(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】四隅調整機構、計量センサ及び計量装置
(51)【国際特許分類】
G01G 23/01 20060101AFI20220622BHJP
G01G 3/16 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
G01G23/01 C
G01G3/16
(21)【出願番号】P 2018070778
(22)【出願日】2018-04-02
【審査請求日】2021-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】502038842
【氏名又は名称】株式会社デジアイズ
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】千田 浩昭
(72)【発明者】
【氏名】下河原 恵
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 将人
【審査官】後藤 順也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-208045(JP,A)
【文献】特開平08-201155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 1/00-9/00
G01G 21/00-23/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のビームの両端に、肉薄の節部を介して、固定側の基体部と、荷重を受ける荷重受け部と、を連結してなるロバーバル機構の四隅誤差を調整する四隅調整機構であって、
前記四隅調整機構は、
前記ロバーバル機構の基体部に一体化される基部と、
前記基部に進退可能に取り付けられる調整手段と、
前記基部に対して所定距離離間した位置に対向して設置され、中間位置に前記調整手段を接続するアーム部と、
前記アーム部の一端側と前記基部の一端側とを連結する支持部と、
前記アーム部の他端側に連結され、前記ロバーバル機構の基体部の一方のビーム近傍位置に一体化される調整力付与部と、
を有し、
前記アーム部の中間部分を前記調整手段によってその進退方向に向けて移動させることで、前記調整力付与部の位置を
上方又は下方に調整
でき、
前記アーム部は、前記調整力付与部の位置を上方又は下方に調整する力を付与していない位置において、前記アーム部の上下両端部を結ぶ直線上から前記アーム部の中間部分の位置をずらした構成としていることを特徴とする四隅調整機構。
【請求項2】
一対のビームの両端に、肉薄の節部を介して、固定側の基体部と、荷重を受ける荷重受け部と、を連結してなるロバーバル機構の四隅誤差を調整する四隅調整機構であって、
前記四隅調整機構は、
前記ロバーバル機構の基体部に一体化される基部と、
前記基部に進退可能に取り付けられる調整手段と、
前記基部に対して所定距離離間した位置に対向して設置され、中間位置に前記調整手段を接続するアーム部と、
前記アーム部の一端側と前記基部の一端側とを連結する支持部と、
前記アーム部の他端側に連結され、前記ロバーバル機構の基体部の一方のビーム近傍位置に一体化される調整力付与部と、
を有し、
前記アーム部の中間部分を前記調整手段によってその進退方向に向けて移動させることで、前記調整力付与部の位置を調整し、
さらに前記アーム部の前記調整手段を接続したその両側に2か所ずつ、肉薄の可撓部を設けたことを特徴とす
る四隅調整機構。
【請求項3】
前記アーム部の前記調整手段を接続した位置に近い側の一対の可撓部を結ぶ直線と、前記アーム部の前記調整手段を接続した位置から離れた側の一対の可撓部を結ぶ直線とが、略平行であって且つ一致しない位置となるように、各可撓部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の四隅調整機構。
【請求項4】
一対のビームの両端に、肉薄の節部を介して、固定側の基体部と、荷重を受ける荷重受け部と、を連結してなるロバーバル機構の四隅誤差を調整する四隅調整機構であって、
前記四隅調整機構は、
前記ロバーバル機構の基体部に一体化される基部と、
前記基部に進退可能に取り付けられる調整手段と、
前記基部に対して所定距離離間した位置に対向して設置され、中間位置に前記調整手段を接続するアーム部と、
前記アーム部の一端側と前記基部の一端側とを連結する支持部と、
前記アーム部の他端側に連結され、前記ロバーバル機構の基体部の一方のビーム近傍位置に一体化される調整力付与部と、
を有し、
前記アーム部の中間部分を前記調整手段によってその進退方向に向けて移動させることで、前記調整力付与部の位置を調整し、
さらに前記調整力付与部と、前記基部とを連結する形状保持部を有することを特徴とす
る四隅調整機構。
【請求項5】
少なくとも、
一対のビームの両端に肉薄の節部を介して固定側の基体部と荷重を受ける荷重受け部とを連結してなるロバーバル機構と、
前記ロバーバル機構に取り付けられて前記荷重受け部に印加される荷重を検出する荷重センサと、
前記ロバーバル機構に取り付けられて当該ロバーバル機構の四隅を調整する請求項1乃至4の内の何れかに記載の四隅調整機構と、
を具備することを特徴とする計量センサ。
【請求項6】
少なくとも、
請求項5に記載の計量センサと、
前記ロバーバル機構の荷重受け部に設置される計量皿と、
を具備することを特徴とする計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、はかり(荷重測定器、計量センサ、計量装置)の四隅誤差(偏置誤差)を調整(四隅調整)するのに用いて好適な四隅調整機構、計量センサ及び計量装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ロバーバル機構に、音叉振動子などからなる荷重センサを装着してなるはかり(荷重測定器、計量センサ及び計量装置)が利用されている。この種のはかりは、音叉振動子を一定の固有振動数で振動させ、この音叉振動子に加わる荷重の変化に応じて前記振動数が変化することを利用して、荷重を検出する。
【0003】
この種のロバーバル機構を有するはかりでは、計量皿の中央以外の位置に荷を載置した際に、計量皿における偏置荷重が発生する。そしてこの偏置荷重を調整し、計量皿のどの位置に荷を載置しても検出する荷重が一定となるようにするため、四隅調整機構が用いられる。
【0004】
四隅調整機構としては、例えば特許文献1に示す偏置誤差調整部(10)がある。この偏置誤差調整部(10)は、特許文献1の
図1,
図2に示すように、ロバーバル機構を構成する荷重変換部(1)の基体(2)の側面に固定される基部(12)と、前記基部(12)に対して支点(15)によって連結される第1のレバー(13)と、前記第1のレバー(13)の端部に対して可撓部(16)によって連結される第2のレバー(14)と、基部(12)と第1のレバー(13)間を連結する差動ネジからなる回転調整ボルト(11)と、を有して構成されている。
【0005】
そして、回転調整ボルト(11)を回転することで基部(12)と第1のレバー(13)間の間隔を変更し、その偏移を第2のレバー(14)の端部(14b)に作用させ、この端部(14b)に連結されている基体(2)部分の高さを調整し、これによって偏置荷重を調整する。このように構成された偏置誤差調整部(10)を用いれば、微細な四隅調整を容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記偏置誤差調整部(10)においては、回転調整ボルト(11)によって基部(12)と第1のレバー(13)間の間隔を変更する際、第1のレバー(13)は基部(12)に対して支点(15)を中心に揺動するため、揺動による第1のレバー(13)の位置変化によって、回転調整ボルト(11)を螺合する基部(12)側のネジ穴の軸心と、第1のレバー(13)側のネジ穴の軸心とが同一直線上に一致しなくなり、このため調整量が大きくなった場合に、回転調整ボルト(11)の回転を滑らかに行うことができなくなったり、回転調整ボルト(11)とネジ穴の螺合部分に変形が生じたりしてしまう虞があった。
【0008】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、容易、確実且つスムーズに偏置荷重の微細な四隅調整を行うことができる四隅調整機構、計量センサ及び計量装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、一対のビームの両端に、肉薄の節部を介して、固定側の基体部と、荷重を受ける荷重受け部と、を連結してなるロバーバル機構の四隅誤差を調整する四隅調整機構であって、前記四隅調整機構は、前記ロバーバル機構の基体部に一体化される基部と、前記基部に進退可能に取り付けられる調整手段と、前記基部に対して所定距離離間した位置に対向して設置され、中間位置に前記調整手段を接続するアーム部と、前記アーム部の一端側と前記基部の一端側とを連結する支持部と、前記アーム部の他端側に連結され、前記ロバーバル機構の基体部の一方のビーム近傍位置に一体化される調整力付与部と、を有し、前記アーム部の中間部分を前記調整手段によってその進退方向に向けて移動させることで、前記調整力付与部の位置を上方又は下方に調整でき、前記アーム部は、前記調整力付与部の位置を上方又は下方に調整する力を付与していない位置において、前記アーム部の上下両端部を結ぶ直線上から前記アーム部の中間部分の位置をずらした構成としていることを特徴としている。
上記構成の四隅調整機構によれば、調整手段を進退させた際、支持部と調整力付与部が、調整手段の進退の中心軸に対して略対称に微小変位(または支持部に対して調整力付与部のみが微小変位)するので、ロバーバル機構の偏置荷重の微調整を容易に行うことができる。このとき、調整手段はほぼ直進し、傾かないので、例えその調整量が大きくなったとしても、常にスムーズで無理のない調整作業を行うことができる。例えば、調整手段として差動ネジを用いていたとしても、螺合部分に無理な力はかからず、スムーズな調整が行える。
【0010】
また本発明は、一対のビームの両端に、肉薄の節部を介して、固定側の基体部と、荷重を受ける荷重受け部と、を連結してなるロバーバル機構の四隅誤差を調整する四隅調整機構であって、前記四隅調整機構は、前記ロバーバル機構の基体部に一体化される基部と、前記基部に進退可能に取り付けられる調整手段と、前記基部に対して所定距離離間した位置に対向して設置され、中間位置に前記調整手段を接続するアーム部と、前記アーム部の一端側と前記基部の一端側とを連結する支持部と、前記アーム部の他端側に連結され、前記ロバーバル機構の基体部の一方のビーム近傍位置に一体化される調整力付与部と、を有し、前記アーム部の中間部分を前記調整手段によってその進退方向に向けて移動させることで、前記調整力付与部の位置を調整し、さらに前記アーム部の前記調整手段を接続したその両側に2か所ずつ、肉薄の可撓部を設けたことを特徴としている。
これによって、アーム部を各可撓部の部分で容易に屈曲させることができ、調整力付与部の微小変位を、容易に行わせることができる。
【0011】
また本発明は、上記特徴に加え、前記アーム部の前記調整手段を接続した位置に近い側の一対の可撓部を結ぶ直線と、前記アーム部の前記調整手段を接続した位置から離れた側の一対の可撓部を結ぶ直線とが、略平行であって且つ一致しない位置となるように、各可撓部を設けたことを特徴としている。
これによって、調整手段の進退による力を、調整力付与部と支持部にスムーズに印加することができ、この調整手段によるロバーバル機構の偏置荷重の微調整をスムーズに行うことができる。
【0012】
また本発明は、一対のビームの両端に、肉薄の節部を介して、固定側の基体部と、荷重を受ける荷重受け部と、を連結してなるロバーバル機構の四隅誤差を調整する四隅調整機構であって、前記四隅調整機構は、前記ロバーバル機構の基体部に一体化される基部と、前記基部に進退可能に取り付けられる調整手段と、前記基部に対して所定距離離間した位置に対向して設置され、中間位置に前記調整手段を接続するアーム部と、前記アーム部の一端側と前記基部の一端側とを連結する支持部と、前記アーム部の他端側に連結され、前記ロバーバル機構の基体部の一方のビーム近傍位置に一体化される調整力付与部と、を有し、前記アーム部の中間部分を前記調整手段によってその進退方向に向けて移動させることで、前記調整力付与部の位置を調整し、さらに前記調整力付与部と、前記基部とを連結する形状保持部を有することを特徴としている。
この形状保持部を設けることで、四隅調整機構が単体の状態でも、調整力付与部をぐらつくことなく正規の位置に保持できる。このため、四隅調整機構単体での取り扱い、及びロバーバル機構への取り付け作業を、容易に行うことが可能になる。
【0013】
また本発明は、少なくとも、一対のビームの両端に肉薄の節部を介して固定側の基体部と荷重を受ける荷重受け部とを連結してなるロバーバル機構と、前記ロバーバル機構に取り付けられて前記荷重受け部に印加される荷重を検出する荷重センサと、前記ロバーバル機構に取り付けられて当該ロバーバル機構の四隅を調整する前記四隅調整機構と、を具備することを特徴とする計量センサにある。
【0014】
また本発明は、少なくとも、前記計量センサと、前記ロバーバル機構の荷重受け部に設置される計量皿と、を具備することを特徴とする計量装置にある。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、容易、確実且つスムーズに偏置荷重の微細な四隅調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】四隅調整機構100を用いた音叉式はかり1-1の一部分解斜視図である。
【
図4】音叉式はかり1-1を別の角度から見た斜視図である。
【
図7】四隅調整機構100の調整方法説明図である。
【
図8】四隅調整機構100-2の拡大側面図である。
【
図9】四隅調整機構100-3の拡大側面図である。
【
図10】四隅調整機構100-4の拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる四隅調整機構100を用いて構成された音叉式はかり1-1の一部分解斜視図、
図2は音叉式はかり1-1の側面図、
図3は音叉式はかり1-1の斜視図、
図4は音叉式はかり1-1を別の角度から見た斜視図である。これらの図に示すように、音叉式はかり1-1は、ロバーバル機構10に、荷重センサ50と、一対の四隅調整機構100とを取り付けて構成されている。なおこの音叉式はかり1-1は、四隅調整機構100を用いた計量センサであり、またこの計量センサに計量皿やベースなどを取り付けて計量可能な形態としたものを計量装置ということとする。
【0018】
ロバーバル機構10は、上下に所定の間隔を設けて平行に設置された一対のビーム11,13の両端に、肉薄の節部15,17,19,21を介して、固定側の基体部23と、荷重を受ける荷重受け部25とを連結し、これによって平行リンク機構を形成して構成されている。なお、以下の説明において、基体部23の荷重受け部25とは反対側を向く面側を正面側(A方向、手前側)、荷重受け部25の基体部23とは反対側を向く面側を裏面側(B方向、奥側)、正面側から見て右側を右方向(C方向)、正面側から見て左側を左方向(D方向)、というものとする。
【0019】
基体部23の左右両側面は、下記する四隅調整機構100の基部110を取り付ける基部取付部27となっており、それらの所定位置には、四隅調整機構100の基部110を取り付けるためのネジ穴からなる取付部29が形成されている。また基体部23の上部には、ビーム11側に向かって突出する略平板状の調整力付与部取付部31が形成されている。調整力付与部取付部31の左右外側側面には、下記する四隅調整機構100の調整力付与部210が取り付けられる。調整力付与部取付部31の根元部分には、この調整力付与部取付部31の微小な変形を可能とするためにその上下面の厚みを円弧凹状に形成して薄くした肉薄部311が形成されている。調整力付与部取付部31の左右側面には、下記する四隅調整機構100の調整力付与部210を取り付けるためのネジ穴からなる一対の取付部33,33が形成されている。基体部23の前記ビーム11,13を取り付ける反対側の面には、ロバーバル機構保持体34が取り付けられている。ロバーバル機構保持体34は、略逆T字形状であって、その奥側の面に前記基体部23を取り付け、その下面にこの音叉式はかり1-1を載置するベースA(
図2参照)に固定される固定部35が設けられている。
【0020】
また一対のビーム11,13の間には、荷重センサ50を収容する荷重センサ収容部37が形成されている。荷重センサ収容部37には、下記する荷重センサ50のセンサ荷重受け部55を取り付ける荷重受け部取付部39と、その上部に下記する荷重センサ50のセンサ基部51を取り付けるセンサ基部取付部41とが設けられている。センサ基部取付部41は、ロバーバル機構10の基体部23側と一体で、荷重受け部25とは非接触となっている。また荷重受け部取付部39は、ロバーバル機構10の荷重受け部25側と一体になっている。荷重受け部取付部39とセンサ基部取付部41には、それぞれメネジからなる取付部42、43が形成されている。
【0021】
一対のビーム11,13は平板状で上下に平行に設置されている。各節部15,17,19,21はそれぞれその上下面を略円弧凹状に形成することで、その厚みを薄く形成して構成されている。各節部15,17,19,21は、ビーム11,13を横切るように直線状に形成され、その中央には、長円状の透孔15a,17a,19a,21a(19aは図示せず)が形成され、その有効幅を狭くしている。なお、透孔15aについては、前記肉薄部311を含む調整力付与部取付部31から節部15に至る位置まで長く形成されている。
【0022】
荷重受け部25は略矩形状である。この荷重受け部25には、図示しない計量皿取付ステーが取り付けられ、さらにこの計量皿取付ステーの上に図示しない計量皿が取り付けられる。そして計量皿に荷(被計量物)を載置することで、その計量が行われる。
【0023】
次に、荷重センサ50は、板状の恒弾性部材(非恒弾性部材(例えばSUS)であってもよい)をワイヤカット放電などで切り欠くことで、センサ基部51、音叉振動子53、センサ荷重受け部55などを一体的に形成して構成されている。センサ荷重受け部55は、センサ基部51の上部に設置した梃部57の一端側に接続された牽引部59の下端側に接続されている。センサ基部51とセンサ荷重受け部55には、それぞれ取付用孔61,63が形成されている。これら取付用孔61,63は、前記ロバーバル機構10の取付部43,42に対向する位置に形成されている。
【0024】
音叉振動子53は、前記梃部57の端部と、センサ基部51の下部との間を接続するように設置されている。音叉振動子53は荷重を検出するものであり、2枚の板状振動片53a,53bを平行に配置し、両板状振動片53a,53bの両端同士をそれぞれ結合部53c,53dで結合し、さらにその所定位置に図示しない励振用圧電素子と、図示しないピックアップ用圧電素子を取り付けて構成されている。
【0025】
そして励振用圧電素子によって振動を加えることにより、板状振動片53a,53bは、この音叉振動子53に加えられている引張り荷重(センサ基部51とセンサ荷重受け部55間に印加される引張り荷重)に対応した固有振動数で振動する。そしてこの引張り荷重に対応した振動を、ピックアップ用圧電素子によってピックアップすることで、荷重受け部25に印加されている荷重を検出する。
【0026】
図5は、本実施形態に係る四隅調整機構100の拡大側面図である。同図及び
図1~
図4に示すように、四隅調整機構100は、前記ロバーバル機構10の基体部23の側面に一体化するように取り付けられる基部110と、基部110(その長手方向に垂直な方向)に進退可能に取り付けられる調整手段150と、基部110に対して所定距離離間した位置に対向して平行に設置され中間位置に前記調整手段150の一端を接続するアーム部170と、アーム部170の一端側(下端側)と基部110の一端側(下端側)とを連結する支持部190と、アーム部170の他端側(上端側)に連結され、前記ロバーバル機構10の基体部23の調整力付与部取付部31の側面に一体化するように取り付けられる調整力付与部210と、調整力付与部210と基部110の他端側(上端側)間を連結する形状保持部230とを有して構成されている。基部110と支持部190とアーム部170と調整力付与部210と形状保持部230とは、これらを略矩形のリング状に一体に連結した形状に形成され、また調整手段150は、基部110の中間位置とアーム部170の中間位置とを連結するように形成されている。以下、各構成部分について説明する。
【0027】
基部110は、略四角柱形状に形成され、その中間位置(中央)の正面側から裏面側に向けて、下記する調整手段150を構成する調整ネジ部151を螺合して貫通する調整ネジ用メネジ孔133が形成されている。また基部110の中間位置(中央)の右側面には、前記調整ネジ用メネジ孔133に至る調整ネジ固定用メネジ孔135が形成されており、この調整ネジ固定用メネジ孔135内には、調整ネジ固定用オネジ137が螺合して挿入されている。基部110の前記調整ネジ固定用メネジ孔135の上下の位置には、基部110を左右方向に向けて貫通する固定用孔139,141が形成されている。これら固定用孔139,141は、前記ロバーバル機構10の基体部23に設けた各取付部29に対向する位置に形成されている。
【0028】
調整手段150は、前記基部110に設けた調整ネジ用メネジ孔133に螺合して貫通する調整ネジ部151と、一端に当該調整ネジ部151の先端側部分を螺合し他端がアーム部170の中間位置(中央)に連結されるアーム押圧部153とを具備して構成されている。調整ネジ部151は、一端に回転力付与部(頭部)155を有する1本のオネジであって、前記基部110の調整ネジ用メネジ孔133に螺合する部分のオネジのピッチと、前記アーム押圧部153の下記するメネジ孔157に螺合する部分のオネジのピッチとを僅かに異ならせる構成となっている。一方、アーム押圧部153は略四角柱形状であり、前記アーム部170などと一体に形成されている。アーム押圧部153の手前側の先端面には前記調整ネジ部151を螺合するメネジ孔157が形成されている。またアーム押圧部153の奥側の端部はアーム部170の下記するアーム押圧部接続部171に連結されている。
【0029】
調整手段150は、上述のように、基部110に螺合する部分のネジのピッチと、アーム押圧部153に螺合する部分のネジのピッチとを僅かに異ならせることで、ネジによる差動機構(差動ネジ)を構成している。即ち、これによって、調整ネジ部151を回転した際、前記ピッチの差分だけ、基部110に対してアーム押圧部153を手前奥方向(矢印A,C方向)に向けて微小距離で移動できるように構成している。
【0030】
支持部190は、略四角柱形状であり、基部110の下端側と、アーム部170の下端側とを一体に連結するように形成されている。
【0031】
アーム部170は、略四角柱形状であって、基部110に対して所定距離離間した位置に平行に対向するように設置され、下端に支持部190の一端上面を連結し、上端に調整力付与部210の一端下面を連結し、中間位置(中央)の基部110側を向く側面にアーム押圧部153の一端を連結して構成されている。アーム部170のアーム押圧部153を接続したアーム押圧部接続部171の両側の対称位置には、それぞれ2か所ずつ、肉薄の可撓部173,173,175,175が設けられている。可撓部173,173は、アーム押圧部接続部171の近傍に設けられ、可撓部175,175は、支持部190と調整力付与部210に連結している部分近傍に設けられている。各可撓部173,175は、四角柱状のアーム部170の4つの面の内の手前側の面と奥側の面の対向する部分に、それぞれ円弧状凹部を形成し、これによってアーム部170の厚みを、可撓性を有する厚みまで薄くして構成されている。両可撓部173,173を円弧状に形成することによって、アーム押圧部153のアーム部170に連結する根元部分も、くびれるようにその厚みが薄くなっている。このアーム押圧部153のアーム部170に連結する根元部分は機能上くびれなくても良いが、小型化のため、アーム部170の長さ寸法(全長)を短くするためくびれている。
【0032】
調整力付与部210は、略四角柱形状であって、その基部110側を向く一端側の端面には形状保持部230が連結され、他端側の下面(アーム部170側を向く面)にはアーム部170が連結されている。調整力付与部210の側面の所定位置には、調整力付与部210を貫通する2つの取付孔211,211が形成されている。これら取付孔211,211は、前記ロバーバル機構10の調整力付与部取付部31に設けた取付部33,33に対向する位置に形成されている。なお2つの取付孔211,211は、調整力付与部210の中でも、前記アーム部170を連結した部分から離れる位置(形状保持部230を連結した側の位置)に設けられている。
【0033】
ところで、
図6に一点鎖線で示すように、中央側の一対の可撓部173,173を結ぶ直線L1は、基部110やアーム部170の長手方向と平行であり、また両端側の一対の可撓部175,175を結ぶ直線L2も、基部110やアーム部170の長手方向と平行であるが、両線L1,L2は、同一直線上にはなく、線L1の方が、線L2よりも、少し基部110側にずれた位置に位置するように構成されている。また、
図6に二点鎖線で示すように、上側の可撓部175と上側の可撓部173間を結ぶ直線L3と、下側の可撓部175と下側の可撓部173を結ぶ直線L4は、アーム部170の中央位置において角度θをもって交差している。
【0034】
形状保持部230は、平板状であって、その一端が基部110の上面に連結され、他端が調整力付与部210の手前側の面(基部110側を向く面)に連結されている。この形状保持部230は、基部110に対して調整力付与部210を所定の正規の位置に保持しておくために設置されているものである。即ち、形状保持部230を設置しておかないと、アーム部170の上側の可撓部173,175の上に連結されている調整力付与部210はぐらついて正規の位置に保持できず、可撓部173,175が大きく撓んで損傷したり、調整力付与部210をロバーバル機構10の基体部23に取り付ける際の取付部33,33と取付孔211,211の位置出しが困難になったりするなどの問題が生じるからである。形状保持部230を設置することで、四隅調整機構100単体での取り扱い、及びロバーバル機構10への取り付け作業を、何れも容易に行うことが可能になる。なお、形状保持部230の厚みを、基体部110や調整力付与部210の厚みよりも薄く形成したのは、この形状保持部230によって調整力付与部210の動きが妨げられないようにするためである。
【0035】
そして、音叉式はかり1-1を組み立てるには、ロバーバル機構10の基体部23の左右の基部取付部27,27に、一対の四隅調整機構100の側面をそれぞれ当接し、その際、ロバーバル機構10に設けた各取付部29,29及び各取付部33,33と、四隅調整機構100に設けた各固定用孔139,141及び各取付孔211,211の位置合わせを行い、図示しないオネジによってこれら各部を固定する。これによって、一対の四隅調整機構100の基部110は、それぞれロバーバル機構10の基体部23の両側に固定され、一対の四隅調整機構100の調整力付与部210は、それぞれロバーバル機構10の調整力付与部取付部31の両側に固定される。
【0036】
次に、ロバーバル機構10の荷重センサ収容部37内に、荷重センサ50を収容し、その際、ロバーバル機構10のセンサ基部取付部41に荷重センサ50のセンサ基部51を当接して取付用孔61と取付部43の位置合わせを行い、同様にロバーバル機構10の荷重受け部取付部39に荷重センサ50のセンサ荷重受け部55を当接して取付用孔63と取付部42の位置合わせを行い、各取付用孔61,63側からオネジを挿入、螺合して、ロバーバル機構10に荷重センサ50を固定する。
【0037】
そして、ロバーバル機構10の荷重受け部25に図示しない計量皿取付ステー及び計量皿を取り付け、一方、ロバーバル機構10の固定部35をベースA上に固定すれば、音叉式はかり(計量センサ)1-1を用いた計量装置が完成する。
【0038】
以上のようにして構成された計量装置において、計量皿に被計量物(荷)を載置すると、その荷重がロバーバル機構10の荷重受け部25を介して荷重センサ50のセンサ荷重受け部55に印加され、印加された荷重分の引張り張力が荷重センサ50の音叉振動子53に印加され、その引張り荷重に対応した振動数が検出され、これによって図示しない検出回路によって荷重が検出される。
【0039】
ここで上述したように、この種のロバーバル機構10を有する音叉式はかり1-1では、計量皿の中央以外の位置に被計量物を載置した際に、偏置荷重が発生する場合があり、このような場合は、左右2つの四隅調整機構100を用いてその偏置荷重が発生しないように調整し、計量皿のどの位置に被計量物を載置しても検出される荷重が一定となるようにする。具体的には、四隅調整機構100を用いて、ロバーバル機構10の透孔15aによって左右に分離された調整力付与部取付部31の高さ方向の位置(即ち、ビーム11の根元の高さ位置)を微調整することによって行う。以下その調整方法を、主として
図7を用いて説明する。なお、
図7(b)は、
図5、
図6と同様の状態を示しているが、
図7(b)においては、四隅調整機構100の形状の変化を分かり易くするため、一対の可撓部173を結ぶ線L1と、一対の可撓部175を結ぶ線L2間の間隔を、
図5に示す実際の寸法に比べて大きくなるように表示している。
【0040】
そして、
図7(b)に示す状態から、調整手段150の調整ネジ部151を何れかの方向に向けて回転すると、この調整手段150は差動機構になっているので、基部110に対してアーム押圧部153が微小寸法ずつ手前方向(矢印A方向)あるいは奥方向(矢印C方向)に移動する。
【0041】
アーム押圧部153が手前方向(矢印A方向)に移動した場合は、
図7(a)に示すように、各可撓部173,175が撓むことで、アーム部170の中間(中央)部分が基部110に接近する方向に移動して屈曲し、同時に、ロバーバル機構10の調整力付与部取付部31に固定した調整力付与部210と、支持部190は、同一距離だけ内方向(両者が接近する方向)に向かって撓む。これによって、ロバーバル機構10の調整力付与部取付部31は、微小距離だけ、下方に引き下げられる。
【0042】
一方、アーム押圧部153が奥方向(矢印C方向)に移動した場合は、
図7(c)に示すように、各可撓部173,175が撓むことで、アーム部170の中間(中央)部分が基部110から離れる方向に移動して屈曲し、同時に、ロバーバル機構10の調整力付与部取付部31に固定した調整力付与部210と、支持部190は、同一距離だけ外方向(両者が離間する方向)に向かって撓む。但し、離間する方向に移動するのは、一対の可撓部173を結ぶ線L1と、一対の可撓部175を結ぶ線L2が一致する位置までである(
図7(c)は両線L1,L2が一致した状態を示している)。これによって、ロバーバル機構10の調整力付与部取付部31は、微小距離だけ、上方に引き上げられる。
【0043】
調整力付与部210の上下動について、直線L3,L4を用いて、さらに説明する。即ち、直線L3,L4が形成する角度θは、当該角度θが小さくなる(0度に近づく)ほど、調整力付与部210と支持部190との距離が縮まるように変形し、当該方向へ力を付与することができ、一方、当該角度θが大きくなる(180度に近づく)ほど、調整力付与部210と支持部190との距離が離れるように変形し、当該方向へ力を付与することができる。
【0044】
前記調整手段150の調整ネジ部151による調整は、左右2つの四隅調整機構100のそれぞれによって行われ、これによって、偏置荷重が調整され、計量皿のどの位置に被計量物を載置しても検出する荷重が一定(音叉振動子53に加わる荷重が不変)となる。調整後の調整ネジ部151を固定するため、基部110の調整ネジ固定用メネジ孔135内の調整ネジ固定用オネジ137をねじ込み、その先端を調整ネジ部151の側面に押し付ける。調整ネジ部151の固定方法は、調整ネジ固定用オネジ137を用いる方法の代わりに(またはそれと共に)、例えば、接着剤を塗布したり、ペイントを行ったりするなど、他の種々の方法がある。
【0045】
ところで、上述のように、取付孔211,211を、調整力付与部210に中で、アーム部170を連結した位置よりも離れた位置であって、形状保持部230に近い位置に設けたのは、以下の理由による。即ち、本願の四隅調整機構100は、調整手段150による調整量に対して、調整力付与部210の変化量を微小にすることを必要としている。仮に調整手段150の変化(調整ネジ部151の進退する距離)を直接調整力付与部210へ伝達した場合、調整の幅はネジ溝に直接依存することになる。これでは調整力付与部210の微小な変化を生み出しづらく微調整に向かない。そこで、調整手段150による進退の量をアーム部170の微小な上下動に変換し、さらに取付孔211,211の位置をアーム部170が上下動する連結部分ではなく、アーム部170から離れた位置とすることで出来るだけレバー比を大きくして調整力付与部210の取付孔211,211の部分の上下動を微小変位させるようにしたのである。
【0046】
上記実施形態では、支持部190が調整力付与部210と同一距離だけ動く(撓む)ように構成しているので、アーム部170は上下対称に変形する。このため調整ネジ部151は何れの位置にあっても直進し、また、基部110に設けた調整ネジ用メネジ孔133の軸心と、アーム押圧部153に設けたメネジ孔157の軸心とは常に同一の直線上にある。このため調整ネジ部151の回転を常に滑らかに行うことができ、調整ネジ部151と、調整ネジ用メネジ孔133と、メネジ孔157が何れも変形することはない。言い換えれば、上記実施形態では、支持部190が調整力付与部210と同一距離だけ動く(撓む)ように、その剛性を設計している。なお支持部190は、調整力付与部210がロバーバル機構10の調整力付与部取付部31を上下動させる際の力(負荷)を支える(伝達する)部材である。
【0047】
なお、支持部190が撓まないように、その剛性をさらに強く設計しても良い。このように構成すると、支持部190に対して調整力付与部210のみが上下動することになるので、調整ネジ用メネジ孔133の軸心とメネジ孔157の軸心とが同一の直線上からずれる場合が生じるが、この四隅調整機構100は、アーム部170の中間位置を調整手段150によってその進退方向に向けて移動させることで、アーム部170の一端側に連結した調整力付与部210の位置を、アーム部170の他端側に連結した支持部190に対して調整(離間又は接近)させる構造なので、その構造上、前記ずれの寸法は非常に小さい。このため、調整ネジ部151の回転に大きな支障は生じず、調整ネジ部151と、調整ネジ用メネジ孔133と、メネジ孔157に無理な力は印加されない。
【0048】
以上説明したように、上記四隅調整機構100は、ロバーバル機構10の基体部23に一体化される基部110と、基部110に進退可能に取り付けられる調整手段150と、基部150に対して所定距離離間した位置に対向して設置され中間位置に調整手段150を接続するアーム部170と、アーム部170の一端側と基部110の一端側とを連結する支持部190と、アーム部170の他端側に連結され、ロバーバル機構10の基体部23の一方のビーム11近傍位置に一体化される調整力付与部210と、を有し、アーム部170の中間部分を調整手段150によってその進退方向に向けて移動させることで、調整力付与部210及びロバーバル機構10の基体部23のビーム11近傍部分の位置を調整するように構成したので、調整手段150を進退させた際、支持部190と調整力付与部210が、調整手段150の進退の中心軸に対して略対称にバランスよく変位(または支持部190に対して調整力付与部210のみが変位)するので、ロバーバル機構10の偏置荷重の微調整をスムーズに行うことができる。このとき、調整手段150はほぼ直進し、傾かないので、例えその調整量が大きくなったとしても、常にスムーズで無理のない調整作業を行うことができる。例えば本実施形態のように、調整手段150として差動ネジの機構を用いた場合でも、螺合部分に無理な力はかからず、スムーズな調整を行うことができる。
【0049】
また上記四隅調整機構100は、アーム部170の調整手段150を接続したその両側に2か所ずつ、肉薄の可撓部173,175を設けているので、アーム部170を各可撓部173,175の部分で容易に屈曲させることができ、支持部190と調整力付与部210の変位(または支持部190に対して調整力付与部210のみの変位)を、容易に行わせることができる。
【0050】
また上記四隅調整機構100は、アーム部170の調整手段150を接続した位置に近い側の一対の可撓部173,173を結ぶ直線L1と、アーム部170の調整手段150を接続した位置から離れた側の一対の可撓部175,175を結ぶ直線L2とが、平行であって且つ一致しない位置となるように、各可撓部173,175を設けたので、調整手段150の進退による力を、調整力付与部210と支持部190にスムーズに印加することができ、この調整手段150によるロバーバル機構10の偏置荷重の微調整をスムーズに行うことができる。なお、両直線L1,L2は完全には平行でなく、多少平行からずれていても、上記作用効果を有する。即ち、両直線L1,L2は略平行であればよい。
【0051】
また上記四隅調整機構100は、調整力付与部210と基部110とを連結する形状保持部230を設けているので、四隅調整機構100単体の状態でも、調整力付与部210をぐらつくことなく正規の位置に保持することができる。このため四隅調整機構100単体での取り扱い、及びロバーバル機構10への取り付け作業を、容易に行うことが可能になる。
【0052】
図8は本発明の他の実施形態に係る四隅調整機構100-2の拡大側面図である。同図に示す四隅調整機構100-2において、前記
図1~
図7に示す実施形態にかかる四隅調整機構100と同一又は相当部分には同一符号(但し添え字「-2」を付す)を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記
図1~
図7に示す実施形態と同じである。この四隅調整機構100―2において、上記四隅調整機構100と相違する点は、形状保持部230を省略した点のみである。形状保持部230は、四隅調整機構100をロバーバル機構10に取り付けるまでぐらつく調整力付与部210を正規の位置に保持しておくために必要な部材なので、場合によっては必ずしも設置しなくても良い。このためこの四隅調整機構100-2においては、この形状保持部230を省略している。形状保持部230を省略した場合、調整力付与部210-2は、図示しない別の方法で所定位置に保持するようにしても良いし、特にそのような手段を設置しなくてもよい。
【0053】
図9は本発明のさらに他の実施形態に係る四隅調整機構100-3の拡大側面図である。同図に示す四隅調整機構100-3において、前記
図1~
図7に示す実施形態にかかる四隅調整機構100と同一又は相当部分には同一符号(但し添え字「-3」を付す)を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記
図1~
図7に示す実施形態と同じである。この四隅調整機構100―3において、上記四隅調整機構100と相違する点は、調整手段150-3の構造である。調整手段150-3において、前記調整手段150と相違する点は、回転力付与部(頭部)155-3を、オネジの一端(基部110-3の外側)に設ける代わりに、中間位置(基部110-3とアーム部170-3の間の位置)に設けた点である。一方、アーム押圧部153-3は、回転力付与部155-3を設置するためにその長さを短く形成している。そして前記回転力付与部155-3を回動することで、上記四隅調整機構100と同様の作用効果が生じる。
【0054】
図10は本発明のさらに他の実施形態に係る四隅調整機構100-4の拡大側面図である。同図に示す四隅調整機構100-4において、前記
図1~
図7に示す実施形態にかかる四隅調整機構100と同一又は相当部分には同一符号(但し添え字「-4」を付す)を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記
図1~
図7に示す実施形態と同じである。この四隅調整機構100―4において、上記四隅調整機構100と相違する点は、調整手段150-4の構造である。調整手段150-4において、前記調整手段150と相違する点は、アーム押圧部153-4をアーム部170の中央に設けると共に、このアーム押圧部153-4に調整ネジ部151-4を螺合・貫通させ、回転力付与部(頭部)155-4をアーム部170-4の外側の調整ネジ部151-4の端部に設けた点である。そして前記回転力付与部155-4を回動することで、上記四隅調整機構100と同様の作用効果が生じる。
【0055】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記実施形態では、ロバーバル機構10の基体部23に四隅調整機構100の基部110を取り付けて一体にし、またロバーバル機構10の調整力付与部取付部31に四隅調整機構100の調整力付与部210を取り付けて一体にしたが、基部110と調整力付与部210は、これらをロバーバル機構10の一部として、即ち、ロバーバル機構10を構成する金属材の一部として形成しても良い。即ちこの場合は、ロバーバル機構10と四隅調整機構100が同一の金属材で一体に形成される。また四隅調整機構100を取り付けるロバーバル機構10の形状・構造も種々の変形が可能であり、要は、一対のビームの両端に肉薄の節部を介して固定側の基体部と荷重を受ける荷重受け部とを連結してなる構成であれば、どのような構成であっても良い。また上記実施形態では、四隅調整機構を用いるはかりとして、音叉振動子53を有する荷重センサ50を用いた音叉式はかり1-1を示したが、本発明にかかる四隅調整機構を用いるはかりは音叉式に限られず、ロードセル方式などの他の形式の荷重センサを有するはかりにも同様に用いることができる。また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0056】
1-1 音叉式はかり(計量センサ) 10 ロバーバル機構
11,13 ビーム 15,17,19,21 節部
15a,17a,19a,21a 透孔 23 基体部
25 荷重受け部 27 基部取付部
29 取付部 31 調整力付与部取付部
33,33 取付部 34 ロバーバル機構保持体
35 固定部 37 荷重センサ収容部
39 荷重受け部取付部 41 センサ基部取付部
42,43 取付部 50 荷重センサ
51 センサ基部 53 音叉振動子
53a,53b 板状振動片 53c,53d 結合部
55 センサ荷重受け部 57 梃部
59 牽引部 61,63 取付用孔
100,100-2,100-3,100-4 四隅調整機構
110,110-3基部 133 調整ネジ用メネジ孔
135 調整ネジ固定用メネジ孔 137 調整ネジ固定用オネジ
139,141 固定用孔
150,150-3,150-4 調整手段
151,151-4 調整ネジ部
153,153-3,153-4 アーム押圧部
155,155-3,155-4 回転力付与部(頭部)
157 メネジ孔
170,170-3,170-4 アーム部
171 アーム押圧部接続部
173,173,175,175 可撓部
190 支持部 210,210-2 調整力付与部
211 取付孔 230 形状保持部
311 肉薄部
A ベース