(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】シール剤吐出装置
(51)【国際特許分類】
B05C 5/00 20060101AFI20220622BHJP
B05C 17/005 20060101ALI20220622BHJP
F16L 37/12 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B05C17/005
F16L37/12
(21)【出願番号】P 2018192786
(22)【出願日】2018-10-11
【審査請求日】2021-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】特許業務法人青海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 洋平
【審査官】吉川 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-150537(JP,A)
【文献】特開2016-030242(JP,A)
【文献】特表2009-539607(JP,A)
【文献】特開2012-020763(JP,A)
【文献】特開2007-192287(JP,A)
【文献】特開2001-304469(JP,A)
【文献】特開昭57-051091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00 - 5/04
B05C 17/00 - 17/015
B05D 1/26
F16L 37/00 - 37/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側にネジ溝が設けられた突出部が先端に形成され、内部にシール剤が収容されたカートリッジと、
前記突出部内に挿入される末端部が形成されたノズル部と、
前記突出部が挿通され、前記突出部が挿通される先端方向に向かって内径が漸減する第1テーパ部を有するカートリッジ受け部と、
を備えるシール剤吐出装置。
【請求項2】
前記第1テーパ部は、
最大内径が前記突出部の先端の外径よりも大きく、最小内径が前記突出部の先端の外径よりも小さい請求項1に記載のシール剤吐出装置。
【請求項3】
前記突出部は、
前記先端方向に向かって内径が漸増する第2テーパ部と、前記第2テーパ部よりも前記先端方向側であって、前記第2テーパ部と連続する第1大径部とを備え、
前記ノズル部は、
前記先端方向に向かって外径が漸増する第3テーパ部と、前記第3テーパ部よりも前記先端方向側であって、前記第3テーパ部と連続する第2大径部とを備える請求項1または2に記載のシール剤吐出装置。
【請求項4】
前記ノズル部を、移動可能に保持するノズルチャックを備える請求項1から3のいずれか1項に記載のシール剤吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シール剤吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シール剤吐出装置は、カートリッジ内に収容されたシール剤を対象物に塗布する(特許文献1参照)。シール剤吐出装置では、カートリッジ内に収容されたシール剤を使い切った場合、新しいカートリッジに交換するようになされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
交換可能なカートリッジは、先端にネジ溝が形成されている。そして、カートリッジを交換する際、作業者は、シール剤吐出装置のノズルまたはノズルアダプタにカートリッジをねじ込む必要がある。したがって、カートリッジの交換に手間がかかるといった問題があった。
【0005】
本発明は、カートリッジの交換を容易にすることが可能なシール剤吐出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のシール剤吐出装置は、内側にネジ溝が設けられた突出部が先端に形成され、内部にシール剤が収容されたカートリッジと、前記突出部内に挿入される末端部が形成されたノズル部と、前記突出部が挿通され、前記突出部が挿通される先端方向に向かって内径が漸減する第1テーパ部を有するカートリッジ受け部と、を備える。
【0007】
前記第1テーパ部は、最大内径が前記突出部の先端の外径よりも大きく、最小内径が前記突出部の先端の外径よりも小さいとよい。
【0008】
前記突出部は、前記先端方向に向かって内径が漸増する第2テーパ部と、前記第2テーパ部よりも前記先端方向側であって、前記第2テーパ部と連続する第1大径部とを備え、前記ノズル部は、前記先端方向に向かって外径が漸増する第3テーパ部と、前記第3テーパ部よりも前記先端方向側であって、前記第3テーパ部と連続する第2大径部とを備えるとよい。
【0009】
前記ノズル部を、移動可能に保持するノズルチャックを備えるとよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カートリッジの交換を容易にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】シール剤吐出装置の構成を説明する図である。
【
図4】カートリッジ受け部、カートリッジおよびノズルアダプタの詳細な構成を説明する図である。
【
図5】カートリッジの取り付けについて説明する図である。
【
図6】カートリッジの取り外しについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0013】
図1は、シール剤吐出装置1の構成を説明する図である。なお、
図1中、信号の流れを破線の矢印で示す。
【0014】
図1に示すように、シール剤吐出装置1は、シールガン2、ロボットアーム3および制御装置4を含んで構成される。シールガン2は、制御装置4の制御に基づいて、対象物100にシール剤を吐出および塗布する。なお、シールガン2の構成について、詳しくは後述する。
【0015】
ロボットアーム3は、複数の関節を有し、先端にシールガン2が固定されている。ロボットアーム3は、関節にアクチュエータがそれぞれ設けられている。ロボットアーム3は、制御装置4の制御に基づいてアクチュエータを駆動することで、シールガン2を任意の位置および速度で移動させる。
【0016】
制御装置4は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含むマイクロコンピュータでなる。制御装置4は、ROMに格納されたプログラムをRAMに展開して実行することで、移動制御部10、吐出制御部12およびカートリッジ交換制御部14として機能する。
【0017】
移動制御部10は、ロボットアーム3の各関節に設けられたアクチュエータの駆動制御を行う。これにより、ロボットアーム3は、シールガン2を任意の位置および速度で移動させることができる。
【0018】
吐出制御部12は、シールガン2から対象物100に対して吐出させるシール剤の吐出量を制御する。
【0019】
カートリッジ交換制御部14は、シールガン2のカートリッジ24(
図2参照)を交換する際に、シールガン2、ロボットアーム3およびロボットハンド5(
図5、
図6参照)を駆動制御する。
【0020】
図2は、シールガン2の構成を説明する図である。
図3は、シールガン2の部分断面図である。なお、
図2では、計測器33から照射されるレーザーを一点鎖線で示している。また、
図3では、断面で示している部分についてハッチングを施している。
【0021】
図2および
図3に示すように、シールガン2は、支持板21、レール22、カートリッジ受け部23、カートリッジ24、ノズルチャック25、ノズルアダプタ26、ノズル27、アクチュエータ28、ロッド29、プッシャー30および押さえプレート31を含んで構成される。
【0022】
なお、以下では、プッシャー30が移動する方向(ノズルアダプタ26およびノズル27が延在する方向)を摺動方向として説明する。また、摺動方向において、プッシャー30が押し込まれる方向(アクチュエータ28からノズル27に向かう方向)を先端方向とし、プッシャー30が引き戻される方向(ノズル27からアクチュエータ28に向かう方向)を末端方向として説明する。
【0023】
支持板21は、摺動方向に直交する方向に延在する板状に形成されている。支持板21の中央には、摺動方向に貫通する貫通孔21aが形成されている。支持板21は、ロボットアーム3の先端に支持されている。つまり、シールガン2は、支持板21を介してロボットアーム3に支持されている。
【0024】
支持板21の下面21bには、レール22が2つ固定されている。2つのレール22は、支持板21において貫通孔21aを挟んで対称の位置に設けられ、摺動方向に延在している。
【0025】
2つのレール22は、先端方向の端部にカートリッジ受け部23が固定されている。カートリッジ受け部23の中央には、摺動方向に貫通する貫通孔23aが形成されている。貫通孔23aには、カートリッジ24が支持板21側から挿入される。
【0026】
カートリッジ24は、円筒形状に形成されるとともに、先端部24aが半球状に形成されている。また、先端部24aの中央には、円筒形状に突出した突出部24bが形成されている。
【0027】
カートリッジ24の内部には、シール剤Sが収容されている。また、カートリッジ24には、プランジャ24cが摺動方向に移動可能に設けられている。カートリッジ24は、プランジャ24cとともにシール剤Sを密閉する。シール剤Sは、例えば、異なる2液が混合することにより硬化する2液混合型のシール剤である。なお、本実施形態においてシールガン2は、カートリッジ24に収容されたシール剤Sがなくなった場合、カートリッジ24ごと交換するようになされている。また、カートリッジ24は、汎用性のものを用いている。
【0028】
カートリッジ受け部23の貫通孔23aは、カートリッジ24の先端部24aの形状に合わせて半球状に窪んだカートリッジ受け溝23bが形成されている。また、カートリッジ受け溝23bの中央には、先端方向に向けて第1テーパ部23cが形成されている。なお、貫通孔23aの形状について、詳しくは後述する。
【0029】
カートリッジ受け部23の下面23dには、ノズルチャック25が固定されている。ノズルチャック25は、摺動方向に貫通する貫通孔25aが形成されている。貫通孔25aの軸中心は、カートリッジ受け部23の貫通孔23aの軸中心と同軸上に位置している。ノズルチャック25の貫通孔25aには、ノズルアダプタ26が挿通されている。
【0030】
ノズルアダプタ26は、円筒形状に形成されている。ノズルアダプタ26における末端方向の末端部26aは、カートリッジ24の突出部24b内に挿入されている。また、ノズルアダプタ26は、摺動方向に貫通した貫通孔26bが形成されている。貫通孔26bは、カートリッジ24の内部空間と連通している。なお、末端部26aの形状について、詳しくは後述する。
【0031】
ノズルチャック25の貫通孔25aの内壁面には、複数のボール溝25bが形成されている。また、ノズルアダプタ26の外周面には、ノズルチャック25のボール溝25bと対向する位置にそれぞれボール溝26cが形成されている。ボール溝26cは、ボール溝25bよりも摺動方向に長く形成されている。ボール溝25bとボール溝26cとの間には、ボール26dが配置されている。ノズルアダプタ26は、ボール26dを介してノズルチャック25に、摺動方向に移動可能に支持されている。
【0032】
ノズルアダプタ26は、先端方向の端部に、ノズル27が接続されている。ノズル27は、摺動方向に貫通した貫通孔27aが形成されており、全体として円筒形状に形成されている。貫通孔27aは、ノズルアダプタ26の貫通孔26bと連通している。
【0033】
ノズル27は、先端方向の先端部27bに、摺動方向に対して傾斜した傾斜面27cを有する。また、先端部27bは、先端が2つに切り欠かれたようなV字形状に形成されている。
【0034】
支持板21の上面21cには、アクチュエータ28が固定されている。アクチュエータ28は、支持板21の貫通孔21aに先端が挿入されるように固定されている。アクチュエータ28の内部には、ロッド29が摺動方向に移動可能に収容されている。アクチュエータ28は、吐出制御部12およびカートリッジ交換制御部14の制御に基づいて駆動し、ロッド29を摺動方向に移動させる。
【0035】
ロッド29の先端には、プッシャー30が取り付けられている。プッシャー30は、カートリッジ24の内径よりも小さい直径の半球状に形成されている。プッシャー30は、ロッド29の移動に伴って、カートリッジ24のプランジャ24cを先端方向に押圧する。
【0036】
また、プッシャー30の内部には、先端側(プランジャ24c側)に連通した空間が形成されている。プッシャー30は、内部に形成された空間が不図示の真空ポンプに接続されている。プッシャー30は、真空ポンプが駆動することにより、プランジャ24cを吸引可能である。
【0037】
2つのレール22は、押さえプレート31に挿通されている。押さえプレート31は、摺動方向に直交する方向に延在する板状に形成されている。押さえプレート31は、レール22が挿通される貫通孔31aが形成されており、レール22に沿って移動可能である。また、押さえプレート31は、プッシャー30の外径よりも大きく、かつ、カートリッジ24の外径よりも小さい直径を有する貫通孔31bが摺動方向に沿って形成されている。
【0038】
押さえプレート31は、不図示のアクチュエータを介して制御装置4に移動制御され、先端方向に移動することで、カートリッジ24をカートリッジ受け部23とともに挟持する。
【0039】
このような構成でなるシールガン2は、吐出制御部12の制御に基づいてプッシャー30が先端方向に移動されると、カートリッジ24の内部に収容されたシール剤Sがプランジャ24cを介して押圧される。そうすると、シール剤Sは、プッシャー30による押圧力によって、貫通孔26bおよび貫通孔27aを通って、ノズル27の先端部27bから対象物100に対して吐出、塗布される。
【0040】
また、シールガン2には、計測器支持部32、計測器33およびノズル支持部34が設けられている。計測器支持部32は、カートリッジ受け部23の先端方向側に固定されている。計測器支持部32の先端には、計測器33が固定されている。
【0041】
計測器33は、レーザーを発射するとともに、発射したレーザーを受光することで、レーザーが反射した位置までの距離が計測可能な測距センサである。計測器33は、ノズル27の先端部27b、より詳しくは、ノズル27から吐出されたシール剤Sに向けてレーザーを照射する。
【0042】
また、計測器33は、制御装置4に接続されており、計測結果を制御装置4に出力する。制御装置4(吐出制御部12、
図1参照)は、ノズル27から吐出されたシール剤Sまでの距離を受信することにより、シール剤Sの吐出量を把握可能である。
【0043】
ノズル支持部34は、一端が計測器支持部32に固定されているとともに、他端がノズル27に係止されている。これにより、ノズル支持部34は、ノズル27を保持する。
【0044】
図4は、カートリッジ受け部23、カートリッジ24およびノズルアダプタ26の詳細な構成を説明する図である。なお、
図4においては、カートリッジ受け部23、カートリッジ24およびノズルアダプタ26の一部を拡大して示している。
【0045】
図4に示すように、カートリッジ24の突出部24bは、摺動方向において先端方向に向かって外径が漸減するテーパ形状に形成されている。また、突出部24bは、摺動方向に貫通した内部(内側)が第2テーパ部24dと第1大径部24eとに分かれている。
【0046】
第2テーパ部24dは、摺動方向において先端方向に向かって内径が漸増しており、ネジ溝が形成されている。第1大径部24eは、第2テーパ部24dよりも先端方向側であって、第2テーパ部24dと連続するように形成されている。
【0047】
第1大径部24eは、第2テーパ部24dにおける第1大径部24eと連続する位置での内径よりも大きい内径となるように形成されている。第1大径部24eは、摺動方向に亘って同一の直径に形成されている。
【0048】
ノズルアダプタ26の末端部26aは、第3テーパ部26eと第2大径部26fとに分かれている。第3テーパ部26eは、摺動方向において末端方向に向かって外径が漸減している。なお、第3テーパ部26eのテーパ角度は、カートリッジ24の第2テーパ部24dのテーパ角度と同一または略同一である。
【0049】
第3テーパ部26eにおける最も末端方向の端部の外径は、第2テーパ部24dにおいて最も小さい内径よりも小さい。また、第3テーパ部26eにおける最も先端方向側の端部の外径は、第2テーパ部24dにおいて最も大きい内径よりも大きい。したがって、カートリッジ24がノズルアダプタ26に挿入される際に、カートリッジ24の第2テーパ部24dがノズルアダプタ26の第3テーパ部26eに当接することになる。これにより、シールガン2では、カートリッジ24をねじ込む必要がなく、カートリッジ24の交換を容易に行うことができる。また、カートリッジ24をねじ込まなくても、シール剤Sを吐出する際に、カートリッジ24とノズルアダプタ26との間でシール剤Sが漏れてしまうことを抑制することができる。
【0050】
第2大径部26fは、第3テーパ部26eにおける第2大径部26fと連続する位置での外径よりも大きい外径となるように形成されている。また、第2大径部26fは、カートリッジ24の第1大径部24eの内径と同一または略同一の外径に形成されている。第2大径部26fは、摺動方向に亘って同一の直径に形成されている。したがって、カートリッジ24がノズルアダプタ26に挿入される際に、カートリッジ24の第1大径部24eがノズルアダプタ26の第2大径部26fに当接することになる。これにより、シールガン2では、カートリッジ24をねじ込まなくても、シール剤Sを吐出する際に、カートリッジ24とノズルアダプタ26との間でシール剤Sが漏れてしまうことを抑制することができる。
【0051】
カートリッジ受け部23の第1テーパ部23cは、摺動方向において先端方向に向かって内径が漸減している。また、第1テーパ部23cにおける末端方向側の端部の内径(最大内径)は、カートリッジ24の突出部24bの先端方向側の端部の外径よりも大きい。また、第1テーパ部23cにおける先端方向側の端部の内径(最小内径)は、カートリッジ24の突出部24bの先端方向側の端部の外径よりも小さい。したがって、カートリッジ24がノズルアダプタ26に挿入される際に、カートリッジ24の突出部24bは、カートリッジ受け部23の第1テーパ部23cに当接し、径方向内側に向かう力が作用する。これにより、カートリッジ24の第1大径部24eがノズルアダプタ26の第2大径部26fに押し付けられることになり、カートリッジ24とノズルアダプタ26との間でシール剤Sが漏れてしまうことをさらに抑制することができる。
【0052】
次に、カートリッジ24の取り付け、および、取り外しについて説明する。
図5は、カートリッジ24の取り付けについて説明する図である。上記したように、シールガン2では、カートリッジ交換制御部14(
図1参照)の制御に基づいて、カートリッジ24が取り付けられる。
【0053】
具体的には、
図5(a)に示すように、カートリッジ交換制御部14は、ロボットハンド5によってカートリッジ24を保持させる。そして、カートリッジ交換制御部14は、ロボットハンド5を制御し、カートリッジ24の突出部24bをノズルアダプタ26の末端部26aに差し込む。なお、ここでは、カートリッジ24の突出部24bの一部がノズルアダプタ26の末端部26aに差し込まれる程度である。
【0054】
その後、カートリッジ交換制御部14は、
図5(b)に示すように、ロボットハンド5の保持力を弱めるとともに、押さえプレート31を先端方向側に移動させる。このとき、ロボットハンド5の保持力が弱められていることにより、カートリッジ24はロボットハンド5に対して滑るようにして移動する。そして、
図5(c)に示すように、押さえプレート31の押し込み力によって、カートリッジ24がノズルアダプタ26に差し込まれる。
【0055】
その後、カートリッジ交換制御部14は、ロボットハンド5をカートリッジ24から離すことにより、カートリッジの取り付けを終了する。
【0056】
図6は、カートリッジ24の取り外しについて説明する図である。上記したように、シールガン2では、カートリッジ交換制御部14の制御に基づいて、カートリッジ24が取り外される。
【0057】
具体的には、
図6(a)に示すように、カートリッジ交換制御部14は、まず、押さえプレート31を末端方向側に移動させる。そして、カートリッジ交換制御部14は、
図6(b)に示すように、ノズルアダプタ26の突起部26gにロボットハンド5を引っ掛け、ロボットハンド5を末端方向側に移動させる。そうすると、ノズルアダプタ26とともにカートリッジ24が末端方向側に移動し、カートリッジ受け部23に対してカートリッジ24が離隔する。なお、この段階では、カートリッジ24がノズルアダプタ26にはめ込まれた状態のままである。
【0058】
その後、カートリッジ交換制御部14は、
図6(c)に示すように、ロボットハンド5によってカートリッジ24を保持させる。そして、カートリッジ交換制御部14は、プランジャ24cの内部空間に接続された真空ポンプを駆動させた後、アクチュエータ28を駆動させてプッシャー30を末端方向側に移動させる。これにより、カートリッジ24がノズルアダプタ26から外される。
【0059】
その後、カートリッジ交換制御部14は、
図6(d)に示すように、真空ポンプを停止させ、アクチュエータ28を駆動させてプッシャー30を末端方向側にさらに移動させ、カートリッジ24の取り外しを終了する。
【0060】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0061】
なお、上記実施形態において、ノズルアダプタ26およびノズル27が別体として設けられるようにした場合について説明した。しかしながら、ノズルアダプタ26およびノズル27はノズル部として一体に形成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、シール剤吐出装置に利用できる。
【符号の説明】
【0063】
1 シール剤吐出装置
24 カートリッジ
26 ノズルアダプタ(ノズル部)
27 ノズル(ノズル部)