IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤマハ発動機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-飛行体 図1
  • 特許-飛行体 図2
  • 特許-飛行体 図3
  • 特許-飛行体 図4
  • 特許-飛行体 図5
  • 特許-飛行体 図6
  • 特許-飛行体 図7
  • 特許-飛行体 図8
  • 特許-飛行体 図9
  • 特許-飛行体 図10
  • 特許-飛行体 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】飛行体
(51)【国際特許分類】
   B64C 39/02 20060101AFI20220621BHJP
【FI】
B64C39/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022530873
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(86)【国際出願番号】 JP2021043934
【審査請求日】2022-05-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(74)【代理人】
【識別番号】100085213
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100196623
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 計介
(72)【発明者】
【氏名】野口 純
(72)【発明者】
【氏名】塩見 京輔
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/129254(WO,A1)
【文献】特開2020-111326(JP,A)
【文献】特開2016-88110(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体を構成する機体フレームと、
電動モータ及び前記電動モータで回転駆動されるプロペラを含み、揚力を発生する複数のロータと、
前記電動モータに電力を供給する発電機と、
前記発電機を駆動し、前記プロペラを回転駆動しない発電機用エンジンと、
前記電動モータと前記発電機用エンジンを制御する飛行体制御装置と、
を備えた飛行体であって、
前記機体フレームは、
前記発電機用エンジンを支持するエンジン支持部と、前記複数のロータをそれぞれ支持する複数の支持アームを含むロータ支持部と、を有し、前記エンジン支持部に前記複数の支持アームが連結され、前記機体フレームの所定の弾性振動モードにおいて、前記複数の支持アームの節部に前記ロータがそれぞれ位置している、
飛行体。
【請求項2】
請求項1に記載の飛行体において、
前記複数の支持アームは、
前記エンジン支持部から放射状に延び、前記エンジン支持部に連結されている基端部よりも前記エンジン支持部から離れている位置がリブ部材によって前記エンジン支持部と連結され、前記複数の支持アームにおいて前記リブ部材が連結されている部分に前記ロータがそれぞれ位置している、
飛行体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の飛行体において、
前記機体フレームは、
前記飛行体制御装置を支持する飛行体制御装置支持部を更に有し、前記エンジン支持部に前記御装置支持部が連結され、前記機体フレームの所定の弾性振動モードにおいて、前記飛行体制御装置支持部の節部に前記飛行体制御装置が位置している、
飛行体。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の飛行体において、
前記飛行体制御装置支持部は、
前記ロータの回転軸方向に見て前記エンジン支持部の中心に位置する取付板と、前記取付板よりも高い剛性を有し、前記エンジン支持部から前記取付板をそれぞれ点で支持する複数の支持脚と、から構成され、前記取付板の中心と前記飛行体制御装置の中心とが一致するように前記飛行体制御装置がマウント部材を介して前記取付板に取り付けられる、
飛行体。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の飛行体において、
前記エンジン支持部は、
前記ロータの回転軸方向からみて、前記発電機用エンジンの重心を対称点とする点対称の位置からマウント部材を介して前記発電機用エンジンを支持する、
飛行体。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の飛行体において、
前記複数の支持アームは、
前記エンジン支持部に連結されている基端部から前記ロータを支持している位置を超えて、前記エンジン支持部に対して離れる方向に延びる、
飛行体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のロータを有する電動式のマルチコプターに発電機とエンジンとが搭載されたマルチコプターが知られている。特許文献1に開示されているヘリコプターは、無人のマルチコプターとして構成されている。前記マルチコプターは、機体と、プロペラと電動モータとを含む6台のロータと、バッテリーと、発電機と、発電機用のエンジンとを備えている。前記機体は、前記バッテリー、前記発電機、前記エンジンが搭載されている前記機体の本体部分と、前記ロータが積載されている6本のアーム部分とから構成されている。前記6本のアーム部分は、前記機体の本体部分に放射状に位置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-88110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1に開示されるマルチコプターは、第1電力源であるバッテリーと第2電力源である発電機とエンジンとを有している。前記マルチコプターは、前記バッテリーの残量が閾値以上の場合、前記バッテリーからの電力供給によって前記電動モータを駆動させる。前記マルチコプターは、前記バッテリー残量が閾値よりも少なくなると、前記エンジンによって前記発電機を駆動し、前記バッテリーを充電する。前記発電機を有することで前記マルチコプターは、長時間飛行を実現できる。
【0005】
このような前記マルチコプターは、複数の前記ロータの姿勢を変更することで前記機体の姿勢、位置及び移動方向を制御する。また、前記マルチコプターの前記機体の姿勢制御等は、制御装置に含まれる慣性計測装置が計測した角速度と加速度に基づいて行われる。前記マルチコプターは、外乱等によって前記ロータの姿勢が変動したり、前記慣性計測装置に許容値以上の加速度等が加わったりすると、前記機体の姿勢、位置及び移動方向の制御に影響を及ぼす。
【0006】
従って、前記マルチコプターは、前記エンジンの振動によって前記ロータの姿勢が変動しても前記機体の姿勢に影響がでないように前記各ロータの出力を調整して前記機体の姿勢を制御する必要がある。また、前記マルチコプターは、前記エンジンの振動によって前記慣性計測装置に許容値以上の加速度が生じないように前記慣性計測装置の減振機構を備える必要がある。このように、前記発電機と前記エンジンとが搭載されてるマルチコプター(飛行体)において、前記エンジンの振動が前記飛行体の姿勢、位置及び移動方向に与える影響を抑制する構成が望まれていた。
【0007】
本発明は、発電機と発電機用エンジンとが搭載され、前記発電機から供給される電力によって複数のロータを駆動する飛行体において、前記発電機用エンジンの振動が前記飛行体の姿勢、位置及び移動方向に与える影響を抑制する構成を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、発電機と発電機用エンジンが搭載され、前記発電機から供給される電力によって複数のロータを駆動する飛行体において、前記発電機用エンジンの振動が前記飛行体の姿勢、位置及び移動方向に与える影響を抑制する飛行体の構成について検討した。鋭意検討の結果、本発明者は、以下のような構成に想到した。
【0009】
本発明の一実施形態に係る飛行体は、機体を構成する機体フレームと、電動モータ及び前記電動モータよって回転駆動されるプロペラを含み、揚力を発生する複数のロータと、前記電動モータに電力を供給する発電機と、前記発電機を駆動し、前記プロペラを回転駆動しない発電機用エンジンと、前記電動モータと前記発電機用エンジンを制御する制御装置と、を備えた飛行体である。
【0010】
前記機体フレームは、前記発電機用エンジンを支持するエンジン支持部と、前記複数のロータをそれぞれ支持する複数の支持アームを含むロータ支持部と、を有する。前記エンジン支持部に前記複数の支持アームが連結される。前記機体フレームの所定の弾性振動モードにおいて、前記複数の支持アームの節部分に前記ロータがそれぞれ位置している。
【0011】
上述の構成では、前記機体フレームは、前記発電機用エンジンが駆動している間、前記発電機用エンジンを加振源として加振される。加振された前記機体フレームは、前記機体フレームの構造から定まる所定の固有振動数による振動が励起される。前記機体フレームは、特定の振動形態である弾性振動モードによって振動する。この際、前記発電機用エンジンは、前記プロペラを回転駆動していないので前記飛行体の飛行状態の影響を受けにくい。また、前記発電機用エンジンは、ほぼ一定のエンジン回転数で稼働している。従って、前記機体フレームの弾性振動モードは、前記発電機用エンジンのエンジン回転数が一定なので、飛行体の飛行状態によって変化しない。
【0012】
所定の弾性振動モードによって振動する機体フレームには、振幅値が最大になる腹を含む腹部と振幅値が最小になる節を含む節部とが生じる。前記ロータは、所定の弾性振動モードによって振動する前記機体フレームの前記ロータ支持部において、振幅値が最小である節を含む節部に位置している。前記機体フレームは、弾性振動モードが飛行状態によって変化しないので、前記節部の位置が変化しない。従って、前記ロータは、前記ロータ支持部の振動による姿勢変化を抑制することができる。これにより、前記発電機から供給される電力によって前記複数のロータを駆動する飛行体において、前記発電機用エンジンの振動が前記飛行体の姿勢、位置及び移動方向に与える影響を抑制することができる。
【0013】
他の観点によれば、本発明の飛行体は、以下の構成を含むことが好ましい。前記複数の支持アームは、前記エンジン支持部から放射状に延び、前記エンジン支持部に連結されている基端部よりも前記エンジン支持部から離れている位置がリブ部材によって前記エンジン支持部と連結される。前記複数の支持アームにおいて前記リブ部材が連結されている部分に前記ロータがそれぞれ位置している。
【0014】
上述の構成では、前記ロータが位置している部分は、前記リブ部材によって前記エンジン支持部に連結されている。つまり、前記ロータ支持部は、前記支持アームと前記リブ部材によって前記ロータを支持している。これにより、前記ロータ支持部は、前記支持アームにおける前記エンジン支持部に接続されている前記基端部から前記リブ部材が接続されている位置までの部分の剛性が向上する。
【0015】
従って、前記ロータ支持部において前記リブ部材が連結されている位置は、前記リブ部材によって振動の発生が抑制されるので、所定の弾性振動モードにおける節部になる。前記ロータは、前記節部に位置しているので、前記ロータ支持部の振動による姿勢変化を最小限にすることができる。これにより、前記発電機から供給される電力によって前記複数のロータを駆動する前記飛行体において、前記発電機用エンジンの振動が前記飛行体の姿勢、位置及び移動方向に与える影響を抑制することができる。
【0016】
他の観点によれば、本発明の飛行体は、以下の構成を含むことが好ましい。前記機体フレームは、前記飛行体制御装置を支持する飛行体制御装置支持部を更に有する。前記エンジン支持部に前記御装置支持部が連結される。前記機体フレームの所定の弾性振動モードにおいて、前記飛行体制御装置支持部の節部に前記飛行体制御装置が位置している。
【0017】
上述の構成では、前記飛行体制御装置は、所定の弾性振動モードによって振動する前記機体フレームの前記飛行体制御装置支持部において、振幅値が最小である節を含む節部に位置している。従って、前記飛行体制御装置支持部の振動により前記飛行体制御装置に生じる加速度を抑制することができる。前記飛行体制御装置に前記飛行体の姿勢制御を行うための慣性計測装置が含まれる場合、前記飛行体制御装置支持部の振幅値が最小である節を含む節部に前記飛行体制御装置が位置することで前記慣性計測装置による角速度と加速度の計測精度が向上する。これにより、前記発電機から供給される電力によって前記複数のロータを駆動する飛行体において、前記発電機用エンジンの振動が前記飛行体の姿勢、位置及び移動方向に与える影響を抑制することができる。
【0018】
他の観点によれば、本発明の飛行体は、以下の構成を含むことが好ましい。前記飛行体制御装置支持部は、前記ロータの回転軸方向に見て前記エンジン支持部の中心に位置する取付板と、前記板状部材よりも高い剛性を有し、前記エンジン支持部から前記取付板をそれぞれ点で支持する複数の支持脚と、から構成される。前記取付板の中心と前記飛行体制御装置の中心とが一致するように前記飛行体制御装置がマウント部材を介して前記取付板に取り付けられている。
【0019】
上述の構成では、前記飛行体制御装置支持部の取付板は、前記取付板よりも高い剛性を有する複数の支持脚によって複数点が支持されている。さらに、前記取付板は、前記ロータの回転軸方向に見て前記エンジン支持部の中心に位置している。前記飛行体制御装置支持部は、前記複数の支持脚よりも剛性が低い前記取付板において、所定の弾性振動モードでの振動が励起される。
【0020】
所定の弾性振動モードでの振動が励起された前記取付板は、前記複数の支持脚を介して波長、周波数、振幅が同じで進行方向が互いに逆向きの振動が伝達された場合、前記取付板の前記支持脚が接続されている部分と前記取付板の中心とが振動の節になる振動形態として振動する。前記飛行体制御装置は、前記取付板の節になる部分に前記マウント部材を介して位置しているので、前記取付板の振動によって生じる加速度が抑制される。従って、前記飛行体制御装置に飛行体の姿勢制御を行うための慣性計測装置が含まれる場合、前記慣性計測装置による角速度と加速度の計測精度が向上する。これにより、前記発電機から供給される電力によって前記複数のロータを駆動する前記飛行体において、前記発電機用エンジンの振動が前記飛行体の姿勢、位置及び移動方向に与える影響を抑制することができる。
【0021】
他の観点によれば、本発明の飛行体は、以下の構成を含むことが好ましい。前記エンジン支持部は、前記ロータの回転軸方向からみて、前記発電機用エンジンの重心を対称点とする点対称の位置からマウント部材を介して前記発電機用エンジンを支持する。
【0022】
上述の構成では、前記エンジン支持部は、前記ロータの軸方向視で、前記発電機用エンジンの重心を対称点とする点対称になる位置から前記発電機用エンジンを支持している。つまり、前記エンジン支持部は、最も大きい加振力が発生する前記発電機用エンジンのクランク軸回りのモーメントを受け止めるように構成されている。また、前記エンジン支持部は、前記マウント部材を介して前記発電機用エンジンを支持しているので、前記発電機用エンジンからの振動を減衰させることができる。これにより、前記発電機から供給される電力によって前記複数のロータを駆動する前記飛行体において、前記発電機用エンジンの振動が前記飛行体の姿勢、位置及び移動方向に与える影響を抑制することができる。
【0023】
他の観点によれば、本発明の飛行体は、以下の構成を含むことが好ましい。前記複数の支持アームは、前記エンジン支持部に連結されている前記基端部から前記ロータを支持している位置を超えて、前記エンジン支持部に対して離れる方向に延びる。
【0024】
上述の構成では、前記支持アームにおいて、前記エンジン支持部に連結されている基端部から前記ロータを支持している位置までの部分と、前記ロータを支持している位置から先端部までの部分とが前記ロータを挟むように位置している。前記機体フレームが所定の弾性振動モードによって振動する際、前記支持アームにおける前記エンジン支持部に連結されている基端部から前記ロータを支持している位置までの部分と、前記ロータを支持している位置から先端部までの部分とは、腹部として振動する。また、前記支持アームにおける前記ロータを支持している位置は、節部として振動する。従って、前記ロータは、前記ロータ支持部の振動による姿勢変化を抑制することができる。これにより、前記発電機から供給される電力によって前記複数のロータを駆動する飛行体において、前記発電機用エンジンの振動が前記飛行体の姿勢、位置及び移動方向に与える影響を抑制することができる。
【0025】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態のみを定義する目的で使用されるのであって、前記専門用語によって発明を制限する意図はない。
【0026】
本明細書で使用される「及び/または」は、一つまたは複数の関連して列挙された構成物のすべての組み合わせを含む。
【0027】
本明細書において、「含む、備える(including)」「含む、備える(comprising)」または「有する(having)」及びそれらの変形の使用は、記載された特徴、工程、操作、要素、成分、及び/または、それらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/または、それらのグループのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0028】
本明細書において、「取り付けられた」、「接続された」、「結合された」、及び/または、それらの等価物は、広義の意味で使用され、“直接的及び間接的な”取り付け、接続及び結合の両方を包含する。さらに、「接続された」及び「結合された」は、物理的または機械的な接続または結合に限定されず、直接的または間接的な電気的接続または結合を含むことができる。
【0029】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
【0030】
一般的に使用される辞書に定義された用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されることはない。
【0031】
本発明の説明においては、いくつもの技術および工程が開示されていると理解される。これらの各々は、個別の利益を有し、他に開示された技術の1つ以上、または、場合によっては全てと共に使用することもできる。
【0032】
したがって、明確にするために、本発明の説明では、不要に個々のステップの可能な組み合わせをすべて繰り返すことを控える。しかしながら、本明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせがすべて本発明の範囲内であることを理解して読まれるべきである。
【0033】
本明細書では、本発明に係る飛行体の実施形態について説明する。
【0034】
以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な例を述べる。しかしながら、当業者は、これらの具体的な例がなくても本発明を実施できることが明らかである。
【0035】
よって、以下の開示は、本発明の例示として考慮されるべきであり、本発明を以下の図面または説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
【0036】
[飛行体]
本明細書において、飛行体とは、複数のロータを有するマルチコプターを意味する。前記複数のロータの回転軸は、鉛直方向に向けられている。前記複数のロータは、電動モータによって駆動される。また、前記飛行体は、少なくとも発電機を搭載し、前記発電機が発電した電力を前記電動モータに供給可能に構成されている。
【0037】
[飛行体制御装置]
本明細書において、飛行体制御装置とは、前記飛行体の位置、速度、姿勢、移動方向等を制御するコンピュータである。前記制御装置には、前記飛行体の姿勢等を制御するために慣性計測装置(IMU:inertial measurement unit)を含む。慣性計測装置は、角速度と加速度を検出する。
【0038】
[弾性振動モード]
本明細書において、弾性振動モードとは、振動する物体内における複数の点の位置が相対的に変位する振動における振動形態をいう。すなわち、前記弾性振動モードとは、物体の形状が変化する振動における変化のパターンを言う。本明細書において、機体フレームの弾性振動モードは、前記機体フレームの形状、質量、縦弾性係数等によって定まる。前記機体フレームの弾性振動モードは、前記機体フレームに搭載されている発電機用エンジンを加振源とした場合の前記機体フレームの振動形態を言う。前記機体フレームは、前記発電機用エンジンのエンジン回転数が所定の範囲内であれば同一の振動形態として振動する。
【0039】
[剛性]
本明細書において、剛性とは、物体に曲げ、捩じりの外力が加わった際に物体の変形のし難さ、度合いをいう。すなわち、前記剛性とは、単位変形が生じるために必要な力である。単位変形が生じるために必要な力が大きい場合、剛性が高いと記す。物体は、前記剛性が高くなると振動し難くなる。
【0040】
[マウント部材]
本明細書において、マウント部材とは、発電機用エンジンおよび飛行体制御装置を支持するとともに、機体フレームから前記飛行体制御装置に伝達される運動エネルギー(振動)を減衰させる。また、前記発電機用エンジンから前記機体フレームに伝達される運動エネルギー(振動)を減衰させる。
【0041】
[機体フレーム]
本明細書において、飛行体の機体フレームとは、発電機用エンジン、発電機、前記複数のロータ及び前記飛行体制御装置等を支持する部材である。前記機体フレームは、パイプ部材が回転不能に組み合わせたラーメン構造として構成されている。なお、前記機体フレームは、前記ラーメン構造にかぎらず、外殻部材によって強度を維持するモノコック構造でもよい。前記機体フレームは、前記発電機用エンジンを支持するエンジン支持部と前記ロータを支持するロータ支持部とから構成されている。
【0042】
[節部]
本明細書において、節部とは、機体フレームが所定の弾性振動モードによって振動した際に、前記機体フレームの振幅値が最小になる部分を含む範囲をいう。前記機体フレームが所定の弾性振動モードによって振動する場合、前記機体フレームは、所定の固有振動数において振動する。前記節部は、前記機体フレームの固有振動数の波長の1/2毎に生じる。前記節部は振幅が最小になる節を含む。
【0043】
[腹部]
本明細書において、腹部とは、機体フレームが所定の弾性振動モードによって振動した際に、前記機体フレームの振幅値が最大になる部分を含む範囲をいう。
【0044】
[位相]
本明細書において、位相とは、ある時刻において、振動する物体の振動の過程がどの段階にあるかを指し示す変数である。前記位相は、振動現象において、1周期中の位置を示す無次元量であり角度で表される。二つの振動する物体の位相が同じ場合、ある時刻における二つの前記物体の1周期中の位置は同一になる。複数の振動する物体の位相が逆である場合、ある時刻における複数の前記物体の1周期中の位置は180度ずれた位置になる。
【発明の効果】
【0045】
本発明の一実施形態によれば、発電機と、前記発電機用エンジンとが搭載され、前記発電機から供給される電力によって複数のロータを駆動する飛行体において、前記発電機用エンジンの振動が前記飛行体の姿勢、位置及び移動方向に与える影響を抑制する構成を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1図1は、本発明の実施形態1に係る飛行体の斜視図を示す。
図2図2は、本発明の実施形態1に係る飛行体の平面図を示す。
図3図3は、本発明の実施形態1に係る飛行体の側面図を示す。
図4図4は、本発明の実施形態1に係る飛行体の部分平面図を示す。
図5図5は、本発明の実施形態1に係る飛行体の部分側面図を示す。
図6図6は、本発明の実施形態1に係る飛行体の振動形態を表す模式図を示す。
図7図7は、本発明の実施形態1に係る飛行体の振動形態における節部を表す模式図を示す。
図8図8は、本発明の実施形態2に係る飛行体の部分平面図を示す。
図9図9は、本発明の実施形態2に係る飛行体の部分側面図を示す。
図10図10は、本発明の実施形態2に係る飛行体の振動形態を表す模式図を示す。
図11図11は、本発明の実施形態2に係る飛行体の振動形態における節部を表す模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下で、各実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図において、同一部分には同一の符号を付して、その同一部分の説明は繰り返さない。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0048】
[実施形態1]
<飛行体1の全体構成>
図1から図5を用いて本発明の実施形態1に係る飛行体1について説明する。図1は、飛行体1の斜視図である。図2は、飛行体1の平面図である。図3は、飛行体1の側面図である。図4は、飛行体1に搭載されている発電機用エンジン6の支持部分を示す部分平面図である。図5は、飛行体1に搭載されている発電機用エンジン6の支持部分を示す部分側面図である。
【0049】
図1から図3に示すように、本発明の実施形態1に係る飛行体1は、複数のロータ8によって飛行するマルチコプターである。飛行体1は、無線による遠隔操縦及び各種センサによる自立飛行が可能に構成されている。飛行体1は、機体フレーム2、発電機5、発電機用エンジン6、バッテリー6a、6つのロータ8及び飛行体制御装置10を備える。
【0050】
機体フレーム2は、飛行体1を構成する発電機5、発電機用エンジン6、図示しないバッテリー6a、プロペラ8bを含むロータ8及び飛行体制御装置10を支持する。機体フレーム2は、エンジン支持部3、ロータ支持部4を備える。機体フレーム2は、例えば、アルミニウム合金製のパイプ材から構成されている。
【0051】
エンジン支持部3は、発電機用エンジン6を支持する部分である。エンジン支持部3は、環状の第1枠体3a、環状の第2枠体3b、第1枠体3aと第2枠体3bとを連結する複数の支柱3cを有する。第1枠体3aと第2枠体3bとは、正六角形に形成されている。第1枠体3aと第2枠体3bとは、中心、各辺及び各頂点が互いに重複するように位置している。第1枠体3aと第2枠体3bとは、対向する頂点同士が支柱3cでそれぞれ連結されている。このように、エンジン支持部3は、六角柱状に形成されている。
【0052】
なお、以下の説明において、第1枠体3aは、6つの頂点のうち任意の頂点を第1頂点3a1とし、反時計回りに第2頂点3a2、第3頂点3a3、・・・第6頂点3a6と規定する。第2枠体3bは、6つの頂点のうち第1枠体3aと対向する頂点を第1頂点3b1とし、反時計回りに第2頂点3b2、第3頂点3b3、・・・第6頂点3b6と規定する。
【0053】
第1枠体3aは、第1枠体3aの第1頂点3a1と第3頂点3a3とに連結された第1エンジン搭載台3dを有する。さらに、第1枠体3aは、第1枠体3aの第4頂点3a4と第6頂点3a6とに連結された第2エンジン搭載台3fを有する。第1エンジン搭載台3dと第2エンジン搭載台3fとは、第1枠体3aと第2枠体3bとの間に位置している。また、第1エンジン搭載台3dと第2エンジン搭載台3fとは、第1枠体3aから第2枠体3bに向かって盛り上がる台形状に形成されている。
【0054】
第1エンジン搭載台3dは、第2枠体3bの第1頂点3b1と第3頂点3b3に補強部材によって連結されている。第2エンジン搭載台3fは、第2枠体3bの第4頂点3b4と第6頂点3b6に補強部材によって連結されている。これにより、第1エンジン搭載台3dは、第1枠体3aの第1頂点3a1と第3頂点3a3とを結ぶ方向の剛性が向上している。同様に、第2エンジン搭載台3fは、第1枠体3aの第4頂点3b4と第6頂点3b6とを結ぶ方向の剛性が向上している。
【0055】
第1エンジン搭載台3dは、発電機用エンジン6が取り付けられる2つの傾斜面3eを有している。2つの傾斜面3eは、第1エンジン搭載台3dの中央部分が第1枠体3aに向かって凹むことで形成されている。2つの傾斜面3eは、互いに対向するように形成されている。第2エンジン搭載台3fは、発電機用エンジン6が取り付けられる2つの傾斜面3gを有している。2つの傾斜面3gは、第2エンジン搭載台3fの中央部分が第1枠体3aに向かって凹むことで形成されている。2つの傾斜面3gは、互いに対向するように位置している。
【0056】
ロータ支持部4は、ロータ8を支持する部分である。ロータ支持部4は、6本の支持アーム4aと6本のリブ部材4bとを有する。各支持アーム4aの基端部は、エンジン支持部3の第2枠体3bの第1頂点3b1から第6頂点3b6にそれぞれ連結されている。各支持アーム4aは、第2枠体3bの各頂点から放射状に延びるように位置している。
【0057】
各支持アーム4aは、ロータ8が位置する部分を各リブ部材4bによってエンジン支持部3から支持されている。リブ部材4bの先端部は、支持アーム4aに連結されている。リブ部材4bの基端部は、支持アーム4aが連結されている第2枠体3bの頂点と対向する第1枠体3aの頂点に連結されている。例えば、第2枠体3bの第1頂点3b1に連結されている支持アーム4aは、第1枠体3aの第1頂点3a1に連結されているリブ部材4bによって支持されている。
【0058】
上述の構成により、各支持アーム4aの基端部からロータ8を支持している位置までの部分は、リブ部材4bとエンジン支持部3の支柱3cとによって閉領域が形成される。従って、各支持アーム4aは、支柱3cの軸方向における剛性が向上している。各支持アーム4aは、エンジン支持部3に連結されている基端部からロータ8を支持している位置を超えて、エンジン支持部3に対して離れる方向に延びている延伸部4cを有する。延伸部4cは、支持アーム4aにおけるロータ8を支持している位置からエンジン支持部3に対して離れる方向に延びている。各延伸部4cの先端部である各支持アーム4aの先端部には、ロータ8と障害物との接触を防止するロータガード4dが位置している。
【0059】
発電機5は、外部からの動力によって発電する発電機である。発電機5は、例えば交流発電機である。発電機5は、バッテリー6aに充電するために発電した交流電流を直流電流に変換して出力する。発電機5は、発電機用エンジン6に連結されている。
【0060】
発電機用エンジン6は、発電機5を駆動する動力源である。発電機用エンジン6は、図示しないクランク軸に図示しないコンロッドを介して図示しないピストンが連結されている。発電機用エンジン6は、前記ピストンを往復運動させて前記クランク軸を回転運動させる。発電機用エンジン6は、例えば、2気筒の水平対向エンジンである。発電機用エンジン6の前記クランク軸(出力軸)の両端部には、発電機5がそれぞれ機械的に連結されている。つまり、発電機用エンジン6には、2台の発電機5が機械的に連結されている。一方、発電機用エンジン6は、ロータ8に機械的に連結されていない。つまり、発電機用エンジン6は、外部に機械的な動力を伝達する動力取出し機構を有さない。発電機用エンジン6は、前記クランク軸の回転運動によって2台の発電機5を駆動する。また、発電機5と発電機用エンジン6とは、図示しない発電機制御装置とエンジン制御装置とによって、外部からの電力指令、発電量及びバッテリー6aの残量等に基づいて制御が行われる。
【0061】
図4図5とに示すように、発電機用エンジン6は、エンジン支持部3の第1エンジン搭載台3dと第2エンジン搭載台3fとに搭載されている。発電機用エンジン6において、発電機5が連結されている両端部のうち一方の端部が第1エンジン搭載台3dの傾斜面3eにエンジン用マウント部材7を介して連結されている。また、発電機用エンジン6において発電機5が連結されている両端部のうち他方の端部が第2エンジン搭載台3fの傾斜面3gにエンジン用マウント部材7を介して連結されている。
【0062】
発電機用エンジン6は、第1エンジン搭載台3dの2つの傾斜面3eの間、及び第2エンジン搭載台3fの2つの傾斜面3gの間にクランク軸の回転軸線Cが位置するように位置している。この際、発電機用エンジン6は、エンジン支持部3における第2枠体3bの第2頂点3b2と第5頂点3b5とを結ぶ方向にクランク軸の回転軸線Cを向けた状態においてエンジン支持部3に支持されている。
【0063】
また、傾斜面3eのエンジン用マウント部材7と傾斜面3gのエンジン用マウント部材7とは、エンジン支持部3の支柱3cの軸方向(ロータ8の回転軸方向)に見て、発電機用エンジン6の重心を対称点とする点対称に位置している。つまり、発電機用エンジン6は、発電機用エンジン6のクランク軸の回転軸線Cと、回転軸線Cに直交し、且つ発電機用エンジン6の重心位置を通る分割線とによって分割された4つの領域にそれぞれ位置している4つのエンジン用マウント部材7によって支持されている。この際、各エンジン用マウント部材7を一つの弾性体とみなした場合の弾性中心は、発電機5と発電機用エンジン6とを含む物体の重心に一致している。これにより、エンジン用マウント部材7は、発電機用エンジン6の自重と、発電機用エンジン6のクランク軸の回転により生じるクランク軸回りの回転モーメントと、の両方を各エンジン用マウント部材7が略均等に受け止めることができる。エンジン用マウント部材7は、例えば円筒状のゴムマウント部材である。
【0064】
図1に示すように、バッテリー6aは、発電機5が発電した電力を蓄電する。バッテリー6aは、例えばリチウムイオンバッテリーである。バッテリー6aは、機体フレーム2のエンジン支持部3に2台搭載されている。バッテリー6aは、発電機用エンジン6の回転軸線Cの方向に並んで位置している。2台のバッテリー6aの間には、発電機用エンジン6が位置している。2台のバッテリー6aは、発電機5と発電機用エンジン6との重心が2台のバッテリー6aの中央に位置している。また、2台のバッテリー6aは、発電機用エンジン6に近接した状態で位置している。
【0065】
このようにバッテリー6aは、飛行体1における重量バランスが均等になる範囲に位置している。また、バッテリー6aは、始動時、低気温時においてバッテリー6aの温度が低温状態であっても、発電機用エンジン6の輻射熱によって暖められる範囲に位置している。これにより、バッテリー6aは、低温時における低温放電特性を向上させることができる。バッテリー6aは、発電機5によって充電される。バッテリー6aは、ロータ8の電動モータ8a、飛行体制御装置10等に電力を供給する。
【0066】
ラジエータ6bは、発電機用エンジン6の冷却水を冷却する。ラジエータ6bは、エンジン支持部3に搭載されている。ラジエータ6bには、図示しない冷却ファンが設けられている。これにより、ラジエータ6bは、飛行体が移動していない状態でも発電機用エンジン6の冷却水を冷却することができる。
【0067】
図1から図3に示すように、ロータ8は、プロペラ8b(ブレード)を回転駆動することにより揚力を発生させる装置である。ロータ8は、ロータ支持部4における6つの支持アーム4aにそれぞれ位置している。6つのロータ8は、電動モータ8aとプロペラ8bとインバータ8cとを有する。各電動モータ8aは、各支持アーム4aにおいてリブ部材4bが連結されている部分にそれぞれ連結されている。つまり、各電動モータ8aは、支持アーム4aとリブ部材4bとによって支持されている。
【0068】
各電動モータ8aは、エンジン支持部3の第1枠体3aから第2枠体3bに向かう支柱3cの軸方向に出力軸を向けて各支持アーム4aに位置している。各電動モータ8aの出力軸には、プロペラ8bが固定されている。これにより、ロータ8は、電動モータ8aによってプロペラ8bを回転させることにより、エンジン支持部3の支柱3cの軸方向に揚力を発生させる。なお、本実施形態において、ロータ8は、エンジン支持部3の第1枠体3aから第2枠体3bに向かう支柱3cの軸方向に揚力を発生させると規定する。つまり、飛行体1は、第1枠体3aから第2枠体3bに向かう支柱3cの軸方向を上方向として規定する。
【0069】
インバータ8cは、電動モータ8aに制御信号に応じた電流を供給する制御機器である。インバータ8cは、電動モータ8a毎に設けられてる。インバータ8cは、各支持アーム4aに位置している。また、インバータ8cは、プロペラ8bのダウンウォッシュ(プロペラ8bの回転時に下方向に吹き下ろす気流)が通過する範囲に位置している(図2における2点鎖線の範囲)。これにより、インバータ8cは、電動モータ8aに電流を供給している間、ダウンウォッシュにより冷却される。
【0070】
このように構成される飛行体1は、バッテリー6aから供給される電力によって発電機用エンジン6、ロータ8、飛行体制御装置10及び各種センサ等を駆動させる。飛行体1は、外部からの電力指令、発電量及びバッテリー6aの残量等に基づいてバッテリー6aを充電する。飛行体1は、飛行体制御装置によって6つのロータ8の回転速度を独立して変更することで、任意の方向に任意の速度で移動することができる。
【0071】
<エンジン支持部の振動形態>
次に、図2から図7を用いて、発電機用エンジン6が作動中の飛行体1における機体フレーム2の振動形態について説明する。図6は、機体フレーム2が所定の弾性振動モードによって振動している際のある位相角αにおける振動形態と、位相角αから位相が180度ずれた位相角βにおける振動形態を示す斜視図である。図7は、機体フレーム2が所定の弾性振動モードによって振動している際のロータ支持部4における節部Xを示す斜視図である。なお、以下の実施形態において、発電機用エンジン6は、2400rpm-6000rpmの回転数において回転しているとする。
【0072】
図6に示すように、水平対向エンジンである発電機用エンジン6は、ピストンの往復運動により、クランク軸が連続的に回転される。この際、発電機用エンジン6には、ピストンの往復運動によりクランク軸回りの回転モーメントが発生する。発電機用エンジン6が支持されている機体フレーム2は、発電機用エンジン6から発生するクランク軸回りの回転モーメントが加振源となって所定の固有振動数の振動が励起される。機体フレーム2のエンジン支持部3、ロータ支持部4は、固有振動数毎の振動形態である弾性振動モードによって振動する。
【0073】
以下に、機体フレーム2が所定の弾性振動モードによって振動している際のエンジン支持部3の振動形態について説明する。
【0074】
図2から図5に示すように、機体フレーム2のエンジン支持部3は、第1エンジン搭載台3d及び第2エンジン搭載台3fの傾斜面3e、3gに設けられたエンジン用マウント部材7によって発電機用エンジン6を支持し、且つ発電機用エンジン6のクランク軸の回転により生じるクランク軸回りの回転モーメントを受け止める。また、エンジン支持部3は、エンジン用マウント部材7によって減衰された振動が伝達される。
【0075】
図6に示すように、第1エンジン搭載台3d及び第2エンジン搭載台3fに発電機用エンジン6からの振動が伝達されると、第1エンジン搭載台3dの一方の端部が連結されている第1枠体3aの第1頂点3a1、第1エンジン搭載台3dの一方の端部の補強部材が連結されている第2枠体3bの第1頂点3b1、第2エンジン搭載台3fの一方の端部が連結されている第1枠体3aの第6頂点3a6、及び第2エンジン搭載台3fの一方の端部の補強部材が連結されている第2枠体3bの第6頂点3b6を含む部分は、同じ位相によって振動する。
【0076】
同様に、機体フレーム2のエンジン支持部3において、第1エンジン搭載台3d及び第2エンジン搭載台3fに発電機用エンジン6からの振動が伝達されると、第1エンジン搭載台3dの他方の端部が連結されている第1枠体3aの第3頂点3a3、第1エンジン搭載台3dの他方の端部の補強部材が連結されている第2枠体3bの第3頂点3b3、第2エンジン搭載台3fの他方の端部が連結されている第1枠体3aの第4頂点3a4、及び第2エンジン搭載台3fの他方の端部の補強部材が連結されている第2枠体3bの第4頂点3b4を含む部分は、同じ位相によって振動する。
【0077】
一方、機体フレーム2のエンジン支持部3において、第1枠体3aの第2頂点3a2、第2枠体3bの第2頂点3b2、第1枠体3aの第5頂点3a5、及び第2枠体3bの第5頂点3b5は、第1エンジン搭載台3d及び第2エンジン搭載台3fに発電機用エンジン6からの振動が伝達されてもほとんど振動していない。
【0078】
第1枠体3aの第1頂点3a1及び第6頂点3a6、第2枠体3bの第1頂点3b1及び第6頂点3b6を含む部分と、第1枠体3aの第3頂点3a3及び第4頂点3a4、第2枠体3bの第3頂点3b3及び第4頂点3b4を含む部分とは、ほとんど振動していない第1枠体3aの第2頂点3a2と第5頂点3a5とを結ぶ線、及び第2枠体3bの第2頂点3b2と第5頂点3b5とを結ぶ線を中心線として互いに逆の位相(位相が180度ずれた状態)によって振動する。
【0079】
図6図7とに示すように、上述の振動形態において振動しているエンジン支持部3において、第1枠体3aの第1頂点3a1及び第6頂点3a6、第2枠体3bの第1頂点3b1及び第6頂点3b6を含む部分と、第1枠体3aの第3頂点3a3及び第4頂点3a4、第2枠体3bの第3頂点3b3及び第4頂点3b4を含む部分とは、振幅値が最大である腹の部分を含む腹部Y1になる。また、第1枠体3aの第2頂点3a2、第2枠体3bの第2頂点3b2、第1枠体3aの第5頂点3a5及び第2枠体3bの第5頂点3b5は、振幅値が最小である節を含む節部X1になる。
【0080】
このように構成されるエンジン支持部3は、ロータ8の回転軸方向に見て、発電機5と発電機用エンジン6とを含む重心を対称点とする点対称に位置している傾斜面3eのエンジン用マウント部材7と傾斜面3gのエンジン用マウント部材7によって支持されている。つまり、エンジン支持部3は、発電機用エンジン6において最も大きい加振力であるクランク軸回りのモーメントを、前記クランク軸を囲むように位置するエンジン用マウント部材7によって受け止めるように構成されている。また、エンジン支持部3は、エンジン用マウント部材7を介して発電機用エンジン6を支持しているので、発電機用エンジン6からの振動を減衰させることができる。これにより、発電機5から供給される電力によって複数のロータ8を駆動する飛行体1において、発電機用エンジン6の振動が飛行体1の姿勢、位置及び移動方向に与える影響を抑制することができる。
【0081】
<ロータ支持部4の振動形態>
以下に、機体フレーム2が所定の弾性振動モードによって振動している際のロータ支持部4の振動形態について説明する。
【0082】
ロータ支持部4において、第2枠体3bの第1頂点3b1に連結されている支持アーム4aの基端部及び第1枠体3aの第1頂点3a1に連結されているリブ部材4bの基端部は、第2枠体3bの第1頂点3b1と第1枠体3aの第1頂点3a1と共に振動する。この際、支持アーム4aのロータ8を支持する位置であってリブ部材4bが連結されている位置から先端部までの延伸部4cの剛性は、支持アーム4aの基端部から支持アーム4aのリブ部材4bが連結されている位置までの部分の剛性よりも小さい。従って、支持アーム4aは、延伸部4cの振幅が増幅される。また、支持アーム4aは、延伸部4cの振動の反力を支持アーム4aとリブ部材4bとによって受け止めるため、リブ部材4bが連結されている位置での振動が抑制される。これにより、支持アーム4aのリブ部材4bが連結されている位置は、所定の弾性振動モードによって振動している支持アーム4aにおける振幅値が最小である節を含む節部X2になる。
【0083】
同様に、第2枠体3bの第6頂点3b6に連結されている支持アーム4aのリブ部材4bが連結されている位置、第2枠体3bの第3頂点3b3に連結されている支持アーム4aのリブ部材4bが連結されている位置、及び第2枠体3bの第4頂点3b4に連結されている支持アーム4aのリブ部材4bが連結されている位置は、所定の弾性振動モードによって振動している支持アーム4aにおける振幅値が最小である節を含む節部X2になる。また、エンジン支持部3において、振幅値が最小である節を含む節部X1になる第2枠体3bの第2頂点3b2、及び第2枠体3bの第5頂点3b5に連結されている支持アーム4aは、ほとんど振動しない。
【0084】
このように構成されるロータ支持部4は、各支持アーム4aのリブ部材4bが連結されている部分に各ロータ8が位置している(図1から図3参照)。従って、ロータ支持部4のロータ8が支持されている位置は、振動の発生が抑制されるので、所定の弾性振動モードによって振動している際に節部X2になる。つまり、ロータ8は、発電機用エンジン6の振動によって飛行体1の機体フレーム2に所定の弾性振動モードが励起されても、支持アーム4aの振動によるロータ8の姿勢変化を抑制することができる。これにより、発電機5から供給される電力によって複数のロータ8を駆動する飛行体1において、発電機用エンジン6の振動が飛行体1の姿勢、位置及び移動方向に与える影響を抑制することができる。
【0085】
[実施形態2]
<飛行体制御装置支持部9の構成>
図8図9とを用いて、本発明の実施形態2に係る飛行体1Aについて説明する。図8は、本発明の実施形態2に係る飛行体1Aの部分平面図である。図9は、本発明の実施形態2に係る飛行体1Aの部分側面図である。なお、以下の実施形態において、既に説明した実施形態と同様の点に関してはその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
【0086】
本発明の実施形態2に係る機体フレーム2は、飛行体制御装置支持部9を備える。
【0087】
飛行体制御装置支持部9は、飛行体制御装置10を支持する部分である。飛行体制御装置支持部9は、4本の支持脚と取付板9eとを有する。4本の支持脚は、第2枠体3bの第1頂点3b1と第2頂点3b2とに連結される第1支持脚9aと、第2枠体3bの第2頂点3b2と第3頂点3b3に連結される第2支持脚9bと、第2枠体3bの第4頂点3b4と第5頂点3b5に連結される第3支持脚9cと、第2枠体3bの第5頂点3b5と第6頂点3b6に連結される第4支持脚9dと、を含む。このように、4本の支持脚は、複数の頂点を部材によって結合することで三角形の構造が構成されている。すなわち、4本の支持脚は、トラス構造によって構成されている。
【0088】
取付板9eは、飛行体制御装置10を支持する板部材である。取付板9eは、長方形状に形成されている。取付板9eの長辺と短辺とが交わる4箇所の角部分の近傍には、第1支持脚9aから第4支持脚9dがそれぞれ連結されている。すなわち、取付板9eは、第1支持脚9aから第4支持脚9dによって4点支持されている。
【0089】
取付板9eは、エンジン支持部3における支柱3cの軸方向からみてエンジン支持部3の中心に位置している。また、取付板9eは、ロータ8の回転軸方向に見て、第2枠体3bの第1頂点3b1と第3頂点3b3とを結ぶ方向と取付板9eの長手方向とが一致するように位置している。つまり、取付板9eは、ロータ8の回転軸方向に見て、発電機用エンジン6のクランク軸の回転軸線Cと取付板9eの長辺とが直交するように位置している。これにより、取付板9eは、第1支持脚9aと第2支持脚9bとが長手方向に対向する位置に連結され、第3支持脚9cと第4支持脚9dとが長手方向に対向する位置に連結される。
【0090】
飛行体制御装置10は、外部からの制御信号等に基づいて、飛行体1Aの位置、姿勢、速度、飛行方向等を制御する装置である。飛行体制御装置10は、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスによって接続される構成であってもよい。また、飛行体制御装置10は、ワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。飛行体制御装置10は、各ロータ8の回転速度、発電機用エンジン6、発電機5、バッテリー6a、計測装置等の動作を制御するために種々のプログラム、データが格納されている。
【0091】
飛行体制御装置10は、飛行体制御装置支持部9の取付板9eと略同一の長方形状の基板10aに固定されている。飛行体制御装置10は、基板10aの中心部分に位置している。飛行体制御装置10を含む基板10aは、機体フレーム2の飛行体制御装置支持部9に搭載されている。飛行体制御装置10を含む基板10aは、ロータ8の回転軸方向に見て、基板10aの中心と取付板9eの中心とが重複して位置している。更に、飛行体制御装置10を含む基板10aは、基板10aと取付板9eとの長辺同士及び短辺同士がエンジン支持部3の支柱3cの軸方向からみて重複して位置している。基板10aは、飛行体制御装置用マウント部材11を介して取付板9eに連結されている。飛行体制御装置用マウント部材11は、取付板9eの長辺と短辺とが交わる4箇所の角部分の近傍に位置している。
【0092】
飛行体制御装置10には、慣性計測装置、方位センサ、高度センサが含まれる。慣性計測装置は、飛行体1Aの3軸の角速度、角加速度を計測する装置である。慣性計測装置は、飛行中の飛行体1Aの各速度、及び角加速度を精度よく計測するため、慣性計測装置に加わる振動速度、振動加速度を閾値以下に抑制する必要がある。
【0093】
飛行体制御装置10は、発電機5と発電機用エンジン6の図示しないエンジン制御装置と発電機制御装置とに接続されている。飛行体制御装置10は、前記エンジン制御装置と前記発電機制御装置とに制御信号を送信することができる。飛行体制御装置10は、ロータ8の速度制御装置に接続されている。飛行体制御装置10は、前記速度制御装置に制御信号を送信することができる。飛行体制御装置10は、慣性計測装置、方位センサ、高度センサに接続されている。飛行体制御装置10は、慣性計測装置から各速度及び角加速度の計測値を取得し、方位センサから方位の計測値を取得し、高度センサから高度の計測値を取得することができる。飛行体制御装置10は、取得した計測値から、発電機5、発電機用エンジン6の制御信号及びロータ8の制御信号を生成することができる。
【0094】
<飛行体制御装置支持部9の振動形態>
図10図11とを用いて、機体フレーム2が所定の弾性振動モードによって振動している際の飛行体制御装置支持部9の振動形態について説明する。図10は、所定の弾性振動モードによって振動している飛行体制御装置支持部9のある位相角αでの振動形態と、位相角αから位相が180度ずれた位相角βでの振動形態を示す模式図である。図11は、飛行体制御装置支持部9が所定の弾性振動モードによって振動している際の節部X3を示す斜視図である。
【0095】
図10に示すように、飛行体制御装置支持部9において、第2枠体3bの第1頂点2b1と第2頂点3b2に連結される第1支持脚9a、及び第2枠体3bの第5頂点3b5と第6頂点3b6に連結される第4支持脚9dは、同じ位相によって振動している。また、飛行体制御装置支持部9において、第2枠体3bの第2頂点3b2と第3頂点3b3に連結される第2支持脚9b、及び第2枠体3bの第4頂点3b4と第5頂点3b5に連結される第3支持脚9cは、同じ位相によって振動している。
【0096】
飛行体制御装置支持部9において、第2枠体3bの第2頂点3b2及び第5頂点3b5は、ほとんど振動していない。つまり、同じ位相によって振動している第1支持脚9a及び第4支持脚9dと、同じ位相によって振動している第2支持脚9b及び第3支持脚9cとは、ほとんど振動していない第2枠体3bの第2頂点3b2と第5頂点3b5とを結ぶ線を中心線として互いに逆の位相によって振動している。
【0097】
取付板9eの長手方向の両端部には、互いに逆の位相によって振動する第1支持脚9aと第2支持脚9bとが連結されている。同様に、取付板9eの長手方向の両端部には、互いに逆の位相によって振動する第3支持脚9cと第4支持脚9dとが連結されている。各支持脚は、トラス構造によって構成されているため取付板9eよりも高い剛性を有している。従って、取付板9eには、各支持脚の位相が異なる振動が各支持脚からそれぞれ伝達される。
【0098】
取付板9eには、第1支持脚9a及び第4支持脚9dから伝達される振動に対して波長、振動数、振幅、速さが同じで進行方向が互いに逆向きの振動が第2支持脚9b及び第3支持脚9cから伝達される。取付板9eは、各支持脚から入力された波長、振動数、振幅、速さが同じで進行方向が互いに逆向きの2つの波が重なり合うことで定常波が生じる。このように、取付板9eは、定常波が生じる所定の弾性振動モードによって振動することにより各支持脚が連結されている部分に振幅値が最小である節を含む節部X3が生じる。
【0099】
飛行体制御装置10は、所定の弾性振動モードによって振動している取付板9eの節部X3に飛行体制御装置用マウント部材11を介して連結されている。飛行体制御装置10は、取付板9eの振動が抑制されている節部X3に飛行体制御装置用マウント部材11を介して連結することで、取付板9eの振動の影響を抑制しつつ、飛行体制御装置用マウント部材11によって振動を減衰することができる。
【0100】
このように構成される飛行体制御装置支持部9の取付板9eは、4つの支持脚よりも低い剛性に構成されているので、4つの支持脚から伝達される振動によって所定の弾性振動モードでの振動が励起される。飛行体制御装置支持部9は、所定の弾性振動モードによって振動している状態において、振幅値が最小である節を含む節部X3で飛行体制御装置10を支持している。従って、飛行体制御装置10は、飛行体制御装置支持部9の振動により加わる加速度を最小限にすることができる。
【0101】
飛行体制御装置10に飛行体1Aの姿勢制御を行うための慣性計測装置が含まれる場合、所定の弾性振動モードによって振動している飛行体制御装置支持部9の節部X3に飛行体制御装置10が位置することで慣性計測装置による角速度と加速度の計測精度を向上させることができる。これにより、発電機5から供給される電力によって複数のロータ8を駆動する飛行体1Aにおいて、発電機用エンジン6の振動が飛行体1Aの姿勢、位置及び移動方向に与える影響を抑制することができる。
【0102】
(その他の実施形態)
なお、上述の全ての実施形態において、機体フレーム2は、アルミニウム合金から構成されている。しかしながら、機体フレーム2の材質は上述の実施形態の構成に限定されない。例えば、機体フレーム2は、鉄、マグネシウム合金、繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等から構成されていてもよい。
【0103】
また、上述の全ての実施形態において、機体フレーム2のエンジン支持部3は、正六角形の環状部材である第1枠体3aと第2枠体3bとが複数の支柱3cによって連結されている。しかしながら、エンジン支持部3の構成は上述の実施形態の構成に限定されない。例えば、エンジン支持部3の第1枠体3aと第2枠体3bとは、円形、楕円形、正多角形等の環状部材から構成されていてもよい。
【0104】
また、上述の全ての実施形態において、支持アーム4aは、延伸部4cを有している。しかしながら、支持アームは上述の実施形態の構成に限定されない。例えば、支持アームは、延伸部を有さない構成でもよい。つまり、支持アームは、先端部においてロータを支持してもよい。
【0105】
また、上述の全ての実施形態において、発電機用エンジン6は、水平対向エンジンである。しかしながら、発電機用エンジン6の構成は、上述の実施形態の構成に限定されない。例えば、発電機用エンジン6は、単気筒エンジン、直列エンジン、V型エンジン等、発電機5を駆動させることができるエンジンであればよい。
【0106】
また、上述の全ての実施形態において、飛行体1、1Aは、バッテリー6aを搭載している。しかしながら、飛行体1、1Aは、上述の実施形態の構成に限定されない。例えば、飛行体1、1Aは、発電機5が発電した電力でロータ8を駆動させる構成でもよい。
【0107】
また、上述の全ての実施形態において、飛行体1、1Aは、6つのロータ8を6本の支持アーム4aで支持するマルチコプターである。しかしながら、飛行体1、1Aは、上述の実施形態の構成に限定されない。例えば、飛行体1、1Aは、2つ以上のロータ8を有するマルチコプターであればよい。
【0108】
また、上述の全ての実施形態において、飛行体1、1Aは、方位センサ、高度センサが含まれる。しかしながら、飛行体1、1Aは、上述の実施形態の構成に限定されない。例えば、飛行体1、1Aは、方位センサ、高度センサに代えて、GNSS受信機を有してもよい。GNSS受信機は、全球測位衛星システム(Global Navigation Satellite System)を構成する受信機である。GNSS受信機は、衛星から測距電波を受信し、受信機の絶対座標である緯度、経度、標高を算出する装置である。
【0109】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0110】
1、1A 飛行体
2 機体フレーム
3 エンジン支持部
4 ロータ支持部
4a 支持アーム
4b リブ部材
4c 延伸部
4d ロータガード
5 発電機
6 発電機用エンジン
7 エンジン用マウント部材
8 ロータ
9 飛行体制御装置支持部
9a 第1支持脚
9b 第2支持脚
9c 第3支持脚
9d 第4支持脚
10 飛行体制御装置
11 飛行体制御装置用マウント部材
【要約】
複数のロータを駆動する飛行体において、前記発電機用エンジンの振動が前記飛行体の姿勢、位置及び移動方向に与える影響を抑制する飛行体を提供する。機体を構成する機体フレーム2と、揚力を発生する複数のロータ8と、電動モータ8aに電力を供給する発電機5と、発電機5を駆動し、プロペラ8bを回転駆動しない発電機用エンジン6と、電動モータ8aと発電機用エンジン6を制御する飛行体制御装置10と、を備えた飛行体1である。機体フレーム2は、発電機用エンジン6を支持するエンジン支持部3と、複数のロータ8をそれぞれ支持する複数の支持アーム4aを含むロータ支持部4と、を有している。エンジン支持部3に複数の支持アーム4aが連結されている。機体フレーム2の所定の弾性振動モードにおいて、複数の支持アーム4aの節部X2にロータ8がそれぞれ位置している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11