(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】音声再生装置及び音楽再生プログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 5/04 20060101AFI20220622BHJP
G09B 19/06 20060101ALI20220622BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20220622BHJP
G10K 15/04 20060101ALI20220622BHJP
G10L 13/00 20060101ALI20220622BHJP
G10L 19/00 20130101ALI20220622BHJP
G10L 21/12 20130101ALI20220622BHJP
G11B 20/10 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
G09B5/04
G09B19/06
G06F3/16 540
G10K15/04 302F
G10L13/00 100R
G10L19/00 312E
G10L21/12
G11B20/10 321Z
(21)【出願番号】P 2018027505
(22)【出願日】2018-02-20
【審査請求日】2020-11-25
(31)【優先権主張番号】P 2017039519
(32)【優先日】2017-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】599092103
【氏名又は名称】向井 誠治
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(74)【代理人】
【識別番号】100196623
【氏名又は名称】松下 計介
(72)【発明者】
【氏名】向井 誠治
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-036885(JP,A)
【文献】特開2013-125056(JP,A)
【文献】特開2010-002788(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0084047(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00 - 9/56
G09B 17/00 - 19/26
G06F 3/16
G10K 15/04
G10L 13/00
G10L 19/00
G10L 21/12
G11B 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
音声を特定することが出来る情報によって特定される一つの音声ファイルに含まれる音声である音声情報、及び前記音声情報において再生する始点と終点とを指定した再生範囲である再生単位毎に前記音声情報を再生させるインデックス情報を記憶するデータ記憶部と、
前記音声情報を任意の前記再生単位毎に再生可能な再生制御部と、
学習者または第三者の少なくとも一方によって前記音声情報を再生または再生停止し、前記再生単位の再生速度及びリピート回数を設定する操作制御部と、
を有する音声再生装置として機能させるための音声再生プログラムであって、
前記インデックス情報は、
前記音声情報
及び制御プログラムを含まず、前記音声情報を特定することができる情報、前記音声情報中の再生単位及び前記再生単位を識別する識別情報を含む、学習者または第三者の少なくとも一方によって作成可能なテキストデータであり、前記再生単位
と前記識別情報とが関連付けられており、
前記再生制御部が、
前記データ記憶部に記憶されている前記インデックス情報
に基づいて、前記音声情報
を前記インデックス情報に含まれる個々の前記再生単位に区分し、前記操作制御部で設定された前記再生速度及び前記リピート回数に従って、前記再生単位毎に
前記音声情報を再生する
ように、前記音声再生装置を機能させる、
音声再生プログラム。
【請求項2】
前記
識別情報は、前
記各再生単位の
前記音声情報の構成要素を示す種
別を含むことを特徴とする、請求項1に記載の音声再生プログラム。
【請求項3】
前記音声再生装置は、
前
記識別情報を判定する判定手段
を有し、
前記音声情報の再生規則であり、前記再生単位を再生するか否かの設定である学習選択の設定、リピート回数の設定及び再生速度の設定のうち少なくとも前記学習選択の設定を含むタスクを保持可能であり、
前記タスクは、
学習選択の設定、リピート回数の設定及び再生速度の設定を学習者または第三者の少なくとも一方が前記操作制御部
によって変更可能であり、
前記判定手段により前記再生単位に付与された種別を判定し、前記判定された種別に紐づけられたタスクに基づいて前記インデックス情報に含まれる前記再生単位の再生処理を行い、手動再生の場合、前記タスクのうち前記学習選択の設定のみに基づいて前記インデックス情報に含まれる前記再生単位の前記再生処理を行う
ように前記音声再生装置を機能させる、請求項2に記載の音声再生プログラム。
【請求項4】
前記再生制御部が、
前記再生単位の音声情報について、複数の
前記タスクが連結して1つのタスク群として
再生選択されたタスクのリピート回数の設定及び再生速度の設定のうち少なくとも一つに従って自動再生処理を行う
ように前記音声再生装置を機能させる、請求項3に記載の音声再生プログラム。
【請求項5】
前記再生制御部が、
種別が異なる複数の再生単位が連続再生する1つのみなし再生単位となり、前記みなし再生単位の種別に応じたリピート回数、再生速度で再生するタスクとして再生処理を行う
ように前記
音声再生装置を機能させる請求項3又は4に記載の音声再生プログラム。
【請求項6】
前記インデックス
情報に含まれる再生単位の種別には、
学習対象言語の種別、または第1言語の種別と学習対象言語の種別とを含み、
前記再生制御部が、
前記第1言語と
前記学習対象言語にそれぞれ与えられた識別情報を交換して再生処理を行う、言語反転機能を有する
ように前記音声再生装置を機能させる、請求項3から
5のいずれか1つに記載の音声再生プログラム。
【請求項7】
前記インデックス
情報に含まれる再生単位の種別には、
学習対象言語の種別、または第1言語の種別と学習対象言語の種別とを含み、
前記再生制御部が、
前記第1言語と
前記学習対象言語にそれぞれ与えられた再生順を逆転しての再生処理の切り替えを行う再生優先順位変更機能を有する
ように前記音声再生装置を機能させる、請求項3から
6のいずれか1つに記載の音声再生プログラム。
【請求項8】
前記インデックス情報は、
「単語」及び「例文」のうち少なくとも一方に対する「意味」及び「和訳」のうち少なくとも一方が元音声に含まれていない場合の音声合成用に設けられる再生単位を、学習者または第三者の少なくとも一方によって作成可能であることを特徴とする、請求項1から
7のいずれか1つに記載の音声再生プログラム。
【請求項9】
前記
音声合成用に設けられる再生単位は、音声合成により再生可能なテキストデータ
を再生する再生範囲を指定した再生単位である、請求項
8に記載の音声再生プログラム。
【請求項10】
前記音声情報を再生させながら、
学習者または第三者の少なくとも一方によって適宜のタイミングで前記音声情報を区切り、当該区切りで囲まれた位置を1つの再生単位とする前記インデックス情報を作成
可能なインデックスデータ作成
機能をさらに有する
ように前記音声再生装置を機能させる、請求項1から
9のいずれか1つに記載の音声再生プログラム。
【請求項11】
音声合成により再生可能なテキストデータを
学習者または第三者の少なくとも一方によって入力する、テキスト入力手段を有する
ように前記音声再生装置を機能させる、請求項
10に記載の音声再生プログラム。
【請求項12】
前記インデックス
情報を、ネットワークを介して送受信可能な送受信手段を
有するように前記音声再生装置を機能させる、請求項1から
11のいずれか1つに記載の音声再生プログラム。
【請求項13】
音声を特定することが出来る情報によって特定される一つの音声ファイルに含まれる音声である音声情報、及び前記音声情報において再生する始点と終点とを指定した再生範囲である再生単位毎に前記音声情報を再生させるインデックス情報を記憶するデータ記憶部と、
前記音声情報を任意の前記再生単位毎に再生可能な再生制御部と、
学習者または第三者の少なくとも一方によって前記音声情報を再生または再生停止し、前記再生単位の再生速度及びリピート回数を設定する操作制御部と、
を有する音声再生装置であって、
前記インデックス情報は、
前記音声情報
及び制御プログラムを含まず、前記音声情報を特定することができる情報、前記音声情報中の再生単位及び前記再生単位を識別する識別情報を含む、学習者または第三者の少なくとも一方によって作成可能なテキストデータであり、前
記再生単位と前
記識別情報とが関連付けられており、
前記再生制御部が
前記データ記憶部に記憶されている前記インデックス情報
に基づいて、前記音声情報を
前記インデックス情報に含まれる個々の前記再生単位に区分し、前記操作制御部で設定された前記再生速度及び前記リピート回数に従って、前記再生単位毎に
前記音声情報を再生することを特徴とする音声再生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声再生装置に関し、さらに詳しくは、英語などの外国語の学習に好適に使用することができる音声再生装置及び音楽再生プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
音声データなどの再生を行う再生装置では、再生対象のデータを繰り返し再生するリピート再生機能を備えているものがある。このリピート再生機能を利用して、リピート区間が繰り返し再生されることで、語学の学習時等において使用されているものが知られている。例えば、特許文献1(特開2012-155822号公報)には、コンテンツの再生時においてリピート再生を制御するにあたり、リピート回数に応じて再生速度を変化させる再生装置が知られている。この装置は、特許文献1の
図12などに示されているように、1つの再生コンテンツをリピートの回数ごとに再生速度を早める又は遅くする処理を行うようにするものである。この装置は、利用者がその都度再生速度の設定を行う必要がなく、再生速度が異なるリピート再生により、当該コンテンツの語学練習などへの利用価値を高めることができるように構成されたものである。
【0003】
上記の再生装置により再生するためのコンテンツとして、語学の参考書などには、ネイティブスピーカーによって読み上げられた参考書の単語や例文などの音声データを録音したCDなどが付属しているものを使用することができる。この音声データは、音声のほとんどが単語学習書なら参考書の見開き2頁分の単語や意味、例文の読み上げ、英会話の参考書なら見開き数頁分の例文を読み上げものが一つの音声ファイルとなっている。これからその参考書を学ぼうとする者にとって、これらの英文をいきなり次から次へと読み進められても、理解が付いていくことができず、せっかくのネイティブ発音による読み上げなのにあまり学習に活用されていないのが実状である。
【0004】
一つの単語やその意味、例文や和訳などがそれぞれ一つの再生単位となっていれば、それだけをリピートしながら声に出して言えば発音やリンキング、リダクションが自然と身に付くだけでなく、語順などの文法も身に付けることができると考えている学習者は多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、参考書一冊分の単語やその意味、例文や和訳などを一つの再生単位の音声にカッティングするにはかなりの時間を費やすだけでなく、音声を編集ソフトの入手や操作方法も身に付けなければならない。第三者からの提供があればよいが、たとえその相手が元音源を持っていたとしても、当該学習者が著作物を加工して第三者へ譲渡することは法上の問題が生じる可能性もある。
【0007】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、言語としての4つの技能を同時に育成することができると共に、学習対象言語を第1言語とする人のネイティブな発音で言語を学習者が自分の学習方法に沿った設定で効率よく習得することができる音声再生装置及び音楽再生プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、著作権に触れないよう音声は一切加工せず、音声を聴きつつ音声の音の波形を見ながら、動画なら音声を聴きつつ音声の音の画像を見ながら、何秒から何秒は「単語」、何秒から何秒は「意味」などと音声を再生単位ごとに仕分けされたインデックス情報だけを音声情報とは異なるファイル形式などで記録保存することができる音声属性仕分け機能を有する。そして、再生時にそのインデックス情報の内容に沿って再生情報を構成要素ごとに再生することができる音声再生装置及び音楽再生プログラムを提案する。
【0009】
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の音声再生装置を提供する。
【0010】
本発明の第1態様によれば、コンピュータを、音声を特定することが出来る情報によって特定される一つの音声ファイルに含まれる音声である音声情報、及び前記音声情報において再生する始点と終点とを指定した再生範囲である再生単位毎に前記音声情報を再生させるインデックス情報を記憶するデータ記憶部と、前記音声情報を任意の前記再生単位毎に再生可能な再生制御部と、学習者または第三者の少なくとも一方によって前記音声情報を再生または再生停止し、前記再生単位の再生速度及びリピート回数を設定する操作制御部と、を有する音声再生装置として機能させるための音声再生プログラムであって、前記インデックス情報は、前記音声情報及び制御プログラムを含まず、前記音声情報を特定することができる情報、前記音声情報中の再生単位及び前記再生単位を識別する識別情報を含む、学習者または第三者の少なくとも一方によって作成可能なテキストデータであり、前記再生単位と前記識別情報とが関連付けられており、前記再生制御部が、前記データ記憶部に記憶されている前記インデックス情報に基づいて、前記音声情報を前記インデックス情報に含まれる個々の前記再生単位に区分し、前記操作制御部で設定された前記再生速度及び前記リピート回数に従って、前記再生単位毎に前記音声情報を再生するように、前記音声再生装置を機能させる、音声再生プログラムを提供する。
【0011】
本発明の第2態様によれば、前記識別情報は、前記各再生単位の前記音声情報の構成要素を示す種別を含むことを特徴とする、第1態様の音声再生プログラムを提供する。
【0012】
本発明の第3態様によれば、前記音声再生装置は、前記識別情報を判定する判定手段を有し、前記音声情報の再生規則であり、前記再生単位を再生するか否かの設定である学習選択の設定、リピート回数の設定及び再生速度の設定のうち少なくとも前記学習選択の設定を含むタスクを保持可能であり、前記タスクは、学習選択の設定、リピート回数の設定及び再生速度の設定を学習者または第三者の少なくとも一方が前記操作制御部によって変更可能であり、前記判定手段により前記再生単位に付与された種別を判定し、前記判定された種別に紐づけられたタスクに基づいて前記インデックス情報に含まれる前記再生単位の再生処理を行い、手動再生の場合、前記タスクのうち前記学習選択の設定のみに基づいて前記インデックス情報に含まれる前記再生単位の前記再生処理を行うように前記音声再生装置を機能させる、第2態様の音声再生プログラムを提供する。
【0013】
本発明の第4態様によれば、前記再生制御部が、前記再生単位の音声情報について、複数の前記タスクが連結して1つのタスク群として再生選択されたタスクのリピート回数の設定及び再生速度の設定のうち少なくとも一つに従って自動再生処理を行うように前記音声再生装置を機能させる、第3態様の音声再生プログラムを提供する。
【0014】
本発明の第5態様によれば、前記再生制御部が、種別が異なる複数の再生単位が連続再生する1つのみなし再生単位となり、前記みなし再生単位の種別に応じたリピート回数、再生速度で再生するタスクとして再生処理を行うように前記音声再生装置を機能させる、第3又は第4態様の音声再生プログラムを提供する。
【0015】
本発明の他の態様によれば、前記再生手段は、前記タスクの設定値変更において、タスクの再生をするか否かを切り替える学習選択スイッチ機能を有することを特徴とする、第3から第5態様のいずれか1つの音声再生装置を提供する。
【0016】
本発明の第6態様によれば、前記インデックス情報に含まれる再生単位の種別には、学習対象言語の種別、または第1言語の種別と学習対象言語の種別とを含み、前記再生制御部が、前記第1言語と前記学習対象言語にそれぞれ与えられた識別情報を交換して再生処理を行う、言語反転機能を有するように前記音声再生装置を機能させる、第3から第6態様のいずれか1つの音声再生プログラムを提供する。
【0017】
本発明の第7態様によれば、前記インデックス情報に含まれる再生単位の種別には、学習対象言語の種別、または第1言語の種別と学習対象言語の種別とを含み、前記再生制御部が、前記第1言語と前記学習対象言語にそれぞれ与えられた再生順を逆転しての再生処理の切り替えを行う再生優先順位変更機能を有するように前記音声再生装置を機能させる、第3から第7態様のいずれか1つの音声再生プログラムを提供する。
【0018】
本発明の第8態様によれば、前記インデックス情報は、「単語」及び「例文」のうち少なくとも一方に対する「意味」及び「和訳」のうち少なくとも一方が元音声に含まれていない場合の音声合成用に設けられる再生単位を、学習者または第三者の少なくとも一方によって作成可能であることを特徴とする、第1から第8態様のいずれか一つの音声再生プログラムを提供する。
【0019】
本発明の第9態様によれば、前記音声合成用に設けられる再生単位は、音声合成により再生可能なテキストデータを再生する再生範囲を指定した再生単位である、第9態様の音声再生プログラムを提供する。
【0020】
本発明の第10態様によれば、前記音声情報を再生させながら、学習者または第三者の少なくとも一方によって適宜のタイミングで前記音声情報を区切り、当該区切りで囲まれた位置を1つの再生単位とする前記インデックス情報を作成可能なインデックスデータ作成機能をさらに有するように前記音声再生装置を機能させる、第1から第10態様のいずれか1つの音声再生プログラムを提供する。
【0021】
本発明の第11態様によれば、音声合成により再生可能なテキストデータを学習者または第三者の少なくとも一方によって入力する、テキスト入力手段を有するように前記音声再生装置を機能させる、第11態様の音声再生プログラムを提供する。
【0022】
本発明の第12態様によれば、前記インデックス情報を、ネットワークを介して送受信可能な送受信手段を有するように前記音声再生装置を機能させる、第1から第12態様のいずれか1つの音声再生プログラムを提供する。
【0023】
本発明の第13態様によれば、音声を特定することが出来る情報によって特定される一つの音声ファイルに含まれる音声である音声情報、及び前記音声情報において再生する始点と終点とを指定した再生範囲である再生単位毎に前記音声情報を再生させるインデックス情報を記憶するデータ記憶部と、前記音声情報を任意の前記再生単位毎に再生可能な再生制御部と、学習者または第三者の少なくとも一方によって前記音声情報を再生または再生停止し、前記再生単位の再生速度及びリピート回数を設定する操作制御部と、を有する音声再生装置であって、前記インデックス情報は、前記音声情報及び制御プログラムを含まず、前記音声情報を特定することができる情報、前記音声情報中の再生単位及び前記再生単位を識別する識別情報を含む、学習者または第三者の少なくとも一方によって作成可能なテキストデータであり、前記再生単位と前記識別情報とが関連付けられており、前記再生制御部が前記データ記憶部に記憶されている前記インデックス情報に基づいて、前記音声情報を前記インデックス情報に含まれる個々の前記再生単位に区分し、前記操作制御部で設定された前記再生速度及び前記リピート回数に従って、前記再生単位毎に前記音声情報を再生することを特徴とする音声再生装置を提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、作成されたインデックス情報には再生対象となる音声データが含まれていないため、インデックス情報の所有者は、共に同じ参考書で学んでいる人に著作権などの問題なしにインデックス情報を提供できる。また学習者はインデックス情報を第三者から提供を受けることで、自らインデックス情報を作成する手間なく、参考書を購入して直ぐに使用可能となる。また、インデックス情報にしたがって音声情報を再生単位ごとに再生することによって、音声情報を連続して単に再生させることなく、例えば「単語と意味」だけ、あるいは、「和訳と例文」、「和訳」と「例文」の再生順の反転など、自分なりの学習設定で再生させることができる。
【0025】
本発明によれば、学習対象言語に関する音声を直接再生処理させるのではなく、第三者と受け渡し可能なインデックス情報に基づいて音声を再生処理させることを可能にすることにより、個々学習者がオリジナル学習を目的として音声を編集していた手間を軽減することができる。
【0026】
また、再生単位毎に「単語」や「意味」、「和訳」、「例文」などの各識別情報を設け、その識別情報に紐付けされた各々のタスク(学習選択と速度変更機能、再生回数変更機能を有した再生処理部)に、または複数のタスクが連結した1つのタスク群によって再生処理されるようにしたことにより、学習者が自分に合った自由な設定で再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施形態に係る音声再生装置の定義を説明するための概要図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る音声再生装置の再生方式を説明する図であり、(A)は、従来の音声編集方式、(B)はインデックスデータを用いた再生方式を説明する図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る音声再生装置に用いられるインデックスデータの構成を模式的に示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る再生装置画面に用いられる文字枠文字管理データの構成を模式的に示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る音声再生装置の再生単位に付与される識別情報と画面の関係を表化したものである。
【
図6】本発明の実施形態に係る音声再生装置における再生単位についての説明図である。
【
図7】再生単位Bと再生単位B群の使い分けを示したフローチャートである。
【
図8】本発明の実施形態の音声再生装置の再生規則を説明する模式図である。
【
図9】本発明の実施形態の音声再生装置のタスク再生規則を説明する模式図であり、(A)は、識別情報に紐付けされた基本的なタスク構造の例であり、(B)は、識別情報に紐付けされた複数のタスクの連続構造の例である。
【
図10】本発明の実施形態の音声再生装置の言語切り替え処理を説明する模式図である。
【
図11】本発明の実施形態の音声再生装置のインデックスデータの再生単位を再生する優先順位の変更処理を説明する模式図である。
【
図12】本発明の実施形態の音声再生装置のタスク再生規則の他の例を説明する模式図である。
【
図13】英語学習システムの再生装置のモニタに表示される個別設定画面の表示例を示す図であり、(A)は個別設定画面、(B)は演習設定画面の画面表示例である。
【
図14】英語学習システムの再生装置のモニタに表示される学習画面の表示例を示す図であり、(A)は手動再生による学習時の画面、自動再生による学習時の画面の画面表示例である。(C)は手動と自動の再生処理の相違を説明する図である。
【
図15】本発明の実施例に掛る英語学習システムにおいて使用する音声再生装置の機能ブロック図である。
【
図16】
図2のインデックスデータを作成する画面の表示例を示す図である。
【
図17】
図2のインデックスデータを作成する手順を示した図である。
【
図21】
図15の学習システムにおいて使用される書籍のコンテンツの組合せと構成の種類の一例を示した図である。
【
図22】
図15の学習システムにおいて使用されるコンテンツに対応した書籍の構成を模式的に示す図である。
【
図23】
図17の作業手順7の参考フローチャート図と処理対象となる種別組合せを示した図である。
【
図24】
図17の作業手順11と手順12の参考フローチャート図と処理対象となる種別組合せを示した図である。
【
図25】
図18の作業手順11の実施対象となった種別組合せ一覧を示した参考図である。
【
図26】
図18の作業手順12の実施対象となった種別組合せ一覧を示した参考図である。
【
図27】
図15の学習システムの再生時のモニタに再生時に表示される画面表示例を示す図である。
【
図28】本発明の再生装置画面に用いられる文字枠文字を音声合成で読み上げるためのフローチャートである。
【
図29】
図27の学習システムの再生時の画面に再生速度毎に表示されるメッセージ例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態に係る音声再生装置または音声再生プログラムについて、図面を参照しながら説明する。本実施形態にかかる音声再生装置または音声再生プログラムは、英語などの言語の学習者が好適に用いることができる。本発明の実施形態にかかる音声再生装置は、本発明の音声情報としての音声データを再生可能な機能を有するコンピュータ、再生専用装置、スマートフォン、電子辞書、PDAなどの電子機器が使用可能である。なお、本発明の音声再生プログラムは、上記電子機器にインストールされて、前記電子機器を音楽生成装置として機能させる。音楽再生プログラムは、使用可能な電子機器に最初から搭載されていてもよいし、前記使用可能な音声再生装置の受信装置を介して別途インストール可能なアプリケーションプログラムであってもよい。また、当該プログラムは、ネットワークを通じて提供されるものでもよいし、記録媒体を介して提供されるものであってもよい。
【0029】
再生される音声データは、光ディスクや半導体メモリなどの外部の記録媒体に記憶されているものをそのまま使用してもよいし、装置に内蔵されているハードディスクドライブや半導体メモリなどの記録媒体に記憶させてもよい。また、ネットワークを通じて受信し、装置内又は増設した記録媒体に記憶させてもよい。なお、音声再生装置によって作成されたインデックスデータや文字枠文字管理データなどのデータは前記各種媒体により記憶させられるだけでなく、音声再生装置の送受信部を介して自身あるいは第三者の端末との間で送受信することができる。
【0030】
本実施形態にかかる音声再生装置は、音声データに対応したインデックスデータが、音声データを個々の再生単位に区分して、音声データを再生単位ごとに付与された識別情報に紐づけられたタスクの再生速度を変更可能に所定回数リピートして再生する。なお、このとき、再生単位の再生を、複数の学習ステージに分けて、ステージ(タスク)ごとにリピート回数、再生速度を設定可能に再生処理を行うこともできる。
【0031】
なお、音声再生装置により再生されるコンテンツは、当該音声再生装置によって作成されたインデックスデータや文字枠文字管理データ、各種音声データの他、音声付静止画像や音声付動画データであってもよい。また、音声付動画においては、音声と動画は連動しており、音声の再生範囲を指定することで動画の再生範囲も指定できる。音声を聴きつつ音声の音の波形を見ながら、動画なら音声を聴きつつ音声の音の画像を見ながら、何秒から何秒は「単語」、何秒から何秒は「意味」などと音声を再生単位として再生範囲を指定できる。また、動画ではなく、再生単位である時間的範囲内の任意の動画の静止画像を予め指定または設定できるようにしておけば、リピート再生時の画面の頻繁な表示変更を防止させることができる。また、この機能の応用として、動画の一部ではない写真、イラストなどの画像を再生単位に紐付けすることで再生時画面に画像を表示させることもできる。
【0032】
コンテンツは、一例として、英単語又は熟語(以下、単に単語と記載する。)及び当該英単語の使用例としての意味や例文、和訳の文字・画像・音声データなどを含むことができる。なお、画面上の文字コンテンツが表示される欄に文字データがない場合や修正や追加したい場合には、学習者が文字を書き込むことができるようにしてもよい。また、書き込んだ文字のデータは自動的又は任意に保存できるようにしてもよい。なお、音声データなどのコンテンツは、再生装置自体に記憶されず、サーバなどにある音声データをストリーミング再生するようにしてもよい。
【0033】
(インデックスデータ)
インデックスデータは、本発明におけるインデックス情報に相当するものであり、
図1で示すように、広義には、アーティスト名やアルバム名、音声のタイトル名などによって音声を特定することができる情報と1つ以上の再生単位が記載されたデータである。さらには、上記再生単位の名称として再生順位番号に識別情報が付与されているデータをいう。なお、個々のインデックスデータの名称を施す場合、基となる音声のタイトル名と同じタイトル名にすることが望ましいが、基となる音声を特定することができるものであれば特に問わない。
【0034】
音声再生装置は、広義には、
図1に示すように、インデックスデータに基づいて当該音声を再生する機能を有した音声再生装置である。より具体的には、インデックスデータ内の識別情報に基づいて当該再生単位をリピート回数、再生速度を含むタスクの設定を設定値変更可能に再生処理するタスクを1つ以上保持することができる音声再生装置である。さらには、識別子に対応したタスクが連結して複数のタスクが1つのタスク群としての再生を行ったり、種別が異なる複数の再生単位が連続再生する1つのみなし再生単位となり、そのみなし再生単位の種別に応じたリピート回数、再生速度で再生するタスクとして当該音声を再生する機能を有した音声再生装置である。具体的には、
図1に示す4つの機能に対する態様が含まれる。
【0035】
1つ目の態様としては、インデックスデータを作成する態様である(
図1のA参照)。インデックスデータを別の端末に提供するための何らかの送信手段を有していてもよい。2つ目の態様としては、インデックスデータを作成することができ、インデックスデータや音声データなどを、別の端末から受け取るための何らかの受信手段を有する(
図1のB参照)。3つ目の態様としては、インデックスデータを作成することはできないが、インデックスデータに基づいて音声を再生することができる(
図1のC参照)。この態様においては、インデックスデータや音声などを別の端末から受け取るための何らかの受信手段を有することが前提となる。4つ目の態様としては、送受信手段を有してないため、音声やインデックスデータなどの追加はできないが、音声再生装置完成時点で音声とインデックスデータなどを有している音声再生装置である(
図1のD参照)。
【0036】
なお、上記何らかの送信手段、受信手段としては、ケーブル接続、WiFiなどの無線、メモリカードによる受け渡し、インターネットを経由した受け渡しを可能とさせる送信装置または受信装置が含まれる。
【0037】
インデックスデータは、当該音声のアーティスト名やアルバム名、タイトル名などの音声データを特定する情報、参考書の構成要素(「単語」や「意味」など)、各再生単位情報などで構成されている。なお再生単位には各構成要素を再生単位とするための番号と識別情報、再生単位の範囲を示す時間情報などが含まれる。インデックスデータには、音声データ自体は含まれていないため、著作権法上問題になる可能性は少ない。すなわち、たとえ第三者がインデックスデータを入手したとしても、当該音声を音声再生装置内などに保持していなければ、音声を再生することはできない。
【0038】
インデックスデータを用いた音声再生について説明する。
図2の(A)で示すように、音楽編集ソフトの場合は、元音声の不要な部分をカットしたり、音を追加したりと音声データそのものを加工する。一方、インデックスデータは、
図2の(B)に示すように、元音声データを加工することなく、音声データの情報中の個々任意の再生単位の位置を特定する位置情報と再生単位を識別する識別情報が関連付けられて記憶されている非音声データである。インデックスデータとしては、文字情報としてのテキストデータなどを用いることができる。本実施形態に係る音声再生装置は、このインデックスデータの情報に基づいて音声を再生させる。この再生方式によれば、音声編集ソフトのよる音声の加工の場合、一度削除してしまった部分は復元できないが、インデックスデータは音声データに対応した情報を記載しているだけであり、作成後の修正も容易なので、この問題は生じない。
【0039】
図3はインデックスデータの構成を模式的に示す図である。
図3では視覚的にわかりやすいようにリスト図示しているが、様式は問わない。まず、
図16(A)と(C)の対比で示すように再生単位Aを「単語」、再生単位Bを「意味」と「仮想意味」、再生単位Cを「和訳」と「仮想和訳」、再生単位Dを「例文」、再生単位Yを「番号」、再生単位Zを「その他」再生単位Fを「不要」に当てていることを前提とする。すなわち、本実施形態の例では、日本語が本発明における第1言語、英語が本発明における学習対象言語に相当する。
【0040】
なお、「仮想意味」と「仮想和訳」については、「単語」または「例文」に対する「意味」と「和訳」が元音声に含まれていない場合の音声合成用に設けられる再生単位であるため、開始時間と終了時間はない。よって、当該「単語」または当該「例文」に対する「意味」と「仮想意味」「和訳」と「仮想和訳」同時にインデックス上に存在することはない。
【0041】
なお、これらの再生単位の種別はインデックスデータに含まれる識別情報により特定される。
図3のインデックスデータはその他と番号、単語、意味、和訳、例文の読み上げがある単語学習参考書に付随する音声を示す。
「意味」が複数続く場合は、音声再生時に複数の「意味」が1つのグループとなって再生単位Bか再生単位B群となって再生される。
【0042】
なお、作成されたインデックスデータのタイトル名は、作成に用いた音声のタイトル名とすることが望ましいが、文字データのタイトル名で作成に用いた音声を特定できるものであれば特に限定されない。
【0043】
一例として、
図17を用いて説明すると、ステップ13の完成状態をインデックスデータとすることが望ましい。ただし、ステップ3の「適正保存」を押した時点をインデックスデータとしても良い。また、ステップ4からステップ12までのいずれかの時点までをインデックスデータとして、そこから残りステップ13までを再生側のプログラムにより行わせることもできる。
【0044】
なお、インデックスデータは、例えば、XMLなどのテキストファイルとして保存することができる。インデックスデータと再生される音声データ、文字枠内文字管理データは、光ディスクや半導体メモリなどの外部の記憶媒体に記憶されているものをそのまま使用しても良いし、装置に内蔵されているハードディスクドライブや半導体メモリなどの記憶媒体に記憶させてもよい。また、ネットワークを通じて送信し、装置内又は増設した記憶媒体に記憶させてもよい。ただし、文字枠内文字管理データは、装置に保存させることが望ましい。また、保存形式としては、インデックスデータ内に統合して記録されてもよいし、インデックスデータとは別に文字枠内文字管理データとして記録されていてもよい。なお、別のデータとして記録される場合は、インデックスデータと文字枠内文字管理データはなんらかの方法で連動するように処理する。また、記憶されるタイミングは、同時であってもよいし、別途であってもよい。また、インデックスデータや文字枠内文字管理データにパスワードを掛けて、これらのデータを受け取った者がパスワードを入力しないと開示または編集できないようにしてもよい。
【0045】
なお、文字枠内文字管理データは、インデックスデータの送受信において、インデックスデータ自体と共に送受信することができるし、別のタイミングで送受信することもできる。
【0046】
インデックスデータおよび文字枠内文字管理データは他者に提供したり、他社からの提供を受けることができる。インデックスデータおよび文字枠内文字管理データは、ファイルの状態でメールなどに添付してもよいし、メモリカードで受け渡ししてもよいし、ファイルがサーバに保管している場合などはURLをSNSや掲示板、メールなどに記載してダウンロードさせてもよい。また、インデックスデータを圧縮や他のファイル形式に変換して、変換後のデータを送受信するようにしてもよい。
【0047】
上記のインデックスデータとしては、英単語、その単語の意味、その単語を用いた例文、その和訳がそれぞれ1つの再生単位となるように区分けされた状態となっている。対応する単語や意味、和訳、例文等の再生単位は、インデックスデータの先頭から再生優先順位を示す番号と、さらに、例えば、その末尾に音声データの種別を識別する文字列などを備えて、対応する単語や意味、和訳、例文などであることが容易に識別できる種別子(識別子)で構成されていることが好ましい。以下、本実施形態において、当該再生単位の種別を識別するための情報を単に「識別情報」という。
【0048】
なお、識別情報とは再生単位の種別を識別するために付与されたもので、一例としては、「英単語」「その意味」「例文」「その和訳」「学習の説明」「効果音」など種類が異なる音声ごとに付与されるものである。(
図16、
図20参照)なお、効果音や学習の説明の再生単位など、使用者の使用目的に対して重要な意味を持たないものについては、それぞれまとめて同じ種類としての識別情報を設けてもよい。
【0049】
識別情報は、上記のように再生単位名の一部に付加する他、再生単位内に埋め込んだ状態で設けることもできる。識別情報は、アルファベット、数字、記号、文字、あるいはその組み合わせとして付与することもできる。
【0050】
本発明における各種別に仕分けされた再生単位すべてに識別情報を付与することができる。識別情報を設ける理由として、まず、複数のタスクをプログラム上持つことができる点が挙げられる。インデックスデータ上の再生単位に、「単語」「意味」「和訳」「例文」それぞれに異なった識別情報を付与すれば、学習選択が容易となる。すなわち、主要再生単位毎に識別情報を設けることで、当然タスクは種別ごとの別の種類のタスクとなり、「例文」を聴くために仮に再生回数を5回と設定し、「例文」を5回再生したとしても、「和訳」のみを1回だけの再生とすることもできるし、特定の種類の再生単位をスキップして再生する、例えば、「単語と意味」だけを学習するとか「和訳と例文」だけを聴くといった選択も可能となる。なお、識別情報は再生単位名に付与することが望ましい。上記したような再生するタスクを特定されることが可能であれば、「単語」の後ろにその「意味」がない時に設けられる意味文字枠に記載された文字データを読み上げるための「仮想意味」や「例文」の前にその「和訳」がない時に設けられる和訳文字枠に記載された文字データを読み上げるための「仮想和訳」など特殊な再生単位にも付与することもできる。
【0051】
種別とは、音声の内容を構成要素に置き換えたもので、例えば英単語学習参考書であれば、「無音」「解説」「番号」「単語」「その意味」「和訳」「例文」「効果音」「その他」などの構成要素であり、識別情報のことである。また、従来音声編集ソフトでカットする部分を「不要」としてこれも便宜上種別とするができる。ただし、再生単位名や識別情報、再生開始時間、再生終了時間を持ち、修正で他の識別情報を付与するだけで再生可能な再生単位とすることができることから、「不要」も再生単位としているが、再生されることはない。具体的には、種別に紐づけされたタスクを持たない、またはタスクを持っていたとしても再生回数を0回と固定されており再生はされない。
【0052】
なお、種別を決めるのはプログラムではなく、仕分け作業者が任意に決定することができ、例えば、本来なら「単語」と「その意味」と分けるところを単語とその意味をまとめて「単語」としてまとめても構わない。但し、一つの音声の中に「単語」「その意味」と単語とその意味を一つにまとめての「単語」の両方は参考書一冊を通して存在させないことが好ましい。
【0053】
要するに、何を種別とするかは、学習者が任意に決定することができ、本実施形態にかかる音声再生装置またはプログラムは学習者の意思に従い再生する。なお、種別が「不要」のものは再生されない。
【0054】
また、種別の種類としては「番号」「単語」「その意味」「和訳」「例文」があれば学習に支障が無いため、「不要」を除くこれら以外の「解説」「効果音」「その他」などは「その他」に一本化してもよい。また、種別として無音は「不要」以外に「無音」を設けることもできる。
【0055】
なお、この「無音」は必ずしも当該音声の無音部分で無くてもよく、次の再生までの間隔に相当する無音であってもよい。また「無音」は「無音1」、「無音2」というように無音時間の違いや用途により識別を変えてもよい。「単語」と「意味」、「例文」、「和訳」の種別の間にいくつかの時間や用途が異なる「無音」を再生単位として番号と識別情報を設け、それぞれの識別情報に紐付けされた各タスクを持たせることができる。
【0056】
なお、いくつかの時間の異なる「無音」の無音時間は予めプログラム作成時に決めておいてもよいが、学習者が設定変更出来るようにプログラムを作成することが望ましい。例えば、各「単語」に隣接して「無音1」(識別情報を仮にGとする)と「無音2」(識別情報を仮にHとする)を配置し、各「意味」に隣接して「無音1」と「無音3」(識別情報を仮にIとする)を配置し、各「例文」に隣接して「無音1」と「無音4」(識別情報を仮にJとする)を配置し、各「和訳」に隣接して「無音1」と「無音5」(識別情報を仮にKとする)を配置し、各「無音1」の無音時間を0.1秒としておけば、識別情報に紐付けされたタスクの個別設定での再生回数の設定により、無音時間を調節することが可能となる。また、「無音2」から「無音5」は1秒から60秒程度で学習者が任意に設定できるようにしてもよい。これにより、学習の習熟度を測るための演習が可能となる。(
図13(B)参照)
【0057】
短い「無音」は単に一括設定出来るというだけでなく、種別仕分けの際に出来るだけ有音の前後に無音を設けない人にとって重宝なものとなる。この「無音1」から「無音5」は種別仕分けとして学習者がインデックスデータ上に作成するものではなく、予めプログラム上に作成されるものであってもよい。
【0058】
なお、「無音」に識別情報を設けない方法として、例えば「単語」に紐付けられたタスクを3連にし、先頭に無音が再生される「無音1」を配置し、真ん中に「単語」用のタスクを配置し、最後に無音が再生される「無音5」を配置すればよい。またこの際の無音用のタスクは再生ではなく、待機としてもよい。
【0059】
種別を仕分けする作業は、同時に一再生単位の範囲(一般的に「A-B間」と言われる当該音声の開始時間から終了時間までの範囲)を決める作業でもある。種別の仕分け方としては作業する学習者によっても、使われる参考書の音声の有音と有音の間の無音の長さによっても変わるが、大別すると主に4つのタイプに集約される。第1は、有音と有音の間の無音の真ん中で仕切っていくことができる。第2は、典型的には、有音と有音の間の無音の長さが長いときの態様であり、例えば学習者が有音の前に約0.4秒、後ろに約0.4秒を理想と考えるのに、当該音声の有音と有音の間の無音の長さが約1.4秒あった場合、この当該無音の間の0.6秒に対して「不要」と種別を付けるか何もしないで放置とする。
【0060】
第3は、典型的には、有音と有音の間の無音の長さが短いときの態様である。例えば、学習者が有音の前に約0.4秒、後ろに約0.4秒を理想と考えるのに、当該音声の有音と有音の間の無音の長さが約0.6秒しかない場合、真ん中で区切れば、有音の前後は各々0.3秒しかなくなる。そこで、有音の前後の無音を最大に用いる方法として、当該種別仕分け範囲とその前後の種別仕分け範囲における無音部分を共有する。つまり前記例えの場合は0.2秒が共有部分となる。実際の音声なら共有はできないが、これは何秒から何秒までという時間を示すデータなので、無音の共有は何ら問題を発生させることなく実現することができる。
【0061】
第4は、前記した「無音1」を最大限に活用することを前提として、有音のみを当該種別仕分けの範囲とする態様である。学習者が有音の始点と終点のギリギリを狙って区切っていくのは煩雑な作業となる。しかし、何デシベル以下の有音はノイズと考えて無音扱いにしたり、0.2秒以下の無音は無音としないなどの設定下で有音を自動的に抽出させれば、一部の修正だけで区切ることができ、後は種別を決めていくだけで済む。これにより、種別仕分けにかかる時間を大幅に短縮させることが期待できる。なお、「無音1」は上記3つの方法にも適用できる。プログラム作成時には、上記の4つの方法およびその複合的な学習者の種別仕分け方法に対応できていることが望ましい。
【0062】
種別と識別情報の互換について、種別とは「単語」や「意味」などを指すのに対して、識別情報とは、どのタスクに再生処理されるかを示した文字である。以下、通常「タスクA」で処理させる場合、理解の容易のため、識別情報は「A」とするが、互換表を用いればアルファベット以外の文字や記号、あるいはアルファベットを含むそれらの組み合わせであってもよい。
【0063】
本実施形態では、語学学習として「単語」を再生する場合に最も適している「タスクA」で処理させるようにプログラム上設定されているが、例えば、各タスクの再生処理の違いを熟知している学習者であれば、本来「単語」を読み上げている波形を「例文」としてもよいし、効果音を「タスクA」で処理させたければ、「その他」ではなく、「単語」としてもよい。なお、本発明の説明においては、英単語が識別情報A、単語の意味が識別情報B、例文の和訳が識別情報C、単語を用いた例文が識別情報D、番号が識別情報Y、その他が識別情報Z、不要が識別情報Fとしている。(
図16、
図20参照)
【0064】
本実施形態の音声再生装置は、音声合成による文字の読み上げができるようになっている。単語に対しての日本語による意味の読み上げ音声や例文に対しての日本語による和訳の音声データが無い場合、当該単語または当該例文の再生時に表示される画面の意味または和訳を書き込む空欄に文字を記入することで、その文字情報を音声合成により再生する。なお、当該入力された文字情報は、本発英の第2音声情報に相当する。
【0065】
図4に示すように、文字枠内文字管理データは、意味の記入枠に予め「意味」の再生単位Bと関連連れられた文字データが、また、和訳の記入枠には予め「和訳」の再生単位Cと関連づけられた文字データが紐づけされており、「意味」または「和訳」の音声がない場合は、個別設定画面で学習選択と再生速度、再生回数を設定すれば、タスクの設定に従って識別情報に紐付けされた上記「意味」または「和訳」の文字データを音声合成で再生する。
【0066】
図5は、識別情報と画面の関連性の一例をまとめた表である。本発明の音声再生装置の学習システムではこの
図5の表(プログラム)と、
図3のインデックスデータと、
図4の文字枠内文字管理データが連携する。なお、学習システムとしては、インデックスデータさえあれば、文字枠内文字管理データがなくてもよい。
【0067】
なお、「意味」や「和訳」に限らず、他の「単語」や「例文」、「メモ」の記入枠に記された文字データは、当該インデックスデータに関連付けられた当該インデックスデータとは別のテキストファイルである。このデータは、
図4で示した文字枠文字管理データとして保存される。なお、単語や意味、和訳、例文の記入枠に対してはタイプによる文字入力だけでなく、音声による文字変換入力に対応していてもよい。文字枠文字管理データの保管場所については技術的に可能である場所であればどこでもよいが、使用者保護の立場からも当該プログラム内の
図15の操作制御部3に保管させるのが好ましい。なお、当該インデックスデータのテキストファイル中に記入枠に記された文字データが記載された文字枠文字管理データを記載してもよい。
【0068】
また、当該プログラムを別の翻訳ソフトと連動するようにすることで、意味や和訳枠に文字データが格納されていなくても、単語や例文の記入枠に格納されている情報に基づいて翻訳された意味などの文字データを和訳枠に格納することができる。再生時には、翻訳ソフトにより追加された文字や文章が設定情報に従って、音声合成で再生されるようにしてもよい。
【0069】
次に、
図6を用いて、再生単位Bと再生単位B群の違いについて説明する。再生単位Bは、1つの「単語」または「熟語」から「不要」と「意味」を除く次の「種別」までの間のすべての「意味」が「意味」以外のすべての種別を無視して連結したものをいう。一方、再生単位B群は、「単語」から次の「単語」までの「和訳」や「例文」などの他の種別を除いたすべての「意味」を連結したものをいう。
【0070】
なお、
図3で示したインデックスデータ上には再生単位Bや再生単位B群が存在することはなく、個々単独の「意味」が記載される。再生単位B群は
図7で示すように、インデックスデータ上に「意味」の前に「単語」がない場合があるという条件下で、「単語」と「意味」の学習選択スイッチが共に「ON」となっているときに生成するものであり、しかも再生単位B群としてではなく、再生単位A+B群として生成される。また、再生単位Bは
図7で示すように、「単語」から次の「単語」までに一つしか存在しない「意味」と複数の意味が1つのグループになった「意味」グループを指す。なお、
図7は「意味」の学習選択スイッチが「ON」であることを前提としている。
【0071】
例えば、単語学習参考書においては、1つの単語に対して複数の「意味」あり、熟語学習参考書においては、2つの異なった熟語に対して意味が1つであったり、1つの熟語に対して複数の用途の違う意味があるものが多々ある。「単語」「意味」「例文」「意味」「例文」という種別の組合せが熟語学習参考書では頻繁に発生するため、本発明の語学学習に特化した音声再生装置には再生単位B群を生成できるようにすることが好ましい(
図7参照)。
【0072】
(再生規則)
図8は、本発明の実施形態の音声再生装置の再生規則を説明する模式図である。本実施形態にかかる音声再生装置は、音声データを構成する各再生単位に付与された識別情報を判定し、再生しようとする当該再生単位の識別情報の情報に基づいて、所定のタスク(再生速度及びリピート回数)で再生する。(
図9(A)参照)
【0073】
当該音声再生装置は、1つの再生単位とする音声の中身を識別するために付与された識別情報の有無や種別を感知する機能と識別情報ごとに異なった再生速度やリピート回数などの再生規則(以下、タスクと略記する場合がある。)の有無を認識し、前記識別情報にあったタスクを紐付けする機能を持った判定手段を有している。
【0074】
なお、当該機能は、学習者が学習予定のインデックスデータを指定、又はインデックスデータ内の最初の再生単位を指定した段階で自動的に行われる。
【0075】
タスクとは音声データをどのように再生するかの再生規則である。本実施形態においては判定結果に基づき、再生選択設定と当該タスクに割り当てられたリピート回数情報と再生速度情報にしたがって当該再生単位の再生をする一連の再生処理を意味する。
【0076】
タスクに割り当てられている再生規則は、再生選択設定や再生回数選択や再生速度選択のうち少なくとも1つがあればよい。またその設定値自体に特徴を有するものではなく、標準的な速度で1回の再生を行なうものであってもよい。
【0077】
なお、
図8においては、再生処理の理解のため、識別情報として、識別情報Aは「英単語」、識別情報Bは「その意味」、識別情報Cは「例文の和訳」、識別情報Dは「例文」の音声データ種別とし、以下これにしたがって説明を続ける。
【0078】
図8に示すように、再生単位の再生規則を判断するには、再生単位の識別情報を判定する。識別情報は、上記の通り、タスクと紐づけられており、
図8では、基本となる4種類の識別情報に対し、4つのタスクが定義付けされている。なお、それ以外の「番号」の音声データ種別としての識別情報Yと「その他」の音声データ種別としての識別情報Zは、説明が複雑になるため、図面上省略しているが、「番号」の音声データ種別としての識別情報Yと「その他」の音声データ種別としての識別情報Zは、「その例文の和訳」としての識別情報Cに紐づけられるタスクと同構造の単独のタスク構造となっている。
【0079】
再生規則の判定では、識別情報の判定の優先度が決められており、再生単位に付されている識別情報がA~Dであるかを順に判定する。例えば、再生単位の識別情報がBである場合は、C以降についての判定手段による判定と再生規則は省略される。
【0080】
本実施形態では、1つの再生単位の再生にあたり、
図9(A)で示すように1つの学習ステージ(タスク)で再生速度とリピート回数を設定することができる。ただし、
図9(B)で示すように1つの再生単位の再生にあたり、複数のステージ(タスク)を連結させてそれぞれ再生速度とリピート回数を設定できるようにしてもよい。
図8の例では、タスクDは、学習ステージ1~5を有しており、それぞれの学習ステージに応じて学習選択と再生速度とリピート回数することもできるようになっている。なお、
図9(B)では、タスクが3つ連結した学習ステージ1~3となっている状態を示している。
【0081】
再生単位に付与される識別情報は、原則として1つであるが、その識別情報に紐付けされるタスクは1つとは限らない。また、1つの音声データについて、複数のタスクにしたがって再生処理させたければ、識別情報を複数備えることで、実現可能である。
【0082】
また、判定手段により識別情報が判定された再生単位は、再生処理手段により識別情報と関連づけされたタスクに基づいて、所定の再生速度及びリピート回数で再生される。
【0083】
各タスクは、種別毎に再生処理を実行するかどうかを選択して予め設定することができる。また、例えば、その設定条件用に設けられた本来のタスクの代わりに、別のタスクが再生処理され、各識別情報に紐付けされた本来のタスクの再生処理は行われないように設定することできる。
【0084】
また、種別の種類の類似性などの要因により、複数のタスクに紐づけられた再生単位をまとめて1つの再生規則で再生処理するようにしてもよい。
図8の例では、識別情報Aが付された再生単位と識別情報Bが付された再生単位とは、後述するようにまとめられて1つの再生規則で再生処理される。
【0085】
音声再生装置は、そのタスク構造でも明らかなように、タスクBとタスクCは学習対象言語の意味を利用者が理解するための第1言語などの言語を再生するものであり、タスクA(TA)とタスクD群(TD群)は学習対象言語を再生する。例えば、識別情報Aは主に種類が「単語」「熟語」「フレーズ」の音声に付与され、識別情報Bは主に種類が「単語の意味」「熟語の意味」「フレーズの訳」の再生単位に付与され、識別情報Cは主に種類が「例文の訳」「フレーズの訳」の音声に付与され、識別情報Dは主に種類が「例文」「フレーズ」の音声に付与することができる。再生単位に付す識別情報は、インデックスデータ作成者が決定し、インデックスデータ作成者または利用者が変更することができる。
【0086】
なお、識別情報とタスクとの紐付けの設定を入れ替えることで、学習言語の入れ替えを行うことができる。例えば、英語圏の人が日本語を勉強するのに日本人向けの英単語学習書を入手した場合、再生単位に付与された識別情報Aと識別情報Bのタスク紐付け及び、識別情報Cと識別情報Dのタスク紐付けを入れ替えることで英単語学習書のコンテンツを日本語単語学習書として使用することができる。
【0087】
学習者が再生単位を一つずつ識別情報の変更を行うことは手間が大きいので、音声再生装置の再生設定として、タスク変更を行なう切り替えスイッチを設けてもよい。(
図10参照)
【0088】
識別情報に紐づけられたタスクは、
図9(A)に示すように、再生処理がなされる。一例としてタスクCの再生処理について説明する。
【0089】
まず、当該タスクについて、再生のスイッチの設定について判断する。学習選択の設定スイッチが「ON」になっているときは、当該タスクにしたがって、再生処理が行われるため、予めタスクCについて設定された情報に基づいて、再生速度とリピート回数に従い、再生処理を開始する。
【0090】
一方で、学習選択スイッチの設定が「OFF」になっていた場合は、タスクCの再生回数が0回のことであり、そのタスクは再生処理されない。なお、設定画面の各再生回数設定変更値を0~20回として、0回を学習選択スイッチとすることで、学習選択スイッチそのものを設けないようにすることもできるが、本実施例では設定画面上に学習選択スイッチを設けて、再生回数の設定変更値を1~20回とすることで、学習者の学習選択作業の効率化を図っている。
【0091】
また、
図9(B)に示すように、タスクDについては、当該タスクが複数の当該タスクとして連結されているため、個々の学習ステージ(タスク)ごとに学習選択スイッチの設定の判断、再生速度とリピート回数の設定に従い再生処理が行われることになる。なお、ある任意の学習ステージについての学習選択スイッチについて、その学習選択スイッチが「OFF」になっていた場合は、当該学習ステージの再生回数が0回のことであり、そのタスクは再生処理されない。ただし、それ以降の学習ステージについてまで再生処理されないということにはならない。
【0092】
図10は、上記の音声再生装置の言語切り替え処理を説明する模式図である。言語変換は、初期設定では「OFF」になっており、この場合は、再生単位に付与された識別情報Aはそのまま識別情報A、再生単位に付与された識別情報Bはそのまま識別情報B、再生単位に付与された識別情報Cはそのまま識別情報C、再生単位に付与された識別情報Dはそのまま識別情報Dとしてタスク処理を実行する。
【0093】
一方、言語変換が「ON」になった場合、本実施形態では、再生単位に付与された識別情報Aと識別情報Bを入れ替え、再生単位に付与された識別情報Cと識別情報Dとを入れ替えて仮想的に識別情報A’~D’とし、タスクA~Dに従った再生規則に基づいて処理を行う。すなわち、言語変換の入れ替えは、識別情報CとDとの再生順序と再生規則の双方の入れ替えに相当する。
【0094】
音声切り替えの機能により、上記のように、学習者が学習対象言語で書かれた参考書の音声を用いて学習することができる。例えば、日本語を第1言語としない英語圏の語学学習者が、日本人が英語を学習するための参考書およびその音声情報を用いて、学習対象言語である日本語を勉強することが可能となる。
【0095】
また、識別情報は、複数のタスクに紐づけて、どちらのタスクを用いて再生処理するかを選択することもできる。
【0096】
図11は上記の音声再生装置の各種別子の再生優先順位の切り替え処理を説類する模式図である。
図11ではわかりやすいように「和訳」と「例文」の再生優先順位の切り替え処理として説明している。主にリスニング学習用として用いられる機能である。
図11で示すように「和訳」と「例文」の再生優先順位の切り替えが実際に行われるに当たっての条件としては、インデックス上に「和訳」もしくは「仮想和訳」と「例文」の再生単位があり、「和訳」がなくとも和訳文字枠に和訳の文字があり、「和訳」と「例文」の学習選択スイッチが共に「ON」となっている状態で「例文5」の下の「和訳」学習選択スイッチを「ON」にすることで作動する。
【0097】
図18の#32で示すように、例え元の音声データが「例文」の後にその「例文」に対する「和訳」があったとしても、インデックス上またはプログラム上「和訳」の後にその和訳に対する「例文」が再生されるような優先順位となっている。
【0098】
切り替えスイッチ例としては、
図13(A)の画面上の「例文」下の「和訳」の学習選択スイッチがそれに該当する。「例文1」から「例文5」を挟んだ上下二つの「和訳」の学習選択スイッチは二者択一制を採用しており、「例文5」の下の「和訳」学習選択スイッチを「ON」にすることでリスニング学習用の切り替えとなる。なお、初期設定は「例文1」の上の「和訳」学習選択スイッチが「ON」となっている。
【0099】
本機能により、「和訳」を聴いた後で「例文」聴く必要がなくなり、ある意味リスニング学習としての効果が薄れることがない。またもちろん「和訳」の学習選択スイッチが「OFF」で「例文」だけが「ON」であっても、リスニング学習であるが、例文の内容を正しく聞き取れているか音声だけでは確認ができない。これにより、上記問題を解決できるだけでなく、本来リスニング学習用の参考書でなくとも、リスニング学習が可能となる。
【0100】
図12は、
図8の識別情報Aが付与されている再生単位Aと識別情報Bが付与されている再生単位Bまたは再生単位B群(以降再生単位B(群)とする)の2つの再生単位を、見かけ上「A+B(群)」という1の音声情報を付与された1つの再生単位(みなし再生単位)となるように組み合わせて、1つの再生規則で再生処理する場合の再生規則を示したものである。当該組み合わせでの再生処理は、例えば、
図8の紐付けの処理において再生対象の再生単位が、識別情報Aであると判断した場合には、当該識別情報Aを有する再生単位Aに対応した識別情報Bを有する再生単位Bが学習予定インデックスデータの中に含まれているかを判断する(
図8参照)。
【0101】
その上で、識別情報Aを有する再生単位Aと識別情報Bを有する再生単位B(群)が共に存在しており、識別情報Aに紐付けされたタスクAの学習選択スイッチと識別情報Bに紐付けされたタスクBの学習選択スイッチが共に「ON」になっている場合は、両者再生単位の音声データを識別情報Aが付された再生単位A識別情報Bが付された再生単位B(群)の順番になるように2種類の再生単位を組み合わせて、見かけ上1つの再生単位A+B(群)としてタスクA+B(群)で再生処理を行う。なお、タスクA+B(群)の設定値は、任意であるが、本実施形態ではタスクAの設定値に随時準じるようになっている。また、その際は識別情報Aが付された再生単位Aによる個別のタスクAと識別情報Bが付された再生単位B(群)による個別のタスクBの再生処理は実行されない。
【0102】
また、同じくインデックスデータ内に識別情報Aが付与された再生単位Aと識別情報Bが付与された再生単位B(群)がある場合であっても、識別情報Bに紐付けされたタスクBの学習選択スイッチが「OFF」であれば、識別情報Aが付与された再生単位AはタスクAで再生処理される。また、同じくインデックスデータ内に識別情報Aが付与された再生単位Aと識別情報Bが付与された再生単位B(群)がある場合であっても、識別情報Aに紐付けされたタスクAの学習選択スイッチが「OFF」であれば、識別情報Bが付与された再生単位B(群)はタスクBで再生処理される。
【0103】
一方、インデックスデータ内に識別情報Aが付された再生単位Aが存在し、識別情報Bが付された再生単位B(群)に当たる「意味」の音声または「仮想意味」の意味枠文字が存在しないとき、タスクAの学習選択スイッチが「ON」である場合はタスクAの再生規則に従い再生処理を行い、その学習選択スイッチが「OFF」である場合はタスクAの再生処理は行われない。また、インデックスデータ内に識別情報Bが付された再生単位B(群)が存在し、識別情報Aが付された再生単位である「単語」の音声が存在しないとき、タスクBの学習選択スイッチが「ON」である場合はタスクBの再生規則に従い再生処理を行い、その学習選択スイッチが「OFF」である場合はタスクBの再生処理は行われない。
【0104】
タスクA+B(群)の再生処理の実行対象となる再生単位において、識別情報Aが付された再生単位Aと組み合わせの対象となる識別情報Bが付された再生単位B(群)は、識別情報Aを付与された再生単位Aの再生の順序になると同インデックスデータ内の再生単位の中で当該再生単位以降の順番で再生される最も早い順番の識別情報Bを持った再生単位B(群)が対象となる。
【0105】
タスクA、タスクBもしくはタスクA+B(群)のいずれで再生処理されるかは、指定されたインデックスデータ内の再生単位に付与された識別情報の種別とそれぞれ当該再生単位に付された識別情報に紐付けされたタスクの学習選択スイッチの設定の組み合わせに応じて、タスクA、タスクB又はタスクA+B(群)のいずれか1つのタスクで再生処理が行われる。
【0106】
例えば、
図12に示すように、識別情報A有する再生単位AとBを有する再生単位が共にインデックスデータ内に存在しているが、タスクBの学習選択スイッチが「OFF」の場合は、学習される識別情報Aの再生単位AはタスクAにしたがって処理される。同様にタスクAの学習選択スイッチがOFFの場合は、学習される識別情報Bの再生単位B(群)はタスクBに従って再生処理される。また、双方の学習選択スイッチが「ON」の場合は、タスクA+B(群)に従って再生処理される。
【0107】
なお、その際のタスクA+B(群)に従って再生処理が行われる対象となる再生単位は、その当該識別情報Aを持った再生単位Aから前記識別情報Bを持った再生単位B(群)について、それぞれ識別情報Aを持った再生単位Aから識別情報Bを持った再生単位B(群)までを1再生単位としている。すなわち、識別情報Aを有する再生単位Aの後に、識別情報Bを有する再生単位B(群)が続けて再生されることになる。言い換えれば、見かけ上、これらの識別情報Aを持った再生単位Aと識別情報Bを持った再生単位B(群)からなる組合せ再生単位が、設定された所定速度で所定回数リピートされることとなる。(なお、本実施形態では、再生速度及び再生回数は、上述のようにタスクAに準じて処理が行われる。)
【0108】
なお、識別情報A持った再生単位Aと識別情報B持った再生単位B(群)との間に別の識別情報を持った再生単位がある場合、識別情報A持った再生単位Aと識別情報B持った再生単位B(群)だけをみなし1つの再生単位A+B(群)としてもよい。なお、その際の別の識別情報を持った再生単位は識別情報A持った再生単位Aと識別情報B持った再生単位B(群)間で存在しないものとして処理することもできる。
【0109】
図13は学習者が個々の識別情報毎に設定値を変更できる個別設定画面である。また、個別設定画面は「アーティスト名」と「アルバム名」の組合せ毎に一つ個別設定画面が設けられる。つまり、原則一つの語学参考書に対して1つの個別設定画面となる。このことで同じ「アーティスト名」と「アルバム名」の組合せに関連付けられたインデックスデータであれば、最初のインデックスデータ時に設定された設定値が次のインデックスデータ以降も同設定値で学習でき、一々設定する必要はなくなる。
図13(A)の個別設定画面では各識別情報に紐づけられたタスクの学習選択と再生速度の変更、再生回数の変更、リスニング学習の設定、無音の追加を行うことができるようになっている。
【0110】
なお、リスニング学習の設定は例文5の下にある和訳の学習選択スイッチを「ON」にすれば、例文1の上和訳の学習選択スイッチは「OFF」になる。
図13(B)の個別設定は各識別情報の後に無音タスクを設けたことで演習を行うことを可能にしている。なお、
図13(A)の個別設定情報とは連動しておらず、各標準で1回再生後に学習者が設定した無音時間内に答えるというものである。なお、再生速度や再生回数、無音時間も任意に変更できるようにしてもよい。
【0111】
また、例えば
図13(B)の「単語チェック」のように単語を読み上げた後、シンキングタイムとしての10秒間の無音時間があり、その後答え合わせとしてその単語の意味を再生または音声合成させることもできる。
【0112】
各演習選択スイッチのいずれか1つを「ON」にすることで通常の学習から演習に切り替わり、各演習選択スイッチすべてを「OFF」にすることで通常の学習に戻る。なお、初期設定では通常の学習となっている。
【0113】
また、各演習の再生速度や再生回数の設定、変更するための演習用の個別設定フォームを設けずに、
図13(A)の個別設定フォームを共有してもかまわない。いずれかの演習スイッチを「ON」にすると個別設定情報は一時記憶され、演習の初期設定値が表示される。すべての演習スイッチを「OFF」にすると一時記憶されていた個別設定値に戻、通常の学習となる。
【実施例】
【0114】
図15は、本実施例にかかる英語学習システムにおいて使用する音声再生装置の機能ブロック図である。本実施例にかかる英語学習システムは、学習者が使用する本発明にかかる音声再生装置1を用いて学習するシステムであり、音声再生装置1は、音声データを再生可能な機能を有するコンピュータ、再生専用装置、スマートフォン、PDA、電子辞書などの端末装置が使用可能である。なお、再生される音声データおよびインデックスデータ、文字枠内文字管理データは、光ディスクや半導体メモリなどの外部の記録媒体に記憶されているものをそのまま使用してもよいし、装置に内蔵されているハードディスクドライブや半導体メモリなどの記録媒体に記憶させてもよい。また、ネットワークを通じて受信し、装置内又は増設した記録媒体に記憶させてもよい。
【0115】
本実施例では、スマートフォンなどの電子機器に音声データ再生機能を付与するアプリケーションプログラムがインストールされ、再生するコンテンツが内部に保存された電子機器を音声再生装置として使用する場合についての一例について説明する。なお、例えばスマートフォンアプリやPCソフトとして実施例にかかるプログラムを使用する場合、当該プログラムは再生指示と操作、インデックスデータ作成機能などだけで、音声を再生させるプログラム自体は持たず、スマートフォン購入時の初期段階にインストールされている音楽プレーヤーのプログラムやPCのメディアプレーヤーのプログラムを利用して再生させてもよい。
【0116】
音声再生装置1は、音声データなどのコンテンツを繰り返し再生するための再生制御部2と、再生制御部2の設定などを行う操作制御部3と、音声データ4a及びインデックスデータ4bを記憶するデータ記憶部4と、再生制御部により再生されたデータを音声出力するためのスピーカ等の音声出力ユニット5及びアプリケーションプログラム及びプログラムデータ6と、プログラムの更新やコンテンツの追加などの目的で、外部サーバや自宅PCなどの外部機器との接続を行うための送受信部7を備える。
【0117】
本実施例における音声再生装置1により再生されるコンテンツは、各種音声データの他、画像や動画データであってもよく、この場合、少なくとも音声のみが音声再生装置1から出力できればよい。本実施例では、コンテンツは、
図22に示すように、英単語や英熟語の学習参考書100の英単語又は熟語(以下、単に単語と記載する。)及び当該英単語の使用例としての例文の文字・画像・音声データなどを含む。
【0118】
なお、単語学習書では「和訳」の音声がないものや「例文」、「和訳」自体がない音声データも多いが、本実施例では理解し易いように「英単語」「その意味」「例文」「和訳」の音声が揃っている学習参考書100を例にとって説明する。
【0119】
本実施例では、単語と例文の音声データに対しそれらの日本語の文字データも対応している。
図22に示す英単語学習参考書100の例では、学習項目である英単語101及びその意味102と、その英単語の使用例としての例文103とその日本語訳104が見開きで左右に対応して配置されている形式のものであって、例えば学習項目である英単語の数が2000個の場合は、2000個の例文が記載されている。例文103の一つ一つは1行から2行程度の短い文章であるが、現在形、過去形、未来形、現在進行形、過去完了形など文法的に幅広く網羅されている。また、基本動詞と前置詞の組み合わせによる熟語、いわゆる句動詞も数多くに使用されている。なお、例文としては、1つの文章で構成されている場合がほとんどであるが、会話形式の文章である場合などにおいて質問とその回答のように1つの例文が複数の文章で構成されているものも例外的に含まれていてもよい。
【0120】
なお、本実施形態にかかる音声再生装置1は、後述のように、同じ「アーティスト名」と「アルバム名」の組合せに関連付けられたインデックスデータ群ごとに再生順序を設定画面を用いて設定、変更できる機能を有している。具体的には、再生順番を「単語」「意味」から「意味」「単語」の順番に再生させたり、「和訳」「例文」の再生順序を「例文」「和訳」の順に再生させるように再生順序を並べ替える機能である。その機能があることで、リスニングの学習時には「例文」「和訳」の順に再生させたり、「和訳」「例文」の順に再生させたりすることができる。なお、「単語」と「意味」の再生順番を「意味」「単語」の順番に再生させる「リスニング学習」機能を用いず、
図10で示すように「言語反転」機能を用いても可能である。
図13(A)の設定画面を用いた実施例は「単語」と「意味」の再生順番の入れ替えスイッチとして「言語反転」ボタンを用いている。
【0121】
英単語の暗記は、英単語単体を覚えるよりも様々な文法や構文、熟語が網羅されている例文で覚えた方が効率的である。また、近年この英単語学習参考書には、添付品CDとしてあるいはホームページからの音声ダウンロードまたは別売CDという形でネイティブ発音で英単語学習参考書に付随した単語やその例文を読み上げたリスニング音声が設けられており、言語における「読む」「書く」「聴く」「話す」の4つの技能を習得し易い環境が整いつつある。例文と例文の音声を活用して語学を学ぶことで、外国語学習者が単語の暗記に費やしている多くの時間を単語の暗記だけでなく、文法や構文、熟語と併せて上記の言語の4つの技能を習得する。
【0122】
音声データだけでなく、インデックスデータや文字枠文字管理データなどのテキストデータ、画像、動画などのコンテンツは、例えば、学習参考書100に関連する添付又は別売りのCDや出版社のホームページ等から取得し、スマートフォンのアプリストアや出版社のホームページなどから専用のコンテンツを取得できるようにしてもよい。また、参考書に記載のARマーカーやトリガーポイントなどを光学機器を介して読み取った音声データなどであってもよい。なお、その光学機器を介して読み取った音声データなどを本装置内に保存できるようにしてもよい。
【0123】
なお、語学学習参考書には、学生向けの英単語、英熟語、英文法、構文だけでなくビジネスに特化したTOEICや英会話など多種のものが存在するが、本実施例では広く普及している英単学習参考書を用いて説明する。なお、英単語学習書は英単語、単語の意味、例文、例文の和訳が構成要素となっているものや、単に単語と単語の意味だけが掲載されているものなど多種にわたっている。
【0124】
本実施例では、上記の通り、英単語、単語の意味、例文、例文の和訳が構成要素となっている英単学習参考書を例にとって説明するが、その英単語学習参考書に付随したCDなどの音声の配列については、
図22(A)に示すように、見開き2ページで英単語、その意味、英単語を用いた例文とその例文の訳の順番に配列されているものであるとする。
【0125】
ただし、現実的に書籍としては、「英単語」「意味」「例文」「和訳」が活字化されていても「和訳」の音声が格納されているものは稀であり、一方、英会話フレーズ集などのCDの音声では学習のし易さから「和訳」、「例文」の順番で収録されているものが一般的である。当該音声再生装置は英語を聞いて日本語に訳すというリスニング学習ではなく、日本語訳を先に聴き、場面をイメージさせながら何度も何度も声に出すことで言語脳を養うものである。以上の理由から本実施例では「英単語」「意味」「和訳」「例文」の順番になっているものとする。
【0126】
図15の音声再生装置1の再生制御部2には、データ記憶部4に記憶されている音声データの再生速度を変化させて再生するための再生処理部21と再生処理部21の再生速度及び再生回数の設定及びリピート再生時のカウンタとして設定されたリピート回数の制御処理を司るリピート制御部22とが設けられている。
【0127】
また、再生装置の操作制御部3は、再生、停止、再生条件設定などを行うための操作スイッチ31と、再生条件及び動作状態などを表示するためのモニタ32とが設けられている。操作スイッチ31は物理的なボタンやダイヤルなどで構成されていてもよいし、後述するようにモニタ32に表示され、GUIで操作される仮想ボタンなどで構成されていてもよい。
【0128】
データ記憶部4は、装置を構成するスマートフォンの内部に本実施例の再生装置で再生されるコンテンツあるいはインデックスデータを記憶する。コンテンツは、外部から装置内へ転送されて記録されてもよい。コンテンツとアプリケーションプログラムとは、一体をなすものであってもよいし、あらかじめスマートフォンにインストールされているアプリケーションプログラムで再生されるデータを装置内へ別途記録するように構成されていてもよい。
【0129】
図13は、本実施例の英語学習システムの再生装置のモニタに表示される速度変更、リピート回数を設定する画面の表示例を示す図であり、(A)は個別設定画面、(B)は演習設定画面の画面表示例である。
図27は、本実施例の英語学習システムの再生装置のモニタに再生時に表示される画面表示例を示す図である。本実施例にかかる再生装置は、
図13(A)及び
図13(A)に示す設定画面において予め設定した例文のリピート再生を、5つの学習ステージとして設けられたステージ(タスク)ごとにリピート回数及び再生速度を異ならせるものである。これにより、当該装置を使用した利用者は、目的別に予め設定された速度での音声を繰り返し聴き、それに倣って言うことで、言語に必要な上記の4つの技能を英単語の暗記に併せて効率的に習得する。
【0130】
図13(A)に示す個別設定画面の学習選択スイッチによる種別の組合せや速度変更、再生回数の変更により、様々な学習が可能となる。
【0131】
個別設定画面の例文5の下の和訳と例文の学習選択スイッチを「ON」にし、単語と意味の学習選択スイッチを「OFF」するとリスニング学習だけを行うことが可能となる。例文と日本語訳の再生において、リスニングの練習のために、和訳の再生より先に例文の再生を行う設定するためのものであり、個別設定画面の例文5の下の和訳の隔週選択スイッチを「ON」にすることで、日本語訳と例文の再生順序が入れ替わる。
図13(A)で示すように初期設定では例文の上の和訳が「ON」となっており、日本語訳、例文の順に再生される。
【0132】
なお、
図13(A)では、例文5の下の和訳の学習選択スイッチの「ON」「OFF」をリスニング学習の選択スイッチとしているが、「言語反転」スイッチのように例文5の下の和訳の学習選択スイッチを無くし、個別に設けてもよい。そうすることでリスニング学習の選択スイッチを「ON」にしてリスニング学習を選択した場合、
図13(A)の日本語訳の学習選択スイッチと例文の学習選択スイッチ群の表示位置関係が変わるようにすることも可能となる。
【0133】
単語再生設定及び意味再生設定、和訳再生設定、例文再生設定には、それぞれ、学習選択スイッチ、再生速度設定ボタン、再生回数設定ボタンが設けられており、利用者が初期値から変更してリピート再生を行いたい場合に自由に設定することができるようになっている。
【0134】
個別設定画面の単語と意味の学習選択スイッチを共に「ON」にし、和訳と例文の学習選択スイッチを共に「OFF」すると単語暗記学習だけを行うことが可能となる。単語と意味の再生について再生速度と再生回数の設定を変えることができる。なお、再生速度は単語と意味それぞれ別の設定値にすることができるが、再生回数は同じとなる。英単語と意味のリピート再生の初期値は、速度標準(1.0倍)、リピート回数20回となっている。利用者は、当該再生速度及びリピート回数を全体として変更したい場合は、当該ボタンを操作して任意の値に設定変更する。なお、再生速度は一例として、0.25から2.0倍まで、再生回数は1から20回までの間で変更可能となっている。また、単語再生設定には、単語学習の選択ボタンが意味再生設定には、意味学習の選択スイッチが設けられており、当該スイッチにより日本語再生を設定すると、単語の再生単位の再生に引き続いて、当該単語の意味の再生単位が1つのみなし再生単位となって再生される。
【0135】
たとえば、「apple」は「りんご」と暗記するのではなく、「appleりんご」という一連のフレーズとして何度も繰り返すことにより一つの言葉として記憶できる。なお、
図13(A)で示すように単語と意味の学習選択スイッチが共に「ON」になっているので、再生時に単語と単語の意味の再生単位が1つのみなし再生単位として再生されるようになっている。なお、初期値では、当該スイッチは共に「ON」に設定されている。(
図12参照)
【0136】
なお、英単語学習において英単語の学習選択スイッチを「OFF」とし、単語の意味の選択スイッチを「ON」にすることは通常ありえない設定であるが、例えば英会話において二人の人物の掛け合いによる質問と答えのように両方ともが英語の場合の学習を想定した場合なども考慮して自由な選択スイッチの設定を可能としている。
【0137】
図13(B)に示す演習設定画面では、「単語チェック」「意味チェック」「英作文演習」「リスニング演習」の4種類の演習ができるようになっている。なお、演習は4者択一で同時に複数の演習は行えない。また、演習と通常学習を同時に行うこともできない。各演習選択スイッチのいずれか1つを「ON」にすることで通常の学習から演習に切り替わり、各演習選択スイッチすべてを「OFF」にすることで通常の学習に戻る。なお、初期設定では通常の学習となっている。
【0138】
各演習の再生速度や再生回数の設定、変更に
図13(A)の個別設定フォームを共有している。いずれかの演習スイッチを「ON」にすると、通常の学習の個別設定情報は一時記憶され、演習の個別設定情報の初期設定値(速度100、回数1)が表示される。なお、すべての演習スイッチを「OFF」にすると通常の学習に戻り、一時記憶させていた個別設定値に戻るようになっている。
【0139】
演習の再生ルーティーンとしては、例えば
図13(B)の「単語チェック」のように単語を設定速度で設定回数読み上げた後、シンキングタイムとしての設定無音時間値の無音があり、その後答え合わせとしてその単語の意味を設定速度で設定回数再生または音声合成させる。なお、「英作文演習」および「リスニング演習」でのタスクD群に関してはタスクD1のみ「ON」、タスクD2~5は「OFF」の設定でタスクD1のみ使用される。
【0140】
個別設定画面の単語と意味の学習選択スイッチを共に「OFF」にし、和訳と例文の学習選択スイッチを共に「ON」すると英語脳育成学習だけを行うことが可能となる。和訳の学習選択スイッチで、日本語訳の再生単位を再生するかしないかを設定することができ、再生を選択すると、例文1に先だって日本語訳の再生単位が利用者によって設定された回数(1回~20回)のみ連続して再生される。初期値では、当該ボタンは「ON」に設定されており、再生時に和訳の再生単位が再生されるようになっている。学習者は日本語訳を聴きながらその情景をイメージする。
【0141】
当該音声再生装置は「手動再生による学習」と「自動再生による学習」が選択可能となっている。
図14(A)では「自動」と表示されており、(B)では、「手動」と表示されている。当該ボタンが「手動」と表示されている場合は、現在の再生が自動学習中であることを表し、速度ボタンは操作出来ないようになっている。そして当該ボタンが「自動」と表示されている場合は、現在の再生が手動学習中であることを表し、速度ボタンが学習者の任意で変更可能な状態となっている。
【0142】
「自動再生による学習」と「手動再生による学習」の違いとしては、
図14(C)で示すように、「手動再生による学習」は共に設定の学習選択スイッチの情報に従うものの設定画面の速度設定値と再生回数設定値は無視して、学習者が画面操作で再生速度や再生回数を自由に変えることができるのに対して、「自動再生による学習」は設定画面の学習選択スイッチの情報にだけでなく、設定画面の速度設定値と再生回数設定値に従って再生するところである。
【0143】
なお、「手動再生による学習」の場合、設定画面上の例文1から例文5の学習選択スイッチのいずれか1つでも「ON」であれば、再生対象となるが、例文1から例文5の学習選択スイッチの複数が「ON」となっていても、
図9(B)のタスクDの例文1から例文5のような連動はしない。
【0144】
次に、上記「自動再生による学習」例としてタスクDの例文1から例文5の連動について
図13(A)の例文1から例文5の設定値に従って説明する。
【0145】
例文1から例文5のそれぞれの学習ステージ(タスク)では、学習ステージごとに再生速度と再生回数の設定及び学習選択の設定を行う。例文1(
図8における第1ステージ)は、標準速度での再生を行なうことにより、例文を訳し和訳を見て確認するためのステージであり、例文を見ながらナチュラルスピードで聴き、聞き取れない音がないかの確認を行う。また、できるだけ日本語に訳し直そうとせず、例文の内容を1つのシーンと捉えてイメージすることに務めるとよい。例文1のリピート再生の初期値は、再生単位の音声データの原音(1.0倍)、リピート回数10回となっている。利用者は、当該再生速度及びリピート回数を全体として変更したい場合は、当該ボタンを操作して任意の値に設定変更する。なお、再生回数は1~20回までの間で変更可能となっている。
【0146】
例文2は、低速での再生を行なうことにより、例文を見ながらリンキングやリダクションの有無や例文に使用されている単語や文法、構文、熟語などを確認しつつ、低速で音声に重ねて言えるようにすることをねらいとする。例文2のリピート再生の初期値は、低速度(0.5倍)、リピート回数10回となっている。利用者は、当該再生速度及びリピート回数を全体として変更したい場合は、当該ボタンを操作して任意の値に設定変更する。なお、再生回数は1から20回までの間で変更可能となっている。
【0147】
例文3は、中低速での再生を行なうことにより、第2ステージまで見ていた例文の残存を追いながら中低速で音声に重ねて言えるようになることをねらいとする。第3ステージのリピート再生の初期値は、低速度(0.75倍)、リピート回数20回となっている。利用者は、当該再生速度及びリピート回数を全体として変更したい場合は、当該ボタンを操作して任意の値に設定変更する。なお、再生回数は1~20回までの間で変更可能となっている。
【0148】
例文4は、再度標準的な速度での再生を行なうことにより、頭の中で例文の内容を1つのシーンとしてイメージしながらナチュラルスピードで音声に重ねて言えるようになることをねらいとする。例文4のリピート再生の初期値は、標準速度(1.0倍)、リピート回数20回となっている。利用者は、当該再生速度及びリピート回数を全体として変更したい場合は、当該ボタンを操作して任意の値に設定変更する。なお、再生回数は1~20回までの間で変更可能となっている。
【0149】
例文5は、高速での再生を聴き、より高速再生に対応できるようになることを狙いとする。英語を日本語に訳そうとせずに英語のままで例文の内容を理解するよう努める。第5ステージのリピート再生の初期値は、高速度(1.33倍)、リピート回数20回となっている。利用者は、当該再生速度及びリピート回数を全体として変更したい場合は、当該ボタンを操作して任意の値に設定変更する。なお、再生回数は1~20回までの間で変更可能となっている。なお、第5ステージは初期設定においては、上級者向けのオプションとして選択ボタンを「OFF」とし、設定してもよい。
【0150】
このように第1ステージでは、音声データの原音(1.0倍)、リピート回数数回を聴きながら、聞き取れない箇所や例文を見て知らない単語や意味がないかをチェックする。なお、
図27の(A)から(C)が示すように各再生速度に応じて、学習課題をメッセージとして出るようになっているが、本ステージは再生速度が100%ではあるが、ネイティブの音声に重ねて言う必要はない。(
図29参照)第2ステージから第5ステージへと徐々にスピードを上げていくことにより、当初言えなかった例文が言えるようになるだけでなく、情景をイメージしながら言うことで日本語を英語に変換する左脳だけを使った学習から、情景のイメージを英語に変換するという右脳と左脳を使った学習が可能となる。なお、これらの各設定変更された値は保存され、次回学習時に活かされる。
【0151】
以上説明したように、本実施例にかかる英語学習システムによれば、1例文1再生単位となった音声を複数のステージごとにステージ特有の設定された速度で個別回数のリピート再生を設定することができるので、1例文当たり、100回近く繰り返して1つの例文に触れることになる。このため、当該例文を聴く回数が多く、当該例文をイメージとして捉えて何度も例文を発声することで当該例文だけでなく、例文に使われている単語や文法や構文、熟語、発音、発声のおける音の変化、いわゆるリンキングやリダクションといった英語特有のルールなどが脳に擦り込まれ定着していく。
【0152】
また、各学習ステージは、それぞれの課題に応じた速度で自動的に再生されるため、それぞれの学習ステージごとに言語に求められる技能が育成される。これにより、英単語の学習を通じて種々の技能の習得が可能となる。また、個別設定により、難解な例文について、任意の速度及び回数を設定することができ、難易度に応じた学習が可能である。また、種々のスキップ機能を有しているので、学習時間の短縮を図ることができる。
【0153】
また、
図13(B)の個別設定では、各「単語」、「意味」、「和訳」、「例文」を再生した後数秒間無音にすることができ、習熟度が測れる演習を行うことができる。なお、一度に2つ以上の演習は行えない。初期設定では、各「単語」、「意味」、「和訳」、「例文」の後の無音時間は1から60秒の間で学習者が任意に設定できるようになっている。
【0154】
なお、その他の学習として、言語変換を行うことができる。言語変換設定は、識別情報におけるタスクの紐付けを入れ替えることにより、英語のデータと日本語のデータの再生順序及び再生規則を入れ替えて学習者が語学学習対象言語で書かれた参考書の音声を用いて学習することができる。例えば、「単語」「意味」の再生順を「意味」「単語」の再生順にすることや「和訳」を速度の違う5つの学習ステージで繰り返し言うことが可能となる。また、日本語を第1言語としない英語圏の語学学習者が、日本人が英語を学習するための参考書およびその音声情報を用いて日本語を勉強することが可能となる。この機能が有ることで、日本人から貰った当該参考書の音声のインデックスデータをそのまま日本語学習に使用することができる。なお、
図10で示した言語交換設定は、学習画面の「言語反転」スイッチを「ON」にすることで切り替えを行う。なお、
図13の(A)の個別設定画面の実施例では、「単語」「意味」の再生順を「意味」「単語」の再生順にする方法としてこの言語変換機能を用いている。
【0155】
図16はインデックスデータ作成時に行なう種別仕分けと各々の再生範囲を確定する作業例を示している。
図16(A)は、再生単位の始点としたい時間を中央線上に合わせた状態を示しており、
図16(B)は、再生単位の終点としたい時間を中央線上に合わせた状態を示している。この始点から終点までの再生単位は、一般的に「A-B間」と呼ばれ、広く語学学習者向け音楽プレーヤーにも採用されている。ただし、本発明が従来技術と違うところは、この「A-B間」に種別子(識別情報)を伴った再生単位名を施すところにある。
【0156】
図16(B)で終点ボタンを押して「A-B間」を確定させたあと、画面上の色分けされた「単語」「意味」「和訳」「例文」「番号」「他」「不要」のいずれかのボタンを押すことで、その「A-B間」がどの種別に属するかを仕分けし種別子(識別情報)を伴った再生単位名を施す。なお、従来の音楽プレーヤーが「A-B間」を一箇所しか設定することができず、別の個所に「A-B間」を設ける際、前の「A-B間」は保存しておくこともできないのに対し、インデックスデータの書き込む当該発明では、複数の異なった「A-B間」(再生単位)を作成し、設定したモノを保存しておくことができる。このことも本発明が従来技術と違うところである。
【0157】
図16(A)の「単語」「意味」「和訳」「例文」「番号」「他」「不要」のボタンは、
図16(C)で示すように実は「単語」=「A」「意味」=「B」「和訳」=「C」「例文」=「D」「番号」=「Y」「他」=「Z」「不要」=「F」という種別子ボタンとなっている。なお、「不要」については、再生しない音を再生単位として設ける必要性はないが、あえて「不要」という再生単位を設けることで、いつでも「単語」や「意味」などの別の種別に変更が可能なようにすることができる。例えば、1つの単語に対して3つの意味を読み上げている場合に、一度に3つも覚えられないと学習者が判断したときに、そのうちにどれかを「不要」としておけば、インデックスデータ作成画面のボタン操作一つでいつでも「意味」に修正することができるし、またその逆も可能となる。
【0158】
図17はインデックスデータの作成手順を示したものである。
図18はそのイメージ図である。インデックスデータの作成を学習者が行う例を示している。学習者は、再生範囲を仕分けポイントで確定していきながら、その範囲の種別を決めていく(#1、#21)。再生範囲の決め方としては、再生範囲の開始地点としたい箇所を
図16(A)の種別判定&仕分けポイントに画面をスライドさせて持って行き、「始点」を押し、再生範囲の終了地点としたい箇所を
図16(B)の種別判定&仕分けポイントに画面をスライドさせて持って行き、「終点」を押すことで再生範囲が確定する。そして種別決めの方法は、当該再生範囲内に種別判定&仕分けポイントが掛るようにして
図16(A)の画面内にある7つの種別ボタンのいずれかを押すことで確定する。なお、個々の再生範囲すべて決めてから、種別決めを行っていってもよいし、1つの再生範囲決めの後その種別決めするというように1つ1つ行っていってもよい。
【0159】
次に、学習者はすべての再生範囲決めと種別決め作業を終えてから間違いはないか確認する(#2,#22)。確認の結果、間違いはないと判断すれば、保存ボタンを押してインデックスデータを確定させると、すべての再生単位に対して先頭から番号を付与する(#3、#23)。なお、その際番号に戦記種別子が付加され、個々の再生単位に再生単位名が与えられる。
【0160】
再生装置は、上記学習者が行った種別決めが適正であったかを判断する(#4、#24)。適正とは、一例として、「単語」が無いのに「意味」がある、あるいは、「例文」が無いのに「和訳」があるなどである。上記インデックスデータが適正でない場合は、再生装置は、メッセージを出して修正させる。(
図19参照)
【0161】
「単語」から「不要」と「意味」を除く次の「種別」までの間のすべての「意味」が、「意味」以外のすべての種別を無視して連結し、あたかも一つの再生単位とみなす「再生単位B」とする(#5,#25)。なお、「意味」が1つしかない場合も「再生単位B」となる。(
図6参照)なお、「再生単位B」は単なる「意味」のグループでしかなく、再生単位名は個々「意味」に付与されているので、再生単位Bには付与されない。(
図6参照)
【0162】
上記#5の処理は「単語」と「意味」の数を同じにすることを目的とする。具体的には単語暗記学習として同じ単語と意味があたかも1つの再生単位となって何度もリピートさせるために「単語」と「意味」を同数にする必要がある。したがって、再生装置は、インデックスデータ中の単語と意味の数が同じであるかどうかを確認する(#6、#26)
【0163】
ただし、
図6でも説明したように熟語学習参考書ではしばしば「熟語」1つに対して「意味」が2つ以上存在するものもある。この場合は、「単語」と「意味」が同数であることが必ずしも正しいとも言えない。ここでの再生装置は学習者の種別ボタンの押し間違いなどにより同数とならないことに対するアラームとしての役割を主な目的とする。このため、メッセージとして「単語と意味の数が同数ではありませんがよろしいですか」と確認するに留め、学習者が問題なしと判断すれば、コンピュータは次の手順に進む。なお、「単語」と「意味」の組み合わせ以外で同数とならない場合は明らかにおかしいので、修正させることが望ましい。(
図20参照)
【0164】
次に先頭からの順で、「単語」よりその「意味」が先にある場合、各「意味」の後ろ直近の各「単語」の後ろに配置する処理を施し、すべての再生単位に対して先頭から改めて再生単位名を付与し直す。なお、該当しないものは、そのまま次のステップに進む。なお、この処理はプログラム上のことで、実際の画面上やインデックスデータ上の「意味」の位置が変わるものではない(#7、#27)。
【0165】
次に、「仮想意味」と「仮想和訳」について説明する。「仮想意味」および「仮想和訳」とは、元音声に「意味」や「和訳」が存在しない場合に設けられる再生単位である。
図3で示すようにインデックスデータ上で始点時間と終点時間があるものは元音声がある「意味」であり、始点時間と終点時間がないものが「仮想意味」である。(#8,#28)また、インデックスデータ上で始点時間と終点時間があるものは元音声がある「和訳」であり、始点時間と終点時間がないものが「仮想和訳」である。(#9,#29)
【0166】
図21で示すように、想定しうる「単語」と「意味」、「和訳」「例文」の音声読み上げの組合せは25通りとなる。なお、
図21の「×2」の意味は、
図22で示すように、主に単語学習参考書に付随する音声データが、音声読み上げる順番として2つのパターンがあり、これにそれぞれ対応したものである。
【0167】
具体的には
図22(A)の音声読み上げは見開き2頁に跨って、左「単語」から「意味」、「例文」、「和訳」を読み、下の段に移ってまた左「単語」から「意味」、「例文」、「和訳」と読み進めていく方法であり、
図22(B)は左ページの左「単語」から「意味」を読み上げ、下の段に移ってまた「単語」、「意味」と読み進め、左頁すべての「単語」と「意味」を読み終えてから右ページの「例文」、「和訳」を読み上げていく方法である。
【0168】
本発明が語学学習用の音声再生装置であるとするためには、想定される25通りの語学学習参考書に付随する音声の種別構成に対応しなければならないという課題を克服せねばならない。
【0169】
この難問に対して、本実施形態の音声再生装置は主要4つである「単語」、「意味」、「和訳」、「例文」に対して各「単語」から次の「単語」までの配列が「意味」「和訳」「例文」(「単語」や「意味」がない場合は「和訳」「例文」)の順に配列するように優先順位を設け、「意味」や「和訳」の音声がない場合は「仮想意味」、「仮想和訳」を設けることで25通りすべてを同じ配列にすることで克服することができる。
【0170】
「仮想意味」を設ける理由としては、前記理由に加え、「意味」があれば付与する再生単位名と同じ再生単位名に「仮想意味」を付与するのは、再生単位名に付与されている識別情報に紐づけされたタスクの設定に従って意味枠内文字を音声合成で読み上げさせるためである。なお、「意味」と「仮想意味」は同じ種別子(本実施例では「B」)にすることによって画面の意味枠内文字を種別子「B」で管理することができる。なおインデックスデータ上に当該「単語」の「意味」と「仮想意味」の両方が存在することはない。また、「意味」の音声ではなく、意味枠内文字を音声合成で読み上げさせたい場合は、インデックスデータの当該「単語」の「意味」すべてを「不要」に修正すればよい。(「仮想和訳」も同様の理由による)
【0171】
「単語」の後に「意味」がなければ、「仮想意味」を設け、すべての再生単位に対して先頭から再生単位名を付与し直す(#8,#28)。また、該当しないものは、そのまま次のステップに進む。(
図24および
図25参照)なお、以降ステップ13までの「意味」には「仮想意味」も含まれる。
【0172】
「例文」の前に「和訳」がなければ、「仮想和訳」を設け、すべての再生単位に対して先頭から再生単位名の番号を付与し直す(#9、#29)。また、該当しないものは、そのまま次のステップに進む。(
図24および
図26参照)なお、以降ステップ13までの「和訳」には「仮想和訳」も含まれる。
【0173】
次に、「例文」と「和訳」において、隣接する同じ種別が1つでもあれば、すべての「例文」と「和訳」にそれぞれ別々に「例文1」「例文2」・・・「和訳1」「和訳2」・・・というように再生単位名の種別子の後にサブ番号を付与し、各々仮結合させて1つのグループにする(#10,#30)。また、該当しないものは、そのまま次のステップに進む。(
図18の10参照)
【0174】
次に、「例文」または「例文」グループとその「和訳」または「和訳」グループにおいて、先頭からの順で、「和訳」または「和訳」グループより「例文」または「例文」グループが先にある場合は、各「和訳」または各「和訳」グループを後ろ直近の各「例文」または各「例文」グループの前に「和訳1」「和訳2」・・・「例文1」「例文2」・・・・・・というように配置直し、すべての再生単位に対して先頭から改めて再生単位名を付与し直す(#11,#31)。なお、サブ番号は引き続き存在している。また、該当しないものは、そのまま次のステップに進む。(
図18の11参照)
【0175】
さらに、「例文」または「例文」グループとその「和訳」または「和訳」グループにおいて、「和訳」または「和訳」グループと直後の「例文」または「例文」グループとの間で、「和訳1」を先頭にして「和訳1」「例文1」「和訳2」「例文2」・・・となるようにサブ番号順でソートを掛け、すべての再生単位に対して先頭から再生単位名を付与し直す(#12,#32)。(
図18の32参照)また、該当しないものは、そのまま次のステップに進む。なお、再生単位名を付与し直した時点でサブ番号は消去しても構わない。
【0176】
インデックスデータにアーティスト名やアルバム名、音声のタイトル名などによって音声を特定することができる情報とインデックスデータ名として、作成したインデックスデータに作成に使用した音声のトラック名を付与する(#13、#33)。なお、インデックスデータ名は作成に使用した音声と関連付けさえできれば、どのように名づけても構わない。
【0177】
なお、本実施例において、
図17と
図18における「適正?」(#4)と「同数?」(#6)はプログラムの処理において、省略することができる。なお、「同数?」(#6)のプログラムの処理を省略する場合は、上記#5,#25の処理をインデックスデータ作成時に行う必要がなくなり、再生時に別途制御部で処理をさせるだけでよくなる。(
図6,
図7参照)
【0178】
なお、
図17のステップ1(
図18の#21)~ステップ13(
図18の#33)のインデックスデータの作成手順においてステップ8(
図18の#28)の「仮想意味」とステップ9(
図18の#29)の「仮想和訳」の作成工程は前期ステップ12(
図18の#32)の後に行ってもかまわない。
【0179】
また、
図17及び
図18で示すように、#13及び#33において、各インデックスデータの名称をつけるまでをもってインデックスデータの完成としているが、#3で学習者が音声データの波形に対し再生単位とその識別子を付与し保存をした時点を以てインデックスデータとしてもよい。すなわち、#4以降の処理は音声再生する本体側のプロクラムとしてもよい。また、この#4から#13は
図21で示した想定25通りの学習参考書の音声における様々な種別の配置形式を1つの形式に揃えるためのプロセスであり、プロセスが繋がるのであれは、この#3~#13のどの段階をもってインデックスデータとし、それ以降の処理を、音声を再生する本体側にさせてもよい。ただし、#3~#12までのいずれかの時点を以てインデックスデータとしてもよいが、#13のインデックスデータに名称を付与する工程は足さなければならない。
【0180】
なお、
図18では視覚的に説明がわかりやすいように付与される再生順を示す番号やアルファベットのその順番どおりに各種別がソートさせているのであって、実際に学習画面上の波形の配列が視覚上移動するわけではない。またインデックスデータに於いては付与された番号順に並び替えられていてもよいし、各開始時間順に並べられていてもよい。要するにコンピュータが読みに行くのは再生単位に付与された再生の優先順位と種別子であり、配列順番ではないということである。
【0181】
図27で示すように、音声再生時に表示される画面はインデックスデータ作成画面を除き4種類であり、
図27(A)~(C)は
図14の個別設定で設定された設定値に基づいて再生を行う。
図27(A)の再生画面は「単語」と「意味」または「熟語」と「意味」の再生単位Aと再生単位Bの再生時表示される画面であり、
図27Bの再生画面は、「和訳」と「例文」の再生単位Cと再生単位Dの再生時表示される画面である。なお、
図27(B)の再生画面は例文リピート再生における再生速度0.75倍時の「課題」表示例であり、ステージ毎に表示される課題は異なる。(
図29参照)
【0182】
図27(C)の再生画面は動画再生や画像を用いて単語学習または例文学習を行う場合の画面である。
図27(D)の再生画面は、本発明の音声再生装置は通常の音楽プレーヤーとしての機能を有しており、学習者がインデックスデータを選択せず、音声を選択すれば当該音声データが再生されるときの画面である。
【0183】
図27(A)から
図27(C)は、
図5で示した識別情報と画面の関連プログラムと
図4の文字枠内文字管理データに基づいて表示される。なお、
図27(A)と
図27(B)の文字枠に文字を記入しなければ、空欄のままである。なお、
図27(A)から
図27(C)の画面には、リピートボタン、「設定」ボタン、6種類の「速度変更」と「手動・自動切り替え」ボタン、チェックボタンが施されている。
【0184】
6種類の速度変更ボタンは、当初「0.25」、「0.50」、「0.75」、「1.00」、「1.33」、「2.00」の速度となっているが、当該ボタンを長押しすることで速度の変更ができるようにしてもよい。なお、この6つの速度変更ボタンと個別設定の速度変更とはリンクしていない。また、「仕分け」ボタンは、自ら作成したインデックスデータだけでなく、第三者から貰ったインデックスデータも修正、保存することができるようになっている。
【0185】
チェックボタンは、当該「単語」グループ又は当該「例文」グループの再生をスキップする場合に操作する。当該「単語」グループとは、「単語」とその「意味」であり、当該「例文」グループとは、「例文」とその「和訳」である。
図16(A)の中央線上に当該「単語」もしくはその「意味」があるときにチェックボタンを押すと当該「単語」とその「意味」の両方がスキップ対象となる。また
図16(A)の中央線上に当該「例文」もしくはその「和訳」があるときにチェックボタンを押すと当該「例文」とその「和訳」の両方がスキップ対象となる。当該「単語」グループ又は当該「例文」グループについて理解などをして、再度の学習が不要な場合などにチェックをおこなうと、当該グループのみがスキップされ次回から学習時間の短縮が図れる。なお、ここでいう「意味」とは
図6における再生単位B群(「単語」と「単語」の間のすべての「意味」)である。
【0186】
なお、「早送り」ボタンは、手前直近の学習選択スイッチが「ON」になっている再生単位へ進み、「巻戻し」ボタンは後ろ直近の学習選択スイッチが「ON」になっている再生単位に戻る。なお、「単語」と「意味」の学習選択スイッチが共に「ON」になっている場合は、
図7の条件に従って再生単位「A+B」又は「A+B群」として再生処理が行われる。
【0187】
図28は意味の文字枠文字と和訳の文字枠文字を音声合成で再生する仕組みである。
図3で示すように「意味」と「仮想意味」または「和訳」と「仮想和訳」の違いは始点時間と終点時間があるかどうかで判断できる。よって再生単位名「001-11-B」と「001-19-C」は始点時間と終点時間を持っていないので「仮想意味」と「仮想和訳」であることがわかる。「仮想意味」である「001-11-B」の再生順番になると、意味文字枠に文字が記入されていれば、学習選択スイッチの組合せと該当タスクの設定に従って再生処理がされ、文字の記入がなければ、次の再生単位へ進む。また、「仮想和訳」である「001-19-C」の再生順番になると、和訳文字枠に文字が記入されていれば、該当タスクの設定に従って再生処理がされ、文字の記入がなければ、次の再生単位へ進む。
【0188】
なお、たとえ意味枠や和訳枠に文字があり、意味や和訳の学習選択スイッチが「ON」であっても、その対となる単語や例文の学習選択スイッチが「OFF」であれば、音声合成による読み上げはされないようにしてもよい。
【0189】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。例えば、本発明ではスマートフォンに当該プログラムをアプリケーションソフトとしてインストールして再生装置として使用しているが、汎用のコンピュータや上記のリピート再生を行なうことが可能な機能を有する専用の再生装置などであってもよい。また、音声データの進捗状況や累積再生時間などを記録する機能を設け、送受信により学習者の学習進捗状況などを外部のサーバなどで管理するようにしてもよい。
【0190】
また、上記各実施形態では英単語と英単語の意味としてそれぞれ単独の再生単位として説明しているが、英単語の再生単位としては、英単語のみ読み上げた音声情報だけでなく、英単語の後に英単語の意味が読み上げられて1つの音声情報つまり再生単位となっていてもよく、この場合は英単語および英単語の意味はそれぞれ独立した再生単位として構成されていなくてもよい。
【0191】
また、各種別ボタンがどのように再生されるのかを理解することで、英会話の参考書だから「和訳」と「例文」という固定概念にしばられることなく、一言フレーズや決まり文句などの場合は「単語」と「意味」で処理させるなど自分に合った学習が可能となる。
【0192】
また、学習ステージの数(タスクDの連結数)については、特に限定されるものではないが、標準、低速、中低速、標準、高速の再生が速度変更なしに実現できるようにステージが5つあれば学習選択スイッチの「ON」「OFF」でステージ数を減らすことも可能であり、語学学習として好ましい。
【0193】
本実施例にかかる音声再生装置は、単独の再生装置として説明されているが、その再生機能は、動画や静止画なども再生可能なマルチメディアプレーヤーの音声再生機能に組み込むことも可能である。
【0194】
また、本実施例にかかる音声再生装置は、語学学習に特化しているが通常の音楽の再生など通常の再生装置としても使用可能である。また本実施例にかかる音声再生装置の使用例として、通常の音楽に対して、インデックスデータを作成し「単語」は「最もお気に入り」「意味」は「お気に入り」というように作成者が任意に決めておけば、それだけを再生させることもできる。その他、楽曲の練習、カラオケの練習、学習者が自分の声で録音した音声を使っての年表の暗記、法律の条文の暗記や演劇のセリフの暗記などの学習用音声再生装置として使用することも可能である。
【符号の説明】
【0195】
1 再生装置
2 再生制御部
3 操作制御部
4 データ記憶部
5 音声出力ユニット
6 プログラムデータ
7 送受信部
21 再生処理部
22 リピート制御部
31 操作スイッチ
32 モニタ
100 学習参考書