(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】繊維製品折り畳み装置
(51)【国際特許分類】
B65H 45/20 20060101AFI20220622BHJP
B65H 45/24 20060101ALI20220622BHJP
B65H 45/28 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
B65H45/20
B65H45/24
B65H45/28
(21)【出願番号】P 2021084670
(22)【出願日】2021-05-19
【審査請求日】2021-05-20
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】506069527
【氏名又は名称】全利機械股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】劉文正
【審査官】土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】特許第6767553(JP,B2)
【文献】特許第3017219(JP,B1)
【文献】特許第4201283(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0275503(US,A1)
【文献】特許第2575247(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 45/20
B65H 45/24
B65H 45/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維製品折り畳み装置であって、
第1の破線カッタ、及び前記第1の破線カッタに隣接して配置した第1の破線ローラを含む第1の破線カット・デバイスであって、第1の繊維製品は、第1の搬送方向で移動し、前記第1の破線カッタと前記第1の破線ローラとの間を通過し、前記第1の破線カッタは、前記第1の繊維製品の幅方向にわたり前記第1の繊維製品上で複数の第1の破線を形成するように前記第1の破線ローラに対して動作可能であり、隣接し合う第1の破線は、前記第1の搬送方向に沿ってある間隔だけ互いに離間し、隣接し合う前記第1の破線の間の間隔は、前記第1の破線カッタに対して前記第1の破線ローラの回転速度を制御することによって調節可能である、第1の破線カット・デバイスと、
第1の分断カッタ、前記第1の分断カッタに隣接する第1の分断ローラ、及び前記第1の分断ローラに隣接する第1の中間ローラを含む第1の分断デバイスであって、前記第1の分断ローラは、前記第1の破線を伴って形成される前記第1の繊維製品を受け入れ、受け入れた前記第1の繊維製品の長さが所定の長さに達しない場合、前記第1の分断カッタは、停止したままであり、前記第1の繊維製品は、前記第1の中間ローラに進められる、第1の分断デバイスと、
前記第1の中間ローラに隣接し、前記第1の中間ローラを介して前記第1の繊維製品を受け入れるように配置した第1の折り畳みローラと、
第2の破線カッタ、及び前記第2の破線カッタに隣接して配置した第2の破線ローラを含む第2の破線カット・デバイスであって、第2の繊維製品は、第2の搬送方向で移動し、前記第2の破線カッタ及び前記第2の破線ローラとの間を通過し、前記第2の破線カッタは、前記第2の繊維製品の幅方向にわたり第2の繊維製品上で複数の第2の破線を形成するように前記第2の破線ローラに対して動作可能であり、隣接し合う第2の破線は、第2の搬送方向に沿ってある間隔だけ互いに離間し、隣接し合う前記第2の破線の間の間隔は、前記第2の破線カッタに対して前記第2の破線ローラの回転速度を制御することによって調節可能である、第2の破線カット・デバイスと、
第2の分断カッタ、前記第2の分断カッタに隣接する第2の分断ローラ、及び前記第2の分断ローラに隣接する第2の中間ローラを含む第2の分断デバイスであって、前記第2の分断ローラは、前記第2の破線を伴って形成される前記第2の繊維製品を受け入れ、前記第2の繊維製品の長さが所定の長さに達しない場合、第2の分断カッタは、停止したままであり、第2の繊維製品は、前記第2の中間ローラに進められる、第2の分断デバイスと、
前記第2の中間ローラに隣接し、前記第2の中間ローラを介して前記第2の繊維製品を受け入れるように配置した第2の折り畳みローラと、を備え、
前記第1の折り畳みローラ及び前記第2の折り畳みローラは、互いに隣接して配置され、所定の折り畳み長さで前記第1の折り畳みローラと前記第2の折り畳みローラとの間を通過する前記第1の繊維製品及び前記第2の繊維製品の折り畳みを実施するように動作可能であることを特徴とする、
繊維製品折り畳み装置。
【請求項2】
前記第1の分断ローラによって受け入れた前記第1の繊維製品の長さが所定の長さに達すると、前記第1の分断カッタが起動され、前記第1の繊維製品を切り離し、分断することを特徴とする、請求項1に記載の繊維製品折り畳み装置。
【請求項3】
前記第2の分断ローラによって受け入れた前記第2の繊維製品の長さが所定の長さに達すると、前記第2の分断カッタが起動され、前記第2の繊維製品を切り離し、分断することを特徴とする、請求項1に記載の繊維製品折り畳み装置。
【請求項4】
前記第1の破線カット・デバイスは、前記第1の破線ローラの上に配設した少なくとも1つの上側送りローラと、前記第1の破線ローラの下に配設した少なくとも1つの下側送りローラとを更に備え、前記第1の繊維製品は、前記少なくとも1つの上側送りローラから移動し、前記第1の破線ローラと前記第1の破線カッタとの間を通過し、次に、前記少なくとも1つの下側送りローラに前進し、前記少なくとも1つの下側送りローラは、前記少なくとも1つの上側送りローラの回転速度を超える回転速度を有し、前記少なくとも1つの下側送りローラと前記少なくとも1つの上側送りローラとの間の速度差は、前記第1の繊維製品の搬送中、前記第1の繊維製品の張力を維持し、前記第1の破線ローラが、前記破線カッタに対して、前記第1の繊維製品上でのカットを実行し、前記複数の第1の破線を形成するのを支援することを特徴とする、請求項1に記載の繊維製品折り畳み装置。
【請求項5】
前記第2の破線カット・デバイスは、前記第2の破線ローラの上に配設した少なくとも1つの上側送りローラと、前記第2の破線ローラの下に配設した少なくとも1つの下側送りローラとを更に備え、前記第2の繊維製品は、前記少なくとも1つの上側送りローラから移動し、前記第2の破線ローラと前記第2の破線カッタとの間を通過し、次に、前記少なくとも1つの下側送りローラに前進し、前記少なくとも1つの下側送りローラは、前記少なくとも1つの上側送りローラの回転速度を超える回転速度を有し、前記少なくとも1つの下側送りローラと前記少なくとも1つの上側送りローラとの間の速度差は、前記第2の繊維製品の搬送中、前記第2の繊維製品の張力を維持し、前記第2の破線ローラが、前記破線カッタに対して、前記第2の繊維製品上でカットを実行し、前記複数の第2の破線を形成するのを支援することを特徴とする、請求項1に記載の繊維製品折り畳み装置。
【請求項6】
前記第1の繊維製品の隣接し合う前記第1の破線の間の間隔、及び前記第2の繊維製品の隣接し合う前記第2の破線の間の間隔はそれぞれ、折り畳み長さの2倍であり、前記第1の折り畳みローラと前記第2の折り畳みローラとの間を通過する前記第1の繊維製品及び前記第2の繊維製品に対してC字形折り畳み形式で折り畳みを実行することを特徴とする、請求項1に記載の繊維製品折り畳み装置。
【請求項7】
前記第1の繊維製品の隣接し合う前記第1の破線の間の間隔、及び前記第2の繊維製品の隣接し合う前記第2の破線の間の間隔はそれぞれ、折り畳み長さの3倍であり、前記第1の折り畳みローラと前記第2の折り畳みローラとの間を通過する前記第1の繊維製品及び前記第2の繊維製品に対してZ字形折り畳み形式で折り畳みを実行することを特徴とする、請求項1に記載の繊維製品折り畳み装置。
【請求項8】
前記第1の繊維製品の隣接し合う前記第1の破線の間の間隔、及び前記第2の繊維製品の隣接し合う前記第2の破線の間の間隔はそれぞれ、折り畳み長さの4倍であり、前記第1の折り畳みローラと前記第2の折り畳みローラとの間を通過する前記第1の繊維製品及び前記第2の繊維製品に対してW字形折り畳み形式で折り畳みを実行することを特徴とする、請求項1に記載の繊維製品折り畳み装置。
【請求項9】
前記第1の繊維製品の隣接し合う前記第1の破線の間の間隔、及び前記第2の繊維製品の隣接し合う前記第2の破線の間の間隔はそれぞれ、折り畳み長さの4倍よりも大きく、前記第1の折り畳みローラと前記第2の折り畳みローラとの間を通過する前記第1の繊維製品及び前記第2の繊維製品に対して多重折り畳み形式で折り畳みを実行することを特徴とする、請求項1に記載の繊維製品折り畳み装置。
【請求項10】
前記第1の繊維製品の隣接し合う第1の破線の間の間隔、及び前記第2の繊維製品の隣接し合う前記第2の破線の間の間隔はそれぞれ、折り畳み長さよりも大きく、それぞれ、折り畳み長さの非整数倍であることを特徴とする、請求項1に記載の繊維製品折り畳み装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維製品折り畳み機構に関し、より詳細には、一枚の繊維製品のサイズ又は長さ、及び折り畳み形状の調節を可能にする折り畳み装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、公知の繊維製品折り畳みデバイスの構造を示す概略図である。図示のように、公知の繊維製品折り畳みデバイス10は、概して、第1のカッタ131と、第2のカッタ132と、第1のカット・ローラ121と、第2のカット・ローラ122と、第1の折り畳みローラ111と、第2の折り畳みローラ112とを備え、第1の繊維製品11及び第2の繊維製品12のカット及び折り畳みを実行する。第1のカット・ローラ121及び第2のカット・ローラ122は互いに隣接し合い、これら2つは反対方向で回転する。例えば、第1のカット・ローラ121は、反時計回り方向で回転する一方で、第2のカット・ローラ122は、時計回り方向で回転する。
【0003】
第1のカット・ローラ121及び第2のカット・ローラ122は、それぞれ複数のカッタと複数の切欠きと、を備える。第1のカット・ローラ121を一例とすると、第1のカット・ローラ121のローラ面は、複数のカッタ1211及び複数の切欠き1212により形成され、これらは、互いに交互であり、互いに離間している。第1のカット・ローラ121及び第2のカット・ローラ122は、それぞれ真空生成デバイス(図示せず)に接続され、真空吸着が加えられると、第1の繊維製品11及び第2の繊維製品12がローラ面に付着する。
【0004】
第1のカット・ローラ121及び第2のカット・ローラ122が回転する間、第1の繊維製品11及び第2の繊維製品12は、真空吸着により駆動されて移動する。第1のカット・ローラ121のカッタ1211が、第1のカッタ131に対応する位置まで回転すると、第1のカッタ131が起動され、第1の繊維製品11を穿孔し、一枚の第1の繊維製品11を切り離す。同様に、第2のカット・ローラ122のカッタが、第2のカッタ132に対応する位置まで回転すると、第2のカッタ132が起動され、第2の繊維製品12を穿孔し、一枚の第2の繊維製品12を切り離す。
【0005】
このようにして切り離された第1の繊維製品11及び第2の繊維製品12は、一緒に積層され、次に、第2の折り畳みローラ112、及び第2の折り畳みローラ112に隣接する第1の折り畳みローラ111が、一枚の繊維製品の一部分を折り畳むように動作し、こうして積層した繊維製品は、繊維製品の折り合わせを形成する。
【0006】
しかし、第1のカット・ローラ121のカッタと第2のカット・ローラ122のカッタとの間の間隔は固定され、不変であるため、カットされた一枚の第1の繊維製品11及び一枚の第2の繊維製品12は、サイズ又は長さが固定されたものである。よって第2の折り畳みローラ112及び第1の折り畳みローラ111による折り畳みを通じて形成される最終製品は、規格又は形状が固定されたものであり、一枚の繊維製品のサイズ又は長さを変更し、折り畳みを通じた様々な形状の製品を製造するには、新たな機械に切り替える必要がある。このため、費用の削減ができず、使用空間を拡張させるため、不都合である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主な目的は、繊維製品折り畳み装置を提供することであり、これにより、繊維製品が、繊維製品折り畳み装置内に送られた後にカット・ローラに吸付着せず、カット・ローラが、回転速度の点で制御可能であり、カット・ローラの回転速度が高速であると、カット・ローラがカットする一枚の繊維製品のサイズが比較的短く、反対の場合、サイズが比較的長い。したがって、一枚の繊維製品のサイズ又は長さの調節を実現することができ、様々な折り畳み形式であるC字形式、Z字形式及びW字形式等の複数の形状の折り畳みを実施することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明において採られる技術的解決策は、第1の破線カット・デバイスを備え、第1の破線カット・デバイスは、第1の破線カッタと、第1の破線カッタに隣接して配置した第1の破線ローラとを含み、第1の繊維製品は、第1の搬送方向で移動し、第1の破線カッタと第1の破線ローラとの間を通過し、第1の破線カッタは、第1の繊維製品の幅方向にわたり第1の繊維製品上で複数の第1の破線を形成するように第1の破線ローラに対して動作可能であり、隣接し合う第1の破線は、第1の搬送方向に沿ってある間隔だけ互いに離間し、隣接し合う第1の破線の間の間隔は、第1の破線カッタに対して第1の破線ローラの回転速度を制御することによって調節可能である。第1の分断デバイスは、第1の分断カッタと、第1の分断カッタに隣接する第1の分断ローラと、第1の分断ローラに隣接する第1の中間ローラとを含み、第1の分断ローラは、第1の破線を伴って形成される第1の繊維製品を受け入れ、受け入れた第1の繊維製品の長さが所定の長さに達しない場合、第1の分断カッタは、停止したままであり、第1の繊維製品は、第1の中間ローラに進められる。第1の中間ローラに隣接する第1の折り畳みローラは、第1の中間ローラを介して第1の繊維製品を受け入れるように配置される。第2の破線カット・デバイスは、第2の破線カッタと、第2の破線カッタに隣接して配置した第2の破線ローラとを含み、第2の繊維製品は、第2の搬送方向で移動し、第2の破線カッタと第2の破線ローラとの間を通過し、第2の破線カッタは、第2の繊維製品の幅方向にわたり第2の繊維製品上で複数の第2の破線を形成するように第2の破線ローラに対して動作可能であり、隣接し合う第2の破線は、第2の搬送方向に沿ってある間隔だけ互いに離間し、隣接し合う第2の破線の間の間隔は、第2の破線カッタに対して第2の破線ローラの回転速度を制御することによって調節可能である。第2の分断デバイスは、第2の分断カッタと、第2の分断カッタに隣接する第2の分断ローラと、第2の分断ローラに隣接する第2の中間ローラとを含み、第2の分断ローラは、第2の破線を伴って形成される第2の繊維製品を受け入れ、受け入れた第2の繊維製品の長さが所定の長さに達しない場合、第2の分断カッタは、停止したままであり、第2の繊維製品は、第2の中間ローラに進められる。第2の中間ローラに隣接する第2の折り畳みローラは、第2の中間ローラを介して第2の繊維製品を受け入れるように配置される。第1の折り畳みローラ及び第2の折り畳みローラは、互いに隣接して配置され、ある折り畳み長さで第1の折り畳みローラと第2の折り畳みローラとの間を通過する第1の繊維製品及び第2の繊維製品の折り畳みを実施するように動作可能である。
【0009】
従来技術は、一枚の繊維製品のサイズ若しくは長さの調節、又は複数の形式の折り畳みの実施を必要とする際、機械の切り替えが必要であり、このため費用の削減も、空間の節約もできないのに対し、本発明は、こうした従来技術の欠点を効果的に克服する。
【0010】
本発明において採られる特有の技術的解決策について、本発明の一実施形態及び添付の図面を参照してより詳細に更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】公知の繊維製品折り畳みデバイスの構造を示す概略図である。
【
図2A】本発明の第1の実施形態による繊維製品折り畳みデバイスの構造を示す概略図である。
【
図2B】第1のカッタ・ローラに対応する第1のカッタ・セットによって第1の繊維製品を切り離す動作を示す概略図である。
【
図3A】本発明による、複数の破線を形成するように第1の繊維製品をカットすることを示す概略平面図である。
【
図3B】本発明による、複数の破線を形成するように第2の繊維製品をカットすることを示す概略平面図である。
【
図4A】本発明による折り畳み装置により、2つの繊維製品をC字形折り畳み形式で折り畳む動作を示す概略図である。
【
図4B】本発明による折り畳み装置により、2つの繊維製品をC字形折り畳み形式で折り畳む動作を示す概略図である。
【
図4C】本発明による折り畳み装置により、2つの繊維製品をC字形折り畳み形式で折り畳む動作を示す概略図である。
【
図4D】本発明による折り畳み装置により、2つの繊維製品をC字形折り畳み形式で折り畳む動作を示す概略図である。
【
図4E】本発明による折り畳み装置により、2つの繊維製品をC字形折り畳み形式で折り畳む動作を示す概略図である。
【
図5A】本発明による折り畳み装置により、2つの繊維製品をZ字形折り畳み形式で折り畳む動作を示す概略図である。
【
図5B】本発明による折り畳み装置により、2つの繊維製品をZ字形折り畳み形式で折り畳む動作を示す概略図である。
【
図5C】本発明による折り畳み装置により、2つの繊維製品をZ字形折り畳み形式で折り畳む動作を示す概略図である。
【
図6A】本発明による折り畳み装置により、2つの繊維製品をW字形折り畳み形式で折り畳む動作を示す概略図である。
【
図6B】本発明による折り畳み装置により、2つの繊維製品をW字形折り畳み形式で折り畳む動作を示す概略図である。
【
図6C】本発明による折り畳み装置により、2つの繊維製品をW字形折り畳み形式で折り畳む動作を示す概略図である。
【
図7A】本発明による、2つの繊維製品内に形成される破線の間の間隔を示す概略図であり、間隔は、折り畳み長さよりも大きく、折り畳み長さの整数倍ではない。
【
図7B】本発明による、2つの繊維製品内に形成される破線の間の間隔を示す概略図であり、間隔は、折り畳み長さよりも大きく、折り畳み長さの整数倍ではない。
【
図7C】本発明による、2つの繊維製品内に形成される破線の間の間隔を示す概略図であり、間隔は、折り畳み長さよりも大きく、折り畳み長さの整数倍ではない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図2Aを参照する。本発明の一実施形態による繊維製品折り畳み装置20は、第1の破線カット・デバイス23と第2の破線カット・デバイス24とを備え、第1の破線カット・デバイス23及び第2の破線カット・デバイス24は、断続的破線カットにより第1の繊維製品21及び第2の繊維製品22をそれぞれカットするように動作可能である。
本明細書で使用する用語「破線カット」は、断続的な破線の形態のカット線を繊維製品内に形成するが、繊維製品を完全に切り離さない又は分断しないものとして定義される。
【0013】
第1の繊維製品21及び第2の繊維製品22は、断続的破線カットの後、所定の長さに達するように搬送方向で前進し、積層切り替え手順が実施される。積層切り替え手順の間、第1の分断デバイス25及び第2の分断デバイス26は、第1の繊維製品21及び第2の繊維製品22を完全に切り離すか又は分断する。断続的破線カットの後、第1の繊維製品21及び第2の繊維製品22が所定の長さに達していないと、第1の分断デバイス25及び第2の分断デバイス26は動作状態にならない。その後、分断した第1の繊維製品21及び第2の繊維製品22は、互いに隣接して配置した第1の折り畳みローラ27及び第2の折り畳みローラ28によって折り畳みを受ける。
【0014】
第1の破線カット・デバイス23は、互いに隣接し合う2つの上側送りローラ231、232と、第1の破線ローラ233と、第1の破線カッタ234と、互いに隣接し合う2つの下側送りローラ235、236と、回転車237とを備える。第1の破線ローラ233は、複数のカッタと複数の切欠きと、を含むローラ面を有し、複数のカッタ及び複数の切欠きは、ローラ面上に互いに離間する状態で配置される。
第1の繊維製品21は、回転車237によって引き込まれ、2つの隣接し合う上側送りローラ231と232との間を通過し、第1の搬送方向D1で前進し、第1の破線ローラ233と第1の破線カッタ234との間を通過し、次に、下側送りローラ235と236との間の場所に移動する。
【0015】
下側送りローラ236は、上側送りローラ232の回転速度よりも速い回転速度を有し、2つのローラの間の速度差により、第1の繊維製品21の搬送中、第1の繊維製品21に対する張力の維持を助け、これにより、第1の破線ローラ233が、第1の破線カッタ234と連携して、第1の繊維製品21上で断続的破線カットを実行し、そのようなカットを通じて、複数の第1の破線2100を幅方向Wで第1の繊維製品21内に形成するのを支援する(
図3Aも参照)。第1の破線2100は、第1の搬送方向D1で、離間距離又は間隔L1だけ互いに離間する。
【0016】
第1の破線カッタ234と連携する第1の破線ローラ233の回転速度の制御を通じて、第1の繊維製品21の2つの隣接し合う第1の破線2100ごとの間の間隔L1を調節することができる。
【0017】
第1の分断デバイス25は、第1の分断ローラ253と、第1の分断カッタ254と、第1の中間ローラ255とを備える。断続的破線カットを受けた第1の繊維製品21は、第1の分断ローラ253と第1の分断カッタ254との間を通過し、次に、第1の分断ローラ253に隣接する第1の中間ローラ255に移動し、最後に、第1の折り畳みローラ27に到達し、折り畳みを開始する。
【0018】
第1の分断ローラ253、第1の中間ローラ255及び第1の折り畳みローラ27は全て、真空吸着デバイス(図示せず)と接続され、第1の繊維製品21が、第1の分断ローラ253上を通過する過程の間、ずれることなく第1の分断ローラ253のローラ面上に吸着、保持され、同様に、第1の中間ローラ255及び第1の折り畳みローラ27上を通過する過程の間、ローラ面上に真空吸着、保持され、後続の移送手順及び折り畳み手順を促進する。
【0019】
図2Bに示すように、断続的破線カットを受けた第1の繊維製品21が搬送方向D1で移動し、所定の長さに達すると、第1の分断カッタ254は、第1のカッタ駆動デバイス251及び第1のカッタ台252によって駆動され、第1の分断ローラ253のローラ面に吸付着させた第1の繊維製品21を完全に分断するまで前進する。この条件下、第1の繊維製品21は、分断、分割され、先頭端部212及び末端部211を生成し、積層切り替えの間の分離を促進する。
【0020】
第2の破線カット・デバイス24は、互いに隣接し合う2つの上側送りローラ241、242と、第2の破線ローラ243と、第2の破線カッタ244と、互いに隣接し合う2つの下側送りローラ245、246と、回転車247とを備える。第2の破線ローラ243は、複数のカッタと複数の切欠きと、を含むローラ面を有し、複数のカッタ及び複数の切欠きは、ローラ面上に互いに離間する状態で配置される。
第2の繊維製品22は、回転車247によって引き込まれ、2つの隣接し合う上側送りローラ241と242との間を通過し、第2の搬送方向D2で前進し、第2の破線ローラ243と第2の破線カッタ244との間を通過し、次に、下側送りローラ245と246との間の場所に移動する。
【0021】
下側送りローラ246は、上側送りローラ242の回転速度よりも速い回転速度を有し、2つのローラの間の速度差により、第2の繊維製品22の搬送中、第2の繊維製品22に対する張力の維持を助け、これにより、第2の破線ローラ243が、第2の破線カッタ244と連携して、第2の繊維製品22上で断続的破線カットを実行し、そのようなカットを通じて、複数の第2の破線2200を幅方向Wで第2の繊維製品22内に形成するのを支援する(
図3Bも参照)。第2の破線2200は、第2の搬送方向D2で、離間距離又は間隔L1だけ互いに離間する。
【0022】
第2の破線カッタ244と連携する第2の破線ローラ243の回転速度の制御を通じて、第2の繊維製品22の2つの隣接し合う第2の破線2200ごとの間の間隔L1を調節することができる。
【0023】
第2の分断デバイス26は、第2の分断ローラ263と、第2の分断カッタ264と、第2の中間ローラ265とを備える。断続的破線カットを受けた第2の繊維製品22は、第2の分断ローラ263と第2の分断カッタ264との間を通過し、次に、第2の分断ローラ263に隣接する第2の中間ローラ265に移動し、最後に、第2の折り畳みローラ28に到達し、折り畳みを開始する。
【0024】
第2の分断ローラ263、第2の中間ローラ265及び第2の折り畳みローラ28は全て、真空吸着デバイス(図示せず)と接続され、第2の繊維製品22が、第2の分断ローラ263上を通過する過程の間、ずれることなく第2の分断ローラ263のローラ面上に吸着、保持され、同様に、第2の中間ローラ265及び第2の折り畳みローラ28上を通過する過程の間、ローラ面上で真空吸着、保持され、後続の移送手順及び折り畳み手順を促進する。
【0025】
断続的破線カットを受けた第2の繊維製品22が搬送方向D2で移動し、所定の長さに達すると、第2の分断カッタ264は、第2のカッタ駆動デバイス261及び第2のカッタ台262によって駆動され、第2の分断ローラ263のローラ面に吸付着させた第2の繊維製品22を完全に分断するまで前進し、積層切り替えの間の分離を促進する。
【0026】
第1の折り畳みローラ27及び第2の折り畳みローラ28は、互いに隣接して配置され、反対方向で回転し、第1の折り畳みローラ27及び第2の折り畳みローラ28の間を移動、通過した第1の繊維製品21及び第2の繊維製品22は、折り畳みを開始する。
【0027】
図4A~
図4Eは、本発明による折り畳み装置20により、2つの繊維製品をC字形折り畳み形式で折り畳む動作を示す概略図である。図示のように、第1の破線カット・デバイス23及び第2の破線カット・デバイス24のそれぞれによって断続的破線カットを受けた第1の繊維製品21及び第2の繊維製品22は、複数の破線2100、2200を伴って形成される。複数の破線2100、2200は、間隔L1だけ互いに離間するが、切り離しも分断もされていない。したがって、第1の繊維製品21及び第2の繊維製品22は、それぞれ第1の折り畳みローラ27及び第2の折り畳みローラ28に送られ、組み合わせた折り畳みを開始し、折り畳み長さはMとして指定される。
【0028】
第1の破線ローラ233及び第2の破線ローラ243の回転速度の制御を通じて、第1の繊維製品21の第1の破線2100の隣接し合う破線の間の間隔L1及び第2の繊維製品22の第2の破線2200の隣接し合う破線の間の間隔L1は、サイズ又は長さの点で調節可能である。
【0029】
第1の繊維製品21の間隔L1のそれぞれは、第1の折り畳み部分2101と、第2の折り畳み部分2102と、第1の破線2100とを含む。本実施形態では、第1の折り畳み部分2101及び第2の折り畳み部分2102の全長は、長さの和として、折り畳み長さMの2倍である。同様に、第2の繊維製品22の間隔L1のそれぞれは、第1の折り畳み部分2201と、第2の折り畳み部分2202と、第2の破線2200とを含み、
図4A~
図4Cに示すように、第1の折り畳み部分2201及び第2の折り畳み部分2202の全長は、長さの和として、折り畳み長さMの2倍である。
【0030】
図4D~
図4Eを参照する。断続的破線カットを受けた第1の繊維製品21及び第2の繊維製品22が移動し、所定値の長さに到達すると、積層切り替え手順が実施される。積層切り替え手順の間、第1の分断カッタ254及び第2の分断カッタ264は前進し、第1の分断ローラ253及び第2の分断ローラ263のローラ面にそれぞれ吸付着された第1の繊維製品21及び第2の繊維製品22をそれぞれ分断し、第1の繊維製品21及び第2の繊維製品22がそれぞれ分断間隙210、220を生成する。したがって、第1の繊維製品21が分断、分割され、先頭端部212及び末端部211を生成し、第2の繊維製品22も、分断、分割され、先頭端部222及び末端部221を生成し、繊維製品のそれぞれの分離を達成する。このようにして折り畳み手順の一巡が完了し、次の一巡の折り畳みを開始することができる。
【0031】
図5A~
図5Cは、本発明による折り畳み装置20により、2つの繊維製品をZ字形折り畳み形式で折り畳む動作を示す概略図である。図示のように、断続的破線カットを受けた第1の繊維製品21及び第2の繊維製品22は、それぞれ複数の破線2100、2200を伴って形成される。複数の破線2100、2200は、間隔L2だけ互いに離間するが、切り離しも分断もされていない。したがって、第1の繊維製品21及び第2の繊維製品22は、それぞれ第1の折り畳みローラ27及び第2の折り畳みローラ28に送られ、組み合わせた折り畳みを開始し、折り畳み長さはMとして指定される。
【0032】
第1の破線ローラ233及び第2の破線ローラ243の回転速度の制御を通じて、第1の繊維製品21の第1の破線2100の隣接し合う破線の間の間隔L2及び第2の繊維製品22の第2の破線2200の隣接し合う破線の間の間隔L2は、サイズ又は長さの点で調節可能である。
【0033】
本実施形態では、第1の繊維製品21の間隔L2のそれぞれは、第1の折り畳み部分2101と、第2の折り畳み部分2102と、第3の折り畳み部分2103と、第1の破線2100とを含む。第1の折り畳み部分2101、第2の折り畳み部分2102及び第3の折り畳み部分2103の全長は、長さの和として、折り畳み長さMの3倍である。同様に、第2の繊維製品22の間隔L2のそれぞれは、第1の折り畳み部分2201と、第2の折り畳み部分2202と、第3の折り畳み部分2203と、第2の破線2200とを含み、第1の折り畳み部分2201、第2の折り畳み部分2202及び第3の折り畳み部分2203の全長は、長さの和として、折り畳み長さMの3倍である。
【0034】
図6A~
図6Cは、本発明による折り畳み装置20により、2つの繊維製品をW字形折り畳み形式で折り畳む動作を示す概略図である。図示のように、断続的破線カットを受けた第1の繊維製品21及び第2の繊維製品22は、それぞれ複数の破線2100、2200を伴って形成され、複数の破線2100、2200は、間隔L3だけ互いに離間するが、切り離しも分断もされていない。したがって、第1の繊維製品21及び第2の繊維製品22は、それぞれ第1の折り畳みローラ27及び第2の折り畳みローラ28に送られ、組み合わせた折り畳みを開始し、折り畳み長さはMとして指定される。
【0035】
第1の破線ローラ233及び第2の破線ローラ243の回転速度の制御を通じて、第1の繊維製品21の第1の破線2100の隣接し合う破線の間の間隔L3及び第2の繊維製品22の第2の破線2200の隣接し合う破線の間の間隔L3は、サイズ又は長さの点で調節可能である。
【0036】
本実施形態では、第1の繊維製品21の間隔L3のそれぞれは、第1の折り畳み部分2101と、第2の折り畳み部分2102と、第3の折り畳み部分2103と、第4の折り畳み部分2104と、第1の破線2100とを含む。第1の折り畳み部分2101、第2の折り畳み部分2102、第3の折り畳み部分2103及び第4の折り畳み部分2104の全長は、長さの和として、折り畳み長さMの4倍である。同様に、第2の繊維製品22の間隔L3のそれぞれは、第1の折り畳み部分2201と、第2の折り畳み部分2202と、第3の折り畳み部分2203と、第4の折り畳み部分2204と、第2の破線2200とを含み、第1の折り畳み部分2201、第2の折り畳み部分2202、第3の折り畳み部分2203及び第4の折り畳み部分2204の全長は、長さの和として、折り畳み長さMの4倍である。
【0037】
図6A~
図6Cに示す実施形態では、調節は、第1の繊維製品21及び第2の繊維製品22のそれぞれ又はいずれかの破線の隣接し合う破線の間の間隔L3が、折り畳み長さMの4倍を超えるように行うことができる。このようにして、第1の繊維製品21及び第2の繊維製品22を多重折り畳み形式で折り畳むことができる。
【0038】
図7A~
図7Cは、本発明による折り畳み装置20により、2つの繊維製品を折り畳む動作を示す概略図である。図示のように、断続的破線カットを受けた第1の繊維製品21及び第2の繊維製品22は、それぞれ複数の第1の破線2100及び複数の第2の破線2200を伴って形成される。複数の破線2100、2200は、間隔L4だけ互いに離間するが、切り離しも分断もされていない。したがって、第1の繊維製品21及び第2の繊維製品22は、それぞれ第1の折り畳みローラ27及び第2の折り畳みローラ28に送られ、組み合わせた折り畳みを開始し、折り畳み長さはMとして指定される。
【0039】
第1の破線ローラ233及び第2の破線ローラ243の回転速度の制御を通じて、第1の繊維製品21の第1の破線2100の隣接し合う破線の間の間隔L4及び第2の繊維製品22の第2の破線2200の隣接し合う破線の間の間隔L4は、サイズ又は長さの点で調節可能である。
【0040】
本実施形態では、第1の繊維製品21の間隔L4のそれぞれは、第1の折り畳み部分2101と、第2の折り畳み部分2102と、第3の折り畳み部分2103と、第1の破線2100と、少なくとも1つの折り目2110とを含む。第1の折り畳み部分2101、第2の折り畳み部分2102及び第3の折り畳み部分2103の全長は、長さの和として、折り畳み長さMの非整数倍であり、このため、第1の繊維製品21の折り畳みにおいて、第1の破線2100は、折り畳みの間、折り目2110の場所にない。
【0041】
同様に、第2の繊維製品22の間隔L4は、第1の折り畳み部分2201と、第2の折り畳み部分2202と、第3の折り畳み部分2203と、第2の破線2200と、少なくとも1つの折り目2210とを含む。第1の折り畳み部分2201、第2の折り畳み部分2202及び第3の折り畳み部分2203の全長は、長さの和として、折り畳み長さMの非整数倍であり、このため、第2の繊維製品22の折り畳みにおいて、第2の破線2200は、折り畳みの間、折り目2210の場所にない。
【0042】
要約すると、本発明は、一枚の繊維製品のサイズ又は長さの調節を可能にする折り畳み装置20を提供し、様々な機械の間での切り替えを必要とせずに多数の形状の折り畳みを可能にする。これによって、費用を削減し、使用に利用可能な空間を増大させることができる。
【要約】 (修正有)
【課題】一枚の繊維製品のサイズ又は長さ、及び折り畳み形状の調節を可能にする繊維製品折り畳み装置を提供する。
【解決手段】第1の繊維製品上に複数の第1の破線を形成するために使用される第1の破線カット・デバイスを含む。第1の破線ローラの回転速度の調節を通じて、隣接し合う第1の破線の間の間隔が調節される。第1の分断デバイスは、第1の破線を伴う第1の繊維製品を所定の長さだけ受け入れ、第1の繊維製品を切り離す。第2の破線カット・デバイスは、第2の繊維製品上に複数の第2の破線を形成するために使用される。第2の破線ローラの回転速度の調節を通じて、隣接し合う第2の破線の間の間隔が調節することができる。第2の分断デバイスは、第2の破線を含む第2の繊維製品を所定の長さだけ受け入れ、第2の繊維製品を切り離す。
【選択図】
図2A