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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】情報提示システム
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20220622BHJP
   G09B 27/08 20060101ALI20220622BHJP
   G09B 5/02 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
G09B29/00 Z
G09B27/08
G09B5/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018239319
(22)【出願日】2018-12-21
(65)【公開番号】P2020101656
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-05-13
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】五島 安芸子
(72)【発明者】
【氏名】清田 信行
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-182555(JP,A)
【文献】特開2016-206622(JP,A)
【文献】特開2006-043093(JP,A)
【文献】特開2011-018001(JP,A)
【文献】米国特許第05945985(US,A)
【文献】特開2003-098955(JP,A)
【文献】特開2016-7046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B23/00-29/14
G01C21/00-21/36
G01C23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地域地図が表された地図体と、ベース装置と、前記ベース装置と通信可能で通信しない状態でも情報提示可能な可搬型情報処理装置とを備える情報提示システムであって、
前記可搬型情報処理装置は、
地図表示情報、並びに、地域のそれぞれに関連付けて地域のそれぞれの特徴的なコンテンツの情報が記憶された記憶ユニットと、
画像を表示する表示ユニットと、
前記表示ユニットにおける表示画像を、前記記憶ユニット内の記憶内容を参照しつつ制御するとともに、その制御の一環として、前記ベース装置と前記可搬型情報処理装置とが通信しているか否かにかかわらず、初期の地図として遷移可能な地図を表示させる制御ユニットと、を備え、
前記制御ユニットは、
前記ベース装置と前記可搬型情報処理装置とが通信している状態で、利用者により指定された前記地図体上の位置に対応した情報を取得した場合に、前記取得した情報に基づいて、前記指定された地図体上の地図位置を中央部付近とする地図表示を含む表示画像へ遷移させる制御と、
前記ベース装置と前記可搬型情報処理装置とが通信しているか否かにかかわらず、前記表示ユニットにおける表示地図上の地図位置が利用者により指定された場合に、前記指定された表示地図上の地図位置を中央部付近とする地図表示を含む表示画像へ遷移させる制御と、を行うとともに、
前記可搬型情報処理装置は、利用者が選択した地域に関連する新たなコンテンツの情報を収集する収集ユニット、を更に備え、
前記制御ユニットは、前記新たなコンテンツの情報を、対応する地域の特徴的なコンテンツの情報として、前記記憶ユニット内に追加登録する制御を更に行う、
ことを特徴とする情報提示システム。
【請求項2】
前記地図体の表面には、地域地図表示と、予め定められた格子密度で前記地図体の表面に配置され、格子配置位置に対応する情報の表示とが印刷されており、
前記ベース装置は、利用者が選択した前記地図体の表面の位置の近傍の情報を読み取り、前記読み取られた情報を前記可搬型情報処理装置へ向けて出力する情報読取ユニットを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提示システム。
【請求項3】
前記地図体は球状に構成され、
前記地図体には、前記地域として国及びその他の地域が表示され、
前記ベース装置は、前記地図体の回転位置を検出する回転位置検出ユニット、を更に備え、
前記制御ユニットは、地球半球地図表示時には、前記回転位置検出ユニットによる検出結果に応じた地球半球地図を前記表示ユニットに表示させる制御を行う、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報提示システム。
【請求項4】
前記ベース装置は、前記地図体を回転駆動する回転駆動ユニット、を更に備え、
前記制御ユニットは、前記表示ユニットにおける表示地図上の位置が利用者により指定されると、前記指定された表示地図上の位置に対応する前記地図体上の位置が、想定される利用者の視野内に入る回転位置とさせる制御を前記ベース装置に対して行い、
前記ベース装置では、前記回転駆動ユニットを利用して、前記地図体の回転位置を回転駆動する、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報提示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図上の任意の場所を指示すると、指示した場所に関する情報が、利用者に提示される技術が提案されている。こうした提案技術の一つとして、指示した場所に対応する国等に関する情報を、音声で利用者に提示する技術がある(特許文献1参照、以下、「従来例」という)。
【0003】
かかる従来例の技術における一態様では、球状の地図体の表面に、(a)可視的な世界地図と、(b)当該世界地図の視認性を損なわない態様の2次元コードが、当該地図体の表面に所定密度で印刷されている。こうした2次元コードのそれぞれには、印刷位置に対応する国又は地域の国等に関する情報が表現されている。
【0004】
そして、2次元コードの読取ユニットとしての機能を有する指示手段(2次元コードの読取ユニット:従来例ではペン型デバイス)を利用して、利用者の指定した世界地図上の位置に対応する2次元コードを読み取ると、読み取られた2次元コードにより表現された情報を音声出力手段へ送る。当該情報を受けると、音声出力手段が、当該情報を音声の態様で出力するようになっている。
【0005】
なお、2次元コードにより表現された情報に含まれる複数種類の情報の中からどの種類の情報を利用者に提示するかは、メニュー選択されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第3863155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来例の技術では、音声の態様で、利用者の指定した世界地図上の位置に対応して2次元コードで表現された情報を利用者に提示するようになっている。ここで、世界地図上の任意の位置で、対応する2次元コードを読み取れるようにするためには、当該2次元コードのそれぞれが占める面積を大きくすることが必要であるが限界が有り、当該2次元コードのそれぞれで表現できる情報量には限界があった。この結果、利用者に提示される情報にも限界があった。
【0008】
ところで、国等のそれぞれに関する様々な画像情報を記憶デバイスに記憶しておき、画像を含めた態様で利用者に提示することができれば、利用者に提示できる情報を飛躍的に増やすことができる。こうした情報提示ができれば、利用者にとっての利便性を向上させることができる。
【0009】
また、従来例の技術では、国等のそれぞれに関する情報を提示するためには、通常の地球儀程度の大きさを有する地図体が必須である。このため、様々な場所で情報の提示をするためには、地図体、指示手段及び音声出力手段の全てを一緒に移動させることが必要であった。これに対し、地図体がある場合ほどの楽しみ方はできなくとも、可搬型の装置のみによっても、国等のそれぞれに関する情報を提示することができれば、利用者にとっての利便性を向上させることができる。
【0010】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、地域に関する情報の提示に際し、利用者の利便性を向上させることができる情報提示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の手段は、 地域地図が表された地図体と、ベース装置と、前記ベース装置と通信可能で通信しない状態でも情報提示可能な可搬型情報処理装置とを備える情報提示システムであって、
前記可搬型情報処理装置は、
地図表示情報、並びに、地域のそれぞれに関連付けて地域のそれぞれの特徴的なコンテンツの情報が記憶された記憶ユニットと、
画像を表示する表示ユニットと、
前記表示ユニットにおける表示画像を、前記記憶ユニット内の記憶内容を参照しつつ制御するとともに、その制御の一環として、前記ベース装置と前記可搬型情報処理装置とが通信しているか否かにかかわらず、初期の地図として遷移可能な地図を表示させる制御ユニットと、を備え、
前記制御ユニットは、
前記ベース装置と前記可搬型情報処理装置とが通信している状態で、利用者により指定された前記地図体上の位置に対応した情報を取得した場合に、前記取得した情報に基づいて、前記指定された地図体上の地図位置を中央部付近とする地図表示を含む表示画像へ遷移させる制御と、
前記ベース装置と前記可搬型情報処理装置とが通信しているか否かにかかわらず、前記表示ユニットにおける表示地図上の地図位置が利用者により指定された場合に、前記指定された表示地図上の地図位置を中央部付近とする地図表示を含む表示画像へ遷移させる制御と、を行うとともに、
前記可搬型情報処理装置は、利用者が選択した地域に関連する新たなコンテンツの情報を収集する収集ユニット、を更に備え、
前記制御ユニットは、前記新たなコンテンツの情報を、対応する地域の特徴的なコンテンツの情報として、前記記憶ユニット内に追加登録する制御を更に行う、
ことを特徴とする情報提示システムである。
ここで、「通信」のための接続のタイプは、無線、有線、電気接触(例えば、携帯電話のクレードル式充電器等)のいずれのタイプであってもよい。なお、「地域」とは、国、未承認国、地方公共団体、地方、海、山等、同じ性質をもっているなどの理由からひとまとめにされる土地や海等をいう。
【0013】
第2の手段は、第1の手段において、前記地図体の表面には、地域地図表示と、予め定められた格子密度で前記地図体の表面に配置され、格子配置位置に対応する情報の表示とが印刷されており、前記ベース装置は、利用者が選択した前記地図体の表面の位置の近傍の情報を読み取り、前記読み取られた情報を前記可搬型情報処理装置へ向けて出力する情報読取ユニットを備える、ことを特徴とする。
【0014】
第3の手段は、第1の手段又は第2の手段において、前記地図体は球状に構成され、前記地図体には、前記地域として国及びその他の地域が表示され、前記ベース装置は、前記地図体の回転位置を検出する回転位置検出ユニット、を更に備え、前記制御ユニットは、地球半球地図表示時には、前記回転位置検出ユニットによる検出結果に応じた地球半球地図を前記表示ユニットに表示させる制御を行う、ことを特徴とする。
【0015】
第4の手段は、第3の手段において、前記ベース装置は、前記地図体を回転駆動する回転駆動ユニット、を更に備え、前記制御ユニットは、前記表示ユニットにおける表示地図上の位置が利用者により指定されると、前記指定された表示地図上の位置に対応する前記地図体上の位置が、想定される利用者の視野内に入る回転位置とさせる制御を前記ベース装置に対して行い、前記ベース装置では、前記回転駆動ユニットを利用して、前記地図体の回転位置を回転駆動する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
第1の手段によれば、可搬型情報処理装置が備える制御ユニットが、ベース装置と当該可搬型情報処理装置とが通信している状態で、利用者により指定されたベース装置が備える地図体上の位置に対応した情報を取得した場合に、取得した情報に基づいて、当該指定された地図体上の地図位置を中央部付近とする地図表示を含む表示画像へ遷移させる制御を行う。この後は、例えば、利用者が、地図表示を含む表示画像に表示されたメニュー一覧の中から所望のメニューを選択する。この結果、当該所望のメニューに応じて、指定された地図体上の位置に対応した地域の特徴的なコンテンツの情報の画像を含む態様により、利用者に提示される。
また、制御ユニットが、ベース装置と可搬型情報処理装置とが通信しているか否かにかかわらず、表示ユニットにおける表示地図上の地図位置が利用者により指定された場合に、指定された表示地図上の地図位置を中央部付近とする地図表示を含む表示画像へ遷移させる。この後は、上述した地図体上の位置に対応した情報を取得した場合と同様にして、指定された地図体上の位置に対応した地域の特徴的なコンテンツの情報の画像を含む態様により、利用者に提示される。
したがって、地域のそれぞれに関する情報の提示に際して、利用者の利便性を向上させることができる。
【0018】
また、第1の手段によれば、可搬型情報処理装置が、利用者が選択した地域に関連する新たなコンテンツの情報を収集する収集ユニット、を更に備え、制御ユニットは、当該新たなコンテンツの情報を、対応する地域の特徴的なコンテンツの情報として、記憶ユニット内に追加登録する制御を更に行う構成とした場合には、利用者の趣味感に応じて、地域のそれぞれの特徴的なコンテンツの情報を豊富化することができる。この結果、可搬型情報処理装置が可搬式であるが故に、様々な場所で対応する地域の特徴的なコンテンツの情報を収集することにより、収集されたコンテンツの情報を、地図体上又は表示ユニットにおける表示地図上の情報(地域の情報)と関連付けて提示することができる。
なお、収集される情報は、画像情報であってもよいし、楽曲や街中の周囲音等の音声情報であってもよい。
【0019】
第2の手段によれば、地図体の表面には、地域地図表示と、予め定められた格子密度で地図体の表面に配置され、格子配置位置に対応する情報の表示とが印刷されており、ベース装置が、利用者が選択した地図体の表面の位置の近傍の情報を読み取り、読み取られた情報を可搬型情報処理装置へ向けて出力する情報読取ユニットを備える構成とした場合には、簡易な構成で、利用者が選択した地図体の表面の位置の近傍の情報を可搬型情報処理装置へ送ることができる。
なお、地図体の表面の位置のそれぞれの近傍の情報としては、地域の名称であってもよいし、地域における緯度及び経度であってもよい。
【0020】
第3の手段によれば、ベース装置が、地図体の回転位置を検出する回転位置検出ユニット、を更に備え、制御ユニットは、地球半球地図表示モードで動作では、回転位置検出ユニットによる検出結果に応じた地球半球地図を表示ユニットに表示させる制御を行う構成とした場合には、地図体の回転に対して、表示ユニットにおける表示画像が有機的に関連付けられるので、利用者の楽しみを広げることができる。
【0021】
第4の手段によれば、ベース装置が、地図体を回転駆動する回転駆動ユニット、を更に備え、制御ユニットは、表示ユニットにおける表示地図上の位置が利用者により指定されると、当該指定された表示地図上の位置に対応する地図体上の位置が、想定される利用者の視野内に入る回転位置とさせる制御をベース装置に対して行い、ベース装置では、回転駆動ユニットを利用して、地図体の回転位置を回転駆動する構成とした場合には、表示ユニットにおける表示画像に対して、地図体の回転が有機的に関連付けられるので、利用者の楽しみを広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る情報提示システムの外観を示す図である。
図2図1に示される情報提示システムの機能構成を示すブロック構成図である。
図3図2の処理制御ユニットが実行する情報提示処理を説明するためのフローチャートである。
図4図3の装着時地図表示処理を説明するためのフローチャートである。
図5図4の第1地図表示処理を説明するためのフローチャートである。
図6図4の第2地図表示処理を説明するためのフローチャートである。
図7図5の第1地図表示処理による表示例を示す図である。
図8図6の第2地図表示処理による表示例を示す図である。
図9図3の装着時コンテンツ提示処理による表示例を示す図である。
図10図3の非装着時地図表示処理を説明するためのフローチャートである。
図11図10の非装着時地図表示処理により表示される非装着時コンテンツ選択画面の例を示す図である。
図12図3の非装着時コンテンツ提示処理を説明するためのフローチャートである。
図13図12の非装着時コンテンツ提示処理による表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態を、図1図13を参照して説明する。なお、以下の説明及び図においては、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。なお、「地域」とは、国、未承認国、地方公共団体、地方、海、山等、地図上に表示され、同じ性質をもっているなどの理由からひとまとめにされる土地や海等をいうが、下記の実施形態では、便宜上、「地域」を狭義の意味で使用し、国として承認されない地域や、国や当該地域内の一区域を指すものとして使用することとする。
【0025】
[構成]
図1には、一実施形態に係る情報提示システム30の外観が示されている。この図1に示されるように、情報提示システム30は、可搬型情報処理装置10と、ベース装置20とを備えている。
【0026】
上記の可搬型情報処理装置10は、ベース装置20に着脱可能に装着されるようになっている。本実施形態においては、可搬型情報処理装置10には、タッチペン19が付属するようになっている。
【0027】
上記のベース装置20は、地球儀状となっている。このベース装置20は、球状の地図体21と、読取ユニット26とを備えている。
【0028】
上記の地図体21の表面には、世界地図表示と、予め定められた格子密度(例えば、5mm角)で、世界地図表示の可視性を損なわない材質のインクで、格子配置位置に対応する情報のコード表示とが印刷されており。ここで、当該インクは、可視光波長の範囲では透過性を有しているが、所定の波長の光に対しては反射性を有するようになっている。
【0029】
なお、本実施形態では、格子配置位置に対応する情報は、当該格子配置位置が含まれる国名その他の地域名(以下国名等)、及び/又は、当該格子配置位置の緯度経度の情報となっている。
【0030】
また、上記の読取ユニット26は、上述したインクにより反射される波長の光(例えば、赤外光)を射出する。当該射出光が地図体21上のコード表示により反射された光が入射すると、読取ユニット26は、入射光が形成する像を読み取る。そして、読取ユニット26は、読み取られたコード表示の情報を、可搬型情報処理装置10へ向けて出力する。
【0031】
なお、図1には、本実施形態における利用者の想定視線方向が白抜矢印により示される。すなわち、本実施形態では、地図体21の中心位置を、ベース装置20に装着された可搬型情報処理装置10の垂直上方から水平方向に視る方向を想定視線方向としている。
【0032】
図2には、情報提示システム30における可搬型情報処理装置10及びベース装置20の機能構成が示されている。
【0033】
<可搬型情報処理装置10の構成>
可搬型情報処理装置10は、図2に示されるように、処理制御ユニット11と、記憶ユニット12と、音声出力ユニット13と、集音ユニット14とを備えている。また、可搬型情報処理装置10は、表示ユニット15と、押圧位置検出ユニット16と、撮影ユニット17と、コネクタ18とを備えている。
【0034】
上記の処理制御ユニット11は、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。当該処理制御ユニット11は、プログラムを実行することにより様々な処理を実行する。そして、処理制御ユニット11が実行する処理により、情報提示システム30による情報提示機能が発揮されるようになっている。
【0035】
なお、処理制御ユニット11が実行する情報提示処理については、後述する。
【0036】
上記の記憶ユニット12は、不揮発性の記憶素子を備えて構成されている。この記憶ユニット12は、可搬型情報処理装置10において利用される様々な情報が記憶される。こうした記憶ユニット12に記憶される情報には、地図表示情報、並びに、国その他の地域(以下国等)のそれぞれに関連付けられた国等のそれぞれの特徴的なコンテンツの情報が含まれている。記憶ユニット12には、処理制御ユニット11がアクセス可能となっている。
【0037】
上記の音声出力ユニット13は、スピーカを備えて構成されている。この音声出力ユニット13は、処理制御ユニット11から送られた出力音声データを受ける。そして、音声出力ユニット13は、当該出力音声データに応じた音声を出力する。
【0038】
上記の集音ユニット14は、マイクロフォンを備えて構成されている。この集音ユニット14は、処理制御ユニット11による制御のもとで、周囲音を入力する。集音ユニット14による集音結果は、デジタルデータとして、処理制御ユニット11へ送られる。
【0039】
上記の表示ユニット15は、液晶パネル等の表示デバイスを備えて構成されている。この表示ユニット15、処理制御ユニット11から送られた表示データを受ける。そして、表示ユニット15は、当該表示データに応じた画像を表示する。
【0040】
上記の押圧位置検出ユニット16は、透明部材からなる感圧センサを備えて構成され、表示ユニット15の液晶パネル上に配置される。この押圧位置検出ユニット16は、タッチペン19、利用者の指等による押圧がなされると、押圧位置を検出する。押圧位置検出ユニット16による検出結果は、デジタルデータとして、処理制御ユニット11へ送られる。
【0041】
上記の撮影ユニット17は、カメラデバイスを備えて構成されている。この撮影ユニット17は、処理制御ユニット11による制御のもとで、周囲画像を撮影する。撮影ユニット17による撮影結果は、デジタルデータとして、処理制御ユニット11へ送られる。
【0042】
上記のコネクタ18は、ベース装置20の後述するコネクタ27と、着脱可能に嵌合するようになっている。このコネクタ18を利用することにより、可搬型情報処理装置10は、ベース装置20に着脱自在に装着できるようになっている。また、可搬型情報処理装置10(より詳しくは、処理制御ユニット11)は、コネクタ18を介して、電気接触(コネクタ接続)タイプの接続で、ベース装置20との間で情報信号の授受(通信)ができるようになっている。
【0043】
なお、処理制御ユニット11は、不図示の接続センサを利用して、可搬型情報処理装置10がベース装置20に装着されているか否かを検出できるようになっている。
【0044】
<ベース装置20の構成>
ベース装置20は、図2に示されるように、上述した地図体21及び読取ユニット26に加えて、回転位置検出ユニット22と、回転駆動ユニット23と、コネクタ27とを備えている。このベース装置20は、地図体21と一体に構成されていてもよいし、地図体21に対して着脱可能に構成されていてもよい。要は、ベース装置20が表示ユニット15と通信可能であり、ベース装置20を介して地図体21と表示ユニット15との間で情報が授受できればよい。
【0045】
上記の回転位置検出ユニット22は、地図体21の回転位置を検出する。なお、本実施形態では、上述した想定視線方向と地図体21とが交差する点が基準回転位置(例えば、緯度=0°及び経度=0°)からの相対回転角を検出するようになっている。回転位置検出ユニット22による検出結果は、回転位置情報として、可搬型情報処理装置10(より詳しくは、処理制御ユニット11)及び回転駆動ユニット23へ向けて出力される。
【0046】
上記の回転駆動ユニット23は、モータ等の回転駆動素子を備えて構成されている。この回転駆動ユニット23は、可搬型情報処理装置10(より詳しくは、処理制御ユニット11)が発行した回転指令を受ける。なお、本実施形態では、回転指令には、少なくとも基準回転位置の緯度が指定されるようになっている。
【0047】
回転駆動ユニット23は、回転指令に応じた回転を地図体21に行わせる。本実施形態では、回転駆動ユニット23は、回転位置検出ユニット22による検出結果を参照しつつ、地図体21を回転駆動する。
【0048】
なお、本実施形態では、回転駆動ユニット23による回転駆動が行われていない期間には、利用者が手動で地図体を任意に回転できるようになっている。
【0049】
上記のコネクタ27は、読取ユニット26と接続される第1端子、回転位置検出ユニット22と接続される第2端子、及び、回転駆動ユニット23と接続される第3端子を備えている。このコネクタ27に、可搬型情報処理装置10のコネクタ18が嵌勘されると、読取ユニット26、回転位置検出ユニット22及び回転駆動ユニット23と、可搬型情報処理装置10(より詳しくは、処理制御ユニット11)との間で情報信号の授受ができるようになる。
【0050】
[動作]
次に、上記のように構成された情報提示システム30の動作について、処理制御ユニット11が実行する情報提示処理に主に着目して説明する。
【0051】
処理制御ユニット11は、可搬型情報処理装置10の電源が投入されると、情報提示処理を開始する。かかる情報提示処理に際しては、図3に示されるように、まず、ステップS11において、処理制御ユニット11が、可搬型情報処理装置10がベース装置20に装着されているか否かを判定する。
【0052】
ステップS11における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS11:Y)には、処理はステップS12へ進む。このステップS12では、処理制御ユニット11が、装着時地図表示処理を行う。なお、当該装着時地図表示処理では、後述する装着時コンテンツ選択画面が表示ユニット15に表示されるようになっている。
【0053】
なお、装着時地図表示処理の詳細については後述する。
【0054】
次に、ステップS13において、処理制御ユニット11が、装着時コンテンツ提示処理を行う。かかる装着時コンテンツ提示処理に際して、処理制御ユニット11は、装着時コンテンツ選択画面又はコンテンツ提示画面に表示されたコンテンツ選択ボタンの選択に応じて、後述するようにして指定された国等の特徴的なコンテンツを提示する。
【0055】
なお、コンテンツ提示は、音声出力ユニット13及び/又は表示ユニット15を利用した音声出力及び/又は画像表示により行われる。また、コンテンツ選択ボタンの選択は、利用者が所望のコンテンツ選択ボタンの表示位置を、タッチペン19、利用者の指等による押圧することにより行われる。
【0056】
そして、指定された国等に関連するコンテンツ提示が終了すると、ステップS13の処理が終了する。この後、処理はステップS11へ戻る。
【0057】
上述したステップS11における判定の結果が否定的であった場合(ステップS11:N)には、処理はステップS14へ進む。このステップS14では、処理制御ユニット11が、非装着時地図表示処理を行う。なお、非装着時地図表示処理の詳細については後述する。
【0058】
次に、ステップS15において、処理制御ユニット11が、非装着時コンテンツ提示処理を行う。そして、指定された国等に関連するコンテンツ提示が終了すると、ステップS15の処理が終了する。この後、処理はステップS11へ戻る。
【0059】
以後、ステップS11~S15の処理が繰り返される。この結果、情報提示システム30が行われる。
【0060】
《装着時地図表示処理》
次に、ステップS12における装着時地図表示処理について説明する。
【0061】
装着時地図表示処理に際しては、図4に示されるように、まず、ステップS21において、処理制御ユニット11が、回転位置検出ユニット22により検出された地図体21の回転位置を取得する。引き続き、ステップS22において、処理制御ユニット11が、取得された回転位置に応じた地球半球地図を表示ユニット15に表示させる。
【0062】
次に、ステップS23において、処理制御ユニット11が、地図体21における地図上の位置、又は、表示ユニット15における表示地図上の位置が指定されたか否かを判定する。
【0063】
ここで、処理制御ユニット11は、地図体21における地図上の位置が指定されたか否かの判定を、読取ユニット26により読み取られたコード表示の情報を受けたか否かを判定することにより行う。また、処理制御ユニット11は、表示地図上の位置が指定されたか否かの判定を、タッチペン19、利用者の指等による押圧が、表示地図上の同一位置について所定時間(例えば、2秒)以上にわたって行われたか否かを判定することにより行う。
【0064】
なお、地球半球地図の表示中に、タッチペン19、利用者の指等による押圧位置が、画面における横方向に連続的に変化した場合には、処理制御ユニット11は、地球半球地図を東西方向に沿って変化させる。一方、地球半球地図の表示中に、タッチペン19、利用者の指等による押圧位置が、画面における縦方向に連続的に変化した場合には、処理制御ユニット11は、地球半球地図を南北方向に沿って変化させる。
【0065】
ステップS23における判定の結果が否定的であった場合(ステップS23:N)には、処理はステップ24へ進む。このステップS24では、処理制御ユニット11が、新たに地図体の回転位置を取得する。
【0066】
引き続き、ステップS25において、処理制御ユニット11が、地図体21の回転位置が変化したか否かを判定する。ステップS25における判定の結果が否定的であった場合(ステップS25:N)には、処理はステップS23へ戻る。
【0067】
ステップS25における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS25:Y)には、処理はステップS26へ進む。このステップS26では、処理制御ユニット11が、変化後の回転位置に応じた地球半球地図を表示ユニット15に表示させる。こうして、ステップS25の処理が終了すると、処理はステップS23へ戻る。
【0068】
以上のステップS21~S26の処理により、地図体21の回転に連動して、表示ユニット15における地球半球地図の表示が変化するようになっている。なお、不図示ではあるが、本実施形態では、タッチペン19、利用者の指等による押圧位置の連続的な変化に応じた地球半球地図の表示変化に連動して地図体21の回転位置を、回転駆動ユニット23を利用して変化させる制御を、処理制御ユニット11が行うようになっている。
【0069】
ステップS23における判定の結果が肯定的となると(ステップS23:Y)、処理はステップS27へ進む。このステップS27では、処理制御ユニット11が、地図上の位置の指定が、地図体21上の位置の指定であるか否かを判定する。
【0070】
ステップS27における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS27:Y)には、処理はステップS28へ進む。このステップS28では、処理制御ユニット11が、第1地図表示処理を行う。こうして、ステップS28の処理が終了すると、ステップS12の処理が終了し、処理は、上述した図3のステップS13へ進む。なお、第1地図表示処理の詳細については、後述する。
【0071】
一方、ステップS27における判定の結果が否定的であった場合(ステップS27:N)には、処理はステップS29へ進む。このステップS29では、処理制御ユニット11が、第2地図表示処理を行う。こうして、ステップS29の処理が終了すると、ステップS12の処理が終了し、処理は、図3のステップS13へ進む。なお、第2地図表示処理の詳細については、後述する。
【0072】
(第1地図表示処理)
次いで、ステップS28における第1地図表示処理について説明する。
【0073】
第1地図表示処理に際しては、図5に示されるように、ステップS31において、処理制御ユニット11が、指定された地図上の位置を含む国等が中央部位置に拡大表示された装着時コンテンツ選択画面を、表示ユニット15に表示させる。こうしてステップS31の処理が終了すると、ステップS28の処理が終了することにより、ステップS12の処理が終了し、処理は、図3のステップS13へ進む。
【0074】
(第2地図表示処理)
次に、ステップS29における第2地図表示処理について説明する。
【0075】
第2地図表示処理に際しては、図6に示されるように、ステップS41において、処理制御ユニット11が、指定位置の周辺の広域地図が拡大表示された地図を表示ユニット15に表示させる。第2地図表示処理において広域地図を表示するのは、地図体21の位置指定においては、国等の面積が指定に際して国等を正確の指定できる程度の大きさを有するのに対して、表示ユニット15における地球半球地図における国等の面積が指定に際して国等を正確の指定できる程度には大きくない場合が殆どであることによる。
【0076】
なお、国等の面積が小さく、当該拡大された広域地図においても正確な指定に困難がある国等については、当該国等を指定するためのアイコンが、当該広域地図に合わせて表示されるようになっている。
【0077】
次に、ステップS42において、処理制御ユニット11が、表示された広域地図の領域が利用者の想定視野内に入るように、地図体21を回転させる制御を行う。この結果、表示地図上の指定位置を含む広域地図の領域が、利用者の想定視野内に入るようになる。
【0078】
次いで、ステップS43において、処理制御ユニット11が、表示された広域地図上の位置の指定、又は、アイコンの選択により国等が指定されたか否かを判定する。ステップS43における判定の結果が否定的であった場合(ステップS43:N)には、ステップS43の処理が繰り返される。
【0079】
国等が指定され、ステップS43における判定の結果が肯定的となると(ステップS43:Y)、処理はステップ44へ進む。このステップS44では、上述したステップS31の場合と同様に、処理制御ユニット11が、指定された国等が中央部位置に拡大表示された装着時コンテンツ選択画面を、表示ユニット15に表示させる。こうしてステップS44の処理が終了すると、ステップS29の処理が終了することにより、ステップS12の処理が終了し、処理は、図3のステップS13へ進む。
【0080】
なお、図7には、ステップS28の第1地図表示処理による表示の遷移例が示されている。この図7に示されるように、本実施形態では、図7(A)に示される地球半球地図表示から、図7(B)に示されるモザイク上のぼかし地図表示を経て、図7(C)に示される、指定された国等(図7(C)ではイタリア国)が中央部位置に拡大表示された装着時コンテンツ選択画面に遷移するようになっている。
【0081】
ここで、図7(C)における「A」~「D」は、提示されるコンテンツの種類を選択するためのアイコンとなっている。こうした提示されるコンテンツの種類は、例えば、国等の概要情報、世界遺産、文化、後述するようにして収集されたコンテンツ等がある。
【0082】
また、図8には、ステップS28の第2地図表示処理による表示の遷移例が示されている。ここで、図8(A)には地球半球地図表示が示され、図8(B)には広域地図表示が示され、図8(C)には、指定された国等(図7(C)ではイタリア国)が中央部位置に拡大表示された装着時コンテンツ選択画面が示されている。
【0083】
図9(A)には、図7(C)又は図8(C)に示される装着時コンテンツ選択画面において、提示されるコンテンツの種類として、「世界遺産」が選択された場合に、上述したステップS13の処理により提示される表示例が示されている。また、図9(B)には、図7(C)又は図8(C)に示される装着時コンテンツ選択画面において、提示されるコンテンツの種類として、「収集されたコンテンツ(図9の場合には、ピザ画像)」が選択された場合に、上述したステップS13の処理により提示される表示例が示されている。
【0084】
なお、図9には、コンテンツ提示例として画像を示したが、画像及び/又は音声のコンテンツを提示するようにしてもよい。また、本実施形態では、コンテンツ表示時においても、他の種類のコンテンツ提示を選択することができるようになっている。
【0085】
<非装着時地図表示処理>
次に、上述した図3のステップS14における非装着時地図表示処理について説明する。なお、当初においては、表示ユニット15には、地球半球地図が表示されている。
【0086】
非装着時地図表示処理に際しては、図10に示されるように、まず、ステップS51において、処理制御ユニット11が、表示中の地球半球地図上の位置が指定されたか否かを判定する。かかる判定に際して、処理制御ユニット11は、上述した図4のステップS23の場合と同様に、表示地図上の位置が指定されたか否かの判定を、タッチペン19、利用者の指等による押圧が、表示地図上の同一位置について所定時間(例えば、2秒)以上にわたって行われたか否かを判定することにより行う。
【0087】
なお、非装着時地図表示処理においても、上述した装着時地図表示処理の場合と同様に、地球半球地図の表示中に、タッチペン19、利用者の指等による押圧位置が、画面における横方向に連続的に変化した場合には、処理制御ユニット11は、地球半球地図を東西方向に沿って変化させる。一方、地球半球地図の表示中に、タッチペン19、利用者の指等による押圧位置が、画面における縦方向に連続的に変化した場合には、処理制御ユニット11は、地球半球地図を南北方向に沿って変化させる。
【0088】
ステップS51における判定の結果が否定的であった場合(ステップS51:N)には、ステップS51の処理が繰り返される。ステップS51における判定の結果が肯定的となると(ステップS51:Y)、処理はステップS52へ進む。このステップS52では、上述したステップS41の場合と同様に、処理制御ユニット11が、指定位置の周辺の広域地図が拡大表示された地図を表示ユニット15に表示させる。
【0089】
次に、ステップS53において、上述したステップS43の場合と同様に、処理制御ユニット11が、表示された広域地図上の位置の指定、又は、アイコンの選択により国等が指定されたか否かを判定する。ステップS53における判定の結果が否定的であった場合(ステップS53:N)には、ステップS53の処理が繰り返される。
【0090】
国等が指定され、ステップS53における判定の結果が肯定的となると(ステップS53:Y)、処理はステップ54へ進む。このステップS54では、処理制御ユニット11が、指定された国等が中央部位置に拡大表示された非装着時コンテンツ選択画面を、表示ユニット15に表示させる。こうしてステップS54の処理が終了すると、ステップS14の処理が終了し、処理は、図3のステップS15へ進む。
【0091】
以上の非装着時地図表示処理により、表示画像は、上述した図8(C)の装着時コンテンツ選択画面に代えて、図11に例示される非装着時コンテンツ選択画面が表示されることを除いて、図8に示した装着時地図表示の遷移例と同様に、表示画像が遷移する。なお、非装着時コンテンツ選択画面は、装着時コンテンツ選択画面と比べて、コンテンツ情報収集アイコンが追加して表示されるようになっている。図11においては、当該アイコンが「E」として表されている。
【0092】
<非装着時コンテンツ提示処理>
次いで、ステップS15における非装着時コンテンツ提示処理について説明する。
【0093】
かかる非装着時コンテンツ提示処理に際しては、図12に示されるように、まず、ステップS61において、処理制御ユニット11が、指定された国等のコンテンツ提示処理を終了するか否かを判定する。ステップS61における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS61:Y)には、ステップS15の処理が終了する。そして、処理は、上述した図3のステップS11へ戻る。
【0094】
一方、ステップS61における判定の結果が否定的であった場合(ステップS61:N)には、処理はステップS62へ進む。このステップS62では、処理制御ユニット11が、コンテンツ情報収集アイコンが選択されたか否かを判定する。ステップS62における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS62:Y)には、処理はステップS63へ進む。
【0095】
ステップS63では、処理制御ユニット11は、利用者の指示に従って、画像及び/又は音声のコンテンツを、撮影ユニット17及び/又は集音ユニット14を制御して収集する。そして、処理制御ユニット11は、収集されたコンテンツの情報を、指定されている国等に関連付けて、記憶ユニット12内に更新登録する。こうしてステップS63の処理が終了すると、処理はステップS61へ戻る。
【0096】
上述したステップS62における判定の結果が否定的であった場合(ステップS62:N)には、処理はステップS64へ進む。このステップS64では、処理制御ユニット11が、コンテンツ選択ボタンのいずれかが選択されたか否かを判定する。ステップS64における判定の結果が否定的であった場合(ステップS64:N)には、処理はステップS61へ戻る。
【0097】
ステップS64における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS64:Y)には、処理はステップS65へ進む。このステップS64では、処理制御ユニット11が、上述したステップS13の場合と同様に、コンテンツ選択ボタンの選択に応じて、指定された国等の特徴的なコンテンツを提示する。
【0098】
図13(A)には、図11に示される非装着時コンテンツ選択画面において、提示されるコンテンツの種類として、「世界遺産」が選択された場合に、ステップS65の処理により提示される表示例が示されている。また、図13(B)には、図11に示される非装着時コンテンツ選択画面において、図11に示される装着時コンテンツ選択画面において、提示されるコンテンツの種類として、「収集されたコンテンツ(図13の場合には、ピザ画像)」が選択された場合に、ステップS65の処理により提示される表示例が示されている。
【0099】
図13(A)及び図13(B)の表示例と、上述した図9(A)及び図9(B)と比較すると判るように、非装着時コンテンツ提示画面には、装着時コンテンツ提示画面の表示加えて、コンテンツ情報収集アイコンIEが追加されて表示されるようになっている。すなわち、非装着時コンテンツ提示画面の表示中であってもコンテンツ情報収集アイコンIEを選択して、コンテンツ情報の収集を行うことができるようになっている。
【0100】
以上説明したように、本実施形態の情報提示システム10では、可搬型情報処理装置10が備える処理制御ユニット11が、ベース装置20に当該可搬型情報処理装置10が装着されている状態で、利用者により指定されたベース装置20が備える地図体21上の位置に対応した情報を取得した場合に、取得した情報に基づいて、当該指定された地図体21上の地図位置を中央部付近とする地図表示を含む表示画像へ遷移させる制御を行う。この後は、例えば、利用者が、地図表示を含む表示画像に表示されたメニュー一覧の中から所望のメニューを選択する。この結果、当該所望のメニューに応じて、指定された地図体上の位置に対応した国等の特徴的なコンテンツの情報が画像を含む態様により、利用者に提示される。
【0101】
また、処理制御ユニット11、ベース装置20に可搬型情報処理装置10が装着されているか否かにかかわらず、表示ユニット15における表示地図上の地図位置が利用者により指定された場合に、指定された表示地図上の地図位置を中央部付近とする地図表示を含む表示画像へ遷移させる。この後は、上述した地図体上の位置に対応した情報を取得した場合と同様にして、指定された地図体上の位置に対応した国等の特徴的なコンテンツの情報が画像を含む態様により、利用者に提示される。
【0102】
したがって、本実施形態によれば、国等のそれぞれに関する情報の提示に際して、利用者の利便性を向上させることができる。
【0103】
本実施形態では、地図体21の表面には、世界地図表示と、予め定められた格子密度で地図体の表面に配置され、格子配置位置に対応する情報の表示とが印刷されており、ベース装置20の読取ユニット26が、利用者が選択した地図体21の表面の位置の近傍の情報を読み取り、読み取られた情報を可搬型情報処理装置10へ向けて出力する。このため、簡易な構成で、利用者が選択した地図体21の表面の位置の近傍の情報を可搬型情報処理装置10へ送ることができる。
【0104】
また、本実施形態では、可搬型情報処理装置10が、利用者が選択した国等に関連する新たなコンテンツの情報を収集する収集ユニット14,17を備え、処理制御ユニット11は、当該新たなコンテンツの情報を、対応する国等の特徴的なコンテンツの情報として、記憶ユニット12内に追加登録する制御を更に行う。このため、利用者の趣味感に応じて、国等のそれぞれの特徴的なコンテンツの情報を豊富化することができる。
【0105】
また、本実施形態では、ベース装置20が、地図体21の回転位置を検出する回転位置検出ユニット22を更に備え、処理制御ユニット11が、地球半球地図表示時に、回転位置検出ユニット22による検出結果に応じた地球半球地図を表示ユニット15に表示させる制御を行う。このため、地図体21の回転に対して、表示ユニット15における表示画像が有機的に関連付けられるので、利用者の楽しみを広げることができる。
【0106】
また、本実施形態では、ベース装置20が、地図体を回転駆動する回転駆動ユニット23を更に備え、処理制御ユニット11が、表示ユニット15における表示地図上の位置が利用者により指定されると、当該指定された表示地図上の位置に対応する地図体21上の位置が、想定される利用者の視野内に入る回転位置とさせる制御をベース装置20に対して行う。このため、表示ユニット15における表示画像に対して、地図体21の回転が有機的に関連付けられるので、利用者の楽しみを広げることができる。
【0107】
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0108】
例えば、上記の実施形態では、可搬型情報処理装置の処理制御ユニットが、直接的にベース装置が備える読取ユニット、回転位置検出ユニット及び回転駆動ユニットとの間で情報信号の授受を行うようにした。これに対し、ベース装置に集線機能を有し、読取ユニット、回転位置検出ユニット及び回転駆動ユニットと接続された資源を設けるようにし、当該資源と当該処理制御ユニットとの通信により、当該処理制御ユニットと、読取ユニット、回転位置検出ユニット及び回転駆動ユニットとの間で情報の授受を行うようにしてもよい。
【0109】
また、ベース装置が国等のそれぞれに関連付けられた国等のそれぞれの特徴的なコンテンツの情報を記憶する大容量記憶ユニットを備えるようにし、可搬型情報処理装置が適宜、当該大容量記憶ユニットから、大容量記憶ユニットに記憶された国等のそれぞれに関連付けられた国等のそれぞれの特徴的なコンテンツの情報の所望の一部をダウンロードするようにしてもよい。
【0110】
また、上記の実施形態では、ベース装置に可搬型情報処理装置を装着するためのコネクタを介して、電気接触タイプの接続で、ベース装置と可搬型情報処理装置との間で情報の授受を行うための通信を行うようにした。これに対し、装着用のコネクタとは別途に、情報授受用のコネクタをベース装置及び可搬型情報処理装置に設けるようにし、当該情報授受用のコネクタ間を信号ケーブルで接続する有線タイプの接続で、ベース装置と可搬型情報処理装置との間で情報の授受を行うための通信を行うようにしてもよい。さらに、無線タイプの接続で、ベース装置と可搬型情報処理装置との間で情報の授受を行うための通信を行うようにしてもよい。
【0111】
また、上記の実施形態では、地図体の表面の位置の指定のために、地図体の表面の各位置に印刷されたコード情報を読取ユニットにより読み取るようにした。これに対し、地図体の表面の位置の指定のために、タッチスイッチが配置されるようにしてもよいし、トラックボール等の3次元位置指定デバイスを利用するようにしてもよい。
【0112】
また、上記実施形態では、地図体は球状に構成され、地図体には、地域として国その他の地域が表示されるようにしたが、地図体は平面的であってもよいし、また、表示される地域は一の国や当該国内の区域であってもよい。
【0113】
さらに、上記実施形態では、ベース装置に回転位置検出ユニット及び回転駆動ユニットを設け、地図体の回転位置を検出したり、地図体を回転させたりしたが、それに加えて、記憶ユニット及び音声出力ユニットと、演算や全体を統括制御する処理制御ユニットとを設けてもよい。そして、表示ユニットがベース装置に繋がっているか否かを検出し、表示ユニットがベース装置に繋がっていない状態では、読取ユニットで読み込まれたコードに基づいて、ベース装置の記憶ユニットに記憶されたデータを読み出して地域の特徴的なコンテンツの情報をベース装置の音声出力ユニットが音声出力するようにするようにし、表示ユニットがベース装置に繋がっている状態では、読取ユニットで読み込まれたコードを可搬型情報処理装置に送るようにしてもよい。この場合の電源は外部電源であってもよいし、電池等の内部電源であってもよい。
また、この場合、可搬型情報処理装置で収集した音声出力し得る情報のデータをもベース装置の記憶ユニットに記憶させさせることとしてもよい。
さらに、上記実施形態では、ベース装置と読取ユニットとを別に設けているが、ベース装置に読取ユニット、記憶ユニット及び音声出力ユニット等を組み込み、ベース装置自体を例えばペン型等にして読取手段として機能させ、そのベース装置で地図体から地域名等を読み取るようにしてもよい。この場合、ベース装置に表示ユニットをも設けて、情報を表示させることもできる。また、この場合のベース装置と可搬型情報処理装置との通信は、無線で行ってもよい。なお、ベース装置に通信ユニットを組み込む際には、回転駆動ユニって及び回転位置検出ユニットは除いてもよい。
【符号の説明】
【0114】
10 可搬型情報処理装置
11 処理制御ユニット(制御ユニット)
12 記憶ユニット
13 音声出力ユニット
14 集音ユニット(収集ユニットの一部)
15 表示ユニット
16 押圧位置検出ユニット
17 撮影ユニット(収集ユニットの一部)
18 コネクタ
19 タッチペン
20 ベース装置
21 地図体
22 回転位置検出ユニット
23 回転位置検出ユニット
26 読取ユニット
27 コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13