズでは、例えば、制御線1220B上の電流は、約40mAに制限され得、これは、プリチャージの第1の段階中に比較的高い電流のスパイクを制御又は防止するのを補助し得る。第1のフェーズ中の制御線1220Bの上昇速度を制御することによって、ピーク電流消費は、電圧目標レベルVTGT/VHSATGTに達するための追加時間を必要とすることを犠牲にして低減又は制御され得る。
【0169】
一旦制御線が目標閾値電圧レベルVTGT/VHSATGTに到達すると、図12Bに示すプリチャージプロセスの第2のフェーズ(「フェーズ2」)は、制御線に提供される電流を制御又は調節することなく制御線1220Bを充電することを伴い得る。すなわち、第1のフェーズでは、制御された又は調節された電流レベルが確保され得るが、第2のフェーズでは、制御線への電圧源(例えば、禁止)からの電流にかかるそのような調節又は制御が実装されなくてもよい。
【0170】
第2のフェーズ中、点1225の後、制御線1220Bに提供される電流は、電流が制限されない、又は任意の方式で調節又は制御されないという点で、自由電流と見なされ得る。したがって、制御線1220B上の電流は、電圧源と制御線との間の電圧差と、充電経路に関連するインピーダンスとに基づいて、可能な限り高くなり得る。第2のフェーズ中、制御線対制御線(例えば、ビット線対ビット線)容量性結合に少なくとも部分的に起因して、比較的高いピーク電流消費が経験され、例えば、図11Aの1100に示されるように、大きなピークICCをもたらす。
【0171】
本開示のいくつかの実装は、プリチャージプロセスの第1のフェーズ及び/又は第2のフェーズ中のピーク電流消費の低減を提供する。ピーク電流消費が低減又は制御される程度は、フェーズ1の開始とフェーズ2の開始との間の遅延を制御することによって判定及び/又は管理され得る。追加的に又は代替的に、ピーク電流が低減される程度は、少なくとも一部は電圧目標レベルVTGT/VHSATGTを操作することによって、例えば、電圧目標レベルVTGT/VHSATGTを増加し、それによって、フェーズ1に関連付けられた時間を延ばすことによって制御され得る。
【0172】
INHIBIT/VDDSAという用語は、図12B及び関連する説明で使用されるが、プリチャージ中に制御線が充電される電圧レベルは、読み出し電圧レベルなどの任意のバイアスレベルであり得ることを理解されたい。制御線1220Bがワード線であり、ワード線のプリチャージが電圧読み出し動作に関連して実装される実施形態では、第1のフェーズは、ワード線電圧を、非選択ワード線に関連する読み出し電圧に約0Vから傾斜させることを含み得る。例えば、読み出し電圧は、電流を消費し得る約6~8Vであり得る。したがって、フェーズ1は、ピーク電流を制限するために電流制御を提供するように機能し得る。
【0173】
ピークICCを制御する先行技術は、プログラムループ当たりの閾値点1225の修正に対処されていない。図11A図11Bに関連して上で考察されたように、ピーク電流は、制御線/ビット線上の静電容量としてプログラミングループによって変化する。プリチャージフェーズ(1230)のフェーズ2(1232)におけるピークICCの大きさ(又は図12AにP7付近に示される)は、プログラミングパルスが印加される複数のメモリセル内のモードを禁止するために充電されたビット線の数によって変動するビット線容量負荷により、強くループ依存する。したがって、単一の調節された充電電流遷移点(1225)を、制御されていない電流(したがって、単一のVHSATGTレベル)に設定して、tprogプログラミングサイクル中に全てのループにおいてピークICC及びtprogの両方を最適化することが困難である。
【0174】
プログラムループのプリチャージ段階1230の第2フェーズ1232のピークICCは、制御された充電電流が制御されていない充電電流に切り替えられるビット線1220Bの閾値電圧の適切な選択によって部分的に制御することができ、本開示の様々な実施形態では、この電圧閾値の修正は、ループ依存性、より具体的には、ビット線容量依存性の方式で、選択された閾値電圧検出パラメータVHSATGTを組み込む方法によって達成され得る。この検出レベルがより高い範囲に設定されると、ピークICCが低減されるが、tprogは増加することになる。一方、この検出レベルパラメータがより低い値に設定される場合、以下の図が示すように、ピークICCは高くなるが、tprogは低減されることになる。
【0175】
図13Aは、プログラミングループの一部、具体的には、tprogサイクルのプログラミングプロセスの初期のループの一部分(例えば、開始セクション(図11A、1107)の間など)、又はプログラミングサイクル内(例えば、終了セクション図A、1109の間など)の後期の、近接したICC電流プロファイル図1300を示す。ICC出力電流(1310、1320)の2つのバージョンは、重畳されて、出力を示す。ここで、第1の電流プロファイル1310に対応する第1の場合に、より低い閾値検出レベルVTGT/VHSATGTは、例えば、VDDSAの70.6%で利用され、微量の電流スパイク1310Aが電流プロファイル1310に対して発生した一方で、電流は依然として良好に制御されることが分かる。閾値検出レベルVTGT/VHSATGTをより高い量、例えばVDDSAの88.2%に上昇させることにより、フェーズ1期間においてより低いICC出力レートを有した電流プロファイル1320が得られたが、遅延1330は、制御された充電電流から制御されていない(速い)充電電流へと変化する禁止されたビットに対するより遅い遷移時間に対するより長い時間に起因した。電流プロファイル(pr0fle)1310をもたらすより低い閾値検出電圧シナリオに対応する後期ピーク1310を考慮すると、より低い閾値検出レベルVTGT/VHSATGTからの低減されたプログラミング時間は、電流プロファイル1320をもたらすより高い閾値検出レベル閾値検出レベルVTGT/VHSATGTにわたって保証される。他の箇所で言及したように、閾値検出レベルがより低い値に設定される場合、ICCにおける比較的緩やかな上昇は、ビット線容量が中間セクションよりも低い場合(図11B、1108B)の、開始又は終了セクション((それぞれ図11B、1107B、1109B))内のループ動作から生じる。
【0176】
図13Bは、プログラミングループの一部分、具体的には、tprogサイクル(例えば、図11A、1108)のプログラミングプロセスの中間セクションにおけるループの一部分の、近接したICC電流プロファイル図1300Bを示す。図13Bに示される例と同様に、ICC出力電流(1340、1350)の2つのバージョンは、重畳されて、出力を示す。ここで、第1の電流プロファイル1340に対応する第1の場合に、より低い閾値検出レベルVTGT/VHSATGTは、例えば、VDDSAの70.6%で利用され、有意な電流スパイク1340Aが電流プロファイル1340に対して発生したことが分かる。閾値検出レベルVTGT/VHSATGTをより高い量、例えばVDDSAの88.2%に上昇させることにより、フェーズ1期間において著しく低いICC出力レートを有した電流プロファイル1350が得られ、図示した図のピークでは約12mA低いが、ビット線チャージアップまでの時間の増加(現在のプロファイル1340については8μs対6μs)、及びビット線チャージアップは、経時的に著しく遅く発生した。より低い閾値検出電圧シナリオに対応するピーク1340Aが、電流プロファイル1350に対して最大ICCを超えて12mAを超えていたことを考慮すると、特に過剰なピークICCが回路の誤動作を引き起こし得る場合には、より低い閾値検出レベルVTGT/VHSATGTからのプログラミング時間の低減は、中間セクションのより高いビット線容量の場合に対して正当化されない場合がある。
【0177】
図13A及び図13Bに関連して上述したように、ピークICCを制御するための1つの方法は、ビット線が、多くの場合、より高い静電容量を経験するデバイスループプログラミングの中間セクションの間に最も高いICCピークが見られるため、禁止電圧レベルにされるビット線のチャージアップを制御することである。図13A図13Cは、メモリアレイと電気通信するビット線の禁止/プログラム状態に応じて生じる、例示的なメモリアレイ及び対応する寄生容量を示す。
【0178】
図14Aに関して、メモリセルアレイ1406は、ワード線及びビット線を介して接続された1組のメモリセルMC0~MC4を含み得る。制御回路1404は、メモリセルアレイ1406内のメモリセルと通信可能なステートマシンを含み得る。選択されたワード線(WLとして示される)のメモリセルは、メモリセル(MC)0、MC1、MC2、及びMC3を含み得る。選択されたワード線は、ビット線(BL)0、BL1、BL2、及びBL3を含む1組のビット線に接続され得る。制御回路1404は、本明細書で更に説明するように、検証動作の異なる反復のための異なる検証技術を使用してメモリセルを検証し得る。
【0179】
図14Aに参照番号1408によって示されるように、制御回路1404は、選択されたワード線の1組のメモリセルに関する1組のデータ状態を識別し得る。いくつかの実施形態では、制御回路1404は、(例えば、不揮発性メモリデバイスに関連付けられたコントローラから)プログラムコマンドデータを受信し得、プログラムコマンドデータは、各それぞれのメモリセルがプログラミングされるべきメモリセル及び/又はデータ状態を特定し得る。加えて、又は代替的に、制御回路は、1つ以上の読み出し動作(感知動作と称されることもある)を実行することによって、データ状態を識別し得る。例えば、制御回路は、メモリセルのデータラッチに信号を提供することを含む読み出し動作を実行し得る。信号は、データラッチに、データ状態を識別することができる戻り信号を制御回路に提供させ得る。制御回路は、選択されたワード線に接続されたそれぞれのメモリセル毎に読み出し動作を実行し得る。参照番号1410によって示され、かつ上記のように、制御回路1404は、選択されたワード線のメモリセルをプログラミングすることを開始するプログラミング動作を実行し得る。
【0180】
図14Bは、ビット線容量の文脈における図14Aのメモリセルアレイ1406の一部分を示す。上述したように、寄生容量結合は、隣接するビット線(図示した寄生等価コンデンサ1450、1451によって表される)間に生じ得る。「非選択」又は「禁止」ビット線がVDDSAなどのレベルに充電されるが、その隣接部は接地され(その線のプログラミング状態を示す)、ビット線間の結合又はローディングは比較的高い場合がある。したがって、非選択/禁止されたビット線を充電するために、比較的大量の電荷(又は電流)が必要とされ得る。選択されたビット線によって、非選択ビット線が片側又は両側に隣接しているかどうかは、非選択ビット線を充電するのに必要な電荷(又は電流)の量に影響を与えることができる。例えば、選択されたビット線によって片側に非選択ビット線が隣接しているとき、2つのビット線間の結合容量が、ビット線容量の大きさをもたらすことになる。更に、非選択/禁止ビット線が、選択されたビットによって両側に隣接しているとき次に、次に、図14Bに示すように、2つの結合容量が充電されることになる(ビット線BL1は選択され(「0」)、ビット線BL2は、非選択/禁止状態(「1」)に充電され、ビット線3は選択された(「0」)ものとして示される。この場合、BL2の両側の静電容量が印加され、各値Cbl/2及びCbl/2は共に加算されて、Cblの寄生容量値を形成する。Cbl/2の実際の値は、回路トポロジ、半導体プロセス、及び製造に使用される材料、VDDSAの大きさなどによって変動するが、特定の実施例では、およそpF以下であり得る。一方、選択していないビット線が2つの他の非選択ビット線の間に位置づけられる場合、これは、ビット線間の結合容量を充電する必要がないと見なされ得、したがって寄生寄与が発生しない。
【0181】
図14Cは、5ビット線状況について寄生容量が考慮される場合を示す。より具体的には、最も遠いビット線BL0とBL4と、中央ビット線BL2との間にある。この場合、BL0...BL4のビット線構成は0 1 1 1 0であり、3つの中央ビット線が非選択/禁止状態にあり、遠位ビット線がプログラム状態にあることを意味する。上述したように、BL1、BL2、及びBL3などのビット線が同じ電位にある場合(この場合、「1」又はVDDSAでは、BL1とBL2との間又はBL3とBL2との間に生じる測定可能な寄生容量がほとんどなく、したがって、これらはゼロとして処理され得る。しかしながら、ビット線BL0...BL4のこのデータパターン構成では、寄生容量1460、1461は、それぞれ、BL2とBL0とBL2とBL4との間に生じる。上記の回路形状、プロセス、電圧などに応じて、これらの静電容量C2bl/2(2ビット線寄生容量等価物について)は、pFの分画の順であり得るが、依然として無視できるものではない。2つのビット線を越えた静電容量はモデル化され得るが、メモリアレイ1406の選択されたサイズの平均の場合のビット線構成について、近似的な距離の静電容量(例えば、「C」を割り当てることができる。ビット線構成上の静電容量ベースの計算のための表が図14Dに示され、一旦プロセッサ依存静電容量についての特定の値がテーブル内の変数に差し込まれると、各データパターンについて特定の静電容量を計算することができる。一例として、異なる状態から全てのセルをカウントする場合のTLC型メモリアレイに関して、各パルスについて、禁止「1」及びプログラム「0」セルの全確率を計算することができ、各BLパターンの確率を計算することができる。したがって、各パルスに対する総容量負荷は
【数1】
式中、C_bl(i)が、パターンiに対する容量を表し、P_bl(i、n)が、パルス#nに対するパターンiの確率を表し、N_blが、総BL数を表す。したがって、本開示の態様は、プログラミングサイクルを形成するループにわたって特定のビット線パターンの分布確率をモデリングすることによって、プログラミングサイクル中に(例えば、tprogにわたって)発生するプログラミングループにわたるビット線容量分布を判定する。
【0182】
したがって、本開示の一態様では、上記クロスビット線寄生容量から、及び統計的方法を介して生じる個々のビット線容量は、特定のメモリセル種類及び構成の平均ループ容量を判定するために、プログラミングループに印加される。要約すると、メモリセルアレイが消去状態で開始するとき、tprogプログラミングサイクルの初期で(例えば、図11Aのセクション1107の間)、メモリセルのほとんどがプログラミングされる必要があり、したがって、多くはゼロ/低電圧値を想定し、低い又は無視できるクロス線容量が存在することになるので、ビット線のほとんどは禁止/非選択モードにはないことになる。このセクションの間、より低い静電容量は、図13Aに従って示され、説明されるように、禁止電圧充電閾値VHSATGTを低下させることを意味し、関連するテキストは、有意な電流スパイクを発生させることなく、関連するビット線のVDDSAへのより速い充電をもたらし得、したがって、電圧検出パラメータVHSATGTを調整することによって調節された~調節されていない電荷遷移を低下させることが、このセクションの間に性能の観点から有利であり得る。更に、プログラミングループの中間セクションの間(例えば、図11Aのセクション1108の間)、いくつかのメモリセルが完全にプログラミングされ、したがって、それらの対応するビット線は、高又は禁止/非選択状態に置かれることになり、図14Dのテーブルの上部に向かって示されるものなどのビット線構成が発生する可能性が高くなり、したがって、ビット線は、それらに関連付けられた著しい寄生容量を有する可能性がより高くなる。したがって、図13Bに示される現在のプロファイルは、プログラムループのこのセクションに適用される。この状態における著しい静電容量に関連するスパイクは、電圧検出パラメータVHSATGTを上方に調整することによって、調節されていない電荷遷移点への調節された電荷遷移点への増加を保証し、これは、たとえ遅延が(ピークICCにおける有意な節約を犠牲にして)誘発されても、このセクションの間に有利であり得る。最後に、プログラミングループの終了セクションの間(例えば、図11Aのセクション1109の間)、ますます多くのセルがプログラミングされるようになり、したがって、ビット線の大部分は、より少ない「0」又は選択モードが分散された禁止/非選択モードを想定し始め、プログラミングループにわたる特定のビット線構成に関連する寄生容量を再び低下させ、このセクションの間の遷移電圧検出パラメータVHSATGTを下方調整することは、望ましくないピークICCスパイクを生じさせない一方で、充電禁止ビット線における遅延を減少させ得る。
【0183】
本開示の実施形態は、初期セクション(例えば、図11A、1107)と、中間/プリチャージセクション(例えば、図11A、1108)と、終了セクション(図11A、1109)との間の位置する遷移点を判定し得る。例えば、図11A及び図11Bが示すように、は、1つの例示的な構成では、プログラミングループにわたって変動するビット線充電状態の静電容量は、プログラミングサイクルを完了するためにプログラミングループの総数に基づいておよそ等しい間隔を3つもたらすことを示す。したがって、一旦最大ループカウントが設定されると(以下でより詳細に説明されるように)、プログラミングループの数の3分割の1つ目は、より低いVHSATGT値を有し得、3分割の中間は、より高いVHSATGT値を有し、3分割の最後は、より低いVHSATGT値を有する。例えば、特定のメモリデバイス構成では、最大ループカウントが21に設定された場合、プログラミングループ1~7は、例えば、65%~75%の範囲で、より低いVHSATGT設定を使用し、ループ8~13は、例えば、85%~95%の範囲で、VHSATGT設定を使用し、ループ1~7は、例えば、65%~75%の範囲で、より低いVHSATGT設定を使用するであろう。
【0184】
更に別の実施形態では、メモリ記憶デバイスのコントローラは、各サイクル内の各プログラミングループに対するピークICC値の追跡及び格納中に、プログラミングサイクルの間、又は所定の数のプログラミングサイクル、例えば、10サイクルの間、VHSATGTを一定レベルに維持し得る。一旦ピークICC値が追跡され、ログを取られると、プログラミングループ番号は、ICC内のピークと相関し、VHSATGTは、1ループ当たりの将来のプログラミングサイクルにおいて調整され得る(例えば、最大所望ICCレベルを一貫して超えることが知られているループのVHSATGTを上昇させて、ピークICCが所定の最大ICCレベルを超えることを防止する、例示的な所定の最大ICCは、50mA(又は任意の他の所望の最大閾値)に設定され得る。このようにして、記憶デバイスによる現在の使用は、プログラミング遅延への影響を最小限に抑えながら、不要なICCピークを回避するように調節される。
【0185】
一実施形態はまた、プログラミング時間tprogへの影響を最小限に抑えるために、プログラムサイクルにわたるVHSATGTの増分変化を提供する。いくつかの実施形態では、VHSATGTは、上で考察されたプログラミングサイクルの初期、中間、及び終了セクションを介して、低から高へ、次いで高から低へ、段階的な方式で遷移する。しかしながら、様々な実施形態では、プログラミングのプリチャージ(又は中間)セクションが入力されるにつれて、小さい変化がVHSATGTに導入され、プログラミングループがプリチャージ/中間セクションの開始と完了との間の中間点に近づくにつれて、VHSATGTを増分的に上昇させる。VHSATGT上昇セクションの増分中、VHSATGTは、(VHSATGTMax-VHSATGTMin)/(プリチャージ/中間セクションの半分のループ数)などの増分量だけ各連続するプログラムループ内で増加させることができ、VHSATGTMaxは、VHSATGTが、例えば、88%まで上昇し得る所定の最大値であり、VHSATGTMinは、VHSATGTが、例えば、70%まで下降し得る最小値であり、プリチャージ/中間セクションの半分のループの数は、プリチャージプログラミングセクション、例えば、図11Aに示すセクション1108で経過するプログラミングループの数の半分を表す。このようにして、プログラミングループがプリチャージ/中間セクション1108に入って、プリチャージ/中間セクション1108の中点の周りでほぼ最大値まで上昇するにつれて、VHSATGTは最小値から最大値まで漸進的に増加されることになる。同様に、プリチャージ/中間セクション1108の中点から、終了セクション1109に近づくプリチャージ/中間セクション1108の出口点までの残りのプログラミングループにおいて、VHSATGTは、(VHSATGTMax-VHSATGTMin)/(プリチャージ/中間セクションの半分のループ数)などの量によって、各プログラミングループにおいて増分的に減分され得、その結果、プログラミングループがプリチャージ/中間セクション1108において完了し、終了セクション1109が入力されると、VHSATGTは、VHSATGTMinに近似することになり、動作は,現在のプログラミングサイクルの終了まで各ループについて継続する。このようにして、VHSATGTをより滑らかに増加かつ減少させ、VHSATGTの増加から生じるプログラミング時間tprogへの影響を低減する。線形増分が記載されるが、VHSATGTにおける変化を円滑に変更するために、任意の増分/減分手法が使用され得る。
【0186】
更に別の実施形態では、本開示のコントローラは、プログラミングループを基準とするビット線データパターン構成を利用して、予め記憶されたデータパターンからVHSATGTテーブルへのテーブルルックアップを実行し、ここで、このテーブル内のVHSATGTは、ビット線等価容量に直接相関する(例えば、テーブル14Dに見られるが、VHSATGTは図示されたカラムに示されないが、「BL Equiv Cap」のエントリーと相関し、その結果、より多量のBL Equiv Capは、より高いVHSATGTに所定の範囲内で等しくなり、より低いBL Equiv Cap値は、所定の範囲内のより低いVHSATGTに等しくなる。このようにして、ピークICCに特定の容量性衝撃を提示することが知られている特定のビット線に対して、任意の事前構成されたVVHSATGTパターンを記憶することができ、VHSATGTは、各ビット線構成に対するテーブルルックアップ値に対応する基準で変更され得る。関連する実施形態では、各ビット線構成についてテーブルに記憶されたVHSATGT値は、例えば、処理ループが特定の閾値を上回るピークICC値を経験している場合(テーブル内のこのようなビット線構成に対してVHSATGTの格納値を増加させることができる)でも、本開示のプロセッサによって更新され得る。同様に、VHSATGTの記憶された値は、ピークICCが特定のビット線データ構成のための最大所望ICCレベルをはるかに下回っていると判定される場合、VHSATGTの記憶された値を減少させ得る。
【0187】
図15は、本開示のプロセスフロー1500を示す。メモリデバイスのメモリセルアレイのプログラミングプロセスは、1501で開始し、プログラムされるメモリセルアレイ内のセルに関するデータをロードし(1505)、プログラミングループカウンタがリセットされる。プログラミング中、メモリセルは、消去状態から最終的な所望の状態(例えば、状態A、B、Cなど)まで漸進的にプログラムされる。プログラムされているメモリセルの充電状態は、最終的な所望の充電状態に達するまで、複数のプログラミングループにわたって漸進的に増加され得る。一旦メモリセルの最終プログラミング充電状態に達すると、メモリセルに関連付けられたビット線は、そこに禁止電圧/バイアスレベルを印加することによってロックアウトされ得る。一般に、プログラミング動作に関連してプログラムされたそれぞれのメモリセルに関連付けられた複数の並列ビット線に関して、プログラミング動作のプログラミングループの過程にわたるビット線の漸進的なロックアウト/禁止は、プログラミングデータがスクランブルされたときに予測可能であると考えられ得る(ランダム化とも称される)。したがって、テーブル又は他のデータ構造は、プログラミングループ又はループ番号をビット線バイアスレベル分散値又は期待ビット線容量にマッピングするように事前定義され得る。プログラミング動作が複数のプログラミングループを介して繰り返されるとき、VHSATGTなどのパラメータは、ループカウント、完全プログラミングシーケンス内の電流ループ位置、又は予測されるループ依存性個別ビット線容量に応じて動的に調整され得、任意の所望の動作パラメータは、プログラミング動作における電流ループを反映するように動的に調整され得る。
【0188】
プロセス1500は、ループカウントが「事前設定された範囲」内にあるかどうかを判定することを続ける(1510)。「事前設定された範囲」は、任意の適切な方法によって判定され得、一実施形態では、ループ数が図11Aのセクション1108などのプログラムループの中間セクション内にあるとき、又は図11Bのセクション1108Bなどなどのビット線容量が高いと予想されるプログラミングループのセクション内にあるとき、又はプログラミングサイクルを完了するために使用されるプログラミングループのおよその中央の1第3の範囲内にあるとき、ループカウントは予め設定された範囲内にある。ループカウントが予め設定された範囲内にある場合、パラメータは、上記で詳述したようにVHSATGTを増加させて、禁止されたビット線の制御されていない電流チャージアップを低減するように、ICCピークの大きさを低減するために設定される(1525)。ループカウントが予め設定された範囲内にない場合、VHSATGTなどのパラメータは、合計プログラミング時間を最小化しながら、禁止されたビット線のチャージアップ時間を低減するように設定される。一旦パラメータが設定されると、選択されたメモリセルのプログラミングは、上記のプロセスに従って続いて起こり(1530)、選択されたセルは、プログラミングステップ中に増加した浮遊ゲート閾値を有する。一旦プログラミング1530が完了すると、メモリアレイのセルが読み出され、検証されて、メモリセル内で十分な閾値電圧が達成されたかどうかを判定する(したがって、プログラミングサイクル内の将来のビット線が禁止又は非選択であることを必要とする)か、又はステップ1505で判定されたように、セル閾値電圧を所定のレベルまで増加させるのに追加のプログラミングが必要かどうかを判定する。ループカウントも増分される。全ての関係するメモリセルについて検証が合格した場合(1540)、プログラムは終了し(1550)、さもなければ、最大ループカウントが達成されなかった場合(1545)、プロセスはステップ1510を続行して、ループカウントが予め設定された範囲内にあるかどうかを判定する。そうでなければ、最大ループカウントに到達している場合、プロセスは1550で終了する。
【0189】
最大ループカウントは、任意の適切な方式で判定され得る。一般に、記憶デバイスは、それらの半導体プロセス技術、設計規則、メモリセル構成などに基づいて事前に特徴付けられ得、最大ループカウントが判定され、事前設定され得る。例えば、例示的なメモリセルは、約20のループ内に完全にプログラムすることができることになる。この例示的な構成では、許容される最大ループカウントは、わずかに多くの数、例えば24に設定され得る。このようにして、完全なプログラムにわずかに20を超えるループを必要とする製造された記憶デバイスの小型集団は、動作仕様内にあることが見出され得る。ループカウントが24に達した後に特定のメモリセルをプログラミングすることをまだ終了することができない異常記憶デバイスに関しては、プログラミングサイクルが終了され、プログラム故障が報告され得、その結果、記憶デバイスのコントローラは、プログラム不可能なメモリセルでブロックを引っ込めることになる。この手法は、本開示の記憶デバイスが、デッドループ内に閉じ込められ、望ましくない電圧応力を経験することを防止する。また、本開示の特徴を組み込む特定の製品の場合、プログラミングを終了するために必要とされるループカウントは予め評価され得、概して、固定数に非常に近いものであり、典型的には5%未満の寿命変動を有する。代替実施形態では、本開示のコントローラは、別個のプログラミングサイクルにわたってメモリセルを完全にプログラムするために必要とされるプログラミングループの数の実行中の合計を維持するカウンタを維持し、実行中の合計に基づいて、最大ループカウントは、メモリデバイスの実際の性能に基づいて判定され得る(例えば、最大ループカウントの平均が計算され、最大ループカウントとして使用され得るか、又は実行中の合計の最大値は、将来のプログラミングのための最大ループカウント値として利用され得る。
【0190】
図16は、本開示のプロセスフロー1600を示し、本開示の態様は、ビット線充電のためのスイッチ点を区別するためにメモリセル状態を使用することができる。メモリデバイスのメモリセルアレイのプログラミングプロセスは、1601で開始し、プログラムされるメモリセルアレイ内のセルに関するデータをロードし(1605)、プログラミングループカウンタがリセットされる。プログラミング中、メモリセルは、消去状態から最終的な所望の状態(例えば、状態A、B、Cなど)まで漸進的にプログラムされる。プロセス1600は、現在のプログラムパルスに続いて、特定のプログラミング状態のVが検証動作においてチェックされるかどうかを判定すること(1610)を続ける。その結果が肯定である場合、パラメータVHSATGTは、上述のようにピークICCを低減するために、より高いレベル1620に設定される。そうでなければ、第1のより低いレベルが使用される(1625)。例えば、3ビット/セルNANDデバイスにおいて、プログラムされることを必要とする7つの状態(S1、S2、S3、S4、S5、S6、及びS7)が存在する。特定の状態(すなわち、S3又はS4)Vが、現在のプログラムパルスに続いて、検証動作においてチェックされる場合、PR_CLKビット線等化時間は、より長く設定される。
【0191】
上述の説明に関する一実施形態では、特定の状態が検証され始めたときに、最初により高いVHSATGTをプログラムループで適用し、特定の状態がプログラミングを完了し、もはや検証されていないとき、最初のより低いVHSATGTがプログラムループで再び適用される。一般に、より高いVHSATGTのための開始ループは、特定の状態がプログラミングを完了したときに判定され得、より高いVHSATGTのための終了ループは、特定の状態が検証され始めるときに判定され得る。
【0192】
一旦パラメータが設定されると、選択されたメモリセルのプログラミングは、上記のプロセスに従って続いて起こり(1630)、選択されたセルは、プログラミングステップ中に増加した浮遊ゲート閾値を有する。一旦プログラミング1630が完了すると、メモリアレイのセルが読み出され、検証されて、メモリセル内で十分な閾値電圧が達成されたかどうかを判定する(したがって、プログラミングサイクル内の将来のビット線が禁止又は非選択であることを必要とする)か、又はステップ1605で判定されたように、セル閾値電圧を所定のレベルまで増加させるのに追加のプログラミングが必要かどうかを判定する。ループカウントも増分される。全ての関係するメモリセルについて検証が合格した場合(1640)、プログラムは終了し(1650)、さもなければ、最大ループカウントが達成されなかった場合(1645)、プロセスはステップ1610を続行して、ループカウントが予め設定された範囲内にあるかどうかを判定する。そうでなければ、最大ループカウントに到達している場合、プロセスは1650で終了する。
【0193】
図17は、本開示のプロセスフロー1700を示し、本開示の態様は、メモリセル状態を使用して、プログラムリセットタイミング(PR_CLKタイミング)を調整することができる。例えば、例えば、特定の状態がプログラム検証の対象である場合、ビット線がVCELSRCに等しくなる(図12Aの間隔1235に示されるように、禁止ビット線が放電し、プログラムビット線が充電する)ことを可能にするように、PR_CLKビット線等化時間がより長く設定される。このタイミングはまた、ビット線容量に関連し、様々なレベルの寄生ビット線容量を生成する異なるデータパターンによるパルス依存性シグネチャを有する。結果として、PR_CLKタイミングパラメータは、高ビット線容量負荷を有する特定のパルスに対してより長く設定することができ、その一方で、より短いPR_CLKタイミングは、比較的小さいビット線容量負荷を有する他のパルスに対して設定され得る。
【0194】
メモリデバイスのメモリセルアレイのプログラミングプロセスは、1701で開始し、プログラムされるメモリセルアレイ内のセルに関するデータをロードし(1705)、プログラミングループカウンタがリセットされる。プログラミング中、メモリセルは、消去状態から最終的な所望の状態(例えば、状態A、B、Cなど)まで漸進的にプログラムされる。プロセス1700は、特定のプログラミング状態が、ビット線が禁止又は充電される(状態C又は状態Dがプログラム検証の対象である状況など)ことを示すかどうかを判定すること(1710)を続ける。その結果が肯定である場合、パラメータPR_CLKは、より高い静電容量の影響を受けるビット線がVCELSRCに整定するのに十分な時間を可能にするために、より長い値に設定され(1720)、そうでなければ、可能な限りプログラミング時間を短縮するために、第1のより低いタイミングが使用される(1725)。
【0195】
一旦パラメータが設定されると、選択されたメモリセルのプログラミングは、上記のプロセスに従って続いて起こり(1730)、選択されたセルは、プログラミングステップ中に増加した浮遊ゲート閾値を有する。一旦プログラミング1730が完了すると、メモリアレイのセルが読み出され、検証されて、メモリセル内で十分な閾値電圧が達成されたかどうかを判定する(したがって、プログラミングサイクル内の将来のビット線が禁止又は非選択であることを必要とする)か、又はステップ1705で判定されたように、セル閾値電圧を所定のレベルまで増加させるのに追加のプログラミングが必要かどうかを判定する。ループカウントも増分される。全ての関係するメモリセルについて検証が合格した場合(1740)、プログラムは終了し(1750)、さもなければ、最大ループカウントが達成されなかった場合(1745)、プロセスはステップ1710を続行して、ループカウントが予め設定された範囲内にあるかどうかを判定する。そうでなければ、最大ループカウントに到達している場合、プロセスは1750で終了する。
【0196】
図18は、本開示のプロセスフロー1800を示し、本開示の態様は、メモリセル状態を使用して、プログラムリセットタイミング(PR_CLKタイミング)を調整することができる。例えば、例えば、電流ループカウントが上述のような予め設定された範囲内にある場合、ビット線がVCELSRCに等しくなることを可能にする(図12Aの間隔1235に示されるように、禁止ビット線放電及びプログラムビット線充電)ために、PR_CLKビット線等化時間がより長く設定される。このタイミングはまた、ビット線容量に関連し、様々なレベルの寄生ビット線容量を生成する異なるデータパターンによるパルス依存性シグネチャを有する。結果として、PR_CLKタイミングパラメータは、高ビット線容量負荷を有する特定のパルスに対してより長く設定することができ、その一方で、より短いPR_CLKタイミングは、比較的小さいビット線容量負荷を有する他のパルスに対して設定され得る。
【0197】
メモリデバイスのメモリセルアレイのプログラミングプロセスは、1801で開始し、プログラムされるメモリセルアレイ内のセルに関するデータをロードし(1805)、プログラミングループカウンタがリセットされる。プログラミング中、メモリセルは、消去状態から最終的な所望の状態(例えば、状態A、B、Cなど)まで漸進的にプログラムされる。プロセス1800は、ループカウントが「事前設定された範囲」内にあるかどうかを判定する(1810)。「事前設定された範囲」は、任意の適切な方法によって判定され得、一実施形態では、ループ数が図11Aのセクション1108などのプログラムループの中間セクション内にあるとき、又は図11Bのセクション1108Bなどなどのビット線容量が高いと予想されるプログラミングループのセクション内にあるとき、ループカウントは予め設定された範囲内にある。その結果が肯定である場合、パラメータPR_CLKは、より高い静電容量の影響を受けるビット線がVCELSRCに整定するのに十分な時間を可能にするために、より長い値に設定され(1820)、そうでなければ、可能な限りプログラミング時間を短縮するために、第1のより低いタイミングが使用される(1825)。
【0198】
一旦パラメータが設定されると、選択されたメモリセルのプログラミングは、上記のプロセスに従って続いて起こり(1830)、選択されたセルは、プログラミングステップ中に増加した浮遊ゲート閾値を有する。一旦プログラミング1830が完了すると、メモリアレイのセルが読み出され、検証されて、メモリセル内で十分な閾値電圧が達成されたかどうかを判定する(したがって、プログラミングサイクル内の将来のビット線が禁止又は非選択であることを必要とする)か、又はステップ1805で判定されたように、セル閾値電圧を所定のレベルまで増加させるのに追加のプログラミングが必要かどうかを判定する。ループカウントも増分される。全ての関係するメモリセルについて検証が合格した場合(1840)、プログラムは終了し(1850)、さもなければ、最大ループカウントが達成されなかった場合(1845)、プロセスはステップ1810を続行して、ループカウントが予め設定された範囲内にあるかどうかを判定する。そうでなければ、最大ループカウントに到達している場合、プロセスは1850で終了する。
【0199】
図19図20に関しては、本開示の追加の実施形態が開示され、R_CLK検証タイミングパラメータは、プログラミングループによって修正され得る(ビット線がVBLタイミングに設定される)。読み出し/検証段階の前にビット線が適切に放電されない場合、ビット線が感知のためにVBLレベルに設定されるようるに取るタイミングに影響を与えるであろう(図12Aの領域1240に視覚的描写が見られ得る)。(例えば、2~3つの総プログラムループを有するSLCの場合、ビット線セットアップ時間が十分に長くない場合には、プログラム上の問題が生じ得ることが観察されている。TLCについては、ビット線セットアップタイミングが十分な持続時間ではない場合、オーバープログラミングが発生し得る場合、特定の状態もまたこの状態について観察されている。このタイミングはまた、ビット線容量に関連し、様々なレベルの寄生ビット線容量を生成する異なるデータパターンによるパルス依存性シグネチャを有する。結果として、R_CLKタイミングパラメータは、高ビット線容量負荷を有する特定のパルスに対してより長く設定することができ、その一方で、より短いR_CLKタイミングは、比較的小さいビット線容量負荷を有する他のパルスに対して設定され得る。
【0200】
図19に関して、メモリデバイスのメモリセルアレイのプログラミングプロセスは、1901で開始し、プログラムされるメモリセルアレイ内のセルに関するデータをロードし(1905)、プログラミングループカウンタがリセットされる。プログラミング中、メモリセルは、消去状態から最終的な所望の状態(例えば、状態A、B、Cなど)まで漸進的にプログラムされる。プロセス1900は、特定のプログラミング状態が、ビット線が禁止又は充電される(状態C又は状態Dがプログラム検証対象である状況など)ことを示すかどうかを判定する(1910)。その結果が肯定である場合、パラメータR_CLKは、より高い静電容量の影響を受けるビット線がVBLに整定するのに十分な時間を可能にするために、より長い値に設定され(1920)、そうでなければ、可能な限りプログラミング時間を短縮するために、第1のより低いタイミングが使用される(1925)。
【0201】
一旦パラメータが設定されると、選択されたメモリセルのプログラミングは、上記のプロセスに従って続いて起こり(1930)、選択されたセルは、プログラミングステップ中に増加した浮遊ゲート閾値を有する。一旦プログラミング1930が完了すると、メモリアレイのセルが読み出され、検証されて、メモリセル内で十分な閾値電圧が達成されたかどうかを判定する(したがって、プログラミングサイクル内の将来のビット線が禁止又は非選択であることを必要とする)か、又はステップ1905で判定されたように、セル閾値電圧を所定のレベルまで増加させるのに追加のプログラミングが必要かどうかを判定する。ループカウントも増分される。全ての関係するメモリセルについて検証が合格した場合(1940)、プログラムは終了し(1750)、さもなければ、最大ループカウントが達成されなかった場合(1945)、プロセスはステップ1910を続行して、ループカウントが予め設定された範囲内にあるかどうかを判定する。そうでなければ、最大ループカウントに到達している場合、プロセスは1950で終了する。
【0202】
図20は、本開示のプロセスフロー2000を示し、本開示の態様は、メモリセル状態を使用して、プログラム読み出し/検証タイミング(R_CLKタイミング)を調整することができる。例えば、例えば、電流ループカウントが上述のような予め設定された範囲内にある場合、ビット線がVBLに等しくなることを可能にするために、PR_CLKビット線等化時間がより長く設定される(図12A領域1240)。このタイミングはまた、ビット線容量に関連し、様々なレベルの寄生ビット線容量を生成する異なるデータパターンによるパルス依存性シグネチャを有する。結果として、R_CLKタイミングパラメータは、高ビット線容量負荷を有する特定のパルスに対してより長く設定することができ、その一方で、より短いR_CLKタイミングは、比較的小さいビット線容量負荷を有する他のパルスに対して設定され得る。
【0203】
メモリデバイスのメモリセルアレイのプログラミングプロセスは、2001で開始し、プログラムされるメモリセルアレイ内のセルに関するデータをロードし(2005)、プログラミングループカウンタがリセットされる。プログラミング中、メモリセルは、消去状態から最終的な所望の状態(例えば、状態A、B、Cなど)まで漸進的にプログラムされる。プロセス2000は、ループカウントが「事前設定された範囲」内にあるかどうかを判定する(2000)。「事前設定された範囲」は、任意の適切な方法によって判定され得、一実施形態では、ループ数が図11Aのセクション1108などのプログラムループの中間セクション内にあるとき、又は図11Bのセクション1108Bなどなどのビット線容量が高いと予想されるプログラミングループのセクション内にあるとき、ループカウントは予め設定された範囲内にある。その結果が肯定である場合、パラメータR_CLKは、より高い静電容量の影響を受けるビット線がVBLに整定するのに十分な時間を可能にするために、より長い値に設定され(2020)、そうでなければ、可能な限りプログラミング時間を短縮するために、第1のより低いタイミングが使用される(2025)。
【0204】
一旦パラメータが設定されると、選択されたメモリセルのプログラミングは、上記のプロセスに従って続いて起こり(2030)、選択されたセルは、プログラミングステップ中に増加した浮遊ゲート閾値を有する。一旦プログラミング2030が完了すると、メモリアレイのセルが読み出され、検証されて、メモリセル内で十分な閾値電圧が達成されたかどうかを判定する(したがって、プログラミングサイクル内の将来のビット線が禁止又は非選択であることを必要とする)か、又はステップ2005で判定されたように、セル閾値電圧を所定のレベルまで増加させるのに追加のプログラミングが必要かどうかを判定する。ループカウントも増分される。全ての関係するメモリセルについて検証が合格した場合(2040)、プログラムは終了し(2050)、さもなければ、最大ループカウントが達成されなかった場合(2045)、プロセスはステップ2010を続行して、ループカウントが予め設定された範囲内にあるかどうかを判定する。そうでなければ、最大ループカウントに到達している場合、プロセスは2050で終了する。
【0205】
本明細書で使用するとき、検証動作は、プログラム検証動作の検証部分であり得る。
【0206】
本開示の前述の詳細な説明は、例示及び説明の目的のために提示したものである。前述の詳細な説明は、網羅的であること、又は開示した正確な形態に本開示を限定することを意図したものではない。上記の教示に鑑みて多くの修正及び変形が可能である。説明された実施形態は、本開示の原理及びその実際の用途を最良に説明するために選択されたものであり、それによって、当業者が様々な実施形態で、企図される特定の使用法に適するように様々な修正を伴って、本開示を最良に利用することを可能にする。本開示の範囲は、本明細書に添付の請求項によって定義されることが意図される。
【0207】
関連する回路は、典型的には、メモリ素子の動作及びメモリ素子との通信のために必要とされる。非限定的な例として、メモリデバイスは、プログラミング、読み出し等の機能を達成するためにメモリ素子を制御及び駆動するために使用される回路を有し得る。これに関連する回路は、メモリ素子と同じ基板上及び/又は別個の基板上にあってもよい。例えば、メモリ読み出し書き込み動作のためのコントローラは、別個のコントローラチップ上及び/又はメモリ素子と同じ基板上に位置し得る。
【0208】
当業者であれば、この技術は説明された2次元及び3次元の例示的な構造に限定されず、本明細書で説明され、当業者によって理解されるように、その技術の趣旨及び範囲内で、多くの関連するメモリ構造をカバーすると理解するであろう。
【0209】
本開示の前述の詳細な説明は、例示及び説明の目的のために提示されたものである。前述の詳細な説明は、網羅的であること、又は開示された正確な形態に本開示を限定することを意図するものではない。上記の教示に鑑みて多くの修正及び変形が可能である。説明された実施形態は、本開示の原理及びその実際の用途を最良に説明するために選択されたものであり、それによって、当業者が様々な実施形態で、企図される特定の使用法に適するように様々な修正を伴って、本開示を最良に利用することを可能にする。本開示の範囲は、本明細書に添付の特許請求の範囲によって定義されることが意図される。
【0210】
特定のシステム構成要素を指すために、様々な用語が使用される。異なる会社は、異なる名前によって構成要素を指す場合があり、本明細書は、名前が異なるが機能では異ならない構成要素間を区別することを意図しない。以下の考察及び特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「備える(comprising)」という用語は、オープンエンド形式で使用され、したがって、「~を含むが、これらに限定されない」ことを意味すると解釈すべきである。また、「結合する(couple)」又は「結合する(couples)」という用語は、間接的又は直接接続のいずれかを意味することを意図する。したがって、第1のデバイスが第2のデバイスに結合する場合、その接続は、直接接続を通して、又は他のデバイス及び接続を介した間接的接続を通し得る。
【0211】
加えて、層又は素が別の層又は基板の「上」にあると称される場合、中で、基板の他の層上に直接存在してもよく、又は介在層も存在し得る。更に、層が別の層の「下」にあると称される場合、それは真下にあり得、1つ以上の介在層も存在し得ることが理解され得る。更に、層が2層「間」と称される場合、2つの層の間の唯一の層であり得るか、又は1つ以上の介在層も存在し得る。
【0212】
本明細書に記載されるように、コントローラは、個々の回路構成要素、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、制御ソフトウェアを有するマイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、制御ソフトウェアを有するプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、又はこれらの組み合わせを含む。
【要約】      (修正有)
【課題】ピーク電流を最適化し、電圧ランプ目標のループ依存制御中のプログラミング時間の影響を最小化するための不揮発性メモリデバイス及び方法を提供する。
【解決手段】メモリデバイス100は、メモリセルのアレイなどのメモリセルのメモリ構造126と、メモリ構造126に結合された複数の制御線と、複数の制御線と通信する制御回路110と、を含む。制御回路は、制御線プリチャージ段階の第1のフェーズ中に、制御線のプログラミング状態に関連する予測された寄生容量に少なくとも部分的に基づいて、一定期間にわたって、調節された充電電流を使用して、複数の制御線のうちの1つ以上の非選択制御線を充電し、かつ、制御線プリチャージ段階の第2のフェーズ中に、調節されていない充電電流を使用して、1つ以上の非選択ビット線を禁止電圧レベルに充電する。
【選択図】図1A
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図14D
図15
図16
図17
図18
図19
図20