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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】柔軟な冷却衣服システム
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/005 20060101AFI20220621BHJP
【FI】
A41D13/005 108
A41D13/005 103
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021505701
(86)(22)【出願日】2019-06-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 US2019036495
(87)【国際公開番号】W WO2020046439
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-02-01
(31)【優先権主張番号】62/724,972
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/429,577
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100192924
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】バロン シー ブラント
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン シー ズィー
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3187781(JP,U)
【文献】特開2007-051381(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0157484(US,A1)
【文献】米国特許第06931875(US,B1)
【文献】登録実用新案第3184824(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/005
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者によって着用されるように構成されるベストと;前記ベストの第1の肩領域にまたがるように配置された少なくとも第1の肩ストラップと;1つ以上のアイスパックを受容するように構成される前記ベスト上の1つ以上のポケットであって、前記1つ以上のポケットは、前記1つ以上のポケットの前部分上に伸縮性素材を含み、前記1つ以上のポケットは、前記1つ以上のポケットの後部分上に非伸縮性素材をさらに含む、1つ以上のポケットと;を備え
前記第1の肩ストラップは、アイスパックの少なくとも1つの開口を通って配置されるように構成される第1の端部を含む、冷却衣服。
【請求項2】
前記1つ以上のポケットは、前記ベストの前部分上に第1のポケットおよび第2のポケットを含み、前記第1のポケットおよび前記第2のポケットは、それぞれ第1のアイスパックおよび第2のアイスパックを受容するように構成される、請求項1に記載の冷却衣服。
【請求項3】
前記1つ以上のポケットは、前記ベストの後部分上に第3のポケットおよび第4のポケットを含み、前記第3のポケットおよび前記第4のポケットは、それぞれ第3のアイスパックおよび第4のアイスパックを受容するように構成される、請求項に記載の冷却衣服。
【請求項4】
着用者によって着用されるように構成されるベストと;前記ベストの第1の肩領域にまたがるように配置された少なくとも第1の肩ストラップと;1つ以上のアイスパックを受容するように構成される前記ベスト上の1つ以上のポケットであって、前記1つ以上のポケットは、前記1つ以上のポケットの前部分上に伸縮性素材を含み、前記1つ以上のポケットは、前記1つ以上のポケットの後部分上に非伸縮性素材をさらに含む、1つ以上のポケットと;を備える冷却衣服において、
前記1つ以上のポケットは、前記ベストの前部分上に第1のポケットおよび第2のポケットを含み、前記第1のポケットおよび前記第2のポケットは、それぞれ第1のアイスパックおよび第2のアイスパックを受容するように構成され、
前記1つ以上のポケットは、前記ベストの後部分上に第3のポケットおよび第4のポケットを含み、前記第3のポケットおよび前記第4のポケットは、それぞれ第3のアイスパックおよび第4のアイスパックを受容するように構成され、
第2の肩ストラップをさらに備え、前記第1の肩ストラップは、第1の端部および第2の端部を含み、前記第2の肩ストラップは、第3の端部および第4の端部を含み、前記第1の肩ストラップの第1の端部は、前記第1のアイスパックに締結されるように構成され、前記第1の肩ストラップの第2の端部は、前記第3のアイスパックに締結されるように構成され、前記第2の肩ストラップの第3の端部は、前記第2のアイスパックに締結されるように構成され、前記第4の端部は、前記第4のアイスパックに締結されるように構成される、冷却衣服。
【請求項5】
前記伸縮性素材は、伸縮性織布素材を含む、請求項1に記載の冷却衣服。
【請求項6】
少なくとも第1の開口を各々含む1つ以上のアイスパックと;前記1つ以上のアイスパックを受容するように構成される1つ以上のポケットを含む衣服と;前記衣服の肩領域にまたがるように配置された少なくとも1つの肩ストラップであって、前記少なくとも1つの肩ストラップは、少なくとも第1の端部を備える、少なくとも1つの肩ストラップと;
を備えるシステムであって、前記第1の端部は、前記1つ以上のアイスパックの第1の開口を通過して前記少なくとも1つの肩ストラップを前記1つ以上のアイスパックに固定するように構成される、システム。
【請求項7】
前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つは、少なくとも1つの屈曲エリアを含み、前記少なくとも1つの屈曲エリアは、前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの第1の前部分と、前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの第1の後部分とが相互に固着される1つ以上のエリアに対応し、前記少なくとも1つの屈曲エリアは、充填物質で充填されるように構成されない、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つは、前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの前部分から前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの後部分を通って延びる第2の開口を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記1つ以上のポケットは、前記1つ以上のポケットの前部分上に伸縮性素材を含み、前記1つ以上のポケットは、前記1つ以上のポケットの後部分上に非伸縮性素材をさらに含む、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つは、三角形状の第2の開口を含み、前記第2の開口の頂点は、前記衣服の中線の方向を向いている、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つは、ひし形状の第2の開口を含み、前記第2の開口の角頂は、前記衣服の中線の方向を向いている、請求項に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つは、第2の開口を囲む複数の屈曲エリアを含み、前記第2の開口は、前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの前部分から前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの後部分を通って延びており、前記第2の開口は、前記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの第1の開口の下方に位置決めされる、請求項に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの肩ストラップは、第1の肩ストラップおよび第2の肩ストラップを含み、前記第1の肩ストラップは、前記1つ以上のアイスパックの第1のアイスパックおよび第2のアイスパックに締結され、前記第2の肩ストラップは、前記1つ以上のアイスパックの第3のアイスパックおよび第4のアイスパックに締結される、請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、着用者を冷却するように構成される柔軟な冷却衣服システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の冷却衣服(たとえば冷却ベスト)は、アイスパックなどのような冷却ベストと結合した物品の重量または形状を十分に支持し得ない。さらに、従来の冷却衣服およびアイスパックは、硬性であったり、またはそうでなくても柔軟性に欠けることがあり、その結果、着用者の身体に十分に適合しないか、または着用者の活動中に不快感を生じさせる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本開示の態様の例は、添付図を参照して以下に詳細に記載される。
図1】本開示の態様に従って、着用者により着用された場合の例示的冷却ベストシステムの正面図を図示する。
図2】本開示の態様に従って、肩ストラップの正面図、およびポケットをより分かりやすく図示するためにポケットの第2の外層の一部を取り外した冷却衣服のポケットの正面図を図示する。
図3】本開示の態様に従って、着用者により着用された場合の冷却衣服システムの側面図を図示する。
図4】本開示の態様に従って、着用者により着用された場合の冷却衣服システムの背面図を図示する。
図5】本開示の態様に従って、例示的第1のアイスパックの正面斜視図を図示する概略図である。
図6】本開示の態様に従って、充填物質で充填された、図5のアイスパックの正面斜視図を図示する。
図7】本開示の態様に従って、例示的第2のアイスパックの正面斜視図を図示する概略図である。
図8】本開示の態様に従って、充填物質で充填された、図7のアイスパックの正面斜視図を図示する。
図9】本開示の態様に従って、開いたアイスパックの側部上面図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明の主題は、法定要件を満たすために、本開示の特異性をもって記載される。しかし、記載そのものは、本開示の範囲を制限する意図はない。むしろ本発明者は、他の現在または将来の技術と関連して、異なるステップまたは本文書で記載されるステップに類似するステップの組み合わせを含むために、請求または開示された主題も、他の方式で具体化され得ると考慮している。さらに、用語「ステップ」および/または「ブロック」は、採用された方法の異なる要素を含意するために本開示において使用され得るにも拘わらず、個々のステップの順序が明示的に記載される場合でない限り、およびその場合を除いて、該用語は、本開示において開示された様々なステップ間の任意の特定の順序という意味を含蓄すると解釈すべきではない。
【0005】
広い視野から見ると、本開示の特定の態様は、活動(たとえばトレーニング)の前、活動中、および/または活動の後に、着用者を冷却するように構成される柔軟な冷却衣服システムに関する。一態様において、冷却衣服システムは、着用者によって着用されるように構成されるベストと、1つ以上のアイスパックを受容するように構成されるベスト上の1つ以上のポケットとを含み得る。このようなポケットは、非伸縮性素材を含み得る素材の第1の内層と、伸縮性素材を含み得る素材の第2の外層とから形成され得る。ポケットの第2の外層の伸縮性素材は、伸縮性素材の弾性特性によりアイスパックの表面積に対する圧力をさらに増加させながら、衣服の伸縮がアイスパックをその能力いっぱいに膨張させ得るので、1つ以上のアイスパックを着用者の胴に固定するのに役立ち得る。さらに、1つ以上のポケットの第1の内層の非伸縮性素材は、アイスパックの重量を支持するのに役立ち得、その結果、アイスパックは垂れ下がったり、または着用者の身体上の想定される接点の外側に移動しない。
【0006】
なおさらなる態様において、システムは、少なくとも1つの肩ストラップの第1の端部を受容するように構成される少なくとも第1の開口を含む1つ以上のアイスパックを含み得る。システムは、1つ以上のアイスパックを受容するように構成される1つ以上のポケットを含む衣服をさらに含み得る。肩ストラップは、衣服の肩領域にまたがるように配置され得、1つ以上のアイスパックの第1の開口を通過するように構成される第1の端部を含み得る。肩ストラップは、1つ以上のアイスパックを着用者の胴に固定し、アイスパックの重量および形状を支持するのにさらに役立ち得る。肩ストラップは、アイスパックを直立した延び姿勢(upright extended position)に維持することにより、1つ以上のアイスパックを着用者の胴に固定するのに役立ち得、これに対してストラップ無しシステムでは、アイスパック内の氷が溶け始める際は特に、重力および他の移動力により、アイスパックが折り重なったり、または圧縮されたりし得る。いくつかの態様において、衣服が着用時の構成にあり、アイスパックの上方部分に締結される場合、これはアイスパックが膨張形状を維持することを可能にするが、重力がアイスパックを下方向に引っ張ると、肩ストラップはアイスパックを直立姿勢(upright position)に維持したまま、肩ストラップの特定の端部が、下方向に延びる。また肩ストラップは、着用中に、および着用中に様々な活動(たとえばトレーニングまたはスポーツ)を行う間に、アイスパックがずれたりまたは弾んだりすることを防止するのに役立ち得る。この様にアイスパックは、肩ストラップ機構のない機構で発生し得る散発的接触とは対照的に、着用者との継続的接触を維持し得る。
【0007】
さらに他の態様において、冷却衣服とともに使用するように構成されるアイスパックは、少なくとも1つの屈曲エリアを含み得る。このような屈曲エリアは、アイスパックの第1の前部分とアイスパックの第1の後部分とが相互に固着される1つ以上の点またはエリアに対応し得、その結果1つ以上の点または、エリアは充填物質(たとえば水)で充填されていない。アイスパックは、少なくとも1つの屈曲エリアに隣接して配置された1つ以上の第2の開口をさらに含み得る。このような開口は、アイスパックの第2の前部分からアイスパックの第2の後部分を通って延び得る。アイスパック上の屈曲エリアおよび開口は、アイスパックが着用者の胸または他の身体部分に比較的密接に適合することを可能にし、可動域が概して変わらないことを可能にし得る。たとえばアイスパック上の様々な屈曲エリアは、アイスパックの対応する部分の残りの部分が軸方向に回転または移動し得るジョイントまたは軸点として、効果的に動作し得る。したがって、たとえば、着用者の身体のサイズまたは形状が変化するエリアで屈曲エリアが曲がり得るため、アイスパックは、身体の輪郭に密接に適合し得る。別の例において、開口および屈曲エリアはまた、着用者の特定の運動中にアイスパックの残りの部分がそのまわりを動くヒンジまたは点として動作し得る。このような開口および/または屈曲エリアがない場合、概して着用者の運動に応じてアイスパックが曲がることまたは折り重なることは防止され、運動中に不快感や緊張を引き起こし得る。開口は、アイスパックの表面積を減少させ得、移動点として動作し得、その結果、着用者が運動する場合に硬性は減少し、アイスパックは着用者の輪郭に適合し得る。
【0008】
本開示で使用される「内」、「外」、「中間」、「横方向」、「上」、「下」、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「屈曲」、「延び」、「外転」、「内転」などの位置および可動域の用語は、直立姿勢(すなわち解剖学的肢位)で立っている仮定の着用者により、本開示で想定、表示および記載されたように、着用された冷却衣服に関して、その一般的な意味が与えられるものとする。なおさらに、フレーズ「接触するように構成される」または着用者に関して衣服の様々な部分を記載する場合に使用されるそれに準ずるフレーズは、特定の着用者に適切なサイズのサポート衣服を指す。本開示で使用される「締結された」、「固定された」などの用語は、概して2つ以上の要素を、相互に固定した関係で維持する、要素を取り付ける方法を概して指す。本開示で使用される「調整可能に固定された」などの用語は、アイスパック表面の上部分などの別の要素に対してストラップなどの少なくとも1つの要素の調整(たとえば短くしたり、または長くしたり)を可能にする取り付け方法を指す。
【0009】
本開示で使用される用語「伸縮性素材」は、エラストマー糸を使用して形成された繊維または素材を指す。エラストマー糸は概して、荷重を除いたときに非伸縮の状態に戻る前に、荷重を受けて約200%より大きい最大伸縮を提供し得、一部のエラストマー糸は、約400%の最大伸縮を提供し得る。エラストマー糸タイプの例には、SPANDEX(登録商標)、lycra、ゴムなどが含まれる。さらに伸縮性素材または伸縮性繊維の例として、伸縮性織布素材、伸縮性編物素材、伸縮性不織布素材などが含まれ得る。本開示で使用される用語「非伸縮性素材」は、非エラストマー糸を使用して形成された繊維または素材を指し、この非エラストマー糸は概して、閾値を越えて伸縮しない(たとえば木綿、絹、ポリエステル、通常のデニム、および/または他の非弾性ポリマー)。別の言い方をすると、非伸縮性素材は、伸縮性素材より低い伸縮能力を有する。
【0010】
本開示で使用される用語「冷却衣服」または「衣服」は、上半身用衣服(たとえばベスト、シャツ、ジャケット、コート、サポート衣服など)、下半身用衣服(たとえば半ズボン、パンツなど)、または上半身用衣服と下半身用衣服とを組み合わせたもの(たとえばユニタード、オーバーオールなど)を意味し得る。
【0011】
さて、図1に進むと、着用者102によって着用された例示的冷却衣服システム100の正面斜視図が、本開示の態様に従って図示される。冷却衣服システム100は、ベスト101を含むものとして示されているが、冷却衣服システム100は、代替としてまたは追加として、シャツ、ジャケット、および/または他の着用物品などの任意の好適な冷却衣服を含み得ることが理解される。ベスト101は、ポケット106-1と、ポケット106-2と、入口開口106-3と、入口開口106-4と、外層106-5とを含むポケット106を含む。ポケット106-1およびポケット106-2は、ベスト101の前方または前部分上に位置し、着用者102の胴の前部分および胸部分にまたがるように配置される。ポケット106-1および106-2の各々は、アイスパック108-1および108-2を受容するようにそれぞれ構成される(本開示では、まとめて「アイスパック108」と呼ぶ)。ポケット106-1および106-2の各々は、ポケット106-1および106-2の上部分に入口開口106-3および106-4をそれぞれ含み得、その結果、それぞれのアイスパック108-1および108-2は、ポケット106-1および106-2に挿入され得る。いくつかの態様において、ポケット106-1および106-2の下方または底部は、入口を含み得ないので、その結果、アイスパック108の重量を支持し得る。冷却衣服システム100では2つのアイスパック108-1および108-2ならびに2つのポケット106-1および106-2が描かれているにも拘わらず、この数はあくまで例示にすぎないこと、および任意の好適な数量があり得ることが理解される。たとえば、いくつかの態様において、冷却衣服システム100は、単一のポケットおよび対応する単一のアイスパック、または2つを超えるポケットおよび対応するアイスパックを備え得る。
【0012】
冷却衣服システム100は、任意選択的なスライダー機構112をさらに含み、このスライダー機構112は、ポケット106-1と106-2との間に配置され、いくつかの態様においてポケット106-1および106-2の内縁部または中間縁部を形成し得る。スライダー機構112は、ポケット106-1および106-2の長手方向または垂直方向の長さに沿って延びるテープを含み得る。スライダー機構112は、着用者102がベスト101を着たり脱いだりできるように、スライダー機構112を可逆的に開閉し、したがって、ベスト101を開閉するように構成されるスライダープル(slider pull)を含む。冷却衣服システム100は、締結機構としてスライダー機構112を含むにも拘わらず、ベスト101を固定するかまたは着るために、任意の好適な締結機構が代替としてまたは追加として使用され得ることが理解される。たとえば、着用者102がベスト101のジッパーをスライダー機構112によってかける代わりに、着用者102は、様々な態様において1つ以上のボタン、スナップ、または面ファスナーによってベスト101を固定する。
【0013】
前述のように冷却衣服システム100は、アイスパック108-1および108-2をさらに含み、このアイスパックの各々は、アイスパック108の上方または上部分に開口110-1および110-2をそれぞれ含む。このような開口(本開示では、まとめて「開口110」と記載する)およびアイスパック108の上部分の残りの部分は、露出するか、またはポケット106またはベスト101の部分で覆われないように図示される。これは、着用者102がポケット106-1および106-2の入口開口106-3および入口開口106-4から/に、アイスパック108を取り外しかつ/もしくは配置することを容易にし得、かつ/または着用者102が開口110を介して肩ストラップ104-1および104-2をアイスパック108に締結することを容易にし得る。肩ストラップ104-1および104-2(本開示では、まとめて肩ストラップ104と呼ぶ)は、以下でさらに詳しく説明するように、開口110を通ってそれぞれの端部を配置することでアイスパック108に締結または固定されるように各々構成される。アイスパック108の上部分に取り付けられるように、肩ストラップ104は、少なくとも部分的に、ベスト101(たとえば116-1)または着用者102の肩領域にまたがるように水平方向または横方向に向かい、ベスト101または着用者102の前方部分にまたがるように長手方向に向かう。様々な態様において、アイスパック108は、以下でさらに詳しく説明するように、様々な屈曲エリアおよび追加開口を含み得る。
【0014】
ベスト101は、内層部分116-1および116-2(本開示では、まとめて「内層116」と記載する)を含む。内層116は、ポケット106の前部分またはフェイス部分(すなわち外層106-5)に隣接して位置決めされ、その結果、ポケット106の内層116および外層106-5の対向表面は、互いに隣接して位置決めされる。特定の態様において、ポケット106は、内層116と外層106-5との間の空間として形成され、外層106-5は、ポケット106が位置する場所などのベスト101の特定の部分においてのみ存在し得る。この様に、アイスパック108-1および108-2は、内層116と外層106-5との間に配置される。内層116は、ベスト101の最内層を備え得、その結果、着用者102の身体表面(たとえば皮膚表面または、たとえばベース層で覆われた着用者102の表面)に隣接して位置決めされる。
【0015】
内層部分116-1は、肩ストラップ104-1と当接し、その下に位置決めされ得る。いくつかの態様において、肩ストラップ104は、内層116に縫い合わされるか、またはそうでなければそれに恒久的に固定される。他の態様において、肩ストラップ104は、スタンドアロンの物品であり、その結果、肩ストラップ104は、内層116に縫い合わされたり、または恒久的に内層116に取り付けられたりすることなく、その代わりに、たとえば面ファスナー、スナップ、ボタンなどを使用して内層116に取り外し可能に取り付けられる。ベスト101は、スリーブなしで表示されているのではあるが、いくつかの態様において、内層116-1は、延びて長い袖または短い袖を形成し得(たとえば長袖Tシャツの袖)、その結果、着用者102の腕の一部分は覆われる(たとえば人の腕全体から腕の手首部分までの長さ)。ベスト101は、ベスト101を着用するために着用者102の頭を越えて配置されるように構成される、内層116の首開口付き内層部分116-2をさらに含む。いくつかの態様において、アイスパック108の下に位置決めされる内層116の部分(図示せず)は、ポケット106の後面または後方部を示す。内層116または冷却衣服システム100の任意の部分は、編物メッシュ、織布素材、ナイロン、木綿、ポリエステル、絹などの任意の好適な素材から作成され得る。様々な態様において、内層116、またはポケット106の後方部分は、非伸縮性織布、非伸縮性編物、非伸縮性不織布などの非伸縮性素材から形成される。様々な態様において、外層106-5は、伸縮性織布、伸縮性編物、伸縮性不織布などを含む伸縮性素材から形成される。
【0016】
図2は、ポケット206をより分かりやすく図示するためにポケット206の第2の外層206-1の一部が部分的に取り外された、冷却衣服200の肩ストラップ204-1およびポケット206の図(第1の内層206-3、第2の外層206-1の両方、および下マージン206-5を示す)を図示する。いくつかの実施形態において、冷却衣服200は図1のベスト101を示し、逆も同様である。たとえば、いくつかの態様において、ポケット206は、図1のポケット106-1(および/または106-2)を示し、逆も同様である。いくつかの態様において、第1の内層206-3は図1の内層116-1および/または内層116-2を示し、逆も同様である。同様にいくつかの態様において、第2の外層206-1は、図1の外層106-5を示し、逆も同様である。例示的態様において、第1の内層206-3は、冷却衣服200の残りの部分を形成し得る。第2の外層206-1の内向表面は、第1の内層206-3の外向表面に隣接して位置決めされ、その結果、第2の外層206-1は、冷却衣服200の外部表面の少なくとも一部分を形成し、着用者が関連冷却衣服200を着用しているとき少なくとも部分的に見える。態様において、第1の内層206-3は、冷却衣服200の内部(または身体に対向する)層を備え得る。いくつかの態様において、第2の外層206-1は、伸縮性素材(たとえば伸縮性織布素材)であるか、または伸縮性素材(たとえば伸縮性織布素材)を含み、第1の内層206-3は、非伸縮性素材であるか、または非伸縮性素材を含む。
【0017】
ポケット206の第2の外層206-1が伸縮性素材から形成され、ポケット206の第1の内層206-3が非伸縮性素材から形成されるように、ポケット206を構造化することで、ポケット206は、アイスパックの重量を支持するとともに、アイスパックが着用者の身体に密接に適合することを支援するように構成される。第1の内層206-3が非伸縮性素材を含むが故に、第1の内層206-3は、挿入された姿勢または直立姿勢でアイスパックを支持し、その結果、アイスパックは、重力によって垂れ下がったり、下向きになったりしない。いくつかの例示的態様において、第2の外層206-1の下マージン206-5も、アイスパックの垂れ下がりまたはたるみをさらに防止するために非伸縮性素材を含む。第2の外層206-1は、概して伸縮性素材を含むが故に、挿入されたアイスパックは、非伸縮性素材を有する部分より着用者に適合し得る。これは、伸縮性素材がアイスパックを延びた形態または直立した形態に維持し得(たとえばアイスパックは、垂れ下がったり、ゆがんだり、曲がったりしないなど)、アイスパック、ひいては着用者にかかる圧力を継続的に維持し得るからである。たとえば着用者は、アイスパックをポケット206に挿入するために、第2の外層206-1に初張力をかけざるを得ない。しかし、伸縮性素材の弾性的性質に起因して、アイスパックがポケット206中に完全に位置決めされる場合に、伸縮性素材は、その元の形状に戻る弾性過程に入り得る。したがって、弾性力により着用者の身体に大きな圧力がかかり得、アイスパックは、重力に逆らうこのような弾性力に起因して、折り重なったり、圧縮されたりし得ない。いくつかの態様において、伸縮性素材では着用者は、ポケットの伸縮する能力の故に、他の硬性の非伸縮性素材よりも簡単にアイスパックをポケットの入口中に配置することが可能である。
【0018】
肩ストラップ204-1は、たとえば連結要素のオス端部201を受容する少なくとも第1の端部と、連結要素のメス端部203を受容する部分と、を含む。いくつかの態様において、肩ストラップ204-1の第1の端部は、アイスパック108-2の開口110-2を通過するように構成され、オス端部201は、メス端部203内にスナップ留めまたは固定され得、その結果、アイスパック108-2の一部分は、ループ部分205で肩ストラップ204-1に固定される。このようにオス端部201とメス端部203が結合する場合、肩ストラップ204-1はループを形成し、次いでアイスパック108-2は、開口110-2を経て新しく形成されたループ部分205から延び得る。図2は、肩ストラップ204-1がアイスパックを冷却衣服200に締結するのに役立つスナップ機構を含むことを図示しているが、他の態様において肩ストラップ204-1は、面ファスナー、ボタン、剥離可能接着剤など、他のファスナーを含み得る。いくつかの態様において、肩ストラップ204-1は、アイスパック108-2に調整可能に固定され得、その結果、着用者は、肩ストラップ204-1をゆるめたり、締めたりし得る。
【0019】
図3は、本開示の態様に従って、着用者302により着用された場合の冷却衣服システム300の側面図を図示する。いくつかの態様において、冷却衣服システム300は、図1の同じ冷却衣服システム100および/または図2の冷却衣服200の側面図を示し、逆も同様である。しかし他の態様において、冷却衣服システム100は、たとえば後部分上にアイスパックが存在しないように、冷却ベストの前部分上にアイスパックおよびポケットのみ備え得る。冷却衣服システム300は、衣服301の前部分上にポケット306-1を含み、衣服301の後部分上にポケット306-2を含み、そのポケットの各々は、アイスパック308-1および308-2を受容するようにそれぞれ構成される。いくつかの態様において、前部分および/または後部分上に第2のポケットがある(図の故に可視ではない)。
【0020】
図3は、肩ストラップ304-1がアイスパック308-1および308-2の両方を固定および保持するのに役立ち得ることを図示する。肩ストラップ304-1の中間セクションは、衣服301または着用者302の肩領域にまたがるように、横方向に配置されるか、横向きにされる。肩ストラップ304-1は、第2の端部304-2を含み、この第2の端部304-2は、アイスパック308-2に固定または締結されるように(たとえば図2で記述された方式で)、アイスパック308-2上の開口310-2を通って配置されるように構成される。肩ストラップ304-1は、第1の端部304-3をさらに含み、この第1の端部304-3は、アイスパック308-1に固定または締結されるように(たとえば図2で記述された方式で)、アイスパック308-1上の開口310-1を通って配置されるように構成される。したがって、態様において肩ストラップ304-1は連続物品であり、この物品は、着用者の活動中にアイスパック308-1および308-2がずれたりまたは弾んだりすることを防止するように、および着用者の胸と背中を冷却するのに役立つように、正面アイスパックおよび背面アイスパックを衣服301に固定するのに役立ち得る。さらに、肩ストラップ304-1は、アイスパック308(アイスパック308-2および308-2の両方を示す)を直立姿勢に維持するのに役立ち得、その結果、アイスパック308は、その膨張形状(たとえば、折り重なったり、曲がったり、捻じれたり、圧縮されたり、ゆがんだり、その他の同種の変形をしない)を維持し、着用者302のより大きな表面積との接触を維持し得、これに対してストラップ無しシステムでは、アイスパック308が、重力および他の移動力により折り重なったり、または圧縮されたりし得る。
【0021】
図4は、本開示の態様に従って、着用者402により着用された場合の冷却衣服システム400の背面図または後方図を図示する。いくつかの態様において、冷却衣服システム400は、図1(正面図を示す)の冷却衣服システム100の背面図を示し、逆も同様である。したがって、たとえば、肩ストラップ404-1は、図1に図示する肩ストラップ104-2と同じであり得る。同様に、肩ストラップ404-2は、図1の肩ストラップ104-1と同じであり得る。いくつかの態様において、冷却衣服システム400は、図3の冷却衣服システム300(側面図を示す)および/または図2の冷却衣服200の背面を示し、逆も同様である。
【0022】
冷却衣服システム400は、ポケット406-1および406-3を含み、そのポケットの各々は、アイスパック408-1および408-3を受容するようにそれぞれ構成される。肩ストラップ404-1および404-2は各々、アイスパック408-1および408-3に締結または固定されるよう、アイスパック408-1および408-3中のそれぞれの開口を通って配置されるように構成される端部を含む。前述のように、いくつかの態様において、冷却衣服システム400などの冷却衣服システムは、冷却衣服システム400または着用者402の前面および後面上にアイスパックを含み得、肩ストラップ404はそれゆえ、前面および後面のアイスパック両方に締結される連続物品であり得る。したがって、たとえば、冷却衣服システム400の冷却ベスト401は、第1の肩ストラップ(たとえば404-2)(第1の端部および第2の端部を含む)と、第2の肩ストラップ(たとえば404-1)(第3の端部および第4の端部を含む)と、を備え得る。第1の肩ストラップ404-2の第1の端部は、冷却ベスト401の前部分上の第1のアイスパック(たとえば108-1)に締結されるように構成され得る。第1の肩ストラップ404-2の第2の端部は、加えて、冷却ベスト401の後部分上の第2のアイスパック(たとえば408-3)に締結されるように構成され得る(たとえば図2に図示する)。第2の肩ストラップ404-1の第3の端部は、冷却ベスト401の前部分上の第3のアイスパック(たとえば108-2)に締結されるように構成され得る。第2の肩ストラップ404-1の第4の端部は、冷却ベスト401の後部分上の第4のアイスパック(たとえば408-1)に締結されるように構成され得る。
【0023】
図5は、本開示の態様に従って、アイスパック500の正面斜視図を図示する概略図である。いくつかの態様において、アイスパック500は、図1図2図3、および/または図4の冷却衣服システムについて記載されたアイスパックうち任意のものを示す。アイスパック500は、頂部分または上部分508を含み、この部分は、第1の開口510を含む。第1の開口510は、肩ストラップ(たとえば肩ストラップ104-1)を受容するために筒状の形状であり得る開放空間、スリット、または通り穴であり、その結果、たとえば図2で描かれたように肩ストラップはアイスパック500に締結され得る。いくつかの態様において、上部分508は、液体または物質で充填されるように構成されているのではなく、ポケット入口(たとえば入口開口106-3)の外側に突出または露出するように構成されるパネルであり、その結果、着用者は、アイスパック500を容易に配置するか、もしくは取り外し得、かつ/または第1の開口510を介して肩ストラップをアイスパック500に容易に締結し得る。いくつかの態様において、上部分508は、発泡材または他の任意のポリマーベースの素材などの任意の好適な素材であるか、またはそのような素材を含む。いくつかの態様において、上部分508は、アイスパック500の本体512とは異なる素材から作られる。
【0024】
本体512は、例示的屈曲エリア516-1、516-2、516-3および516-4(本開示では、まとめて屈曲エリア516と呼ぶ)を含み、これらの屈曲エリアは、第2の開口514を囲むか、または第2の開口514から離れて延びる。アイスパック500は、屈曲エリア、開口、およびアイスパックそのものについて特定の形状、向き、数量、および長さを図示しているが、これはあくまで例示にすぎないことと、任意の好適な形状、向き、数量、および長さがあり得ることとが理解される。たとえば、いくつかの態様において、第2の開口514は、図5で示される三角形とは対照的に、円形、長方形、または正方形の形状を示す。別の例において、屈曲エリア516のいくつかまたは各々は、図5で示される筒状とは対照的に円形の形状である。
【0025】
屈曲エリア516の各々は、以下でさらに詳しく説明するように、アイスパック500のそれぞれの第1の前部分と、アイスパック500のそれぞれの第1の後部分とが、相互に収束するか、接合されるか、または固着されるエリアである。したがって、屈曲エリア516-1、516-2、516-3および516-4の各々には、相互に接合または固着されるアイスパック500の前部分および後部分がある。アイスパック500の前および後は、屈曲エリア516で相互に固着されるため、この屈曲エリア516を、水などの充填物質で充填することができない。一態様において、屈曲エリア516-1は筒状の形状であり、縁部512-4(上部分508と本体512との間の境界によって画定される)のすぐ下方から、第2の開口514のすぐ上へ、長手方向に延びる。屈曲エリア516-2および516-3(これも筒状の形状)は、本体512を横切って本体512の第1の側縁部512-1から、第2の開口514に横方向に隣接するエリアへ、斜めにまたは対角線方向に延びる。図示されているように、例示的態様において、このような屈曲エリア516-1および516-2は、第2の開口514を形成するそれぞれの縁部または側面に対して平行にまたは実質的に平行に向いている。屈曲エリア516-4は、屈曲エリア516-1に対して平行に延びており、実質的に屈曲エリア516-1と整列している。屈曲エリア516-4は、第2の開口514のすぐ下方から、本体512の底縁部512-2のすぐ上(または上方)へ、本体512の長さにわたって長手方向に延びる。
【0026】
第2の開口514(またはアイスパック本体に関して述べられた任意の開口)は、アイスパック500の前部分またはフェイス部分からおよびそれらを通って、アイスパック500の後部分または背面部分を通って延びる、アイスパック本体(たとえば本体512)中の穴または開口である。したがって、このような態様において、本体512の部分は、第2の開口514を形成する開放空間が存在するように、第2の開口514のまわりに全空間の境界を形成し得る。たとえば、人は、このような開口を通って見ることができ、いくつかの態様において、いくつかの物体(たとえば指)は、開口を通過し得る。図5は、頂点514-1を有する、三角形状の第2の開口514を図示する。いくつかの態様において、三角形状の第2の開口514の頂点514-1(不等の第3の側面またはベースに対向する、等しい長さの2つの側面が出会う角頂として画定される)は、図1に図示するように、冷却衣服または着用者の中線または中間部分の方向に向いている。様々な態様において、アイスパックの本体内の開口(たとえば第2の開口514)は、屈曲エリア516などの屈曲エリアに隣接して、または接して配置される。第2の開口514は、本体512の中心の近くに、および屈曲エリア516-1と516-2との間に配置される。第2の開口514は、アイスパック500が使用可能構成にある場合、または図1のアイスパック108-1について図示されたように着用された場合に、屈曲エリア516-2および516-3に隣接して、およびその中間にさらに配置される。
【0027】
本開示で記載のように、屈曲エリア516および第2の開口514の各々は、冷却衣服および着用者に大きな柔軟性を与え得るだけでなく、アイスパック500を着用者に容易に適合させ得る。たとえば屈曲エリア516-1および516-4は、本体512の長手方向の長さの一部分にわたって延びる。したがって、着用者が腕の水平内転運動または水平外転運動を行う場合(たとえばバットを振るために)、本体512を運動方向に移動または回転させ得、これは屈曲エリア516の長さに対して実質的に垂直であり得る。したがって、屈曲エリア516は、効果的な軸点または軸線の役目を果たし得、その結果、本体512はより自由に動き得、それによって着用者の可動域の拡大が可能となり、アイスパックは着用者とより多く接触し得、これは運動中に不快感や緊張を減少させ得る。同様に、屈曲エリア516は、効果的なジョイントの役目を果たし得、その結果、アイスパック500の本体512は、胸領域などの着用者の身体の輪郭の変化に容易に適合し得る。別の例において、着用者が自分の胴体の屈曲運動または伸展運動(たとえば腹筋運動)を行う場合、第2の開口514ならびに屈曲エリア516-2および516-3は、効果的軸エリアの役目を果たし得、その結果、着用者は、同時にアイスパック500の本体512と着用者との最適な接触を可能にしながら、自分の胴体をより容易に屈曲および伸展させ得る。したがって、このような運動において、第2の開口514は、頂点514-1で曲がったりまたは折り重なったりし得、本体512は、屈曲または伸展している間に屈曲エリア516-2および516-3で曲がったりまたは折り重なったりし得る。
【0028】
様々な態様において、本体512は、任意の好適な素材から作られる。たとえば本体512は、熱可塑性ポリウレタン素材、および/または低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどの他のポリマーから作られ得る。また、アイスパック500のサイズは、任意の好適な長さ、幅、および厚さを含み得る。たとえば、いくつかの態様において、本体512の幅(縁部512-2に沿った距離によって、または縁部512-1と縁部512-3との間の距離によって画定される)は、約10cm(たとえば10cmの±5%)である。いくつかの態様において、アイスパック500の長さ(縁部512-1に沿った距離によって、または縁部512-4と512-2との間の距離によって画定され、約30cm~約36cmであり、それに上部分508が付く(たとえばそれぞれ30cmおよび36cmの±5%))。いくつかの態様において、本体512の厚さは、流体(たとえば水)または他の充填物質を除いて約2cm~約4cm(たとえばこれらの値の±5%)である。
【0029】
いくつかの態様においてアイスパック500は、2つの分離された層から形成され、この層は、周辺(たとえば縁部512-1、512-2、および512-3)の周囲、屈曲エリア516、および/または第2の開口514の周縁部の周囲などの特定エリアで互いに接着される。
【0030】
図5に図示するように、屈曲エリア516は、本体512の任意の縁部に延びない。したがって、流体または他の充填物質は、以下でさらに詳しく説明するように、いくつかの屈曲エリア516の各部分または屈曲エリア516の各々を囲み得る。たとえば本体512の第1の縁部512-1は、本体512の長手方向の長さにわたって延び得る。第2の縁部512-2は、水平方向の幅に沿って縁部512-1から縁部512-3の一部分(たとえばコーナ)へ延び得る。第3の縁部512-3は、縁部512-1と平行であり得、縁部512-1と同じ距離だけ延び得る。第4の縁部512-4は、水平方向の全幅にわたって延びており、上部分508と本体512との間の境界線を示し得、本体512の頂部をさらに示し得る。縁部512-4は、縁部512-2と平行であり得る。図示した例において、屈曲エリア516-1は、縁部512-4のすぐ下方から第2の開口514の縁部のすぐ上へ、長手方向に延びる。したがって、屈曲エリア516-1は、縁部512-4に、および第2の開口514の縁部に延びない。それゆえ、たとえば部分512-5および512-6は、屈曲エリア516-1が縁部へずっと延びないため、水または別の充填物質で充填され得る。それゆえ、屈曲エリア516-1は、充填物質によって完全に囲まれ得る。同様に、他の屈曲エリアのいくつかまたは各々も、近隣の縁部に延び得ず、その結果、図6に示すように、充填物質が屈曲エリアの各側面を完全に囲み得る。しかし、他の態様において、屈曲エリアは、アイスパック500の本体512の1つ以上の縁部と当接するか、またはその縁部に延び得る。すべての態様、およびそれの任意の変形は、本開示の態様内にあると考慮される。
【0031】
図6は、本開示の態様に従って、充填物質(たとえばジェル、水、氷など)で充填された、図5のアイスパック500の正面斜視図を図示する。図6は、アイスパック500が水などの充填物質で充填された場合に、どのように見え得るかを図示する。したがって、本体512は、屈曲エリア516-1、5-16-2、516-3、516-4、および第2の開口514を囲むエリアの各々で膨出または膨張しているように見える。これにより、屈曲エリア516が、上記のようにアイスパック500の前層と後層が固着されるエリアであるため、屈曲エリア516は、充填物質でアイスパック500を充填しても膨出または膨張しない。本体512がこのエリアまで続いていないため、第2の開口514も、アイスパック500を充填しても膨出または膨張しない。したがって、水または他の充填物質は、この空間を充填しない。また図6は、屈曲エリア516および第2の開口514が、流体または他の充填物質によって完璧にまたは完全に囲まれて、第2の開口514および屈曲エリア516を囲む各エリアが、充填物質でアイスパック500を充填することを受けて膨出または膨張するように構成され得ることを図示する。
【0032】
図7は、本開示の態様に従って、例示的第2のアイスパック700の正面斜視図を図示する概略図である。いくつかの態様において、アイスパック700は、図1図2図3、および/または図4の冷却衣服システムについて記載されたアイスパックうち任意のものを示す。アイスパック700は、頂部分または上部分708を含み、この部分は、第1の開口710を含む。第1の開口710は、肩ストラップ(たとえば肩ストラップ104-1)を受容するために筒状の形状の開放空間、スリット、または穴であり、その結果、たとえば図2で描かれたように肩ストラップはアイスパック700に締結され得る。いくつかの態様において、上部分708は、液体または物質で充填されるように構成されているのではなく、ポケット入口(たとえばポケット106-1)の外側に突出または露出するように構成されるパネルであり、その結果、着用者は、アイスパック700を容易に配置するか、もしくは取り外し得、かつ/または第1の開口710を介して肩ストラップをアイスパック700に容易に締結し得る。いくつかの態様において、上部分708は、発泡材または他の任意のポリマーベースの素材などの任意の好適な素材であるか、またはそのような素材を含む。いくつかの態様において、上部分708は、アイスパック700の本体712とは異なる素材から作られる。
【0033】
本体712は、第2の開口714を囲む屈曲エリア716-1および716-2(本開示では、まとめて屈曲エリア716と呼ぶ)を含む。アイスパック700は、屈曲エリア、開口、およびアイスパックそのものについて特定の形状、向き、数量、および長さを図示しているが、これはあくまで例示にすぎないことと、任意の好適な形状、向き、数量、および長さがあり得ることとが理解される。たとえば、いくつかの態様において、第2の開口714は、図7で示されるひし形状とは対照的に、円形、三角形、長方形、または正方形の形状を示す。別の例において、屈曲エリア716のいくつかまたは各々は、図7で示される筒状とは対照的に円形の形状である。
【0034】
屈曲エリア716の各々は、以下でさらに詳しく説明するように、アイスパック700のそれぞれの第1の前部分と、アイスパック700のそれぞれの第1の後部分とが、相互に固着および/またはに接合されるエリアである。したがって、屈曲エリア716-1および716-2は、水などの充填物質で充填され得ない。屈曲エリア716-1は筒状の形状であり、頂縁部712-1(アイスパック700の上部分708と本体712との間の水平な境界)のすぐ下方から、第2の開口714のすぐ上または上方へ、長手方向に延びる。屈曲エリア716-2は、屈曲エリア716-1に対して平行に延びており、実質的に屈曲エリア716-1と整列している。屈曲エリア716-2は、第2の開口714のすぐ下方から、本体512の底縁部712-2のすぐ上または上方へ、本体712の長さにわたって長手方向に延びる。
【0035】
第2の開口714(またはアイスパック本体に関して述べられた任意の開口)は、アイスパックの前部分またはフェイス部分から、アイスパックの後部分または背面部分を通って延びる、アイスパック本体(たとえば本体712)中の穴または開口である。したがって、このような態様において、本体712の部分は、開口を形成する開放空間が存在するように、第2の開口714全体の境界を形成し得る。たとえば、人は、このような開口を通って見ることができ、いくつかの態様において、いくつかの物体(たとえば指)は、開口を通過し得る。図7は、ひし形状の第2の開口714と共に、開口714を画定する角頂または点714-1および714-2を図示する。様々な態様において、アイスパックの本体内の開口(たとえば第2の開口714)は、屈曲エリア716などの屈曲エリアに隣接して、または接して配置される。例示的態様において、第2の開口714は、本体512の中心の近くに、および屈曲エリア716-1と716-2との間に配置される。角頂714-1および/または頂点714-2は、冷却衣服または冷却衣服の着用者の中線の方向に向き得る。
【0036】
屈曲エリア716および第2の開口714の各々は、冷却衣服および着用者に大きな柔軟性を与え得るだけでなく、アイスパック700を着用者に容易に適合させ得る。たとえば屈曲エリア716-1および716-2は、本体512の長手方向の長さの一部分にわたって延びる。したがって、着用者が腕の水平内転運動または水平外転運動を行う場合(たとえば投げる動作)、本体712を運動方向に移動または回転させ得、これは屈曲エリア716に対して実質的に垂直であり得る。したがって、屈曲エリア716は、効果的な軸点または軸エリアの役目を果たし得、その結果、アイスパック700の本体712はより自由に動き得、それによって着用者の可動域の拡大が可能となり、アイスパックは着用者とより多く接触し得、これは運動中に不快感や緊張を減少させ得る。同様に、屈曲エリア716は、効果的なジョイントの役目を果たし得、その結果、アイスパック700の本体712は、胸領域などの着用者の身体の輪郭の変化に容易に適合し得る。別の例において、着用者が自分の胴体の屈曲運動または伸展運動(たとえば腹筋運動)を行う場合、第2の開口714は、角頂714-1および714-2で効果的軸点の役目を果たし得、その結果、着用者は、同時にアイスパック700の本体712と着用者との最適な接触を可能にしながら、自分の胴体をより容易に屈曲および伸展させ得る。したがって、このような運動において、第2の開口714は、角頂714-1および714-2で曲がったりまたは折り重なったりし得、これによりアイスパック700の本体712は、屈曲および伸展運動中に、このようなエリアで曲がったりまたは折り重なったりし得る。
【0037】
様々な態様において、本体712は、任意の好適な素材から作られる。たとえば本体712は、熱可塑性ポリウレタン素材、および/または低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどの他のポリマーから作られ得る。また、アイスパック700のサイズは、任意の好適な長さ、幅、および厚さを含み得る。たとえば、いくつかの態様において、本体712の幅(縁部712-2に沿った距離によって画定される)は、約10cm(たとえば10cmの±5%)である。いくつかの態様において、アイスパック700の長さ(縁部712-1と712-3との間の少なくとも1つの距離によって画定される)は、上部分508が付いて約30cm~約36cm(たとえばそれぞれ30cm~36cmの±5%)である。いくつかの態様において、本体712の厚さは、流体(たとえば水)または他の充填物質を除いて約0.5cm~約4cm(たとえばこれらの値の±5%)である。
【0038】
図7に図示するように、屈曲エリア716は、アイスパック700の任意の縁部に延びない。したがって、流体または他の物質は、屈曲エリアそれぞれの各部分を囲み得る。たとえば本体512の第1の縁部712-1は、本体712の長手方向の長さにわたって延び得る。第2の縁部712-2は、水平方向の幅に沿って縁部712-1から縁部712-3の一部分(たとえばコーナ)へ延び得る。第3の縁部712-3は、縁部712-1と平行であり得、縁部712-1と同じ距離だけ延び得る。第4の縁部712-4は、水平方向の全幅にわたって延び得、上部分708と本体712との間の境界線を示し得る。第4の縁部712-4は、本体712の頂部をさらに示し得る。縁部712-4は、縁部712-2と平行であり得る。図示した例において、屈曲エリア716-1は、縁部712-4のすぐ下方から第2の開口714の縁部のすぐ上または上方へ、長手方向に延びる。したがって、屈曲エリア716-1は、縁部712-4に、および第2の開口714の縁部に延びない。それゆえ、たとえば部分712-5および712-6は、屈曲エリア716-1が縁部へずっと延びないため、水または別の充填物質で充填され得る。同様に、他の屈曲エリア716-2も、近隣の縁部に延び得ず、その結果、図8に示すように、充填物質が屈曲エリアの各側面を完全に囲み得る。しかし、他の態様において、屈曲エリアは、1つ以上の縁部と当接するか、またはその縁部に延び得る。
【0039】
いくつかの態様においてアイスパック700は、2つの分離された層から形成され、この層は、周辺(たとえば縁部712-1、712-2、および712-3)の周囲、屈曲エリア716、および/または第2の開口714の周縁部の周囲などの特定エリアで互いに接着される。
【0040】
図8は、本開示の態様に従って、充填物質(たとえばジェル、水、氷など)で充填された、図7のアイスパック700の正面斜視図を図示する。図8は、アイスパック700が水などの充填物質で充填された場合に、どのように見え得るかを図示する。したがって、アイスパック700の本体712は、屈曲エリア716-1、716-2および第2の開口714の外側のエリアで膨出または膨張しているように見える。これにより、屈曲エリア716が、上記のようにアイスパック700の前層と後層が固着されるエリアであるため、屈曲エリア716は、充填物質でアイスパック700を充填しても膨出または膨張しない。本体712がこのエリアまで続いていないため、第2の開口714も、アイスパック700を充填しても膨出または膨張しない。したがって、水または他の充填物質は、この空間を充填しない。また図8は、屈曲エリア716および第2の開口714が、流体または他の充填物質によって完璧にまたは完全に囲まれて、第2の開口714および屈曲エリア716を囲む各エリアが、充填物質でアイスパック700を充填することを受けて膨出または膨張するように構成され得ることを図示する。
【0041】
図9は、本開示の態様に従って、開いたアイスパック900の側部上面図を図示する。いくつかの態様において、アイスパック900は、図5図8のアイスパック500アイスパック700の側部上面図、および/または、たとえばアイスパック108-1に関して本開示で記載の任意のアイスパックを示す。図9は、特定の態様に従って人がアイスパック900を開いて充填物質で充填する場合、または充填物質を取り除く場合に、アイスパックがどのように見えるかを図示する。最初、アイスパック900は閉じられ得、その結果、本体912は密封されたままであるか、またはそうでなければ固定されたままである。いくつかの態様において、本体912の固定または密封は、本体912の上部分のすぐ上方、および上部分908-1および908-2の底部の下方に配置されるジッパーシール922によって生じる。ジッパーシール922は、互いに押された場合に密封を形成する連動溝およびリッジを含む。ジッパーシール922が記載されているが、本体912を閉じるために、たとえば本体912を互いに恒久的に接合するために、任意の好適な締結機構または密封が使用され得ることが理解される。本態様に関して、アイスパック900は、密封に先立って充填物質で充填されるであろう。
【0042】
初回には(本体912または上部分908を開く前)、たとえば図7の上部分708で示されるように、上部分908は一体型のものに見え得る。しかし2回目には(初回の後)、着用者などの利用者は、上部分908-1および上部分908-2に対向する引張り力を加えて2つの部分を相互に分離することで、アイスパック900を開き得る。この分離が生じた場合、特定の態様において第1の開口(図7で示される第1の開口710など)は、図9の開口910-1と開口910-2で示されるように、アイスパックに側面が2つ(前面と後面)あるため、分割されたまたは2つの開口になったように見え得る。次に利用者は、本体912の内側にあるキャビティ920またはブラダ開口に充填物質を挿入することで、本体912を充填物質で充填するために、ジッパーシール922を開けるかまたは外し得る。利用者は次に、その後の第3の回目に、充填物質を本体912内に収納し続けるために、ジッパーシール922の溝およびリッジの部分を重ね合わせて再度密封を形成し得る。
【0043】
図9はまた、本開示で記載のように、特定の態様に従って、屈曲エリアがどのように形成され得るかを図示する。屈曲エリア916は、本体912の第1の前面936と第2の後面934とが相互に収束するか、または固着されて、屈曲エリア916を形成するエリアを示す。したがって、利用者が充填物質でキャビティ920を充填する場合、充填物質は、屈曲エリア916を囲むであろう。様々な態様において、前面936と後面934は、永久接着剤、エポキシ接着剤などの任意の好適な方法で互いに接合される。
【0044】
次に続く項では、本開示で考慮されているコンセプトについて例示的態様を示す。以下のいずれかの項は、複数の依存し合う方式で組み合わされて1つ以上の他の項に従属し得る。さらに、依存し合う項(前の項に明示的に従属する項)の任意の組み合わせは、本開示で考慮されている態様の範囲内にとどまりながら、組み合わされ得る。次に続く項は、その性質上、制限的ではなく例示的である。
【0045】
項1.着用者によって着用されるように構成されるベストと;上記ベストの肩領域にまたがるように配置された少なくとも1つの肩ストラップと;1つ以上のアイスパックを受容するように構成される上記ベスト上の1つ以上のポケットであって、上記1つ以上のポケットは、上記1つ以上のポケットの前部分上に伸縮性素材を含み、上記1つ以上のポケットは、上記1つ以上のポケットの後部分上に非伸縮性素材をさらに含む、1つ以上のポケットと;を備える、冷却衣服。
【0046】
項2.上記少なくとも1つの肩ストラップは、上記1つ以上のアイスパックの少なくとも1つの開口を通って配置されるように構成される第1の端部を含む、項1に記載の冷却衣服。
【0047】
項3.上記1つ以上のポケットは、上記ベストの前部分上に第1のポケットおよび第2のポケットを含み、上記第1のポケットおよび上記第2のポケットは、それぞれ上記1つ以上のアイスパックの第1のアイスパックおよび第2のアイスパックを受容するように構成される、項1または2に記載の冷却衣服。
【0048】
項4.上記1つ以上のポケットは、上記ベストの後部分上に第3のポケットおよび第4のポケットを含み、上記第3のポケットおよび上記第4のポケットは、それぞれ上記1つ以上のアイスパックの第3のアイスパックおよび第4のアイスパックを受容するように構成される、項3または2に記載の冷却衣服。
【0049】
項5.第1の肩ストラップおよび第2の肩ストラップをさらに備え、上記第1の肩ストラップは、第1の端部および第2の端部を含み、上記第2の肩ストラップは、第3の端部および第4の端部を含み、上記第1の肩ストラップの第1の端部は、上記第1のアイスパックに締結されるように構成され、上記第1の肩ストラップの第2の端部は、上記第3のアイスパックに締結されるように構成され、上記第2の肩ストラップの第3の端部は、上記第2のアイスパックに締結されるように構成され、上記第4の端部は、上記第4のアイスパックに締結されるように構成される、項4、3、2または1に記載の冷却衣服。
【0050】
項6.上記伸縮性素材は、伸縮性織布素材を含む、項1、2、3、4または5に記載の冷却衣服。
【0051】
項7.少なくとも第1の開口を各々含む1つ以上のアイスパックと;上記1つ以上のアイスパックを受容するように構成される1つ以上のポケットを含む衣服と;上記衣服の肩領域にまたがるように配置された少なくとも1つの肩ストラップであって、上記少なくとも1つの肩ストラップは、少なくとも第1の端部を備える、少なくとも1つの肩ストラップと;を備えるシステムであって、上記第1の端部は、上記1つ以上のアイスパックの第1の開口を通過して上記少なくとも1つの肩ストラップを上記1つ以上のアイスパックに固定するように構成される、システム。
【0052】
項8.上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つは、少なくとも1つの屈曲エリアを含み、上記少なくとも1つの屈曲エリアは、上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの第1の前部分と、上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの第1の後部分とが相互に固着される1つ以上のエリアに対応し、上記少なくとも1つの屈曲エリアは、充填物質で充填されるように構成されない、項7に記載のシステム。
【0053】
項9.上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つは、上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの前部分から上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの後部分を通って延びる第2の開口を含む、項7または8に記載のシステム。
【0054】
項10.上記1つ以上のポケットは、上記1つ以上のポケットの前部分上に伸縮性素材を含み、上記1つ以上のポケットは、上記1つ以上のポケットの後部分上に非伸縮性素材をさらに含む、項7、8または9に記載のシステム。
【0055】
項11.上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つは、三角形状の第2の開口を含み、上記第2の開口の頂点は、上記衣服の中線の方向を向いている、項7、8、9または10に記載のシステム。
【0056】
項12.上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つは、ひし形状の第2の開口を含み、上記第2の開口の角頂は、上記衣服の中線の方向を向いている、項7、8、9または10に記載のシステム。
【0057】
項13.上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つは、第2の開口を囲む複数の屈曲エリアを含み、上記第2の開口は、上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの前部分から上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの後部分を通って延びており、上記第2の開口は、上記1つ以上のアイスパックのうち少なくとも1つの第1の開口の下方に位置決めされる、項7、8、9または10に記載のシステム。
【0058】
項14.上記少なくとも1つの肩ストラップは、第1の肩ストラップおよび第2の肩ストラップを含み、上記第1の肩ストラップは、上記1つ以上のアイスパックの第1のアイスパックおよび第2のアイスパックに締結され、上記第2の肩ストラップは、上記1つ以上のアイスパックの第3のアイスパックおよび第4のアイスパックに締結される、項7、8、9または10に記載のシステム。
【0059】
項15.冷却衣服と共に使用するように構成されるアイスパックであって、上記アイスパックは、上記アイスパックの第1の前部分と、上記アイスパックの第1の後部分とが相互に固着される1つ以上のエリアに対応する少なくとも1つの屈曲エリアであって、上記1つ以上のエリアは、充填物質で充填されるように構成されない、少なくとも1つの屈曲エリアと;上記少なくとも1つの屈曲エリアに隣接して配置された1つ以上の開口であって、上記1つ以上の開口は、上記アイスパックの第2の前部分から上記アイスパックの第2の後部分を通って延びる、1つ以上の開口と;を備える、アイスパック。
【0060】
項16.上記アイスパックの上部分上に追加の開口をさらに備え、上記追加の開口は、上記アイスパックを固定するのに役立つよう、少なくとも1つの肩ストラップの第1の端部を受容する、項15に記載のアイスパック。
【0061】
項17.上記1つ以上の開口は、頂点を含む三角形状の開口を含み、上記頂点は、上記アイスパックの側縁部の方向に向いている、項15または16に記載のアイスパック。
【0062】
項18.上記少なくとも1つの屈曲エリアは、上記三角形状の開口の第1の側面と平行に向いている第1の屈曲エリアを含み、上記少なくとも1つの屈曲エリアは、上記三角形状の開口の第2の側面と平行に向いている第2の屈曲エリアをさらに含む、項17または16に記載のアイスパック。
【0063】
項19.上記アイスパックは、第1の縁部、第2の縁部、第3の縁部および第4の縁部を含み、上記少なくとも1つの屈曲エリアは、上記第1の縁部と、上記第2の縁部と、上記第3の縁部と、上記第4の縁部と、へ延びない第1の屈曲エリアを含み、上記第1の屈曲エリアは、上記充填物質によって完全に囲まれるように構成される、項15、16、17または18に記載のアイスパック。
【0064】
項20.上記1つ以上の開口は、ひし形状の開口を含み、上記少なくとも1つの屈曲エリアは、上記アイスパックの長手方向の長さに沿って、上記ひし形状の開口の角頂の上方に配置された第1の屈曲エリアを含む、項15、16、17または18に記載のアイスパック。
【0065】
本開示の態様は、限定的ではなく例示的であるという意図の元に記述されている。代替の態様は、その範囲から逸脱しないことが、当業者であれば明らかであろう。当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく前述の改良を実装する代替手段を開発し得る。
【0066】
特定の特徴および下位組み合わせは実用的であり、他の特徴および下位組み合わせに関係なく採用され得、特許請求の範囲内で考慮されていることが理解されよう。様々な図でリストされているすべてのステップは、記載されている特定の順序で実施される必要はない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9