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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】物品保管設備
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20220622BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20220622BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
H01L21/68 T
B65G1/00 521D
H01L21/68 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019026890
(22)【出願日】2019-02-18
(65)【公開番号】P2020136440
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】508192142
【氏名又は名称】台湾大福高科技設備股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 勇
【審査官】中田 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-044015(JP,A)
【文献】特開2000-188316(JP,A)
【文献】特開2013-102235(JP,A)
【文献】特開2005-085913(JP,A)
【文献】特開平04-045333(JP,A)
【文献】特開平03-042429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
B65G 1/00
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管庫を備えた物品保管設備であって、
前記保管庫の内部に設けられ、保管用容器を収容する収容棚と、
前記保管庫の内部に設けられ、前記保管用容器が載置される第1載置部と、
前記収容棚と前記第1載置部との間で前記保管用容器を搬送する内部搬送装置と、
前記保管庫の外部に設けられ、搬送用容器が載置される第2載置部と、
入替装置と、を備え、
前記搬送用容器は、前記保管庫の外部で物品を搬送するために用いられる容器であって、複数の前記物品を収容するように構成され、
前記保管用容器は、前記保管庫の内部で前記物品を搬送及び保管するために用いられる容器であって、前記搬送用容器よりも高い収容効率で複数の前記物品を収容するように構成され、
前記入替装置は、前記第1載置部に載置された前記保管用容器と前記第2載置部に載置された前記搬送用容器との間で、前記物品の入れ替えを行うように構成され
前記保管用容器は、前記搬送用容器が収容可能な前記物品の数と同数の前記物品を収容可能であると共に、前記搬送用容器よりも体積が小さく構成されている、物品保管設備。
【請求項2】
前記搬送用容器及び前記保管用容器の双方は、平面視における外形が矩形状に形成され、前記保管用容器は、平面視における各辺の寸法及び高さ寸法のそれぞれが、前記搬送用容器のものよりも小さく形成されている、請求項1に記載の物品保管設備。
【請求項3】
前記収容棚は、前記保管用容器を収容する収容部を規定数備え、
前記規定数の前記収容部のそれぞれには、前記物品を収容した前記保管用容器である実保管用容器、及び、前記物品を収容していない前記保管用容器である空保管用容器のいずれかが収容されている、請求項1又は2に記載の物品保管設備。
【請求項4】
前記保管用容器は、前記物品の周囲を囲む箱状に形成され、
前記搬送用容器は、前記物品の周囲を囲む箱状の本体部と、前記本体部から突出するように形成された搬送用のフランジ部と、を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品保管設備。
【請求項5】
前記物品は、品質の維持のために特定成分の気体による特定雰囲気が必要な部材を備えており、
前記保管庫の内部を前記特定雰囲気とするために特定成分の気体を供給する気体供給部を更に備える、請求項1からのいずれか一項に記載の物品保管設備。
【請求項6】
前記搬送用容器は、前記保管用容器よりも気密性が高い構造である、請求項に記載の物品保管設備。
【請求項7】
前記第2載置部は、前記保管庫の外部において前記搬送用容器を搬送する外部搬送装置から、前記搬送用容器を受け取るように構成されている、請求項1からのいずれか一項に記載の物品保管設備。
【請求項8】
前記外部搬送装置は、前記入替装置によって前記物品が取り出されて空になった前記搬送用容器である空搬送用容器を、前記第2載置部から前記保管庫の外部に設けられた搬送対象場所へ搬送する、請求項に記載の物品保管設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品保管設備に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記の特許文献1(特許第4215079号公報)には、半導体露光用のレチクル(物品)を保管するための物品保管設備が開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に付す符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1の技術では、レチクルを保管するクリーンストッカ(2)に隣接して設けられた天井走行車用ロードポート(18,19)に、レチクルを収容したポッド(26)が搬送される。そして、ロードポート(18,19)からストッカ(2)の内部へと搬送されたポッド(26)から、ポッドオープナー(12)によってレチクルが取り出される。取り出されたレチクルは、レチクル搬送装置(10)によってレチクル用回転棚(4)へ収納され、空のポッド(26)は、ポッド搬送装置(8)によってポッド用回転棚(6)へ格納される。このように、ストッカ(2)の内部では、ポッド(26)から取り出されたレチクルと、空のポッド(26)とが、別々に保管されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4215079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、特許文献1の技術では、ストッカ(2)の内部において、レチクルをポッド(26)から取り出して、そのままの状態でレチクルを搬送及び保管している。そのため、ストッカ(2)の内部でのレチクルの搬送中や保管中に、レチクルの汚損等が生じる可能性があった。一方で、このようなレチクルの汚損等を抑制するため、ストッカ(2)内において、レチクルをポッド(26)に収容した状態で取り扱うことが考えられる。しかしながら、搬送のために用いるポッド(26)は、搬送装置での取り扱いを容易にするためのフランジ(28)を備える等の制約があるため、レチクルを収容する機能を確保するためだけの場合に比べて大型となる傾向にある。そのため、レチクルを、搬送用のポッド(26)に収容した状態でストッカ(2)の内部で保管するようにした場合、当該ポッド(26)の体積分の空間をストッカ(2)内において確保する必要があり、ストッカ(2)におけるレチクルの保管効率を高めるためには改善の余地があった。
【0006】
上記実状に鑑みて、物品の保管効率が高く、保管庫内での物品の汚損等が生じる可能性を低減できる物品保管設備の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る物品保管設備は、
保管庫を備えた物品保管設備であって、
前記保管庫の内部に設けられ、保管用容器を収容する収容棚と、
前記保管庫の内部に設けられ、前記保管用容器が載置される第1載置部と、
前記収容棚と前記第1載置部との間で前記保管用容器を搬送する内部搬送装置と、
前記保管庫の外部に設けられ、搬送用容器が載置される第2載置部と、
入替装置と、を備え、
前記搬送用容器は、前記保管庫の外部で物品を搬送するために用いられる容器であって、複数の前記物品を収容するように構成され、
前記保管用容器は、前記保管庫の内部で前記物品を搬送及び保管するために用いられる容器であって、前記搬送用容器よりも高い収容効率で複数の前記物品を収容するように構成され、
前記入替装置は、前記第1載置部に載置された前記保管用容器と前記第2載置部に載置された前記搬送用容器との間で、前記物品の入れ替えを行うように構成され
前記保管用容器は、前記搬送用容器が収容可能な前記物品の数と同数の前記物品を収容可能であると共に、前記搬送用容器よりも体積が小さく構成されている
【0008】
本構成によれば、保管庫において物品を保管する際には、保管庫の外部での搬送に用いられる搬送用容器よりも収容効率が高い保管用容器を用いるため、物品を搬送用容器に収容した状態のまま保管庫で保管するよりも物品の保管効率を向上させることができる。更に、本構成によれば、保管庫の内部では、物品を保管用容器に収容した状態で搬送及び保管するため、物品を容器に収容しない状態で搬送及び保管する場合に比べて、物品の汚損等が生じる可能性を低減できる。
【0009】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】物品保管設備の側面図
図2】入替装置の周辺を示す平面図
図3】搬送用容器と保管用容器との比較図
図4】特定成分の気体を供給するシステムを模式的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
物品保管設備は、物品の搬送及び保管を行う設備であり、例えば半導体製造設備に適用される。以下、物品保管設備が半導体製造設備に適用される場合を例に、図面を参照して説明する。
【0012】
〔物品保管設備の概略構成〕
図1に示すように、物品保管設備100は、上方から下方に向かって気体が流動するダウンフロー式のクリーンルーム内に設けられる。本実施形態では、物品保管設備100は、上下方向に貫通する通気孔99aを有する上床部99と、上床部99よりも下方に配置され、水平方向に沿って連続的に形成された(通気孔を有さない)下床部98と、を備えている。また、クリーンルームの天井部97には吐出口(図示せず)が設けられ、当該吐出口から下側に向けて気体が吹き出される。これにより、クリーンルーム内の気体は、上方から下方に向かって流動し、通気孔99aを通って上床部99の下方まで流動した後、上床部99と下床部98との間を水平方向に流動する。そして、上床部99と下床部98との間を流動した気体は、接続流路(図示せず)を介して天井部97の吐出口に供給される。このようにして、気体がクリーンルーム内を循環する。詳細は省略するが、接続流路にエアフィルタ等が配置されて気体が清浄化される構成であると好適である。
【0013】
物品保管設備100は、物品Wを保管するための保管庫1を備えている。ここで、物品Wは、薄板状の部材である。本実施形態では、物品Wは、露光処理に用いられるレチクル(フォトマスク)である。レチクルは、品質の維持のために、特定成分の気体による特定雰囲気が必要な部材を備えた物品Wの一例である。詳細な図示は省略するが、本例では、レチクル保護部材(いわゆるクリーンフィルタポッド)に収納された複数の物品W(レチクル)が、搬送対象及び保管対象とされる。複数の物品Wは、保管庫1の内部では、保管用容器7に収容された状態で搬送及び保管され、保管庫1の外部では、搬送用容器8に収容された状態で搬送される。なお、以下では、レチクル単体を物品Wと称することがあり、また、1つの搬送単位及び保管単位であるレチクル保護部材に収容された複数のレチクルを、物品Wと称することがある。
【0014】
物品保管設備100は、保管庫1の内部に設けられ、保管用容器7を収容する収容棚10と、保管庫1の内部において保管用容器7を搬送する内部搬送装置2と、保管庫1の外部において搬送用容器8を搬送する外部搬送装置3と、保管用容器7と搬送用容器8との間で物品Wの入れ替えを行う入替装置4と、を備えている。
【0015】
また、物品保管設備100は、保管庫1の内部に設けられ、保管用容器7が載置される第1載置部41Pと、保管庫1の外部に設けられ、搬送用容器8が載置される第2載置部42Pと、を備えている。内部搬送装置2は、収容棚10と第1載置部41Pとの間で保管用容器7を搬送する。換言すれば、第1載置部41Pは、保管庫1の内部において保管用容器7を搬送する内部搬送装置2から、保管用容器7を受け取るように構成されている。外部搬送装置3は、保管庫1の外部に設けられた搬送対象場所(例えば、半導体基板の各処理を行う処理装置等)と第2載置部42Pとの間で搬送用容器8を搬送する。換言すれば、第2載置部42Pは、保管庫1の外部において搬送用容器8を搬送する外部搬送装置3から、搬送用容器8を受け取るように構成されている。入替装置4は、第1載置部41Pに載置された保管用容器7と第2載置部42Pに載置された搬送用容器8との間で、物品Wの入れ替えを行うように構成されている。
【0016】
〔保管庫〕
図1に示すように、保管庫1は、保管庫1の内部と外部とを区画する壁体Kを備えている。保管庫1の内部には、保管用容器7を収容する収容棚10が設けられている。図示の例では、内部搬送装置2を挟んだ両側のそれぞれに、収容棚10が設けられている。収容棚10は、保管用容器7を収容する収容部13を規定数備えている。この規定数は、設備の大きさや用途に応じて任意に設定することができる。本実施形態では、規定数の収容部13のそれぞれには、物品Wを収容した保管用容器7である実保管用容器7f、及び、物品Wを収容していない保管用容器7である空保管用容器7eのいずれかが収容されている。換言すれば、保管庫1の内部において保管用容器7が搬送されている場合などを除いて、規定数の収容部13のそれぞれには、実保管用容器7f及び空保管用容器7eのいずれかが常に収容された状態となっている。
【0017】
本実施形態では、収容棚10は、上下方向に沿って配置される支柱11と、保管用容器7を下方から支持する棚板12と、を備えている。本例では、保管用容器7を収容する収容部13は、棚板12を含んで構成されている。1つの棚板12に対して1つの収容部13が設定され、当該棚板12に1つの保管用容器7が載置されるように構成されていても良い。或いは、1つの棚板12に対して複数の収容部13が設定され、当該棚板12に複数の保管用容器7が載置されるように構成されていても良い。
【0018】
支柱11は、複数本設けられており、不図示の梁部材によって複数本の支柱11が支持されている。棚板12は、支柱11及び梁部材の少なくとも一方によって支持されている。図2に示すように、本実施形態では、棚板12は、内部搬送装置2の移載装置23が上下方向に通過可能な切欠部12aを備えている。詳細は後述するが、移載装置23が棚板12の切欠部12aを上下方向に通過することで、移載装置23と棚板12との間で保管用容器7の移載が可能となっている。但し、上記のような構成に限定されることなく、棚板12は、移載装置23の移載態様に適した構成とされれば良く、切欠部12aを備えていなくても良い。
【0019】
本実施形態では、保管庫1の上部に、気体を下方へ流動させる送風装置6が設けられている。これにより、保管庫1の内部にもダウンフローが形成され、保管庫1の内部をパーティクル等が浮遊しにくい清浄な環境下とすることができる。
【0020】
〔内部搬送装置〕
内部搬送装置2は、保管庫1の内部に設けられ、保管用容器7を搬送する。内部搬送装置2は、例えば、スタッカークレーンとして構成される。
【0021】
図1に示すように、本実施形態では、内部搬送装置2は、対向配置された一対の収容棚10の間において収容棚10の幅方向(図1における紙面直交方向)に沿って設けられた内部レール2Rと、内部レール2Rに沿って走行する走行体20と、走行体20に設けられて上下方向に沿って延在するマスト21と、マスト21に沿って昇降する昇降体22と、昇降体22に設けられて保管用容器7を移載する移載装置23と、を備えている。
【0022】
移載装置23は、保管用容器7を下方から支持自在であると共にリンク機構によって出退する移載アーム23aを備えて構成されている(図2も参照)。例えば、移載アーム23aが、保管用容器7を支持した状態で棚板12の切欠部12aを上方から下方に通過することで、移載装置23は、保管用容器7を棚板12(収容部13)へ引き渡す。また、棚板12が保管用容器7を支持した状態(収容部13に保管用容器7が収容された状態)で移載アーム23aが切欠部12aを下方から上方に通過することで、移載装置23は、保管用容器7を棚板12(収容部13)から受け取る。上記のような構成により、内部搬送装置2は、収容棚10において当該収容棚10の幅方向および上下方向に沿って複数配置された収容部13との間で保管用容器7を移載可能となっている。
【0023】
〔外部搬送装置〕
外部搬送装置3は、保管庫1の外部に設けられ、搬送用容器8を搬送する。外部搬送装置3は、例えば、天井付近を走行するホイスト式の天井搬送車として構成される。
【0024】
図1に示すように、本実施形態では、外部搬送装置3は、天井に沿って設けられた外部レール3Rと、外部レール3R上を走行する走行部30と、走行部30に吊り下げ支持されて外部レール3Rの下方に配置された搬送本体部31と、を備えている。
【0025】
搬送本体部31は、カバー部31aと把持部31bとを備えている。カバー部31aは、下方が開放された形状に形成されており、把持部31b及び搬送用容器8を収容自在に構成されている。把持部31bは、搬送用容器8を把持自在であると共に、カバー部31aの内部に設定された搬送用位置と当該搬送用位置よりも下方に設定された移載用位置との間で昇降自在に構成されている。
【0026】
搬送用位置は、把持部31bがカバー部31aに収容される位置である。搬送用容器8を把持した把持部31bが搬送用位置にある状態で、走行部30が外部レール3R上を走行することで、外部搬送装置3は搬送用容器8を搬送する。移載用位置は、把持部31bがカバー部31aよりも下方に突出する位置である。移載用位置は、搬送用容器8が移載される移載対象箇所の高さに応じて設定される。把持部31bが移載用位置にある状態で、把持部31bが把持動作又は把持解除動作を行うことで、外部搬送装置3は第2載置部42Pなどの移載対象箇所との間で搬送用容器8を移載する。
【0027】
〔入替装置〕
入替装置4は、第1載置部41Pに載置された保管用容器7と第2載置部42Pに載置された搬送用容器8との間で、物品Wの入れ替えを行うように構成されている。図1及び図2に示すように、本実施形態では、第1載置部41Pと第2載置部42Pとは、入替装置4に設けられている。上述のように、第1載置部41Pは保管庫1の内部に設けられており、第2載置部42Pは保管庫1の外部に設けられている。従って、本実施形態では、入替装置4は、保管庫1の内部と外部とに亘って配置されている。換言すれば、入替装置4は、保管庫1の壁体Kを貫通するように配置されている。
【0028】
図2に示すように、本実施形態では、入替装置4は、物品Wを保持自在であると共に保管用容器7と搬送用容器8との間で物品Wを入れ替え自在に構成された入替アーム4aと、容器(保管用容器7/搬送用容器8)を開封する不図示のオープナーと、を備えている。図示の例では、入替アーム4aは、リンク機構により出退自在に構成されると共に、旋回機構により旋回自在に構成されている。入替アーム4aは、これらの機構を備えていることにより、動作範囲を小さく抑えつつ、保管用容器7と搬送用容器8との間で適切に物品Wを移動させることが可能となっている。但し、このような構成に限定されることなく、入替アーム4aは、リンク機構及び旋回機構に代えて、或いは、これらの機構に加えて、他の機構を備えていても良い。
【0029】
図1及び図2に示すように、本実施形態では、入替装置4は、保管用容器7を第1載置部41Pから入替装置4の内部へ搬送する第1搬送部41Tと、搬送用容器8を第2載置部42Pから入替装置4の内部へ搬送する第2搬送部42Tと、を更に備えている。
【0030】
本例では、第1搬送部41Tは、第1載置部41Pと、入替アーム4aによって保管用容器7に対する物品Wの入れ替えが行われる第1入替位置41Qと、の間で保管用容器7を搬送する。図示の例では、第1搬送部41Tは、保管用容器7を水平方向に沿って搬送する第1コンベヤ411Tを備えている。
【0031】
また本例では、第2搬送部42Tは、第2載置部42Pと、入替アーム4aによって搬送用容器8に対する物品Wの入れ替えが行われる第2入替位置42Qと、の間で搬送用容器8を搬送する。図示の例では、第2搬送部42Tは、搬送用容器8を上下方向に沿って搬送する第2リフタ421Tと、搬送用容器8を水平方向に沿って搬送する第2コンベヤ422Tと、を備えている。例えば、第2載置部42Pに搬送用容器8が載置された状態で、第2リフタ421Tによって搬送用容器8を第2載置部42Pから下方(入替装置4の内部)へ搬送し、第2コンベヤ422Tによって搬送用容器8を水平方向に沿って第2入替位置42Qへと搬送する。
【0032】
本例では、第1入替位置41Qと第2入替位置42Qとは同じ高さに設定されている。そして、第2入替位置42Qは、第2載置部42Pよりも下方に設定されている(図1参照)。本例では、第2リフタ421Tによって、第2載置部42Pに載置された搬送用容器8を第2入替位置42Qと同じ高さ(第1入替位置41Qと同じ高さ)に移動させることが可能となっている。これにより、搬送用容器8を第2入替位置42Qへ適切に搬送することができる。なお、第2リフタ421Tによって搬送用容器8を第2載置部42Pから下方へ搬送する際に、搬送用容器8を、物品Wが載置された基台80aとカバー80b(図3参照)とに分離するようにしても良い。この場合、第2リフタ421Tがオープナーを兼ねたものとなる。
【0033】
〔物品の入出庫〕
次に、物品Wを保管庫1に入庫する場合および物品Wを保管庫1から出庫する場合について説明する。
【0034】
物品Wを入庫する場合には、物品Wが収容された搬送用容器8である実搬送用容器8fを、外部搬送装置3によって第2載置部42Pに搬送する。第2載置部42Pに搬送された実搬送用容器8fは、第2搬送部42Tによって入替装置4の内部の第2入替位置42Qに搬送される。そして、不図示のオープナーによって実搬送用容器8fが開封される。なお、オープナーによる実搬送用容器8fの開封は、搬送用容器8が第2入替位置42Qに搬送される前に行われても良い。
【0035】
また、このような実搬送用容器8fの搬送と並行して、物品Wを収容していない保管用容器7である空保管用容器7eを、内部搬送装置2によって第1載置部41Pに搬送する。第1載置部41Pに搬送された空保管用容器7eは、第1搬送部41Tによって入替装置4の内部の第1入替位置41Qに搬送される。そして、不図示のオープナーによって空保管用容器7eが開封される。これにより、空保管用容器7eが第1入替位置41Qにおいて待機した状態とされる。なお、オープナーによる空保管用容器7eの開封は、保管用容器7が第1入替位置41Qに搬送される前に行われても良い。
【0036】
その後、第2入替位置42Qにおいて、搬送用容器8に収容されていた物品Wが入替アーム4aによって取り出される。そして、入替アーム4aは、搬送用容器8から取り出した物品Wを第2入替位置42Qから第1入替位置41Qへ移動させ、第1入替位置41Qに待機している空保管用容器7eに物品Wを収容する。
【0037】
物品Wが入替アーム4aによって空保管用容器7eに収容された後、物品Wが収容された保管用容器7である実保管用容器7fは、第1搬送部41Tによって第1入替位置41Qから第1載置部41Pへ搬送される。そして、内部搬送装置2は、第1載置部41Pに搬送された実保管用容器7fを、規定数設けられた収容部13のうち保管用容器7(実保管用容器7f/空保管用容器7e)が収容されていない収容部13に搬送する。これにより、物品Wの保管庫1への入庫が行われる。
【0038】
なお、本実施形態では、入替装置4によって物品Wが取り出されて空になった搬送用容器8である空搬送用容器8eは、第2搬送部42Tによって第2載置部42Pへ搬送される。そして、外部搬送装置3は、当該空搬送用容器8eを、第2載置部42Pから保管庫1の外部に設けられた搬送対象場所へ搬送する。これにより、現時点では物品Wを収容する必要のない空搬送用容器8eを第2載置部42P以外の場所(搬送対象場所)に退避させておくことができる。そのため、例えば保管用容器7との間で物品Wの入れ替えが必要な他の実搬送用容器8fを、第2載置部42Pに搬送することができ、設備の稼働率を向上させることができる。
【0039】
次に、物品Wを出庫する場合には、物品Wが収容された保管用容器7である実保管用容器7fを、内部搬送装置2によって収容部13から第1載置部41Pに搬送する。第1載置部41Pに搬送された実保管用容器7fは、第1搬送部41Tによって入替装置4の内部の第1入替位置41Qに搬送される。そして、不図示のオープナーによって実保管用容器7fが開封される。なお、オープナーによる実保管用容器7fの開封は、保管用容器7が第1入替位置41Qに搬送される前に行われても良い。
【0040】
また、このような実保管用容器7fの搬送と並行して、物品Wを収容していない搬送用容器8である空搬送用容器8eを、外部搬送装置3によって第2載置部42Pに搬送する。第2載置部42Pに搬送された空搬送用容器8eは、第2搬送部42Tによって入替装置4の内部の第2入替位置42Qに搬送される。そして、不図示のオープナーによって空搬送用容器8eが開封される。これにより、空搬送用容器8eが第2入替位置42Qにおいて待機した状態とされる。なお、オープナーによる空搬送用容器8eの開封は、搬送用容器8が第2入替位置42Qに搬送される前に行われても良い。
【0041】
その後、第1入替位置41Qにおいて、保管用容器7に収容されていた物品Wが入替アーム4aによって取り出される。そして、入替アーム4aは、保管用容器7から取り出した物品Wを第1入替位置41Qから第2入替位置42Qへ移動させ、第2入替位置42Qに待機している空搬送用容器8eに物品Wを収容する。
【0042】
物品Wが入替アーム4aによって空搬送用容器8eに収容された後、物品Wが収容された搬送用容器8である実搬送用容器8fは、第2搬送部42Tによって第2入替位置42Qから第2載置部42Pへ搬送される。そして、外部搬送装置3は、第2載置部42Pに搬送された実搬送用容器8fを、保管庫1の外部に設けられた搬送対象場所へ搬送する。これにより、物品Wの保管庫1からの出庫が行われる。
【0043】
〔容器〕
次に、容器(保管用容器7/搬送用容器8)について、図3を参照して説明する。
【0044】
搬送用容器8は、保管庫1の外部で物品Wを搬送するために用いられる容器であって、複数の物品Wを収容するように構成されている。上述のように、本実施形態では、物品Wはレチクルであり、複数のレチクルが、レチクル保護部材(いわゆるクリーンフィルタポッド:不図示)に収納された状態で搬送及び保管される。本実施形態では、搬送用容器8は、保管用容器7よりも気密性が高い構造となっている。これにより、搬送用容器8の容器内部を外部から遮断した環境とすることができ、搬送中における物品Wの汚損等を抑制し易くなっている。
【0045】
図3に示すように、本実施形態では、搬送用容器8は、物品Wの周囲を囲む箱状の本体部80と、本体部80から突出するように形成された搬送用のフランジ部81と、を有している。本体部80は、物品Wが載置される基台80aと、基台80aに載置された物品Wを上方から覆うカバー80bと、を有している。また、本例では、フランジ部81は、本体部80の上部(カバー80b)から上方に突出するように形成されている。これにより、搬送用容器8の上下方向の寸法が保管用容器7に比べて大きくなっている。
【0046】
保管用容器7は、保管庫1の内部で物品Wを搬送及び保管するために用いられる容器であって、搬送用容器8よりも高い収容効率で複数の物品Wを収容するように構成されている。本例では、保管用容器7は、搬送用容器8が収容可能な物品Wの数と同数の物品Wを収容可能であると共に、搬送用容器8よりも体積が小さく構成されている。これにより、容器体積に占める物品Wの収容空間の容積を大きく確保でき、搬送用容器8よりも高い収容効率を確保することが可能となっている。
【0047】
図3に示すように、本実施形態では、保管用容器7は、物品Wの周囲を囲む箱状に形成されている。本例では、保管用容器7は、物品Wを収容する本体70と、本体70に係合するカバー体71と、を有している。本体70とカバー体71とは、別体であっても良いし、ヒンジ等の連結部材によって連結されることにより、開閉自在かつ一体的に構成されていても良い。
【0048】
本実施形態では、保管用容器7の容器高さ7h(上下方向の寸法)は、搬送用容器8の容器高さ8hよりも低く形成されている。また、本例では、搬送用容器8及び保管用容器7の双方は、平面視における外形が矩形状(ここでは、四隅が円弧状とされた正方形状)に形成されている。図示の例では、保管用容器7の容器幅7w(平面視における外形の一辺の長さ)は、搬送用容器8の容器幅8wよりも小さく形成されている。従って、保管用容器7は、平面視の各辺の寸法及び高さ寸法のいずれについても、搬送用容器8よりも小さく形成されている。
【0049】
以上のように、保管用容器7が搬送用容器8よりも高い収容効率を有するため、物品Wを搬送用容器8に収容した状態のまま保管庫1で保管するよりも物品Wの保管効率を向上させることが可能となっている。また、保管庫1の内部では、物品Wを保管用容器7に収容した状態で搬送及び保管するため、例えば物品Wを容器に収容しない状態で搬送及び保管する場合に比べて、物品Wの汚損(例えば、破損、汚れ、劣化)等が生じる可能性を低減することが可能となっている。
【0050】
また、保管用容器7が搬送用容器8よりも小さく形成されているため、収容棚10に設けられた複数の収容部13同士の間隔を小さく設定し易い。特に、本例では、搬送用容器8が上下方向に突出するフランジ部81を有する一方で、保管用容器7はそのようなフランジ部を有しないため、上下方向に並ぶ複数の棚板12同士の上下方向の間隔を小さく設定し易くなっている。従って、収容棚10が備える収容部13の規定数を多く設定し易くなり、物品Wを搬送用容器8に収容した状態のまま保管庫1で保管するよりも物品Wの保管効率を向上させることが可能な構成を実現し易い。
【0051】
〔気体供給部〕
図1に示すように、本実施形態では、物品保管設備100は、保管庫1の内部を特定成分の気体による特定雰囲気とするために、特定成分の気体を供給するための気体供給部5を更に備えている。気体供給部5によって供給される特定成分の気体は、例えば、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性気体や、クリーンドライエア(CDA)と言われる低湿度で高清浄度の空気等である。以下、特定成分の気体のことを特定気体と称する。
【0052】
図1及び図4に示すように、気体供給部5は、保管庫1の内部に、特定気体を供給するように構成されている。ここでは、気体供給部5は、保管庫1の内部の各領域における特定気体の濃度が均等になるように、保管庫1の内部の各所に特定気体を供給する。本実施形態では、気体供給部5は、気体供給源50と、気体供給源50に連結された母配管51と、母配管51から分岐して保管庫1の内部に特定気体を供給する供給配管52と、供給配管52に設けられて特定気体の流量を調整する流量調整部53(MFC : Mass Flow Controller)と、保管庫1の内部における圧力を計測する圧力計54と、圧力計54による計測結果に基づいて流量調整部53を制御する流量制御装置5Cと、を備えている。但し、このような構成に限定されることなく、気体供給部5は、圧力計54に代えて、或いは、圧力計54に加えて、特定気体の流量を検知する流量センサを備えていても良い。この場合、流量制御装置5Cは、流量センサによる検知結果に基づいて流量調整部53を制御するようにしても良い。
【0053】
図4に示すように、本実施形態では、気体供給部5は、特定気体を保管庫1の内部空間に吐出するように構成されている。本例では、複数の供給配管52によって、特定気体が保管庫1の内部空間の各所に吐出される。上記構成により、規定数の収容部13のそれぞれに特定気体を供給する構成に比べて、特定気体を供給するための配管の数を少なく抑えることができ、更には、流量調整部53や流量センサなどの数も少なく抑えることができる。
【0054】
このように、本実施形態では、気体供給部5によって、保管庫1の内部空間を、特定気体による特定雰囲気とすることができる。そして、上述のように、保管庫1の外部における物品Wの搬送に用いられる搬送用容器8は、保管庫1の内部に収容される保管用容器7よりも、気密性が高い構造となっており、換言すれば、保管用容器7は、搬送用容器8に比べて気密性が低い構造となっている。これにより、保管用容器7が保管庫1の内部にある状態では、保管庫1内に供給された特定気体が保管用容器7に浸入し易くなる。そのため、保管用容器7の容器内部も特定雰囲気に近い環境とすることができ、保管庫1における保管中の物品Wの汚損等を適切に抑制することが可能となっている。
【0055】
〔その他の実施形態〕
次に、物品保管設備のその他の実施形態について説明する。
【0056】
(1)上記の実施形態では、規定数の収容部13のそれぞれに、実保管用容器7fおよび空保管用容器7eのいずれかが収容されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、規定数の収容部13のうちの一部は、実保管用容器7fおよび空保管用容器7eのいずれもが収容されていない状態とされていても良い。
【0057】
(2)上記の実施形態では、搬送用容器8が、物品Wの周囲を囲む箱状の本体部80と、本体部80から突出するように形成された搬送用のフランジ部81と、を有している例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、搬送用容器8は、保管庫1の外部において搬送されるために適した構成とされていれば良い。例えば搬送用容器8は、フランジ部81を有さない構成とされていても良い。
【0058】
(3)上記の実施形態では、第2載置部42Pは、天井搬送車として構成される外部搬送装置3から、搬送用容器8を受け取るように構成されている例について説明した。しかし、このような構成に限定されることなく、第2載置部42Pは、床面を走行する床面搬送車として構成された外部搬送装置3から、搬送用容器8を受け取るように構成されていても良い。或いは、第2載置部42Pは、天井搬送車や床面搬送車などの外部搬送装置3によらず、人手によって搬送された搬送用容器8を受け取るように構成されていても良い。
【0059】
(4)上記の実施形態では、保管庫1への物品Wの入庫後において、外部搬送装置3が、入替装置4によって物品Wが取り出されて空になった空搬送用容器8eを、第2載置部42Pから保管庫1の外部に設けられた搬送対象場所へ搬送する例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、保管庫1への物品Wの入庫後に空となった空搬送用容器8eは、第2載置部42Pに載置された状態とされていても良い。この場合、保管庫1から次の物品Wが出庫される際に、当該空搬送用容器8eが用いられると良い。
【0060】
(5)上記の実施形態では、保管用容器7は、搬送用容器8が収容可能な物品Wの数と同数の物品Wを収容可能であると共に搬送用容器8よりも小さく構成されていることで、搬送用容器8よりも高い収容効率で複数の物品Wを収容するように構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、保管用容器7は、搬送用容器8が収容可能な物品Wの数よりも多くの物品Wを収容可能に構成されていても良い。この場合において、保管用容器7は、搬送用容器8と同等の大きさに構成されていても良いし、搬送用容器8よりも大きく構成されていても良い。
【0061】
(6)上記の実施形態では、物品Wがレチクル(フォトマスク)である例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、物品保管設備100が半導体設備に適用される場合、物品Wは、例えばシリコンウェハであっても良い。シリコンウェハも、品質の維持のために、特定成分の気体による特定雰囲気が必要な部材を備えた物品Wの一例である。また、物品保管設備100が適用される用途によって、物品保管設備100において搬送対象及び保管対象となる物品Wは、適宜変更可能である。例えば、物品保管設備100が食品加工場や半導体以外の他の製造設備に適用される場合には、物品Wは、加工対象物や製造対象物等であっても良い。
【0062】
(7)上記の実施形態では、内部搬送装置2がスタッカークレーンである構成を例として説明したが、これには限定されない。内部搬送装置2が、例えば、コンベヤや搬送車等を用いた搬送装置で構成されていてもよい。
【0063】
(8)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0064】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した物品保管設備について説明する。
【0065】
保管庫を備えた物品保管設備であって、
前記保管庫の内部に設けられ、保管用容器を収容する収容棚と、
前記保管庫の内部に設けられ、前記保管用容器が載置される第1載置部と、
前記収容棚と前記第1載置部との間で前記保管用容器を搬送する内部搬送装置と、
前記保管庫の外部に設けられ、搬送用容器が載置される第2載置部と、
入替装置と、を備え、
前記搬送用容器は、前記保管庫の外部で物品を搬送するために用いられる容器であって、複数の前記物品を収容するように構成され、
前記保管用容器は、前記保管庫の内部で前記物品を搬送及び保管するために用いられる容器であって、前記搬送用容器よりも高い収容効率で複数の前記物品を収容するように構成され、
前記入替装置は、前記第1載置部に載置された前記保管用容器と前記第2載置部に載置された前記搬送用容器との間で、前記物品の入れ替えを行うように構成されている。
【0066】
本構成によれば、保管庫において物品を保管する際には、保管庫の外部での搬送に用いられる搬送用容器よりも収容効率が高い保管用容器を用いるため、物品を搬送用容器に収容した状態のまま保管庫で保管するよりも物品の保管効率を向上させることができる。更に、本構成によれば、保管庫の内部では、物品を保管用容器に収容した状態で搬送及び保管するため、物品を容器に収容しない状態で搬送及び保管する場合に比べて、物品の汚損等が生じる可能性を低減できる。
【0067】
ここで、
前記収容棚は、前記保管用容器を収容する収容部を規定数備え、
前記規定数の前記収容部のそれぞれには、前記物品を収容した前記保管用容器である実保管用容器、及び、前記物品を収容していない前記保管用容器である空保管用容器のいずれかが収容されていると好適である。
【0068】
本構成によれば、収容棚に収容可能な最大数の保管用容器を予め保管庫の内部に備えておくことができる。そして、入替装置によって保管用容器から搬送用容器に物品を入れ替える場合には、内部搬送装置によって、空保管用容器を保管庫内の収容部から第1載置部に搬送することができる。そのため、本構成によれば、物品の入れ替えのために必要な空保管用容器を、保管庫以外の他の場所に準備しておいたり、内部搬送装置以外の他の装置等によって第1載置部に搬送する必要が無い。
【0069】
また、
前記保管用容器は、前記物品の周囲を囲む箱状に形成され、
前記搬送用容器は、前記物品の周囲を囲む箱状の本体部と、前記本体部から突出するように形成された搬送用のフランジ部と、を有すると好適である。
【0070】
本構成によれば、搬送用容器については、フランジ部を利用することによって、搬送装置による搬送を容易なものとすることができる。一方、保管用容器については、搬送用容器が備えるフランジ部等を有しない箱状に形成されている。そのため、保管用容器による物品の収容効率は維持しつつ、保管用容器の小型化を図ることができる。従って、本構成によれば、保管庫の外部においては搬送用容器の搬送を行い易く、保管庫の内部においては物品の収容効率を高め易い構成とすることができる。
【0071】
また、
前記物品は、品質の維持のために特定成分の気体による特定雰囲気が必要な部材を備えており、
前記保管庫の内部を前記特定雰囲気とするために特定成分の気体を供給する気体供給部を更に備えると好適である。
【0072】
本構成によれば、保管庫の内部を、特定成分の気体による特定雰囲気の環境とすることができる。そのため、保管中における物品の汚損等が生じる可能性を更に低減することが可能となる。
【0073】
また、上記のような気体供給部を備えた構成において、
前記搬送用容器は、前記保管用容器よりも気密性が高い構造であると好適である。
【0074】
本構成によれば、搬送用容器の容器内部を外部から遮断した環境とすることができ、搬送中における物品の汚損等を抑制し易い。一方、保管用容器は搬送用容器よりも気密性が低くなるが、これにより、保管用容器が保管庫の内部にある状態では、保管庫内に充填された特定成分の気体が保管用容器に浸入し易くなる。そのため、保管用容器の容器内部も特定雰囲気に近い環境とすることができ、保管庫における保管中の物品の汚損等を抑制することが可能となる。
【0075】
また、
前記第2載置部は、前記保管庫の外部において前記搬送用容器を搬送する外部搬送装置から、前記搬送用容器を受け取るように構成されていると好適である。
【0076】
本構成によれば、第2載置部への搬送用容器の搬送を、人手によらず外部搬送装置によって行うことができる。
【0077】
また、
前記外部搬送装置は、前記入替装置によって前記物品が取り出されて空になった前記搬送用容器である空搬送用容器を、前記第2載置部から前記保管庫の外部に設けられた搬送対象場所へ搬送すると好適である。
【0078】
本構成によれば、現時点では物品を収容する必要のない空搬送用容器を第2載置部以外の場所(搬送対象場所)に退避させておくことができる。そのため、例えば保管用容器との間で物品の入れ替えが必要な他の搬送用容器を、第2載置部に搬送することができ、設備の稼働率を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本開示に係る技術は、物品保管設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0080】
100 :物品保管設備
1 :保管庫
10 :収容棚
13 :収容部
2 :内部搬送装置
3 :外部搬送装置
4 :入替装置
41P :第1載置部
42P :第2載置部
5 :気体供給部
7 :保管用容器
7e :空保管用容器
7f :実保管用容器
8 :搬送用容器
8e :空搬送用容器
8f :実搬送用容器
80 :本体部
81 :フランジ部
W :物品
図1
図2
図3
図4