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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】水素含有水の製造装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/461 20060101AFI20220621BHJP
   B01D 69/12 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
C02F1/461 A
B01D69/12
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021500772
(86)(22)【出願日】2019-03-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-15
(86)【国際出願番号】 KR2019003338
(87)【国際公開番号】W WO2019182391
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2020-09-23
(31)【優先権主張番号】10-2018-0033851
(32)【優先日】2018-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520367223
【氏名又は名称】リム グァン ドゥク
(73)【特許権者】
【識別番号】520367234
【氏名又は名称】キム イェ ダム
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】リム グァン ドゥク
(72)【発明者】
【氏名】キム イェ ダム
【審査官】富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1748791(KR,B1)
【文献】特開2016-190232(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0117990(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1579044(KR,B1)
【文献】登録実用新案第3228324(JP,U)
【文献】特開2018-065083(JP,A)
【文献】登録実用新案第3198341(JP,U)
【文献】特開2018-053318(JP,A)
【文献】中国実用新案第207512266(CN,U)
【文献】国際公開第2019/107898(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/46-1/48
B01D 69/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に第1収容空間を形成するハウジング;
前記ハウジングの上端に脱着可能に結合され、前記ハウジングの上面に接する第2収容空間を形成するシリンダー;
前記ハウジングの上壁を上下方向に貫通して前記第1収容空間と前記第2収容空間を連結する連結通路;
前記連結通路を閉鎖するイオン交換膜;
前記第1収容空間に配置される陽極と前記第2収容空間に配置される陰極を含む電気分解部;
前記ハウジングの下壁を上下方向に貫通して前記第1収容空間と外部空間を連結する排気管;
前記ハウジングの上壁を上下方向に貫通して前記第1収容空間と前記第2収容空間を連結する水注入管;及び
前記水注入管の上端開口部に脱着可能に結合される第2蓋を含み、
前記水注入管の上端は、前記イオン交換膜より高く配置され、前記水注入管の上部には前記第1収容空間で発生したガスが捕集されるガス捕集空間が形成され
前記排気管は、前記ガス捕集空間まで延長される、水素含有水の製造装置。
【請求項2】
前記シリンダーを貫通して前記第2収容空間と外部空間を連結する排気口;及び
前記排気口を閉鎖し、水の排出は抑制するが、ガスの排出は許容する第2防水膜をさらに含む、請求項1に記載の水素含有水の製造装置。
【請求項3】
前記排気管を閉鎖し、水の排出は抑制するが、ガスの排出は許容する第1防水膜をさらに含む、請求項1に記載の水素含有水の製造装置。
【請求項4】
前記排気管の上端は、前記イオン交換膜より高く、前記第2蓋の下面より低く配置される、請求項に記載の水素含有水の製造装置。
【請求項5】
前記排気管に結合され、前記第1防水膜を通して排出されるガスの中でオゾンをろ過するフィルターをさらに含む、請求項3に記載の水素含有水の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素含有水(hydrogen containing water)の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人の体の調子は人の飲む水と密接な連関性があると知られている。
【0003】
まず、人の体は金属イオンのバランスを通じて細胞内浸透圧作用を調節するが、このため、人の体に必要な各種ミネラル成分、例えばカルシウム、カリウム、マグネシウムなどは人が飲む水を通じて相当量供給されることができる。
【0004】
次に、人の体はほとんど酸性で成り立っているから、これを中和するため弱アルカリ性水を飲むのが望ましい。弱アルカリ性水は中和効果以外にも癌を抑制し、抗酸化物質と体内酵素の活動に助けて食べ物分解と消化吸収能力を向上させ、免疫力強化にも役立つことが知られている。
【0005】
水素含有水は、上述した効果などを表すことだけではなく、2011年に日本の福島原発の事故当時に放射能流出による放射能の体内汚染問題が国際的でも深刻な社会問題になった時には、水素含有水が放射能解毒効果も持っていることが明らかになったことで水素含有水に対する国際社会の需要増加が急激に加速化されている。
【0006】
水素含有水は、体内活性酸素を水に変換して体内に吸収させたり、体外で排出させたりすることができる。具体的に、水素は細胞膜を通過することができるので、細胞の中にある有害な活性酸素と結合することができ、水素と結合された活性酸素は水に変換されることができる。よって、水素含有水は過剰な体内の活性酸素を原因とする癌、糖尿病、脳梗塞などの様々な病気にも優れた効果をもたらすものと明らかになって、さらに脚光を浴びているのが現実である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】日本公開特許公報 特開2010-269246号(2010.12.02、飲料用水素含有水を製造する方法)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施例は、水素含有水の製造空間を最大限に確保することができる水素含有水の製造装置を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面によると、内部に第1収容空間を形成するハウジング;前記ハウジングに結合され、第2収容空間を形成するシリンダー;前記ハウジングを貫通して前記第1収容空間と前記第2収容空間を連結する連結通路;前記連結通路を閉鎖するイオン交換膜;前記第1収容空間に配置される陽極と前記第2収容空間に配置される陰極を含む電気分解部;前記ハウジングを貫通して前記第1収容空間と外部空間を連結する排気管;及び前記排気管を閉鎖し、水の排出は抑制するが、ガスの排出は許容する第1防水膜を含む水素含有水の製造装置が提供されることができる。
【0010】
前記シリンダーを貫通して前記第2収容空間と外部空間を連結する排気口;及び前記排気口を閉鎖し、水の排出は抑制するが、ガスの排出は許容する第2防水膜をさらに含むことができる。
【0011】
本発明の他の側面によると、内部に第1収容空間を形成するハウジング;前記ハウジングに結合され、第2収容空間を形成するシリンダー;前記ハウジングを貫通して前記第1収容空間と前記第2収容空間を連結する連結通路;前記連結通路を閉鎖するイオン交換膜;前記第1収容空間に配置される陽極と前記第2収容空間に配置される陰極を含む電気分解部;前記シリンダーを貫通して前記第2収容空間と外部空間を連結する排気口;及び前記排気口を閉鎖し、水の排出は抑制するが、ガスの排出は許容する第2防水膜を含む水素含有水の製造装置が提供されることができる。
【0012】
前記ハウジングを貫通して前記第1収容空間と外部空間を連結する排気管;及び前記排気管を閉鎖し、水の排出は抑制するが、ガスの排出は許容する第1防水膜をさらに含むことができる。
【0013】
前記ハウジングを貫通して前記第1収容空間と前記第2収容空間を連結する水注入管;及び前記水注入管の上端開口部に脱着可能に結合される第2蓋をさらに含み、前記水注入管の上端は、前記イオン交換膜より高く配置され、前記水注入管の上部には前記第1収容空間で発生したガスが捕集されるガス捕集空間が形成されることができる。
【0014】
前記排気管は、前記ガス捕集空間まで延長されることができる。
【0015】
前記排気管の上端は、前記イオン交換膜より高く、前記第2蓋の下面より低く配置されることができる。
【0016】
前記排気管に結合され、前記第1防水膜を通して排出されるガスの中でオゾンをろ過するフィルターをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の実施例によると、水素含有水が製造される第2収容空間内の構造物設置を最小化して第2収容空間、すなわち水素含有水の製造空間を最大限に確保することができる。
【0018】
本発明の実施例によると、排気管または排気口に防水膜を設置することで、リリーフバルブのように収容空間の圧力を適正水準で管理することだけではなく、水の排出を抑制ないし遮断することができる。
【0019】
本発明の一実施例によると、陽極と陰極をイオン交換膜の表面に蒸着または印刷することで、陽極と陰極の間の電気抵抗を低めることができる。その結果、イオン交換膜の熱損傷可能性が低くなるので、第1収容空間に水を充填しなくてもよく、このための構造物を設置する必要がなくなることができる。
【0020】
本発明の一実施例によると、ガス捕集空間を第1収容空間と第2収容空間の間に形成して、排気管をハウジングの下の壁を貫通し、ガス捕集空間まで延長するように形成することで、第2収容空間内構造物の設置空間を最小限に抑えることができるのみならず、ハウジングの外周面から突き出された部分を取り除き、携帯性を高めてタンブラーなどで活用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】は、本発明の一実施例による水素含有水の製造装置を表した断面図である。
図2】は、本発明の他の実施例による水素含有水の製造装置を表した断面図である。
図3】は、図2の水素含有水の製造装置が無線充電器によって充電される方式を概略的に表した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本出願で用いた用語は、単に特定の実施例を説明するために使われたことで、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに別の意味で使わない限り、複数の表現を含む。
【0023】
本出願で、ある部分がある構成要素を「含む」と記載された時、これは特別に反対される記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素を更に含むことができることを意味する。
【0024】
また、明細書全体で、「上に」と記載されたことは、対象部分の上または下に位置することを意味することであり、必ず重力方向を基準として上側に位置することを意味するのではない。
【0025】
更に、結合ということは、各構成要素の間の接触関係において、各構成要素の間に物理的に直接接触される場合のみを意味するのではなく、他の構成要素が各構成要素の間に介在されて、その他の構成要素に各構成要素がそれぞれ接触されている場合まで包括する概念で使うことにする。
【0026】
図面で表された各構成要素の大きさ及び厚さは説明の便宜のために任意に表したため、本発明が必ずしも図示されたところに限定されない。
【0027】
第1、第2などの用語は、様々な構成要素を説明するのに使われることができるが、構成要素は前記用語によって限定されてはいけない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的だけで使われる。
【0028】
以下、本発明による水素含有水の製造装置の望ましい実施例を添付図面を参照して詳しく説明し、添付図面を参照して説明することにおいて、同一または対応する構成要素は等しい図面番号を付与してこれに対する重複される説明は省略することにする。
【0029】
図1は、本発明の一実施例による水素含有水の製造装置を表した断面図である。
【0030】
図1を参照すれば、本発明の一実施例による水素含有水の製造装置(10)は、ハウジング(100)、シリンダー(200)、イオン交換膜(110)、電気分解部(120)、排気管(130)、第1防水膜(131)、排気口(220)及び第2防水膜(221)を含むことができる。
【0031】
ハウジング(100)は、第1収容空間(101)が内部に形成される中空の円筒形象に形成されることができる。
【0032】
ハウジング(100)の上壁には、上下方向に貫通する連結通路(103)が形成されて第1収容空間(101)と第2収容空間(201)を連結することができる。連結通路(103)は、複数に形成されることができ、複数の連結通路(103)は、ハウジング(100)の上下方向の中心軸を基準で等しい距離に配置されることができる。すなわち、複数の連結通路(103)を連結すればリング形象を形成することができる。
【0033】
シリンダー(200)は、下面が開放され、上面が閉鎖された中空の円筒形象に形成されることができる。
【0034】
シリンダー(200)は、ハウジング(100)の上端に脱着可能に、例えばねじ結合されることができ、ハウジング(100)の上面に接する第2収容空間(201)を形成することができる。
【0035】
シリンダー(200)の上壁には、上下方向に貫通する取水口(203)が形成されることができ、シリンダー(200)は上壁にヒンジ軸を通じて回転自在に結合されて取水口(203)を開閉する第1蓋(210)を含むことができる。
【0036】
イオン交換膜(110)は、水を通過させないが陽イオン、例えば水素イオン(H)を通過させることができる。
【0037】
イオン交換膜(110)は、陽イオン交換膜であることができる。
【0038】
イオン交換膜(110)は、ハウジング(100)に水平方向に延長されるように結合されて、連結通路(103)を閉鎖することができる。その結果、第2収容空間(201)に収容された水は第1収容空間(101)に移動することができなくなる。
【0039】
電気分解部(120)は、第2収容空間(201)に収容された水を電気分解して水素含有水を製造することができる。
【0040】
電気分解部(120)は、陰極(121) 及び陽極(123)を含むことができる。
【0041】
陰極(121)は、イオン交換膜(110)の一面に蒸着または印刷されてイオン交換膜(110)を中心に第2収容空間(201)側に配置されることができ、陽極(123)はイオン交換膜(110)の他面に蒸着または印刷されてイオン交換膜(110)を中心に第1収容空間(101) 側に配置されることができる。陰極(121)及び陽極(123)は、それぞれイオン交換膜(110)の一部を露出させるパターンを形成して陽イオンが通過できる通路または貫通ホールを提供することができる。
【0042】
陰極(121)では、水が電気分解されて水素ガスが生成されることができ、水素ガスは水に溶けて水素含有水が製造されることができる。
【0043】
排気管(130)は、ハウジング(100)の下壁を上下方向に貫通するように結合され、第1収容空間(101)と外部空間を連結することができる。
【0044】
排気管(130)は、第1防水膜(131)によって閉鎖されることができる。
【0045】
第1防水膜(131)は、第1収容空間(101)から外部空間に水が排出されることを抑制する一方、第1収容空間(101)から外部空間にガスが排出されることを許容することができる。その結果、排気管(130)は、水素含有水の製造過程で付随的に発生するガスの排出通路を提供することができる。
【0046】
第1防水膜(131)は、第1防水膜(131)がリング形象の第1フレームに結合された第1防水モジュールに製作されることができ、第1防水モジュールは、排気管(130)に脱着可能に、例えば、ねじ結合されることもできる。
【0047】
排気口(220)は、第1蓋(210)を上下方向に貫通するように形成され、第2収容空間(201)と外部空間を連結することができる。他の例として、排気口(220)は、シリンダー(200)の側壁または上壁を貫通するように形成されることもできる。
【0048】
排気口(220)は、第2防水膜(221)によって閉鎖されることができる。
【0049】
第2防水膜(221)は、第2収容空間(201)から外部空間に水が排出されることを抑制する一方、第2収容空間(201)から外部空間にガスが排出されることを許容することができる。その結果、排気口(220)は、第2収容空間(201)の水素ガス圧力が適正水準で維持できるように水素ガスの排出通路を提供することができる。
【0050】
第2防水膜(221)は、第2防水膜(221)がリング形象の第2フレームに結合された第2防水モジュールに製作されることができ、第2防水モジュールは排気口(220)に脱着可能に、例えばねじ結合されることができる。
【0051】
第1防水膜(131)及び第2防水膜(221)は、水の排出は抑制するが、ガスの排出は許容する防水材質の膜を含むことができ、一つの例示としてゴアテックス(登録商標)(Gore-tex)を含むことができる。
【0052】
図2は、本発明の他の実施例による水素含有水の製造装置を表した断面図である。
【0053】
図2を参照すれば、本発明の他の実施例による水素含有水の製造装置(20)は、ハウジング(100)、シリンダー(200)、イオン交換膜(110)、電気分解部(120)、排気管(130)、第1防水膜(131)、排気口(220)、第2防水膜(221)、水注入管(140)、第2蓋(150)及びフィルター(133)を含むことができる。本発明の一実施例による水素含有水の製造装置(10)では、第2収容空間(201)にだけ水が注入されることもできる一方、本発明の他の実施例による水素含有水の製造装置(20)では、第1収容空間(101)及び第2収容空間(201)共に水が注入される点で差がある。
【0054】
ハウジング(100)は、第1収容空間(101)が内部に形成される中空の円筒形象に形成されることができる。
【0055】
ハウジング(100)の上壁には、上下方向に貫通する連結通路(103)が形成されて第1収容空間(101)と第2収容空間(201)を連結することができる。連結通路(103)は、複数に形成されることができ、複数の連結通路(103)は、ハウジング(100)の上下方向の中心軸を基準で等しい距離に配置されることができる。すなわち、複数の連結通路(103)を連結すればリング形象を形成することができる。
【0056】
シリンダー(200)は、下面が開放され、上面が閉鎖された中空の円筒形象に形成されることができる。
【0057】
シリンダー(200)は、ハウジング(100)の上端に脱着可能に、例えば、ねじ結合されることができ、ハウジング(100)の上面に接する第2収容空間(201)を形成することができる。
【0058】
シリンダー(200)の上壁には、上下方向に貫通する取水口(203)が形成されることができ、シリンダー(200)は上壁にヒンジ軸を通じて回転自在に結合されて取水口(203)を開閉する第1蓋(210)を含むことができる。
【0059】
イオン交換膜(110)は、水を通過させないが、陽イオン、例えば水素イオン(H)を通過させることができる。
【0060】
イオン交換膜(110)は、陽イオン交換膜であることができる。
【0061】
イオン交換膜(110)は、ハウジング(100)に水平方向に延長されるように結合されて連結通路(103)を閉鎖することができる。その結果、第1収容空間(101)に収容された水は第2収容空間(201)に移動することができなく、第2収容空間(201)に収容された水は第1収容空間(101)に移動することができなくなる。
【0062】
電気分解部(120)は、第1収容空間(101)及び第2収容空間(201)に収容された水を電気分解して水素含有水を製造することができる。
【0063】
電気分解部(120)は、陰極(121)及び陽極(123)を含むことができる。
【0064】
陰極(121)は、イオン交換膜(110)の一面に蒸着または印刷されてイオン交換膜(110)を中心に第2収容空間(201)側に配置されることができ、陽極(123)は、イオン交換膜(110)の他面に蒸着または印刷されてイオン交換膜(110)を中心に第1収容空間(101)側に配置されることができる。陰極(121)及び陽極(123)は、それぞれイオン交換膜(110)の一部を露出させるパターンを形成し、陽イオンが通過することができる通路または貫通ホールを提供することができる。
【0065】
陰極(121)及び陽極(123)での化学反応式は次のようである。
[反応式1]
陰極: 4HO + 4e → 2H + 4OH
陽極: 2HO → O + 4H + 4e
【0066】
前記反応式1を参照すれば、連結通路(103)の第2収容空間(201)側では水素(H)と水酸化イオン(OH)が生成されることができ、連結通路(103)の第1収容空間(101)側では酸素(O)が生成されることができる。第1収容空間(101)側で生成された酸素(O)中の一部は第1収容空間(101)に収容された水と反応して下記反応式2のように、オゾン(O)に変換されることができる。
【0067】
[反応式2]
+ HO → O + 2H + 2e
前記反応式1及び2を参照すれば、第1収容空間(101)側では酸素(O)の以外に水素イオン(H)が生成されることができる。このような水素イオン(H)は、イオン交換膜(110)を通じて第2収容空間(201)側に移動して陰極(121)で水素(H)に変換されることができる。水素(H)は水に対する溶解度が高いから第2収容空間(201)に収容された水に溶解されて水素含有水を生成することができ、特に第2収容空間(201)には水酸化イオン(OH)が一緒に存在するので弱アルカリ性を帯びる水素含有水を生成することができる。これに対して、酸素(O)は常温で大部分気体状態で存在するから第1収容空間(101)の圧力を上昇させることができる。一方、オゾン(O)はそのもので不安定な状態だから大部分水に溶解されて分解されたり、自発的に還元されて酸素(O)に変換されることができる。しかし、オゾン(O)はごく微量でも特有のにおいによって不快感を誘発するとか人体に有害な影響を及ぼすことができるので、これに対する適切な処理方案が要求される。
【0068】
排気管(130)は、ハウジング(100)の下壁を上下方向に貫通するように結合されて第1収容空間(101)と外部空間を連結することができる。
【0069】
排気管(130)は、第1防水膜(131)によって閉鎖されることができる。
【0070】
第1防水膜(131)は、第1収容空間(101)から外部空間に水が排出されることを抑制する一方、第1収容空間(101)から外部空間にガスが排出されることを許容することができる。その結果、排気管(130)は、水素含有水の製造過程で付随的に発生するガスの排出通路を提供することができる。
【0071】
第1防水膜(131)は、第1防水膜(131)がリング形象の第1フレームに結合された第1防水モジュールに製作されることができ、第1防水モジュールは排気管(130)に脱着可能に、例えばねじ結合されることもできる。
【0072】
排気口(220)は、第1蓋(210)を上下方向に貫通するように形成されて第2収容空間(201)と外部空間を連結することができる。他の例として、排気口(220)は、シリンダー(200)の側壁または上壁を貫通するように形成されることもできる。
【0073】
排気口(220)は、第2防水膜(221)によって閉鎖されることができる。
【0074】
第2防水膜(221)は、第2収容空間(201)から外部空間に水が排出されることを抑制する一方、第2収容空間(201)から外部空間にガスが排出されることを許容することができる。その結果、排気口(220)は、第2収容空間(201)の水素ガス圧力が適正水準で維持できるように水素ガスの排出通路を提供することができる。
【0075】
第2防水膜(221)は、第2防水膜(221)がリング形象の第2フレームに結合された第2防水モジュールに製作されることができ、第2防水モジュールは排気口(220)に脱着可能に、例えばねじ結合されることができる。
【0076】
第1防水膜(131)及び第2防水膜(221)は、水の排出は抑制するが、ガスの排出は許容する防水材質の膜を含むことができ、一つの例としてゴアテックス(Gore-tex)を含むことができる。
【0077】
水注入管(140)は、ハウジング(100)の上壁を上下方向に貫通するように結合されて第1収容空間(101)と第2収容空間(201)を連結することができ、第2蓋(150)は、水注入管(140)の上端に脱着可能に、例えばねじ結合されて水注入管(140)の上端開口部を開閉することができる。これによって、使用者は第2蓋(150)を水注入管(140)から分離した状態で水注入管(140)の上端開口部を通じて第1収容空間(101)に水を注入することができる。
【0078】
水注入管(140)の上端は、イオン交換膜(110)より高く配置されて水注入管(140)の上部に第1収容空間(101)で発生したガスが捕集されるガス捕集空間(105)が形成されることができる。
【0079】
ガス捕集空間(105)は、水注入管(140)の内部空間の中でイオン交換膜(110)より高い空間を意味することができる。
【0080】
排気管(130)は、ガス捕集空間(105)まで延長されてガス捕集空間(105)に捕集されたガスが排気管(130)を通じて外部空間に排出されるようにできる。具体的に、排気管(130)の上端はイオン交換膜(110)より高く、第2蓋(150)の下面より低く配置されることができ、水注入管(140)に挿入される排気管(130)の上部の外径は水注入管(140)の内径より小さく形成されることができる。
【0081】
排気管(130)の内部空間にはフィルター(133)が挿入されることができる。
【0082】
排気管(130)の上端開口部は、第1防水膜(131)によって閉鎖されることができ、フィルター(133)は排気管(130)の下端開口部を通じて排気管(130)の内部空間に挿入されることができる。すなわち、ガス捕集空間(105)に捕集されたガスが排気管(130)を介して外部空間に排出されるためには、第1防水膜(131)とフィルター(133)を順に通過しなければならない。フィルター(133)は、ガス捕集空間(105)から第1防水膜(131)を介して排出されるガスの中でオゾンをろ過することができる。フィルター(133)は、第1収容空間(101)で生成される酸素(O)とオゾン(O)の中でオゾン(O)をろ過して酸素(O)を通過させることができる。
【0083】
図3は、図2の水素含有水の製造装置が無線充電器によって充電される方式を概略的に表した断面図である。
【0084】
図3を参照すれば、本発明の他の実施例による水素含有水の製造装置(20)は無線充電器(300)をさらに含むことができる。
【0085】
無線充電器(300)は、ハウジング(100)が置かれる平らな上面を提供することができ、無線充電器(300)の内部空間には第1誘導コイル(310)が搭載されることができる。第1誘導コイル(310)は、リング形象で複数回巻かれた構造からなることができ、無線充電器(300)の本体の外部に延長される電線(320)を介して外部電源(図示せず)に電気的に接続することができる。第1誘導コイル(310)に流れる電流の強さを制御部(図示せず)などにより変化させると、電気分解部(120)を構成する第2誘導コイル(125)に誘導電流が発生することができ、第2誘導コイル(125)に発生した誘導電流によって電気分解部(120)を構成する充電式バッテリー(127)が充電されることができる。充電式バッテリー(127)は、ハウジング(100)の外周面に形成されたオン・オフスイッチ(図示せず)などを介して陰極(121)と陽極(123)に電気的に接続することができる。第2誘導コイル(125)と充電式バッテリー(127)は、ハウジング(125)の内部空間に搭載されることができ、第2誘導コイル(125)は、第1誘導コイル(410)と同じくリング形象で複数回巻かれた構造からなることができる。第2誘導コイル(125)と充電式バッテリー(127)が搭載されるハウジング(100)の内部空間はハウジング(100)内の他の空間である第1収容空間(101)と分離された空間であることができる。
【0086】
以上、本発明の望ましい実施例に対して説明したが、該当技術分野で通常の知識を有する者なら特許請求の範囲に記載した本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などによって本発明を多様に修正及び変更することができることを理解し、これも本発明の権利範囲内に含まれるものとして解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0087】
10、20: 水素含有水の製造装置
100: ハウジング 101: 第1収容空間
103: 連結通路 105: ガス捕集空間
110: イオン交換膜 120: 電気分解部
121: 陰極 123: 陽極
125: 第2誘導コイル 127: 充電式バッテリー
130: 排気管 131: 第1防水膜
133: フィルター 140: 水注入管
150: 第2蓋 200: シリンダー
201: 第2収容空間 203: 取水口
210: 第1蓋 220: 排気口
221: 第2防水膜 300: 無線充電器
310: 第1誘導コイル 320: 電線
図1
図2
図3