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特許7092948内燃機関のシリンダのコネクティングロッドの長さを調整するための装置および方法
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  • 特許-内燃機関のシリンダのコネクティングロッドの長さを調整するための装置および方法 図1
  • 特許-内燃機関のシリンダのコネクティングロッドの長さを調整するための装置および方法 図2
  • 特許-内燃機関のシリンダのコネクティングロッドの長さを調整するための装置および方法 図3
  • 特許-内燃機関のシリンダのコネクティングロッドの長さを調整するための装置および方法 図4
  • 特許-内燃機関のシリンダのコネクティングロッドの長さを調整するための装置および方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】内燃機関のシリンダのコネクティングロッドの長さを調整するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   F16C 7/06 20060101AFI20220621BHJP
【FI】
F16C7/06
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021540907
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 EP2019074926
(87)【国際公開番号】W WO2020069864
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-04-28
(31)【優先権主張番号】102018123500.3
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510153962
【氏名又は名称】マン・エナジー・ソリューションズ・エスイー
【氏名又は名称原語表記】MAN ENERGY SOLUTIONS SE
【住所又は居所原語表記】Stadtbachstr.1 86153 Augsburg,GERMANY
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エヴァルト・コットレ
【審査官】日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0009647(US,A1)
【文献】特公昭47-23243(JP,B1)
【文献】実開平3-64200(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 3/00- 9/06
F04B 39/00-39/16
F02D 13/00-28/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のシリンダのコネクティングロッド(4)の長さを調整する、すなわち、前記コネクティングロッド(4)が前記内燃機関に据え付けられた状態において、前記コネクティングロッド(4)のコネクティングロッド小端部(5)とコネクティングロッド柄部(6)との間に中間プレート(10)を据え付けるかつ/または取り除くことにより、前記コネクティングロッド(4)の長さを調整するための装置(20)であって、少なくとも以下のアセンブリ:
前記コネクティングロッド小端部(5)と前記シリンダのシリンダライナ(3)との間で、前記コネクティングロッド小端部(5)に取付可能な、前記コネクティングロッド小端部(5)のためのピボットガード(21)と、
前記コネクティングロッド(4)の両側において、前記シリンダのカウンターウエイト(12)に取付可能な支持部(24)と、
前記支持部(24)に取付可能であり、前記支持部(24)の間で前記支持部(24)に垂直に延在する、ホルダ(26)と、
前記ホルダ(26)に取付可能であり、前記コネクティングロッド小端部(5)と前記コネクティングロッド柄部(6)との間のねじ接続部が外された状態で、前記コネクティングロッド小端部(5)を前記コネクティングロッド柄部(6)に対して持上げるように機能する、持上シリンダ(29)と、を有する装置(20)。
【請求項2】
前記支持部(24)の少なくとも1つは、固定フレーム(31)を備え、前記固定フレーム(31)を介して、前記コネクティングロッド柄部(6)は、前記それぞれの支持部(24)に固定可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
それぞれの前記ホルダ(26)は、前記持上シリンダ(29)のための少なくとも2つの取付位置(30)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記持上シリンダ(29)は、油圧シリンダであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
予測的な要素として、前記コネクティングロッド小端部(5)を前記コネクティングロッド柄部(6)に対して持上げた後に、前記コネクティングロッド小端部(5)に取付可能な支柱(33)を備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
内燃機関のシリンダのコネクティングロッド(4)の長さを調整する、すなわち、前記コネクティングロッドが請求項1から5のいずれか1項に記載の装置を使用する前記内燃機関に据え付けられた状態において、前記コネクティングロッド(4)のコネクティングロッド小端部(5)とコネクティングロッド柄部(6)との間に中間プレート(10)を据え付けるかつ/または取り除くことにより、前記コネクティングロッド(4)の長さを調整するための方法であって、少なくとも以下のステップ:
a) 前記シリンダのピストンを所定の位置に移動させるステップと、
b) 前記コネクティングロッド小端部(5)と前記コネクティングロッド柄部(6)との間の前記ねじ接続部を外して取り除くステップと、
c) 前記ピボットガード(21)を前記コネクティングロッド小端部(5)に取付けるステップと、
d) 前記支持部(24)を前記シリンダの前記カウンターウエイト(12)に取付けるステップと、
e) 前記ホルダ(26)を前記支持部(24)に取付けるステップと、
f) 前記持上シリンダ(29)を前記ホルダ(26)に取付けるステップと、
g) 前記持上シリンダ(29)を介して、前記コネクティングロッド小端部(5)を前記コネクティングロッド柄部(6)に対して持上げるステップと、
h) 前記中間プレート(10)を据え付けるかつ/または取り除くステップと、
i) 前記持上シリンダ(29)を介して、前記コネクティングロッド小端部(5)を前記コネクティングロッド柄部(6)に対して下降させるステップと、
j) 前記持上シリンダ(29)、前記ホルダ(26)、前記支持部(24)および前記ピボットガード(21)を取外すステップと、
k) 前記コネクティングロッド小端部(5)と前記コネクティングロッド柄部(6)との間に前記ねじ接続部を加えて締めるステップと、を有する方法。
【請求項7】
前記ピストンは、ステップa)において、下死点へと移動させられることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ステップg)の後かつステップh)の前において、支柱(33)は、取付けられ、前記コネクティングロッド小端部(5)が前記支柱(33)を介して支えられるまで、前記コネクティングロッド小端部(5)は、前記コネクティングロッド柄部(6)に対して下降させられることを特徴とする、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
ステップh)の後かつステップi)の前において、前記コネクティングロッド小端部(5)は、前記コネクティングロッド柄部(6)に対して持上げられ、前記支柱(33)は、取外されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関のシリンダのコネクティングロッドの長さを調整するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば船舶のディーゼル内燃機関などの内燃機関は、複数のシリンダを備える。内燃機関のそれぞれのシリンダは、シリンダライナ内で上下に移動可能に案内されるピストンを備える。ピストンは、コネクティングロッドを介して内燃機関のクランクシャフトに結合され、コネクティングロッドは、ねじ接続部を介して互いに固定されたコネクティングロッド小端部とコネクティングロッド柄部とで構成されることが実践により既に知られている。小端部ベアリングアイは、コネクティングロッドをピストンと接続するように機能し、大端部ベアリングアイは、コネクティングロッドをクランクシャフトと接続するように機能する。
【0003】
内燃機関のいわゆる圧縮比を調整するために、ピストンヘッドを、例えば偏向トラフ形状(a deviating trough geometry)を有するピストンヘッドと交換することが、実践により知られている。圧縮比を調整するためにシリンダのコネクティングロッドの長さを変更する、すなわちコネクティングロッド小端部とコネクティングロッド柄部との間に中間プレートを据え付けるかつ/または取り除くことにより、コネクティングロッドの長さを変更することが、実践により同様に知られている。実践によると、シリンダは、ピストンヘッドを交換するために、かつ、中間プレートを交換するまたは据え付けるまたは取り除くために、取外される必要がある。特に、コネクティングロッドを取外すことが要求される。これは、非常に時間を消費する。
【0004】
それぞれのシリンダの圧縮比を調整するために、コネクティングロッドの長さをより簡便に調整するまたは変更することへの要望がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、コネクティングロッドのコネクティングロッド小端部とコネクティングロッド柄部との間に中間プレートを据え付けるかつ/または取り除くことにより、内燃機関のシリンダのコネクティングロッドの長さを調整するための新しいタイプの装置および対応する方法を提案する課題に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1に記載の、内燃機関のシリンダのコネクティングロッドの長さを調整するための装置を通して解決される。本発明は、内燃機関のシリンダのコネクティングロッドの長さを調整する、すなわち、コネクティングロッドが内燃機関に据え付けられた状態において、コネクティングロッドのコネクティングロッド小端部とコネクティングロッド柄部との間に中間プレートを据え付けるかつ/または取り除くことにより、コネクティングロッドの長さを調整するための装置であって、少なくとも以下のアセンブリを有する装置を提供する:コネクティングロッド小端部とシリンダのシリンダライナとの間で、コネクティングロッド小端部に取付可能な、コネクティングロッド小端部のためのピボットガード。コネクティングロッドの両側においてシリンダのカウンターウエイトに取付可能である支持部。支持部に取付可能であり、支持部の間で支持部に垂直に延在するホルダ。ねじ接続部が外された状態で、ホルダに取付可能であり、コネクティングロッド小端部をコネクティングロッド柄部に対して、コネクティングロッド小端部とコネクティングロッド柄部との間で持上げるように機能する持上シリンダ。支持部の少なくとも1つは、固定フレームを備え、固定フレームを介して、コネクティングロッド柄部は、それぞれの支持部に固定可能である。本発明による装置は、コネクティングロッドが内燃機関に据え付けられた状態において、中間プレートを据え付けるかつ/または取り除くことを可能にする。これにより、コネクティングロッドの長さの調整の間の労力は、慣例と比較して著しく削減されることができる。優先的には、装置は、保護要素として、コネクティングロッド小端部をコネクティングロッド柄部に対して持上げた後に、コネクティングロッド小端部に取付可能な、支柱を備える。支柱により、安全機能が実現され得る。特に、持上シリンダが予期されずコネクティングロッド小端部を下降させるときに、内燃機関で働く人が負傷するというリスクがない。支柱は、コネクティングロッド小端部を適切に支える。
【0007】
本発明による内燃機関のシリンダのコネクティングロッドの長さを調整するための方法は、請求項6に定義される。方法は、少なくとも以下のステップを含む:シリンダのピストンを所定の位置に移動させる。コネクティングロッド小端部とコネクティングロッド柄部との間のねじ接続部を外して取り除く。ピボットガードをコネクティングロッド小端部に取付ける。支持部をシリンダのカウンターウエイトに取付ける。ホルダを支持部に取付ける。持上シリンダをホルダに取付ける。持上シリンダを介して、コネクティングロッド小端部をコネクティングロッド柄部に対して持上げる。中間プレートを据え付けるかつ/または取り除く。持上シリンダを介して、コネクティングロッド小端部をコネクティングロッド柄部に対して下降させる。持上シリンダ、ホルダ、支持部およびピボットガードを取外す。コネクティングロッド小端部とコネクティングロッド柄部との間にねじ接続部を加えて締める。これらの方法のステップにより、コネクティングロッド小端部とコネクティングロッド柄部との間の中間プレートは、コネクティングロッドが据え付けられた状態で内燃機関に据え付けられ得るかつ/または取り除かれ得る。
【0008】
本発明の好ましいさらなる展開は、従属請求項および以下の説明から得られる。本発明の例示的な実施形態は、これに限定されることなく、図面によってより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】内燃機関のシリンダのコネクティングロッドの長さを調整するための装置の斜視図を示す。
図2】内燃機関のシリンダならびに内燃機関のシリンダのコネクティングロッドの長さを調整するための方法を説明するための装置のアセンブリを示す。
図3】内燃機関のシリンダのコネクティングロッドの長さを調整するための装置のさらなるアセンブリを有する図のシリンダからの抜粋を示す。
図4】第2状態における図3の抜粋を示す。
図5図4の断面V-Vを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、内燃機関のシリンダのコネクティングロッドの長さを調整するための装置および方法に関する。
【0011】
図1は、本発明による装置20の斜視図を示し、装置20は、内燃機関のシリンダのコネクティングロッドのコネクティングロッド小端部とコネクティングロッド柄部との間に中間プレートを据え付けるかつ/または取り除くように機能し、すなわちコネクティングロッドが内燃機関に据え付けられた状態において、コネクティングロッドを内燃機関から取り除く必要がない。
【0012】
図2図5は、内燃機関のシリンダ1の領域で用いられる本発明による装置20を示す。シリンダ1は、シリンダライナ3内で上下に移動可能に案内されるピストン2を備える。さらに、シリンダ1は、コネクティングロッド4を備え、コネクティングロッド4は、コネクティングロッド小端部5とコネクティングロッド柄部6とで構成され、コネクティングロッド小端部5とコネクティングロッド柄部6とは、センタリングデバイス7を介して中心位置合わせされ、中心位置合わせされた状態で、図示されていないねじ接続部を介して互いに締められる。ピストンピン9が延在して通過するコネクティングロッド4の小端部ベアリングアイ8は、コネクティングロッド4をピストン2と接続するように機能する。コネクティングロッド4の大端部ベアリングアイ11は、コネクティングロッド4をクランクシャフトと接続するように機能する。
【0013】
コネクティングロッド4のコネクティングロッド小端部5とコネクティングロッド柄部6との間に、所定の厚さを有する中間プレート10が、挿入され得、それによりコネクティングロッド4の長さを調整し、それにより最終的にシリンダ1の圧縮比に影響を与える。
【0014】
図1の本発明による装置20は、コネクティングロッドが内燃機関に据え付けられた状態において上記中間プレートを据え付けるかつ/または取り除くように機能する。
【0015】
本発明による装置20は、コネクティングロッド4のコネクティングロッド小端部5のためのピボットガード21を備え、ピボットガード21は、コネクティングロッド小端部5に、すなわちコネクティングロッド小端部5とピストン2のシリンダライナ3との間に取付可能である。ピボットガード21は、優先的には掛け金として設計される固定機構22を備え、固定機構22を介して、ピボットガード21は、コネクティングロッド4のコネクティングロッド小端部5に取付けられ得る。この固定機構22は作動され、すなわちピボットガード21の作動機構23を介して開かれかつ閉じられ得る。
【0016】
さらに、本発明による装置20は、支持部24を備える。コネクティングロッド4の一側で、支持部24のそれぞれは、それぞれのシリンダ1の対応するカウンターウエイト12に取付可能であり、支持部24は、互いに反対側に配置されたシリンダ1の2つの側で、シリンダ1のカウンターウエイト12にそれぞれ取付けられる。図1は、支持部24をシリンダ1のカウンターウエイト12に取付けるための対応する取付ねじ25を示す。
【0017】
本発明による装置20は、ホルダ26をさらに備える。ホルダ26は、支持部24に取付可能であり、支持部24に垂直に延在する。
【0018】
図1から、ホルダ26は、支持部24の溝部27に導入可能であることが明白であり、溝部27は、支持部の突出部28に形成され、これらの突出部28は、支持部の両側のそれらの部分に配置され、取付ねじ25は、支持部24をシリンダ1のカウンターウエイト12に取付けるために支持部24を通って延在する。
【0019】
これに加えて、本発明による装置20は、持上シリンダ29を備える。持上シリンダ29は、ホルダ26に取付可能であり、コネクティングロッド小端部5とコネクティングロッド柄部6との間のねじ接続部が外された状態で、コネクティングロッド4のコネクティングロッド小端部5をコネクティングロッド4のコネクティングロッド柄部6に対して持上げるように機能する。
【0020】
図1から明白であるように、ホルダ26のそれぞれは、持上シリンダ29のための少なくとも2つの取付位置30を備え、それぞれのホルダ26の領域で、持上シリンダ29はそれぞれ、取付位置30の1つに配置されるまたは配置されている。
【0021】
図1に示される例示的な実施形態では、シリンダ1のカウンターウエイト12の1つに取付けられる、支持部24の1つは、固定フレーム31を備え、固定フレーム31を介して、コネクティングロッド4のコネクティングロッド柄部6は、それぞれの支持部24に固定可能である。
【0022】
したがって、2つの支持部24のそれぞれは、カウンターウエイト12に取付けられる。支持部24の1つは、コネクティングロッド4のコネクティングロッド柄部6および支持部自身を同様にカウンターウエイト12に固定する。ホルダ26は、支持部24に取付けられる。ホルダ26は、持上シリンダ29を受ける。特に、コネクティングロッド小端部5とコネクティングロッド柄部6との間のねじ接続部が外されると、持上シリンダ29は、コネクティングロッド小端部5をコネクティングロッド柄部6に対して持上げ得るとともに、コネクティングロッド柄部6の傾きおよびコネクティングロッド小端部5の傾きは、それぞれ固定フレーム31およびピボットガード21を介して防止される。
【0023】
持上シリンダ29は、優先的には、例えば油圧シリンダなどの圧力媒体作動シリンダである。図1は、持上シリンダ29に圧力媒体を供給するための対応する圧力媒体接続部32を示す。図5は、圧力媒体ライン34と、圧力媒体ポンプ35と、を示す。圧力媒体ポンプ35から始まり、持上シリンダ29は、圧力媒体ライン34および圧力媒体接続部32を介して圧力媒体を供給され得る。
【0024】
示される好ましい例示的な実施形態では、本発明による装置20は、支柱33をさらに備える。コネクティングロッド小端部5をコネクティングロッド柄部6に対して持上げた後、支柱33は、特に、持上シリンダ29が意図せず故障したとき、コネクティングロッド小端部5のコネクティングロッド柄部6へ向かう方向の制御されない下方への移動を防止するための保護要素としてコネクティングロッド小端部5に取付可能であり、それにより内燃機関で働く人を負傷のリスクから保護する。
【0025】
コネクティングロッド4が内燃機関に据え付けられた状態で、中間プレート10をコネクティングロッド4のコネクティングロッド小端部5とコネクティングロッド柄部6との間に据え付けるかつ/または取り除くために、上述の装置20を使用して、以下の手順に従う。
【0026】
最初に、ステップa)において、中間プレート10が据え付けられかつ/または取り除かれるシリンダ1のピストン2は、所定の位置に、優先的には下死点へと移動させられる。図2を参照されたい。
【0027】
これに続いて、コネクティングロッド小端部5とコネクティングロッド柄部6との間のねじ接続部は、ステップb)において、外されて取り除かれる。
【0028】
これに続いて、ピボットガード21は、ステップc)において、コネクティングロッド小端部5に取付けられ、優先的には掛け金22は、コネクティングロッド小端部5の対応する外形に掛止または係合する。図2を参照されたい。
【0029】
続いて、装置20の支持部24は、ステップd)において、それぞれのシリンダ1のカウンターウエイト12に、すなわち取付ねじ25を介してそれぞれのシリンダ1のカウンターウエイト12に、取付けられる。図3を参照されたい。
【0030】
これに続いて、ホルダ26は、ステップe)において、支持部24に取付けられ、続くステップf)において、持上シリンダ29は、ホルダ26に取付けられる。図3を参照されたい。
【0031】
これに続いて、コネクティングロッド小端部5は、ステップg)において、コネクティングロッド4のコネクティングロッド柄部6に対して持上げられ得る。図4および図5を参照されたい。
【0032】
優先的には、持上げられた状態における支柱33は、コネクティングロッド小端部5に取付けられ、次いで、コネクティングロッド小端部5は再び下降させられ、コネクティングロッド小端部5は、次に、支柱33を介してコネクティングロッド柄部6上で自立する。コネクティングロッド小端部5とコネクティングロッド柄部6との間の所定の隙間は、次に、形成され、中間プレート10へのアクセスを可能にする。
【0033】
これに続いて、ステップh)において、中間プレート10の取り除きおよび/または据え付けが行われる。第1厚さを有する中間プレート10を第2厚さを有する中間プレート10に交換し、それによりコネクティングロッド4の長さを調整することが可能である。
【0034】
中間プレート10の据え付けおよび/または取り除きに続いて、コネクティングロッド小端部5は、ホルダ33を取外すために、コネクティングロッド柄部6に対して持上げられ得る。
【0035】
それぞれの場合において、持上シリンダ29を介してコネクティングロッド小端部5をコネクティングロッド柄部6に対して下降させることは、中間プレート10を据え付けたかつ取り除いた後の、ステップi)においてそれぞれ行われ、特に、コネクティングロッド小端部5が、中間プレート10の中間配置が適用可能な場合に、コネクティングロッド柄部6上で自立するとき、ステップj)において、ピボットガード21と、持上シリンダ29、ホルダ26および支持部24と、は、次いでステップk)においてコネクティングロッド小端部5とコネクティングロッド柄部6との間にねじ接続部を加えて締めるために、取外される。
【0036】
本発明は、コネクティングロッド4の長さを変更するための、コネクティングロッド4のコネクティングロッド小端部5とコネクティングロッド柄部6との間の中間プレート10の、簡素かつ時間節約の据え付けおよび取り除きを可能にし、それにより特にシリンダ1の圧縮比を適切に調整する。
【符号の説明】
【0037】
3…シリンダライナ、4…コネクティングロッド、5…コネクティングロッド小端部、6…コネクティングロッド柄部、10…中間プレート、12…カウンターウエイト、20…装置、21…ピボットガード、24…支持部、26…ホルダ、29…持上シリンダ、30…取付位置、31…固定フレーム、33…支柱
図1
図2
図3
図4
図5