(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】密封部材及びガス流を遮断するための弁
(51)【国際特許分類】
F16K 5/06 20060101AFI20220622BHJP
G01F 3/22 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
F16K5/06 E
G01F3/22 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017235792
(22)【出願日】2017-12-08
【審査請求日】2020-12-02
(31)【優先権主張番号】20 2016 106 875.4
(32)【優先日】2016-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518263944
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック インターナショナル アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】トルステン エトリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】マジッド バクシ
【審査官】笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】特開昭53-004229(JP,A)
【文献】特開昭52-005020(JP,A)
【文献】特表2002-523701(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0043416(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 5/06
G01F 3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスメータ内のガス流を遮断するための弁のための密封部材であって、前記密封部材は、第1のシース部材と、第2のシース部材と、前記密封部材を前記弁内に支持するための2つの軸受部材とを備え、
前記第1のシース部材及び前記第2のシース部材は、球状であり、少なくとも1つの位置で互いに連結され、前記第1のシース部材は、少なくとも1つの
貫通流出口を形成する第1のシース面を有し、前記第2のシース部材は、第2のシース面を有し、前記第1のシース面は、前記
貫通流出口の周囲に円形領域を形成し、前記第2のシース面は、前記第1のシース面の前記円形領域と同じ形状を有する
閉じた円形領域を形成し、前記密封部材は、前記2つの軸受部材を介して回転可能であり、前記第1のシース部材を流路内に位置させて、ガスを前記
円形領域に流すか、又は、前記第2のシース部材を前記流路内に位置させて、前記
閉じた円形領域によって、前記ガスの流れを遮断する、
ことを特徴とする密封部材。
【請求項2】
前記第1のシース部材及び前記第2のシース部材は、互いに90°の角度に設定されることを特徴とする、請求項1に記載の密封部材。
【請求項3】
前記2つの軸受部材は、前記第1のシース部材及び前記第2のシース部材に配置され、前記密封部材を前記弁内に固定することを特徴とする、請求項1又は2に記載の密封部材。
【請求項4】
各軸受部材は、円形の断面を有する軸受ピンを備え、前記軸受ピンを用いて、前記密封部材を前記弁内に回転可能に支持することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の密封部材。
【請求項5】
前記第1のシース面の前記円形領域の曲率は、前記第2のシース面の前記
閉じた円形領域の曲率と同じであることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の密封部材。
【請求項6】
前記第1のシース部材の前記
貫通流出口は、円形であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の密封部材。
【請求項7】
前記密封部材は、付加的な隆起を備えることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の密封部材。
【請求項8】
ガスメータ内のガス流を遮断するための弁であって、前記弁は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の密封部材と、シールと、前記弁の位置を制御するための駆動装置とを備えることを特徴とする弁。
【請求項9】
前記シールは、リップシールであり、前記弁の位置に基づいて、前記第1のシース面の前記円形領域及び前記第2のシース面の前記
閉じた円形領域と選択的に接触することを特徴とする、請求項8に記載の弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0002] 本発明は、ガスメータ内のガス流を遮断するための弁のための密封部材、及びこのような密封部材から構成される弁に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003] ガスメータでは、回転弁を用いて、ガス流を調節又は遮断する。このような場合、密封部材が、閉位置又は開位置にロックされて、ガス流が、遮断されるか又は流されるようになっている。
【0003】
[0004] 当該技術分野の現状では、密封部材は、球状又は円錐状であり、金属又はプラスチックからなり、特定の体積流のための出口を有する。更に、球状で、プラスチック成形により金属コアからなる密封部材がある。この種の弁の動作原理では、密封部材は、90°回転移動して、ガス流が、遮断されるか又は流されるようになっている。
【0004】
[0005] 特許文献1には、ボール弁及びその製造に用いられる射出成形工程が記載されている。スロット状の出口開口部を有するバルブボールを、切換軸によって切り換えることができる。ハウジングの一体設計により、漏れを低減する。
【0005】
[0006] 特許文献2からは、開口部を備える中空円筒体の回転によって、弁を切り換えることができる弁の構成が公知である。
【0006】
[0007] 更に、特許文献3には、流体弁のための制御部材が記載されている。丸みを帯びた外面を有する本体に、2つの固定具を利用することができる。
【0007】
[0008] 特許文献4には、開口された流路を有するボール弁が記載されている。この場合、2つの弁体は、球状であり、一方の弁体は、凹状のくぼみを有し、他方の弁体は、凸状のくぼみを有する。流路は、両方の弁体の位置に応じて、開閉される。
【0008】
[0009] 特許文献5には、電気モータによって駆動されるボール弁が記載されている。この場合、密封部材は、球体として設計される。密封部材の位置に応じて、流路が開閉される。
【0009】
[0010] 部品の高い材料コストが、上記の弁の欠点である。厚い壁によって、材料コストが高くなるだけでなく、射出成形工程自体のコストもかなり高くなる。これにより、結局、製造工程の部品のコストの増加を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】EP 0 575 643 B1
【文献】US 2015/0369377 A1
【文献】EP 0 423 094 B1
【文献】DE 203 10 203 U1
【文献】DE 10 2011 110 384 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
[0011] したがって、密封部材及びガス流を遮断するための弁が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
[0012] したがって、ガスメータ内のガス流を遮断するための弁のための本発明による密封部材は、球状セグメント状に形成される2つのシース部材と、密封部材を弁内に取り付けるための側面軸受部材とから構成される。本発明に関連する球状セグメント状に形成されるシース部材は、実施可能な何らかの凹部を除いて、形状が本質的に同じである。これは、本体の厚さが、側方の広がりよりも小さいことも意味する。
【0013】
[0013] 好ましくは、球状セグメント状に形成される前記2つのシース部材は、少なくとも1つの位置で互いに連結され、第1のシース部材は、本発明による少なくとも1つの凹部を有する。本発明による前記密封部材は、枢動されて、2つの端部で、前記第1のシース部材のみが、流路内に位置して、内部に含まれる前記凹部を流れることが可能であるようになっているか、又は、閉塞面を有する第2のシース部材が、前記流路内に位置して、前記弁を通る流れが遮断されるようになっている。本発明の特徴は、前記第2のシース部材のシース面が、少なくとも一部に、前記凹部の周囲の領域の前記第1のシース部材のシース面に釣り合う形状を有することである。
【0014】
[0014] 好ましくは、第2のシース部材が、少なくとも一部に、凹部の周囲の領域の第1のシース部材のシース面に釣り合う形状を有する場合、その結果として、第1のシース部材の凹部の周囲の領域に対応する第2のシース部材の大きさ及び曲率は、第1のシース部材の大きさ及び曲率と同様であり、シース部材の両方とも及び同様のフレーム又はシールリング(例えば、円形のもの等)を配置することが可能であるようになっている。
【0015】
[0015] 好ましくは、本発明では、このように密封部材を弁内に取り付けることは、ガス流が遮断又は放出される端部で行われるものと理解される。好ましい態様では、貫通流出口とも呼ばれる凹部を有する第1のシース部材、又は閉塞出口を有する第2のシース部材は、シールと接触している。
【0016】
[0016] 好ましくは、本発明に関連する流路は、ガス又は液体が止められていない場合、又は、ガス流が遮断されているが、ガスが弁を流れることができる場合、ガス又は液体が流れる領域である。
【0017】
[0017] 好ましくは、密封部材を回転させることによって、貫通流出口は、旋回して、第1のシース部材内に入るか又はそれから出て、流路内に入るか又はそれから出るか、又はガス流内に入るか又はそれから出て、目標を定めたやり方で、ガス流を開閉することができる。
【0018】
[0018] 好ましくは、好ましい変形例では、密封部材の2つの球状のシース部材は、90°オフセットされて配置され、これは、シース面と直交する両方の構造が、第1のシース部材の周囲の円形領域の中心にあるか、又は第2のシース部材の対応する点で互いに直交するように、両方のシース部材が配置されることを意味する。シース部材にある密封部材の外面は、シース面として知られる。
【0019】
[0019] 好ましくは、好ましい変形例では、密封部材は、両方のシース部材に配置される2つの側面軸受部材に、密封部材を弁内に固定する手段が備え付けられるように、設計される。
【0020】
[0020] 好ましくは、円形の断面を有する軸受ピンを用いて、密封部材を弁内に回転取り付けする。
【0021】
[0021] したがって、密封部材の有利な態様では、凹部の周囲の領域の第1のシース部材のシース面の曲率は、対応する領域の第2のシース部材のシース面の曲率と同じであるか、又は第1のシース部材の凹部に対応する第2のシース部材の領域の周囲のシース面の曲率と同じである。第1のシース部材の凹部に対応する第2のシース部材の外側シース面の領域は、第2のシース部材も凹部を特徴とするならば、凹部の周囲に配置される第2のシース部材のシース面の領域である。密封部材の第1のシース部材の凹部は、理想的には円形であり、これは、凹部の境界が円形であることを意味する。
【0022】
[0022] 好ましくは、好ましい変形例では、密封部材を備える単一部材の厚さは、全ての場合において、等しいままである。個々の部材の厚さは、この場合、その側方の広がりに対して相対的に薄く、必要な材料は少なくなる。その結果、射出工程は簡略化され、密封部材の質を向上させる。
【0023】
[0023] 好ましくは、代替の構成では、付加的な隆起が、密封部材内に配置される。隆起を密封部材に付加することによって、強度を増加させることができる。射出成形工程のために特別に調整された、このような隆起の設計は、特に適している。
【0024】
[0024] したがって、この概念によれば、本発明による弁閉じ装置のためのシールリングは、ガスメータ内のガス流を遮断するための弁に用いるのに適している。このような弁を介して、体積流が、調節されるか又は止められる。この場合、密封部材は、弁内で回転し、これは、1つのシールを含むだけである。この場合、密封部材の設計は、好ましくは、壁厚が等しい。密封部材の機能面は、90°の角度にオフセットされる球状セグメントの2つの同じシース面から構成される。シールは、弁位置が開であるか閉であるかにかかわらず、同一平面上にある。必要な機能面は、この場合、貫通流出口、閉塞出口、及び軸受ピン又はスロットなどの軸受点が位置する領域である。密封部材は、閉塞球体としても閉塞円筒体としても設計されることはなく、必要な機能面を備える部材に限定されるにすぎない。必要な機能面は、この場合、貫通流出口、閉塞出口、及びピン又はスロットとして設計することができる軸受点である。弁の閉位置及び開位置の両方で、シールの完全な作動を確実にするため、球状セグメントの2つの同じ大きさのシース面は、理想的には、90°の角度に互いにオフセットされて配置される。弁閉じ装置の軸受ピンの連結は、回転軸に対して直角に配置される2つの側面領域を介して行われる。前述のシース面が重なるので、体積流を遮断する側に、張出しがある。これは、残りの領域にわたって、壁厚を低く保つため、小さい領域に限られる。球状セグメントの外面は、シース面としての意味を有する。
【0025】
[0025] したがって、本発明の付加的な態様は、ガスメータ内のガス流を遮断するための弁に関し、前記弁は、本発明による密封部材と、シールと、前記弁の位置を制御するための駆動装置とから構成される。この場合、弁は、密封部材に直接、シールを1つのみ含み、これにより、体積流を流す場合及び体積流を遮断する場合の両方において、弁を十分に密封する。このシールは、弁位置が開であるか閉であるかにかかわらず、機能面の同一平面上にある。
【0026】
[0026] 好ましくは、前記シールは、リップシールとして設計される。弁の位置に応じて、この理想的には円形のリップシールは、凹部の周囲の第1のシース部材、又は第2のシース部材の同一平面上にある。
【0027】
[0027] 有利な設計の一変形例では、弁は、駆動装置にモジュラ式に連結される。好ましい変形例では、この駆動装置は、電気モータを備える。
【0028】
[0028] 利点として、用いられる材料が少ないので、部品の重量を減らすことができる。更に、射出成形時のサイクル時間が短縮される。壁厚が変わらない密封部材の厚さが等しい変形例は、射出成形工程の冷却工程を特徴とし、これは、同じままであり、面の質を向上させる。これは、グリースを用いなくても、密封機能が確保されることを意味する。
【0029】
[0029] 更なる利益は、両方のシース部材又はシース面の同じ球形状により、シールが、弁の開閉にかかわらず、弁閉じ装置の同一平面上にあることである。これにより、適用において、特定の体積流を確保する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1aは密封部材を第1の視点から斜視図で示す図である。
図1bは密封部材を第2の視点から斜視図で示す図である。
【
図2】様々な方向から検討した密封部材を示す図である。
【
図4】付加的な隆起を有する密封部材を示す図である。
【
図5】軸受部材を有する密封部材を側面から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[0030] ここで、添付図面の図を参照して、単なる例示として本発明の好ましい実施形態を説明する。図において、複数の図に現れる同一の構造体、要素又は部品は、一般に、それらが現れる全ての図において同じ符号で表記される。図内に示される構成部品及び構造部の寸法は、一般に、便宜のため及び提示の明確さのために選択されたものであり、必ずしも縮尺通りではない。
【0032】
[0037]
図1a及び
図1bに、図示しない弁8のための密封部材1の斜視図を見ることができる。
図1a及び
図1bは、2つの異なる角度から示されている。この場合、
図1aでは、密封部材1が、球状セグメント2.1,2.2状に形成される種々の部材から構成されることが分かる。この場合、密封部材1は、2つの同じ大きさのシース部材から構成され、これらは、シース面2.1a,2.2aが外方に向いている状態で、90°オフセットされる球状セグメント2.1,2.2状に形成される。異なる陰影が、両方のシース部材2.1,2.2を示して、両方の異なる陰影の端縁が、第1及び第2のシース部材2.1及び2.2の端縁でもあるようになっている。第1のシース部材2.1は、貫通流出口3を含み、第2のシース部材2.2は、閉塞出口4を含む。閉塞出口4を有する第2のシース部材2.2は、球状セグメント状に形成される閉じた形状を有する。対照的に、貫通流出口3を有する第1のシース部材2.1は、中心に円形の凹部3を有する球状セグメント状に形成される形状を有し、ガスが流れることができる。第1のシース面2.1aは、凹部3の周囲に、円形領域2.1bを形成する。第2のシース面2.2aは、円形領域2.1bに対応する円形領域2.2bを形成する。第1のシース部材2.1の凹部3の周囲の円形領域2.1bは、第2のシース部材2.2の凹部3の周囲の領域に対応する円形領域2.2bと同じである。両方の円形領域2.1b,2.2bは、同じ曲率を有する。シース面2.1a,2.2aの対応する形状により、シース面2.1a及び2.2aが、両方の弁位置の弁8のシール11(ここでは図示せず)と同一平面上にある可能性が非常に高いはずである。
【0033】
[0038] 密封部材1には、2つの軸受ピン5(短軸5とも呼ばれる)もあり、これらから、2つの側面軸受部材6の各々の1つが取り付けられる。2つの側面軸受部材6は、シース部材2.1,2.2に隣接する。また、側面軸受部材6の両方には、2つの溝7もある。密封部材1は、2つの軸受ピン5を介して、弁8(ここでは図示せず)に保持される。密封部材1が、閉塞出口4が流路10(ここでは図示せず)を遮断する位置にある場合、弁8は閉じられる。密封部材1が90°回転されて、貫通流出口3が流路10内に位置するようになっている場合、ガスは、貫通流出口3を流れることができる。弁8は、この位置で開かれる。
【0034】
[0039]
図1bは、密封部材1の別の斜視図を含む。
図1aと比較して、密封部材1は、90°回転されて示されている。閉塞出口4は、閉塞板である。この図では、閉塞板4は、奥に位置するので、見えない。貫通流出口3を有する第1のシース部材2.1は、
図1aのように、ここでは、上方に配置され、これは、この第1のシース部材2.1の第1のシース面2.1aが、上方に向いていることを意味する。軸受ピン5及び溝7を含む両方の側面軸受部材6は、貫通流出口3を有し且つ閉塞出口4を有する両方のシース部材2.1及び2.2に配置される。2つの側面軸受部材6は、密封部材1の2つの対向する側に、互いに対向して配置されて、両方の軸受ピン5が、密封部材1の内部から離れて、外方に向いているようになっている。
【0035】
[0040]
図2a~
図2dでは、密封部材1は、様々な視点から示されて図示されている。この場合、図示は、2つのシース部材2.1,2.2のみに限られる。側面軸受部材6は、図示されていない。
図2aは、密封部材1を示し、第2のシース部材2.2は、閉塞出口4と一緒に、平面図で示され、貫通流出口3を有する第1のシース部材2.1は、左側に示されている。
図2bでは、密封部材1は、90°回転されて示されている。この場合、第1のシース部材2.1は、貫通流出口3と共に、平面図で示されている。閉塞出口4を有する第2のシース部材2.2は、右側に示されている。
図2cは、密封部材1の2つのシース部材2.1,2.2の斜視図を示す。閉塞出口4は、この場合、上側にあり、一方、貫通流出口3は、左側の前面にある。
図2dは、密封部材1の側面図を示し、閉塞出口4を有する第2のシース部材2.2は、底部にあり、貫通流出口3を有する第1のシース部材2.1は、右側に示されている。
図2a~
図2dでは、第1のシース部材2.1の凹部3の周囲の円形領域2.1bは、第2のシース部材2.2の凹部3の周囲の対応する領域2.2bと共に、示されている。円形領域2.1b,2.2bは、同じ大きさであり、両方のシース部材2.1,2.2が、両方のシース部材2.1,2.2に適した位置で、同じシール11(ここでは図示せず)と同一平面上にあることができるようになっている。密封部材は、両方の円形領域2.1b,2.2bが、部分的に重なるように設計される。
【0036】
[0041]
図3a及び
図3bは、弁8を示し、
図3aには、開かれた弁8が示され、
図3bには、閉じられた弁8が示されている。弁8は、弁8の位置を制御するための駆動装置13を含む。駆動装置13は、モータを含む。ガスは、上方から弁8内に流入する。弁閉じ装置9の位置に応じて、ガスは、
図3aに示すように流入することができるか、又は、ガス流は、
図3bに示すように遮断される。弁閉じ装置9が、流路10に対して平行に位置する場合、弁8は開かれる。弁閉じ装置9を有する密封部材1が、90°回転されて、弁閉じ装置9が流路10と直交するか、又は流路10が塞がれるようになっている場合、弁8は閉じられる。シール11と同一平面上にある面が、同じであるように設計されることにより、密封弁8は、どちらの弁位置でも、問題にならない。
【0037】
[0042]
図4は、上方に向いて配置される第1のシース部材2.1と、後方に配置される第2のシース部材2.2とを有する密封部材1を示す。ここに示される密封部材1は、隆起を特徴とする。この場合、隆起12は、シース部材2.1,2.2において且つ軸受ピン5を有する側面軸受部材6において、密封部材1の個々の部材2.1,2.2,6の強度を補強する又は増加させるために配置される。密封部材1の設計は、射出成形工程のために調整される。
【0038】
[0043]
図5では、密封部材1の側面図が示され、第1のシース部材2.1は、貫通流出口3及び第1のシース部材2.1の凹部の周囲の円形領域と共に、上部に位置し、第2のシース部材2.2は、閉塞出口4及び第2のシース部材2.2の凹部に対応する領域の周囲の円形領域と共に、右側に位置する。更に、この図の平面図では、側面軸受部材6を見ることができ、これに、軸受ピン5が配置される。側面軸受部材6は、第1のシース部材2.1及び第2のシース部材2.2の両方と連結される。
【0039】
[0044] 本出願の説明及び請求項において、動詞「備える(comprise)」、「含む(include)」、「含む(contain)」及び「有する(have)」、並びにその変形形態は、説明する要素又は特徴の存在を規定するために包括的な意味で使用され、追加の要素又は特徴の存在を排除するものではない。
【0040】
[0045] 明確にするために別個の実施形態に関連して説明されている本発明の特定の特徴は、1つの実施形態において組み合わせて提供してもよいものと理解される。逆に、簡潔にするために1つの実施形態に関連して説明されている本発明の種々の特徴を、個別に又はそれらを適当に組み合わせて提供してもよい。
【0041】
[0046] 上記の実施形態は単なる例示であり、請求項に定義する本発明の範囲から逸脱することなく、他の様々な修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。
【符号の説明】
【0042】
1 密封部材
2.1 球状セグメント/第1のシース部材
2.1a 第1のシース面
2.1b 円形領域
2.2 球状セグメント/第2のシース部材
2.2a 第2のシース面
2.2b 円形領域
3 貫通流出口/凹部
4 閉塞出口/閉塞板
5 軸受ピン/短軸
6 側面軸受部材
7 溝
8 弁/密封弁
9 弁閉じ装置
10 流路
11 シール
12 隆起
13 駆動装置