(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20120101AFI20220622BHJP
【FI】
G06Q50/02
(21)【出願番号】P 2021206662
(22)【出願日】2021-12-21
【審査請求日】2021-12-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518075325
【氏名又は名称】株式会社ライトハウス
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】新藤 克貴
(72)【発明者】
【氏名】神戸 慎央
(72)【発明者】
【氏名】松野 洋介
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-106527(JP,A)
【文献】特開2021-124937(JP,A)
【文献】国際公開第2021/199624(WO,A1)
【文献】特開2008-225614(JP,A)
【文献】特開2021-093092(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1958168(KR,B1)
【文献】平間 友大,人工知能学会第32回全国大会論文集DVD [DVD-ROM],2018年06月05日,1B2-OS-11b-02
【文献】AIが漁場選定や需要予測 漁労長の“分身”システム,[online],長崎新聞社,2018年09月05日,https://nordot.app/409712852383908961,[検索日 2022.03.01]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
漁獲活動の開始および終了を特定するリクエストまたは漁船のセンシング情報に基づき、漁船の漁獲活動を特定する特定ステップと、
前記漁船の航跡情報に基づき、前記特定ステップにより特定された前記漁獲活動における漁獲量を算定する算定ステップと、
前記算定ステップにより算定された前記漁獲量を取得する取得ステップと、
前記特定ステップにより特定した前記漁獲活動と、前記取得ステップにより取得した前記漁獲量を関連付けて記憶する記憶ステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記算定ステップは、前記漁船の航跡情報に含まれる前記漁船の速度、曲率および向心加速度に基づき、前記漁獲活動における前記漁獲量を算定する、
請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
漁獲活動の開始および終了を特定するリクエストまたは漁船のセンシング情報に基づき、漁船の漁獲活動を特定する特定ステップと、
前記漁船の航跡情報に基づき、前記特定ステップにより特定された前記漁獲活動における漁獲量を算定する算定ステップと、
前記算定ステップにより算定された前記漁獲量を取得する取得ステップと、
前記特定ステップにより特定した前記漁獲活動と、前記取得ステップにより取得した前記漁獲量を関連付けて記憶する記憶ステップと、
を実行させ、
前記特定ステップは、複数の漁船からなる船団における前記漁獲活動を特定するステップであり、
前記算定ステップは、前記特定ステップにより特定された前記複数の漁船のそれぞれの航跡情報に基づき前記漁獲活動における前記漁獲量を算定するステップであるプログラム。
【請求項4】
前記算定ステップは、前記複数の漁船のそれぞれの航跡情報および役割情報に基づき、前記漁獲活動における前記漁獲量を算定するステップである、
請求項3記載のプログラム。
【請求項5】
前記算定ステップは、前記複数の漁船のそれぞれの航跡情報に含まれる前記複数の漁船の相対距離および相対速度、または、前記複数の漁船が近接して停止している時間の情報に基づき、前記漁獲活動における前記漁獲量を算定するステップである、
請求項3または4記載のプログラム。
【請求項6】
前記特定ステップは、前記複数の漁船のそれぞれの航跡情報に基づき、前記漁獲活動を特定するステップである、
請求項3から5のいずれか記載のプログラム。
【請求項7】
前記特定ステップは、複数の漁船からなる船団における前記複数の漁船のそれぞれの航跡情報に基づき、前記漁獲活動を特定するステップである、
請求項1または2記載のプログラム。
【請求項8】
前記特定ステップは、前記複数の漁船のそれぞれの航跡情報に含まれる前記複数の漁船の相対距離および相対速度の情報に基づき、前記漁獲活動を特定するステップである、
請求項6または7記載のプログラム。
【請求項9】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
漁獲活動の開始および終了を特定するリクエストまたは漁船のセンシング情報に基づき、漁船の漁獲活動を特定する特定ステップと、
前記漁船が備える魚倉をセンシングする魚倉センサから出力される魚倉情報に基づき、前記特定ステップにより特定された前記漁獲活動における漁獲量を算定する算定ステップと、
前記算定ステップにより算定された前記漁獲量を取得する取得ステップと、
前記特定ステップにより特定した前記漁獲活動と、前記取得ステップにより取得した前記漁獲量を関連付けて記憶する記憶ステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項10】
前記算定ステップは、前記漁獲活動における魚種ごとの漁獲量を算定するステップであり、
前記取得ステップは、前記算定ステップにより算定された前記漁獲活動における魚種ごとの漁獲量を取得するステップであり、
前記記憶ステップは、前記特定ステップにより特定した前記漁獲活動と、前記取得ステップにより取得した前記魚種ごとの漁獲量を関連付けて記憶するステップである、
請求項1から9のいずれか記載のプログラム。
【請求項11】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
ユーザから漁獲量を入力する漁獲活動を選択する操作を受け付けることにより前記漁獲活動を特定し、前記ユーザに対して、
前記漁獲活動を撮影した画像と、魚種ごとに
前記漁獲量を入力させるための入力欄とを、1の画面に並べて表示した入力画面を表示する表示ステップと、
前記ユーザにより、前記表示ステップにおいて表示する前記入力画面へ入力された情報に基づき、前記漁獲活動における前記魚種ごとの前記漁獲量を取得する取得ステップと、
前記漁獲活動と、前記取得ステップにより取得した前記漁獲量を関連付けて記憶する記憶ステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項12】
前記表示ステップにおいて、漁獲活動を撮影した画像は、複数のカメラにより撮影された画像を含み、ユーザによる選択操作により前記複数のカメラにより撮影された前記画像を選択的に切り替えて表示させることが可能である、
請求項11記載のプログラム。
【請求項13】
前記特定ステップは、前記漁船の航跡情報に基づき、前記漁獲活動を特定するステップである、
請求項1から8のいずれか記載のプログラム。
【請求項14】
前記特定ステップは、前記漁船の航跡情報に含まれる前記漁船の速度、曲率および向心加速度の情報に基づき、前記漁獲活動を特定するステップである、
請求項13記載のプログラム。
【請求項15】
前記特定ステップは、前記漁船が備える魚倉をセンシングする魚倉センサから出力される魚倉情報に基づき、前記漁獲活動を特定するステップである、
請求項1から10のいずれか記載のプログラム。
【請求項16】
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記漁船の航跡情報に基づき、前記漁船が出漁中か否かを判定する出漁判定ステップと、
前記漁船の出漁中か否かの情報を、前記漁船と関連付けて記憶するステップと、
を実行させる請求項1から10のいずれか記載のプログラム。
【請求項17】
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記記憶ステップにおいて記憶した、前記漁獲活動に関連付けて記憶された前記漁獲量に基づき、漁獲成績報告書を作成する、作成ステップと、
を実行させる請求項1から16のいずれか記載のプログラム。
【請求項18】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
漁獲活動の開始および終了を特定するリクエストまたは漁船のセンシング情報に基づき、漁船の漁獲活動を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにより特定された前記漁獲活動における漁獲量を算定する算定ステップと、
前記算定ステップにより算定された前記漁獲量を取得する取得ステップと、
前記特定ステップにより特定した前記漁獲活動と、前記取得ステップにより取得した前記漁獲量を関連付けて記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップにおいて記憶した、前記漁獲活動に関連付けて記憶された前記漁獲量に基づき、前記漁獲活動に対する入札を受け付ける入札受付画面を表示する入札ステップと、
前記入札ステップにおいて、複数のユーザから、前記入札受付画面を介して入札を受け付ける入札受付ステップと、
を実行させ、
前記入札受付ステップは、前記漁船の水揚げ前から入札を受け付け可能であり、
前記入札ステップは、前記漁獲活動における前記漁獲量が所定値以上である場合に、前記漁獲活動に対する入札を受け付ける入札受付画面を表示するステップであるプログラム。
【請求項19】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
漁獲活動の開始および終了を特定するリクエストまたは漁船のセンシング情報に基づき、漁船の漁獲活動を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにより特定された前記漁獲活動における漁獲量を算定する算定ステップと、
前記算定ステップにより算定された前記漁獲量を取得する取得ステップと、
前記特定ステップにより特定した前記漁獲活動と、前記取得ステップにより取得した前記漁獲量を関連付けて記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップにおいて記憶した、前記漁獲活動に関連付けて記憶された前記漁獲量に基づき、前記漁獲活動に対する入札を受け付ける入札受付画面を表示する入札ステップと、
前記入札ステップにおいて、複数のユーザから、前記入札受付画面を介して入札を受け付ける入札受付ステップと、
前記入札受付ステップにおいて所定期間内に受け付けた前記入札に対し、成約したと判定する成約判定ステップと、
を実行させ、
前記入札受付ステップは、前記漁船の水揚げ前から前記入札を受け付け可能であり、
前記入札ステップにおいて表示される前記入札受付画面は、前記漁獲活動に対して、魚種ごとに、入札量および単価を指定して前記入札を受け付け可能な画面であり、
前記成約判定ステップは、前記入札受付ステップにおいて受け付けた前記入札のうち、単価が高い入札の順番に前記入札量を積算し、積算した前記入札量が前記漁獲量を超えない範囲内の前記入札に対し成約したと判定するステップである、
プログラム。
【請求項20】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
漁獲活動の開始および終了を特定するリクエストまたは漁船のセンシング情報に基づき、漁船の漁獲活動を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにより特定された前記漁獲活動における漁獲量を算定する算定ステップと、
前記算定ステップにより算定された前記漁獲量を取得する取得ステップと、
前記特定ステップにより特定した前記漁獲活動と、前記取得ステップにより取得した前記漁獲量を関連付けて記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップにおいて記憶した、前記漁獲活動に関連付けて記憶された前記漁獲量に基づき、前記漁獲活動に対する入札を受け付ける入札受付画面を表示する入札ステップと、
前記入札ステップにおいて、複数のユーザから、前記入札受付画面を介して前記入札を受け付ける入札受付ステップと、
前記入札受付ステップにおいて所定期間内に受け付けた前記入札に対し、成約したと判定する成約判定ステップと、
を実行させ、
前記入札受付ステップは、前記漁船の水揚げ前から前記入札を受け付け可能であり、
前記入札ステップにおいて表示される前記入札受付画面は、前記漁獲活動に対して、魚種ごとに、入札量および単価を指定して前記入札を受け付け可能な画面であり、
前記成約判定ステップは、前記入札受付ステップにおいて受け付けた前記入札のうち、入札量が前記漁獲量を超えない範囲内で、売上金額がより大きくなるように前記入札に対し、成約したと判定するステップである、
プログラム。
【請求項21】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
漁獲活動の開始および終了を特定するリクエストまたは漁船のセンシング情報に基づき、漁船の漁獲活動を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにより特定された前記漁獲活動における漁獲量を算定する算定ステップと、
前記算定ステップにより算定された前記漁獲量を取得する取得ステップと、
前記特定ステップにより特定した前記漁獲活動と、前記取得ステップにより取得した前記漁獲量を関連付けて記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップにおいて記憶した、前記漁獲活動に関連付けて記憶された前記漁獲量に基づき、前記漁獲活動に対する入札を受け付ける入札受付画面を表示する入札ステップと、
前記入札ステップにおいて、複数のユーザから、前記入札受付画面を介して前記入札を受け付ける入札受付ステップと、
前記入札受付ステップにおいて所定期間内に受け付けた前記入札に対し、成約したと判定する成約判定ステップと、
を実行させ、
前記入札受付ステップは、前記漁船の水揚げ前から前記入札を受け付け可能であり、
前記入札ステップにおいて表示される前記入札受付画面は、前記漁獲活動に対して、魚種ごとに、所定範囲の入札量および単価を指定して前記入札を受け付け可能な画面であり、
前記成約判定ステップは、前記入札受付ステップにおいて受け付けた前記入札のうち、売上金額がより大きくなるように入札量を前記所定範囲内から決定し、前記入札量がゼロではない前記入札に対し、成約したと判定するステップである、
プログラム。
【請求項22】
前記入札ステップにおいて表示される前記入札受付画面は、前記漁獲活動に対して、魚種ごとに、魚の大きさまたは品質ごとに、入札量および単価を指定して前記入札を受け付け可能な画面である、
請求項18から21のいずれか記載のプログラム。
【請求項23】
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記漁船の位置情報を取得する位置取得ステップと、
前記入札受付ステップにおいて受け付けた入札に基づき、魚種ごとの需要情報を生成する需要生成ステップと、
前記位置取得ステップにおいて取得した前記漁船の位置情報と、前記需要生成ステップにおいて生成した前記需要情報と、に基づき、前記漁船内のユーザに対して前記需要情報に含まれる魚種を漁獲する見込みが高い漁獲エリアを提示する提示ステップと、
を実行させる請求項18から22のいずれか記載のプログラム。
【請求項24】
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置であって、
前記プロセッサは、請求項1から23のいずれか記載のプログラムを実行する、
情報処理装置。
【請求項25】
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置と、漁船とからなる情報処理システムにおいて、
前記プロセッサは、請求項1から23のいずれか記載のプログラムを実行する、
情報処理システム。
【請求項26】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
前記コンピュータに、請求項1から23のいずれか記載のプログラムが読み込まれることにより実行される、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
漁船の操業時に、漁船に備えられた操業情報を記録する操業情報作成装置(データロガー)が知られている。
特許文献1には、漁獲物がどこで、誰によって漁獲されたかを証明するために、位置情報や画像などを活用した科学的根拠に基づく漁船操業認証装置が開示されている。
特許文献2には、漁獲成績報告書の作成を支援することで、小規模な漁業者であっても、簡便に作成することを可能とする漁獲成績報告書作成支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-124937号公報
【文献】特開2021-157722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
漁船による漁獲物の漁獲量の情報を取得する際に、操業に含まれる漁獲活動ごとに漁獲量を取得することができなかった。また、漁獲量の計測などの際には、高価な高精度な魚群探知機などが必要とされ、高価なセンシング機器なしに漁獲活動ごとに漁獲量を取得することができていないという課題がある。
【0005】
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、漁獲活動ごとに漁獲量を取得し記憶する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、漁船の漁獲活動を特定する特定ステップと、特定ステップにより特定された漁獲活動における漁獲量を取得する取得ステップと、特定ステップにより特定した漁獲活動と、取得ステップにより取得した漁獲量を関連付けて記憶する記憶ステップと、を実行させるプログラム。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、漁獲活動ごとの漁獲量を、漁獲活動と関連付けて記憶することができる。これにより、操業ごとではなく、漁獲活動ごとの漁獲量を取得し、記憶、蓄積することができる。記憶、蓄積した漁獲活動ごとの漁獲量は、効率的な漁業に役立てることができたり、漁業資源管理などに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報処理システム1の全体の構成を示す図である。
【
図2】サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】通信端末30の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】ユーザ端末40の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】ユーザテーブル1012のデータ構造を示す図である。
【
図6】船団テーブル1013のデータ構造を示す図である。
【
図7】船情報テーブル1014のデータ構造を示す図である。
【
図8】センシングテーブル1015のデータ構造を示す図である。
【
図9】操業履歴テーブル1016のデータ構造を示す図である。
【
図10】漁獲記録テーブル1017のデータ構造を示す図である。
【
図11】漁獲量テーブル1018のデータ構造を示す図である。
【
図12】漁獲記憶処理の動作を示すフローチャートである。
【
図13】漁獲量算定処理(第六形態)の動作を示す画面例である。
【
図15】コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0010】
<情報処理システム1の概要>
図1は、情報処理システム1の全体の構成を示す図である。本開示における情報処理システム1は、漁船の情報を収集、管理するとともに漁船の漁獲活動に関する情報を用いたサービスを提供する情報処理システムである。
【0011】
<情報処理システム1の基本構成>
本開示における情報処理システム1を
図1に示す。情報処理システム1は、ネットワークNを介して接続された、サーバ10、船20、通信端末30、ユーザ端末40、管理者端末50を備えて構成されている。
図2は、サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
図3は、船20に備えられる通信端末30の機能構成を示すブロック図である。
図4は、ユーザ端末40の機能構成を示すブロック図である。
【0012】
サーバ10は、漁船の情報を収集、管理するとともに漁船の漁獲活動に関する情報を用いたサービスをユーザに対して提供する情報処理装置である。
【0013】
通信端末30は、船20に備えられる情報処理装置である。
ユーザ端末40は、サービスを利用するユーザが操作する情報処理装置である。
管理者端末50は、サービスを管理する管理者権限を有するユーザが操作する情報処理装置である。
【0014】
通信端末30、ユーザ端末40、管理者端末50は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末でもよいし、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよい。また、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
【0015】
各情報処理装置は演算装置と記憶装置とを備えたコンピュータにより構成されている。コンピュータの基本ハードウェア構成および、当該ハードウェア構成により実現されるコンピュータの基本機能構成は後述する。サーバ10、通信端末30、ユーザ端末40、管理者端末50のそれぞれについて、後述するコンピュータの基本ハードウェア構成およびコンピュータの基本機能構成と重複する説明は省略する。
【0016】
以下、各装置の構成およびその動作を説明する。
【0017】
<サーバ10の機能構成>
サーバ10のハードウェア構成が実現する機能構成を
図2に示す。サーバ10は、記憶部101、制御部104を備える。
【0018】
<サーバ10の記憶部の構成>
サーバ10の記憶部101は、アプリケーションプログラム1011、ユーザテーブル1012、船団テーブル1013、船情報テーブル1014、センシングテーブル1015、操業履歴テーブル1016、漁獲記録テーブル1017、漁獲量テーブル1018、を備える。
図5は、ユーザテーブル1012のデータ構造を示す図である。
図6は、船団テーブル1013のデータ構造を示す図である。
図7は、船情報テーブル1014のデータ構造を示す図である。
図8は、センシングテーブル1015のデータ構造を示す図である。
図9は、操業履歴テーブル1016のデータ構造を示す図である。
図10は、漁獲記録テーブル1017のデータ構造を示す図である。
図11は、漁獲量テーブル1018のデータ構造を示す図である。
【0019】
ユーザテーブル1012は、サービスを利用する会員ユーザ(以下、ユーザ)の情報を記憶し管理するテーブルである。ユーザは、サービスの利用登録を行うことで、当該ユーザの情報がユーザテーブルの新しいレコードに記憶される。これにより、ユーザは本開示にかかるサービスを利用できるようになる。
【0020】
ユーザIDは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を記憶する項目である。ユーザ識別情報は、ユーザごとにユニークな値が設定されている項目である。
【0021】
ユーザ名は、ユーザの氏名を記憶する項目である。ユーザ名は、氏名ではなく、ニックネームなど任意の文字列を設定しても良い。
【0022】
船団テーブル1013は、船団の情報である船団情報を記憶し管理するテーブルである。船団テーブル1013により、船団と、船団を構成する各船とが、船団IDと、船団を構成する各船の船IDにより関連づけられる。
【0023】
船団IDは、船団を識別するための船団識別情報を記憶する項目である。
船団名は、船団の名称を記憶する項目である。船団名は、任意の文字列を設定しても良い。
船IDは、船団を構成する船の船識別情報を記憶する項目である。
【0024】
船情報テーブル1014は、船団を構成する各船の情報である船情報を記憶し管理するテーブルである。
【0025】
船IDは、船を識別するための船識別情報を記憶する項目である。船識別情報は、船ごとにユニークな値が設定されている項目である。
船名は、船の名称を記憶する項目である。船名は、任意の文字列を設定しても良い。
役割データは、船の役割に関する情報である船役割情報を記憶する項目である。船役割情報は、魚群を探す「探索船」、魚群を捕獲する「網船」、及び、漁獲物を氷蔵して漁港に水揚げする「運搬船」などの値がある。1つの船に対して複数の役割情報が記憶されても良い。
搭載機器データは、船に搭載された機器に関する情報である搭載機器情報を記憶する項目である。搭載機器情報は、位置情報取得装置(GPS)、魚群探知機、ソナー、カメラなどの値が記憶される。1つの船に対して複数の搭載機器情報が記憶されても良い。
長さは、船の長さに関する情報を記憶する項目である。
幅は、船の幅に関する情報を記憶する項目である。
深さは、船の深さに関する情報を記憶する項目である。
計画総トン数は、船の計画総トン数に関する情報を記憶する項目である。
最大積載量は、船の最大積載量に関する情報を記憶する項目である。
最大排水量は、船の最大排水量に関する情報を記憶する項目である。
母港は、船が拠点を置く港に関する情報を記憶する項目である。1つの船に対して複数の母港が記憶されても良い。
【0026】
センシングテーブル1015は、船団を構成する各船が備える各種センシング機器によりセンシングした情報であるセンシング情報を記憶し管理するテーブルである。
【0027】
船IDは、センシング情報を取得した船の船識別情報を記憶する項目である。
魚探映像は、魚探映像に関する情報(魚探映像情報)を記憶する項目である。魚探映像情報は、船に設けられた魚群探知機により取得される。魚探映像情報は、魚群探知機が備えるディスプレイなどの表示装置を撮影する不図示のカメラから取得しても良い。
ソナー映像は、ソナー映像に関する情報(ソナー映像情報)を記憶する項目である。ソナー映像情報は、船に設けられたソナーにより取得される。ソナー映像情報は、ソナーが備えるディスプレイなどの表示装置を撮影する不図示のカメラから取得しても良い。
位置データは、船の位置に関する情報(位置情報)を記憶する項目である。船の位置情報は、船に設けられた位置情報取得装置により取得される。船の位置情報は、緯度、経度などの情報を含む。
カメラ画像は、カメラ画像に関する情報(カメラ画像情報)を記憶する項目である。カメラ画像情報は、船に設けられたカメラにより取得される。船に複数のカメラが設けられている場合には、それぞれのカメラを識別するためのカメラ識別情報などの情報を含んでも良い。つまり、カメラ画像は、複数のカメラごとに出力される情報を識別可能に含んでも良い。カメラ画像は、静止画および動画を含む。
魚倉データは、魚倉をセンシングする魚倉センサから出力される情報(魚倉情報)を記憶する項目である。魚倉情報は、複数の魚倉センサごとに出力される情報を識別可能に含んでも良い。
機器データは、機器センサから出力される情報(機器情報)を記憶する項目である。機器情報は、複数の機器センサごとに出力される情報を識別可能に含んでも良い。
日時は、センシング情報を記憶した日時を記憶する項目である。
【0028】
操業履歴テーブル1016は、船団を構成する各船の操業に関する情報である操業情報を記憶し管理するテーブルである。操業履歴テーブル1016により、操業と、操業を行った船とが、操業IDと、船IDにより関連づけられる。
【0029】
操業IDは、操業を識別するための操業識別情報を記憶する項目である。操業識別情報は、操業ごとにユニークな値が設定されている項目である。
船IDは、操業情報を取得した船の船識別情報を記憶する項目である。
操業開始日時は、操業を開始した日時の情報を記憶する項目である。
操業終了日時は、操業を終了した日時の情報を記憶する項目である。
【0030】
漁獲記録テーブル1017は、操業中の1または複数回の漁獲活動ごとの漁獲記録に関する情報である漁獲記録情報を記憶し管理するテーブルである。漁獲記録テーブル1017により、操業と、操業中の1または複数回の漁獲活動ごとの漁獲記録とが、操業IDと、漁獲記録IDにより関連づけられる。
漁獲記録情報とは、漁獲記録テーブル1017のデータおよび、漁獲記録IDにより関連付けられる漁獲量テーブル1018のデータを含む情報である。
【0031】
漁獲記録IDは、漁獲活動ごとの漁獲記録を識別するための漁獲記録識別情報を記憶する項目である。
操業IDは、漁獲活動を行った操業の操業識別情報を記憶する項目である。
航跡データは、漁獲活動における船の航跡に関する情報(航跡情報)を記憶する項目である。航跡情報は、漁獲活動を行っている間の船の位置情報、日時に基づく船の航跡に関する情報を含む。
漁獲開始日時は、漁獲活動を開始した日時の情報を記憶する項目である。
漁獲終了日時は、漁獲活動を終了した日時の情報を記憶する項目である。
漁獲位置は、漁獲活動を行った際の船の位置に関する情報(漁獲位置情報)を記憶する項目である。漁獲位置情報は、漁獲活動中の船の代表的な位置、または漁獲活動中に船が移動した範囲の位置の情報を含んでも良い。
漁獲データは、漁獲活動における船の情報(漁獲活動情報)を記憶する項目である。漁獲活動情報は、漁獲活動中の船から取得した各種センシング情報を識別可能に記憶する項目である。
漁法は、漁獲活動を行った際の漁法に関する情報を記憶する項目である。漁法には、網漁法、釣り漁法などがある。網漁法には巻き網、流し網、底引き網(トロール)、底刺し網などがある。釣り漁法には、延縄、引き縄、一本釣り、底延縄などがある。
【0032】
漁獲量テーブル1018は、漁獲活動における魚種ごとの漁獲量に関する情報である漁獲量情報を記憶し管理するテーブルである。漁獲量テーブル1018により、漁獲活動と、漁獲活動における魚種ごとの漁獲量とが、漁獲記録IDと、漁獲量IDにより関連づけられる。なお、魚種が不明な場合は、漁獲量テーブル1018には、漁獲量のみを記憶する構成としても良い。
【0033】
漁獲量IDは、魚種ごとの漁獲量を識別するための漁獲量識別情報を記憶する項目である。漁獲量識別情報は、魚種ごとの漁獲量ごとにユニークな値が設定されている項目である。
【0034】
漁獲記録IDは、漁獲記録を識別するための漁獲記録識別情報である。
魚種データは、漁獲した魚種に関する情報(魚種情報)を記憶する項目である。魚種情報は、魚種コード、標準和名、学名、地方名などの情報を含む。なお、魚種が不明な場合は、ブランク、ヌルまたは魚種が不明であることを示す情報が記憶される。
漁獲量は、魚種ごとの漁獲した漁獲物の数量に関する情報(漁獲量情報)を記憶する項目である。漁獲量情報は、漁獲した魚の数、漁獲した魚の重量など、漁獲した漁獲物の数量の情報を含む。
魚の大きさデータは、漁獲した魚の大きさに関する情報(魚の大きさ情報)を記憶する項目である。魚の大きさ情報は、漁獲した魚の大きさ、尾叉長、体高などの情報を含む。
漁獲物の画像は、漁獲した魚の画像に関する情報(漁獲物の画像情報)を記憶する項目である。
漁獲物の動画は、漁獲した魚の動画に関する情報(漁獲物の動画情報)を記憶する項目である。
品質データは、漁獲した魚の品質に関する情報(品質情報)を記憶する項目である。品質情報は、脂質の量、鮮度、K値などの情報を含む。
処理データは、漁獲した魚の処理方法に関する情報(魚処理情報)を記憶する項目である。魚処理情報は、活魚、 鮮魚、氷締め、神経締め・神経抜き、血抜き、急速冷凍、フィレなどの情報を含む。
保存データは、漁獲した魚の保存状態に関する情報(魚保存情報)を記憶する項目である。魚保存情報は、魚倉温度、冷凍温度、活魚倉温度、活魚倉溶存酸素などの情報を含む。保存データは、操業中の、漁獲した魚の日時ごとの魚の保存状態に関する情報が記憶される。ユーザは、保存データを参照することにより、魚の保存状態を確認することができる。
【0035】
<サーバ10の制御部の構成>
サーバ10の制御部104は、ユーザ登録制御部1041、設定部1042、漁獲処理部1043、報告作成部1044、入札処理部1045、提示部1046を備える。制御部104は、記憶部101に記憶されたアプリケーションプログラム1011を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0036】
ユーザ登録制御部1041は、本開示に係るサービスの利用を希望するユーザの情報をユーザテーブル1012に記憶する処理を行う。
ユーザテーブル1012に記憶される、ユーザID、ユーザ名の情報は、ユーザが任意の情報処理端末からサービス提供者が運営するウェブページなどを開き、所定の入力フォームにユーザID、ユーザ名を入力しサーバ10へ送信する。サーバ10のユーザ登録制御部1041は、受信したユーザID、ユーザ名をユーザテーブル1012の新しいレコードに記憶し、ユーザ登録が完了する。これにより、ユーザテーブル1012に記憶されたユーザはサービスを利用することができるようになる。
ユーザ登録制御部1041によるユーザ情報のユーザテーブル1012への登録に先立ち、サービス提供者は所定の審査を行いユーザによるサービス利用可否を制限しても良い。
ユーザIDは、ユーザを識別できる任意の文字列または数字で良く、ユーザが希望する任意の文字列または数字、もしくはサーバ10のユーザ登録制御部1041が自動的に任意の文字列または数字を設定しても良い。
【0037】
設定部1042は、船団設定処理を実行する。詳細は後述する。
漁獲処理部1043は、漁獲記憶処理を実行する。詳細は後述する。
報告作成部1044は、漁獲成績報告書作成処理を実行する。詳細は後述する。
入札処理部1045は、入札処理を実行する。詳細は後述する。
提示部1046は、漁獲活動エリア提示処理を実行する。詳細は後述する。
【0038】
<船20の機能構成>
船20は、通信端末30、センシング機器204、魚倉205、クレーン206などを備える。センシング機器204は、魚群探知機2041、ソナー2042、位置情報取得装置2043、カメラ2044、魚倉センサ2055、機器センサ2056を含む。船20は、漁船である。
【0039】
魚倉205は、船20に搭載され、当該船において漁獲した漁獲物を収容する設備である。船20は、役割に応じて必ずしも魚倉205を備えなくとも良い。魚倉205には、海水が入れられ漁獲物を活魚のまま運搬することができる魚倉が含まれる。魚倉205には、冷凍設備を備え、漁獲物を冷凍状態で運搬することができる魚倉が含まれる。
【0040】
クレーン206は、船20に搭載され、当該船において網や縄などの漁具を引き上げる機械である。船20は、役割に応じて必ずしもクレーン206を備えなくとも良い。
【0041】
魚群探知機2041は、船20に搭載され、当該船の下の海中に向けて超音波を発射し、その反射波を捉えることで魚群を探すためのデバイスである。魚群探知機2041は、海中の状況をレーダー映像のように捉え、魚群の分布状況、密集度、海面、海底の地形、水深などを、異なる形、濃度及び色合いで画面上に表示する。
【0042】
ソナー2042は、船20に搭載され、当該船の周囲方向の海中に向けて超音波を発射し、その反射波を捉えることで魚群を探すためのデバイスである。ソナー2042は、海中の状況をレーダー映像のように捉え、魚群の映像及び海底の映像などを、異なる形、濃度及び色合いで画面上に表示する。
【0043】
位置情報取得装置2043は、船20に搭載され、船の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される船の現在位置を検出する。
【0044】
カメラ2044は、船に設けられて、船上の様子を撮影するための装置である。カメラ2044は一台のカメラである必要はなく、複数台のカメラを含んでも良い。
カメラ2044は、甲板上の船上において船員による漁獲活動の様子を撮影可能な位置に設置したカメラを含んでも良い。
カメラ2044は、網船の上部に設けられ、網の送り出し及び巻き上げの作業や、漁獲物を撮影可能な位置に設置したカメラを含んでも良い。
カメラ2044は、魚倉205の収容物を撮影可能な位置に設置したカメラを含んでも良い。
【0045】
魚倉センサ2055は、魚倉205の収容物をセンシングするためのセンサである。
魚倉センサ2055は、魚倉205の収容物を撮影するカメラを含む。カメラは、魚倉205の収容物である漁獲物の様子を撮影することができる。例えば、魚倉205が活魚を収容している場合には、カメラは、魚倉205内の活魚の様子を撮影することができる。
魚倉センサ2055は、超音波などにより魚倉205の収容物の様子を検出するセンサを含む。魚倉205の収容物である漁獲物の様子を異なる形、濃度及び色合いの画像データとして出力することができる。
【0046】
機器センサ2056は、クレーン206により引き上げられた漁獲物の重量を計測するためのセンサである。機器センサ2056により、クレーン206により引き上げられた漁獲物の重量を計量することができる。
【0047】
??なお、船20に搭載されているセンシング機器は、上記装置に限らず、海水温を測定する水温センサー、風向風速を測定する風向風速計、エンジンの排気口近傍に設けられた排気温センサなどを含むとしてもよい。
【0048】
<通信端末30の機能構成>
通信端末30のハードウェア構成が実現する機能構成を
図3に示す。通信端末30は、記憶部301、制御部304、入力装置306として、カメラ3061、マイク3062、位置情報センサ3063、モーションセンサ3064、出力装置308として、ディスプレイ3081、スピーカ3082を備える。
【0049】
<通信端末30の記憶部の構成>
通信端末30の記憶部301は、通信端末30を利用するユーザを識別するための船ID3011、アプリケーションプログラム3012を記憶する。
船IDは、通信端末30が設けられた船20を識別するための船識別情報である。通信端末30は、船ID3011を、サーバ10へ送信する。サーバ10は、船ID3011に基づき船20を識別し、本開示にかかるサービスを通信端末30に対して提供する。なお、船IDには、通信端末30を利用しているユーザを識別するにあたりサーバ10から一時的に付与されるセッションIDなどの情報を含む。
アプリケーションプログラム3012は、記憶部301に予め記憶されていても良いし、通信IFを介してサービス提供者が運営するウェブサーバ等からダウンロードする構成としても良い。アプリケーションプログラム3012は、通信端末30に記憶されているウェブブラウザアプリケーション上で実行されるJavaScript(登録商標)などのインタープリター型プログラミング言語を含む。
【0050】
<通信端末30の制御部の構成>
通信端末30の制御部304は、入力制御部3041、出力制御部3042、第1無線通信部3111、第2無線通信部3112、第3無線通信部3113、を備える。制御部304は、記憶部301に記憶されたアプリケーションプログラム3012を実行することにより、入力制御部3041、出力制御部3042、第1無線通信部3111、第2無線通信部3112、第3無線通信部3113、の機能ユニットが実現される。
通信端末30の入力制御部3041は、入力装置306への操作内容、マイク3062への音声入力、位置情報センサ3063、カメラ3061、モーションセンサ3064などの入力装置から出力される情報を取得し各種処理を実行する。通信端末30の入力制御部3041は、入力装置から取得した情報を船ID3011とともにサーバ10へ送信する処理を実行する。
通信端末30の出力制御部3042は、入力装置に対する操作およびサーバ10から情報を受信し、ディスプレイ3081の表示内容、スピーカ3082の音声出力内容の制御処理を実行する。
【0051】
第1無線通信部3111、第2無線通信部3112、第3無線通信部3113は、それぞれ、複数のアンテナ、第1アンテナ3121、第2アンテナ3122、第3アンテナ3123と接続される。第1アンテナ3121、第2アンテナ3122、第3アンテナ3123は、通信端末30が発する信号を電波として放射する。また、第1アンテナ3121、第2アンテナ3122、第3アンテナ3123は、空間から電波を受信して受信信号を、それぞれ第1無線通信部3111、第2無線通信部3112、第3無線通信部3113へ与える。
【0052】
第1無線通信部3111は、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等の通信規格に基づく通信制御を行う無線通信部である。
第2無線通信部3112は、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)などの主に携帯電話等で利用される通信規格に基づく通信制御を行う無線通信部である。
第3無線通信部3113は、宇宙空間に打ち上げられた人工衛星等を介した通信制御を行う無線通信部である。
【0053】
第1無線通信部3111、第2無線通信部3112、第3無線通信部3113はそれぞれ通信相手との通信可能範囲が異なる。例えば、第1無線通信部3111は、主に船内、同じ船団に属し近接する他船との間の通信に用いられる。第2無線通信部3112は、船20が沿岸付近を航行している場合に、主に陸上に設けられた基地局との間の通信に用いられる。第3無線通信部3113は、船20が遠洋を航行している場合にも、通信を行うことができる。
【0054】
<ユーザ端末40の機能構成>
ユーザ端末40のハードウェア構成が実現する機能構成を
図4に示す。ユーザ端末40は、記憶部401、制御部404、タッチパネル406などの入力装置、タッチセンシティブデバイス4061、ディスプレイ4062、マイク4081、スピーカ4082、位置情報センサ4083、カメラ4084、モーションセンサ4085を備える。
【0055】
<ユーザ端末40の記憶部の構成>
ユーザ端末40の記憶部401は、ユーザ端末40を利用するユーザを識別するためのユーザID4011、アプリケーションプログラム4012を記憶する。
ユーザIDはユーザのアカウントIDである。ユーザは、ユーザ端末40からユーザID4011を、サーバ10へ送信する。サーバ10は、ユーザID4011に基づきユーザを識別し、本開示にかかるサービスをユーザに対して提供する。なお、ユーザIDには、ユーザ端末40を利用しているユーザを識別するにあたりサーバ10から一時的に付与されるセッションIDなどの情報を含む。
アプリケーションプログラム4012は、記憶部401に予め記憶されていても良いし、通信IFを介してサービス提供者が運営するウェブサーバ等からダウンロードする構成としても良い。アプリケーションプログラム4012は、ユーザ端末40に記憶されているウェブブラウザアプリケーション上で実行されるJavaScript(登録商標)などのインタープリター型プログラミング言語を含む。
【0056】
<ユーザ端末40の制御部の構成>
ユーザ端末40の制御部404は、入力制御部4041および出力制御部4042を備える。制御部404は、記憶部401に記憶されたアプリケーションプログラム4012を実行することにより、入力制御部4041、出力制御部4042の機能ユニットが実現される。
ユーザ端末40の入力制御部4041は、ユーザによるタッチパネル406のタッチセンシティブデバイス4061への操作内容、マイク4081への音声入力、位置情報センサ4083、カメラ4084、モーションセンサ4085などの入力装置から出力される情報を取得し各種処理を実行する。ユーザ端末40の入力制御部4041は、入力装置から取得した情報をユーザID4011とともにサーバ10へ送信する処理を実行する。
ユーザ端末40の出力制御部4042は、入力装置に対するユーザによる操作およびサーバ10から情報を受信し、ディスプレイ4062の表示内容、スピーカ4082の音声出力内容の制御処理を実行する。
【0057】
管理者端末50の機能構成は、記憶部にユーザIDとしてサービスを管理する管理者権限を有するユーザのユーザIDが記憶されており、その他の構成についてはユーザ端末40と同様であるため説明を省略する。
【0058】
<情報処理システム1の動作>
以下、情報処理システム1の各処理について説明する。
図12は、サーバ10における漁獲記憶処理の動作を示すフローチャートである。
図13は、通信端末30における漁獲量算定処理(第六形態)の動作を示す画面例である。
図14は、ユーザ端末40における入札受付処理の動作を示す画面例である。
【0059】
<船団設定処理>
船団と、船団を構成する各船との関連付けを設定し登録する処理である。管理者権限を有するユーザは、管理者端末50の入力装置を操作することにより、サーバ10へ船団ID、船団名、船団に属する漁船の船IDを含むリクエストを送信する。サーバ10の設定部1042は、受信したリクエストに含まれる船団ID、船団名、船IDをそれぞれ、船団テーブル1013の船団ID、船団名、船IDの項目に記憶することにより、船団と、船団に属する漁船とを関連づける。
【0060】
<操業開始・終了処理>
船20が操業を開始すると、サーバ10の制御部104は、操業情報を記憶する。船20に乗船しているユーザは、通信端末30の入力装置306を操作することにより、船20の操業を開始したことに関するリクエストをサーバ10へ送信する。サーバ10の制御部104は、リクエストを受信すると操業履歴テーブル1016の新たなレコードの船ID、操業開始日時の項目に、船20の船ID、操業を開始した日時を記憶する。
同様に、船20が操業を終了すると、サーバ10の制御部104は、操業情報を記憶する。船20に乗船しているユーザは、通信端末30の入力装置306を操作することにより、船20の操業を終了したことに関し、終了する操業に関する操業IDを含むリクエストをサーバ10へ送信する。サーバ10の制御部104は、リクエストを受信すると、受信した操業IDに基づき操業履歴テーブル1016を検索し、該当レコードの操業終了日時の項目に、操業を終了した日時を記憶する。
【0061】
サーバ10の制御部104は、漁船の航跡情報に基づき、漁船が出漁中か否かを判定しても良い。サーバ10の制御部104は、漁船の航跡情報に基づき、漁船の操業開始、創業終了を検出し、記憶する構成としても良い。
具体的には、サーバ10の制御部104は、センシングテーブル1015の位置データ、日時を取得することにより、船20の航跡情報を取得する。サーバ10の制御部104は、取得した航跡情報に基づき、船が出漁中か、船がメンテナンスのためドックなどに向かっており出漁中ではないかの判定を行う。サーバ10の制御部104は、取得した航跡情報に基づき、船が出漁中であると判定された場合には、当該航跡情報に基づき操業開始日時を特定し、当該航跡に関する船の船IDと関連付けて操業履歴テーブル1016の、船ID、操業開始日時の項目に記憶する。サーバ10の制御部104は、取得した航跡情報に基づき、船が操業を終え寄港したことを判定した場合には、当該航跡情報に基づき操業終了日時を特定し、当該航跡に関する船の船IDと関連付けて操業履歴テーブル1016の、操業終了日時の項目に記憶する。
【0062】
<漁獲記憶処理>
漁獲記憶処理は、船20による漁獲活動ごとの漁獲量を算定し、記憶するための処理である。以下、漁獲記憶処理の詳細を
図12のフローチャートを用いて説明する。
【0063】
<漁獲記憶処理の概要>
漁獲記憶処理は、船20から船情報を取得し、船情報に基づき漁獲活動を特定し、特定した漁獲活動に関する漁獲量を算定し、算定した漁獲量を記憶する一連の処理である。
【0064】
<漁獲記憶処理の詳細>
ステップS101において、サーバ10の漁獲処理部1043は、船20のセンシング機器204がセンシングしたセンシング情報を定期的に取得し、記憶する。
具体的に、船20の通信端末30は、自船のセンシング機器204によりセンシングした情報であるセンシング情報をサーバ10へ送信する。センシング情報は、魚群探知機2041、ソナー2042、位置情報取得装置2043、カメラ2044、魚倉センサ2055、機器センサ2056などの検出値を含む。サーバ10の漁獲処理部1043は、通信端末30から受信した魚群探知機2041、ソナー2042、位置情報取得装置2043、カメラ2044、魚倉センサ2055、機器センサ2056の検出値を、それぞれ、センシングテーブル1015の、魚探映像、ソナー映像、位置データ、カメラ画像、魚倉データ、機器データの項目に記憶する。なお、センシング情報が、海水温、風向風速、排気温などを含む場合には、それぞれ、センシングテーブル1015に海水温、風向風速、排気温の項目を設け、記憶しても良い。
サーバ10の漁獲処理部1043は、船団を構成するすべての船20のセンシング情報を定期的に取得し、センシングテーブル1015に記憶する。この処理は、漁獲活動特定処理(S102)、漁獲量算定処理(S103)、漁獲量記憶処理(S104)が行われている間も、非同期で実行される。つまり、センシングテーブル1015には、本開示にかかるサービスを利用する全ての船20におけるセンシング機器204のセンシング情報が定期的に記憶され、蓄積される。
【0065】
サーバ10は、複数のセンシング情報のうち、重要度に応じて、定期的に取得する期間を異なる期間にしても良い。例えば、重要度が高いセンシング情報ほど頻繁に取得し、センシングテーブル1015に記憶する構成としても良い。
【0066】
通信端末30は、複数のセンシング情報のそれぞれに対して、第1無線通信部3111、第2無線通信部3112、第3無線通信部3113を選択的に介して、センシング情報をサーバ10へ送信しても良い。例えば、重要度が高いセンシング情報は第3無線通信部3113を介して送信する構成としても良い。これにより、船20が、遠洋航行中であっても重要度が高い情報は、人工衛星等を介してサーバ10へ送信することができる。
【0067】
<漁獲活動特定処理>
ステップS102において、サーバ10の漁獲処理部1043は、漁船の漁獲活動を特定する。サーバ10の漁獲処理部1043は、通信端末30から漁獲活動の開始および終了を特定するリクエストの受信に応じて、漁船の漁獲活動を特定しても良い。また、サーバ10の漁獲処理部1043は、以下の手法により漁船の漁獲活動を船20のセンシング情報から特定しても良い。
【0068】
<漁獲活動特定処理(第一形態)>
サーバ10の漁獲処理部1043は、漁船の航跡情報に基づき、漁獲活動を特定しても良い。具体的にサーバ10の漁獲処理部1043は、センシングテーブル1015に記憶された位置データ、日時の項目を取得し、船20の航跡情報を取得する。船20の船IDに基づき、船情報テーブル1014の船IDの項目を検索することにより、船20の役割データを取得する。
船20の役割データに基づき特定される船20の船役割情報が「網船」である場合に、船20の航跡が所定位置から所定の向心加速度で所定の曲率を描きながら航行し、航跡が円を描きながら最初の所定位置付近で速度がゼロになるような航跡を描いた場合には、漁獲活動として「巻き網」漁を行っていることを特定することができる。具体的に、サーバ10の漁獲処理部1043は、航跡情報に含まれる船20の速度、曲率、向心加速度などの情報を所定の閾値と比較することにより漁獲活動が行われていることを特定することができる。なお、サーバ10の漁獲処理部1043は、航跡情報に含まれる船20の速度、曲率、向心加速度のうち少なくともいずれか1つの情報に基づき、漁獲活動が行われていることを特定しても良い。
同様に、サーバ10の漁獲処理部1043は、網漁法の巻き網、流し網、底引き網(トロール)、底刺し網など、釣り漁法の延縄、引き縄、一本釣り、底延縄などの漁法に応じた特定の航跡パターンに基づき、船20における漁獲活動および漁法を特定することができる。
サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲活動を特定すると、漁獲記録テーブル1017に新たなレコードを作成する。サーバ10の漁獲処理部1043は、船20の操業に係る操業ID、特定した漁獲活動の開始日時、特定した漁獲活動の終了日時を、それぞれ、漁獲記録テーブル1017の新たなレコードの操業ID、漁獲開始日時、漁獲終了日時の項目に記憶し、操業情報と漁獲記録情報とを関連づける。
サーバ10の漁獲処理部1043は、船20の船IDに基づき、センシングテーブル1015の船IDの項目を検索し、日時が漁獲活動中に含まれるレコードの位置データ、日時の項目を取得し、位置データおよび日時データの組み合わせから航跡情報を生成し、漁獲記録テーブル1017の新たなレコードの航跡データの項目に記憶する。サーバ10の漁獲処理部1043は、取得した位置データ、特定した漁法を、それぞれ、漁獲記録テーブル1017の新たなレコードの漁獲データ、漁法の項目に記憶する。
これにより、特定した漁獲活動における船20の航跡情報に関するセンシング情報が、漁獲記録テーブル1017に記憶される。
【0069】
<漁獲活動特定処理(第二形態)>
サーバ10の漁獲処理部1043は、複数の漁船のそれぞれの航跡情報に基づき、漁獲活動を特定しても良い。このとき、サーバ10の漁獲処理部1043は、複数の漁船からなる船団における漁獲活動を特定しても良い。
具体的に、サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲活動特定処理(第一形態)と同様に、船団を構成する複数の船20の船役割情報ごとの航跡情報を取得する。サーバ10の漁獲処理部1043は、「網船」の航跡情報だけでなく、「探索船」、「運搬船」の航跡情報に基づき、船団における漁獲活動を特定することができる。また、サーバ10の漁獲処理部1043は、船団を構成する複数の船20の航跡情報を考慮することにより、漁獲活動特定処理(第一形態)に比べてより精度高く船20における漁獲活動を特定することができる。
例えば、船役割情報が「網船」である船20の航跡が所定位置から所定の向心加速度で所定の曲率を描きながら航行し、航跡が円を描きながら最初の所定位置付近で速度がゼロになるような航跡を描いた場合に、所定位置付近に船役割情報が「運搬船」である船20が停止している場合には、網船が漁獲した漁獲物を運搬船への積み込み作業を行っていると推定することができる。つまり、サーバ10の漁獲処理部1043は、船団を構成する船役割情報が「運搬船」である船20の航跡を考慮することにより、船20の漁獲活動をより正確に特定することができるとともに、船団の漁獲活動を特定することができる。具体的に、サーバ10の漁獲処理部1043は、船団を構成する複数の船20の航跡情報に含まれる、船20同士の相対距離、相対速度などの情報を所定の閾値と比較することにより漁獲活動が行われていることを特定することができる。なお、サーバ10の漁獲処理部1043は、航跡情報に含まれる船20同士の相対距離、相対速度のうち少なくともいずれか1つの情報に基づき、漁獲活動が行われていることを特定しても良い。
サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲活動を特定すると、漁獲記録テーブル1017に新たなレコードを作成する。サーバ10の漁獲処理部1043は、船団を構成する各船20の操業に係る操業ID、特定した漁獲活動の開始日時、特定した漁獲活動の終了日時を、それぞれ、漁獲記録テーブル1017の新たなレコードの操業ID、漁獲開始日時、漁獲終了日時の項目に記憶し、操業情報と漁獲記録情報とを関連づける。
サーバ10の漁獲処理部1043は、船団を構成する各船20の船IDに基づき、センシングテーブル1015の船IDの項目を検索し、日時が漁獲活動中に含まれるレコードの位置データ、日時の項目を取得し、位置データおよび日時データの組み合わせから航跡情報を生成し、漁獲記録テーブル1017の新たなレコードの航跡データの項目に記憶する。サーバ10の漁獲処理部1043は、取得した位置データ、特定した漁法を、それぞれ、漁獲記録テーブル1017の新たなレコードの漁獲データ、漁法の項目に記憶する。
これにより、特定した漁獲活動における船団を構成する各船20の航跡情報に関するセンシング情報が、漁獲記録テーブル1017に記憶される。なお、各船ではなく、船団ごとに、船団IDと関連付けて、船団を構成する各船20の航跡情報をまとめて漁獲記録テーブル1017の1つのレコードに記憶する構成としても構わない。
【0070】
<漁獲活動特定処理(第三形態)>
サーバ10の漁獲処理部1043は、漁船の魚倉情報に基づき、漁獲活動を特定しても良い。
具体的にサーバ10の漁獲処理部1043は、センシングテーブル1015に記憶された魚倉データ、日時の項目を取得し、船20の魚倉情報を取得する。船20の魚倉情報に基づき、魚倉205に新たな漁獲物が収容されたことを検知した場合等に、船20における漁獲活動を特定することができる。
例えば、魚倉情報が、魚倉205の収容物を撮影するカメラである場合に、サーバ10の漁獲処理部1043は、魚倉205内の活魚が増えたことに基づき、漁獲活動を特定しても良い。魚倉情報が、超音波などにより魚倉205の収容物を検出するセンサである場合は、サーバ10の漁獲処理部1043は、画像データの変化に基づき、漁獲活動を特定しても良い。サーバ10の漁獲処理部1043は、魚倉205内の様子を撮影した画像データ等に基づき、漁獲活動における漁法を特定することができる場合がある。
サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲活動を特定すると、漁獲記録テーブル1017に新たなレコードを作成する。サーバ10の漁獲処理部1043は、船20の操業に係る操業ID、特定した漁獲活動の開始日時、特定した漁獲活動の終了日時を、それぞれ、漁獲記録テーブル1017の新たなレコードの操業ID、漁獲開始日時、漁獲終了日時の項目に記憶し、操業情報と漁獲記録情報とを関連づける。
サーバ10の漁獲処理部1043は、取得した魚倉データ、特定した漁法を、それぞれ、漁獲記録テーブル1017の新たなレコードの漁獲データ、漁法の項目に記憶する。
これにより、特定した漁獲活動における船20の魚倉情報に関するセンシング情報が、漁獲記録テーブル1017に記憶される。
【0071】
<漁獲活動特定処理(第四形態)>
サーバ10の漁獲処理部1043は、漁船のカメラ画像に基づき、漁獲活動を特定しても良い。
具体的にサーバ10の漁獲処理部1043は、センシングテーブル1015に記憶されたカメラ画像、日時の項目を取得し、船20のカメラ画像を取得する。船20のカメラ画像に基づき、網漁法の巻き網、流し網、底引き網(トロール)、底刺し網などが、釣り漁法の延縄、引き縄、一本釣り、底延縄などの漁法に応じた漁獲作業の様子が撮影されていることを検知した場合等に、船20における漁獲活動を特定することができる。
例えば、サーバ10の漁獲処理部1043は、カメラ画像に、巻き網漁における、投網、揚網などの様子を撮影した画像データが含まれていると検出した場合に、漁獲活動を特定する。サーバ10の漁獲処理部1043は、カメラ画像に基づき、漁獲活動における漁法を特定しても良い。
サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲活動を特定すると、漁獲記録テーブル1017に新たなレコードを作成する。サーバ10の漁獲処理部1043は、船20の操業に係る操業ID、特定した漁獲活動の開始日時、特定した漁獲活動の終了日時を、それぞれ、漁獲記録テーブル1017の新たなレコードの操業ID、漁獲開始日時、漁獲終了日時の項目に記憶し、操業情報と漁獲記録情報とを関連づける。
サーバ10の漁獲処理部1043は、取得したカメラ画像、特定した漁法を、それぞれ、漁獲記録テーブル1017の新たなレコードの漁獲データ、漁法の項目に記憶する。
これにより、特定した漁獲活動における船20のカメラ画像に関するセンシング情報が、漁獲記録テーブル1017に記憶される。
【0072】
<漁獲活動特定処理(第五形態)>
サーバ10の漁獲処理部1043は、漁船の機器データに基づき、漁獲活動を特定しても良い。
具体的にサーバ10の漁獲処理部1043は、センシングテーブル1015に記憶された機器データ、日時の項目を取得し、船20の機器データを取得する。船20の機器データに基づき、船20のクレーン206の稼働状況、クレーン206により漁獲物の計量が検知されることにより、船20における漁獲活動を特定することができる。
サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲活動を特定すると、漁獲記録テーブル1017に新たなレコードを作成する。サーバ10の漁獲処理部1043は、船20の操業に係る操業ID、特定した漁獲活動の開始日時、特定した漁獲活動の終了日時を、それぞれ、漁獲記録テーブル1017の新たなレコードの操業ID、漁獲開始日時、漁獲終了日時の項目に記憶し、操業情報と漁獲記録情報とを関連づける。
サーバ10の漁獲処理部1043は、取得した機器データを、漁獲記録テーブル1017の新たなレコードの漁獲データの項目に記憶する。
これにより、特定した漁獲活動における船20の機器データに関するセンシング情報が、漁獲記録テーブル1017に記憶される。
【0073】
<漁獲活動特定処理について>
本開示においては、漁獲活動特定処理として、第一形態から第五形態までの漁獲活動の特定方法を開示した。サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲活動特定処理として、第一形態から第五形態までの特定方法のうち、すべてまたは複数の選択された特定方法を組み合わせて漁獲活動を特定しても構わない。サーバ10の漁獲処理部1043は、複数の形態の漁獲活動特定処理を組み合わせることにより、より高い精度で漁獲活動を特定することができる。
このとき、同じ漁獲活動に対して特定された漁獲活動は、漁獲記録テーブル1017において同じ漁獲記録IDを持つレコードとして漁獲記録情報を記憶しても良い。このとき、漁獲記録情報に、漁獲活動の特定方法に関する情報を含めても良い。これにより、サーバ10の漁獲処理部1043は、複数の特定方法により特定された漁獲活動を漁獲記録テーブル1017に記憶することができる。
【0074】
<漁獲量算定処理>
ステップS103において、サーバ10の漁獲処理部1043は、ステップS102により特定された漁獲活動における漁獲量を算定し取得する。サーバ10の漁獲処理部1043は、以下の手法により船20の漁獲活動ごとの漁獲量を算定する。
【0075】
<漁獲量算定処理(第一形態)>
サーバ10の漁獲処理部1043は、漁船の航跡情報に基づき算定した漁獲活動における漁獲量を取得する。具体的に、サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲記録テーブル1017を検索し、漁獲記録情報のうち漁獲記録ID、航跡データ、漁法の項目を取得する。取得する漁獲記録情報は、漁獲量算定処理が行われていない漁獲記録情報としても良い。
サーバ10の漁獲処理部1043が取得する漁獲記録情報は、漁獲活動特定処理(第一形態)により特定した漁獲活動の漁獲記録情報でも良いし、漁獲活動特定処理(第一形態)以外の特定方法により特定した漁獲活動記録情報および、特定した複数の漁獲活動記録情報を組み合わせても良い。
サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲活動特定処理(第一形態)以外の特定方法により特定した漁獲活動記録情報に対しては、当該漁獲記録情報に含まれる操業ID、漁獲開始日時、漁獲終了日時に基づき、操業履歴テーブル1016、センシングテーブル1015を参照することにより特定できる、当該漁獲活動にかかる船20の位置データ、日時の情報から漁獲活動期間における船20の航跡データを生成しても良い。つまり、サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲活動特定処理(第一形態)以外の特定方法により特定した漁獲活動記録情報に対しても、漁獲記録ID、航跡データを取得することができる。
同様に、サーバ10の漁獲処理部1043は、他の特定方法により特定した漁獲活動記録情報に含まれる漁法を取得して用いても良い。
サーバ10の漁獲処理部1043は、取得した航跡データに基づき漁獲活動における漁獲量を算定する。具体的に、漁法が「巻き網」漁である場合は、サーバ10の漁獲処理部1043は、航跡情報に含まれる船20の速度、曲率、向心加速度などの情報に基づき、漁獲量を算定する。なお、サーバ10の漁獲処理部1043は、航跡情報に含まれる船20の速度、曲率、向心加速度のうち少なくともいずれか1つの情報に基づき、漁獲量を算定しても良い。
同様に、サーバ10の漁獲処理部1043は、網漁法の巻き網、流し網、底引き網(トロール)、底刺し網など、釣り漁法の延縄、引き縄、一本釣り、底延縄などの漁法に応じた特定の航跡パターンに基づき、漁獲量を算定する。
サーバ10の漁獲処理部1043は、既知の機械学習、深層学習、人工知能モデルなどを用いて、航跡データを入力データとして、漁獲量を出力データとして算定する構成としても良い。このとき、入力データとして漁法に関する情報を必ずしも含める必要はなく、航跡データのみから漁獲量を算定する構成としても良い。
【0076】
<漁獲量算定処理(第二形態)>
サーバ10の漁獲処理部1043は、複数の漁船のそれぞれの航跡情報および役割情報に基づき、漁獲量を算定しても良い。このとき、サーバ10の漁獲処理部1043は、複数の漁船からなる船団における漁獲量を算定しても良い。
具体的に、サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲量算定処理(第一形態)と同様に、船団を構成する複数の船20の船役割情報ごとの航跡データを取得する。サーバ10の漁獲処理部1043は、「網船」の航跡データだけでなく、「探索船」、「運搬船」の航跡データに基づき、船団における漁獲量を算定することができる。また、サーバ10の漁獲処理部1043は、船団を構成する複数の船20の航跡データを考慮することにより、漁獲算定特定処理(第一形態)に比べてより精度高く船20における漁獲量を算定することができる。
例えば、船役割情報が「網船」である船20の航跡が所定位置から所定の向心加速度で所定の曲率を描きながら航行し、航跡が円を描きながら最初の所定位置付近で速度がゼロになるような航跡を描いた場合に、所定位置付近に船役割情報が「運搬船」である船20が停止している場合には、網船が漁獲した漁獲物を運搬船への積み込み作業を行っていると推定することができる。つまり、サーバ10の漁獲処理部1043は、船団を構成する船役割情報が「網船」である船20、船団を構成する船役割情報が「運搬船」である船20が近接して停止している時間を、網船が漁獲した漁獲物を運搬船への積み込み時間であると推定することができる。推定された積み込み時間に基づき、漁獲物の漁獲量を算定することができる。これにより、船20の漁獲量をより正確に算定することができるとともに、船団としての漁獲量を算定することができる。具体的に、サーバ10の漁獲処理部1043は、船団を構成する複数の船20の航跡情報に含まれる、船20同士の相対距離、相対速度などの情報に基づき、漁獲量を算定する。なお、サーバ10の漁獲処理部1043は、航跡情報に含まれる船20同士の相対距離、相対速度のうち少なくともいずれか1つの情報に基づき、漁獲量を算定しても良い。
同様に、サーバ10の漁獲処理部1043は、網漁法の巻き網、流し網、底引き網(トロール)、底刺し網などが、釣り漁法の延縄、引き縄、一本釣り、底延縄などの漁法に応じて、複数の船20の船役割情報ごとの特定の航跡パターンに基づき、漁獲量を算定する。
サーバ10の漁獲処理部1043は、既知の機械学習、深層学習、人工知能モデルなどを用いて、船団を構成する複数の船20の航跡データを入力データとして、漁獲量を出力データとして算定する構成としても良い。このとき、入力データとして漁法に関する情報を必ずしも含める必要はなく、船団を構成する複数の船20の航跡データのみから漁獲量を算定する構成としても良い。
【0077】
<漁獲量算定処理(第三形態)>
サーバ10の漁獲処理部1043は、漁船の魚倉情報に基づき、漁獲量を算定する。具体的に、サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲記録テーブル1017を検索し、漁獲記録情報のうち漁獲記録ID、魚倉データを含む漁獲データの項目を取得する。取得する漁獲記録情報は、漁獲量算定処理が行われていない漁獲記録情報としても良い。
サーバ10の漁獲処理部1043が取得する漁獲記録情報は、漁獲活動特定処理(第三形態)により特定した漁獲活動の漁獲記録情報でも良いし、漁獲活動特定処理(第三形態)以外の特定方法により特定した漁獲活動記録情報および、特定した複数の漁獲活動記録情報を組み合わせても良い。
サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲活動特定処理(第三形態)以外の特定方法により特定した漁獲活動記録情報に対しては、当該漁獲記録情報に含まれる操業ID、漁獲開始日時、漁獲終了日時に基づき、操業履歴テーブル1016、センシングテーブル1015の魚倉データを参照することにより特定できる、つまり、サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲活動特定処理(第三形態)以外の特定方法により特定した漁獲活動記録情報に対しても、漁獲記録ID、魚倉データを取得することができる。
サーバ10の漁獲処理部1043は、取得した船20の魚倉データに基づき、魚倉205に新たな漁獲物が収容されたことを検知した場合等に、船20における魚種および魚種ごとの漁獲量を算定することができる。
例えば、魚倉データが、魚倉205の収容物を撮影するカメラである場合に、サーバ10の漁獲処理部1043は、魚倉205内の活魚が増えたことに基づき、魚種および魚種ごとの漁獲量を算定しても良い。例えば、サーバ10の漁獲処理部1043は、魚種ごとに魚の数をカウントすることにより漁獲量を算定することができる。魚倉データが、超音波などにより魚倉205の収容物を検出するセンサである場合は、サーバ10の漁獲処理部1043は、画像データの変化に基づき、魚種および魚種ごとの漁獲量を算定しても良い。
サーバ10の漁獲処理部1043は、魚倉データに基づき、魚の大きさ、魚の画像、魚の品質、魚の保存状態に関する情報を算定することもできる。
【0078】
<漁獲量算定処理(第四形態)>
サーバ10の漁獲処理部1043は、漁船のカメラ画像に基づき、漁獲量を算定する。具体的に、サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲記録テーブル1017を検索し、漁獲記録情報のうち漁獲記録ID、カメラ画像を含む漁獲データの項目を取得する。取得する漁獲記録情報は、漁獲量算定処理が行われていない漁獲記録情報としても良い。
サーバ10の漁獲処理部1043が取得する漁獲記録情報は、漁獲活動特定処理(第四形態)により特定した漁獲活動の漁獲記録情報でも良いし、漁獲活動特定処理(第四形態)以外の特定方法により特定した漁獲活動記録情報および、特定した複数の漁獲活動記録情報を組み合わせても良い。
サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲活動特定処理(第四形態)以外の特定方法により特定した漁獲活動記録情報に対しては、当該漁獲記録情報に含まれる操業ID、漁獲開始日時、漁獲終了日時に基づき、操業履歴テーブル1016、センシングテーブル1015のカメラ画像を参照することにより特定できる、つまり、サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲活動特定処理(第四形態)以外の特定方法により特定した漁獲活動記録情報に対しても、漁獲記録ID、カメラ画像を取得することができる。
サーバ10の漁獲処理部1043は、カメラ画像に基づき、船20における魚種および魚種ごとの漁獲量を算定することができる。
例えば、カメラ画像に含まれる、網漁法の巻き網、流し網、底引き網(トロール)、底刺し網などが、釣り漁法の延縄、引き縄、一本釣り、底延縄などの漁法に応じた漁獲作業の様子を撮影した画像データに基づき、船20における魚種および魚種ごとの漁獲量を算定する。
サーバ10の漁獲処理部1043は、カメラ画像が巻き網漁における揚網の様子の画像データを含んでいる場合には、揚網される漁獲物の画像データに基づき、魚種および魚種ごとの漁獲量を算定する。サーバ10の漁獲処理部1043は、カメラ画像が延縄漁における揚縄の様子の画像データを含んでいる場合には、揚縄される漁獲物の画像データに基づき、魚種ごとに魚の数をカウントすることにより漁獲量を算定することができる。サーバ10の漁獲処理部1043は、カメラ画像が一本釣り漁における釣り上げの様子の画像データを含んでいる場合には、釣り上げされる漁獲物の画像データに基づき、魚種ごとに魚の数をカウントすることにより漁獲量を算定することができる。
サーバ10の漁獲処理部1043は、カメラ画像に基づき、魚の大きさ、魚の画像、魚の品質に関する情報を算定することもできる。
【0079】
<漁獲量算定処理(第五形態)>
サーバ10の漁獲処理部1043は、漁船の機器データに基づき、漁獲量を算定する。具体的に、サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲記録テーブル1017を検索し、漁獲記録情報のうち漁獲記録ID、機器データを含む漁獲データの項目を取得する。取得する漁獲記録情報は、漁獲量算定処理が行われていない漁獲記録情報としても良い。
サーバ10の漁獲処理部1043が取得する漁獲記録情報は、漁獲活動特定処理(第五形態)により特定した漁獲活動の漁獲記録情報でも良いし、漁獲活動特定処理(第五形態)以外の特定方法により特定した漁獲活動記録情報および、特定した複数の漁獲活動記録情報を組み合わせても良い。
サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲活動特定処理(第五形態)以外の特定方法により特定した漁獲活動記録情報に対しては、当該漁獲記録情報に含まれる操業ID、漁獲開始日時、漁獲終了日時に基づき、操業履歴テーブル1016、センシングテーブル1015の機器データを参照することにより特定できる、つまり、サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲活動特定処理(第五形態)以外の特定方法により特定した漁獲活動記録情報に対しても、漁獲記録ID、機器データを取得することができる。
サーバ10の漁獲処理部1043は、機器データに基づき、船20における漁獲量を算定することができる。例えば、機器データに含まれる、船20のクレーン206の稼働状況、クレーン206により漁獲物の計量値に基づき、漁獲量を算定することができる。
【0080】
<漁獲量算定処理(第六形態)>
サーバ10の漁獲処理部1043は、ユーザから入力された情報に基づき、魚種ごとの漁獲量を取得する。通信端末30は、ユーザに対して、漁獲活動を撮影した画像と、魚種ごとに漁獲量を入力させるための入力欄とを、1の画面に並べて表示した入力画面を表示させる。ユーザにより、表示された入力画面へ入力された情報に基づき、魚種ごとの漁獲量を取得する。
具体的に、船20に乗船しているユーザは、通信端末30の入力装置306を操作し、ウェブブラウザなどで所定のURL(Uniform Resource Locator)を指定することによりサーバ10が提供する漁獲量入力ページを開く。このとき、漁獲量を入力する漁獲活動を選択する。これにより、漁獲記録テーブル1017における漁獲記録IDが選択される。これにより、通信端末30の制御部304は、漁獲記録IDを含み、漁獲量入力画面を要求するリクエストをサーバ10へ送信する。サーバ10の漁獲処理部1043は、受信したリクエストに含まれる漁獲記録IDに基づき、漁獲記録テーブル1017の漁獲記録IDを検索し、漁獲作業の様子を撮影したカメラ画像を含む漁獲データを取得する。サーバ10の漁獲処理部1043は、リクエストを受信すると、カメラ画像を含む漁獲量入力データを通信端末30へ送信する。通信端末30は、漁獲量入力データを受信すると、通信端末30のディスプレイ3081に漁獲量入力画面を表示する。
【0081】
図14に、通信端末30のディスプレイ3081に表示される漁獲量入力画面60を示す。漁獲量入力画面60には、入力欄601、カメラ画像602が1の画面に並べて表示される。ユーザは、漁獲活動を撮影したカメラ画像602を参照し、通信端末30の入力装置306を操作し、入力欄601に対し魚種および魚種ごとの漁獲量を入力することができる。これにより、ユーザは漁獲活動を撮影した画像を見ながら魚種ごとの漁獲量を効率的に入力することができる。高価なセンシング装置を用いずに、漁獲活動ごとに魚種および魚種ごとの漁獲量を取得し、記憶、蓄積することができる。
漁獲活動を撮影したカメラ画像602は、船20に複数のカメラ2044が設けられている場合には、ユーザによるタブ6021の選択操作により複数のカメラ画像を選択的に切り替えて表示させることができる。
ユーザは、漁獲量入力画面において魚の大きさ、魚の品質に関する情報を入力しても良い。ユーザは、登録ボタン603を押下することにより、入力欄601に入力された魚種および魚種ごとの漁獲量、魚の大きさ、魚の品質に関する情報をサーバ10へ送信する。サーバ10の漁獲処理部1043は、魚種および魚種ごとの漁獲量、魚の大きさ、魚の品質に関する情報を取得する。
【0082】
ユーザは、漁獲量算定処理(第六形態)において、通信端末30ではなく、自身のユーザ端末40を用いて漁獲量入力画面を表示し、入力する構成でも構わない。ユーザは、任意の情報処理端末を介して、漁獲量情報を入力する構成としても良い。
【0083】
<漁獲量記憶処理>
サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲活動特定処理により特定した漁獲活動と、漁獲算定処理により算定または取得した漁獲量情報を関連付けて記憶する。
具体的に、サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲量情報を算定または取得すると、漁獲量テーブル1018に新たなレコードを作成する。サーバ10の漁獲処理部1043は、漁獲量算定処理において算定または取得した、魚種および魚種ごとの漁獲量、魚の大きさ、漁獲物の画像、魚の品質、魚の保存状態に関する情報を、それぞれ、漁獲量テーブル1018の新たなレコードの、漁獲記録ID、魚種データ、漁獲量、魚大きさデータ、漁獲物の画像、品質データ、保存データの項目に記憶し、漁獲記録情報と漁獲量情報とを関連づける。なお、漁獲量算定処理において、算定または取得されない項目についてはブランク、ヌル値の他、値がないことを示す情報を記憶する。
【0084】
<漁獲成績報告書作成処理>
漁獲成績報告書作成処理は、漁獲記録情報、漁獲量情報に基づき、漁獲成績報告書を作成する処理である。
【0085】
<漁獲成績報告書作成処理の概要>
漁獲成績報告書作成処理は、船団、漁船による操業ごとに、漁獲活動ごとの漁獲記録情報、漁獲量情報を取得し、漁獲成績報告書を作成する一連の処理である。
【0086】
<漁獲成績報告書作成処理の詳細>
サーバ10の報告作成部1044は、船団、漁船による操業ごとに船20の船IDに基づき、操業履歴テーブル1016の船IDの項目を検索し、操業IDの項目を取得する。サーバ10の報告作成部1044は、取得した操業IDに基づき、漁獲記録テーブル1017の操業IDを検索し漁獲記録情報を取得する。取得した漁獲記録情報に含まれる漁獲記録IDに基づき、漁獲量テーブル1018の漁獲記録IDの項目を検索し漁獲量情報を取得する。サーバ10の報告作成部1044は、取得した漁獲記録情報、漁獲量情報に基づき、操業ごとに、魚種および魚種ごとの漁獲量を積算することにより漁獲成績報告書を作成する。
【0087】
<入札処理>
入札処理は、漁獲記録情報、漁獲量情報に基づき、船団、漁船が漁獲した漁獲物に対し、水揚げ前に入札を受け付け、漁獲した漁獲物に関する取引を成約させる処理である。以下、入札処理の詳細を
図14の表示画面例を用いて説明する。
【0088】
<入札処理の概要>
入札処理は、船団、漁船が漁獲した漁獲物を出品し、出品した漁獲物に対して入札を受け付け、入札条件に応じて所定の入札者を成約者として判定し、取引を成約させる一連の処理である。
【0089】
<入札処理の詳細>
【0090】
<出品処理>
サーバ10の入札処理部1045は、漁獲記録テーブル1017に新たな漁獲記録が記憶されたことを検知して出品処理を開始する。出品処理は、船20に乗船しているユーザにより、通信端末30またはユーザ端末40を介して送信される出品リクエストに応じて開始しても良い。出品処理は、船20に乗船していないユーザにより、ユーザ端末40を介して送信される出品リクエストに応じて開始しても良い。出品処理は、管理者権限を有するユーザにより、管理者端末50を介して送信される出品リクエストに応じて開始しても良い。
サーバ10の入札処理部1045は、漁獲記録テーブル1017に新たに記憶された漁獲記録の漁獲量、漁獲量に基づく想定漁獲高、想定売上などが所定値以上の場合に出品処理を開始しても良い。
【0091】
出品処理が開始されると、サーバ10の入札処理部1045は、漁獲活動ごとの漁獲量に基づき、漁獲活動ごとに入札を受け付ける入札受付画面を表示するための入札受付データを生成する。サーバ10の入札処理部1045は、複数のユーザから、入札受付画面を介して一定期間(入札受付期間)に渡り入札を受け付けることができる。入札受付期間は、所定の期間、出品リクエストを送信したユーザが指定した期間、船20の寄港、漁獲物の水揚げまでの任意の期間を指定することができる。なお、入札受付期間は漁獲物の水揚げ後の期間を含んでも構わない。
【0092】
<入札受付処理>
購買を希望するユーザは、自身のユーザ端末40のタッチパネル406などの入力装置を操作し、ウェブブラウザなどで所定のURL(Uniform Resource Locator)を指定することによりサーバ10が提供する入札受付ページを開く。これにより、ユーザ端末40の制御部404は、入札受付画面を要求するリクエストをサーバ10へ送信する。サーバ10の入札処理部1045は、リクエストを受信すると入札受付データをユーザ端末40へ送信する。ユーザ端末40は、入札受付データを受信すると、ユーザ端末40のディスプレイ4062に入札受付画面を表示する。
なお、サーバ10は、入札受付画面を要求するリクエストの受信に応じて、入札受付データを生成する構成としても構わない。
【0093】
図14に、ユーザ端末40のディスプレイ4062に表示される入札受付画面70を示す。入札受付画面70は、漁獲活動ごとに、魚種、入札量、単価を指定して入札を受け付け可能な画面である。入札受付画面70には、入札入力欄701、漁獲物の概要702、入札期限703などが表示される。
漁獲物の購買を希望するユーザは、所望の魚種、入札量、単価を指定して入札する。具体的に、漁獲物の購買を希望するユーザは、ユーザ端末40のタッチパネル406を操作し、入札受付画面70の入札入力欄701に含まれる、魚種選択欄7011、入札量入力欄7012、単価入力欄7013に希望する、魚種、入札量、単価を入力する。ユーザは、ユーザ端末40のタッチパネル406を操作し、「送信」ボタン705を押下することにより、入札入力欄701に入力された入札情報をサーバ10へ送信する。
なお、入札受付画面70は、漁獲活動ごとに、魚種ごとに、魚の大きさまたは品質ごとに入札量、単価を指定して入札を受け付け可能な画面としても良い。また、入札受付画面70は、漁獲活動ごとに、魚種ごとに、魚の大きさ及び品質ごとに入札量、単価を指定して入札を受け付け可能な画面としても良い。
【0094】
サーバ10の入札処理部1045は、漁獲物の購買を希望する複数のユーザから受信した入札情報を受け付け記憶する。サーバ10の入札処理部1045は、現在日時が入札受付期間を経過するとユーザからの新たな入札情報の受付を締め切る。
【0095】
<成約判定処理>
サーバ10の入札処理部1045は、入札受付期間が経過すると、成約判定処理を実行する。サーバ10の入札処理部1045は、所定期間内に受け付けた入札のうち、単価が高い入札の順番に入札量を積算し、積算した入札量が漁獲量を超えない範囲内の入札に対し、成約したと判定する。
具体的に、サーバ10の入札処理部1045は、入札受付期間に受け付けた複数の入札情報について、魚種ごとに単価の順番で入札情報をソートする。サーバ10の入札処理部1045は、単価が高い順番に入札情報に含まれる入札量を積算し、累積入札量を算定する。サーバ10の入札処理部1045は、累積入札量が出品した漁獲物の漁獲量を超えない範囲内でできるだけ多くの入札情報を成約した成約入札情報として判定する。これにより、単価が高い入札を行ったユーザの入札情報を優先的に成約させることができる。
【0096】
また、サーバ10の入札処理部1045は、次のように成約入札情報を定めても良い。所定期間内に受け付けた入札のうち、売上金額がより大きくなるように魚種ごとの入札量を所定範囲内から決定し、入札量がゼロではない入札に対し、成約したと判定する。
具体的に、サーバ10の入札処理部1045は、入札受付期間に受け付けた複数の入札情報について、入札情報ごとに入札量と単価を積算することにより、入札情報ごとの想定成約額を算定する。サーバ10の入札処理部1045は、入札情報の組み合わせが漁獲物の漁獲量を超えない範囲内で、想定成約額の和が最大となる入札情報の組み合わせを特定し、当該入札情報の組み合わせを成約入札情報として判定する。入札情報の組み合わせは最大となる必要はなく、より大きくなるような組み合わせでも構わない。
これにより、例えば、単価が高くないものの、入札量が大きい入札情報を優先して取引を成約させることにより、取引による売上をより大きくすることができる。
【0097】
なお、サーバ10の入札処理部1045は、所定期間内に受け付けた入札のうち、魚種ごとに、魚の大きさまたは品質ごとに、単価が高い入札の順番に入札量を積算し、積算した入札量が漁獲量を超えない範囲内の入札に対し、成約したと判定しても良い。つまり、魚種、魚の大きさ、品質ごとに成約判定処理を実行しても良い。
【0098】
<変形例>
ユーザ端末40のディスプレイ4062に表示される入札受付画面70の入札入力欄701に含まれる、入札量入力欄7012は、入札量の範囲を入力できる構成としても良い。例えば、入札量の最小値と最大値を入力できる構成としても良い。
サーバ10の入札処理部1045は、入札情報に含まれる入札量の範囲内で、想定成約額の和が最大となる入札情報ごとの入札量の組み合わせを特定し、当該入札情報の組み合わせを成約入札情報として判定しても良い。これにより、入札者の希望に応じつつ、想定成約額の和、つまり漁獲物の売上金額をより大きくすることができる。
【0099】
なお、サーバ10の入札処理部1045は、所定期間内に受け付けた入札のうち、魚種ごとに、魚の大きさまたは品質ごとに、入札情報に含まれる入札量の範囲内で、想定成約額の和が最大となる入札情報ごとの入札量の組み合わせを特定し、当該入札情報の組み合わせを成約入札情報として判定しても良い。つまり、魚種、魚の大きさ、品質ごとに成約判定処理を実行しても良い。
【0100】
<評価処理>
成約判定処理後、入札したユーザは、漁獲物を出品した船20、船団などを評価することができる。具体的に、ユーザは、ユーザ端末40のタッチパネル406を操作し、ウェブブラウザなどで所定のURLを指定することによりサーバ10が提供する評価ページを開く。これにより、ユーザ端末40の制御部404は、評価画面を要求するリクエストをサーバ10へ送信する。サーバ10の入札処理部1045は、リクエストを受信すると評価入力データをユーザ端末40へ送信する。ユーザ端末40は、評価入力データを受信すると、ユーザ端末40のディスプレイ4062に評価画面を表示する。
ユーザは、ユーザ端末40のタッチパネル406を操作し、評価画面において評価値を入力する。評価値は、1から5などの数値で入力しても良い。ユーザは、ユーザ端末40のタッチパネル406を操作し、「送信」ボタン705を押下することにより、評価値をサーバ10へ送信する。
サーバ10の入札処理部1045は、受信した評価値を、漁獲物を出品した船20,船団などと関連付けて記憶する。なお、サーバ10の入札処理部1045は、漁獲物を出品した船20、船団などに所属するユーザから、成約者に係るユーザの評価値を受け付けて、当該成約者に係るユーザと関連付けて記憶しても良い。つまり、出品者と、成約者は相互に評価を行う構成としても良い。
【0101】
<変形例>
入札受付処理において、入札者に係るユーザは所定の追加料金を払うことにより、入札受付期間経過前に成約することができる構成としても良い。このとき、成約者に係るユーザは所定の追加料金を払うことにより、水揚げ前に漁獲物を受け取る可能な構成としても良い。例えば、船20からドローン、ヘリコプター、他の運搬船などを介して、通常の水揚げ前に漁獲物を受け取れる構成としても良い。これにより、ユーザは、水揚げ前の新鮮な漁獲物を入手することができる。
【0102】
<変形例>
入札受付処理において、入札者に係るユーザは所定の追加料金を払うことにより、出品されている漁獲物に関してより詳細な情報を取得できる構成としても良い。具体的に、入札者に係るユーザは、自身のユーザ端末40のタッチパネル406を操作することにより、船20に設けられた第3無線通信部3113などの人工衛星等を介した通信に基づき、船20に収容されている漁獲物に関する詳細な情報を取得できる構成としても良い。例えば、入札者に係るユーザは、船20の魚倉205の撮影画像や魚倉センサ2055のセンシングデータを取得できる構成としても良い。これにより、ユーザは入札対象の漁獲物について、より詳細な情報を入手することができる。
【0103】
<漁獲活動エリア提示処理>
漁獲活動エリア提示処理は、主に船20に乗船するユーザに対して、望ましい漁獲活動エリアを提案する処理である。
【0104】
<漁獲活動エリア提示処理の概要>
漁獲活動エリア提示処理は、入札処理において受け付けた入札情報に基づき、魚種ごとの需要情報を生成し、需要情報に基づき船20に乗船するユーザに対して好ましい漁獲活動エリアを提示する一連の処理である。
【0105】
<漁獲活動エリア提示処理>
主に船20に乗船するユーザ等は、通信端末30を操作し、船20の位置情報取得装置2043による検出値を含む、漁獲活動エリア提示処理を要求するリクエストをサーバ10へ送信する。サーバ10の提示部1046は、リクエストを受信すると漁獲活動エリア提示処理を実行する。
サーバ10の提示部1046は、受信したリクエストから船20の位置情報を取得する。サーバ10の提示部1046は、入札処理において受け付けた入札に基づき、魚種ごとの需要情報を生成する。具体的に、サーバ10の提示部1046は、所定期間において入札数、入札量が多い魚種を特定し、需要情報を生成する。サーバ10の入札処理部1045は、所定期間において単価が高い魚種を特定し、需要情報を生成しても良い。
サーバ10の提示部1046は、船20の位置情報と、生成された需要情報と、に基づき、漁船内のユーザに対して好ましい漁獲活動エリアを提示する。具体的に、サーバ10の提示部1046は、漁獲記録テーブル1017に記憶されている漁獲記録情報、漁獲量テーブル1018に記憶されている漁獲量情報を参照し、需要情報に含まれる魚種を漁獲する見込みが高い漁獲エリアを特定し、通信端末30へ送信する。通信端末30のディスプレイ3081は、受信した漁獲エリアを船20に乗船するユーザに対して提示する。
【0106】
<コンピュータの基本ハードウェア構成>
図15は、コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ90は、プロセッサ901、主記憶装置902、補助記憶装置903、通信IF991(インタフェース、Interface)を少なくとも備える。これらは通信バス921により相互に電気的に接続される。
【0107】
プロセッサ901とは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサ901は、演算装置、レジスタ、周辺回路等から構成される。
【0108】
主記憶装置902とは、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0109】
補助記憶装置903とは、データ及びプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0110】
通信IF991とは、有線又は無線の通信規格を用いて、他のコンピュータとネットワークを介して通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
ネットワークは、インターネット、LAN、無線基地局等によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、ネットワークには、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0111】
なお、各ハードウェア構成の全部または一部を複数のコンピュータ90に分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータ90を仮想的に実現することができる。このように、コンピュータ90は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0112】
<コンピュータ90の基本機能構成>
コンピュータ90の基本ハードウェア構成(
図15)により実現されるコンピュータの機能構成を説明する。コンピュータは、制御部、記憶部、通信部の機能ユニットを少なくとも備える。
【0113】
なお、コンピュータ90が備える機能ユニットは、それぞれの機能ユニットの全部または一部を、ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータ90に分散して設けても実現することができる。コンピュータ90は、単一のコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0114】
制御部は、プロセッサ901が補助記憶装置903に記憶された各種プログラムを読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って処理を実行することにより実現される。制御部は、プログラムの種類に応じて様々な情報処理を行う機能ユニットを実現することができる。これにより、コンピュータは情報処理を行う情報処理装置として実現される。
【0115】
記憶部は、主記憶装置902、補助記憶装置903により実現される。記憶部は、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶する。また、プロセッサ901は、プログラムに従って記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置902または補助記憶装置903に確保することができる。また、制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶されたデータの追加、更新、削除処理を実行させることができる。
【0116】
データベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブル、マスタと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、マスタ、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル、マスタ同士の関係を設定し、関連づけることができる。
通常、各テーブル、各マスタにはレコードを一意に特定するための主キーとなるカラムが設定されるが、カラムへの主キーの設定は必須ではない。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶された特定のテーブル、マスタにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
【0117】
なお、本開示におけるデータベース、マスタは、情報が構造的に規定された任意のデータ構造体(リスト、辞書、連想配列、オブジェクトなど)を含み得る。データ構造体には、データと、任意のプログラミング言語により記述された関数、クラス、メソッドなどを組み合わせることにより、データ構造体と見なし得るデータも含むものとする。
【0118】
通信部は、通信IF991により実現される。通信部は、ネットワークを介して他のコンピュータ90と通信を行う機能を実現する。通信部は、他のコンピュータ90から送信された情報を受信し、制御部へ入力することができる。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、受信した情報に対する情報処理を実行させることができる。また、通信部は、制御部から出力された情報を他のコンピュータ90へ送信することができる。
【0119】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0120】
(付記1)
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、漁船の漁獲活動を特定する特定ステップ(S102)と、特定ステップにより特定された漁獲活動における漁獲量を取得する取得ステップ(S103)と、特定ステップにより特定した漁獲活動と、取得ステップにより取得した漁獲量を関連付けて記憶する記憶ステップ(S104)と、を実行させるプログラム。
これにより、漁獲活動ごとの漁獲量を、漁獲活動と関連付けて記憶することができる。操業ごとではなく、漁獲活動ごとの漁獲量を取得し、記憶、蓄積することができる。
【0121】
(付記2)
取得ステップは、漁船の航跡情報に基づき算定した漁獲活動における漁獲量を取得するステップ(S103)である、付記1記載のプログラム。
これにより、高価なセンシング装置を用いずに、漁獲活動ごとの漁獲量を取得し、記憶、蓄積することができる。
【0122】
(付記3)
取得ステップにおける、漁獲活動における漁獲量は、漁船の航跡情報に含まれる漁船の速度、曲率および向心加速度のうち少なくともいずれか1つの情報に基づき算定される、付記2記載のプログラム。
これにより、高価なセンシング装置を用いずに、漁獲活動ごとの漁獲量を取得し、記憶、蓄積することができる。
【0123】
(付記4)
特定ステップは、複数の漁船からなる船団における漁獲活動を特定するステップ(S102)であり、取得ステップは、複数の漁船のそれぞれの航跡情報に基づき算定した漁獲活動における漁獲量を取得するステップ(S103)である、付記1から3のいずれか記載のプログラム。
これにより、高価なセンシング機器を用いずに、複数の漁船からなる船団における漁獲活動ごとの漁獲量を取得し、記憶、蓄積することができる。
【0124】
(付記5)
取得ステップは、複数の漁船のそれぞれの航跡情報および役割情報に基づき算定した漁獲活動における漁獲量を取得するステップ(S103)である、付記4記載のプログラム。
これにより、高価なセンシング機器を用いずに、複数の漁船からなる船団における漁獲活動ごとの漁獲量を取得し、記憶、蓄積することができる。
【0125】
(付記6)
取得ステップにおける、漁獲活動における漁獲量は、複数の漁船のそれぞれの航跡情報に含まれる複数の漁船の相対距離および相対速度のうち少なくともいずれか1つの情報に基づき算定される、付記4または5記載のプログラム。
これにより、高価なセンシング装置を用いずに、漁獲活動ごとの漁獲量を取得し、記憶、蓄積することができる。
【0126】
(付記7)
特定ステップは、複数の漁船のそれぞれの航跡情報に基づき、漁獲活動を特定するステップ(S102)である、付記4から6のいずれか記載のプログラム。
これにより、高価なセンシング機器を用いずに、複数の漁船からなる船団における漁獲活動を特定することができる。
【0127】
(付記8)
特定ステップは、複数の漁船からなる船団における複数の漁船のそれぞれの航跡情報に基づき、漁獲活動を特定するステップ(S102)である、付記1から3のいずれか記載のプログラム。
これにより、高価なセンシング機器を用いずに、複数の漁船からなる船団における漁獲活動を特定することができる。
【0128】
(付記9)
特定ステップは、複数の漁船のそれぞれの航跡情報に含まれる複数の漁船の相対距離および相対速度のうち少なくともいずれか1つの情報に基づき、漁獲活動を特定するステップである、付記7または8記載のプログラム。
これにより、高価なセンシング機器を用いずに、複数の漁船からなる船団における漁獲活動を特定することができる。
【0129】
(付記10)
取得ステップは、漁船の魚倉情報に基づき算定した漁獲活動における漁獲量を取得するステップ(S103)である、付記1から9のいずれか記載のプログラム。
これにより、高価なセンシング装置を用いずに、漁獲活動ごとの漁獲量を取得し、記憶、蓄積することができる。
【0130】
(付記11)
取得ステップは、漁獲活動における魚種ごとの漁獲量を取得するステップ(S103)であり、記憶ステップは、特定ステップにより特定した漁獲活動と、取得ステップにより取得した魚種ごとの漁獲量を関連付けて記憶するステップ(S104)である、付記1から10のいずれか記載のプログラム。
これにより、高価なセンシング装置を用いずに、漁獲活動ごとに魚種ごとの漁獲量を取得し、記憶、蓄積することができる。
【0131】
(付記12)
プログラムは、プロセッサに、ユーザに対して、漁獲活動を撮影した画像と、魚種ごとに漁獲量を入力させるための入力欄とを、1の画面に並べて表示した入力画面を表示する表示ステップと、を実行させ、取得ステップは、ユーザにより、表示ステップにおいて表示する入力画面へ入力された情報に基づき、魚種ごとの漁獲量を取得するステップ(S103)である、付記1から11のいずれか記載のプログラム。
これにより、ユーザは漁獲活動を撮影した画像を見ながら魚種ごとの漁獲量を効率的に入力することができる。高価なセンシング装置を用いずに、漁獲活動ごとに魚種ごとの漁獲量を取得し、記憶、蓄積することができる。
【0132】
(付記13)
表示ステップにおいて、漁獲活動を撮影した画像は、複数のカメラにより撮影された画像を含み、ユーザによる選択操作により複数のカメラにより撮影された画像を選択的に切り替えて表示させることが可能である、付記12記載のプログラム。
これにより、複数のカメラにより撮影された漁獲活動を撮影した画像を、1の入力画面において選択的に切り替えて表示させることができる。
【0133】
(付記14)
特定ステップは、漁船の航跡情報に基づき、漁獲活動を特定するステップ(S102)である、付記1から9のいずれか記載のプログラム。
これにより、高価なセンシング装置を用いずに、漁獲活動を特定することができる。
【0134】
(付記15)
特定ステップは、漁船の航跡情報に含まれる漁船の速度、曲率および向心加速度のうち少なくともいずれか1つの情報に基づき、漁獲活動を特定するステップである、付記14記載のプログラム。
これにより、高価なセンシング装置を用いずに、漁獲活動を特定することができる。
【0135】
(付記16)
特定ステップは、漁船の魚倉情報に基づき、漁獲活動を特定するステップ(S102)である、付記1から15のいずれか記載のプログラム。
これにより、高価なセンシング装置を用いずに、漁獲活動を特定することができる。
【0136】
(付記17)
プログラムは、プロセッサに、漁船の航跡情報に基づき、漁船が出漁中か否かを判定する出漁判定ステップと、漁船の出漁中か否かの情報を、漁船と関連付けて記憶するステップと、を実行させる付記1から16のいずれか記載のプログラム。
これにより、高価なセンシング装置を用いずに、漁船が出漁中か否かを特定することができる。例えば、漁船が出漁中ではなく、メンテナンスのためにドックに向かっていることなどを判定することにより、エリアごとの出漁状況を把握し、漁業に関する物流需要の変動などを予測できる。
【0137】
(付記18)
プログラムは、プロセッサに、記憶ステップにおいて記憶した、漁獲活動に関連付けて記憶された漁獲量に基づき、漁獲成績報告書を作成する、作成ステップと、を実行させる付記1から17のいずれか記載のプログラム。
これにより、漁獲成績報告書を短時間で正確に作成することができる。
【0138】
(付記19)
プログラムは、プロセッサに、記憶ステップにおいて記憶した、漁獲活動に関連付けて記憶された漁獲量に基づき、漁獲活動に対する入札を受け付ける入札受付画面を表示する入札ステップと、入札ステップにおいて、複数のユーザから、入札受付画面を介して入札を受け付ける入札受付ステップと、を実行させ、入札受付ステップは、漁船の水揚げ前から入札を受け付け可能である、付記1から18のいずれか記載のプログラム。
これにより、漁獲活動ごとに漁獲物に対する入札を受け付けることができ、水揚げ前の漁獲物を販売することができる。
【0139】
(付記20)
入札ステップは、漁獲活動における漁獲量が所定値以上である場合に、漁獲活動に対する入札を受け付ける入札受付画面を表示するステップである、付記19記載のプログラム。
これにより、漁獲活動ごとに漁獲量が所定値以上の場合にのみ入札を受け付けることができる。漁獲量が少ない場合には、入札を受け付けないことができる。
【0140】
(付記21)
入札ステップにおいて表示される入札受付画面は、漁獲活動に対して、魚種ごとに、入札量および単価を指定して入札を受け付け可能な画面であり、プログラムは、プロセッサに、入札受付ステップにおいて所定期間内に受け付けた入札のうち、単価が高い入札の順番に入札量を積算し、積算した入札量が漁獲量を超えない範囲内の入札に対し、成約したと判定する成約判定ステップと、を実行させる付記19または20記載のプログラム。
これにより、入札者は、漁獲活動ごとに、魚種、入札量、単価を指定して入札することができ、出品者は最も高い単価をつけた入札者順に成約させることができる。漁獲物の売上金額をより大きくすることができる。
【0141】
(付記22)
入札ステップにおいて表示される入札受付画面は、漁獲活動に対して、魚種ごとに、入札量および単価を指定して入札を受け付け可能な画面であり、プログラムは、プロセッサに、入札受付ステップにおいて所定期間内に受け付けた入札のうち、入札量が漁獲量を超えない範囲内で、売上金額がより大きくなるように成約したと判定する成約判定ステップと、を実行させる付記19または20記載のプログラム。
これにより、単価が高くないものの入札量が大きな入札者の入札を優先することにより、漁獲物の売上金額をより大きくすることができる。
【0142】
(付記23)
入札ステップにおいて表示される入札受付画面は、漁獲活動に対して、魚種ごとに、所定範囲の入札量および単価を指定して入札を受け付け可能な画面であり、プログラムは、プロセッサに、入札受付ステップにおいて所定期間内に受け付けた入札のうち、売上金額がより大きくなるように入札量を所定範囲内から決定し、入札量がゼロではない入札に対し、成約したと判定する成約判定ステップと、を実行させる付記19または20記載のプログラム。
これにより、単価が高くないものの入札量が大きな入札者の入札を優先することにより、漁獲物の売上金額をより大きくすることができる。
【0143】
(付記24)
入札ステップにおいて表示される入札受付画面は、漁獲活動に対して、魚種ごとに、魚の大きさまたは品質ごとに、入札量および単価を指定して入札を受け付け可能な画面である、付記21から23のいずれか記載のプログラム。
これにより、入札者は、魚種ごとに、魚の大きさまたは品質ごとに、入札量および単価を指定して入札することができる。入札者は、より詳細な条件で漁獲物に対して入札を行うことができる。
【0144】
(付記25)
プログラムは、プロセッサに、漁船の位置情報を取得する位置取得ステップと、入札受付ステップにおいて受け付けた入札に基づき、魚種ごとの需要情報を生成する需要生成ステップと、位置取得ステップにおいて取得した漁船の位置情報と、需要生成ステップにおいて生成した需要情報と、に基づき、漁船内のユーザに対して好ましい漁獲活動エリアを提示する提示ステップと、を実行させる付記19から24のいずれか記載のプログラム。
これにより、漁船の自船の位置と、需要情報に基づき、需要が高い魚種を漁獲可能な漁獲活動エリアを漁師に提供することにより、効率的な漁獲活動を行うことができる。
【0145】
(付記26)
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置であって、プロセッサに、漁船の漁獲活動を特定する特定ステップ(S102)と、特定ステップにより特定された漁獲活動における漁獲量を取得する取得ステップ(S103)と、特定ステップにより特定した漁獲活動と、取得ステップにより取得した漁獲量を関連付けて記憶する記憶ステップ(S104)と、を実行させる情報処理装置。
これにより、漁獲活動ごとの漁獲量を、漁獲活動と関連付けて記憶することができる。操業ごとではなく、漁獲活動ごとの漁獲量を取得し、記憶、蓄積することができる。
【0146】
(付記27)
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置と、漁船とからなる情報処理システムにおいて、漁船の漁獲活動を特定する特定ステップ(S102)と、特定ステップにより特定された漁獲活動における漁獲量を取得する取得ステップ(S103)と、特定ステップにより特定した漁獲活動と、取得ステップにより取得した漁獲量を関連付けて記憶する記憶ステップ(S104)と、を実行させる情報処理システム。
これにより、漁獲活動ごとの漁獲量を、漁獲活動と関連付けて記憶することができる。操業ごとではなく、漁獲活動ごとの漁獲量を取得し、記憶、蓄積することができる。
【0147】
(付記28)
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータにより実行される情報処理方法であって、プロセッサに、漁船の漁獲活動を特定する特定ステップ(S102)と、特定ステップにより特定された漁獲活動における漁獲量を取得する取得ステップ(S103)と、特定ステップにより特定した漁獲活動と、取得ステップにより取得した漁獲量を関連付けて記憶する記憶ステップ(S104)と、を実行させる情報処理方法。
これにより、漁獲活動ごとの漁獲量を、漁獲活動と関連付けて記憶することができる。操業ごとではなく、漁獲活動ごとの漁獲量を取得し、記憶、蓄積することができる。
【符号の説明】
【0148】
1 情報処理システム、10 サーバ、101 記憶部、103 制御部、40A,40B,40C ユーザ端末、401 記憶部、404 制御部
【要約】
【課題】漁船による漁獲物の漁獲量の情報を取得する際に、操業に含まれる漁獲活動ごとに漁獲量を取得することができなかった。
【解決手段】漁船の漁獲活動を特定する特定ステップと、特定ステップにより特定された漁獲活動における漁獲量を取得する取得ステップと、特定ステップにより特定した漁獲活動と、取得ステップにより取得した漁獲量を関連付けて記憶する記憶ステップと、
を実行させるプログラム。
【選択図】
図1