IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社富士通エフサスの特許一覧

特許7093198評価装置、評価方法および評価プログラム
<>
  • 特許-評価装置、評価方法および評価プログラム 図1
  • 特許-評価装置、評価方法および評価プログラム 図2
  • 特許-評価装置、評価方法および評価プログラム 図3
  • 特許-評価装置、評価方法および評価プログラム 図4
  • 特許-評価装置、評価方法および評価プログラム 図5
  • 特許-評価装置、評価方法および評価プログラム 図6
  • 特許-評価装置、評価方法および評価プログラム 図7
  • 特許-評価装置、評価方法および評価プログラム 図8
  • 特許-評価装置、評価方法および評価プログラム 図9
  • 特許-評価装置、評価方法および評価プログラム 図10
  • 特許-評価装置、評価方法および評価プログラム 図11
  • 特許-評価装置、評価方法および評価プログラム 図12
  • 特許-評価装置、評価方法および評価プログラム 図13
  • 特許-評価装置、評価方法および評価プログラム 図14
  • 特許-評価装置、評価方法および評価プログラム 図15
  • 特許-評価装置、評価方法および評価プログラム 図16
  • 特許-評価装置、評価方法および評価プログラム 図17
  • 特許-評価装置、評価方法および評価プログラム 図18
  • 特許-評価装置、評価方法および評価プログラム 図19
  • 特許-評価装置、評価方法および評価プログラム 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】評価装置、評価方法および評価プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20120101AFI20220622BHJP
【FI】
G06Q50/02
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018025947
(22)【出願日】2018-02-16
(65)【公開番号】P2019144644
(43)【公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】598057291
【氏名又は名称】株式会社富士通エフサス
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】泉 博文
(72)【発明者】
【氏名】丸山 真帆
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-135555(JP,A)
【文献】特開2014-110006(JP,A)
【文献】特開2016-119513(JP,A)
【文献】特開2013-161467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置によって撮影された所定の制度の審査基準に関連するコンテンツと、撮影者が前記撮影装置を用いて前記コンテンツを撮影する際の操作の特徴情報であって、前記コンテンツの撮影時刻付近における前記撮影者の歩数および前記コンテンツを撮影した撮影回数を含む前記特徴情報とを対応付けた撮影情報を受信する受信部と、
前記受信部が前記撮影情報を受信する度に、前記特徴情報を基にして、前記撮影者の歩数が少なく、かつ、前記撮影回数が多いほど、値が大きくなる評価値を算出する評価部と、
前記受信部が前記撮影情報を受信する度に、前記コンテンツと、前記評価部の評価結果とを対応付けて記憶する記憶部と、
を有することを特徴とする評価装置。
【請求項2】
前記コンテンツの表示要求を受けつけた場合に、前記記憶部に記憶された各コンテンツの評価結果を基にして、各コンテンツを並べて表示する表示制御部を更に有することを特徴とする請求項1に記載の評価装置。
【請求項3】
前記特徴情報は、前記コンテンツに対して拡大操作を行ったか否かを示す情報を更に含み、前記評価部は、拡大操作を行ったコンテンツの評価値に加算する値を、拡大操作を行っていないコンテンツの評価値に加算する値よりも大きくすることを特徴とする請求項1または2に記載の評価装置。
【請求項4】
前記特徴情報は、前記コンテンツに対して書き込み操作が行われたか否かを示す情報を更に含み、前記評価部は、前記書き込み操作を行ったコンテンツの評価値に加算する値を、前記書き込み操作を行っていないコンテンツの評価値に加算する値よりも大きくすることを特徴とする請求項1、2または3に記載の評価装置。
【請求項5】
前記特徴情報は、前記コンテンツを撮影した撮影位置の情報を更に含み、前記評価部は、撮影位置の変化が少なく、かつ、歩数の増加が閾値以上となる間に撮影されたコンテンツの評価値に加算する値を、撮影位置の変化が大きい、または、歩数の増加が閾値未満となる間に撮影されたコンテンツの評価値に加算する値よりも大きくすることを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の評価装置。
【請求項6】
前記撮影情報は、前記コンテンツを撮影した撮影者が熟練者であるか否かを示す情報を含み、前記評価部は、前記熟練者であるか否かを示す情報を基にして、前記評価値を補正することを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の評価装置。
【請求項7】
コンピュータが実行する評価方法であって、
撮影装置によって撮影された所定の制度の審査基準に関連するコンテンツと、撮影者が前記撮影装置を用いて前記コンテンツを撮影する際の操作の特徴情報であって、前記コンテンツの撮影時刻付近における前記撮影者の歩数および前記コンテンツを撮影した撮影回数を含む前記特徴情報とを対応付けた撮影情報を受信し、
前記撮影情報を受信する度に、前記特徴情報を基にして、前記撮影者の歩数が少なく、かつ、前記撮影回数が多いほど、値が大きくなる評価値を算出し、
前記撮影情報を受信する度に、前記コンテンツと、前記評価値とを対応付けて記憶装置に記憶する
処理を実行することを特徴とする評価方法。
【請求項8】
コンピュータに、
撮影装置によって撮影された所定の制度の審査基準に関連するコンテンツと、撮影者が前記撮影装置を用いて前記コンテンツを撮影する際の操作の特徴情報であって、前記コンテンツの撮影時刻付近における前記撮影者の歩数および前記コンテンツを撮影した撮影回数を含む前記特徴情報とを対応付けた撮影情報を受信し、
前記撮影情報を受信する度に、前記特徴情報を基にして、前記撮影者の歩数が少なく、かつ、前記撮影回数が多いほど、値が大きくなる評価値を算出し、
前記撮影情報を受信する度に、前記コンテンツと、前記評価値とを対応付けて記憶装置に記憶する
処理を実行させることを特徴とする評価プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、評価装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
食品事故などの問題を未然に防止するために、食の安全や食品の衛生を管理する手法が制度化されている。このような制度には、JGAP(Japan Good Agricultural Practice)や、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)、FCP(Food Communication Project)共通工場管理、AIB、JIB、ISO22000などがある。
【0003】
上記の各制度では、第三者機関により審査が行われ、制度に基づく審査基準を満たした農場に対して、認証が与えられる。たとえば、農場がJGAPの認証を受けるためには、「JGAP農場用管理と適合基準」を満たす必要がある。以下の説明では、JGAP、HACCP、FCP共通工場管理、AIB、JIB、ISO22000などの制度に基づく審査基準を、適宜、審査基準と表記する。
【0004】
ここで、審査基準の内容は複雑であり複数のチェック項目が存在するため、農場の管理者自身が審査基準の内容を理解し、農場を改善することは難しい。このため、農場の管理者による、審査基準の理解を深めるために、審査基準の指導員は、農場の現場において、審査基準を満たすよい例を見つけた場合には、かかる現場の写真撮影を行い、撮影した写真を農場の管理者に提示するなどの対応を行っている。
【0005】
また、従来技術には、衛生管理評価に関して、検査者等が現場で撮影した画像データをサーバに蓄積しておき、閲覧者がかかるサーバにアクセスすることで、画像データを閲覧可能とする技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2013-211904号公報
【文献】特開2011-160285号公報
【文献】特開2011-017050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来技術では、参考にするべきコンテンツであるか否かを評価することができないという問題がある。
【0008】
たとえば、従来技術では、現場で撮影された画像データが順次サーバに蓄積され、画像データの量が膨大なものになる。このため、利用者が、閲覧対象となる画像データを検索するために多くの時間を要してしまう。また、サーバに蓄積される画像データには、審査基準の内容を理解するうえでよい例となる画像データが含まれる場合もあれば、審査基準の内容を理解するうえであまりよくない画像データが含まれる場合もある。よい例、悪い例の画像データを見分けることは、経験の浅い利用者には難しい場合がある。
【0009】
また、画像データを撮影した利用者が、サーバに蓄積された各画像データを参照して画像データを評価してもよいが、撮影してからしばらく時間が経過していると、なぜ該当する画像データを撮影したのかを忘れてしまう場合がある。
【0010】
1つの側面では、本発明は、参考にするべきコンテンツであるか否かを評価することができる評価装置、評価方法および評価プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の案では、評価装置は、受信部と、評価部と、記憶部とを有する。受信部は、撮影装置によって撮影された所定の制度の審査基準に関連するコンテンツと、撮影者が撮影装置を用いてコンテンツを撮影する際の操作の特徴情報とを対応付けた撮影情報を受信する。評価部は、受信部が前記撮影情報を受信する度に、特徴情報を基にして特徴情報に対応するコンテンツの評価値を算出する。記憶部は、受信部が撮影情報を受信する度に、コンテンツと、評価部の評価結果とを対応付けて記憶する。
【発明の効果】
【0012】
参考にするべきコンテンツであるか否かを評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施例に係るシステムの構成を示す図である。
図2図2は、ログイン画面の一例を示す図である。
図3図3は、農場選択画面の一例を示す図である。
図4図4は、指導条件受付画面の一例を示す図である。
図5図5は、項目選択画面の一例を示す図(1)である。
図6図6は、項目選択画面の一例を示す図(2)である。
図7図7は、記録画面の一例を示す図である。
図8図8は、コメントが入力された画像データの一例を示す図である。
図9図9は、事例画面の一例を示す図である。
図10図10は、本実施例に係る評価装置の構成を示す機能ブロック図である。
図11図11は、JGAP基準データのデータ構造の一例を示す図である。
図12図12は、図11の小項目に含まれるチェック項目の一例を示す図である。
図13図13は、指導員テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図14図14は、検査テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図15図15は、撮影情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図16図16は、評価テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図17図17は、事例画面ファイルのデータ構造の一例を示す図である。
図18図18は、本実施例に係る端末装置の処理手順を示すフローチャートである。
図19図19は、本実施例に係る評価装置の処理手順を示すフローチャートである。
図20図20は、評価装置と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本願の開示する評価装置、評価方法および評価プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例
【0015】
図1は、本実施例に係るシステムの構成を示す図である。図1に示すように、このシステムは、評価装置100と、端末装置30a,30bとを有する。たとえば、評価装置100および端末装置30a,30bは、ネットワーク50を介して相互に接続される。ここでは一例として、端末装置30a,30bを示すが、その他の端末装置がネットワーク50に接続されていてもよい。
【0016】
端末装置30a,30bは、たとえば、指導員がJGAP等の審査基準を満たすべく、農場の管理者などに指導する際に利用する端末装置である。たとえば、端末装置30a,30bは、スマートフォン、タブレット型PCなどの指導員が携帯して使用可能な携帯端末装置である。端末装置30aはカメラ35aを有し、端末装置30bはカメラ35bを有する。以下の説明では、特に区別する場合を除いて、端末装置30a,30bをまとめて、端末装置30と表記する。カメラ35a,35bをまとめて、カメラ35と表記する。
【0017】
本実施例では一例として、JGAPの審査基準を用いて説明するが、これに限定されるものではなく、HACCP、FCP共通工場管理、AIB、JIB、ISO22000などの審査基準であってもよい。また、本実施例では、指導員が端末装置30を用いて、農場の管理者に指導・検査を行うことを想定して説明を行うが、他の利用者(審査員等)が農場を審査する場合に、端末装置30を用いて審査を行ってもよい。
【0018】
端末装置30は、審査基準の各チェック項目を、所定の区分毎に複数の組に分類して表示することで、指導員が審査基準の各チェック項目を効率的に指導することが可能となる。ここで、指導員は、あるチェック項目について指導を行っている間に、審査基準に関連して、現場でよい例を見つけた場合には、端末装置30のカメラ35を操作して、現場を撮影する。端末装置30は、カメラ35で画像データが撮影された場合には「記録画像ファイル」を生成し、撮影情報を後述する評価装置100に送信する。記録画像ファイルには、カメラ35により撮影された画像データと、指導員がこの画像データを撮影する際の操作の特徴情報とが含まれる。
【0019】
指導員が、各農場で上記作業を繰り返し実行することで、評価装置100には、チェック項目毎に、審査基準を満たすよい例となる現場の、画像データが蓄積される。
【0020】
また、指導員は、あるチェック項目について指導を行っている間に、端末装置30を操作して、審査基準を満たす事例の画像データを、評価装置100から読み出し、農場の管理者に提示する。これにより、農場の管理者は、指導員の指導に加えて、審査基準を満たすよい例の現場の画像データを閲覧でき、審査基準に関する理解を深めることができる。
【0021】
評価装置100は、審査基準に関する各種の情報を保持し、審査基準に関する各種の情報を、端末装置30に提供することで、指導員が農場の管理者に指導を支援する装置である。たとえば、評価装置100は、端末装置30からアクセスを受け付けると、JGAPの審査基準の各チェック項目を表示するツールやWeb(World Wide Web)の操作画面を端末装置30に提供する。また、評価装置100は、端末装置30で実施されたJGAPの審査基準に対する審査結果の情報などの情報を収集して管理する。
【0022】
また、評価装置100は、チェック項目に対する画像データを要求された場合に、蓄積しておいた各画像データを端末装置30に通知する。ここで、評価装置100は、記録画像ファイルに含まれる特徴情報を基にして、画像データの評価値を算出しておく。評価装置100は、チェック項目に対応する画像データを、端末装置30に通知する場合に、評価値の高い画像データを優先して、端末装置30に通知する。これにより、審査基準を理解するために、指導員が農場の管理者に参考にさせるべき画像データであるか否かを自動的に評価することができる。
【0023】
続いて、指導員が農場の管理者に指導を行う際に、端末装置30が行う処理および端末装置30が表示する画面例について説明する。図示を省略するが、端末装置30は、各種の情報を入力する入力装置、各種の情報を表示する表示装置を有している。たとえば、端末装置30は、タッチパネルを有している。端末装置30は、指導を開始する際に、評価装置100にアクセスし、ログイン画面を表示する。
【0024】
図2は、ログイン画面の一例を示す図である。たとえば、指導員は、端末装置30を操作して、ログイン画面70の入力領域70aに指導員ID(identification)およびパスワードを入力してログインする。指導員IDは、指導員を一意に識別する情報である。端末装置30は、ログイン画面70で入力された指導員IDおよびパスワードの情報を、評価装置100に送信することで、評価装置100にログイン要求を行う。
【0025】
端末装置30は、評価装置100に対するログインに成功すると、農場一覧を表示する処理、指導条件を受け付ける処理を行う。農場一覧を表示する処理において、端末装置30は、指導対象となる農場の名称を選択する農場選択画面を表示する。
【0026】
図3は、農場選択画面の一例を示す図である。図3に示すように、農場選択画面71は、農場選択領域71aを含む。たとえば、農場選択領域71aには、選択候補となる複数の農場の名称が列挙される。指導員は、端末装置30を操作して、農場選択領域71aのいずれかの農場を選択する。端末装置30は、農場が選択された後に、指導条件を受け付ける処理に移行する。
【0027】
端末装置30は、指導条件を受け付ける処理において、指導条件受付画面を表示する。図4は、指導条件受付画面の一例を示す図である。図4に示すように、この指導条件受付画面72は、日付入力領域72a、対象品目入力領域72b、指導対象項目入力領域72cを有する。
【0028】
日時入力領域72aは、指導対象となる農場を指導した日時(指導開始日時)を入力する領域である。日時入力領域72aの農場名には、図3の農場選択画面71で選択された農場名が予め設定される。端末装置30が、現在の日時を自動で、日時入力領域72aに入力してもよいし、指導員が、端末装置30を操作して、日時を、日時入力領域72aに入力してもよい。
【0029】
対象品目入力領域72bは、指導対象となる農作物の種別を入力する領域である。例えば、指導員は農場の責任者との間で指導前の事前のヒアリングを行い、指導対象の農作物を判断し、端末装置30を操作して、対象品目入力領域72bに、農作物の名称を入力する。
【0030】
指導対象項目入力領域72cは、農場が農作物を生産する場合などの各種条件を入力する領域である。例えば、努力項目を指導対象とする場合には、指導員は端末装置30を操作して、項目1aにチェックを入れる。きのこ類を栽培している場合には、指導員は端末装置30を操作して、項目1bにチェックを入れる。スプラウトを栽培している場合には、指導員は端末装置30を操作して、項目1cにチェックを入れる。
【0031】
農薬を使っている場合には、指導員は端末装置30を操作して、項目1dにチェックを入れる。農場拡大を考えている場合には、指導員は端末装置30を操作して、項目1eにチェックを入れる。国外への出荷をしている場合には、指導員は端末装置30を操作して、項目1fにチェックを入れる。委託を行っている場合には、指導員は端末装置30を操作して、項目1gにチェックを入れる。
【0032】
GGAP同等認証を行う場合には、指導員は端末装置30を操作して、項目1hにチェックを入れる。遺伝子組み換え農作物を扱っている場合には、指導員は端末装置30を操作して、項目1iにチェックを入れる。ポストハーベストを行っている場合には、指導員は端末装置30を操作して、項目1jにチェックを入れる。
【0033】
指導員は、日付入力領域72a、対象品目入力領域72b、指導対象項目入力領域72cに情報を入力し終えた後に、端末装置30を操作して、ボタン72dを押下する。端末装置30は、ボタン72dの押下を受け付けると、日付入力領域72a、対象品目入力領域72b、指導対象項目入力領域72cに入力された情報を、支援装置100に送信する。以下の説明では、適宜、日付入力領域72a、対象品目入力領域72b、指導対象項目入力領域72cに入力された情報を「入力情報」と表記する。
【0034】
端末装置30は、入力情報を、評価装置100に送信すると、支援装置100から、入力情報に対応する審査基準に関する項目選択画面の情報を受信する。図5および図6は、項目選択画面の一例を示す図である。図5に示すように、項目選択画面73には、項目選択領域73aと表示領域73bとが含まれる。指導員が、端末装置30を操作して、項目選択領域73aのいずれかの項目を選択すると、選択された項目に対応するチェック項目が、表示領域73bに表示される。
【0035】
たとえば、端末装置30は、項目「農場運営」が選択されると、図6に示すように、表示領域73bに、項目「農場運営」に対応するチェック項目を表示する。
【0036】
指導員は、表示領域73bに表示された内容に従って、農場運営の管理者と話し合いを行い、端末装置30を操作して、検査結果(チェック結果)を入力する。例えば、指導員は、各適合基準の項目について「OK」または「NG」を選択する。なお、「OK」または「NG」を今すぐに選択できない場合には、「保留」を選択しても良い。なお、審査結果により適合基準の「適合/不適合」が自動で判断される。端末装置30は、入力された検査結果の情報を、評価装置100に通知する。たとえば、検査結果の情報には、検査結果に加えて、検査ID、検査対象となった場所、検査を行った指導員の指導員ID、審査の対象となった項番、検査の実施日が付与されているものとする。項番は、チェック項目を一意に示すものである。
【0037】
ここで、指導員は、指導(あるいは、審査)の途中で、指導の模範となるような良い事例を見つけた場合には、端末装置30を介して、カメラ35を操作し、良い事例(現場)の画像を撮影する。たとえば、指導員は、図6等の項目選択画面73の記録ボタン73cを押下すると、端末装置30は、記録画面を表示する。
【0038】
図7は、記録画面の一例を示す図である。図7に示すように、この記録画面74は、画像表示領域74aと、コメント入力領域74bと、関連項番74cと、撮影ボタン74dとを有する。画像表示領域74aは、カメラ35によって撮影された画像データが表示する領域である。コメント入力領域74bは、指導員のコメントを入力する領域である。関連項番74cは、チェック項目と対応付ける情報である。例えば、関連項番74cが「1.2.1」の場合には、対応するチェック項目は項番「1.2.1」となる。関連項番74cの情報は、指導員が端末装置30を操作して、手動で入力してもよいし、端末装置30が自動で入力してもよい。
【0039】
たとえば、図7に示すように、項番「1.2.1」のチェック項目を表示している最中に、カメラ35によって画像が撮影された場合には、端末装置30は、記録画面74を表示させると共に、関連項番74cに、該当する項番「1.2.1」を自動で入力する。その他の、どのような従来技術を用いて、端末装置30は、関連項番74cに、該当する項番を入力してもよい。
【0040】
端末装置30は、指導員によってボタン74dが押下された場合には、画像表示領域74aに表示された(カメラ35に撮影された)画像データを、記録画像ファイルに登録する。たとえば、「記録画像ファイル」は、端末IDと、指導員IDと、画像IDと、コメントと、項番と、画像データと、撮影場所と、歩数と、拡大フラグと、コメントフラグとを対応付けた情報である。
【0041】
端末IDは、画像データを撮影した端末装置30を一意に識別する情報である。端末装置30毎に、端末IDは予め設定されており、端末装置30は、予め設定された端末IDを、記録画像ファイルに格納する。指導員IDは、指導員を一意に識別する情報である。たとえば、端末装置30は、図2で説明したログイン画面で入力された指導員IDを、記録画像ファイルに格納する。画像IDは、画像データを一意に識別する情報である。端末装置30は、画像データが撮影された場合に、ユニークな画像IDを割り当て、記録画像ファイルに格納する。
【0042】
コメントは、コメント入力領域74bに入力されたコメントの情報である。端末装置30は、コメント入力領域74bに入力されたコメントの情報を、記録画像ファイルに格納する。画像データは、指導員によってボタン74dが押下された際の、画像表示領域74aに表示される画像データである。なお、指導員は、タッチペン等を用いて、画像表示領域74aにコメントを書き込んでもよい。
【0043】
項番は、チェック項目を示す情報である。撮影場所は、図3で説明した農場選択領域71aで選択された情報を示す。端末装置30は、撮影場所の情報を、記録画像ファイルに格納する。
【0044】
歩数は、指導員の歩数を示す。たとえば、端末装置30は、加速度センサ(図示略)を有しており、加速度センサに測定される垂直方向の加速度を取得し、加速度を基にして、指導員の歩数をカウントする。端末装置30は、カウントした指導員の歩数を、記録画像ファイルに格納する。
【0045】
拡大フラグは、撮影された画像データに対して拡大操作が行われたか否かを示す情報である。たとえば、端末装置30は、カメラ35に撮影された画像データを、画像表示領域74a等に表示し、指導員に閲覧させてもよい。端末装置30は、指導員によって、画面表示領域74a等に表示された画像データの拡大操作が行われた場合には、画像データを拡大表示する。また、端末装置30は、画像データの拡大操作が行われた場合には、記録画像ファイルの拡大フラグを「オン」に設定する。一方、端末装置30は、画像データの拡大操作が行われていない場合には、記録画像ファイルの拡大フラグを「オフ」に設定する。図示を省略するが、端末装置30は、画面表示領域74aに拡大ボタン等を設定し、指導員により、かかる拡大ボタンが押下された場合に、画像データを拡大してもよい。
【0046】
コメントフラグは、撮影された画像データに対してコメントの書き込みが行われたか否かを示す情報である。たとえば、端末装置30は、カメラ35に撮影された画像データを、画像表示領域74a等に表示し、指導員にコメントを書き込ませてもよい。端末装置30は、指導員によって、画面表示領域74a等に表示された画像データにコメントが書き込まれた場合には、記録画像ファイルのコメントフラグを「オン」に設定する。一方、端末装置30は、画像データにコメントが書き込まれていない場合には、記録画像ファイルのコメントフラグを「オフ」に設定する。
【0047】
図8は、コメントが入力された画像データの一例を示す図である。たとえば、図8の画像表示領域74aに表示された画像データには、「良い見本」なるコメントが書き込まれている。端末装置30は、かかるコメントの書き込みを検出した場合には、記録画像ファイルのコメントフラグを「オン」に設定する。
【0048】
ところで、指導員は、指導の途中で、指導の模範となるようなよい事例を、指導の対象となる農場の管理者に閲覧させる場合には、端末装置30を操作して、図6の項目選択画面73で示した、事例ボタン73dを押下する。端末装置30は、事例ボタン73dの押下を受け付けると、現在選択されている項目の項番を設定した「事例画面要求」を、評価装置100に送信する。
【0049】
端末装置30は、事例画面要求の応答となる「事例画面ファイル」を、評価装置100から受信した場合に、事例画面を表示する。図9は、事例画面の一例を示す図である。図9に示すように、この事例画面80は、一覧表示領域81と、画像表示領域82とを有する。端末装置30は、一覧表示領域81に、事例画面ファイルに含まれる各画像データのサムネイル画像を、優先順に、一覧表示する。各画像データの優先度は、事例画面ファイルに設定されているものとする。たとえば、一覧表示領域81には、サムネイル画像81a,81b,81c,81d,81eが表示されている。最も優先度の高い画像データのサムネイル画像ほど、一覧表示領域81の左側に表示されるものとする。なお、端末装置30は、サムネイル画像81a~81e以外のサムネイル画像を、一覧表示領域81に表示させてもよい。
【0050】
画像表示領域82は、一覧表示領域81のサムネイル画像81a~81eのうち、指導員に選択されたサムネイル画像の画像データを表示する領域である。たとえば、指導員は、一覧表示領域81に表示されたサムネイル画像81a~81eを参照し、現在の項目(審査基準)に関連して、指導の模範となるようなよい事例として、最適であると考えるサムネイル画像を選択する。
【0051】
たとえば、指導員は、端末装置30を操作して、サムネイル画像81(81a~81eのいずれか)を選択すると、端末装置30は、選択されたサムネイル画像81に対応する画像データを、画像表示領域82に表示させる。ここで、指導員は、画像表示領域82に表示されている画像データをより詳細に、管理者に閲覧させたい場合には、拡大ボタン83を押下することで、画像表示領域82に表示された画像データを拡大表示させる。端末装置30は、拡大ボタン83が押下されると、画像表示領域82の画像データの基準位置を中心として、画像データを拡大表示する。基準位置は、画像データの中心位置であってもよいし、指導員が適宜指定してもよい。
【0052】
指導員は、他の画像データを、画像表示領域82に表示させたい場合には、現在選択しているサムネイル画像以外のサムネイル画像を選択する。また、指導員は、事例画面80の表示を終了させる場合には、戻るボタン84を押下する。
【0053】
端末装置30は、審査基準に関する各項目について、上記処理を繰り返し実行する。
【0054】
次に、本実施例に係る評価装置100の構成について説明する。図10は、本実施例に係る評価装置の構成を示す機能ブロック図である。図10に示すように、この評価装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0055】
通信部110は、ネットワーク50を介して、端末装置30a,30bやその他の外部装置とデータ通信を実行する処理部である。通信部110は、通信装置に対応する。後述する制御部130は、通信部110を介して、端末装置30とデータをやり取りする。
【0056】
記憶部120は、JGAP基準データ121、条件テーブル122、指導員テーブル123、検査テーブル124、撮影情報テーブル125、評価テーブル126を有する。記憶部120は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子などの記憶装置に対応する。
【0057】
JGAP基準データ121は、農作物に関して予め定められた基準を満たしているか否かの審査対象となる所定の順序で並んだ複数のチェック項目を有するデータである。図11は、JGAP基準データのデータ構造の一例を示す図である。図12は、図11の小項目に含まれるチェック項目の一例を示す図である。
【0058】
図11に示すように、JGAP基準データ121は、大項目、中項目、小項目に分類されている。例えば、大項目「A.農場運営と販売管理」には、中項目「1.農業運営」、「2.計画と記録」、「3.販売管理とトレーサビリティ」が含まれる。例えば、中項目「1.農場運営」には、小項目「1.1基本姿勢」、「1.2経営資源の管理」、「1.3外部委託管理」、「1.4農場のルール違反の改善と自己点検」が含まれる。
【0059】
図12に示すように、図11の小項目には、チェック項目が対応付けられる。チェック項目は、例えば、項番、レベル、管理点、適合基準、備考の属性を有する。項番は、チェック項目を一意に識別する番号である。レベルは、チェック項目の重要度を示すものである。レベルには、必須、重要、努力が存在し、重要度の大小関係は、「努力<重要<必須」となる。管理点および適合基準は、JGAP基準によって要求される基準が規定されている。備考は、補足説明を示す。各チェック項目に対応する検査の結果は、後述する検査テーブル124に格納される。
【0060】
条件テーブル122は、指導員がJGAP基準の指導を行う場合の条件と、各条件に該当するチェック項目の項番とを対応付けるテーブルである。たとえば、JGAP基準の指導を行う場合の条件は、図4で説明した、対象品目入力領域72bに入力される情報および指導対象項目入力領域72cに入力される情報に対応する。条件テーブル122のデータ構造の説明は、省略する。
【0061】
指導員テーブル123は、指導員に関する情報を保持するテーブルである。図13は、指導員テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図13に示すように、指導員テーブル123は、指導員IDと、氏名と、パスワードと、熟練度と、経験年数と、生年月日とを対応付ける。指導員IDは、指導員を一意に識別する情報である。氏名は、指導員の氏名である。パスワードは、各指導員IDに割り当てられるパスワードである。
【0062】
熟練度は、JGAPの検査に対する指導員の熟練度を複数の段階で示すものである。検査のスキルが高いほど熟練度が高いものとしている。指導員は、JGAP基準に関する十分な知識があるものの、現場での経験等により、熟練度に差異が生じる。熟練度には、上級者、中級者、初心者が存在し、熟練度の大小関係は、「上級者>中級者>初級者」となる。
【0063】
経験年数は、JGAPの指導・検査に関する指導員を経験した累計年数を示す。生年月日は、指導員の生年月日を示すものである。
【0064】
例えば、図13の指導員ID「S0001」の指導員は、氏名が「富士太郎」であり、パスワードが「××××」であり、熟練度が「上級者」であり、経験年数が「10年」であり、生年月日が「○○年○○月○○」であることが記憶されている。
【0065】
検査テーブル124は、指導員が実施した検査に関する情報を保持するテーブルである。図14は、検査テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図14に示すように、この検査テーブル124は、検査ID、検査対象、実施指導員ID、項番、実施日および結果の項目を有する。
【0066】
検査IDは、検査を一意に識別する番号である。検査IDは、農場などの検査対象に対して実施する検査ごとに、新たに採番される。検査対象は、検査の実施対象を示すものであり、本実施例では、検査の実施対象を、農場など検査を実施した場所で示す。実施指導員IDは、検査を行った指導員を一意に示す情報(指導員ID)である。
【0067】
項番は、検査の対象となったチェック項目の項番および適合基準を示す。実施日は、項番に対応するチェック項目の検査を実施した日付を示す。結果は、項番に対するチェック項目の検査結果を示すものである。結果は、基準を満たしていれば、「OK」とされ、基準を満たしていなければ「NG」とされる。
【0068】
たとえば、図14の1行目は、検査ID「E0001」の検査において、検査対象「農場A」に対して、実施指導員ID「S0001」の指導員により、図12に示す項番「1.1.1」の検査が「2017年9月1日」に行なわれ、結果が「OK」であることを示す。また、図14の2行目は、検査ID「E0001」の検査において、検査対象「農場A」に対して、実施指導員ID「S0001」の指導員により、図12に示す項番「1.1.2」の適合基準「(1)」の検査が「2017年9月1日」に行なわれ、結果が「OK」であることを示す。
【0069】
撮影情報テーブル125は、指導員による審査において撮影された画像に関する情報を保持するテーブルである。図15は、撮影情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図15に示すように、この撮影情報テーブル125は、端末IDと、指導員IDと、画像IDと、コメントと、項番と、画像データと、撮影場所と、歩数と、拡大フラグと、コメントフラグとを対応付ける。撮影情報テーブル125に含まれる端末ID、指導員ID、画像ID、コメント、項番、画像データ、撮影場所、歩数、拡大フラグ、コメントフラグに関する説明は、上述した記録画像ファイルで説明したものと同様である。
【0070】
評価テーブル126は、指導員により撮影された画像データの評価結果を格納するテーブルである。図16は、評価テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図16に示すように、評価テーブル126は、画像IDと、評価値とを対応付ける。画像IDは、画像データを一意に識別する情報である。評価値は、画像データが事例としてよい例である度合いを示す数値であり、評価値が大きいほど、事例としてよい例であることを示し、優先順位が高くなることを意味する。
【0071】
図10の説明に戻る。制御部130は、受付部131と、評価部132と、表示制御部133とを有する。制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積装置に対応する。また、制御部130は、例えば、CPUやMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路に対応する。
【0072】
受付部131は、端末装置30から各種の情報を受け付ける処理部である。たとえば、受付部131は、ログインを受け付ける処理、入力情報を受け付ける処理、検査結果の情報を受け付ける処理、記録画像ファイルを受け付ける処理、事例画面要求を受け付ける処理を行う。
【0073】
受付部131が、ログインを受け付ける処理について説明する。受付部131は、端末装置30から、ログイン要求として、ログイン画面70で入力された指導員IDおよびパスワードの情報を受け付ける。受付部131は、受け付けた指導員IDおよびパスワードと、指導員テーブル123とを比較し、指導員IDおよびパスワードの組が、指導員テーブル123に存在する場合に、ログイン要求を受け付ける。
【0074】
受付部131は、ログイン要求を受け付けた場合に、ログイン要求を受け付けた旨を、表示制御部133に出力することで、表示制御部133は、農場選択画面71、指導条件受付画面72の情報を、端末装置30に送信して、表示させる。
【0075】
受付部131が、入力情報を受け付ける処理について説明する。たとえば、入力情報は、指導条件受付画面72の日付入力領域72a、対象品目入力領域72b、指導対象項目入力領域72cに入力された情報を示す。
【0076】
受付部131は、入力情報を受け付けると、受け付けた入力情報と、条件テーブル122とを比較することで、入力情報に対応する項番を特定する。受付部131は、特定した項番に対応するチェック項目の情報を、JGAP基準データ121から抽出し、抽出したチェック項目の情報を、表示制御部133に出力する。受付部131が、チェック項目の情報を、表示制御部133に出力することで、表示制御部133は、項目選択画面73の情報を、端末装置30に送信して、表示させる。
【0077】
受付部131が、検査結果の情報を受け付ける処理について説明する。受付部131は、検査結果を受け付けた場合には、検査結果の情報を、検査テーブル124に格納する。検査結果の情報は、図6などで説明した、項目選択画面73の表示領域73bに対して、指導員が入力する情報である。なお、検査結果の情報には、検査ID、検査対象、実施指導員ID、実施日、結果が含まれる。
【0078】
受付部131が、記録画像ファイルを受け付ける処理について説明する。受付部131は、記録画像ファイルを受け付けた場合には、記録画像ファイルの情報を、撮影情報テーブル125に登録する。
【0079】
また、受付部131は、記録画像ファイルを受信した際に、割り当てた画像IDを、評価テーブル126に追加登録する。受付部131は、追加登録した画像IDに対応する評価値を初期値に設定する。たとえば、受付部131は、初期値をどのように設定してもよい。初期値を予め設定しておいてもよいし、受付部131は、既に登録されている評価値の平均値、中央値などを初期値として用いてもよい。
【0080】
受付部131が、事例画面要求を受け付ける処理について説明する。受付部131は、事例画面要求を受け付けた場合には、事例画面要求を受け付けた旨の情報を、表示制御部133に出力する。これにより、表示制御部133は、事例画面ファイルの情報を、端末装置30に送信して、表示させる。
【0081】
評価部132は、画像データに対する評価値を、画像を撮影する際の操作の特徴情報を基にして評価値を算出する処理部である。たとえば、特徴情報は、歩数、撮影回数、拡大フラグ、コメントフラグに対応する。ここで、撮影回数は、指導員があまり移動しないで、連続で画像データを撮影した回数を示すものである。評価部132は、次のように処理を行って、撮影回数を特定してもよい。評価部132は、ある場所において、画像データの撮影が開始された際の歩数を「基準歩数」とし、この基準歩数からの増加歩数が閾値未満となる歩数までに撮影された画像データの数を、撮影回数とする。
【0082】
評価部132は、基準歩数をどのように特定してもよい。たとえば、評価部132は、撮影情報テーブル125の歩数を走査し、前後の歩数の差が「1歩」以下となる一連のレコードを特定し、特定したレコードのうち、最も少ない歩数を、基準歩数として特定する。たとえば、図15に示す例では、前後の歩数の差が「1歩」以下となる一連のレコードは、画像ID「G1001~G1004」のレコードとなる。画像ID「G1001~G1004」のレコードに含まれる歩数のうち、最も少ない歩数は「1000歩」であるため、基準歩数は「1000歩」となる。
【0083】
評価部132は、前後の歩数の差が「1歩」以下となる一連のレコードの集まり毎に、基準歩数と、撮影回数を算出する。また、評価部132は、前後の歩数の差が「1歩」以下となる一連のレコード(画像ID)を同一のグループに分類する処理を行う。
【0084】
続いて、評価部132が、画像データの評価値を算出する処理の一例について説明する。たとえば、評価部132は、画像データの評価値を、式(1)に基づいて算出する。
【0085】
評価値=β×(α×撮影回数+第1補正値+第2補正値)・・・(1)
【0086】
式(1)において、αは、予め設定される補正係数である。撮影回数は、画像ID(評価値の算出対象となる画像データの画像ID)が属するグループの撮影回数に対応する。
【0087】
第1補正値は、画像IDに対応する拡大フラグが「オン」の場合に「1」となり、画像IDに対応する拡大フラグが「オフ」の場合に「0」となる補正値である。第2補正値は、画像IDに対応するコメントフラグが「オン」の場合に「1」となり、画像IDに対応するコメントフラグが「オフ」の場合に「0」となる補正値である。
【0088】
βは、画像IDを撮影した指導員の熟練度に応じた値となる。評価部132は、画像IDと、撮影情報テーブル125との比較により、指導員IDと特定し、特定した指導員IDと、指導員テーブルとの比較により、熟練度を特定する。たとえば、指導員の熟練度が「上級者」である場合のβをβとする。指導員の熟練度が「中級者」である場合のβをβとする。指導員の熟練度が「初級者」である場合のβをβとする。βの大小関係を、「β>β>β」とする。
【0089】
評価部132によって算出される画像データの評価値は、次のような特徴がある。画像データの評価値は、撮影回数のより多いグループに属する画像データほど、大きくなる。画像データの評価値は、指導員に拡大操作されたものほど、大きくなる。画像データの評価値は、指導員にコメントが書き込まれたものほど、大きくなる。画像データの評価値は、熟練の指導員に撮影されたものほど、大きくなる。
【0090】
評価部132は、画像データ毎に上記処理を繰り返し実行し、画像IDと評価値とを対応付けて、評価テーブル126に登録する。
【0091】
表示制御部133は、上述した受付部131と協働して、各種の画面情報を端末装置30に送信して、表示させる処理部である。
【0092】
表示制御部133は、ログイン要求を受け付けた旨を、受付部131から取得した場合には、農場選択画面71、指導条件受付画面72の情報を、端末装置30に送信して、表示させる。
【0093】
表示制御部133は、入力情報に対応するチェック項目の情報を、受付部131から取得した場合には、項目選択画面73の情報を、端末装置30に送信して、表示させる。
【0094】
表示制御部133は、事例画面要求を受け付けた旨の情報を、受付部131から取得した場合には、事例画面ファイルの情報を、端末装置30に送信して、表示させる。以下において、表示制御部133が、事例画面ファイルの情報を生成する処理の一例について説明する。
【0095】
事例画面要求には、チェック項目を一意に識別する項番が含まれている。以下の説明では、適宜、事例表示要求に含まれる項番を「キー項番」と表記する。表示制御部133は、キー項番と、撮影情報テーブル125の項番とを比較して、キー項番にヒットする項番に対応する、画像IDおよび画像データを検索する。
【0096】
表示制御部133は、検索した画像IDおよび画像データの組と、評価テーブル126とを比較して、検索した画像IDおよび画像データに対応する評価値を特定する。表示制御部133は、キー項番にヒットする項番の画像IDおよび画像データについても同様にして、評価値を特定する。
【0097】
たとえば、表示制御部133は、評価値の大きいものから順に、画像IDおよび画像データを並べることで、事例画面ファイルの情報を生成する。図17は、事例画面ファイルのデータ構造の一例を示す図である。図17に示すように、事例画面ファイルは、項番と、優先順位と、画像IDと、評価値と、画像データと、サムネイル画像とを対応付ける。
【0098】
項番は、事例画面要求に設定されたキー項番を示すものである。優先順位は、画像データの優先順位を示すものであり、値が小さいものほど、優先度が高いことを意味する。たとえば、図9に示した、事例画面の一覧表示領域81に表示する際の優先順に対応するものであり、最も優先度の高い画像データのサムネイル画像ほど、一覧表示領域81の左側に表示される。
【0099】
画像IDは、画像データを一意に識別する情報である。評価値は、画像データの評価値を示すものである。画像データは、画像IDに対応する画像データである。サムネイル画像は、画像データのサムネイル画像である。たとえば、表示制御部133は、もとの画像データを縮小することで、サムネイル画像を生成し、事例画面ファイルに登録する。なお、図17に示した例では、事例画面ファイルに、評価値を含める場合を説明したが、各画像データの優先順を特定できれば、評価値を事例画面ファイルに含めなくてもよい。
【0100】
また、表示制御部133は、キー項番にヒットする項番の画像データの数が、閾値以上となる場合には、評価値の大きい順に、各画像データをソートし、上位N個の画像データに関する情報を、事例画面ファイルに格納する。Nは、自然数であり、予め設定される。一方、表示制御部133は、キー項番にヒットする項番の画像データの数が閾値未満となる場合には、評価値の大きい順に、各画像データをソートして、事例画面ファイルに格納する。
【0101】
次に、本実施例に係る端末装置30の処理手順の一例について説明する。図18は、本実施例に係る端末装置の処理手順を示すフローチャートである。図18に示すように、この端末装置30は、指導員から撮影指示を受け付けると(ステップS101)、画像データを撮影する(ステップS102)。
【0102】
端末装置30は、歩数を取得し(ステップS103)、歩数を更新する(ステップS104)。端末装置30は、各種操作を受け付ける(ステップS105)。たとえば、各種操作は、拡大操作や、コメントの書き込みに対応する。
【0103】
端末装置30は、記録画像ファイルに各情報を格納する(ステップS106)。たとえば、記録画像ファイルに格納する各情報は、端末ID、指導員ID、画像ID、コメント、項番、画像データ、撮影場所、歩数、拡大フラグ、コメントフラグに対応する。
【0104】
端末装置30は、撮影終了でない場合には(ステップS107,No)、ステップS101に移行する。端末装置30は、撮影終了である場合には(ステップS107,Yes)、記録画像ファイルを評価装置100に送信する(ステップS108)。
【0105】
次に、本実施例に係る評価装置100の処理手順の一例について説明する。図19は、本実施例に係る評価装置の処理手順を示すフローチャートである。図19に示すように、評価装置100の受信部131は、端末装置30から、記録画像ファイルを受信する(ステップS201)。
【0106】
受信部131は、記録画像ファイルを撮影情報テーブル125に登録する(ステップS202)。評価装置100の評価部132は、撮影情報テーブル125の各画像データの特徴情報を基にして、各画像IDの評価値を算出する(ステップS203)。評価部132は、評価テーブル126を更新する(ステップS204)。
【0107】
次に、本実施例に係る評価装置100の効果について説明する。評価装置100は、画像データを撮影する指導員の操作の特徴情報を基にして、各画像データの評価値を算出する。これにより、参考にするべきコンテンツであるか否かを評価することができる。この方法により評価することで、画像データを撮影した指導員等が、蓄積された各画像データを参照して画像データを評価する手間を無くすことができる。なお、本実施例ではコンテンツの一例として、画像データを用いて説明したが、これに限定されるものではなく、動画データであってもよい。
【0108】
評価装置100は、チェック項目に対応する画像データを、端末装置30に通知する場合に、評価値の高い画像データを優先して、端末装置30に通知する。これにより、審査基準を理解するために、指導員が農場の管理者に参考にさせるべき画像データであるか否かを自動的に評価することができる。
【0109】
評価装置100は、指導員の撮影時の歩数があまり増えていない間(同一場所)の撮影回数が多い画像データのグループについて、撮影回数の少ない画像データのグループと比較して、高い評価値を与える。同一場所において、撮影回数が多い場合には、画像データには、審査基準に関連した重要なポイントが含まれていると言えるので、画像データの評価値を適切に設定することができる。
【0110】
評価装置100は、拡大操作が行われた画像データに対して、拡大操作が行われていない画像データよりも、評価値に加算する値を大きくする。拡大操作を行った画像データには、審査基準に関連した重要なポイントが含まれていると言えるので、画像データの評価値を適切に設定することができる。
【0111】
評価装置100は、コメントが書き込まれた画像データに対して、コメントの書き込みが行われていない画像データよりも、評価値に加算する値を大きくする。コメントが書き込まれた画像データは、審査基準における良い例である場合が多いため、画像データの評価を適切に設定することができる。
【0112】
評価装置100は、画像データを撮影した指導員が熟練者であるか否かに応じて、評価値を補正する処理を行う。これにより、熟練者の撮影した画像データの評価値をより大きくすることができ、評価値がより適切なものとなる。
【0113】
なお、評価装置100は、その他の処理を行うことで、画像データに評価値を設定してもよい。たとえば、評価装置100の評価部132は、指導員が撮影位置を変えないで、撮影角度をかえつつ、何度も撮影している場合に、より大きな評価値を画像データに与えてもよい。この処理を行う場合には、端末装置30は、画像データが撮影される度に、GPS(Global Positioning System)機能を用いて、撮影位置の情報を取得し、記録画像ファイルに撮影位置の情報を含めて、評価装置100に送信するものとする。評価装置100は、撮影位置の情報が含まれた記録画像ファイルの情報を、撮影情報テーブル125に登録しておく。
【0114】
評価装置100は、撮影情報テーブル125を参照して、撮影位置の変化が閾値未満となる一連のレコードの集まりを特定し、特定したレコードの集まりについて、最初のレコードに対応する歩数と、最後のレコードに対応する歩数との差分が閾値以上である場合に、かかるレコードに属する画像データの評価値により大きな評価値を与える。すなわち、評価部132は、撮影位置は変わらず、歩数が閾値以上増加している場合に、撮影角度をかえつつ、何度も撮影していると判定する。たとえば、評価部133は、画像データが、上記の条件(撮影角度を変えつつ、何度も撮影しているという条件)を満たす場合に、式(1)により算出される値に、第3補正値を加える。第3補正値は予め設定されているものとする。
【0115】
次に、上記実施例に示した評価装置100と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例について説明する。図20は、評価装置と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0116】
図20に示すように、コンピュータ200は、各種演算処理を実行するCPU201と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置202と、ディスプレイ203とを有する。また、コンピュータ200は、記憶媒体からプログラム等を読み取る読み取り装置204と、有線または無線ネットワークを介して収録機器等との間でデータの授受を行うインターフェース装置205とを有する。また、コンピュータ200は、各種情報を一時記憶するRAM206と、ハードディスク装置207とを有する。そして、各装置201~207は、バス208に接続される。
【0117】
ハードディスク装置207は、受信プログラム207a、評価プログラム207b、表示制御プログラム207cを有する。CPU201は、各プログラム207a~207cを読み出してRAM206に展開する。
【0118】
受信プログラム207aは、受信プロセス206aとして機能する。評価プログラム207bは、評価プロセス206bとして機能する。表示制御プログラム207cは、表示制御プロセス206cとして機能する。
【0119】
受信プロセス206aの処理は、受信部131の処理に対応する。評価プロセス206bの処理は、評価部132の処理に対応する。表示制御プロセス206cの処理は、表示制御部133の処理に対応する。
【0120】
なお、各プログラム207a~207cについては、必ずしも最初からハードディスク装置507に記憶させておかなくても良い。例えば、コンピュータ200に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、DVD、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ200が各プログラム207a~207cを読み出して実行するようにしても良い。
【符号の説明】
【0121】
30a,30b 端末装置
35a,35b カメラ
100 評価装置
110 通信部
120 記憶部
121 JGAP基準データ
122 条件テーブル
123 指導員テーブル
124 検査テーブル
125 撮影情報テーブル
126 評価テーブル
130 制御部
131 受信部
132 評価部
133 表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20