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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】消火用バケツ
(51)【国際特許分類】
   A62C 8/02 20060101AFI20220622BHJP
【FI】
A62C8/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020201786
(22)【出願日】2020-12-04
(62)【分割の表示】P 2016108744の分割
【原出願日】2016-05-31
(65)【公開番号】P2021045597
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2020-12-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年4月25日にウェブサイトに掲載
(73)【特許権者】
【識別番号】397038897
【氏名又は名称】タンゲ化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】特許業務法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】丹下 忠行
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】実開昭53-049297(JP,U)
【文献】実開昭53-082450(JP,U)
【文献】実開昭59-038953(JP,U)
【文献】実開昭49-094493(JP,U)
【文献】実開昭50-023995(JP,U)
【文献】特表2013-538162(JP,A)
【文献】実開昭50-128709(JP,U)
【文献】実公昭42-020582(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 47/18
A62B 8/02
B65D 21/032,25/28,83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消火用の液体を収納するために、少なくとも上部を構成する天井部と側面を構成する側面部と底面を構成する底面部とを有する本体部と、
前記本体部の側面部に接続し、当該本体部を支えるための第1取手部と、
前記本体部の天井部に配置され、当該本体部を支えるための第2取手部と、
前記天井部に消火用の液体を排出するための開口部と、
前記開口部に蓋部と、を具備し、
前記蓋部は、第1蓋開口部と、複数の第2蓋開口部と、を有し、
前記第1蓋開口部を前記蓋部の中心に配置するとともに、前記第2蓋開口部は、前記第1蓋開口部を取り囲むようにほぼ円状に配置することで、前記第1蓋開口部または前記第2蓋開口部に指を差し入れて前記蓋部を回して外すことができるとともに、
前記第1取手部は、前記本体部に対し長手方向沿うように配置し、
前記第2取手部は、前記本体部に対し短手方向に沿うように配置し、正面視奥行き側から手前側に回動可能に支持するとともに、
前記底面部は、他の消火用バケツの上に積み上げたときに、下方に配置する他の消火用バケツの蓋部と対応する蓋対応部と、をさらに有し、
前記蓋対応部は、前記他の消火用バケツの上に積み上げたときに、下方に配置する他の消火用バケツの蓋部に位置する消火用バケツ。
【請求項2】
前記天井部に、当該天井部から上方に突出した基部と、を設け、前記基部に、回転可能に軸部を配置し、前記軸部と、前記第2取手部とを回動可能に配置するとともに、
前記消火用の液体として水を給水するための目安とするための目印と、をさらに有し、
前記目印まで前記消火用の液体として水を給水することで、放水する際に水の動きを良好にする請求項1記載の消火用バケツ。
【請求項3】
前記基部に、前記第2取手部の回動を制限するストッパー部と、を備えるとともに、前記目印は、前記消火用バケツの満水量の八分目を規定する請求項2記載の消火用バケツ。
【請求項4】
前記天井部は、正面視両端部に盛り上がった凸状を呈する肩部と、をさらに有する請求項1から3のいずれかに記載の消火用バケツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消火用バケツに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、火災の初期の状態において、消火活動をする際は、バケツに水を入れ火元に向けてその水をまくなどの処置を施していた。しかしながら、その従来のバケツでは、収容した水を1度ですべて放出してしまうために、反復して消火活動をするためには、複数回そのバケツに水を汲む必要があった。
【0003】
このような問題を解決するものとして、実開昭50-138896号公報において消火バケツが開示されている。この消火バケツは、中に入れられた水を複数回にわたって火元へ放出することができるというものである。しかしながら、なるべく多くの水を収納できるようにその内部の容量を大きくすると、水の容量が増すことになり、その重量がかさみその消火バケツを持ちつつ、火元へ水を放出することが困難となる。特に女性や高齢者には初期消火が困難となる場合がある。
【0004】
また、上述の消火バケツは、その消火バケツを保持する部分が配置されているものの消火をする際の使用者の動作に適したものでなく、その使用者の腕等の関節の動きに無理が生じ、適切な消火作業を行いにくいという問題が生じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開昭50-138896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、消火をする際の使用者の動作に適した消火用バケツを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1観点における消火用バケツは、消火用の液体を収納するために、少なくとも上部を構成する天井部と側面を構成する側面部と底面を構成する底面部とを有する本体部と、本体部の側面部に接続し、当該本体部を支えるための第1取手部と、本体部の天井部に配置され、当該本体部を支えるための第2取手部と、天井部に液体を排出するための開口部と、開口部に複数の穴を配置した蓋部と、を具備し、第1取手部は、本体部に対し長手方向沿うように配置し、第2取手部は、本体部に対し短手方向に沿うように配置し、正面視奥行き側から手前側に回動可能に支持するとともに、底面部は、他の消火用バケツの上に積み上げたときに、下方に配置する他の消火用バケツの蓋部と対応する蓋対応部と、をさらに有し、蓋対応部は、他の消火用バケツの上に積み上げたときに、下方に配置する他の消火用バケツの蓋部に位置するというものである。
【0008】
第2観点における消火用バケツは、第1観点において、その天井部に、当該天井部から上方に突出した基部と、を設け、その基部に、回転可能に軸部を配置し、その軸部と、第2取手部とを回動可能に配置したというものである。
【0009】
第3観点における消火用バケツは、第1観点または第2観点において、その基部に、第2取手部の回動を制限するストッパー部と、を備えたというものである。
【0010】
第4観点における消火用バケツは、第1観点から第3観点において、天井部は、正面視両端部に盛り上がった凸状を呈する肩部と、をさらに有するというものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、消火をする際の使用者の動作に適した消火用バケツを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】消火用バケツの斜視図
図2】消火用バケツ正面図
図3】消火用バケツ側面図
図4】消火用バケツ背面図
図5】消火用バケツ平面図
図6】消火用バケツ底面図
図7図5におけるA-A線断面図
図8】第2取手部が屹立した状態の消火用バケツの斜視図
図9】キャップ部を取り付けた状態の消火用バケツの斜視図
図10】消火用バケツ使用状態図
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施例における消火用バケツ10について説明をする。この消火用バケツ10は、いわゆる初期消火に使用する三角バケツと呼ばれるものである。また、その消火用バケツ10の本体部11は、側面部12と天井部13と、を有するものであり、さらに底面部15を有するものである。また、その内部16は中空であり、水などの消火用の液体を収納することができる。さらに、上記側面部12は、前面部121と、右側面部122と左側面部123と、を有し、右側面部122と左側面部123とのなす角度は、ほぼ角を丸めているものの、互いに鋭角になるように構成されている。また、その右側面部122と左側面部123とにおいて、さらに前面部121とを有することにより、平面視において、角を丸めたほぼ三角形状を呈している(図5参照)。さらに、右側面部122と左側面部123のそれぞれの上部は外方に張り出した構成である。
【0014】
また、前面部121は、上下に第1前面上部121aと第2前面下部121bとを有するものである。また、消火用バケツ10の側面視において、第1前面上部121aは、第2前面下部121bに対して厚く構成されている。すなわち第1前面上部121aは、第2前面下部121bに対して外方に張り出した構成である(図3参照)。この点については、後述する。また、第2前面下部121bは、正面視において前面部121における高さのほぼ3分の1を占めている。
【0015】
第1取手部20は、立ち上がり部21と、使用者mが握るための把持部22とを有し、その立ち上がり部21は、底面部15に近い部分であって第2前面下部121bの正面視ほぼ中心の部分に接続し立ち上がるように構成される(図1、2参照)。また、その立ち上がり部21は、把持部22となだらかに接続し、その把持部22は上述の第1前面上部121aと、ほぼ面一となるように接続されている(図3参照)。
【0016】
また、上述の第1前面上部121aは、第2前面下部121bに対して外方に張り出した構成(図3参照)は言い換えれば、第1取手部20における立ち上がり部21は、図3において右方向へ、立ち上がった状態であるが、その立ち上がった長さに応じて第1前面上部121aに対して第2前面下部121bを内方(すなわち図3における左方向)に配置するということであり、また、把持部22は、第2前面下部121bをまたぐように配置されているために(図2参照)、使用者mの右手Rを、その第1取手部20を握る際にその取手内部124に入りこむようにすることができる。また把持部22は、第2前面下部121bのほぼ中心から上方に、すなわち前面部121の長手方向Vに沿うように配置されているので、後述するように、使用者mが握り易く、放水するためのスイングがし易い構成である。
【0017】
また、天井部13は、消火用バケツの上部を構成するものであり、その天井部13は、肩部13a、13aとその間に配置された凹部13bと第2凹部13cとを有するものである。肩部13a、13aは、天井部13において正面視両端部に配置され盛り上がった凸状を呈している。また、凹部13bと第2凹部13cとは、肩部13a、13aの間に配置され、さらに凹部13bと第2凹部13cとは前後に配置されている。すなわち、正面視中央の、奥行き側すなわち後方に凹部13bが配置され、その前方すなわち手前側に第2凹部13cが配置されている(図2参照)。この凹部13bと第2凹部13cとは、底面部15からの高さにおいて、凹部13bの位置を、第2凹部13cの位置に比べ高い位置に配置している。すなわち、肩部13aと、凹部13bと、第2凹部13cと、をこれらの順に高い位置から低い位置に配置するように構成されている。また、凹部13bから第2凹部13cにかけて、滑らかに接続され、この第2凹部13cは、さらに、図面左側に向かって、徐々に、比較的高い位置から、なだらかに下降し、第1前面上部121aと滑らかに接続されている(図7参照)。
【0018】
また、凹部13bには、ほぼ円形の開口部14が配置され(図7参照)、消火用の液体例えば水等を出し入れすることができる。また開口部14には、その開口部14を覆うようにほぼ円形の蓋部25が配置されている。この蓋部25の内部には、雌ねじ部25aを配置しているために開口部14に設けた雄ねじ部14aと、ねじ止めすることができる(図7参照)。
【0019】
また、蓋部25には、第1蓋開口部26と、この第1蓋開口部26の周りに複数の第2蓋開口部27と、その間の蓋壁部28と、を有するものである。本実施例においては、中心に第1蓋開口部26を配置し、それを取り囲むようにほぼ円状に第2蓋開口部27を6個配置する。また、それら開口部の径は異なるものの、共に家庭用のホースを挿入することができる大きさであれば好ましい。具体的には、第1蓋開口部26の直径は26ミリメートル、第2蓋開口部27の直径は24ミリメートルが好ましい。また、第1蓋開口部26および第2蓋開口部27に、使用者mの指を差し入れて蓋部25を回して外すことができる(図示せず)。従って、女性や高齢者であっても容易に、蓋部25を開口部14に取り付けたり取り外したりすることができる。また、蓋壁部28については後述する。
【0020】
また、平面視において、短手方向Hの中央かつ、凹部13bと第2凹部13cとの境界付近に、基部30は、配置されている。基部30は、第2凹部13cにおける上述の比較的高い位置において上方に突出するように配置され、後述する第2取手部40を回動可能に軸支するための孔部30aを有している。
【0021】
第2取手部40は、使用者mが握るための第2把持部41と軸受け部42とを有し、軸受け部42には軸受用の軸受け孔43を有し、後述する軸部50を取り付けることができる。すでに述べたように、基部30には、孔部30aを配置しているために、基部30における孔部30aと、軸受け部42には軸受用の軸受け孔43とを一致させるように配置して、それらの孔部30aと軸受け孔43とにおいて、軸部50が挿入されている。これにより、第2取手部40は、正面視奥行き側から手前側に、すなわちほぼ屹立した状態から水平の状態に、さらにいえば、凹部13bから第2凹部13cに近接するように回動することができる。また、いうまでの無くその逆も可能である(図1図8参照)。また、上述の第2把持部41は、環状を呈し、第2凹部13cの方に回動した場合に、前面部121に沿うように、すなわち短手方向Hに倣うように配置されている(図5参照)。
【0022】
なお、軸部50においては、抜け止め部51を配置している。この抜け止め部51は、径が太く、基部30における孔部30aと、軸受け部42における軸受け孔43とにおいて、軸部50を挿入したときに変形し、挿入後はこの変形した抜け止め51が復元することによって、文字通り軸部50が、上記孔部30aと、軸受け孔43と、から抜け出ることを阻止することができるというものである。
【0023】
また、上述のとおり、凹部13bと、第2凹部13cと、を対比すると底面部15からの高さが凹部13bよりも第2凹部13cの高さを低く設定している。したがって、第2取手部40を、第2凹部13c側に回動しても、基部50は、凹部13bよりに配置しているために、第2取手部40における第2把持部41を握った使用者mの左手Lの握り拳LHが、第2凹部13cと干渉しないように配置されている。このとき基部30に、ストッパー31が設けられているために、このストッパー31と、第2把持部41と軸受け部42とが干渉して、それ以上下方にこの第2把持部41が回動しないように配置されている。この場合のストッパー31の位置は第2把持部41が水平になるように配置するのが好ましい(図3参照)。
【0024】
また、底面部15においては、ほぼ中央に、円形の蓋対応部150を有し、消火用バケツ10を上下に積みあげることができる。これは、図示しない消火用バケツ10と同一形状を有する他の消火用バケツを下に配置し、消火用バケツ10を上に配置する場合に、その消火用バケツ10における底面部15に上記蓋対応部150を有しているので、下に配置した消火用バケツの蓋部が、その上に積み上げられた消火用バケツ10の蓋対応部150に位置し、その肩部が、その消火用バケツ10における底面部15を支える構成であるので、上記の通り消火用バケツ10と図示しない消火用バケツとを上下に積みあげることができる。尚、この消火用バケツ10は合成樹脂製が好ましく、ブロー成形または射出成形で製造することができる。尚、蓋部25にかぶせるためのキャップ部29をさらに具備することができる。これも合成樹脂製であり、弾性変形することによって蓋部25と嵌合するように構成されている。このキャップ部29により、上述の蓋部25に配置した、第1蓋開口部26および、複数の第2蓋開口部27に、異物が入り込むことを防ぐことができる。これにより、中に入れた水を長期にわたって清潔に保つことができる(図9参照)。
【0025】
上記構成の消火用バケツ10に、消火用の液体として水を入れる。このとき蓋部25には上述の通り第1蓋開口部26と、その周りに複数の第2蓋開口部27とを有するものである。従って、この第1蓋開口部26または第2蓋開口部27のいずれかに、図示しない水道用のホースを差しこむことにより、消化用バケツ10に給水することができる。またこのときに水を入れる際に、その入れる水の量の目安とするための目印Xを配置する。この目印Xは、中の水の量を規定するもので、この量であれば、放水する際に消火用バケツ10の内部において水の動きを良好にすることで、確実に放水することができるというものである。この目印Xは、満水量の八分目を規定するものが好ましい。この量であれば中の水の移動がスムーズで放水が良好だからである。尚、本実施例において、目印Xまで水を入れると8リットルの水を入れることができるが、これに限られないことは、いうまでもない。
【0026】
このように、水を入れた消火用バケツ10を手に持つ。具体的には、使用者mが右利きの場合に、右手Rで、第1取手部20を握る。この場合、第1取手部20における把持部22は、長手方向Vに沿うように配置されているので使用者mの右手Rの握り拳RHは、消火用バケツ10の長手方向Vに倣うようになる。一方で、左手Lで第2取手部40を握る。第2凹部13cの方向に回動した場合に、その第2取手部40は、短手方向Hに沿うように配置されているので、使用者mの左手Lの握り拳LHは、消火用バケツ10の短手方向Hに倣うようになる。
【0027】
このように、使用者mの右手Rと左手Lを、共に順手で第1取手部20と、第2取手部40とを握ることができ、さらに握ったそれぞれの拳の向きについて、火元に対して先頭になる左手Lの拳LHが、消火用バケツ10の短手方向に倣うようになり、右手Rの拳RHが、その消火用バケツ10の長手方向に倣うようになるので、消化バケツ10をスイングして放水する際の使用者mの両手の動きに無理が無く、スムーズに消火作業をすることができる。すなわち、図10において、図面左から使用者mA、使用者m、使用者mBの順にスイングすなわち放水するための動作をする場合において、図面左側の使用者mAの左手Lの拳LHAの角度が若干傾き、第2取手部40Aが傾いていたのが、使用者mBの場合において、第2取手部40Bが回動し、ストッパー31に接することによって、その第2取手部40Bの所定の位置(消火用バケツ10を立てた状態において、第2取手部40がストッパー31によってほぼ水平に保持された位置、たとえば図3における第2取手部40の位置。)に規定されるために、その使用者mBの左手Lの拳LHBが、消火用バケツ10に接することなく、さらに、無理な動きをすることがない。また、また、使用者mAの右手Rの拳RHAの動き、および、使用者mの拳RHの動き、さらには、使用者mBの拳RHBについてもその動きに無理がないというものである。
【0028】
このように、スイング動作を繰り返す行うことにより、水Wを複数回火元Fに向かって放出することができる。すなわち、蓋部25に、第1蓋開口部26と、その周りに複数の第2蓋開口部27とを有しており、また、その間の蓋壁部28が配置されているために、放出しようとする水が、その蓋壁部28に衝突することで、一度の放水で内蔵された水をすべて放出することなく、従来の三角バケツ同様に複数回その水を放出することができる。これは、消火用バケツ10の内部の構成を複雑化することなく、上述の蓋部25の構成のみで達成することができる。
【0029】
また、消火用バケツ10に水を入れて重くなった場合であっても、上記の通り、使用者mの右手Rと左手L共に順手で第1取手部20と、第2取手部40と、を握っているので、確実に消火用バケツ10を保持することができる。また、上記の通り、凹部13bと、第2凹部13cと、をこれらの順に高い位置から低い位置に配置されているために、第2取手部40がストッパー31によってほぼ水平に保持される場合において、第2取手部40と第2凹部13cとの間に、空所100が出現するために、手を入れ易く、火災時においても、すばやくその消火用バケツ10を使用して消火活動ができるというものである。
【符号の説明】
【0030】
10 消火用バケツ
11 本体部
12 側面部
121 前面部
121a 第1前面上部
121b 第2前面下部
122 右側面部
123 左側面部
13 天井部
14 開口部
15 底面部
16 内部
20 第1取手部
21 立ち上がり部
22 把持部
25 蓋部
30 基部
31 ストッパー
40 第2取手部
41 第2把持部
42 軸受け部
43 軸受け孔
50 軸部
51 抜け止め部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10